JP2005002018A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類
【化1】
(R1は置換基を有していてもよい炭化水素基;Yはメチレン、メチン又はO;X1、X2、X3はH、OH、アセトキシ基;X4はH、アセチル基等;R2、R3はH、OH等;RはH、アミジノ基等;aは2又は3)、
(B)無機酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる酸性化合物、
(C)一般式(2)で表わされるセラミド類
【化2】
(R7は置換基を有していてもよい炭化水素基;Zはメチレン、メチン又はO;X5、X6、X7はH、OH、アセトキシ基;X4はH、アセチル基等;R8及びR9はH、OH等;R10は置換基を有していてもよい炭化水素基;R11はH、置換基を有していてもよい炭化水素基)、並びに
(D)炭素数8以上の脂肪酸
を含有する皮膚外用剤。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミド類を含有し、保存安定性及び使用感に優れた皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚の最外層に存在する角質層は、外部からの物質の侵入・皮膚内部からの水分の蒸散を抑制すると同時に、自身が水分を保持することにより皮膚の柔軟性やなめらかな外観を保つ機能を持っている。角質層を構成する角質細胞の間隙には、角質細胞間脂質(以下、角層ICLと記載する。)と呼ばれる脂質が角質細胞のすきまを埋めるように存在している。
【0003】
この角層ICLの脂質組成の約50%はセラミドで、その他コレステロール、コレステロールエステル、脂肪酸等からなる。一般に角層ICL、特にセラミドが減少すると、荒れ肌、乾燥肌、老化肌等の好ましくない肌状態を引き起こすことが知られており、角質層機能の改善成分としてセラミドを外用で補うことにより、機能が低下した角質層状態を改善することができる。
【0004】
しかしながら、セラミドは、結晶性が強く、また融点が高いため、製剤中での安定化が難しいという問題がある。セラミドを皮膚外用剤に安定に配合するために、界面活性剤や多種、多量の油剤等との併用(特許文献1、特許文献2、特許文献3等)が検討されているが、セラミド類の配合量が増えるに従い、必要な界面活性剤や油剤の配合量も増えるため、使用感が低下したり、製剤の性状が限定されることは避けられなかった。
【0005】
また、特許文献4には、リン脂質と、セラミド、コレステロール、脂肪酸、及び生理活性物質であるフィトスフィンゴシン又はその誘導体から構成される、非界面活性剤系皮膚保護用クリーム組成物が開示されている。しかしながら、リン脂質は本来界面活性性能を有するものであり、また、経時で劣化しやすいものである。さらに、真皮や表皮深部側(Malpighian cells)の細胞膜の主成分であるが、角質層側に向かうにつれ徐々に減少して角層ICLではほとんど存在しておらず、セラミドが主成分となっていることから、角層ICLにおいては本来不要な成分であると考えられる。従って、セラミドを配合する場合、リン脂質を含む組成物では、十分な安定性と良好な使用感を得ることはできない。
【0006】
特許文献5には、セラミド類、コレステロール類、第1の脂肪酸と、皮膚内皮細胞膜の主成分であるレシチン、トリグリセリド、フィトスフィンゴシンを含むスキンケア組成物が記載され、皮膚細胞膜と同一の組成及び構造的性質を有することから皮膚親和力が高く、天然物質のみを使用しエタノール等の溶剤や合成界面活性剤を使用していないために副作用が少ないことが記載されている。しかしながら、溶解性に乏しくまた結晶性の高いセラミド類の安定な乳化と、良好な使用感の組成物を得るには十分でなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−348319号公報
【特許文献2】
特開2002−338459号公報
【特許文献3】
特開平11−130651号公報
【特許文献4】
特開2001−48721号公報
【特許文献5】
特開2001−39859号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、セラミド類を安定に乳化し、保存安定性及び使用感に優れた皮膚外用剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、セラミド類をスフィンゴシン類と酸性化合物とで乳化する際に、脂肪酸を添加することにより、セラミド類を安定に保持できること、特に、界面活性剤やリン脂質等を加えることなく、単純な組成によりセラミドを安定に保持させることが可能であり、さらにセラミド類とスフィンゴシン類及び酸性化合物の割合を変えることにより、用途の異なる皮膚外用剤が得られることを見出した。
【0010】
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類
【0011】
【化3】
【0012】
(式中、R1はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Yはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X1、X2、及びX3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Yがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。);R2及びR3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;a個のRは各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;aは2又は3の数を示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)、
(B)無機酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる酸性化合物、
(C)一般式(2)で表わされるセラミド類
【0013】
【化4】
【0014】
(式中、R7はヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X5、X6及びX7は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X5とX6のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成するとき、X7は存在しない。);R8及びR9は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R10はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;R11は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し(但し、R7が水素原子、Zが酸素原子のときR11は総炭素数10〜30の炭化水素基であり、R7が炭化水素基のときR11は総炭素数1〜8の炭化水素基である);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)、
(D)炭素数8以上の脂肪酸を含有する皮膚外用剤を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の皮膚外用剤によると、一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類と無機酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる酸性化合物とにより、スフィンゴシン類がカチオン化されて活性剤的な働きをするようになり、一般式(2)で表わされるセラミド類を安定に乳化できると考えられる。この乳化物中に、炭素数8以上の脂肪酸が加わることにより、セラミドの結晶化が抑制され、乳化安定性が著しく良好になり、しかも優れた使用感を得ることができると思われる。
