JP2017501214A - 治療的な使用のためのdotam誘導体 - Google Patents

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Abstract

治療的な使用のためのDOTAM誘導体本発明は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、である式Iの化合物、およびその薬理学的に許容される塩に関連し、ここでMは、存在しないかまたは存在し、Gd、Yb、Mn、Cr、Cu、Fe、Pr、Nd、Sm、Tb、Yb、Dy、Ho、Er、Eu、Ga、68Ga、64Cu、99mTc、177Lu、67Ga、111In、99Moの群からの正に荷電した金属イオンであり、およびA1、A2、A3、,およびA4、L1、L2、L3、およびL4、Y1、Y2、Y3、およびY4、Z1、Z2、Z3、およびZ4は、請求項において、示される意味を有する。式Iの化合物は、有益な薬理活性化合物で、変形性関節症の治療に適している。本発明は、式Iの化合物の調製のための方法、それらを含有する医薬、および医薬品組成物としてのそれらの用途にさらに関する。【選択図】 【化1】

Description

本発明は、ドラッグデリバリー剤、診断および造影の剤としての治療的な使用のためのDOTAM誘導体に関する。より具体的には、軟骨と結合することができ、変性関節疾患または炎症プロセス(例えば変形性関節症またはリウマチ)の局所的な診断およびモニタリングができる、標的部分を備えるドラッグデリバリー剤、診断および造影の剤に、本発明は関する。
本発明は、式(I)の1,4,7,10−テトアラザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸アミド誘導体に関し、

ここでZ1〜4、Y1〜4、L1〜4、A1〜4、およびMは、あっても無くても良く、そして、式(Ia)および式(Ib)に関して、以下で示される意味を有する。
第1の局面によれば、本発明は、診断および造影の剤としての式(Ia)の化合物に関する。第1の局面によれば、本発明は、ドラッグデリバリー剤としての式(Ib)の化合物に関する。
本発明は、式(Ia)および(Ia)の化合物の調製のための方法、それらを含有する医薬、および医薬品組成物としてのそれらの使用にさらに関する。
変形性関節症(OA)は、最も一般的な関節疾患の1つで、進行期に、関節機能喪失に導く。疾患の進行の間、関節軟骨は下にある骨組織まで連続的に破壊され、それは影響を受けた患者における関節置換術を必要とさせる。軟骨の破壊に加えて、軟骨下骨、滑膜、および靭帯の病理学的変化が、観察されさえもできる。本疾患は、一時的に関節リウマチにおけるような炎症プロセスが付随するが、それとは異なる。疾患の正確な原因はまだ知られていない、しかしながら、いくつかの要因(例えば代謝性変化、機械的ストレス、遺伝的疾患または共同の損傷)は問題になる。当初のトリガーにかかわらず、関節軟骨の破壊はOAの一般的な病理学的特徴として発生する。OAの病態の鍵となる特徴は、細胞外マトリックス成分、例えばコラーゲンおよびプロテオグリカンのタンパク質分解解離である。同時に、軟骨細胞表現型損失、細胞死、および機能的な軟骨組織を再生することに失敗することになる試みられた同化作用修復メカニズムのような、多くの他の方法が生じ得る。これらの方法の基礎をなしている正確な分子機構は、まだよく分かっていない。
大人の軟骨の好ましい機能はそのユニークな生体力学的特性によって生じ、重圧に対する耐性ならびに組織の必要な弾力を提供する。決定的な要因は、軟骨組織の特別な構成である。大部分の他の組織とは異なり、軟骨細胞は、細胞外基質(ECM)の各々とは直接接触せず、分かれて存在する。このECMの巨大分子は、関節軟骨および関節の生育性を保証する。コラーゲン型II、IX、およびXIのフィブリルにより構成されるネットワークから、ECMの基本構成は成る。極めて高いオスモティック水の結合能力を生じるECMに、プロテオグリカン、主にアグリカンは存在する。コラーゲン骨格構造の特性に関連して発生した水圧は、軟骨の特異性を保証する。コラーゲン−主にコラーゲンII−繊維に結合されているグリコサミノグリカン(GAG)鎖の分解および喪失によって、早期または前症状段階の関節病理は特徴づけられる。これらのGAG鎖はコラーゲン繊維を過剰なタンパク質分解解離から保護しており、GAGの喪失の結果、コラーゲン繊維がプロテアーゼ分解酵素に近づくことになり、かつ分解解列/処理がコラーゲンネットワークおよび減少したコラーゲンII含有量の喪失を引き起こすと信じられている。これらの微妙な生化学変化は柔らかい巣状病変の徴候に移行し、ここでコラーゲンII繊維は露出し、周囲組織は更なるタンパク質分解解離および破壊へと近づく。
OAの病因の主要な特徴は、関節軟骨組織のECMの喪失である。最終的に、関節機能は制限されるかまたは失われる。構造的および機能的な退化の他に、OAは痛みによって、特徴づけられる。
特定の生体マーカーの欠如のゆえに、および関節の痛みおよびこわばりのような変形性関節症の臨床症状が、X線撮影または核磁気共鳴画像化(MRI)技術によって、最終的に診断される疾患の後期、進行期にしばしば対応するという事実のゆえに、疾患の早期の診断およびモニタリングは困難である。
変形性関節症のための治療アプローチは、骨リモデリングおよび症状の改善を目的として、要素を保護または回復する軟骨基質を必要とする。OAの最も早期の組織病理病変に属するECM(アグリカンおよびコラーゲン)の分析から、MMPs、Adamts、およびカテプシンに対するプロテアーゼインヒビターの開発が治療に関係する。
特定のマトリックスメタロプロテイナーゼインヒビター、特にMMP13に特異的なインヒビターが発見され、変形性関節症の前臨床モデルにおいて、テストされた(Johnson AR et al. J Biol Chem. 2007 282(38):27781-91.関節繊維増殖の副作用なしでin vivoで軟骨の損傷を減らすマトリックスメタロプロテアーゼ−13の新規インヒビターの発見およびキャラクタリゼーション。; Baragi, V. M. et al. 変形性関節症の潜在的治療のための強力なマトリックスメタロプロテイナーゼ13インヒビターの新しいクラス:ラットモデルにおいて、筋骨格毒性のない組織学的および臨床的有効性の根拠: Arthritis Rheum. 60, 2008-2018 (2009))。
Adamts−4および−5を阻害するアグリカナーゼインヒビターが開発され、アグリカナーゼインヒビターAGG−523の臨床試験が始動した(US National Library of Medicine. ClinicalTrials.gov [online],http://www.clinicaltrials.gov/ct2/how/ NCT00427687 (2007))。
カテプシンKインヒビターは変形性関節症のいくつかの実験モデルでDMOADの可能性を示す(カテプシンKの抑制は前十字靱帯切断ウサギおよび変形性関節症のネズミのモデルの軟骨退化を減らす、Hayami T et al. Bone. 2012 Jun;50(6):1250-9.;カテプシンKの阻害は自然発生変形性関節症のギニアピッグモデルのCTXIIレベルおよび関節痛を和らげる。McDougall JJ, et al. Osteoarthritis Cartilage. 2010 (10):1355-7.。それぞれ、ニュートラルまたは酸性のpHでプロテオグリカンを分解させるそれらの能力のため、カテプシンBとDを含む他のカテプシンは其々注目された。特に、酸性条件下での生体外プロテオグリカン破壊軟骨移植片は、高活性のカテプシンDインヒビターであるペプスタチンで阻害され得る(Dingle, J. T.,et al. Inhibition by Pepstatin of Human CartilageDegradation Biochem. J. (1972) 127, 443 444)。
プロ同化作用成長因子BMP7は、OAの進行を阻害することを示し、in vivoで軟骨を修復する能力を有する。第一相試験は、ヒトのOA患者において、BMP−7の安全性を示した(Hunter, D. J. et al. 第一相の症候性膝関節変形性関節症におけるBMP-7の安全性および認容性試験。 BMC Musculoskelet. Disord. 11, 232 (2010).)ネズミのDMOAD活性を有する、FGF18(同化作用成長因子)は、臨床試験が進行している(McPherson、R.Flechsenhar、K.Hellot、S.およびEckstein、F.1年以内に膝手術を必要がない、初発の膝関節の変形性関節症(OA)患者の単一であるか多用量増量を使用して、関節内に投与されるrhFGF18のランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同研究。Osteoarthritis Cartilage 19(suppl.1)、35−36(2011)。
骨および軟骨のリモデリングを標的にするいくつかの治療的なアプローチは、種々の段階の臨床試験のフェーズにもある:ストロンチウムラネレート(Reginster, J. Y. et al.膝関節の変形性関節症の治療におけるストロンチウムレネレートの有効性および安全性:二重盲検無作為プラセボ対照試験の結果。Ann. Rheum. Dis. 72, 179-186 (2013).;カルシトニン(Karsdal,M. A. et al.経口カルシトニンは症状緩和効果を示し、且つ軟骨ボリュームを増加させる:膝の変形性関節症を有する患者の2年間の第3相試験からの結果。Osteoarthritis Cartilage 19(suppl.1)、35(2011)。)、iNOS−インヒビターは、OAの症状の制御し、加えてOAの構造的進展に影響を及ぼす潜在能力を有する(Hellio le Graverand, M. P. et al.膝の症候性変形性関節症を有する患者における、経口選択的iNOSインヒビターcindunistat (SD-6010)の2年間の無作為二重盲検プラセボ対照多施設共同試験 Ann. Rheum. Dis. 72, 187-195 (2012).)。
注射された薬または治療成分の特徴に応じて、1〜2時間未満の滞留時間が観察される。例えば、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)または溶解されたコルチコステロイドは、典型的には1〜2時間以内に除去され、それゆえに、関節内投与を介した長期持続治療にとってはあまりに短い滞留時間を有する。
薬の滞留時間を拡張/延長する現在利用可能なアプローチは、関節空中に受動的な貯蔵庫を形成し、滑液中への活性成分の放出を遅延させる製剤に依存する。この種の製剤は、例えばリポソーム、ヒドロゲル(ヒアルロン酸およびその改質誘導体)、溶解性の低い薬の結晶性懸濁液、微小粒子およびナノ粒子(例えば乳酸-グリコール酸共重合体/PLGA、ポリ乳酸/PLLA)であると同様に、関節の負荷に対して放出が依存する封入された活性成分の薬放出率の制御の悪さ、ならびに滞留時間の不十分な延長を、これらの多くのアプローチは被る。そのうえ、特にアプローチに基づく粒子、例えば懸濁液および微小粒子は、関節腫脹、細胞浸潤、および軽微なレベルのプロテオグリカンの喪失さえ伴う、痛みを伴う炎症(滑膜炎)のような重篤な副作用を誘発し得る。標的とされたドラッグデリバリーは、他の組織の相対濃度を減らすと共に、関連する組織の薬の濃度および滞留時間を増加させることを意図する。選択的および特異的な分布と共に、治療成績を増強する一方で、全体の毒性を最小化し、その薬理学的応答および安全性の尺度としての薬の治療係数は改善された。
関節空への局所的な投与および沈着による関節軟骨の受動的な標的化とは対照的に、能動的な標的化アプローチは、軟骨組織またはその組織成分、例えばコラーゲンまたはGAGへの明瞭な親和性を有することによって、関節組織中の活性成分を保持することを意図する。
ポリマー相当物質と比較して、小分子をベースとする担体は、明確な分子構造、確定した分子量、およびバッチ間変動のない高純度を含む固有の利点を提供する;
しかしながら、我々の知識によれば、関節中での滞留を増加させるための、小分子をベースとするキャリアは報告されていない。
関節内投与を介した診断薬の局所適用は、全身投与に勝るいくつかの利点を提供し、心血管、腎臓、消化器または中枢神経系への副作用を最小化するかまたは回避するのに適している。原則として、これは経口投与での低い生物学的利用率、初回通過代謝、または特定の分布特性のどれかの故であり、著しく低減された投与量という利点を伴う。全身投与によっては到底達成し得ない標的組織での高レベル(100%の生物学的利用率)が達成され得る。
そのうえ、大多数のOA患者にとって、関節、例えば関節内投与によってアクセスできる膝、手、または足の一つの関節だけが、疾患により影響を受ける。
しかしながら、疾患の初発部位としての関節空の関節軟骨は、無血管状態であるゆえに、滑液を介した体循環とのみ接触し得る離れた位置にある。しかしながら、関節空は激しく洗い落される小室であり、関節内投与を介した局所投与の後に関節に存在する溶解された小分子は、対流輸送およびリンパへの取り込みによって、数時間以内に急速に取り除かれる。
従って、変形性関節症の早期のまたは前駆症状における関節病理所見の診断を可能にする、軟骨欠損の局所的な軟骨組織選択的モニタリングの為の、およびOAの早期のまたは前駆症状における関節病理所見の非常に局所的で持続的な治療を可能にする、軟骨欠損への能動的な軟骨標的とした選択的な薬送達の為の、医学上の必要性が存在することは明らかである。
加えて、その投与時点以降に即座に薬キャリアの運命を、および薬が放出される事実をモニターすることも有益であり、このようなモニタリングが、薬放出が行われるかどうか、いつ、どこで行われるかを前もって決定することが望まれている。このような治療診断剤は、放出された薬の送達のin vivoでの可視化ならびに治療モニタリングに有用であり得る(治療診断)。その方法において、様々な応用、例えば薬送達、薬放出、治療のモニタリング、および侵襲的撮影が統合され得る。例えば、剤または近赤外標識を含有しているGadolinium(III)を強調するMRIコントラストの組み込みにより、治療剤の局在化は追跡され得る。(E. Terreno et al. J. Control. Release 161 (2012) 328-337; B. D.Smith et al. Bioconjugate Chem. 23 (2012) 1989-2006; N. Zhang et al.Biomaterials 33 (2012) 5363-5375).
磁気共鳴画像化(MRI)は、例えば軟骨のようなヒト軟組織の非侵襲的撮影における主要な進歩である。しかしながらハイコントラストおよび解像度ならびに多平面の可視化の能力にもかかわらず、MRIは、軟骨組織の変化に関連する中等度から重度の疾患だけをしばしば描出する。コントラストを強調し、組織の異なる領域の間の鮮明度を改善する為に、造影剤、例えばガドペンテテート(Magnevist)、ガドテラート(Dotarem)、ガドジアミド(Omniscan)、ガドベナート(MultiHance)、ガドテリドール(ProHance)、ガドベルセタミド(OptiMARK)、ガドキセテート(Primovist)およびガドブトロール(Gadovist)が、現在使用される。これらの低分子量のガドリニウム(III)複合体は、近傍に位置する陽子の縦方向のT1緩和時間および横方向のT2緩和時間を短縮する常磁性複合体である。Gd(III)で導かれたT1短縮は、T1重みづけ画像におけるシグナル強度を増加させて、これらの画像を明るくさせる。
MRIの感度およびコントラストを改良するのに適している他のランタニド(III)イオン複合体は、例えばユウロピウム(III)またはジスプロシウム(III)である。
一般に、現在利用可能なMRI CAは、ある組織を選択的に標的としてはいない。しかしながら、CAの組織選択的集積化のあり得る影響および有用性は、OAの早期診断の為の、軟骨の遅延ガドリニウムMRI(dGMERIC)技術の広範囲にわたる応用により示されることができる。現在、これは、早期の軟骨質変化を評価するのに適している唯一の臨床的に認められた方法で、将来の関節退化が予測できることを証明した。すでに述べたように、早期のOAは、減少したグリコサミノグリカン(GAG)含有量によって、特徴づけられる。GAG(例えば、コンドロイチンスルフェートおよびケラチンスルフェート)は、アグリカンタンパク質骨格構造に結合された強く負に荷電された広範囲な多糖である。
負に荷電されたガドペンテテートGd(DTPA)2−が、正常な軟骨に比べて低下した負電荷の反発のゆえに、GAG含有量が減少した軟骨中に豊富され/蓄積されているという事実を、dGMERICは利用する。早期の生化学的な変化および組織病変の部位に対応する低いGAG含有量の部位において、より短いT1緩和時間またはより高いMRIのシグナル強度という結果を、これはもたらす。このように、GAG含有量はT1緩和時間に正比例し、設定されたT1でのT1緩和時間は、dGMERICインデックスと称される。
dGMERICインデックスは、OAの早期の軟骨変化を予測可能な、認められた画像生体マーカーである。[A. Bashir et al. Magn Reson Med. 1999;41,857; F. Eckstein et al.Osteoarthritis and Cartilage, 2006, 14, 974; T.E. McAlindon et al.Osteoarthritis and Cartilage, 2011, 19, 399.]
利用できるCAの他の大きな欠点は、限られた滞留時間および標的組織、すなわち軟骨中でCAが適切な濃度に達する為の困難さである。このような剤の投与の後の画像操作をきわめて短い時間に制限することを要求する、体から急速に消失する傾向が、多くのCAはある。類似の条件の下で記録されることができ、明白な診断のために必要である時間およびMRI画像の数を、これは制限する。MRI CAの非常に望ましい特性は、従って検査部位で高く持続的な濃度に達することである。
組織選択的CAは、診断に関連する部位でコントラストを強調し、罹患部において、より長く留まり、画像処置の完結のための十分な時間を確保する。加えて、このような組織選択的な剤は、所定の設定においてCAのより高い局所濃度に達することが可能であり、このように、適切な強調されたシグナルを提供するために必要な全体の量を減らす。
ある組織または細胞コンパートメント中の局所的な疾患に関連したタンパク質の活動度を評価することは、疾患状態の決定または治療手段の成功をモニターすることにとって重要な診断手段でありえる。
多くのタンパク質および酵素が、翻訳後のメカニズムの複雑な配列により制御され、このように発現レベル/量の変化は活性の変化と相関することができないので、これは特に重要である。このために、活動度に基づいたプローブ(ABP)が、天然の環境において、標的タンパク質を共有結合でラベルするのに使用され、それにより、疾患に関連した、生理学的に関連した活動部位の異常な酵素活性を評価する強力なツールを提供する。現在まで、このようなABPは、多くの酵素クラス、例えばセリンヒドロラーゼ(ホスホリパーゼ)、メタロプロテイナーゼ、システイン、セリン、トレオニンおよびアスパラギン酸プロテアーゼ、酸化還元酵素、ホスファターゼ、およびカイネースのために開発されてきた。
原則として、ABPは、3つの要素から成る:反応性官能基(ウォーヘッド)、該反応性官能基をタグから離して、共有結合的タンパク質−プローブ複合体の可視化および検出を可能にするリンカー。加えて、いくつかのプローブは、追加的な結合基、例えば自然の基質に似ている基、またはプローブの特異性を改良して、特定の残基に対処することにより酵素の関連したサブセットに対して選択性を増強する、認識要素としてのインヒビターを含有できる。酵素の活性部位の触媒残基と反応して、活性部位の求核基と共有結合を形成する求電子基から、反応性官能基は通常成る。このようなABPのタグは、放射性核種シンチグラフィー断層撮影(例えば99mTc、177Lu)、ポジトロン放射型断層撮影(PET)(例えば68Ga、64Cu)、磁気共鳴画像(MRI)(例えばGd、Yb、Eu、Nd)、または蛍光ラベル(例えばシアニン染料のような光学的画像成分)のためのγ線エミッタから成ることができる。
ABP、蛍光的に消光されたABP(qABP)の更なる開発は、in vivoでの光学的画像に特に役立つ。これらのプローブは、酵素活性部位との共有結合的反応の際に分離/放出される脱離基を有する反応性官能基を持っている。蛍光消光剤を脱離基に結合させることによって、暗く消光された蛍光発生プローブは得られ、それは、反応している酵素の解離および共有結合による修飾の後に蛍光シグナルを発するだけである。その方法によって、リアルタイムで、非侵襲的な、細胞システムまたは生体系において最大シグナル対バックグラウンドの比を持つ高解像度画像が、得られ得る。反応性官能基を含有し共有結合的に処理酵素を修飾するqABPのほかに、このような要素を欠如しているが、天然の基質配列から成る暗く消光された蛍光発生プローブの変種が、導入され有用である事が証明された。このような暗く消光された蛍光発生プローブが、疾患状態を検出して、OAラットモデルの疾患進行を追跡する為にうまく利用されてきた[Kim et al. Amino Acids (2011) 41, 1113; Kim et al. BioconjugateChemstry (2008), 19, 1743.]
より近年、バイモーダルMRI/光学的画像化CAは、1つの画像化剤において、二重の標識MRIおよび近赤外蛍光レポーターを使用して導入された。例えばこのようなバイモーダルCAを投与することによって、術前MRI画像化および手術時の蛍光シグナルは、手術および更に組織学的分析を導くのに有用でありえる。しばしば異なった薬物動態学的特性および画像化時間窓を有している別々の標識薬の投与とは対照的に、バイモーダルCAは、同期をとって、同時に通路/間隔の検査を許容する。
単一画像診断法が全体の構造および機能的な情報を提供することができないので、光学的画像およびMRIは、例えば軟骨のような組織および器官に関してより完全な情報を得るために、同時に用いることができる補完的な解析手法である。MRIは、無制限の深度、高精度、および時間分解能での組織の画像化によって、特徴づけられるが、まだ細胞の画像化のためにはあまりに低い低感度によって、妨げられる。コントラストにおいて、光学的画像化のための蛍光シグナルは高感度を有するが、in vivo画像化への応用を制限する限られた組織浸透性および低解像度を有する。蛍光レポーターの中で、生体系での天然の近赤外(NIR)蛍光の欠如、NIR光子の低い散乱性、およびNIR光子が非侵襲性in vivo画像化のために大きな組織深度を横切ることができるという事実のため、画像化の為のNIRラベルは生物学的応用に適合している。
さらに、細胞内画像化は、今日までに、現在利用可能なMRI CAにより達成されることができていない。しかしながら、これは、細胞透過性光学的画像化剤での一般的な手法である。このように、バイモーダル細胞透過性CAは、両方の技術の利点を結合して、より高い解像度および感度での画像診断を可能にする。
バイモーダルMRI/光学的画像化剤は、同一の薬物動態学および生体分布、同時にMRIおよびNIR光学的画像化技術を利用して、in vivoでの分子画像化実験のより正確な解釈を可能にする生体内分布滞留時間、ならびに組織および組織辺縁の正確な外科的除去のための手術時のガイダンスを有する更なる利点を有する。MRIを通して統合された術前トポグラフィー情報、および疾患のある関節の手術の間の手術時の光学的画像化のための集約的アプローチを提供すること。
J.Hubbellらは、特定のペプチド配列WYRGRL(SEQ ID NO:1)[TrpTyrArgGlyArgLeu]がコラーゲンII結合を介した軟骨結合特性を表す官能化されたポリマーに基づくナノ粒子を報告した。比較として、非結合性のスクランブル化オリゴペプチド配列YRLGRW((SEQ ID NO:2)が対照として使用された(J. Hubbellet al, Nature materials (2008), 7, 248)。
硫酸化されたおよびカルボキシル化されたGAGの高度に固定された負の電荷密度は、高い親水性環境を生み出し、大量の間質の水を結合する。そのような方法で、圧縮に抵抗しかつ負荷を分散させる組織の、可逆的な弾力性は維持される。
本発明に従い、この環境で複数の正電荷を持っている剤は、長い滞留時間を呈し、かつ負に荷電されたGAGとの静電引力のゆえにより高い局所的濃度を成し遂げることが可能である。
ブタ軟骨移植片でのEx Vivo研究である プローブHHY-306(CP),HHY-312(1TP),HHY-322(1SP),HHY-290(3TP),およびHHY-293(3SP)に基づいたDOTAMのIn vivo薬物動態である プローブHHY-306(CP),HHY-312(1TP),HHY-322(1SP),HHY-290(3TP),およびHHY-293(3SP)に基づいたDOTAMのIn vivo薬物動態である ブタ関節軟骨移植片のグリコサミノグリカン(GAG)放出のEx vivo測定(HHY-327 1P1IとHHY-299 3P1I)である HHY-316Gd対対照Gd-DTPAでインキュベートされた軟骨のMRI画像 造影剤HHY-316-Gd(左)とHHY-341Gd(右)の注射後の24時間後のラット膝のMRI画像である T1-強調画像における大腿骨軟骨領域、脛骨成長板領域、注射部位領域、筋領域、骨領域、滑膜領域、及び標準領域の高精度画像である HHY-316Gd(左)とHHY-341Gd(右)の注射前後の軟骨と成長板の標準化強度(平均±標準誤差、n=4)のプロットである HHY-316Gd(左)とHHY-341Gd(右)の注射前後の滑膜領域の標準化平均強度である HHY-316Gd(左)とHHY-341Gd(右)の注射前後の注射領域の標準化強度(n=4)のプロットである HHY-316Gd(TCA)(左)とHHY-341Gd(右)の注射前後の骨領域の標準化平均強度(n=4)のプロットである HHY-316Gd(TCA)(左)とHHY-341Gd(NCA)(右)の注射前後の筋領域の標準化平均強度(n=4)のプロットである (a)造影剤HHY-316Gd-338Gdの注射24時間後のラット膝のin vivo MR画像である 48時間後の非手術膝関節の関節軟骨中のプローブの分布である 2A型プロコラーゲンの免疫蛍光染色である
従って、本発明の他の局面は、生理学的pH(典型的には5〜8)で正に荷電し、高度に負に荷電したGAGと相互作用することが可能である、(ポリ)カチオン部分の特徴と、WYRGRLペプチド配列の特性を保持している軟骨との組合せである。カチオン部分は、置換または非置換のアミン、グアニジン、およびアミジンによって、好ましくは導入される。
標的部分、例えばペプチド類の親和性、生体分布、および滞留は、結合されたレポーター基、または結合された薬またはプロドラッグにより影響を受ける。ある場合においては、レポーター基、薬またはプロドラッグは、標識されていないか結合されていない標的部分と比較して、これらの特性に負の影響を与え得る。これは、マルチモーダル造影剤において、いっそう原則としてあてはまる。標的部分と造影剤(CA)の診断ラベルの間、または、標的部分と結合された薬またはプロドラッグの間の割合を大きくすることによって、標的部分の多量体化を介して、診断ラベルの、または薬またはプロドラッグの負の影響は、軽減され得る。さらに、一価のCAと比べて高まった組織選択性、改良された生体分布および滞留時間が得られ得る。診断レポーターのリガンドタンパク相互作用、超加成性現象、およびシールド効果のより高い統計的頻度および確率の様なファクターは、このような改善に貢献でき得る。
対応するテンプレート1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)に任意的には多価で結合され、磁気共鳴画像化(MRI)レポーター、光学蛍光レポーターまたは両方に結合された軟骨標的/コラーゲンII型標的ペプチド配列の合成および応用を、本発明は記載している。
他の局面に従い、対応するテンプレート1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)に任意的には多価で結合され、治療的に活性な薬におよび任意的には磁気共鳴画像化(MRI)レポーターに結合された軟骨標的/コラーゲンII型標的ペプチド配列の合成および応用を、本発明は記載している。
多価に装飾されたDOTA誘導体は、軟骨を能動的に標的し、それに結合し、関節中での局所滞留時間を長引かせることができる、定義された、ペプチドを表す、単量体単位として働く。これらの特徴は、更なる(ポリ)カチオン部分を導入することで、さらにサポートされることができる。このように、急速な排出は、滑液を介して防がれる。変形性関節炎または慢性関節リウマチおよび随伴する合併症の治療のために軟骨と選択的に結合する治療剤または診断剤の局所的な投与のために、本発明の化合物がそれ故用いられることが可能である。記載されている化合物は、能動的に軟骨組織を標的とし結合するよう設計されており、このようにこれらの診断剤および治療剤の重大な全身血漿中濃度および全身への暴露を防ぎ、このように有害な副作用を防止するのに役立つ。
このように、本発明の課題は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ia)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩であり、
ここでMは、存在しないかまたは存在し、Gd、Yb、Mn、Cr、Cu、Fe、Pr、Nd、Sm、Tb、Yb、Dy、Ho、Er、Eu、Ga、68Ga、64Cu、99mTc、177Lu、67Ga、111In、99Moの群からの正に荷電した金属イオンであり;
A1、A2、A3、およびA4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−P(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−S(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−および−(C−C)−アルキル−N(R1)−C(O)−から選ばれ;
nは、1および2から選択され:
L1、L2、L3、およびL4は互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、(C−C18)−アルキル、−(CH2)[−O−(CHq−から互いに独立して選らばれ;
m、q、およびpは互いに独立して同一であるか異なっており、整数0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C−C)−アルキル−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−N(R1)−C(O)−(C−C)−アルキル−、−(C−C)−アルキル−S(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−N(R1)−C(O)−

