JP2004536596A - メチル化状態に基づいて核酸を分析するための方法および生成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、核酸のメチル化状態の分析および核酸を配列決定するためのメチル化機構の利用に関する。本発明は、核酸のメチル化状態が分析され得るという観察を前提とする。核酸分子のメチル化状態は、例えば、対立遺伝子のインプリンティング、遺伝子の発現およびサイレンシング、ならびにゲノム変異の同定に関する情報を与える。本発明はまた、単一の核酸分子に関して配列情報を導き出すために、メチル化の機構およびプロセスを利用する。
Description
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、核酸のメチル化状態の分析および核酸を配列決定するためのメチル化機構の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
核酸はメチル化されることが知られている。DNAのメチル化は、正常な細胞プロセスおよび異常な細胞プロセスの両方に関与する。例えば、DNAのメチル化は、X染色体不活性化、親対立遺伝子のインプリンティング、および示差的な遺伝子発現(遺伝子座のアップレギュレーションまたはサイレンシングのいずれかによる)に関与している。細菌において、シトシン残基およびアデニン残基のメチル化は、DNA複製およびDNA修復の調節において役割を果たす。DNAのメチル化はまた、これらの生物が自己DNAと非自己DNAとの間を識別するのを可能にする免疫機構の部分を構成する。DNAのメチル化はまた、癌の危険性増大および癌の発症自体にも関与している。
【0003】
DNAのメチル化は、メチラーゼ(メチルトランスフェラーゼとしてもまた公知)によって行われる。これらの酵素は一般に配列特異的であり、そしてこれらの酵素は、両方の核酸鎖(DNAの場合)をメチル化し得る。これらの鎖の複製は、半メチル化状態を生み、この半メチル化状態は、両方の鎖に対する完全なメチル化を回復し得る一種の維持メチラーゼによって認識される。
【0004】
メチル化は、すべてのヌクレオチド残基において起こり得るが、哺乳動物種においては、DNAのメチル化は通常、シトシン残基において起こり、そしてより一般的には、グアノシン残基の隣に存在するシトシン残基(すなわち、CGジヌクレオチドのシトシン残基)において起こる。「CpG島」中のCGジヌクレオチドは、メチル化されないまま残存する。CpG島は、CG部位に富み、そしてしばしば、ゲノム内のコード領域(すなわち、遺伝子)付近で見出される。ヒトゲノムの約半分の遺伝子は、CpG島と関連付けられる。重要なことに、ゲノム中の大部分のCpG島は、正常な成体の細胞および組織において、メチル化されないまま残存している。CpG島のメチル化は通常、雌の不活性なX染色体およびインプリント遺伝子においてのみ観察され、ここでこのCpG島のメチル化は、このような遺伝子の安定なサイレンシングにおいて機能する。DNAのメチル化のレベルおよび分布に対する厳密な制御は、正常な動物の発達に必須である。
【0005】
DNAメチル化の改変は、ヒト腫瘍に特徴的なゲノム不安定性の1つの徴候である。ヒトの発癌に関する1つの証明は、細胞増殖を制御する遺伝子の遺伝的改変から生じる、細胞増殖に対する正常な拘束の欠損である。このような変異の結果としては、陽性の増殖シグナルの活性化および増殖阻害性シグナルの不活性化が挙げられる。メチル化された場合に正常な細胞応答の欠損へと導く遺伝子標的の同定は有益である。これは、異常なメチル化および異常なメチル化から生じる下流の任意の事象と関連する障害の診断および処置を容易にする。
【0006】
