JP2004106091A - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

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Katsuto Endo
遠藤 克仁
Yutaka Asanome
浅野目 裕
Yoshiaki Kai
甲斐 義章
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Shibaura Machine Co Ltd
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Toshiba Machine Co Ltd
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Abstract

【課題】流体の粘性によって主軸系の減衰性を高め、切削時のビビリ発生を抑制すると共に主軸先端側のシール機能を果たしつつ、主軸先端のラジアル剛性を上げ、固有振動数を高め、高速回転を可能にした工作機械の主軸装置を提供することにある。
【解決手段】複数の玉軸受け5A、5Bにより主軸7を支持してなる工作機械の主軸装置1において、前記玉軸受け5A、5Bの少なくとも1つの玉軸受け5Aに対して空気静圧軸受け15を併設し、前記空気静圧軸受け15は、主軸7の先端側に配置された玉軸受け5Aの主軸7の先端側に併設されていることを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械の主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工作機械の主軸装置において、主軸を支持するのに空気静圧軸受けが使用されている(特開平10−217062号公報、段落番号〔0016〕参照)。
【0003】
また、工作機械の主軸装置において、主軸を支持するのに玉軸受けが使用されている(特開2001−74045号公報、図1ないし図3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−217062号公報
【特許文献2】
特開2001−74045号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した前者の工作機械の主軸装置において、空気静圧軸受けにより支持されている主軸は、高速軽切削は可能であるが、軸受剛性が低いために荒加工には向いていない。
【0006】
また、上述した後者の工作機械の主軸装置において、玉軸受けにより支持されている主軸の場合は、減衰性が低いため、切削時にビビリを生じやすいと共に主軸先端に外部からゴミ等の異物の侵入を防ぐために、ラビリンスシールなどのシール機構を設けなければならない。シールを設けた場合、その分主軸が長くなり、最前端の玉軸受けと工具までの距離が長くなるため、ラジアル剛性が減少し固有振動数も低下し、高速回転がえられない。
【0007】
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、流体の粘性によって主軸系の減衰性を高め、切削時のビビリ発生を抑制すると共に主軸先端側のシール機能を果たしつつ、主軸先端のラジアル剛性を上げ、固有振動数を高め、高速回転を可能にした工作機械の主軸装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明の工作機械の主軸装置は、複数の玉軸受けにより主軸を支持してなる工作機械の主軸装置において、前記玉軸受けの少なくとも1つに対して空気静圧軸受けを併設したことを特徴とするものである。
【0009】
したがって、前記玉軸受けの少なくとも1つに対して空気静圧軸受けを併設したことにより、流体の粘性によって主軸系の減衰性が高められ、切削時のビビリ発生が抑制される。
【0010】
請求項2によるこの発明の工作機械の主軸装置は、請求項1の工作機械の主軸装置において、前記空気静圧軸受けは、主軸先端側に配置された玉軸受けの主軸先端側に併設されていることを特徴とするものである。
【0011】
したがって、前記空気静圧軸受けが、主軸先端側に配置された玉軸受けの主軸先端側に併設されていることにより、主軸先端側のシール機能が果たされつつ、主軸先端のラジアル剛性が上げられ、固有振動数が高められ、高速回転が可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1を参照するに、工作機械の主軸装置1は、中空形状のハウジング3を備えており、このハウジング3内には2つ一組のアンギュラ玉軸受け5A、5Bにより主軸7が回転自在に取り付けられている。前記アンギュラ玉軸受け5Aが図から明らかなように主軸7の先端側(図1において左側)を支持し、前記アンギュラ玉軸受け5Bが主軸7の後端側(図1において右側)を支持している。そして、前記アンギュラ玉軸受け5Aとアンギュラ玉軸受け5Bとの間には内輪間座9と外輪間座11が前記主軸7に装着されている。前記ハウジング3の先端側には軸受け押さえ13が設けられており、前記アンギュラ玉軸受け5Aを押さえている。