から互いに独立して選ばれ;
R1およびR2は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、および−(C−C)−アルキル−(C−C)−シクロアルキルからなる組から、互いに独立して選択され;
Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
●水素原子;
●WYRGRL−(SEQ ID NO:1)[TrpTyrArgGlyArgLeu]SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有する該ポリペプチドであり、ここで該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
●光学的画像化に適している蛍光体;
●OAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している活性に基づくプローブ(ABP);
●ただし
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つはWYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されており;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、光学的画像化に適している蛍光体またはOAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している活性に基づくプローブ(ABP)であり;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4は、OAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している1より多い、活性に基づくプローブ(ABP)を表すことはできない。
このように、本発明の課題は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ib)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩であり、

ここで
A1、A2、A3、およびA4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−P(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−S(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、および−(C−C)−アルキル−N(R1)−C(O)−から互いに独立して選択され;
nは、1および2から選択され;
L1、L2、L3、およびL4は互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、(C−C18)−アルキル、−(CH[−O−(CH−から互いに独立して選らばれ;
m、q、およびpは、互いに独立して同一であるか異なっており、整数0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なっていて、結合手、解離可能なリンカー、−Y5−(Z5)、−(C−C)−アルキル−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−N(R1)−C(O)−(C−C)−アルキル−、−(C−C)−アルキル−S(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−N(R1)−C(O)

から互いに独立して選択され、
ここで、rは1〜3から選択され、Y5は解離可能なリンカー、(C−C)−アルキル−N(R1)、(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1)、N(R1)−C(O)−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキル−S(O)−N(R1)、(C−C)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)、(C−C)−アルキル−N(R1)−C(O)から選択され、Z5はZ1、Z2、Z3、およびZ4について定義された通りであり;
R1およびR2は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、および−(C−C)−アルキル−(C−C)−シクロアルキルからなる組から、互いに独立して選択され;
Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
●水素原子;
●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチド、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
●変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に役立つ化合物;
●ただし
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つはWYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、上記に定義されているように変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な化合物を表す。
他の局面に従い、本発明の課題は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、である式(Ia)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩に従い、

ここで
Mは、存在しないかまたは存在し、Gd、Yb、Mn、Cr、Cu、Fe、Pr、Nd、Sm、Tb、Yb、Dy、Ho、Er、Eu、Ga、68Ga、64Cu、99mTc、177Lu、67Ga、111In、99Moの群からの正に荷電した金属イオンであり;
A1、A2、A3、およびA4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−P(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−S(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、および−(C−C)−アルキル−N(R1)−C(O)−から互いに独立して選択され;
nは、1および2から選択され;
L1、L2、L3、およびL4は互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、(C−C18)−アルキル、−(CH[−O−(CH−から互いに独立して選らばれ;
m、q、およびpは、互いに独立して同一であるか異なっており、整数0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C−C)−アルキル−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−N(R1)−C(O)−(C−C)−アルキル−、−(C−C)−アルキル−S(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、−(C−C)−アルキル−N(R1)−C(O)−

