JP2005001086A - 主軸装置におけるワークの吸着解除方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主軸13の先端部にレンズ16を吸着するためのワーク吸着部材14を装着し、主軸13にワーク吸着部材14の内部のエアを排出するためのエア吸引通路13f及びエアポケット13dを形成する。エアポケット13dと対応してハウジング11及び軸受メタル12にエア吸引機構K1を装着する。レンズ16の加工作業を終了した後にワーク吸着部材14からレンズ16を取り外す場合には、切換弁33を開放ポートから閉鎖ポートに切り換え、エア吸引機構K1の開閉弁20を開放ポートから閉鎖ポートに切り換える。これにより前記エアポケット13d側から軸受メタル12と主軸13の細隙Gに向かう異物を含んだエアの流れが阻止される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械の主軸装置において、主軸の先端部に吸着把持されたワークの吸着を解除するワークの吸着解除方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、工作機械によって例えばレンズの表面を超精密仕上げ加工する際には、加工上の寸法精度を上げるために静圧軸受機構を備えた主軸装置が用いられる。この主軸装置のハウジングの内部には、軸受メタルを介して主軸が回転可能に支持されている。この主軸の先端部には例えばレンズ等のワークを吸着保持するためのワーク吸着部材が装着されて、主軸の内部には前記ワーク吸着部材に負圧力を作用させるためにエア吸引通路が設けられている。このエア吸引通路の一端は主軸の外周面に周方向に形成されたエアポケットに開口され、このエアポケットと対応するように前記軸受メタル及びハウジングには前記エアポケットに連通して負圧力を作用させ、前記ワーク吸着部材によってレンズを吸着保持するためのエア吸引機構が設けられている。そして、この吸引力を低下させないために、前記エアポケットから主軸の外周面と軸受メタルの内周面との隙間を通ってエアが漏れないように主軸と軸受メタルの間の隙間を極力狭く形成してシール性を向上させている。
【0003】
ワークを真空吸着した状態で、ワークの加工が行われて、その加工動作が終了すると、前記エア吸引機構を停止又はエア供給機構に切り換えて、真空破壊することにより加工済みのワークの吸着状態を解除して、前記ワーク吸着部材からワークを取り外す方法が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のワークの吸着解除方法は、次のような問題があった。即ち、主軸の先端部にワークを吸着保持した状態で、ワークの加工が行われている過程で、微細な加工粉末やワークを冷却するために用いるクーラント等の異物が前記エア吸引通路、エアポケット及びエア吸引機構に至るエア吸引経路に侵入する。このため、エア吸引機構の吸引を停止して、該エア吸引機構をエア供給機構としての機能に切り換えて真空を破壊したとき、前記エア吸引経路に侵入していた異物が主軸の外周面と軸受メタルの内周面との細隙に入り込んでしまう。この結果、主軸回転時に、主軸の外周面や軸受メタルの内周面が前記異物によってかじられ、軸受機構を損傷し、その耐久性を低下するという問題があった。
【0005】
なお、前記エア吸引機構を停止するのみで、ワークの吸着状態を解除する場合にも、前記静圧軸受に供したエアは排気口から排気されるようになっているので、エアポケットから前記細隙を通して排気口に向かうエアに含まれる異物によって軸受機構が損傷を受けることになる。
【0006】
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、レンズ等のワークの吸着状態を解除する際に、エア吸引経路に侵入していた異物が主軸と軸受メタルの細隙に侵入するのを防止して耐久性を向上することができる主軸装置におけるワークの吸着解除方法及びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングに設けた取付穴に軸受を介して主軸を所定位置において回転可能に支持し、前記主軸の先端部にワークを真空吸着するためのワーク吸着部材を設け、前記主軸の内部に前記ワーク吸着部材に