JP2005003604A - ケーブルの地絡点標定装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】障害ケーブル30の近接端から地絡点30aに向けて流した直流定電流Iと、そのときに障害ケーブル30の近接端と、地絡点30aとの間に生じた電位差Vとを、それぞれ電流測定回路12と電圧測定回路13により測定し、測定した定電流I及び電位差Vと、障害ケーブル30の単位長さあたりの公称抵抗ρと、障害ケーブル30の温度係数κとを用いて、障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの距離Lを算出する。これにより、障害ケーブル30の全長を把握していなくても、地絡点30aを容易に且つ正確に標定することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーブルの地絡点標定装置及びその方法に関し、特に、ケーブルの地絡点を標定するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的には、トラフやマンホールなどに、ケーブルを設置し、この設置したケーブルを用いて設備や機器に電力や信号を供給するようにしている。
【0003】
このようにして設置されたケーブルの絶縁被覆が鼠害などによって傷つけられ、地絡してしまうと、上記のような設備に電力や信号を適切に供給することができなくなる虞がある。したがって、上記ケーブルが地絡した場合には、その地絡点を迅速に標定して修復する必要がある。
【0004】
そこで、従来は、例えば特許文献1のような、上記地絡したケーブルの一端から地絡点までの距離l[m]を以下の(1式)を用いて算出し、算出した距離から、上記地絡したケーブルの地絡点を標定するようにしていた。
【0005】
l=(r/R)×H・・・(1式)
上記(1式)において、Rは、上記地絡したケーブルの全抵抗[Ω]である。rは、上記地絡したケーブルの一端から地絡点までの抵抗[Ω]である。Hは、上記地絡したケーブルの全長[m]である。
このように、従来の技術では、ケーブルの全長を用いて、ケーブルの地絡点を標定するようにしていた。
【0006】
【特許文献1】
特開昭63−210787号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鉄道の設備においては、一般的な設備に比べて、ケーブルの設置(付設)されている区域が著しく広く、複雑に入り組んでいるため、ケーブルの保守点検作業が行い易くなるように、設置するケーブルに遊びを持たせる必要がある。また、設備の設置場所や、ケーブルの設置場所などによっては、ケーブルを複雑に引き回さなければならない場合がある。
【0008】
したがって、上記鉄道の設備においては、現場においてケーブルの長さを調節するのが一般的であり、実際のケーブルの全長を把握出来ない場合が多い。
しかしながら、上述したように従来の技術では、ケーブルの全長を用いて地絡点を標定するようにしているので、実際のケーブルの全長を把握していない場合には、地絡点を正確に標定することが困難であった。
【0009】
特に、上記鉄道の設備のような大規模の設備においては、全長が数キロメートルの長いケーブルを使用している場合がある。このような場合には、ケーブルの全長の誤差率が小さくても、誤差自体は大きくなる。例えば、4[km]のケーブルを使用している場合、誤差率が10[%]であっても、誤差自体は、400[m]になる。
【0010】
したがって、上述した従来の技術を用いてケーブルの地絡点を標定しても、標定した地絡点と実際の地絡点とが大きく異なる虞がある。これにより、作業者は、ケーブルの地絡点をなかなか発見することができず、ケーブルの修復を迅速に行えなかった。
【0011】
以上のように、従来の技術では、実際のケーブルの全長を把握していない場合、地絡点を正確に標定することができず、ケーブルを迅速に修復することが困難になるという問題点があった。
【0012】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、ケーブルの全長を把握していなくても、ケーブルの地絡点を容易に且つ正確に標定することができるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のケーブルの地絡点標定装置は、地絡した障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を求めて、上記障害ケーブルの地絡点を標定するケーブルの地絡点標定装置であって、上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に、直流の定電流を流して、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの抵抗を求め、求めた抵抗と、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗とを用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出する手段を有することを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とするところは、地絡した障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を求めて、上記障害ケーブルの地絡点を標定するケーブルの地絡点標定装置であって、上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に、直流の定電流を流すようにするための定電流発生回路と、上記定電流発生回路の動作によって、上記障害ケーブルの一端と地絡点との間に生じる電位差を測定するための電圧測定回路と、上記定電流発生回路から流れた直流の定電流I[A]と、上記電圧測定回路により測定された電位差V[V]と、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗ρ[Ω/m]とを用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離L[m]を、L=V/(I×ρ)により算出する処理回路とを有する点にある。
【0014】
本発明のケーブルの地絡点標定方法は、地絡した障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を求めて、上記障害ケーブルの地絡点を標定するケーブルの地絡点標定方法であって、上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に、直流の定電流を流して、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの抵抗を求め、求めた抵抗と、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗とを用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出することを特徴としている。
また、本発明の他の特徴とするところは、地絡した障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を求めて、上記障害ケーブルの地絡点を標定するケーブルの地絡点標定方法であって、上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に、直流の定電流を流すようにする通電ステップと、上記通電ステップによって、上記障害ケーブルの一端と地絡点との間に生じる電位差を測定するための電圧測定ステップと、上記通電ステップによって流れた直流の定電流I[A]と、上記電圧測定ステップ回路により測定された電位差V[V]と、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗ρ[Ω/m]とを用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離L[m]を、L=V/(I×ρ)により算出する処理ステップとを有する点にある。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
次に、図面を参照しながら、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態における地絡点標定装置の構成の一例を示した図である。
【0016】
図1において、地絡点標定装置10は、定電流発生回路11と、電流測定回路12と、電圧測定回路13と、アンプ14a、14bと、ローパスフィルタ15a、15bと、マルチプレクサ回路16と、A/D変換回路17と、入出力インターフェース18と、処理回路として配設されるCPU19と、メモリ20と、表示部21とを有している。
【0017】
そして、本実施の形態では、地絡している障害ケーブル30の遠方端と、地絡していない健全ケーブル40の遠方端とが接続(短絡)された状態にするとともに、障害ケーブル30の近接端と、健全ケーブル40の近接端とが、地絡点標定装置10の端子50a、50bにそれぞれ接続された状態にして、障害ケーブル30の地絡点30aを標定するようにしている。
【0018】
定電流発生回路11は、端子50aと接地端子50cとの間に設けられ、障害ケーブル30の近接端(端子50a)から地絡点30aに向けて直流の定電流I[A]を流すようにするためのものである。この定電流発生回路11から流れた直流の定電流(以下、直流定電流と称する)Iは、障害ケーブル30の近接端(端子50a)と、地絡点30aと、大地とを経て定電流発生回路11に戻る経路を循環する。
そして、このようにして流れた直流定電流Iを、端子50aと定電流発生回路11との間に設けられた電流測定回路12により測定するようにしている。
【0019】
なお、本明細書では、定電流発生回路11の仕様により定められている偏差の範囲内の値を有する電流を定電流と称する。例えば、定電流発生回路11の仕様により、電流の定格値が1[mA]、偏差が±5[%]であると定められている場合には、0.95[mA]以上1.05[mA]以下の範囲の値を有する電流を定電流と称する。
【0020】
電圧測定回路13は、端子50aと端子50bとの間に設けられ、障害ケーブル30の近接端(端子50a)と、地絡点30aとの間に生じる電位差を測定するためのものである。この電圧測定回路13の内部インピーダンスは、障害ケーブルの地絡点30aから遠方端までの直流抵抗Cr2[Ω]と、健全ケーブル40の全直流抵抗Cr3[Ω]とを加算した値よりも十分に大きい。
