JP4078830B2 - 表示装置及び表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は発光素子を転写し実装基板上に配列させる表示装置及び表示装置の製造方法に関し、特に金属である実装基板上に発光素子を転写し配列させる表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、発光素子をマトリクス状に配列して表示装置に組上げる場合には、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)やプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)のように基板上に素子を形成するか、あるいは発光ダイオードディスプレイ(LEDディスプレイ)のように単体の発光ダイオードパッケージを配列することが行われている。このとき、発光素子を転写し配列させる実装基板としてガラス基板や石英ガラス基板などが用いられている。
【0003】
ガラス基板や石英ガラス基板以外の基板を用いて作られた表示装置として、例えば特開平3−61990に記載されるLED(発光ダイオード)表示器や特開平2−189803に記載される可撓性を有する表示装置などが知られている。
【0004】
特開平3−61990記載のLED表示器は、複数のLEDチップをモールド化した単一のフラット型LEDユニットを柔軟性のある帯状体(ゴム等)に一体的に埋め込んだものであり、ライン表示や曲線表示を行う場合に照光の調整が不要で、取り付け部が簡単で取り付け作業が容易という特徴を有する。
【0005】
特開平2−189803記載の表示装置はフレキシブルプリント基板にチップ型発光ダイオードを配置した可撓性を有する表示装置である。可撓性を有するベースフィルム上に形成した導体パターンの上からオーバーレイフィルムを覆着し、前記導体パターンのうちでリードレスタイプのチップ型発光ダイオードの端子が接続されるランド部のオーバーレイフィルムを除去して、前記ランド部を露出させて可撓性を有するフレキシブルプリント基板を形成する。そして、リードレスタイプのチップ型発光ダイオードを前記フレキシブルプリント基板のランド部に半田付けし、前記多数のチップ型発光ダイオードの群によって表示要素を形成した表示装置である。そのため、表示要素部が自ら発光しアクティブな表示をすることができるとともに、全体に可撓性を有するため、収納が容易な携帯用の表示装置であり、使用時に一部を折り曲げた状態でも構わない等の使用時の形態を問わないという特徴を有する。
【0006】
また、発光素子である発光ダイオードは高価であるため、一枚のウエハから数多くの発光ダイオードチップを製造することにより発光ダイオードを用いた表示装置を低コストにできるが、各素子を集積度高く形成し、各素子を広い領域に転写などによって離間させながら移動させ、画像表示装置などの比較的大きな表示装置を構成することにより、発光ダイオードを用いた表示装置を低コスト化する技術がある。例えば、伸縮性基板に素子を転写してx方向及びy方向に該基板を伸張させる米国特許No.5438241記載の薄膜転写法や、画素ピッチに対応して選択的に転写する特開平11−142878号記載の表示用トランジスタアレイパネルの形成方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の技術において、次のような問題がある。まず、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)に使用されるガラス基板ではその材質の性質上、曲面加工や表面加工など基板それ自体の加工が容易ではなく、また、加工したガラス基板に発光素子を実装することは容易ではない。平面基板に実装後、曲面加工や表面加工を施すことは、高温処理を要することからさらに困難である。
【0008】
さらに、従来のガラス基板は、圧力や衝撃力のような物理的な力に対して弱いという問題がある。例えば、ガラス基板を用いて製造された表示装置では、圧力や衝撃力が加わると、発光素子等の素子だけでなく実装基板自体までもが破壊される。また、曲面加工や表面加工のような加工が施された複雑な形状の実装基板を用いた表示装置を製造する上で、物理的な力に対して弱い実装基板では、表示装置としての十分な強度を得ることができず、曲面ディスプレイや大型ディスプレイ等の実装基板としては適さない。
【0009】
特開平3−61990記載のLED表示器におけるゴム等の柔軟性のある帯状体や特開平2−189803の可撓性を有する表示装置におけるフレキシブルプリント基板などの基板では、半導体と金属からなる素子と熱膨張係数が異なる樹脂フィルムへ発光ダイオードを転写するため、位置決め前と後の温度や応力の変動によって位置合わせ精度が損なわれやすく、そのため配線不良の問題も生ずる。また、これらの基板は、確かに柔軟で曲がるといえども実装基板としては十分な強度を得ることができず、また熱に対して弱いため、LCD 、PDP製造において実装基板として用いるには適当ではない。
【0010】
また、上述のような表示装置を低コスト化する転写技術では、伸縮性基板の伸長時の不動点(支点)のデバイスチップの接着面での位置によって、デバイス位置が最小でチップサイズ(≧20μm)だけずれるという本質的な問題を抱えている。そのため、デバイスチップごとの精密な位置制御が不可欠となり、少なくとも1μm程度の位置合わせ精度が必要な高精細TFTアレイパネルの形成には、TFTデバイスチップ毎の位置計測と制御を含む位置合わせに多大な時間を要する。
【0011】
そこで本発明は曲面加工や表面加工が容易な実装基板上に発光素子を転写により配列でき、さらに発光素子を実装基板に転写する際に、転写後も位置合わせ精度が損なわれることもなく、また配線不良などの問題も解決できる表示装置及び表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の表示装置は、発光素子を係合する凹部を有する金属基板と、凹部上に形成された接着樹脂層と、を有し、接着樹脂層を加熱し、凹部に樹脂で覆われた発光素子を配置することを特徴とする。
【0013】
