JP2005002194A - 反応器、それを含むオレフィン重合用装置、および、該重合装置を用いるオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

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Yoshitaka Kobayashi
美孝 小林
Akira Yamauchi
彰 山内
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Abstract

【課題】攪拌能力と除熱能力に優れた反応器、特に低温で行う反応において、品質のバラツキが少ない生成物を生産性良く製造可能な反応器を提供すること。
【解決手段】(A)反応槽、(B)垂直方向に伸びており、その内部に冷媒の流路を有し、当該反応槽の内周に沿って装備された板状部もしくは円柱部からなるバッフル、及び、(C)反応槽内部に装備された攪拌装置、を有する反応器であって、
板状部からなるバッフルを装備しているときには下記式(1)、円柱部からなるバッフルを装備しているときには下記式(2)、によって算出される値が、0.1〜0.5の範囲である、反応器。
N× (W/D)1.2 (1)
N×(0.57×W/D)1.2 (2)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応器、オレフィン重合用装置、及び、該オレフィン重合用装置を用いるオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、オレフィン重合体をスラリー重合法で製造する際や、その際に使用するオレフィン重合用触媒を事前に少量のオレフィンで予備重合する際などに、円筒形状部を有する重合反応器を用いることが知られている。このような反応器においては、重合系内の温度を所定の重合温度に保つ為、重合反応による反応熱、および、撹拌による攪拌熱を適量に除熱するための設備を装備する必要がある。そして、このような設備としては、反応器外部に冷却用のジャケットを装備したり、反応器内部に除熱機能を有するバッフルを装備する等の方法が一般的に行われている。
【0003】
しかし、反応器外部に冷却用のジャケットを装備したものは、一般に除熱能力が低い。この為、反応に使用する触媒量が多い場合には、発生する重合反応熱が大きくなり、反応器外部に冷却用のジャケットを装備しただけでは除熱が間に合わない。その結果、反応系内の温度制御がうまくいかず、性能の均質な製品(オレフィン重合体)を安定に製造することが困難となる。また、反応系内で周囲とは温度差のある部分が局部的に発生するなどの不適切な現象により、反応器壁等にスケール(所望のオレフィン重合体とは分子量等の異なるオレフィン重合体付着物)が生成する原因ともなる。例えば、オレフィン重合用触媒に予め少量のオレフィンを重合して担持させて得られる予備重合触媒の製造が、このような環境下で実施された場合、その製造工程において反応器壁等に生成し付着したスケールは、当該予備重合触媒を、オレフィン重合体の製造工程に使用すべく、その製造工程に供給管を介して供給する際に、不可抗力により反応器から剥がれ落ちて、該供給管に詰まり、安定運転が損なわれる原因となりやすい。また、オレフィン重合用触媒、もしくは、前記方法等で得られた予備重合触媒を用いて行うオレフィン重合体の製造自体が、そのような環境下で実施された場合にも、その製造工程において反応器壁等に生成し付着したスケールは、製造されたオレフィン重合体を含む反応系内容物を、処理工程に移送すべく、移送管を介して移送する際に、前記同様、不可抗力により反応器から剥がれ落ちて、該移送管に詰まり、安定運転が損なわれる原因となりやすい。さらに、このような環境下で製造されたオレフィン重合体をフィルムに加工すると、フィルム中には、当該スケールに起因するフィッシュアイが発生し、フィルム外観が損なわれてしまうなどの問題が生じる。
【0004】
反応系に使用する溶媒が、反応系内で発生する重合反応熱等を希釈し局部的な熱の蓄積を緩和する作用を有する点を考慮すると、溶媒の使用量を増すこともまた、反応系内の温度制御の安定化を図るうえで効果的であると言える。しかし、溶媒の使用量を増すことに伴い、相応の大容量の反応器が必要となることから、設備の建設コスト上不利とならざるを得ない。一方、使用する触媒量を少なくすれば、発生する反応熱量が低減される為に、反応系内の温度制御はたやすくなるのだが、生成物の生産性の低下を余儀なくされる。
【0005】
反応器外部に冷却用のジャケットを装備した反応器の除熱能力不足を補うため、その反応器内部に、除熱機能を備えたバッフルを装備して、これらを併用することも行われている。また、反応器内部に設けられた除熱機能を備えたバッフルの除熱能力不足を補うため、反応器外部に冷却用のジャケットを装備するかわりに、反応器内部にコイル状冷却管を敷設した反応器なども提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、特に低温(例えば、30℃以下)で、かつ大型の反応器を用いてオレフィン重合体を製造するような場合には、依然として、所望の除熱能力と品質の均質な製品(特にオレフィン重合体)の安定生産を達成することは困難であった。一般に、除熱機能を備えたバッフルの個数が少ないと、除熱能力を十分に補いきれず、反応のコントロールを失い、局部発熱をきたして、所望の品質の生成物を安定生産することが不可能であるし、除熱能力を上げるためにバッフルの個数を増やすと、反応系の流動を過度に阻害することとなり、反応器内に局部的に反応系の滞留部が発生することに起因して、例えばスケールの発生量が増加するなどの問題が生じる。このため、低温(例えば、30℃以下)で反応を行う(例えば、オレフィン重合体を製造する)ような場合には、発生する反応熱及び攪拌熱の除熱を行いつつ、かつ、そのような低温で反応系の温度を一定に維持しなければならないという制御の難しさから、反応対象物に対して大過剰の希釈溶媒を用いて反応を行なわざるを得ず、一般にその生産性は低いものとならざるを得なかった。この生産性を高める目的で、反応に供される反応系自体の絶対量を増量しようと思えば、これを受け入れるに足る十分に大容量の反応器が必要となるのみならず、その大容量化に伴い低下する単位容量当たりの除熱能力を維持するためにはその除熱設備も相応に増強する必要が生じるなど、設備の建設コストが高騰化するという不利益を免れ得なかったのが実状であった。また、除熱設備も、そのような要求性能に十分に対応できるものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−233206号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、攪拌能力と除熱能力に優れた反応器、それを含むオレフィン重合用装置、および、該装置を用いるオレフィン重合体の製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、特に低温で行う反応において、品質のバラツキが少ない生成物を生産性良く製造可能な反応器、それを含むオレフィン重合用装置、および、該装置を用いるオレフィン重合体の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記[1]〜[9]で示される。
[1](A)反応槽、(B)垂直方向に伸びており、その内部に冷媒の流路を有し、当該反応槽の内周に沿って装備された板状部もしくは円柱部からなるバッフル、及び、(C)反応槽内部に装備された攪拌装置、を有する反応器であって、板状部からなるバッフルを装備しているときには下記式(1)、円柱部からなるバッフルを装備しているときには下記式(2)、によって算出される値が、0.1〜0.5の範囲である、反応器。
N× (W/D)1.2 (1)
N×(0.57×W/D)1.2 (2)
(式中、Nは前記板状部もしくは円柱部の数であり、Wはその板状部の外周を基準とする幅(単位:mm)であり、Wはその円柱部の外径(単位:mm)であり、Dは反応槽の内径(単位:mm)である。)
【0009】
[2]反応槽の内周に沿って装備された板状部もしくは円柱部の総数が20〜70個である、前記[1]に記載の反応器。
【0010】
[3]反応器の水平断面における、反応槽の内周を基準とする断面積に対する前記板状部もしくは前記円柱部の外周を基準とする断面積の総和の占める割合が3%より大きく6%以下であるが、反応槽の容量の70%以上を占める、前記[1]もしくは[2]に記載の反応器。
【0011】
[4]反応槽の内周に沿って装備された板状部もしくは円柱部が、反応槽の中心軸を中心とし、異なる半径をもつ少なくとも2つの同心円を描くように装備されている、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の反応器。
【0012】
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の反応器を少なくとも1つ含む、オレフィン重合体製造用装置。
【0013】
