JP2005001070A - ワークの匣詰め装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送ヘッドを高さ制御することなくワークの落下距離を制御できるようにすることで、装置の大型化や重量増大を招くこと少なく位置精度の高いワークの匣詰めを能率よく行うことができるワークの匣詰め装置を提供する。
【解決手段】ワークwを吸着保持し、匣詰め位置Bに搬送する搬送ヘッド1と、搬送ヘッド1を所定の匣詰め位置Bに搬送して停止させるヘッド駆動機構2と、匣詰め位置Bの下方で匣Fの昇降と停止とを行う匣昇降機構18と、匣内におけるワーク載置面高さsを測定する測定装置15と、測定装置15の測定結果に基づき、匣詰め位置Bにおいて、搬送ヘッド1からワーク載置面sに対するワークwの落下距離を所定値に調整するように、匣昇降機構18を制御する制御手段16と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】ワークwを吸着保持し、匣詰め位置Bに搬送する搬送ヘッド1と、搬送ヘッド1を所定の匣詰め位置Bに搬送して停止させるヘッド駆動機構2と、匣詰め位置Bの下方で匣Fの昇降と停止とを行う匣昇降機構18と、匣内におけるワーク載置面高さsを測定する測定装置15と、測定装置15の測定結果に基づき、匣詰め位置Bにおいて、搬送ヘッド1からワーク載置面sに対するワークwの落下距離を所定値に調整するように、匣昇降機構18を制御する制御手段16と、を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、セラミック製の電子部品などの製造において、成形されたセラミック製のワークを焼成や外部電極の焼付けをはじめとする各種熱処理を行う際に、ワーク群を匣(さや)に整列充填する、いわゆる、匣詰めを行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワークを匣詰めする一般的な手段としては、例えば、真空吸着式の搬送ヘッドを、ワーク供給位置と匣詰め位置との間で往復水平横移動させるとともに、この搬送ヘッドによって複数のワークを吸着保持して匣詰め位置の上方まで横移動した後、所定の高さまで下降して吸着を解除することで、搬送してきたワークを匣内に整列装填する形態が採用されている(特許文献1参照)。
【0003】
この場合、匣詰め位置の上方に到達した搬送ヘッドは、ワーク放出用の所定高さまで下降して吸着を解除するのであるが、匣の製作誤差などによって匣のワーク載置面高さが異なることがあり、ワークの落下距離に差異が発生することがある。この場合、例えば、落下距離が大きくなると、その分、落下衝撃が大きくなって、匣上での載置位置がズレて整列度が低下するおそれがあった。特に、ワークを複数段に積層する匣詰めの場合には、焼成工程での焼き付き防止用のセラミックパウダーを下層のワークの上に散布しておき、その上に上層のワークを載置するので、ワーク落下距離が大きくなると、下層のワーク表面に均一に散布されているセラミックパウダーが、上層のワークの落下衝撃によって飛散してしまって、パウダー層の厚さが局部的に薄くなって、焼き付きが発生するおそれがある。逆に、ワーク落下距離が小さくなり過ぎると、搬送ヘッドが匣詰め用の所定高さに到達する前に、搬送ヘッドに保持されたワークが匣上面、あるいは、下層のワークの上面に到達してしまって、ワークを載置面や下層のワークに過度に押付けて損傷させてしまうおそれがある。
【0004】
また、このような不具合なくワークを匣上に載置する手段として、匣上面の高さを検出し、その検出結果に基づいて搬送ヘッドの高さを制御して、搬送ヘッドから放出されるワークの落下距離を常に一定に保つようにする手段も提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−340465号公報(全頁、図1)
【特許文献2】
特開2002−331398号公報(全頁、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
搬送ヘッドの高さを制御することでワークの落下距離を常に一定に保つ手段によれば、落下距離の差異に起因する上記不具合の発生を防止することができるものであるが、以下のような問題があった。
【0007】
すなわち、搬送ヘッドを高精度で昇降制御するためには、サーボ機能を備えたパルスモータなどを利用した昇降駆動機構が必要となり、ワーク搬送装置全体が大型化するとともに、搬送ヘッドの重量が大きくなって高速でタクト作動させることが困難になり、処理能率を高める上での障害となる。