核酸のメチル化レベルは、当該分野で利用可能な多くの技術を使用して決定され得る。いくつかの間接的な分析方法は、メチル化シトシンを脱アミノ化してウラシルへと変換するための亜硫酸水素塩の使用を包含する。増幅の際に、次いで、このウラシルは、相補的なアデノシンで効率的に合成される。このようにして、この合成は、DNA鎖上のメチル化部位の位置を決定するための、配列決定ベースのアプローチまたはハイブリダイゼーションベースのアプローチを介したメチル化部位の分析を可能にする。先行技術のメチル化分析方法としては、メチル化感受性制限分析、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)、亜硫酸水素塩改変DNAの配列決定、Ms−SnuPE、およびCOBRAが挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
代表的に、単一の核酸分子上におけるメチル化パターンの直接的な分析は可能でない。従って、核酸分子のメチル化の直接的な検出のための方法は有用であり、単一の核酸分子におけるメチル化の数、型および位置を決定するための方法もまた同様に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、核酸のメチル化状態が分析され得るという観察を前提とする。核酸分子のメチル化状態は、例えば、対立遺伝子のインプリンティング、遺伝子の発現およびサイレンシング、ならびにゲノム変異の同定に関する情報を与える。本発明はまた、単一の核酸分子に関して配列情報を導き出すために、メチル化の機構およびプロセスを利用する。
【0009】
1つの局面では、本発明は、核酸分子を分析する方法を提供し、この方法は、核酸分子を、配列特異的メチラーゼおよびS−アデノシルメチオニン(SAM)標識化誘導体に曝露する工程、上記配列特異的メチラーゼが、上記SAM標識化誘導体を用いて上記核酸分子中のヌクレオチドを標識するのを可能にする工程、および線形ポリマー分析システムを使用して、上記核酸分子における標識化パターンを決定する工程、を包含する。
【0010】
本明細書中に開示されるすべての局面において、核酸分子は、DNAもしくはRNA、またはそれらのいくつかの組み合わせであり得る。核酸分子は、天然に存在し得、そしておそらく、インビボ供給源から収集され得るか、またはインビトロで合成され得る。核酸分子はさらに、ホスホジエステルバックボーンを有し得るか、または本明細書中で考察されるようなバックボーン改変を含み得る。いくつかの重要な実施形態において、核酸分子は、インビトロで増幅されていない核酸分子である。
【0011】
本発明のこの局面および他の局面において、核酸分子は、その核酸分子を脱メチル化するに有効な量の脱メチル化剤(例えば、脱メチル化酵素)に曝露され得る。この曝露は、上述の配列特異的メチラーゼおよびSAM標識化誘導体のような因子、あるいは下記のようなメチル化特異的抗体もしくは抗体フラグメント、またはメチル化核酸結合タンパク質(MBP)への曝露前あるいは曝露後に行われ得る。いくつかの実施形態では、脱メチル化剤への曝露前のメチル化パターンと、脱メチル化剤への曝露および再標識化プロセスの後のメチル化パターンとを比較し、そしてそれらのメチル化パターンにおける差異を同定する。これらの差異は、メチル化のレベルもしくは頻度という点で定量的であり得、および/またはメチル化の位置もしくは型という点で定性的であり得る。
【0012】
別の局面では、本発明は、核酸分子を分析するための関連方法を提供し、ここでは、配列特異的メチラーゼを標識し、そしてSAM誘導体を標識しない。重要な実施形態では、SAM誘導体はアジリジン誘導体である。メチラーゼは、SAM誘導体を標識するために本明細書中で記載された任意の標識を使用して標識され得る。重要な実施形態では、メチラーゼは複数の標識を含み、その複数の標識は、本明細書中に記載されるように、同じであっても異なってもよく、そして同じ型のものであっても異なる型のものであってもよい。
【0013】
さらに別の関連した局面では、核酸分子を分析するための別の方法が提供され、ここでは、SAM誘導体ではなくSAMを使用し、そしてこのSAM自体が、例えば、放射性標識で標識される。
【0014】