[6]前記[5]に記載のオレフィン重合体製造用装置を用い、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の反応器に装備された板状部もしくは円柱部の内部に設けられた冷媒の流路に冷媒を流通しながら行う、オレフィン重合体の製造方法であって、反応器内の板状部もしくは円柱部を流通する冷媒の単位時間あたりの総流量(m/h)を、1つの板状部もしくは円柱部の外周を基準とする断面積(cm)で除した値が、0.1〜2.0 m/cm・hの範囲である、オレフィン重合体の製造方法。
【0014】
[7]前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の反応器を用いて、−40〜30℃の温度で重合反応を行う、前記[6]に記載のオレフィン重合体の製造方法。
【0015】
[8]オレフィン重合体が、少なくとも2種のオレフィン重合体成分を含んでおり、そのうち少なくとも1種を、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の反応器を用いて製造する、前記[6]もしくは[7]に記載のオレフィン重合体の製造方法。
【0016】
[9]オレフィン重合体が少なくとも2種のオレフィン重合体成分で構成されており、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の反応器を用いて製造する少なくとも1種のオレフィン重合体成分が、エチレン単独重合体、もしくは、共重合体の重量基準で、エチレン単位を50重量%以上含有する、エチレンとエチレン以外のオレフィンとのエチレン/オレフィン共重合体であり、その固有粘度[η]が15〜100dl/gの範囲であって、他のオレフィン重合体成分の重合生成量100重量部に対し、0.01〜5.0重量部の範囲の重合生成量となるように重合する、前記[8]に記載のオレフィン重合体の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の反応器は、(A)反応槽、(B)垂直方向に伸びており、その内部に冷媒の流路を有し、当該反応槽の内周に沿って装備された板状部もしくは円柱部からなるバッフル、及び、(C)反応槽内部に装備された攪拌装置、を有する。
【0018】
(A)本発明で使用する反応槽は、使用する原料、反応条件、反応形態、生成物等により、その反応に適する限りにおいて、形状、大きさ、材質等に限定されず、通常採用されるものから任意に選択し使用することが可能である。好ましいのは、円筒形状部を有する縦置き型反応器である。大きさはそれぞれの反応形態、目的等に応じて任意に設計できるが、例えばオレフィン重合に使用する場合には、生産性、経済性の点から、20m以上であることが好ましい。
【0019】
(B)反応槽の内部にはバッフルが装備されている。バッフルは、垂直方向に伸び、その内部に冷媒の流路を有し、前記反応槽の内周に沿って装備された板状部もしくは円柱部からなる。
【0020】
本発明において、「バッフル」とは、反応系の温度を一定に制御するために、反応系で発生する反応熱や攪拌熱を適切に除去する機能を奏すべく内部に冷媒を流通させるための流路を有し、かつ、攪拌混合効果を高めるために、反応系の流動方向に対し、そのスムーズな流れを適度に遮るための、内容物の攪拌層流に対峙させる衝突面としての十分な役割を担う、板状部もしくは円柱部を言うが、複数の板状部もしくは円柱部が、間隔を隔てて、隣同士に配置され、互いが配管で一体的もしくは装着自在に結合されている場合には、当該複数の板状部もしくは円柱部とそれら配管を含めて、1つのバッフルと言う。その配管は、内部に、冷媒の流路を有し、その配管が連結された板状部もしくは円柱部の内部に設けられた流路と連通していてもよい。
【0021】
本発明において、バッフルには、反応槽内部の側壁に一体的もしくは装着自在に固定するための接合部が設けられており、反応槽内部の側壁に設けられた接合部と接合されることによって、反応槽に固定される。また、バッフルが複数の板状部もしくは円柱部を有している場合には、その少なくとも1つの板状部もしくは円柱部は、隣り合う別のバッフルの板状部もしくは円柱部と、配管を介して、一体的もしくは装着自在に結合されていてもよい。その配管は、内部に、冷媒の流路を有し、その配管が連結された両方の板状部もしくは円柱部の内部に設けられた流路と互いに連通していてもよい。
【0022】
本発明の反応器において、バッフル、正確には、その板状部もしくは円柱部は、その長手方向が、反応槽内で垂直方向に伸びている。ここで、この「垂直方向」という用語は、必ずしも、厳密に垂直線と一致することを意味しない。本発明においては、内容物の流動を適度に阻害する作用を奏する前記板状部もしくは円柱部が、本発明においてその所望の作用を奏する範囲においては、当該垂直線に対しある程度の傾斜角をもって装備されたものであっても構わない。
【0023】
本発明において、バッフルを構成する板状部もしくは円柱部は、反応槽の内周に沿って装備されるが、この「反応槽の内周に沿って」という用語は、必ずしも、それらが反応槽の内壁面に接していることを意味しない。寧ろ、滞留のない良好な攪拌流を形成するうえで、当該板状部もしくは円柱部は、前記接合部を介して、反応槽の内壁面より距離をおいて配置されることが好ましい。この距離は、板状部の幅もしくは円柱部の直径の1.0〜5.0倍、好ましくは1.0〜4.0倍の範囲である。
【0024】
本発明の反応器において、スケールの発生を低減するうえで、バッフルを構成する板状部もしくは円柱部は、反応槽の内周に沿って、その1つ1つが一定の間隔をもって、もしくは、複数の板状部もしくは円柱部毎に一定の間隔をもって、装備されることが好ましい。例えば、複数のバッフル構成を1つの単位とするバッフル群が、反応槽の内周に沿って、複数存在する装備形態であっても構わない。板状部もしくは円柱部は、反応槽の中心軸を中心とする円を描くように装備されるのが好ましい。また、板状部もしくは円柱部が、反応槽の中心軸を中心とする半径の異なる少なくとも2つの同心円を描くように装備されていてもよい。後者においては、個々のバッフルがそれぞれに1つの円の一部を構成していてもよく、また、1つのバッフルが複数の板状部もしくは円柱部を有する場合に、そのバッフルが複数の同心円に跨るように設置されて、その1つのバッフルの複数の板状部もしくは円柱部が、複数の同心円の一部を構成していてもよい。このように、板状部もしくは円柱部が、反応槽の中心軸を中心とする半径の異なる少なくとも2つの同心円を描くように配置されている場合においては、最も大きな半径を有する同心円上に配置された板状部もしくは円柱部と、反応槽の内壁面、との距離が、当該板状部の幅もしくは円柱部の直径の1.0〜5.0倍、好ましくは1.0〜4.0倍の範囲である。
【0025】
本発明の反応器は、十分な除熱能力と十分な攪拌能力を有するためには、バッフルの板状部もしくは円柱部が、反応槽の中心軸を中心とする互いに半径の異なる複数の同心円を描くように装備されるのが好ましい。互いに半径の異なる2つもしくは3つの同心円を描くように装備されるのがさらに好ましく、互いに半径の異なる2つの同心円を描くように装備されるのが尚好ましい。さらに十分な除熱能力と十分な攪拌能力を有するためには、異なる同心円上に装備される板状部もしくは円柱部が、反応槽の中心軸からみて、完全に重複することのないように装備されるのが好ましく、特に、反応槽の中心軸からみて、一部重複するかもしくは全く重複しない関係にあって、一方の同心円上の板状部もしくは円柱部が、他の同心円上のそれに対して、交互に、好ましくは、交互で等間隔に、または、交互で複数の板状部もしくは円柱部毎に一定の規則性をもって、配列し装備されていることが好ましい。
【0026】
本発明の反応器において、装備するバッフルは、内容物の撹拌が適度に阻害され良好な攪拌混合が行われる限りにおいては、その形状には拘らず、板状部もしくは円柱部のいずれでもよい。
【0027】
本発明で「円柱部」という場合、その横断面が円状であるものに限らず、楕円状のものをも含む。円柱部の外径は、装備する反応槽の容量によって、任意に選択されるが、装備する反応槽の内径に対して、好ましくは0.03〜0.045倍、さらに好ましくは0.035〜0.042倍である。
【0028】
また、バッフルが板状部からなる場合、該板状部の幅方向が、反応槽の中心軸から内周に向かい伸びる放射線に沿うように装備される。ここで言う「放射線に沿うように」とは、当該放射線と厳密に一致することまでをも意味しない。本発明においては、内容物の流動を適度に阻害する作用を有する限り、板状部の幅方向が、当該放射線に対しある程度の傾斜角をもって装備されたものまでが許容される。板状部の幅は、反応槽の内径に対し、0.035〜0.05倍、好ましくは0.04〜0.047倍である。また、板状部の厚みは、その内部に冷媒の流路が設けられ、それが所望の除熱作用を奏するに十分な厚みがあればよく、好ましくは板状部の幅の0.1〜0.5倍、好ましくは0.2〜0.5倍である。
【0029】