【0008】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、搬送ヘッドを高さ制御することなくワークの落下距離を制御できるようにすることで、装置の大型化や重量増大を招くこと少なく、位置精度の高いワークの匣詰めを能率よく行うことができる、ワークの匣詰め装置の提供を、解決しようとする課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、次のように構成している。
【0010】
本願発明に係るワークの匣詰め装置は、ワークを吸着保持し、匣詰め位置に搬送する搬送ヘッドと、前記搬送ヘッドを所定の匣詰め位置に搬送して停止させるヘッド駆動機構と、前記匣詰め位置の下方で匣の昇降と停止とを行う匣昇降機構と、前記匣内におけるワーク載置面高さを測定する測定装置と、前記測定装置の測定結果に基づき、前記匣詰め位置において、前記搬送ヘッドから前記ワーク載置面に対する前記ワークの落下距離を所定値に調整するように、前記匣昇降機構を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るワークの匣詰め装置は、次の作用がある。ワークを吸着保持した状態で搬送してきた搬送ヘッドが匣詰め位置に到達すると、搬送ヘッドは所定高さの匣詰め位置に常に維持される。また、予め匣のワーク載置面の高さが測定装置によって測定される。その測定結果に基づいて、制御手段は、匣昇降機構を制御することによって、匣の高さ位置を調整して、匣詰め位置において搬送ヘッドからワーク載置面へのワークの落下距離が所定値となるような位置で匣の昇降を停止させる。その後匣詰め位置にある搬送ヘッドのワークの吸着保持を解除することで、ワークが匣のワーク載置面に移載される。したがって、搬送ヘッドからワークを落下させて匣へ移載する匣詰め位置での匣と、搬送ヘッドとの相対的な高さ調整が、主に匣の昇降制御によって行われることになる。これにより、搬送ヘッド側において高さ制御を行うための昇降手段は設けないか、あるいは比較的小範囲で高さ調整できるものを設ける程度でよいものとなるから、搬送ヘッドの軽量化が図れ、その軽量化によって搬送ヘッドの移動の高速化が図れることでタクト時間を短縮でき、作業効率を向上できるものとなった。
【0012】
ここで、匣内におけるワーク載置面は、匣に全くワークが載置されていない状態では匣の上方に臨む面が相当する。複数のワークを積み上げる場合、匣にワークが載置されるものについては、ワーク上にさらにワークを載置させることになるので、先に載置されているワークの上面が匣内におけるワーク載置面となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1はワークの匣詰め装置の概略構成を正面視及びブロックで示す説明図、図2は、図1の匣詰め装置による匣詰めの様子を順に示す要部の正面図(図2中、(a)の搬送ヘッド1については断面形状を示す)である。
【0014】
図1を参照して、1は真空吸着式の搬送ヘッド、2は搬送ヘッド1をワーク供給位置Aと匣詰め位置Bとの間で左右水平に往復横移動させるヘッド駆動機構、3は匣詰め位置Bの下方側に配備された匣載置機構を示す。
【0015】
ヘッド駆動機構2は、横長のフレーム4と、このフレーム4に水平に架設されたネジ軸5と、このネジ軸5を正逆回転駆動するモータ6と、ネジ軸5の正逆回転によりワーク供給位置A方向と匣詰め位置B方向とに、所定ストロークで水平に往復移動する可動台7とを備え、可動台7に搬送ヘッド1が装着されている。
【0016】
搬送ヘッド1は、その下端面が複数のワークwを真空吸着保持する真空吸着面に構成された吸着ヘッドが利用されており、吸着面内部と真空装置8とが電磁制御弁9を介して配管接続されている。また、この搬送ヘッド1は、エアーシリンダ10によって一定ストロークだけ昇降駆動されるようになっており、エアーシリンダ10と加圧空気供給装置11とが、電磁制御弁12を介して配管接続されている。
【0017】
匣載置機構3には、モータ13によってネジ送り昇降される支持台14が備えられており、この支持台14の所定位置に、ワークwが整列載置される匣Fが搭載あるいは装填されるようになっている。なお、モータ13および支持台14をネジ送り昇降する機構は、匣昇降機構18を構成している。
【0018】
また、付随する機構として、支持台14に搭載あるいは装填された匣Fの上面sの高さを、レーザー測距装置によって測定する測定手段としての匣高さ測定機構15が、支持台14上方位置の測定位置と搬送ヘッド昇降域から後退した格納位置との間で、前後方向(図では紙面表裏方向)に移動可能に配備されている。
【0019】
そして、搬送ヘッド駆動用のモータ6、ワーク吸着用の電磁制御弁9、エアーシリンダ作動用の電磁制御弁12、匣昇降駆動用のモータ13、および、匣高さ測定機構15、等の電気制御機器は、制御手段としての制御装置16に接続されている。