【0021】
したがって、電圧測定回路13により測定される電位差V[V]は、電流測定回路12により測定された直流定電流I[A]と、障害ケーブル30の近接端(端子50a)から地絡点30aまでの直流抵抗Cr1[Ω]とを用いて、以下の(2式)のように表される。
V≒I×Cr1・・・(2式)
【0022】
このように本実施の形態では、電圧測定回路13の内部インピーダンスに比べて十分に小さい抵抗値を有する健全ケーブル40を利用して、障害ケーブル30の近接端と、地絡点30aとの間に生じる電位差Vを測定するようにしている。
【0023】
アンプ14aは、電圧測定回路13により測定された電位差Vに関するアナログ信号を増幅するためのものである。
ローパスフィルタ15aは、アンプ14aにより増幅された電位差Vに関するアナログ信号のうち、所定の低周波数成分の信号のみを通過させるようにするためのものである。
【0024】
アンプ14bは、電流測定回路12により測定された直流定電流Iに関するアナログ信号を増幅するためのものである。
ローパスフィルタ15bは、アンプ14bにより増幅された直流定電流Iに関するアナログ信号のうち、所定の低周波数成分の信号のみを通過させるようにするためのものである。
【0025】
マルチプレクサ回路16は、ローパスフィルタ15a、15bのうちの何れかを選択してA/D変換回路17に接続するためのものである。
A/D変換回路17は、マルチプレクサ回路16により選択されたローパスフィルタ15を通過したアナログ信号を、デジタル信号に変換するためのものである。そして、デジタル信号に変換された電位差Vに関する信号と、直流定電流Iに関する信号は、入出力インターフェース18を介してCPU19に入力される。
【0026】
図2に示すように、メモリ20には、ケーブルの線種と、単位長さあたりの公称抵抗ρ[Ω/m]と、温度係数κとが対応付けられているテーブル20aが記録されている。なお、温度係数κについては、ケーブルの線種ごとに記録されていなくてもよく、複数の線種に対して同一のものを使用するようにしてもよい。
ここで、上記単位長さあたりの公称抵抗ρ[Ω/m]や温度係数κは、例えば、ケーブルの製造メーカにより公表されている値を用いるようにすればよい。
【0027】
作業者が、後述するようにして表示部21を操作して、障害ケーブル30の線種を入力すると、CPU19は、入力された線種に対応付けられている公称抵抗ρと、温度係数κに関する情報をテーブル20aから読み出してワークエリアに展開する。
【0028】
また、作業者が、後述するようにして表示部21を操作して、障害ケーブル30の標定時の温度Tc[℃]を入力すると、CPU19は、入力された温度Tcに関する情報をワークエリアに展開する。なお、障害ケーブル30の標定時の温度Tcは、標定時の気温であってもよい。
【0029】
そして、CPU19は、上記展開した公称抵抗ρ、温度係数κ、及び温度Tcに関する情報と、上記入出力インターフェース16を介して入力した電位差V、及び直流定電流Iに関する情報とに基づいて、障害ケーブル30の近接端(端子50a)から地絡点30aまでの距離L[m]を算出する。
【0030】
具体的に説明すると、障害ケーブル30の単位長さあたりの公称抵抗ρが、温度Ts[℃]のときの値である場合、障害ケーブル30の近接端(端子50a)から地絡点30aまでの距離Lは、以下の(3式)のように表される。
L=V/[I×ρ{1+κ(Tc−Ts)}]・・・(3式)
【0031】
このように、本実施の形態では、障害ケーブル30の近接端(端子50a)から地絡点30aまでの距離Lを算出することにより、障害ケーブル30の地絡点30aを標定するようにしている。
【0032】
表示部21は、障害ケーブル30の線種と、標定時の温度Tcとを作業者に入力させるようにするための表示や、上述したようにしてCPU19により標定された地絡点30aに関する情報の表示などを行うためのものである。本実施の形態の表示部21は、タッチパネル式のLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)であり、ユーザインターフェースとしての機能も有する。ただし、表示部21は、LCDに限定されるものではないということは言うまでもない。
【0033】
ここで、図3及び図4を参照しながら、障害ケーブル30の地絡点30aを標定する際に作業者により行われる地絡点標定装置10の操作内容について説明する。
図3及び図4は、障害ケーブル30の地絡点30aを標定する際に表示部21に表示される内容の一例を示した図である。
まず、作業者が、図示しない地絡点標定装置10の主電源を投入すると、図3(a)に示すようなメインメニュー画面300aが表示される。
【0034】
このメインメニュー画面300aには、設定ボタン301と計測ボタン302とが表示される。
設定ボタン301は、障害ケーブル30の線種や、標定時の温度Tcを設定する際に押下されるものである。計測ボタン302は、障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの距離Lを算出する際に押下されるものである。
【0035】
作業者が、設定ボタン301を押下すると、図3(b)に示すような条件設定画面300bが表示される。
