JP2004537601A - フルオロアルキルで変性されたオルガノシラン及びそれをコーティング組成物中に使用する方法 - Google Patents
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Abstract
フルオロアルキル変性オルガノシラン、それの製造方法及び使用方法、特にコーティング組成物の被汚染性を低減させる目的でこのような組成物中に使用する方法。
本発明は、次の一般式(I)
【化1】
[式中、Rは、式Cn Z2n+1(CH2 )m −(nは1以上、mは1以上であり、そしてZは水素原子もしくはフッ素原子のいずれかであるが、ただし少なくとも一つのZはフッ素原子である)で表されるフッ素化されたまたは部分的にフッ素化されたアルキル基であり、
Yは、水素原子、または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
Xは、水素原子、炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、式ROC(O)(CHY)(CH2 )−で表される基、フェニル基またはベンジル基であり、
R1 は、炭素原子数1〜20の線状もしくは分枝状アルキレン基であり、そして
R2 、R3 及びR4 は、炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、または炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルコキシ基であり、なお、後者のアルコキシ基は、その酸素原子を介してケイ素原子に結合している]
で表されるオルガノシラン、それの製造方法及び使用方法、特にコーティング組成物の被汚染性を低減させる目的でこのような組成物中に使用する方法に関する。
本発明は、次の一般式(I)
【化1】
[式中、Rは、式Cn Z2n+1(CH2 )m −(nは1以上、mは1以上であり、そしてZは水素原子もしくはフッ素原子のいずれかであるが、ただし少なくとも一つのZはフッ素原子である)で表されるフッ素化されたまたは部分的にフッ素化されたアルキル基であり、
Yは、水素原子、または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
Xは、水素原子、炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、式ROC(O)(CHY)(CH2 )−で表される基、フェニル基またはベンジル基であり、
R1 は、炭素原子数1〜20の線状もしくは分枝状アルキレン基であり、そして
R2 、R3 及びR4 は、炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、または炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルコキシ基であり、なお、後者のアルコキシ基は、その酸素原子を介してケイ素原子に結合している]
で表されるオルガノシラン、それの製造方法及び使用方法、特にコーティング組成物の被汚染性を低減させる目的でこのような組成物中に使用する方法に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロアルキルで変性されたオルガノシラン、それの製造方法、及び使用方法、特にコーティング組成物中に添加物として使用してコーティング組成物の被汚染性を低減する方法に関する。得られるコーティング組成物は、界面活性剤様の比較化合物が配合されたコーティング組成物と比較して、向上された耐水性も有する。更に、汚染分散物で繰り返し汚染した際にでさえそれの含浸効果は明らかである。
【背景技術】
【0002】
パーフルオロアルキル基を含む低分子量化合物をコーティング組成物に加えることで、このような組成物の被汚染性(Soiling tendency)が低減することは公知である。
【0003】
例えば、米国特許第4,208,496号は、式F(CF2 )n CH2 CH2 SCH2 CH2 COOLiで表されるイオン性乳化剤を含む撥汚性塗料組成物を開示している。しかし、この乳化剤は、形成される塗料フィルム中に固定させ得るような官能基を分子中に含まない。
【0004】
しかし、化学的な共有結合をしていない乳化剤は、塗膜から容易に滲出する恐れがあることも知られている。更に、塗膜の耐水性は、化学的な共有結合をしてない乳化剤によって悪影響を受ける。
【0005】
また、式Cn F2n+1(CH2 )2 Si(OR)3 で表される低分子量のシラン変性パーフルオロアルカン化合物、例えばC6 F13(CH2 )2 Si(OEt)3 も公知である。この化合物の使用法の一つは、鉱物性物質を含浸処理することである。しかし、この化合物で処理するべき領域は、施用の前に洗浄しなければならず、そして添加物の施用を繰り返し行う必要がある場合がある。添加剤に要される費用が高いこと及び複数回作業しなければならないことから、この高品質の耐汚れシーリングは非常に高額となる。上記の物質は、そのヒドロシリル化による合成に貴金属触媒を使用しなければならないため高額である。
【0006】
特開平8−109580号は、繊維の含浸処理用のアミノ含有シロキサン化合物の製造法を開示している。ジアミン官能化オリゴマー性もしくはポリマー性シロキサンが、(メタ)アクリル酸エステルとの付加反応に付される。しかし、ジアミンの存在は、活性物質分子の酸化的分解に対する攻撃点を増加させ、更に、化合物の極性及び親水性を増大させる。
【0007】
特開平9−279049号も同様に、過フッ素化もしくは部分的にフッ素化されたアルキル基を含むエチレン性不飽和化合物とジアミノシランとの付加物と、ケイ素基を含むポリマーとからなるケイ素化合物を開示している。しかし、上述の通り、ジアミン類は、第二アミン基を含まない他は構成的には同一の化合物と比較して、それらのより高い極性の故に、より大きい吸水性及びより激しい黄変を招くことは当業者には公知である。上記の黄変は、窒素原子に対する酸化攻撃の結果起こる。更に、複雑なジアミンまたはオリゴアミンは、簡単なアミノシランと比べるとその製造により費用がかかる。また更に、付加物生成のためのアミノ基上の少なくとも三つの遊離の原子価の存在は、ジアミノシランの場合には、仕上げ処理できないような複雑な生成物混合物が生ずる結果を招く。それゆえ、特定の物質を合成することは、経済的に可能ではない。オリゴシランについてはなおさら、これと同じことが言える。
【0008】
アミノ含有シラン及び/または(ポリ)シロキサンと、(オリゴ)ヒドロキシ基または糖基で変性された(メタ)アクリレートとの付加反応による親水性オルガノケイ素化合物の製造法は、ドイツ特許出願公開第19854186号に記載されている。好ましくは、アミノ−オルガノポリシロキサンは、(メタ)アクリル酸エステルとの付加反応に付される。しかし、親水性基を備えた、被汚染性を低減するためのこのような添加物の欠点の一つは、それらの大きい吸水性である。
【0009】
更に、ごく最近の研究では、屋外用のコーティング材にシロキサンを加えることは、戸外の気候中でのそれらの被汚染性を低めるというよりもむしろ高める傾向があるとの報告がある。これは、とりわけ、疎水性の塗膜に対する疎水性の汚れ成分(煤を含む)の高い親和性のためである(O.Wagner“Farbe und Lack”, 2001, 107, 105−134)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それゆえ、本発明の課題の一つは、適度な合成コスト及び原料コスト並びに得られるコーティング組成物の低い吸水性を特徴とする、コーティング組成物及びポリマー分散物の被汚染性を低減する目的の添加物を開発することであった。また、その化合物が、ポリマー性添加物及び低分子量添加物の両方の利点を兼ね備えていることも目的とされた。すなわち、上記添加物は、一方では、疎水性の空気/塗膜界面において疎水性基の集積を可能とするために、フィルムの凝固の際に高い移行能力を発揮し、そして他方では、ポリマー性のフッ素化含浸処理用添加物によって達成されるような、塗膜中で降雨による滲出に対する高い耐性を奏するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以下の一般式(I)
【0012】
【化1】
【0013】
[式中、Rは、式Cn Z2n+1(CH2 )m −で表されるフッ素化もしくは部分的にフッ素化されたアルキル基であり、この際、nは1以上、mは1以上であり、そしてZは、水素原子またはフッ素原子のいずれかであり、但し、少なくとも一つのZはフッ素原子であり、
Yは、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であり、
Xは、水素原子、炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、式ROC(O)(CHY)(CH2 )−で表される基、フェニル基またはベンジル基のいずれかであり、
R1 は、炭素原子数が1〜20の線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、そして
