JP2005004066A - アパーチャ - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアパーチャ本体に形成した貫通孔にコヒーレント光を入射させてコヒーレント光の散乱光成分を除去するアパーチャに関し、より詳細にはアパーチャ本体の貫通孔の直径がコヒーレント光の波長と近接しているアパーチャに関する。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン上に画像を照射するプロジェクタ装置においては、空間光変調器(液晶パネル)においてコヒーレント光を通過または反射させて、スクリーンに照射する画像の画素パターンを形成している。
ここで、空間光変調器(液晶パネル)にコヒーレント光を通過または反射させると、コヒーレント光が空間光変調器(液晶パネル)を通過又は反射したときに散乱光成分を有するようになり、このままスクリーンに照射すると、この散乱光成分が隣接する画素パターンと干渉するため、画素パターンの境界が不明瞭になることから、スクリーン上の画像ににじみが発生する。そのため従来から、例えば特許文献1に示すように、空間光変調器(液晶パネル)の後ろに、貫通孔が形成された平板状のアパーチャを配置し、空間光変調器(液晶パネル)を通過または反射させることによって生じたコヒーレント光の散乱光成分を除去している。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−131688号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、画像を構成するコヒーレント光の画素パターンの大きさは1〜2μm程度であることから、アパーチャの貫通孔の直径も1〜2μm程度となる。ここでコヒーレント光は、例えば波長が405nm帯の青色光等であり、アパーチャの貫通孔の直径と近接している。このように、貫通孔の直径と貫通孔を通過するコヒーレント光の波長が近接している場合には、コヒーレント光が貫通孔を通過したときに発生する回折光の回折角が大きくなることがわかっている。この回折光の回折角は、光の波長が405nm、貫通孔の直径が1.5μmのときに約1゜程度であるが、アパーチャからスクリーンまでの距離が数mあることを考えると、このような回折光は無視できない。すなわち、この回折光がスクリーン上で隣接する画素パターンと干渉して、画素パターンの境界が不明瞭となることから、スクリーン上の画像ににじみが発生する。
【0005】
本発明は以上の問題点を鑑みてなされたものであり、アパーチャを通過した後の光の回折光成分を最小限に抑えることが可能なアパーチャを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、平板状のアパーチャ本体に貫通孔を形成してなり、該貫通孔は照光部に向かう光を通過させると共にその光の散乱光成分を除去するアパーチャにおいて、上記アパーチャ本体の厚さdは、該アパーチャ本体の屈折率をnf、上記貫通孔の中心軸を基準とする径方向の位置をy、上記貫通孔に入射する光の波長をλ、上記照光部とアパーチャ本体との距離をLとすると、次の数式(1)
【数3】
を満たすことを特徴として構成されている。
【0007】
また本発明は、上記アパーチャ本体の透過率Tは、該アパーチャ本体の貫通孔の直径をDとすると、次の数式(2)
【数4】
を満たすことを特徴として構成されている。
【0008】
また本発明は、上記アパーチャ本体は複数の貫通孔を縦横に略等間隔で形成してなり、各貫通孔の周辺部分の厚さdは各貫通孔の中心軸を基準とする径方向の位置をyとして上記数式(1)を満たすと共に、各貫通孔の周辺部分の透過率Tは各貫通孔の直径をDとして上記数式(2)を満たすことを特徴として構成されている。
【0009】
また本発明は、上記アパーチャ本体は吸収媒質によって形成されてなることを特徴として構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の実施形態におけるアパーチャによる散乱光成分の除去を示す概念図、図2は本発明の実施形態におけるアパーチャの正面図、図3は貫通孔周辺の拡大断面図である。
本実施形態におけるアパーチャ1は図1に示すように、プロジェクタ装置内において、コヒーレント光を通過させて画像の画素パターンを形成する空間光変調器たる液晶パネル2の後段に設けられるものである。ここで、本実施形態においては、コヒーレント光には波長が405nm帯の青色光を使用する。
【0011】