【0020】
この匣詰め装置の構成は以上のようであり、以下、搬送ヘッド1をタクト作動させて、ワークwを匣Fに整列装填する匣詰め処理を工程順に説明する。
【0021】
(1)先ず、搬送ヘッド1はワーク供給位置Aに移動して下降され、ワーク供給装置17において整列され、待機している所定のワークwを吸着保持する。
【0022】
(2)ワークwが吸着保持されたことが負圧検出等によって確認されると、搬送ヘッド1は上限まで上昇された後、匣詰め位置B側に向けて横移動されてゆく。
【0023】
(3)他方、匣詰め位置B側では支持台14に匣Fが搭載あるいは装填され、この匣Fの上面sの高さが匣高さ測定機構15によって測定され、搬送ヘッド1が匣詰め位置B上方に到着するまでに、匣Fの上面sの高さが後述の所定高さに対応した高さ位置にあるように支持台14が昇降制御され、匣高さの調整が済むと匣高さ測定機構15はヘッド昇降域から後退移動する。なお、搬送ヘッド1の邪魔にならなければ、後退移動の必要はない。
【0024】
(4)搬送ヘッド1が匣詰め位置Bの上方に到着したことが、光センサリミットスイッチあるいはネジ軸5と連動するエンコーダなどの適宜検出手段で検知されると、ヘッド駆動機構2が停止して、図2(a)の状態で搬送ヘッド1は停止される。その後、図2(b)に示すように、エアーシリンダ10が作動されて、搬送ヘッド1が下限まで下降される。その下降した位置が搬送ヘッド1における匣詰め位置Bとなる。この匣詰め位置Bにおける搬送ヘッド1に吸着されたワークwの下面の高さは、予め既知の所定高さとして求められている。すなわち、搬送ヘッド1の下端吸着面に吸着保持されたワークwの下面と、匣Fの上面すなわち匣F内のワーク載置面sとの間隔、つまり、ワークの落下距離hが予め設定された値(例えば1.0mm)になるように、制御装置16によって匣高さが制御されている。そして、搬送ヘッド1が下限位置に至ったことが確認されると、電磁制御弁9を介して真空吸着が解除され、ワークwが所定の落下距離hでもって自重落下して、匣Fの上面sに衝撃少なく載置される。
【0025】
(5)ワークwの移載が完了すると、搬送ヘッド1が上昇されるとともに再びワーク供給位置Aに向けて復帰移動し、これで1回目の匣詰めが終了し、搬送ヘッド1は2回目のワーク取り出し作動を行う。
【0026】
(6)搬送ヘッド1が次回のワーク取出しのために移動している間に、匣上に整列載置されたワークwの上に、焼き付き防止用のセラミックパウダーpが薄く吹き付け散布されるとともに、予め入力されているワークwの厚さ(厳密にはセラミックパウダーpの厚さを加えた量)だけ匣Fを下降させるように、支持台14がモータ13によって下降制御され、この状態で次のワーク移載に備える。
【0027】
(7)搬送ヘッド1に吸着保持された2回目のワークwが匣詰め位置Bに到着すると、前回と同様に搬送ヘッド1が下限まで下降されるとともに吸着が解除されて、1回目に移載されてセラミックパウダーpが散布されたワークwの上に、この2回目のワークwが積層して移載される。ここでは、匣F内のワーク載置面は、1回目に移載されてセラミックパウダーpが散布されたワークwの上面が相当する。
【0028】
この場合、図2(c)に示すように、支持台14がワーク厚さ分だけ下降制御されているので、ワーク落下距離hは前回と同じとなる。
【0029】
(8)以下、上記工程を所定回数繰り返すことで、匣Fに複数段にワークを積層整列して装填することができ、1台の匣Fへの匣詰め処理が完了し、ワーク装填の済んだ匣Fの搬出、および、新しい匣Fの搬入あるいは装填が自動的あるいは手動で行われる。
【0030】
なお、本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0031】
▲1▼ 上記実施例では、搬送ヘッド1を一定ストロークで昇降させるようにしているが、ワーク供給位置Aおよびワーク匣詰め位置Bにおいて、ワークwを昇降させる構成にすれば、搬送ヘッド1は昇降させる必要はなく、ワーク供給位置Aと匣詰め位置Bとの間で単に横移動するだけでよい。
【0032】
▲2▼ 匣Fの高さ制御は、搬送ヘッド1が次回のワーク取出しに復帰移動している間に行えばよいので、作動精度は要求されるが、特に速度が要求されることはない。従って、モータ13としては、パルスモータなどのサーボモータを利用する他に、サーボ機能のない小型モータを利用し、サーボ系を構成するためにロータリエンコーダを用いてモータ作動量を検出するようにすることもできる。また、簡易には、モータ作動時間制御で匣Fの昇降量を制御することも可能である。
【0033】
▲3▼ 匣Fの上面sの高さ測定手段としては、上記のようにレーザー測距手段を用いて無接触で測定する他に、ポテンショメータなどを利用して接触式で測定することも可能である。
