JP2005005064A - 帯電防止基材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材の表面抵抗値を低下させることができるようにする。
【解決手段】帯電防止基材は、基材1上に、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子および結合材を含有する透明導電性膜2と、透明導電性膜2よりも高屈折率の物質からなる透明高屈折率膜3と、透明導電性膜2よりも低屈折率の物質からなる透明低屈折率膜4とが順次積層され構成を有し、透明高屈折率膜3が導電性酸化物微粒子を含有する。
【選択図】 図1
【解決手段】帯電防止基材は、基材1上に、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子および結合材を含有する透明導電性膜2と、透明導電性膜2よりも高屈折率の物質からなる透明高屈折率膜3と、透明導電性膜2よりも低屈折率の物質からなる透明低屈折率膜4とが順次積層され構成を有し、透明高屈折率膜3が導電性酸化物微粒子を含有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、静電気の発生を防止することができる帯電防止基材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック基材は、クリーンルームで使用される仕切り板などのプラスチックパネル、TV(Television)前面の保護フィルター、リアプロジェクションTVの前面パネル等として用いられている。ところが、プラスチック基材は静電気を発生しやすいため、ゴミや埃が表面に付着してクリーン度が低下したり、画像が乱れたりするなどの問題がある。
【0003】
そこで、表面抵抗を下げて導電性を付加することにより、静電気の発生を防止する帯電防止基材が提案されている。表面抵抗を下げる具体的方法としては、界面活性剤を基材に練り込む方法と、界面活性剤を表面に塗布する方法とが提案されている。この帯電防止基材は、透明性に優れている、という利点を有するが、導電機構がイオン導電であるために、乾燥状態では帯電防止効果が低下する、という欠点を有している。また、ブリードアウト等によって経時的に帯電防止効果が薄れてしまう、という欠点も有している。
【0004】
そこで、これらの欠点を改善すべく、導電性酸化物微粒子が含有された透明導電性膜を一主面に形成した帯電防止基材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この透明導電性膜は、酸化インジウム錫(ITO;Indium−Tin−Oxide)、酸化アンチモン錫(ATO;Antimony−Tin−Oxide)、酸化錫に代表される導電性酸化物微粒子を樹脂に分散させて調合した塗料を基材上に塗布し、硬化することにより形成される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−80828号公報
【0006】
ところが、この帯電防止基材では、透明導電性膜を形成した面の反射率が高い、という問題がある。そこで、数種の機能膜を積層した光学反射防止膜を透明導電性膜上に形成して表面反射を抑制することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、数種の機能膜を積層した光学反射防止膜を透明導電性膜上に形成すると、帯電防止基材の導電性が低下してしまう、という問題が生じる。これは、積層された機能膜の表面抵抗が、下層から上層に向かうに従って大きくなるためである。
【0008】
また、酸化インジウム錫(ITO)、酸化アンチモン錫(ATO)および酸化錫などの導電性酸化物微粒子を含有した導電性膜では、良好な透明性を得ることができない、という問題がある。良好な透明性が得られない理由として、上述した導電性酸化物微粒子の導電性および表面抵抗の安定性を高めるために、異種元素であるアンチモン、スズ等を少量ドープしており、このドープした異種元素によって可視光線が吸収されてしまうことを挙げることができる。
【0009】
したがって、この発明の目的は、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材の表面抵抗値を低下させることができる帯電防止基材およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
また、この発明の目的は、使用環境に左右されること無く長期にわたって帯電防止機能を維持することができ、且つ、優れた透明性を実現することができる帯電防止基材およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、基材上に、
パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子および結合材を含有する透明導電性膜と、
透明導電性膜よりも高屈折率の物質からなる透明高屈折率膜と、
透明導電性膜よりも低屈折率の物質からなる透明低屈折率膜と
が順次積層された構成を有し、
透明高屈折率膜が、導電性酸化物微粒子を含有することを特徴とする帯電防止基材である。
【0012】
請求項9に係る発明は、基材上に、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子および結合材を含有する透明導電性膜を形成する工程と、
透明導電性膜よりも高屈折率の物質からなる透明高屈折率膜を透明導電性膜上に形成する工程と、
透明導電性膜よりも低屈折率の物質からなる透明低屈折率膜を透明高屈折率膜上に形成する工程と
を有し、
透明高屈折率膜を形成する工程が、導電性酸化物微粒子を含有する塗料を作製する工程と、
塗料を透明導電性膜上に塗布し、硬化させる工程と
からなることを特徴とする帯電防止基材の製造方法である。
【0013】
この発明によれば、帯電防止基材が、基材上に、透明導電性膜、透明高屈折率膜、透明低屈折率膜を順次積層した構成を有し、透明高屈折率膜には導電性酸化物微粒子が含有されているため、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材の表面抵抗を低下させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
【0015】
図1は、この発明の一実施形態による帯電防止基材の構成の一例を示す断面図である。図1に示すように、この帯電防止基材は、透明導電性膜2、透明高屈折率膜3、透明低屈折率膜4を、基材1上に順次積層した構成を有する。この帯電防止基材は、例えば、プロジェクタの前面パネルに適用して好適なものである。
【0016】
帯電防止基材において、透明低屈折率膜4が形成された側の表面抵抗は、5×108Ω・cm−2〜5×1010Ω・cm−2の範囲であることが好ましい。5×108Ω・cm−2より小さい場合には、漏電などを引き起こす恐れがある。一方、5×1010Ω・cm−2より大きい場合には、帯電防止の効果が小さく、ゴミや埃などが透明低屈折率膜4上に付着してしまう。また、透明低屈折率膜4が形成された面における反射率は、0.6以下であることが好ましい。反射率が0.6以上である場合には、良好な透明性が得られなくなるため、例えばCRT(Cathode−Ray Tube)等の表示装置に対して、この帯電防止基材を用いることが困難になる。
