JP2005003866A - 画素制御素子形成基板の製造方法 - Google Patents

画素制御素子形成基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005003866A
JP2005003866A JP2003166345A JP2003166345A JP2005003866A JP 2005003866 A JP2005003866 A JP 2005003866A JP 2003166345 A JP2003166345 A JP 2003166345A JP 2003166345 A JP2003166345 A JP 2003166345A JP 2005003866 A JP2005003866 A JP 2005003866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control element
pixel control
mold
wiring
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003166345A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Matsumura
英樹 松村
Yoichi Akasaka
洋一 赤坂
Kenichiro Kida
健一郎 木田
Kimihiro Maenaka
公祐 前中
Shigehira Minami
茂平 南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishikawa Seisakusho Ltd
Original Assignee
Ishikawa Seisakusho Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishikawa Seisakusho Ltd filed Critical Ishikawa Seisakusho Ltd
Priority to JP2003166345A priority Critical patent/JP2005003866A/ja
Publication of JP2005003866A publication Critical patent/JP2005003866A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

【課題】平面ディスプレイ基板の画素制御素子を選択的に転写して画素制御素子形成基板を製造するにあたり、画素制御素子の位置ずれをなくし、画素制御素子への配線を効率良く行なう方法を提供する。
【解決手段】画素制御素子の電極パッド部にへこみを形成し、そのへこみの深さと同じ高さの配線用凸型パターンを形成した鋳型を用い、配線用凸型パターンと電極パッド部のへこみとを合わせた状態で画素制御素子を鋳型に配置し、画素制御素子を平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに埋め込むことで、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに配線用凹型溝を形成し、形成された凹型溝にスクリーン印刷により、配線材料を印刷する。
【選択図】図22

Description

【0001】
【本発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタなどの画素制御素子によって画素のスイッチングを行なう液晶ディスプレイや有機ディスプレイ等の平面ディスプレイ基板の製造方法に関し、画素制御素子を所定の位置に選択転写することによる画素制御素子形成基板の製造方法での画素制御素子の転写方法、画素制御素子転写後の配線形成方法、及び、その配線の修復方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(従来の画素制御素子形成基板の製造方法)
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに代表される平面ディスプレイは、現在、ガラス基板上に化学気相堆積(CVD = Chemical Vapor Deposition)法等により絶縁膜、半導体膜等を順次堆積し、半導体集積回路を製作するのと同じ工程を経て、画面を構成する各画素近傍に、薄膜トランジスタ(TFT = Thin Film Transistor)等の微小電子デバイスが形成される。この微小電子デバイスでの各画素のオン、オフ、濃淡などを制御することにより、ディスプレイ画像が構成される。すなわち、実際に平面ディスプレイに使用するガラス基板上において直接、TFT等の能動電子デバイスが作製されている。しかし、昨今の大画面化への需要に対応するため、ディスプレイ面積を拡大させようとすると、以下の問題があった。
【0003】
第一に、平面ディスプレイの拡大に伴い、平面ディスプレイ基板上に微小電子デバイスを作製するCVD装置等の製造装置を必然的に巨大化させることとなる。また、微小電子デバイス作製の工程が多いため、前述のように巨大化させた製造装置が複数台必要となり、なおかつ、それらを設置するクリーンルームも巨大化させる必要がある。その結果として、製造コストの低減が困難な状況となっていた。
【0004】
第二に、ガラス基板が耐えられる300℃程度の低温における堆積薄膜で作製可能なアモルファス・シリコン(a−Si)膜などが半導体膜として使用されているため、結晶シリコンを使用する半導体電子デバイスに較べ動作性能が劣る。これを解決するために、例えばTFTの移動度を向上させてその動作性能を向上させるよう、堆積されたa−Si膜をレーザー照射により溶融させてポリ・シリコン(poly−Si)を形成し、そのpoly−Si膜を用いて移動度が大きいTFTを作ることも検討されている。特に、各画素にそれぞれ個別に制御された電流を流すことで発光させる有機ELによるディスプレイでは、a−Si TFTの動作機能では不十分であるとの考えが一般的であり、この点でもレーザー溶融poly−Si膜への期待が拡がっている。しかし、レーザー溶融poly−Si膜の作製は高コストであるため、限られた範囲でのみ使用されることが前提とされている。また、a−Si TFTにおいても画面対角寸法が40インチ以上となると、a−Si膜堆積とそれに続くパターン転写工程などの困難さ及び工程コストが共に増大することとなっていた。
【0005】
第三に、ガラス板を基板として用いるディスプレイにおいては、画面サイズが40インチ乃至100インチともなると、ガラス基板の強度を持たせるために板厚を増大させることとなるため、ディスプレイ全体の装置重量が増大してしまい、さらに、これを安定的に設置するために装置構造を大きくする必要があると同時に、これらに必要なコストも上昇してしまっていた。
【0006】
上記の問題点を解決するものとして、TFT等の微小電子デバイスを、ガラス基板ではない別の基板に予め多量に作製し、それをガラス基板上の所定の位置に実装する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0007】
【特許文献1】
特願2002−033289
【0008】
(画素制御素子の配置による画素制御素子形成基板の製造方法)