本発明の反応器に装備するバッフルとしては、円柱部を持つもののほうが、この円柱部裏側での滞留を減じ、スケールを低減させる効果が高いことから好ましい。本発明において採用する円柱部としては、その横断面が、楕円形状であるものが好ましい。この横断面が楕円形状である円柱部を用いる場合は、さらに、スケールの発生を低減するうえで、撹拌流れ方向に対し、その楕円断面の長径方向を平行に配置することが好ましい。円柱部の横断面が楕円形状である場合、その長径に対する短径の比は0.5 〜1.0であることが好ましく、0.6 〜1.0であることがさらに好ましい。
【0030】
バッフルの板状部もしくは円柱部の長さは、反応器の水平断面における、反応槽の内周を基準とする断面積に対する、前記板上部もしくは前記円柱部の外周を基準とする断面積の総和の占める割合が3%より大きく6%以下である部分が、反応槽の容量の70%以上を占める範囲であれば特に限定されない。当該断面積の総和の占める割合が3%以下であると除熱能力が低下するおそれがあり、6%より大きいと、攪拌阻害効果が大きく、反応器内で滞留部が生じ、スケールが発生するおそれがある。また、阻害される攪拌効果を補うために、攪拌駆動力自体を高めなければならないなどの不利益が生じる。
【0031】
板状部もしくは円柱部の内部には、冷媒の流路が設けられている。板状部もしくは円柱部の長手方向に対して垂直な横断面において、冷媒の流路として板状部もしくは円柱部の内部に設けられた空間部の占める断面積は、それぞれの外周を基準とする断面積に対し、十分な除熱能力を奏するためには、80〜95%の割合であることが好ましく、85〜95%の割合であることが更に好ましい。
【0032】
反応槽に装備されたバッフルを構成する全ての板状部、円柱部もしくは配管のうち、少なくとも1つには、冷媒供給口が設けられており、当該板状部、円柱部もしくは配管の内部に設けられた冷媒の流路は当該冷媒供給口と連通している。そして、冷媒供給口は、さらに、反応槽内の側壁から突き出て当該冷媒供給口と連結された連結管等を介し、反応槽外に設置された冷媒供給装置と連通している。前記冷媒供給口は、その板状部、円柱部もしくは配管と上記連結管とが一体的に成形されることにより設けられていてもよい。
【0033】
反応槽に装備されたバッフルを構成する全ての板状部、円柱部もしくは配管のうち、少なくとも1つには、冷媒排出口が設けられており、当該板状部、円柱部もしくは配管に設けられた冷媒の流路は当該冷媒排出口と連通している。そして、冷媒排出口は、さらに、反応槽内の側壁から突き出た別の連結管に接合され、当該連結管等を介して、反応槽外に設置された例えば冷媒回収設備に連通している。前記冷媒排出口は、その板状部、円柱部もしくは配管と上記連結管とが一体的に成形されることにより設けられていてもよい。
【0034】
前記冷媒供給口と冷媒排出口は、個々のバッフル毎に有していてもいいし、複数のバッフルが冷媒の流路を有する配管で連結されることによって一群のバッフル群が構成される場合には、反応槽の内周に沿って並ぶその1つのバッフル群のうち、左右の端部に位置する2つのバッフルの一方が冷媒供給口を有し、他方が冷媒排出口を有する構成であってもよい。この場合、冷媒は、この1群のバッフル内の流路を流通する工程を通じて、除熱作用に寄与することになる。また、反応槽内に装備された全てのバッフルが、冷媒の流路を有する配管で連結され、冷媒が、反応槽の内周に沿ってその連結されたバッフル内を1循環するように、冷媒供給口と冷媒排出口が設計された構成であってもよい。何れの場合も、流れる冷媒による除熱作用が担保され、かつ、その除熱作用が持続される範囲内で、効率的で適切な長さの冷媒の流路が確保され、当該バッフルを流れる冷媒による除熱効果が十分奏されるような範囲で、反応の形態や目的等によって選択され得る。
【0035】
本発明において、反応器内に装備される板状部もしくは円柱部の数は、好ましくは20〜70、さらに好ましくは20〜60、より好ましくは20〜50の範囲である。
【0036】
本発明の反応器は、(C)反応槽内部に装備された攪拌装置、を有する。
攪拌装置は、反応槽内に突き出た攪拌軸と、それに装着された少なくとも1つの攪拌翼からなる。そして、該攪拌軸に駆動力を伝える駆動部が反応槽外に設置される。該攪拌軸および攪拌翼の種類、材質、大きさ等は、反応の目的等によって任意に選択することができる。
【0037】
反応器内のフローパターンよって生じやすい流動滞留部の発生に起因するスケールの生成を更に効果的に低減するためには、撹拌翼の回転により反応器内部全体に効果的に適切な流動状態を形成することのできる撹拌翼が好ましく、具体的には、パドル翼、傾斜羽根翼、タービン翼、アンカー翼等の固液混合用に使用される撹拌翼が好ましい。フルゾーン翼(商品名:神鋼パンテック社製)のような多段翼や、マックスブレンド翼(商品名:住友重機械社製)のような格子翼、がさらに好ましい。
【0038】
本発明の反応器は、板状部からなるバッフルを装備しているときには下記式(1)、円柱部からなるバッフルを装備しているときには下記式(2)、によって算出される値が、0.1〜0.5の範囲にある反応器である。
N× (W/D)1.2 (1)
N×(0.57×W/D)1.2 (2)
【0039】
上記式中、Nは前記板状部もしくは円柱部の数であり、Wはその板状部の外周を基準とする幅(単位:mm)であり、Wはその円柱部の外径(単位:mm)であり、Dは反応槽の内径(単位:mm)である。0.57という数値は、板状部の外周を基準とする幅と、円柱部の外径とが同じ値であるときの、板状部の抵抗係数に対する円柱部の抵抗係数の比である。運転状態における反応器中のレイノルズ数(Re)を、Re=10で代表させると、0.57の値が得られる(機械工学便覧改訂第6版(日本機械学会編)8−2章)。上記式は、一般に撹拌所用動力推算式として用いられる「永田の式」において、邪魔板抵抗係数として表記される一つのファクターである。
【0040】
本発明の反応器においては、板状部もしくは円柱部からなるバッフルは、上記式によって算出される値が、0.1〜0.5の範囲となるように装備される。好ましくはその算出値が0.2〜0.5であり、更に好ましくは0.3〜0.5である。この算出値が0.1より小さいと、除熱能力の低下及びバッフルとしての機能が果たせず内容物の混合が不十分となってスケールが発生するおそれがある。また、この算出値が0.5より大きいと、バッフル裏部での滞留部が生じることで、スケールが発生するおそれがある。ひいては撹拌駆動力の増加の原因ともなる。
【0041】
本発明の反応器は、反応系の温度を一定に制御するために、反応系で発生する反応熱や攪拌熱を適切に除去する機能を奏すべく内部に冷媒を流通させるための流路を有し、かつ、攪拌混合効果を高めるためのバッフルの効果により、反応時の例えばスケールの発生を抑制するなど、均質な生成物を安定に生産することができるという特徴を生かし、単量体から高分子化合物を生成する反応や、乳化重合、懸濁重合、等の反応に利用できる。反応原料として、例えば、オレフィン類、ハロゲン化ビニル類、塩化ビニリデン等、ビニルエステル類、プロピオン酸ビニル、共役ジエン系単量体、芳香族ビニル系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、シアン化ビニル系単量体、等が挙げられる。特に、オレフィン単量体を用いるオレフィン重合体の製造に好適に使用できる。特に、本発明の反応器は、その攪拌能力、除熱能力が優れていることから、低温で行う反応や、粘度が高い反応系、比較的大型の反応器が所望とされる場合等に、好適に使用できる。
【0042】
図1、図2および図3は、本発明の反応器の例を模式的に示したものである。図1及び図2は、2つの異なる反応器例を示し、ともに、その高さの2分の1当たりにおける水平断面図であり、図3は、図2に示す反応器例の垂直断面図である。尚、図1および図2では、撹拌装置を図示していない。
【0043】
図1の反応器では、2つの円柱部2が配管4で連結されてなるバッフル3が、そのうちの1つの円柱部と接合する連結部5を介して、円筒形状部を有する反応槽1に、固定されている。そして、そのバッフルの別の円柱部は、他の隣り合うバッフルの円柱部と配管4で連結されている。円柱部は、交互に2列に、すなわち反応槽の中心軸を中心とする2つの異なる半径の同心円を描くように装備されている。図1の反応器には、総数16のバッフル、総数32の円柱部が装備されている。
【0044】
図2の反応器では、2つの円柱部2が配管4で連結されてなるバッフル3が、そのうちの1つの円柱部と接合する連結部5を介して、円筒形状部を有する反応槽1に、固定されている。そして、そのバッフルの別の円柱部は、他の隣り合うバッフルの円柱部と配管4で連結されており、8つのバッフルを1つの単位とするバッフル群が、2つ構成されている。円柱部は、交互に2列に、すなわち反応槽の中心軸を中心とする2つの異なる半径の同心円を描くように装備されている。図2の反応器には、総数16のバッフル、総数32の円柱部が装備されている。
【0045】
図3は、図2に示す反応器の中心軸を通る垂直断面図である。尚、図3には、加えて、攪拌軸6と攪拌翼(フルゾーン翼)8が図示されている。ここでは図示していないが、攪拌軸6は、反応器外部に設置された駆動装置に連結されている。攪拌軸6を挟んで両側に図示されている2つのバッフルは、図2において図示された2つのバッフル群のうちの1つについて、その1つのバッフル群の両端部を構成している2つのバッフルを示している。その一方のバッフルには、そのバッフルに設けられた冷媒供給口と連結する連結管8が設けられている。図示していないが、該連結管8は、反応器外部の冷媒供給設備と連結されている。また、他方のバッフルには、そのバッフルに設けられた冷媒排出口と連結する連結管9が設けられている。図示していないが、該連結管9は、反応器外部の例えば冷媒回収設備と連結されている。