本発明の別の局面では、核酸分子を分析するための方法が提供され、この方法は、核酸分子を、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントに曝露する工程、上記抗体または抗体フラグメントを上記核酸分子に結合させる工程、および線形ポリマー分析システム(例えば、本明細書中に記載されるシステムであるが、これに限定されない)を使用して、上記核酸分子に対する上記メチル化特異的抗体または抗体フラグメントの結合パターンを決定する工程、を包含する。抗体またはそのフラグメントは、好ましくは、検出可能な標識で標識される。あるいは、抗体またはそのフラグメントは、その抗体を認識および結合しかつそれ自体が検出可能な標識であり得るかまたは検出可能な標識を結合された状態であり得る二次抗体を使用することによって、検出される。
【0015】
1つの実施形態では、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントは、メチル化アデノシン、メチル化シトシン、メチル化グアノシン、メチル化チミン、およびメチル化ウリジンからなる群より選択されるメチル化ヌクレオチドを認識し、そしてそれらに結合する。他の実施形態では、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントは、6−メチルアデノシン、4−メチルシトシン、および5−メチルシトシンを認識し、そしてそれらに結合する。他のメチル化ヌクレオチドもまた、本発明の方法を使用して検出され得、そしてこれらは、「正常な」メチル化ヌクレオチド(すなわち、例えば、遺伝子座からの発現をサイレンシングするために、細胞において通常起こるヌクレオチドのメチル化)および変異促進性メチル化ヌクレオチド(すなわち、DNA損傷剤に曝露された後で起こるヌクレオチドのメチル化、および癌のような特定の障害に関連しているヌクレオチドのメチル化)の両方を含む。検出され得る他のメチル化ヌクレオチドとしては、7−メチルグアニン、O4−メチルチミン、O6−メチルグアニン、2,2,7−トリメチルグアニンなどが挙げられる。
【0016】
関連した局面では、核酸分子のメチル化パターンを、MBPを使用して決定する。この方法は、核酸分子をMBPに曝露する工程、上記MBPを上記核酸分子に結合させる工程、および上記核酸分子に対する上記MBPの結合パターンを決定する工程、を包含する。いくつかの実施形態では、MBPは、検出可能な標識で標識される。他の実施形態では、核酸分子を、MBPへの結合後に脱メチル化剤で処理し、次いで、上記のように配列特異的メチラーゼとSAM誘導体またはSAMとを用いて標識する。
【0017】
実施形態に依存して、脱メチル化剤への曝露と、その後のメチル化またはSAM誘導体での標識化とが、核酸分子における全メチル化部位を決定するために使用され得る。従って、1つの実施形態では、核酸分子におけるメチル化パターンを決定(例えば、前述の任意の方法を使用して)した後で、その核酸分子を脱メチル化するに有効な量の脱メチル化剤(例えば、脱メチル化酵素)に、その核酸分子を曝露する。次いで、核酸分子を、配列特異的メチラーゼとSAM標識化誘導体またはSAMとに曝露し、そしてそれらで標識する。
【0018】
従って、1つの実施形態では、この方法は、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントの結合パターンを決定した後で、核酸分子を、その核酸分子を脱メチル化するに有効な量の脱メチル化剤(例えば、脱メチル化酵素)に曝露する工程、および上記核酸分子を、配列特異的メチラーゼおよびSAM標識化誘導体に再度曝露する工程、上記配列特異的メチラーゼが、上記SAM標識化誘導体を用いて上記核酸分子中の標的ヌクレオチドを改変するのを可能にする工程、およびそのメチル化パターンを決定する工程、をさらに包含する。
【0019】
前述の局面において、脱メチル化前のメチル化パターンおよび脱メチル化後のメチル化パターンは、正常なメチル化パターンまたはゲノムマップと比較され得る。
【0020】
