JP2004263816A - 転がり軸受のエアオイル潤滑構造 - Google Patents

転がり軸受のエアオイル潤滑構造 Download PDF

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太 小杉
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Abstract

【課題】停止時に軸受内部に油が溜まることを防ぎ、長時間停止後の急立ち上げにおける軸受の急昇温を防止できるエアオイル潤滑構造を提供する。
【解決手段】転がり軸受1にエアオイルを供給するノズル部材10を設けたエアオイル潤滑構造とする。ノズル部材10のエアオイル8の吐出孔に連通したエアオイル供給路13に、転がり軸受1の近傍で分岐してこの転がり軸受1の外部に開口する排油経路19を設ける。エアオイル供給路13の排油経路19の分岐部に、エアオイルの流れ方向を上記吐出孔8側と排油経路19側とに切り換える経路切換手段27を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械用主軸支持部など一般産業機械に用いられる転がり軸受のエアオイル潤滑構造、および同潤滑構造を備えた工作機械主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械などにおいては、主軸先端に加工工具を取付け、高速回転させて穴あけ加工・フライス加工・ミーリング加工等が行われる。主軸の支持には一般に転がり軸受が使用される。このような高速回転する主軸軸受の潤滑構造として、発熱をできるだけ小さくするために、微量潤滑が可能なエアオイル潤滑が採用される(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−54643号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
工作機械の主軸軸受のエアオイル潤滑では、工具を取付けた主軸が回転する加工時だけでなく、加工を終えて次に段取りを行っている時など、主軸が停止している間も主軸軸受にエアオイルが供給され続ける場合が多い。これにより軸受内部に潤滑油が溜まる。そのため、長時間の停止後に主軸を再起動させると、軸受内に溜まった余分な油の攪拌抵抗により軸受温度が上昇する。しかも、短時間での急立上げを行うと、軸受温度はさらに急激に上昇するという問題がある。
【0005】
すなわち、エアオイル潤滑構造を持つ軸受で主軸を支持する場合、図9に示すように、外輪押さえ59およびハウジング60にわたって、軸受33Aの近傍から機外に開放される排油路61が形成され、ノズル部材56から軸受内部に供給されて余剰となった潤滑油を上記排油路61から排出するようにされている。しかし、主軸停止時にもエアオイルを流し続けると、軸受内部に潤滑油が溜まってしまう。そのため、長時間(1時間程度)の停止後に極短時間で高速回転まで(例えば3秒で20000rpmまで)一気に主軸を再起動すると、軸受内に溜まった余分な潤滑油の攪拌抵抗により軸受温度が急激に上昇する。軸受温度は内輪52から外輪53への順に高まるため、温度上昇が著しい場合には内輪膨張により内部予圧が高まり、また潤滑油の粘度も低下するため、軸受33Aの転動体57と転走面間の油膜切れを生じる場合がある。
【0006】
図10は、図9の主軸支持構造において、以下の試験条件で、軸受内部に潤滑油が溜まっていない状態から主軸62を回転させた場合の内輪52、外輪53の温度変化を示すグラフである。
試験条件
軸受:内径φ55の円筒ころ軸受
給油量:0.02mL/10min
エア量:40NL/min
高速回転数:20000rpm
【0007】
図11は、同じ主軸支持構造において、図10の場合と同じ試験条件のもとで、主軸62を1時間ほど停止させた後(エアオイルは流れたまま)に主軸62を極短時間で回転させた場合の内輪52および外輪53の温度変化を示すグラフである。
【0008】
これらの試験結果から、エアオイル潤滑構造を持つ軸受で工作機械などの主軸を支持する場合に、主軸停止時に軸受内部に溜まった潤滑油が、主軸の再起動により攪拌されるときの抵抗で、軸受温度が急上昇することが確認できる。
【0009】
この発明の目的は、停止時に軸受内部に油が溜まることを防ぎ、長時間停止後の急立ち上げにおける軸受の急昇温を防止できる転がり軸受のエアオイル潤滑構造を提供することである。