【0046】
このように、バッフルが2つの同心円を描くように、特に反応槽の中心軸からみて、互いに重複しないように交互に装備された反応器は、液の滞留を減少させ、スケール発生を防ぐうえで有効である。
【0047】
本発明の反応器は除熱能力に優れるが、さらに高い除熱能力を求めるために、外部ジャケット等の他の除熱手段を併用することを排除しない。
【0048】
本発明の、オレフィン重合体製造用装置は、上記で説明した本発明記載の反応器を少なくとも1つ含む、オレフィン重合体製造用装置である。
尚、本発明で用いる「オレフィン重合体」の用語は、オレフィン単独重合体、2種以上のオレフィン重合体成分を含むランダム共重合体及びブロック共重合体、並びに、オレフィン重合用触媒に少なくとも1種の少量のオレフィンを接触させる予備重合工程を経て得られる予備重合触媒成分中に担持されるオレフィン重合体成分と、該予備重合触媒成分を含む触媒を用いて重合されたオレフィン重合体成分、とを含むオレフィン重合体をも包含している。また、ここで用いる「オレフィン」としては、特に限定はされないが、炭素数2〜12のオレフィン、特に炭素数2〜12のα−オレフィンが好ましく用いられる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、なかでも、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンを用いることがより好ましく、これらのオレフィンは1種のみならず2種以上を用いることも可能である。
【0049】
本発明のオレフィン重合体製造用装置は、本発明記載の反応器の2つ以上で構成されていてもよく、それらが直列もしくは並列に配置されていても良い。また、本発明のオレフィン重合体製造用装置は、本発明記載の反応器以外に、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等の不活性溶媒中で、オレフィンの重合を実施するスラリー重合法、オレフィン自体を溶媒として用いるバルク重合法、オレフィンの重合を気相中で実施する気相重合法、更に重合して生成するオレフィン重合体が液状である溶液重合などに通常用いられる反応器が、本発明記載の反応器に直列にもしくは並列に配置されていてもよい。好ましいのは、本発明記載の反応器の後に、これらのプロセスの2以上が直列に配置されているオレフィン重合体製造用装置である。
【0050】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、上記に記載のオレフィン重合体製造用装置を用いるオレフィン重合体の製造方法であって、板状部もしくは円柱部からなるバッフルを装備した本発明記載の反応器において、その板状部もしくは円柱部の内部に設けられた冷媒の流路に、反応器内の全板状部もしくは全円柱部を流通する冷媒の単位時間あたりの総流量(m/h)を、1個の板状部もしくは円柱部の内周を基準とする断面積(cm)で除した値が、0.1〜2.0 m/cm・hの範囲であるように冷媒を流通させながら重合反応を行う、オレフィン重合体の製造方法である。除熱能力不足により温度制御が困難となる点及び冷凍設備への負荷の点から、好ましいのは、前記値が、0.3〜1.8 m/cm・hの範囲であり、更に好ましいのは 0.5〜1.5 m/cm・hの範囲である。
【0051】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、板状部もしくは円柱部からなるバッフルを装備した本発明記載の反応器において、−40〜30℃の温度で重合反応を行う場合が特に好適である。本発明の製造方法は、特に、低温(例えば、30℃以下)で行う反応において、品質のバラツキが少ない生成物を生産性良く製造可能である点において、優れた効果を奏するのである。
【0052】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、オレフィン重合体が、少なくとも2種のオレフィン重合体成分を含んでおり、そのうち少なくとも1種を、板状部もしくは円柱部からなるバッフルを装備した本発明の反応器を用いて製造するようなオレフィン重合体の製造方法に好適に使用される。
【0053】
さらに、オレフィン重合体が少なくとも2種のオレフィン重合体成分で構成されていて、このうち、板状部もしくは円柱部からなるバッフルを装備した本発明の反応器を用いて製造する少なくとも1種のオレフィン重合体成分が、エチレン単独重合体、もしくは、共重合体の重量基準で、エチレン単位を50重量%以上含有する、エチレンとエチレン以外のオレフィンとのエチレン/オレフィン共重合体を製造するのに好適に用いられる。好ましいのは、エチレン単独重合体、もしくは、エチレン単位を、共重合体の重量基準で、70重量%以上、更に好ましくは、90重量%以上含有するエチレン/オレフィン共重合体である。エチレン/オレフィン共重合体として好ましいのは、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとの、エチレン/オレフィン共重合体である。本発明の反応器を用いて製造する少なくとも1種のオレフィン重合体成分として特に好ましいのは、エチレン単独重合体である。本発明の反応器を用いて製造するこの少なくとも1種のオレフィン重合体成分としては、低温での反応に特に好適に使用できるという本発明の反応器の有利性を活かし、その固有粘度[η]が好ましくは15〜100dl/g、さらに好ましくは15〜50dl/g、さらに好ましくは17〜50dl/gの範囲のものが好適に製造可能である。本発明の反応器を用いて製造する少なくとも1種のオレフィン重合体成分は、他のオレフィン重合体成分の重合生成量100重量部に対し、好ましくは0.01〜5.0重量部、さらに好ましくは0.02〜2.0重量部、さらに好ましくは0.05〜1.0重量部の範囲の重合生成量となるように製造する。こうして得られた2種のオレフィン重合体成分を含むオレフィン重合体は、特に、高溶融張力および高結晶化温度を有し、中空成形、発泡成形、押し出し成形等に優れたオレフィン重合体となる。
【0054】
本発明のオレフィン重合体の製造方法において使用する触媒は特に限定されず、従来からオレフィン重合体の製造用に使用されている少なくともチタン化合物を含む遷移金属化合物触媒成分を主成分とする公知のオレフィン重合用触媒を使用することができる。本発明のオレフィン重合体の製造方法に使用できる触媒として、例えば、遷移金属化合物触媒成分、該触媒成分中の遷移金属原子1モルに対し0.01〜1,000モルの有機金属化合物(AL)および前記遷移金属原子1モルに対し0〜500モルの電子供与体(E)の組み合わせからなるオレフィン重合用触媒を例示することができる。
【0055】
遷移金属化合物触媒成分としては、オレフィン重合用として提案されている公知の触媒成分がいずれも使用することができるが、マグネシウム化合物に四塩化チタンを担持させた、チタン、マグネシウム、ハロゲン、および電子供与体を必須成分とするチタン含有担持型触媒成分(特開昭62−104810号公報、特開昭58−138712号公報等)が好ましく用いられる。
【0056】
また、通常メタロセンと称されるπ電子共役配位子を少なくとも1個有する遷移金属化合物も触媒成分として用いることができる。このときの遷移金属は、Zr,Ti,Hf,V,Nb,Ta及びCrから選択されることが好ましい。π電子共役配位子として、具体的には、η−シクロペンタジエニル構造、η−ベンゼン構造、η−シクロプタトリエニル構造、または、η−シクロオクタテトラエン構造を有する配位子が挙げられ、特に好ましいのは、η−シクロペンタジエニル構造を有する配位子である。η−シクロペンタジエニル構造を有する配位子としては、例えば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの基は、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のような炭化水素機、トリアルキルシリル基のようなケイ素置換炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリーロキシ基、鎖状および環状アルキレン基などで置換されていてもよい。また、遷移金属化合物がπ電子共役配位子を2個以上含む場合には、そのうち2個のπ電子共役配位子同士は、アルキレン基、置換アルキレン基、シクロアルキレン基、置換アルキリデン基、フェニレン基、シリレン基、置換ジメチルシリレン基、ゲルミル基などを介して架橋されていてもよい。
【0057】
遷移金属化合物は、複数のπ電子共役配位子のうち、少なくとも1つが、−O−、−S−、−NR−、および、−PR−、で置き換えられた構造を有する化合物であってもよい。Rとして、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、前記炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基で置換されたシリル基、前記炭化水素基で置換されたアミノ基、ヘテロ芳香族基などを例示できる。