このアパーチャ1は図1、図2に示すように、方形状のアパーチャ本体11に、複数の微細な貫通孔12、12を設けて形成されるものである。アパーチャ本体11はプラスティック樹脂などの吸収媒質の材料からなり、大きさは前段の液晶パネル2と同程度である。なお、本実施形態ではアパーチャ本体11は方形状としているが、円形状など他の形状でもよい。
一方このアパーチャ本体11に形成される複数の貫通孔12、12は、液晶パネル2の画素パターンに対応するようにして縦横に整列して形成されており、直径は約1μmである。このようなアパーチャ1にコヒーレント光を通過させることにより、図1に示すようにコヒーレント光が液晶パネル2を通過した際に発生した散乱光Rの大部分を、アパーチャ本体11の貫通孔12、12以外の部分で吸収・反射してコヒーレント光から除去している。
【0012】
ところで、本発明におけるアパーチャ1のように、貫通孔12を通過させるコヒーレント光の波長と貫通孔12の直径が近接している場合には、コヒーレント光が貫通孔12を通過したときに発生する回折光Kの回折角が大きくなり、最終的に画像が照射されるスクリーン3上における回折光Kの影響が無視できなくなる。すなわち、回折光Kがスクリーン3に照射されることにより、画素パターンの境界が不明瞭となり、スクリーン3上の画像ににじみが発生する。
この回折光K成分を小さくする方法として、貫通孔12の周辺部分13において散乱光Rの一部を透過させて逆位相にし、この透過した散乱光Rによって回折光Kを打ち消す方法がある。
【0013】
以下、このアパーチャ本体11の各貫通孔12の周辺部分13についてより詳細に見ていくことにする。この貫通孔12の周辺部分13は図3に示すように、貫通孔12の中心軸から周方向外側に向かって略放物線状となるように形成されている。具体的には、アパーチャ本体11の厚さdが、アパーチャ本体11の屈折率をnf、貫通孔12の中心軸を基準とする径方向の位置をy、貫通孔12に入射するコヒーレント光の波長をλ、照光部であるスクリーン3とアパーチャ本体11との距離をLとすると、以下の数式(1)
【数5】
を満たすようにアパーチャ本体11の貫通孔12の周辺部分13を形成する。これにより、貫通孔12を通過したコヒーレント光の回折光Kとアパーチャ本体11内を透過した散乱光Rの位相差が各回折角で−πとなり、回折光Kとアパーチャ本体11内を透過した散乱光Rが互いに打ち消し合い、回折光K成分を十分小さくとすることが可能となる。
【0014】
この貫通孔12を通過したコヒーレント光の回折光Kと、アパーチャ本体11内を透過した散乱光Rの強度が等しい場合には、回折光Kと散乱光Rは互いに完全に打ち消し合って回折光Kは消えてしまう。このように貫通孔12を通過したコヒーレント光の回折光Kと、アパーチャ本体11内を透過した散乱光Rの強度を等しくするには、周辺部分13の透過率Tを調整する必要がある。すなわち、アパーチャ本体11の透過率Tが、貫通孔12の直径をDとすると、以下の数式(2)
【数6】
を満たすように、周辺部分13の形状を補正することにより、アパーチャ本体11内を透過する散乱光Rの強度を回折光Kの強度と等しくすることができる。なお、アパーチャ本体11をプラスティック樹脂などの吸収媒質の材料から形成すれば、周辺部分13が数式(1)を満たす形状に形成することにより、ガウシアン型透過率が得られ、このガウシアン型透過率は数式(2)を満たす透過率Tと近似しているので、周辺部分13の形状補正は小さくて済む。
【0015】
以上、本発明の実施形態について説明した。上記実施形態においてはプロジェクタ装置に使用するアパーチャについて説明したが、本発明に係るアパーチャの用途は特にこれに限られるものではなく、貫通孔の直径が通過する光の波長と近接するアパーチャ本体によって散乱光成分を除去する必要のある光学装置であれば適用可能である。また、上記実施形態においては、アパーチャ本体は複数の貫通孔が形成されたものとしたが、貫通孔の数が1つのアパーチャであっても、本発明は同様に適用可能である。さらに、このアパーチャの表面には、必要であれば多層膜フィルタなどを成膜し、特定の波長の光のみを通過又は反射させるようにしてもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上本発明によれば、アパーチャ本体の厚さdは数式(1)を満たすことから、貫通孔を通過した光の回折光とアパーチャ本体内を透過した散乱光の位相差が各回折角で−πとなり、回折光とアパーチャ本体内を透過した散乱光が互いに打ち消し合い、回折光成分を十分小さくとすることが可能となる。
【0017】
また本発明によれば、アパーチャ本体の透過率Tは数式(2)を満たすことから、貫通孔を通過した光の回折光と、アパーチャ本体内を透過した散乱光の強度が等しくなり、回折光と散乱光は互いに完全に打ち消し合って回折光成分を消すことができる。