この発明の他の目的は、主軸軸受にエアオイル潤滑を用いながら、主軸の長時間停止後の急立ち上げにおける軸受の急昇温を防止できる工作機械主軸装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の転がり軸受のエアオイル潤滑構造は、転がり軸受にエアオイルを供給するノズル部材を設けた転がり軸受のエアオイル潤滑構造であって、上記ノズル部材のエアオイルの吐出孔に連通したエアオイル供給路に、上記転がり軸受の近傍で分岐してこの転がり軸受の外部に開口する排油経路を設け、エアオイル供給路の上記排油経路の分岐部に、エアオイルの流れ方向を上記吐出孔側と排油経路側とに切り換える経路切換手段を設けたものである。
この構成によると、軸受の回転停止時に供給手段からのエアオイルの供給が続いても、上記経路切換手段でエアオイルの流れ方向を排油経路側に切り換えることで、エアオイルが排油経路を経て排出される。そのため、軸受内部に不要な潤滑油が溜まることが防止でき、停止後の再回転時に、軸受内に溜まった余分な潤滑油の攪拌抵抗により軸受温度が急激に上昇することが防止される。このため、過昇温による軸受の転動体と転走面間の油膜切れが防止でき、安定した潤滑を行うことができる。
なお、この明細書で言うエアオイル潤滑は、狭義のエアオイル潤滑の他に、オイルミスト潤滑を含む意味である。
【0011】
上記経路切換手段は3方弁であっても良い。この3方弁は、バルブとして独立して構成されたものであっても良い。このような独立した3方弁を用いると、経路切換手段の設計が容易になる。
【0012】
また、上記経路切換手段は、上記排油経路の断面円形の部分に回転自在に挿入される円柱状の弁体を有し、この弁体は略直径方向に貫通したエアオイル通孔と、この弁体の外周面の一部を切り欠いて形成され弁体軸方向に延びる排油溝とを有するものとしても良い。上記弁体は、上記エアオイル通孔が上記エアオイル供給路の上記分岐部の上流側部分および吐出孔側部分間に連通する状態と、上記排油溝が上記エアオイル供給路の上記上流側部分に連通する状態とに、上記弁体の回転角度によって切り変わるものとする。
このような排油経路に挿入される円柱状の弁体を用いると、空間を有効に利用でき、経路切換手段に独立したバルブ装置を用いる場合に比べてコンパクトな構成とできる。
【0013】
この発明において、上記転がり軸受の外輪が内径面に嵌合するハウジングに上記エアオイル供給路を設け、上記排油経路を、上記ハウジング内で上記エアオイル供給路から分岐して出口が上記ハウジングの上記内径面に開口するものとしても良い。この場合に、この排油経路の出口に連通する円周溝を上記ハウジングの内径面に嵌合する内周嵌合部材の外周に設け、この円周溝からハウジング外に至る排油導出経路を設けても良い。上記内周嵌合部材は、例えば外輪押え蓋または外輪間座等である。
このように円周溝を設けた場合、排油経路から流れ出た油は、内周嵌合部材に設けられた円周溝み流れ込み、軸受内部に流れ込むことなく排油導出経路から排出される。よって、軸停止時に軸受内部に油が入り込むことが無くなる。軸姿勢が立形の場合でも軸停止時に軸受内部に油が入り込むことが無くなる。このため、軸姿勢にかかわらず、確実に軸受内部の油溜まりが回避され、長時間運転後の急立上げ運転においても、軸受温度の急昇温を避けることができる。
【0014】
この発明において、上記経路切換手段を、転がり軸受の内輪が取付けられた主軸の回転時はノズル部材の吐出口側へ連通させ、上記主軸の回転停止時では上記排油経路側へ連通するように切り換える経路切換制御手段を設けても良い。
このような経路切換制御手段を設けると、軸受の停止と回転とに応じて、特に操作を行うことなく、経路切換手段の切換を行うことができる。すなわち、回転時の軸受内部への円滑な潤滑油供給と、停止時の軸受内部への余剰の潤滑油供給の停止とを自動的に行うことができる。
【0015】
この発明の工作機械主軸装置は、この発明の上記いずれかの構成の転がり軸受のエアオイル潤滑構造を用いたものである。
工作機械の主軸は、加工精度上の要望から発熱を抑える必要があり、しかも高速回転が可能で、かつ長時間停止後に急激に回転させられることが多い。そのため、この発明のエアオイル潤滑構造による長時間停止後の急立ち上げにおける急昇温の防止の効果が効果的となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1および図2と共に説明する。転がり軸受1に隣接して、転がり軸受1にエアオイルを供給するノズル部材10が設けられている。転がり軸受1は、内輪2と外輪3の転走面2a,3a間に複数の転動体4を介在させ、これら転動体4を保持する保持器5を設けたものである。図示の例では、転がり軸受1はアンギュラ玉軸受からなる。ノズル部材10は外輪間座からなり、転がり軸受1の外輪3を嵌合させたハンジング9の内径面に嵌合している。ノズル部材10の内径側には内輪間座11が設けられ、転がり軸受1の内輪2を嵌合させた主軸15の外径面に嵌合している。
