JP2004536889A - 大環状金属錯体と生体分子との結合体並びにnmr診断及び放射性診断及び放射線治療における使用のための薬剤を製造するためのその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は大環状金属錯体と生体分子とからなる結合体並びにその製造方法に関する。該結合体はNMR診断及び放射性診断における造影剤として及び放射線治療のための薬剤としての使用のために適当である。高い緩和度が達成され、緩和度の微調整は巨大環の特異的な配位によって可能になる。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は特許請求の範囲で特徴付けられた対象物、すなわち大環状金属錯体の結合体に関する。該結合体は薬剤、特にNMR診断及び放射線診断のための造影剤の製造のため並びに放射線治療のための薬剤の製造のために適当である。
【0002】
目的とする治療及び必要な治療のための前提条件は正確な診断である。特に診断の分野では近年にこれらの可能性は非常に強く増しており、その際、例えばNMR診断及びX線診断は、事実上全ての解剖学的詳細を選択的にかつより高い精度で表すことを可能にしている。しかしながら多くの場合において相応の構造は造影剤の使用によってはじめて可視化することができる。更に造影剤を、これらが選択的に所望の目的構造中に集積されるように作成する可能性が存在する。これによって造影の精度を同時に必要な造影剤量を低下させて高めることができる。
【0003】
NMR診断のための造影剤としては常磁性金属のキレート錯体が適当である。NMR造影剤としてのガドニウム(III)キレートの理論及び使用はChem. Rev. 1999, 99, 2293-2352中のP.キャラバン他(P.Caravan et al.)の概要文献において詳細に説明されている。
【0004】
プロトン−NMRでの撮像強度は実質的に水プロトンによって規定される。該強度は核相対時間に依存する。常磁性遷移金属及びランタノイドの錯体は双極子相互作用によって隣接するプロトンの緩和時間を短縮する。常磁性造影剤は直接検出できないが、造影剤が隣接するプロトン、例えば水プロトンの緩和時間を変更しうるという事実に基づいて間接的な検出が行われる。その高いモーメント及び緩和率に基づいてGd3+、Fe3+及びMn2+はNMR診断における有利な常磁性金属カチオンである。
【0005】
プロトンの緩和挙動を説明する重要な物理量は縦緩和時間T1である。短い緩和時間T1を有する組織は一般に、より長い緩和時間によるイメージよりも高い強度のイメージを提供する。規定の常磁性イオンについては測定される緩和時間T1の相対値が濃度cに依存して指定されるので、勾配Rの直線が得られる。この勾配は緩和度とも呼ばれ、これは隣接するプロトンの緩和時間を短縮する相応の常磁性イオンの能力についての量である。
【0006】
診断目的及び治療目的のための放射線医薬の使用は同様に生物学的及び薬学的な研究の分野で長い間知られている。特に放射線医薬は、規定の構造、例えば骨格、器官又は組織を表すために用いられる。診断的使用は、適用後に、検査されるべき患者の構造中に特異的に集積するかかる放射活性剤の処方を必要とする。局所的に集積される放射活性剤を次いで適当な検出器、例えばシンチレーションカメラ又は別の適当な撮影法を用いて探り、プロットし又はシンチグラフィーを行ってよい。検出される放射活性剤の分布及び相対強度は放射活性剤が存在する構造の位置を示し、かつ構造及び機能の異常、病理学的変化等の存在を表しうる。
【0007】
類似のように放射性医薬は、規定の罹患した組織又は領域を照射するための治療剤として使用してよい。かかる治療は、規定の構造、器官又は組織中に集積する放射活性治療剤の製造を必要とする。
【0008】
その部分的に相対的に高い有毒性に基づいて、常磁性イオンは一般に水溶性塩の形で投与されず、キレート錯体の形で投与される。該イオンは実質的に未変化で生体から排除できる。より少量の錯体が溶液中に存在すればするほど、その慣性モーメントは低くなり、かつ溶液中でより迅速に回転するようになる(回転運動時間)。錯体が迅速に回転すればするほど、その緩和度はより低くなる。緩和度は従って全ての錯体の分子量に比例する。良好なNMR造影剤は、とりわけ緩和度について高い値を有することに優れている。
【0009】
Gd−DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)とアルブミンとの結合体は、例えばM.D.オガン他(M. D. Ogan et al.)によってInvest. Radiol. 1987, 22, 665-671に記載され、かつU.シュミードル他(U. Schmiedl et al.)によってRadiology 1987, 162, 205-210に記載されている。大環状金属錯体及び生体分子からなる結合体はWO95/31444号に開示されている。造影剤の選択性の改善のために、WO01/08712号は、少なくとも2つの金属キレート単位を像改善基として、かつ少なくとも2つの「標的結合単位」を身体内の所望の標的分子又は標的器官に造影剤を結合させるために有する造影剤を提案している。
【0010】
高いモル質量を有する大きな造影剤分子はWO97/02051号によれば大環状金属錯体をカスケードポリマー中に導入することによって得られる。
【0011】
生体分子への結合のために適当な不足した電荷に基づいて高い安定性及び良好な可溶性のテトラアザシクロドデカン五酢酸誘導体は、EP−A0565930号に記載されている。
【0012】
大環状金属錯体の生体分子への前記の結合は緩和度の増大も造影剤の選択性の増加もいずれも可能にする。造影剤の緩和度が高ければ高いほど、増粘剤をほとんど患者に投与する必要がなく、かつ造影におけるコントラスト付与はより高くなる。この結果から、更にできる限り高い緩和度を有するNMR造影剤を提供することが望まれる。
【0013】
従って本発明の課題は、NMR診断及び放射性診断のための改善された造影剤並びに放射線治療のための薬剤を提供することにある。特にNMR造影剤はできる限り高い緩和度を有すべきであり、かつ生体内の所望の位置にできる限り選択的に集積するべきである。
【0014】
前記課題は、意想外にも1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン大環状化合物が特異的配位子を備え、かつこうして配位された巨大環を生体分子に結合させることによって解決されることが判明した。大環状化合物の特異的配位によって、得られる造影剤の緩和度は高まり、かつ更に所望の使用のために緩和度を微調整することが可能である。
【0015】
本発明は従って、式I
【0016】
【化1】
[式中、
Zは水素原子を表すか、又は少なくとも2つのZは金属イオン当量を表し、
Bは水素原子又はC1〜C4−アルキル基を表し、
Rは水素原子又は直鎖状、分枝鎖状又は環式の、飽和又は不飽和のC1〜C10−アルキル基又はアリール基を表し、前記基は場合によりカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されており、かつC1〜C10−アルキル基のアルキル鎖は場合によりアリール基及び/又は1〜2個の酸素原子を有するが、但し、基B及びRは両者とも同時に水素原子ではなく、
Aは直鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は不飽和のC1〜C30−炭化水素鎖を表し、前記基は場合により1〜5個の酸素原子、1〜5個の窒素原子及び/又は1〜5個の−NR′基を表し、その際、R′はRと同様に定義されるが、無関係に選択されてよく、前記鎖は場合により1〜3個のカルボキシル基、1〜3個の−SO3H、1〜3個の−PO3H2及び/又は1〜3個のハロゲン原子によって置換されており、該鎖では場合により1〜3個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、該鎖又は鎖の一部は環状に配列されていてよく、かつ該鎖は、X′が少なくとも3個の原子を介して、Aが結合されている窒素原子と結合されるように構成され、
X′は、生体分子と反応されている基Xを表し、かつBioは生体分子の基を表す]の結合体並びにその塩及びNMR診断及び放射性診断並びに放射線治療のための薬剤の製造のための使用に関する。
【0017】
EP−A0565930号からAが基−CH(R3)−C(O)−NH−(CH2)1〜6−NH−Dである大環状化合物との結合体は公知である従ってこれらの結合体は請求項1で除外されている。
【0018】
特に記載がない限り、前記の「アルキル基」とは飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝鎖状又は環式の前記の炭素原子数を有するアルキル基を意味する。前記の基が他の基又は原子を有してよい場合には、本願では既に前記の基の原子の他に更なる基又は原子が存在してよく、かつ該基の末端位を含む任意の位置に挿入されていてよいと解されるべきである。
「アリール」とは本願では有利にはフェニル、ビスフェニル、ピリジル、フラニル、ピロリル及びイミダゾリルを意味する。フェニルが特に有利である。
【0019】
完全に又は部分的に環状に配置されていてよい「炭化水素鎖」とは、本願では有利には炭化水素鎖、例えばアルキル鎖を意味し、例えば脂肪族又は芳香族の、場合により複素環式の5又は6員環(例えばフェニル(フェニレン)、ピリジル(ピリジレン)又はシクロヘキシル(シクロヘキシレン))を含んでよいか又はそれから構成されるアルキル鎖を意味する。
【0020】
本発明による式Iの化合物において大環状環の4つの窒素原子の3つは場合により置換された酢酸基もしくはカルボキシレートメチル基によって置換されている。前記の基は配位のためもしくは配位された金属イオンの電荷補償に役立つ。従ってZは水素原子又は金属イオン当量のいずれかを意味する。
【0021】
大環状環の窒素原子の3つの上の酢酸基もしくはカルボキシレートメチル基は付加的に置換基Rを有してよい。更に大環状環はその炭素原子の4つに更なる置換基Bを有してよい。本発明による結合体の特性は、B及びRが両者とも同時に水素原子ではない、すなわち大環状環がその環原子に直接的に及び/又はその窒素原子の酢酸基もしくはカルボキシレートメチル置換基において他の置換基を有さねばならないことにある。前記の付加的な置換基の適当な選択によって、本発明による化合物を使用して製造される造影剤の緩和度の所望の微調整が行われる。
【0022】
Bは水素原子又はC1〜C4−アルキル基であってよい。有利なC1〜C4−アルキル基はメチル、エチル及びイソプロピルである。
【0023】
式Iの本発明による結合体においてBが水素原子である場合に、Rは直鎖状、分枝鎖状及び/又は環式の飽和又は不飽和のC1〜C10−アルキル基(有利にはC5〜C10−アルキル基)又はアリール基を表し、前記基は場合によりカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されていてよく、その際、C1〜C10−アルキル基のアルキル鎖は場合によりアリール基及び/又は1〜2個の酸素原子を有する。アルキル基としては、直鎖状又は分枝鎖状の、有利には飽和のC1〜C10−、特にC1〜C4−アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びt−ブチル並びにシクロヘキシルが有利である。選択的に直鎖状、分枝鎖状又は環式の、有利には飽和のC5〜C10−アルキル基、例えばペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルが有利である。RについてのC1〜C10−アルキル基は、場合によりカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されていてよい。かかる置換されたアルキル基の有利な例は−CH2−COOH及び−C(CH3)2−COOHである。更にC1〜C10−アルキル基のアルキル鎖はアリール基及び/又は1〜2個の酸素原子を有してよい。アリール基及び酸素原子はアルキル鎖内の任意の位置に存在してよい。アリール基は更にアルキル鎖の末端にも配置されていてよく、かつ酸素原子と一緒にアリールオキシ基を形成してよい。アリール基としては、特にフェニル基が適当である。
【0024】
場合によりアリール基及び1〜2個の酸素原子を有するRに関する有利なアルキル鎖は式−(CH2)m−(O)n−(フェニレン)p−Y[式中、mは1〜5の整数であり、nは0又は1であり、pは0又は1であり、かつYは水素原子、メトキシ基、カルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2である]の基である。置換基Yはこの場合に有利にはパラ位に存在する。
【0025】
Rに関するアリール基は、有利には場合によりカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されているフェニル基である。
【0026】
有利にはRは、Bが水素原子である場合にはイソプロピル、イソブチル、t−ブチル、直鎖状又は分枝鎖状のC5〜C10−アルキル基、シクロヘキシル、−CH2−COOH、−C(CH3)2COOH、フェニル基又は式−(CH2)m−(O)n−(フェニレン)p−Y[式中、mは1〜5の整数であり、nは0又は1であり、pは0又は1であり、かつYは水素原子、メトキシ基、カルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2を表す]を表し、特に有利にはイソプロピル、シクロヘキシル又はフェニルを表す。
【0027】
式Iの結合体の置換された大環状環は、生体分子と反応しうる基XによってスペーサーAを介して生体分子に結合してよい。
【0028】
スペーサーAは直鎖状又は分枝鎖状の飽和又は不飽和のC1〜C30−炭化水素鎖を表し、該鎖は場合により1〜5個の酸素原子、1〜5個の窒素原子及び/又は1〜5個の−NR′−基[式中、R′は前記のRと同様に定義されるものであるが、無関係に選択されてよい]を有し、前記鎖は場合により1〜3個のカルボキシル基、1〜3個の−SO3H、1〜3個の−PO3H2及び/又は1〜3個のハロゲン原子によって置換されており、該鎖では場合により1〜3個の炭素原子はカルボニル基として存在し、その際、該鎖又は鎖の一部は環状に配置されていてよく、かつX′が少なくとも3個の原子を介して、Aが結合されている窒素原子と結合されているように構成されている。
【0029】
該スペーサーは少なくとも3つの原子、有利には少なくとも4つの原子を大環状環の窒素原子とX′との間の鎖中に有するべきである。原子の鎖としては、この場合に大環状環の窒素原子とX′との間の環も超えて最短の結合を意味する。前記の定義の範囲において、例えばパラ−フェニレン基は鎖中に4つの原子を有するスペーサーと見なされ、かつメタ−フェニレンは鎖中に3つの原子を有するスペーサーとして見なされる。原子鎖の長さの規定に際して、炭素原子、窒素原子及び酸素原子は同時にそれぞれ1原子として計算される。前記の原子又は側鎖における置換基は鎖内の原子の数に属さない。
【0030】
有利には−A−Xは異なって置換基−CH(R)−CO2Zから選択される。
【0031】
有利にはスペーサーAは基A′−Uとして表すことができ、その際、A′は大環状環の窒素原子に結合され、かつUはX′に結合されている。ここでA′は有利には
a)結合、
b)−CH(CO2H)−、
c)式
【0032】
【化2】
[式中、Qは水素原子、場合によりカルボキシル基によって置換されているC1〜C10−アルキル基又はカルボキシル基、C1〜C5−アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子によって置換されているアリール基を表し、かつR′はRと同様に定義されているが、無関係に選択されていてよい]の基又は
d)式
【0033】
【化3】
[式中、oは0又は1であり、かつ環は場合によりベンゼン環と縮合されており、その際、該ベンゼン環は存在するのであればメトキシ基又はカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されていてよい]の基である。
【0034】
c)及びd)の前記の基において
【0035】
【化4】
で特徴付けられている位置で隣接した基に結合され、位置αは大環状環の窒素原子に結合され、位置βはUと結合される。
【0036】
式
【0037】
【化5】
の基においてQは有利には直鎖状又は分枝鎖状のC1〜C10−、特にC1〜C4−アルキル基、例えばメチル、エチル又はイソプロピル又はシクロヘキシル基である。前記基は場合によりカルボキシル基で置換されていてよく、その際、カルボキシメチル基が有利である。有利なQのためのアリール基はフェニルである。前記のアリール基はカルボキシル基、C1〜C15−アルコキシ基、アリールオキシ基、例えば特にフェノキシ基又はハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特にフッ素又は塩素によって置換されていてよい。アリール基がフェニル基である場合には、フェニル基は有利にはパラ位において前記の基の1つによって置換されている。特に有利なQのための基はメチル、フェニル及びp−ドデカンオキシフェニルである。
【0038】
R′は、前記のRと同様に定義されるが、Rとは無関係に選択してよい。特に有利にはR′は水素原子である。
【0039】
有利にはA′は結合、−CH(CO2H)−、−C(CH3)H−CO−NH−、−C(フェニル)H−CO−NH−、−C(p−ドデカンオキシフェニル)H−CO−NH−
【0040】
【化6】
[式中、R1は−OCH3、−CO2H、−SO3H又は−PO3H2である]から選択される。
【0041】
スペーサーAが基A′−Uとして表され、A′が前記に定義される意味を有する場合に、Uは有利には直鎖状又は分枝鎖状の飽和又は不飽和の、場合により1〜3個の酸素原子、1〜3個の窒素原子及び/又は1〜3個の−NR′′−基[式中、R′′は前記のRと同様に定義されるが、無関係に選択してよい]を有するC1〜C30−炭化水素鎖であり、そこでは、場合により1〜3個の炭素原子はカルボニル基として存在し、その際、鎖又は鎖の一部は環状に配置されていてよい。特に有利にはUはアリール基又はC1〜C20−アルキル基(有利には直鎖状又は少なくとも部分的に環式及び飽和の)であり、前記基は場合により1〜3個の酸素原子、1〜3個の−NR′′−基、1〜2個のフェニレン基及び/又はピリジレン基を有し、そこでは、場合により1〜3個の炭素原子がカルボニル基として存在し、かつ場合によりアリール基(例えばフェニル)によって置換されている。A′及びUは一緒になって、X′が少なくとも3つの原子を介してA′が結合されている窒素原子と結合されるように構成されていなければならない。少なくとも3つの原子の鎖は前記のAと同様に定義される。
【0042】
Uのためのアリール基は、有利にはフェニル基であるUのためのC1〜C20−アルキル基は、有利には直鎖状の、飽和のC1〜C10−アルキル基、シクロヘキシル基又はシクロヘキシル−C1〜C5−アルキル基である。前記基のアルキル基は、場合により1個の酸素原子、1個のフェニレン基及び/又は1個のピリジレン基によって中断されているか、又は−CO−NR′′−基を有するか、又はフェニルによって置換されていてよい。有利にはUは、−CH2−、−(CH2)5−、−(CH2)10−、−フェニレン−O−CH2−、−フェニレン−O−(CH2)3−、−フェニレン−O−(CH2)10−、−CH2−フェニレン−、−シクロヘキシレン−O−CH2−、−フェニレン−、−C(フェニル)H−、−CH2−ピリジレン−O−CH2−、−CH2−ピリジレン−及び−CH2−CO−NH−CH2−CH2−から選択される。前記の有利なUのための基において、フェニレン基は有利にはパラ位で置換されており、かつピリジレン基は有利にはピリジ−2,5−イレン基又はピリジ−2,4−イレン基である。
【0043】
有利なスペーサーAのための基は:
【0044】
【化7】
である。
【0045】
スペーサーAを介して基X′は式Iの結合体中の大環状環に結合されている。前記の基X′は生体分子と反応されている基Xの基である。例えば、Xについてはカルボキシル(−COOH)、活性化カルボキシル、アミノ(−NH2)、イソシアネート(−NCO)、イソチオシアネート(−NCS)、ヒドラジン(−NHNH2)、セミカルバジド(−NHCONHNH2)、チオセミカルバジド(−NHCSNHNH2)、クロロアセトアミド(−NHCOCH2Cl)、ブロムアセトアミド(−NHCOCH2Br)、ヨードアセトアミド(−NHCOCH2I)、アシルアミノ、例えばアセチルアミノ(−NHCOCH3)、混合無水物、アジド、ヒドロキシド、スルホニルクロリド、カルボジイミド又は式
【0046】
【化8】
[式中、Halはハロゲン原子を表す]の基が適当である。
【0047】
活性化カルボキシル基とは、生体分子との反応を容易にするように誘導体化された前記の係るカルボキシル基を意味する。どの基を活性化のために使用できるかは公知であり、例えば M. und A. Bodanszky, "The Practice of Peptide Synthesis", Springerverlag 1984に指摘される。例はカルボン酸とカルボジイミド又は活性化エステル、例えばヒドロキシベンゾトリアゾールエステルとの付加物である。特に有利にはXのための活性化カルボキシル基は
【0048】
【化9】
から選択される。
【0049】
式Iにおいて、Zは水素原子又は金属当量を表す。どの金属が本発明による結合体中に錯化して存在すべきかは該結合体の意図される使用に依存する。相応の結合体は、例えばNMR診断、放射性診断及び放射線治療及び中性子捕捉療法のために適当である。特に有利には該結合体はNMR診断において造影剤として使用される。
【0050】
NMR診断のための錯体の製造は、特許文献EP71564号、EP130934及びDE−OS3401052号に開示されているように行ってよい。更に所望の元素の金属酸化物又は金属塩(例えば塩化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩又は硫酸塩)を水及び/又は低級アルコール(例えばメタノール、エタノール又はイソプロパノール)中に溶解させるか又は懸濁させ、かつ該溶液又は懸濁液と当量の本発明による錯形成剤とを反応させる。
【0051】
該錯形成剤を放射線診断薬又は治療薬の製造のために使用すべきであれば、該錯体の製造は前記錯形成剤から"Radiotracers for Medical Applications", Vol I, CRC Press, Boca Raton, Floridaに記載の方法により行ってよい。
【0052】
特に放射線薬剤として使用すべき場合には該錯体をまず、その使用直前に製造することが望ましい。従って本発明は式I[式中、Zは水素である]の結合体及び所望の金属の化合物を含有する放射線薬剤の製造のためのキットを含む。
【0053】
更に本発明の対象は、一般式Iの少なくとも1種の生理学的に認容性の結合体を、場合によりガレヌス製剤で慣用の添加剤と一緒に含有する医薬品である。
【0054】
本発明による医薬品の製造は、自体公知のように、本発明による結合体を、(場合によりガレヌス製剤で慣用の添加剤を添加して)水性媒体中に懸濁又は溶解させ、かつ引き続き該懸濁液又は溶液を場合により滅菌することによって行われる。適当な添加剤は、例えば生理学的に認容性の緩衝液(例えばトロメタミン)、錯形成剤の添加剤又は弱い錯体(例えばジエチレントリアミン五酢酸又は本発明による金属錯体に相当するCa錯体)又は、所望であれば電解質、例えば塩化ナトリウム又は、所望であれば酸化防止剤、例えばアスコルビン酸である。
【0055】
腸内投与又は別の目的のために、本発明による薬剤の水又は生理食塩溶液中の懸濁液又は溶液が望ましいのであれば、これらはガレヌス製剤で慣用の1種以上の助剤[例えばメチルセルロース、ラクトース、マンニトール]及び/又は界面活性剤[例えばレシチン、Tween(R)、Myrj(R)]及び/又は矯味のための付香剤[例えば香油]を混合する。
【0056】
原則的に、本発明による医薬品を、錯塩を単離せずにも製造できる。それぞれの場合において、キレート結合が、本発明による塩及び塩溶液が実質的に、錯化されない毒性作用を示す金属イオンを含有しないように行われることに細心の注意を払わねばならない。
このことは、例えば色指示薬、例えばキシレノールオレンジを用いて対照滴定によって製造プロセスの間に保証できる。従って本発明は錯体化合物及びその塩の製造方法にも関する。最終的な信頼性として単離された錯体塩を精製すべきである。
【0057】
本発明による医薬品は、有利には1フェムトモルから1.3モル/lの錯体塩を含有し、かつ一般に0.0001〜5ミリモル/kgの量で投与される。その量は腸内適用及び非経口適用のために規定される。
【0058】
本発明による化合物は、以下のように使用される。
1.原子番号21〜29、42、44及び58〜70を有する常磁性元素のイオンとのその錯体の形でNMR診断のために
適当なイオンは、例えばクロム(III)イオン、鉄(II)イオン、コバルト(II)イオン、ニッケル(II)イオン、銅(II)イオン、プラセオジム(III)イオン、ネオジム(III)イオン、サマリウム(III)イオン及びイッテルビウム(III)イオンである。その強力な磁気モーメントのため、NMR診断のためにガドリニウム(III)イオン、テルビウム(III)イオン、ジスプロシウム(III)イオン、ホルミウム(III)イオン、エルビウム(III)イオン、マンガン(II)イオン及び鉄(III)イオンが特に有利である。
2.原子番号26、27、29、31、32、37〜39、43、46、47、49、61、62、64、67、70、71、75、77、82及び83を有する元素の放射性同位体とのその錯体の形で放射性診断及び放射性治療のために。
【0059】
本発明による結合体は核スピン断層撮影法のための造影剤としての適性に関する多くの前提条件を満たす。従ってこれらは卓越して、経口又は非経口の適用の後に信号強度の増大によって、核スピン断層撮影法を用いて得られる撮像をその表現力(Aussagekraft)において改善するために適当である。更にこれらは、できる限り少量の外来物質で生体を負荷するために必要な高い作用並びに検査の非侵襲性の特性を保持するために必要な良好な適合性を示す。
【0060】
本発明による結合体の良好な水溶性及び低い浸透圧は、高濃縮された溶液の製造を可能にし、それにより許容される範囲内の循環系の容量負荷を保持し、体液による希釈を補うことができる、すなわちNMR診断薬はNMR分光法のためよりも100〜1000倍良好に水溶性でなければならない。更に本発明による結合体はインビトロで高い安定性を有するだけでなく、インビボで意想外に高い安定性を有するので、錯体中で非共有的に結合される(それ自体有毒の)イオンの遊離又は交換は、新規の造影剤が完全に再び排除される時間内に極めて緩慢にのみ行われるにすぎない。
【0061】
一般に本発明による薬剤は、NMR診断薬として使用するために、0.0001〜5ミリモル/kg、有利には0.005〜0.5ミリモル/kgの量で投与される。使用の詳細は、例えばH.- J. Weinmann et al., Am. J. of Roentgenology 142, 619(1984)に記載されている。
【0062】
器官特異的なNMR診断薬の少ない用量(1mg/kg体重未満)は、例えば腫瘍及び心筋梗塞の検出のために使用できる。特に本発明による錯体の少ない用量は放射線治療及び放射線診断での使用のために適当である。
【0063】
本発明による治療剤のインビボ適用では、前記の錯体を適当なキャリヤー、例えば血清又は生理学食塩水と一緒に、かつ別のタンパク質、例えばヒト血清アルブミンと一緒に投与してよい。この場合に用量は細胞障害の種類、使用される金属イオン並びに造影法の種類に依存する。
【0064】
本発明による治療剤は非経口、有利には静脈内で適用される。
【0065】
放射線治療薬の使用の詳細は、例えばR. W. Kozak et al. TIBTEC, Oktober 1986, 262に記載されている(Bioconjugate Chem. 12(2001)7-34を参照)。
【0066】
更に本発明による錯体化合物は有利には増感試薬として、かつインビボNMR分光法のためのシフト試薬として使用できる。
【0067】
本発明による結合体はその優れた放射活性及び該結合体に含まれる錯体化合物の良好な安定性に基づいて放射性診断薬及び放射性治療薬としても適当である。その使用及び投与の詳細は、例えば"Radiotracers for Medical Applications", CRC-Press, Boca Raton, Florida 1983並びにhttp://eur.j.nucl.med.17/ (1990) 346-364及びChem. Rev. 93 (1993) 1137-1156に記載されている。
【0068】
SPECTのために111In及び99mTcの同位体との錯体が適当である。
【0069】
放射性同位体による更なる撮像法は、例えば43Sc、44Sc、52Fe、55Co、68Ga、64Cu、86Y及び94mTcのような陽電子放出同位体を使用する陽電子放出型断層撮影法である(Heiss, W.D.; Phelps, M.E.; Positron Emission Tomography of Brain, Springer Verlag Berlin, Heidelberg, New York 1983)。
【0070】
本発明による結合体は意想外にも悪性及び良性の腫瘍の分化のために血液脳関門を有さない範囲で好適である。
【0071】
これらは、完全に生体から排除されることに優れ、従って良好に認容性である。
【0072】
本発明による結合体は悪性腫瘍中に集積するので(健康な組織では拡散しないが、腫瘍血管の高い透過性)、これらは悪性腫瘍の照射治療も促進する。前記化合物は、使用される同位体の量及び種類でのみ相応の診断薬と異なるにすぎない。この場合に目的は、できる限り低い到達距離を有する高エネルギーの短波長線によって腫瘍細胞を撲滅することである。このために錯体中に含まれる金属(例えば鉄又はガドリニウム)の電離放射線(例えばX線)又は中性子線との相互作用を利用する。前記の効果によって金属錯体が存在する場所(例えば腫瘍)での局所的線量は極めて高くなる。同様の線量を悪性組織に発生させるために、かかる金属錯体の使用において健康な組織のために放射線負荷をかなり低減でき、かつそれにより患者について負担される副作用は回避できる。本発明による金属錯体−結合体は、従って悪性腫瘍の照射治療における放射線感受性物質としても適当である(例えばメスバウアー効果の利用又は中性子捕捉療法で)。適当なβ−放出イオンは、例えば46Sc、47Sc、48Sc、72Ga、73Ga、90Y、67Cu,109Pd、111Ag、149Pm、153Sm、166Ho、177Lu、186Re及び188Reである。90Y、177Lu、72Ga、153Sm及び67Cuが有利である。少ない半減期を有する適当なα−放出イオンは、例えば211At、211Bi、212Bi、213Bi及び214Biであり、その際、212Biが有利である。適当な光子放出イオン及び電子放出イオンは158Gdであり、これは157Gdから中性子捕捉によって得ることができる。
【0073】
本発明による結合体がR. L. Mills et al. [Nature Vol.336, (1988), S. 787によって提案される放射治療のために規定される場合に、中心イオンはメスバウアー同位体、例えば57Fe又は151Euから誘導されねばならない。
【0074】
事実上なおも存在する遊離のカルボキシ基の中和は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム又はカルシウムの無機塩基(例えば水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩)及び/又は有機塩基、例えばとりわけ第一級、第二級及び第三級のアミン、例えばエタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N−メチルグルカミン及びN,N−ジメチルグルカミン並びに塩基性アミノ酸、例えばリジン、アルギニン及びオルニチン又は本来は中性又は酸性のアミノ酸のアミドによって行われる。
【0075】
中性錯体化合物を製造するために、例えば酸性錯塩中に水溶液又は懸濁液で、中和点に達する程度の量の所望の塩基を添加してよい。得られた溶液は引き続き真空中で乾燥濃縮してよい。しばしば、形成された中性塩を水と混和可能な溶液、例えば低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、低級ケトン(アセトン等)、極性エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)の添加によって沈殿させ、かつこうして容易に単離されかつ良好に精製される結晶化物が得られることが有利である。所望の塩基は既に反応混合物の錯体形成の間に添加され、それによりプロセス工程が省かれることが特に有利であると見なされる。
【0076】
本発明による式Iの結合体は当業者に公知の方法により製造できる。例えば式Iの結合体は、式II
【0077】
【化10】
[式中、Z、B、R及びAは前記のように定義されており、かつXは生体分子と反応しうる基を表す]の化合物と生体分子とを反応させ、かつ引き続き所望であれば公知のように所望の元素の少なくとも1つの金属酸化物又は金属塩と反応させ、かつ場合により引き続きこうして得られた錯体中になおも存在する酸性水素原子を完全に又は部分的に無機及び/又は有機の塩基、アミノ酸又はアミノ酸アミドのカチオンと交換する方法によって得られる。
【0078】
例えば式IIの化合物は、式III
【0079】
【化11】
