JP2005001230A - ゴム連続混練設備及びゴム連続混練方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率にばらつきが生じないゴム連続混練設備及びゴム連続混練方法を提供すること。
【解決手段】ノンプロゴムGが供給される第1供給部2と、第1供給部2の下流側に設けられ、加硫系薬品Kが供給される第2供給部3とを有し、ファイナルゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機1を備えたゴム連続混練設備であって、マスターバッチ化した加硫系薬品Kを、第2供給部3を介して、ゴム連続混練押出機1に供給するための薬品供給押出機5を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ノンプロゴムGが供給される第1供給部2と、第1供給部2の下流側に設けられ、加硫系薬品Kが供給される第2供給部3とを有し、ファイナルゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機1を備えたゴム連続混練設備であって、マスターバッチ化した加硫系薬品Kを、第2供給部3を介して、ゴム連続混練押出機1に供給するための薬品供給押出機5を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非加硫性ゴムが供給される第1供給部と、この第1供給部の下流側に設けられ、加硫系薬品が供給される第2供給部とを有し、加硫性ゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機を備えたゴム連続混練設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のタイヤのトレッドやウェザーストリップ等のゴム製品の製造方法は、まず、バンバリーミキサー等の混練機を用いて、原料ゴムに補強剤、充填剤、可塑剤等の添加剤(但し、加硫剤や加硫促進剤を除く)を配合・混練(ノンプロゴム混練)してシート状の非加硫性ゴムを製造する。次に、この非加硫性のゴムシートを混練機に再供給し、加硫剤及び加硫促進剤を添加・混練(ファイナルゴム混練)し、シート状の加硫性ゴムを得る。そして、この加硫性ゴムシートを押出機に供給し、所望の断面形状にして押し出し成形し、所望の形状のゴム製品を製造する。
【0003】
但し、上記のゴム製品の製造方法においては、非加硫性ゴム組成物に加硫剤を添加して行う混練、いわゆるファイナルゴム混練をバンバリーミキサーやニーダーによるバッチ式で、一度に大量に行っていたので、加硫剤その他の薬品の均一分散が困難であった。そこで、例えば、下記特許文献1に係る押出し装置が提案されている。
【0004】
下記特許文献1の押出し装置は、ゴム混練を行うゴム連続混練押出機が第1供給部と第2供給部とを備えており、第1供給部からは、シート状の非加硫性ゴムが供給され、第1供給部よりも下流側にある第2供給部からは、硫黄などの加硫剤及び加硫促進剤(これらは加硫系薬品に相当)が粉体の形で供給される。加硫系薬品は、スクリューフィーダにより定量が第2供給部から供給される。次いで、非加硫性ゴムと加硫系薬品とを配合・混練させ、連続混練押出機の先端部から加硫性ゴムを押し出し成形する。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−43032号公報(第2頁、図1)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記加硫系薬品の中には、粘着性や凝集性、帯電性が高いものがある。このような加硫系薬品を上記特許文献1のように、スクリューフィーダで供給すると、スクリューフィーダのホッパー内でブリッジ(粉体が橋を架けたような状態となり、スクリューの位置に落ちてこない状態)を引き起こす場合がある。更に、スクリューフィーダの出口で凝集する場合や、その出口から第2供給部までの経路の一部に付着した粉体が、ある程度の量でまとまって剥離する場合がある。
【0006】
これらは第2供給部から供給される加硫系薬品の供給量にばらつきを生じる要因となると共に、ゴム連続混練押出機内における非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率の変動を引き起こす。その結果、加硫性ゴムの品質にばらつきを生じさせるので問題となる。
【0007】