負圧力を作用させるためのエア吸引通路を設け、該エア吸引通路の前記ワーク吸着部材と反対側の端部を主軸の外周面と軸受メタルとの間で主軸の周方向に形成したエアポケットに開口し、該エアポケットから軸受メタル及びハウジングに形成したエア吸引路を介してエアを吸引するエア吸引機構を設けた主軸装置において、前記エア吸引機構によるエアの吸引を停止して、ワークの吸着解除時に、前記エアポケットから前記主軸の外周面と軸受メタルの内周面との間の細隙に向かうエアの流れを阻止するようにしたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記主軸は静圧軸受機構により支持され、前記軸受メタルから前記細隙に供給された静圧用のエアは、該細隙を通って、前記軸受メタル及びハウジングに形成した排気通路及び排気口より外部へ排気され、ワークの吸着解除時に、前記排気口を閉鎖することにより前記エアの流れを阻止するようにしたことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、ワーク吸着解除時に、エア吸引機構によるエアの吸引を停止すると同時に前記排気口を閉鎖するようにしたことを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記細隙に向かうエアの流れを阻止する動作は、前記細隙から前記エアポケットにエアを供給するためのエア供給機構によるエアの供給によって行われるようになっていることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、ハウジングに設けた取付穴に軸受を介して主軸を所定位置において回転可能に支持し、前記主軸の先端部にワークを真空吸着するためのワーク吸着部材を設け、前記主軸の内部に前記ワーク吸着部材に負圧力を作用させるためのエア吸引通路を設け、該エア吸引通路の前記ワーク吸着部材と反対側の端部を主軸の外周面と軸受メタルとの間で主軸の周方向に形成したエアポケットに開口し、該エアポケットから軸受メタル及びハウジングに形成したエア吸引路を介してエアを吸引するエア吸引機構を設けた主軸装置において、前記エア吸引機構によるエアの吸引を停止して、ワークの吸着解除時に、前記エアポケットから前記主軸の外周面と軸受メタルの内周面との間の細隙に向かうエアの流れを阻止する手段を設けたことを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記エアの流れを阻止する手段は、前記細隙から前記エアポケットに向かうエアを供給して、ワークの吸着を解除するためのエア供給機構であることを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6において、前記主軸は静圧軸受機構により支持され、前記軸受メタル及びハウジングには前記軸受メタルから前記細隙に供給された静圧用のエアを外部に排出する排気通路及び排気口が設けられ、該排気口には前記排気通路の開放ポートと、前記エアの流れを阻止する閉鎖ポートとの間で切り換えられる切換弁が設けられていることを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記エア吸引路には開閉弁が設けられ、ワーク吸着解除時に前記切換弁及び開閉弁を閉鎖して静圧用のエアを前記細隙を通して前記エアポケットに供給するように構成されていることを要旨とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した静圧軸受機構を備えた主軸装置におけるワークの吸着解除方法の一実施形態を図面に従って説明する。
【0016】
図1に示すように、ほぼ横円筒状に形成されたハウジング11の取付穴の内周面11aには、同じく横円筒状をなす軸受メタル12の外周面12aが接触するように所定位置に嵌入固定されている。この軸受メタル12の先端部(図において左端)にはフランジ部12bが一体に形成され、図示しないボルトによって前記ハウジング11の左端面に固定されている。前記軸受メタル12の内周面12cには横円柱状の主軸13が所定位置において回転可能に貫通されている。この主軸13の先端部にはボス部13bが一体に形成され、ボス部13bにはワーク吸着部材14が嵌合され、ボルト15によって主軸13に締め付け固定されている。前記ワーク吸着部材14の吸着面にはワークとして例えばレンズ16が吸着されるようになっている。