【0017】
基材1は、透明フィルムまたは透明板である。この基材1の材料は、基材1の光学的特性を考慮して選ばれ、具体的には、透明性および屈折率などを考慮して選ばれる。屈折率は、1.3〜1.7の範囲であることが好ましい。具体的には、基材1を構成する材料として、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ガラス板、アクリル系樹脂、メタクリルスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などを挙げることができる。
【0018】
透明導電性膜2は、導電性酸化物微粒子および結合材を含有する。この導電性酸化物微粒子としては、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子、酸化錫、ITO、ATOが用いられ、好ましくは、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子が用いられる。これは、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子が導電性に優れているためである。この五酸化アンチモン微粒子の平均粒子径は、20nm〜100nmの範囲から選ばれ、例えば20nmに選ばれる。平均粒子径が100nm以上である場合には、五酸化アンチモン微粒子によって散乱される光量が多くなり、透明性が低下してしまう。一方、平均粒子径が20以下である場合には、五酸化アンチモン微粒子がパイロクロア構造を有しにくくなるため、導電性が低下してしまう。
【0019】
透明導電性膜2の膜厚は、2000nm〜3000nmの範囲であることが望ましい。膜厚が2000nm以下である場合には、十分な導電性が得られず、帯電防止効果が不十分となる。また、膜厚が薄くなるために、実用に供するのに十分な耐擦傷性を得ることができなくなる。一方、膜厚が3000nm以上である場合には、透明性および反射防止特性が低下する。
【0020】
また、基材1の屈折率n1と、透明導電性膜2の屈折率n2とが、n1≦n2≦n1+0.05の関係を満たすことが好ましい。この範囲を超えると、基材1と、透明導電性膜2との間での光の干渉が大きくなり、反射防止特性が著しく劣化する。
【0021】
透明高屈折率膜3は、透明導電性膜2よりも高屈折率の物質からなる。この透明高屈折率膜3は、高屈折率を有する微粒子、具体的には、高屈折率を有する酸化物または合金酸化物微粒子等を含有する。酸化物微粒子としては、例えばTi、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sb、Si等の酸化物微粒子を挙げることができる。また、合金酸化物微粒子としては、例えばIn−Sn等の合金酸化物微粒子を挙げることができる。微粒子の平均粒子径は、好ましくは20nm〜100nmの範囲である。比表面積は、酸化物微粒子の材料に応じて選ばれ、好ましくは、75m2・g−1〜85m2・g−1の範囲に選ばれる。比表面積が上記範囲にある場合には、微粒子の分散処理により、塗料中における微粒子の粒度を100nm以下に抑えることができ、ヘイズの非常に小さい透明な光学膜を得ることができる。また、酸化物微粒子として、酸化チタンを用いる場合には、酸化チタンの触媒機能を抑制するために、酸化チタン表面をAl、Zrにより処理することが好ましい。このような処理を施すことにより、酸化物微粒子周辺に触媒機能を押さえ込むことができる。
【0022】
透明高屈折率膜3の膜厚は、50nm〜150nmの範囲であることが好ましい。透明高屈折率膜3の膜厚が50nm以下である場合には、反射率が大きくなり、且つ、導電性が低下する。一方、透明高屈折率膜3の膜厚が150nm以上である場合には、反射率が著しく大きくなる。透明低屈折率膜4は、透明導電性膜2よりも低屈折率の物質からなる。
【0023】
次に、上述のように構成されたこの一実施形態による帯電防止基材の製造方法について説明する。まず、導電性酸化物微粒子を溶媒(分散媒)に分散させたゾルに、結合材を配合して塗料を作製する。この溶媒としては、導電性酸化物微粒子を良く分散でき、且つ、結合材を溶解し得るものが選ばれ、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類を挙げることができる。また、低い表面エネルギーを有する基材1に塗料を塗布する場合には、より低い表面張力を有する溶媒を選択することが望ましく、例えば、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール等を挙げることができる。
【0024】
また、溶媒を、基材1が溶媒に対する耐久性を有しているか否かを考慮して選ぶことがさらに好ましい。例えば、基材1がメタクリルスチレンからなる場合には、溶媒として、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類を用いることが好ましい。
【0025】
また、結合材は、光学的な透明性を考慮して選ばれ、例えば、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネイト、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が選ばれる。また、結合材の硬化形態としては、熱硬化、紫外線硬化(UV硬化)または電子ビーム硬化(EB硬化)等を挙げることができ、これらの硬化形態に応じた硬化剤が、結合材に添加される。
【0026】
また、結合材の質量B1[g]に対する五酸化アンチモン微粒子の質量P1[g]の割合P1/B1(以下、P1/B1比)が0.8〜1.1の範囲となるように、五酸化アンチモン微粒子と結合材とを調合することが好ましい。P1/B1比が0.8未満の場合には、透明導電性膜2に含有される五酸化アンチモン微粒子の量が減少するため、表面抵抗値が高くなり、導電性が低下してしまう。一方、P1/B1比が1.1より大きい場合には、五酸化アンチモン微粒子により反射される光量が増加するため、良好な透明性を得ることができなくなる。
【0027】
また、塗料の固形分濃度が25重量%となるように、微粒子、分散剤、溶媒および結合材を調合することが好ましい。なお、固形分濃度C1[重量%]は、五酸化アンチモン微粒子の質量P1[g]、結合材の質量B1[g]、溶媒の質量S1[g]を用いて、
C1=(P1+B1)/(P1+B1+S1)×100・・・式(1)
により表される。
【0028】
