JP2005005405A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板にマスクパターンを形成し、このマスクパターンをマスクとして、イオンを注入し、非晶質層を形成する。その後、エッチングによりこのマスクパターンの幅を狭める。そして、幅の狭くなったマスクパターンをマスクとして、拡散層を形成するためのイオン注入を行い、拡散層を形成する。これにより、非晶質層と、拡散層との境界付近に形成される2次欠陥部を、拡散層内部に取り込む。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。更に、具体的には、拡散層を備える半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の微細化、高集積化に伴い、1の半導体装置内に、複数のトランジスタを形成する必要が生じている。しかし、単にトランジスタの数を増加させただけでは、消費電力が増加してしまう。このため、個々のトランジスタに印加する電圧を低下させる必要がある。また、印加電圧を低くしても、スイッチング速度が低下しないようにするため、個々のトランジスタのゲート長の縮小が必要となる。
【0003】
しかし、ゲート長の短いトランジスタでは、しきい電圧のロールオフ現象が著しい。このため、ロールオフ現象に対する対策として、ソース・ドレイン・エクステンションの浅接合化が進められている。例えば、65nm技術ノードのCMOSトランジスタでは、ゲート長が、32nm、ソース・ドレイン・エクステンションの接合深さが10〜17nmという値がITRS(International Technology Roadmap for Semiconductor)により推奨されている。
【0004】
このような極浅接合としては、一般に、SPE(固相エピタキシャル;Solid Phase Epitaxy)接合が提案されている。このSPEによる極浅接合は、以下のような方法により実現される。
【0005】
まず、素子分離領域、WELL等の形成された基板に、ゲート絶縁膜、ゲート電極を形成する。その後、ゲート電極と、ゲート絶縁膜とをマスクとして、GeまたはSiイオンを注入し、基板表面に非晶質層を形成する。その後、Bイオン等を注入して、エクステンションを形成する。更に、サイドウォールを形成し、再び、Bイオン等の注入を行い、ソース・ドレインを形成する。
【0006】
この浅接合の形成方法においては、Bイオン注入前に、予めGeイオン等を注入して非晶質層を形成している。これにより、Bイオンを注入するときの注入エネルギーをある程度抑えて、Bイオンの飛程を小さくすることができ、また、エクステンション形成時の注入イオンによるチャネリングを防止することができる。
【0007】
また、Bイオン注入によるダメージ回復には、ある程度の高温以上のアニールが必要となる。しかし、高温アニールを行うと、接合が延びて深くなり、浅い接合の実現ができなくなってしまう。従って、極浅接合の形成の場合、低温アニール、短時間アニールを採用し、浅い接合の実現を優先している。このため、ダメージ回復は、不十分となり、エクステンション形成のためのイオンの注入飛程位置付近に、2次欠陥部が残存することとなる。
【0008】
一方、エクステンション、ソース・ドレインと、基板との接合部には、空乏層が生じている。この空乏層は、基板と、エクステンション、ソース・ドレインとの不純物濃度に比して低いため、エクステンション、ソース・ドレインの外側に、基板側に広がる形で形成される。この空乏層と、上述の2次欠陥部とが接すると、接合リーク電流が発生してしまう。
【0009】
そこで、2次欠陥部と、空乏層との接触を防止するため、エクステンション形成用のBイオン等の注入の際、非晶質層より深くなるように、Bイオンを注入する方法が考えられている。このようにすれば、エクステンション底部における2次欠陥部は、エクステンション内に取り込まれ、空乏層と、2次欠陥部との接触をある程度抑えられるものと考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−41240号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように、エクステンション、ソース・ドレイン形成のためのイオン注入を深くするようにしても、チャネル領域付近、即ち、基板のゲート絶縁膜下方付近において、2次欠陥部と、空乏層との接触が考えられる。このため、この部分においては、リーク電流の発生を抑えることができない。
【0012】
そこで、この発明は、上述の問題を解決し、極浅接合を実現しつつ、2次欠陥部と、空乏層との接触によるリーク電流を抑えることができる改良した半導体装置及び半導体装置の製造方法を提案するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
従って、この発明における半導体装置は、基板と、
前記基板内に形成された拡散層と、
前記拡散層内に形成された2次欠陥部と、
前記基板内に、前記拡散層の外側を囲むように形成された空乏層と、
前記基板上の、前記拡散層の間に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
を備えるものである。
【0014】
また、この発明における半導体装置の製造方法は、基板にマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、
前記マスクパターンをマスクとして、イオンを注入し、非晶質層を形成する非晶質層形成工程と、
前記マスクパターンの幅を狭めるエッチングを行うエッチング工程と、
幅の狭くなった前記マスクパターンをマスクとして、イオン注入を行い、拡散層を形成する拡散層形成工程と、
を備えるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【0016】
実施の形態.