R2 、R3 及びR4 は、炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状のアルキル基、または炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、なお、後者のアルコキシ基は、その酸素原子を介してケイ素原子に結合している]
で表されるオルガノシランを提供する。
【0014】
好ましいオルガノシランは、一般式(I)中、Rが式Cn F2n+1(CH2 )m −で表されるフッ素化されたアルキル基である、同式で表されるものである。
【0015】
他の好ましいオルガノシランは、一般式(I)中、nが1〜30であり、そしてmが1〜4である、同式で表されるものである。
【0016】
更に別の好ましいオルガノシランは、一般式(I)中、Xがメチル、エチル、プロピル、フェニルもしくはベンジル基であり、Yが、水素原子またはメチル基であり、R1 が−(CH2 )3 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −または−C2 H4 −基であり、そしてR2 、R3 及びR4 が、CH3 O−、C2 H5 O−またはCH(CH3 )2 O−基である、同式で表されるものである。
【0017】
特に好ましいオルガノシランは、一般式(I)中、Rが、式Cn F2n+1(CH2 )m −で表されるフッ素化されたアルキル基であり、nが6〜14であり、そしてmが2である、同式で表されるものである。nが6〜14でありそしてmが2である前記式で表されるアルキル基は、合成コスト及び原料コスト、フルオロアルカン鎖の(不所望な)結晶化傾向、及び含浸効果の間で最良の妥協点を与える。酸素エステル結合との間にエチルスペーサーを含む上記の部分のフルオロアルカン残基を有する(メタ)アクリル酸エステルがカップリング成分として使用された場合は、生ずるフルオロアルキルシランは、室温で液状であり、それゆえ、コーティング組成物またはラテックス分散液に簡単に配合することができる。
【0018】
特に好ましいものは、一般式(I)中、
Xがエチル基であり、
Yが水素原子もしくはメチル基であり、
R1 が−CH2 CH(CH3 )CH2 −基であり、そして
R2 、R3 及びR4 がCH3 O−基であるか、
または
Xがメチル基であり、
Yが水素原子もしくはメチル基であり、
R1 が−(CH2 )3 −基であり、そして
R2 、R3 及びR4 がCH3 O−基である、
同式で表されるオルガノシランである。
【0019】
本発明のオルガノシランは、疎水性及び疎油性の両方の性質を有し、そしてシロキサン基を含まない。本発明のオルガノシランの唯一のケイ素官能基、すなわちシラン基は、疎水性及び疎油性のフルオロアルキル基を基体上に固定させる働きをする。
【0020】
本発明は、更に、本発明のオルガノシランの製造方法も提供する。
【0021】
本発明のオルガノシランは、好ましくは、マイケル反応に類似して、ω−アミノアルキルシランのアミノ基を、フッ素化された側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルの二重結合に付加させることによって製造される。この際、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸のエステル及びメタクリル酸のエステルの双方を意味する。
【0022】
それゆえ、本発明は、本発明のオルガノシランを製造する方法であって、以下の一般式(II)の(メタ)アクリル酸エステルを、以下の一般式(III)のω−アミノアルキルシランと反応させることを特徴とする上記方法を提供する。
【0023】
【化2】
【0024】
[式中、Rは、式Cn Z2n+1(CH2 )m −で表されるフッ素化もしくは部分的にフッ素化されたアルキル基であり、この際、nは1以上、mは1以上であり、そしてZは、水素原子またはフッ素原子のいずれかであり、但し、少なくとも一つのZはフッ素原子であり、
Yは、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であり、
Xは、水素原子、炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、式ROC(O)(CHY)(CH2 )−で表される基、フェニル基またはベンジル基のいずれかであり、
R1 は、炭素原子数が1〜20の線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、そして
R2 、R3 及びR4 は、炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状のアルキル基、または炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、なお、後者のアルコキシ基は、その酸素原子を介してケイ素原子に結合している]
上記の反応は、溶剤の不存在下に、または水、有機溶剤またはこれらの混合物を加えて行われる。この反応は、好ましくは、大気圧(1bar)下に行われるが、加圧下もしくは減圧下に行ってもよい。また触媒を使用して反応を促進させることも可能である。
【0025】
上記製造法に溶剤が使用される場合は、反応生成物はその反応溶剤中に溶解した形で使用されるか、または使用した溶剤は除去される。望ましいならば、得られた生成物を、溶剤の除去の後に、他の溶剤中に溶解させるかあるいは水または他の液体中に分散させることができる。この目的のためには乳化剤を使用することができる。
【0026】
本発明の更に別の好ましい対象の一つは、本発明のオルガノシランを、特にコーティング組成物中で、被汚染性を低減させるために表面処理に使用する方法である。
【0027】
本発明のオルガノシランは、追加的に、特にコーティング組成物(例えば、木材を塗装するためのワニス)及びポリマー分散液中で、ブロッキング防止剤としても使用できる。
【0028】
それゆえ、本発明の更に別の対象の一つは、本発明のオルガノシランを表面処理のためのブロッキング防止剤、特にコーティング組成物中でこのような目的に使用する方法である。
【0029】
事実、驚くべきことに、本発明のオルガノシランは、ポリマー分散液中の添加物として、生ずる塗膜の耐ブロッキング性、すなわち類似法で処理された表面または他の表面への粘着に対する耐性を顕著に向上させることが見出された。例えば、コア−シェル構造を有するスチレン−アクリレート分散物は、通常、木材基体上のワニスフィルムにおいて中程度の耐ブロッキング性を示すが、本発明のオルガノシランを極少量(例えば0.5重量%)加えただけでも優れた耐ブロッキング性(50℃及び室温で測定して、類似法で処理された表面に対するブロッキング傾向)を与える。
【0030】
また同様に、表面の疎水化及び疎油化のために本発明のオルガノシランを使用する方法も、本発明によって提供される。
【0031】
全ての最終用途に関して、表面の塗装は、好ましくは、本発明のオルガノシランをそのままで、溶液の形でもしくは分散液として被処理表面に吹き付けするか、被処理表面を、該添加物の溶液もしくは分散液中に浸漬するか、または該オルガノシランをブラシもしくはローラーを用いて施用するか、あるいは少なくとも一種のポリマー性バインダーをそのままで、溶液の形でもしくは分散液として含む施用が意図されるコーティング組成物に該オルガノシランを加え、そしてこのコーティング組成物を表面に施用することによって行われる。
【0032】
また、本発明の添加物を、表面用の離型剤として使用することも可能である。
【0033】
しかし、本発明はコーティング組成物それ自体も提供する。
【0034】
この際好ましいものは、
a) 少なくとも一種のポリマー性バインダー、
b) 少なくとも一種の本発明のオルガノシラン、及び
c) 必要に応じて、顔料、フィラー、分散剤、増粘剤、保護コロイド、湿潤剤、防腐剤、アルジサイド、耐腐食性顔料、UVフィルター物質、UV開始剤及び/または更に別の助剤、
を含むコーティング組成物である。
【0035】
この際、該コーティング組成物は、一種または二種以上のポリマー性バインダーを液状物中に溶液、分散液もしくはエマルションとして含むかまたはそのままで含む(後者は、例えば、コーティング組成物が粉体塗料材料である場合)。ポリマー性バインダーとしては、当業者に公知の如何なるポリマー性バインダーでも使用することができる。好ましいポリマー性バインダーは、ポリ(アクリレート)、ポリ(スチレンアクリレート)、ポリ(ウレタン)、ポリ(エステル)、ポリエステルポリオール、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、アルキド樹脂、またはポリ(スチレンアクリレート)もしくはポリ(アクリレート)とポリ(ウレタン)及び/またはアルキド樹脂とのハイブリッド分散物である。これらのポリマーの混合物も使用できる。
【0036】
特に好ましくは、本発明のオルガノシランは、UV開始剤(例えばベンゾフェノン誘導体)を含みそしてポリマー性バインダー含有の顔料着色された屋外用塗料における初期被汚染性を低減させるために使用される。UV開始剤は、ポリマー性バインダー中に存在していてもよいし、またはコーティング組成物中にその調製の間に加えてもよい。これらの塗料の好ましい用途には、例えば、弾性屋外用塗料及び路面標示塗料が包含される。