上記問題点は、マスターバッチ化した加硫系薬品を第2供給部に供給することで解決されるが、スクリューフィーダを用いてマスターバッチを供給することは、その粒径との関係において、第2供給部における加硫系薬品の定量供給の確保が困難な場合がある。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、マスターバッチ化した加硫系薬品を供給することで、非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率にばらつきが生じないゴム連続混練設備及びゴム連続混練方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係るゴム連続混練設備は、非加硫性ゴムが供給される第1供給部と、この第1供給部の下流側に設けられ、加硫系薬品が供給される第2供給部とを有し、加硫性ゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機を備えたゴム連続混練設備であって、マスターバッチ化した前記加硫系薬品を、前記第2供給部を介して、前記ゴム連続混練押出機に供給するための薬品供給押出機を備える。
【0009】
本発明に係るゴム連続混練設備によれば、加硫系薬品としてマスターバッチ化した加硫系薬品を使用し、更に、ゴム連続混練押出機への供給に押出機を使用している。よって、粉体状の加硫系薬品をスクリューフィーダによって供給する場合のようにブリッジや凝集を引き起こすことなく、第2供給部からゴム連続混練押出機に、加硫系薬品が好適に定量供給される。これにより、第2供給部から供給される加硫系薬品の供給量にばらつきを生じることがなく、ゴム連続混練押出機内における非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率の変動を抑制することができる。その結果、加硫性ゴムの品質にばらつきが生じないゴム連続混練設備を提供することができる。
【0010】
本発明の好適な実施形態として、前記薬品供給押出機の供給口が、前記ゴム連続混練押出機の内面に突設されたものがあげられる。
【0011】
ゴム連続混練押出機の内面に、薬品供給押出機の供給口を突設することにより、ゴム連続混練押出機内で非加硫性ゴムを混練するときに、当該供給口において非加硫性ゴムを切断すると共に、せん断作用を及ぼして混練し得る。これにより、非加硫性ゴムをより効率的に混練することができる。
【0012】
上記課題を解決するため本発明に係るゴム連続混練方法は、非加硫性ゴムが供給される第1供給部と、この第1供給部の下流側に設けられ、加硫系薬品が供給される第2供給部とを有し、加硫性ゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機を用いたゴム連続混練方法であって、前記第1供給部を介して、前記非加硫性ゴムを前記ゴム連続混練押出機に供給する工程と、マスターバッチ化した加硫系薬品を薬品供給押出機に供給し、前記第2供給部を介して、前記加硫系薬品を前記薬品供給押出機により、前記ゴム連続混練押出機に供給する工程とを備える。
【0013】
本発明に係るゴム連続混練方法によると、上述した効果、すなわち、第2供給部からゴム連続混練押出機に、加硫系薬品を好適に定量供給することができる。これにより、非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率の変動を抑制することができ、非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率にばらつきが生じないゴム連続混練方法を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係るゴム連続混練設備の好適な実施形態を図面を用いて説明する。 図1は、本実施形態に係るゴム連続混練設備の構成を示す模式図である。図2は、図1のII−II断面図である。
【0015】
<設備の構成>
ゴム連続混練押出機1は、第1供給部2と第2供給部3とを備えている。なお、各供給部2,3の構造は、特定の構造に限定されるものではない。ゴム連続混練押出機1は、スクリュー1aと、スクリュー1aを駆動する駆動装置1bとを備えている。スクリュー1aは、バレル1c内に設けられている。スクリュー1aは、回転駆動だけでなく、前後方向にも駆動することができる。第1供給部1から供給されるノンプロゴムG(非加硫性ゴムに相当)は、スクリュー1aにより混練されながら前進していく(図1の矢印A方向)。スクリュー1aの先端側に設けられたダイ1dから、所定の断面形状のファイナルゴム(加硫性ゴムに相当)が押し出される。
【0016】
第1供給部2からノンプロゴムGを供給するために、ゴム供給用の第1単軸押出機4が設けられている。第1単軸押出機4は、ゴムを混練して押し出しするためのスクリュー4aと、スクリュー4aを駆動する駆動装置4cと、ノンプロゴムGを供給するホッパー4dを備えている。ホッパー4dからは、前工程で混練されたノンプロゴムGが供給される。
【0017】
なお、本発明において、第1供給部2におけるノンプロゴムGの供給方法は特に限定されず、上記のように押出機を利用して供給してもよく、又は、シート状に形成されたノンプロゴムを直接供給するようにしてもよい。