図1は、この発明における半導体装置100を説明するための断面模式図である。また、図2は、半導体装置100の各層の不純物注入分布を示すグラフ図である。
半導体装置100は、pチャネルMOSFETである。
【0017】
図1に示すように、半導体装置100において、Si基板2には、素子分離領域(STI;Shallow Trench Isolation)4が形成され、STI4に区画された活性領域には、WELL6が形成されている。
【0018】
また、Si基板2の表面付近には、Bイオン等のp型不純物が注入された拡散層8が形成されている。拡散層8は、エクステンション10と、ソース・ドレイン12とにより構成される。図1、2に示すように、エクステンション10は、接合深さが20nm〜30nm程度と比較的浅く、また、比較的不純物濃度の低い低濃度不純物拡散層である。また、ソース・ドレイン12は、エクステンション10に比して、接合深さが50nm〜80nm程度と深く、また、比較的不純物濃度の高い高濃度不純物拡散層である。
【0019】
エクステンション10の接合深さ20nm〜30nm程度の位置、即ち、エクステンション10形成の際に注入されるイオンの飛程(RP)位置付近に、エクステンション10と、ソース・ドレイン12とにより内部に取り込まれるようにして、2次欠陥部14が形成されている。
更に、エクステンション10、ソース・ドレイン12からなる拡散層8の外側を覆うように、Si基板2側に、空乏層16が形成されている。
【0020】
Si基板2上の、ソース・ドレイン12間のチャネル部分には、SiONからなるゲート絶縁膜20が形成されている。また、ゲート絶縁膜20上には、Poly−Siからなるゲート電極22が形成されている。ゲート絶縁膜20、ゲート電極22の幅は、約60nm程度である。更に、ゲート絶縁膜20と、ゲート電極22との側面部には、サイドウォール24が形成されている。サイドウォール24の幅は、片側において最大で、80nm程度である。
【0021】
また、ゲート絶縁膜20と、ゲート電極22と、サイドウォール24とを埋め込むようにして、Si基板2上には、層間絶縁膜30が形成されている。層間絶縁膜30には、その表面から、Si基板2表面のソース・ドレイン12表面にまで貫通するコンタクトプラグ32が形成されている。また、層間絶縁膜30表面、かつ、コンタクトプラグ32上には、金属配線34が形成されている。
【0022】
上述したように、2次欠陥部14は、エクステンション10と、ソース・ドレイン12とからなる拡散層8の内部に形成されている。また、空乏層16は、拡散層8より外側を囲むように形成されている。従って、この半導体装置100においては、2次欠陥部14と、空乏層16とが直接接触することがない。
【0023】
図3は、この発明の実施の形態における半導体装置100の製造方法を説明するためのフロー図である。また、図4〜図7は、半導体装置100の各製造工程における状態を説明するための断面模式図である。
以下、図1〜図7を用いて、この発明の実施の形態における半導体装置の製造方法について説明する。
【0024】
まず、図4に示すように、Si基板2上に、STI4を形成する(ステップS2)。STI4は、Si基板2に、比較的浅い溝を形成した後、この溝に、SiO2を埋め込むことにより形成される。その後、STI4で分離された領域に、WELL6を形成する(ステップS4)。ここでは、半導体装置100がPMOSFETであるため、n型の不純物を注入する。
【0025】
次に、Si基板2上に、SiON膜42を形成する(ステップS6)。SiON膜42は、後のエッチングによりゲート絶縁膜20となる材料膜である。ここでは、SiON膜42は、Si基板2を、N雰囲気下で酸化することにより形成する。
【0026】
次に、SiON膜42上に、Poly−Si膜44を形成する(ステップS8)。Poly−Si膜44は、その後の加工により、ゲート電極22となる材料膜である。Poly−Si膜44は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
【0027】
次に、Poly−Si膜44上にレジストパターン46を形成する(ステップS10)。レジストパターンは、Poly−Si膜44上に、レジストを塗布した後、露光、下像処理を施すことにより形成される。レジストパターン46は、Poly−Si膜44のゲート電極22となる部分を覆うゲート電極22加工用のマスクパターンである。但し、レジストパターン46の幅は、最終的に形成されるゲート電極20の幅よりも広く、140nm程度である。
【0028】
次に、図5に示すように、レジストパターン46をマスクとして、エッチングを行う(ステップS12)。これにより、Poly−Si膜44が、レジストマスク46と同様に140nm程度の幅にエッチングされ、ゲート電極52が形成される。ゲート電極52は、最終的に形成されるゲート絶縁膜20の幅(60nm程度)より広くなっている。その後、ゲート電極52をマスクにSiON膜42のウエットエッチングを行い(ステップS14)、SiON膜42の表面に露出する部分を除去し、ゲート電極52と同じ幅(140nm程度)のゲート絶縁膜50に加工する。