【0034】
▲4▼ ワークを複数段に積層して匣詰めする上記実施形態では、最初に匣Fの上面位置を測定して高さ制御し、その後はワーク厚さづつ匣Fを下降制御する場合を例示したが、ワークwの載置位置を毎回測定して匣Fの高さ制御を行うようにすれば、ワーク厚さの誤差を吸収して一層精度の高いワーク落下距離hを毎回確保することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明方法によれば、所定の高さ位置にある搬送ヘッドに対して、匣自体を昇降制御してワークの落下距離を制御するので、搬送ヘッドを昇降させて同様な制御を行う場合に比較して、搬送ヘッド側の構造の大型化や重量増加がなく、位置精度の高いワークの匣詰めを能率よく行うことができるようになった。
【0036】
特に、ワークを複数段に積層して匣詰めする場合には、ワークの落下距離が安定するために、散布されたセラミックパウダーの飛散をも抑えることができ、焼き付きの発生のない焼成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における匣詰め装置の概略を正面視及びブロックで示す構成図
【図2】図1の匣詰め装置による匣詰めの様子を順に示す要部の正面図
【符号の説明】
1 搬送ヘッド
2 ヘッド駆動機構
15 測定装置
16 制御装置
18 匣昇降機構
w ワーク
F 匣
s 匣内のワーク載置面
h 落下距離
B 匣詰め位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、セラミック製の電子部品などの製造において、成形されたセラミック製のワークを焼成や外部電極の焼付けをはじめとする各種熱処理を行う際に、ワーク群を匣(さや)に整列充填する、いわゆる、匣詰めを行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワークを匣詰めする一般的な手段としては、例えば、真空吸着式の搬送ヘッドを、ワーク供給位置と匣詰め位置との間で往復水平横移動させるとともに、この搬送ヘッドによって複数のワークを吸着保持して匣詰め位置の上方まで横移動した後、所定の高さまで下降して吸着を解除することで、搬送してきたワークを匣内に整列装填する形態が採用されている(特許文献1参照)。
【0003】
この場合、匣詰め位置の上方に到達した搬送ヘッドは、ワーク放出用の所定高さまで下降して吸着を解除するのであるが、匣の製作誤差などによって匣のワーク載置面高さが異なることがあり、ワークの落下距離に差異が発生することがある。この場合、例えば、落下距離が大きくなると、その分、落下衝撃が大きくなって、匣上での載置位置がズレて整列度が低下するおそれがあった。特に、ワークを複数段に積層する匣詰めの場合には、焼成工程での焼き付き防止用のセラミックパウダーを下層のワークの上に散布しておき、その上に上層のワークを載置するので、ワーク落下距離が大きくなると、下層のワーク表面に均一に散布されているセラミックパウダーが、上層のワークの落下衝撃によって飛散してしまって、パウダー層の厚さが局部的に薄くなって、焼き付きが発生するおそれがある。逆に、ワーク落下距離が小さくなり過ぎると、搬送ヘッドが匣詰め用の所定高さに到達する前に、搬送ヘッドに保持されたワークが匣上面、あるいは、下層のワークの上面に到達してしまって、ワークを載置面や下層のワークに過度に押付けて損傷させてしまうおそれがある。
【0004】
また、このような不具合なくワークを匣上に載置する手段として、匣上面の高さを検出し、その検出結果に基づいて搬送ヘッドの高さを制御して、搬送ヘッドから放出されるワークの落下距離を常に一定に保つようにする手段も提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−340465号公報(全頁、図1)
【特許文献2】
特開2002−331398号公報(全頁、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
搬送ヘッドの高さを制御することでワークの落下距離を常に一定に保つ手段によれば、落下距離の差異に起因する上記不具合の発生を防止することができるものであるが、以下のような問題があった。
【0007】
すなわち、搬送ヘッドを高精度で昇降制御するためには、サーボ機能を備えたパルスモータなどを利用した昇降駆動機構が必要となり、ワーク搬送装置全体が大型化するとともに、搬送ヘッドの重量が大きくなって高速でタクト作動させることが困難になり、処理能率を高める上での障害となる。