【0017】
ノズル部材10は、転がり軸受1の内輪2の転走面2aに向けてエアオイルを噴出する吐出孔8を有している。吐出孔8は、ノズル部材10の円周方向の1箇所または複数箇所に設けられている。吐出孔8の入口は、ハウジング9からノズル部材10にわたって設けられたエアオイル供給路13に連通している。エアオイル供給路13は、ハウジング9にエアオイル供給口13aを有し、ハウジング9の内径面にハウジング部出口13bを有している。ハウジング部出口13bは外輪間座10の外径面に設けられた連通溝13cに連通し、連通溝13cから、径方向に貫通した経路13dを介して、ノズル部材10の吐出孔8に連通している。エアオイル供給口13aは、圧縮した搬送エアに潤滑油を混合させて供給するエアオイル供給源(図示せず)に接続されている。
【0018】
上記エアオイル供給路13に、転がり軸受1の近傍で分岐してこの転がり軸受1の外部に開口する排油経路19を設ける。エアオイル供給路13の排油経路19の分岐部に、エアオイルの流れ方向を上記吐出孔8側と排油経路19側とに切り換える経路切換手段30を設ける。
【0019】
上記排油経路19は、ハウジング9に形成されたエアオイル供給路13に対して、エアオイル供給路13と直交する方向に分岐して設けられている。この分岐部に設けられた経路切換手段27は、円柱状の弁体28を有するロータリ型のものとされている。すなわち、この経路切換手段27は、断面円形の排油経路19に回転自在に挿入される円柱状の弁体28を有し、この弁体28に、直径方向に貫通したエアオイル通孔28aと、弁体28の外周面の一部を切り欠いて形成され弁体軸方向に延びる排油溝28bとを有する。図2(A),(B)に平面断面図および正面断面に示すように、この弁体28の上記エアオイル通孔28aが、エアオイル供給路13と連通する弁体28の回転位置で、排油溝28bはエアオイル供給路13から遮断される。また、図2(C),(D)に平面断面図および正面断面図で示すように、上記回転位置から90°回転した位置で、排油溝28bがエアオイル供給路13の供給口13a側に対向して、排油経路19がエアオイル供給路13と連通し、エアオイル通孔28aがエアオイル供給路13から手段される。
【0020】
経路切換手段27は切換駆動源29で回転駆動され、回転駆動源29は経路切換制御手段30によって制御される。経路切換制御手段30はその制御として、転がり軸受1の内輪2が取付けられた主軸15の回転時はエアオイル通孔28aがノズル部材10の吐出口8a側へ連通し、主軸15の回転停止時ではエアオイル供給口13aが排油経路19に連通するように、経路切換手段27の切り換え制御を行う。なお経路切換手段27は手動で切り換えるようにしても良い。
【0021】
この構成のエアオイル潤滑構造によると、主軸15が回転状態にあるときに、経路切換制御手段30による経路切換手段27の制御で、エアオイルの流れ方向が吐出孔8側に切り換えられるので、軸受1の内部に潤滑油が円滑に供給される。主軸15が停止状態となったときに、経路切換制御手段30による経路切換手段27の制御で、エアオイルの流れ方向が上記排油経路19側へ切り換えられる。そのため、主軸15の停止中に供給されるエアオイルが排油経路19を経て確実に排出され、軸受内部に不要な潤滑油が溜まるといった事態を防止することができる。これにより、主軸15の長時間停止後の急立ち上げで、軸受1内に溜まった余分な潤滑油の攪拌抵抗により軸受温度が急激に上昇して、軸受1の転動体4と転走面2a,3a間の油膜切れが生じることが防止される。
経路切換手段27は、排油経路19に挿入される円柱状の弁体19を用いたものであるため、ハウジング9の部材内を有効に利用でき、経路切換手段27に独立したバルブ装置を用いる場合に比べてコンパクトな構成とできる。
【0022】
なお、経路切換手段27は、独立したバルブ装置の3方弁(図示せず)を用いても良く、その場合は空間的には不利であっても、設計や組立が容易に行えるという利点が得られる。
【0023】
図3,図4は、この発明の第2の実施形態を示す。この実施形態は、図1,図2に示す第1の実施形態において、転がり軸受1Aを円筒ころ軸受とした例である。その他の構成,効果は、第1の実施形態と同じである。
【0024】