この条件設定画面300bには、線種設定ボタン303と、温度設定ボタン304と、リターンボタン305とが表示される。
線種設定ボタン303は、障害ケーブル30の線種を設定する際に押下されるものである。温度設定ボタン304は、障害ケーブル30の標定時の温度Tcを設定する際に押下されるものである。リターンボタン305は、メインメニュー画面300aに戻る際に押下されるものである。
【0036】
作業者が、線種設定ボタン303を押下すると、図3(c)に示すような線種設定画面300cが表示される。
この線種設定画面300cには、線種選択ボタン306と、線種決定ボタン307とが表示される。
線種選択ボタン306は、予め記録されている複数の線種の中から所望の線種を選択する際に押下されるものである。本実施の形態では、線種選択ボタン306が押下される度に、線種選択ボタン306の横に表示される線種が変わるようにして、作業者に線種を選択させるようにしている。
線種決定ボタン307は、線種選択ボタン306を用いて選択した線種を設定する際に押下されるものである。
【0037】
すなわち、作業者は、線種選択ボタン306の横に所望の線種が表示されるまで、線種選択ボタン306を(何度か)押下し、所望の線種が表示されたら、線種決定ボタン307を押下する。これにより、障害ケーブル30の線種が設定され、メインメニュー画面300aに戻る。
【0038】
また、作業者が、図3(b)の条件設定画面300b内の温度設定ボタン304を押下すると、図4(a)に示すような温度設定画面300dが表示される。
この温度設定画面300dには、テンキー308と、エンターボタン309と、キャンセルボタン310と、リターンボタン311とが表示される。
【0039】
テンキー308は、障害ケーブル30の標定時の温度Tcを入力する際に押下されるものである。このテンキー308を押下して入力した内容は、温度設定画面300dの央部に表示される。図4(a)では、障害ケーブル30の標定時の温度Tcが、13.5[℃]の場合の例を示している。
【0040】
キャンセルボタン310は、テンキー308を用いて入力した障害ケーブル30の標定時の温度Tcを無効にする際に押下されるボタンである。すなわち、テンキー308を用いた入力操作を間違えた場合、作業者は、このキャンセルボタン310を押下した後に、テンキー308を押下して、障害ケーブル30の標定時の温度Tcを再入力する。
【0041】
エンターボタン309は、テンキー308を用いて入力した障害ケーブル30の標定時の温度Tcを設定する際に押下されるものである。これにより、障害ケーブル30の標定時の温度Tc[℃]が設定される。
リターンボタン311は、図3(a)に示したメインメニュー画面300aに戻る際に押下されるものである。
【0042】
以上のようにして、障害ケーブル30の線種と、標定時の温度Tcとを設定した後に、作業者が、図3(a)に示したメインメニュー画面300a内の計測ボタン302を押下すると、CPU19は、上記のようにして設定された線種に対応して記録されている公称抵抗ρと温度係数κを、図2に示したテーブル20aから読み出す。
【0043】
そして、上記読み出した公称抵抗ρ及び温度係数κと、上記設定された障害ケーブル30の標定時の温度Tcと、入出力インターフェース16を介して入力した電位差V及び直流定電流Iとを、上記(3式)に代入し、障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの距離Lを算出する。
【0044】
そして、図4(b)に示す計測結果表示画面300eに、算出した結果を表示する。具体的に説明すると、算出した障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの距離Lの他に、障害ケーブル30の線種や、障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの直流抵抗Cr1の計算結果も計測結果表示画面300eに表示する。
【0045】
また、本実施の形態では、作業者が、計測結果表示画面300e内の記録ボタン312を押下すると、計測結果表示画面300eに表示した内容がメモリ20に記録されるようにしている。
また、作業者が、リターンボタン313を押下すると、図3(a)に示したメインメニュー画面300aに戻るようにしている。
【0046】
次に、図5を参照しながら、鉄道設備に設けられた障害ケーブル30の地絡点30aを標定する場合の地絡点標定装置10の具体的な使用方法の一例について説明する。
図5は、線路脇のトラフに設置されている障害ケーブル30の地絡点30aを標定する場合の地絡点標定装置10の使用例を説明する図である。
【0047】
まず、作業者は、所定の装置を用いて、器具箱500a、500b内に配設されている端子台501、502に接続されているケーブルの中から、地絡している障害ケーブル30を特定する。
【0048】
次に、障害ケーブル30の遠方端と、障害ケーブル30の近くにある健全ケーブル40の遠方端とを、器具箱500b内に設けられている端子台502の端子502aを用いて接続し、短絡する。このとき、接触抵抗が可及的に小さくなるように障害ケーブル30と健全ケーブル40とを確実に短絡させる。
【0049】
