JP2005001540A - タイヤ空気圧検出装置 - Google Patents

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健康 田口
Kazuki Kato
和貴 加藤
Yukio Mori
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Kazuhiro Kamiya
和宏 神谷
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Abstract

【課題】周期的な突起が存在するような特殊な路面を走行するに際し、周期的ノイズによってタイヤ空気圧検出の精度が悪化してしまうことを防止する。
【解決手段】車輪速度信号に基づいてユニフォーミティ成分値ωを求めると共に、その変化量Δω(n)を求める。この変化量Δω(n)が所定の許容量を超えていた場合には、特殊路面であると判定して、そのときに得られた車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧の判定に用いられないようにする。これにより、周期的ノイズによってタイヤ空気圧検出の精度が悪化してしまうことを防止することが可能となる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両走行時におけるタイヤの振動成分から間接的にタイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車輪速度センサからの車輪速度信号に車両走行時におけるタイヤの振動成分が含まれていることを利用し、車輪速度信号からタイヤの振動成分の共振周波数を抽出すると共に、その共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の推定を行う装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3152151号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、周期的な突起が存在するような特殊な路面を走行するに際し、車輪速度センサからの車輪速度信号に周期的なノイズが載り、そのノイズも共振周波数成分として抽出されてしまうことが確認された。このような場合、タイヤ空気圧推定に用いるタイヤの振動成分の共振周波数と周期的ノイズによる共振周波数とが区別できず、タイヤ空気圧検出の精度が悪化するという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、周期的な突起が存在するような特殊な路面を走行するに際し、周期的ノイズによってタイヤ空気圧検出の精度が悪化してしまうことを防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車輪と共に回転する歯を備えたロータ(1)に基づいて車輪の回転情報の検出を行う回転情報検出手段(2)と、回転情報に基づいて車輪のタイヤおよびロータの回転バラツキを示すユニフォーミティ成分値(ω)を求めるユニフォーミティ成分値抽出手段(220)と、ユニフォーミティ成分値の変化量(Δω(n))に基づいて周期的な変化が存在する特殊路面を判定する特殊路面判定手段(230)と、回転情報検出手段が検出した回転情報に基づいてタイヤの振動成分の共振周波数を抽出すると共に、その共振周波数に基づいてタイヤ空気圧を判定するタイヤ空気圧判定手段(150、160)とを有し、特殊路面判定手段にて特殊路面であることが判定された場合、そのときに回転情報検出手段が得た車輪の回転情報をタイヤ空気圧判定手段が行うタイヤ空気圧の判定に用いるデータから除くようになっていることを特徴としている。
【0007】
これにより、周期的な突起が存在するような特殊な路面を走行するに際し、周期的ノイズによってタイヤ空気圧検出の精度が悪化してしまうことを防止することが可能となる。
【0008】
具体的には、請求項2に示すように、特殊路面判定手段は、ユニフォーミティ成分値の変化量として、今回求めたユニフォーミティ成分値と前回求めたユニフォーミティ成分値との差を求め、この差が所定の許容量を超えている場合に特殊路面であると判定するようになっている。また、請求項3に示すように、特殊路面判定手段は、ユニフォーミティ成分値の変化量として、今回求めたユニフォーミティ成分値と前回求めたユニフォーミティ成分値との差を求め、今回求めたユニフォーミティ成分値を基準とし、タイヤ一周分における過去のユニフォーミティ成分値の変化量の最大値(Δωmax)が所定の許容量を超えている場合に特殊路面であると判定することもできる。
【0009】
請求項4に記載の発明では、特殊路面判定手段は、今回求めたユニフォーミティ成分値を基準とし、タイヤ一周分における過去のユニフォーミティ成分値の変化量の最大値(Δωmax)と平均値を求めると共に、これら最大値と平均値との差が所定の判定値を超える場合には特殊路面であると判定し、判定値以下である場合には悪路であると判定するようになっていることを特徴としている。