特定の実施形態では、SAM標識化誘導体は、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電した変換分子(transducing molecule)、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に導電性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群より選択される標識を含む。本明細書中で考察されるように、メチル化特異的抗体および抗体フラグメント、ならびにMBPもまた、上記標識で標識され得る。本明細書中に記載される方法はさらに、バックボーン標識で核酸分子を標識する工程を含み得る。
【0021】
1つの実施形態では、核酸分子におけるヌクレオチド改変のパターンは、Gene EngineTMシステム、光学的マッピング、DNAコーミング(DNA combing)などのような線形ポリマー分析システムを使用して決定される。
【0022】
1つの実施形態では、核酸分子を、ヌクレオチド改変から生じるシグナルを生成するためのステーションに曝露し、そして検出システムを使用してそのシグナルを検出する。いくつかの実施形態では、核酸分子を固体支持体に結合させるが、他の場合には、核酸分子は溶液中において遊離状態である。
【0023】
関連の実施形態において、検出システムは、蛍光検出システム、電気的検出システム、写真フィルム検出システム、化学発光検出システム、酵素検出システム、原子間力顕微鏡(AFM)検出システム、走査トンネル顕微鏡(STM)検出システム、光学的検出システム、核磁気共鳴(NMR)検出システム、近距離場検出システム、全反射(TIR)システム、および電磁的検出システムからなる群より選択される。
【0024】
さらに別の局面では、本発明は、核酸分子の異常なメチル化によって特徴付けられる障害を有するかまたはその障害を発症する危険性がある被験体を同定する方法を提供する。この方法は、被験体由来の生物学的サンプル中における核酸分子のメチル化パターンを決定する工程、およびその核酸分子のメチル化パターンをコントロールに対して比較する工程を包含し、ここで上記コントロールと比較した場合における、上記核酸分子のメチル化パターンの差異により、障害を有するかまたは障害を発症する危険性がある被験体が同定される。本発明のこの局面および他の局面において、この被験体はヒトであり得る。
【0025】
1つの実施形態では、メチル化パターンは、核酸分子を、メチル化特異的抗体もしくは抗体フラグメント、またはMBPに曝露する工程、および線形ポリマー分析システムを使用して、上記核酸分子に対する結合パターンを決定する工程によって、決定される。別の実施形態では、メチル化パターンは、核酸分子を、配列特異的メチラーゼおよびSAM標識化誘導体に曝露する工程、上記配列特異的メチラーゼが、上記SAM標識化誘導体を用いて上記核酸分子中のヌクレオチドを標識するのを可能にする工程、および上記核酸分子における標識化パターンを決定する工程によって、決定される。
【0026】
1つの実施形態では、コントロールは、正常な細胞または正常な組織サンプルである。別の実施形態では、コントロールは、正常な細胞からのデータセットである。
【0027】
別の局面では、本発明は、治療的処置の効力を評価する方法を提供する。この方法は、治療的処置前および治療的処置後に、被験体由来の生物学的サンプル中における核酸分子のメチル化パターンを決定する工程、および治療的処置前のメチル化パターンを、治療的処置後のメチル化パターンと比較する工程を包含し、ここで、治療的処置の結果としてのメチル化パターンにおける差異は、その治療的処置の効力を示す。
【0028】
1つの実施形態では、上記のメチル化パターンにおける差異は、全体的なメチル化レベルにおける増加である。別の実施形態では、上記のメチル化パターンにおける差異は、全体的なメチル化レベルにおける減少である。さらに他の実施形態では、上記のメチル化パターンにおける差異は、メチル化の位置における差異であるか、または規定された位置におけるメチル化の頻度における差異であるか、またはメチル化の型における差異である。
【0029】
1つの実施形態では、上記の治療的処置は、抗癌剤である。別の実施形態では、上記の治療的処置は、メチルトランスフェラーゼのインヒビターの投与を含む。メチルトランスフェラーゼのインヒビターは、5−アザシチジン、5−アザ−2’デオキシシチジン、5,6−ジヒドロ−5−アザシチジン、5−フルオロシチジン、および5−フルオロ−2’デオキシシチジンからなる群より選択され得るが、これらに限定されない。