【0016】
本発明で用いる成分(A)のスフィンゴシン類は、前記一般式(1)で表わされるものである。
式中、R1は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である。特に、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、Y側末端にヒドロキシル基を持つ炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基で、分岐鎖アルキル基の場合は分岐鎖がメチル分岐のもの等が好ましい。具体的には、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、1−ヒドロキシトリデシル基、1−ヒドロキシペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソステアリル基が好ましい。
【0017】
Yはメチレン基(CH2)、メチン基(CH)又は酸素原子のいずれかを示す。
X1、X2、及びX3は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基、グリセリル基、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成する置換基を示す。特に、X1、X2、及びX3のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子、及びX4が水素原子であるものが好ましい。なお、Yがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。
【0018】
R2及びR3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、特にR3は水素原子であることが好ましい。
【0019】
また、aは2又は3の数を示し、aが2のときRはR4及びR5を示し、aが3のときRはR4、R5及びR6を示す。
【0020】
R4、R5及びR6は、各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。ここで炭化水素基に置換し得るヒドロキシアルコキシ基としては炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のヒドロキシアルコキシ基が好ましい。またアルコキシ基としては炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましい。R4、R5及びR6としては、例えば水素原子;メチル、エチル、プロピル、2−エチルへキシル、イソプロピル等の直鎖又は分岐鎖アルキル基;ビニル、アリル等のアルケニル基;アミジノ基;ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシへキシル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−メトキシエチル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−メトキシプロピル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基から選ばれる1〜6個が置換した総炭素数1〜8の炭化水素基が挙げられる。
【0021】
特に水素原子、又はメチル基、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル等のヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいアルキル基が好ましい。
【0022】
一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類としては、次の一般式(3)で表わされる天然又は天然型スフィンゴシン類、及びその誘導体(以下、天然型スフィンゴシンと記載する。)、又は一般式(4)で表わされるスフィンゴシン構造を有する擬似型スフィンゴシン類(以下、擬似型スフィンゴシンと記載する。)が好ましい。
(I)一般式(3)で表わされる天然型スフィンゴシン。
【0023】
【化5】
【0024】
(式中、R12はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Y1はメチレン基又はメチン基を示し;X8、X9及びX10は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X11は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Y1がメチン基のとき、X8とX9のいずれか一方が水素原子を示し、他方は存在しない。X11がオキソ基を形成するとき、X10は存在しない。);R13はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;a個のR1は各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示し;aは2又は3の数を示し;破線部は不飽和結合があってもよいことを示す)
【0025】
ここでR12としては、炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましく、特に炭素数13〜15の直鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましい。aは2が好ましく、R1は各々独立して水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましい。
【0026】
一般式(3)で表わされる天然型スフィンゴシンとしては、具体的には、天然のスフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンガジエニン、デヒドロスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン、及びこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)等が挙げられる。
これらのスフィンゴシンは天然型(D(+)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(−)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。
特に、PHYTOSPHINGOSINE(INCI名;8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
【0027】
【化6】
【0028】
これらは、天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
天然型スフィンゴシンの市販のものとしては、例えば、D−Sphingosine(4−Sphingenine) (SIGMA−ALDRICH社)、DS−phytosphingosine (DOOSAN社)、phytosphingosine(コスモファーム社)が挙げられる。
【0029】
(II)一般式(4)で表わされる擬似型スフィンゴシン。
【0030】
【化7】
【0031】