【0010】
このように、タイヤ一周分における過去のユニフォーミティ成分値の変化量の最大値と平均値との差に基づいて、特殊路面と悪路とを判定することができる。これにより、悪路の場合に得られた車輪の回転情報まですべてタイヤ空気圧の判定に用いられなくなることを防止することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明では、特殊路面判定手段にて特殊路面であることが判定された場合、そのときに回転情報検出手段が得た車輪の回転情報と共に、それから所定時間経過するまでに回転情報検出手段が得た車輪の回転情報をタイヤ空気圧判定手段が行うタイヤ空気圧の判定に用いるデータから除くようになっていることを特徴としている。
【0012】
このように、特殊路面が判定された場合に、それから所定時間経過するまでに得られた車輪の回転情報を除去することで、より特殊路面の影響をなくしたタイヤ空気圧の判定を行うことが可能となる。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態にかかるタイヤ空気圧検出装置の概略図を示す。以下、この図に基づいてタイヤ空気圧検出装置の構成について説明する。
【0015】
タイヤ空気圧検出装置は、車輪速度センサ2、電子制御ユニット(以下、ECUという)3および表示部4を有して構成され、車輪速度センサ2からの検出信号(車輪速度信号)に基づいてタイヤ空気圧を検出するものである。
【0016】
車輪速度センサ2は、回転情報検出手段に相当するもので、例えば電磁ピックアップ式のもので構成され、ほぼ等間隔に配置された多数(例えば、48個)の歯を有する歯車状のシグナルロータ1の歯の通過に伴って車輪速度信号を出力する。すなわち、シグナルロータ1が磁性材料によって構成されることから、車輪速度センサ2は、シグナルロータ1の歯の回転に伴う磁界の変化に基づいて、シグナルロータ1の歯の回転情報を含む信号を検出し、例えば、歯の1つが通過する毎に1つの正弦波の車輪速度信号を出力する。
【0017】
ECU3は、正弦波状の車輪速度信号を受け取り、波形整形等を行ったのち、車輪速度信号に基づいてタイヤ空気圧検出処理を行い、タイヤ空気圧を検出するものである。具体的には、ECU3は、タイヤ空気圧の検出のために、後述するように、タイヤ空気圧推定処理およびタイヤ空気圧表示処理を実行すると共に、タイヤ空気圧検出のデータとして用いるか否かを決める特殊路面判定処理などの各種処理を行う。そして、ECU3は、タイヤ空気圧が低下していることを検出すると、その旨を示すタイヤ空気圧低下検出信号を出力するようになっている。
【0018】
表示部4は、ECU3からのタイヤ空気圧低下信号を受け取り、タイヤ空気圧が低下していることを表示することで運転者に報知する。例えば、表示部4は、インジケータなどで構成される。
【0019】
次に、上記構成のタイヤ空気圧検出装置が行うタイヤ空気圧検出処理の詳細について説明する。図2は、ECU3が実行するタイヤ空気圧検出処理のメインフローチャートである。この処理は、図示しないイグニッションスイッチがオンされると、所定の演算周期毎に実行されるものである。なお、タイヤ空気圧検出処理において、本発明の特徴部分に関する箇所以外は特許文献1等において周知となっている手法と同様であるため、それらの部分については説明を簡略化する。
【0020】
まず、ステップ110では、特殊路面判定処理が実行される。この処理は、車両が現在走行中の路面が周期的な突起が存在するような特殊路面であるか否か、もしくは車輪速度センサ2から送られてきた車輪速度信号がタイヤ空気圧空気圧推定のデータとして十分であるか否かを判定するものである。この処理によって特殊路面であることが判定された場合もしくは車輪速度信号がタイヤ空気圧空気圧推定のデータとして十分でないと判定された場合には、例えば、ECU3内に備えられたデータ削除判定フラグが0にされる。逆に、特殊路面でないと判定された場合もしくは車輪速度信号がタイヤ空気圧空気圧推定のデータとして十分である場合には、そのフラグが1にされる。この処理の詳細については後述する。
【0021】
続くステップ120では、車輪速度演算処理が実行される。この処理は、車輪速度センサ2からの車輪速度信号に基づいて車輪速度の演算を行うものである。例えば、車輪速度センサ2から交流信号として送られてくる車輪速度信号を波形整形して2値のパルス信号に変換すると共に、所定のサンプリング周期毎にそのパルス間隔の平均値が算出され、算出された平均値の逆数から車輪速度が演算される。この演算結果が車輪速度に関するデータとして今後の処理に用いられる。
【0022】
ステップ130では、フィルタ処理が実行される。この処理は、車輪速度演算処理での演算結果に対してタイヤ空気圧に依存した共振周波数付近の信号成分のみを抽出するものであり、例えば30〜40Hzの周波数帯域のみが通過できるフィルタを用いて行われる。