【0017】
前記主軸13の中心部にはその中心軸線方向に指向するように、かつボス部13bの先端面に開口し、主軸13の軸線方向中央部まで延びるエア通路13cが形成されている。このエア通路13cの内端部と対応するように、主軸13の外周面にはエアポケット13dが円周方向全域にわたって形成されている。このエアポケット13dと前記エア通路13cは複数の連通孔13eによって互いに連通されている。この実施形態では、前記エア通路13c及び連通孔13eによってエア吸引通路13fが形成され、前記エアポケット13dにエア吸引通路13fの端部が開口されている。
【0018】
次に、前記エアポケット13dと対応して前記ハウジング11及び軸受メタル12に設けられたエア吸引機構K1について説明する。
前記軸受メタル12のほぼ中央部には前記エアポケット13dと常に連通するエア通路12dが図2に示すように2カ所に形成され、このエア通路12dと連通するようにハウジング11にはエア通路11bが2カ所に形成されている。前記エア通路12dとエア通路11bとによってエア吸引路が形成されている。ハウジング11の外周面には前記エア通路11bと対応して継手17が図2に示すように2カ所に取り付けられている。継手17にはエア吸引配管18を介してエア吸引ポンプ19が接続され、エア吸引配管18の途中には開閉弁20が介在されている。
【0019】
この実施形態では、前記エア吸引通路13f、エアポケット13d、エア通路12d,11b及びエア吸引配管18等によってエア吸引経路Cが形成されている。
【0020】
従って、前記開閉弁20が開放された状態で、エア吸引ポンプ19が作動されると、ワーク吸着部材14内のエアがエア吸引経路C及び開閉弁20を通して外部に排出される。これによって、前記ワーク吸着部材14の内部が減圧されてレンズ16がワーク吸着部材14の吸着面に吸着把持される。
【0021】
前記軸受メタル12のフランジ部12bの前端面にはリング21及び蓋板22が接合され、図示しないボルトによって前記リング21及び蓋板22がフランジ部12bの前面に締め付け固定されている。前記フランジ部12bと蓋板22との間には、前記主軸13のフランジ部13gが介在され、主軸13のスラスト方向への移動を規制している。
【0022】
次に、前記ハウジング11及び軸受メタル12に設けられ、かつ主軸13の外周面13aと軸受メタル12の内周面12cとの間に形成された細隙Gにエアを供給して主軸13を静圧によって保持する第1静圧付与機構K2について説明する。
【0023】
図1に示すように、前記軸受メタル12の後端寄り位置には図3に示すようにエアポート12eが複数カ所に、かつ軸受メタル12の円周方向に等ピッチで半径方向に放射状に貫通形成されている。前記軸受メタル12の外周面には前記各エアポート12eの外端部を連通するように軸受メタル12の円周方向全域にわたってエアポケット12fが形成されている。前記ハウジング11には前記エアポケット12fと連通するようにエア通路11dが形成され、エアポケット12fとハウジング11の外部とを連通するようになっている。前記エア通路11dには継手23が取り付けられ、この継手23には配管24及びエア供給ポンプ25が接続されている。配管24の途中には開閉弁26が接続されている。
【0024】
従って、前記開閉弁26を開放した状態でエア供給ポンプ25が作動されると、エアが配管24、継手23、エア通路11d、エアポケット12f及びエアポート12eを通して前記細隙G内に圧入される。
【0025】
前記ハウジング11及び軸受メタル12の前端寄り位置には、前記第1静圧付与機構K2と同様に構成された第2静圧付与機構K3が設けられている。これについて説明すると、前記軸受メタル12にはエアポート12gがエアポート12eと同様に複数カ所に放射状に形成されている。前記ハウジング11の内周面11aにはエアポケット11cが円周方向全域にわたって形成されている。前記ハウジング11には前記エアポケット11cと対応してエア通路11eが形成され、このエア通路11eと対応して継手27が取り付けられ、この継手27には配管28及びエア供給ポンプ29が接続され、配管28には開閉弁30が接続されている。