【0029】
次に、Geイオンの注入を行う(ステップS16)。ここでは、図2に示すような不純物濃度の分布を示すように、15keV程度の注入エネルギーで、ドーズ量6E14cm−2程度のGeイオンを、ゲート電極50をマスクとして、注入する。これにより、図5に示すように、深さ30nm〜60nm程度の非晶質層54が形成される。
【0030】
次に、ゲート絶縁膜50及びゲート電極52のエッチングによりゲートスリミングを行う(ステップS18)。これにより、ゲート絶縁膜50、ゲート電極52は、片側40nm程度ずつ両側がエッチングされて、60nm程度の幅のゲート絶縁膜20、ゲート電極22が形成される。
【0031】
次に、スリミングされたゲート電極20をマスクとして、Bイオンの注入を行う(ステップS20)。ここでは、200〜300eV以下の極低加速エネルギーで、ドーズ量2E15cm−2程度のBイオンを注入する。これにより、図6に示すように、接合深さ20nm〜30nm程度の浅いエクステンション10が形成される。また、ここで、エクステンション10と、非晶質層54との境界部付近、即ち、エクステンション形成用のBイオンの飛程(RP)位置付近には、2次欠陥部14が発生する。
【0032】
次に、ダメージ回復のため、アニールを行う(ステップS22)。ここでは、SPE(Solid Epitaxial;固相エピタキシャル)による650℃程度の低温アニールを行う。これにより、エクステンション10の延びを抑制して、極浅接合を確保することができる。
【0033】
また、低温アニールであるため、2次欠陥部14は、完全には解消せず、エクステンション10と、非晶質層54との境界部付近には、未だに、2次欠陥部14が残存する状態となっている。しかし、非晶質層54の形成の際には、幅の広いゲート電極52をマスクとし、エクステンション10形成用のBイオン注入の際は、幅の狭いゲート電極22をマスクとしている。この両マスクは、両側にそれぞれ、40nm程度ずつの差があるため、幅の狭いゲート電極22直下付近には、非晶質層54が形成されず、エクステンション10のみが形成された状態となっている。即ち、ゲート電極22直下付近においては、エクステンション10の内側に非晶質層54が取り込まれた状態となっている。従って、エクステンション10と、非晶質層54との界面に形成される2次欠陥部14も、ゲート電極22直下付近より外側の非晶質層54内にのみ発生した状態となっている。
【0034】
次に、図7に示すように、ゲート電極22とゲート絶縁膜20との側面に、サイドウォール24を形成する(ステップS24)。ここでは、サイドウォール24は、先ず、ゲート電極22と、ゲート絶縁膜20とを埋め込むようにして、Si基板2上に、SiN膜を形成した後、これをエッチバックすることにより形成する。サイドウォール24の幅は20nm程度である。従って、ゲート電極22と、その両端のサイドウォール24とをあわせると、幅100nm程度となる。この幅は、スリミング前のGeイオン注入に用いるゲート電極52の幅(140nm)よりは狭く、両側に、それぞれ20nmずつの差が存在する。
【0035】
次に、ゲート電極22と、サイドウォール24とをマスクとして、Bイオンの注入を行う(ステップS26)。ここでは、5KeVの加速エネルギーで、深さ50nm程度と比較的深くに、ドーズ量1E15cm−2程度のBイオンを注入する。これにより、深いソース・ドレイン領域12を形成する。
【0036】
Bイオンは、エクステンション10形成用のイオン注入時よりも大きなエネルギーで注入され、従って、エクステンション10形成の際のイオンの飛程(RP)より深い位置までイオン注入される。従って、これにより、イオンの飛程(RP)に形成された2次欠陥部14は、完全に、エクステンション10及びソース・ドレイン12からなる拡散層8内部に取り込まれた状態となる。
【0037】
また、B注入の際に用いられるマスクは、ゲート電極22と、サイドウォール24である。この幅(100nm程度)は、非晶質層54形成の際にマスクとして用いられるゲート電極52の幅(140nm程度)よりも狭くなっている。従って、ゲート電極22直下付近においても、2次欠陥部14は、拡散層8内部に取り込まれた状態となっている。
【0038】
また、エクステンション10とソース・ドレイン12からなる拡散層8の外側には、同時に、空乏層16が形成される。エクステンション10とソース・ドレイン12との不純物濃度は、Si基板2の不純物濃度よりも高いことから、空乏層16は、拡散層8よりSi基板2側へ大きく広がるように形成される。従って、2次欠陥部14は、空乏層16側に突き出ることなく、拡散層内部に取り込まれたままの状態が保たれている。
【0039】
次に、活性化のためのアニールを行う(ステップS28)。ここでは、900℃以下の温度で、短時間のアニールを行う。
【0040】