【0023】
ステップ140では、今回得られた車輪速度に関するデータが特殊路面のものか否かが判定される。具体的には、データ削除判定フラグが1であった場合には、そのデータが特殊路面ではないもの、データ削除判定フラグが0であった場合には、そのデータが特殊路面のものと判定される。
【0024】
特殊路面において得られた車輪速度に関するデータは、周期的なノイズによる共振周波数に基づくデータである可能性がある。このため、特殊路面で得られた車輪速度に関するデータは信頼性が低いものとして、タイヤ空気圧推定に用いないようにする。このため、このステップで特殊路面でないデータと判定されれば、その後のステップに進み、特殊路面のデータと判定されればタイヤ空気圧推定を行わずにそのまま処理を終了する。
【0025】
ステップ150では、ステップ130でフィルタリングされた後の車輪速度に関するデータからタイヤ振動に関する共振周波数が抽出される。例えば、車輪速度に関するデータから離散時間モデルのパラメータが同定され、同定したパラメータに基づいて共振周波数が算出される。このとき、外気温度等の外部要因を考慮し、必要に応じて共振周波数が算出される場合もある。
【0026】
ステップ160では、ステップ150で求められた共振周波数に基づくタイヤ空気圧推定処理が実行される。具体的には、タイヤ空気圧が高いと共振周波数が高く、タイヤ空気圧が低いと共振周波数が低くなるという相関関係より、共振周波数の高低に基づいたタイヤ空気圧推定が行われる。
【0027】
ステップ170では、ステップ160でのタイヤ空気圧推定に基づくタイヤ空気圧表示処理が実行される。具体的には、タイヤ空気圧推定結果が所定のしきい値と比較され、タイヤ空気圧が所定のしきい値よりも低いと判定されると、タイヤ空気圧が低下したとして、その旨を示すタイヤ空気圧低下信号が表示器4に向けて出力される。この処理によりタイヤ空気圧低下信号が出力されると、表示器4にてタイヤ空気圧が低下していることが表示される。
【0028】
次に、本発明の特徴部分に相当する特殊路面判定処理の詳細について説明する。図3に、特殊路面判定処理のフローチャートを示す。このフローチャートは、図2に示すステップ110において実行されるもので、タイヤ空気圧推定の演算周期毎に実行される。
【0029】
まず、ステップ200では、車輪速度センサ2からの車輪速度信号に基づき、シグナルロータ1の各歯が車輪速度センサ2を通過するのに掛かった通過時間が求められる。具体的には、シグナルロータ1のn番目の歯の通過時間をt(n)とし、図1に示されるように、シグナルロータ1において隣接する1つの山1aと1つの谷1bとの組み合わせを1歯として、これら1つの山1aと1つの谷1bが車輪速度センサ2を通過するのに掛かった時間が演算される。
【0030】
次いで、ステップ205では、タイヤが一回転以上回転したか否かが判定される。この処理は、ECU3における車輪回転数検出手段によって実行され、例えば、正弦波形で示される車輪速度信号の波の数がシグナルロータ1の歯数分に達した時に、タイヤ回転数カウンタのカウント値がインクリメントされるようになっており、このカウント値が1以上になっているか否か基づいてこのステップでの判定を行っている。そして、まだタイヤが一回転以上回転していないと判定された場合には、まだシグナルロータ1の歯の回転情報の量が不十分であるとして、ステップ210に進み、タイヤ空気圧推定のデータから削除すべく、データ削除判定フラグを0に設定する。一方、タイヤが一回転以上回転していると判定されると、ステップ215に進む。
【0031】
ステップ215では、ステップ200での演算結果に基づき、過去一周分における歯の通過時間t(n)の平均値Tが求められる。具体的には、今回求められたものがn番目の歯の通過時間t(n)であったとすると、n番目の歯を基準として、各歯の通過時間のうち最も新しく求められたものすべてを足し合せ、それをシグナルロータ1の総歯数で割ることで平均値Tが求められる。
【0032】
そして、ステップ220で、シグナルロータ1のn番目の歯のユニフォーミティ成分値ωの更新値ω(n)の演算が成される。この処理は、ECU3におけるユニフォーミティ抽出手段で実行される。
【0033】
ユニフォーミティ成分値ωは、具体的には次式のように示される数式1に基づいて求められるもので、各通過時間からタイヤやロータ1の回転バラツキによる回転変動分をなくして平均値Tへ近づけるようにするための補正係数に相当するものである。
【0034】
【数1】
ω(n)=ω’(n)+K(T−ω’(n)t(n))/T
ただし、数式1におけるω’(n)はn番目の歯のユニフォーミティ成分値の前回値であり、Kは感度係数である。なお、感度係数Kは、上記回転変動分を徐々にキャンセルするために任意に設定される値である。この感度係数Kを例えば1に設定するなど、感度係数Kの設定により、路面変動によるユニフォーミティ成分値の変動がキャンセルできなくなる場合があるため、感度係数Kは余り大きな値とし過ぎない程度、例えば、0.08程度に設定される。