(式中、R17はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;a個のR2は各々独立して水素原子又はアミジノ基を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、aは2又は3の数を示す)
【0032】
ここでR17としては、炭素数14〜20のイソ分岐アルキル基が好ましく、特にイソステアリル基が好ましい。イソステアリル基は、動植物油由来の脂肪酸を用いたダイマー酸製造時の副生成物由来のイソステアルアルコールを原料油として得られるイソステアリル基がもっとも好ましい。
また、aが2のときR2はR18及びR19を示し、aが3のときR2はR18、R19及びR20である。
【0033】
R18、R19及びR20は、例えば水素原子;メチル、エチル、プロピル、2−エチルへキシル、イソプロピル等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;ビニル、アリル等のアルケニル基;アミジノ基;ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシへキシル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−メトキシエチル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−メトキシプロピル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル等のヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ及びアルコキシから選ばれる置換基を有する総炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
特に、R18及びR19のいずれか1つが水素原子で、他方が2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルである2級アミンが好ましい。
【0034】
擬似型スフィンゴシンとしては、R17がイソステアリル基、X4は水素原子で、R18が水素原子、R19が2−ヒドロキシエチル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、又は2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基等のヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換したアルキル基であるものが好ましい。
擬似型スフィンゴシンの具体例としては、次の擬似型スフィンゴシン(i)〜(iv)が挙げられる。
【0035】
【化8】
【0036】
成分(A)は2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中の成分(A)の含有量は、0.001〜10質量%、特に0.005〜3質量%、更に0.01〜1.5質量%であるのが好ましい。
【0037】
本発明で用いる成分(B)の無機酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる酸性化合物は、成分(A)のスフィンゴシン類のアミン基と、酸−塩基の中和反応により塩を形成することにより、スフィンゴシン類がカチオン化されて活性剤的な働きをするようになると考えられる。そして、後述のセラミド類の結晶化を抑制すると考えられる。スフィンゴシン類の塩は、通常化合物の構造を特定するために用いられる、赤外吸収分光法やプロトン核磁気共鳴分光法等を用いて確認することができる。
成分(B)は、25℃における0.1mol/L水溶液のpHが1以上7未満、特にpH1〜6.5であるものが好ましい。
【0038】
成分(B)のうち、無機酸としては、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、炭酸等が挙げられ、特にリン酸、塩酸が好ましい。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸等のモノカルボン酸;コハク酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、クエン酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、酒石酸等のオキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸等が挙げられる。
【0039】
これらのうち、リン酸、塩酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が好ましく、特に乳酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が好ましい。
【0040】
成分(B)は、2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中の成分(B)の含有量は、0.001〜10質量%、特に0.005〜3質量%、更に0.01〜1.5質量%であるのが好ましい。
【0041】
また、成分(B)は、スフィンゴシン類ををカチオン化するために、成分(A)1モルに対して0.3モル以上、好ましくは0.3〜5モル、更に好ましくは0.5〜3モル含有するのが好ましい。例えば、成分(A)と等モル混合した水溶液のpHが、25℃で2〜6になるのが好ましい(フタル酸塩標準液で補正後、HORIBA pH METER F−22で測定)。
【0042】
本発明で用いる成分(C)のセラミド類は、前記一般式(2)で表わされるものである。
式中、R7は、ヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子である。
Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示す。
【0043】
X5、X6及びX7は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示す。特にX5、X6、及びX7のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子であるのが好ましい。Zがメチン基のとき、X5とX6のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X4は水素原子かグリセリル基であるのが好ましい。
R8及びR9は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR8は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、好ましいR9は水素原子である。
【0044】
R10は、ヒドロキシル基、カルボキシ基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合又はアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はリノール酸が好ましい。
【0045】
R11は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基である。特に、R7が水素原子、Zが酸素原子のときR11は総炭素数10〜30の炭化水素基である。また、R7が炭化水素基のときR11は総炭素数1〜8の炭化水素基である。このうち水素原子あるいは、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよい総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい。ここで、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0046】