次に、上述のようにして作製された塗料を、例えばディッピング塗布、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、またはダイコーティング等の各種方式によって基材1上に一様に塗布する。例えば、ディッピング方式により塗料を基材1上に塗布する場合には、膜厚2000nm〜3000nmの透明導電性膜2を基材1上に形成することを考慮すると、引き上げ速度を400mm・min−1〜700mm・min−1の範囲にする。なお、この引き上げ速度は、固形分濃度C1が25重量%の場合の値である。そして、基材1上に塗布された塗料を乾燥させる。この乾燥温度は、基材1の材料および結合材の種類に応じて選ばれ、例えば60℃〜150℃、好ましくは60℃〜90℃の範囲から選ばれる。基材1がアクリル樹脂等からなる場合には、乾燥温度を90℃以上にすると、基材1が変形したり、結合材が応変したりする。一方、乾燥温度が60℃以下の場合には、溶媒が残留してしまう。その後、乾燥した塗料を硬化させて、基材1上に透明導電性膜2を形成する。塗料の硬化形態は、結合材の種類に応じて選ぶことが好ましく、例えば、熱硬化、紫外線硬化、電子ビーム硬化などが選ばれる。
【0029】
次に、微粒子と、分散剤と、溶媒と、結合材とを調合して塗料を作製する。微粒子としては、高屈折率を有する微粒子、具体的には、高屈折率を有する酸化物または合金酸化物微粒子等を挙げることができる。酸化物微粒子としては、例えばTi、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sb、Si等の酸化物微粒子を挙げることができる。また、合金酸化物微粒子としては、例えばIn−Sn等の合金酸化物微粒子を挙げることができる。分散剤としては、例えばウレタンアクリレートなどのアクリル樹脂を挙げることができる。溶媒および結合材としては、上述した透明導電性膜2の形成に用いることが可能なものから選ぶことができる。
【0030】
また、塗料の固形分濃度が4重量%となるように、微粒子、分散剤、溶媒および結合材を調合することが好ましい。なお、固形分濃度C2[%]は、微粒子の質量P2[g]、結合材の質量B2[g]、分散剤の質量D2[g]、溶媒S2[g]を用いて、
C2=(P2+B2+D2)/(P2+B2+D2+S2)×100・・・式(2)
により表される。
【0031】
次に、上述のようにして作製された塗料を、例えばディッピング塗布、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、またはダイコーティング等の各種方式によって透明導電性膜2上に塗布する。例えば、ディッピング方式により塗料を基材1上に塗布する場合には、膜厚50nm〜150nmの透明高屈折率膜3を透明導電性膜2上に形成することを考慮すると、引き上げ速度を100mm・min−1〜200mm・min−1の範囲にする。なお、この引き上げ速度は、固形分濃度C1が4重量%の場合の値である。次に、透明導電性膜2上に塗布された塗料を乾燥させた後、硬化させて、透明高屈折率膜3を形成する。塗料の硬化形態は、結合材の種類に応じて選ぶことが好ましく、例えば、熱硬化、紫外線硬化、電子ビーム硬化などが選ばれる。
【0032】
次に、結合材および溶媒を調合して、塗料を作製する。溶媒および結合材としては、上述した透明導電性膜2の形成に用いることが可能なものから選ぶことができる。
【0033】
また、塗料の固形分濃度が6重量%となるように、微粒子、分散剤、溶媒および結合材を調合することが好ましい。なお、固形分濃度C3[%]は、微粒子の質量P3[g]、結合材の質量B3[g]を用いて、
C3=(P3)/(P3+B3)×100・・・式(3)
により表される。
【0034】
次に、作製した塗料を、例えばディッピング塗布、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、またはダイコーティング等の各種方式によって透明導電性膜2上に塗布する。次に、透明導電性膜2を作製したのと略同様にして、作製した塗料を乾燥させた後、硬化させて、透明低屈折率膜4を形成する。
【0035】
この発明の一実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材1の表面抵抗値を低下させることができ、これにより、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材1の表面における静電気の発生を防止することができる。
【0036】
また、帯電防止基材1の表面抵抗値を低下させ、且つ、五酸化アンチモンにより反射される光量を低減させることができ、これにより、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材1の表面における静電気の発生を防止することができ、且つ、優れた透明性を実現することができる。
【0037】
また、基材1と透明導電性膜2との間での光干渉を抑制することができ、これにより、より高い反射防止機能を実現することができる。また、熱に起因する基材の光学的な歪みを小さく抑えることができ、これにより、より高品質な帯電防止基材を提供することができる。また、耐溶媒性が低いメタクリルスチレンからなる基材1上に、塗料を塗布し、硬化させて透明導電性膜2を形成することができ、これにより、より高品質な帯電防止基材を提供することができる。
【0038】
【実施例】
次に、帯電防止基材の実施例について説明する。
表1に、各実施例および比較例が有する透明導電性膜2の構成および測定結果を示す。表2に、各実施例および比較例が有する透明高屈折率膜3の構成および測定結果を示す。表3に、各実施例および比較例が有する透明低屈折率膜4の構成および測定結果を示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
まず、パイロクロア構造を有する平均粒子径20nmの五酸化アンチモン微粒子6.50gをエタノール(溶媒)45g中に分散させたゾルを作製し、このゾルに対してアクリル樹脂(結合材)8.50gを配合して塗料(触媒化成工業(株)製 ELECOM−P)を作製した。ここで、P1/B1比は0.8であり、固形分濃度C1は25重量%である。そして、ディッピング方式により塗料をアクリル板(基材1)上に塗布した。なお、引上げ速度は400mm・min−1である。次に、アクリル板に塗布された塗料を80℃で乾燥した後、強度1000mJ・cm−2の紫外線を塗料に照射し、硬化させて、膜厚2000nmを有する透明導電性膜2を得た。
【0043】
次に、上述のようにして作製された透明導電性膜2の屈折率を、薄膜測定装置(フィルメトリックス 松下インターテクノ(株)製)を用いて測定した。また、表面抵抗を表面抵抗測定装置(Megaresta HT−301)を用いて測定した。
【0044】
図2に、この表面抵抗測定装置の概略構成を示す。図2に示すように、この表面抵抗測定装置は、表面抵抗を測定する膜の表面上に、電極5aおよび電極5bを配置し、これらの電極間に電圧を印加し、電極間に流れた電流量に基づき、膜厚を測定するものである。
【0045】