から互いに独立して選ばれ、
R1およびR2は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、および−(C−C)−アルキル−(C−C)−シクロアルキルからなる組から、互いに独立して選択され;
Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
●水素原子;
●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチド、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
●蛍光体;
●活性に基づいたプローブ(ABP);
●ただし
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されており;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、蛍光体または活性に基づいたプローブ(ABP)を表し;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4は、1より多い、活性に基づくプローブ(ABP)を表すことはできない。
更なる局面によれば、本発明は上記に定義されているように式(Ib)の化合物に関し、ここで、MMP13のインヒビター、組換え型メタロプロテイナーゼインヒビター−3、ADAMTS4/5、カテプシンD、カテプシンKインヒビター、カテプシンSまたはBのインヒビター、uPA、tPA、HTRA1、PACE4に対するセリンプロテアーゼインヒビター、補体系のインヒビター、C1s、C1r、C3、C5または膜侵食複合体に対するインヒビター、前炎症性サイトカイン、インターロイキン1転換酵素、組換え型インターロイキン1受容体拮抗剤に対するインヒビター、前炎症性細胞内シグナル伝達経路またはp38−経路に対するインヒビター、FAK−シグナル伝達のインヒビター、Toll様レセプター、ドキシサイクリン、グルコサミン−ハイドロクロライド、コンドロイチンサルフェートに対するインヒビター、標準的なWNTシグナル伝達のインヒビター、フリズルドレセプターのインヒビター、GSK3βのモジュレーター、SGK−1、組換え型Wif1、組換え型SFRP、組換えDKK−1のインヒビター、LRP5またはLRP6、組換え型Sostのインヒビター、軟骨細胞肥大化のインヒビター、HDAC−4モジュレーター、FGFR3アゴニスト、組換え型PTHrP、軟骨細胞同化分子、TGFβSmad2−/3シグナル伝達のアクティベーター、BMP−/Samd1、−5−、−8シグナル伝達のアクティベーター、Notchシグナル伝達のモジュレーター、タイロシンキナーゼインヒビター、シンデカン−4インヒビター、レプチンまたはレプチンシグナル伝達のインヒビター、初発症状治療の治療成分、TRPV1のインヒビター、P2X7のインヒビター、Nav1.7のインヒビター、PGE−形成のインヒビター、非ステロイド性抗炎症薬、コルチコステロイド、TrkAのインヒビター、およびCOX2インヒビターから、変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な該化合物が選択される
変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に役立つ化合物は、タンパク質、ペプチド、ステープルドペプチド、抗体、ナノボディ、ラマ抗体、アプタマー、小分子、小分子のプロドラッグまたは他の形態でありえる。
MMP13(例えばPG−116800)のインヒビター、組換え型メタロプロテイナーゼインヒビター−3(TIMP−3)、ADAMTS4/5(例えばAGG−523、米国特許出願公開番号第2007/0043066号)、カテプシンD(例えばペプスタチンA)、カテプシンKインヒビター(例えばONO−5334またはオダナカチブ)、カテプシンSまたはBのインヒビター(例えばAc−Leu−Val−Lysinal、CA−074、VBY−376)、uPA、tPA、HTRA1、PACE4に対するセリンプロテアーゼインヒビター、補体系(例えば組換え型C1インヒビターたんぱく質)のインヒビター、C1s、C1r、C3、C5または膜侵食複合体(C5b−9を含むMAC)に対するインヒビター、前炎症性サイトカイン(例えばIL1βまたはTNFα)、インターロイキン1転換酵素(ICE)、組換え型インターロイキン1受容体拮抗剤、前炎症性細胞内シグナル伝達経路(例えばNfkappaB)またはp38−経路対するインヒビター、FAK−シグナル伝達のインヒビター、TOLL様受容体拮抗剤(TLR−2またはTLR−4)、ドキシサイクリン、グルコサミン−ハイドロクロライド、コンドロイチンスルフェート、強度標準的なWNTのシグナル伝達インヒビター(WNT−β−カテニン)(例えばWNT−分子のインヒビター(例えばWnt3a、Wnt10b)、Frizzledレセプターのインヒビター、GSK3βのモジュレーター、SGK−1のインヒビター、組換え型Wif1、組換え型SFRP(FrzB)、組換え型DKK−1、LRP5またはLRP6のインヒビター、組換え型Sost、軟骨細胞肥大化のインヒビター(例えばHif2α、Runx2、インドハリネズミ、sirtuin−1、CXCR4、CXCR7、またはGPERのインヒビター)、HDAC−4モジュレーター、FGFR3アゴニスト、組換え型PTHrP、軟骨細胞同化分子(例えば組換え型FGF18、組換え型FGF2、BMP−2BMP−4、BMP−6、BMP−7、GDF5、TGFβ1、−2、−3)、TGFβ−Smad2−/3シグナル伝達のアクティベーター、BMP−/Samd1、−5−、−8シグナル伝達のアクティベーター、Notchシグナル伝達のモジュレーター、タイロシンキナーゼインヒビター(例えばDDR−1またはDDR2)、シンデカン−4インヒビター、レプチンまたはレプチンシグナル伝達のインヒビター、初発症状治療による治療成分(痛みの緩和)、TRPV1のインヒビター(例えばカプサイシン)、P2X7のインヒビター、Nav1.7のインヒビター、PGE−形成のインヒビター、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)(例えばアセトアミノフェンジクロフェナク、イブプロフェン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン)、トリアムシノロンのようなコルチコステロイド、TrkAのインヒビター、およびCOX2インヒビター(例えばセレコキシブまたはロフェコキシブ)から、変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な該化合物が選ばれる。
いくつかの実施形態において、コルチコステロイド、COX2インヒビター、例えばセレコキシブまたはロフェコキシブ、または他の非ステロイド性抗炎症薬、MMP−13インヒビター、例えばAgg−523のようなADAMTS4/5のインヒビター、Ac−Leu−Val−Lysinal、CA−074、VBY−376のようなカテプシン−B−インヒビターまたはPepstatinのようなCathepsinDインヒビター、ONO−5334またはオダナカチブのようなカテプシンKインヒビター、PGE合成のインヒビターから、変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な化合物は選択される。
ポリペプチドの機能を損なうことなく、少なくとも一つのアミノ酸が、別のものと置き換えられることを、ポリペプチドの保存的置換は意味し、それは軟骨組織と特異的に結合すべきものである。
語「解離可能なリンカー」はリンカーシステムを記述し、たとえば前記リンカーへのプロテアーゼの作用による酵素的処理、または硫黄または酸素含有残基による求核攻撃、またはpHの変化による加水分解、または照射のいずれかにより解離され、それにより興味の部位で薬のより高い濃度を自由にさせる。解離可能なリンカーの例は当業者に公知であり、文献、例えばG. Leriche et al., Bioorg.Med. Chem. 20 (2012) 571-582およびその引用文献に記載されている。
解離可能なリンカーは、下記の表1に示すようなリンカー基から、選択されることもできる。
酸−標識リンカーシステム、例えば3級−ブチルオキシカルボニル、パラメトキシベンジル、ジアルキルまたはジアリールジアルコキシシラン、オルソエステル、アセタール、b−チオプロパネート、ケタール、ホスフォアミダート、ヒドラゾン、ビニルエーテル、イミン、アコニチル、トリチル、ポリケタール、および例えばLeriche et al., Bioorg. Med. Chem. 20 (2012) 571-582のスキーム8に例示されるリンカーから、解離可能なリンカーは選択されることもできる。
オルト−ニトロベンジル誘導体、フェンアシルエステル誘導体のような光解離可能システム、および他の光解離可能リンカー、例えばオルト−ノートリベンジルをベースとしたリンカー、フェンアシルエステルをベースとしたリンカー、8−キノリニルベンゼンスルホナートリンカー、ジクマリンリンカー、6−ブロモ−7−アルコキシクマリン−4−イルメトキシカルボニル、ビマンをベースにしたリンカー、ビス−アリールヒドラゾンをベースにしたリンカー、例えばLeriche et al., Bioorg.Med. Chem. 20 (2012) 571-582のスキーム8に例示されたリンカーから、解離可能なリンカーは選択されることもできる。
解離可能なリンカーは、P.J. Jaun et al, Angew Chem Int Ed Engl. 2013 Jan 28;52(5):1404-9から選択されることができる。
ジメチルアミノクマリン誘導体、好ましくは7−ジメチルアミノクマリン−4酢酸スクシンイミジルエステル、ダンシル、5/6−カルボキシフルオレセインおよびテトラメチルローダミン、BODIPY−493/503、BODIPY−FL、BODIPY−TMR、BODIPY−TMR−X、BODIPY−TR−X、BODIPY630/550−X、BODIPY−650/665−X、Alexa350、Alexa488、Alexa532、Alexa546、Alexa555、Alexa635、Alexa647、シアニン3(Cy3)、シアニン3B(Cy3B)、シアニン5(Cy5)、シアニン5.5(Cy5.5)、シアニン7(Cy7)、シアニン7.5(Cy7.5)、ATTO 488、ATTO 532、ATTO 600、ATTO 655、DY−505、DY−547、DY−632、DY−647の群からの化合物を、語「蛍光体」は説明する;蛍光タンパク質、例えば、異なる吸収/放出特性を有する緑色蛍光タンパク質(GFP)およびGFPの修飾たんぱく質も有用である。ある希土類金属(例えば、ユーロピウム、サマリウム、テルビウムまたはジスプロシウム)の複合体たとえば蛍光ナノクリスタル(量子ドット)が、ある状況において、用いられる。ジメチルアミノクマリン誘導体、好ましくは7−ジメチルアミノクマリン−4酢酸スクシンイミジルエステル、ダンシル、5/6−カルボキシフルオレセインおよびテトラメチルローダミン、BODIPY−493/503、BODIPY−FL、BODIPY−TMR、BODIPY−TMR−X、BODIPY−TR−X、BODIPY630/550−X、BODIPY−650/665−X、Alexa350、Alexa488、Alexa532、Alexa546、Alexa555、Alexa635、Alexa647、シアニン3(Cy3)、シアニン3B(Cy3B)、シアニン5(Cy5)、シアニン5.5(Cy5.5)、シアニン7(Cy7)、シアニン7.5(Cy7.5)、ATTO 488、ATTO 532、ATTO 600、ATTO 655、DY−505、DY−547、DY−632、DY−647から成る群から選ばれる蛍光体が、最も好ましい。光学画像化部分の好ましい例は、カルバシアニン、オキサシアニン、チアシアニン、およびアザシアニンの群からのシアニン染料である。シアニン染料は、一重および多重、好ましくは二重結合の炭素−炭素結合が交互に繋がっている奇数個の炭素原子を含有するポリエン鎖により定義される化合物であり、アミノ基によって、両方の末端が終了し、その一つは4級化されている。シアニンおよび類似体アール−リンカー−アリール発色団は、ペンダントまたは縮合環置換基を任意的に担っている。シアニン染料は、多様な分光特性および利用可能な構造のバリエーションのため特に有用である。シアニン染料の範囲は周知で、テストされ、それらは低い毒性を有して、市販である。シアニン染料は、良好な水溶性を有する非常に濃色の染料の一つのファミリーである。それらは、pH3〜10の間でpHに鈍感であり、低い非特異的結合性を呈し、フルオレセインより光安定である。
蛍光エネルギー共鳴伝達(FRET)に適している距離で結合され、ABP解離可能なリンカーにより結合された2つの適切な蛍光体を含有する残基を、語「ABP」(活性に基づくプローブ)は云う。ABP解離可能なリンカーは、2〜12のアミノ酸から成り、MMP−13、ADAMTS4/5、CathD、または他の関連したタンパク質のような治療的に関連したプロテアーゼにより認識される解離配列を有するペプチドであり、C−C16−アルキル、ポリエチレングリコール鎖、エーテル、アルキルアミンまたは他の残基を介して置換又は、結合され得る。
Z1が蛍光体である場合の他の実施形態に従い、例えばシステム変化の前記リンカーシステムの蛍光強度の解離が起きると、上記に定義されているように、FRETを可能にする距離で結合され、ABP解離可能なリンカーにより連結された第2の蛍光体から、ABPは成ることができる。
あるいは、AOMK(アシルオキシメチルケトン)、エポキシド、フルオロケトン、または例えば興味のプロテアーゼの活性中心と、例えば新しい共有結合を形成する反応性システインと反応できる当業者に知られている類似物のような、反応性捕獲基を、ABPは含有することができ、それによって、前記酵素を標識し、分子(ZまたはDOTAを含有する)の一部を標的タンパク質に結合させる。
例として、Y1、Y2、Y3、およびY4が 基、−(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1) − 、例えば−CO−NH−を表す場合、前記基はそれぞれL1、L2、L3、およびL4、およびZ1、Z2、Z3、およびZ4に、以下のように結合されることが理解されるべきである:
同じことが、他の全ての置換基の他の全ての定義にあてはまる。
別の例として、Z1、Z2、Z3およびZ4がポリペプチドWYRGRL−を表すときに、基が以下の通りにそれぞれY1、Y2、Y3、およびY4にリンクされることが理解されるべきである:
本発明は、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物のすべての立体異性体、例えばシス/トランス異性体を含むすべてのエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。あらゆる割合の、二つ以上の立体異性体、例えばシス/トランス異性体を含むエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物を、本発明は同様に包含する。式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物に含有される不斉中心は、S配置またはR配置を全て互いに独立に含有できる。エナンチオマーとして純粋な形および基本的にエナンチオマーとして純粋な形の、そしてそれらのラセミ体、すなわち1:1のモル比の2つのエナンチオマーの混合物の形の、およびあらゆる割合の2つのエナンチオマーの混合物の形のエナンチオマー(左旋性および右旋性鏡像体の両方)に、本発明は関する。純粋なおよび基本的に純粋なジアステレオマーの形の、そしてあらゆる割合の2以上のジアステレオマーの混合物の形のジアステレオマーに、本発明は同様に関する。純粋な形および基本的に純粋な形の、そしてあらゆる割合のシス異性体とトランス異性体の混合物の形の、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物のすべてのシス/トランス異性体を、本発明は包含しさえする。
シス‐トランス異性は、置換された環において、起こりえる。所望なら、常法に従った混合物の分割によって、例えばクロマトグラフィまたは結晶化によって、または合成で立体化学的に同一の出発化合物を用いて、または立体選択的反応によって、個々の立体異性体の調製を、実施できる。任意的に、立体異性体の分離の前に、誘導体化を、実施できる。立体異性体の混合物の分離は、式(I)、(Ia)および(Ib)の化合物の段階で、または合成の間の中間体の段階で行われることができる。例えば、不斉中心を含有している式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物の場合、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物のラセミ体を調製し、標準的方法に従いキラル相高速液体クロマトグラフィーでエナンチオマーに分割することによって、またはこのようなクロマトグラフィによって、または光学活性アミンまたは酸によるその塩の結晶化によって、合成経路の中間体のエナンチオマーを、式(I)、(Ia)、および(Ib)の最終的な化合物のエナンチオマーの形に変換することによって、またはエナンチオマー選択的合成経路によって、個々のエナンチオマーを、調製できる。本発明は、式(I)(Ia)および(Ib)の化合物のすべての互変異性体を有しさえする。
式(I)、(Ia)、および(Ib)の遊離の化合物、すなわち酸性および塩基性の基が塩の形で存在しない化合物の他に、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物の生理学的または毒性的に受け入れられる塩、特にそれらの薬理学的に許容される塩を、本発明は包含し、それらは式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物中の一つ以上の酸性または塩基性基、例えば塩基性複素環の部分に形成されることができる。このように無機または有機塩基によって、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物は酸性基上で非プロトン化されることができ、例えば、アルカリ金属塩の形で使用されることができる。少なくとも一つの塩基性基を有する式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物は、酸付加塩の形、塩酸塩のような例えば無機酸および有機酸を有する薬理学的に許容される塩の形で調製され、使用されることができ、例えばこのようにハイドロクロライドの形で存在する。慣用的な手順に従い、式(I)、(Ia)、および(Ib)の酸性および塩基性化合物から、溶媒または希釈液中での酸または塩基との反応により、塩は一般的に調製されることができる。式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物が分子中に酸性のおよび塩基性基を同時に含有する場合、本発明は記載の塩の形態に加えて分子内塩(ベタイン、双極性イオン)を包含さえする。低い生理学的許容度のゆえに、医薬としての使用に直接適していないが、化学反応のための、または生理学的に許容される塩の調製(例えば陰イオン交換または陽イオン交換による)のための中間体として適している式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物のすべての塩を、本発明は包含しもする。
例えば生理学的条件の下に存在している式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物の様々なプロトンの状態を、本発明は包含しさえする。
本発明の他の課題は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、である式(Ia)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩であり、

ここでMは、存在しないか存在し、正に荷電されたGd金属イオンであり;
A1、A2、A3,およびA4は、互いに独立して、同一であるか異なっており、−(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1)−であり;
L1、L2、L3、およびL4は互いに独立して同一であるか異なっており、−(CH[−O−(CH2)−であり、ここでm、q、およびpは互いに独立して同一であるか異なっており、且つ整数0、1、2、3、4および5であり;
Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なっており、− (C−C)−アルキル−N(R1) −、 −N(R1)−C(O)−(C−C)−アルキル−から互いに独立して選択され;
R1は、水素および(C−C)−アルキルから互いに独立して選択され;
Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
●水素原子;
●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチド、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
●光学的画像化に適している蛍光体;
●OAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している活性に基づくプローブ(ABP);
●ただし
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されており;
Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも1つは、光学的画像化に適している蛍光体、またはOAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している活性に基づくプローブ(ABP)を表し;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4は、OAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している1より多い、活性に基づくプローブ(ABP)を表すことはできない。
本発明の他の課題は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、である式(Ib)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩であり、
ここで A1、A2、A3、およびA4は、互いに独立して同一であるか異なっており、且つ−(C−C)−アルキル−C(O)−N(R1)−であり;
L1、L2、L3、およびL4は互いに独立して同一であるか異なっており、−(CH[−O−(CH−であり、ここでm、q、およびpは互いに独立して同一であるか異なっており、且つ整数0、1、2、3、4および5であり;
Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なっており、− (C−C)−アルキル−N(R1) −、 −N(R1)−C(O)−(C−C)−アルキル−から互いに独立して選択され;
R1は、水素および(C−C)−アルキルから互いに独立して選択され;
Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
●水素原子;
●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチド、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
●変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に役立つ化合物;
●ただし
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されており;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、上記に定義されているように変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な化合物を表す。
本発明の他の課題は、上記記載の様に式(Ib)の化合物、それらの立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、およびそれらの薬理学的に許容される塩であり、ここで変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な該化合物は、コルチコステロイド、COX2インヒビター、非ステロイド性抗炎症薬、MMP−13インヒビター、ADAMTS4/5インヒビター、カテプシンB−インヒビター、CathepsinDインヒビター、CathepsinKインヒビター、およびPGE合成のインヒビターから選択される。
本発明の他の課題は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、である式(Ia)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩であり、

ここで
Mは、存在しないか存在し、正に荷電されたGd金属イオンであり;
A1、A2、A3、およびA4は、同一であり且つ−CH−C(O)−NH−であり;L1、L2、L3、およびL4は同一であり、且つ−(CH[−O−(CH−であり、ここで、m、q、およびpは同一であり且つ2であり;
Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なり、且つ−NH−および−NH−CO−(CH−から互いに独立して選択され;
Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
●水素原子;
●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチド、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
●光学的画像化に適している蛍光体;
●OAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している活性に基づくプローブ(ABP);
●ただし
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されており;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも1つは、光学的画像化に適している蛍光体、またはOAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している活性に基づくプローブ(ABP)を表し;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4は、OAの発症および進行に関わるたんぱくの異常発現または質活性をモニターするのに適している1より多い、活性に基づくプローブ(ABP)を表すことはできない。
本発明の他の課題は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、である式(Ib)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩であり、
ここで
A1、A2、A3、およびA4は、同一であり且つ−CH−C(O)−NH−であり;
L1、L2、L3、およびL4は同一であり、且つ−(CH[−O−(CH−であり、ここで、m、q、およびpは同一であり且つ2であり;
Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なり、且つ−NH−および−NH−CO−(CH−から互いに独立して選択され;
Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
●水素原子;
●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチド、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
●変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に役立つ化合物;
●ただし
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つはWYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、上記に定義されているように変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な化合物を表す。
本発明の他の課題は式(Ib)の化合物、それらの立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、およびそれらの薬理学的に許容される塩であり、上記記載の様にここで変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な化合物は、コルチコステロイド、COX2インヒビター、非ステロイド性抗炎症薬、MMP−13インヒビター、ADAMTS4/5インヒビター、カテプシンB−インヒビター、カテプシンDインヒビター、カテプシンKインヒビター、およびPGE合成のインヒビターから選択される。
本発明の他の課題は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、である式(Ia)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩であり、

ここでMは、存在しないか存在し、正に荷電されたGd金属イオンであり;
A1、A2、A3、およびA4は、同一であり且つ−CH−C(O)−NH−であり;L1、L2、L3、およびL4は同一であり、且つ−(CH[−O−(CH−であり、ここで、m、q、およびpは同一であり且つ2であり;
Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なり、且つ−NH−および−NH−CO−(CH−から互いに独立して選択され;
Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
●水素原子;
●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのポリペプチド配列、ここで、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
●光学的画像化に適している蛍光体;
ただし
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列を有するポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されており;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、光学的画像化に適した蛍光体を表す。
本発明の他の課題は、上記のように式(Ia)の化合物であり、ここで光学的画像化に適している蛍光体がシアニン5.5である。
本発明の他の課題は、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれか、である式(Ib)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩であり、

ここで
A1、A2、A3、およびA4は、同一であり且つ−CH−C(O)−NH−であり;
L1、L2、L3、およびL4は同一であり、且つ−(CH[−O−(CH−であり、ここで、m、q、およびpは同一であり且つ2であり;
Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なり、且つ−NH−および−NH−CO−(CH−から互いに独立して選択され;
Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
●水素原子;
●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのポリペプチド配列、ここで、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
●カテプシンDのインヒビター。
ただし:
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列を表し、ここで、ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されており;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つはWYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列有しているポリペプチドを表し、ここで、、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、カテプシンDのインヒビターを表す。
本発明の他の課題は、上記のように式(Ib)の化合物であり、ここでカテプシンDのインヒビターがペプスタチンAである。
本発明の他の課題は、下記で概括され、それによって、式Iの化合物およびそれらの合成経路において生ずる中間体およびそれらの塩が入手できる、式Iの化合物の調製のための方法である。それ自体は当業者に知られている手順および技術を利用することによって、式Iの化合物を、調製できる。
ペプチド合成
当業者は本発明に記載されているペプチドを調製するために、様々な異なる方法に気づく。これらの方法は、合成アプローチおよび組換え遺伝子発現を含むが、これに限定されない。このように、これらのペプチドを調製する1つの方法は、溶液中または固体担体上での合成、およびそれに続く単離および精製である。ペプチドを調製する異なる方法は、ペプチドをコードするDNA塩基配列が導入された宿主細胞中での遺伝子発現である。あるいは、遺伝子発現は、細胞システムを利用せずに達成されることができる。上記の方法は、いずれかの方法で結合されることもできる。
本発明のペプチドを調製する好ましい方法は、適切な樹脂上の固相合成である。固相ペプチド合成は、確立した方法論である(例えば、:Stewart and Young, Solid Phase Peptide Synthesis, Pierce ChemicalCo., Rockford, Ill., 1984; E. Atherton and R. C. Sheppard, Solid Phase PeptideSynthesis. A Practical Approach, Oxford-IRL Press, New York, 1989参照)。解離可能なリンカーを担っている不活性固体担体にカルボキシ末端を有するN−末端が保護されたアミノ酸を結合させることにより、固相合成は開始される。この固体担体は、第一のアミノ酸のカップリングを可能にする任意のポリマー、例えばカルボキシ基(またはRink樹脂の場合にはカルボキサミド)の樹脂への結合が酸(Fmoc戦略が用いられる場合に)に敏感である、トリチル樹脂、塩化トリチル樹脂、ワング(Wang)樹脂、またはリンク(Rink)樹脂であることもできる。ペプチド合成の間、αアミノ基を脱保護するために用いられる条件の下で、該ポリマーまたは高分子体は安定でなければならない。
第一のアミノ酸が固体担体に結合されたあと、このアミノ酸のαアミノ保護基は取り除かれる。残った保護されたアミノ酸はその後適切なアミドカップリング試薬(例えばBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム)、HBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウム)、HATU(O−(7−アザベンズトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム)またはDIC(N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド)/HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)を用いてペプチド配列により表される順番で次々にカップリングされ、ここでBOP、HBTU、およびHATUが、第三アミン塩基と共に使われる。あるいは、自由にされたN末端は、アミノ酸以外の他の基、例えばカルボン酸などによって、官能化されることができる。
通常、アミノ酸の反応性側鎖基は、適切な保護基により保護される。所望のペプチドが組み立てられたあと、これらの保護基は取り除かれる。それらは、同じ条件の下で樹脂からの所望の生成物の解離に付随して取り出される。保護基および保護基を導く方法は、Organic Synthesis, 3d ed., Greene, T. W. and Wuts, P. G. M., Wiley& Sons (New York: 1999)中において、見い出されることができる。
他の側鎖保護基が残ったまま、選択的に取り除かれることができる側鎖保護基を有することが、いくつかの場合においては望ましいかもしれない。この場合、自由にされた官能基は、選択的に官能化されることができる。例えば、酸性条件、例えばジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸に不安定であるPmc保護基によって、アルギニンを、保護できる。このように、求核塩基に不安定な保護基で、N末端アミノ基およびすべての側鎖官能基が保護される場合、Pmc 2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル基はジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸を用いて選択的に取り除かれることができ、例えばアシル化によって、対応する遊離グアニジノ基はその後さらに修飾されることができる。最後に、ペプチドは樹脂から解離される。Kingのカクテル(D. S. King, C. G. Fields, G. B. Fields, Int. J. Peptide ProteinRes. 36, 1990, 255-266)を用いて、これを、達成できる。それから、原材料は、必要に応じてクロマトグラフィ(例えば準備のRP−HPLC)により精製されることができる。
言及されることができる保護基の例は、ベンジル保護基、例えばヒドロキシ化合物のベンジルエーテルおよびカルボン酸のベンジルエステル(ベンジル基はパラジウム触媒の存在下で、触媒的水素化によって、そこから取り除かれることができる)、3級−ブチル保護基、例えばカルボン酸の3級−ブチルエステル(3級−ブチル基はトリフルオロ酢酸によって、そこから取り除かれることができる)、アシル保護基、例えばヒドロキシ化合物およびアミノ化合物のエステル(それは酸または塩基加水分解で再び解離されることができる)、またはアルコキシカルボニル保護基、例えばアミノ化合物の3級−ブトキシカルボニル誘導体(それはトリフルオロ酢酸での処理で再び解離されることができる)である。式Iの化合物は、固相法により調製されることもできる。このような合成アプローチにおいては、固相は保護基の意味を有し、固相からの解離は保護基の除去とみなされることもできる。このような技術の使用は、当業者に知られている(cf. Burgess K (Ed.), Solid Phase Organic Synthesis, New York,Wiley, 2000)。
例えば、フェノール性ヒドロキシ基はトリチル−ポリスチレン樹脂に結合されることができ、それは保護基であって、且つ合成のより後の段階でトリフルオロ酢酸または他の酸での処理により解離される分子として働く。
通常のように、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物の合成の間に実施されるすべての反応にあてはまることであるが、出発化合物および目標化合物の特性および特定の場合の他の特殊性の観点から、溶媒、塩基または酸、温度、添加順序、モル比、および他のパラメータを含む、特定の調製過程において用いられる条件の適切な詳細は、当業者によって、ルーチン的に選ばれる。当業者にも知られているように、本願明細書において記載されているすべてのプロセスが式(I)、(Ia)、および(Ib)およびそれらの中間体のすべての化合物の調製に同じ様に適しているというわけではなく、調節はされなければならない。式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物の調製のためのすべてのプロセスにおいて、例えば、反応混合物の水でのクエンチ、あるpHへの調節、沈殿、抽出、乾燥、濃縮、結晶化、蒸留、およびクロマトグラフィを含む当業者に公知の慣用手段に従って、反応混合物のワークアップおよび本生成物の精製は実施される。式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物の合成に適用できる方法の更なる実施例として、P. Lidstrom, J. Tierney, B. Wathey, J. Westman, Tetrahedron,57(2001), 9225に記載されている様に、反応の速度を上げ、促進し、または可能にする為にマイクロ波による補助が例えば言及される。また、分取高速液体クロマトグラフィ(HPLC)のような最新の分離技術が言及され、いずれかの反応で起こり得る位置異性体の混合物を分離するために、それが使うことができる。また、本製品のキャラクタリゼーションのために、慣用手段、例えばNMR、IR、および質量分析が用いられる。
本発明の他の課題は、上記で定義されている様に、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物の新規出発化合物、およびそれの合成中に生じる中間体、およびそれらの塩、および合成中間体または出発化合物としてのそれらの使用である。式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物についての、上記のすべての一般的な説明、実施形態、および数と基の定義は、上述の中間体および出発化合物に対応してあてはまる。本発明の課題は、特に、本願明細書において記載されている新規な特定の出発化合物および中間体である。遊離の化合物としておよび/または特定の塩として記述されるかどうかとは独立して、遊離の化合物の形および塩の形の両方、加えて特定の塩が記載されている場合はこの特定の塩の形において、それらは本発明の課題である。
従って、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩は、動物において、特に哺乳類において、および特に人間において、それ自体が医薬または薬として、互いの混合物において、または医薬組成物の形で用いられることが可能である。本発明の課題は、医薬として用いられる、式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物およびそれらの薬理学的に許容される塩でもある。本発明の課題は、所望の使用のための有効量における、活性成分としての、式(I)、(Ia)、および(Ib)の少なくとも一つの化合物、および/またはその薬理学的に許容される塩、および薬理学的に許容されるキャリア、すなわち一つ以上の薬理学的に無害な、または危険でない媒体および/または賦形剤、および任意的には一つ以上の他の薬理学的な活性をもつ化合物を有する医薬品組成物および薬でもある。
経皮投与に適している医薬組成物は、受容個体の真皮に拡げられて密接に接触する、硬膏剤として投与されることができる。局所投与のために、製剤、例えば軟膏、クリーム、懸濁液、ローション剤、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油が、用いられることが可能である。目または他の外部の組織(例えば口および皮膚)の処置のために、例えば、適切な製剤は、局所用軟膏またはクリームである。軟膏の場合、パラフィンまたは水溶性クリーム基材によって、主成分は使用されることもできる。あるいは、水中油型クリーム基材または油中水型基材を有するクリームを与えるために、主成分を、製剤化できる。眼への局所適用に適している医薬組成物は点眼を含み、それにおいて、主成分は好適な担体、特に水性溶媒に溶解されるかまたは懸濁される。
本発明による医薬品組成物は、それ自体は公知の方法で、一つ以上の薬理学的に許容される不活性の無機のおよび/または有機ビヒクルおよび賦形剤を式(I)、(Ia)、および(Ib)の1つ以上の化合物および/またはその薬理学的に許容される塩類を混合し、それを投与量および投与のための適切な形にすることによって作られ、これは、ヒトの薬または獣医学において、使うことができる。ピル、錠剤、被覆錠剤、および硬質ゼラチンカプセルの生産のために、例えばラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩を使用することが可能である。ゼラチンカプセルおよび坐薬用油脂、ワックス、半流動および液体ポリオールの生産のために、天然のまたは硬化された油が、例えば使うことができる。注射液のような溶液、または懸濁液またはシロップ水の製造のために、例えば食塩水、アルコール、グリセロール、ポリオール、蔗糖、転化糖、ブドウ糖、植物油が使われることができ、マイクロカプセル、インプラント、またはロッドの製造のために、例えばグリコール酸および乳酸のコポリマーが使うことができる。約0.5%〜90重量%の式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物および/またはそれらの薬理学的に許容される塩を、医薬品組成物は通常含有する。医薬品組成物中の式(I)、(Ia)、および(Ib)および/またはそれらの薬理学的に許容される塩の活性成分の量は、通常、1投与あたり約0.5mg〜約1000mgであり、好ましくは約1mg〜約500mgである。医薬品組成物の種類および特定の場合の他の特色に応じて、その量は示された量から逸脱できる。
式(I)、(Ia)、および(Ib)の活性成分および/またはそれらの薬理学的に許容される塩、および媒体または担体物質に加えて、賦形剤、または補助剤または添加剤、例えば、充填剤、崩壊剤、バインダー、潤滑油、湿潤剤、安定化剤、乳化剤、防腐剤、甘味料、着色剤、着香料、芳香剤、増粘剤、希釈液、緩衝物質、溶媒、溶解剤、デポ効果を達成するための薬、浸透圧を変えるための塩、コーティング剤、または抗酸化剤を、医薬品組成物は含むことができる。それらは、式(I)、(Ia)、および(Ib)の二つ以上の化合物、および/またはそれらの薬理学的に許容される塩を含むこともできる。医薬品組成物が式(I)、(Ia)、および(Ib)の二つ以上の化合物を含有する場合に、個々の化合物の選択は、医薬品組成物の特定の包括的な薬理学的プロファイルを目指すことができる。例えば、より短い作用時間を有する高い効力の化合物は、より低い効力の長時間作用化合物と組合わされることができる。式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物の置換基の選択に関して許される融通性は、化合物の生物学的および生理化学的性質の多くの制御を可能にし、このように所望の化合物の選択を可能にする。
式(I)、(Ia)、および(Ib)の化合物を使用する場合、用量は広い限度の範囲内で変化することができ、慣例のようにまた医師に知られているように、個々の症例の個々の条件に合わせられるべきである。例えば、使用される特定の化合物に、処置される疾患の特性および重篤度に、投与の形態、スケジュールに、処置が急性の状態が慢性の状態かに、または予防処置が施されるかどうかに、それは依存する。適切な投与は、当業者に知られている臨床的なアプローチを使用して確立されることができる。一般に、体重約75kgの成人において、所望の結果を達成するための1日投与量は、おのおの体重1kg当りのmgとして、約0.01mg/kg〜約100mg/kg、好ましくは0.1mg/kg〜約50mg/kg、特に0.1mg/kg〜約10mg/kgである。特に比較的大量を投与する場合の場合、1日投与量は、数回、例えば2、3、または4回に分けて、投与できる。通常通り、個体の反応に応じて、指示された1日投与量から逸脱し、増減することが必要であり得る。
本発明に導く研究は、第241919号の承認の下で、European Union Seventh Framework Programme FP7−HEALTH−2009から、資金の援助を受けた。
以下の実施例は、本発明を例示している。
実施例の化合物の合成の最終ステップで、酸、例えばトリフルオロ酢酸または酢酸が用いられた場合、例えば3級−ブチル基を有している、酸に不安定な保護基を取り除くためにトリフルオロ酢酸が使用される場合、またはこのような酸を含有した溶出液を用いたクロマトグラフィによって、化合物が精製される場合、いくつかの場合には、ワークアップ手順、例えば凍結乾燥プロセスの詳細に依存して、使用される酸の塩の形で一部またはすべて、例えば酢酸塩またはトリフルオロ酢酸塩の形で、化合物は得られた。実施例の化合物の名前および構造式において、このような含有されたトリフルオロ酢酸または酢酸は言及されない。
略語
arom. = 芳香族の(aromatic)
Boc=3級−ブチルオキシカルボニル(tert-butyloxycarbonyl)
DIPEA=ジイソプロピル−エチルアミン(diisopropyl-ethyl amine)
DMF=ジメチルホルムアミド(dimethylformamide)
DCM=ジクロロメタン(dichloromethane)
ESI−MS=エレクトロスプレーイオン化マススペクトロメトリー(electrospray ionisation mass spectrometry)
equiv. = 当量(equivalents)
Fmoc=9−フルオレニルメトキシカルボニル(9-fluorenylmethoxycarbonyl)
HFIP=1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-propanol)
HATU=2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(2-(7-Aza-1H-benzotriazole-1-yl)-1,1,3,3-tetramethyluroniumhexafluorophosphate)HPLC=高速液体クロマトグラフィ(high performanceliquid chromatography)
LC−MS=液体クロマトグラフィーマススペクトロメトリー(liquid chromatography mass spectrometry)
NMR=核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance)
Pmc=2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(2,2,5,7,8-pentamethylchroman-6-sulfonyl)
TFA=トリフルオロ酢酸(trifluoro-acetic acid)
全体的方法
特に明記されていない場合、すべての試薬が商業的な供給元から購入され、更に精製することなく用いられた。使用されたすべての溶媒は、HPLCグレードであった。反応は、LC−MSで分析された。逆相HPLCは、C18カラムSun Fire 50x100mm、Waters、またはXBridgeTMPrep C18、5μm(10x100mm、Waters)で実施された。LC/MSデータはWatersまたはHP−Agilent 1100 MSDシステムを用いて取得された。NMR−データは、d−DMSO中でBruker DRX−400システムに記録された。蛍光分析は、Tecan SAFIRE II分光計により測定された。
分光学的データおよびクロマトグラフのデータによって、特に質量スペクトル(MS)および/または核磁気共鳴(NMR)スペクトルで、製造された化合物は一般に特徴づけられた。NMRキャラクタリゼーションにおいて、化学シフト(ppm)、水素原子(H)の個数、結合定数J(Hz)、およびピークの多重線(s:シングレット、d:ダブレット、dd:ダブルダブレット、t:トリプレット、m:マルチプオレット、br:ブロード)が、与えられる。MSキャラクタリゼーションにおいて、分子イオン(M)のピークの、または関連したイオン、例えばイオン(M+1)、すなわちプロトン化分子イオン(M+H)、またはイオン(M−1)(これは使用するイオン化法に応じて形成される)の質量数(m/e)が与えられる。一般に、イオン化法はエレクトロスプレーイオン化(ES+またはES−)であった。
固相ぺプチド合成のための一般的手法
標準的なF−moc化学を用いた自動化されたペプチドシンセサイザー(CEM Microwave Peptide Synthesizer)を使用し、ペプチドWYRGRLおよびYRLGRWは固形樹脂上で合成された。大過剰の無水酢酸およびDIPEAで、両方のペプチドがN末端をアセチル化された。完全に保護されたペプチドは、DCM中の30%のHFIPを使用して樹脂から解離され、LC−MSによって特徴づけられた。
Fmocで保護された天然のアミノ酸は、Protein Technologies社、Senn Chemicals、Merck Biosciences、Novabiochem、Iris Biotech、またはBachemから購入された。以下の標準的なアミノ酸が、合成の全体を通して用いられた:Fmoc-Gly-OH, Fmoc-L-Trp(Boc)-OH, Fmoc-L-Tyr(tBu)-OH,Fmoc-L-Arg(Pmc)-OH, Fmoc-L-Leu-OH。
化合物HHY−259B(標的ペプチド蛍光プローブ)
WYRGRL(32mg、20μmol)、HATU1当量(7.6mg、20μmol)、およびDIPEA2当量(11μl、60μmol)が、2mlのDMF中に溶解され、室温で10分間撹拌された。その後、1−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ)−3,6−ジオキサ−8−オクタンアミンハイドロクロライド1当量(8mg、20μmol)が、該反応混合物に加えられ、室温で1時間、アルゴン下で撹拌された(LC−MSによる分析)。該溶液は、EtOAcで薄められ、1N HCl、飽和NaHCO、および塩水によって、順次洗浄された。有機層は、NaSOで乾燥された。減圧で溶剤を除去した後、粗生成物HHY−257が淡黄色の固体として得られ、更に精製することなく次の工程において、使用された。
ESI−MS:[M+2H]2+=967.5。
Fmoc−基の除去のために、HHY−257(20μmol)が2mlのEtNH/DMF(1/4)に溶解され、反応混合物は室温で10分間撹拌された。溶媒は、減圧下で除去された。粗生成物HHY−259Aが、更に精製することなく、次の工程で使われた。
ESI−MS:[M+2H]2+=856.6。
HHY−259A(20μmol)は1.5mlのDMF中に溶解され、続いて3当量のDIPEA(11μl、60μmol)および0.5当量のCy5.5NHSエステル(7mg、10μmol)が添加された。反応混合物は、室温で1時間アルゴン下で撹拌された(LC−MS分析)。その後、DMFはロータリーエバポレーターにより減圧下で取り除かれた。粗生成物HHY−259が、更に精製することなく、次の工程で使われた。
ESI−MS:[M+H]2+=1139.4。
全ての保護基の除去のために、粗HHY−259は2mlの95%のTFA/HO中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で3時間撹拌された(LC−MS分析)。
溶媒はトルエンと共に、3回共蒸発され、HPLCにより精製されて、青い粉末としてHHY−259Bが与えられた。
ESI−MS:[M+H]2+=794.5。
化合物HHY−258B(スクランブル化ペプチド蛍光プローブ)
スクランブル化ペプチド配列YRLGRWを用いたプローブHHY−259Bのために記載されたものと類似の条件の下で、HHY−258Bの調製は実施された。
YRLGRW(32mg、20μmol)、HATU1当量(7.6mg、20μmol)、およびDIPEA)2当量(11μl、60μmol)が、2mlのDMF中に溶解され、室温で10分間撹拌された。その後、1−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ)−3,6−ジオキサ−8−オクタンアミンハイドロクロライド1当量(8mg、20μmol)が、反応混合物に加えられ、室温で1時間、アルゴン下で撹拌された(LC−MSによる分析)。溶液は、EtOAcで薄められ、1N HCl、飽和NaHCO、および塩水によって、順次洗浄された。有機層は、NaSOで乾燥された。減圧で溶剤を除去した後、粗生成物HHY−256が淡黄色の固体として得られ、更に精製することなく次の工程において、使用された。
ESI−MS:[M+2H]2+=967.3。
Fmoc−基の除去のために、HHY−256(20μmol)が2mlのEtNH/DMF(1/4)に溶解され、反応混合物は室温で10分間撹拌された。溶媒は、減圧下で除去された。粗生成物HHY−258Aが、更に精製することなく、次の工程で使われた。
ESI−MS:[M+2H]2+=856.6。
HHY−258A(20μmol)は1.5mlのDMF中に溶解され、続いて3当量のDIPEA(11μl、60μmol)および0.5当量のCy5.5NHSエステル(7mg、10μmol)が添加された。反応混合物は、アルゴン下で、室温で1時間撹拌された(LC−MS分析)。その後、DMFはロータリーエバポレーターにより減圧下で取り除かれた。粗生成物HHY−258が、更に精製することなく、次の工程で使われた。
ESI−MS:[M+H]2+=1138.9。
全ての保護基の除去のために、粗HHY−258は2mlの95%のTFA/HO中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で3時間撹拌された(LC−MS分析)。
溶媒はトルエンと共に、3回共蒸発され、HPLCにより精製されて、青い粉末としてHHY−258Bが与えられた。
ESI−MS:[M+H]2+=794.2。
1−ペプチド結合体のためのキー中間体の合成
化合物HHY−343
シクレンの対称性のジ保護は、報告された手順7により実施された。要約すれば、シクレン2.0g(11.6mmol)およびCbz-OSu5.8g(23.2mmol)が、CHCl(40mL)中に溶解され、溶液は室温で2日間撹拌された。蒸発の後、残渣は1MのNaOHの中に懸濁され、水性懸濁液はCHCl(40mL×5)により抽出された。有機層は、塩水により洗浄され、KCOで乾燥され、その後蒸発されてジ保護されたシクレン(5.1g、100%)を産生した。この化合物が、更に精製することなく使用された。ESI−MS C2432の計算値:440.5、実測値:[M+H]=441.3。
化合物HHY−344
MeCN(60mL)中の化合物HHY−343(5.1g、11.6mmol)と炭酸カリウム(4.0g、29.0mmol)の混合物に、3級−ブチルブロモアセテート(4.12g、23.2mmol)が加えられた。終夜の還流の後、混合物はセライトのパッドでろ過され、蒸発された。残渣はフラッシュクロマトグラフィ(MeOH−CHCl、0−5%)により精製されて、無色のガムとして化合物HHY−344(5.1g、64%)が与えられた。ESI−MS C36H52N4O8の計算値:668.8、実測値:[M+H]=669.4。
化合物HHY−345
MeOH(40mL)中の化合物HHY−344(5.1g、7.4mmol)と10%のPd/C(100mg)の混合物は、水素雰囲気下、室温で終夜撹拌された。セライトのパッドによる濾過の後、溶媒の蒸発は、白色固体として化合物HHY−345(3.0g、100%)を与えた。この化合物が、更に精製することなく使用された。ESI−MS C20H40N4O4の計算値:400.5、実測値:[M+H]=401.3。
化合物HHY−346
MeCN(30mL)中の化合物HHY−345(660mg、1.5mmol)と炭酸カリウム(0.46g、3.4mmol)の混合物は、ベンジルブロモアセテート(0.69g、3mmol)を加えられた。終夜の還流の後、混合物はセライトのパッドでろ過され、蒸発された。残渣はフラッシュクロマトグラフィ(MeOH−CHCl、0−5%)により精製されて、無色のガムとして化合物HHY−346(0.5g、50%)が与られた。ESI−MS C38H56N4O8の計算値:696.9、実測値:[M+H]=697.4。
化合物HHY−347
MeOH(40mL)中の化合物HHY−346(0.98g、1.4mmol)と10%のPd/C(50mg)の混合物は、水素雰囲気下、室温で終夜撹拌された。セライトのパッドによる濾過の後、溶媒の蒸発は、白色固体として化合物HHY−347(0.73g、100%)を与えた。この化合物が、更に精製することなく使用された。ESI−MS C24H44N4O8の計算値:516.6、実測値:[M+H]=517.43
化合物HHY−348
化合物HHY−347 1当量(517mg、1mmol)、HATU2当量(760mg、1mmol)、およびDIPEA8当量(1.4mL、8mmol)が、10mLのDMF中に溶解された。10分後、1−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニルーアミノ)−3、6−ジオキサ−8−オクタンアミンハイドロクロライド1当量(814mg、1mmol)1当量が、反応混合物に加えられ、アルゴン下で、室温で10分撹拌された。溶液はEtOAc(50mL)で希釈され、水2×50mLにより洗浄された。有機層は、MgSOで乾燥された。減圧での揮発物の除去は淡黄色のオイルを与え、それはMeOH−CHCl(0−20%)のシリカゲルクロマトグラフィにより精製された。収量:610mg、50%。1H NMR (d6-DMSO, 400MHz):δ 8.20 (bs, 2H, -NH), 7.89 (d, J = 7.6 Hz, 4H, -Ar), 7.84 (d, J = 7.6Hz, 4H, -Ar), 7.41 (t, J = 6.8 Hz, 4H, -Ar), 7.35 (t, J = 6.8 Hz, 4H, -Ar), 6.44(bs, 2H, -NH), 3.6-3.4 (m, 6H, -CH2O-, -CHAr-), 2.72-2.58 (m, 48H,-CH2-), 1.40 (s, 18H, -CH3).13C NMR (d6-DMSO,100MHz):δ 170.7, 170.3, 139.5, 137.5, 128.9, 127.3,121.3, 120.0, 109.7, 80.12, 80.05, 69.5, 69.2, 59.8, 58.3, 55.6, 53.8, 53.2,52.0, 51.7, 38.7, 38.3, 31.3, 27.9。
ESI−MS C66H92N8O14の計算値:1221.5、実測値:[M+H]=1221.8。
化合物HHY−349