本発明の表示装置は、発光素子を転写して金属基板上に配列する表示装置であり、金属の容易に曲面加工できる性質により、容易に曲面加工することができる実装基板を有する表示装置である。金属基板を実装基板に用いる場合、容易に実装基板を曲面加工することができ、予め曲面加工した実装基板上に発光素子を転写して配列することにより、曲面を有する実装基板上に発光素子を配列でき、前記実装基板を用いて曲面ディスプレイを実現できる。また、予め発光素子を転写し配列した金属基板である実装基板を曲面加工したとしても、発光素子が転写し配列された曲面を有する実装基板を形成することができ、該実装基板を用いて曲面ディスプレイを実現することができる。
【0014】
金属の容易に表面加工できる性質を用いて金属基板の表面に発光素子の底部に係合する凹部を形成し、この凹部に発光素子を配置することにより、発光素子の位置精度を損なうことなく、また配線不良の問題も解決できる。
【0015】
また、金属基板の場合、半導体である発光素子と金属である基板の熱膨張係数を、基板側の合金組成を適切なものにすることで同程度にすることができるため、位置決め前と後の温度や応力の変動による位置精度の損失や配線不良を回避でき、さらに、実装基板に金属基板を用いることにより大型ディスプレイとしての十分な強度も得ることができる。
【0016】
本発明の表示装置の製造方法は、金属基板上に発光素子を係合する凹部を形成し、凹部上に接着樹脂層を形成し、接着樹脂層を加熱し、凹部に樹脂で覆われた発光素子を配置することを特徴とする。
【0017】
本発明の表示装置の製造方法は、発光素子を転写して金属基板上に配列する表示装置を製造する方法であって、金属の容易に曲面加工できる性質を用いて曲面加工した金属基板上に発光素子を転写し配列することにより、曲面を有する実装基板を形成でき、曲面を有する実装基板上に発光素子を配列でき、前記実装基板を用いて曲面ディスプレイを実現できる。
【0018】
金属の容易に表面加工できる性質を用いて金属基板の表面に跛行素子の底部に係合する凹部を形成し、この凹部に発光素子を配置することにより、発光素子の位置精度を損なうことなく、また配線不良の問題も解決できる。
【0019】
また、半導体である発光素子と金属である基板の熱膨張係数を、基板側の合金組成を適切なものにすることで同程度にすることができるため、位置決め前と後の温度や応力の変動による位置精度の損失や配線不良を回避できる。
【0020】
さらに、発光素子を転写する際に拡大転写法を用いることにより、広い領域に位置精度良く転写することができ、実装基板に金属基板を用いることにより大型ディスプレイ製造に必要な発光素子の位置精度と大型ディスプレイとしての十分な強度を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
まず、本発明の実施の形態において前提となる発光素子、該発光素子の転写方法、及び前記発光素子を埋め込んだ構造を有する樹脂形成チップついて説明した後、本発明の表示装置及び表示装置の製造方法を説明する。
【0023】
[発光素子]
図1に本実施形態で使用される発光素子の構造の一例を示す。なお、この発光ダイオードは本発明の表示装置に用いて好適なものであるが、他の構造の発光素子を用いることも可能である。
【0024】
図1の(a)が素子断面図であり、図1の(b)が平面図である。この発光素子はGaN系の発光ダイオードであり、例えばサファイヤ基板上に結晶成長される素子である。このようなGaN系の発光ダイオードでは、基板を透過するレーザ照射によってレーザアブレーションが生じ、GaNの窒素が気化する現象にともなってサファイヤ基板とGaN系の成長層との界面で膜剥がれが生じ、素子分離を容易なものにできる特徴を有している。
【0025】
まず、その構造については、GaN系半導体層からなる下地成長層10上に選択成長された六角錐形状のGaN層11が形成されている。なお、下地成長層10上には図示しない絶縁膜が存在し、六角錐形状のGaN層11はその絶縁膜を開口した部分にMOCVD法などによって形成される。このGaN層11は、成長時に使用されるサファイヤ基板の主面をC面とした場合にS面(1−101面)で覆われたピラミッド型の成長層であり、シリコンをドープさせた領域である。このGaN層11の傾斜したS面の部分はダブルへテロ構造のクラッドとして機能する。GaN層11の傾斜したS面を覆うように活性層であるInGaN層12が形成されており、その外側にマグネシウムドープのGaN層13が形成される。このマグネシウムドープのGaN層13もクラッドとして機能する。
【0026】
このような発光ダイオードには、p電極14とn電極15が形成されている。p電極14はマグネシウムドープのGaN層13上に形成されるNi/Pt/AuまたはNi(Pd)/Pt/Auなどの金属材料を蒸着して形成される。n電極15は上述の図示しない絶縁膜を開口した部分でNi/Al/Pt/Auなどの金属材料を蒸着して形成される。なお、図1に示すように下地成長層10の裏面側からn電極の取り出しを行う場合は、n電極15の形成は下地成長層10の表面側には不要となる。
【0027】
このような構造のGaN系の発光ダイオードは、青色発光も可能な素子であって、特にレーザアブレーションより比較的簡単にサファイヤ基板から剥離することができ、レーザビームを選択的に照射することで選択的な剥離が実現される。なお、GaN系の発光ダイオードとしては、平板上や帯状に活性層が形成される構造であっても良く、上端部にC面が形成された角錐構造のものであっても良い。また、他の窒化物系発光素子や化合物半導体素子などであっても良い。
【0028】
[転写方法]
本発明の表示装置及び表示装置の製造方法における素子の転写方法は、高集積度をもって第一基板上に作成された素子を第一基板上で素子が配列された状態よりは離間した状態となるように一時保持用部材に転写し、次いで一時保持用部材に保持された前記素子をさらに離間して第二基板上に転写する二段階の拡大転写を行う転写方法(二段階拡大転写法)である。なお、本実施形態では転写を二段階としているが、素子を離間して配置する拡大度に応じて転写を三段階やそれ以上の多段階とすることもできる。
【0029】