次に、障害ケーブル30が接続されている端子501aと、地絡点標定装置10の端子50aとを接続する。また、健全ケーブル40が接続されている端子501bと、地絡点標定装置50bとを接続する。さらに、地絡点標定装置10の接地端子50cをアース電位に接続する。
【0050】
作業者は、以上のような結線作業と、図3及び図4を用いて説明した設定とが終了した後に、図3(a)に示したメインメニュー画面300a内の計測ボタン302を押下する。そうすると、地絡点標定装置10内のCPU19は、定電流発生回路11を駆動して、障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの距離Lを算出し、算出した結果を図4(b)に示した計測結果表示画面300eに表示する。
【0051】
次に、図6のフローチャートを参照しながら、地絡点標定装置10内のCPU19における処理動作の一例を説明する。
まず、最初のステップS1において、地絡点標定装置10の主電源が投入されると、メインメニュー画面300aを表示部21に表示する。
次に、ステップS2において、メインメニュー画面300a内の設定ボタン301が押下されたか否かを判定し、押下されるとステップS3に進み、条件設定画面300bを表示部21に表示する。
【0052】
次に、ステップS4において、条件設定画面300b内の線種設定ボタン303が押下されたか否かを判定し、押下されるとステップS5に進み、線種設定画面300cを表示部21に表示する。
【0053】
次に、ステップS6において、線種設定画面300c内の線種選択ボタン306の操作内容を受け付けるとともに、線種決定ボタン307が押下されるまで待機する。そして、線種決定ボタン307が押下されるとステップS7に進み、線種決定ボタン307が押下されたときに線種選択ボタン306により選択されている線種の情報を(一時的に)記録する。そして、ステップS1に戻り、メインメニュー画面300aを表示部21に表示する。
【0054】
上記ステップS4の判定の結果、条件設定画面300b内の線種設定ボタン303が押下されなかった場合には、ステップS8に進み、条件設定画面300b内の温度設定ボタン304が押下されたか否かを判定する。この判定の結果、温度設定ボタン304が押下されず、リターンボタン305が押下された場合には、ステップS1に戻り、メインメニュー画面300aを表示部21に表示する。
【0055】
一方、温度設定ボタン304が押下された場合には、ステップS9に進み、温度設定画面300dを表示部21に表示する。
次に、ステップS10に進み、温度設定画面300d内のリターンボタン311が押下されたか否かを判定する。そして、リターンボタン311が押下されると、ステップS1に戻り、メインメニュー画面300aを表示部21に表示する。
【0056】
一方、ステップS10の判定の結果、温度設定画面300dのリターンボタン311が押下されなかった場合には、ステップS11に進み、テンキー308やキャンセルボタン310の操作内容を受け付けるとともに、エンターボタン309が押下されたか否を判定する。そして、エンターボタン309が押下されるまで、ステップS10とステップS11の処理を繰り返す。
【0057】
そして、ステップS11の判定の結果、エンターボタン309が押下された場合には、ステップS12に進み、エンターボタン309が押下される直前に受け付けた障害ケーブル30の標定時の温度Tcを(一時的に)記録する。そして、ステップS1に戻り、メインメニュー画面300aを表示部21に表示する。
【0058】
上記ステップS2の判定の結果、メインメニュー画面300aの設定ボタン301が押下されず、計測ボタン302が押下された場合には、ステップS13に進み、障害ケーブル30の線種と、標定時の温度Tcとが入力されているか否かを判定する。この判定の結果、入力されていない場合には、ステップS1に戻り、メインメニュー画面300aを表示部21に表示する。
【0059】
一方、障害ケーブル30の線種と、標定時の温度Tcとが入力されている場合には、ステップS14に進み、定電流発生回路11に駆動信号DSを出力する。これにより定電流発生回路11が動作する。
【0060】
次に、ステップS15において、上記ステップS7の処理で(一時的に)記録した線種に対応付けられている公称抵抗ρと温度係数κを、図2に示したテーブル20aから読み出す。また、上記ステップS14の処理に従って定電流発生回路11が動作した後に測定された直流定電流Iと電位差Vとを、入出力インターフェース18を介して入力したデジタル信号に基づいて求める。そして、これらの情報を用いて障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの距離Lを算出する。
【0061】
次に、ステップS16において、ステップS15で算出した結果を計測結果表示画面300eに表示する。
次に、ステップS17において、計測結果表示画面300e内の記録ボタン312が押下されたか否かを判定し、押下されると、ステップS18に進み、ステップS16で表示した内容をメモリ20に記録する。
【0062】
次に、ステップS19に進み、計測結果表示画面300e内のリターンボタン313が押下されたか否かを判定し、押下された場合には、ステップS1に戻り、メインメニュー画面300aを表示する。一方、リターンボタン313が押下されなかった場合には、ステップS17に戻り、リターンボタン313が押下されるまで、ステップS17〜S19の処理を繰り返す。