特許文献1には、予め別の場所にて多量に作製した画素制御素子を、平面ディスプレイ基板上における配列ピッチに関連付けてシリコン基板上に形成し、ディスプレイ基板上における配列ピッチに真空吸着孔を設けたピックアップ装置にて、画素制御素子を選択的にピックアップし、平面ディスプレイ基板上に画素制御素子を埋め込むことにより、平面ディスプレイ基板上に画素制御素子を配置する方法が示されている。また、平面ディスプレイ基板上に配置した画素制御素子への配線をスクリーン印刷によって、配線する方法も合わせて示されている。
【0009】
(スクリーン印刷での問題)
しかし、配線材料のスクリーン印刷の場合、配線用材料のにじみによって、配線同士がショートするなどの危険性もある。これを解決するために、配線ピッチを大きくとることも考えられるが、この場合、開口率が小さくなり、製作される平面ディスプレイが暗くなるなどの性能を低下させることとなる。
【0010】
(素子転写での問題)
また、特許文献1では、考慮されていないが、画素制御素子を選択的にピックアップした後、ピックアップした素子を離脱する場合、真空吸着固定した画素制御素子を確実に離脱できないという危険性もある。
【0011】
(素子埋め込みでの問題)
さらに、画素制御素子を基板あるいはフィルムへ埋め込む際、画素制御素子の位置ずれの危険性も有している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、特許文献1の手法では、画素制御素子への配線における配線材料のスクリーン印刷の際に、配線用材料のにじみによって、配線同士がショートするなどの危険性がある。また、画素制御素子を選択的にピックアップした後、ピックアップした素子を離脱する場合、真空吸着固定した画素制御素子を確実に離脱できないという危険性もある。さらに、画素制御素子を基板あるいはフィルムへ埋め込む際、画素制御素子の位置ずれの危険性も有している。
【0013】
そこで、本発明の目的は、画素制御素子への配線における配線材料のスクリーン印刷での、配線材料のにじみによる配線同士のショートの危険性が極めて少ない方法を提供するものである。さらに、画素制御素子のピックアップ装置からの離脱の問題、画素制御素子埋め込み時の位置ずれの問題への解決方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の画素制御素子形成基板の製造方法は、画素制御素子を平面ディスプレイ基板上に転写する画素制御素子形成基板の製造方法において、画素制御素子の配線用電極パッド部分にくぼみを形成することを特徴とする。
【0015】
画素制御素子への配線をスクリーン印刷によって行なう場合、配線材料と画素制御素子との接続が必要となる。配線材料を加熱溶融させることによって、配線材料と画素制御素子とを接続するには、平面ディスプレイにて使用される有機材料の損傷を防ぐためにも、低温で加熱溶融する低融点導電材料を使用する必要がある。ただし、低融点導電材料を加熱溶融した場合、これが流れ出すことにより、ショートなどの危険性がある。この発明においては、この配線材料と画素制御素子との接続のために、画素制御素子の配線用電極パッド部にくぼみを設け、そこに低融点導電膜を形成することにより、低融点導電膜の流れ出しを防止し、確実に配線材料との接続をとることが可能となる。
【0016】
この発明の請求項2記載の画素制御素子形成基板の製造方法は、画素制御素子を平面ディスプレイ基板上に転写する画素制御素子形成基板の製造方法において、平面ディスプレイ基板の画素制御素子への配線を導電材料のスクリーン印刷によって行なうに際し、導電材料のスクリーン印刷の前に、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの配線用パターン部分に、あらかじめ、配線用パターンが凸型に加工した鋳型によるホットエンボス加工により、凹型溝を加工しておき、加工した凹型溝に導電材料をスクリーン印刷することにより、配線を形成することを特徴とする。
【0017】
この発明においては、導電材料のスクリーン印刷の前に、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの配線用パターン部分に、あらかじめ、配線用パターンが凸型に加工した鋳型によるホットエンボス加工により、凹型溝を加工しておき、加工した凹型溝に導電材料をスクリーン印刷することで、印刷された配線材料が、凹型溝に留まり、配線パターンからのインクのにじみを防止することが可能となる。
【0018】
この発明の請求項3記載の画素制御素子形成基板の製造方法は、請求項2記載の鋳型の凸部分の高さは、請求項1記載の画素制御素子の電極パッド部のへこみの深さと同じ高さとし、鋳型には、画素制御素子の吸着固定用真空チャックを備え、鋳型の凸部分は、鋳型に画素制御素子を設置した際、画素制御素子の電極パッド部分が鋳型の凸部分と重なるようなパターンであることを特徴とする。
【0019】
また、請求項4記載の画素制御素子形成基板の製造方法は、画素制御素子を平面ディスプレイ基板上に転写する画素制御素子形成基板の製造方法において、請求項1記載の画素制御素子をピックアップして吸着保持する工程と、請求項3記載の配線用凹型溝を加工するための鋳型に画素制御素子を前記ピックアップ装置から転写する工程と、前記鋳型に転写された画素制御素子を平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに、加熱プレスにより埋め込む工程とを備えることにより、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに、画素制御素子を埋め込むと同時に配線用の凹型溝を加工することを特徴とする。
【0020】
これらの発明においては、請求項2記載の鋳型の凸部分の高さを請求項1記載の画素制御素子の電極パッド部のへこみの深さと同じ高さとし、鋳型には、画素制御素子の吸着固定用真空チャックを備え、鋳型の凸部分は、鋳型に画素制御素子を設置した際、画素制御素子の電極パッド部分が鋳型の凸部分と重なるようなパターンである鋳型を使用し、請求項1記載の画素制御素子をピックアップして吸着保持する工程と、当該鋳型に画素制御素子を前記ピックアップ装置から転写する工程と、当該鋳型に転写された画素制御素子を平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに、加熱プレスにより埋め込む工程とを備えることにより、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに、画素制御素子を埋め込むと同時に配線用の凹型溝を加工することが可能となる。
【0021】
この発明の請求項5記載の画素制御素子形成基板の製造方法は、請求項4記載の画素制御素子のピックアップ装置から鋳型への転写の際に、ピックアップ装置で吸着保持した画素制御素子を前記鋳型へ密着させた後、請求項3記載の鋳型に形成された真空吸着孔により、画素制御素子を鋳型に吸着固定した後、ピックアップ装置の真空吸着孔の真空吸着を止め、逆に、圧空を加えることにより、画素制御素子とピックアップ装置との離脱を確実に行なうことを特徴とする。
【0022】