[式中、Bは前記のように定義される]の化合物を場合により窒素原子のための保護基の導入の後にNu−A−X′′及びNu−CH(R)−CO2Z′[式中、A及びRは前記に定義したものであり、かつNuは脱離基であり、X′′はXまたはXの保護された形を表し、かつXは前記に定義したものであり、かつZ′は水素原子、金属イオン当量、有利にはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えばナトリウム又はカリウムの当量を表すか、又は保護基はカルボキシルを表す]と反応させる方法によって得られる。引き続き場合により存在する保護基を除去し、かつ自体公知の方法で所望の元素の少なくとも1つの金属酸化物又は金属塩と反応させてよい。場合により引き続きこうして得られた錯体中になおも存在する酸性水素原子は完全に又は部分的に無機及び/又は有機の塩基のカチオン、アミノ酸又はアミノ酸アミドによって置換されていてよい。
【0080】
式IIの化合物の合成のために有利な変法を以下に詳細に記載する。
【0081】
第一の変法においては、まず窒素において非置換の巨大環を保護された単位AX′′と反応させる。基Aはこの場合に離脱基として脱離基を有する。化学量論的反応制御によって巨大環中の4つの窒素原子の1つは基Aと離脱基の放出下に反応する。前記のように基Xを保護された形(X′′)で有する一官能化された巨大環が得られる。第二の反応工程で、巨大環の残りの3つの求核性窒素原子をそれぞれ、カルボキシル基に対してα−位に脱離基を有する保護されたカルボン酸と反応させる。カルボン酸官能性による保護基の離脱の後に、常磁性金属イオン及びキレート配位子からなる錯体を金属酸化物又は金属塩の添加によって完成させる。この変法を以下に概略的に示する、その際、式中の基は前記に定義したものである:
【0082】
【化12】
【0083】
第二の変法において、出発材料としては、4つの窒素原子の3つに既に適当な保護基SGを有する巨大環を使用する。保護基としては本願では、例えばt−ブチルオキシカルボニル(t−BOC)、COCF3、カルボベンゾキシ(Cbo)又はフルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)などが適当である。保護基の存在によって、4つの窒素原子の1つだけが求核性であり、かつ前記の変法でのように脱離基Nuを有するA−X′′と反応できる。離脱基の離脱下に両者の分子が結合した後に3つの保護基を窒素原子から離脱することが行われる。引き続きカルボン酸誘導体を用いた誘導体化が、既に前記の変法に記載されたように行われる。この第二の変法を以下に概略的に示す、その際、式中の基は前記に定義したものである:
【0084】
【化13】
【0085】
第三の変法においてまず大環状環の4つの窒素原子の1つを相応の保護基SGによって遮断する。適当な保護基のための例はホルミル、ベンジル、Bocトリチル等である。目下、3つの残りの求核性窒素原子においてα位に相応の脱離基を有する相応に保護されたカルボン酸誘導体と反応が行われる。引き続きまず第一の窒素原子に導入された保護基SGの離脱並びに同様に脱離基を有するAX′′による誘導体化が行われる。この第三の変法を以下に概略的に示す、その際、式中の基は前記に定義したものである:
【0086】
【化14】
【0087】
脱離基として有利には基:Cl、Br、I、O−トリフレート、メシレート及びトシレートが用いられる。
【0088】
該反応は水と有機溶剤、例えばイソプロパノール、エタノール、メタノール、ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ホルムアミド又はジクロロメタンとの混合物中で実施される。水、イソプロパノール及びジクロロメタンからなる三成分混合物が有利である。
【0089】
反応は−10℃〜100℃、有利には0℃〜30℃の間の温度範囲で実施される。
前記に挙げられる基の保護は当業者に公知の種々の様式で行ってよい。以下に記載される実施形は前記の保護基技術の説明のために用いられ、この合成経路に制限するものではない。
【0090】
酸保護基としてC1〜C6−アルキル基、C6〜C10−アリール基及びC6〜C10−Ar(C1〜C4)−アルキル基並びにトリアルキルシリル基が該当する。メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基及びt−ブチル基が有利である。
【0091】
前記の酸保護基の脱離は当業者に公知の方法、例えば加水分解、水素化分解、温度0〜50℃の温度での水性アルコール性溶液中でのアルカリによるエステルのアルカリ性鹸化、鉱酸による酸性鹸化又はt−ブチルエステルの場合にはトリフルオロ酢酸を用いた酸性鹸化によって実施される。
【0092】
NH基は多様に保護され、かつ再び遊離されてよい。N−トリフルオロアセチル誘導体は水中の炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムによって(H. Newman, J. Org. Chem., 30:287(1965), M. A. Schwartz et al., J. Am. Chem. Soc., 95 G12(1973))又はアンモニア溶液によって簡単に(M. Imazama u. F. Eckstein, J. Org. Chem., 44:2039(1979))分解できる。同様にt−ブチルオキシカルボニル誘導体も緩慢に分離できる:トリフルオロ酢酸との撹拌で十分である(B. F. Lundt et al., J. Org. Chem., 43:2285(1978))。水素化分解的に又は還元的に分解されるべきNH保護基の基は非常に大きい:N−ベンジル基は水素/Pd−Cによって容易に分解でき(W. H. Hartung u. R. Rimonoff, Org. Reactions VII, 262(1953))、これはまたトリチル基(L. Zervas et al., J. Am. Chem. Soc., 78: 1359(1956))についても、ベンジルオキシカルボニル基についてもいえることである(M. Bergmann u. L. Zervas Ber. 65:1192(1932))。
【0093】
前記の化合物の活性化されたエステルは当業者に公知のように製造される。イソシアネート又はα−ハロゲンアセテートの場合については、相応の末端アミン前駆体は文献から公知の方法によりチオホスゲン又は2−ハロ酢酸−ハロゲン化物と反応される。また相応のN−ヒドロキシスクシンイミドの誘導体化されたエステル、例えば
【0094】
【化15】
(Hal=ハロゲン)との反応も可能である。
【0095】
一般に前記の目的のためにカルボン酸のための全ての慣用の活性化法が使用でき、該方法は従来技術において公知である。分子Nu−A−X′′は有利にはまず無関係に合成される。該分子がアミド基を有するのであれば、該分子は、活性化されたカルボン酸とアミンとを反応させることによって製造される。カルボン酸の活性化は慣用の方法により行われる。適当な活性化剤のための例はジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)及び0−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、有利にはDCCである。
【0096】
O−求核性触媒、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの添加も可能である。
【0097】
基Xがカルボン酸官能基であれば、該基は保護された形(例えばベンジルエステルの形で)使用され、保護基の分解は次いで水素化分解的に行われる。
【0098】
このカルボン酸官能基が適当な生体分子の適当な官能基に結合するために、該基を一般にまず活性化させるべきである。有利にはそのために活性化されたエステルを中間的に作成し、これを次いで生体分子の求核性基によって攻撃する。前記のように生体分子と式IIの化合物との間の共有結合が存在する。有利な活性化されたエステルはN−ヒドロキシスクシンイミドのエステル、パラニトロフェノールのエステル又はペンタフルオロフェノールのエステルである。基Xをイソシアネートの形で生体分子に結合すべき場合には、有利には先ず、必要であれば適当な保護基を備えていてよい第三級アミンを使用する。適当な保護基はペプチド化学から公知である。保護基の分解の後に、第1級末端アミンとチオホスゲンとの反応によってイソチオシアネートを製造してよい。そこに生体分子の求核性基を付加してよい。
【0099】
1つの実施形において基Xは、例えば選択的に生体分子のチオール官能基と反応しうるマレインイミドである。
【0100】
もう1つの実施形において基Xは生体分子の適当な官能性(活性化エステル、マレインイミド等)に攻撃する求核性基(NH2、SH)である。マレインイミドで多重に官能化された生体分子は市販されている。
【0101】
該結合体の合成は、一般に、まず誘導体化されかつ官能化されたキレート錯体を製造し、次いで生体分子に結合させるように行われる。しかしながら、合成により製造された生体分子を使用する場合に本発明によるキレート錯体は生体分子の合成の間に生体分子中に組み込んでもよい。これは、例えば合成ロボットでのオリゴペプチドの連続的な合成の間に実施してよい。必要に応じて、このために相応の生体分子の合成において慣用の保護基を本発明による化合物に導入してもよい。これを次いで慣用の合成アルゴリズムの経過において再び分解してよい。
【0102】
「生体分子」とは本願では、天然に例えば生体で生じるか、又は類似の構造で合成により製造されるあらゆる分子を意味する。更に生体分子とは、生物学的に、例えば生体に生じる分子又はそこに生じる構造において相互作用する分子を意味するので、例えば規定の所望の生体部位に該結合体が集積する。「生体」とは本願では植物又は動物の生体をそれぞれ意味し、その際、動物、特にヒトの生体が有利である。
【0103】
生体分子は、特に生物中に生じる分子であり、該分子は進化的淘汰の産物として秩序的かつ複雑な作用によって生物に特異的な課題を満たし、かつその生命機能(物質代謝及び形態代謝、繁殖、エネルギー収支)の基礎に影響する。生体分子においてまず簡単な構成単位(アミノ酸、核酸塩基、単糖類、脂肪酸等)からより大きな分子(タンパク質、核酸、多糖類、脂質等)が合成される。相応の巨大分子は生体ポリマーとも呼称される。
【0104】
有利には生体分子は、例えば式IIの本発明による化合物の反応性基Xと反応しうる側鎖を有するアミノ酸からなるポリペプチド骨格を有してよい。かかる側鎖は、例えばアスパラギン酸残基及びグルタミン酸残基のカルボキシル基、リジン残基のアミノ基、チロシン残基及びヒスチジン残基の芳香族基並びにシステイン残基のスルフヒドリル基を含む。
多くの例による生体分子の概要は、「TU−Grazの草案「生体分子の化学」(H. Berthold et al., Institut fuer Organische Chemie, TU-Graz, 2001)」に見られ、これはまたインターネットを介してwww.orgc.tu−graz.ac.atで閲覧できる。この文献の内容は引用することにより本願の詳細な説明に記載されたものとする。
【0105】
本発明による結合体の結合のために、以下の生体分子が特に適当である:生体ポリマー、タンパク質、例えば生物学的機能を有するタンパク質、HSA、BSA等、生物の規定の部位に集積するタンパク質及びペプチド(例えばレセプター、細胞膜、チャンネル等に)、プロテアーゼによって分解されるペプチド、合成による目的開裂部位を有するペプチド(例えば反応性エステル、アミドなど)、メタロプロテアーゼによって分解されるペプチド、光分解性リンカーを有するペプチド、酸化剤(オキシダーゼ)によって分解可能な基を有するペプチド、天然及び非天然のアミノ酸を有するペプチド、糖タンパク質(糖ペプチド)、シグナルタンパク質、抗ウイルス性タンパク質及びアポクトーシス(Apoktosis)、合成により変性された生体ポリマー、例えばリンカーで誘導体化された生体ポリマー、変性されたメタロプロテアーゼ及び誘導体化されたオキシダーゼ等、炭化水素(単糖類ないし多糖類)、例えば誘導体化された糖類、生物中で分解可能な糖類、シクロデキストリン及びその誘導体、アミノ糖類、キトサン、ポリスルフェート及びアセチルニューラミン酸誘導体、抗体、例えばモノクローナル抗体、抗体フラグメント、ポリクローナル抗体、ミニ抗体、単鎖(多くのフラグメントにリンカーで結合されている単鎖)、赤血球及び別の血球成分、癌マーカー(例えばCAA)及び細胞接着物質(例えばルイスX及び抗ルイスX誘導体)、DNA及びRNA断片、例えば誘導体化されたDNA及びRNA(例えばSELEX法によって見いだされたもの)、合成RNA及びDNA(非天然塩基を有するものも)、PNA(ヘキスト)及びアンチセンス、β−アミノ酸(Seebach)、細胞に通過させるためのベクトルアミン、生体原アミン、医薬品、癌原調製物、生物学的標的(例えばレセプター)に向けられる合成ポリマー、ステロイド(天然及び変性)、プロスタグランジン、タキソール及びその誘導体、エンドセリン、アルカロイド、葉酸及びその誘導体、生体活性脂質、脂肪、脂肪酸エステル、人工的に変性されたモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、表面上で誘導体化されているリポソーム、天然の脂肪酸又はペルフルオロアルキル化合物からなるミセル、ポリフィリン、テキサフリン、拡張ポルフィリン、シトクロム、インヒビター、ノイラミダーゼ、神経ペプチド、免疫調節剤、例えばFK506、CAPE及びグリオトキシン、エンドグリコシダーゼ、酵素によって活性化される基質、例えばカルモジュリンキナーゼ、カゼインキナーゼII、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、ヘパリナーゼ、基質−メタロプロテアーゼ、β−インスリン−レセプター−キナーゼ、UDP−ガラクトース−4−エピメラーゼ、フコシダーゼ、G−タンパク質、ガラクトシダーゼ、グリコシダーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ及びキシロシダーゼ、抗生物質、ビタミン及びビタミン類似体、ホルモン、DNA−インターカレーター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、レクチン、ビタミンB12、ルイスX及び類似物、ソラーレン、ジエントリエン抗生物質、カルバシクリン、VEGF(血管内皮成長因子)、ソマトスタチン及びその誘導体、ビオチン誘導体、抗ホルモン、腫瘍特異的タンパク質及び合成薬、生体の酸性又は塩基性の領域に集積するポリマー(pH調整された分布)、ミオグロビン、アポミオグロビン等、神経伝達ペプチド、腫瘍壊死因子、炎症組織に集積するペプチド、血液プール試薬、アニオン及びカチオン−輸送タンパク質、ポリエステル(例えば乳酸の)、ポリアミド及びポリホスフェート。
【0106】
前記の生体分子の殆どは、例えばMerck、Aldrich、Sigma、Calibochem又はBachemで市販されている。
【0107】
更に生体分子としてはWO96/23526号及びWO01/08712号に開示される全ての「血漿タンパク質結合基」もしくは「標的結合基」を使用してよい。前記の両者の公開公報の内容は引用することにより本願の詳細な説明に記載されたものとする。
【0108】
本発明による式IIの化合物の生体分子あたりの数は原則的に任意であるが、有利には分子比0.1:1〜10:1、特に0.5:1〜7:1である。
【0109】
更に式IIの化合物は、先行技術で蛍光色素物質と反応される全ての同じ分子への結合のために、例えば細胞内の落射蛍光顕微鏡によるその局在を観察するために適当である。また該化合物は原則的に任意の医薬品と結合でき、次いで該医薬品の投与の後に生物内の輸送をNMR技術によって追跡できる。更に、式IIの化合物と生体分子とからなる本発明による結合体は、生体分子に結合されている他の付加的な分子を有してもよい。本発明の範囲内での「生体分子」の概念では、従って生物学的系に存在する全ての分子、及び生体適合性な全ての分子を含む。
【0110】
以下の実施例によって本発明を詳細に説明するが、これらの実施例に制限されるものではない。
【0111】
実施例
例1
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、25g(81.1ミリモル)の2−ブロモプロピオニルグリシン−ベンジルエステル(WO98/24774号の例1e)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(19.6g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0112】
収量:32.0g(理論値の73%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C68.39H7.23N7.98
実測値:C67.95H7.41N8.22
b)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
26.3g(30ミリモル)の例1aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0113】
収量:15.7g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C51.05H7.60N13.53
実測値:C50.71H7.83N13.25
c)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
10.4g(20ミリモル)の例1bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0114】
収量:10.1g(理論値の69%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.3%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C39.33H5.40Gd23.41N10.42
実測値:C39.21H5.88Gd22.93N10.11
例2
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例1aに中間生成物として記載される19.6g(50ミリモル)の1−[4−(ベンジルオキシ−カルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0115】
収量:33.7g(理論値の70%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.90H7.86N7.28
実測値:C69.77H7.51N7.22
b)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
28.9g(30ミリモル)の例2aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0116】
収量:18.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C55.89H8.54N11.64
実測値:C55.63H8.83N11.31
c)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.0g(20ミリモル)の例2bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0117】
収量:12.0g(理論値の72%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.1%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C44.49H6.40Gd20.80N9.26
実測値:C44.21H6.72Gd20.23N9.11
例3
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例1aに中間生成物として記載される19.6g(50ミリモル)の1−[4−(ベンジルオキシ−カルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al, Tetrahedron Letters (1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0118】
収量:41.1g(理論値の76%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C72.13H8.10N6.47
実測値:C71.88H8.21N6.25
b)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
32.5g(30ミリモル)の例3aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0119】
収量:22.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C61.56H8.80N9.70
実測値:C61.17H8.98N9.41
c)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.4g(20ミリモル)の例3bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0120】
収量:12.4g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C50.72H6.90Gd17.95N7.99
実測値:C51.03H7.08Gd17.42N8.11
例4
a)10−[4−(t−ブトキシカルボニル)−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.6g(81.1ミリモル)のN−[2−ブロモ−2−フェニルアセチル]グリシン−t−ブチルエステル(WO98/24775号の例6a)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[4−(t−ブトキシカルボニル)−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(21.0g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0121】
収量:34.0g(理論値の75%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C68.93H7.45N7.73
実測値:C69.12H7.57N7.60
b)10−(4−(t−ブトキシカルボニル−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
27.2g(30ミリモル)の例4aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0122】
収量:17.5g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C55.95H7.13N12.08
実測値:C56.21H6.99N11.83
c)10−(4−カルボキシ−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
例4bに記載される11.6g(20ミリモル)のt−ブチルエステルを非常に僅かなトリフルオロ酢酸中に溶解させ、かつ室温で15分間撹拌した。250mLのジエチルエーテルを添加した後に、引き続き2時間撹拌し、沈殿物を吸引分離し、かつ真空中で乾燥させた。こうして得られた遊離の配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中で溶解させ、希釈アンモニアでpH7に調整し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0123】
収量:11.6g(理論値の72%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C44.19H5.22Gd21.43N9.54
実測値:C43.91H5.27Gd21.09N9.77
例5
a)4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル酢酸メチルエステル
10g(60.2ミリモル)のヒドロキシフェニル酢酸メチルエステル(Aldrich)を75mLのアセトン中に溶解させた。18.4g(133ミリモル)の固体の炭酸カリウムを添加し、17.8mL(123ミリモル)のブロモ酢酸エチルエステルを15分以内に還流下に滴加し、前記温度で更に4時間保持し、かつ室温で一晩撹拌した。沈殿物を濾過分離し、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸エステル 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0124】
収量:14.6g(理論値の96%)
元素分析:
計算値:C61.90H6.39
実測値:C61.67H6.50
b)α−ブロモ−4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル酢酸メチルエステル
例5aからの13.5g(53.5ミリモル)の表題化合物を75mLの四塩化炭素中に溶解させた。9.52g(53.5ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド及び48mgのジベンゾイルペルオキシドを添加し、還流下に5時間加熱し、かつ室温で一晩撹拌した。該懸濁液を炭酸水素ナトリウム溶液で2回、かつ水で1回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を濾過分離し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0125】
収量:15.4g(理論値の87%)
元素分析:
計算値:C47.15H4.57Br24.13
実測値:C47.01H4.76Br23.70
c)10−[α−(4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.9g(81.1ミリモル)の前記の例5bに記載されるブロモ化合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン=10/5/0.1)。こうして得られた1−[α−(4−(エトキシ−カルボニルメトキシ)フェニル)−メトキシカルボニルメチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(21.1g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0126】
収量:34.1g(理論値の75%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C67.38H7.10N6.16
実測値:C67.20H7.33N6.31
d)10−[α−(4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
27.3g(30ミリモル)の例5cからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0127】
収量:19.3g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C56.42H7.26N8.77
実測値:C56.21H7.56N8.47
e)10−[α−(4−カルボキシメトキシフェニル)カルボキシメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
13.3g(20ミリモル)の例5dからの表題化合物を250mLの2Nの水酸化ナトリウム溶液及び250mLのテトラヒドロフラン中に取り、かつ40℃で5日間撹拌した。引き続き水相をAmberlite IR−120(R)(H+形)でpH7に調整し、80mLのイソプロパノールを添加し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0128】
収量:8.6g(理論値の61%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.3%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C43.19H4.97Gd20.94N7.46
実測値:C43.22H5.29Gd20.42N7.11
例6
a)4−(エトキシカルボニルプロポキシ)フェニル酢酸メチルエステル
10g(60.2ミリモル)のヒドロキシフェニル酢酸メチルエステル(Aldrich)を75mLのアセトン中に溶解させた。18.4g(133ミリモル)の固体の炭酸カリウムを添加し、17.8mL(123ミリモル)の4−ブロモ酢酸エチルエステルを15分以内に還流下に滴加し、前記温度で更に4時間保持し、かつ室温で一晩撹拌した。沈殿物を濾過分離し、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸エステル 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0129】
収量:16.4g(理論値の97%)
元素分析:
計算値:C64.27H7.19
実測値:C64.41H6.92
b)α−ブロモ−[4−(エトキシカルボニルプロポキシ)フェニル]酢酸メチルエステル
例6aからの15.0g(53.5ミリモル)の表題化合物を75mLの四塩化炭素中に溶解させた。9.52g(53.5ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド及び48mgのジベンゾイルペルオキシドを添加し、還流下に5時間加熱し、かつ室温で一晩撹拌した。該懸濁液を炭酸水素ナトリウム溶液で2回、かつ水で1回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を濾過分離し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0130】
収量:15.9g(理論値の83%)
元素分析:
計算値:C50.16H5.33Br22.24
実測値:C50.33H5.04Br21.94
c)10−[α−(4−(エトキシカルボニルプロポキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、29.1g(81.1ミリモル)の前記の例6bに記載されるブロモ化合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン=10/5/0.1)。こうして得られた1−[α−(4−(エトキシ−カルボニルプロポキシ)フェニル)−メトキシカルボニルメチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(22.5g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0131】
収量:30.5g(理論値の65%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C67.93H7.31N5.98
実測値:C67.95H7.22N6.13
d)10−[α−(4−(エトキシカルボニルプロポキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
28.1g(30ミリモル)の例6cからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0132】
収量:20.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C57.64H7.56N8.40
実測値:C57.43H7.77N8.69
e)10−[α−(4−カルボキシプロポキシフェニル)カルボキシメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
13.3g(20ミリモル)の例6dからの表題化合物を250mLの2Nの水酸化ナトリウム溶液及び250mLのテトラヒドロフラン中に取り、かつ40℃で5日間撹拌した。引き続き水相をAmberlite IR−120(R)(H+形)でpH7に調整し、80mLのイソプロパノールを添加し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0133】
収量:9.3g(理論値の55%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C44.72H5.31Gd20.19N7.19
実測値:C44.31H5.88Gd19.93N7.11
例7
a)4−(エトキシカルボニルデシルオキシ)フェニル酢酸メチルエステル
10g(60.2ミリモル)のヒドロキシフェニル酢酸メチルエステル(Aldrich)を75mLのアセトン中に溶解させた。18.4g(133ミリモル)の固体の炭酸カリウムを添加し、50mLのアセトン中の36.1g(123ミリモル)のω−ブロモウンデカン酸エチルエステルを滴加し、還流下に8時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。未溶解物を濾過分離し、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸エステル 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0134】
収量:20.3g(理論値の89%)
元素分析:
計算値:C69.81H9.05
実測値:C69.50H8.91
b)α−ブロモ−[4−(エトキシカルボニルデシルオキシ)フェニル]酢酸メチルエステル