【0063】
なお、上記ステップS17の判定の結果、計測結果表示画面300e内の記録ボタン312が押下されなかった場合には、上記ステップS18の処理を省略して上記ステップS19に進む。
【0064】
以上のように本実施の形態では、障害ケーブル30の近接端から地絡点30aの方向に流した直流定電流Iと、そのときに障害ケーブル30の近接端と、地絡点30aとの間に生じた電位差Vとを、それぞれ電流測定回路12と電圧測定回路13により測定し、測定した直流定電流I及び電位差Vと、障害ケーブル30の単位長さあたりの公称抵抗ρとを用いて、障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの距離Lを算出するようにしたので、障害ケーブル30の全長を把握していなくても、地絡点30aを容易に且つ正確に標定することができる。したがって、障害ケーブル30の地絡点30aを迅速に修復することができるようになる。
【0065】
特に、直流電流を流すようにしているので、障害ケーブル30に含まれるインダクタンス成分や、障害ケーブル30と大地との間に生じるキャパシタンス成分などの影響を受けずに、障害ケーブル30の近接端と、地絡点30aとの間に生じる電位差Vを測定することができる。
【0066】
また、定電流を流すようにしているので、地絡抵抗Er[Ω]の影響を受けずに、障害ケーブル30の近接端と、地絡点30aとの間に生じる電位差Vを測定することができる。言い換えると、障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの直流抵抗Cr1に比べ、地絡抵抗Erが遥かに大きい場合であっても、障害ケーブル30の近接端と、地絡点30aとの間に略一定の電位差Vを生じさせることができる。したがって、障害ケーブル30の近接端と、地絡点30aとの間に生じる電位差が、地絡抵抗Erの影響により、電圧測定回路13で測定が困難になるほど小さくなってしまうことを防止することができる。
【0067】
このように、本実施の形態では、直流定電流Iを流すことにより、障害ケーブル30の近接端から地絡点30aまでの直流抵抗Cr1に基づく電位差Vを、確実に生じさせるようにしているので、地絡点30aを正確に標定することができる。
【0068】
また、温度係数κを用いて障害ケーブル30の単位長さあたりの公称抵抗ρ[Ω/m]を補正するようにしたので、標定時の気温の影響を受けずに、地絡点30aを標定することができる。
【0069】
さらに、電流測定回路12により測定された値を用いて地絡点30aを標定するようにしたので、定電流発生回路11の定格値と異なる値の電流が流れたとしても、地絡点30aを正確に標定することができる。
【0070】
また、障害ケーブル30の線種と、標定時の温度Tcとを、タッチパネル式の表示部21を用いて入力させるようにしたので、例えば、悪天候であっても、地絡点標定装置10を容易に操作することができる。これにより、作業者の負担を可及的に低減することができる。
【0071】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、高精度の定電流発生回路を用いた場合について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の部分については、図1〜図6に付した符号と同一の符号を付すなどして詳細な説明を省略する。
【0072】
図7は、本実施の形態における地絡点標定装置の構成の一例を示した図である。
上述したように、本実施の形態では、高精度の定電流発生回路71を用いるので、定電流測定回路11による測定が不要になる。すなわち、本実施の形態では、定電流発生回路71の定格値を用いて、障害ケーブル30の一端から地絡点30aまでの距離Lを算出する。
【0073】
これにより、図1の定電流測定回路11、アンプ14b、ローパスフィルタ15b、及びマルチプレクサ回路16を用いなくても、地絡点30aを正確に標定することができ、地絡点標定装置10を小型、軽量化することができる。
【0074】
なお、上述した実施の形態における機能は、障害ケーブル30と健全ケーブル40の線径(線種)が異なる場合にも実現することが可能である。このような場合にも、上述した操作と同じ操作で障害ケーブル30の線種などを入力し、地絡点30aを特定することができる。
【0075】
(本発明の他の実施形態)
上述した各実施の形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0076】
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0077】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述した実施の形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施の形態に含まれることは言うまでもない。