この発明においては、請求項4記載の画素制御素子のピックアップ装置から鋳型への転写の際に、ピックアップ装置で吸着保持した画素制御素子を前記鋳型へ密着させた後、請求項3記載の鋳型に形成された真空吸着孔により、画素制御素子を鋳型に吸着固定した後、ピックアップ装置の真空吸着孔の真空吸着を止め、逆に、圧空を加えることにより、画素制御素子とピックアップ装置との離脱を確実に行なうことが可能となる。
【0023】
この発明の請求項6記載の画素制御素子形成基板の製造方法は、請求項4記載の鋳型に転写された画素制御素子の平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの転写の前に、あらかじめ平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの画素制御素子の埋め込み位置に画素制御素子形状よりは小さい孔を加工しておくことを特徴とする。
【0024】
この発明においては、請求項4記載の鋳型に転写された画素制御素子の平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの転写の前に、あらかじめ平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの画素制御素子の埋め込み位置に画素制御素子形状よりは小さい孔を加工しておくことで、画素制御素子の埋め込みでの位置ずれを極めて小さくすることが可能となる。
【0025】
この発明の請求項7記載の画素制御素子形成基板の製造方法は、請求項4記載の画素制御素子を平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに埋め込む際に、請求項6記載の平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに加工する孔、あるいは、画素制御素子自体に、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの孔部分の空気を逃がすための溝をつけておくことを特徴とする。
【0026】
この発明においては、請求項6記載の平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに加工する孔、あるいは画素制御素子自体に、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの孔部分の空気を逃がすための溝をつけておくことによって、画素制御素子を埋め込んだ場合の孔の空気溜まりを防止する。
【0027】
この発明の請求項8記載の画素制御素子形成基板の製造方法は、請求項4記載の画素制御素子を平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに埋め込んだ後に、請求項4記載の鋳型に設けた真空吸着穴から、圧空を吹き出すことにより、当該鋳型から平面ディスプレイ基板あるいはフィルムを引き剥がすことを特徴とする。
【0028】
この発明においては、請求項4記載の画素制御素子を平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに埋め込んだ後に、請求項4記載の鋳型に設けた真空吸着穴から、圧空を吹き出すことにより、当該鋳型から平面ディスプレイ基板あるいはフィルムを引き剥がすことが可能となる。
【0029】
この発明の請求項9記載の画素制御素子形成基板の製造方法は、請求項4記載のように、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの画素制御素子を埋め込みを行ない、請求項2記載のように、配線をスクリーン印刷によって行なった後、配線の欠陥部分の修復のために、欠陥部分にインクジェット法によって配線材料を滴下し、滴下した配線材料にレーザー照射を行ない、溶融することによって、配線を修復することを特徴とする。
【0030】
この発明においては、請求項4記載のように、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの画素制御素子を埋め込みを行ない、請求項2記載のように、配線をスクリーン印刷によって行なった後、配線の欠陥部分の修復のために、欠陥部分にインクジェット法によって配線材料を滴下し、滴下した配線材料にレーザー照射を行ない、溶融することによって、配線を修復することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を引用しながら説明する。
【0032】
(1.液晶ディスプレイ構造)
本実施の形態は、本発明の画素制御素子形成基板の製造方法を液晶ディスプレイの製造に適用したものである。液晶ディスプレイ200は、図37に示すように、画素制御素子形成基板100とカラーフィルター基板111との間に液晶112を挟持する構造をとる。透明熱可塑性樹脂フィルム101には、画素制御素子1と透明電極102とがマトリクス状に形成され、その上に、絶縁膜、配向膜110が形成される。他方、カラーフィルター基板111には、耐溶剤層113を介してカラーフィルター114が上記透明電極102と対向するように形成され、その表面にカラーフィルター用透明電極115と配向膜110が形成される。画素制御素子1は、複数の薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)が形成されたものであり、複数の透明電極102を制御することにより各画素のオン、オフ、濃淡などを制御する。
【0033】
(2.液晶ディスプレイの製造工程)
上記構成の液晶ディスプレイ200は、図38に示す製造方法により製造される。その概略は、画素制御素子用基板2に電極パッドとなる部分を削り取り、へこみを形成する工程R1と、画素制御素子用基板2に複数画素の制御を行う集積回路3を形成して保持基板7に固定する工程R2と、画素制御素子用基板2を研磨する工程R3と、画素制御素子1に切断する工程R4と、画素制御素子用基板2をピックアップ用吸着プレート9に移す工程R5と、画素制御素子1をピックアップ装置51により素子埋め込み用鋳型に転写する工程R6と、素子埋め込み用鋳型に転写した画素制御素子1を透明熱可塑性樹脂フィルム101に埋め込む工程R7と、配線形成を行なう工程R8と、配線の検査、修復を行なう工程R9と、透明電極を形成する工程R10と、絶縁膜を形成するR11と、透明熱可塑性樹脂フィルム101に防湿保護膜を形成する工程R12と、配向膜形成及びラビングをする工程R13と、カラーフィルター基板との貼り合わせと液晶注入を行なう工程R14とを備える。
【0034】
(3.電極パッド部へこみ加工)
まず、上記工程R1において、画素制御素子形成用基板2として結晶シリコン基板或いは多結晶シリコン基板(以下、シリコン基板とする)2に電極パッドとなる部分をエッチングして、へこみを形成する。このエッチングは、ドライエッチングあるいは、ウェットエッチングによって実施可能である。へこみ部分のシリコン基板表面からの深さは、1〜10μmが適当である。
【0035】
(4.集積回路形成)
次に、この画素制御素子形成用基板2に複数画素の制御を行う集積回路3を形成する。シリコン基板2上への集積回路3の形成は、周知の半導体製造技術によって行う。その集積回路3の一例を図1に示す。図1の集積回路3には画素制御を行う薄膜トランジスタの電子デバイス3aが12個形成されている。すなわち、1個の集積回路3によって、3色×4画素の制御を行うことができる。また、各画素の電流保持回路3b及び信号線,107をつなぐための電極パッド3cも形成しておく。この電極パッド部の断面を図2に示す。図2のように、電極パッド部は、先述のようにへこみを形成し、そのへこみ部分に配線との接続のための導電膜を形成する。このような集積回路3を形成後、図3に示すように、電極パッド3c以外の部分に、窒化シリコン膜、或いは酸化シリコン膜4を堆積し、集積回路3を保護する。