【0030】
さらなる局面では、本発明は、核酸分子を光学的に分析するためのシステムを提供する。このシステムは、既知の波長の光学的放射線を放射するための光源;光路において光学的放射線を受容するための、および上記光学的放射線に曝露された核酸分子を受容して検出可能なシグナルを生成するための、相互作用ステーション;上記検出可能なシグナルの少なくとも2つの別々の波長帯を作り出すための、上記光路における二色性反射体;上記核酸分子と上記光学的放射線との相互作用から生じるシグナルを含む放射線を検出するように構築された光学的検出器;ならびに、上記シグナルを含む検出された放射線に基づいて、上記核酸分子を分析するように構築および配置されたプロセッサ、を備え、ここで上記核酸分子は、そのメチル化状態に従って標識される。
【0031】
1つの実施形態では、上記の相互作用ステーションは、局在化された放射線スポットを含む。さらなる実施形態では、上記のシステムはさらに、上記の局在化された放射線スポットを通してポリマー単位を受容しかつ前進させるように構築されたマイクロチャネルを備える。別の実施形態では、上記のシステムはさらに偏光子を備え、ここで上記の光源は、放射線ビームを放射するように構築されたレーザーを含み、そして偏光子は、そのビームを偏光するように配置される。いくつかの実施形態では、上記の局在化された放射線スポットは、スリットを使用して生成される。このスリットは、1nm〜500nmの範囲または10nm〜100nmの範囲のスリット幅を有し得る。いくつかの実施形態では、上記の偏光子は、スリットに到達する前にビームを偏光するように配置される。他の実施形態では、上記の偏光子は、スリットの幅と平行してビームを偏光するように配置される。
【0032】
前述のシステムのような線形ポリマー分析システムを使用して分析される核酸分子は、本明細書中に記載される任意の方法およびその組み合わせを使用して標識される。
【0033】
本発明の1つの局面では、核酸分子を分析する方法が提供され、この方法は、既知の波長の光学的放射線を生成して、局在化された放射線スポットを生成する工程;標識された核酸分子を、マイクロチャネルを通して通過させる工程;上記の局在化された放射線スポットにおいて、上記の標識された核酸分子を照射する工程;上記の局在化された放射線スポットにおいて、上記の標識された核酸と上記の光学的放射線との相互作用から生じる放射線を連続的に検出する工程;および検出された放射線に基づいて、上記の標識された核酸分子を分析する工程を包含し、ここで上記核酸分子は、そのメチル化状態に従って標識される。
【0034】
1つの実施形態では、この方法はさらに、上記の核酸分子を上記のマイクロチャネルを通して通過させるために電場を使用する工程を包含する。別の実施形態では、上記の検出する工程は、上記の核酸分子を上記のマイクロチャネルを通して通過させながら、経時的にシグナルを収集する工程を包含する。
【0035】
本発明の標識化方法は、以下を使用し得る:a)標識化配列特異的メチラーゼおよび標識化SAM誘導体、b)標識化配列特異的メチラーゼおよび標識されていないSAM誘導体、c)配列特異的メチラーゼおよび標識化SAM誘導体または標識化SAM、ならびにd)いずれも標識されていない、配列特異的メチラーゼおよびSAM。これらの後者の実施形態では、メチル化は、メチル化特異的抗体もしくはフラグメント、またはMBPの使用を通して検出されなければならない。重要な実施形態では、SAM誘導体はアジリジン誘導体である。配列特異的メチラーゼ、SAM誘導体およびSAMは、本明細書中に記載される任意の検出可能な標識で標識され得る。
【0036】
本発明のこれらの実施形態および他の実施形態は、本明細書中でより詳細に考察される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(発明の詳細な説明)