例7aからの20.2g(53.5ミリモル)の表題化合物を75mLの四塩化炭素中に溶解させた。9.52g(53.5ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド及び48mgのジベンゾイルペルオキシドを添加し、還流下に5時間加熱し、かつ室温で一晩撹拌した。該懸濁液を炭酸水素ナトリウム溶液で2回、かつ水で1回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を濾過分離し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0135】
収量:21.0g(理論値の86%)
元素分析:
計算値:C57.77H7.27Br17.47
実測値:C57.95H7.41Br17.02
c)10−[α−(4−(エトキシカルボニルデシルオキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、37.1g(81.1ミリモル)の前記の例7bに記載されるブロモ化合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン=10/5/0.1)。こうして得られた1−[α−(4−(エトキシ−カルボニルデシルオキシ)フェニル)−メトキシカルボニルメチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(27.4g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0136】
収量:33.6g(理論値の65%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.61H7.98N5.41
実測値:C69.75H7.88N5.12
d)10−[α−(4−(エトキシカルボニルデシルオキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
31.1g(30ミリモル)の例7cからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0137】
収量:23.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C61.24H8.43N7.32
実測値:60.96H8.61N7.22
e)10−[α−(4−カルボキシデシルオキシフェニル)カルボキシメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
15.3g(20ミリモル)の例7dからの表題化合物を250mLの2Nの水酸化ナトリウム溶液及び250mLのテトラヒドロフラン中に取り、かつ40℃で5日間撹拌した。引き続き水相をAmberlite IR−120(R)(H+形)でpH7に調整し、80mLのイソプロパノールを添加し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0138】
収量:11.5g(理論値の60%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C49.30H6.32Gd17.93N6.39
実測値:C49.56H6.10Gd17.52N6.63
例8
a)10−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、150mLのクロロホルム中の18.6g(81.1ミリモル)の4−ブロモメチル−安息香酸メチルエステル(Aldrich)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:メタノール/25%アンモニア水=8/1)。こうして得られた1−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(21.6g、67.3ミリモル、理論値の83%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0139】
収量:41.8g(理論値の77%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.95H7.24N6.94
実測値:C69.57H7.39N7.12
b)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
24.2g(30ミリモル)の例8aからの表題化合物を400mLのメタノール中に溶解させ、100mLの15Nの水酸化ナトリウム溶液と混合し、還流下に6時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。真空中で蒸発濃縮させた後に、残留物を200mLの水中に溶解させ、IR120(R)カチオン交換体(H+形)を添加することによってpH7に調整した。交換体を真空中で濾過分離して、蒸発乾涸させた。残留物は更に特徴付けることなく錯形成された。
【0140】
薄層系:n−ブタノール/アンモニア水/エタノール/水 12/6/3/3
収量:16g
c)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
11g(20ミリモル)の例8bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0141】
収量:8.9g(理論値の61%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.2%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C44.37H5.21Gd23.23N8.28
実測値:C44.12H5.46Gd22.93N8.51
例9
a)10−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例8aに中間生成物として記載される21.6g(67.3ミリモル)の1−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の85.1g(0.25モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0142】
収量:48.5g(理論値の81%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C71.43H7.92N6.29
実測値:C71.12H7.79N6.55
b)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
26.7g(30ミリモル)の例9aからの表題化合物を400mLのメタノール中に溶解させ、100mLの15Nの水酸化ナトリウム溶液と混合し、還流下に6時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。真空中で蒸発濃縮させた後に、残留物を200mLの水中に溶解させ、IR120(R)カチオン交換体(H+形)を添加することによってpH7に調整した。交換体を真空中で濾過分離して、蒸発乾涸させた。残留物は更に特徴付けることなく錯形成された。
【0143】
薄層系:n−ブタノール/アンモニア水/エタノール/水 12/6/3/3
収量:19g
c)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.6g(20ミリモル)の例9bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0144】
収量:10.9g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C48.93H6.23Gd20.66N7.36
実測値:C48.87H6.01Gd20.22N7.59
例10
a)10−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例8aに中間生成物として記載される21.6g(67.3ミリモル)の1−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の95.1g(0.25モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters (1998), 39(33), 5895)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0145】
収量:48.3g(理論値の71%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C73.63H8.17N5.54
実測値:C73.42H8.39N5.75
b)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
30.3g(30ミリモル)の例10aからの表題化合物を400mLのメタノール中に溶解させ、100mLの15Nの水酸化ナトリウム溶液と混合し、還流下に6時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。真空中で蒸発濃縮させた後に、残留物を200mLの水中に溶解させ、IR120(R)カチオン交換体(H+形)を添加することによってpH7に調整した。交換体を真空中で濾過分離して、蒸発乾涸させた。残留物は更に特徴付けることなく錯形成された。
【0146】
薄層系:n−ブタノール/アンモニア水/エタノール/水 12/6/3/3
収率:22.5g
c)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
15.0g(20ミリモル)の例10bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0147】
収量:11.9g(理論値の63%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C54.52H6.75Gd17.85N6.36
実測値:C54.19H6.83Gd17.61N6.69
例11
a)10−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例8aに中間生成物として記載される21.6g(67.3ミリモル)の1−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の93.6g(0.25モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−フェニル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters (1998), 39(33), 5895)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0148】
収量:50.8g(理論値の76%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C74.98H6.49N5.64
実測値:C75.22H6.61N5.47
b)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
29.8g(30ミリモル)の例11aからの表題化合物を400mLのメタノール中に溶解させ、100mLの15Nの水酸化ナトリウム溶液と混合し、還流下に6時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。真空中で蒸発濃縮させた後に、残留物を200mLの水中に溶解させ、IR120(R)カチオン交換体(H+形)を添加することによってpH7に調整した。交換体を真空中で濾過分離して、蒸発乾涸させた。残留物は更に特徴付けることなく錯形成された。
【0149】
薄層系:n−ブタノール/アンモニア水/エタノール/水 12/6/3/3
収率:22.0g
c)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.6g(20ミリモル)の例11bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0150】
収量:13.1g(理論値の70%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.1%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C55.67H4.79Gd18.22N6.49
実測値:C55.33H4.97Gd17.92N6.54
例12
a)10−[4−(t−ブトキシカルボニル)−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.6g(81.1ミリモル)のN−[2−ブロモ−2−フェニルアセチル]グリシン−t−ブチルエステル(WO98/24775号の例6a)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[4−(t−ブトキシカルボニル)−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(21.0g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の74.9g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−フェニル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters (1998), 39(33),5895)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:30/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0151】
収量:37.7g(理論値の69%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C73.67H6.74N6.41
実測値:C73.44H6.43N6.79
b)10−(4−(t−ブトキシカルボニル−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
32.8g(30ミリモル)の例12aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0152】
収量:24.8g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C67.22H6.74N8.52
実測値:C67.00H6.85N8.23
c)10−(4−カルボキシ−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
例12bに記載される16.4g(20ミリモル)のt−ブチルエステルを非常に僅かなトリフルオロ酢酸中に溶解させ、かつ室温で15分間撹拌した。250mLのジエチルエーテルを添加した後に、引き続き2時間撹拌し、沈殿物を吸引分離し、かつ真空中で乾燥させた。こうして得られた遊離の配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中で溶解させ、希釈アンモニアでpH7に調整し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:25/15/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0153】
収量:11.7g(理論値の59%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C54.83H4.82Gd17.09N7.61
実測値:C54.91H4.67Gd16.62N7.33
例13
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された34.4g(0.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、23.2g(81.1ミリモル)の2−ブロモアセチルグリシン−ベンジルエステル(Teger-Nilsson et al, WO93/11152号,38頁)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(19.6g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43),14591)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0154】
収量:37.0g(理論値の78%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.67H7.76N7.39
実測値:C69.51H7.88N7.39
b)10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
28.4g(30ミリモル)の例13aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0155】
収量:17.7g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C55.18H8.40N11.92
実測値:C54.97H8.70N11.88
c)10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
11.8g(20ミリモル)の例13bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0156】
収量:12.1g(理論値の75%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C43.71H6.25Gd21.19N9.44
実測値:C43.90H6.40Gd20.80N9.33
例14
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例13aに中間生成物として記載される18.9g(50ミリモル)の1−[4−(ベンジルオキシ−カルボニル)−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al, Tetrahedron Letters (1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0157】
収量:38.5g(理論値の72%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C71.95H8.02N6.56
実測値:C71.90H8.21N6.73
b)10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
32.1g(30ミリモル)の例14aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0158】
収量:21.2g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C61.08H8.69N9.89
実測値:C61.27H8.55N9.41
c)10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.2g(20ミリモル)の例14bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0159】
収量:13.5g(理論値の71%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C50.15H6.78Gd18.24N8.12
実測値:C59.92H6.51Gd18.01N8.31
例15
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリ−t−ブチルエステル、臭化ナトリウム錯体
10mLのクロロホルム中に溶解された1.14g(5ミリモル)の2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Petrov et al., DE19608307号;Ranganathan et al., WO95/31444号)に0.50g(1.67ミリモル)の2−ブロモプロピオニルグリシン−ベンジルエステル(WO98/24774号の例1e)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた5mLのアセトニトリル中の1−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(0.70g;1.27ミリモル;理論値の76%)及び541mg(5.1ミリモル)の炭酸ナトリウムに822mg(4.2ミリモル)のブロモ酢酸−t−ブチルエステルを添加し、かつ60℃で12時間撹拌した。0℃に冷却し、かつ塩を濾過分離した。該濾液を蒸発乾涸させ、かつ残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:塩化メチレン/メタノール=20:1)。
【0160】
収量:964mg(理論値の85%)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C56.49H8.01N7.84Na2.57Br8.95
実測値:C56.37H7.88N7.61Na2.33Br8.59
b)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリ−t−ブチルエステル(臭化ナトリウム錯体)
893mg(1.0ミリモル)の例15aからの表題化合物を10mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつへら先のパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。室温で一晩水素添加させた。触媒を濾過分離し、かつ濾液を蒸発乾涸させた。残留物をジオキサンから再結晶させた。
【0161】
収量:562mg(理論値の70%)の結晶性固体
元素分析:
計算値:C52.36H8.16N8.72Na2.86Br9.95
実測値:C52.51H8.30N8.93Na2.71Br9.44
c)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸のガドリニウム錯体
803mg(1.0ミリモル)の例15bからの表題化合物を5mLのトリフルオロ酢酸中に溶解させ、かつ室温で3時間撹拌した。蒸発乾涸させ、残留物を300mLの水に取り、かつ該溶液をReillexs(R)425PVPで充填されたカラムに添加した。水で溶出させた。生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた(446mg、0.84ミリモル)、再び4mLの水中に溶解させた。152mg(0.42ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、90℃に3時間加熱した。蒸発乾涸(真空)させ、かつ残留物を90%の水性エタノールから晶出させた。該結晶を吸引分離し、エタノールで、次いでアセトンで、かつ最後にジメチルエーテルで洗浄し、かつ130℃において真空炉中で乾燥させた(24時間)。
【0162】
収量:469mg(理論値の65%)の無色の結晶性粉末
含水率:5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C40.28H5.58N10.21Gd22.93
実測値:C40.06H5.75N10.43Gd22.40
例16
10−(8−(N−マレイミド)−1−メチル−2,5−ジオキソ−3,6−ジアザオクチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
2.27g(3ミリモル)の例2に記載されるGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mg(3.3ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷中で前活性化させた。引き続き10mLのDMF中の839mg(3.3ミリモル)のN−(2−アミノエチル)マレイミド−トリフルオロ酢酸塩(Arano et al., J. Med. Chem., 39.3458, 39, 3458)及び0.7mL(4ミリモル)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンからなる混合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。該反応混合物を再び氷浴中で冷却し、濾過し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:1/1)。
【0163】
収量:997mg(理論値の35%)
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C46.51H6.20Gd17.91N11.17
実測値:C46.28H6.44Gd17.31N11.26
例17
10−(8−(N−マレイミド)−1−メチル−2,5−ジオキソ−3,6−ジアザオクチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
2.63g(3ミリモル)の例3に記載されるGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mg(3.3ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷中で前活性化させた。引き続き10mLのDMF中の839mg(3.3ミリモル)のN−(2−アミノエチル)マレイミド−トリフルオロ酢酸塩(Arano et al., J. Med. Chem., 39.3458, 39, 3458)及び0.7mL(4ミリモル)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンからなる混合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。該反応混合物を再び氷浴中で冷却し、濾過し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:1/1)。
【0164】
収量:1.24g(理論値の39%)
含水率(カール−フィッシャー):6.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C51.74H6.66Gd15.75N9.82
実測値:C51.77H6.41Gd15.25N10.02
例18
a)(3−ブロモ−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステル
67.7g(0.2モル)のグリシンベンジルエステル トシレート及び61.2ml(0.44モル)のトリエチルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶解させ、かつ0℃において200mlの塩化メチレン中の52.9g(0.2モル)の2,4−ジブロモ酪酸塩化物(Gramain et al. Synth. Commun. (1997), (27), 1827)の溶液に45分以内に滴加し、かつ室温で18時間撹拌した。該反応混合物を目下、0℃において400mlの水性の32%水酸化ナトリウム及び2gの炭酸水素テトラブチルアンモニウムの溶液に滴加し(約15分)、かつ30分撹拌した。引き続き相分離し、かつ水相をそれぞれ200mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(塩化メチレン)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0165】
収量:29.3g(理論値の47%)
元素分析:
計算値:C50.02H4.52N4.49
実測値:C50.34H4.44N4.41
b)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された28.7g(165.8ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、20.7g(66.3ミリモル)の(3−ブロモ−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステルを添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(20.9g、51.8ミリモル、理論値の78%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(-2),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0166】
収量:32.7g(理論値の71%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C68.82H7.13N7.87
実測値:C68.54H7.28N8.01
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
26.7g(30ミリモル)の例18bからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0167】
収量:15.8g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C52.16H7.42N13.22
実測値:C52.32H7.35N13.11
d)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
10.6g(20ミリモル)の例18cに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0168】
収量:9.7g(理論値の67%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.3%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C40.40H5.31Gd23.00N10.24
実測値:C39.99H5.55Gd22.93N10.45
例19
a)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例18bに中間生成物として記載される20.2g(50ミリモル)の1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0169】
収量:34.1g(理論値の70%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C70.27H7.76N7.19
実測値:C70.45H7.61N7.11
b)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
29.2g(30ミリモル)の例19aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0170】
収量:18.4g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C56.75H8.38N11.41
実測値:C56.89H8.31N11.37
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.3g(20ミリモル)の例19bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0171】
収量:11.9g(理論値の75%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.2%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.36H6.30Gd20.48N9.12
実測値:C45.89H6.22Gd20.23N9.01
同様に12.3g(20ミリモル)の例19bに記載される配位子及び3.73g(10ミリモル)の酸化ジスプロシウムを酸化ガドリニウムの代わりに使用して10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのDy錯体が得られた。
【0172】
収量:11.4g(理論値の71%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.05H6.26Dy21.02N9.06
実測値:C45.35H6.22Dy20.88N9.04
例20
a)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例18bに中間生成物として記載される20.2g(50ミリモル)の1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0173】
収量:37.2g(理論値の68%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C72.43H8.01N6.40
実測値:C72.55H7.98N6.35
b)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
32.8g(30ミリモル)の例20aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0174】
収量:22.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C62.19H8.65N9.54
実測値:C62.44H8.56N9.46