【0036】
(5.集積回路の配置)
図4に示されるように、シリコン基板2上には、図1に示されるような集積回路3が規則的な間隔で多数形成される。その規則的な間隔(ピッチ)5,6は、以下に説明するように、平面ディスプレイ基板100上におけるピッチ105,106に対応するものである。一つの集積回路3で、3色×4画素の制御を行う場合、平面ディスプレイ基板100上での画素制御素子1は、図5に示すように、第1の方向Xについてはピッチ105にて実装され、第2の方向Yについてはピッチ106にて実装される。そして、シリコン基板2上に多数形成された集積回路3のピッチ5,6は、図6のように、平面ディスプレイ基板100上での画素制御素子1の間隔105,106を基準とし、その間を自然数m,n個の画素制御素子1で埋めるようにして決定される。すなわち、平面ディスプレイ基板100における第1の方向Xについてのピッチ105をpxとし、同じく第2の方向Yについてのピッチ106をpyとした場合、シリコン基板2における第1の方向Xについてのピッチ5はpx/m、同じく第2の方向Yについてのピッチ6はpy/nとなる。そして、図7に示すように、シリコン基板2の表面すなわち集積回路3が形成されている面2aを、粘着テープ8によって保持基板7に固定する。
【0037】
(6.画素制御素子用基板研磨)
次に、工程R2において、シリコン基板2の裏面すなわち集積回路3が形成されない面2bを機械研磨して、シリコン基板2の厚さを20〜100μm程度に薄膜化する。シリコン基板2は、第1の粘着テープ8によって、第1の保持基板7に固定する。
【0038】
(7.画素制御素子用基板反転)
次に、工程R3において、第2の保持基板9にシリコン基板2を転写する。具体的には、図8に示すように、シリコン基板2の裏面2bと第2の保持基板9とを第2の粘着テープ10で接着した後、第1の粘着テープ8を剥離する。このようにしてシリコン基板2を保持基板7から第2の保持基板9に転写する。この結果、図9に示すように、集積回路3が形成された面2aは表面側となり、集積回路面が反転される。また、この際使用する第2の粘着テープ10は紫外線照射によって粘着力が低下するUVテープとし、このUVテープは、紫外線照射を行なう前の状態では、第1の粘着テープ8よりも粘着力が強いものとする。また、第2の保持基板9は、後工程でのUVテープ剥離のために、光を透過するガラス基板などの透明な基板を使用する。
【0039】
(8.切断)
その後、工程R4において、シリコン基板2を集積回路3ごとに、チップ形状に切断し、画素制御素子1を形成する。切断方法は、エッチング、サンドブラスト加工、レーザー加工、ダイシング加工などにより行うことができる。本実施の形態においては、サンドブラスト加工による例を説明する。
【0040】
図10、図11は、サンドブラスト加工による切断工程を示す。上述したシリコン基板2の機械研磨による薄膜化及び第2の保持基板9への転写の後、シリコン基板2に形成した集積回路3の間にて切断できるように、位置合わせ及び画素制御素子1のパターニングを行う。パターニングは、フォトリソグラフィー法などによって行う。図10は、フォトリソグラフィーによって、パターニングを行った後の状態を示したものである。次に、図11のように、パターニングによって形成したフォトレジスト11をマスクとして、サンドブラスト加工を行う。サンドブラスト加工によって、個々の画素制御素子1に切り分けた後、フォトレジスト11を剥離する。図12は、フォトレジスト11を剥離した後の様子を示している。
【0041】
(9.ピックアップ用吸着プレート転写)
次に、切り分けた画素制御素子1をピックアップ用吸着プレートへ転写を行なう。ここで使用されるピックアップ用吸着プレートは、微細な多くの孔が形成された多孔質吸着プレートで、これを真空引きすると、薄板、フィルムなどを吸着固定することができる。図13、14に、このピックアップ用吸着プレートへの画素制御素子1の転写を示す。図13では、第2の保持基板9上で切り分けた画素制御素子1とピックアップ用吸着プレートを密着させた状態で、ピックアップ用吸着プレートの真空引きを行ない、画素制御素子1を表面に固定し、第2の保持基板の裏面から、紫外線を照射している状態を示している。この紫外線照射によって、第2の粘着テープであるUVテープの粘着力が低下し、第2の粘着テープを画素制御素子1から剥離することができる。図14は、ピックアップ用吸着プレート上に画素制御素子1を転写した状態を示している。
【0042】
図14に示される段階においては、ピックアップ用吸着プレート上に、第1の方向Xのピッチ5がpx/m、第2の方向Yについてはピッチ6がpy/nとなるように画素制御素子1が配列された状態にある。次の工程R5においては、ピックアップ用吸着プレート上に配列された画素制御素子1から、所定の画素制御素子1のみをピックアップして、素子埋め込み用鋳型上に画素制御素子1を転写する。
【0043】
(10.選択的ピックアップ方法)
図15は、工程R6において、所定の画素制御素子1をピックアップ用吸着プレートからピックアップし、素子埋め込み用鋳型へ転写するための、ピックアップ装置51の真空チャック52を示したものである。画素制御素子1のチャッキング(吸着)を行う真空吸着穴53が、第1の方向Xには、平面ディスプレイ基板100上の画素制御素子1と同じ配列ピッチ55(すなわちpx)で自然数K列形成され、第2の方向Yにも同様に配列ピッチ56(すなわちpy)で自然数L行形成されている。したがって、この真空チャック52によって、平面ディスプレイ基板100上における第1の方向Xのピッチ105及び第2の方向Yのピッチ106を満たす画素制御素子1を、一度に最大K×L個ピックアップし、平面ディスプレイ基板100に転写することができる。
【0044】
図16において斜線が付された部分は、第1の方向Xにピッチ5(すなわちpx/m)にて、第2の方向Yにピッチ6(すなわちpy/n)にて規則正しく配列されている画素制御素子1において、真空チャック52によってピックアップされる画素制御素子1の一例を示す。すなわち、第1の方向Xには自然数m個ごとに(m−1個おきに)選択し、第2の方向には自然数n個ごとに(n−1個おきに)選択することとなるため、斜線が付された箇所の画素制御素子1が選択的にピックアップされることとなる。そして、次回のピックアップ時は、例えば、真空チャック52をピックアップ用基板9上において幅px/mだけ第1の方向X(図13において右方向)にずらした位置に来るようにすれば、既にピックアップされた画素制御素子1(図13において斜線が付されたもの)の右隣に位置する画素制御素子1を、前回のピックアップ時と同様に選択的にピックアップすることができる。このような選択的なピックアップ操作を最大m×n回繰り返すことができる。すなわち、この画素制御素子1のピックアップを1回もしくは、複数回行うことによって、素子埋め込み用鋳型全面に画素制御素子1を転写する。
【0045】