【0035】
このユニフォーミティ成分値ωは、基本的にはタイヤやロータ1の製造誤差などのバラツキによって、その変化等がほぼ決まる値である。
【0036】
本数式においては、ωの初期値は1とされており、タイヤ回転が二回転目であった場合には、前回値ω’(n)が1として今回の更新値ω(n)が演算される。
【0037】
次いで、ステップ225に進み、ユニフォーミティ成分値の変化量が演算される。具体的には、ユニフォーミティ成分値の変化量として、今回の更新値ω(n)と前回値ω’(n)との差の絶対値Δω(n)(=|ω(n)−ω’(n)|)が求められる。
【0038】
そして、ステップ230に進み、ユニフォーミティ成分値の変化量が所定の許容量と比較される。すなわち、タイヤ空気圧が一般的に変化し得る変化量の上限が決まっていることから、タイヤ空気圧がその上限を超えるようにユニフォーミティ成分値が変化した場合には、その変化はタイヤ空気圧が実際に変化したことに起因するものではなく、特殊路面における周期的な突起に起因するものであると考えられる。従って、ユニフォーミティ成分値の変化量が所定の許容量よりも大きい場合には、今回得られた車輪速度に関するデータは特殊路面を走行した際のものであるとしてステップ210に進む。この際、ステップ235において、ECU3内に備えられる削除カウンタ(図示せず)がクリアされる。この削除カウンタの詳細については後述する。
【0039】
一方、ユニフォーミティ成分値の変化量が所定の許容量を超えていない場合、今回えられた車輪速度に関するデータは特殊路面を走行した際のものではないものとして、ステップ240に進む。ステップ240では、データ削除判定フラグが1であるか0であるかが判定される。そして、データ判定フラグが0であればステップ245に進み、削除カウンタをインクリメントさせたのち、ステップ250に進んで、削除カウンタが所定時間(例えば1秒)を超えているか否かが判定される。
【0040】
すなわち、特殊路面であることが確認された際において、特殊路面の走行を終えた後にも、周期的な突起に起因する振動が収束するまでに時間がかかる。このため、削除カウンタによって特殊路面の走行したときからの時間をカウントし、そのカウント値が周期的な突起に起因する振動が収束するであろうと想定される時間を超えているか否かが判定されるようになっている。そして、削除カウンタのカウント値が収束時間を超えていない場合には、まだタイヤ空気圧推定のデータとして好ましくないとしてステップ210に進み、データ削除判定フラグが0に設定されるようになっている。このようにして、特殊路面が確認された際の車輪速度に関するデータの削除だけでなく、周期的な突起に起因する振動の収束時間分のデータの削除も行える。
【0041】
なお、ステップ235、245、250により、連続して特殊路面走行が検出された場合には、最後に検出された特殊路面走行から所定時間(例えば、1秒)の間までデータ削除されることになる。
【0042】
また、ステップ250にて削除カウンタのカウント値が所定時間を超えていると判定された場合には、ステップ255に進み、データ削除判定フラグを1に設定して処理を終える。
【0043】
以上の処理を終えると、図2に示すメインフローチャートに戻ってステップ120以降の処理が実行される。そして、ステップ140にて、データ削除判定フラグの設定値に応じて、今回得られた車輪速度に関するデータをタイヤ空気圧判定のデータとして有効であるか否かが判定され、有効である場合にのみタイヤ空気圧判定が行われる。
【0044】
このように、本実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置では、周期的な突起が存在するような特殊路面で得られた車輪速度に関するデータをタイヤ空気圧推定に用いないようにしている。このため、特殊路面を走行するに際し、周期的ノイズによってタイヤ空気圧検出の精度が悪化することを防止することが可能となる。
【0045】
なお、本実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置は、特殊路面と判定された場合においても、そのときに得られた車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いられないようにしているだけで、継続性が必要であるフィルタリング処理や車輪速度の演算を禁止するものではない。このため、フィルタが機能しなくなることもないし、車輪速度を他の用途で使用することも可能である。