一般式(2)で表わされるセラミド類としては、特に次の一般式(5)又は(6)で表わされるセラミド類であることが好ましい。
(I)一般式(5)で表わされる天然又は天然型セラミド類、及びその誘導体(以下、天然型セラミドと記載する。)。
【0047】
【化9】
【0048】
(式中、R21はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Z1はメチレン基又はメチン基を示し;X12、X13、及びX14は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;X15は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z1がメチン基のとき、X12とX13のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X15がオキソ基を形成するとき、X14は存在しない。);R22はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R23は水素原子を示すか、炭素数1〜4のアルキル基を示し;R24はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該アルキル基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
【0049】
好ましくは、R21が炭素数7〜19、更に好ましくは炭素数13〜15の直鎖アルキル基;R24がヒドロキシル基が置換しても良い炭素数9〜27の直鎖アルキル基又はリノール酸がエステル結合した炭素数9〜27の直鎖アルキル基である化合物が挙げられる。また、X15は水素原子を示すか、酸素原子とともにオキソ基を形成するのが好ましい。特に、R24としては、トリコシル、1−ヒドロキシペンタデシル、1−ヒドロキシトリコシル、ヘプタデシル、1−ヒドロキシウンデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したノナコシル基が好ましい。
【0050】
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(例えば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、及びJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタ及びヒトのセラミド類)が挙げられる。
【0051】
更にこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。特にCERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
【0052】
【化10】
【0053】
これらは天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC−001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS−Ceramide VI、DS−CLA−Phytoceramide、C6−Phytoceramide、DS−ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
【0054】
【化11】
【0055】
(II)一般式(6)で表わされる擬似型セラミド。
【0056】
【化12】
【0057】
(式中、R25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;X16は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;R26はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
【0058】
R26としては、特にノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。
【0059】
R27は、R25が水素原子の場合は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10〜30の、好ましくは総炭素数12〜20のアルキル基であり、R25がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合には、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基を示すのものが好ましい。
R27のヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0060】
一般式(6)としては、R25がヘキサデシル基、X16が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;R25がヘキサデシル基、X16が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;又はR25がヘキサデシル基、X16がグリセリル基、R26がトリデシル基、R27が3−メトキシプロピル基の擬似型セラミド類が好ましく、一般式(6)のR25がヘキサデシル基、X4が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のものが特に好ましい。
【0061】
成分(C)は2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中の成分(C)の含有量は、0.001〜50質量%、特に0.01〜20質量%、更に0.01〜10質量%であるのが好ましい。
【0062】
このうち、成分(C)のセラミド類は、特に成分(A)が一般式(3)であれば成分(C)は一般式(5)を、成分(A)が一般式(4)であれば成分(C)は一般式(6)を組み合わせるのが好ましい。特に、成分(C)一般式(2)の窒素に結合したCOR10をHに置換したものを、成分(A)の一般式(1)として用いるのが、安定性及び効果の点で好ましい。
【0063】
本発明の皮膚外用剤において、成分(A)、(B)及び(C)の含有重量比率((A)+(B))/(C)は、0.001〜10、特に0.01〜6であるのが、経時的な安定性の点で好ましい。
【0064】
成分(D)の脂肪酸は、特にセラミド類を含む乳化物中に存在することにより、乳化安定性を向上させる成分であると考えられる。
成分(D)の脂肪酸は、総炭素数8以上であれば、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖のいずれでも良い。総炭素数8〜30、特に総炭素数8〜22、更に総炭素数12〜18の脂肪酸が好ましい。
【0065】
成分(D)としては、具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リチノレン酸、エイコサン酸、ドコサジエン酸、ドコサン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。
【0066】
成分(D)は2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中の成分(D)の含有量は、0.001〜10質量%、特に0.005〜5質量%、更に0.01〜3質量%であるのが好ましい。
また、本発明においては、成分(D)は乳化時にセラミド類と一緒に配合することが、セラミド類の再結晶化を抑制し、安定な状態にあるラメラ構造が形成されるので好ましい。
【0067】