tBuー基の除去のために、化合物HHY−348(610mg、0.5mmol)は95%TFA/HO10mL中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で2時間撹拌された。反応は、LC−MSによってモニターされた。反応が完了したあと、溶媒はトルエンと共に、3回共蒸発された。粗生成物が、更に精製することなく、次の工程で使われた。ESI−MS C58H76N8O14の計算値:1109.3、実測値:[M+H]=1110.65。
化合物HHY−350

化合物HHY−349 1当量(0.5mmol)、HATU3当量(570mg、1.5mmol)、およびDIPEA12当量(1.05mL、6mmol)は、30mLのDMF中に溶解された。10分後、Boc−1−アミノ−3.6−ジオキサ−8−オクタンジアミン3当量(373mg、1.5mmol)が、反応混合物に加えられ、アルゴン下で、室温で30分撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、白色粉体として化合物HHY−350(565mg、収率:72%)が与られた。1H NMR (d6-DMSO, 400MHz):δ 8.29 (bs, 2H, -NH), 7.94 (bs, 2H, -NH), 7.89 (d, J = 7.6 Hz, 4H,-Ar), 7.68 (d, J = 7.6 Hz, 4H, -Ar), 7.42 (t, J = 6.8 Hz, 4H, -Ar), 7.32 (t, J= 6.8 Hz, 4H, -Ar), 6.73 (bs, 2H, -NH), 6.27 (bs, 2H, -NH), 3.51-2.50 (m, 78H,-CH2O-, -CHAr-, -CH2-), 1.37 (bs, 18H, -CH3).13CNMR (d6-DMSO, 100MHz):δ 142.5, 139.4, 137.5,128.9, 127.3, 109.7, 77.7, 69.6, 69.5, 69.4, 69.3, 69.2, 68.9, 67.5, 66.6,57.8, 52.8, 38.3, 38.2, 28.2。ESI−MS C801201220の計算値:1569.9、実測値:[M+2H]2+=785.7。
化合物HHY−351

Fmoc−基の除去のために、HHY−350 (471 mg, 0.3 mmol)が2mlのEtNH/DMF(1/4)に溶解され、反応混合物は室温で30分間撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、溶媒は、減圧下で除去された。粗生成物が、更に精製することなく、次の工程で使われた。ESI−MS C50H100N12O16の計算値:1125.4、実測値:[M+2H]2+=563.4。
化合物HHY−330
1,4,7−トリス(3級−ブトキシカルボニルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンハイドロブロマイド(HHY−330)
N、N−ジメチルアセトアミド(DMA、60mL)中のシクレン(5.00g、29mmol)と酢酸ナトリウム(7.86g、96mmol)の懸濁液へ、DMA(20ml)中のt−ブチルブロモアセテート(18.7g、14.1mL、96mmol)の溶液が、滴下により−20°Cで0.5時間にわたって加えられた。温度は添加の間−20°Cに維持され、その後反応混合物は、室温にされた。24時間の激しい撹拌の後、反応混合物は水(300mL)に注がれて、透明な溶液が与えられた。固体KHCO(15g、150mmol)が少しずつ添加され、白色固体として沈澱した。沈殿物は、濾過によって集められて、CHCl(250mL)に溶解された。溶液は、水(100mL)で洗浄され、乾燥され(MgSO)、濾過され、そして約20−30mLまで濃縮された。エーテル(250mL)が添加され、その後HHY−330は白いふんわりした固形物として結晶化された。収量:12.5g(73%)。ESI−MS:[M+H]=実測値515.5(Moore、D.A.Org.Synth.2008、85、10−14)。
化合物HHY−331
トリ−3級ブチル2,2',2'’−(10−(2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリイル)トリアセテート(HHY−331)。
アセトニトリル中のHHY−330(12.5g、24mmol)の懸濁液に、KCO粉末(5.0g、36mmol、1.5当量)およびその後ベンジルブロモアセテート(5.6g、28.8mmol、1.2当量)が加えられた。反応系は室温で3時間撹拌された。反応過程は、TLC(CHCl−EtOH(9:1)、HHY−331:Rf=0.8)によって、モニターされた。析出固体は、濾過によって取り除かれ、濾過液は濃縮されて、粗生成物が与えられた。それはCHCl−MeOH(100:0→90:10)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製されて、HHY−331の無色固体が与えられた、収量:12.0g、75%。ESI−MS:[M+H]=実測値663.5(Strauch, R. C.; Mastarone, D. J.; Sukerkar, P. A.; Song, Y.;Ipsaro, J. J.; Meade, T. J. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 16346−16349)。
化合物HHY−332
(4,7,10−トリス−3級ブトキシカルボニルメチル−1,4,7,10テトラアザ−シクロドデク−1−イル)−酢酸
HHY−331(1.2g、18mmol)は、MeOH(100mL)中で10%炭素担持パラジウム(180mg)の下で、12時間加水素分解された。
Pd/Cは濾過により除去され、MeOHは蒸発により除去された。化合物はLC MSにより分析され、更に精製することなしに使用された。ESI−MS:[M+H]=実測値573.4。
化合物HHY−333
化合物HHY−332 1当量(572 mg, 1 mmol)、HATU1当量(380mg、1mmol)、およびDIPEA4当量(0.7 ml, 4 mmol)が、10mLのDMF中に溶解された。10分後、1−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニルーアミノ)−3、6−ジオキサ−8−オクタンアミンハイドロクロライド1当量(407mg、1mmol)が、反応混合物に加えられ、アルゴン下で、室温で10分撹拌された。溶液はEtOAc(50mL)で希釈され、水2×50mLにより洗浄された。有機層は、MgSOで乾燥された。減圧での揮発物の除去は淡黄色のオイルを与え、それはMeOH−CHCl(0−10%)のシリカゲルクロマトグラフィにより精製された。収量:570mg、62%、ESI−MS:[M+H]=実測値926.7。
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz):δ 8.20 (t, J = 4.8 Hz, 1H, -NH),7.89 (d, J = 7.6 Hz, 2H, -Ar), 7.68 (d, J = 7.6 Hz, 2H, -Ar), 7.41 (t, J = 6.8Hz, 2H, -Ar), 7.32 (t, J = 6.8 Hz, 2H, -Ar), 7.29 (t, J = 5.7 Hz, 1H, -NH),4.29 (d, J = 6.8 Hz, 2H, -CH2O-), 4.20 (t, J = 6.8 Hz, 1H, -CHAr-),3.51-2.49 (m, 36H, -CH2-), 1.43-1.41 (m, 27H, -CH3).
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz):δ 172.5, 171.6, 162.3, 143.9,140.7, 127.6, 127.0, 125.1, 120.1, 81.1, 80.9, 69.4, 68.9, 40.2, 38.9, 38.2,35.8, 30.8, 27.8, 27.6。
化合物HHY−334
tBuー基の除去のために、化合物HHY−333 (925 mg, 1 mmol)は95%TFA/HO10mL中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で2時間撹拌された。反応は、LC−MSによってモニターされた。反応が完了したあと、溶媒は、3回トルエンと共に共蒸発された。粗生成物が、更に精製することなく、次の工程で使われた。ESI−MS:[M+H]=実測値758.4。
化合物HHY−335

化合物HHY−334 1当量(1 mmol)、HATU3当量(1140 mg, 3 mmol)、およびDIPEA12当量(2100 μl, 12 mmol)は、30mLのDMF中に溶解された。10分後、Boc−1−アミノ−3.6−ジオキサ−8−オクタンジアミン3当量(745mg、3mmol)は、反応混合物に加えられ、アルゴン下で、室温で30分撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、白色粉体として化合物HHY−335 (800 mg, 収率: 55%)が与えられた。
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz):δ 8.34 (bs, 3H, -NH), 7.94 (bs,1H, -NH), 7.89 (d, J = 7.6 Hz, 2H, -Ar), 7.68 (d, J = 7.6 Hz, 2H, -Ar), 7.42(t, J = 6.8 Hz, 2H, -Ar), 7.32 (t, J = 6.8 Hz, 2H, -Ar), 7.29 (t, J = 5.1 Hz,1H, -NH), 6.74 (t, J = 4.78 Hz, 3H, -NH), 4.29 (d, J = 6.8 Hz, 2H, -CH2O-),4.21 (t, J = 6.8 Hz, 1H, -CHAr-), 3.62-3.04 (m, 72H, -CH2-), 1.37(bs, 27H, -CH3).
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz):δ 158.12, 158.10, 157.82,158.78, 156.1, 155.6, 143.9, 140.7, 127.6, 127.0, 125.1, 120.9, 118.0, 115.177.6, 69.52, 69.47, 69.4, 69.2, 69.1, 68.8, 65.3, 54.5, 49.6, 46.7, 40.2, 40.0,38.9, 28.2.
ESI−MS C70H118N12O20の計算値:1447.79、実測値:[M+2H]2+=724.6。
化合物HHY−336a

Fmoc−基の除去のために、HHY−335 (724 mg, 0.5 mmol)が2mlのEtNH/DM(1/4)に溶解され、反応混合物は室温で30分間撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、溶媒は、減圧下で除去された。粗生成物が、更に精製することなく、次の工程で使われた。ESI−MS:[M+2H]2+=実測値613.5。
化合物HHY−336

AcWYRGRL1当量(295mg、0.25mmol)、HATU1当量(95mg、0.25mmol)、および2、4、6−コリジン4当量(132μl、1mmol)は、20mlのDMF中に溶解された。10分後、HHY−336a 1当量(306mg、0.25mmol)は、反応混合物に加えられ、アルゴン下で、室温で30分間撹拌された。反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、白色粉体として化合物HHY−336 (400 mg, 収率: 57%)が与えられた。
ESI−MS実測値:[M+3H]3+=実測値930.5。
ESI-HRMS C134H219N25O34S2の計算値: 2786.56174; 実測値:2786.56164 ([M+2H]2+ = 1394.28810).
化合物HHY−337(HHY−316)
全ての保護基の除去のために、粗HHY−336は95%のTFA/HO10ml中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で3時間撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、溶媒は、3回トルエンで共蒸発された。粗生成物はHPLCにより精製されて、白色粉体としてHHY-337 (収率: 65%)が与えられた。ESI−MS:[M+2H]2+=実測値900.3。
HRMS C82H143N25O20の計算値: 1798.09412;実測値: 1798.09428 ([M+4H]4+ = 450.53085)。
ペプスタチンA対照プローブHHY−325の合成
化合物HHY−298

ペプスタチンA(20mg、30μmol)、EDCI(58mg、0.3mmol、10当量)およびNHS(35mg、0.3mmol、10当量)が、フラスコ中に置かれた。
これに無水DMF(2ml)が加えられ、反応系は終夜撹拌された。DMFは高減圧下において、取り除かれた。固体は、容器の壁からはがされ、水(10ml)により洗浄され、濾過によって集められた。固体は、水(50ml)によって、そしてジエチルエーテル(5ml)によって、更に洗浄された。その後、湿った固体は無水Pで、減圧下で24時間乾燥された(Org. Biomol. Chem., 2006, 4, 1817-1830)。
化合物HHY−325