図2は二段階拡大転写法の基本的な工程を示す図である。まず、図2の(a)に示す第一基板20上に発光素子である素子22を密に形成する。素子を密に形成することで、各基板当たりに生成される素子の数を多くすることができ、製品コストを下げることができる。第一基板20は例えば半導体ウエハ、ガラス基板、石英ガラス基板、サファイヤ基板、プラスチック基板などの種々素子形成可能な基板であるが、各素子22は第一基板20上に直接形成したものでも良く、他の基板上で形成されたものを配列したものでも良い。
【0030】
次に図2の(b)に示すように、第一基板20から各素子22が図中破線で示す一時保持用部材21に転写され、この一時保持用部材21の上に各素子22が保持される。ここで隣接する素子22は離間され、図2の(b)のようにマトリクス状に配され、素子22はx方向及びy方向の双方向に間隔を広げられて転写される。このとき離間される距離は、特に限定されず、一例として後続の工程での樹脂部形成や電極パッドの形成を考慮した距離とすることができる。一時保持用部材21上に第一基板20から転写した際に第一基板20上の全部の素子が離間されて転写されるようにすることができる。この場合には、一時保持用部材21のサイズはマトリクス状に配された素子22の数(x方向及びy方向にそれぞれ)に離間した距離を乗じたサイズ以上であれば良い。また、一時保持用部材21上に第一基板20上の一部の素子が離間されて転写されるようにすることも可能である。
【0031】
後述するように、素子22は、所要の吸着用治具やアクチュエーターなどを用いて機械的手段で一時保持用部材21へ転写することもでき、あるいは熱や光により軟化、硬化、架橋、劣化などの反応を生ずる樹脂を塗布した上に熱や光を局所的に照射して剥離や接着などを生じさせて選択的に転写することもできる。また機械的手段と熱や光を組み合わせて転写することもできる。一般には第一基板20と一時保持用部材21の双方の面同士を対峙させるが、素子22を第一基板20から個々に分離してから改めて一時保持用部材21に並べることもできる。
【0032】
このような第一転写工程の後、図2の(c)に示すように、一時保持用部材21上に存在する素子22は離間され、各素子22ごとに素子周りの樹脂の被覆と電極パッドの形成が行われる。素子周りの樹脂の被覆は電極パッドを形成し易くし、次の第二転写工程での取扱いを容易にするなどのために形成される。電極パッドの形成は、後述するように、最終的な配線が続く第二転写工程の後に行われるため、その際に配線不良が生じないように比較的大き目のサイズに形成される。なお、図2の(c)には電極パッドは図示していない。各素子22の周りを樹脂23が覆うことで樹脂形成チップ24が形成される。素子22は平面上、樹脂形成チップ24の略中央に位置するが、一方の辺や角側に偏った位置に存在してもよい。
【0033】
次に、図2の(d)に示すように、第二転写工程が行われる。この第二転写工程では一時保持用部材21上でマトリクス状に配される素子22が樹脂形成チップ24ごとに更に離間するように金属基板25上に転写される。この転写も第一転写工程と同様に、所要の吸着用治具やアクチュエーターなどを用いて機械的手段を使用して行うこともでき、あるいは熱や光によって軟化、硬化、架橋、劣化などの反応を生ずる樹脂などを塗布した上で熱や光を局所的に照射して剥離や接着などを生じさせて選択的に転写を行うこともできる。さらには、熱や光と機械的手段の組み合わせで転写することもできる。
【0034】
第二転写工程においても、隣接する素子22は樹脂形成チップ24ごとに離間され、図示のようにマトリクス状に配される。すなわち、素子22はx方向だけでなく、その垂直方向のy方向にも素子間を広げるように転写される。第二転写工程によって配置された素子の位置が表示装置などの最終製品の画素に対応する位置であるとすると、当初の素子22間のピッチの略整数倍が第二転写工程によって配置された素子22のピッチとなる。ここで、第一基板20から一時保持用部材21での離間したピッチの拡大率をnとし、一時保持用部材21から金属基板25での離間したピッチの拡大率をmとすると、略整数倍の値EはE=n(mで表され、この拡大率n、mはそれぞれ整数であっても良く、整数でなくともEが整数となる組み合わせ(例えばn=2.4でm=5)であれば良い。
【0035】
金属基板25上に樹脂形成チップ24ごとに離間された各素子22には、配線が施される。このとき、先に形成した電極パッド等を利用して接続不良を極力抑えながらの配線がなされる。この配線は例えば素子22が発光ダイオードなどの発光素子の場合には、p電極、n電極への配線を含む。
【0036】
この図2に示した二段階拡大転写法においては、第一転写後の離間したスペースを利用して電極パッドや樹脂固めなどを行うことができ、そして第二転写後に配線が施されるが、先に形成した電極パッド等を利用して接続不良を極力抑えながらの配線がなされる。したがって、表示装置の歩留まりを向上させることができる。また、本実施形態の二段階拡大転写法においては、素子間の距離を離間する工程が二工程であり、このような素子間の距離を離間する複数工程の拡大転写を行うことで、実際は転写回数が減ることになる。すなわち、例えば、ここで第一基板20から一時保持用部材21での離間したピッチの拡大率を2(n=2)とし、一時保持用部材21から金属基板25での離間したピッチの拡大率を2(m=2)とすると、仮に一度の転写で拡大した範囲に転写しようとしたときでは、最終拡大率が2(2の4倍で、その二乗の16回の転写すなわち第一基板のアライメントを16回行う必要が生ずるが、本実施形態の二段階拡大転写法では、アライメント回数は第一転写工程での拡大率2の二乗の4回と第二転写工程での拡大率2の二乗の4回を単純に加えただけの計8回で済むことになる。すなわち、同じ転写倍率を意図する場合においては、(n+m)=n+2nm+mであることから、必ず2nm回だけ転写回数を減らすことができることになる。したがって、製造工程も回数分だけ時間や経費の節約となり、特に拡大率の大きい場合に有益となる。また、転写先の基板を金属基板25とすることで、曲面加工なども容易である。
【0037】