【0008】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、搬送ヘッドを高さ制御することなくワークの落下距離を制御できるようにすることで、装置の大型化や重量増大を招くこと少なく、位置精度の高いワークの匣詰めを能率よく行うことができる、ワークの匣詰め装置の提供を、解決しようとする課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、次のように構成している。
【0010】
本願発明に係るワークの匣詰め装置は、ワークを吸着保持し、匣詰め位置に搬送する搬送ヘッドと、前記搬送ヘッドを所定の匣詰め位置に搬送して停止させるヘッド駆動機構と、前記匣詰め位置の下方で匣の昇降と停止とを行う匣昇降機構と、前記匣内におけるワーク載置面高さを測定する測定装置と、前記測定装置の測定結果に基づき、前記匣詰め位置において、前記搬送ヘッドから前記ワーク載置面に対する前記ワークの落下距離を所定値に調整するように、前記匣昇降機構を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るワークの匣詰め装置は、次の作用がある。ワークを吸着保持した状態で搬送してきた搬送ヘッドが匣詰め位置に到達すると、搬送ヘッドは所定高さの匣詰め位置に常に維持される。また、予め匣のワーク載置面の高さが測定装置によって測定される。その測定結果に基づいて、制御手段は、匣昇降機構を制御することによって、匣の高さ位置を調整して、匣詰め位置において搬送ヘッドからワーク載置面へのワークの落下距離が所定値となるような位置で匣の昇降を停止させる。その後匣詰め位置にある搬送ヘッドのワークの吸着保持を解除することで、ワークが匣のワーク載置面に移載される。したがって、搬送ヘッドからワークを落下させて匣へ移載する匣詰め位置での匣と、搬送ヘッドとの相対的な高さ調整が、主に匣の昇降制御によって行われることになる。これにより、搬送ヘッド側において高さ制御を行うための昇降手段は設けないか、あるいは比較的小範囲で高さ調整できるものを設ける程度でよいものとなるから、搬送ヘッドの軽量化が図れ、その軽量化によって搬送ヘッドの移動の高速化が図れることでタクト時間を短縮でき、作業効率を向上できるものとなった。
【0012】
ここで、匣内におけるワーク載置面は、匣に全くワークが載置されていない状態では匣の上方に臨む面が相当する。複数のワークを積み上げる場合、匣にワークが載置されるものについては、ワーク上にさらにワークを載置させることになるので、先に載置されているワークの上面が匣内におけるワーク載置面となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1はワークの匣詰め装置の概略構成を正面視及びブロックで示す説明図、図2は、図1の匣詰め装置による匣詰めの様子を順に示す要部の正面図(図2中、(a)の搬送ヘッド1については断面形状を示す)である。
【0014】
図1を参照して、1は真空吸着式の搬送ヘッド、2は搬送ヘッド1をワーク供給位置Aと匣詰め位置Bとの間で左右水平に往復横移動させるヘッド駆動機構、3は匣詰め位置Bの下方側に配備された匣載置機構を示す。
【0015】
ヘッド駆動機構2は、横長のフレーム4と、このフレーム4に水平に架設されたネジ軸5と、このネジ軸5を正逆回転駆動するモータ6と、ネジ軸5の正逆回転によりワーク供給位置A方向と匣詰め位置B方向とに、所定ストロークで水平に往復移動する可動台7とを備え、可動台7に搬送ヘッド1が装着されている。
【0016】
搬送ヘッド1は、その下端面が複数のワークwを真空吸着保持する真空吸着面に構成された吸着ヘッドが利用されており、吸着面内部と真空装置8とが電磁制御弁9を介して配管接続されている。また、この搬送ヘッド1は、エアーシリンダ10によって一定ストロークだけ昇降駆動されるようになっており、エアーシリンダ10と加圧空気供給装置11とが、電磁制御弁12を介して配管接続されている。
【0017】
匣載置機構3には、モータ13によってネジ送り昇降される支持台14が備えられており、この支持台14の所定位置に、ワークwが整列載置される匣Fが搭載あるいは装填されるようになっている。なお、モータ13および支持台14をネジ送り昇降する機構は、匣昇降機構18を構成している。
【0018】
また、付随する機構として、支持台14に搭載あるいは装填された匣Fの上面sの高さを、レーザー測距装置によって測定する測定手段としての匣高さ測定機構15が、支持台14上方位置の測定位置と搬送ヘッド昇降域から後退した格納位置との間で、前後方向(図では紙面表裏方向)に移動可能に配備されている。
【0019】
そして、搬送ヘッド駆動用のモータ6、ワーク吸着用の電磁制御弁9、エアーシリンダ作動用の電磁制御弁12、匣昇降駆動用のモータ13、および、匣高さ測定機構15、等の電気制御機器は、制御手段としての制御装置16に接続されている。