図5〜図7は、この発明の第3の実施形態を示す。この実施形態は、図1,図2に示す第1の実施形態において、ハウジング9の内径面に嵌合する内周嵌合部部材26Aの外周に、排油経路19のハウジング内径面に開口する出口に連通する円周溝32を設けたものである。内周嵌合部部材26Aは、外輪押えまたは外輪押え蓋からなるが、この他に外輪間座であっても良い。円周溝32は、ハウジング9内を通ってハウジング9外に至る排油導出経路33に連通している。排油導出経路33は、ハウジング9の内で軸方向に延びる軸方向孔部33aと、この軸方向孔部33aから分岐して円周溝32に開口した分岐孔部33bとでなる。軸方向孔部33aはハウジング9の端面に開口し、外輪押え蓋からなる内周嵌合部部材26Aに設けられた孔を介して外部に通じる。軸方向孔部33aは、ハウジング9のエアオイル供給路13の設けられた位置とは円周方向にずれた位置、例えば180°ずれた位置に配置される。排油導出経路33は円周方向の複数箇所に設けても良い。
【0025】
排油導出経路33には、さらに転がり軸受1Aの外輪3の端面に沿って設けられたスリット34が、ハウジング9に設けられた他の分岐孔部33cを介して連通している。スリット34は、外輪3に隣接してハウジング9の内径面に嵌合して配置された外輪隣接部材(10,26A)との間に設けられたものである。外輪隣接部材は、この実施形態ではノズル部材10または内周嵌合部部材26Aである。スリット34は、具体的には、外輪隣接部材であるノズル部材10または内周嵌合部部材26Aに、径方向溝として形成されている。経路切換手段27は第1の実施形態と同じく円柱状の弁体28を有するロータリ型のものとされている。この弁体28の端部は円周溝32の一部に入っている。転がり軸受1Aは、第2の実施形態と同じく円筒ころ軸受としてあるが、第1の実施形態と同じく玉軸受としても良い。この実施形態におけるその他の構成は図1ないし図3に示した第1の実施形態と同じである。
【0026】
この構成の場合、排油経路19をハウジング9の内径面に開放したままの状態とせずに、内周嵌合部部材26Aで蓋してこれに円周溝32を設けたため、排油経路19から流れ出た油は、内周嵌合部材26Aの円周溝32に流れ込み、軸受内部に流れ込むことなく排油導出経路33から排出される。このため、主軸15の停止時に軸受1の内部に油が入り込むことが無くなる。特に、主軸15の姿勢が立形の場合でも主軸停止時に軸受内部に油が入り込むことが無くなる。このため、主軸15の姿勢にかかわらず、確実に軸受内部の油溜まりが回避され、長時間運転後の急立上げ運転においても、軸受温度の急昇温を避けることができる。また、外輪押え蓋等となる内周嵌合部材26Aの外周に上記円周溝32を設けたため、円周溝32を設ける専用部材が不要で、部品点数の増加が回避できる。
【0027】
図8は、上記実施形態にかかる転がり軸受1のエアオイル潤滑構造を応用した工作機械主軸装置の一例を示す。この工作機械主軸装置は、主軸15の先端15aに工具またはワークのチャックが設けられている。主軸15は、軸方向に離れた複数の転がり軸受1により支持され、これらの転がり軸受1に、上記第1または第2の実施形態にかかる転がり軸受のエアオイル潤滑構造が用いられている。各転がり軸受1の内輪2は主軸15の外径面に嵌合し、外輪3はハウジング9の内径面に嵌合している。これら内外輪2,3は、内輪押さえ25および外輪押さえ26により、ハウジング9に固定されている。
具体的に説明すると、フロント側(主軸先端15a側)の軸受1がアンギュラ玉軸受とされて、これらの軸受1に図1,図2に示す第1の実施形態にかかる転がり軸受のエアオイル潤滑構造が用いられている。また、リア側の軸受1が円筒ころ軸受とされて、これに図3,図4に示す第2の実施形態にかかる転がり軸受のエアオイル潤滑構造が用いられている。フロント側に並ぶ4列の転がり軸受1については、各2列の転がり軸受1の間に外輪間座兼用のノズル部材10が配置され、これらノズル部材10に、前後の転がり軸受1に対してエアオイルを噴出する吐出孔8(図1)が設けられている。
エアオイル供給路13はノズル部材10毎に設けられ、各エアオイル供給路13に排油経路19が分岐して設けられ、各分岐部に経路切換手段27が設けられている。なお、これら経路切換手段27を制御する経路切換制御手段30(図1)は、工作機械主軸装置の全体で一つが設けられ、各経路切換制御手段30に共用されている。
【0028】
【発明の効果】