次に、平均粒径20nm、屈折率2.48を有する酸化チタン微粒子(石原産業(株)製)2.5gと、分子量350を有するSO3Na基ウレタンアクリレート(分散剤)1.0gと、メチルイソブチルケトン(溶媒)96gと、結合材(DPHA 日本化薬(株)製)とを塗料分散機(ペイントシェーカー)にて固形分濃度4重量%になるよう調合して塗料を得た。次に、ディッピング方式により、調合した塗料を透明導電性膜2上に塗布した。なお、引上げ速度は150mm・min−1である。次に、透明導電性膜2上に塗布された塗料を、温度80℃で乾燥し、紫外線量1000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させて、膜厚100nmの透明高屈折率膜3を得た。なお、固形分濃度C2は、4重量%となるように調整した。次に、透明高屈折率膜3の表面抵抗を表面抵抗測定装置(Megaresta HT−301)を用いて測定した。
【0046】
次に、結合材(フッ素樹脂GK−500 ダイキン工業(株)製)6.0gと、溶媒(メチルイソブチルケトン)96gとを固形分濃度C3が6重量%になるように調合した。次に、ディッピング方式により、調合した塗料を透明高屈折率膜3上に塗布した。なお、引き上げ速度は、150mm・min−1である。次に、透明高屈折率膜3上に塗布された塗料を、90℃にて24時間乾燥して、帯電防止基材を得た。次に、帯電防止基材の表面抵抗を表面抵抗測定装置(Megaresta HT−301)を用いて測定し、更に、反射率を薄膜測定装置(フィルメトリックス 松下インターテクノ(株)製)を用いて測定した。
【0047】
次に、透明導電性膜2のP1/B1比を表1に示すように変化させる以外のことは実施例1と同様にして、実施例2〜4および比較例1〜2を作製した。この作製の際に、実施例1と同様にして、屈折率、表面抵抗値および反射率を測定した。
【0048】
次に、透明導電性膜2の膜厚を表1に示すように変化させる以外のことは実施例1と同様にして、実施例5および比較例3〜6を作製した。なお、透明導電性膜2の膜厚は、基材1の引き上げ速度を制御することにより変化させた。実施例5および比較例3〜6の引き上げ速度は、それぞれ、200mm・min−1、1000mm・min−1、300mm・min−1、150mm・min−1、20mm・min−1である。
【0049】
次に、透明高屈折率膜3の膜厚を表2に示すように変化させる以外のことは、実施例1と同様にして、比較例7、比較例8、実施例6および実施例7を作製した。この作製の際に、実施例1と同様にして、屈折率、表面抵抗値および反射率を測定した。なお、透明高屈折率膜3の膜厚は、基材1の引き上げ速度を制御することにより変化させた。比較例7、比較例8、実施例6および実施例7の引き上げ速度は、それぞれ、50mm・min−1、300mm・min−1、100mm・min−1、200mm・min−1である。
【0050】
表4に、作製された各実施例および比較例における表面抵抗値、反射率および評価結果を示す。評価は、表面抵抗値が5×108Ω・cm−2〜5×1010Ω・cm−2の範囲にあり、且つ、反射率が0.6以下であるか否かに基づくものである。なお、反射率は、波長550nmを有する光に対する値である。また、表4では、上述した範囲を満たす実施例および比較例を「○」により示した。
【0051】
【表4】
【0052】
表4より、実施例では、表面抵抗値および反射率が上述の範囲を満たすのに対して、比較例では、表面抵抗値が上述の範囲を満たしていないことが分かる。すなわち、P1/B1比を0.8〜1.1の範囲に選択し、透明導電性膜2の膜厚を2000nm〜3000nmの範囲に選択し、透明高屈折率膜3の膜厚を50〜150の範囲に選択することにより、表面抵抗値および反射率が上述の範囲を満たすようにできることが分かる。
【0053】
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0054】
例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3および9〜11に係る発明によれば、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材の表面抵抗値を低下させることができ、これにより、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材表面における静電気の発生を防止することができる。
【0056】
また、請求項4および12の発明によれば、帯電防止基材の表面抵抗値を低下させ、且つ、五酸化アンチモンにより反射される光量を低減させることができ、これにより、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材表面における静電気の発生を防止することができ、且つ、優れた透明性を実現することができる。
【0057】
請求項5および13に係る発明によれば、基材と透明導電性膜との間での光干渉を抑制することができ、これにより、より高い反射防止機能を実現することができる。
【0058】
請求項6および14の発明によれば、熱に起因する基材の光学的な歪みを小さく抑えることができ、これにより、より高品質な帯電防止基材を提供することができる。
【0059】
請求項7および15の発明によれば、耐溶媒性が低いメタクリルスチレンからなる基材上に、塗料を塗布し、硬化させて透明導電性膜を形成することができ、これにより、より高品質な帯電防止基材を提供することができる。
【0060】
請求項8および16に係る発明によれば、五酸化アンチモン微粒子により散乱される光量を抑制することができ、優れた透明性を有する帯電防止基材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による帯電防止基材の構成の一例を示す断面図である。
【図2】実施例および比較例の表面抵抗測定に用いた表面抵抗測定装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・基材、2・・・透明導電性膜、3・・・透明高屈折率膜、4・・・透明低屈折率膜
【発明の属する技術分野】
この発明は、静電気の発生を防止することができる帯電防止基材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック基材は、クリーンルームで使用される仕切り板などのプラスチックパネル、TV(Television)前面の保護フィルター、リアプロジェクションTVの前面パネル等として用いられている。ところが、プラスチック基材は静電気を発生しやすいため、ゴミや埃が表面に付着してクリーン度が低下したり、画像が乱れたりするなどの問題がある。
【0003】
そこで、表面抵抗を下げて導電性を付加することにより、静電気の発生を防止する帯電防止基材が提案されている。表面抵抗を下げる具体的方法としては、界面活性剤を基材に練り込む方法と、界面活性剤を表面に塗布する方法とが提案されている。この帯電防止基材は、透明性に優れている、という利点を有するが、導電機構がイオン導電であるために、乾燥状態では帯電防止効果が低下する、という欠点を有している。また、ブリードアウト等によって経時的に帯電防止効果が薄れてしまう、という欠点も有している。
【0004】