【0078】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、障害ケーブルの一端から地絡点の方向に、直流の定電流を流して、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの抵抗を求め、求めた抵抗と、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗とを用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出するようにしたので、上記障害ケーブルの全長を把握していなくても上記障害ケーブルの地絡点を標定することができるとともに、上記障害ケーブルの地絡点と大地との間の地絡抵抗や、上記障害ケーブルに起因するインダクタンス成分やキャパシタンス成分の影響を受けることなく上記障害ケーブルの地絡点を標定することができる。
【0080】
また、本発明の他の特徴によれば、上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に流れた直流の定電流を測定し、測定した直流の定電流を用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出するようにしたので、上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に流す定電流の偏差の精度がそれ程高くなくても、上記障害ケーブルの地絡点を正確に標定することができる。
【0081】
また、本発明のその他の特徴によれば、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗を、上記障害ケーブルの温度係数を用いて補正し、上記補正した公称抵抗を用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出するようにしたので、標定時における周囲の温度の影響を受けることなく、上記障害ケーブルの地絡点を標定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、地絡点標定装置の構成の一例を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、ケーブルの線種と、単位長さあたりの公称抵抗と、温度係数とが対応付けられて記録されているテーブルの一例を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示し、障害ケーブルの地絡点を標定する際に表示部に表示される内容の第1の例を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示し、障害ケーブルの地絡点を標定する際に表示部に表示される内容の第2の例を示した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示し、線路脇のトラフに設置されている障害ケーブルの地絡点を標定する場合の地絡点標定装置の使用例を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を示し、地絡点標定装置における処理動作の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示し、地絡点標定装置の構成の一例を示した図である。
【符号の説明】
10、70 地絡点標定装置
11、71 定電流発生回路
12 電流測定回路
13 電圧測定回路
19 CPU
20 メモリ
21 表示部
30 障害ケーブル
30a 地絡点
40 健全ケーブル
Claims (13)
- 地絡した障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を求めて、上記障害ケーブルの地絡点を標定するケーブルの地絡点標定装置であって、
上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に、直流の定電流を流して、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの抵抗を求め、求めた抵抗と、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗とを用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出する手段を有することを特徴とするケーブルの地絡点標定装置。 - 地絡した障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を求めて、上記障害ケーブルの地絡点を標定するケーブルの地絡点標定装置であって、
上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に、直流の定電流を流すようにするための定電流発生回路と、
上記定電流発生回路の動作によって、上記障害ケーブルの一端と地絡点との間に生じる電位差を測定するための電圧測定回路と、
上記定電流発生回路から流れた直流の定電流I[A]と、上記電圧測定回路により測定された電位差V[V]と、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗ρ[Ω/m]とを用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離L[m]を、下式