【0046】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態にかかるタイヤ空気圧検出装置について説明する。本実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置の具体的構成等については第1実施形態と同様であり、タイヤ空気圧検出装置に備えられたECU3が実行するタイヤ空気圧検出処理のみが異なっている。
【0047】
図4に、本実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置のECU3が実行するタイヤ空気圧検出処理のフローチャートを示す。なお、図4のフローチャートにおいて第1実施形態で示した図3と同様の処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0048】
図4のフローチャートは、図3のフローチャートに対し、ステップ310、315の処理を追加したこと、及び、図3のステップ230に代えてステップ320の処理を実行させるようにしたことが異なる。
【0049】
ステップ225までの処理においてユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)が求められると、ステップ310〜320において今回の車輪速度に関するデータを基準とし、タイヤ1周分における過去のユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)の最大値が許容量以下となった場合に、得られた車輪速度に関するデータをタイヤ空気圧推定のデータとして用いるようにしている。
【0050】
具体的には、まず、ステップ310において、タイヤが2回転以上していることが判定される。すなわち、タイヤが1回転しかしていない場合には、まだ、タイヤ1周分すべてのユニフォーミティ成分値ωが求められていないような状態であるため、このような状態を排除するのである。これにより否定判定されるとステップ210に進み、データ削除判定フラグが0に設定され、肯定判定されるとステップ315に進む。
【0051】
ステップ315では、タイヤ1周分における過去のユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)の最大値Δωmaxが求められる。そして、ステップ320に進み、最大値Δωmaxが所定の許容量と比較され、第1実施形態と同様に、車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いられるかどうかが判定される。
【0052】
以上のように、タイヤ1周分における過去のユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)の最大値Δωmaxが所定の許容量以下となった場合にのみ、車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いられるようにすることも可能である。このようにすれば、より安定した車輪速度に関するデータのみがタイヤ空気圧推定に用いられるようにすることができる。
【0053】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態にかかるタイヤ空気圧検出装置について説明する。本実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置の具体的構成等については第1実施形態と同様であり、タイヤ空気圧検出装置に備えられたECU3が実行するタイヤ空気圧検出処理のみが異なっている。
【0054】
上記第1、第2実施形態では、特殊路面を考慮したタイヤ空気圧推定を行っているが、本実施形態では、悪路についても考慮したタイヤ空気圧推定を行う。
【0055】
特殊路面の場合、周期的な突起が車輪速度センサ2からの車輪速度信号に影響を及ぼすのは、タイヤが周期的な突起上を通過する際のみである。それに対し、悪路の場合、道路のランダムな凹凸が車輪速度センサ2からの車輪速度信号に影響を及ぼすのは、周期的ではないし、瞬間的なものでもない。
【0056】
これら特殊路面と悪路それぞれの場合におけるユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)を調べてみた。その結果を図5に示す。この図からも分かるように、ユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)は、特殊路面の場合には瞬間的に大きくなっており、悪路の場合にはランダムであるが全体的に大きくなっている。
【0057】
このような結果に基づき、本実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置では、以下のようなタイヤ空気圧検出処理を実行している。
【0058】
図6に、本実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置のECU3が実行するタイヤ空気圧検出処理のフローチャートを示す。なお、図6のフローチャートにおいて第1実施形態で示した図3と同様の処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0059】