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.6g(20ミリモル)の例20bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0175】
収量:12.1g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C51.39H6.81Gd17.70N7.89
実測値:C51.64H6.77Gd17.44N7.77
例21
a)(3−ブロモ−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)安息香酸ベンジルエステル
45.5g(0.2モル)の4−アミノ安息香酸ベンジルエステル及び30.6ml(0.22モル)のトリエチルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶解させ、かつ0℃において200mlの塩化メチレン中の52.9g(0.2モル)の2,4−ジブロモ酪酸塩化物(Gramain et al. Synth. Commun. (1997), (27), 1827)の溶液に45分以内に滴加し、かつ室温で18時間撹拌した。該反応混合物を目下、0℃において400mlの水性の32%水酸化ナトリウム及び2gの炭酸水素テトラブチルアンモニウムの溶液に滴加し(約15分)、かつ30分撹拌した。引き続き相分離し、かつ水相をそれぞれ200mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(塩化メチレン)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0176】
収量:38.2g(理論値の51%)
元素分析:
計算値:C57.77H4.31N3.74
実測値:C57.99H4.27N3.66
b)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された31.2g(180ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.9g(71.9ミリモル)の(3−ブロモ−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)安息香酸ベンジルエステルを添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(26.1g、56.1ミリモル、理論値の78%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(-2),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0177】
収量:36.3g(理論値の68%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C70.64H6.88N7.36
実測値:C70.89H6.81N7.29
c)10−[1−(カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
28.6g(30ミリモル)の例21bからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0178】
収量:17.7g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C56.84H6.98N11.84
実測値:C57.04H6.91N11.79
d)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
11.8g(20ミリモル)の例21cに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0179】
収量:11.1g(理論値の71%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.09H5.13Gd21.08N9.39
実測値:C45.45H5.11Gd20.78N9.40
例22
a)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例21bに中間生成物として記載される23.3g(50ミリモル)の1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0180】
収量:35.3g(理論値の68%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C71.86H7.49N6.76
実測値:C71.99H7.46N6.71
b)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
31.1g(30ミリモル)の例22aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0181】
収量:20.2g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C60.43H7.90N10.36
実測値:C60.59H7.82N10.31
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
13.5g(20ミリモル)の例22bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0182】
収量:12.4g(理論値の72%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.8%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C49.20H6.07Gd18.94N8.44
実測値:C49.51H6.04Gd18.71N8.45
同様に13.5g(20ミリモル)の例22bに記載される配位子及び3.73g(10ミリモル)の酸化ジスプロシウムを酸化ガドリニウムの代わりに使用して10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのDy錯体が得られた。
【0183】
収量:13.0g(理論値の75%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C48.89H6.03Dy19.45N8.38
実測値:C49.11H6.04Dy19.22N8.36
例23
a)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例21bに中間生成物として記載される23.3g(50ミリモル)の1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters -(1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0184】
収量:41.1g(理論値の71%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C73.74H7.76N6.06
実測値:C73.91H7.69N6.01
b)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
34.7g(30ミリモル)の例23aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0185】
収量:23.8g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C64.88H8.23N8.80
実測値:C65.04H8.19N8.70
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
15.9g(20ミリモル)の例23bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0186】
収量:12.9g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C54.35H6.58Gd16.55N7.37
実測値:C54.66H6.57Gd16.32N7.32
例24
a)(3−ブロモ−2−オキソ−ピペリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステル
67.7g(0.2モル)のグリシンベンジルエステル トシレート及び61.2ml(0.44モル)のトリエチルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶解させ、かつ0℃において200mlの塩化メチレン中の55.7g(0.2モル)の2,5−ジブロモ吉草酸塩化物(Gramain et al. Synth. Commun. (1982), (30), 1225)の溶液に45分以内に滴加し、かつ室温で18時間撹拌した。該反応混合物を目下、0℃において400mlの水性の32%水酸化ナトリウム及び2gの炭酸水素テトラブチルアンモニウムの溶液に滴加し(約15分)、かつ30分撹拌した。引き続き相分離し、かつ水相をそれぞれ200mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(塩化メチレン)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0187】
収量:33.2g(理論値の51%)
元素分析:
計算値:C51.55H4.94N4.29
実測値:C51.86H4.91N4.18
b)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された30.3g(175ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、18.9g(58ミリモル)の(3−ブロモ−2−オキソ−ピペリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステルを添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(20.3g、48.6ミリモル、理論値の84%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(-2),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0188】
収量:32.5g(理論値の74%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.08H7.25N7.75
実測値:C69.34H7.19N7.66
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
27.1g(30ミリモル)の例24bからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0189】
収量:16.3g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C53.03H7.60N12.88
実測値:C53.34H7.54N12.79
d)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
10.9g(20ミリモル)の例24cに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0190】
収量:9.6g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.2%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C41.31H5.49Gd22.53N10.04
実測値:C41.67H5.48Gd22.21N9.97
例25
a)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例24bに中間生成物として記載される20.9g(50ミリモル)の1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0191】
収量:36.2g(理論値の73%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C70.49H7.85N7.09
実測値:C70.61H7.83N7.01
b)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
29.6g(30ミリモル)の例25aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0192】
収量:18.8g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C57.40H8.51N11.16
実測値:C57.64H8.45N11.09
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.6g(20ミリモル)の例25bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0193】
収量:11.7g(理論値の71%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.1%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C46.08H6.44Gd20.11N8.96
実測値:C46.34H6.41Gd19.99N8.91
同様に12.6g(20ミリモル)の例25bに記載される配位子及び3.73g(10ミリモル)の酸化ジスプロシウムを酸化ガドリニウムの代わりに使用して10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのDy錯体が得られた。
【0194】
収量:10.8g(理論値の66%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.6%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.77H6.40Dy20.64N8.90
実測値:C46.01H6.46Dy20.34N8.91
例26
a)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例24bに中間生成物として記載される20.9g(50ミリモル)の1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0195】
収量:39.8g(理論値の72%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C72.60H8.09N6.32
実測値:C72.89H7.98N6.27
b)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
33.3g(30ミリモル)の例26aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0196】
収量:22.4g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C62.63H8.76N9.36
実測値:C62.77H8.71N9.29
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.9g(20ミリモル)の例26bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0197】
収量:12.9g(理論値の68%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.6%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C51.92H6.93Gd17.43N7.76
実測値:C52.09H6.88Gd17.21N7.77
例27
a)(3−ブロモ−2−オキソ−ピペリジン−1−イル)安息香酸ベンジルエステル
45.5g(0.2モル)の4−アミノ安息香酸ベンジルエステル及び30.6ml(0.22モル)のトリエチルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶解させ、かつ0℃において200mlの塩化メチレン中の55.3g(0.2モル)の2,5−ジブロモ吉草酸塩化物(Okawara et al. Chem. Pharm. Bull. (1982), (30), 1225)の溶液に45分以内に滴加し、かつ室温で18時間撹拌した。該反応混合物を目下、0℃において400mlの水性の32%水酸化ナトリウム及び2gの炭酸水素テトラブチルアンモニウムの溶液に滴加し(約15分)、かつ30分撹拌した。引き続き相分離し、かつ水相をそれぞれ200mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(塩化メチレン)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0198】
収量:38.8g(理論値の50%)
元素分析:
計算値:C58.78H4.67N3.61
実測値:C59.01H4.50N3.59
b)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された31.2g(180ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.6g(68.5ミリモル)の(3−ブロモ−2−オキソ−ピペリジン−1−イル)安息香酸ベンジルエステルを添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(27.6g、57.5ミリモル、理論値の84%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(-2),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0199】
収量:39.4g(理論値の71%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C70.86H6.99N7.25
実測値:C71.11H6.81N7.17
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
29.0g(30ミリモル)の例27bからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0200】
収量:18.1g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C57.51H7.16N11.56
実測値:C57.72H7.11N11.50
d)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.1g(20ミリモル)の例27cに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0201】
収量:11.4g(理論値の72%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.1%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.84H5.31Gd20.69N9.22
実測値:C45.99H5.26Gd20.55N9.21
例28
a)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例27bに中間生成物として記載される24.0g(50ミリモル)の1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0202】
収量:37.8g(理論値の72%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C72.04H7.58N6.67
実測値:C72.32H7.46N6.59
b)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
31.5g(30ミリモル)の例28aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0203】
収量:20.7g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C60.94H8.04N10.15
実測値:C60.87H8.05N10.11
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
13.8g(20ミリモル)の例28bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0204】
収量:12.0g(理論値の68%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C49.80H6.21Gd18.63N8.30
実測値:C49.99H6.17Gd18.51N8.21
同様に13.8g(20ミリモル)の例28bに記載される配位子及び3.73g(10ミリモル)の酸化ジスプロシウムを酸化ガドリニウムの代わりに使用して10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのDy錯体が得られた。
【0205】
収量:12.4g(理論値の70%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C49.50H6.17Dy19.13N8.25
実測値:C49.77H6.18Dy18.89N8.27
例29
a)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例27bに中間生成物として記載される24.0g(50ミリモル)の1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters -(1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0206】
収量:40.9g(理論値の70%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C73.88H7.84N5.98
実測値:C74.12H7.69N5.89
b)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
35.1g(30ミリモル)の例29aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0207】
収量:24.3g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C65.24H8.34N8.65
実測値:C65.48H8.22N8.60
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
16.2g(20ミリモル)の例29bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0208】
収量:13.6g(理論値の68%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C54.81H6.69Gd16.31N7.26
実測値:C55.11H6.57Gd16.09N7.24
例30〜90
例30〜90は前記のガドリニウム錯体と生体分子との結合体を記載している。該結合体は以下の一般的な作業手順I〜IVにより製造された。結果を表1にまとめる。本願では「AAV」は一般的な作業手順を表し、「ACTH」は副腎皮質刺激ホルモンを表し、「RP−18」は「逆相」固定相クロマトグラフィー段階を呼称する。1生体分子あたりの錯体の数はICP(誘導結合プラズマ原子放出分光法)によって測定した。
【0209】
一般的な作業手順(AAV)I:アルブミン−アミド−結合体
3ミリモルのGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mgのジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷中で前活性化させた。活性化エステル混合物を150mLのリン酸バッファー(pH7.4)中の16.75g(0.25ミリモル)のウシ血清アルブミン(BSA)の溶液に30分以内で滴加し、かつ室温で2時間撹拌した。配合溶液を濾過し、該濾液をAMICON(R)YM30(カットオフ30000Da)上で限外濾過し、濃縮物をセファデックス(R)G50カラム上でクロマトグラフィーし、かつ生成物フラクションを凍結乾燥させた。
【0210】
一般的な作業手順(AAV)II:アルブミン−マレイミド−結合体
1mLのDMF中の0.0438ミリモルのGd錯体マレイミドを15mLのリン酸バッファー(pH7.4)中に溶解された0.84g(0.0125ミリモル)のウシ血清アルブミン(BSA)に添加し、かつ室温で1時間撹拌した。配合溶液を濾過し、該濾液をAMICON(R)YM30(カットオフ30000Da)上で限外濾過し、濃縮物をセファデックス(R)G50カラム上でクロマトグラフィーし、かつ生成物フラクションを凍結乾燥させた。
【0211】
一般的な作業手順(AAV)III.アミド−結合体の製造
3ミリモルのGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mgのジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷中で前活性化させた。活性化エステル混合物を15〜150mLのDMF中の2.5ミリモルのアミン成分の溶液に滴加し、かつ室温で一晩撹拌した。配合溶液を濾過し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした。
【0212】
一般的な作業手順(AAV)IV:マレイミド−SH−結合体の製造
15mLのDMF中の3ミリモルのGd錯体マレイミドを15〜150mLのDMF中の2.5ミリモルSH−成分に滴加し、かつ室温で1時間撹拌した。配合溶液をシリカゲル上でクロマトグラフィーした。
【0213】
【表1】
【0214】
【表2】
【0215】
【表3】
【0216】
【表4】
例91
前記の例において例30〜38からの結合体の緩和度を2つの比較物質の緩和度と比較した。比較物質として、ウシ血清アルブミン(BSA))とそれぞれ反応された式
【0217】
【化16】
のGd−DTPA(1)及び式
【0218】
【化17】
を有するGd−GlyMeDOTA(2)を使用した。
【0219】
測定はそれぞれ水溶液中及び血漿中で+37℃において20MHzの周波数で行った。結果を以下の表2にまとめる、その際、1モルのガドリニウムあたりの示される緩和度は測定値から計算された:
【0220】
【表5】
【0221】
前記の例は、本発明による結合体が1つの生体分子あたりのガドニウム原子の数が少ないにもかかわらず意想外にも比較物質よりも高い緩和度を有することを示している。比較物質2に対して緩和度は大環状環の特定の配位によって高めることができた。
【0001】
本発明は特許請求の範囲で特徴付けられた対象物、すなわち大環状金属錯体の結合体に関する。該結合体は薬剤、特にNMR診断及び放射線診断のための造影剤の製造のため並びに放射線治療のための薬剤の製造のために適当である。
【0002】
目的とする治療及び必要な治療のための前提条件は正確な診断である。特に診断の分野では近年にこれらの可能性は非常に強く増しており、その際、例えばNMR診断及びX線診断は、事実上全ての解剖学的詳細を選択的にかつより高い精度で表すことを可能にしている。しかしながら多くの場合において相応の構造は造影剤の使用によってはじめて可視化することができる。更に造影剤を、これらが選択的に所望の目的構造中に集積されるように作成する可能性が存在する。これによって造影の精度を同時に必要な造影剤量を低下させて高めることができる。
【0003】
NMR診断のための造影剤としては常磁性金属のキレート錯体が適当である。NMR造影剤としてのガドニウム(III)キレートの理論及び使用はChem. Rev. 1999, 99, 2293-2352中のP.キャラバン他(P.Caravan et al.)の概要文献において詳細に説明されている。
【0004】
プロトン−NMRでの撮像強度は実質的に水プロトンによって規定される。該強度は核相対時間に依存する。常磁性遷移金属及びランタノイドの錯体は双極子相互作用によって隣接するプロトンの緩和時間を短縮する。常磁性造影剤は直接検出できないが、造影剤が隣接するプロトン、例えば水プロトンの緩和時間を変更しうるという事実に基づいて間接的な検出が行われる。その高いモーメント及び緩和率に基づいてGd3+、Fe3+及びMn2+はNMR診断における有利な常磁性金属カチオンである。
【0005】
プロトンの緩和挙動を説明する重要な物理量は縦緩和時間T1である。短い緩和時間T1を有する組織は一般に、より長い緩和時間によるイメージよりも高い強度のイメージを提供する。規定の常磁性イオンについては測定される緩和時間T1の相対値が濃度cに依存して指定されるので、勾配Rの直線が得られる。この勾配は緩和度とも呼ばれ、これは隣接するプロトンの緩和時間を短縮する相応の常磁性イオンの能力についての量である。
【0006】
診断目的及び治療目的のための放射線医薬の使用は同様に生物学的及び薬学的な研究の分野で長い間知られている。特に放射線医薬は、規定の構造、例えば骨格、器官又は組織を表すために用いられる。診断的使用は、適用後に、検査されるべき患者の構造中に特異的に集積するかかる放射活性剤の処方を必要とする。局所的に集積される放射活性剤を次いで適当な検出器、例えばシンチレーションカメラ又は別の適当な撮影法を用いて探り、プロットし又はシンチグラフィーを行ってよい。検出される放射活性剤の分布及び相対強度は放射活性剤が存在する構造の位置を示し、かつ構造及び機能の異常、病理学的変化等の存在を表しうる。
【0007】
類似のように放射性医薬は、規定の罹患した組織又は領域を照射するための治療剤として使用してよい。かかる治療は、規定の構造、器官又は組織中に集積する放射活性治療剤の製造を必要とする。
【0008】
その部分的に相対的に高い有毒性に基づいて、常磁性イオンは一般に水溶性塩の形で投与されず、キレート錯体の形で投与される。該イオンは実質的に未変化で生体から排除できる。より少量の錯体が溶液中に存在すればするほど、その慣性モーメントは低くなり、かつ溶液中でより迅速に回転するようになる(回転運動時間)。錯体が迅速に回転すればするほど、その緩和度はより低くなる。緩和度は従って全ての錯体の分子量に比例する。良好なNMR造影剤は、とりわけ緩和度について高い値を有することに優れている。
【0009】
Gd−DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)とアルブミンとの結合体は、例えばM.D.オガン他(M. D. Ogan et al.)によってInvest. Radiol. 1987, 22, 665-671に記載され、かつU.シュミードル他(U. Schmiedl et al.)によってRadiology 1987, 162, 205-210に記載されている。大環状金属錯体及び生体分子からなる結合体はWO95/31444号に開示されている。造影剤の選択性の改善のために、WO01/08712号は、少なくとも2つの金属キレート単位を像改善基として、かつ少なくとも2つの「標的結合単位」を身体内の所望の標的分子又は標的器官に造影剤を結合させるために有する造影剤を提案している。
【0010】
高いモル質量を有する大きな造影剤分子はWO97/02051号によれば大環状金属錯体をカスケードポリマー中に導入することによって得られる。
【0011】
生体分子への結合のために適当な不足した電荷に基づいて高い安定性及び良好な可溶性のテトラアザシクロドデカン五酢酸誘導体は、EP−A0565930号に記載されている。
【0012】
大環状金属錯体の生体分子への前記の結合は緩和度の増大も造影剤の選択性の増加もいずれも可能にする。造影剤の緩和度が高ければ高いほど、増粘剤をほとんど患者に投与する必要がなく、かつ造影におけるコントラスト付与はより高くなる。この結果から、更にできる限り高い緩和度を有するNMR造影剤を提供することが望まれる。
【0013】
従って本発明の課題は、NMR診断及び放射性診断のための改善された造影剤並びに放射線治療のための薬剤を提供することにある。特にNMR造影剤はできる限り高い緩和度を有すべきであり、かつ生体内の所望の位置にできる限り選択的に集積するべきである。
【0014】
前記課題は、意想外にも1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン大環状化合物が特異的配位子を備え、かつこうして配位された巨大環を生体分子に結合させることによって解決されることが判明した。大環状化合物の特異的配位によって、得られる造影剤の緩和度は高まり、かつ更に所望の使用のために緩和度を微調整することが可能である。
【0015】
本発明は従って、式I
【0016】
【化1】
[式中、
Zは水素原子を表すか、又は少なくとも2つのZは金属イオン当量を表し、
Bは水素原子又はC1〜C4−アルキル基を表し、
Rは水素原子又は直鎖状、分枝鎖状又は環式の、飽和又は不飽和のC1〜C10−アルキル基又はアリール基を表し、前記基は場合によりカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されており、かつC1〜C10−アルキル基のアルキル鎖は場合によりアリール基及び/又は1〜2個の酸素原子を有するが、但し、基B及びRは両者とも同時に水素原子ではなく、