【0018】
第1供給部2から距離Lだけ離れた下流側には第2供給部3が設けられ、第2供給部3には加硫系薬品Kを供給するために、薬品供給用の第2単軸押出機5(薬品供給押出機に相当)が設けられている。第2単軸押出機5は、加硫系薬品Kのマスターバッチ(MB)を押し出しするためのスクリュー5aと、スクリュー5aを駆動する駆動装置5cと、加硫系薬品Kを供給するホッパー5dを備えている。ホッパー5dからは、マスターバッチ化した加硫系薬品Kが供給される。なお、図1では、第2単軸押出機5は1つだけ設けた構成を示しているが、薬品の種類毎に第2単軸押出機5を設けることが好ましい。
【0019】
図2に示すように、第2単軸押出機5の供給口5bは、ゴム連続混練押出機1のバレル1c内に突設されるものが好ましい。その場合、第2単軸押出機5の供給口5bは、スクリュー羽根1eのセグメントの間に進入するようになっている。
【0020】
<作用>
図1のゴム連続混練設備の作用を説明する。第1単軸押出機4のホッパー4dからノンプロゴムGを供給し、第1供給部2を介してノンプロゴムGを供給する。ゴム連続混練押出機1により、ノンプロゴムGの連続混練押し出しが行われる。一方、第2単軸押出機5のホッパー5dからマスターバッチ化した加硫系薬品Kを供給し、第2供給部3を介して加硫系薬品Kを供給する。これにより、ノンプロゴムGと加硫系薬品Kを混練してファイナルゴムを製造することができる。
【0021】
ノンプロゴムと加硫系薬品とを混合する場合は、所定の比率で混合させる必要があり、この混合比率ができる限りばらつかないような工夫が必要である。しかし、第2供給部3から供給される加硫系薬品が粉体である場合、ブリッジや凝集が発生するため、スクリューフィーダを用いると供給量にばらつきが生じ易い。そこで、加硫系薬品として、粉体ではなくマスターバッチを使用し、更にゴム連続混練押出機1への供給に第2単軸押出機5を使用することで、好適に加硫系薬品の定量供給を行うことができる。
【0022】
また、第2単軸押出機5の供給口5bを、ゴム連続混練押出機1のバレル1c内に突設することにより、供給口5bにおいてノンプロゴムを切断すると共に、せん断作用を及ぼして混練し得る。これにより、ノンプロゴムをより効率的に混練することができる。
【0023】
<実施例>
次に、実施例について説明する。連続混練押出機1としては、公知のスクリュー式連続混練機(BUSS社製「コニーダー」)を用いた。スクリュー1aの径はφ46mm、スクリュー1aのL/D=11とした。このLはスクリュー1aの長さであり、Dはスクリュー1aの外径である。スクリュー1aの回転数は150rpmとした。また、ノンプロゴム供給用の第1単軸押出機4については、スクリュー4aの径をφ60mm、スクリュー4aのL/D=8とした。
【0024】
薬品供給用の第2単軸押出機5については、スクリュー5aの径をφ20mm、スクリュー5aのL/D=20とした。ゴムの処理量は、25kg/hとした。連続混練押出機1から排出されるゴムの温度は105〜110℃とした。
【0025】
加硫系薬品には、加硫剤としての硫黄と、加硫促進剤としてのCBS(化学名はN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾスルフェンアミド)を使用し、それぞれの供給のために第2単軸押出機5を2つ設けた。硫黄及びCBSは、マスターバッチ(MB)としており、それらのマスターバッチにおける活性含有量は80%である。残りの20%はバインダーとして含有されたSBR(スチレンブタジエンゴム)である。また、マスターバッチはφ5×5mmの円柱形状とした。
【0026】
ゴムの配合部数(phr)は、SBR系ノンプロゴム165phrに対して、硫黄(MB)2.5phr、CBS(MB)1.9phrとした。
【0027】
比較例では、加硫系薬品に粉体の硫黄と粉体のCBSを使用し、更に、ゴム連続混練押出機1への供給のために、それぞれスクリューフィーダを備えたゴム連続混練設備を用いた。スクリューフィーダ6は重量式ツインスクリュータイプを用い、ゴムの配合部数(phr)は、SBR系ノンプロゴム165phrに対して、硫黄(MB)2.0phr、CBS(粉体)1.5phrとした他は、実施例の条件と同じである。
【0028】
上記の条件下、混練されたゴムの均一性の試験(加硫特性試験)を行った。測定器として、Alpha Technologies社製のレオメータMDR2000を使用した。試験温度は160℃とし、試験はJIS K6300に準拠して行った。実施例、比較例の試験結果を、それぞれ表1、表2に示す。
【0029】
【表1】
【表2】