ステップ225までの処理においてユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)が求められると、ステップ230にて、その変化量Δω(n)が所定の許容量以下であるか否かが判定され、所定の許容量を超えている場合には、それが悪路に起因するものなのか特殊路面に起因するものであるのかが判定される。
【0060】
具体的には、ステップ410において、変化量Δω(n)の偏差(Δω偏差)として、過去タイヤ1回転の変化量Δω(n)の最大値(Δω最大)と過去タイヤ1回転の変化量Δω(n)の平均値(Δω平均)との差分が求められる。そして、ステップ415において、そのΔω偏差が所定の判定値以下であるか否かが判定される。上述したように、ユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)は、特殊路面の場合にはタイヤが周期的な突起上を通過したときのみが大きくなり、悪路の場合にはランダムであるが全体的に大きくなる。このため、特殊路面の場合にはΔω偏差が大きくなり、悪路の場合にはΔω偏差があまり大きくならない。このことから、Δω偏差を所定の判定値と比較することにより、特殊路面であるか悪路であるかを判定することが可能である。
【0061】
そして、Δω偏差が所定の判定値よりも大きく、特殊路面であると判定された場合には、ステップ235を介してステップ210に進み、データ削除判定フラグを0に設定する。一方、Δω偏差が所定の判定値以下で、悪路であると判定された場合には、ステップ420に進む。
【0062】
ステップ420では、ユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)が悪路時の許容量以下であるか否かが判定される。車両が悪路を走行する場合、道路の凹凸が比較的少なく、そのとき得られた車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いても構わないときと、道路の凹凸が非常に大きく、そのとき得られた車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いるのに適していないときがある。従って、ステップ420にて、そのとき得られた車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いるのに適していないとき、それを排除する。
【0063】
このステップで肯定判定されると、車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いても構わないものとしてステップ425に進み、今回得られた車輪速度に関するデータが悪路のものであることが分かるように、ECU3内に備えられた悪路フラグ(図示せず)をオンさせてステップ240に進む。また、このステップで否定判定されると、車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いるのに適していないとして、特殊路面の場合と同様に、ステップ235を介してステップ210に進み、データ削除判定フラグを0に設定する。
【0064】
このように、本実施形態のタイヤ空気圧検出装置では、ユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)が所定の許容量よりも大きくなる場合において、それが特殊路面と悪路のいずれに起因するものかを判定するようにしている。これにより、悪路の場合に得た車輪速度に関するデータが一括してタイヤ空気圧推定に用いられなくなることを防ぐことが可能となる。
【0065】
そして、悪路の場合に、さらに、得られた車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いても構わないものか否かを判定し、タイヤ空気圧推定に用いるのに適していないデータがタイヤ空気圧推定に使用されないようにしている。これにより、より適したタイヤ空気圧検出を行うことが可能となる。
【0066】
なお、本実施形態におけるタイヤ空気圧推定も第1実施形態と同様の手法を用いて実行可能であるが、ステップ425でセットした悪路フラグに基づいて、悪路にマッチングした定数を用いてタイヤ空気圧推定を行うことも可能である。例えば、車輪速度センサ2からの車輪速度信号に基づく演算を行う際に、より信頼性の高い信号を用いるべく、その選別の制限を厳しくする等の処置が挙げられる。
【0067】
また、このとき利用される悪路フラグは、ステップ230においてユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)が所定の許容量以下であれば一般路面に戻ったと考えられるため、その後ステップ430に進んでオフされる。