そこで、これらの欠点を改善すべく、導電性酸化物微粒子が含有された透明導電性膜を一主面に形成した帯電防止基材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この透明導電性膜は、酸化インジウム錫(ITO;Indium−Tin−Oxide)、酸化アンチモン錫(ATO;Antimony−Tin−Oxide)、酸化錫に代表される導電性酸化物微粒子を樹脂に分散させて調合した塗料を基材上に塗布し、硬化することにより形成される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−80828号公報
【0006】
ところが、この帯電防止基材では、透明導電性膜を形成した面の反射率が高い、という問題がある。そこで、数種の機能膜を積層した光学反射防止膜を透明導電性膜上に形成して表面反射を抑制することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、数種の機能膜を積層した光学反射防止膜を透明導電性膜上に形成すると、帯電防止基材の導電性が低下してしまう、という問題が生じる。これは、積層された機能膜の表面抵抗が、下層から上層に向かうに従って大きくなるためである。
【0008】
また、酸化インジウム錫(ITO)、酸化アンチモン錫(ATO)および酸化錫などの導電性酸化物微粒子を含有した導電性膜では、良好な透明性を得ることができない、という問題がある。良好な透明性が得られない理由として、上述した導電性酸化物微粒子の導電性および表面抵抗の安定性を高めるために、異種元素であるアンチモン、スズ等を少量ドープしており、このドープした異種元素によって可視光線が吸収されてしまうことを挙げることができる。
【0009】
したがって、この発明の目的は、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材の表面抵抗値を低下させることができる帯電防止基材およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
また、この発明の目的は、使用環境に左右されること無く長期にわたって帯電防止機能を維持することができ、且つ、優れた透明性を実現することができる帯電防止基材およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、基材上に、
パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子および結合材を含有する透明導電性膜と、
透明導電性膜よりも高屈折率の物質からなる透明高屈折率膜と、
透明導電性膜よりも低屈折率の物質からなる透明低屈折率膜と
が順次積層された構成を有し、
透明高屈折率膜が、導電性酸化物微粒子を含有することを特徴とする帯電防止基材である。
【0012】
請求項9に係る発明は、基材上に、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子および結合材を含有する透明導電性膜を形成する工程と、
透明導電性膜よりも高屈折率の物質からなる透明高屈折率膜を透明導電性膜上に形成する工程と、
透明導電性膜よりも低屈折率の物質からなる透明低屈折率膜を透明高屈折率膜上に形成する工程と
を有し、
透明高屈折率膜を形成する工程が、導電性酸化物微粒子を含有する塗料を作製する工程と、
塗料を透明導電性膜上に塗布し、硬化させる工程と
からなることを特徴とする帯電防止基材の製造方法である。
【0013】
この発明によれば、帯電防止基材が、基材上に、透明導電性膜、透明高屈折率膜、透明低屈折率膜を順次積層した構成を有し、透明高屈折率膜には導電性酸化物微粒子が含有されているため、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材の表面抵抗を低下させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
【0015】
図1は、この発明の一実施形態による帯電防止基材の構成の一例を示す断面図である。図1に示すように、この帯電防止基材は、透明導電性膜2、透明高屈折率膜3、透明低屈折率膜4を、基材1上に順次積層した構成を有する。この帯電防止基材は、例えば、プロジェクタの前面パネルに適用して好適なものである。
【0016】
帯電防止基材において、透明低屈折率膜4が形成された側の表面抵抗は、5×108Ω・cm−2〜5×1010Ω・cm−2の範囲であることが好ましい。5×108Ω・cm−2より小さい場合には、漏電などを引き起こす恐れがある。一方、5×1010Ω・cm−2より大きい場合には、帯電防止の効果が小さく、ゴミや埃などが透明低屈折率膜4上に付着してしまう。また、透明低屈折率膜4が形成された面における反射率は、0.6以下であることが好ましい。反射率が0.6以上である場合には、良好な透明性が得られなくなるため、例えばCRT(Cathode−Ray Tube)等の表示装置に対して、この帯電防止基材を用いることが困難になる。
【0017】
基材1は、透明フィルムまたは透明板である。この基材1の材料は、基材1の光学的特性を考慮して選ばれ、具体的には、透明性および屈折率などを考慮して選ばれる。屈折率は、1.3〜1.7の範囲であることが好ましい。具体的には、基材1を構成する材料として、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ガラス板、アクリル系樹脂、メタクリルスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などを挙げることができる。
【0018】
透明導電性膜2は、導電性酸化物微粒子および結合材を含有する。この導電性酸化物微粒子としては、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子、酸化錫、ITO、ATOが用いられ、好ましくは、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子が用いられる。これは、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子が導電性に優れているためである。この五酸化アンチモン微粒子の平均粒子径は、20nm〜100nmの範囲から選ばれ、例えば20nmに選ばれる。平均粒子径が100nm以上である場合には、五酸化アンチモン微粒子によって散乱される光量が多くなり、透明性が低下してしまう。一方、平均粒子径が20以下である場合には、五酸化アンチモン微粒子がパイロクロア構造を有しにくくなるため、導電性が低下してしまう。
【0019】
透明導電性膜2の膜厚は、2000nm〜3000nmの範囲であることが望ましい。膜厚が2000nm以下である場合には、十分な導電性が得られず、帯電防止効果が不十分となる。また、膜厚が薄くなるために、実用に供するのに十分な耐擦傷性を得ることができなくなる。一方、膜厚が3000nm以上である場合には、透明性および反射防止特性が低下する。
【0020】
また、基材1の屈折率n1と、透明導電性膜2の屈折率n2とが、n1≦n2≦n1+0.05の関係を満たすことが好ましい。この範囲を超えると、基材1と、透明導電性膜2との間での光の干渉が大きくなり、反射防止特性が著しく劣化する。