【0058】
上記のような通常メタロセンと称されるπ電子共役配位子を少なくとも1個有する遷移金属化合物触媒成分は、さらに微粒子状担体に担持させて用いることも可能である。このような微粒子状担体としては、無機または有機化合物であって、粒子径が5〜300μm、好ましくは10〜200μmの顆粒状ないしは球状の微粒子固体が使用される。このうち、担体に使用する無機化合物としては、SiO,Al,MgO,TiO,ZnOまたはこれらの混合物が挙げられる。これらの中では、SiOまたはAlを主成分とするものが好ましい。また、担体に使用する有機化合物としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等、炭化数2〜12のα−オレフィンの重合体または共重合体、さらにはスチレンまたはスチレン誘導体の重合体または共重合体が挙げられる。
【0059】
有機金属化合物(AL)としては、WO97/14725号パンフレットに記載の有機金属化合物がいずれも使用することができる。また下記の一般式(3)もしくは(4)で表されるアルミノキサンも用いることができる。
【0060】
Figure 2005002194
【0061】
Figure 2005002194
【0062】
上記式(3)および(4)中のRはアルキル基であり、qは1以上の整数である。有機金属化合物(AL)としては、トリエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、等のジアルキルアルミニウムハライド、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドとの混合物、等を例示できる。好ましいのは、ジエチルアルミニウムクロライド、トリエチルアルミニウム、もしくは、トリイソブチルアルミニウムである。これらの有機金属化合物は2種類以上を混合して用いることができる。
【0063】
電子供与体(E1)としては、WO97/14725号パンフレットに記載の電子供与体を例示できる。好ましくは、ジエチルエーテル、ジ−i−アミルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、等のエーテル類、2−エチル−1−ヘキサノール、等のアルコール類、無水フタル酸、等のカルボン酸類、フタル酸イソブチル、オルトチタン酸ブチル、等のエステル類、トリメチルシラノール、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、等の有機ケイ素化合物を例示できる。これらの電子供与体は、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0064】
本発明のオレフィン重合体の製造方法において、本発明の反応器を用いて行う重合では、特にその温度、圧力等の重合条件は限定されない。しかし、特に、オレフィン重合体が2種のオレフィン重合体成分で構成されており、そのうち少なくとも1種のオレフィン重合体成分につき、その固有粘度が15〜100dl/gであるオレフィン重合体成分を製造する場合には、当該オレフィン重合体成分を本発明の反応器を用いて、重合容積1リットル当たり、触媒成分中の遷移金属原子に換算して0.01〜1,000ミリモルのオレフィン重合用触媒を使用して、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、もしくは、オクタン等の不活性炭化水素中、0.1〜5MPa、好ましくは、0.2〜5MPaの圧力下で、−40〜30℃の低温下で、オレフィン、好ましくは、エチレン、もしくは、エチレンを主体とするエチレンとオレフィンとを重合することが好ましく、−40〜20℃の温度で重合することがさらに好ましい。こうして、オレフィン重合体成分として、固有粘度[η]が15〜100dl/gの高分子量のエチレン単独重合体もしくはエチレン/オレフィン共重合体を、遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01〜5,000g生成させる。−40℃より低いと触媒活性が低下し、生産効率が低下するおそれがあり、30℃より高いと、固有粘度[η]が低くなり、得られるオレフィン重合体の性能が低下するおそれがある。ここで重合容積とは、反応器中の液層部分の容積を意味する。
【0065】
本発明のオレフィン重合体の製造方法において、本発明の反応器を用いる重合では、特に、前述のように低温で重合を行う場合には、バッフルの板状部もしくは円柱部に冷媒を通すことによって、除熱効率が向上する。バッフル内に通す冷媒としては、例えば、水、塩化カルシウムブライン、塩化マグネシウムブライン、有機ブライン、フロン、その他液化ガスなどが使用できる。その温度は、特に限定されないが、冷凍設備の保安及び低温による冷媒の高粘度化の点から、−70〜10℃ の範囲であることが好ましい。その流速は、バッフルを構成する1つの板状部もしくは円柱部あたり、好ましくは、0.5〜3.0m/sec、さらに好ましくは0.5〜3.0m/secの範囲とすることが好ましい。0.5m/secより低いと除熱能力が低く、温度制御が困難になり目的のオレフィン重合体もしくはオレフィン重合体成分を得ることが不可能になるおそれがある。3.0m/secより高いと冷凍設備の負荷が高くなり、経済上好ましくない。
【0066】
このような工程により好適に得られる「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」は、固有粘度[η]が15〜100dl/gの範囲の高分子量のエチレン単独重合体もしくはエチレン/オレフィン共重合体であり、斯かるオレフィン重合体成分を担持した予備重合触媒は、均一な粒径を有する微粒子であって、気相法、液相法あるいはバルク法による「他のオレフィン重合体成分」の製造に供され、「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」の重合生成量が、この「他のオレフィン重合体成分」の重合生成量100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは、0.02〜2重量部の範囲となるように重合して、「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」と「他のオレフィン重合体成分」を含むオレフィン重合体を製造する。
【0067】
本発明において、「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」の製造に引き続き、「他のオレフィン重合体成分」を製造する際に、例えば次のような態様を採用することもできる。すなわち、「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」を前記の方法で製造してオレフィン重合用触媒に担持させて得られた触媒成分(予備重合触媒成分)に、さらに追加して有機金属化合物(AL)を、「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」を担持した触媒成分(予備重合触媒成分)中の有機金属化合物(AL)との合計量(AL+Al)で,「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」を担持した触媒成分(予備重合触媒成分)中の遷移金属原子1モル当たり0.1〜1,000モル、および、電子供与体(E)をさらに追加して、「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」を担持した触媒成分(予備重合触媒成分)中の電子供与体(E)との合計量(E+E)で、「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」を担持した触媒成分(予備重合触媒成分)の遷移金属1モル当たり0〜3,000モルの範囲となるように用いて、オレフィン重合用触媒を構成し、これを「他のオレフィン重合体成分」の製造に使用する。有機金属化合物(AL)および電子供与体(E)としては、先に例示した有機金属化合物(AL)および電子供与体(E)と同様の化合物を使用することができる。有機金属化合物(AL)と有機金属化合物(AL)、および電子供与体(E)と電子供与体(E)は同一種であってもよく、異なっていてもよい。
【0068】
「他のオレフィン重合体成分」の重合では、上記のように調整した予備重合触媒成分を含む触媒の存在下に、本発明の反応器もしくは既存の反応器を用いて、プロピレンの単独重合またはプロピレンとプロピレン以外の炭素数2〜12のオレフィンの共重合を実施して、オレフィン重合体を製造する。本発明で、「他のオレフィン重合体成分」の重合においては、気相法、スラリー法、バルク法の従来の製造技術をそのまま適用することができる。スラリー法で実施する場合においては、当該工程においても、本発明の反応器を用いて重合を行うことが好ましい。
【0069】