【0037】
それゆえ、特に好ましいものは、少なくとも一種のUV開始剤を更に含むコーティング組成物である。
【0038】
該撥汚性オルガノシランは、コーティング組成物またはポリマーフィルムの表面に移行し、そしてUV開始剤がポリマー性バインダーの外表層を硬化させるまで、柔軟なポリマー性バインダーが汚れ粒子に粘着することを防ぐ。事実、日射量に依存するが、UV開始剤が塗装の表面を硬化させるまでにはかなりの時間がかかる場合がある。
【0039】
更に、上記オルガノシランがコーティング組成物またはポリマー性フィルムの表面に移行した後、オルガノシランの反応性基はポリマーの反応性基と並びに存在する場合は恐らくは顔料及び/またはフィラーの反応性基とも反応する。これは、オルガノシランが、塗装の表面から滲出することが防がれ得るということを意味する。
【0040】
更にまた、驚くべきことに、本発明のオルガノシランの撥汚効果は、エチレン性不飽和ω−ヒドロキシアルキルアクリレートまたはω−ヒドロキシアルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)及びこれらに加えてエポキシアルキルシラン(例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランもしくはγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)を含むポリマー分散物を含有するコーティング組成物(ワニスも含む)に使用した際に強化されることが見出された。
【0041】
他の好ましい態様の一つでは、本発明のコーティング組成物の上記少なくとも一種のポリマー性バインダーは、モノマー性構成単位(コモノマー)としての少なくとも一種のω−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及び式BSiR3 の少なくとも一種のエポキシアルキルシランを含む。なお、前記式中、基Bは、少なくとも一つのオキシラン官能基を有する有機基であり、そして基Rは、式−Cn H2n+1もしくは−OCn H2n+1(nは1〜10の数である)で表されるアルキルもしくはアルコキシ基である。
【0042】
使用される特に好ましいω−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの一つは、2−ヒドロキシ−エチルメタクリレートであり、そして使用される特に好ましいエポキシアルキルシランの一つは、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランもしくはγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランである。
【0043】
該オルガノシランをコーティング組成物中に使用する場合は、これらは、溶液もしくは分散液の形のポリマー性樹脂に直接加えてもよいし、あるいは塗膜の形成中に及び/または塗料の調製中に加えてもよい。
【0044】
該添加物が表面の含浸処理に直接使用される場合は、これらは好ましくは溶液もしくは分散液として施用される。
【0045】
本発明を、以下の例に基づいてより詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの例に限定されない。
【実施例】
【0046】
A) 分析方法の説明:
含浸処理された表面の疎水性、疎油性及び撥汚効果は以下のように測定した。
吸水性の測定:
脱イオン水9gをコーティング組成物15gに加え、そしてこの混合物を、スタンドリム(stand rim)が付いたプラスチック製ビーカー(直径約11cm)の下面に注ぐ。このコーティングフィルムを室温で7日間乾燥する。この期間中、フィルムを毎日剥がして一回裏返す。次いで、3×3cmの寸法の試験片をこのフィルムに切り込み、そして基体から剥がす。このフィルムを秤量し(二回)、次いでペトリ皿中で水中に24時間置いておく。次いで、セルロース布を当てて水を取り、そしてフィルムを再び秤量する。初期重量に対する重量の増分(%)が、第一吸水率に相当する。次いで、この試験片を二日間乾燥し、そして秤量し、24時間水に曝し、セルロース布を当てて水を取り、次いで再び秤量する。第二吸水率(%)を、第一吸水率と同じように測定する。
白化(水感応性)の測定:
200μmボックスタイプバーコーターを用いて分散液をガラス製プレート(5×8cm)にナイフ塗布し、40℃で1時間乾燥し、そして室温で更に一晩乾燥する。次いで、このサンプルを、脱イオン水で満たしたペトリ皿中に入れ、そして約15分後に、ポリマーフィルムの白化(Blushing)を1〜5の相対尺度(1=非常に良好、5=不適)で評価する。
乾燥被汚染性の測定:
200μmボックスタイプバーコーターを用いてガラスプレートに塗装を施し、そして23℃及び50%相対湿度の条件下に24時間、空調室中に置く。次いで、エリクセン側色計モデル526(測定ジオメトリ45°/0°)を用いて、CIELABカラーシステムにおける明度L* を、外部標準白色(L* =94.33)に比して測定する。ドライブラシを用いて、フライアッシュ、またはフライアッシュ99.5重量部と煤0.5重量部からなる混合物を上記のサンプルプレートにこすり付け、そしてこれを、次いで、そのブラシで激しくブラッシングする。この汚したプレートの明度L* を繰り返し測定する。元々のL* 値からの差をΔL* と称する。
湿潤被汚染性の測定:
サンプルの調製は上記の乾燥被汚染性の場合と同じであるが、但し、基体としては、ファイバーセメントシートのエタープラン(Eterplan)300×150×4mmを使用する。フィルムの湿潤厚さは300μmである。L* 値を測定した後(エリクセン比色計526,上記参照)、ドリップトレイの上で、塗膜を支持体に乗せて水平から60℃の傾きで上向きに置いた状態にしてその乾燥サンプルを固定する。
【0047】
次いで、標準汚れの水性分散液500mlを、蠕動ポンプを用いて上記サンプル上で循環させる。このポンプは、1分間当たり約500mlの量を輸送する。流れ落ちた汚染用分散液は上記のトレイに集め、そして再び上記のサンプル上に流す。この作業の間、この分散液はマグネチックスターラーを用いて攪拌する。30分後、作業サイクルを中断し、そしてサンプルを室温で24時間乾燥する。次いで、エリクセン比色計526を用いて明度L* を測定する。次いで、このサンプルを、再び、汚染及び乾燥サイクルに付す。各乾燥サイクル後には、その都度L* 値を測定する。各々の場合において、汚染前の元のL* 値からの差を計ることによってΔL* 値が得られる。各々のサイクル毎に、新しい汚染液を使用する。この汚染液は以下のように調製する。
【0048】
17gのガスブラックFW200、70gの日本標準ダストNo.8及び13gの特殊ピッチNo.5(Worlee製)を秤量して1000ml容積のパウダーボトルに入れ、そして400cm3 のガラスビーズを加える。この混合物を、ローラーベッドにて24時間混合し、そして篩にかけてガラスビーズを取り除く。この粉末を乳鉢及び乳棒を用いて均一化する。1gの標準汚染粉を、1gのブチルグリコールと一緒にガラス容器に入れ、そして998gの水を加える。この分散液をマグネチックスターラーを用いて攪拌する。
B)各例の説明:
例1
フルオロアルキル変性オルガノシランの製造
反応の過程は、アミン価によって並びに1 H−NMRによってアクリレート二重結合のプロトンの強度から分析的に監視した。
a)生成物A
Silquest(R) A−Link15(シルクエストA−リンク15)(N−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミン、クロムプトン社製)50g及びFluowet(R) AC812(フルオウェットAC812)(CH2 =CHCOOCH2 CH2 (CF2 CF2 )n F、n=3〜6、クラリアント社製)125gを、250mlフラスコ中で、N2 雰囲気下に75℃の温度で攪拌しながら6時間反応させた。室温に冷却すると、固形物及び液体の画分を含むオレンジ褐色塊状物の形の生成物が175g得られた。
b)生成物B
50gのSilquest(R) A−Link15及び117gのFluowet(R) AC800(CH2 =CHCOOCH2 CH2 (CF2 CF2 )4 F、クラリアント社製)を、250mlフラスコ中で、N2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら6時間反応させた。室温に冷却すると、部分的に結晶性で、なお部分的に液状のオレンジ褐色の塊状物の形の生成物が167g得られた。
c)生成物C
50gのSilquest(R) A−Link15及び125gのFluowet(R) AC812を、500mlフラスコの中で、無水酢酸ブチル150g中でN2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら8時間反応させた。室温まで冷却すると、透明なオレンジ色の溶液の形の生成物が325g得られた。
d)生成物D