【0021】
透明高屈折率膜3は、透明導電性膜2よりも高屈折率の物質からなる。この透明高屈折率膜3は、高屈折率を有する微粒子、具体的には、高屈折率を有する酸化物または合金酸化物微粒子等を含有する。酸化物微粒子としては、例えばTi、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sb、Si等の酸化物微粒子を挙げることができる。また、合金酸化物微粒子としては、例えばIn−Sn等の合金酸化物微粒子を挙げることができる。微粒子の平均粒子径は、好ましくは20nm〜100nmの範囲である。比表面積は、酸化物微粒子の材料に応じて選ばれ、好ましくは、75m2・g−1〜85m2・g−1の範囲に選ばれる。比表面積が上記範囲にある場合には、微粒子の分散処理により、塗料中における微粒子の粒度を100nm以下に抑えることができ、ヘイズの非常に小さい透明な光学膜を得ることができる。また、酸化物微粒子として、酸化チタンを用いる場合には、酸化チタンの触媒機能を抑制するために、酸化チタン表面をAl、Zrにより処理することが好ましい。このような処理を施すことにより、酸化物微粒子周辺に触媒機能を押さえ込むことができる。
【0022】
透明高屈折率膜3の膜厚は、50nm〜150nmの範囲であることが好ましい。透明高屈折率膜3の膜厚が50nm以下である場合には、反射率が大きくなり、且つ、導電性が低下する。一方、透明高屈折率膜3の膜厚が150nm以上である場合には、反射率が著しく大きくなる。透明低屈折率膜4は、透明導電性膜2よりも低屈折率の物質からなる。
【0023】
次に、上述のように構成されたこの一実施形態による帯電防止基材の製造方法について説明する。まず、導電性酸化物微粒子を溶媒(分散媒)に分散させたゾルに、結合材を配合して塗料を作製する。この溶媒としては、導電性酸化物微粒子を良く分散でき、且つ、結合材を溶解し得るものが選ばれ、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類を挙げることができる。また、低い表面エネルギーを有する基材1に塗料を塗布する場合には、より低い表面張力を有する溶媒を選択することが望ましく、例えば、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール等を挙げることができる。
【0024】
また、溶媒を、基材1が溶媒に対する耐久性を有しているか否かを考慮して選ぶことがさらに好ましい。例えば、基材1がメタクリルスチレンからなる場合には、溶媒として、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類を用いることが好ましい。
【0025】
また、結合材は、光学的な透明性を考慮して選ばれ、例えば、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネイト、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が選ばれる。また、結合材の硬化形態としては、熱硬化、紫外線硬化(UV硬化)または電子ビーム硬化(EB硬化)等を挙げることができ、これらの硬化形態に応じた硬化剤が、結合材に添加される。
【0026】
また、結合材の質量B1[g]に対する五酸化アンチモン微粒子の質量P1[g]の割合P1/B1(以下、P1/B1比)が0.8〜1.1の範囲となるように、五酸化アンチモン微粒子と結合材とを調合することが好ましい。P1/B1比が0.8未満の場合には、透明導電性膜2に含有される五酸化アンチモン微粒子の量が減少するため、表面抵抗値が高くなり、導電性が低下してしまう。一方、P1/B1比が1.1より大きい場合には、五酸化アンチモン微粒子により反射される光量が増加するため、良好な透明性を得ることができなくなる。
【0027】
また、塗料の固形分濃度が25重量%となるように、微粒子、分散剤、溶媒および結合材を調合することが好ましい。なお、固形分濃度C1[重量%]は、五酸化アンチモン微粒子の質量P1[g]、結合材の質量B1[g]、溶媒の質量S1[g]を用いて、
C1=(P1+B1)/(P1+B1+S1)×100・・・式(1)
により表される。
【0028】
次に、上述のようにして作製された塗料を、例えばディッピング塗布、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、またはダイコーティング等の各種方式によって基材1上に一様に塗布する。例えば、ディッピング方式により塗料を基材1上に塗布する場合には、膜厚2000nm〜3000nmの透明導電性膜2を基材1上に形成することを考慮すると、引き上げ速度を400mm・min−1〜700mm・min−1の範囲にする。なお、この引き上げ速度は、固形分濃度C1が25重量%の場合の値である。そして、基材1上に塗布された塗料を乾燥させる。この乾燥温度は、基材1の材料および結合材の種類に応じて選ばれ、例えば60℃〜150℃、好ましくは60℃〜90℃の範囲から選ばれる。基材1がアクリル樹脂等からなる場合には、乾燥温度を90℃以上にすると、基材1が変形したり、結合材が応変したりする。一方、乾燥温度が60℃以下の場合には、溶媒が残留してしまう。その後、乾燥した塗料を硬化させて、基材1上に透明導電性膜2を形成する。塗料の硬化形態は、結合材の種類に応じて選ぶことが好ましく、例えば、熱硬化、紫外線硬化、電子ビーム硬化などが選ばれる。
【0029】
次に、微粒子と、分散剤と、溶媒と、結合材とを調合して塗料を作製する。微粒子としては、高屈折率を有する微粒子、具体的には、高屈折率を有する酸化物または合金酸化物微粒子等を挙げることができる。酸化物微粒子としては、例えばTi、Zr、Al、Ce、Sn、La、In、Y、Sb、Si等の酸化物微粒子を挙げることができる。また、合金酸化物微粒子としては、例えばIn−Sn等の合金酸化物微粒子を挙げることができる。分散剤としては、例えばウレタンアクリレートなどのアクリル樹脂を挙げることができる。溶媒および結合材としては、上述した透明導電性膜2の形成に用いることが可能なものから選ぶことができる。
【0030】
また、塗料の固形分濃度が4重量%となるように、微粒子、分散剤、溶媒および結合材を調合することが好ましい。なお、固形分濃度C2[%]は、微粒子の質量P2[g]、結合材の質量B2[g]、分散剤の質量D2[g]、溶媒S2[g]を用いて、
C2=(P2+B2+D2)/(P2+B2+D2+S2)×100・・・式(2)
により表される。
【0031】
次に、上述のようにして作製された塗料を、例えばディッピング塗布、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、またはダイコーティング等の各種方式によって透明導電性膜2上に塗布する。例えば、ディッピング方式により塗料を基材1上に塗布する場合には、膜厚50nm〜150nmの透明高屈折率膜3を透明導電性膜2上に形成することを考慮すると、引き上げ速度を100mm・min−1〜200mm・min−1の範囲にする。なお、この引き上げ速度は、固形分濃度C1が4重量%の場合の値である。次に、透明導電性膜2上に塗布された塗料を乾燥させた後、硬化させて、透明高屈折率膜3を形成する。塗料の硬化形態は、結合材の種類に応じて選ぶことが好ましく、例えば、熱硬化、紫外線硬化、電子ビーム硬化などが選ばれる。