また、本発明の反応器を、液相を伴う反応に使用する場合、バッフルは反応時、液相に没するように配置することが好ましい。これは、気相部に露出していると界面においてスケールが発生するおそれがあるためである。
【0070】
【実施例】
本発明の実施の形態を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例及び比較例で用いた用語の定義、物性等の測定条件は下記の通りである。
(1)固有粘度[η]:オストヴァルト粘度計(三井東圧化学(株)製)を用い、135℃のテトラリン溶液で測定した(単位:dl/g)。
(2)溶融張力(MS):メルトテンションテスター2型((株)東洋精機製作所製)を用い、230℃に加熱したオレフィン重合体組成物を、直径2.095mmのノズルから20mm/分の速度で23℃の大気中に押し出し、得られたストランドを3.14m/分の速度で引き取る際の糸状オレフィン重合体組成物の張力を測定した(単位:cN)。
(3)フィッシュアイ数:組成物を口径65mmφ押出機及びTダイを用いて溶融温度250℃で押出し、エアーチャンバー及び表面温度30℃の冷却ロールで急冷して厚さ30μmのフィルムとし、そのフィルム500cm中の50μm以上のフィッシュアイ数を目視にて定量した(単位:個/500cm)。
(4)メルトフローレート:JIS K7210 表1の条件14に準じて測定した(単位:g/10分)。
【0071】
(実施例1)
(1)遷移金属化合物触媒成分の調製
撹拌機付きステンレス製反応器中において、デカン37.5リットル、無水塩化マグネシウム7.14kg、および2−エチル−1−ヘキサノール35.1リットルを混合し、撹拌しながら140℃に4時間加熱反応を行って均一な溶液とした。この均一溶液中に無水フタル酸1.67kgを添加し、さらに130℃にて1時間撹拌混合を行い、無水フタル酸をこの均一溶液に溶解した。
得られた均一溶液を室温(23℃)に冷却した後、この均一溶液を−20℃に保持した四塩化チタン200リットル中に3時間かけて全量滴下した。滴下後、4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでフタル酸ジ−i−ブチル5.03リットルを添加し、2時間110℃にて撹拌保持して反応を行った。2時間の反応終了後、熱濾過して固体部を採取し、固体部を275リットルの四塩化チタンにより再懸濁させた後、再び110℃で2時間、反応を持続した。
反応終了後、再び熱濾過により固体部を採取し、n−ヘキサンにて、洗浄液中に遊離のチタンが検出されなくなるまで充分洗浄した。続いて、濾過により溶媒を分離し、固体部を減圧乾燥してチタン2.4重量%を含有するチタン含有担持型触媒成分(遷移金属化合物触媒成分)を得た。
【0072】
(2)「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」の製造
(2−1)プロピレン重合体成分の製造
図2および図3記載の反応器のように、2枚の攪拌翼(フルゾーン翼)が攪拌軸に装備され、円柱部を2個有するバッフル16個が、一方の円柱部が反応器内壁に連結され、他方の円柱部が別のバッフルの円柱部と連結されて、円柱部が反応槽の中心軸を中心とする半径の異なる同心円上に装備されており、2つの同心円上の円柱部が、反応槽の中心軸からみて、互いが完全に重複することのないように、互いに等間隔で配置された反応器であって、円柱部は、外径30mm、内径(冷媒の流路)28mmであり、1つのバッフルにおいて、2つの円柱部は、その冷媒の流路を内部に有する配管で連結されて、2つの円柱部の中心間距離が59.5mmの距離をおいて、互いに平行に、長手方向に垂直に伸びており、外側の同心円上の円柱部の中心から反応槽の内壁面までの距離は59mm(円柱部の外径の1.9倍)で、内側の同心円上の円柱部の中心から反応槽の内壁面までの距離は105mmであり、反応槽の内容積は、550リットル(内径750mm)であり、反応槽の容量の74%が、反応器の水平断面における、反応槽の内周を基準とする断面積に対する円柱部の外周を基準とする断面積の総和の占める割合が、5.1%である。そして、式(2)で算出される値が、0.34である。また、冷却手段として、外部ジャケットを装備しているが、本実施例においては、該外部ジャケットには冷媒を流さなかった。
【0073】
当該ステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、n−ヘキサン250リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL1))700ミリモルおよび前項で調製したチタン含有担持型触媒成分2500g(チタン原子換算で1.25モル)からなるオレフィン重合用触媒を添加した後、プロピレン7750gを20分間かけて投入して1段目の予備重合を行った。1段目の予備重合温度を−5℃に保持するために、反応器のバッフルに−20℃の冷媒(水50wt%+メタノール50wt%)を、反応器内の全板状部もしくは全円柱部を流通する冷媒の単位時間あたりの総流量(m/sec)を、1個の板状部もしくは円柱部の内周を基準とする断面積(cm)で除した値が、0.81 m/cm・hとなるように流した。このとき、1つの円柱部での流速は2.0m/secであった。別途、同一の条件で行った予備重合後に生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、3.1gのプロピレン重合体成分(P1:プロピレン単独重合体)が生成し、このP1の固有粘度[ηP1]は2.8dl/gであることが判った。
【0074】
(2−1)エチレン重合体成分の製造
上記反応時間終了後、未反応のプロピレンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した後、反応器内の温度を−1℃に保持するために、反応器のバッフルに−30℃の冷媒(水50wt%+メタノール50wt%)を、反応器内の全板状部もしくは全円柱部を流通する冷媒の単位時間あたりの総流量(m/sec)を、1個の板状部もしくは円柱部の内周を基準とする断面積(cm)で除した値が、0.81 m/cm・hとなるように流した。このとき、1つの円柱部を流れる冷媒の流速は、2.0m/secであった。反応器内の圧力を0.59MPaに維持するようにエチレンを反応器に連続的に3時間供給し、2段目の予備重合を行い、エチレン重合体成分(E1:エチレン単独重合体)を得た。反応器内壁及び円柱バッフルに150gのスケールが付着していた。別途、同一の条件で前記プロピレン重合体成分(P1)およびエチレン重合体成分(E1)を製造し生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、P1とE1が合計量として75.2g存在し、かつその混合物の固有粘度[ηP1+E1]は31.4dl/gであることが確認された。
【0075】
エチレンによる2段目の予備重合で生成したE1の量(WE1)は、2段目の予備重合後のポリマー生成量(WP1+E1)と1段目の予備重合後のP1の量(WP1)との差として次式で求められる。
E1=WP1+E1−WP1
また、2段目の予備重合で生成したE1の固有粘度[ηE1]は、1段目の予備重合で生成したP1の固有粘度[ηP1]、および、1段目と2段目の予備重合を通じて得られた生成ポリマーの固有粘度[ηP1+E1]から、次式により求められる。
[η]=([ηP1+E1]×WP1+E1−[ηP1]×WP1 )/(WP1+E1−WP1
その結果、2段目の予備重合で生成したE1の量は、チタン含有担持型触媒成分1g当たり72.1g、固有粘度[η]は32.6dl/gであることが確認された。
反応時間終了後、未反応のエチレンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換して、「他のオレフィン重合体成分」製造用の予備重合触媒を含むスラリーを得た。
【0076】
(3)「他のオレフィン重合体成分」の製造
図2及び図3記載の反応器のように,2枚の攪拌翼(フルゾーン翼)が攪拌軸に装備され、円柱部を2個有するバッフル16個が、一方の円柱部が反応器内壁に連結され、他方の円柱部が別のバッフルの円柱部と連結されて、円柱部が反応槽の中心軸を中心とする半径の異なる同心円上に装備されており、2つの同心円上の円柱部が、反応槽の中心軸からみて、互いが完全に重複することのないように、等間隔に配置された反応器であって、円柱部は、外径65mm、内径(冷媒の流路)61mmであり、1つのバッフルにおいて、2つの円柱部は、その内部に冷媒の流路を有する配管で連結されており、2つの円柱部の中心間距離が125mmの距離をおいて、互いに平行に、長手方向に垂直に伸びており、外側の同心円上の円柱部の中心から反応槽の内壁面までの距離は128mm(円柱部の外径の2.0倍)で、内側の同心円上の円柱部の中心から反応槽の内壁面までの距離は230mmであり、反応槽の内容積は、内容積4000リットル(内径2800mm)であり、反応槽の容量の76%が、反応器の水平断面における、反応槽の内周を基準とする断面積に対する円柱部の外周を基準とする断面積の総和の占める割合が5.5%である。そして、式(2)で算出される値が、0.35である。また、外部ジャケットを装備しているが、本実施例においては、当該外部ジャケットには冷媒を流さなかった。