(11.真空チャック周辺の突起)
また、図17は、真空チャック52を用いて画素制御素子1をピックアップする状態を示す。図17に示すように、真空チャック52の真空吸着孔53の周辺の画素制御素子1との接触面が、他の面より突き出た形状にすることにより、ピックアップしない画素制御素子と真空チャック52との接触による位置ずれを防止することができる。
【0046】
(12.素子埋め込み用鋳型)
次に、ピックアップした画素制御素子1の素子埋め込み用鋳型への転写を行なう。その素子埋め込み用鋳型の上面図を図18に示す。また、図19にその断面図を示す。図18のように、素子埋め込み用鋳型には、配線用の凹溝を熱可塑性樹脂フィルムに形成するための配線用凸型パターンと画素制御素子1を固定するための真空吸着孔を設置する。図20は、素子埋め込み用鋳型に画素制御素子1を転写した状態を示す。図21はその断面図である。図20、図21に示すように、画素制御素子1の素子埋め込み用鋳型の配線用凸型パターンは、画素制御素子1に形成した電極パッドのくぼみが配線用凸型パターンの上に重なるような長さのものとする。また、その配線用凸型パターンの高さは、画素制御素子1に形成した電極パッド部のへこみの深さと同じ高さとする。また、素子埋め込み用鋳型に設置された真空吸着孔で画素制御素子1を吸引固定できるようになっている。
【0047】
(13.素子埋め込み用鋳型の加工方法)
この素子埋め込み用鋳型の加工方法としては、ステンレス、セラミックなどを鋳型材料とし、その表面の所定の画素制御素子の配置位置に、真空吸着孔を加工する。その後、表面を研磨する。その後、配線用凸型パターンを形成する。配線用凸型パターンは、全面に炭化チタン、窒化チタン、酸化アルミニウムなどのセラミックスをCVD、PVD、溶射などによりコーティングした後、フォトリソグラフォー法により、配線パターンの転写後、配線パターン以外の部分をエッチングによって除去して、加工できる。あるいは、炭化チタン、窒化チタン、酸化アルミニウムなどのセラミックスのコーティング時に、配線パターンが描かれたメタルマスクを用いることにより、直接パターンを形成しても良い。さらに、別の方法としては、めっき法によっても実施可能である。例えば硬質Crめっきを施す場合、先に、フォトリソグラフィー法により、配線パターン以外の部分にレジスト膜を形成しておき、配線パターンとなる部分を露出しておく。そして、硬質Crめっき処理を行なった後、レジスト膜を除去することで、鋳型表面に配線用凸型パターンを形成することができる。配線用凸型パターンの高さは、1〜10μmが適当で、画素制御素子1の電極パッド部のへこみ深さと同じ高さとする。あるいは、画素制御素子の吸着固定の点から、画素制御素子1の電極パッドのへこみの深さよりも若干低くすることが、好ましい。このようにして、鋳型表面には、画素制御素子1を吸着固定する真空吸着孔と配線用凸型パターンを形成する。また、この鋳型とフィルムとの離型性向上のために、鋳型の表面にフッ素樹脂をコートしてもよい。
【0048】
(14.素子埋め込み用鋳型への画素制御素子の転写)
この素子埋め込み用鋳型への画素制御素子1の転写について、図22〜図25を用いて、説明する。図22は、ピックアップ装置51の真空チャック52に吸着保持した画素制御素子1を素子埋め込み用鋳型上面へもってきた状態を示している。画素制御素子1と素子埋め込み用鋳型の配線用凸型パターンとを位置合わせした後、図23のように、素子埋め込み用鋳型に画素制御素子1を密着させる。その状態で、素子埋め込み用鋳型に設置された真空吸着孔にて真空吸引を行なう。
【0049】
次に、それまで、真空吸引により、画素制御素子1を吸着固定していたピックアップ装置51の真空チャック52から、逆に圧空を加える。図24は、その状態を示している。このように圧空を加えることによって、真空チャック52からの画素制御素子1の離脱が確実に行なわれる。その後、ピックアップ装置51の真空チャック52を上方に移動させる。図25は、真空チャッ52を上方へ移動した状態を示している。
【0050】
(15.素子埋め込み)
次に、工程R7において、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの画素制御素子1の埋め込みを行なう。図26のように、画素制御素子1を吸着固定した素子埋め込み用鋳型の上方に平面ディスプレイ基板あるいはフィルムをかぶせる。この際使用する平面ディスプレイ基板は、熱可塑性樹脂基板あるいは、熱可塑性樹脂膜を透明基板表面にラミネートしたものとする。また、フィルムを使用する場合は、熱可塑性樹脂フィルムを使用するものとする。本実施の形態では、熱可塑性樹脂フィルムを使用した例を示す。熱可塑性樹脂の材質としては、透明性が高いアクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィンが好ましい。
【0051】
(16.フィルムへの孔加工)
この熱可塑性樹脂フィルムへの画素制御素子1の埋め込みの前に、あらかじめ熱可塑性樹脂フィルムの画素制御素子1の埋め込む位置に画素制御素子の大きさよりも若干小さいへこみを加工しておく。このへこみを形成しておくことによって、熱可塑性樹脂フィルムに画素制御素子1を埋め込む際の、熱可塑性樹脂フィルムの変形量を小さくすることができる。このへこみの加工は、へこみ形状と逆パターンとなる凸型の鋳型をホットエンボス加工することによって実施することができる。熱可塑性樹脂フィルムに、このへこみを形成した場合、へこみ部分と画素制御素子1との位置合わせを行ない、熱可塑性樹脂フィルムへの画素制御素子1への埋め込みを行なう。
【0052】
次に、素子埋め込み用鋳型を加熱し、その状態で、熱可塑性樹脂フィルムを加熱プレスする。この状態を図27に示す。図27のように、熱可塑性樹脂フィルムの端から、もう一方の端まで、ロール型のプレスを行なうことで、画素制御素子1の埋め込みを行なう。このロール型プレスにより、フィルムと鋳型間の気泡を少なくし、より小さなプレス荷重で、画素制御素子1のフィルムへの埋め込みが可能となる。
【0053】
(17.鋳型からのフィルム離脱の方法)
このフィルムへの埋め込みを行なうと、鋳型とフィルムが密着する。この埋め込みの後、フィルムを剥離するために、鋳型の画素制御素子1を吸着固定するための真空穴から、圧空を吹き込む。これを図28に示す。このことにより、鋳型からのフィルムの剥離が容易となる。
【0054】
このようにして、フィルムに画素制御素子1を埋め込んだ状態を図29に示す。また、図30は、その上面図を示している。図30に示される配線用凹溝では、素子埋め込み用鋳型の配線用凸型パターンの高さと同じ深さの凹型溝が形成される。また、画素制御素子1の電極パッド部は、素子埋め込み用鋳型の配線用凸型パターンによって、樹脂の周り込みから保護されていたため、パッド部が露出した状態となっている。
【0055】
(18.配線形成)
次に、工程R8において、配線形成を行なう。これは、配線用凹溝にスクリーン印刷によって、配線材料を印刷することによって行なう。フィルム上に形成した配線用凹溝とスクリーン印刷用マスクのパターン合わせを行ない、配線材料を配線用凹溝に印刷する。この際使用する配線材料は、粘度の低いものであるが、配線用凹溝によって、パターン以外への流れ出しが規制されるため、にじみなどの危険性が極めて少ない。このフィルム上の配線用凹溝への配線材料のスクリーン印刷を行なった後の状態を図31に示す。配線材料の印刷後、フィルム全体を加熱することで、配線材料の溶媒を除去し、配線の固定化を行なう。