【0018】
また本発明によれば、アパーチャ本体は吸収媒質によって形成されてなることから、アパーチャ本体の貫通孔の周辺部分が数式(1)を満たす形状に形成することによりガウシアン型透過率が得られ、この透過率は数式(2)を満たす透過率と近似しているので、アパーチャ本体の貫通孔の周辺部分の形状補正が小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるアパーチャによる散乱光成分の除去を示す概念図である。
【図2】本発明の実施形態におけるアパーチャの正面図である。
【図3】貫通孔周辺の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 アパーチャ
2 液晶パネル
3 スクリーン
11 アパーチャ本体
12 貫通孔
13 周辺部分
K 回折光
R 散乱光
【発明の属する技術分野】
本発明はアパーチャ本体に形成した貫通孔にコヒーレント光を入射させてコヒーレント光の散乱光成分を除去するアパーチャに関し、より詳細にはアパーチャ本体の貫通孔の直径がコヒーレント光の波長と近接しているアパーチャに関する。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン上に画像を照射するプロジェクタ装置においては、空間光変調器(液晶パネル)においてコヒーレント光を通過または反射させて、スクリーンに照射する画像の画素パターンを形成している。
ここで、空間光変調器(液晶パネル)にコヒーレント光を通過または反射させると、コヒーレント光が空間光変調器(液晶パネル)を通過又は反射したときに散乱光成分を有するようになり、このままスクリーンに照射すると、この散乱光成分が隣接する画素パターンと干渉するため、画素パターンの境界が不明瞭になることから、スクリーン上の画像ににじみが発生する。そのため従来から、例えば特許文献1に示すように、空間光変調器(液晶パネル)の後ろに、貫通孔が形成された平板状のアパーチャを配置し、空間光変調器(液晶パネル)を通過または反射させることによって生じたコヒーレント光の散乱光成分を除去している。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−131688号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、画像を構成するコヒーレント光の画素パターンの大きさは1〜2μm程度であることから、アパーチャの貫通孔の直径も1〜2μm程度となる。ここでコヒーレント光は、例えば波長が405nm帯の青色光等であり、アパーチャの貫通孔の直径と近接している。このように、貫通孔の直径と貫通孔を通過するコヒーレント光の波長が近接している場合には、コヒーレント光が貫通孔を通過したときに発生する回折光の回折角が大きくなることがわかっている。この回折光の回折角は、光の波長が405nm、貫通孔の直径が1.5μmのときに約1゜程度であるが、アパーチャからスクリーンまでの距離が数mあることを考えると、このような回折光は無視できない。すなわち、この回折光がスクリーン上で隣接する画素パターンと干渉して、画素パターンの境界が不明瞭となることから、スクリーン上の画像ににじみが発生する。
【0005】
本発明は以上の問題点を鑑みてなされたものであり、アパーチャを通過した後の光の回折光成分を最小限に抑えることが可能なアパーチャを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、平板状のアパーチャ本体に貫通孔を形成してなり、該貫通孔は照光部に向かう光を通過させると共にその光の散乱光成分を除去するアパーチャにおいて、上記アパーチャ本体の厚さdは、該アパーチャ本体の屈折率をnf、上記貫通孔の中心軸を基準とする径方向の位置をy、上記貫通孔に入射する光の波長をλ、上記照光部とアパーチャ本体との距離をLとすると、次の数式(1)
【数3】
を満たすことを特徴として構成されている。
【0007】
また本発明は、上記アパーチャ本体の透過率Tは、該アパーチャ本体の貫通孔の直径をDとすると、次の数式(2)
【数4】
を満たすことを特徴として構成されている。
【0008】
また本発明は、上記アパーチャ本体は複数の貫通孔を縦横に略等間隔で形成してなり、各貫通孔の周辺部分の厚さdは各貫通孔の中心軸を基準とする径方向の位置をyとして上記数式(1)を満たすと共に、各貫通孔の周辺部分の透過率Tは各貫通孔の直径をDとして上記数式(2)を満たすことを特徴として構成されている。
【0009】