【0077】
当該ステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、20℃においてn−ヘキサン2400リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL))7.8モル、ジイソプロピルジメトキシシラン(電子供与体(E))780ミリモル、および前項で得た予備重合触媒スラリーをチタン含有担持型触媒成分で45g投入した。引き続いて、水素550リットルを反応器内に導入し、70℃に昇温した後、重合温度70℃の条件下、反応器のバッフルに20℃の冷媒(水100wt%)を、反応器内の全板状部もしくは全円柱部を流通する冷媒の単位時間あたりの総流量(m/h)を、1個の板状部もしくは円柱部の内周を基準とする断面積(cm)で除した値が、0.86 m/cm・hとなるように流した。このとき、1つの円柱部での流速は2.1m/secであった。反応器内の気相部圧力を0.79MPaに保持しながらプロピレンを連続的に2時間、重合器内に供給して、「他のオレフィン重合体成分」としてのプロピレン重合体成分(P2:プロピレン単独重合体)を製造した。
重合時間経過後、メタノール5リットルを重合器内に導入して、触媒失活反応を70℃にて15分間実施し、引き続き未反応ガスを排出後、溶媒分離、重合体の乾燥を行い、「少なくとも1つのオレフィン重合体成分」としてのP1とE1、および、「他のオレフィン重合体成分」としてのP2を含む、オレフィン重合体を得た。該オレフィン重合体の生成量が507kgで、固有粘度〔ηP1+E +P2〕(=〔η〕)は1.96dl/gであった。
【0078】
得られたオレフィン重合体100重量部に対して、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1重量部、およびステアリン酸カルシウム0.1重量部を添加・混合し、混合物をスクリュー径40mmの押出し造粒機を用いて230℃にて造粒しペレットを得た。該ペレットについて、所望に成形し、各種物性を評価測定したところ、メルトフローレート(MFR)は3.0g/10分、溶融張力(MS)は6.5cNであった。フィッシュアイ数は12ヶ/500cmであった。詳細な物性は表1に示す。
【0079】
(実施例2)
(1)遷移金属化合物触媒成分の調製
実施例1と同じ条件で実施した。
(2)「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」の製造
(2−1)プロピレン重合体成分の製造
実施例1において、2枚の攪拌翼をフルゾーン翼から傾斜羽根型攪拌翼に変えた以外は同様の反応器を利用して「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」の製造を実施した。
当該ステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、n−ヘキサン250リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL1))700ミリモルおよび前項で調製したチタン含有担持型触媒成分2500g(チタン原子換算で1.25モル)からなるオレフィン重合用触媒を添加した後、プロピレン7750gを20分間かけて投入して1段目の予備重合を行った。1段目の予備重合温度を−5℃に保持するために、反応器のバッフルに−20℃の冷媒(水50wt%+メタノール50wt%)を、反応器内の全板状部もしくは全円柱部を流通する冷媒の単位時間あたりの総流量(m/h)を、1個の板状部もしくは円柱部の内周を基準とする断面積(cm)で除した値が、0.81 m/cm・hとなるように流した。このとき、1つの円柱部での流速は2.0m/secであった。別途、同一の条件で行った予備重合後に生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、3.1gのプロピレン重合体成分(P1:プロピレン単独重合体)が生成し、このP1の固有粘度[ηP1]は2.7dl/gであることが判った。
【0080】
(2−2)エチレン重合体成分の製造
上記反応時間終了後、未反応のプロピレンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した後、反応器内の温度を−1℃に保持するために、反応器のバッフルに−30℃の冷媒(水50wt%+メタノール50wt%)を、反応器内の全板状部もしくは全円柱部を流通する冷媒の単位時間あたりの総流量(m/h)を、1個の板状部もしくは円柱部の内周を基準とする断面積(cm)で除した値が、0.81 m/cm・hとなるように流した。このとき、1つの円柱部を流れる冷媒の流速は、2.0m/secであった。反応器内の圧力を0.59MPaに維持するようにエチレンを反応器に連続的に3時間供給し、2段目の予備重合を行い、エチレン重合体成分(E1:エチレン単独重合体)を得た。反応器内壁及び円柱バッフルに550gのスケールが付着していた。別途、同一の条件でプロピレン重合体成分(P1)およびエチレン重合体成分(E1)を製造し生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、P1とE1が合計量として48.5g存在し、かつその混合物の固有粘度[ηP1+E1]は30.6dl/gであることが確認された。
そして、実施例1と同様にして、2段目の予備重合で生成したE1の量は、チタン含有担持型触媒成分1g当たり1.8g、固有粘度[η]は31.7dl/gであることが確認された。
反応時間終了後、未反応のエチレンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換して、「他のオレフィン重合体成分」製造用の予備重合触媒を含むスラリーを得た。
【0081】
(3)「他のオレフィン重合体成分」の製造
2枚の攪拌翼をフルゾーン翼から傾斜羽根型攪拌翼に変えた以外は、実施例1と同じ反応器を用い同様にして「他のオレフィン重合体成分」の製造を実施した。当該ステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、20℃においてn−ヘキサン2400リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL))7.8モル、ジイソプロピルジメトキシシラン(電子供与体(E))780ミリモル、および前項で得た予備重合触媒スラリーをチタン含有担持型触媒成分で45g投入した。引き続いて、水素550リットルを重合器内に導入し、70℃に昇温した後、重合温度70℃の条件下、反応器のバッフルに20℃の冷媒(水100wt%)を、反応器内の全板状部もしくは全円柱部を流通する冷媒の単位時間あたりの総流量(m/h)を、1個の板状部もしくは円柱部の内周を基準とする断面積(cm)で除した値が、0.86 m/cm・hとなるように流した。このとき、1つの円柱部での流速は2.1m/secであった。重合器内の気相部圧力を0.79MPaに保持しながらプロピレンを連続的に2時間、重合器内に供給して、「他のオレフィン重合体成分」としてのプロピレン重合体成分(P2:プロピレン単独重合体)を製造した。
重合時間経過後、メタノール5リットルを重合器内に導入して、触媒失活反応を70℃にて15分間実施し、引き続き未反応ガスを排出後、溶媒分離、重合体の乾燥を行い、「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」としてP1とE1を含み、「他のオレフィン重合体成分」としてP2を含む、固有粘度〔ηP1+E1+P2〕=〔η〕が1.98dl/gのオレフィン重合体456kgを得た。
得られたオレフィン重合体100重量部に対して、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1重量部、およびステアリン酸カルシウム0.1重量部を添加・混合し、混合物をスクリュー径40mmの押出し造粒機を用いて230℃にて造粒した。詳細な物性は表1中にまとめて示す。
【0082】
(比較例1)
(1)遷移金属化合物触媒成分の調製
実施例1と同じ条件で実施した。
(2)「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」相当品の製造
(2−1)プロピレン重合体成分の製造
実施例2において、円柱部を2個有するバッフル16個を取り除き、冷却手段として、外部ジャケットに冷媒を流した以外は同様にして「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」の製造を実施した。