Aは直鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は不飽和のC1〜C30−炭化水素鎖を表し、前記基は場合により1〜5個の酸素原子、1〜5個の窒素原子及び/又は1〜5個の−NR′基を表し、その際、R′はRと同様に定義されるが、無関係に選択されてよく、前記鎖は場合により1〜3個のカルボキシル基、1〜3個の−SO3H、1〜3個の−PO3H2及び/又は1〜3個のハロゲン原子によって置換されており、該鎖では場合により1〜3個の炭素原子がカルボニル基として存在し、その際、該鎖又は鎖の一部は環状に配列されていてよく、かつ該鎖は、X′が少なくとも3個の原子を介して、Aが結合されている窒素原子と結合されるように構成され、
X′は、生体分子と反応されている基Xを表し、かつBioは生体分子の基を表す]の結合体並びにその塩及びNMR診断及び放射性診断並びに放射線治療のための薬剤の製造のための使用に関する。
【0017】
EP−A0565930号からAが基−CH(R3)−C(O)−NH−(CH2)1〜6−NH−Dである大環状化合物との結合体は公知である従ってこれらの結合体は請求項1で除外されている。
【0018】
特に記載がない限り、前記の「アルキル基」とは飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝鎖状又は環式の前記の炭素原子数を有するアルキル基を意味する。前記の基が他の基又は原子を有してよい場合には、本願では既に前記の基の原子の他に更なる基又は原子が存在してよく、かつ該基の末端位を含む任意の位置に挿入されていてよいと解されるべきである。
「アリール」とは本願では有利にはフェニル、ビスフェニル、ピリジル、フラニル、ピロリル及びイミダゾリルを意味する。フェニルが特に有利である。
【0019】
完全に又は部分的に環状に配置されていてよい「炭化水素鎖」とは、本願では有利には炭化水素鎖、例えばアルキル鎖を意味し、例えば脂肪族又は芳香族の、場合により複素環式の5又は6員環(例えばフェニル(フェニレン)、ピリジル(ピリジレン)又はシクロヘキシル(シクロヘキシレン))を含んでよいか又はそれから構成されるアルキル鎖を意味する。
【0020】
本発明による式Iの化合物において大環状環の4つの窒素原子の3つは場合により置換された酢酸基もしくはカルボキシレートメチル基によって置換されている。前記の基は配位のためもしくは配位された金属イオンの電荷補償に役立つ。従ってZは水素原子又は金属イオン当量のいずれかを意味する。
【0021】
大環状環の窒素原子の3つの上の酢酸基もしくはカルボキシレートメチル基は付加的に置換基Rを有してよい。更に大環状環はその炭素原子の4つに更なる置換基Bを有してよい。本発明による結合体の特性は、B及びRが両者とも同時に水素原子ではない、すなわち大環状環がその環原子に直接的に及び/又はその窒素原子の酢酸基もしくはカルボキシレートメチル置換基において他の置換基を有さねばならないことにある。前記の付加的な置換基の適当な選択によって、本発明による化合物を使用して製造される造影剤の緩和度の所望の微調整が行われる。
【0022】
Bは水素原子又はC1〜C4−アルキル基であってよい。有利なC1〜C4−アルキル基はメチル、エチル及びイソプロピルである。
【0023】
式Iの本発明による結合体においてBが水素原子である場合に、Rは直鎖状、分枝鎖状及び/又は環式の飽和又は不飽和のC1〜C10−アルキル基(有利にはC5〜C10−アルキル基)又はアリール基を表し、前記基は場合によりカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されていてよく、その際、C1〜C10−アルキル基のアルキル鎖は場合によりアリール基及び/又は1〜2個の酸素原子を有する。アルキル基としては、直鎖状又は分枝鎖状の、有利には飽和のC1〜C10−、特にC1〜C4−アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びt−ブチル並びにシクロヘキシルが有利である。選択的に直鎖状、分枝鎖状又は環式の、有利には飽和のC5〜C10−アルキル基、例えばペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルが有利である。RについてのC1〜C10−アルキル基は、場合によりカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されていてよい。かかる置換されたアルキル基の有利な例は−CH2−COOH及び−C(CH3)2−COOHである。更にC1〜C10−アルキル基のアルキル鎖はアリール基及び/又は1〜2個の酸素原子を有してよい。アリール基及び酸素原子はアルキル鎖内の任意の位置に存在してよい。アリール基は更にアルキル鎖の末端にも配置されていてよく、かつ酸素原子と一緒にアリールオキシ基を形成してよい。アリール基としては、特にフェニル基が適当である。
【0024】
場合によりアリール基及び1〜2個の酸素原子を有するRに関する有利なアルキル鎖は式−(CH2)m−(O)n−(フェニレン)p−Y[式中、mは1〜5の整数であり、nは0又は1であり、pは0又は1であり、かつYは水素原子、メトキシ基、カルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2である]の基である。置換基Yはこの場合に有利にはパラ位に存在する。
【0025】
Rに関するアリール基は、有利には場合によりカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されているフェニル基である。
【0026】
有利にはRは、Bが水素原子である場合にはイソプロピル、イソブチル、t−ブチル、直鎖状又は分枝鎖状のC5〜C10−アルキル基、シクロヘキシル、−CH2−COOH、−C(CH3)2COOH、フェニル基又は式−(CH2)m−(O)n−(フェニレン)p−Y[式中、mは1〜5の整数であり、nは0又は1であり、pは0又は1であり、かつYは水素原子、メトキシ基、カルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2を表す]を表し、特に有利にはイソプロピル、シクロヘキシル又はフェニルを表す。
【0027】
式Iの結合体の置換された大環状環は、生体分子と反応しうる基XによってスペーサーAを介して生体分子に結合してよい。
【0028】
スペーサーAは直鎖状又は分枝鎖状の飽和又は不飽和のC1〜C30−炭化水素鎖を表し、該鎖は場合により1〜5個の酸素原子、1〜5個の窒素原子及び/又は1〜5個の−NR′−基[式中、R′は前記のRと同様に定義されるものであるが、無関係に選択されてよい]を有し、前記鎖は場合により1〜3個のカルボキシル基、1〜3個の−SO3H、1〜3個の−PO3H2及び/又は1〜3個のハロゲン原子によって置換されており、該鎖では場合により1〜3個の炭素原子はカルボニル基として存在し、その際、該鎖又は鎖の一部は環状に配置されていてよく、かつX′が少なくとも3個の原子を介して、Aが結合されている窒素原子と結合されているように構成されている。
【0029】
該スペーサーは少なくとも3つの原子、有利には少なくとも4つの原子を大環状環の窒素原子とX′との間の鎖中に有するべきである。原子の鎖としては、この場合に大環状環の窒素原子とX′との間の環も超えて最短の結合を意味する。前記の定義の範囲において、例えばパラ−フェニレン基は鎖中に4つの原子を有するスペーサーと見なされ、かつメタ−フェニレンは鎖中に3つの原子を有するスペーサーとして見なされる。原子鎖の長さの規定に際して、炭素原子、窒素原子及び酸素原子は同時にそれぞれ1原子として計算される。前記の原子又は側鎖における置換基は鎖内の原子の数に属さない。
【0030】
有利には−A−Xは異なって置換基−CH(R)−CO2Zから選択される。
【0031】
有利にはスペーサーAは基A′−Uとして表すことができ、その際、A′は大環状環の窒素原子に結合され、かつUはX′に結合されている。ここでA′は有利には
a)結合、
b)−CH(CO2H)−、
c)式
【0032】
【化2】
[式中、Qは水素原子、場合によりカルボキシル基によって置換されているC1〜C10−アルキル基又はカルボキシル基、C1〜C5−アルコキシ基、アリールオキシ基又はハロゲン原子によって置換されているアリール基を表し、かつR′はRと同様に定義されているが、無関係に選択されていてよい]の基又は
d)式
【0033】
【化3】
[式中、oは0又は1であり、かつ環は場合によりベンゼン環と縮合されており、その際、該ベンゼン環は存在するのであればメトキシ基又はカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されていてよい]の基である。
【0034】
c)及びd)の前記の基において
【0035】
【化4】
で特徴付けられている位置で隣接した基に結合され、位置αは大環状環の窒素原子に結合され、位置βはUと結合される。
【0036】
式
【0037】
【化5】
の基においてQは有利には直鎖状又は分枝鎖状のC1〜C10−、特にC1〜C4−アルキル基、例えばメチル、エチル又はイソプロピル又はシクロヘキシル基である。前記基は場合によりカルボキシル基で置換されていてよく、その際、カルボキシメチル基が有利である。有利なQのためのアリール基はフェニルである。前記のアリール基はカルボキシル基、C1〜C15−アルコキシ基、アリールオキシ基、例えば特にフェノキシ基又はハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特にフッ素又は塩素によって置換されていてよい。アリール基がフェニル基である場合には、フェニル基は有利にはパラ位において前記の基の1つによって置換されている。特に有利なQのための基はメチル、フェニル及びp−ドデカンオキシフェニルである。
【0038】
R′は、前記のRと同様に定義されるが、Rとは無関係に選択してよい。特に有利にはR′は水素原子である。
【0039】
有利にはA′は結合、−CH(CO2H)−、−C(CH3)H−CO−NH−、−C(フェニル)H−CO−NH−、−C(p−ドデカンオキシフェニル)H−CO−NH−
【0040】
【化6】
[式中、R1は−OCH3、−CO2H、−SO3H又は−PO3H2である]から選択される。
【0041】
スペーサーAが基A′−Uとして表され、A′が前記に定義される意味を有する場合に、Uは有利には直鎖状又は分枝鎖状の飽和又は不飽和の、場合により1〜3個の酸素原子、1〜3個の窒素原子及び/又は1〜3個の−NR′′−基[式中、R′′は前記のRと同様に定義されるが、無関係に選択してよい]を有するC1〜C30−炭化水素鎖であり、そこでは、場合により1〜3個の炭素原子はカルボニル基として存在し、その際、鎖又は鎖の一部は環状に配置されていてよい。特に有利にはUはアリール基又はC1〜C20−アルキル基(有利には直鎖状又は少なくとも部分的に環式及び飽和の)であり、前記基は場合により1〜3個の酸素原子、1〜3個の−NR′′−基、1〜2個のフェニレン基及び/又はピリジレン基を有し、そこでは、場合により1〜3個の炭素原子がカルボニル基として存在し、かつ場合によりアリール基(例えばフェニル)によって置換されている。A′及びUは一緒になって、X′が少なくとも3つの原子を介してA′が結合されている窒素原子と結合されるように構成されていなければならない。少なくとも3つの原子の鎖は前記のAと同様に定義される。
【0042】
Uのためのアリール基は、有利にはフェニル基であるUのためのC1〜C20−アルキル基は、有利には直鎖状の、飽和のC1〜C10−アルキル基、シクロヘキシル基又はシクロヘキシル−C1〜C5−アルキル基である。前記基のアルキル基は、場合により1個の酸素原子、1個のフェニレン基及び/又は1個のピリジレン基によって中断されているか、又は−CO−NR′′−基を有するか、又はフェニルによって置換されていてよい。有利にはUは、−CH2−、−(CH2)5−、−(CH2)10−、−フェニレン−O−CH2−、−フェニレン−O−(CH2)3−、−フェニレン−O−(CH2)10−、−CH2−フェニレン−、−シクロヘキシレン−O−CH2−、−フェニレン−、−C(フェニル)H−、−CH2−ピリジレン−O−CH2−、−CH2−ピリジレン−及び−CH2−CO−NH−CH2−CH2−から選択される。前記の有利なUのための基において、フェニレン基は有利にはパラ位で置換されており、かつピリジレン基は有利にはピリジ−2,5−イレン基又はピリジ−2,4−イレン基である。
【0043】
有利なスペーサーAのための基は:
【0044】
【化7】
である。
【0045】
スペーサーAを介して基X′は式Iの結合体中の大環状環に結合されている。前記の基X′は生体分子と反応されている基Xの基である。例えば、Xについてはカルボキシル(−COOH)、活性化カルボキシル、アミノ(−NH2)、イソシアネート(−NCO)、イソチオシアネート(−NCS)、ヒドラジン(−NHNH2)、セミカルバジド(−NHCONHNH2)、チオセミカルバジド(−NHCSNHNH2)、クロロアセトアミド(−NHCOCH2Cl)、ブロムアセトアミド(−NHCOCH2Br)、ヨードアセトアミド(−NHCOCH2I)、アシルアミノ、例えばアセチルアミノ(−NHCOCH3)、混合無水物、アジド、ヒドロキシド、スルホニルクロリド、カルボジイミド又は式
【0046】
【化8】
[式中、Halはハロゲン原子を表す]の基が適当である。
【0047】
活性化カルボキシル基とは、生体分子との反応を容易にするように誘導体化された前記の係るカルボキシル基を意味する。どの基を活性化のために使用できるかは公知であり、例えば M. und A. Bodanszky, "The Practice of Peptide Synthesis", Springerverlag 1984に指摘される。例はカルボン酸とカルボジイミド又は活性化エステル、例えばヒドロキシベンゾトリアゾールエステルとの付加物である。特に有利にはXのための活性化カルボキシル基は
【0048】
【化9】
から選択される。
【0049】
式Iにおいて、Zは水素原子又は金属当量を表す。どの金属が本発明による結合体中に錯化して存在すべきかは該結合体の意図される使用に依存する。相応の結合体は、例えばNMR診断、放射性診断及び放射線治療及び中性子捕捉療法のために適当である。特に有利には該結合体はNMR診断において造影剤として使用される。
【0050】
NMR診断のための錯体の製造は、特許文献EP71564号、EP130934及びDE−OS3401052号に開示されているように行ってよい。更に所望の元素の金属酸化物又は金属塩(例えば塩化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩又は硫酸塩)を水及び/又は低級アルコール(例えばメタノール、エタノール又はイソプロパノール)中に溶解させるか又は懸濁させ、かつ該溶液又は懸濁液と当量の本発明による錯形成剤とを反応させる。
【0051】
該錯形成剤を放射線診断薬又は治療薬の製造のために使用すべきであれば、該錯体の製造は前記錯形成剤から"Radiotracers for Medical Applications", Vol I, CRC Press, Boca Raton, Floridaに記載の方法により行ってよい。
【0052】
特に放射線薬剤として使用すべき場合には該錯体をまず、その使用直前に製造することが望ましい。従って本発明は式I[式中、Zは水素である]の結合体及び所望の金属の化合物を含有する放射線薬剤の製造のためのキットを含む。
【0053】
更に本発明の対象は、一般式Iの少なくとも1種の生理学的に認容性の結合体を、場合によりガレヌス製剤で慣用の添加剤と一緒に含有する医薬品である。
【0054】
本発明による医薬品の製造は、自体公知のように、本発明による結合体を、(場合によりガレヌス製剤で慣用の添加剤を添加して)水性媒体中に懸濁又は溶解させ、かつ引き続き該懸濁液又は溶液を場合により滅菌することによって行われる。適当な添加剤は、例えば生理学的に認容性の緩衝液(例えばトロメタミン)、錯形成剤の添加剤又は弱い錯体(例えばジエチレントリアミン五酢酸又は本発明による金属錯体に相当するCa錯体)又は、所望であれば電解質、例えば塩化ナトリウム又は、所望であれば酸化防止剤、例えばアスコルビン酸である。
【0055】
腸内投与又は別の目的のために、本発明による薬剤の水又は生理食塩溶液中の懸濁液又は溶液が望ましいのであれば、これらはガレヌス製剤で慣用の1種以上の助剤[例えばメチルセルロース、ラクトース、マンニトール]及び/又は界面活性剤[例えばレシチン、Tween(R)、Myrj(R)]及び/又は矯味のための付香剤[例えば香油]を混合する。
【0056】
原則的に、本発明による医薬品を、錯塩を単離せずにも製造できる。それぞれの場合において、キレート結合が、本発明による塩及び塩溶液が実質的に、錯化されない毒性作用を示す金属イオンを含有しないように行われることに細心の注意を払わねばならない。
このことは、例えば色指示薬、例えばキシレノールオレンジを用いて対照滴定によって製造プロセスの間に保証できる。従って本発明は錯体化合物及びその塩の製造方法にも関する。最終的な信頼性として単離された錯体塩を精製すべきである。
【0057】
本発明による医薬品は、有利には1フェムトモルから1.3モル/lの錯体塩を含有し、かつ一般に0.0001〜5ミリモル/kgの量で投与される。その量は腸内適用及び非経口適用のために規定される。
【0058】
本発明による化合物は、以下のように使用される。
1.原子番号21〜29、42、44及び58〜70を有する常磁性元素のイオンとのその錯体の形でNMR診断のために
適当なイオンは、例えばクロム(III)イオン、鉄(II)イオン、コバルト(II)イオン、ニッケル(II)イオン、銅(II)イオン、プラセオジム(III)イオン、ネオジム(III)イオン、サマリウム(III)イオン及びイッテルビウム(III)イオンである。その強力な磁気モーメントのため、NMR診断のためにガドリニウム(III)イオン、テルビウム(III)イオン、ジスプロシウム(III)イオン、ホルミウム(III)イオン、エルビウム(III)イオン、マンガン(II)イオン及び鉄(III)イオンが特に有利である。
2.原子番号26、27、29、31、32、37〜39、43、46、47、49、61、62、64、67、70、71、75、77、82及び83を有する元素の放射性同位体とのその錯体の形で放射性診断及び放射性治療のために。
【0059】
本発明による結合体は核スピン断層撮影法のための造影剤としての適性に関する多くの前提条件を満たす。従ってこれらは卓越して、経口又は非経口の適用の後に信号強度の増大によって、核スピン断層撮影法を用いて得られる撮像をその表現力(Aussagekraft)において改善するために適当である。更にこれらは、できる限り少量の外来物質で生体を負荷するために必要な高い作用並びに検査の非侵襲性の特性を保持するために必要な良好な適合性を示す。
【0060】
本発明による結合体の良好な水溶性及び低い浸透圧は、高濃縮された溶液の製造を可能にし、それにより許容される範囲内の循環系の容量負荷を保持し、体液による希釈を補うことができる、すなわちNMR診断薬はNMR分光法のためよりも100〜1000倍良好に水溶性でなければならない。更に本発明による結合体はインビトロで高い安定性を有するだけでなく、インビボで意想外に高い安定性を有するので、錯体中で非共有的に結合される(それ自体有毒の)イオンの遊離又は交換は、新規の造影剤が完全に再び排除される時間内に極めて緩慢にのみ行われるにすぎない。
【0061】
一般に本発明による薬剤は、NMR診断薬として使用するために、0.0001〜5ミリモル/kg、有利には0.005〜0.5ミリモル/kgの量で投与される。使用の詳細は、例えばH.- J. Weinmann et al., Am. J. of Roentgenology 142, 619(1984)に記載されている。
【0062】
器官特異的なNMR診断薬の少ない用量(1mg/kg体重未満)は、例えば腫瘍及び心筋梗塞の検出のために使用できる。特に本発明による錯体の少ない用量は放射線治療及び放射線診断での使用のために適当である。
【0063】
本発明による治療剤のインビボ適用では、前記の錯体を適当なキャリヤー、例えば血清又は生理学食塩水と一緒に、かつ別のタンパク質、例えばヒト血清アルブミンと一緒に投与してよい。この場合に用量は細胞障害の種類、使用される金属イオン並びに造影法の種類に依存する。
【0064】
本発明による治療剤は非経口、有利には静脈内で適用される。
【0065】
放射線治療薬の使用の詳細は、例えばR. W. Kozak et al. TIBTEC, Oktober 1986, 262に記載されている(Bioconjugate Chem. 12(2001)7-34を参照)。
【0066】
更に本発明による錯体化合物は有利には増感試薬として、かつインビボNMR分光法のためのシフト試薬として使用できる。
【0067】
本発明による結合体はその優れた放射活性及び該結合体に含まれる錯体化合物の良好な安定性に基づいて放射性診断薬及び放射性治療薬としても適当である。その使用及び投与の詳細は、例えば"Radiotracers for Medical Applications", CRC-Press, Boca Raton, Florida 1983並びにhttp://eur.j.nucl.med.17/ (1990) 346-364及びChem. Rev. 93 (1993) 1137-1156に記載されている。
【0068】
SPECTのために111In及び99mTcの同位体との錯体が適当である。
【0069】
放射性同位体による更なる撮像法は、例えば43Sc、44Sc、52Fe、55Co、68Ga、64Cu、86Y及び94mTcのような陽電子放出同位体を使用する陽電子放出型断層撮影法である(Heiss, W.D.; Phelps, M.E.; Positron Emission Tomography of Brain, Springer Verlag Berlin, Heidelberg, New York 1983)。
【0070】
本発明による結合体は意想外にも悪性及び良性の腫瘍の分化のために血液脳関門を有さない範囲で好適である。
【0071】
これらは、完全に生体から排除されることに優れ、従って良好に認容性である。
【0072】
本発明による結合体は悪性腫瘍中に集積するので(健康な組織では拡散しないが、腫瘍血管の高い透過性)、これらは悪性腫瘍の照射治療も促進する。前記化合物は、使用される同位体の量及び種類でのみ相応の診断薬と異なるにすぎない。この場合に目的は、できる限り低い到達距離を有する高エネルギーの短波長線によって腫瘍細胞を撲滅することである。このために錯体中に含まれる金属(例えば鉄又はガドリニウム)の電離放射線(例えばX線)又は中性子線との相互作用を利用する。前記の効果によって金属錯体が存在する場所(例えば腫瘍)での局所的線量は極めて高くなる。同様の線量を悪性組織に発生させるために、かかる金属錯体の使用において健康な組織のために放射線負荷をかなり低減でき、かつそれにより患者について負担される副作用は回避できる。本発明による金属錯体−結合体は、従って悪性腫瘍の照射治療における放射線感受性物質としても適当である(例えばメスバウアー効果の利用又は中性子捕捉療法で)。適当なβ−放出イオンは、例えば46Sc、47Sc、48Sc、72Ga、73Ga、90Y、67Cu,109Pd、111Ag、149Pm、153Sm、166Ho、177Lu、186Re及び188Reである。90Y、177Lu、72Ga、153Sm及び67Cuが有利である。少ない半減期を有する適当なα−放出イオンは、例えば211At、211Bi、212Bi、213Bi及び214Biであり、その際、212Biが有利である。適当な光子放出イオン及び電子放出イオンは158Gdであり、これは157Gdから中性子捕捉によって得ることができる。
【0073】
本発明による結合体がR. L. Mills et al. [Nature Vol.336, (1988), S. 787によって提案される放射治療のために規定される場合に、中心イオンはメスバウアー同位体、例えば57Fe又は151Euから誘導されねばならない。
【0074】
事実上なおも存在する遊離のカルボキシ基の中和は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム又はカルシウムの無機塩基(例えば水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩)及び/又は有機塩基、例えばとりわけ第一級、第二級及び第三級のアミン、例えばエタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N−メチルグルカミン及びN,N−ジメチルグルカミン並びに塩基性アミノ酸、例えばリジン、アルギニン及びオルニチン又は本来は中性又は酸性のアミノ酸のアミドによって行われる。
【0075】
中性錯体化合物を製造するために、例えば酸性錯塩中に水溶液又は懸濁液で、中和点に達する程度の量の所望の塩基を添加してよい。得られた溶液は引き続き真空中で乾燥濃縮してよい。しばしば、形成された中性塩を水と混和可能な溶液、例えば低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、低級ケトン(アセトン等)、極性エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)の添加によって沈殿させ、かつこうして容易に単離されかつ良好に精製される結晶化物が得られることが有利である。所望の塩基は既に反応混合物の錯体形成の間に添加され、それによりプロセス工程が省かれることが特に有利であると見なされる。
【0076】
本発明による式Iの結合体は当業者に公知の方法により製造できる。例えば式Iの結合体は、式II
【0077】
【化10】
[式中、Z、B、R及びAは前記のように定義されており、かつXは生体分子と反応しうる基を表す]の化合物と生体分子とを反応させ、かつ引き続き所望であれば公知のように所望の元素の少なくとも1つの金属酸化物又は金属塩と反応させ、かつ場合により引き続きこうして得られた錯体中になおも存在する酸性水素原子を完全に又は部分的に無機及び/又は有機の塩基、アミノ酸又はアミノ酸アミドのカチオンと交換する方法によって得られる。
【0078】
例えば式IIの化合物は、式III
【0079】
【化11】
[式中、Bは前記のように定義される]の化合物を場合により窒素原子のための保護基の導入の後にNu−A−X′′及びNu−CH(R)−CO2Z′[式中、A及びRは前記に定義したものであり、かつNuは脱離基であり、X′′はXまたはXの保護された形を表し、かつXは前記に定義したものであり、かつZ′は水素原子、金属イオン当量、有利にはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えばナトリウム又はカリウムの当量を表すか、又は保護基はカルボキシルを表す]と反応させる方法によって得られる。引き続き場合により存在する保護基を除去し、かつ自体公知の方法で所望の元素の少なくとも1つの金属酸化物又は金属塩と反応させてよい。場合により引き続きこうして得られた錯体中になおも存在する酸性水素原子は完全に又は部分的に無機及び/又は有機の塩基のカチオン、アミノ酸又はアミノ酸アミドによって置換されていてよい。
【0080】
式IIの化合物の合成のために有利な変法を以下に詳細に記載する。
【0081】
第一の変法においては、まず窒素において非置換の巨大環を保護された単位AX′′と反応させる。基Aはこの場合に離脱基として脱離基を有する。化学量論的反応制御によって巨大環中の4つの窒素原子の1つは基Aと離脱基の放出下に反応する。前記のように基Xを保護された形(X′′)で有する一官能化された巨大環が得られる。第二の反応工程で、巨大環の残りの3つの求核性窒素原子をそれぞれ、カルボキシル基に対してα−位に脱離基を有する保護されたカルボン酸と反応させる。カルボン酸官能性による保護基の離脱の後に、常磁性金属イオン及びキレート配位子からなる錯体を金属酸化物又は金属塩の添加によって完成させる。この変法を以下に概略的に示する、その際、式中の基は前記に定義したものである:
【0082】
【化12】
【0083】
第二の変法において、出発材料としては、4つの窒素原子の3つに既に適当な保護基SGを有する巨大環を使用する。保護基としては本願では、例えばt−ブチルオキシカルボニル(t−BOC)、COCF3、カルボベンゾキシ(Cbo)又はフルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)などが適当である。保護基の存在によって、4つの窒素原子の1つだけが求核性であり、かつ前記の変法でのように脱離基Nuを有するA−X′′と反応できる。離脱基の離脱下に両者の分子が結合した後に3つの保護基を窒素原子から離脱することが行われる。引き続きカルボン酸誘導体を用いた誘導体化が、既に前記の変法に記載されたように行われる。この第二の変法を以下に概略的に示す、その際、式中の基は前記に定義したものである:
【0084】
【化13】
【0085】
第三の変法においてまず大環状環の4つの窒素原子の1つを相応の保護基SGによって遮断する。適当な保護基のための例はホルミル、ベンジル、Bocトリチル等である。目下、3つの残りの求核性窒素原子においてα位に相応の脱離基を有する相応に保護されたカルボン酸誘導体と反応が行われる。引き続きまず第一の窒素原子に導入された保護基SGの離脱並びに同様に脱離基を有するAX′′による誘導体化が行われる。この第三の変法を以下に概略的に示す、その際、式中の基は前記に定義したものである:
【0086】
【化14】
【0087】
脱離基として有利には基:Cl、Br、I、O−トリフレート、メシレート及びトシレートが用いられる。
【0088】
該反応は水と有機溶剤、例えばイソプロパノール、エタノール、メタノール、ブタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ホルムアミド又はジクロロメタンとの混合物中で実施される。水、イソプロパノール及びジクロロメタンからなる三成分混合物が有利である。
【0089】
反応は−10℃〜100℃、有利には0℃〜30℃の間の温度範囲で実施される。
前記に挙げられる基の保護は当業者に公知の種々の様式で行ってよい。以下に記載される実施形は前記の保護基技術の説明のために用いられ、この合成経路に制限するものではない。
【0090】
酸保護基としてC1〜C6−アルキル基、C6〜C10−アリール基及びC6〜C10−Ar(C1〜C4)−アルキル基並びにトリアルキルシリル基が該当する。メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基及びt−ブチル基が有利である。
【0091】
前記の酸保護基の脱離は当業者に公知の方法、例えば加水分解、水素化分解、温度0〜50℃の温度での水性アルコール性溶液中でのアルカリによるエステルのアルカリ性鹸化、鉱酸による酸性鹸化又はt−ブチルエステルの場合にはトリフルオロ酢酸を用いた酸性鹸化によって実施される。
【0092】
NH基は多様に保護され、かつ再び遊離されてよい。N−トリフルオロアセチル誘導体は水中の炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムによって(H. Newman, J. Org. Chem., 30:287(1965), M. A. Schwartz et al., J. Am. Chem. Soc., 95 G12(1973))又はアンモニア溶液によって簡単に(M. Imazama u. F. Eckstein, J. Org. Chem., 44:2039(1979))分解できる。同様にt−ブチルオキシカルボニル誘導体も緩慢に分離できる:トリフルオロ酢酸との撹拌で十分である(B. F. Lundt et al., J. Org. Chem., 43:2285(1978))。水素化分解的に又は還元的に分解されるべきNH保護基の基は非常に大きい:N−ベンジル基は水素/Pd−Cによって容易に分解でき(W. H. Hartung u. R. Rimonoff, Org. Reactions VII, 262(1953))、これはまたトリチル基(L. Zervas et al., J. Am. Chem. Soc., 78: 1359(1956))についても、ベンジルオキシカルボニル基についてもいえることである(M. Bergmann u. L. Zervas Ber. 65:1192(1932))。
【0093】
前記の化合物の活性化されたエステルは当業者に公知のように製造される。イソシアネート又はα−ハロゲンアセテートの場合については、相応の末端アミン前駆体は文献から公知の方法によりチオホスゲン又は2−ハロ酢酸−ハロゲン化物と反応される。また相応のN−ヒドロキシスクシンイミドの誘導体化されたエステル、例えば
【0094】
【化15】
(Hal=ハロゲン)との反応も可能である。
【0095】
一般に前記の目的のためにカルボン酸のための全ての慣用の活性化法が使用でき、該方法は従来技術において公知である。分子Nu−A−X′′は有利にはまず無関係に合成される。該分子がアミド基を有するのであれば、該分子は、活性化されたカルボン酸とアミンとを反応させることによって製造される。カルボン酸の活性化は慣用の方法により行われる。適当な活性化剤のための例はジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸(EDC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)及び0−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、有利にはDCCである。
【0096】
O−求核性触媒、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾールの添加も可能である。
【0097】
基Xがカルボン酸官能基であれば、該基は保護された形(例えばベンジルエステルの形で)使用され、保護基の分解は次いで水素化分解的に行われる。