なお、図2に示した二段階拡大転写法においては、素子22は発光素子であるが、これに限定されず、他の素子例えば液晶制御素子、光電変換素子、圧電素子、薄膜トランジスタ素子、薄膜ダイオード素子、抵抗素子、スイッチング素子、微小磁気素子、微小光学素子から選ばれた素子もしくはその部分、これらの組み合わせなどであっても良い。
【0038】
[樹脂形成チップ]
次に、図3および図4を参照して、一時保持用部材で形成され、第二基板に転写される樹脂形成チップについて説明する。樹脂形成チップ30は、離間して配置されている素子31の周りを樹脂32で固めたものであり、このような樹脂形成チップ30は、一時保持用部材から第二基板に素子31を転写する場合に使用できるものである。
【0039】
図4の素子31は上述のような発光素子であるが、特に発光素子に限らず他の素子であっても良い。樹脂形成チップ30は略平板上でその主たる面が略正方形状とされる。この樹脂形成チップ30の形状は樹脂32を固めて形成された形状であり、具体的には未硬化の樹脂を各素子31を含むように全面に塗布し、これを硬化した後で縁の部分をダイシング等で切断することで得られる形状である。略平板上の樹脂32の表面側と裏面側にはそれぞれ電極パッド33,34が形成される。これら電極パッド33,34の形成は全面に電極パッド33,34の材料となる金属層や多結晶シリコンなどの導電層を形成し、フォトリソグラフィー技術により所要の電極形状にパターニングすることで形成される。これら電極パッド33,34は発光素子である素子31のp電極とn電極にそれぞれ接続されるように形成されており、必要な場合には樹脂32にビアホールなどが形成される。
【0040】
ここで電極パッド33,34は樹脂形成チップ30の表面側と裏面側にそれぞれ形成されているが、一方の面に両方の電極パッドを形成することも可能であり、例えば、薄巻くトランジスタの場合ではソース、ゲート、ドレインの3つの電極があるため、電極パッドを3つ或いはそれ以上形成しても良い。電極パッド33,34の位置が平板上ずれているのは、最終的な配線形成時に上側からコンタクトをとっても重ならないようにするためである。電極パッド33,34の形状も正方形に限定されず他の形状としても良い。
【0041】
このような樹脂形成チップ30を構成することで、素子31の周りが樹脂32で被覆され平坦化によって精度良く電極パッド33,34を形成できるとともに素子31に比べて広い領域に電極パッド33,34を延在でき、次の第二転写工程での転写を吸着治具で進める場合には取扱いが容易になる。後述するように、最終的な配線が続く第二転写工程の後に行われるため、比較的大き目のサイズの電極パッド33,34を利用した配線を行うことで、配線不良が未然に防止される。さらに、樹脂形成チップ30を構成したことから、転写先の基板が金属基板であっても電気的な短絡などの問題が発生しない。従って、金属基板による利点を大きく引き出すことができる。
【0042】
[表示装置及び表示装置の製造方法]
次に、図5から図11までを参照しながら、本発明の一実施形態としての表示装置及び表示装置の製造方法について説明する。なお、発光素子は図1に示したGaN系の発光ダイオードを用いている。
【0043】
まず、図5に示すように、第一基板41の主面上には複数の発光ダイオード42がマトリクス状に形成されている。発光ダイオード42の大きさは約20μm程度とすることができる。第一基板41の構造材料としてはサファイヤ基板などのように発光ダイオード42に照射するレーザの波長の透過率の高い材料が用いられる。発光ダイオード42にはp電極などまでは形成されているが最終的な配線は未だなされておらず、素子間分離の溝42gが形成されていて、個々の発光ダイオード42は分離できる状態にある。この溝42gの形成は例えば反応性イオンエッチングで行う。このような第一基板41を図5に示すように一時保持用部材43に対峙させて選択的な転写を行う。
【0044】
一時保持用部材43の第一基板41に対峙する面には剥離層44と接着剤層45が2層になって形成されている。ここで一時保持用部材43の例としては、ガラス基板、石英ガラス基板、プラスチック基板などを用いることができ、一時保持用部材43上の剥離層44の例としては、フッ素コート、シリコン樹脂、水溶性接着剤(例えばPVA)、ポリイミドなどを用いることができる。また一時保持用部材43の接着剤層45としては紫外線(UV)硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱可塑型接着剤のいずれかからなる層を用いることができる。一例としては一時保持用部材43として石英ガラス基板を用い、剥離層44としてポリイミド膜4μmを形成後、接着剤層45としてのUV硬化型接着剤を約20μm厚で塗布する。
【0045】
一時保持用部材43の接着剤層45は、硬化した領域45sと未硬化領域45yが混在するように調整され、未硬化領域45yに選択転写にかかる発光ダイオード42が位置するように位置合わせされる。硬化した領域45sと未硬化領域45yが混在するような調整は、例えばUV硬化型接着剤を露光機にて選択的に200μmピッチでUV露光し、発光ダイオード42を転写するところは未硬化でそれ以外は硬化させてある状態にすればよい。このようなアライメントの後、その位置の発光ダイオード42をレーザにて第一基板41の裏面から照射して発光ダイオード42を第一基板41からレーザアブレーションを利用して剥離する。GaN系の発光ダイオード42はサファイヤとの界面で金属のGaと窒素に分解することから、比較的簡単に剥離できる。照射するレーザとしてはエキシマレーザ、高調波レーザなどが用いられる。
【0046】
このレーザアブレーションを利用した剥離によって、選択照射された発光ダイオード42はGaN層と第一基板41の界面で分離し、反対側の接着剤層45の未硬化領域45yに発光ダイオード42のp電極部分を突き刺すようにして転写される。他のレーザが照射されない領域の発光ダイオード42については、対応する接着剤層45の部分が硬化した領域45sであり、レーザも照射されていないために一時保持用部材43側に転写されることはない。なお、図5では1つの発光ダイオード42だけが選択的にレーザ照射されているが、nピッチ分だけ離間した領域においても同様に発光ダイオード42はレーザ照射されているものとする。このような選択的な転写によって発光ダイオード42は第一基板41上に配列されている時よりも離間して一時保持用部材43上に配列される。