単一の核酸分子の検出は、単一の核酸分子における構造的モチーフの直接的な照会(interrogation)を可能にする。直接的な分析は、単一の核酸分子のメチル化状態が決定されることを可能にする。本発明によれば、核酸分子におけるメチル化状態の同定は、多数の異なる方法を通して達成され得る。これらの方法は、核酸分子におけるメチル化部位を直接的に標識化すること(メチル化ヌクレオチドを認識し、かつそのメチル化ヌクレオチドに結合する因子を使用する)、ならびに核酸分子を酵素的に改変して標識化ヌクレオチドを生じさせることを含む。直接的に標識する方法は、メチル化核酸結合タンパク質(MBP)、またはメチル化特異的抗体もしくは抗体フラグメントを使用し得る。酵素的に改変する方法は、標識化されたメチル化補因子(または、メチル化部位で核酸分子に対して共有結合的かつ不可逆的に結合され得る補因子誘導体)を使用し得る。酵素的方法は、核酸分子をメチル化するためかまたは核酸分子を標識するために使用され得る。脱メチル化もまた、脱メチル化の前および後に決定されたメチル化パターンのサブトラクションを行い得るので、分析の一部として含まれ得る。
【0038】
メチル化状態は、その核酸分子が由来する細胞または組織に関する情報を与える。例えば、変異促進性のメチル化を受けたヌクレオチドの存在は、その細胞が、DNA損傷剤のような発癌物質に曝露されたことを示し得る。特定のメチル化パターンは、前悪性状態または悪性状態と関連付けられ得、従って、例えば、腫瘍の発達前にこのようなメチル化パターンが同定されることにより、モニタリングまたは処置の必要がある被験体を同定し得る。
【0039】
単一の核酸分子においてメチル化を検出する能力はまた、核酸分子から配列情報を引き出すために利用され得る。配列依存的な様式で核酸分子をメチル化または標識化するための「配列特異的」メチラーゼの使用、ならびに生じたメチル化ヌクレオチドまたは標識化ヌクレオチドの位置および数を検出する能力は、核酸分子を配列決定する方法を提供する。
【0040】
1つの局面では、本発明は、配列特異的メチラーゼと、メチル化基質またはメチル化基質アナログとの使用に依存する。1つのメチル化補因子は、S−アデノシルメチオニン(SAM)である。SAMは、メチラーゼの作用を介して、核酸分子のような別の化合物へとメチル基を付与する。一旦SAMがメチル基を付与すると、そのSAMは、メチラーゼと同様に、その核酸分子から解離する。この反応は、特定の配列(例えば、配列特異的メチラーゼの認識配列)でヌクレオチドをメチル化するために、本発明の方法において使用され得る。メチル基自体が、例えば、水素ではなくトリチウム部分を使用することによって標識化され得る。他の標識もまたメチル基に結合され得、そして本発明は、この様式に限定されることを意図されない。前述の実施形態において、メチル化は可逆的な反応である。
【0041】
代わりに、メチラーゼ補因子がSAM誘導体(例えば、アジリジン誘導体)である場合、核酸の標識化は、メチラーゼおよびSAM誘導体のいずれかまたはその両方から由来し得る。SAM誘導体は、SAMおよび必要に応じてメチラーゼを、メチラーゼの認識配列にある核酸分子かまたはメチラーゼの認識配列の付近にある核酸分子に不可逆的に結合させ得る不可逆的反応を誘導する。(対照的に、SAMまたはトリチウム化SAMが使用される場合、メチラーゼは解離し得る。従って、この反応は可逆的な反応と言われる。)。メチラーゼおよびSAM誘導体は両方とも、核酸分子に不可逆的に結合し得るので、その位置を検出するために、従って、メチラーゼ認識配列の位置を検出するために、いずれかまたは両方を標識化することが可能である。いくつかの場合では、メチラーゼを標識化することが好ましい。なぜなら、SAM誘導体よりも多くの標識がメチラーゼに結合され得るからである。従って、いくつかの実施形態では、メチラーゼおよびSAM誘導体の両方を、不可逆的に結合させる。
【0042】
本明細書中で使用される場合、メチラーゼ反応は、SAMまたは標識化SAMを補因子として使用する場合には、核酸分子を「メチル化」することをいい、そしてSAM誘導体を(標識されているか否かにかかわらず)補因子として使用する場合には、核酸分子を「標識化」することをいう。
【0043】