【0026】
従って、前記開閉弁30を開放した状態でエア供給ポンプ29が作動されると、エアが配管28、継手27、エア通路11e、エアポケット11c及びエアポート12gを通して前記細隙G内に圧入される。
【0027】
前記第1静圧付与機構K2及び第2静圧付与機構K3は前記エア吸引機構K1の後方と前方に該エア吸引機構K1を所定間隔をおいて挟むように配設されている。
【0028】
前記ハウジング11の先端部内周面には前記エアポケット11cと対応してエアポケット11gが円周方向全域わたって形成され.このエアポケット11gと前記エアポケット11cはエア通路11fによって連通されている。前記フランジ部12bにはエアポート12hが複数カ所に、かつ前記エアポケット11gと連通するように形成されている。そして、前記エアポケット11cからエア通路11f及びびエアポケット11gを通してエアポート12hにエアを導きエア吸引通路13fの右側面に圧力を付与し静圧でエア吸引通路13fの右側面を保持するようになっている。同様にして蓋板22にも前記エアポート12hと対応してエアポート22aが複数カ所に形成され、このエアポート22aは前記フランジ部12b、リング21及び蓋板22に形成されたエア供給通路31によって前記エアポート12hと連通されている。
【0029】
次に、前記第1静圧付与機構K2及び第2静圧付与機構K3によって前記細隙Gに供給されたエアをエアポケット13dの手前で外部に排出するための使用済みエアのエア排出機構K4について説明する。
【0030】
前記軸受メタル12の内周面12cには前記エアポケット13dを所定距離をおいて挟むようにして排気ポケット12i及び排気ポケット12jが円周方向全域にわたって形成されている。前記排気ポケット12iと排気ポケット12jは、軸受メタル12内に軸方向に設けた連通路12kによって互いに連通されている。前記連通路12kは軸受メタル12とハウジング11に形成したエア通路12l、排気口11hによって外部と連通され、該排気口11hには配管32を介して切換弁33が接続されている。この切換弁33によって排気口11hが開放ポート又は閉鎖ポートに切り換えられる。この実施形態では、前記切換弁33によってエアポケット13dから前記細隙Gに向かうエアの流れを阻止する手段が構成されている。
【0031】
従って、切換弁33が開放ポートに切り換えられた状態では、前記排気ポケット12i及び排気ポケット12j内のエアは、連通路12k、エア通路12l、排気口11h及び配管32を通して外部に排出される。反対に、前記切換弁33が閉鎖ポートに切り換えられた状態では、排気口11hから外部への排気が停止され、エアポケット13dから前記細隙Gに向かうエアの流れが阻止される。
【0032】
前記軸受メタル12のフランジ部12b及び蓋板22には、前記エアポート12h及びエアポート22aからエア吸引通路13fとフランジ部12b及び蓋板22の接触面の細隙に供給された使用済みのエアを外部に排出するための排出通路12mが形成されている。
【0033】
なお、前記ハウジング11の外周面には、冷却用のオイルを軸受メタル12の外周面12aと、ハウジング11の内周面11aとの間に形成された冷却通路35に導くための給油管を接続する継手34が設けられている。
【0034】
次に、前記のように構成した主軸装置についてその動作を説明する。
図1において、前記ワーク吸着部材14の吸着面にレンズ16を接触した状態で、エア吸引機構K1の開閉弁20を開放してエア吸引ポンプ19を作動させると、エア吸引通路13fが減圧通路として機能し、ワーク吸着部材14の前端面にレンズ16が吸着保持される。
【0035】
次に、前記開閉弁26及び開閉弁30を開放ポートに切り換えるとともに、切換弁33を開放ポートに切り換えた状態で、前記エア供給ポンプ25及びエア供給ポンプ29を作動させると、前述したように軸受メタル12のエアポート12e及びエアポート12gにそれぞれエアが供給され、主軸13の外周面13aが前記細隙Gに供給されたエアによって静圧保持される。又、前記第2静圧付与機構K3側の供給エアは前述したようにエアポート12h及びエアポート22aにも供給され、主軸13のフランジ部13gがエアの静圧によって保持される。又、前記切換弁33が開放ポートに切り換えられているので、前述したように排気ポケット12i,12j内のエアが外部に排出される。