【0014】
前記主軸7の先端側に配置されたアンギュラ玉軸受け5Aの主軸先端側には空気静圧軸受け15が併設されていると共に前記軸受け押さえ13で押さえられている。前記空気静圧軸受け15は、主軸7の外周面7Aに対向する内周面15Aに複数の静圧ポケット17が設けられている。前記ハウジング3に設けられた供給口19の一端は開口されていると共に供給口19の他端は前記ハウジング3およびに軸受け押さえ13に設けられた流路21の一端に連通されている。この流路21の他端は前記軸受け押さえ13の内周面に設けられた環状溝23の一端に連通されている。この環状溝23の他端は前記各軸受け押さえ13に図1において上下方向に延伸して設けられた絞り25の一端に連通されていると共に絞り25の一端は前記静圧ポケット17に連通されている。
【0015】
上記構成により、前記ハウジング3に設けられた供給口19の一端の開口より加圧空気が供給されて、流路21、環状溝23および絞り25を経て各静圧ポケット17に加圧空気が供給されることになる。
【0016】
前記主軸7の元端側(図1において右端側)には駆動手段としての例えばビルトインモータ27が設けられている。このビルトインモータ27の後端部には排気口29が形成されている。また、前記アンギュラ玉軸受け5Bの後端部と前記ビルトインモータ27の前端部との間における前記ハウジング3の後部には環状の隙間31が設けられている。
【0017】
上記構成により、各静圧ポケット17に供給された加圧空気は、主軸7の外周面と前記空気静圧軸受け15の内周面との間をとおって主軸7の先端側とアンギュラ玉軸受け5A側へそれぞれ排出される。主軸7の先端側へ排出された空気は、外部へ放出され、アンギュラ玉軸受け5A側へ排出された空気は、アンギュラ玉軸受け5A、内輪間座9と外輪間座11との間、アンギュラ玉軸受け5Bおよび前記ハウジング3と主軸7との隙間31をとおって前記ビルトインモータ27へ流入し、ビルトインモータ27を冷却して前記排気口29から排気されることになる。
【0018】
アンギュラ玉軸受け5A、5Bのような玉軸受けに対して空気静圧軸受け15を併設することにより、静圧用の加圧空気による流体の粘性によって主軸系の減衰性が高まり、切削時のヒビリ発生を抑制せしめることができる。
【0019】
また、主軸7の外周面と空気静圧軸受け15の内周面との間をとおって主軸7の先端側へ排出される空気は、主軸7の先端側からアンギュラ玉軸受け5A、5B側へ流入しょうとする異物の侵入を防ぐため、空気静圧軸受け15はシールとしての機能を果たす。そして、この空気静圧軸受け15は、軸受剛性を有するため、主軸7の先端のラジアル剛性が上がり、固有振動数を高めることができ、高速回転が可能になる。
【0020】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
【0021】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態の説明から理解されるように、請求項1の発明によれば、前記玉軸受けの少なくとも1つに対して空気静圧軸受けを併設したことにより、流体の粘性によって主軸系の減衰性を高めることができ、切削時のビビリ発生を抑制せしめることができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、前記空気静圧軸受けが、主軸先端側に配置された玉軸受けの主軸先端側に併設されていることにより、主軸先端側のシール機能を果たすことができると共に、主軸先端のラジアル剛性を上げることができ、固有振動数を高めることができ、高速回転を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の主軸装置の正面断面図である。
【符号の説明】
1 主軸装置
3 ハウジング
5A、5B アンギュラ玉軸受け(玉軸受け)
7 主軸
9 内輪間座
11 外輪間座
13 軸受け押さえ
15 空気静圧軸受け
17 静圧ポケット
19 供給口
21 流路
23 環状溝
25 絞り
27 ビルトインモータ(駆動手段)
29 排気口
31 隙間

Claims (2)

  1. 複数の玉軸受けにより主軸を支持してなる工作機械の主軸装置において、前記玉軸受けの少なくとも1つに対して空気静圧軸受けを併設したことを特徴とする工作機械の主軸装置。
  2. 前記空気静圧軸受けは、主軸先端側に配置された玉軸受けの主軸先端側に併設されていることを特徴とする請求項1の工作機械の主軸装置。
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