【0047】
次に、選択的な発光ダイオード42の第一基板41から一時保持用部材43への転写を行ったところで、図6に示すように未硬化領域45yの接着剤層45を硬化させて発光ダイオード42を固着させる。この硬化は熱や光などのエネルギーを加えることで可能である。発光ダイオード42は一時保持用部材43の接着剤層45に保持された状態で、発光ダイオード42の裏面がn電極側(カソード電極側)になっていて、発光ダイオード42の裏面には樹脂(接着剤)がないように除去、洗浄されているため、電極パッド47を形成した場合では、電極パッド47は発光ダイオード42の裏面と電気的に接続されている。
【0048】
接着剤層45の洗浄の例としては酸素プラズマで接着剤用樹脂をエッチング、UVオゾン照射にて洗浄する。かつ、レーザにてGaN系発光ダイオードをサファイヤ基板からなる第一基板41から剥離したときには、その剥離面にGaが析出しているため、そのGaをエッチングすることが必要であり、NaOH水溶液もしくは希硝酸で行うことになる。その後、電極パッド47をパターニングする。このときのカソード側の電極パッドは約60μm角とすることができる。電極パッド47としては透明電極(ITO、ZnO系など)もしくはTi/Al/Pt/Auなどの材料を用いる。透明電極の場合は発光ダイオードの裏面を大きく覆っても発光を遮ることがないので、パターニング精度が粗くても、大きな電極形成ができ、パターニングプロセスが容易になる。
【0049】
図7は一時保持用部材43から発光ダイオード42を第二の一時保持用部材48に転写して、ダイシングにより発光ダイオードを分離した後に樹脂などの合成樹脂で素子の周囲を固め、アノード電極(p電極)側のビアホール51を形成してアノード側電極パッド50を形成した状態を示している。
【0050】
この結果、素子分離溝52により発光ダイオード42は樹脂に埋め込まれた状態で個々に区分けされる。素子分離溝52はマトリクス状の各発光ダイオード42を分離するため、平面パターンとしては縦横に延長された複数の平行線からなる。素子分離溝52の底部では第二の一時保持用部材48の表面が臨む。第二の一時保持用部材48上には剥離層49が形成されるが、この剥離層49はフッ素コート、シリコン樹脂、水溶性接着剤(例えばPVA)、ポリイミドなどを用いて作成することができる。第二の一時保持用部材48は、一例としてプラスチック基板にUV粘着材が塗布してある、いわゆるダイシングシートであり、UVが照射されると粘着力が低下するものを利用できる。一時保持用部材43の裏面からエキシマレーザを照射する。これにより、例えば剥離層49としてポリイミドを形成した場合では、ポリイミドと石英基板の界面でポリイミドのアブレーションにより剥離が発生して、各発光ダイオード42は第二の一時保持用部材48側に転写される。
【0051】
このプロセスの例として、第二の一時保持用部材48の表面を酸素プラズマで発光ダイオード42の表面が露出してくるまでエッチングする。まずビアホール51の形成はエキシマレーザ、高調波YAGレーザ、炭酸ガスレーザを用いることができる。このとき、ビアホールは約3〜7μmの径を開けることになる。アノード側電極パッドはNi/Pt/Alなどで形成する。ダイシングプロセスは通常のプレードを用いたレーザによる加工を行う。その切り込み幅は画像表示装置の画素内の樹脂に埋め込まれた発光ダイオード42の大きさに依存する。一例として、エキシマレーザにて幅約40μm溝加工を行い、チップの形状を形成する。
【0052】
次に、機械的手段を用いて発光ダイオード42が第二の一時保持用部材48から剥離される。図8は、第二の一時保持用部材48上に配列している発光ダイオード42を吸着装置54でピックアップするところを示した図である。このときの吸着孔56は画像表示装置の画素ピッチにマトリクス状に開口していて、発光ダイオード42を多数個、一括で吸着できるようになっている。このときの開口径は、例えば約φ100μmで600μmピッチのマトリクス状に開口されて、一括で約300個を吸着できる。このときの吸着孔56の部材は例えば、Ni電鋳により作製したもの、もしくはSUSなどの金属板53をエッチングで穴加工したものが使用され、金属板53の吸着孔56の奥には、吸着チャンバ55が形成されており、この吸着チャンバ55を負圧に制御することで発光ダイオード42の吸着が可能になる。発光ダイオード42はこの段階で樹脂からなる接着剤層57で覆われており、その上面は略平坦化されており、このために吸着装置54による選択的な吸着を容易に進めることができる。
【0053】
図9は発光ダイオード42を金属基板61に転写するところを示した図である。金属基板61は、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、金、銀、チタン、白金などを材料として、種々の形状や構造のものがある。例えば、発光ダイオード42から出る光が金属基板61の裏面に通りぬける穴を有する形状のものや光を反射させる凸凹を有する形状のものがあり、また表面に薄膜を持つ蒸着材や多層構造を持つクラッド材のような構造のものがある。
【0054】
金属基板61の表面には予め絶縁膜59が形成されており、その上に発光ダイオード42を接着するための接着剤層57が塗布されている。そして、発光ダイオード42下面の接着剤層57を硬化させて、発光ダイオード42を金属基板61に固着して配置させる。また、発光ダイオード42が配列される位置は、一時保持用部材43,48上での配列よりも離間したものとなる。この装着時には、吸着装置54の吸着チャンバ55が圧力の高い状態となり、吸着装置54と発光ダイオード42との吸着による結合状態は解放される。接着剤層57は熱硬化型接着剤、熱可塑型接着剤などによって構成することができる。熱硬化型接着剤の場合は加圧しながら加熱硬化させ、熱可塑型接着剤の場合は加熱して接着剤を溶解させ加圧接着し冷却して固定を行う。
【0055】