HHY−336a(12mg、10μmol)がDMF1.5ml中に溶解され、続いてペプスタチンA NHSエステルHHY−298 1当量(8mg、10μmol)およびDIPEA 5当量(10μl、50μmol)が添加された。反応混合物は、室温で24時間アルゴン下で撹拌された。反応が完了した後、溶媒は蒸発により除去され、残渣は50%のTFA/CHCl10ml中に溶解された。Boc基の除去は、LC−MSによって、モニターされた。30分後に溶媒はトルエンと共に、共蒸発され、粗生成物はHPLCにより直接精製されて、白色粉体としてHHY−325が与えられた(6mg、収率38%)。
ESI−MS実測値:[M+2H]2+=797.3。HRMS C74H145N17O20の計算値: 1592.08518;実測値: 1592.08514 ([M+2H]2+= 797.04985)。
化合物HHY−312
標的ペプチド蛍光結合体AcWYRGRL−DOTA−Cy5.5
HHY−316(18mg、10μmol)がDMF1.5ml中に溶解され、続いてCy5.5NHSエステル1当量(7 mg, 10 μmol)およびDIPEA 5当量(10μl、50μmol)が添加された。反応混合物は、室温で12時間アルゴン下で撹拌された。反応が完了したあと、溶媒は、減圧下で除去された。反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、青色粉体としてHHY−312 (15 mg, 収率 63 %)が与えられた。
ESI−MS実測値:[M+2H]3+=788.9。
HRMS C1221842721の計算値:2363.41543、実測値:2363.41518([M+4H]5+=473.48886)。
化合物HHY−316Gd
標的ペプチドMRI画像化結合体AcWYRGRL−Dota−[Gd3+]
ガドリニウム複合体形成:
化学量論量(1:1)で、GdCl貯蔵溶液をDOTA−ペプチドリガンド溶液に加えることによって、複合体は調製された。1N−NaOHを用いてpHが6に調製され、48時間撹拌され、その後遠心分離されて、あり得る沈降Gd(OH)を取り除いた。遊離Gd3+の存在は、インジケータとしてキシレノールオレンジを使用して比色法により評価された。結果として生じたペプチド複合体は、HPLCによって、更に精製された。精製された複合体溶液は凍結乾燥され、粉末固体としてガドリニウム複合体が与えられた。

ESI−MS実測値:[M]3+=652.1。HRMS C82H143N25O20Gdの計算値: 1956.01656;実測値:1956.01628 ([M+H]4+= 489.25589)。
標的ペプチドバイモーダル画像化結合体AcWYRGRL−DOTA−Cy5.5-[Gd3+]

HHY-316Gd(19 mg, 10 μmol)がDMF1.5ml中に溶解され、続いてCy5.5NHSエステル1当量(7 mg, 10 μmol)およびDIPEA 5当量(10μl、50μmol)が添加された。反応混合物は、室温で12時間アルゴン下で撹拌された。反応が完了したあと、溶媒は、減圧下で除去された。反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、青色粉体としてHHY-338 (13 mg,収率 51 %)が与えられた。ESI−MS実測値:[M]4+=630.2。HRMS C122H184N28O20Gdの計算値: 2521.33792;実測値:2521.33802 ([M+H]4+= 504.46906)。
化合物HHY−327
標的ペプチド薬結合体AcWYRGRL−DOTA−ペプスタチンA

HHY-316 2当量 (36mg, 20 μmol)がDMF2ml中に溶解され、続いてペプスタチンA NHSエステルHHY−298 1当量(8mg、10μmol)およびDIPEA 6当量(10μl、60μmole)が添加された。反応混合物は、アルゴン下、室温で2日間撹拌された。溶媒は分取HPLCによって、直接精製されて、白色粉体としてHHY−327 (5 mg, 収率 20%)が与えられた。ESI−MS実測値:[M+2H]2+=824.7。ESI−MS C1162043028の計算値:2465.5、実測値:[M+3H]3+=824.7。
化合物HHY−328
標的ペプチド薬結合体AcWYRGRL−DOTA−(ペプスタチンA)
HHY-316 1当量(9 mg, 5 μmol)がDMF1.5ml中に溶解され、続いてペプスタチンA NHSエステルHHY−298 3当量(12 mg, 15 μmol))およびDIPEA12当量(10μl、60μmole)が添加された。反応混合物は、アルゴン下、室温で2日間撹拌された。溶媒は分取HPLCによって、直接精製されて、白色粉体としてHHY−328 (4.3 mg, 収率: 22.6 %)が与えられた。本生成物は、凍結乾燥の後DMSOにわずかに溶解するのみである。ESI−MSC 184H326N40O44の計算値:3802.9、実測値:[M+3H]3+=1268.5。
実施例1のスクランブル化対照の合成:化合物HHY−322
AcYRLGRW−DOTA−Cy5.5
化合物HHY−339
化合物HHY−334 1当量(0.1 mmol)、HATU3当量(114 mg,0.3 mmol)、およびDIPEA12当量(210 μl, 1.2 mmol)は、10mLのDMF中に溶解された。10分後、N−[2−[2−[2−アミノ−エトキシ]−エトキシ]−エチル]−アセトアミド3当量(57mg、0.3mmol)は、反応混合物に加えられ、アルゴン下で、室温で30分撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、白色粉体として化合物HHY−339 (90 mg, 収率: 70%)が与えられた。ESI−MS:[M+H]=1273.9。H NMR (d6-DMSO, 400MHz):δ 8.32(bs, 3H, -8.20, -NH), 7.90-7.85 (m, 6H, -Ar, -NH), 7.68 (d, J = 7.2 Hz, 2H,-Ar), 7.42 (t, J = 7.2 Hz, 2H, -Ar), 7.34-7.29 (m, 3H, -Ar, -NH), 4.29 (d, J =7.0 Hz, 2H, -CH2O-), 4.21 (t, J = 7.0 Hz, 1H, -CHAr-), 3.68-3.13 (m,72H, -CH2-), 1.80 (bs, 9H, -CH3)。13C NMR (d6-DMSO, 100MHz):δ 127.6, 127.1, 125.1, 120.2, 99.8, 69.6, 69.5, 69.1, 68.8, 40.0,39.8, 39.6, 38.7, 38.5, 22.6。
化合物HHY−340

Fmoc−基の除去のために、HHY−339 (50 μmol)が2mlのEtNH/DM(1/4)に溶解され、反応混合物は室温で10分間撹拌された。溶媒は、減圧下で除去された。粗生成物HHY−340aが、更に精製することなく、次の工程で使われた。ESI−MS C46H90N12O15の計算値:1051.3、[M+2H]2+=526.6。
スクランブル化ペプチド配列YRLGRW(79 mg, 50 μmol)、HATU1当量(19 mg, 50 μmol)、およびDIPEA3当量(26 μl, 150 μmol)が、2mlのDMF中に溶解され、室温で10分間撹拌された。その後、HHY−340a1当量が反応混合物に加えられ、それはアルゴンの下で室温で1時間撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、白色粉体として化合物HHY−340 (81 mg, 収率: 62%)が与えられた。ESI−MS実測値:[M+2H]2+=1308.1。ESI-HRMS C125H201N25O31S2の計算値: 2612.43616; 実測値:2612.43666 ([M+2H]2+= 1307.22561)。
化合物HHY−341

全ての保護基の除去のために、化合物HHY-340 (52 mg、 0.02 mmol)は、95%のTFA/HO2ml中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で3時間撹拌された(LC−MS分析)。溶媒はトルエンと共に、3回共蒸発され、HPLCにより精製されて、白い粉末としてHHY−341 (17 mg, 収率: 44%)を与えた。ESI−MS:[M+H]2+=963.7。HRMS C881492523の計算値:1924.12581、実測値:1924.12671([M+3H]3+=642.38285)。
化合物HHY−322
スクランブル化ペプチド配列YRLGRWを用いたプローブHHY−312のために記載されたものと類似の条件の下で、対照プローブHHY−322の調製は実施された。ESI−MS実測値:[M+2H]3+=789.0。HRMS C122H1842721の計算値:2363.41543、実測値:2363.41368([M+4H]5+=473.48856)。
化合物HHY−353
全てのBoc基の保護の除去のために、化合物HHY−335は95%のTFA/CH2Cl10ml中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で1時間撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、溶媒は、3回トルエンで共蒸発された。粗生成物が、更に精製することなく、次の工程で使われた。ESI−MS C55H94N12O14の計算値:1147.43、実測値[M+H]=1148.9。
実施例2のスクランブル化対照の合成:化合物HHY−341Gd
AcYRLGRW−DOTA−[Gd
ESIMS C88H149N25O23Gdの計算値:2082.57、実測値:2083.4 ([M+H]4+ =521.1)。
3−ペプチド結合体のためのキー中間体の合成
化合物HHY−261
CHCl(40mL)中の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(シクレン)(3.44g、20mmol)の撹拌溶液に、t-ブチルブロモアセテート(0.5当量)が、0℃で1時間以内に添加された。撹拌は、追加の1時間継続された。溶液は、曇ってきた(cyclenHBr)。TLCの対照は、t−ブチルブロモアセテートの完全な消失を示した。沈殿は濾過され、濾過液は減圧で濃縮された。結果として生じるオイルはHPLC(95%HO−60%CHCN)により精製されて、無色のものとしてHHY−261(1.43g、50%)が産生された(Tetrahedron Letters. 2006, 47, 5985-5988)。ESI−MS:[M+H]=287.3。
化合物HHY−264
アセトニトリル100mL中のHHY−261(1.43g)と粉末状のKCO(8当量)の懸濁液に、アセトニトリル50mL中のベンジル−2−ブロモアセテート(4当量)の溶液が、アルゴン下で、1時間にわたって滴下され、反応混合物は室温で一晩放置された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了していたあと、KCOは濾過により除去され、アセトニトリルは蒸発により除去された。反応系はDCMで希釈され、水で3回および塩水で3回洗浄された。DCM中のMeOH3%から15%までの勾配をかけたシリカゲルクロマトグラフィによって、生成物は精製された。収量:1.46g、40%。ESI−MS:[M+H]=731.5。
化合物HHY−265

HHY−264(1.46g、2mmol)は、MeOH(50mL)中で12時間、炭素に担持された10%パラジウム(50mg)で加水素分解された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、Pd/Cは濾過により除去され、MeOHは蒸発により除去された。粗生成物が、更に精製することなく、次の工程で使われた。ESI−MS:[M+H]=461.3。
化合物HHY−284
HHY-265 1当量(230 mg, 0.5 mmol)、HATU3.1当量(589 mg, 1.55 mmol)、およびDIPEA12当量(1.05mL、6mmol)は、10mLのDMF中に溶解された。10分後、HHY-281 4当量 (741 mg,2 mmol)は、反応混合物に加えられ、アルゴン下で、室温で30分間撹拌された。溶液は、EtOAcで薄められ、1N HCl(3回)、飽和NaHCO、および塩水によって、順次洗浄された。有機層は、MgSOで乾燥された。
減圧での揮発物の除去により淡黄色のオイルが与えられ、それはCHCN−HOによるHPLCにより精製されて、白色粉体としてHHY−284(510mg、67%)が与えられた。ESI−MS実測値:[M+2H]2+=760.2。
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz):δ 8.54 (bs, 2H, -NH), 8.09 (bs,2H, -NH), 7.88 (d, J = 7.6 Hz, 6H, -Ar), 7.74 (bs, 2H, -NH), 7.67 (d, J = 7.6Hz, 6H, -Ar), 7.41 (t, J = 7.5 Hz, 6H, -Ar), 7.31 (t, J = 7.5 Hz, 6H, -Ar),4.29 (d, J = 6.8 Hz, 6H, -CH2O-), 4.20 (t, J = 6.8 Hz, 3H, -CHAr-),3.50-2.99 (m, 60H, -CH2-), 1.39 (s, 9H, -CH3)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz):δ 156.2, 143.8, 127.6, 127.0,125.1, 120.1, 69.4, 69.0, 68.7, 65.3, 46.7, 40.1, 35.7, 27.8。
化合物HHY−285

tBuー基の除去のために、化合物HHY-284 (152 mg, 0.1 mmol)は95%TFA/HO3mL中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で2時間撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、溶媒は、3回トルエンで共蒸発された。粗生成物が、更に精製することなく、次の工程で使われた。ESI−MS実測値:[M+2H]2+=731.6。
化合物HHY−286

HHY−285 1当量(146mg、0.1mmol)、HATU1.1当量(42mg、0.11mmol)、およびDIPEA6当量(105μl、0.6mmol)は、5mlのDMF中に溶解された。30分後、Boc−1−アミノ−3.6−ジオキサ−8−オクタンジアミン1.5当量(37 mg, 0.15 mmol)は、反応混合物に加えられ、アルゴン下で、室温で30分撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接かつ迅速に精製されて、白色粉体として化合物HHY−286 (113 mg, 67%)が与えられた。ESI−MS実測値:[M+2H]2+=846.7。1H NMR (d6-DMSO, 400MHz):δ 8.34(bs, 4H, -8.20, -NH), 7.88 (d, J = 7.6 Hz, 6H, -Ar), 7.68 (d, J = 7.6 Hz, 6H,-Ar), 7.42 (t, J = 6.8 Hz, 6H, -Ar), 7.34-7.30 (m, 9H, -Ar, -NH), 6.74 (t, J =4.78 Hz, 1H, -NH), 4.29 (d, J = 6.2 Hz, 6H, -CH2O-), 4.21 (t, J =6.2 Hz, 3H, -CHAr-), 3.62-3.04 (m, 72H, -CH2-), 1.37 (bs, 9H, -CH3)。
13C NMR (d6-DMSO, 100MHz):δ 167.2, 158.3, 157.9, 157.6,156.2, 155.6, 143.8, 140.7, 127.6, 127.0, 125.1, 120.7, 120.1, 117.8, 114.9,111.9, 77.6, 69.5, 69.4, 69.39, 69.1, 68.8, 65.3, 54.9, 54.6, 49.6, 40.1, 38.7,31.3, 28.2。
化合物HHY−287

Fmoc−基の除去のために、化合物HHY-286 (51 mg, 0.03 mmol)がEtNH/DM(1/4)2mlに溶解され、反応混合物は室温で10分間撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、溶媒は、減圧下で除去された。粗生成物が、更に精製することなく、次の工程で使われた。ESI−MS:[M+H]=1026.8。
化合物HHY−288
ペプチドWYRGRL(HHY−253Ac)4当量(190mg、0.12mmol)、HATU4当量(46mg、0.12mmol)、およびDIPEA12当量(63μl、0.36mmol)は、3mlのDMF中に溶解された。20分後に、HHY−287の1当量(31mg、0.03mmol)が、反応混合物に加えられた。アルゴン下で、室温で30分間撹拌されたあと、溶液は、EtOAcで薄められ、1N HCl、飽和NaHCO、および塩水によって、順次洗浄された。有機層は、MgSOで乾燥された。減圧での揮発物の除去により淡黄色のオイルが与えられ、それはCHCN−HOによるHPLCにより精製されて、白色粉体としてHHY-288 (105 mg, 61%)が与えられた。ESI−MS実測値:[M]4+=1429.6。
化合物HHY−289

全ての保護基の除去のために、化合物HHY-288 (29 mg, 5 μmol)は、95%のTFA/HO3ml中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で3時間撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、溶媒は、3回トルエンで共蒸発された。粗生成物が、更に精製することなく、次の工程で使われた。
ESI−MS実測値:[M+4H]4+ = 887.9。
化合物HHY−290
標的ペプチド蛍光結合体(AcWYRGRL)3−DOTA−Cy5.5
HHY-289(15 mg, 4.2 μmol)がDMF1.5ml中に溶解され、続いてCy5.5NHSエステル1.3当量(4 mg, 5.5 μmol)およびDIPEA 6当量(5μl、25μmol)が添加された。反応混合物は、室温で12時間アルゴン下で撹拌された。反応が完了したあと、溶媒は、減圧下で除去された。
反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、青色粉体としてHHY-290 (13 mg,収率 75%)が与えられた。ESI−MS:[M+3H]4+=1029.0。HRMS C206H302N53O37の計算値:4110.33738、実測値:4110.33888([M+5H]6+=685.89588)。
化合物HHY−299
標的ペプチド薬結合体(AcWYRGRL)−DOTA−ペプスタチンA

HHY−289(10mg、2.8μmol)は1.5mlのDMF中に溶解され、続いてペプスタチンANHSエステルHHY−298の1.5当量(3.3mg、4.2μmol)およびDIPEA6当量(3μl、17μmole)が添加された。反応混合物は、室温で12時間アルゴン下で撹拌された。溶媒は分取HPLCによって、直接精製されて、白色粉体としてHHY-299 (3.2 mg, 収率 27.2 %)が与えられた。ESI−MS C200H322N56O44の計算値:4215.2;実測値: [M+4H]4+ = 1054.7。
実施例6のスクランブル化対照の合成:化合物HHY−293
(AcYRLGRW)−DOTA−Cy5.5

スクランブル化ペプチド配列YRLGRWを用いたプローブHHY−290のために記載されたものと類似の条件の下で、対照プローブHHY−293の調製は実施された。
ESI−MS:[M+3H]4+=1029.1。HRMS C2063025337の計算値:4110.33738、実測値:4110.33798([M+5H]6+=685.89573)。
2−ペプチド結合体のためのキー中間体の合成
HHY−352AおよびHHY−352B
ペプチドWYRGRL(HHY−253Ac)1当量(140 mg, 0.09 mmol)、HATU1当量(34 mg, 0.09mmol)、およびDIPEA3当量(46 μl, 0.37mmol)は、DMF7ml中に溶解された。20分後に、HHY-351の1当量(100 mg, 0.09 mmol)が、反応混合物に加えられた。アルゴン下で、室温で2時間撹拌されたあと、溶液はEtOAcで薄められ、飽和NaHCO、および塩水によって、順次洗浄された。有機層は、MgSOで乾燥された。減圧での揮発物の除去により淡黄色のオイルが与えられ、それはCHCN−HO(20-95%)によるHPLCにより精製されて、75 mg(20%)のHHY-352B(129 mg, 54%) とともに、 白色粉体としてのHHY-352A(75mg、20%)が与えられた。ESI−MS実測値:HHY-352A [M+2H]2+ = 1345.0。HHY-352B[M+3H]3+ = 1418.1。
HHY−352Bの収率を上げるために、HHY−253Ac3当量、HATU、およびDIPEA9当量が使用されることができる。
化合物HHY−357