この発明のエアオイル潤滑構造は、転がり軸受にエアオイルを供給するノズル部材を設けた転がり軸受のエアオイル潤滑構造において、上記ノズル部材のエアオイルの吐出孔に連通したエアオイル供給路に、上記転がり軸受の近傍で分岐してこの転がり軸受の外部に開口する排油経路を設け、上記エアオイル供給路の上記排油経路の分岐部に、エアオイルの流れ方向を上記吐出孔側と排油経路側とに切り換える経路切換手段を設けたものであるため、軸停止時には、エアオイルの流れる経路を軸受近傍において変更し、排油経路へ導くことで、軸受内部に余分な油が溜まるのを防ぎ、軸の長時間停止後の急立ち上げにおける軸受の急昇温を防止することができる。軸停止時にエアオイル潤滑装置自体を停止させたり、軸受がより離れた位置で経路変更することも可能であるが、その場合には再起動時に油が軸受内部に到達するのに時間がかかるため、軸を直ぐには再運転できないという問題がある。この発明は、軸受近傍でのエアオイル経路変更であり、再起動道時においても直ぐに軸受内部に油が供給されることを可能にしている。
この発明の工作機械主軸装置は、この発明のエアオイル潤滑構造を用いたものであるため、主軸軸受にエアオイル潤滑を用いて微量潤滑による発熱防止を図りながら、主軸の長時間停止後の急立ち上げにおける軸受の急昇温を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかる転がり軸受のエアオイル潤滑構造を示す断面図である。
【図2】同エアオイル潤滑構造の動作説明図である。
【図3】この発明の他の実施形態にかかる転がり軸受のエアオイル潤滑構造を示す断面図である。
【図4】同エアオイル潤滑構造の動作説明図である。
【図5】この発明のさらに他の実施形態にかかる転がり軸受のエアオイル潤滑構造を示す断面図である。
【図6】図5のVI−VI 矢視切欠断面図である。
【図7】同エアオイル潤滑構造の動作説明図である。
【図8】上記いずれかのエアオイル潤滑構造を採用した工作機械主軸装置の断面図である。
【図9】従来の転がり軸受のエアオイル潤滑構造を採用した主軸支持部を示す断面図である。
【図10】同主軸支持部において、軸受内部に油が溜まっていない状態から主軸を短時間で回転させた場合の内外輪の温度の時間変化を示すグラフである。
【図11】同主軸支持部において、主軸の1時間程の停止後に主軸を短時間で回転させた場合の内外輪の温度の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1A…転がり軸受
2…内輪
8…吐出孔
10…ノズル部材
13…エアオイル供給路
15…主軸
19…排油経路
26A…内周嵌合部材
27…経路切換手段
30…経路切換制御手段
32…円周溝
33…排油導出経路
δ…隙間

Claims (6)

  1. 転がり軸受にエアオイルを供給するノズル部材を設けた転がり軸受のエアオイル潤滑構造において、上記ノズル部材のエアオイルの吐出孔に連通したエアオイル供給路に、上記転がり軸受の近傍で分岐してこの転がり軸受の外部に開口する排油経路を設け、上記エアオイル供給路の上記排油経路の分岐部に、エアオイルの流れ方向を上記吐出孔側と排油経路側とに切り換える経路切換手段を設けたことを特徴とする転がり軸受のエアオイル潤滑構造。
  2. 請求項1において、上記経路切換手段は独立した3方弁である転がり軸受のエアオイル潤滑構造。
  3. 請求項1において、上記経路切換手段は、上記排油経路の断面円形の部分に回転自在に挿入される円柱状の弁体を有し、この弁体は直径方向に貫通したエアオイル通孔と、この弁体の外周面の一部を切り欠いて形成され弁体軸方向に延びる排油溝とを有し、上記エアオイル通孔が上記エアオイル供給路の上記分岐部の上流側部分および吐出孔側部分間に連通する状態と、上記排油溝が上記エアオイル供給路の上記上流側部分に連通する状態とに、上記弁体の回転角度によって切り変わるものとした転がり軸受のエアオイル潤滑構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、上記転がり軸受の外輪が内径面に嵌合するハウジングに上記エアオイル供給路を設け、上記排油経路を上記ハウジング内で上記エアオイル供給路から分岐して出口がハウジングの上記内径面に開口するものとし、この排油経路の出口に連通する円周溝を、上記ハウジングの内径面に嵌合する内周嵌合部材の外周に設け、この円周溝からハウジング外に至る排油導出経路を設けた転がり軸受のエアオイル潤滑構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、上記経路切換手段を、転がり軸受の内輪が取付けられた主軸の回転時はノズル部材の吐出口側へ連通させ、上記主軸の回転停止時では上記排油経路側へ連通するように切り換える経路切換制御手段を設けた転がり軸受のエアオイル潤滑構造。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の転がり軸受のエアオイル潤滑構造を備えた工作機械主軸装置。
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