また本発明は、上記アパーチャ本体は吸収媒質によって形成されてなることを特徴として構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の実施形態におけるアパーチャによる散乱光成分の除去を示す概念図、図2は本発明の実施形態におけるアパーチャの正面図、図3は貫通孔周辺の拡大断面図である。
本実施形態におけるアパーチャ1は図1に示すように、プロジェクタ装置内において、コヒーレント光を通過させて画像の画素パターンを形成する空間光変調器たる液晶パネル2の後段に設けられるものである。ここで、本実施形態においては、コヒーレント光には波長が405nm帯の青色光を使用する。
【0011】
このアパーチャ1は図1、図2に示すように、方形状のアパーチャ本体11に、複数の微細な貫通孔12、12を設けて形成されるものである。アパーチャ本体11はプラスティック樹脂などの吸収媒質の材料からなり、大きさは前段の液晶パネル2と同程度である。なお、本実施形態ではアパーチャ本体11は方形状としているが、円形状など他の形状でもよい。
一方このアパーチャ本体11に形成される複数の貫通孔12、12は、液晶パネル2の画素パターンに対応するようにして縦横に整列して形成されており、直径は約1μmである。このようなアパーチャ1にコヒーレント光を通過させることにより、図1に示すようにコヒーレント光が液晶パネル2を通過した際に発生した散乱光Rの大部分を、アパーチャ本体11の貫通孔12、12以外の部分で吸収・反射してコヒーレント光から除去している。
【0012】
ところで、本発明におけるアパーチャ1のように、貫通孔12を通過させるコヒーレント光の波長と貫通孔12の直径が近接している場合には、コヒーレント光が貫通孔12を通過したときに発生する回折光Kの回折角が大きくなり、最終的に画像が照射されるスクリーン3上における回折光Kの影響が無視できなくなる。すなわち、回折光Kがスクリーン3に照射されることにより、画素パターンの境界が不明瞭となり、スクリーン3上の画像ににじみが発生する。
この回折光K成分を小さくする方法として、貫通孔12の周辺部分13において散乱光Rの一部を透過させて逆位相にし、この透過した散乱光Rによって回折光Kを打ち消す方法がある。
【0013】
以下、このアパーチャ本体11の各貫通孔12の周辺部分13についてより詳細に見ていくことにする。この貫通孔12の周辺部分13は図3に示すように、貫通孔12の中心軸から周方向外側に向かって略放物線状となるように形成されている。具体的には、アパーチャ本体11の厚さdが、アパーチャ本体11の屈折率をnf、貫通孔12の中心軸を基準とする径方向の位置をy、貫通孔12に入射するコヒーレント光の波長をλ、照光部であるスクリーン3とアパーチャ本体11との距離をLとすると、以下の数式(1)
【数5】
を満たすようにアパーチャ本体11の貫通孔12の周辺部分13を形成する。これにより、貫通孔12を通過したコヒーレント光の回折光Kとアパーチャ本体11内を透過した散乱光Rの位相差が各回折角で−πとなり、回折光Kとアパーチャ本体11内を透過した散乱光Rが互いに打ち消し合い、回折光K成分を十分小さくとすることが可能となる。
【0014】
この貫通孔12を通過したコヒーレント光の回折光Kと、アパーチャ本体11内を透過した散乱光Rの強度が等しい場合には、回折光Kと散乱光Rは互いに完全に打ち消し合って回折光Kは消えてしまう。このように貫通孔12を通過したコヒーレント光の回折光Kと、アパーチャ本体11内を透過した散乱光Rの強度を等しくするには、周辺部分13の透過率Tを調整する必要がある。すなわち、アパーチャ本体11の透過率Tが、貫通孔12の直径をDとすると、以下の数式(2)
【数6】
を満たすように、周辺部分13の形状を補正することにより、アパーチャ本体11内を透過する散乱光Rの強度を回折光Kの強度と等しくすることができる。なお、アパーチャ本体11をプラスティック樹脂などの吸収媒質の材料から形成すれば、周辺部分13が数式(1)を満たす形状に形成することにより、ガウシアン型透過率が得られ、このガウシアン型透過率は数式(2)を満たす透過率Tと近似しているので、周辺部分13の形状補正は小さくて済む。
【0015】
以上、本発明の実施形態について説明した。上記実施形態においてはプロジェクタ装置に使用するアパーチャについて説明したが、本発明に係るアパーチャの用途は特にこれに限られるものではなく、貫通孔の直径が通過する光の波長と近接するアパーチャ本体によって散乱光成分を除去する必要のある光学装置であれば適用可能である。また、上記実施形態においては、アパーチャ本体は複数の貫通孔が形成されたものとしたが、貫通孔の数が1つのアパーチャであっても、本発明は同様に適用可能である。さらに、このアパーチャの表面には、必要であれば多層膜フィルタなどを成膜し、特定の波長の光のみを通過又は反射させるようにしてもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上本発明によれば、アパーチャ本体の厚さdは数式(1)を満たすことから、貫通孔を通過した光の回折光とアパーチャ本体内を透過した散乱光の位相差が各回折角で−πとなり、回折光とアパーチャ本体内を透過した散乱光が互いに打ち消し合い、回折光成分を十分小さくとすることが可能となる。