【0098】
このカルボン酸官能基が適当な生体分子の適当な官能基に結合するために、該基を一般にまず活性化させるべきである。有利にはそのために活性化されたエステルを中間的に作成し、これを次いで生体分子の求核性基によって攻撃する。前記のように生体分子と式IIの化合物との間の共有結合が存在する。有利な活性化されたエステルはN−ヒドロキシスクシンイミドのエステル、パラニトロフェノールのエステル又はペンタフルオロフェノールのエステルである。基Xをイソシアネートの形で生体分子に結合すべき場合には、有利には先ず、必要であれば適当な保護基を備えていてよい第三級アミンを使用する。適当な保護基はペプチド化学から公知である。保護基の分解の後に、第1級末端アミンとチオホスゲンとの反応によってイソチオシアネートを製造してよい。そこに生体分子の求核性基を付加してよい。
【0099】
1つの実施形において基Xは、例えば選択的に生体分子のチオール官能基と反応しうるマレインイミドである。
【0100】
もう1つの実施形において基Xは生体分子の適当な官能性(活性化エステル、マレインイミド等)に攻撃する求核性基(NH2、SH)である。マレインイミドで多重に官能化された生体分子は市販されている。
【0101】
該結合体の合成は、一般に、まず誘導体化されかつ官能化されたキレート錯体を製造し、次いで生体分子に結合させるように行われる。しかしながら、合成により製造された生体分子を使用する場合に本発明によるキレート錯体は生体分子の合成の間に生体分子中に組み込んでもよい。これは、例えば合成ロボットでのオリゴペプチドの連続的な合成の間に実施してよい。必要に応じて、このために相応の生体分子の合成において慣用の保護基を本発明による化合物に導入してもよい。これを次いで慣用の合成アルゴリズムの経過において再び分解してよい。
【0102】
「生体分子」とは本願では、天然に例えば生体で生じるか、又は類似の構造で合成により製造されるあらゆる分子を意味する。更に生体分子とは、生物学的に、例えば生体に生じる分子又はそこに生じる構造において相互作用する分子を意味するので、例えば規定の所望の生体部位に該結合体が集積する。「生体」とは本願では植物又は動物の生体をそれぞれ意味し、その際、動物、特にヒトの生体が有利である。
【0103】
生体分子は、特に生物中に生じる分子であり、該分子は進化的淘汰の産物として秩序的かつ複雑な作用によって生物に特異的な課題を満たし、かつその生命機能(物質代謝及び形態代謝、繁殖、エネルギー収支)の基礎に影響する。生体分子においてまず簡単な構成単位(アミノ酸、核酸塩基、単糖類、脂肪酸等)からより大きな分子(タンパク質、核酸、多糖類、脂質等)が合成される。相応の巨大分子は生体ポリマーとも呼称される。
【0104】
有利には生体分子は、例えば式IIの本発明による化合物の反応性基Xと反応しうる側鎖を有するアミノ酸からなるポリペプチド骨格を有してよい。かかる側鎖は、例えばアスパラギン酸残基及びグルタミン酸残基のカルボキシル基、リジン残基のアミノ基、チロシン残基及びヒスチジン残基の芳香族基並びにシステイン残基のスルフヒドリル基を含む。
多くの例による生体分子の概要は、「TU−Grazの草案「生体分子の化学」(H. Berthold et al., Institut fuer Organische Chemie, TU-Graz, 2001)」に見られ、これはまたインターネットを介してwww.orgc.tu−graz.ac.atで閲覧できる。この文献の内容は引用することにより本願の詳細な説明に記載されたものとする。
【0105】
本発明による結合体の結合のために、以下の生体分子が特に適当である:生体ポリマー、タンパク質、例えば生物学的機能を有するタンパク質、HSA、BSA等、生物の規定の部位に集積するタンパク質及びペプチド(例えばレセプター、細胞膜、チャンネル等に)、プロテアーゼによって分解されるペプチド、合成による目的開裂部位を有するペプチド(例えば反応性エステル、アミドなど)、メタロプロテアーゼによって分解されるペプチド、光分解性リンカーを有するペプチド、酸化剤(オキシダーゼ)によって分解可能な基を有するペプチド、天然及び非天然のアミノ酸を有するペプチド、糖タンパク質(糖ペプチド)、シグナルタンパク質、抗ウイルス性タンパク質及びアポクトーシス(Apoktosis)、合成により変性された生体ポリマー、例えばリンカーで誘導体化された生体ポリマー、変性されたメタロプロテアーゼ及び誘導体化されたオキシダーゼ等、炭化水素(単糖類ないし多糖類)、例えば誘導体化された糖類、生物中で分解可能な糖類、シクロデキストリン及びその誘導体、アミノ糖類、キトサン、ポリスルフェート及びアセチルニューラミン酸誘導体、抗体、例えばモノクローナル抗体、抗体フラグメント、ポリクローナル抗体、ミニ抗体、単鎖(多くのフラグメントにリンカーで結合されている単鎖)、赤血球及び別の血球成分、癌マーカー(例えばCAA)及び細胞接着物質(例えばルイスX及び抗ルイスX誘導体)、DNA及びRNA断片、例えば誘導体化されたDNA及びRNA(例えばSELEX法によって見いだされたもの)、合成RNA及びDNA(非天然塩基を有するものも)、PNA(ヘキスト)及びアンチセンス、β−アミノ酸(Seebach)、細胞に通過させるためのベクトルアミン、生体原アミン、医薬品、癌原調製物、生物学的標的(例えばレセプター)に向けられる合成ポリマー、ステロイド(天然及び変性)、プロスタグランジン、タキソール及びその誘導体、エンドセリン、アルカロイド、葉酸及びその誘導体、生体活性脂質、脂肪、脂肪酸エステル、人工的に変性されたモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、表面上で誘導体化されているリポソーム、天然の脂肪酸又はペルフルオロアルキル化合物からなるミセル、ポリフィリン、テキサフリン、拡張ポルフィリン、シトクロム、インヒビター、ノイラミダーゼ、神経ペプチド、免疫調節剤、例えばFK506、CAPE及びグリオトキシン、エンドグリコシダーゼ、酵素によって活性化される基質、例えばカルモジュリンキナーゼ、カゼインキナーゼII、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、ヘパリナーゼ、基質−メタロプロテアーゼ、β−インスリン−レセプター−キナーゼ、UDP−ガラクトース−4−エピメラーゼ、フコシダーゼ、G−タンパク質、ガラクトシダーゼ、グリコシダーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ及びキシロシダーゼ、抗生物質、ビタミン及びビタミン類似体、ホルモン、DNA−インターカレーター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、レクチン、ビタミンB12、ルイスX及び類似物、ソラーレン、ジエントリエン抗生物質、カルバシクリン、VEGF(血管内皮成長因子)、ソマトスタチン及びその誘導体、ビオチン誘導体、抗ホルモン、腫瘍特異的タンパク質及び合成薬、生体の酸性又は塩基性の領域に集積するポリマー(pH調整された分布)、ミオグロビン、アポミオグロビン等、神経伝達ペプチド、腫瘍壊死因子、炎症組織に集積するペプチド、血液プール試薬、アニオン及びカチオン−輸送タンパク質、ポリエステル(例えば乳酸の)、ポリアミド及びポリホスフェート。
【0106】
前記の生体分子の殆どは、例えばMerck、Aldrich、Sigma、Calibochem又はBachemで市販されている。
【0107】
更に生体分子としてはWO96/23526号及びWO01/08712号に開示される全ての「血漿タンパク質結合基」もしくは「標的結合基」を使用してよい。前記の両者の公開公報の内容は引用することにより本願の詳細な説明に記載されたものとする。
【0108】
本発明による式IIの化合物の生体分子あたりの数は原則的に任意であるが、有利には分子比0.1:1〜10:1、特に0.5:1〜7:1である。
【0109】
更に式IIの化合物は、先行技術で蛍光色素物質と反応される全ての同じ分子への結合のために、例えば細胞内の落射蛍光顕微鏡によるその局在を観察するために適当である。また該化合物は原則的に任意の医薬品と結合でき、次いで該医薬品の投与の後に生物内の輸送をNMR技術によって追跡できる。更に、式IIの化合物と生体分子とからなる本発明による結合体は、生体分子に結合されている他の付加的な分子を有してもよい。本発明の範囲内での「生体分子」の概念では、従って生物学的系に存在する全ての分子、及び生体適合性な全ての分子を含む。
【0110】
以下の実施例によって本発明を詳細に説明するが、これらの実施例に制限されるものではない。
【0111】
実施例
例1
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、25g(81.1ミリモル)の2−ブロモプロピオニルグリシン−ベンジルエステル(WO98/24774号の例1e)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(19.6g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0112】
収量:32.0g(理論値の73%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C68.39H7.23N7.98
実測値:C67.95H7.41N8.22
b)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
26.3g(30ミリモル)の例1aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0113】
収量:15.7g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C51.05H7.60N13.53
実測値:C50.71H7.83N13.25
c)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
10.4g(20ミリモル)の例1bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0114】
収量:10.1g(理論値の69%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.3%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C39.33H5.40Gd23.41N10.42
実測値:C39.21H5.88Gd22.93N10.11
例2
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例1aに中間生成物として記載される19.6g(50ミリモル)の1−[4−(ベンジルオキシ−カルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0115】
収量:33.7g(理論値の70%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.90H7.86N7.28
実測値:C69.77H7.51N7.22
b)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
28.9g(30ミリモル)の例2aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0116】
収量:18.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C55.89H8.54N11.64
実測値:C55.63H8.83N11.31
c)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.0g(20ミリモル)の例2bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0117】
収量:12.0g(理論値の72%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.1%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C44.49H6.40Gd20.80N9.26
実測値:C44.21H6.72Gd20.23N9.11
例3
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例1aに中間生成物として記載される19.6g(50ミリモル)の1−[4−(ベンジルオキシ−カルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al, Tetrahedron Letters (1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0118】
収量:41.1g(理論値の76%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C72.13H8.10N6.47
実測値:C71.88H8.21N6.25
b)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
32.5g(30ミリモル)の例3aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0119】
収量:22.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C61.56H8.80N9.70
実測値:C61.17H8.98N9.41
c)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.4g(20ミリモル)の例3bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0120】
収量:12.4g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C50.72H6.90Gd17.95N7.99
実測値:C51.03H7.08Gd17.42N8.11
例4
a)10−[4−(t−ブトキシカルボニル)−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.6g(81.1ミリモル)のN−[2−ブロモ−2−フェニルアセチル]グリシン−t−ブチルエステル(WO98/24775号の例6a)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[4−(t−ブトキシカルボニル)−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(21.0g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0121】
収量:34.0g(理論値の75%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C68.93H7.45N7.73
実測値:C69.12H7.57N7.60
b)10−(4−(t−ブトキシカルボニル−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
27.2g(30ミリモル)の例4aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0122】
収量:17.5g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C55.95H7.13N12.08
実測値:C56.21H6.99N11.83
c)10−(4−カルボキシ−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
例4bに記載される11.6g(20ミリモル)のt−ブチルエステルを非常に僅かなトリフルオロ酢酸中に溶解させ、かつ室温で15分間撹拌した。250mLのジエチルエーテルを添加した後に、引き続き2時間撹拌し、沈殿物を吸引分離し、かつ真空中で乾燥させた。こうして得られた遊離の配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中で溶解させ、希釈アンモニアでpH7に調整し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0123】
収量:11.6g(理論値の72%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C44.19H5.22Gd21.43N9.54
実測値:C43.91H5.27Gd21.09N9.77
例5
a)4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル酢酸メチルエステル
10g(60.2ミリモル)のヒドロキシフェニル酢酸メチルエステル(Aldrich)を75mLのアセトン中に溶解させた。18.4g(133ミリモル)の固体の炭酸カリウムを添加し、17.8mL(123ミリモル)のブロモ酢酸エチルエステルを15分以内に還流下に滴加し、前記温度で更に4時間保持し、かつ室温で一晩撹拌した。沈殿物を濾過分離し、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸エステル 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0124】
収量:14.6g(理論値の96%)
元素分析:
計算値:C61.90H6.39
実測値:C61.67H6.50
b)α−ブロモ−4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル酢酸メチルエステル
例5aからの13.5g(53.5ミリモル)の表題化合物を75mLの四塩化炭素中に溶解させた。9.52g(53.5ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド及び48mgのジベンゾイルペルオキシドを添加し、還流下に5時間加熱し、かつ室温で一晩撹拌した。該懸濁液を炭酸水素ナトリウム溶液で2回、かつ水で1回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を濾過分離し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0125】
収量:15.4g(理論値の87%)
元素分析:
計算値:C47.15H4.57Br24.13
実測値:C47.01H4.76Br23.70
c)10−[α−(4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.9g(81.1ミリモル)の前記の例5bに記載されるブロモ化合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン=10/5/0.1)。こうして得られた1−[α−(4−(エトキシ−カルボニルメトキシ)フェニル)−メトキシカルボニルメチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(21.1g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0126】
収量:34.1g(理論値の75%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C67.38H7.10N6.16
実測値:C67.20H7.33N6.31
d)10−[α−(4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
27.3g(30ミリモル)の例5cからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0127】
収量:19.3g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C56.42H7.26N8.77
実測値:C56.21H7.56N8.47
e)10−[α−(4−カルボキシメトキシフェニル)カルボキシメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
13.3g(20ミリモル)の例5dからの表題化合物を250mLの2Nの水酸化ナトリウム溶液及び250mLのテトラヒドロフラン中に取り、かつ40℃で5日間撹拌した。引き続き水相をAmberlite IR−120(R)(H+形)でpH7に調整し、80mLのイソプロパノールを添加し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0128】
収量:8.6g(理論値の61%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.3%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C43.19H4.97Gd20.94N7.46
実測値:C43.22H5.29Gd20.42N7.11
例6
a)4−(エトキシカルボニルプロポキシ)フェニル酢酸メチルエステル
10g(60.2ミリモル)のヒドロキシフェニル酢酸メチルエステル(Aldrich)を75mLのアセトン中に溶解させた。18.4g(133ミリモル)の固体の炭酸カリウムを添加し、17.8mL(123ミリモル)の4−ブロモ酢酸エチルエステルを15分以内に還流下に滴加し、前記温度で更に4時間保持し、かつ室温で一晩撹拌した。沈殿物を濾過分離し、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸エステル 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0129】
収量:16.4g(理論値の97%)
元素分析:
計算値:C64.27H7.19
実測値:C64.41H6.92
b)α−ブロモ−[4−(エトキシカルボニルプロポキシ)フェニル]酢酸メチルエステル
例6aからの15.0g(53.5ミリモル)の表題化合物を75mLの四塩化炭素中に溶解させた。9.52g(53.5ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド及び48mgのジベンゾイルペルオキシドを添加し、還流下に5時間加熱し、かつ室温で一晩撹拌した。該懸濁液を炭酸水素ナトリウム溶液で2回、かつ水で1回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を濾過分離し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0130】
収量:15.9g(理論値の83%)
元素分析:
計算値:C50.16H5.33Br22.24
実測値:C50.33H5.04Br21.94
c)10−[α−(4−(エトキシカルボニルプロポキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、29.1g(81.1ミリモル)の前記の例6bに記載されるブロモ化合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン=10/5/0.1)。こうして得られた1−[α−(4−(エトキシ−カルボニルプロポキシ)フェニル)−メトキシカルボニルメチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(22.5g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0131】
収量:30.5g(理論値の65%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C67.93H7.31N5.98
実測値:C67.95H7.22N6.13
d)10−[α−(4−(エトキシカルボニルプロポキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
28.1g(30ミリモル)の例6cからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0132】
収量:20.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C57.64H7.56N8.40
実測値:C57.43H7.77N8.69
e)10−[α−(4−カルボキシプロポキシフェニル)カルボキシメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
13.3g(20ミリモル)の例6dからの表題化合物を250mLの2Nの水酸化ナトリウム溶液及び250mLのテトラヒドロフラン中に取り、かつ40℃で5日間撹拌した。引き続き水相をAmberlite IR−120(R)(H+形)でpH7に調整し、80mLのイソプロパノールを添加し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0133】
収量:9.3g(理論値の55%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C44.72H5.31Gd20.19N7.19
実測値:C44.31H5.88Gd19.93N7.11
例7
a)4−(エトキシカルボニルデシルオキシ)フェニル酢酸メチルエステル
10g(60.2ミリモル)のヒドロキシフェニル酢酸メチルエステル(Aldrich)を75mLのアセトン中に溶解させた。18.4g(133ミリモル)の固体の炭酸カリウムを添加し、50mLのアセトン中の36.1g(123ミリモル)のω−ブロモウンデカン酸エチルエステルを滴加し、還流下に8時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。未溶解物を濾過分離し、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸エステル 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0134】
収量:20.3g(理論値の89%)
元素分析:
計算値:C69.81H9.05
実測値:C69.50H8.91
b)α−ブロモ−[4−(エトキシカルボニルデシルオキシ)フェニル]酢酸メチルエステル
例7aからの20.2g(53.5ミリモル)の表題化合物を75mLの四塩化炭素中に溶解させた。9.52g(53.5ミリモル)のN−ブロモスクシンイミド及び48mgのジベンゾイルペルオキシドを添加し、還流下に5時間加熱し、かつ室温で一晩撹拌した。該懸濁液を炭酸水素ナトリウム溶液で2回、かつ水で1回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を濾過分離し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(ヘキサン/酢酸 3:1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0135】
収量:21.0g(理論値の86%)
元素分析:
計算値:C57.77H7.27Br17.47
実測値:C57.95H7.41Br17.02
c)10−[α−(4−(エトキシカルボニルデシルオキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、37.1g(81.1ミリモル)の前記の例7bに記載されるブロモ化合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン=10/5/0.1)。こうして得られた1−[α−(4−(エトキシ−カルボニルデシルオキシ)フェニル)−メトキシカルボニルメチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(27.4g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0136】
収量:33.6g(理論値の65%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.61H7.98N5.41
実測値:C69.75H7.88N5.12
d)10−[α−(4−(エトキシカルボニルデシルオキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
31.1g(30ミリモル)の例7cからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0137】
収量:23.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C61.24H8.43N7.32
実測値:60.96H8.61N7.22
e)10−[α−(4−カルボキシデシルオキシフェニル)カルボキシメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
15.3g(20ミリモル)の例7dからの表題化合物を250mLの2Nの水酸化ナトリウム溶液及び250mLのテトラヒドロフラン中に取り、かつ40℃で5日間撹拌した。引き続き水相をAmberlite IR−120(R)(H+形)でpH7に調整し、80mLのイソプロパノールを添加し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0138】
収量:11.5g(理論値の60%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C49.30H6.32Gd17.93N6.39
実測値:C49.56H6.10Gd17.52N6.63
例8
a)10−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、150mLのクロロホルム中の18.6g(81.1ミリモル)の4−ブロモメチル−安息香酸メチルエステル(Aldrich)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:メタノール/25%アンモニア水=8/1)。こうして得られた1−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(21.6g、67.3ミリモル、理論値の83%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(3),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0139】
収量:41.8g(理論値の77%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.95H7.24N6.94
実測値:C69.57H7.39N7.12
b)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
24.2g(30ミリモル)の例8aからの表題化合物を400mLのメタノール中に溶解させ、100mLの15Nの水酸化ナトリウム溶液と混合し、還流下に6時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。真空中で蒸発濃縮させた後に、残留物を200mLの水中に溶解させ、IR120(R)カチオン交換体(H+形)を添加することによってpH7に調整した。交換体を真空中で濾過分離して、蒸発乾涸させた。残留物は更に特徴付けることなく錯形成された。
【0140】
薄層系:n−ブタノール/アンモニア水/エタノール/水 12/6/3/3
収量:16g
c)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
11g(20ミリモル)の例8bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0141】
収量:8.9g(理論値の61%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.2%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C44.37H5.21Gd23.23N8.28
実測値:C44.12H5.46Gd22.93N8.51
例9
a)10−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例8aに中間生成物として記載される21.6g(67.3ミリモル)の1−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の85.1g(0.25モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0142】
収量:48.5g(理論値の81%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C71.43H7.92N6.29
実測値:C71.12H7.79N6.55
b)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
26.7g(30ミリモル)の例9aからの表題化合物を400mLのメタノール中に溶解させ、100mLの15Nの水酸化ナトリウム溶液と混合し、還流下に6時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。真空中で蒸発濃縮させた後に、残留物を200mLの水中に溶解させ、IR120(R)カチオン交換体(H+形)を添加することによってpH7に調整した。交換体を真空中で濾過分離して、蒸発乾涸させた。残留物は更に特徴付けることなく錯形成された。
【0143】
薄層系:n−ブタノール/アンモニア水/エタノール/水 12/6/3/3