表1及び表2において、MHは最大トルクを示す。t90は、最大トルクの90%のトルク値に到達するまでの時間を示す。サンプル数nは20個とする。ただし、最初の1分間は除き、インターバル30秒毎に採取する。Ave.は平均値、σは標準偏差、CVは変動率(%)をそれぞれ示す。表1と表2の変動率を比較してみると、MHについては、実施例が2.1%、比較例が3%である。t90については、実施例が2%、比較例が3%である。変動率が小さい方がばらつきは小さいことになるので、実施例の方が均一性の面で優れており、ばらつきが改善されていることが分かる。以上のように、本発明の効果を確認することができた。
【0030】
<別実施形態>
(1)本発明では、ゴム連続混練押出機により押し出し成形されるゴムの種類や加硫系薬品の種類については、特定のものに限定されるものではない。また、ゴム連続混練押出機へのゴムの供給形態については、特定の形態に限定されるものではない。
【0031】
(2)前述の実施形態では、ノンプロゴムG又は加硫系薬品Kを、第1又は第2単軸押出機4、5により押し出して、ゴム連続混練押出機1に供給する例を示したが、本発明では、それぞれの単軸押出機4、5にギヤーポンプを設けたものでもよい。ギヤーポンプを設けることにより、ゴム連続混練押出機1への定量供給を好適に行うことができる。また、単軸押出機5のスクリューにシリンダを連結したインジェクションタイプのものでもよい。
【0032】
(3)前述の実施形態では、円柱形状のマスターバッチを使用する例を示したが、本発明ではマスターバッチの形状について特に限定されず、例えば、球状等であってもよい。また、バインダーの種類、含有比率も特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るゴム連続混練設備の構成を示す模式図
【図2】図1におけるII−II断面図
【符号の説明】
1 連続混練押出機
2 第1供給部
3 第2供給部
4 第1単軸押出機
5 第2単軸押出機
G ノンプロゴム
K 加硫系薬品
【発明の属する技術分野】
本発明は、非加硫性ゴムが供給される第1供給部と、この第1供給部の下流側に設けられ、加硫系薬品が供給される第2供給部とを有し、加硫性ゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機を備えたゴム連続混練設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のタイヤのトレッドやウェザーストリップ等のゴム製品の製造方法は、まず、バンバリーミキサー等の混練機を用いて、原料ゴムに補強剤、充填剤、可塑剤等の添加剤(但し、加硫剤や加硫促進剤を除く)を配合・混練(ノンプロゴム混練)してシート状の非加硫性ゴムを製造する。次に、この非加硫性のゴムシートを混練機に再供給し、加硫剤及び加硫促進剤を添加・混練(ファイナルゴム混練)し、シート状の加硫性ゴムを得る。そして、この加硫性ゴムシートを押出機に供給し、所望の断面形状にして押し出し成形し、所望の形状のゴム製品を製造する。
【0003】
但し、上記のゴム製品の製造方法においては、非加硫性ゴム組成物に加硫剤を添加して行う混練、いわゆるファイナルゴム混練をバンバリーミキサーやニーダーによるバッチ式で、一度に大量に行っていたので、加硫剤その他の薬品の均一分散が困難であった。そこで、例えば、下記特許文献1に係る押出し装置が提案されている。
【0004】
下記特許文献1の押出し装置は、ゴム混練を行うゴム連続混練押出機が第1供給部と第2供給部とを備えており、第1供給部からは、シート状の非加硫性ゴムが供給され、第1供給部よりも下流側にある第2供給部からは、硫黄などの加硫剤及び加硫促進剤(これらは加硫系薬品に相当)が粉体の形で供給される。加硫系薬品は、スクリューフィーダにより定量が第2供給部から供給される。次いで、非加硫性ゴムと加硫系薬品とを配合・混練させ、連続混練押出機の先端部から加硫性ゴムを押し出し成形する。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−43032号公報(第2頁、図1)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記加硫系薬品の中には、粘着性や凝集性、帯電性が高いものがある。このような加硫系薬品を上記特許文献1のように、スクリューフィーダで供給すると、スクリューフィーダのホッパー内でブリッジ(粉体が橋を架けたような状態となり、スクリューの位置に落ちてこない状態)を引き起こす場合がある。更に、スクリューフィーダの出口で凝集する場合や、その出口から第2供給部までの経路の一部に付着した粉体が、ある程度の量でまとまって剥離する場合がある。
【0006】
これらは第2供給部から供給される加硫系薬品の供給量にばらつきを生じる要因となると共に、ゴム連続混練押出機内における非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率の変動を引き起こす。その結果、加硫性ゴムの品質にばらつきを生じさせるので問題となる。
【0007】