その後、ゲート絶縁膜20、ゲート電極22、サイドウォール24を埋め込むようにして、Si基板2上に層間絶縁膜30を形成する(ステップS30)。次に、コンタクトプラグ32を形成する(ステップS32)。コンタクトプラグ32は、層間絶縁膜30に、ソース・ドレイン12に達する貫通孔を形成し、これにWを埋め込み、平坦化を行うことにより形成する。また、層間絶縁膜30表面、かつ、コンタクトプラグ32上に、金属配線を形成する(ステップS34)。
これにより、図1に示すように、半導体装置100を得ることができる。
【0041】
以上説明したように、この実施の形態においては、浅接合実現のための、プリアモルファス注入(ステップS16)を、比較的幅の太いゲート電極52をマスクとして行う。一方、エクステンション10形成のためのBイオン注入(ステップS20)を、幅の狭いゲート電極22をマスクとして行う。更に、ソース・ドレイン12形成のためのBイオン注入(ステップS26)を、ゲート電極52より幅の狭いゲート電極22と、サイドウォール24とをマスクとして行う。従って、非晶質層50と、エクステンション10との境界付近に形成される2次欠陥部14を、完全に、拡散層8内部に取り込むことができる。従って、拡散層8の外側に形成される空乏層16と、2次欠陥部14との接触を防止することができる。このようにして、半導体装置100においては、浅接合を実現しつつ、低温処理によっても、リーク電流を抑えることができる。
【0042】
なお、この実施の形態においては、拡散層8が、不純物濃度の低く、接合深さの浅いエクステンション10と、不純物濃度の高く、接合深さの深いソース・ドレイン12とから形成されている場合について説明した。しかし、この発明は、これに限るものではなく、例えば、不純物濃度や、深さの異ならないものであってもよい。この場合には、例えば、実施の形態において説明したのと同様に、Geイオンを注入した後、ゲート電極52等をスリミングして、幅の狭いゲート電極22をマスクとして、一度のイオン注入で、非晶質層54より深くまで拡散層が形成される条件で、Bイオンを注入すればよい。このようにすれば、非晶質層54と、拡散層との界面に形成される2次欠陥部を、拡散層内に取り込むことができる。
【0043】
また、この実施の形態においては、非晶質層14形成のため、Geイオンを用いたが、この発明は、Geを注入する場合に限るものではなく、例えば、Si等を用いるものであってもよい。また、拡散層8形成のため、Bイオンを注入したが、この発明はBイオンに限るものではなく、他のp型のイオンを注入するものであってもよい。
【0044】
また、この実施の形態においては、Geイオン注入のためのマスクとなるゲート電極52の幅を、140nmとし、エクステンション10形成のためのイオン注入時にマスクとなるゲート電極22の幅を60nmとし、更に、ソース・ドレイン12形成のためのイオン注入のマスクとなるサイドウォール24と、ゲート電極22との幅を100nmとして説明した。これは、90nm技術ノードを考慮に入れた値である。しかし、この発明は、この幅に限るものではなく、Geイオン注入のマスクが、拡散層形成のマスクの幅より長いものであれば良く、好適には、このマスクの幅が、片側ずつ、それぞれ、約20nm以上あるものがよい。また、この実施の形態のように、拡散層8を、接合の浅いエクステンション10と、深いソース・ドレイン12とで形成する場合には、Geイオン注入のためのマスク幅を最も長く、エクステンション10形成のためのマスク幅を最も短くし、ソース・ドレイン形成のためのマスク幅は、中間の長さとすればよい。
【0045】
また、エクステンション10用のBイオン注入後に、SPEによる低温アニールを行う場合について説明した。しかし、この発明において、ダメージ回復は、SPEに限るものではなく、例えば、フラッシュランプアニール等の極短時間のアニールを行うものであってもよい。また、2次欠陥部14は、最終的に、拡張層8内部に取り込まれるため、場合によっては、この熱処理工程を行わないものであってもよい。
【0046】
また、この実施の形態においては、半導体装置100がPMOSFETである場合について説明した。しかし、この発明は、PMOSに限るものではなく、例えばNMOSや、他のMIS等の半導体装置であってもよい。例えば、NMOSを形成する場合には、p型のWELLを形成し、Bイオン注入の変わりに、PやAs等のn型のイオンを注入すればよい。また、この発明は、例えば、半導体装置の他の部分において、極浅pn接合を実現する必要がある場合に適用することもできる。
【0047】
この発明において、各部材の形成材料や形成方法、あるいは膜厚や注入量や熱処理温度等の条件は、この実施の形態において説明したものに限るものではない。各部材の形成材料等は、この発明の範囲内において、各部材の機能を発揮できるものを選択すればよく、その形成方法や、条件は、材料に応じて適切なものを選択すればよい。
【0048】