【0032】
次に、結合材および溶媒を調合して、塗料を作製する。溶媒および結合材としては、上述した透明導電性膜2の形成に用いることが可能なものから選ぶことができる。
【0033】
また、塗料の固形分濃度が6重量%となるように、微粒子、分散剤、溶媒および結合材を調合することが好ましい。なお、固形分濃度C3[%]は、微粒子の質量P3[g]、結合材の質量B3[g]を用いて、
C3=(P3)/(P3+B3)×100・・・式(3)
により表される。
【0034】
次に、作製した塗料を、例えばディッピング塗布、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、またはダイコーティング等の各種方式によって透明導電性膜2上に塗布する。次に、透明導電性膜2を作製したのと略同様にして、作製した塗料を乾燥させた後、硬化させて、透明低屈折率膜4を形成する。
【0035】
この発明の一実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材1の表面抵抗値を低下させることができ、これにより、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材1の表面における静電気の発生を防止することができる。
【0036】
また、帯電防止基材1の表面抵抗値を低下させ、且つ、五酸化アンチモンにより反射される光量を低減させることができ、これにより、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材1の表面における静電気の発生を防止することができ、且つ、優れた透明性を実現することができる。
【0037】
また、基材1と透明導電性膜2との間での光干渉を抑制することができ、これにより、より高い反射防止機能を実現することができる。また、熱に起因する基材の光学的な歪みを小さく抑えることができ、これにより、より高品質な帯電防止基材を提供することができる。また、耐溶媒性が低いメタクリルスチレンからなる基材1上に、塗料を塗布し、硬化させて透明導電性膜2を形成することができ、これにより、より高品質な帯電防止基材を提供することができる。
【0038】
【実施例】
次に、帯電防止基材の実施例について説明する。
表1に、各実施例および比較例が有する透明導電性膜2の構成および測定結果を示す。表2に、各実施例および比較例が有する透明高屈折率膜3の構成および測定結果を示す。表3に、各実施例および比較例が有する透明低屈折率膜4の構成および測定結果を示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
まず、パイロクロア構造を有する平均粒子径20nmの五酸化アンチモン微粒子6.50gをエタノール(溶媒)45g中に分散させたゾルを作製し、このゾルに対してアクリル樹脂(結合材)8.50gを配合して塗料(触媒化成工業(株)製 ELECOM−P)を作製した。ここで、P1/B1比は0.8であり、固形分濃度C1は25重量%である。そして、ディッピング方式により塗料をアクリル板(基材1)上に塗布した。なお、引上げ速度は400mm・min−1である。次に、アクリル板に塗布された塗料を80℃で乾燥した後、強度1000mJ・cm−2の紫外線を塗料に照射し、硬化させて、膜厚2000nmを有する透明導電性膜2を得た。
【0043】
次に、上述のようにして作製された透明導電性膜2の屈折率を、薄膜測定装置(フィルメトリックス 松下インターテクノ(株)製)を用いて測定した。また、表面抵抗を表面抵抗測定装置(Megaresta HT−301)を用いて測定した。
【0044】
図2に、この表面抵抗測定装置の概略構成を示す。図2に示すように、この表面抵抗測定装置は、表面抵抗を測定する膜の表面上に、電極5aおよび電極5bを配置し、これらの電極間に電圧を印加し、電極間に流れた電流量に基づき、膜厚を測定するものである。
【0045】
次に、平均粒径20nm、屈折率2.48を有する酸化チタン微粒子(石原産業(株)製)2.5gと、分子量350を有するSO3Na基ウレタンアクリレート(分散剤)1.0gと、メチルイソブチルケトン(溶媒)96gと、結合材(DPHA 日本化薬(株)製)とを塗料分散機(ペイントシェーカー)にて固形分濃度4重量%になるよう調合して塗料を得た。次に、ディッピング方式により、調合した塗料を透明導電性膜2上に塗布した。なお、引上げ速度は150mm・min−1である。次に、透明導電性膜2上に塗布された塗料を、温度80℃で乾燥し、紫外線量1000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させて、膜厚100nmの透明高屈折率膜3を得た。なお、固形分濃度C2は、4重量%となるように調整した。次に、透明高屈折率膜3の表面抵抗を表面抵抗測定装置(Megaresta HT−301)を用いて測定した。
【0046】
次に、結合材(フッ素樹脂GK−500 ダイキン工業(株)製)6.0gと、溶媒(メチルイソブチルケトン)96gとを固形分濃度C3が6重量%になるように調合した。次に、ディッピング方式により、調合した塗料を透明高屈折率膜3上に塗布した。なお、引き上げ速度は、150mm・min−1である。次に、透明高屈折率膜3上に塗布された塗料を、90℃にて24時間乾燥して、帯電防止基材を得た。次に、帯電防止基材の表面抵抗を表面抵抗測定装置(Megaresta HT−301)を用いて測定し、更に、反射率を薄膜測定装置(フィルメトリックス 松下インターテクノ(株)製)を用いて測定した。
【0047】
次に、透明導電性膜2のP1/B1比を表1に示すように変化させる以外のことは実施例1と同様にして、実施例2〜4および比較例1〜2を作製した。この作製の際に、実施例1と同様にして、屈折率、表面抵抗値および反射率を測定した。
【0048】
次に、透明導電性膜2の膜厚を表1に示すように変化させる以外のことは実施例1と同様にして、実施例5および比較例3〜6を作製した。なお、透明導電性膜2の膜厚は、基材1の引き上げ速度を制御することにより変化させた。実施例5および比較例3〜6の引き上げ速度は、それぞれ、200mm・min−1、1000mm・min−1、300mm・min−1、150mm・min−1、20mm・min−1である。
【0049】
次に、透明高屈折率膜3の膜厚を表2に示すように変化させる以外のことは、実施例1と同様にして、比較例7、比較例8、実施例6および実施例7を作製した。この作製の際に、実施例1と同様にして、屈折率、表面抵抗値および反射率を測定した。なお、透明高屈折率膜3の膜厚は、基材1の引き上げ速度を制御することにより変化させた。比較例7、比較例8、実施例6および実施例7の引き上げ速度は、それぞれ、50mm・min−1、300mm・min−1、100mm・min−1、200mm・min−1である。
【0050】