上記問題点は、マスターバッチ化した加硫系薬品を第2供給部に供給することで解決されるが、スクリューフィーダを用いてマスターバッチを供給することは、その粒径との関係において、第2供給部における加硫系薬品の定量供給の確保が困難な場合がある。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、マスターバッチ化した加硫系薬品を供給することで、非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率にばらつきが生じないゴム連続混練設備及びゴム連続混練方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係るゴム連続混練設備は、非加硫性ゴムが供給される第1供給部と、この第1供給部の下流側に設けられ、加硫系薬品が供給される第2供給部とを有し、加硫性ゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機を備えたゴム連続混練設備であって、マスターバッチ化した前記加硫系薬品を、前記第2供給部を介して、前記ゴム連続混練押出機に供給するための薬品供給押出機を備える。
【0009】
本発明に係るゴム連続混練設備によれば、加硫系薬品としてマスターバッチ化した加硫系薬品を使用し、更に、ゴム連続混練押出機への供給に押出機を使用している。よって、粉体状の加硫系薬品をスクリューフィーダによって供給する場合のようにブリッジや凝集を引き起こすことなく、第2供給部からゴム連続混練押出機に、加硫系薬品が好適に定量供給される。これにより、第2供給部から供給される加硫系薬品の供給量にばらつきを生じることがなく、ゴム連続混練押出機内における非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率の変動を抑制することができる。その結果、加硫性ゴムの品質にばらつきが生じないゴム連続混練設備を提供することができる。
【0010】
本発明の好適な実施形態として、前記薬品供給押出機の供給口が、前記ゴム連続混練押出機の内面に突設されたものがあげられる。
【0011】
ゴム連続混練押出機の内面に、薬品供給押出機の供給口を突設することにより、ゴム連続混練押出機内で非加硫性ゴムを混練するときに、当該供給口において非加硫性ゴムを切断すると共に、せん断作用を及ぼして混練し得る。これにより、非加硫性ゴムをより効率的に混練することができる。
【0012】
上記課題を解決するため本発明に係るゴム連続混練方法は、非加硫性ゴムが供給される第1供給部と、この第1供給部の下流側に設けられ、加硫系薬品が供給される第2供給部とを有し、加硫性ゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機を用いたゴム連続混練方法であって、前記第1供給部を介して、前記非加硫性ゴムを前記ゴム連続混練押出機に供給する工程と、マスターバッチ化した加硫系薬品を薬品供給押出機に供給し、前記第2供給部を介して、前記加硫系薬品を前記薬品供給押出機により、前記ゴム連続混練押出機に供給する工程とを備える。
【0013】
本発明に係るゴム連続混練方法によると、上述した効果、すなわち、第2供給部からゴム連続混練押出機に、加硫系薬品を好適に定量供給することができる。これにより、非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率の変動を抑制することができ、非加硫性ゴムと加硫系薬品の混合比率にばらつきが生じないゴム連続混練方法を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係るゴム連続混練設備の好適な実施形態を図面を用いて説明する。 図1は、本実施形態に係るゴム連続混練設備の構成を示す模式図である。図2は、図1のII−II断面図である。
【0015】
<設備の構成>
ゴム連続混練押出機1は、第1供給部2と第2供給部3とを備えている。なお、各供給部2,3の構造は、特定の構造に限定されるものではない。ゴム連続混練押出機1は、スクリュー1aと、スクリュー1aを駆動する駆動装置1bとを備えている。スクリュー1aは、バレル1c内に設けられている。スクリュー1aは、回転駆動だけでなく、前後方向にも駆動することができる。第1供給部1から供給されるノンプロゴムG(非加硫性ゴムに相当)は、スクリュー1aにより混練されながら前進していく(図1の矢印A方向)。スクリュー1aの先端側に設けられたダイ1dから、所定の断面形状のファイナルゴム(加硫性ゴムに相当)が押し出される。
【0016】
第1供給部2からノンプロゴムGを供給するために、ゴム供給用の第1単軸押出機4が設けられている。第1単軸押出機4は、ゴムを混練して押し出しするためのスクリュー4aと、スクリュー4aを駆動する駆動装置4cと、ノンプロゴムGを供給するホッパー4dを備えている。ホッパー4dからは、前工程で混練されたノンプロゴムGが供給される。