30gのSilquest(R) A1100(3−トリエトキシシリル−1−プロパンアミン、クロムプトン社製)及び153gのFluowet(R) MA812を、250mlフラスコ中で、N2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら10時間反応させた。室温まで冷却すると、部分的に結晶性で、なお部分的に液体のオレンジ褐色の塊状物の形の生成物が183g得られた。
e)生成物E
40gのSilquest(R) A1100及び152gのFluowet(R) AC600(CH2 =CHCOOCH2 CH2 (CF2 CF2 )3 F、クラリアント社製)を、500mlフラスコの中で、無水酢酸ブチル150g中でN2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら8時間反応させた。室温まで冷却すると、透明な黄オレンジ色の溶液の形の生成物が342g得られた。
f)生成物F
50gのSilquest(R) A1100及び142gのFluowet(R) AC600を、500mlフラスコの中で、無水酢酸ブチル150g中でN2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら8時間反応させた。室温まで冷却すると、透明な黄オレンジ色の溶液の形の生成物が342g得られた。
【0049】
【表1】
【0050】
例2
弾性石造物用塗料( elastic masonry coatings)の製造
水100g中に、攪拌しながら、Calgon(R) (カルゴン)Nの10%濃度溶液(5g)、Coatex(R) (コアテックス)P90(1.4g)及びFoammaster(R) (フォームマスター)111FA(2g)を順番に加えた。次いで、二酸化チタン(Kronos(R) (クロノス)L2310)80g及び炭酸カルシウム(Durcal(R) (ドゥルカル)2)380gを順番に加えそしてこの混合物をディスソルバーを用いて5000rpmで15分間攪拌した。次いで、分散液(固形物含有率=約60%)382.3gを500rpmで加え、次いで20%濃度アンモニア水1gを加え、そしてこの混合物を5分間攪拌した。最後に、2gのMergal(R) (マーガル)K9、2gのブチルジグリコール、10gのプロピレングリコール、5gのWhite Spirit(R) (ホワイトスピリット)17/18を加え、そして終いにCoatex(R) BR100(7.5g)と水(23.2g)からなる溶液を加えた。次いで、この混合物を更に約5分間攪拌した。
【0051】
この塗料は、使用の前に、室温で少なくとも更にもう一日貯蔵する。
【0052】
上記分散液には、それを着色剤ペーストに加える前に以下の添加物を加えた。
【0053】
【表2】
【0054】
例3
石造物用塗料の乾燥被汚染性の測定
この測定法に関連して、上述のフライアッシュ/煤混合物を用いて汚染を行った。
【0055】
【表3】
【0056】
表3から明らかなように、ごく少量加えただけでも、乾燥被汚染性に明らかな改善が得られた。
例4
石造物用塗料の吸水性の測定
【0057】
【表4】
【0058】
表4に示されるように、本発明のオルガノシランを含む塗料は、添加物が非反応性フルオロ乳化剤であるものと比較して吸水率が減少した。
例5
石造物用塗料の湿潤被汚染性の測定
【0059】
【表5】
【0060】
表5が示すように、界面活性剤の性質は有するが、反応性官能基を持たない添加物と比較して、本発明のオルガノシランは塗料の初期湿潤被汚染性を改善する。
例6
被汚染性を低減させるための様々な添加物をMowilith(R) LDM 6636(クラリアント社)分散液に加え、そしてこの混合物をパドルスターラーを用いて10分間均一化した。その後、各々の混合物を、300μmボックスタイプコーターバーを用いてガラス製プレートに施用し、そして室温で24時間乾燥させた。
【0061】
【表6】
【0062】
表6から示されるように、本発明のオルガノシランは、耐水性を向上させるが、従来技術の添加物のようにこれを低減させることはない。
例7
屋外用塗料の調製
水130g中に、2gのTylose(R) MH4000KG4(クラリアント社製)、3gのMowiplus(R) (モビィプラス)XW330(クラリアント社製)、11gのCalgon(R) N(10重量%濃度)及び2gの25%アンモニア水を順番に溶解させた。2gのMergal(R) K10N(トロイ社製)、4gのAgitan(R) (アギタン)232(ミュンチンク(Muenzing)社製)及び次いで226gの二酸化チタンKronos(R) 2065(クロノスチタン社製)を添加した後、168gのOmyacarb(R) (オミヤカルブ)5GU、38gのマイクロタルクAT1及び20gのチャイナクレーを加え、そしてこの混合物をディスソルバーディスクを用いて5000rpmで15分間剪断した。次いで、Mowilith(R) LDM6636(クラリアント社)375gを500rpmで導入した。この分散液は、適当ならば撥汚性添加物と混合する。これは、パドルスターラーを用いて予め分散液に配合される。最後に、11gのホワイトスピリット及び8gの酢酸ジグリコールブチルを加え、そして更に約10分間攪拌を続ける。
【0063】
【表7】
【0064】
この塗料は使用前に少なくとも一日間貯蔵される。
例8
屋外用塗料の乾燥被汚染性の測定(煤を加えたフライアッシュ)
【0065】
【表8】
【0066】
例9
ワニス中のスチレン−ブチルアクリレートポリマー分散液の乾燥被汚染性(煤を加えたフライアッシュ)の測定
水中80℃で乳化重合することによって製造されたスチレン−ブチルアクリレートポリマー分散液(固形物含有率:50%、Tg:20℃、全モノマーを基準にして3.8重量%の割合で2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を共重合された形で含む)を、
a) 添加物と混合しない;
b) 分散液の固形物含有量を基準にして0.5重量%の量のγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランと混合した; 及び
c) 分散液の固形物含有量を基準にして0.5重量%の量のγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、その後、分散液の固形物含有量を基準にして1重量%の量の例1bのオルガノシランと混合した。
【0067】
得られた分散液混合物を、ボックスタイプコーターバーを用いてガラス製プレートに施用し(300μm湿潤フィルム厚さ)そして室温で24時間乾燥させた。次いで、乾燥被汚染性(フライアッシュ/煤混合物)を測定した。結果を表9に示す。
例10
ワニス中のスチレン−ブチルアクリレートポリマー分散液の乾燥被汚染性(煤を加えたフライアッシュ)の測定
2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含まないことを除き例9のものと同じ組成を有するスチレン−ブチルアクリレートポリマー分散液を、
a) 添加物と混合しない;
b) 分散液の固形物含有量を基準にして0.5重量%の量のγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランと混合した; 及び
c) 分散液の固形物含有量を基準にして0.5重量%の量のγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、及び分散液の固形物含有量を基準にして1重量%の量の例1bのオルガノシランと混合した。
【0068】
得られた分散液をボックスタイプのコーターバーを用いてガラス製プレートに施用し(300μm湿潤フィルム厚さ)そして室温で24時間乾燥させた。次いで、乾燥被汚染性(フライアッシュ/煤混合物)を測定した。結果を表9に示す。
【0069】
【表9】
【0070】
表9が示すように、ω−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン及び本発明のフルオロアルキル変性オルガノシランの組み合わせは、撥汚効果を強化する。
【0001】
本発明は、フルオロアルキルで変性されたオルガノシラン、それの製造方法、及び使用方法、特にコーティング組成物中に添加物として使用してコーティング組成物の被汚染性を低減する方法に関する。得られるコーティング組成物は、界面活性剤様の比較化合物が配合されたコーティング組成物と比較して、向上された耐水性も有する。更に、汚染分散物で繰り返し汚染した際にでさえそれの含浸効果は明らかである。
【背景技術】
【0002】
パーフルオロアルキル基を含む低分子量化合物をコーティング組成物に加えることで、このような組成物の被汚染性(Soiling tendency)が低減することは公知である。
【0003】
例えば、米国特許第4,208,496号は、式F(CF2 )n CH2 CH2 SCH2 CH2 COOLiで表されるイオン性乳化剤を含む撥汚性塗料組成物を開示している。しかし、この乳化剤は、形成される塗料フィルム中に固定させ得るような官能基を分子中に含まない。
【0004】
しかし、化学的な共有結合をしていない乳化剤は、塗膜から容易に滲出する恐れがあることも知られている。更に、塗膜の耐水性は、化学的な共有結合をしてない乳化剤によって悪影響を受ける。
【0005】