なお、例えば、実施の形態において、ステップS6〜S14を実行することにより、この発明のマスクパターン形成工程が実行される。また、例えば、ステップS16、S18を実行することにより、この発明の非晶質層形成工程、エッチング工程が実行される。また、例えば、ステップS20〜S28を実行することにより、この発明の拡散層形成工程が実行され、ステップS20〜S22を実行することにより、エクステンション形成工程が、ステップS24を実行することにより、サイドウォール形成工程が、ステップS26、S28を実行することにより、ソース・ドレイン形成工程が、それぞれ実行される。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、非晶質層を形成した後、マスクパターンをエッチングしてその幅を狭めて、これをマスクとして拡散層形成用のイオン注入を行う。従って、非晶質層と、拡散層との境界部に発生される2次欠陥部を、拡散層内に取り込むことができる。従って、拡散層の外側を覆うように形成される空乏層と、2次欠陥部との接触を抑えることができる。これにより、半導体装置のリーク電流を防止することができ、かつ、浅接合を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における半導体装置を説明するための断面模式図である。
【図2】この発明の実施の形態における半導体装置の各層の不純物濃度の分布を説明するためのグラフ図である。
【図3】この発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を説明するためのフロー図である。
【図4】この発明の実施の形態における半導体装置の製造過程の状態を説明するための断面模式図である。
【図5】この発明の実施の形態における半導体装置の製造過程の状態を説明するための断面模式図である。
【図6】この発明の実施の形態における半導体装置の製造過程の状態を説明するための断面模式図である。
【図7】この発明の実施の形態における半導体装置の製造過程の状態を説明するための断面模式図である。
【符号の説明】
100 半導体装置
2 Si基板
4 STI(素子分離領域)
6 WELL
8 拡散層
10 エクステンション
12 ソース・ドレイン
14 2次欠陥部
16 空乏層
20 ゲート絶縁膜(SiON膜)
22 ゲート電極(Poly−Si膜)
24 サイドウォール
30 層間絶縁膜
32 コンタクトプラグ
34 配線金属
42 SiON膜
44 Poly−Si膜
46 レジストパターン
50 ゲート絶縁膜
52 ゲート電極
54 非晶質層
Claims (7)
- 基板と、
前記基板内に形成された拡散層と、
前記拡散層内に形成された2次欠陥部と、
前記基板内に、前記拡散層の外側を囲むように形成された空乏層と、
前記基板上の、前記拡散層に挟まれた部分に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
を備えることを特徴とする半導体装置。 - 前記拡散層は、比較的接合深さの浅いエクステンションと、比較的接合深さの深いソース・ドレインとを含み、
前記2次欠陥部は、前記エクステンション形成のために注入するイオンの飛程位置付近に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 基板にマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程と、
前記マスクパターンをマスクとして、イオンを注入し、非晶質層を形成する非晶質層形成工程と、
前記マスクパターンの幅を狭めるエッチングを行うエッチング工程と、
幅の狭くなった前記マスクパターンをマスクとして、イオン注入を行い、拡散層を形成する拡散層形成工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記エッチング工程前のマスクパターンの幅と、前記エッチング工程後のマスクパターンとの幅は、片側において、20nm以上の差があることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記マスクパターンは、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とからなることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記拡散層形成工程は、
前記マスクパターンをマスクとして、前記2次欠陥部よりも浅い位置にイオン注入を行い、エクステンションを形成するエクステンション形成工程と、
前記マスクパターンの側部に、サイドウォールを形成するサイドウォール形成工程と、
前記サイドウォールと、前記マスクパターンとをマスクとして、前記2次欠陥部よりも深い位置までイオンを注入し、ソース・ドレインを形成するソース・ドレイン形成工程と、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記サイドウォールと、前記エッチング後のマスクパターンとを合わせた幅は、前記エッチング前のマスクパターンの幅よりも狭いことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
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