【0056】
(19.配線修復)
次に、工程R9において、配線の検査、修復を行なう。配線の検査は、配線の導通チェック、あるいは、表面観察によって行なう。配線の欠損部分を発見した場合、欠損箇所にインクジェット法により、配線材料を塗布する。その後、塗布した配線材料にレーザー照射を行なうことで、溶融させ、既に形成した配線との接続を行なう。
【0057】
(20.透明電極形成)
次に、透明電極の形成を行なう。透明電極として、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)などをスパッタあるいは蒸着して、透明電極を形成する。この透明電極の形成は、フィルム全面にITOをスパッタした後、フォトリソグラフィー法によって、透明電極パターンを転写後、エッチングすることによって、形成可能である。あるいは、透明電極パターンが描かれたメタルマスクを用いて、メタルマスクで透明電極を形成する部分を露出させた状態で、透明電極膜を堆積することによっても、フィルム上に透明電極を形成することが可能である。そのようにして、透明電極をフィルム上に形成した状態を図32に示す。
【0058】
(21.絶縁保護膜形成)
次に、配線と液晶との接触による液晶の劣化を防ぐために、絶縁保護膜を形成する。フィルム全面にスパッタ法あるいはCat−CVD法など、低温薄膜堆積法によって、シリコン窒化膜、あるいはシリコン酸化膜を形成する。フィルム全面に、絶縁保護膜を堆積した状態を図33に示す。
【0059】
次に、絶縁保護膜をフィルム上に堆積した後、透明導電膜上の絶縁保護膜を除去する。これは、フォトリソグラフィー法によってフォトレジストのパターニングを行ない、透明導電膜以外の部分をフォトレジストでマスクした後、絶縁保護膜をエッチングすることにより、実施可能である。その絶縁膜のエッチング後、フォトレジストを除去することで、透明電極が露出した状態となる。このようにして、透明導電膜上の絶縁保護膜を除去した状態を図34に示す。
【0060】
(22.防湿保護膜形成)
次に、水分、気体のフィルムからの透過による液晶の劣化を防ぐ目的で、防湿保護膜を形成する。この防湿保護膜としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜を用いる。これらの膜の堆積は、スパッタあるいはCat−CVD法など低温で薄膜堆積が可能な方法によって実施できる。このフィルム裏面に防湿保護膜を形成した状態を図35に示す。
【0061】
(23.配向膜形成、貼り合わせ)
次に、工程R9において、図36に示すようにフィルム表面に配向膜110を形成し、ラビングを行う。さらに工程R10において、カラーフィルター基板111の貼り合わせと液晶注入を行なう。液晶112及びスペーサーの注入、封止を行って液晶ディスプレイ200が完成する。
【0062】
【発明の効果】
(凹型溝の加工)
本発明の画素制御素子形成基板の製造方法によれば、画素制御素子の配線用電極パッド部分にくぼみを形成し、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの配線用パターン部分に、あらかじめ、配線用パターンを凸型に加工した鋳型によるホットエンボス加工により、凹型溝を加工しておき、その電極パッド部分のくぼみ、及び、加工した凹型溝に配線材料をスクリーン印刷することにより、配線パターンを規制し、にじみが生じず、配線同士のショートの危険性が極めて少なくなる。さらに、配線パターンを規制できることから、従来のスクリーン印刷よりもより細い配線パターンを形成することが可能となる。配線パターンが細くなると、液晶ディスプレイの光の透過部分を極めて大きくでき、開口率の大きな明るいディスプレイとなる。
【0063】
(凹型溝の加工→修復)
さらに、この凹型溝は、配線の修復にも効果がある。配線の欠損を修復する場合、インクジェット法により、欠損部分に配線材料を塗布し、それをレーザー溶融させることにより、修復が可能となる。通常、平板にインクジェット法によって印刷した場合、平板上で印刷したインクが広がるが、本発明のように、凹型溝によって配線パターンを規制しておくことで、印刷する配線材料がにじむことなく、欠損部分のみを修復することができる。また、それを既に形成された配線と接続するためには、レーザー照射を用いることで、局所的な加熱のみで、修復が可能で、基板全体への熱の影響を少なくすることができる。
【0064】
(素子埋め込み+凹型溝加工)
また、本発明のように、画素制御素子の埋め込みと配線用凹型溝の加工を同時に行なうことで、それぞれの工程を別に行なうよりも、生産効率を高めることができる。また同時に、鋳型の配線用凸型パターンが、画素制御素子の電極パッドと重ねることによって、電極パッド部分への樹脂の回り込みを防止することが可能である。さらに、配線用凸型パターンと画素制御素子の電極パッドのへこみによって、画素制御素子の鋳型への転写時の位置合わせが確実となるばかりでなく、そのはめ合わせによって、その後の平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの素子埋め込みの際の、画素制御素子の位置ずれの危険性を極めて少なくすることができる。
【0065】
(ピックアップ装置からの圧空による素子離脱)
また、本発明の、画素制御素子のピックアップ装置から鋳型への転写の際に、ピックアップ装置で吸着保持した画素制御素子を鋳型へ密着させた後、鋳型の真空吸着孔により、画素制御素子を鋳型に吸着固定した後、ピックアップ装置の真空吸着孔の真空吸着を止め、逆に、圧空を加えることにより、画素制御素子とピックアップ装置との離脱を確実に行なうが可能となる。
【0066】
(基板あるいはフィルムに予め孔加工)
また、本発明の、鋳型に転写された画素制御素子の平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの転写の前に、あらかじめ平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの画素制御素子の埋め込み位置に画素制御素子形状よりは小さい孔を加工しておくことによって、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの画素制御素子の埋め込みの際に生じる基板あるいはフィルムの変形量を小さくすることができる。さらに、画素制御素子を埋め込む際のプレス荷重も小さくすることが可能となる。
【0067】
(素子埋め込み後の基板あるいはフィルム剥離のために圧空)
また、本発明の、画素制御素子を平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに埋め込んだ後に、鋳型に設けた真空吸着穴から、圧空を吹き出すことにより、鋳型からの平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの剥離が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】集積回路の概略を示す上面図
【図2】集積回路の概略を示す断面図
【図3】集積回路上に保護膜を形成した状態を示す上面図
【図4】シリコン基板上に集積回路が形成された状態を示す上面図