【0068】
さらに、本実施形態のように、Δω偏差に基づいて特殊路面と悪路とを判定する場合、ユニフォーミティ成分値ωが初期値の影響でまだ収束していない場合においても、ステップ415においてΔω偏差が所定の判定値以下となる。このような場合には、悪路と同様に、そのとき得られた車輪速度に関するデータがタイヤ空気圧推定に用いても構わないか否かが判定され、構わない場合のみタイヤ空気圧に使用されるようになる。
【0069】
(他の実施形態)
上記第3実施形態における特殊路面と悪路との判定について、第1実施形態を基準として説明したが、第2実施形態に対しても特殊路面と悪路との判定を行うことが可能である。
【0070】
また、上記各実施形態では、特殊路面の判定にユニフォーミティ成分値ωの変化量として今回のユニフォーミティ成分値と前回のユニフォーミティ成分値の差を用いているが、例えば第3実施形態に示したΔω偏差から直接特殊路面の判定を行うことも可能である。
【0071】
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示すタイヤ空気圧検出装置におけるECU3が実行するタイヤ空気圧検出処理のメインフローチャートである。
【図3】図2に示すタイヤ空気圧検出処理中における特殊路面判定処理のフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置が実行する特殊路面判定処理のフローチャートである。
【図5】特殊路面と悪路それぞれの場合におけるユニフォーミティ成分値ωの変化量Δω(n)を測定した結果を示した図である。
【図6】本発明の第3実施形態におけるタイヤ空気圧検出装置が実行する特殊路面判定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1…シグナルロータ、2…車輪速度センサ、3…ECU、4…表示部。

Claims (5)

  1. 車輪と共に回転する歯を備えたロータ(1)に基づいて前記車輪の回転情報の検出を行う回転情報検出手段(2)と、
    前記回転情報に基づいて前記車輪のタイヤおよび前記ロータの回転バラツキを示すユニフォーミティ成分値(ω)を求めるユニフォーミティ成分値抽出手段(220)と、
    前記ユニフォーミティ成分値の変化量(Δω(n))に基づいて周期的な変化が存在する特殊路面を判定する特殊路面判定手段(230)と、
    前記回転情報検出手段が検出した回転情報に基づいてタイヤの振動成分の共振周波数を抽出すると共に、その共振周波数に基づいてタイヤ空気圧を判定するタイヤ空気圧判定手段(150、160)とを有し、
    前記特殊路面判定手段にて前記特殊路面であることが判定された場合、そのときに前記回転情報検出手段が得た前記車輪の回転情報を前記タイヤ空気圧判定手段が行う前記タイヤ空気圧の判定に用いるデータから除くようになっていることを特徴とするタイヤ空気圧検出装置。
  2. 前記特殊路面判定手段は、前記ユニフォーミティ成分値の変化量として、今回求めたユニフォーミティ成分値と前回求めたユニフォーミティ成分値との差を求め、この差が所定の許容量を超えている場合に前記特殊路面であると判定するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  3. 前記特殊路面判定手段は、前記ユニフォーミティ成分値の変化量として、今回求めたユニフォーミティ成分値と前回求めたユニフォーミティ成分値との差を求め、前記今回求めたユニフォーミティ成分値を基準とし、タイヤ一周分における過去のユニフォーミティ成分値の変化量の最大値(Δωmax)が所定の許容量を超えている場合に前記特殊路面であると判定するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  4. 前記特殊路面判定手段は、前記今回求めたユニフォーミティ成分値を基準とし、タイヤ一周分における過去のユニフォーミティ成分値の変化量の最大値(Δωmax)と平均値を求めると共に、これら最大値と平均値との差が所定の判定値を超える場合には前記特殊路面であると判定し、前記判定値以下である場合には悪路であると判定するようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載のタイヤ空気圧検出装置。
  5. 前記特殊路面判定手段にて前記特殊路面であることが判定された場合、そのときに前記回転情報検出手段が得た前記車輪の回転情報と共に、それから所定時間経過するまでに前記回転情報検出手段が得た前記車輪の回転情報を前記タイヤ空気圧判定手段が行う前記タイヤ空気圧の判定に用いるデータから除くようになっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のタイヤ空気圧検出装置。
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