また、式Cn F2n+1(CH2 )2 Si(OR)3 で表される低分子量のシラン変性パーフルオロアルカン化合物、例えばC6 F13(CH2 )2 Si(OEt)3 も公知である。この化合物の使用法の一つは、鉱物性物質を含浸処理することである。しかし、この化合物で処理するべき領域は、施用の前に洗浄しなければならず、そして添加物の施用を繰り返し行う必要がある場合がある。添加剤に要される費用が高いこと及び複数回作業しなければならないことから、この高品質の耐汚れシーリングは非常に高額となる。上記の物質は、そのヒドロシリル化による合成に貴金属触媒を使用しなければならないため高額である。
【0006】
特開平8−109580号は、繊維の含浸処理用のアミノ含有シロキサン化合物の製造法を開示している。ジアミン官能化オリゴマー性もしくはポリマー性シロキサンが、(メタ)アクリル酸エステルとの付加反応に付される。しかし、ジアミンの存在は、活性物質分子の酸化的分解に対する攻撃点を増加させ、更に、化合物の極性及び親水性を増大させる。
【0007】
特開平9−279049号も同様に、過フッ素化もしくは部分的にフッ素化されたアルキル基を含むエチレン性不飽和化合物とジアミノシランとの付加物と、ケイ素基を含むポリマーとからなるケイ素化合物を開示している。しかし、上述の通り、ジアミン類は、第二アミン基を含まない他は構成的には同一の化合物と比較して、それらのより高い極性の故に、より大きい吸水性及びより激しい黄変を招くことは当業者には公知である。上記の黄変は、窒素原子に対する酸化攻撃の結果起こる。更に、複雑なジアミンまたはオリゴアミンは、簡単なアミノシランと比べるとその製造により費用がかかる。また更に、付加物生成のためのアミノ基上の少なくとも三つの遊離の原子価の存在は、ジアミノシランの場合には、仕上げ処理できないような複雑な生成物混合物が生ずる結果を招く。それゆえ、特定の物質を合成することは、経済的に可能ではない。オリゴシランについてはなおさら、これと同じことが言える。
【0008】
アミノ含有シラン及び/または(ポリ)シロキサンと、(オリゴ)ヒドロキシ基または糖基で変性された(メタ)アクリレートとの付加反応による親水性オルガノケイ素化合物の製造法は、ドイツ特許出願公開第19854186号に記載されている。好ましくは、アミノ−オルガノポリシロキサンは、(メタ)アクリル酸エステルとの付加反応に付される。しかし、親水性基を備えた、被汚染性を低減するためのこのような添加物の欠点の一つは、それらの大きい吸水性である。
【0009】
更に、ごく最近の研究では、屋外用のコーティング材にシロキサンを加えることは、戸外の気候中でのそれらの被汚染性を低めるというよりもむしろ高める傾向があるとの報告がある。これは、とりわけ、疎水性の塗膜に対する疎水性の汚れ成分(煤を含む)の高い親和性のためである(O.Wagner“Farbe und Lack”, 2001, 107, 105−134)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それゆえ、本発明の課題の一つは、適度な合成コスト及び原料コスト並びに得られるコーティング組成物の低い吸水性を特徴とする、コーティング組成物及びポリマー分散物の被汚染性を低減する目的の添加物を開発することであった。また、その化合物が、ポリマー性添加物及び低分子量添加物の両方の利点を兼ね備えていることも目的とされた。すなわち、上記添加物は、一方では、疎水性の空気/塗膜界面において疎水性基の集積を可能とするために、フィルムの凝固の際に高い移行能力を発揮し、そして他方では、ポリマー性のフッ素化含浸処理用添加物によって達成されるような、塗膜中で降雨による滲出に対する高い耐性を奏するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、以下の一般式(I)
【0012】
【化1】
【0013】
[式中、Rは、式Cn Z2n+1(CH2 )m −で表されるフッ素化もしくは部分的にフッ素化されたアルキル基であり、この際、nは1以上、mは1以上であり、そしてZは、水素原子またはフッ素原子のいずれかであり、但し、少なくとも一つのZはフッ素原子であり、
Yは、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であり、
Xは、水素原子、炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、式ROC(O)(CHY)(CH2 )−で表される基、フェニル基またはベンジル基のいずれかであり、
R1 は、炭素原子数が1〜20の線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、そして
R2 、R3 及びR4 は、炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状のアルキル基、または炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、なお、後者のアルコキシ基は、その酸素原子を介してケイ素原子に結合している]
で表されるオルガノシランを提供する。
【0014】
好ましいオルガノシランは、一般式(I)中、Rが式Cn F2n+1(CH2 )m −で表されるフッ素化されたアルキル基である、同式で表されるものである。
【0015】
他の好ましいオルガノシランは、一般式(I)中、nが1〜30であり、そしてmが1〜4である、同式で表されるものである。
【0016】
更に別の好ましいオルガノシランは、一般式(I)中、Xがメチル、エチル、プロピル、フェニルもしくはベンジル基であり、Yが、水素原子またはメチル基であり、R1 が−(CH2 )3 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −または−C2 H4 −基であり、そしてR2 、R3 及びR4 が、CH3 O−、C2 H5 O−またはCH(CH3 )2 O−基である、同式で表されるものである。
【0017】
特に好ましいオルガノシランは、一般式(I)中、Rが、式Cn F2n+1(CH2 )m −で表されるフッ素化されたアルキル基であり、nが6〜14であり、そしてmが2である、同式で表されるものである。nが6〜14でありそしてmが2である前記式で表されるアルキル基は、合成コスト及び原料コスト、フルオロアルカン鎖の(不所望な)結晶化傾向、及び含浸効果の間で最良の妥協点を与える。酸素エステル結合との間にエチルスペーサーを含む上記の部分のフルオロアルカン残基を有する(メタ)アクリル酸エステルがカップリング成分として使用された場合は、生ずるフルオロアルキルシランは、室温で液状であり、それゆえ、コーティング組成物またはラテックス分散液に簡単に配合することができる。
【0018】
特に好ましいものは、一般式(I)中、
Xがエチル基であり、
Yが水素原子もしくはメチル基であり、
R1 が−CH2 CH(CH3 )CH2 −基であり、そして
R2 、R3 及びR4 がCH3 O−基であるか、
または
Xがメチル基であり、
Yが水素原子もしくはメチル基であり、
R1 が−(CH2 )3 −基であり、そして
R2 、R3 及びR4 がCH3 O−基である、
同式で表されるオルガノシランである。
【0019】
本発明のオルガノシランは、疎水性及び疎油性の両方の性質を有し、そしてシロキサン基を含まない。本発明のオルガノシランの唯一のケイ素官能基、すなわちシラン基は、疎水性及び疎油性のフルオロアルキル基を基体上に固定させる働きをする。
【0020】
本発明は、更に、本発明のオルガノシランの製造方法も提供する。
【0021】
本発明のオルガノシランは、好ましくは、マイケル反応に類似して、ω−アミノアルキルシランのアミノ基を、フッ素化された側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルの二重結合に付加させることによって製造される。この際、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸のエステル及びメタクリル酸のエステルの双方を意味する。
【0022】
それゆえ、本発明は、本発明のオルガノシランを製造する方法であって、以下の一般式(II)の(メタ)アクリル酸エステルを、以下の一般式(III)のω−アミノアルキルシランと反応させることを特徴とする上記方法を提供する。
【0023】
【化2】
【0024】
[式中、Rは、式Cn Z2n+1(CH2 )m −で表されるフッ素化もしくは部分的にフッ素化されたアルキル基であり、この際、nは1以上、mは1以上であり、そしてZは、水素原子またはフッ素原子のいずれかであり、但し、少なくとも一つのZはフッ素原子であり、
Yは、水素原子、または炭素原子数が1〜10のアルキル基であり、
Xは、水素原子、炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、式ROC(O)(CHY)(CH2 )−で表される基、フェニル基またはベンジル基のいずれかであり、
R1 は、炭素原子数が1〜20の線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、そして