【0017】
なお、本発明において、第1供給部2におけるノンプロゴムGの供給方法は特に限定されず、上記のように押出機を利用して供給してもよく、又は、シート状に形成されたノンプロゴムを直接供給するようにしてもよい。
【0018】
第1供給部2から距離Lだけ離れた下流側には第2供給部3が設けられ、第2供給部3には加硫系薬品Kを供給するために、薬品供給用の第2単軸押出機5(薬品供給押出機に相当)が設けられている。第2単軸押出機5は、加硫系薬品Kのマスターバッチ(MB)を押し出しするためのスクリュー5aと、スクリュー5aを駆動する駆動装置5cと、加硫系薬品Kを供給するホッパー5dを備えている。ホッパー5dからは、マスターバッチ化した加硫系薬品Kが供給される。なお、図1では、第2単軸押出機5は1つだけ設けた構成を示しているが、薬品の種類毎に第2単軸押出機5を設けることが好ましい。
【0019】
図2に示すように、第2単軸押出機5の供給口5bは、ゴム連続混練押出機1のバレル1c内に突設されるものが好ましい。その場合、第2単軸押出機5の供給口5bは、スクリュー羽根1eのセグメントの間に進入するようになっている。
【0020】
<作用>
図1のゴム連続混練設備の作用を説明する。第1単軸押出機4のホッパー4dからノンプロゴムGを供給し、第1供給部2を介してノンプロゴムGを供給する。ゴム連続混練押出機1により、ノンプロゴムGの連続混練押し出しが行われる。一方、第2単軸押出機5のホッパー5dからマスターバッチ化した加硫系薬品Kを供給し、第2供給部3を介して加硫系薬品Kを供給する。これにより、ノンプロゴムGと加硫系薬品Kを混練してファイナルゴムを製造することができる。
【0021】
ノンプロゴムと加硫系薬品とを混合する場合は、所定の比率で混合させる必要があり、この混合比率ができる限りばらつかないような工夫が必要である。しかし、第2供給部3から供給される加硫系薬品が粉体である場合、ブリッジや凝集が発生するため、スクリューフィーダを用いると供給量にばらつきが生じ易い。そこで、加硫系薬品として、粉体ではなくマスターバッチを使用し、更にゴム連続混練押出機1への供給に第2単軸押出機5を使用することで、好適に加硫系薬品の定量供給を行うことができる。
【0022】
また、第2単軸押出機5の供給口5bを、ゴム連続混練押出機1のバレル1c内に突設することにより、供給口5bにおいてノンプロゴムを切断すると共に、せん断作用を及ぼして混練し得る。これにより、ノンプロゴムをより効率的に混練することができる。
【0023】
<実施例>
次に、実施例について説明する。連続混練押出機1としては、公知のスクリュー式連続混練機(BUSS社製「コニーダー」)を用いた。スクリュー1aの径はφ46mm、スクリュー1aのL/D=11とした。このLはスクリュー1aの長さであり、Dはスクリュー1aの外径である。スクリュー1aの回転数は150rpmとした。また、ノンプロゴム供給用の第1単軸押出機4については、スクリュー4aの径をφ60mm、スクリュー4aのL/D=8とした。
【0024】
薬品供給用の第2単軸押出機5については、スクリュー5aの径をφ20mm、スクリュー5aのL/D=20とした。ゴムの処理量は、25kg/hとした。連続混練押出機1から排出されるゴムの温度は105〜110℃とした。
【0025】
加硫系薬品には、加硫剤としての硫黄と、加硫促進剤としてのCBS(化学名はN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾスルフェンアミド)を使用し、それぞれの供給のために第2単軸押出機5を2つ設けた。硫黄及びCBSは、マスターバッチ(MB)としており、それらのマスターバッチにおける活性含有量は80%である。残りの20%はバインダーとして含有されたSBR(スチレンブタジエンゴム)である。また、マスターバッチはφ5×5mmの円柱形状とした。
【0026】
ゴムの配合部数(phr)は、SBR系ノンプロゴム165phrに対して、硫黄(MB)2.5phr、CBS(MB)1.9phrとした。
【0027】
比較例では、加硫系薬品に粉体の硫黄と粉体のCBSを使用し、更に、ゴム連続混練押出機1への供給のために、それぞれスクリューフィーダを備えたゴム連続混練設備を用いた。スクリューフィーダ6は重量式ツインスクリュータイプを用い、ゴムの配合部数(phr)は、SBR系ノンプロゴム165phrに対して、硫黄(MB)2.0phr、CBS(粉体)1.5phrとした他は、実施例の条件と同じである。
【0028】
上記の条件下、混練されたゴムの均一性の試験(加硫特性試験)を行った。測定器として、Alpha Technologies社製のレオメータMDR2000を使用した。試験温度は160℃とし、試験はJIS K6300に準拠して行った。実施例、比較例の試験結果を、それぞれ表1、表2に示す。