図10はRGBの三色の発光ダイオード42、62、63を金属基板61に配列させ絶縁層60を塗布した状態を示す図である。図8および図9で用いた吸着装置54をそのまま使用して、金属基板61にマウントする位置をその色の位置にずらすだけでマウントすると、画素としてのピッチは一定のまま三色からなる画素を形成できる。絶縁層60としては透明エポキシ接着剤、UV硬化型接着剤、ポリイミドなどを用いることができる。三色の発光ダイオード42,62,63は必ずしも同じ形状でなくとも良い。図12では赤色発光ダイオード62が六角錐GaNの層を有しない構造とされ、他の発光ダイオード42,63とその形状が異なっているが、この段階では各発光ダイオード42,62,63はすでに樹脂形成チップとして樹脂からなる接着剤層45および周囲を固定した樹脂で覆われており、素子構造の違いにもかかわらず同一の取扱いが実現される。
【0056】
図11は配線形成工程を示す図である。絶縁層60に開口部66,67,68,69,70,71を形成し、発光ダイオード42,62,63のアノード、カソードの電極パッドと金属基板61の配線用の電極層58を接続する配線64,65,72を形成した図である。このときに形成する開口部すなわちビアホールは発光ダイオード42,62,63の電極パッド47,50の面積を大きくしているのでビアホール形状は大きく、ビアホールの位置精度も各発光ダイオードに直接形成するビアホールに比べて粗い精度で形成できる。このときのビアホールは約60μm角の電極パッド47,50に対し、約φ20μmのものを形成できる。また、ビアホールの深さは配線基板と接続するもの、アノード電極と接続するもの、カソード電極と接続するものの3種類の深さがあるのでレーザのパルス数で制御し、最適な深さを開口する。その後、保護層を配線上に形成し、画像表示装置のパネルは完成する。このとき保護層は図11の絶縁層60と同様の透明エポキシ接着剤などの材料が使用できる。この保護層は加熱硬化し配線を完全に覆う。この後、パネル端部の配線からドライバーICを接続して駆動パネルを製作することになる。
【0057】
上述のような表示装置の製造方法において、一時保持用部材43に発光ダイオード42を保持させた時点で既に、素子間の距離が大きくされ、その広がった間隔を利用して比較的サイズの大きい電極パッド47,50などを設けることが可能となる。それら比較的サイズの大きな電極パッド47,50を利用した配線が行われるために、素子サイズに比較して最終的な装置のサイズが著しく大きな場合であっても容易に配線を形成できる。また、本実施形態の表示装置の製造方法において、発光素子の周囲が硬化した接着剤層57で被覆され平坦化によって精度良く電気パッド47,50を形成できるとともに素子に比べて広い領域に電気パッド47,50を延在でき、次ぎの第二転写工程での転写を吸着治具で進める場合には取扱いが容易になる。また、発光ダイオード42の一時保持用部材48への転写には、GaN系材料がサファイヤとの界面で金属のGaと窒素に分解することを利用して、比較的簡単に剥離できる。
【0058】
上述のように本実施形態における表示装置の製造方法では、発光素子42,662,63を転写して配列する実装基板が金属基板61であるため、製造する上で容易に取り扱うことができる。例えば、ガラス基板やプラスチック基板は物理的な圧力や衝撃力に弱く、またプラスチック基板の場合には熱に非常に弱い。しかし、金属基板61の場合は物理的な圧力や衝撃力や熱に強いため、製造する上だけでなく製品として取り扱う上でも取扱い易い。また、発光素子42,62,63を転写する際に拡大転写法を用いることにより、広い領域に位置精度良く転写することができ、位置決め精度良く配線不良の問題も回避でき、大型ディスプレイを実現することができる。
【0059】
基板と素子双方の熱膨張係数を同程度にすると、発光素子42,62,63を転写して配列する前後に関わらず、加熱した上での加工をすることができる。ただし、本実施形態のように素子を樹脂形成チップに埋め込んだ状態で金属基板上に配列する場合は、熱硬化性樹脂のような樹脂を使用する必要がある。
【0060】
次に、本実施形態における金属基板の加工形態について説明する。
【0061】
[位置決め手段の施された金属基板]
図12乃至図15を用いて金属基板表面に位置決め手段を形成して樹脂形成チップを配置する工程を説明する。
【0062】
図12は金属基板表面に樹脂形成チップを配置する位置にプレス加工を施す工程を示す図である。ここで使用されるプレスの型82には個々の樹脂形成チップ85が配置される位置にそれらの各底部と同じ形状を有する凸部83が型取られている。そして、プレスの型82と金属基板81とを対峙させて、プレスの型82によって金属基板81にプレス加工を施す。図13はプレスの型82により金属基板81にプレス加工を施している工程を示す図である。
【0063】
図14はプレスの型82によって金属基板81表面に個々の樹脂形成チップ85の底部に係合する形状を有する凹部84が形成された工程を示す図である。凹部84はプレスの型82の凸部83により形成されたものであるから、個々の樹脂形成チップ85の底部に係合する形状である。個々の樹脂形成チップ85を個々の凹部84へ接着樹脂86を用いて接着する。
【0064】
図15は金属基板81表面に形成された凹部84に樹脂形成チップ85を接着した工程を示す図である。このとき、上述の二段階拡大転写法を用いて発光ダイオードは樹脂形成チップに埋め込まれた状態で金属基板上に転写し配列され、上述の表示装置の製造方法と同様の工程を経て、実装基板表面に樹脂形成チップの低部に係合する凹部を有する表示装置が製造される。この表示装置においては、発光ダイオード87の光は図15の上方に出る。
【0065】
従来のガラス基板のような実装基板の表面に熱可塑型接着剤により素子を配置する場合には基板全面を加熱接着及び冷却固定すると、既に配置されている素子が剥離したりその配置位置が変化したりする。しかし、加工し易い金属基板を実装基板に用いた場合には、半導体である発光素子と基板がともに金属で熱膨張係数を、基板側の合金組成を適切なものにすることで同程度にすることができ、金属基板81表面に樹脂形成チップ85の底部と係合する凹部84を表面に加工し形成しておくことにより、加熱接着及び冷却固定しても凹部84に樹脂形成チップ85の底部が係合して素子は剥離することもなく移動することもない。そのため、発光素子の位置決め精度を損なうことなく、また配線不良の問題も解消することができる。