R2 、R3 及びR4 は、炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状のアルキル基、または炭素原子数が1〜10の線状もしくは分枝状のアルコキシ基であり、なお、後者のアルコキシ基は、その酸素原子を介してケイ素原子に結合している]
上記の反応は、溶剤の不存在下に、または水、有機溶剤またはこれらの混合物を加えて行われる。この反応は、好ましくは、大気圧(1bar)下に行われるが、加圧下もしくは減圧下に行ってもよい。また触媒を使用して反応を促進させることも可能である。
【0025】
上記製造法に溶剤が使用される場合は、反応生成物はその反応溶剤中に溶解した形で使用されるか、または使用した溶剤は除去される。望ましいならば、得られた生成物を、溶剤の除去の後に、他の溶剤中に溶解させるかあるいは水または他の液体中に分散させることができる。この目的のためには乳化剤を使用することができる。
【0026】
本発明の更に別の好ましい対象の一つは、本発明のオルガノシランを、特にコーティング組成物中で、被汚染性を低減させるために表面処理に使用する方法である。
【0027】
本発明のオルガノシランは、追加的に、特にコーティング組成物(例えば、木材を塗装するためのワニス)及びポリマー分散液中で、ブロッキング防止剤としても使用できる。
【0028】
それゆえ、本発明の更に別の対象の一つは、本発明のオルガノシランを表面処理のためのブロッキング防止剤、特にコーティング組成物中でこのような目的に使用する方法である。
【0029】
事実、驚くべきことに、本発明のオルガノシランは、ポリマー分散液中の添加物として、生ずる塗膜の耐ブロッキング性、すなわち類似法で処理された表面または他の表面への粘着に対する耐性を顕著に向上させることが見出された。例えば、コア−シェル構造を有するスチレン−アクリレート分散物は、通常、木材基体上のワニスフィルムにおいて中程度の耐ブロッキング性を示すが、本発明のオルガノシランを極少量(例えば0.5重量%)加えただけでも優れた耐ブロッキング性(50℃及び室温で測定して、類似法で処理された表面に対するブロッキング傾向)を与える。
【0030】
また同様に、表面の疎水化及び疎油化のために本発明のオルガノシランを使用する方法も、本発明によって提供される。
【0031】
全ての最終用途に関して、表面の塗装は、好ましくは、本発明のオルガノシランをそのままで、溶液の形でもしくは分散液として被処理表面に吹き付けするか、被処理表面を、該添加物の溶液もしくは分散液中に浸漬するか、または該オルガノシランをブラシもしくはローラーを用いて施用するか、あるいは少なくとも一種のポリマー性バインダーをそのままで、溶液の形でもしくは分散液として含む施用が意図されるコーティング組成物に該オルガノシランを加え、そしてこのコーティング組成物を表面に施用することによって行われる。
【0032】
また、本発明の添加物を、表面用の離型剤として使用することも可能である。
【0033】
しかし、本発明はコーティング組成物それ自体も提供する。
【0034】
この際好ましいものは、
a) 少なくとも一種のポリマー性バインダー、
b) 少なくとも一種の本発明のオルガノシラン、及び
c) 必要に応じて、顔料、フィラー、分散剤、増粘剤、保護コロイド、湿潤剤、防腐剤、アルジサイド、耐腐食性顔料、UVフィルター物質、UV開始剤及び/または更に別の助剤、
を含むコーティング組成物である。
【0035】
この際、該コーティング組成物は、一種または二種以上のポリマー性バインダーを液状物中に溶液、分散液もしくはエマルションとして含むかまたはそのままで含む(後者は、例えば、コーティング組成物が粉体塗料材料である場合)。ポリマー性バインダーとしては、当業者に公知の如何なるポリマー性バインダーでも使用することができる。好ましいポリマー性バインダーは、ポリ(アクリレート)、ポリ(スチレンアクリレート)、ポリ(ウレタン)、ポリ(エステル)、ポリエステルポリオール、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアミン樹脂、アルキド樹脂、またはポリ(スチレンアクリレート)もしくはポリ(アクリレート)とポリ(ウレタン)及び/またはアルキド樹脂とのハイブリッド分散物である。これらのポリマーの混合物も使用できる。
【0036】
特に好ましくは、本発明のオルガノシランは、UV開始剤(例えばベンゾフェノン誘導体)を含みそしてポリマー性バインダー含有の顔料着色された屋外用塗料における初期被汚染性を低減させるために使用される。UV開始剤は、ポリマー性バインダー中に存在していてもよいし、またはコーティング組成物中にその調製の間に加えてもよい。これらの塗料の好ましい用途には、例えば、弾性屋外用塗料及び路面標示塗料が包含される。
【0037】
それゆえ、特に好ましいものは、少なくとも一種のUV開始剤を更に含むコーティング組成物である。
【0038】
該撥汚性オルガノシランは、コーティング組成物またはポリマーフィルムの表面に移行し、そしてUV開始剤がポリマー性バインダーの外表層を硬化させるまで、柔軟なポリマー性バインダーが汚れ粒子に粘着することを防ぐ。事実、日射量に依存するが、UV開始剤が塗装の表面を硬化させるまでにはかなりの時間がかかる場合がある。
【0039】
更に、上記オルガノシランがコーティング組成物またはポリマー性フィルムの表面に移行した後、オルガノシランの反応性基はポリマーの反応性基と並びに存在する場合は恐らくは顔料及び/またはフィラーの反応性基とも反応する。これは、オルガノシランが、塗装の表面から滲出することが防がれ得るということを意味する。
【0040】
更にまた、驚くべきことに、本発明のオルガノシランの撥汚効果は、エチレン性不飽和ω−ヒドロキシアルキルアクリレートまたはω−ヒドロキシアルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)及びこれらに加えてエポキシアルキルシラン(例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランもしくはγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)を含むポリマー分散物を含有するコーティング組成物(ワニスも含む)に使用した際に強化されることが見出された。
【0041】
他の好ましい態様の一つでは、本発明のコーティング組成物の上記少なくとも一種のポリマー性バインダーは、モノマー性構成単位(コモノマー)としての少なくとも一種のω−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及び式BSiR3 の少なくとも一種のエポキシアルキルシランを含む。なお、前記式中、基Bは、少なくとも一つのオキシラン官能基を有する有機基であり、そして基Rは、式−Cn H2n+1もしくは−OCn H2n+1(nは1〜10の数である)で表されるアルキルもしくはアルコキシ基である。
【0042】
使用される特に好ましいω−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの一つは、2−ヒドロキシ−エチルメタクリレートであり、そして使用される特に好ましいエポキシアルキルシランの一つは、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランもしくはγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランである。
【0043】
該オルガノシランをコーティング組成物中に使用する場合は、これらは、溶液もしくは分散液の形のポリマー性樹脂に直接加えてもよいし、あるいは塗膜の形成中に及び/または塗料の調製中に加えてもよい。
【0044】
該添加物が表面の含浸処理に直接使用される場合は、これらは好ましくは溶液もしくは分散液として施用される。
【0045】
本発明を、以下の例に基づいてより詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの例に限定されない。
【実施例】
【0046】
A) 分析方法の説明:
含浸処理された表面の疎水性、疎油性及び撥汚効果は以下のように測定した。
吸水性の測定:
脱イオン水9gをコーティング組成物15gに加え、そしてこの混合物を、スタンドリム(stand rim)が付いたプラスチック製ビーカー(直径約11cm)の下面に注ぐ。このコーティングフィルムを室温で7日間乾燥する。この期間中、フィルムを毎日剥がして一回裏返す。次いで、3×3cmの寸法の試験片をこのフィルムに切り込み、そして基体から剥がす。このフィルムを秤量し(二回)、次いでペトリ皿中で水中に24時間置いておく。次いで、セルロース布を当てて水を取り、そしてフィルムを再び秤量する。初期重量に対する重量の増分(%)が、第一吸水率に相当する。次いで、この試験片を二日間乾燥し、そして秤量し、24時間水に曝し、セルロース布を当てて水を取り、次いで再び秤量する。第二吸水率(%)を、第一吸水率と同じように測定する。
白化(水感応性)の測定:
200μmボックスタイプバーコーターを用いて分散液をガラス製プレート(5×8cm)にナイフ塗布し、40℃で1時間乾燥し、そして室温で更に一晩乾燥する。次いで、このサンプルを、脱イオン水で満たしたペトリ皿中に入れ、そして約15分後に、ポリマーフィルムの白化(Blushing)を1〜5の相対尺度(1=非常に良好、5=不適)で評価する。