表4に、作製された各実施例および比較例における表面抵抗値、反射率および評価結果を示す。評価は、表面抵抗値が5×108Ω・cm−2〜5×1010Ω・cm−2の範囲にあり、且つ、反射率が0.6以下であるか否かに基づくものである。なお、反射率は、波長550nmを有する光に対する値である。また、表4では、上述した範囲を満たす実施例および比較例を「○」により示した。
【0051】
【表4】
【0052】
表4より、実施例では、表面抵抗値および反射率が上述の範囲を満たすのに対して、比較例では、表面抵抗値が上述の範囲を満たしていないことが分かる。すなわち、P1/B1比を0.8〜1.1の範囲に選択し、透明導電性膜2の膜厚を2000nm〜3000nmの範囲に選択し、透明高屈折率膜3の膜厚を50〜150の範囲に選択することにより、表面抵抗値および反射率が上述の範囲を満たすようにできることが分かる。
【0053】
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0054】
例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜3および9〜11に係る発明によれば、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材の表面抵抗値を低下させることができ、これにより、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材表面における静電気の発生を防止することができる。
【0056】
また、請求項4および12の発明によれば、帯電防止基材の表面抵抗値を低下させ、且つ、五酸化アンチモンにより反射される光量を低減させることができ、これにより、高い反射防止機能を維持しつつ、帯電防止基材表面における静電気の発生を防止することができ、且つ、優れた透明性を実現することができる。
【0057】
請求項5および13に係る発明によれば、基材と透明導電性膜との間での光干渉を抑制することができ、これにより、より高い反射防止機能を実現することができる。
【0058】
請求項6および14の発明によれば、熱に起因する基材の光学的な歪みを小さく抑えることができ、これにより、より高品質な帯電防止基材を提供することができる。
【0059】
請求項7および15の発明によれば、耐溶媒性が低いメタクリルスチレンからなる基材上に、塗料を塗布し、硬化させて透明導電性膜を形成することができ、これにより、より高品質な帯電防止基材を提供することができる。
【0060】
請求項8および16に係る発明によれば、五酸化アンチモン微粒子により散乱される光量を抑制することができ、優れた透明性を有する帯電防止基材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による帯電防止基材の構成の一例を示す断面図である。
【図2】実施例および比較例の表面抵抗測定に用いた表面抵抗測定装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・基材、2・・・透明導電性膜、3・・・透明高屈折率膜、4・・・透明低屈折率膜
Claims (16)
- 基材上に、
パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子および結合材を含有する透明導電性膜と、
上記透明導電性膜よりも高屈折率の物質からなる透明高屈折率膜と、
上記透明導電性膜よりも低屈折率の物質からなる透明低屈折率膜と
が順次積層された構成を有し、
上記透明高屈折率膜が、導電性酸化物微粒子を含有することを特徴とする帯電防止基材。 - 上記透明導電性膜の膜厚が、2000nm以上3000nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の帯電防止基材。
- 上記透明高屈折率膜の膜厚が、50以上150nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の帯電防止基材。
- 上記結合材の質量B1に対する上記五酸化アンチモン微粒子の質量P1の割合P1/B1が、0.8〜1.1の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の帯電防止基材。
- 上記基材の屈折率n1と、上記透明導電性膜の屈折率n2とが、n1≦n2≦n1+0.05の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の帯電防止基材。
- 上記基材が、メタクリルスチレンからなることを特徴とする請求項1記載の帯電防止基材。
- 上記透明導電性膜が、少なくとも、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子、アルコール類および結合材からなる塗料を上記基材に塗布し、硬化させることにより形成されることを特徴とする請求項6記載の帯電防止基材。
- 上記五酸化アンチモン微粒子の平均粒子径が、20nm以上100nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の帯電防止基材。
- 基材上に、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子および結合材を含有する透明導電性膜を形成する工程と、
上記透明導電性膜よりも高屈折率の物質からなる透明高屈折率膜を上記透明導電性膜上に形成する工程と、
上記透明導電性膜よりも低屈折率の物質からなる透明低屈折率膜を上記透明高屈折率膜上に形成する工程と
を有し、
上記透明高屈折率膜を形成する工程が、導電性酸化物微粒子を含有する塗料を作製する工程と、
上記塗料を上記透明導電性膜上に塗布し、硬化させる工程と
からなることを特徴とする帯電防止基材の製造方法。 - 上記透明導電性膜の膜厚が、2000nm以上3000nm以下の範囲であることを特徴とする請求項9記載の帯電防止基材の製造方法。
- 上記透明高屈折率膜の膜厚が、50以上150nm以下の範囲であることを特徴とする請求項9記載の帯電防止基材の製造方法。
- 上記結合材の質量B1に対する上記五酸化アンチモン微粒子の質量P1の割合P1/B1が、0.8〜1.1の範囲にあることを特徴とする請求項9記載の帯電防止基材の製造方法。
- 上記基材の屈折率n1と、上記透明導電性膜の屈折率n2とが、n1≦n2≦n1+0.05の関係を満たすことを特徴とする請求項9記載の帯電防止基材の製造方法。
- 上記基材が、メタクリルスチレンからなることを特徴とする請求項9記載の帯電防止基材の製造方法。
- 上記透明導電性膜を形成する工程が、少なくとも、パイロクロア構造を有する五酸化アンチモン微粒子、アルコール類および結合材からなる塗料を作製する工程と、
上記塗料を上記基材に塗布し、硬化させる工程と
からなることを特徴とする請求項14記載の帯電防止基材の製造方法。 - 上記五酸化アンチモン微粒子の平均粒子径が、20nm以上100nm以下の範囲であることを特徴とする請求項9記載の帯電防止基材の製造方法。
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