【図5】平面ディスプレイ基板の上面図
【図6】シリコン基板の上面図
【図7】シリコン基板の機械研磨を示す断面図
【図8】シリコン基板の表裏反転を示す断面図
【図9】表裏反転後のシリコン基板の断面図
【図10】パターニングされたシリコン基板の断面図
【図11】サンドブラスト加工の説明図
【図12】フォトレジスト剥離後のシリコン基板の断面図
【図13】画素制御素子の表裏反転を示す断面図
【図14】表裏反転後の画素制御素子の断面図
【図15】真空チャックの上面図
【図16】画素制御素子の選択の説明図
【図17】画素制御素子のピックアップを示す断面図
【図18】素子埋め込み用鋳型の概略を示す上面図
【図19】素子埋め込み用鋳型の概略を示す断面図
【図20】素子埋め込み用鋳型に画素制御素子を設置した状態を示す上面図
【図21】素子埋め込み用鋳型に画素制御素子を設置した状態を示す断面図
【図22】素子埋め込み用鋳型に画素制御素子を設置しようとする状態を示す断面図
【図23】素子埋め込み用鋳型にて画素制御素子を吸着固定している状態を示す断面図
【図24】ピックアップ装置から圧空を加えている状態を示す断面図
【図25】素子埋め込み用鋳型への画素制御素子の配置後の状態を示す断面図
【図26】画素制御素子にフィルムをかぶせる状態を示す断面図
【図27】フィルムへ画素制御素子を埋め込んでいる状態を示す断面図
【図28】鋳型から圧空を加え、フィルムを剥離する状態を示す断面図
【図29】フィルムへ画素制御素子を埋め込んだ後の状態を示す断面図
【図30】フィルムへ画素制御素子を埋め込んだ後の状態を示す上面図
【図31】凹型溝にスクリーン印刷により配線を行なった後の状態を示す断面図
【図32】透明電極を形成した状態を示す断面図
【図33】絶縁膜を形成した状態を示す断面図
【図34】絶縁膜のパターニングを行なった状態を示す断面図
【図35】フィルムの裏面に防湿保護膜を形成した状態を示す断面図
【図36】配向膜が形成された状態を示す断面図
【図37】平面ディスプレイ基板の上面図
【図38】液晶ディスプレイの断面図
【図39】液晶ディスプレイの加工工程図

Claims (9)

  1. 画素制御素子を平面ディスプレイ基板上に転写する画素制御素子形成基板の製造方法において、画素制御素子の配線用電極パッド部分にくぼみを形成することを特徴とする画素制御素子形成基板の製造方法。
  2. 画素制御素子を平面ディスプレイ基板上に転写する画素制御素子形成基板の製造方法において、平面ディスプレイ基板の画素制御素子への配線を導電材料のスクリーン印刷によって行なうに際し、導電材料のスクリーン印刷の前に、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの配線用パターン部分に、あらかじめ、配線用パターンが凸型に加工した鋳型によるホットエンボス加工により、凹型溝を加工しておき、加工した凹型溝に導電材料をスクリーン印刷することにより、配線を形成することを特徴とする画素制御素子形成基板の製造方法。
  3. 請求項2記載の鋳型の凸部分の高さは、請求項1記載の画素制御素子の電極パッド部のへこみの深さと同じ高さとし、鋳型には、画素制御素子の吸着固定用真空チャックを備え、鋳型の凸部分は、鋳型に画素制御素子を設置した際、画素制御素子の電極パッド部分が鋳型の凸部分と重なるようなパターンであることを特徴とする画素制御素子基板の製造方法。
  4. 画素制御素子を平面ディスプレイ基板上に転写する画素制御素子形成基板の製造方法において、請求項1記載の画素制御素子をピックアップして吸着保持する工程と、請求項3記載の配線用凹型溝を加工するための鋳型に画素制御素子を前記ピックアップ装置から転写する工程と、前記鋳型に転写された画素制御素子を平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに、加熱プレスにより埋め込む工程とを備えることにより、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに、画素制御素子を埋め込むと同時に配線用の凹型溝を加工することを特徴とする画素制御素子形成基板の製造方法。
  5. 請求項4記載の画素制御素子のピックアップ装置から鋳型への転写の際に使用するピックアップ装置に関して、ピックアップ装置による画素制御素子のピックアップ時に、ピックアップしない画素制御素子にピックアップ装置を接触させないことを目的に、画素制御素子を吸着固定する真空吸着孔の、画素制御素子が接触する部分を他の面よりも突き出た形状のピックアップ装置を使用することを特徴とする画素制御素子形成基板の製造方法。
  6. 請求項4記載の画素制御素子のピックアップ装置から鋳型への転写の際に、ピックアップ装置で吸着保持した画素制御素子を前記鋳型へ密着させた後、請求項3記載の鋳型に形成された真空吸着孔により、画素制御素子を鋳型に吸着固定した後、ピックアップ装置の真空吸着孔の真空吸着を止め、逆に、圧空を加えることにより、画素制御素子とピックアップ装置との離脱を確実に行なうことを特徴とする画素制御素子形成基板の製造方法。
  7. 請求項4記載の鋳型に転写された画素制御素子の平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの転写の前に、あらかじめ平面ディスプレイ基板あるいはフィルムの画素制御素子の埋め込み位置に画素制御素子形状よりは小さい孔を加工しておくことを特徴とする画素制御素子形成基板の製造方法。
  8. 請求項4記載の画素制御素子を平面ディスプレイ基板あるいはフィルムに埋め込んだ後に、請求項4記載の鋳型に設けた真空吸着穴から、圧空を吹き出すことにより、当該鋳型から平面ディスプレイ基板あるいはフィルムを引き剥がすことを特徴とする画素制御素子形成基板の製造方法。
  9. 請求項4記載のように、平面ディスプレイ基板あるいはフィルムへの画素制御素子を埋め込みを行ない、請求項2記載のように、配線をスクリーン印刷によって行なった後、配線の欠陥部分の修復のために、欠陥部分にインクジェット法によって配線材料を滴下し、滴下した配線材料にレーザー照射を行ない、溶融することによって、配線を修復することを特徴とする画素制御素子形成基板の製造方法。
JP2003166345A 2003-06-11 2003-06-11 画素制御素子形成基板の製造方法 Pending JP2005003866A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003166345A JP2005003866A (ja) 2003-06-11 2003-06-11 画素制御素子形成基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003166345A JP2005003866A (ja) 2003-06-11 2003-06-11 画素制御素子形成基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005003866A true JP2005003866A (ja) 2005-01-06

Family