全ての保護基の除去のために、75 mg のHHY-352Bは95%のTFA/HO10ml中に溶解され、反応混合物はアルゴン下で、室温で3時間撹拌された。反応は、LC−MSによって、モニターされた。反応が完了したあと、溶媒は、3回トルエンで共蒸発された。粗生成物はHPLCにより精製されて、白色粉体としてHHY-357 (収量: 28 mg, 60%)が与えられた。ESI−MS:[M+3H]3+=892.1。
薬理試験
マウスにおける化合物のin vivo半減期の測定
10週齢の雄のC57 BL/6Jマウスは、Harlan Laboratories(Blackthorn, Bicester,UK)から購入された。マウスは、それぞれ換気されたケージ中で6グループで収容され、12時間の明/暗サイクルで21±2°Cに維持されて、食餌は無制限に提供された。すべての実験プロトコルは、実験動物の取扱いおよび使用のための、UK Animals (Scientific Procedures) Act 1986規則に従って実施された(Home Office project licence PPL no: 70/7288)。
ガス麻酔剤(2%イソフルオレンおよびO)によって麻酔導入された後、100ナノモルの各化合物が関節空内に注射された。Kodak In Vivo FX Pro (Carestream, Woodbridge, USA)によって、ガス麻酔(2.5%イソフルオランおよびO)のもと、630nmで曝露の1分後に700nmの発光を捕えることにより示される時点で、膝関節の平面蛍光画像が捕えられた。併行記録のため、平面X線像が20秒間のX線への暴露によって、得られた。
関節中の化合物の半減期を算出するために、Carestream MIソフトウェア(バージョン5.1)を使用して、蛍光画像は解析された。直径25ピクセルの興味の円形の部位(ROI)は、膝関節を取り囲むように定められ、膝関節はX線像の併行記録により定義された。ROIの平均蛍光強度(MFI)が得られた。示された蛍光画像は、虹スペクトルを使用した疑似色で着色されており、紫は最低値、赤は最高値であり、範囲は図中に示されている。2つの半減期、関節空間からの化合物の消失を表している速い半減期(t1)、および関節軟骨に結合した化合物の消失を表すより遅い半減期(t2)を得るために、二相減衰モデルに、データがフィットされた。結果が表2に示されている。すべての統計解析は、Prism Software(Graphpad、La Jolla,USA)を使用して行われた。
基本的に非結合の対照として、3つの保護されたアミノ基を有するプローブHHY−306が参照として合成された。
凍結切片作製と共焦点画像化
膝関節はマウスから切断されて、液体窒素により冷却されたイソペンタン(VWR, Leistershire, UK)で凍結する前、−80°Cで終夜貯蔵する前に、OCT(Sakura Finetek UK, Thatcham, UK)内に埋められた。LeicaCM1900UV cryotome (Leica Biosystems, Milton Keynes, UK)を使用し、関節は10μmの厚さに切断された。
凍結切片は、空気乾燥される前に氷冷アセトン(VWR, Leistershire, UK)中で固定され、PBS中の5%ウシ血清アルブミンおよび1%ヤギ血清中でブロック化された。第一の抗ヘパランサルッフェートプロテオグリカン(パールカン)抗体(Millipore, Watford, UK)はブロッキング溶液中で、1:100で切片と共に終夜4°Cでキュベートされた。Alexa−488結合ヤギ抗マウス抗体(LifeTechnologies, Paisley, UK)は、二次抗体として使われた。凍結切片は、Prolong Gold(Life Technologies, Paisley, UK)を使用して設置された。Alexa−488ラベルを視覚化ための525nmの発光フィルタを有する488nmの励起レーザー、およびCy5.5ラベルを視覚化するため700nmの発光フィルタを有する640nmの励起レーザーを使用して、Nikon TE2000−U Ultraview共焦点顕微鏡(Perkin Elmer、Seer Green、英国)の下で、凍結切片は観察された。
ブタ関節軟骨移植片によるex vivo バインディングアッセイ
これらの5つの、DOTAMから誘導された化合物の、軟骨を標的とする親和性を評価するために、我々はブタ関節軟骨移植片で、これらのCy5.5−標識化プローブのex vivoバインディングアッセイを実施した。これらのex vivo実験において、そのままの奥行きのブタ関節軟骨ブロックは、5μMの其々のプローブによって、24時間インキュベートされ、PBS緩衝液で37°Cで其々10分間3回洗浄されて、非結合プローブを除かれ、その後、蛍光顕微鏡を使用して撮像された。Cy5.5からの近赤外蛍光発光の強度は、軟骨に残っているこれらのプローブの関連付けられた量を表す。軟骨に入ったプローブが、マトリックス区画中および軟骨細胞中の両方で観察された。細胞周辺マトリックスおよび細胞核には、プローブが実質的になかった。正電荷およびコラーゲンII標的ペプチドの数を増加すると、プローブがより大きい程度で軟骨中に固定された事がはっきりわかる。軟骨中の集積された蛍光によるプローブの蓄積の定量化は、非標的化より標的化プローブを劇的に明らかにした(図1)。標的化されないHHY−306に比べて11.2倍、HHY−312と同じ正味を含有しているが、特異的コラーゲン標的化ペプチドを欠いている非結合性スクランブル化HHY-322に比べて6.0倍の、1つの標的とされたペプチドを有するプローブHHY−312の平均増加があった。3つの標的とされたペプチドを有するプローブHHY−290では、非標的化HHY−306より36.6倍、HHY−312(2つの末端電荷および1つの標的ペプチドを有する)より3.1倍、および3つのスクランブル化ペプチドを有するHHY−293より1.8倍の軟骨中の平均蓄積があった。
光学的画像化を使用する軟骨に対するin vivoでの結合性
光学的画像化を使用して、我々は軟骨へのプローブのin vivo結合能を、更に評価した。
0.1μmoleの各化合物は経関節的にマウスの膝に注射され、in vivoにおいて、蛍光顕微鏡およびX線が、局在および保持を定量化するため用いられた。関節からの非結合プローブの迅速な消失と、軟骨からの結合されたプローブの遅い消失を表現するために、二相指数関数的減衰モデルに、シグナルの減衰はフィットされた(n=5)。
図2(A)および2(B)に示されるように、関節内空からの非結合プローブの迅速な消失と、それに続く軟骨結合プローブの遅い第二相を有する二相性消失パターンを、プローブは示した。軟骨中で最も長い保持を示すプローブ、HHY−290(3TP)は注射後8日に第一のシグナルの40%を保持しており、一方非標的HHY−306(CP)は急速に消失され、6時間後に20%未満の保持であった。HHY−322(1SP)の13時間およびHHY−293(3SP)の19時間のt1/2を有するスクランブル化対照プローブと比較して、HHY−312(1TP)の210時間およびHHY−290(3TP)の1284時間の、標的プローブのフィットされた第二相半減期(t1/2β)は、非常に長かった。図2(C)は48時間後の各プローブの膝関節からの残存する蛍光シグナルを示しており、これは、対照プローブであるHHY−306(CP)、HHY−322(1SP)、およびHHY−293(3SP)よりも、標的プローブHHY−312(1TP)およびHHY−290(3TP)が、それらの高活性の標的化特性の故に、膝関節のコラーゲン区画中で長い保持時間を有することを示している。図2(D)は、関節内注射の48時間後の膝関節に残存しているプローブの残存量を示す代表的な蛍光とX線の融合画像を含む。
心強いことに、7日間の処置の間に、副作用は観察されず、プローブは十分に耐えられた。
カテプシンD酵素アッセイ:
カテプシンD阻害活性の定量化のために、消光され、蛍光標識され、カテプシンDで解離され得る、ペプチド基質のターンオーバーを経時的に測定する、酵素アッセイが用いられた。
具体的には,96ウェルプレートのウェル当たり、13ngの精製されたカテプシンD酵素(Biomol、Cat.No.Se−199)が与えられ、興味の物質/インヒビターが加えられ、該混合物が37°Cで10分間インキュベートされた。その後、蛍光ラベルされたカテプシンD−基質(7−メトキシクマリン−4−イル)−アセチル−Pro−Leu−Gly−Leu−(3−[2,4−ジニトロフェニル]−L−2,3−ジアミノプロピオニル)−Ala−Arg−NH(Bachem M−1895)が加えられることにより酵素反応が開始された。反応ボリュームは30μlに達し、50mMの酢酸、200mMのNaCl、および0.003%のBrij35を含有しており、酢酸でpH 4,5に調整された。ペプチド鎖の解離により、消光剤、7−メトキシクマリンが放出され、蛍光染料の発光が10分間、37°CでTecan Spectrafluor Plus−機器で励起/発光波長(330nM/390nM)を使用して測定される。化合物の投与量応答の決定の為に、10mMのDMSO貯蔵溶液は希釈され、30μM最終濃度で始まって10点の3倍希釈シリーズで2度テストされた。各プレート上で平均ポジティブおよびネガティブ対照として実験的に定義された固定された最大値および最小値にフィットされた4つのパラメーター曲線を使用して、データは分析された。本アッセイで決定されたカテプシンDの阻害のIC50値(nM、μmol/L)は下記の表3に示されている。
結合の後、立体化学的制約がおびただしいにもかかわらず、化合物は標的のカテプシンDにおいて妥協されない活性を示す。
加えて、化合物HHY−327の溶解性(pH7.4のリン酸緩衝液中で>5.92mg/mL)は、ペプスタチンA(0.82mg/mL)の溶解性と比較して増加されている。
関節軟骨由来のプロテオグリカン、主にアグリカンの消失は、関節炎の病因の初期の特徴の1つである。軟骨が酸性のpHに維持されるときに、組織からのアグリカンの迅速な消失があることが示され、カテプシンDのpH依存的な活性化がこの消失の原因である事が示唆されてきた。ペプスタチンAによるカテプシンDの阻害により、pH5におけるプロテオグリカンおよび軟骨の分解は軽減される。
遊離ペプスタチンAと比較して結合体の、軟骨を標的とする親和性を探索するため、並びに変形性関節症において起こる関節軟骨中のアグリカンの分解におけるこれらのインヒビターの効果を決定する為に、ブタ関節軟骨移植片を用いたex vivoでのGAG放出モデルが、実施された。
軟骨移植片の調製および処置
軟骨分解モデルは、ブタ関節軟骨移植片を使用して実施された。そのままの奥行きのブタ関節軟骨は、小片に切断された(d=3mm)。簡潔に言うと、膝関節は、20−24週齢のブタから関節軟骨のために切り出された。その後、これらは貯蔵溶液、無血清DMEMで二回洗浄される前に、200単位/mlのペニシリンおよび10%(v/v)のウシ胎児血清を含有しているダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)および5%のCO2中で、37°Cで24時間静置された。ペプスタチンA/HHY−327貯蔵溶液の濃度は、DMSO中で10mMであった。インヒビターは、DMEM緩衝液で1μMに希釈された。カテプシンDインヒビターペプスタチンAまたはHHY−327と共に、1000μlのpH7.4の無血清DMEMで、丸底の48ウェルプレートの1つのウェルに各軟骨片は置かれた。37°C24時間インキュベートされた後、試料は、37°Cにおいて、DMEMバッファでそれぞれ10分間で3回洗浄され、その後対照としてのpH7.4の1mLのDMEM、またはpH5.0の0.1Mのトリス−アセテート緩衝液と共にインキュベートされた。4時間、8時間、24時間後、調製培地は回収され、使用するまで−20°Cで保存された。すべての実験が、1匹の動物ドナー由来の組織を使用して、n=8において、実施されたことに留意されるべきである。
s−GAG濃度の測定
硫酸化グリコサミノグリカン(s−GAG)は、サメ軟骨コンドロイチンサルフェートC(Sigma−Aldrich(商標)、米国)を標準として、ジメチルメチレンブルー(DMMB)アッセイ(Farndale RW, Buttle DJ, Barrett AJ, Improved quantitation anddiscrimination of sulphated glycosaminoglycans by use of dimethylmethyleneblue. Biochim Biophys Acta 1986, 883, 173-177.)を使用して決定された。DMMB溶液は、サンプル、標準、および適切なブランク溶液を希釈するために用いられた。得られた溶液の吸光度は、マイクロプレートリーダー分光光度計を使用して、525nmで測定された。
結果が図3に示されている。それは、酸性の(生理的に妥当な)pH環境におけるGAGの分解を反映する。標的されていない天然のペプスタチンAが全く効果を示さない一方で、結合され、標的とされた薬、化合物HHY−327(実施例4、図3の1P1I)は非常に印象的な効果を示すことが観察される。
刺激の24時間後に、あらかじめインキュベートされた、カテプシンDインヒビターのないネガティブ対照移植片は、pH5.0でGAGの放出において、対照(pH7.4緩衝液)に対してほぼ40倍の増加を示した。遊離ペプスタチンAのプレインキュベーションは、GAGの放出に代表されるアグリカンの分解を阻止するのに効果的でなく、それはペプスタチンAが軟骨移植片中に保持されないことを示す。対照的に、酸で刺激されたGAGの放出は、軟骨を標的とする接合体によって、著しく阻害された。HHY−327(図3の1P1I)は1つの標的部分を担っており、24時間でGAGの放出の41%を阻害できたが、分化効果は刺激の48時間後に観察されることができなかった;一方3つの標的ペプチドに結合されたインヒビターを有する誘導体(HHY−299、実施例7、図3の3P1I)では、24時間でGAG放出の34%および48時間で18%の阻害が観察された。DOTAMに基づくインヒビター結合体が、非結合インヒビターにとって可能であるよりもはるかに、効率的に軟骨組織に治療分子を届け、保持できることを、この非常に厳格なモデルでのex vivo実験は、はっきり証明した。コラーゲン標的部分の利用は、純粋に電荷依存的な効果より優れていると判明した。これはGAGの消失がOAの早期から中期でさえ顕著であり、それによって軟骨層の負電荷の包括的な減少という結果になるので、特に重要である。活性軟骨標的特性および結果としての阻害効果は、アダプター上の標的ペプチドの数を1から3に増やすことによって、延長できる。
ブタ関節軟骨移植片を用いたex vivo MRI検査
1.全深度のブタ関節軟骨(d=4mm)は、安定するために、17時間の培養に維持された。
2.37°Cで24時間、MRI造影剤(Gd−DTPAまたはMnCl)でインキュベートされた。最適な浸透条件を達成する為、様々な濃度(0.2 mM, 0.5 mM, 2 mM, 5 mM)が試された。
3.洗い(それぞれ10分間で3回)あり、または洗わず測定された。
水中で標的造影剤HHY−316GdのT1シグナルの増大が測定され、臨床用の市販の造影剤としてのGd−DTPA_ENREF_27と比較された(図4)。HHY−316Gdでインキュベートされた軟骨のT1測定は、Gd−DTPAと比較して4倍のシグナルの増大を示した(T1:344ms対1399ms)。シグナル増大のレベルは、MRIによる視覚化のために、軟骨を標的とするHHY−316Gdの原理の効果を示す。
市販のGd−DTPA(DOTAに基づく)と比較して、開発されたプローブの明白な優位性を、これらのex-vivoの軟骨実験は示す。電荷効果(軟骨を含有するGAGを標的とするための)と高い特異性を有するコラーゲンII標的ペプチドの独特な組み合わせのみが、この効果の原因となる。
健康ラットでの in vivoMRI検査
正確な画像診断のための実際的なMRI造影剤として、軟骨を標的とする剤の可能性を探るために、我々は、健康なラットにおいて、in vivoでHHY−316Gdを研究した。本質的に非結合の対照として、非結合性スクランブル化ペプチド配列YRLGRWおよびアセチル化アミン基を有する造影剤HHY−341Gd(T=1368±10ms、DPB中0.2mM)が、対照として使用された。MRIは、4.7T Bruker BioSpec全身核磁気共鳴映像装置を使用して実施された。雄の骨格的に成熟したルイスラットは、麻酔され(Isofluraneによって)、背臥位に固定され、両膝が送信/受信リストコイルの中に置かれた。両膝は同時に視覚化され、片膝と他の膝との比較をすることができ、そこにおいて、異なる2つの造影剤HHY−316GdおよびHHY−341Gdのラベリング特性および膝関節からのそれらの消失が、経時的にモニターされることがでた。また、4時間以内に関節半月、関 節滑膜、脂肪組織、筋肉、または骨のような関節の非軟骨区画から、両方の造影剤が急速に消失することを、ラット膝関節中の薬動力学的研究は示した。図5は、造影剤の関節内注射の24時間後に、得られた画像を示す。HHY−316Gdを適用された膝では、骨関節、および主にコラーゲンIIおよびプロテオグリカンから成る成長板軟骨のMRIシグナルの著しい増大がある。関節軟骨および成長板におけるシグナル強度(SI)は、HHY−316Gdの投与の24時間後に86%および77%、関節内注射の72時間後に84%および85%、それぞれ増大した(図6−11)。非標的造影剤HHY−341Gdの関節内注射の後に得られた結果との比較により、骨関節および成長板軟骨のMRIシグナル強度が、特定の組織へのプローブの標的効果によるHHY−316Gdの蓄積によって生ずるという仮定が、更に確実となる。対照的に、関節部位のSI増大が、ない。HHY−341Gdの関節内注射の前と72時間後については、非標的対照の蓄積は、ほとんど観察されなかった。
ACLT−pMxラットでの in vivoMRI検査研究
研究の終了後に関節スライスの組織学的検査を補助するために、我々は、Cy5.5部分を含有する第2のプローブHHY−338(T=11493±27ms、DPBS中0.2mM)を共に投与することとした。光学およびMRIに基づく画像化の異なる感受性を説明するために、我々は、蛍光プローブを1%のみ加えることを選択した。1%のHHY−338および99%のHHY−316Gdの10mMDPBS溶液50μLは、手術後の28日目に、ラット(n=4)のACLT−pMxを施した右膝および処置の施されていない対照の左膝に関節内注射された。造影後の画像は投与直後に撮られ、投与後2日にわたり追跡された(図12a)。手術が施行された膝と比較して非手術膝関節においては、関節軟骨および成長板の明白なMRIシグナル増大が観察されることができた。興味深いことには、不安定なACLT−pMx膝において、関節軟骨および成長板のSIの増大のほかに、より明るいMRI信号を有する部位が、軟骨瘤/骨棘(赤い輪)の形成を示す内側脛骨平坦部の縁において、観察された。この結果は、組織学的研究によって、更に確認された。投与48時間後に、ネズミは殺され、そして、膝関節が組織学のために切除され、凍らされ、切断された。軟骨瘤/骨棘部位は、Zeiss Miraxscan顕微鏡を使用して、サフラニンO/ファーストグリーンにより染色された切片において、検討された。(図12b)。非手術関節は、大腿関節丘または脛骨平坦部において、軟骨瘤/骨棘の形成を示さなかった。対照的に、ACLT−pMx関節は、内側脛骨平坦部の縁で、早期の軟骨瘤/骨棘(段階I)形成を示した。切断された膝スライスの蛍光顕微鏡は、軟骨組織で高度の蛍光シグナルを明らかにし、それはMRIデータと一致しており、固有の標的効果による、軟骨組織中のプローブの選択的且つ高度の蓄積を示す。非手術膝関節において、プローブは均一に分布して関節軟骨に入り、NIRFシグナルは、マトリックス区画および軟骨細胞中の両方で観察された。細胞周辺マトリックスおよび細胞核には、シグナルが実質的になかった(図13)。図12cに示されるように、ACLT−pMx関節軟骨において、軟骨領域の他に、軟骨瘤/骨棘領域で、より多くのシグナルは得られた。これはGAGならびにコラーゲンIIa(軟骨前駆体細胞により発現されたコラーゲンII遺伝子のスプライスバリアントである)の発現によるであろう。
図14はIIA型プロコラーゲンとプローブの共局在下が、骨棘部位にあることを示す。
ブタ軟骨移植片でのEx Vivo研究である。 プローブHHY-306(CP),HHY-312(1TP),HHY-322(1SP),HHY-290(3TP),およびHHY-293(3SP)に基づいたDOTAMのIn vivo薬物動態である。 プローブHHY-306(CP),HHY-312(1TP),HHY-322(1SP),HHY-290(3TP),およびHHY-293(3SP)に基づいたDOTAMのIn vivo薬物動態である。 ブタ関節軟骨移植片のグリコサミノグリカン(GAG)放出のEx vivo測定(HHY-327 1P1IとHHY-299 3P1I)である。 HHY-316Gd対対照Gd-DTPAでインキュベートされた軟骨のMRI画像 造影剤HHY-316-Gd(左)とHHY-341Gd(右)の注射後の24時間後のラット膝のMRI画像である。 T1-強調画像における大腿骨軟骨領域、脛骨成長板領域、注射部位領域、筋領域、骨領域、滑膜領域、及び標準領域の高精度画像である。 HHY-316Gd(左)とHHY-341Gd(右)の注射前後の軟骨と成長板の標準化強度(平均±標準誤差、n=4)のプロットである。 HHY-316Gd(左)とHHY-341Gd(右)の注射前後の滑膜領域の標準化平均強度である。 HHY-316Gd(左)とHHY-341Gd(右)の注射前後の注射領域の標準化強度(n=4)のプロットである。 HHY-316Gd(TCA)(左)とHHY-341Gd(右)の注射前後の骨領域の標準化平均強度(n=4)のプロットである。 HHY-316Gd(TCA)(左)とHHY-341Gd(NCA)(右)の注射前後の筋領域の標準化平均強度(n=4)のプロットである。 (a)造影剤HHY-316Gd-338Gdの注射24時間後のラット膝のin vivo MR画像である。(b)ACLT-pMx膝関節スライスの内側面の顕微鏡写真(サフラン0/ファーストグリーン染色)である。(c)ACLT-pMx膝関節スライスの蛍光画像(em=695nm)である。 48時間後の非手術膝関節の関節軟骨中のプローブの分布である。 2A型プロコラーゲンの免疫蛍光染色である。
化合物HHY−298
ペプスタチンA(20mg、30μmol)、EDCI(58mg、0.3mmol、10当量)およびNHS(35mg、0.3mmol、10当量)が、フラスコ中に置かれた。
これに無水DMF(2ml)が加えられ、反応系は終夜撹拌された。DMFは高減圧下において、取り除かれた。固体は、容器の壁からはがされ、水(10ml)により洗浄され、濾過によって集められた。固体は、水(50ml)によって、そしてジエチルエーテル(5ml)によって、更に洗浄された。その後、湿った固体は無水Pで、減圧下で24時間乾燥された(Org. Biomol. Chem., 2006, 4, 1817-1830)。
化合物HHY−325
HHY−336a(12mg、10μmol)がDMF1.5ml中に溶解され、続いてペプスタチンA NHSエステルHHY−298 1当量(8mg、10μmol)およびDIPEA 5当量(10μl、50μmol)が添加された。反応混合物は、室温で24時間アルゴン下で撹拌された。反応が完了した後、溶媒は蒸発により除去され、残渣は50%のTFA/CHCl10ml中に溶解された。Boc基の除去は、LC−MSによって、モニターされた。30分後に溶媒はトルエンと共に、共蒸発され、粗生成物はHPLCにより直接精製されて、白色粉体としてHHY−325が与えられた(6mg、収率38%)。
ESI−MS実測値:[M+2H]2+=797.3。HRMS C74H145N17O20の計算値: 1592.08518;実測値: 1592.08514 ([M+2H]2+= 797.04985)。
標的ペプチドバイモーダル画像化結合体AcWYRGRL−DOTA−Cy5.5-[Gd3+]
HHY-316Gd(19 mg, 10 μmol)がDMF1.5ml中に溶解され、続いてCy5.5NHSエステル1当量(7 mg, 10 μmol)およびDIPEA 5当量(10μl、50μmol)が添加された。反応混合物は、室温で12時間アルゴン下で撹拌された。反応が完了したあと、溶媒は、減圧下で除去された。反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、青色粉体としてHHY-338 (13 mg,収率 51 %)が与えられた。ESI−MS実測値:[M]4+=630.2。HRMS C122H184N28O20Gdの計算値: 2521.33792;実測値:2521.33802 ([M+H]4+= 504.46906)。
化合物HHY−328
標的ペプチド薬結合体AcWYRGRL−DOTA−(ペプスタチンA)
HHY-316 1当量(9 mg, 5 μmol)がDMF1.5ml中に溶解され、続いてペプスタチンA NHSエステルHHY−298 3当量(12 mg, 15 μmol))およびDIPEA12当量(10μl、60μmole)が添加された。反応混合物は、アルゴン下、室温で2日間撹拌された。溶媒は分取HPLCによって、直接精製されて、白色粉体としてHHY−328 (4.3 mg, 収率: 22.6 %)が与えられた。本生成物は、凍結乾燥の後DMSOにわずかに溶解するのみである。ESI−MSC184H326N40O44の計算値:3802.9、実測値:[M+3H]3+=1268.5。
化合物HHY−290
標的ペプチド蛍光結合体(AcWYRGRL)3−DOTA−Cy5.5
HHY-289(15 mg, 4.2 μmol)がDMF1.5ml中に溶解され、続いてCy5.5NHSエステル1.3当量(4 mg, 5.5 μmol)およびDIPEA 6当量(5μl、25μmol)が添加された。反応混合物は、室温で12時間アルゴン下で撹拌された。反応が完了したあと、溶媒は、減圧下で除去された。
反応が完了したあと、反応溶液はHPLCによって、直接精製されて、青色粉体としてHHY-290 (13 mg,収率 75%)が与えられた。ESI−MS:[M+3H]4+=1029.0。HRMS C 206 302 53 37 の計算値:4110.33738、実測値:4110.33888([M+5H]6+=685.89588)。
化合物HHY−299
標的ペプチド薬結合体(AcWYRGRL)−DOTA−ペプスタチンA