L=V/(I×ρ)
により算出する処理回路とを有することを特徴とするケーブルの地絡点標定装置。 - 上記定電流発生回路から流れた直流の定電流を測定する電流測定回路をさらに有し、
上記処理回路は、上記電流測定回路により測定された直流の定電流を用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出することを特徴とする請求項2に記載のケーブルの地絡点標定装置。 - 上記障害ケーブルの他端と、健全ケーブルの一端とが接続された状態にして上記障害ケーブルの地絡点を標定するようにし、
上記定電流発生回路は、上記障害ケーブルの一端と、大地との間に接続され、
上記電圧測定回路は、上記障害ケーブルの一端と、上記健全ケーブルの他端との間に接続されることを特徴とする請求項2に記載のケーブルの地絡点標定装置。 - 上記障害ケーブルの他端と、健全ケーブルの一端とが接続された状態にして上記障害ケーブルの地絡点を標定するようにし、
上記電流測定回路は、上記障害ケーブルの一端と、上記定電流発生回路との間に接続され、
上記定電流発生回路は、上記電流測定回路と、大地との間に接続され、
上記電圧測定回路は、上記障害ケーブルの一端と、上記健全ケーブルの他端との間に接続されることを特徴とする請求項3に記載のケーブルの地絡点標定装置。 - 上記障害ケーブルと、上記健全ケーブルは、鉄道設備に設けられたケーブルであることを特徴とする請求項4または5に記載のケーブルの地絡点標定装置。
- 上記処理回路は、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗を、上記障害ケーブルの温度係数を用いて補正し、上記補正した公称抵抗を用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出することを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載のケーブルの地絡点標定装置。
- 地絡した障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を求めて、上記障害ケーブルの地絡点を標定するケーブルの地絡点標定方法であって、
上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に、直流の定電流を流して、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの抵抗を求め、求めた抵抗と、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗とを用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出することを特徴とするケーブルの地絡点標定方法。 - 地絡した障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を求めて、上記障害ケーブルの地絡点を標定するケーブルの地絡点標定方法であって、
上記障害ケーブルの一端から地絡点の方向に、直流の定電流を流すようにする通電ステップと、
上記通電ステップによって、上記障害ケーブルの一端と地絡点との間に生じる電位差を測定するための電圧測定ステップと、
上記通電ステップによって流れた直流の定電流I[A]と、上記電圧測定ステップ回路により測定された電位差V[V]と、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗ρ[Ω/m]とを用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離L[m]を、下式
L=V/(I×ρ)
により算出する処理ステップとを有することを特徴とするケーブルの地絡点標定方法。 - 上記通電ステップによって流れた直流の定電流を測定する電流測定ステップをさらに有し、
上記処理ステップは、上記通電ステップにより測定された直流の定電流を用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出することを特徴とする請求項9に記載のケーブルの地絡点標定方法。 - 上記障害ケーブルの他端と、健全ケーブルの一端とが接続された状態にして上記障害ケーブルの地絡点を標定するようにし、
上記通電ステップは、上記障害ケーブルの一端と、上記障害ケーブルの地絡点と、大地とを循環する直流の定電流を流し、
上記電圧測定ステップは、上記障害ケーブルの一端と、上記健全ケーブルの他端との間に生じる電位差を測定することを特徴とする請求項9または10に記載のケーブルの地絡点標定方法。 - 上記障害ケーブルと、上記健全ケーブルは、鉄道設備に設けられたケーブルであることを特徴とする請求項11に記載のケーブルの地絡点標定方法。
- 上記処理ステップは、上記障害ケーブルの単位長さあたりの公称抵抗を、上記障害ケーブルの温度係数を用いて補正し、上記補正した公称抵抗を用いて、上記障害ケーブルの一端から地絡点までの距離を算出することを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載のケーブルの地絡点標定方法。
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