ID=34092539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003166345A Pending JP2005003866A (ja) 2003-06-11 2003-06-11 画素制御素子形成基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005003866A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007149974A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Oki Electric Ind Co Ltd 半導体素子の製造方法
JP2011155231A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Fujifilm Corp 放射線画像検出器及びその製造方法、並びに保護部材
JP2012523667A (ja) * 2009-04-09 2012-10-04 グローバル・オーエルイーディー・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー チップレットを備えるフレキシブルoledディスプレイ
CN109473377A (zh) * 2017-09-08 2019-03-15 三星电子株式会社 用于制造半导体的设备
KR20190131309A (ko) * 2018-05-16 2019-11-26 (주)포인트엔지니어링 마이크로 led 전사 시스템
KR20190141887A (ko) * 2018-06-15 2019-12-26 (주)포인트엔지니어링 마이크로 led 전사헤드 및 마이크로 led 전사 스테이지

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007149974A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Oki Electric Ind Co Ltd 半導体素子の製造方法
JP2012523667A (ja) * 2009-04-09 2012-10-04 グローバル・オーエルイーディー・テクノロジー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー チップレットを備えるフレキシブルoledディスプレイ
JP2011155231A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Fujifilm Corp 放射線画像検出器及びその製造方法、並びに保護部材
US8647965B2 (en) 2010-01-28 2014-02-11 Fujifilm Corporation Radiographic image detector, method of producing the same, and protective member
CN109473377A (zh) * 2017-09-08 2019-03-15 三星电子株式会社 用于制造半导体的设备
KR20190028099A (ko) * 2017-09-08 2019-03-18 삼성전자주식회사 반도체 제조 장치
KR102609560B1 (ko) * 2017-09-08 2023-12-04 삼성전자주식회사 반도체 제조 장치
KR20190131309A (ko) * 2018-05-16 2019-11-26 (주)포인트엔지니어링 마이크로 led 전사 시스템
KR102527138B1 (ko) * 2018-05-16 2023-04-28 (주)포인트엔지니어링 마이크로 led 전사 시스템
KR20190141887A (ko) * 2018-06-15 2019-12-26 (주)포인트엔지니어링 마이크로 led 전사헤드 및 마이크로 led 전사 스테이지
KR102527139B1 (ko) 2018-06-15 2023-04-28 (주)포인트엔지니어링 마이크로 led 전사헤드 및 마이크로 led 전사 스테이지

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7585703B2 (en) Pixel control element selection transfer method, pixel control device mounting device used for pixel control element selection transfer method, wiring formation method after pixel control element transfer, and planar display substrate
CN101796561B (zh) 显示元件的制造方法、显示元件的制造装置及显示装置
TWI451610B (zh) 發光裝置之母板結構以及發光裝置及其製造方法
TWI731482B (zh) 掩模支撐模板、掩模金屬膜支撐模板、掩模支撐模板的製造方法及框架一體型掩模的製造方法
TWI234268B (en) Manufacturing method of thin film device, optoelectronic device, and electronic machine
JP2009516863A (ja) 複数の薄膜部品を含むスクリーン形の可撓性電子デバイスを製造する方法
JP2003045901A (ja) 素子の転写方法及びこれを用いた素子の配列方法、画像表示装置の製造方法
KR101456382B1 (ko) 전자 장치 및 그 제조 방법
TWI416638B (zh) 安裝晶片載置器至基板的方法
JP4078825B2 (ja) 回路基板の製造方法、並びに表示装置の製造方法
JP3890921B2 (ja) 素子の配列方法及び画像表示装置の製造方法
JP2003347524A (ja) 素子の転写方法、素子の配列方法及び画像表示装置の製造方法
JP2004219964A (ja) 画素制御素子の選択転写方法、及び、画素制御素子の選択転写方法に使用される画素制御素子の実装装置
US20100051191A1 (en) Method of manufacturing thin film device
JP2003332523A (ja) 素子の転写方法、素子の配列方法及び画像表示装置の製造方法
JP2005003866A (ja) 画素制御素子形成基板の製造方法
JP3617522B2 (ja) 平面ディスプレイ基板
WO2015043315A1 (zh) 阵列基板及其制造方法、显示装置
JP2002314053A (ja) チップ部品の転写方法及びこれを用いた素子の配列方法、画像表示装置の製造方法
US11018328B2 (en) Method and apparatus for manufacturing display substrate
JP2009231533A (ja) 剥離方法、剥離装置および半導体装置の製造方法
JP2005266616A (ja) 光学的表示装置及びその製造方法
JP2003248436A (ja) 大画面平面ディスプレイ装置並びにその製造方法及び製造装置
KR102351470B1 (ko) 마이크로 led 리페어 장치 및 이의 제조 방법
JP4078830B2 (ja) 表示装置及び表示装置の製造方法