収量:19g
c)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.6g(20ミリモル)の例9bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0144】
収量:10.9g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C48.93H6.23Gd20.66N7.36
実測値:C48.87H6.01Gd20.22N7.59
例10
a)10−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例8aに中間生成物として記載される21.6g(67.3ミリモル)の1−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の95.1g(0.25モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters (1998), 39(33), 5895)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0145】
収量:48.3g(理論値の71%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C73.63H8.17N5.54
実測値:C73.42H8.39N5.75
b)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
30.3g(30ミリモル)の例10aからの表題化合物を400mLのメタノール中に溶解させ、100mLの15Nの水酸化ナトリウム溶液と混合し、還流下に6時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。真空中で蒸発濃縮させた後に、残留物を200mLの水中に溶解させ、IR120(R)カチオン交換体(H+形)を添加することによってpH7に調整した。交換体を真空中で濾過分離して、蒸発乾涸させた。残留物は更に特徴付けることなく錯形成された。
【0146】
薄層系:n−ブタノール/アンモニア水/エタノール/水 12/6/3/3
収率:22.5g
c)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
15.0g(20ミリモル)の例10bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0147】
収量:11.9g(理論値の63%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C54.52H6.75Gd17.85N6.36
実測値:C54.19H6.83Gd17.61N6.69
例11
a)10−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例8aに中間生成物として記載される21.6g(67.3ミリモル)の1−(p−メトキシカルボニルベンジル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の93.6g(0.25モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−フェニル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters (1998), 39(33), 5895)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0148】
収量:50.8g(理論値の76%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C74.98H6.49N5.64
実測値:C75.22H6.61N5.47
b)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
29.8g(30ミリモル)の例11aからの表題化合物を400mLのメタノール中に溶解させ、100mLの15Nの水酸化ナトリウム溶液と混合し、還流下に6時間沸騰させ、かつ室温で一晩撹拌した。真空中で蒸発濃縮させた後に、残留物を200mLの水中に溶解させ、IR120(R)カチオン交換体(H+形)を添加することによってpH7に調整した。交換体を真空中で濾過分離して、蒸発乾涸させた。残留物は更に特徴付けることなく錯形成された。
【0149】
薄層系:n−ブタノール/アンモニア水/エタノール/水 12/6/3/3
収率:22.0g
c)10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.6g(20ミリモル)の例11bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0150】
収量:13.1g(理論値の70%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.1%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C55.67H4.79Gd18.22N6.49
実測値:C55.33H4.97Gd17.92N6.54
例12
a)10−[4−(t−ブトキシカルボニル)−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された27.9g(162.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.6g(81.1ミリモル)のN−[2−ブロモ−2−フェニルアセチル]グリシン−t−ブチルエステル(WO98/24775号の例6a)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[4−(t−ブトキシカルボニル)−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(21.0g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の74.9g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−フェニル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters (1998), 39(33),5895)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:30/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0151】
収量:37.7g(理論値の69%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C73.67H6.74N6.41
実測値:C73.44H6.43N6.79
b)10−(4−(t−ブトキシカルボニル−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
32.8g(30ミリモル)の例12aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0152】
収量:24.8g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C67.22H6.74N8.52
実測値:C67.00H6.85N8.23
c)10−(4−カルボキシ−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
例12bに記載される16.4g(20ミリモル)のt−ブチルエステルを非常に僅かなトリフルオロ酢酸中に溶解させ、かつ室温で15分間撹拌した。250mLのジエチルエーテルを添加した後に、引き続き2時間撹拌し、沈殿物を吸引分離し、かつ真空中で乾燥させた。こうして得られた遊離の配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中で溶解させ、希釈アンモニアでpH7に調整し、かつ5mLの酢酸の添加によって酸性化した。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:25/15/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0153】
収量:11.7g(理論値の59%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C54.83H4.82Gd17.09N7.61
実測値:C54.91H4.67Gd16.62N7.33
例13
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された34.4g(0.2ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、23.2g(81.1ミリモル)の2−ブロモアセチルグリシン−ベンジルエステル(Teger-Nilsson et al, WO93/11152号,38頁)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(19.6g、50ミリモル、理論値の62%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43),14591)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0154】
収量:37.0g(理論値の78%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.67H7.76N7.39
実測値:C69.51H7.88N7.39
b)10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
28.4g(30ミリモル)の例13aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0155】
収量:17.7g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C55.18H8.40N11.92
実測値:C54.97H8.70N11.88
c)10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
11.8g(20ミリモル)の例13bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0156】
収量:12.1g(理論値の75%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C43.71H6.25Gd21.19N9.44
実測値:C43.90H6.40Gd20.80N9.33
例14
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例13aに中間生成物として記載される18.9g(50ミリモル)の1−[4−(ベンジルオキシ−カルボニル)−2−オキソ−3−アザブチル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al, Tetrahedron Letters (1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0157】
収量:38.5g(理論値の72%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C71.95H8.02N6.56
実測値:C71.90H8.21N6.73
b)10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
32.1g(30ミリモル)の例14aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0158】
収量:21.2g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C61.08H8.69N9.89
実測値:C61.27H8.55N9.41
c)10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.2g(20ミリモル)の例14bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0159】
収量:13.5g(理論値の71%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):9.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C50.15H6.78Gd18.24N8.12
実測値:C59.92H6.51Gd18.01N8.31
例15
a)10−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリ−t−ブチルエステル、臭化ナトリウム錯体
10mLのクロロホルム中に溶解された1.14g(5ミリモル)の2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Petrov et al., DE19608307号;Ranganathan et al., WO95/31444号)に0.50g(1.67ミリモル)の2−ブロモプロピオニルグリシン−ベンジルエステル(WO98/24774号の例1e)を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた5mLのアセトニトリル中の1−[4−(ベンジルオキシカルボニル)−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル]−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(0.70g;1.27ミリモル;理論値の76%)及び541mg(5.1ミリモル)の炭酸ナトリウムに822mg(4.2ミリモル)のブロモ酢酸−t−ブチルエステルを添加し、かつ60℃で12時間撹拌した。0℃に冷却し、かつ塩を濾過分離した。該濾液を蒸発乾涸させ、かつ残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:塩化メチレン/メタノール=20:1)。
【0160】
収量:964mg(理論値の85%)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C56.49H8.01N7.84Na2.57Br8.95
実測値:C56.37H7.88N7.61Na2.33Br8.59
b)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリ−t−ブチルエステル(臭化ナトリウム錯体)
893mg(1.0ミリモル)の例15aからの表題化合物を10mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつへら先のパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。室温で一晩水素添加させた。触媒を濾過分離し、かつ濾液を蒸発乾涸させた。残留物をジオキサンから再結晶させた。
【0161】
収量:562mg(理論値の70%)の結晶性固体
元素分析:
計算値:C52.36H8.16N8.72Na2.86Br9.95
実測値:C52.51H8.30N8.93Na2.71Br9.44
c)10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸のガドリニウム錯体
803mg(1.0ミリモル)の例15bからの表題化合物を5mLのトリフルオロ酢酸中に溶解させ、かつ室温で3時間撹拌した。蒸発乾涸させ、残留物を300mLの水に取り、かつ該溶液をReillexs(R)425PVPで充填されたカラムに添加した。水で溶出させた。生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた(446mg、0.84ミリモル)、再び4mLの水中に溶解させた。152mg(0.42ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、90℃に3時間加熱した。蒸発乾涸(真空)させ、かつ残留物を90%の水性エタノールから晶出させた。該結晶を吸引分離し、エタノールで、次いでアセトンで、かつ最後にジメチルエーテルで洗浄し、かつ130℃において真空炉中で乾燥させた(24時間)。
【0162】
収量:469mg(理論値の65%)の無色の結晶性粉末
含水率:5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C40.28H5.58N10.21Gd22.93
実測値:C40.06H5.75N10.43Gd22.40
例16
10−(8−(N−マレイミド)−1−メチル−2,5−ジオキソ−3,6−ジアザオクチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
2.27g(3ミリモル)の例2に記載されるGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mg(3.3ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷中で前活性化させた。引き続き10mLのDMF中の839mg(3.3ミリモル)のN−(2−アミノエチル)マレイミド−トリフルオロ酢酸塩(Arano et al., J. Med. Chem., 39.3458, 39, 3458)及び0.7mL(4ミリモル)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンからなる混合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。該反応混合物を再び氷浴中で冷却し、濾過し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:1/1)。
【0163】
収量:997mg(理論値の35%)
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C46.51H6.20Gd17.91N11.17
実測値:C46.28H6.44Gd17.31N11.26
例17
10−(8−(N−マレイミド)−1−メチル−2,5−ジオキソ−3,6−ジアザオクチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
2.63g(3ミリモル)の例3に記載されるGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mg(3.3ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷中で前活性化させた。引き続き10mLのDMF中の839mg(3.3ミリモル)のN−(2−アミノエチル)マレイミド−トリフルオロ酢酸塩(Arano et al., J. Med. Chem., 39.3458, 39, 3458)及び0.7mL(4ミリモル)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンからなる混合物を添加し、かつ室温で一晩撹拌した。該反応混合物を再び氷浴中で冷却し、濾過し、かつ該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:1/1)。
【0164】
収量:1.24g(理論値の39%)
含水率(カール−フィッシャー):6.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C51.74H6.66Gd15.75N9.82
実測値:C51.77H6.41Gd15.25N10.02
例18
a)(3−ブロモ−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステル
67.7g(0.2モル)のグリシンベンジルエステル トシレート及び61.2ml(0.44モル)のトリエチルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶解させ、かつ0℃において200mlの塩化メチレン中の52.9g(0.2モル)の2,4−ジブロモ酪酸塩化物(Gramain et al. Synth. Commun. (1997), (27), 1827)の溶液に45分以内に滴加し、かつ室温で18時間撹拌した。該反応混合物を目下、0℃において400mlの水性の32%水酸化ナトリウム及び2gの炭酸水素テトラブチルアンモニウムの溶液に滴加し(約15分)、かつ30分撹拌した。引き続き相分離し、かつ水相をそれぞれ200mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(塩化メチレン)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0165】
収量:29.3g(理論値の47%)
元素分析:
計算値:C50.02H4.52N4.49
実測値:C50.34H4.44N4.41
b)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された28.7g(165.8ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、20.7g(66.3ミリモル)の(3−ブロモ−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステルを添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(20.9g、51.8ミリモル、理論値の78%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(-2),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0166】
収量:32.7g(理論値の71%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C68.82H7.13N7.87
実測値:C68.54H7.28N8.01
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
26.7g(30ミリモル)の例18bからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0167】
収量:15.8g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C52.16H7.42N13.22
実測値:C52.32H7.35N13.11
d)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
10.6g(20ミリモル)の例18cに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0168】
収量:9.7g(理論値の67%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.3%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C40.40H5.31Gd23.00N10.24
実測値:C39.99H5.55Gd22.93N10.45
例19
a)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例18bに中間生成物として記載される20.2g(50ミリモル)の1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0169】
収量:34.1g(理論値の70%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C70.27H7.76N7.19
実測値:C70.45H7.61N7.11
b)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
29.2g(30ミリモル)の例19aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0170】
収量:18.4g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C56.75H8.38N11.41
実測値:C56.89H8.31N11.37
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.3g(20ミリモル)の例19bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0171】
収量:11.9g(理論値の75%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.2%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.36H6.30Gd20.48N9.12
実測値:C45.89H6.22Gd20.23N9.01
同様に12.3g(20ミリモル)の例19bに記載される配位子及び3.73g(10ミリモル)の酸化ジスプロシウムを酸化ガドリニウムの代わりに使用して10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのDy錯体が得られた。
【0172】
収量:11.4g(理論値の71%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.05H6.26Dy21.02N9.06
実測値:C45.35H6.22Dy20.88N9.04
例20
a)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例18bに中間生成物として記載される20.2g(50ミリモル)の1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0173】
収量:37.2g(理論値の68%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C72.43H8.01N6.40
実測値:C72.55H7.98N6.35
b)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
32.8g(30ミリモル)の例20aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0174】
収量:22.0g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C62.19H8.65N9.54
実測値:C62.44H8.56N9.46
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.6g(20ミリモル)の例20bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0175】
収量:12.1g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C51.39H6.81Gd17.70N7.89
実測値:C51.64H6.77Gd17.44N7.77
例21
a)(3−ブロモ−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)安息香酸ベンジルエステル
45.5g(0.2モル)の4−アミノ安息香酸ベンジルエステル及び30.6ml(0.22モル)のトリエチルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶解させ、かつ0℃において200mlの塩化メチレン中の52.9g(0.2モル)の2,4−ジブロモ酪酸塩化物(Gramain et al. Synth. Commun. (1997), (27), 1827)の溶液に45分以内に滴加し、かつ室温で18時間撹拌した。該反応混合物を目下、0℃において400mlの水性の32%水酸化ナトリウム及び2gの炭酸水素テトラブチルアンモニウムの溶液に滴加し(約15分)、かつ30分撹拌した。引き続き相分離し、かつ水相をそれぞれ200mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(塩化メチレン)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0176】
収量:38.2g(理論値の51%)
元素分析:
計算値:C57.77H4.31N3.74
実測値:C57.99H4.27N3.66
b)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された31.2g(180ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.9g(71.9ミリモル)の(3−ブロモ−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)安息香酸ベンジルエステルを添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(26.1g、56.1ミリモル、理論値の78%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(-2),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0177】
収量:36.3g(理論値の68%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C70.64H6.88N7.36
実測値:C70.89H6.81N7.29
c)10−[1−(カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
28.6g(30ミリモル)の例21bからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0178】
収量:17.7g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C56.84H6.98N11.84
実測値:C57.04H6.91N11.79
d)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
11.8g(20ミリモル)の例21cに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0179】
収量:11.1g(理論値の71%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.09H5.13Gd21.08N9.39
実測値:C45.45H5.11Gd20.78N9.40
例22
a)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例21bに中間生成物として記載される23.3g(50ミリモル)の1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0180】
収量:35.3g(理論値の68%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C71.86H7.49N6.76
実測値:C71.99H7.46N6.71
b)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
31.1g(30ミリモル)の例22aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0181】
収量:20.2g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C60.43H7.90N10.36
実測値:C60.59H7.82N10.31
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
13.5g(20ミリモル)の例22bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0182】
収量:12.4g(理論値の72%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.8%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C49.20H6.07Gd18.94N8.44
実測値:C49.51H6.04Gd18.71N8.45
同様に13.5g(20ミリモル)の例22bに記載される配位子及び3.73g(10ミリモル)の酸化ジスプロシウムを酸化ガドリニウムの代わりに使用して10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのDy錯体が得られた。
【0183】
収量:13.0g(理論値の75%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C48.89H6.03Dy19.45N8.38
実測値:C49.11H6.04Dy19.22N8.36
例23