本発明は、アジリジン誘導体に加えて、他のSAM誘導体を採用することを意図する(特に、このような誘導体がアジリジンと同様に機能する場合)。
【0044】
本明細書中に記載されるメチラーゼ、抗体およびMBP方法が、核酸分子における配列のマッピング(配列情報を引き出す目的のため)および核酸分子のメチル化状態の決定を含む、本発明のすべての局面において有用性を有することが理解される。
【0045】
本発明のなお他の局面では、本明細書中に提供される方法は、薬剤のメチル化活性および脱メチル化活性をスクリーニングするために使用され得る。本発明のこれらの適用および他の適用は、本明細書中で考察される。
【0046】
一般的に、本発明は、メチル化状態に基づいて、単一の核酸を分析するための方法、組成物およびシステムを提供する。本明細書中で使用される場合、「メチル化状態」は、核酸分子におけるメチル化ヌクレオチドのレベル(すなわち、数)、位置および/または型をいう。本明細書中で使用される場合、用語「メチル化状態」および「メチル化パターン」は、交換可能に使用される。メチル化部位は、配列特異的メチラーゼによって認識およびメチル化される、連続して連結されたヌクレオチドの配列である。メチラーゼは、メチル化部位において1つ以上のヌクレオチドをメチル化する(すなわち、メチル基を共有結合させる)酵素である。
【0047】
本発明の方法はまた、特定のメチル化ヌクレオチドの検出に限定されず、すべてのメチル化ヌクレオチドから情報を得ることを意図する。従って、本発明の方法を使用して、メチル化アデニン、メチル化シトシン、メチル化グアニン、メチル化チミン、およびメチル化ウリジンを検出し得る。上記で述べたように、これらのメチル化ヌクレオチドは、通常、正常な細胞において観察されるもの(これらは、例えば、通常、遺伝子座をサイレントにするためかまたは対立遺伝子をインプリントするために使用される)であり得る。あるいは、メチル化ヌクレオチドはまた変異促進性であるものであり得、これはそれらが、DNA損傷剤のような発癌物質に対して核酸分子を曝露したことから生じていることを意味する。
【0048】
本方法は、種々の核酸分子においてメチル化状態を分析することを意図する。これらの核酸分子としては、インビボ供給源およびインビトロ供給源の両方に由来する、DNAおよびRNAが挙げられる。mRNA、rRNAおよびtRNAのメチル化が報告されている(Tantravahiら、1981,56(3):315−320;Popeら、1978,5(3):1041−1057;Liuら、2002,44(11):195−204)。DNAとしては、ゲノムDNA(例えば、核DNAおよびミトコンドリアDNA)、およびいくつかの場合にはcDNA、が挙げられる。重要な実施形態では、核酸分子は、ゲノム核酸分子である。核酸分子は、一本鎖、二本鎖、部分的に一本鎖、および部分的に二本鎖であり得る。以下に記載するように、核酸分子は、天然に存在するものであっても、天然に存在しないものであってもよく、そしてさらに、そのメチル化状態は、インビボプロセスの結果であっても、実験操作(例えば、推定DNA損傷剤または推定脱メチル化剤への意図的な曝露)の結果であってもよい。
【0049】
用語「核酸」は、複数のヌクレオチド(すなわち、置換されたピリミジン(例えば、シトシン(C)、チミジン(T)またはウラシル(U))または置換されたプリン(例えば、アデニン(A)またはグアニン(G))のいずれかである交換可能な有機塩基に結合した糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)を含む分子)を意味するために、本明細書中で使用される。「核酸」および「核酸分子」は、交換可能に使用される。本明細書中で使用される場合、この用語は、オリゴリボヌクレオチドおよびオリゴデオキシリボヌクレオチドをいう。この用語はまた、ポリヌクレオシド(すなわち、ホスフェートのない(minus)ポリヌクレオチド)およびポリマーを含む任意の他の有機塩基を含む。核酸分子は、既存の核酸供給源(例えば、ゲノムまたはcDNA)から、または合成手段(例えば、核酸合成によって産生される)によって得られ得る。核酸分子のサイズは、制限されていない。核酸分子のサイズは、いくつかのヌクレオチド長(数百、数千または数百万のヌクレオチド長)であり得る。いくつかの実施形態において、核酸分子は、染色体の長さであり得る。