【0066】
[反射手段を施された金属基板]
図16乃至図19を用いて金属基板表面上に反射手段を形成して樹脂形成チップを配置する工程を説明する。
【0067】
図16及び図17はプレス加工により金属基板91表面に反射鏡94を形成する工程を示す図である。まず、反射鏡94の形状が型取られているプレスの型92によって圧力とともに金属基板91表面に反射鏡94の形状のプレス加工を施す。この時、プレスの型92にある凸部93の形状は、例えば図16のような断面放物形状などである。そして、プレス加工によって形成された反射鏡94の形状の表面に凹凸を形成し、反射鏡94が形成される。この反射鏡94表面の凹凸は発光ダイオード97から出る光を乱反射させるために形成される。
【0068】
そして、図18のようにプレス加工により形成した反射鏡94に樹脂層95を形成し、図19のように樹脂形成チップ96を接着樹脂により固定して配置する。このとき発光ダイオード97から出る光は図19の上方に反射されるため、樹脂層95は透過性を有する必要がある。このように、二段階拡大転写法を用いて複数の発光ダイオードは樹脂形成チップに埋め込まれた状態で金属基板上に転写し配列され、上述の表示装置の製造方法と同様の工程を経て、実装基板表面に反射鏡を有する表示装置が製造される。
【0069】
なお、発光ダイオードから発せられて反射鏡に反射して進む光の経路から発光ダイオードの配置される位置は決定され、光が所望の経路を進むように決定される。そのため、金属基板表面に形成される反射鏡の断面の形状は図18のような凹型断面放物形状に限られず、回転楕円体形状や双曲面形状などの形状とすることができ、発光ダイオードから発せられる所望の光の経路によって様々な形状に加工される。
【0070】
上述のように、金属基板を実装基板として用いる場合、金属の加工しやすい性質から、曲面加工や表面加工が容易にできるため、表面加工が施された実装基板や曲面を有する実装基板を形成でき、曲面ディスプレイなど様々な形状のディスプレイを実現することができる。
【0071】
また、金属は電磁シールドとしての働きを有するため、金属基板を実装基板として用いる場合、実装基板自体が電磁シールドとしての役割を果たし、電磁波が半導体素子に与える影響を防止することができ、半導体素子への電磁波の悪影響を低減することができる。
【0072】
【発明の効果】
上述の本発明の表示装置及び表示装置の製造方法によれば、実装基板として金属基板を用いることにより実装基板を容易に曲面加工することができ、特に、曲面加工された実装基板に発光ダイオードを転写配列することができる。そして、曲面加工された実装基板に発光素子を転写配列することにより、曲面ディスプレイを実現できる。
【0073】
本発明の表示装置及び表示装置の製造方法によれば、実装基板として金属基板を用いることにより実装基板を容易に表面加工することができ、特に、金属基板の表面に発光素子の底部に係合する凹型形状の係合部を形成した金属基板上に、前記凹型形状係合部に係合させて発光素子を転写し配列することにより、発光素子の位置精度を損なうこともなく、また配線不良の問題も解決できる。
【0074】
本発明の表示装置及び表示装置の製造方法によれば、半導体である発光素子と金属である基板の熱膨張係数を、基板側の合金組成を適切なものにすることで同程度にすることができるため、位置決め前と後の温度や応力の変動による位置精度の損失や配線不良を回避できる。また、金属が電磁シールドとして働くため、金属基板を実装基板として用いる場合、実装基板自体が電磁シールドとしての役割を果たし、電磁波が半導体素子に与える影響を防止することができ、半導体素子への電磁波の悪影響を低減することができる。
【0075】
本発明の表示装置及び表示装置の製造方法によれば、発光素子を転写する際に拡大転写法を用いることにより、広い領域に位置精度良く転写することができ、また配線不良の問題も解決することができ、さらに、実装基板に金属基板を用いることにより種々の形状の大型ディスプレイ製造に必要な素子の位置精度と大型ディスプレイとしての十分な強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の表示装置に用いられる発光素子の例を示す図であり、(a)断面図と(b)平面図である。
【図2】本発明の実施形態の発光素子の転写方法を示す模式図である。
【図3】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における樹脂形成チップを示す概略斜視図である。
【図4】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における樹脂形成チップを示す概略平面図である。
【図5】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における第一転写工程の工程断面図である。
【図6】本発明の実施形態の表示装置の製造方法おける電極パッド形成工程の工程断面図である。
【図7】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における他の電極パッド形成工程の工程断面図である。
【図8】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における吸着工程の工程断面図である。
【図9】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における第二転写工程の工程断面図である。
【図10】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における絶縁層の形成工程の工程断面図である。
【図11】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における配線形成工程の工程断面図である。