本発明の皮膚外用剤に含まれる水の量は、全組成中に5〜99.99質量%、特に10〜95質量%であるのが好ましい。
【0068】
本発明の皮膚外用剤は、更に、上記成分(A)、(C)及び(D)以外に、通常化粧料に使用される油剤、すなわち液状、半固体又は固体状の、合成及び天然由来の油性成分を含むことができる。
【0069】
例えば、ホホバ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油;カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のワックス類;リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル;ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸とアルコールとからなるエステル油;グリセリン誘導体、アミノ酸誘導体等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油等が挙げられる。
【0070】
本発明の皮膚外用剤には、上記成分以外に、通常の皮膚外用剤で使用される成分、例えば1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、トレハロース等の多価アルコール;グリシンベタイン、尿素、アミノ酸等の保湿剤;キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアガム等の水溶性増粘剤;アラントイン、酢酸トコフェロール等の薬効剤;セルロースパウダー、ナイロンパウダー、架橋型シリコーン末、架橋型メチルポリシロキサン、多孔質セルロースパウダー、多孔質ナイロンパウダー等の有機粉体;無水シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機粉体;メントール、カンファー等の清涼剤;pH緩衝剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、殺菌剤、色素などを含有させることができる。
【0071】
本発明の皮膚外用剤は、成分(A)〜(C)及び水を乳化する際に、成分(D)の脂肪酸をセラミド類と一緒に添加することにより、乳化して製造される。
この乳化物は、透明、半透明又は白濁した状態に製造される。ここで透明、半透明とは積分球光電散乱光度計により測定した濁度(カオリン標準:精製カオリン1mg/1リットル水の濁りを濁度1ppmとする。)が1〜1500ppmのものをいう。成分(A)、(B)及び(C)の含有重量比率((A)+(B))/(C)が0.2以上で透明、半透明の乳化物が得られ、0.2未満では白濁した乳液状となる。また、乳化物の油滴の平均粒子径は、3nm〜200μmの範囲で外観、用途に応じて適宜製造されるが、乳化物の外観の安定性の点で5nm〜50μm、特に5nm〜10μmであるのが好ましい。平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置(例えば、HORIBA LB−500)又はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、HORIBA LA−920)で測定される。
【0072】
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品、入浴剤、清拭剤、頭皮ケア剤として使用するのが好ましく、特に化粧料、例えば、半透明化粧水、半透明乳液、保湿美容液、美白美容液、保湿乳液等として使用するのが好ましい。
【0073】
【実施例】
実施例1〜5、比較例1〜3
表1に示す組成の皮膚外用剤を下記方法により製造した。得られた皮膚外用剤について、保存安定性及び使用感を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0074】
(製造方法)
油相成分(A、C、D及びその他成分)を80〜90℃に加熱撹拌して溶解させ、これに撹拌しながら、水相成分(B、水、その他成分)を80〜90℃であらかじめ均一に加熱溶解したものを添加した。添加後、ホモミキサーで乳化し、室温まで冷却して、皮膚外用剤を得た。
【0075】
(評価方法)
(1)保存安定性:
各皮膚外用剤を50mL入りガラス瓶に充填し、50℃、室温(25℃)、−5℃の3条件下で、それぞれ1ヶ月静置保存した後、その外観を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
○:乳化分離、結晶析出は認められない。
△:わずかに乳化分離、結晶析出が認められる。
×:乳化の分離又は結晶析出が認められる。
【0076】
(2)使用感:
10名の専門パネラーが各皮膚外用剤を使用したときの「しっとり感」、「塗布時の肌へのなじみ」について官能評価し、次の基準により判定した。
○:7名以上が良好(良い)と評価した。
△:4〜6名が良好(良い)と評価した。
×:3名以下が良好(良い)と評価した。
【0077】
【表1】
【0078】
実施例1〜5の皮膚外用剤はいずれも、保存安定性、使用感ともに優れた乳化物であった。成分(B)の酸性化合物を含まない比較例1、成分(A)を含まない比較例2は乳化物が得られなかった。成分(D)を含まない比較例3は、特に長期の保存安定性に劣るものであった。
【0079】
実施例6(乳液)
表2に示す組成の乳液を下記方法により製造した。得られた乳液は、保存安定性及び使用感に優れたものであった。
【0080】
(製造方法)
成分(3)〜(7)、(11)及び(13)を90℃に加熱溶解する。そこに、別途、成分(1)、(2)及び水5質量%を90℃に加熱溶解しておいたものをプロペラで攪拌しながら加え、20分間保持した。その後、ホモミキサー(7000rpm)で攪拌後、プロペラで攪拌しながら25℃まで冷却して、セラミド乳化物を得る。
別に成分(12)を残りの水に溶解したものに、ホモミキサー(7000rpm)で成分(8)〜(10)を分散させた後、セラミド乳化物を加え、混合攪拌して、乳液を得た。
【0081】
【表2】
【0082】
実施例7(化粧水)
表3に示す組成の化粧水を下記方法により製造した。得られた化粧水は、保存安定性及び使用感に優れたものであった。
【0083】
(製造方法)
成分(3)〜(7)を85℃に加熱し、溶解したものに、別途、成分(1)、(2)及び水50質量%を80℃に加熱溶解したものを、プロペラで攪拌しながら徐々に添加し、20分間保持する。さらに80℃に加熱した水の残量を加えた後、プロペラで攪拌しながら25℃まで冷却して、化粧水を得た。
【0084】
【表3】
【0085】
【発明の効果】
本発明の皮膚外用剤は、保存安定性及び使用感に優れたものである。
Claims (3)
- 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類
(B)無機酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる酸性化合物、
(C)一般式(2)で表わされるセラミド類
(D)炭素数8以上の脂肪酸を含有する皮膚外用剤。 - 成分(D)が、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リチノレン酸、エイコサン酸、ドコサジエン酸、ドコサン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸から選ばれるものである請求項1記載の皮膚外用剤。
- ((A)+(B))/(C)が0.001〜10である請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
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