【0020】
この匣詰め装置の構成は以上のようであり、以下、搬送ヘッド1をタクト作動させて、ワークwを匣Fに整列装填する匣詰め処理を工程順に説明する。
【0021】
(1)先ず、搬送ヘッド1はワーク供給位置Aに移動して下降され、ワーク供給装置17において整列され、待機している所定のワークwを吸着保持する。
【0022】
(2)ワークwが吸着保持されたことが負圧検出等によって確認されると、搬送ヘッド1は上限まで上昇された後、匣詰め位置B側に向けて横移動されてゆく。
【0023】
(3)他方、匣詰め位置B側では支持台14に匣Fが搭載あるいは装填され、この匣Fの上面sの高さが匣高さ測定機構15によって測定され、搬送ヘッド1が匣詰め位置B上方に到着するまでに、匣Fの上面sの高さが後述の所定高さに対応した高さ位置にあるように支持台14が昇降制御され、匣高さの調整が済むと匣高さ測定機構15はヘッド昇降域から後退移動する。なお、搬送ヘッド1の邪魔にならなければ、後退移動の必要はない。
【0024】
(4)搬送ヘッド1が匣詰め位置Bの上方に到着したことが、光センサリミットスイッチあるいはネジ軸5と連動するエンコーダなどの適宜検出手段で検知されると、ヘッド駆動機構2が停止して、図2(a)の状態で搬送ヘッド1は停止される。その後、図2(b)に示すように、エアーシリンダ10が作動されて、搬送ヘッド1が下限まで下降される。その下降した位置が搬送ヘッド1における匣詰め位置Bとなる。この匣詰め位置Bにおける搬送ヘッド1に吸着されたワークwの下面の高さは、予め既知の所定高さとして求められている。すなわち、搬送ヘッド1の下端吸着面に吸着保持されたワークwの下面と、匣Fの上面すなわち匣F内のワーク載置面sとの間隔、つまり、ワークの落下距離hが予め設定された値(例えば1.0mm)になるように、制御装置16によって匣高さが制御されている。そして、搬送ヘッド1が下限位置に至ったことが確認されると、電磁制御弁9を介して真空吸着が解除され、ワークwが所定の落下距離hでもって自重落下して、匣Fの上面sに衝撃少なく載置される。
【0025】
(5)ワークwの移載が完了すると、搬送ヘッド1が上昇されるとともに再びワーク供給位置Aに向けて復帰移動し、これで1回目の匣詰めが終了し、搬送ヘッド1は2回目のワーク取り出し作動を行う。
【0026】
(6)搬送ヘッド1が次回のワーク取出しのために移動している間に、匣上に整列載置されたワークwの上に、焼き付き防止用のセラミックパウダーpが薄く吹き付け散布されるとともに、予め入力されているワークwの厚さ(厳密にはセラミックパウダーpの厚さを加えた量)だけ匣Fを下降させるように、支持台14がモータ13によって下降制御され、この状態で次のワーク移載に備える。
【0027】
(7)搬送ヘッド1に吸着保持された2回目のワークwが匣詰め位置Bに到着すると、前回と同様に搬送ヘッド1が下限まで下降されるとともに吸着が解除されて、1回目に移載されてセラミックパウダーpが散布されたワークwの上に、この2回目のワークwが積層して移載される。ここでは、匣F内のワーク載置面は、1回目に移載されてセラミックパウダーpが散布されたワークwの上面が相当する。
【0028】
この場合、図2(c)に示すように、支持台14がワーク厚さ分だけ下降制御されているので、ワーク落下距離hは前回と同じとなる。
【0029】
(8)以下、上記工程を所定回数繰り返すことで、匣Fに複数段にワークを積層整列して装填することができ、1台の匣Fへの匣詰め処理が完了し、ワーク装填の済んだ匣Fの搬出、および、新しい匣Fの搬入あるいは装填が自動的あるいは手動で行われる。
【0030】
なお、本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0031】
▲1▼ 上記実施例では、搬送ヘッド1を一定ストロークで昇降させるようにしているが、ワーク供給位置Aおよびワーク匣詰め位置Bにおいて、ワークwを昇降させる構成にすれば、搬送ヘッド1は昇降させる必要はなく、ワーク供給位置Aと匣詰め位置Bとの間で単に横移動するだけでよい。
【0032】
▲2▼ 匣Fの高さ制御は、搬送ヘッド1が次回のワーク取出しに復帰移動している間に行えばよいので、作動精度は要求されるが、特に速度が要求されることはない。従って、モータ13としては、パルスモータなどのサーボモータを利用する他に、サーボ機能のない小型モータを利用し、サーボ系を構成するためにロータリエンコーダを用いてモータ作動量を検出するようにすることもできる。また、簡易には、モータ作動時間制御で匣Fの昇降量を制御することも可能である。
【0033】
▲3▼ 匣Fの上面sの高さ測定手段としては、上記のようにレーザー測距手段を用いて無接触で測定する他に、ポテンショメータなどを利用して接触式で測定することも可能である。