乾燥被汚染性の測定:
200μmボックスタイプバーコーターを用いてガラスプレートに塗装を施し、そして23℃及び50%相対湿度の条件下に24時間、空調室中に置く。次いで、エリクセン側色計モデル526(測定ジオメトリ45°/0°)を用いて、CIELABカラーシステムにおける明度L* を、外部標準白色(L* =94.33)に比して測定する。ドライブラシを用いて、フライアッシュ、またはフライアッシュ99.5重量部と煤0.5重量部からなる混合物を上記のサンプルプレートにこすり付け、そしてこれを、次いで、そのブラシで激しくブラッシングする。この汚したプレートの明度L* を繰り返し測定する。元々のL* 値からの差をΔL* と称する。
湿潤被汚染性の測定:
サンプルの調製は上記の乾燥被汚染性の場合と同じであるが、但し、基体としては、ファイバーセメントシートのエタープラン(Eterplan)300×150×4mmを使用する。フィルムの湿潤厚さは300μmである。L* 値を測定した後(エリクセン比色計526,上記参照)、ドリップトレイの上で、塗膜を支持体に乗せて水平から60℃の傾きで上向きに置いた状態にしてその乾燥サンプルを固定する。
【0047】
次いで、標準汚れの水性分散液500mlを、蠕動ポンプを用いて上記サンプル上で循環させる。このポンプは、1分間当たり約500mlの量を輸送する。流れ落ちた汚染用分散液は上記のトレイに集め、そして再び上記のサンプル上に流す。この作業の間、この分散液はマグネチックスターラーを用いて攪拌する。30分後、作業サイクルを中断し、そしてサンプルを室温で24時間乾燥する。次いで、エリクセン比色計526を用いて明度L* を測定する。次いで、このサンプルを、再び、汚染及び乾燥サイクルに付す。各乾燥サイクル後には、その都度L* 値を測定する。各々の場合において、汚染前の元のL* 値からの差を計ることによってΔL* 値が得られる。各々のサイクル毎に、新しい汚染液を使用する。この汚染液は以下のように調製する。
【0048】
17gのガスブラックFW200、70gの日本標準ダストNo.8及び13gの特殊ピッチNo.5(Worlee製)を秤量して1000ml容積のパウダーボトルに入れ、そして400cm3 のガラスビーズを加える。この混合物を、ローラーベッドにて24時間混合し、そして篩にかけてガラスビーズを取り除く。この粉末を乳鉢及び乳棒を用いて均一化する。1gの標準汚染粉を、1gのブチルグリコールと一緒にガラス容器に入れ、そして998gの水を加える。この分散液をマグネチックスターラーを用いて攪拌する。
B)各例の説明:
例1
フルオロアルキル変性オルガノシランの製造
反応の過程は、アミン価によって並びに1 H−NMRによってアクリレート二重結合のプロトンの強度から分析的に監視した。
a)生成物A
Silquest(R) A−Link15(シルクエストA−リンク15)(N−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミン、クロムプトン社製)50g及びFluowet(R) AC812(フルオウェットAC812)(CH2 =CHCOOCH2 CH2 (CF2 CF2 )n F、n=3〜6、クラリアント社製)125gを、250mlフラスコ中で、N2 雰囲気下に75℃の温度で攪拌しながら6時間反応させた。室温に冷却すると、固形物及び液体の画分を含むオレンジ褐色塊状物の形の生成物が175g得られた。
b)生成物B
50gのSilquest(R) A−Link15及び117gのFluowet(R) AC800(CH2 =CHCOOCH2 CH2 (CF2 CF2 )4 F、クラリアント社製)を、250mlフラスコ中で、N2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら6時間反応させた。室温に冷却すると、部分的に結晶性で、なお部分的に液状のオレンジ褐色の塊状物の形の生成物が167g得られた。
c)生成物C
50gのSilquest(R) A−Link15及び125gのFluowet(R) AC812を、500mlフラスコの中で、無水酢酸ブチル150g中でN2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら8時間反応させた。室温まで冷却すると、透明なオレンジ色の溶液の形の生成物が325g得られた。
d)生成物D
30gのSilquest(R) A1100(3−トリエトキシシリル−1−プロパンアミン、クロムプトン社製)及び153gのFluowet(R) MA812を、250mlフラスコ中で、N2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら10時間反応させた。室温まで冷却すると、部分的に結晶性で、なお部分的に液体のオレンジ褐色の塊状物の形の生成物が183g得られた。
e)生成物E
40gのSilquest(R) A1100及び152gのFluowet(R) AC600(CH2 =CHCOOCH2 CH2 (CF2 CF2 )3 F、クラリアント社製)を、500mlフラスコの中で、無水酢酸ブチル150g中でN2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら8時間反応させた。室温まで冷却すると、透明な黄オレンジ色の溶液の形の生成物が342g得られた。
f)生成物F
50gのSilquest(R) A1100及び142gのFluowet(R) AC600を、500mlフラスコの中で、無水酢酸ブチル150g中でN2 雰囲気下に75℃で攪拌しながら8時間反応させた。室温まで冷却すると、透明な黄オレンジ色の溶液の形の生成物が342g得られた。
【0049】
【表1】
【0050】
例2
弾性石造物用塗料( elastic masonry coatings)の製造
水100g中に、攪拌しながら、Calgon(R) (カルゴン)Nの10%濃度溶液(5g)、Coatex(R) (コアテックス)P90(1.4g)及びFoammaster(R) (フォームマスター)111FA(2g)を順番に加えた。次いで、二酸化チタン(Kronos(R) (クロノス)L2310)80g及び炭酸カルシウム(Durcal(R) (ドゥルカル)2)380gを順番に加えそしてこの混合物をディスソルバーを用いて5000rpmで15分間攪拌した。次いで、分散液(固形物含有率=約60%)382.3gを500rpmで加え、次いで20%濃度アンモニア水1gを加え、そしてこの混合物を5分間攪拌した。最後に、2gのMergal(R) (マーガル)K9、2gのブチルジグリコール、10gのプロピレングリコール、5gのWhite Spirit(R) (ホワイトスピリット)17/18を加え、そして終いにCoatex(R) BR100(7.5g)と水(23.2g)からなる溶液を加えた。次いで、この混合物を更に約5分間攪拌した。
【0051】
この塗料は、使用の前に、室温で少なくとも更にもう一日貯蔵する。
【0052】
上記分散液には、それを着色剤ペーストに加える前に以下の添加物を加えた。
【0053】
【表2】
【0054】
例3
石造物用塗料の乾燥被汚染性の測定
この測定法に関連して、上述のフライアッシュ/煤混合物を用いて汚染を行った。
【0055】
【表3】
【0056】
表3から明らかなように、ごく少量加えただけでも、乾燥被汚染性に明らかな改善が得られた。
例4
石造物用塗料の吸水性の測定
【0057】
【表4】
【0058】
表4に示されるように、本発明のオルガノシランを含む塗料は、添加物が非反応性フルオロ乳化剤であるものと比較して吸水率が減少した。
例5
石造物用塗料の湿潤被汚染性の測定
【0059】
【表5】
【0060】
表5が示すように、界面活性剤の性質は有するが、反応性官能基を持たない添加物と比較して、本発明のオルガノシランは塗料の初期湿潤被汚染性を改善する。
例6
被汚染性を低減させるための様々な添加物をMowilith(R) LDM 6636(クラリアント社)分散液に加え、そしてこの混合物をパドルスターラーを用いて10分間均一化した。その後、各々の混合物を、300μmボックスタイプコーターバーを用いてガラス製プレートに施用し、そして室温で24時間乾燥させた。
【0061】
【表6】
【0062】
表6から示されるように、本発明のオルガノシランは、耐水性を向上させるが、従来技術の添加物のようにこれを低減させることはない。
例7
屋外用塗料の調製
水130g中に、2gのTylose(R) MH4000KG4(クラリアント社製)、3gのMowiplus(R) (モビィプラス)XW330(クラリアント社製)、11gのCalgon(R) N(10重量%濃度)及び2gの25%アンモニア水を順番に溶解させた。2gのMergal(R) K10N(トロイ社製)、4gのAgitan(R) (アギタン)232(ミュンチンク(Muenzing)社製)及び次いで226gの二酸化チタンKronos(R) 2065(クロノスチタン社製)を添加した後、168gのOmyacarb(R) (オミヤカルブ)5GU、38gのマイクロタルクAT1及び20gのチャイナクレーを加え、そしてこの混合物をディスソルバーディスクを用いて5000rpmで15分間剪断した。次いで、Mowilith(R) LDM6636(クラリアント社)375gを500rpmで導入した。この分散液は、適当ならば撥汚性添加物と混合する。これは、パドルスターラーを用いて予め分散液に配合される。最後に、11gのホワイトスピリット及び8gの酢酸ジグリコールブチルを加え、そして更に約10分間攪拌を続ける。