【図12】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における金属基板表面へ施される凹部のプレス加工前の工程断面図。
【図13】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における金属基板表面へ施される凹部のプレス加工時の工程断面図。
【図14】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における金属基板表面へ施された凹部の断面図。
【図15】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における金属基板表面へ施された凹部への樹脂形成チップの配列後の断面図。
【図16】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における金属基板表面へ施される断面放物形状凹部のプレス加工前の工程断面図。
【図17】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における金属基板表面へ形成された反射鏡の断面図。
【図18】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における金属基板表面へ形成された反射鏡に樹脂層が形成された断面図。
【図19】本発明の実施形態の表示装置の製造方法における金属基板表面へ形成された反射鏡への樹脂形成チップの配列後の断面図。
【符号の説明】
10 下地成長層
11 GaN層
12 InGaN層
13 GaN層
14 p電極
15 n電極
20 第一基板
21 一時保持用部材
22、31 素子
23、32 樹脂
24、30 樹脂形成チップ
25、61、81、91 金属基板
33 アノード側電極パッド
34 カソード側電極パッド
41 第一基板
42 発光ダイオード
42g 溝
43 一時保持用部材
44 剥離層
45 接着剤層
45s 硬化領域
45y 未硬化領域
46 レーザ
47 電極パッド(カソード側)
48 第二の一時保持用部材
49 剥離層
50 電極パッド(アノード側)
51 ビアホール
52 素子分離溝
53 金属板
54 吸着装置
55 吸着チャンバ
56 吸着孔
57 接着剤層
58 電極層
59 絶縁膜
60 絶縁層
62、63 発光ダイオード
64、65、72 配線
66、67、68、69、70、71 開口部
82、92 型
83、93 プレス凸部
84 凹部
85、96 樹脂形成チップ
86 接着樹脂
94 反射鏡
95 樹脂層
87、97 発光ダイオード

Claims (13)

  1. 発光素子を係合する凹部を有する金属基板と、
    前記凹部上に形成された接着樹脂層と、を有し、
    前記接着樹脂層を加熱し、前記凹部に樹脂で覆われた発光素子を配置することを特徴とする表示装置。
  2. 前記発光素子は発光ダイオード又はレーザダイオードであることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記発光素子は基板上に該基板の主面に対して傾斜した傾斜結晶面を有する結晶層を形成し、前記傾斜結晶面に平行な面内に延在する第一導電型層、活性層、及び第二導電型層を前記結晶層に形成してなる、または基板上に該基板の主面に積層する結晶層を形成し、前記主面に平行な面内に延在する第一導電型層、活性層、及び第二導電型層を前記結晶層に形成してなる、ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 前記金属基板はアルミニウム、ステンレス、鉄、銅、金、銀、チタン、または白金であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  5. 反射鏡を有する金属基板と、
    前記反射鏡上に形成された樹脂層と、
    前記樹脂層上に形成された接着樹脂層と、を有し、
    前記接着樹脂層を加熱し、前記反射鏡に樹脂で覆われた発光素子を配置することを特徴とする表示装置。
  6. 前記反射鏡は、凹型断面放物形状、回転楕円体形状、若しくは双曲面形状であることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
  7. 前記発光素子からの光は、前記反射鏡により上方に反射されることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
  8. 前記反射鏡は、プレス加工により形成されることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
  9. 金属基板上に発光素子を係合する凹部を形成し、
    前記凹部上に接着樹脂層を形成し、
    前記接着樹脂層を加熱し、前記凹部に樹脂で覆われた発光素子を配置することを特徴とする表示装置の製造方法。
  10. 前記発光素子は発光ダイオード又はレーザダイオードであることを特徴とする請求項記載の表示装置の製造方法。
  11. 前記発光素子は基板上に該基板の主面に対して傾斜した傾斜結晶面を有する結晶層を形成し、前記傾斜結晶面に平行な面内に延在する第1導電型層、活性層、及び第二導電型層を前記結晶層に形成してなる、または基板上に該基板の主面に積層する結晶層を形成し、前記主面に平行な面内に延在する第一導電型層、活性層、及び第二導電型層を前記結晶層に形成してなる、ことを特徴とする請求項記載の表示装置の製造方法。
  12. 前記金属基板はアルミニウム、ステンレス、鉄、銅、金、銀、チタン、または白金であることを特徴とする請求項記載の表示装置の製造方法。
  13. 前記発光素子は、前記第一基板上で前記発光素子が配列された状態よりは離間した状態となるように前記発光素子を転写して一時保持用部材に該発光素子を保持させる第一転写工程と、前記一時保持用部材に保持された前記発光素子が個々の分離した状態に前記一時保持用部材に保持された前記発光素子をさらに離間して前記第二基板上に転写する第二転写工程を有することを特徴とする請求項記載の表示装置の製造方法。
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