【0036】
この状態において前記主軸13の基端部に作動連結された電動モータ(図示略)によって主軸13が回転されると、ワーク吸着部材14及びレンズ16が回転され、このレンズ16の表面が工作機械の図示しない研磨工具によって研磨され、超精密仕上げ加工される。
【0037】
レンズ16の加工が終了して、ワーク吸着部材14からレンズ16を取り外す場合には、電動モータを停止して、主軸13の回転を停止する。そして、前記開閉弁20を閉鎖ポートに切り換えて、ワーク吸着部材14の内部のエアの吸引を停止する。又、この開閉弁20の切り換え動作と同時に切換弁33を開放ポートから閉鎖ポートに切り換えて排気口11hからの排気を停止するとともに、第1静圧付与機構K2及び第2静圧付与機構K3によるエアの供給を継続する。
【0038】
前記開閉弁20が遮断されるとともに、切換弁33も遮断されているので、第1及び第2静圧付与機構K2,K3によって前記細隙G内に供給されたエアは、エアポケット13dに至りエア吸引通路13fからワーク吸着部材14の内部に供給され、レンズ16の吸着状態が解除され、ワーク吸着部材14の吸着面からレンズ16が作業者の手によって取り外される。
【0039】
上記実施形態の主軸装置におけるワークの吸着解除方法によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、前記ワーク吸着部材14にレンズ16を吸着させるためのエア吸引機構K1を停止した状態で、排気口11hを切換弁33により閉鎖し、前記エア吸引経路C内のエアが前記細隙G内に侵入しないようにした。このため、エア吸引経路C内のエアに含まれるクーラントや加工粉末等の異物が前記細隙G内部に侵入して主軸13の外周面13a及び軸受メタル12の内周面12cがかじられて損傷を受けることはなく、軸受装置としての耐久性を向上することができる。又、主軸13の安定した支持状態が保たれ、特に超精密加工においてはその効果が大きい。
【0040】
(2)上記実施形態では、開閉弁20を閉鎖するとともに切換弁33を閉鎖した状態で、第1及び第2静圧付与機構K2,K3を作動させるようにした。このため、エアが前記細隙Gからエアポケット13dを通してエア吸引通路13fに供給され、ワーク吸着部材14によるレンズ16の真空吸着状態の破壊を迅速で行うことができる。又、前記第1及び第2静圧付与機構K2,K3に対し、真空吸着を破壊するためのエア供給機構としての機能を兼用させているので、専用のエア供給機構を設ける必要がなく装置を簡素化して製造及び組み付けを容易に行い、コスト低減を図ることができる。
【0041】
(3)上記実施形態では、前記エア排出機構K4に前記細隙Gに向かうエアの流れを阻止する手段としての切換弁33を組み込み、エアの排気と閉鎖を切り換えるようにした。このため、上記手段の構成を簡素化して、その製造及び組み付け容易に行いコストの低減を図ることができる。
【0042】
(4)上記実施形態では、前記開閉弁20を閉鎖すると同時に切換弁33を閉鎖するようにしたので、エア吸引経路Cから前記細隙Gにエアが侵入するのを確実に防止することができる。
【0043】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記実施形態では、エア排出機構K4の切換弁33を開放ポートと閉鎖ポートとの間で切り換えるようにしたが、この切換弁33に代えて3ポートの切換弁を用いて、前記排気口11hから排気ポケット12i,12jにエアを供給するようにしてもよい。この場合には前記第1及び第2静圧付与機構K2,K3の開閉弁26,30を閉鎖してもよく、第1及び第2静圧付与機構K2,K3を作動させたままにしておいてもよい。
【0044】
○ 静圧軸受機能を有する主軸装置に代えて、転がり軸受を備えるとともに、主軸の外周面と軸受メタルの内周面との間に前記細隙G及びエアポケット13dが形成された主軸装置に具体化してもよい。
【0045】