【0034】
▲4▼ ワークを複数段に積層して匣詰めする上記実施形態では、最初に匣Fの上面位置を測定して高さ制御し、その後はワーク厚さづつ匣Fを下降制御する場合を例示したが、ワークwの載置位置を毎回測定して匣Fの高さ制御を行うようにすれば、ワーク厚さの誤差を吸収して一層精度の高いワーク落下距離hを毎回確保することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明方法によれば、所定の高さ位置にある搬送ヘッドに対して、匣自体を昇降制御してワークの落下距離を制御するので、搬送ヘッドを昇降させて同様な制御を行う場合に比較して、搬送ヘッド側の構造の大型化や重量増加がなく、位置精度の高いワークの匣詰めを能率よく行うことができるようになった。
【0036】
特に、ワークを複数段に積層して匣詰めする場合には、ワークの落下距離が安定するために、散布されたセラミックパウダーの飛散をも抑えることができ、焼き付きの発生のない焼成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における匣詰め装置の概略を正面視及びブロックで示す構成図
【図2】図1の匣詰め装置による匣詰めの様子を順に示す要部の正面図
【符号の説明】
1 搬送ヘッド
2 ヘッド駆動機構
15 測定装置
16 制御装置
18 匣昇降機構
w ワーク
F 匣
s 匣内のワーク載置面
h 落下距離
B 匣詰め位置
Claims (1)
- ワークを吸着保持し、匣詰め位置に搬送する搬送ヘッドと、
前記搬送ヘッドを所定の匣詰め位置に搬送して停止させるヘッド駆動機構と、
前記匣詰め位置の下方で匣の昇降と停止とを行う匣昇降機構と、
前記匣内におけるワーク載置面高さを測定する測定装置と、
前記測定装置の測定結果に基づき、前記匣詰め位置において、前記搬送ヘッドから前記ワーク載置面に対する前記ワークの落下距離を所定値に調整するように、前記匣昇降機構を制御する制御手段と、
を備える、ことを特徴とするワークの匣詰め装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003168754A JP2005001070A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | ワークの匣詰め装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003168754A JP2005001070A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | ワークの匣詰め装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005001070A true JP2005001070A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34094101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003168754A Pending JP2005001070A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | ワークの匣詰め装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005001070A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015217451A (ja) * | 2014-05-14 | 2015-12-07 | ファナック株式会社 | 外力監視機能を有するワーク搬送方法システム |
-
2003
- 2003-06-13 JP JP2003168754A patent/JP2005001070A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015217451A (ja) * | 2014-05-14 | 2015-12-07 | ファナック株式会社 | 外力監視機能を有するワーク搬送方法システム |
US10471603B2 (en) | 2014-05-14 | 2019-11-12 | Fanuc Corporation | System for conveying workpiece having external force monitoring function |
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