当該ステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、n−ヘキサン250リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL1))700ミリモルおよび前項で調製したチタン含有担持型触媒成分2500g(チタン原子換算で1.25モル)からなるオレフィン重合用触媒を添加した後、プロピレン7750gを20分間かけて投入して1段目の予備重合を行った。1段目の予備重合温度を−5℃に保持するために、反応器の外部ジャケットに−20℃の冷媒(水50wt%+メタノール50wt%)を、単位時間あたりの総流量(m/h)が、0.51 m/hとなるように流した。別途、同一の条件で行った予備重合後に生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、1.2gのプロピレン重合体成分(P1:プロピレン単独重合体)が生成し、このP1の固有粘度[ηP1]は2.7dl/gであることが判った。
(2−2)エチレン重合体成分の製造
上記反応時間終了後、未反応のプロピレンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換した後、反応器内の温度を−1℃に保持するために、反応器の外部ジャケットに−30℃の冷媒(水50wt%+メタノール50wt%)を、単位時間あたりの総流量(m/h)が、0.51 m/hとなるように流した。反応器内の圧力を0.59MPaに維持するようにエチレンを反応器に連続的に3時間供給し、2段目の予備重合を行い、エチレン重合体成分(E1:エチレン単独重合体)を得た。反応器内壁及び円柱バッフルに1250gのスケールが付着していた。別途、同一の条件で、上記プロピレン重合体成分(P1)とエチレン重合体成分(E1)を製造し生成したポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成分1g当たり、P1とE1が合計量として33.2g存在し、かつその混合物の固有粘度[ηP1+E1]は29.2dl/gであることが確認された。
そして、実施例1と同様にして、2段目の予備重合で生成したE1の量は、チタン含有担持型触媒成分1g当たり1.2g、固有粘度[η]は30.2dl/gであることが確認された。
反応時間終了後、未反応のエチレンを反応器外に放出し、反応器の気相部を1回、窒素置換して、「他のオレフィン重合体成分」相当品製造用の予備重合触媒を含むスラリーを得た。
【0083】
(3)「他のオレフィン重合体成分」相当品の製造
円柱部を2個有するバッフル16個を取り除き、冷却手段として、外部ジャケットに冷媒を流した以外は、実施例2と同じ反応器を用い同様にして「他のオレフィン重合体成分」相当品の製造を実施した。
当該ステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、20℃においてn−ヘキサン2400リットル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL))7.8モル、ジイソプロピルジメトキシシラン(電子供与体(E))780ミリモル、および前項で得た予備重合触媒スラリーをチタン含有担持型触媒成分で45g投入した。引き続いて、水素550リットルを重合器内に導入し、70℃に昇温した後、重合温度70℃の条件下、反応器の外部ジャケットに20の冷媒(水100wt%)を、単位時間あたりの総流量(m/h)が、0.61 m/hとなるように流した。重合器内の気相部圧力を0.79MPaに保持しながらプロピレンを連続的に2時間、重合器内に供給して、「他のオレフィン重合体成分」相当品(P2:プロピレン単独重合体)を製造した。
重合時間経過後、メタノール5リットルを重合器内に導入して、触媒失活反応を70℃にて15分間実施し、引き続き未反応ガスを排出後、溶媒分離、重合体の乾燥を行い、「少なくとも1種のオレフィン重合体成分」相当品としてP1とE1を含み、「他のオレフィン重合体成分」相当品としてのP2を含み、その固有粘度〔ηP1+E1+P2〕=〔η〕が1.97dl/gの、オレフィン重合体401kgを得た。
得られたオレフィン重合体100重量部に対して、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1重量部、およびステアリン酸カルシウム0.1重量部を添加・混合し、混合物をスクリュー径40mmの押出し造粒機を用いて230℃にて造粒した。詳細な物性は表1中にまとめて示す。
【0084】
【表1】
Figure 2005002194
備考 *1:遷移金属化合物触媒成分1g当たりの生成量(g)
*2:オレフィン重合体中に占める組成比(wt%)
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、攪拌能力と除熱能力に優れた反応器、それを含むオレフィン重合用装置、および、該装置を用いるオレフィン重合体の製造方法が提供できる。
また、本発明によれば、特に低温で行う反応において、品質のバラツキが少ない生成物を生産性良く製造可能な反応器、それを含むオレフィン重合用装置、および、該装置を用いるオレフィン重合体の製造方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応器例の水平断面図
【図2】本発明の別の反応器例の水平断面図
【図3】本発明の反応器例の垂直断面図
【符号の説明】
1…反応槽
2…円柱部
3…2個の円柱部を有する1個のバッフル
4…円柱部と円柱部を連結する配管
5…バッフルと反応槽を連結する連結部
6…攪拌軸
7…攪拌翼(フルゾーン翼)
8…バッフルの円柱部の冷媒供給口と連結された、冷媒をバッフルへ供給するための連結管
9…バッフルの円柱部の冷媒排出口と連結された、冷媒をバッフルから排出するための連結管

Claims (9)

  1. (A)反応槽、(B)垂直方向に伸びており、その内部に冷媒の流路を有し、当該反応槽の内周に沿って装備された板状部もしくは円柱部からなるバッフル、及び、(C)反応槽内部に装備された攪拌装置、を有する反応器であって、
    板状部からなるバッフルを装備しているときには下記式(1)、円柱部からなるバッフルを装備しているときには下記式(2)、によって算出される値が、0.1〜0.5の範囲である、反応器。
    N× (W/D)1.2 (1)
    N×(0.57×W/D)1.2 (2)
    (式中、Nは前記板状部もしくは円柱部の数であり、Wはその板状部の外周を基準とする幅(単位:mm)であり、Wはその円柱部の外径(単位:mm)であり、Dは反応槽の内径(単位:mm)である。)
  2. 反応槽の内周に沿って装備された板状部もしくは円柱部の総数が20〜70である、請求項1記載の反応器。
  3. 反応器の水平断面における、反応槽の内周を基準とする断面積に対する前記板状部もしくは前記円柱部の外周を基準とする断面積の総和の占める割合が3%より大きく6%以下である部分が、反応槽の容量の70%以上を占める、請求項1もしくは2に記載の反応器。
  4. 反応槽の内周に沿って装備された板状部もしくは円柱部が、反応槽の中心軸を中心とし、異なる半径をもつ少なくとも2つの同心円を形成するように装備されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反応器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応器を少なくとも1つ含む、オレフィン重合体製造用装置。
  6. 請求項5に記載のオレフィン重合体製造用装置を用い、請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応器に装備された板状部もしくは円柱部の内部に設けられた冷媒の流路に、冷媒を流通しながら行う、オレフィン重合体の製造方法であって、反応器内の全板状部もしくは全円柱部を流通する冷媒の単位時間あたりの総流量(m/h)を、1つの板状部もしくは円柱部の内周を基準とする断面積(cm)で除した値が、0.1〜2.0 m/cm・hの範囲である、オレフィン重合体の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応器を用いて、−40〜30℃の温度で重合反応を行う、請求項6に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  8. オレフィン重合体が、少なくとも2種のオレフィン重合体成分を含んでおり、そのうち少なくとも1種を、請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応器を用いて製造する、請求項6もしくは7に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  9. オレフィン重合体が少なくとも2種のオレフィン重合体成分で構成されており、請求項1〜4のいずれか1項に記載の反応器を用いて重合する少なくとも1種のオレフィン重合体成分が、エチレン単独重合体、もしくは、共重合体の重量基準で、エチレン単位を50重量%以上含有する、エチレンとエチレン以外のオレフィンとのエチレン/オレフィン共重合体であり、その固有粘度[η]が15〜100dl/gの範囲であって、他のオレフィン重合体成分の重合生成量100重量部に対し、0.01〜5.0重量部の範囲の重合生成量となるように重合する、請求項8に記載のオレフィン重合体の製造方法。
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