【0029】
【表1】
【表2】
表1及び表2において、MHは最大トルクを示す。t90は、最大トルクの90%のトルク値に到達するまでの時間を示す。サンプル数nは20個とする。ただし、最初の1分間は除き、インターバル30秒毎に採取する。Ave.は平均値、σは標準偏差、CVは変動率(%)をそれぞれ示す。表1と表2の変動率を比較してみると、MHについては、実施例が2.1%、比較例が3%である。t90については、実施例が2%、比較例が3%である。変動率が小さい方がばらつきは小さいことになるので、実施例の方が均一性の面で優れており、ばらつきが改善されていることが分かる。以上のように、本発明の効果を確認することができた。
【0030】
<別実施形態>
(1)本発明では、ゴム連続混練押出機により押し出し成形されるゴムの種類や加硫系薬品の種類については、特定のものに限定されるものではない。また、ゴム連続混練押出機へのゴムの供給形態については、特定の形態に限定されるものではない。
【0031】
(2)前述の実施形態では、ノンプロゴムG又は加硫系薬品Kを、第1又は第2単軸押出機4、5により押し出して、ゴム連続混練押出機1に供給する例を示したが、本発明では、それぞれの単軸押出機4、5にギヤーポンプを設けたものでもよい。ギヤーポンプを設けることにより、ゴム連続混練押出機1への定量供給を好適に行うことができる。また、単軸押出機5のスクリューにシリンダを連結したインジェクションタイプのものでもよい。
【0032】
(3)前述の実施形態では、円柱形状のマスターバッチを使用する例を示したが、本発明ではマスターバッチの形状について特に限定されず、例えば、球状等であってもよい。また、バインダーの種類、含有比率も特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るゴム連続混練設備の構成を示す模式図
【図2】図1におけるII−II断面図
【符号の説明】
1 連続混練押出機
2 第1供給部
3 第2供給部
4 第1単軸押出機
5 第2単軸押出機
G ノンプロゴム
K 加硫系薬品
Claims (3)
- 非加硫性ゴムが供給される第1供給部と、この第1供給部の下流側に設けられ、加硫系薬品が供給される第2供給部とを有し、加硫性ゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機を備えたゴム連続混練設備であって、
マスターバッチ化した前記加硫系薬品を、前記第2供給部を介して、前記ゴム連続混練押出機に供給するための薬品供給押出機を備えたことを特徴とするゴム連続混練設備。 - 前記薬品供給押出機の供給口が、前記ゴム連続混練押出機の内面に突設されたことを特徴とする請求項1に記載のゴム連続混練設備。
- 非加硫性ゴムが供給される第1供給部と、この第1供給部の下流側に設けられ、加硫系薬品が供給される第2供給部とを有し、加硫性ゴムを連続混練押し出し成形するゴム連続混練押出機を用いたゴム連続混練方法であって、
前記第1供給部を介して、前記非加硫性ゴムを前記ゴム連続混練押出機に供給する工程と、
マスターバッチ化した加硫系薬品を薬品供給押出機に供給し、前記第2供給部を介して、前記加硫系薬品を前記薬品供給押出機により、前記ゴム連続混練押出機に供給する工程と、
を備えたことを特徴とするゴム連続混練方法。
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JP2003166772A JP2005001230A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | ゴム連続混練設備及びゴム連続混練方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006341478A (ja) * | 2005-06-09 | 2006-12-21 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 連続混練装置及び該装置を有する混練システム |
JP2011526632A (ja) * | 2008-07-03 | 2011-10-13 | ライン・ケミー・ライノー・ゲーエムベーハー | 架橋性ゴム混合物の製造方法および製造デバイス |
CN105965716A (zh) * | 2016-04-28 | 2016-09-28 | 广州市白云化工实业有限公司 | 混炼胶的连续化生产工艺及装置 |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003166772A patent/JP2005001230A/ja not_active Withdrawn
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