HHY−289(10mg、2.8μmol)は1.5mlのDMF中に溶解され、続いてペプスタチンANHSエステルHHY−298の1.5当量(3.3mg、4.2μmol)およびDIPEA6当量(3μl、17μmole)が添加された。反応混合物は、室温で12時間アルゴン下で撹拌された。溶媒は分取HPLCによって、直接精製されて、白色粉体としてHHY-299 (3.2 mg, 収率 27.2 %)が与えられた。ESI−MS C200H322N56O44の計算値:4215.2;実測値: [M+4H]4+ = 1054.7。
ブタ関節軟骨移植片によるex vivo バインディングアッセイ
これらの5つの、DOTAMから誘導された化合物の、軟骨を標的とする親和性を評価するために、我々はブタ関節軟骨移植片で、これらのCy5.5−標識化プローブのex vivoバインディングアッセイを実施した。これらのex vivo実験において、そのままの奥行きのブタ関節軟骨ブロックは、5μMの其々のプローブによって、24時間インキュベートされ、PBS緩衝液で37°Cで其々10分間3回洗浄されて、非結合プローブを除かれ、その後、蛍光顕微鏡を使用して撮像された。Cy5.5からの近赤外蛍光発光の強度は、軟骨に残っているこれらのプローブの関連付けられた量を表す。軟骨に入ったプローブが、マトリックス区画中および軟骨細胞中の両方で観察された。細胞周辺マトリックスおよび細胞核には、プローブが実質的になかった。正電荷およびコラーゲンII標的ペプチドの数を増加すると、プローブがより大きい程度で軟骨中に固定された事がはっきりわかる。軟骨中の集積された蛍光によるプローブの蓄積の定量化は、非標的化より標的化プローブを劇的に明らかにした(図1)。標的化されないHHY−306に比べて11.2倍、HHY−312と同じ正味電荷を含有しているが、特異的コラーゲン標的化ペプチドを欠いている非結合性スクランブル化HHY-322に比べて6.0倍の、1つの標的とされたペプチドを有するプローブHHY−312の平均増加があった。3つの標的とされたペプチドを有するプローブHHY−290では、非標的化HHY−306より36.6倍、HHY−312(2つの末端電荷および1つの標的ペプチドを有する)より3.1倍、および3つのスクランブル化ペプチドを有するHHY−293より1.8倍の軟骨中の平均蓄積があった。

Claims (11)

  1. 立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ia)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩、
    ここでMは、存在しないかまたは存在し、Gd、Yb、Mn、Cr、Cu、Fe、Pr、Nd、Sm、Tb、Yb、Dy、Ho、Er、Eu、Ga、68Ga、64Cu、99mTc、177Lu、67Ga、111In、99Moの群からの正に荷電した金属イオンであり;
    A1、A2、A3、およびA4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C0−C4)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−P(O)n−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−S(O)n−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、および−(C0−C4)−アルキル−N(R1)−C(O)−から互いに独立して選択され;
    nは、1および2から選択され;
    L1、L2、L3、およびL4は互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、(C1−C18)−アルキル、−(CH2)m[−O−(CH2)p]q−から互いに独立して選らばれ;
    m、q、およびpは、互いに独立して同一であるか異なっており、整数0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
    Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C0−C4)−アルキル−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−N(R1)−C(O)−(C0−C6)−アルキル−、−(C0−C4)−アルキル−S(O)n−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−N(R1)−C(O)−
    から互いに独立して選ばれ、
    R1およびR2は、水素、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、および−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる組から、互いに独立して選択され;
    Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
    ●水素原子;
    ●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチド、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
    ●光学的画像化に適している蛍光体;
    ●OAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している活性に基づくプローブ(ABP);
    ●ただし
    ○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つはWYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
    ○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、光学的画像化に適している蛍光体またはOAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している活性に基づくプローブ(ABP)であり;
    ○Z1、Z2、Z3、およびZ4は、OAの発症および進行に関わるたんぱく質の異常発現または活性をモニターするのに適している1より多い、活性に基づくプローブ(ABP)を表すことはできない。
  2. 立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ib)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩、
    ここで
    A1、A2、A3、およびA4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C0−C4)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−P(O)n−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−S(O)n−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、および−(C0−C4)−アルキル−N(R1)−C(O)−から互いに独立して選択され;
    nは、1および2から選択され;
    L1、L2、L3、およびL4は互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、(C1−C18)−アルキル、−(CH2)m[−O−(CH2)p]q−から互いに独立して選らばれ;
    m、q、およびpは、互いに独立して同一であるか異なっており、整数0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
    Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なっていて、結合手、解離可能なリンカー、−Y5−(Z5)r、−(C0−C4)−アルキル−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−N(R1)−C(O)−(C0−C6)−アルキル−、−(C0−C4)−アルキル−S(O)n−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−N(R1)−C(O)
    から互いに独立して選択され、
    ここで、rは1〜3から選択され、Y5は解離可能なリンカー、(C0−C4)−アルキル−N(R1)、(C0−C4)−アルキル−C(O)−N(R1)、N(R1)−C(O)−(C0−C6)−アルキル、(C0−C4)−アルキル−S(O)n−N(R1)、(C0−C4)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)、(C0−C4)−アルキル−N(R1)−C(O)から選択され、Z5はZ1、Z2、Z3、およびZ4について定義された通りであり;
    R1およびR2は、水素、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、および−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる組から、互いに独立して選択され;
    Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
    ●水素原子;
    ●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチド、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
    ●変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に役立つ化合物;
    ●ただし
    ○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つはWYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
    ○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、上記に定義されているように変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な化合物を表す。
  3. 立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ia)の化合物、およびその薬理学的に許容される塩、
    ここでMは、存在しないかまたは存在し、Gd、Yb、Mn、Cr、Cu、Fe、Pr、Nd、Sm、Tb、Yb、Dy、Ho、Er、Eu、Ga、68Ga、64Cu、99mTc、177Lu、67Ga、111In、99Moの群からの正に荷電した金属イオンであり;
    A1、A2、A3、およびA4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C0−C4)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−P(O)n−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−S(O)n−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、および−(C0−C4)−アルキル−N(R1)−C(O)−から互いに独立して選択され;
    nは、1および2から選択され;
    L1、L2、L3、およびL4は互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、(C1−C18)−アルキル、−(CH2)m[−O−(CH2)p]q−から互いに独立して選らばれ;
    m、q、およびpは、互いに独立して同一であるか異なっており、整数0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
    Y1、Y2、Y3、およびY4は、互いに独立して同一であるか異なっており、結合手、−(C0−C4)−アルキル−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−C(O)−N(R1)−、−N(R1)−C(O)−(C0−C6)−アルキル−、−(C0−C4)−アルキル−S(O)n−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−N(R2)−C(O)−N(R1)−、−(C0−C4)−アルキル−N(R1)−C(O)−
    から互いに独立して選ばれ、
    R1およびR2は、水素、(C1−C4)−アルキル、(C3−C7)−シクロアルキル、および−(C1−C4)−アルキル−(C3−C7)−シクロアルキルからなる組から、互いに独立して選択され;
    Z1、Z2、Z3、およびZ4は、互いに独立して同一であるか異なり、以下から互いに独立して選択される:
    ●水素原子;
    ●WYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチド、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
    ●蛍光体;
    ●活性に基づくプローブ(ABP);
    ●ただし
    ○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つはWYRGRL−(SEQ ID NO:1) [TrpTyrArgGlyArgLeu] SEQ ID NO:Iのアミノ酸配列、またはその保存的置換またはその反復配列を有しているポリペプチドを表し、ここで、該ポリペプチドは軟骨組織と特異的に結合し、該ポリペプチドのN末端部分がアセチル化されている;
    ○Z1、Z2、Z3、およびZ4の少なくとも一つは、蛍光体または活性に基づいたプローブ(ABP)を表し;
    ○Z1、Z2、Z3、およびZ4は、1より多い、活性に基づくプローブ(ABP)を表すことはできない。
  4. 請求項2に記載の式(Ib)の化合物、ここで、MMP13のインヒビター、組換え型メタロプロテイナーゼインヒビター−3、ADAMTS4/5、カテプシンD、カテプシンKインヒビター、カテプシンSまたはBのインヒビター、uPA、tPA、HTRA1、PACE4に対するセリンプロテアーゼインヒビター、補体系のインヒビター、C1s、C1r、C3、C5または膜侵食複合体に対するインヒビター、前炎症性サイトカイン、インターロイキン1転換酵素、組換え型インターロイキン1受容体拮抗剤に対するインヒビター、前炎症性細胞内シグナル伝達経路またはp38−経路に対するインヒビター、FAK−シグナル伝達のインヒビター、Toll様レセプター、ドキシサイクリン、グルコサミン−ハイドロクロライド、コンドロイチンサルフェートに対するインヒビター、標準的なWNTシグナル伝達のインヒビター、フリズルドレセプターのインヒビター、GSK3βのモジュレーター、SGK−1、組換え型Wif1、組換え型SFRP、組換えDKK−1のインヒビター、LRP5またはLRP6、組換え型Sostのインヒビター、軟骨細胞肥大化のインヒビター、HDAC−4モジュレーター、FGFR3アゴニスト、組換え型PTHrP、軟骨細胞同化分子、TGFβSmad2−/3シグナル伝達のアクティベーター、BMP−/Samd1、−5−、−8シグナル伝達のアクティベーター、Notchシグナル伝達のモジュレーター、タイロシンキナーゼインヒビター、シンデカン−4インヒビター、レプチンまたはレプチンシグナル伝達のインヒビター、初発症状治療の治療成分、TRPV1のインヒビター、P2X7のインヒビター、Nav1.7のインヒビター、PGE2−形成のインヒビター、非ステロイド性抗炎症薬、コルチコステロイド、TrkAのインヒビター、およびCOX2インヒビターから、変形性関節症、変形性関節症に関連した合併症、または軟骨関連の障害の治療に有用な該化合物が選択される。
  5. 請求項1または3に記載の、診断かつモニター剤として使用する為の、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ia)の化合物、またはその薬理学的に許容される塩。
  6. 請求項2または4に記載の、薬物として使用する為の、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ib)の化合物、またはその薬理学的に許容される塩。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の、変形性関節症の処置に使用する為の、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ia)または(1b)の化合物、またはその薬理学的に許容される塩。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の、変形性関節症の予防に使用する為の、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ia)または(1b)の化合物、またはその薬理学的に許容される塩。
  9. 請求項1から6のいずれか1項に記載の、変形性関節症と関連した痛みの処置に使用する為の、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ia)または(1b)の化合物、またはその薬理学的に許容される塩。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(Ia)または(1b)の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、および薬理学的に許容される担体を有する医薬組成物。
  11. 請求項2,4、および6〜9のいずれか1項に記載の、立体異性体または任意の割合の立体異性体の混合物のいずれかである、式(1b)の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、および薬理学的に許容される担体を有する薬物。
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