○ 前記エアポケット13dを省略し、軸受メタル12の内周面12cにエアポケット13dに相当するエアポケットを形成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明はレンズ等のワークの吸着状態を解除する際に、エア吸引経路に侵入していたクーラントや加工粉末等の異物が主軸と軸受メタルの細隙に侵入するのを防止して耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の主軸装置におけるワークの吸着解除方法に用いる主軸装置の縦断面図。
【図2】図1のエア吸引機構のエアポケットを通る横断面図。
【図3】図1の第1静圧付与機構のエアポートを通る横断面図。
【符号の説明】G…細隙、K1…エア吸引機構、11…ハウジング、12c…内周面、13d…エアポケット、11h…排気口、12…軸受メタル、13a…外周面、13…主軸、13f…エア吸引通路、14…ワーク吸着部材、20,26,30…開閉弁、33…切換弁。
Claims (8)
- ハウジングに設けた取付穴に軸受を介して主軸を所定位置において回転可能に支持し、前記主軸の先端部にワークを真空吸着するためのワーク吸着部材を設け、前記主軸の内部に前記ワーク吸着部材に負圧力を作用させるためのエア吸引通路を設け、該エア吸引通路の前記ワーク吸着部材と反対側の端部を主軸の外周面と軸受メタルとの間で主軸の周方向に形成したエアポケットに開口し、該エアポケットから軸受メタル及びハウジングに形成したエア吸引路を介してエアを吸引するエア吸引機構を設けた主軸装置において、
前記エア吸引機構によるエアの吸引を停止して、ワークの吸着解除時に、前記エアポケットから前記主軸の外周面と軸受メタルの内周面との間の細隙に向かうエアの流れを阻止するようにしたことを特徴とする主軸装置におけるワークの吸着解除方法。 - 請求項1において、前記主軸は静圧軸受機構により支持され、前記軸受メタルから前記細隙に供給された静圧用のエアは、該細隙を通って、前記軸受メタル及びハウジングに形成した排気通路及び排気口より外部へ排気され、ワークの吸着解除時に、前記排気口を閉鎖することにより前記エアの流れを阻止するようにした主軸装置におけるワークの吸着解除方法。
- 請求項2において、ワーク吸着解除時に、エア吸引機構によるエアの吸引を停止すると同時に前記排気口を閉鎖するようにした主軸装置におけるワークの吸着解除方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、前記細隙に向かうエアの流れを阻止する動作は、前記細隙から前記エアポケットにエアを供給するためのエア供給機構によるエアの供給によって行われるようになっている主軸装置におけるワークの吸着解除方法。
- ハウジングに設けた取付穴に軸受を介して主軸を所定位置において回転可能に支持し、前記主軸の先端部にワークを真空吸着するためのワーク吸着部材を設け、前記主軸の内部に前記ワーク吸着部材に負圧力を作用させるためのエア吸引通路を設け、該エア吸引通路の前記ワーク吸着部材と反対側の端部を主軸の外周面と軸受メタルとの間で主軸の周方向に形成したエアポケットに開口し、該エアポケットから軸受メタル及びハウジングに形成したエア吸引路を介してエアを吸引するエア吸引機構を設けた主軸装置において、
前記エア吸引機構によるエアの吸引を停止して、ワークの吸着解除時に、前記エアポケットから前記主軸の外周面と軸受メタルの内周面との間の細隙に向かうエアの流れを阻止する手段を設けたことを特徴とする主軸装置におけるワークの吸着解除装置。 - 請求項5において、前記エアの流れを阻止する手段は、前記細隙から前記エアポケットに向かうエアを供給して、ワークの吸着を解除するためのエア供給機構である主軸装置におけるワークの吸着解除装置。
- 請求項5又は6において、前記主軸は静圧軸受機構により支持され、前記軸受メタル及びハウジングには前記軸受メタルから前記細隙に供給された静圧用のエアを外部に排出する排気通路及び排気口が設けられ、該排気口には前記排気通路の開放ポートと、前記エアの流れを阻止する閉鎖ポートとの間で切り換えられる切換弁が設けられている主軸装置におけるワークの吸着解除装置。
- 請求項7において、前記エア吸引路には開閉弁が設けられ、ワーク吸着解除時に前記切換弁及び開閉弁を閉鎖して静圧用のエアを前記細隙を通して前記エアポケットに供給するように構成されている主軸装置におけるワークの吸着解除装置。
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