【0063】
【表7】
【0064】
この塗料は使用前に少なくとも一日間貯蔵される。
例8
屋外用塗料の乾燥被汚染性の測定(煤を加えたフライアッシュ)
【0065】
【表8】
【0066】
例9
ワニス中のスチレン−ブチルアクリレートポリマー分散液の乾燥被汚染性(煤を加えたフライアッシュ)の測定
水中80℃で乳化重合することによって製造されたスチレン−ブチルアクリレートポリマー分散液(固形物含有率:50%、Tg:20℃、全モノマーを基準にして3.8重量%の割合で2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を共重合された形で含む)を、
a) 添加物と混合しない;
b) 分散液の固形物含有量を基準にして0.5重量%の量のγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランと混合した; 及び
c) 分散液の固形物含有量を基準にして0.5重量%の量のγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、その後、分散液の固形物含有量を基準にして1重量%の量の例1bのオルガノシランと混合した。
【0067】
得られた分散液混合物を、ボックスタイプコーターバーを用いてガラス製プレートに施用し(300μm湿潤フィルム厚さ)そして室温で24時間乾燥させた。次いで、乾燥被汚染性(フライアッシュ/煤混合物)を測定した。結果を表9に示す。
例10
ワニス中のスチレン−ブチルアクリレートポリマー分散液の乾燥被汚染性(煤を加えたフライアッシュ)の測定
2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含まないことを除き例9のものと同じ組成を有するスチレン−ブチルアクリレートポリマー分散液を、
a) 添加物と混合しない;
b) 分散液の固形物含有量を基準にして0.5重量%の量のγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランと混合した; 及び
c) 分散液の固形物含有量を基準にして0.5重量%の量のγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、及び分散液の固形物含有量を基準にして1重量%の量の例1bのオルガノシランと混合した。
【0068】
得られた分散液をボックスタイプのコーターバーを用いてガラス製プレートに施用し(300μm湿潤フィルム厚さ)そして室温で24時間乾燥させた。次いで、乾燥被汚染性(フライアッシュ/煤混合物)を測定した。結果を表9に示す。
【0069】
【表9】
【0070】
表9が示すように、ω−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン及び本発明のフルオロアルキル変性オルガノシランの組み合わせは、撥汚効果を強化する。
Claims (20)
- 次の一般式(I)
Yは、水素原子、または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
Xは、水素原子、炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、式ROC(O)(CHY)(CH2 )−で表される基、フェニル基またはベンジル基のいずれかであり、
R1 は、炭素原子数1〜20の線状もしくは分枝状アルキレン基であり、そして
R2 、R3 及びR4 は、炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、または炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルコキシ基であり、なお、後者のアルコキシ基は、その酸素原子を介してケイ素原子に結合している]
で表されるオルガノシラン。 - Rが、式Cn F2n+1(CH2 )m −で表されるフッ素化されたアルキル基である、請求項1のオルガノシラン。
- nが1〜30の数であり、そしてmが1〜4の数である、請求項1または2のオルガノシラン。
- Xが、メチル、エチル、プロピル、フェニルまたはベンジル基であり、
Yが、水素原子またはメチル基であり、
R1 が、−(CH2 )3 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −または−C2 H4 −基であり、そして
R2 、R3 及びR4 が、CH3 O−、C2 H5 O−またはCH(CH3 )2 O−基である、請求項1〜3の少なくとも一つのオルガノシラン。 - nが6〜14の数であり、そしてmが2である、請求項1〜4の少なくとも一つのオルガノシラン。
- Xがエチル基であり、
R1 が−CH2 CH(CH3 )CH2 −基であり、そして
R2 、R3 及びR4 がCH3 O−である、
請求項4または5のオルガノシラン。 - Xがメチル基であり、
R1 が−(CH2 )3 −基であり、そして
R2 、R3 及びR4 がCH3 O−基である、
請求項4または5のオルガノシラン。 - 次の一般式(II)の(メタ)アクリル酸エステルを、次の一般式(III)のω−アミノアルキルシランと反応させることを含む、請求項1〜7の少なくとも一つに記載の一般式(I)のオルガノシランの製造方法。
Yは、水素原子、または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
Xは、水素原子、炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、式ROC(O)(CHY)(CH2 )−で表される基、フェニル基またはベンジル基のいずれかであり、
R1 は、炭素原子数1〜20の線状もしくは分枝状アルキレン基であり、そして
R2 、R3 及びR4 は、炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル基、または炭素原子数1〜10の線状もしくは分枝状アルコキシ基であり、なお、後者のアルコキシ基は、その酸素原子を介してケイ素原子に結合している] - 表面の被汚染性を低減させるために、請求項1〜7の少なくとも一つのオルガノシランを使用する方法。
- 表面処理用のブロッキング防止剤として請求項1〜7の少なくとも一つのオルガノシランを使用する方法。
- 表面の疎水化及び疎油化のために請求項1〜7の少なくとも一つのオルガノシランを使用する方法。
- 請求項1〜7の少なくとも一つのオルガノシランをそのままで、溶液としてもしくは分散液として被処理表面に吹き付けするか、被処理表面を該添加物の溶液もしくは分散液に浸漬するか、またはブラシまたはローラーによって施用するか、あるいは、該オルガノシランを、施用されるコーティング組成物にそのままで、溶液としてもしくは分散液として加え、そしてこのコーティング組成物を被処理表面に施用することを含む、表面をコーティングする方法。
- 表面の被汚染性を低減させるためにコーティング組成物中に請求項1〜7の少なくとも一つのオルガノシランを使用する方法。
- 表面処理用のコーティング組成物中にブロッキング防止剤として請求項1〜7の少なくとも一つのオルガノシランを使用する方法。
- 表面の疎水化及び疎油化のためにコーティング組成物中に請求項1〜7の少なくとも一つのオルガノシランを使用する方法。
- a)少なくとも一種のポリマー性バインダー、
b)請求項1〜7の少なくとも一つに記載の少なくとも一種のオルガノシラン、及び
c)必要に応じて、顔料、フィラー、分散剤、増粘剤、保護コロイド、湿潤剤、防腐剤、アルジサイド、耐腐食性顔料、UVフィルター物質、UV開始剤及び/または更に別の助剤、
を含むコーティング組成物。 - 少なくとも一種のUV開始剤を含む、請求項16のコーティング組成物。
- 少なくとも一種のポリマー性バインダーが、モノマー性構成単位(コモノマー)として少なくとも一種のω−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含み、かつ式BSiR3 の少なくとも一種のエポキシアルキルシランを含み、なお前記式中、基Bは、少なくとも一つのオキシラン官能基を有する有機基であり、そして基Rは、式−Cn H2n+1または−OCn H2n+1(nは1〜10の数)のアルキルもしくはアルコキシ基である、請求項16または17のコーティング組成物。
- ω−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルメタクリレートが使用される、請求項18のコーティング組成物。
- エポキシアルキルシランとして、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランまたはγ−グリシジル−オキシプロピルトリメトキシシランが使用される、請求項18または19のコーティング組成物。
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