【0017】
また本発明によれば、アパーチャ本体の透過率Tは数式(2)を満たすことから、貫通孔を通過した光の回折光と、アパーチャ本体内を透過した散乱光の強度が等しくなり、回折光と散乱光は互いに完全に打ち消し合って回折光成分を消すことができる。
【0018】
また本発明によれば、アパーチャ本体は吸収媒質によって形成されてなることから、アパーチャ本体の貫通孔の周辺部分が数式(1)を満たす形状に形成することによりガウシアン型透過率が得られ、この透過率は数式(2)を満たす透過率と近似しているので、アパーチャ本体の貫通孔の周辺部分の形状補正が小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるアパーチャによる散乱光成分の除去を示す概念図である。
【図2】本発明の実施形態におけるアパーチャの正面図である。
【図3】貫通孔周辺の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 アパーチャ
2 液晶パネル
3 スクリーン
11 アパーチャ本体
12 貫通孔
13 周辺部分
K 回折光
R 散乱光
Claims (4)
- 上記アパーチャ本体は複数の貫通孔を縦横に略等間隔で形成してなり、各貫通孔の周辺部分の厚さdは各貫通孔の中心軸を基準とする径方向の位置をyとして上記数式(1)を満たすと共に、各貫通孔の周辺部分の透過率Tは各貫通孔の直径をDとして上記数式(2)を満たすことを特徴とする請求項2記載のアパーチャ。
- 上記アパーチャ本体は吸収媒質によって形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアパーチャ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003169464A JP2005004066A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | アパーチャ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003169464A JP2005004066A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | アパーチャ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005004066A true JP2005004066A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34094593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003169464A Withdrawn JP2005004066A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | アパーチャ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005004066A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015524935A (ja) * | 2012-04-27 | 2015-08-27 | レイア、インコーポレイテッドLeia Inc. | 表示画面で使用される指向性画素 |
-
2003
- 2003-06-13 JP JP2003169464A patent/JP2005004066A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015524935A (ja) * | 2012-04-27 | 2015-08-27 | レイア、インコーポレイテッドLeia Inc. | 表示画面で使用される指向性画素 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20051125 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20061214 |