a)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例21bに中間生成物として記載される23.3g(50ミリモル)の1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters -(1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0184】
収量:41.1g(理論値の71%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C73.74H7.76N6.06
実測値:C73.91H7.69N6.01
b)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
34.7g(30ミリモル)の例23aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0185】
収量:23.8g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C64.88H8.23N8.80
実測値:C65.04H8.19N8.70
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピロリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
15.9g(20ミリモル)の例23bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0186】
収量:12.9g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.0%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C54.35H6.58Gd16.55N7.37
実測値:C54.66H6.57Gd16.32N7.32
例24
a)(3−ブロモ−2−オキソ−ピペリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステル
67.7g(0.2モル)のグリシンベンジルエステル トシレート及び61.2ml(0.44モル)のトリエチルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶解させ、かつ0℃において200mlの塩化メチレン中の55.7g(0.2モル)の2,5−ジブロモ吉草酸塩化物(Gramain et al. Synth. Commun. (1982), (30), 1225)の溶液に45分以内に滴加し、かつ室温で18時間撹拌した。該反応混合物を目下、0℃において400mlの水性の32%水酸化ナトリウム及び2gの炭酸水素テトラブチルアンモニウムの溶液に滴加し(約15分)、かつ30分撹拌した。引き続き相分離し、かつ水相をそれぞれ200mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(塩化メチレン)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0187】
収量:33.2g(理論値の51%)
元素分析:
計算値:C51.55H4.94N4.29
実測値:C51.86H4.91N4.18
b)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された30.3g(175ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、18.9g(58ミリモル)の(3−ブロモ−2−オキソ−ピペリジン−1−イル)酢酸ベンジルエステルを添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(20.3g、48.6ミリモル、理論値の84%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(-2),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0188】
収量:32.5g(理論値の74%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C69.08H7.25N7.75
実測値:C69.34H7.19N7.66
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
27.1g(30ミリモル)の例24bからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0189】
収量:16.3g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C53.03H7.60N12.88
実測値:C53.34H7.54N12.79
d)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
10.9g(20ミリモル)の例24cに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0190】
収量:9.6g(理論値の65%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.2%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C41.31H5.49Gd22.53N10.04
実測値:C41.67H5.48Gd22.21N9.97
例25
a)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例24bに中間生成物として記載される20.9g(50ミリモル)の1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0191】
収量:36.2g(理論値の73%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C70.49H7.85N7.09
実測値:C70.61H7.83N7.01
b)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
29.6g(30ミリモル)の例25aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0192】
収量:18.8g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C57.40H8.51N11.16
実測値:C57.64H8.45N11.09
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.6g(20ミリモル)の例25bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0193】
収量:11.7g(理論値の71%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):8.1%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C46.08H6.44Gd20.11N8.96
実測値:C46.34H6.41Gd19.99N8.91
同様に12.6g(20ミリモル)の例25bに記載される配位子及び3.73g(10ミリモル)の酸化ジスプロシウムを酸化ガドリニウムの代わりに使用して10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのDy錯体が得られた。
【0194】
収量:10.8g(理論値の66%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.6%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.77H6.40Dy20.64N8.90
実測値:C46.01H6.46Dy20.34N8.91
例26
a)10−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例24bに中間生成物として記載される20.9g(50ミリモル)の1−[1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0195】
収量:39.8g(理論値の72%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C72.60H8.09N6.32
実測値:C72.89H7.98N6.27
b)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
33.3g(30ミリモル)の例26aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0196】
収量:22.4g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C62.63H8.76N9.36
実測値:C62.77H8.71N9.29
c)10−[1−(カルボキシメチル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
14.9g(20ミリモル)の例26bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0197】
収量:12.9g(理論値の68%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.6%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C51.92H6.93Gd17.43N7.76
実測値:C52.09H6.88Gd17.21N7.77
例27
a)(3−ブロモ−2−オキソ−ピペリジン−1−イル)安息香酸ベンジルエステル
45.5g(0.2モル)の4−アミノ安息香酸ベンジルエステル及び30.6ml(0.22モル)のトリエチルアミンを200mLの塩化メチレン中に溶解させ、かつ0℃において200mlの塩化メチレン中の55.3g(0.2モル)の2,5−ジブロモ吉草酸塩化物(Okawara et al. Chem. Pharm. Bull. (1982), (30), 1225)の溶液に45分以内に滴加し、かつ室温で18時間撹拌した。該反応混合物を目下、0℃において400mlの水性の32%水酸化ナトリウム及び2gの炭酸水素テトラブチルアンモニウムの溶液に滴加し(約15分)、かつ30分撹拌した。引き続き相分離し、かつ水相をそれぞれ200mlのジクロロメタンで3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、該溶液を蒸発乾涸させ、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(塩化メチレン)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0198】
収量:38.8g(理論値の50%)
元素分析:
計算値:C58.78H4.67N3.61
実測値:C59.01H4.50N3.59
b)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
300mLのクロロホルム中に溶解された31.2g(180ミリモル)の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンに、26.6g(68.5ミリモル)の(3−ブロモ−2−オキソ−ピペリジン−1−イル)安息香酸ベンジルエステルを添加し、かつ室温で一晩撹拌した。250mLの水を添加し、有機相を分離し、かつ該相を更に200mLの水でそれぞれ2回洗浄した。該有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ真空中で蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った(溶出剤:クロロホルム/メタノール/25%のアンモニア水=10/5/1)。こうして得られた1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(27.6g、57.5ミリモル、理論値の84%)及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを400mLのジクロロメタン中の62.45g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)プロパン酸ベンジルエステル(Kitazaki et al., Chem. Pharm. Bull. (1999), 47(-2),360)に添加し、還流下に6時間撹拌し、かつ引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0199】
収量:39.4g(理論値の71%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C70.86H6.99N7.25
実測値:C71.11H6.81N7.17
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
29.0g(30ミリモル)の例27bからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0200】
収量:18.1g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C57.51H7.16N11.56
実測値:C57.72H7.11N11.50
d)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
12.1g(20ミリモル)の例27cに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0201】
収量:11.4g(理論値の72%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.1%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C45.84H5.31Gd20.69N9.22
実測値:C45.99H5.26Gd20.55N9.21
例28
a)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例27bに中間生成物として記載される24.0g(50ミリモル)の1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の68.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イソ吉草酸ベンジルエステル(Walker et al., Tetrahedron (1997), 53(43), 14591)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0202】
収量:37.8g(理論値の72%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C72.04H7.58N6.67
実測値:C72.32H7.46N6.59
b)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
31.5g(30ミリモル)の例28aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0203】
収量:20.7g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C60.94H8.04N10.15
実測値:C60.87H8.05N10.11
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
13.8g(20ミリモル)の例28bに記載される配位子を200mLの水及び80mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、3時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでpH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつIR−120(R)カチオン交換カラム(H+形)に添加した。酸性の溶出物を凍結乾燥させた。
【0204】
収量:12.0g(理論値の68%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C49.80H6.21Gd18.63N8.30
実測値:C49.99H6.17Gd18.51N8.21
同様に13.8g(20ミリモル)の例28bに記載される配位子及び3.73g(10ミリモル)の酸化ジスプロシウムを酸化ガドリニウムの代わりに使用して10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのDy錯体が得られた。
【0205】
収量:12.4g(理論値の70%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C49.50H6.17Dy19.13N8.25
実測値:C49.77H6.18Dy18.89N8.27
例29
a)10−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(ベンジルオキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
例27bに中間生成物として記載される24.0g(50ミリモル)の1−[1−(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン及び200mLのジクロロメタン中の60mL(0.35モル)のN−エチルジイソプロピルアミンを、400mLのジクロロメタン中の76.1g(0.2モル)の2−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2−シクロヘキシル酢酸ベンジルエステル(Qabar et al., Tetrahedron Letters -(1998), 39(33), 5895)に添加し、かつ還流下に6時間撹拌し、引き続き室温で一晩撹拌した。それをそれぞれ500mLの水で3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、かつ蒸発乾涸させた。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール:20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発濃縮させた。
【0206】
収量:40.9g(理論値の70%)の無色の結晶性粉末
元素分析:
計算値:C73.88H7.84N5.98
実測値:C74.12H7.69N5.89
b)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
35.1g(30ミリモル)の例29aからの表題化合物を400mLのイソプロパノール中に溶解させ、40mLの水と混合し、かつ3gのパラジウム触媒(10%Pd/C)を添加した。50℃で8時間水素添加させた。触媒を濾過分離し、該濾液を真空中で蒸発乾涸させた。
【0207】
収量:24.3g(定量)の無色の粉末
元素分析:
計算値:C65.24H8.34N8.65
実測値:C65.48H8.22N8.60
c)10−[1−(4−カルボキシフェニル)−2−オキソ−ピペリジン−3−イル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンのGd錯体
16.2g(20ミリモル)の例29bに記載される配位子を150mLの水及び150mLのイソプロパノール中に溶解させ、かつ5mLの酢酸を添加することによって酸性化させた。3.6g(10ミリモル)の酸化ガドリニウムを添加し、8時間還流下に加熱した。錯形成の完了後にアンモニアでもう一度pH7.4に調整し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした(溶出剤:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:20/20/1)。該生成物を含有するフラクションを合し、かつ蒸発乾涸させた。残留物をギ酸と一緒に取り、かつジクロロメタンを添加して複数回蒸発乾涸させ、かつ引き続き質量が一定になるまで真空中で乾燥させた。
【0208】
収量:13.6g(理論値の68%)の無色の粉末
含水率(カール−フィッシャー):7.5%
元素分析(水不含の物質に対する):
計算値:C54.81H6.69Gd16.31N7.26
実測値:C55.11H6.57Gd16.09N7.24
例30〜90
例30〜90は前記のガドリニウム錯体と生体分子との結合体を記載している。該結合体は以下の一般的な作業手順I〜IVにより製造された。結果を表1にまとめる。本願では「AAV」は一般的な作業手順を表し、「ACTH」は副腎皮質刺激ホルモンを表し、「RP−18」は「逆相」固定相クロマトグラフィー段階を呼称する。1生体分子あたりの錯体の数はICP(誘導結合プラズマ原子放出分光法)によって測定した。
【0209】
一般的な作業手順(AAV)I:アルブミン−アミド−結合体
3ミリモルのGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mgのジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷中で前活性化させた。活性化エステル混合物を150mLのリン酸バッファー(pH7.4)中の16.75g(0.25ミリモル)のウシ血清アルブミン(BSA)の溶液に30分以内で滴加し、かつ室温で2時間撹拌した。配合溶液を濾過し、該濾液をAMICON(R)YM30(カットオフ30000Da)上で限外濾過し、濃縮物をセファデックス(R)G50カラム上でクロマトグラフィーし、かつ生成物フラクションを凍結乾燥させた。
【0210】
一般的な作業手順(AAV)II:アルブミン−マレイミド−結合体
1mLのDMF中の0.0438ミリモルのGd錯体マレイミドを15mLのリン酸バッファー(pH7.4)中に溶解された0.84g(0.0125ミリモル)のウシ血清アルブミン(BSA)に添加し、かつ室温で1時間撹拌した。配合溶液を濾過し、該濾液をAMICON(R)YM30(カットオフ30000Da)上で限外濾過し、濃縮物をセファデックス(R)G50カラム上でクロマトグラフィーし、かつ生成物フラクションを凍結乾燥させた。
【0211】
一般的な作業手順(AAV)III.アミド−結合体の製造
3ミリモルのGd錯体酸を15mLのDMF中に溶解させ、氷冷下に380mg(3.3ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミド及び681mgのジシクロヘキシルカルボジイミドと混合し、かつ1時間氷中で前活性化させた。活性化エステル混合物を15〜150mLのDMF中の2.5ミリモルのアミン成分の溶液に滴加し、かつ室温で一晩撹拌した。配合溶液を濾過し、かつシリカゲル上でクロマトグラフィーした。
【0212】
一般的な作業手順(AAV)IV:マレイミド−SH−結合体の製造
15mLのDMF中の3ミリモルのGd錯体マレイミドを15〜150mLのDMF中の2.5ミリモルSH−成分に滴加し、かつ室温で1時間撹拌した。配合溶液をシリカゲル上でクロマトグラフィーした。
【0213】
【表1】
【0214】
【表2】
【0215】
【表3】
【0216】
【表4】
例91
前記の例において例30〜38からの結合体の緩和度を2つの比較物質の緩和度と比較した。比較物質として、ウシ血清アルブミン(BSA))とそれぞれ反応された式
【0217】
【化16】
のGd−DTPA(1)及び式
【0218】
【化17】
を有するGd−GlyMeDOTA(2)を使用した。
【0219】
測定はそれぞれ水溶液中及び血漿中で+37℃において20MHzの周波数で行った。結果を以下の表2にまとめる、その際、1モルのガドリニウムあたりの示される緩和度は測定値から計算された:
【0220】
【表5】
【0221】
前記の例は、本発明による結合体が1つの生体分子あたりのガドニウム原子の数が少ないにもかかわらず意想外にも比較物質よりも高い緩和度を有することを示している。比較物質2に対して緩和度は大環状環の特定の配位によって高めることができた。
Claims (17)
- 式I
Zは水素原子を表すか、又は少なくとも2つのZは金属イオン当量を表し、
Bは水素原子又はC1〜C4−アルキル基を表し、
Rは水素原子又は直鎖状、分枝鎖状又は環式の、飽和又は不飽和のC1〜C10−アルキル基又はアリール基を表し、前記基はカルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2で置換されていてよく、かつC1〜C10−アルキル基のアルキル鎖はアリール基及び/又は1〜2個の酸素原子を有してよいが、但し、基B及びRは両者とも同時に水素原子ではなく、
Aは直鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は不飽和のC1〜C30−炭化水素鎖を表し、前記鎖は1〜5個の酸素原子、1〜5個の窒素原子及び/又は1〜5個の−NR′−基を有してよく、その際、R′はRと同様に定義されるが、無関係に選択されてよく、前記鎖は1〜3個のカルボキシル基、1〜3個の−SO3H、1〜3個の−PO3H2及び/又は1〜3個のハロゲン原子によって置換されていてよく、該鎖では1〜3個の炭素原子がカルボニル基として存在してよく、その際、該鎖又は鎖の一部は環状に配列されていてよく、かつ該鎖は、X′が少なくとも3個の原子を介して、Aが結合されている窒素原子と結合されるように構成され、
X′は、生体分子と反応されている基Xを表し、かつBioは生体分子の基を表す]の結合体並びにその塩、但し、
Bが水素原子であり、かつRがC1〜C4−アルキル基である場合に、Aは基
- Rが水素原子、直鎖状又は分枝鎖状のC1〜C10−アルキル基、シクロヘキシル基、−CH2−COOH、−C(CH3)2−COOH、フェニル基又は式−(CH2)m−(O)n−(フェニレン)p−Yの基であり、その際、mは1〜5の整数であり、nは0又は1であり、pは0又は1であり、かつYは水素原子、メトキシ基、カルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2を表す、請求項1記載の結合体。
- Bが水素原子である場合に、Rがイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、直鎖状又は分枝鎖状のC5〜C10−アルキル基、シクロヘキシル基、−CH2−COOH、−C(CH3)2−COOH、フェニル基又は式−(CH2)m−(O)n−(フェニレン)p−Yの基であり、その際、mは1〜5の整数であり、nは0又は1であり、pは0又は1であり、かつYは水素原子、メトキシ基、カルボキシル基、−SO3H又は−PO3H2を表す、請求項2記載の結合体。
- Bが水素原子である場合に、Rはイソプロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基である、請求項3記載の結合体。
- Aが基A′−Uであり、その際、A′が大環状環の窒素原子に結合され、かつUがX′に結合されており、かつA′は
a)結合、
b)−CH(CO2H)−、
c)式
d)式
Uは直鎖状又は分枝鎖状の飽和又は不飽和のC1〜C30−炭化水素鎖を表し、該鎖は1〜3個の酸素原子、1〜3個の窒素原子及び/又は1〜3個の−NR′′−基(式中、R′′は請求項1記載のRと同様に定義されるが、無関係に選択される)を有してよく、かつ該鎖では1〜3個の炭素原子はカルボニル基として存在してよく、その際、該鎖又は鎖の一部は環状に配列されていてよいが、但し、A′及びUは一緒になって、X′が少なくとも3つの原子を介してA′が結合されている窒素原子と結合されるように構成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の結合体。 - Uが−CH2−、−(CH2)5−、−(CH2)10−、−フェニレン−O−CH2−、−フェニレン−O−(CH2)3−、−フェニレン−O−(CH2)10−、−CH2−フェニレン−、−シクロヘキシレン−O−CH2−、−フェニレン−、−C(フェニル)H−、−CH2−ピリジレン−O−CH2−、−CH2−ピリジレン−及び−CH2−CO−NH−CH2−CH2−から選択される、請求項5から7までのいずれか1項記載の結合体。
- 生体分子と以下の化合物:
10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(4−(t−ブトキシカルボニル−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−[α−(4−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−[α−(4−(エトキシカルボニルプロポキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−[α−(4−(エトキシカルボニルデシルオキシ)フェニル)メトキシカルボニルメチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリメチル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(p−カルボキシベンジル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(4−(t−ブトキシカルボニル−1−フェニル−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリフェニル−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(4−カルボキシ−2−オキソ−3−アザブチル)−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、10−(4−カルボキシ−1−メチル−2−オキソ−3−アザブチル)−2,5,8,11−テトラメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリ−t−ブチルエステル、10−[8−(N−マレイミド)−1−メチル−2,5−ジオキソ−3,6−ジアザオクチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(イソプロピル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン又は10−[8−(N−マレイミド)−1−メチル−2,5−ジオキソ−3,6−ジアザオクチル]−1,4,7−α,α′,α′′−トリス(シクロヘキシル)−1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン
との結合体である、請求項1記載の結合体。 - 生体分子が生体ポリマー、タンパク質、人工的に変性された生体ポリマー、炭化水素、抗体、DNA及びRNA断片、β−アミノ酸、細胞に通過させるためのベクトルアミン、生体原アミン、医薬品、癌原調製物、生物学的標的に向けられる合成ポリマー、ステロイド、プロスタグランジン、タキソール及びその誘導体、エンドセリン、アルカロイド、葉酸及びその誘導体、生体活性脂質、脂肪、脂肪酸エステル、人工的に変性されたモノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、表面上で誘導体化されているリポソーム、天然の脂肪酸又はペルフルオロアルキル化合物からなるミセル、ポリフィリン、テキサフリン、拡張ポルフィリン、シトクロム、インヒビター、ノイラミダーゼ、神経ペプチド、免疫調節剤、エンドグリコシダーゼ、酵素カルモジュリンキナーゼ、カゼインキナーゼII、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、ヘパリナーゼ、基質−メタロプロテアーゼ、β−インスリン−レセプター−キナーゼ、UDP−ガラクトース−4−エピメラーゼ、フコシダーゼ、G−タンパク質、ガラクトシダーゼ、グリコシダーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ及びキシロシダーゼによって攻撃される基質、抗生物質、ビタミン及びビタミン類似体、ホルモン、DNA−インターカレーター、ヌクレオシド、ヌクレオチド、レクチン、ビタミンB12、ルイスX及び類似物、ソラーレン、ジエントリエン抗生物質、カルバシクリン、VEGF、ソマトスタチン及びその誘導体、ビオチン誘導体、抗ホルモン、腫瘍特異的タンパク質及び合成薬、生体の酸性又は塩基性の領域に集積するポリマー、ミオグロビン、アポミオグロビン、神経伝達ペプチド、腫瘍壊死因子、炎症組織に集積するペプチド、血液プール試薬、アニオン及びカチオン−輸送タンパク質、ポリエステル、ポリアミド及びポリホスフェートからなる群から選択される、請求項1から11までのいずれか1項記載の結合体。
- 基Zの少なくとも2つが原子番号21〜29、31、32、37〜39、42〜44、46、47、49、58〜71、75、77、82又は83の放射性又は常磁性の元素の金属イオン当量を表す、請求項1から12までのいずれか1項記載の結合体。
- 式I
- 請求項13記載の生理学的に認容性の少なくとも1種の結合体を、場合によりガレヌス製剤に慣用の添加剤と一緒に含有する医薬品。
- NMR診断又は放射性診断又は放射線治療のための薬剤の製造のための、請求項13記載の結合体の使用。
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