【0050】
本発明の方法は、予めインビトロで核酸を増幅させることなしに行われ得る。いくつかの好ましい実施形態において、核酸分子は、生物学的サンプル(例えば、組織または細胞培養物)より、核酸分子を増幅する必要なしに直接回収および単離される。よって、本発明のいくつかの実施形態は、インビトロで増幅されていない核酸分子の分析に関する。本明細書中で使用される場合、「インビトロで増幅されていない核酸分子」は、ポリメラーゼ連鎖反応または組換えDNA法のような技術を使用してインビトロで増幅されていない核酸分子をいう。
【0051】
しかし、インビトロで増幅されていない核酸分子は、生物学的サンプル中における細胞の発達の天然の結果としてインビボで(回収された生物学的サンプル中で)増幅される核酸分子であり得る。これは、インビトロで増幅されていない核酸分子が、いくつかの細胞型で通常観察される現象である遺伝子増幅の一部としてインビボで増幅される核酸分子であり得、そして癌の発達に関連し得る核酸分子であり得ることを意味する。結果として、本方法は、核酸分子のネイティブなメチル化状態を決定することを可能にする。本明細書中で使用される場合、「ネイティブなメチル化状態」は、インビボで存在するような核酸分子のメチル化状態(またはパターン)である。
【0052】
核酸の回収および単離は、当該分野において慣用的に行われ、そして適切な方法は、標準的な分子生物学の教科書に見出され得る。核酸分子は、組織または生物学的体液のような生物学的サンプルから回収され得る。本明細書中で使用される場合、用語「組織」は、以下を含む局在化された細胞集団および散在した細胞集団の両方をいう:脳、心臓、胸部、結腸、膀胱、子宮、前立腺、胃、精巣、卵巣、膵臓、下垂体、腺、副腎、甲状腺、唾液腺、乳腺、腎臓、肝臓、腸、脾臓、胸腺、骨髄、気管および肺。生物学的体液としては、唾液、血清、血漿、精液、血液および尿が挙げられるが、これらに限定されない。侵襲性および非侵襲性の技術は両方とも、このようなサンプルを得るために使用され得、そして当該分野において十分に示されている。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明を使用して、核酸誘導体を分析し得る。本明細書中で使用される場合、核酸誘導体は、天然に存在しない核酸分子である。核酸誘導体は、天然に存在しないヌクレオチドおよび骨格結合(linkage)のような、天然に存在しないエレメントを含み得る。
【0054】
核酸誘導体は、C−5プロピン改変塩基(Wagnerら、Nature Biotechnology 14:840−844,1996)のような置換されたプリンおよびピリミジンを含み得る。プリンおよびピリミジンとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、5−メチルシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、ならびに天然に存在する他の核酸塩基および天然に存在しない他の核酸塩基、置換された芳香族部分および置換されていない芳香族部分。他のこのような改変は、当業者に公知である。
【0055】
核酸誘導体はまた、例えば、塩基および/または糖における置換または改変を含み得る。例えば、これらは、3’部分のヒドロキシル基および5’部分のリン酸基以外の低分子量有機基に共有結合される骨格糖を有する核酸分子を含む。よって、核酸誘導体は、2’−O−アルキル化リボース基を含み得る。さらに、核酸誘導体は、リボースの代わりにアラビノースのような糖を含み得る。この核酸は、骨格組成において均質であっても不均質であってもよい。
【0056】
天然に存在しない骨格結合としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート、アルキルホスホネート、ホスフェートエステル、アルキルホスホノチオエート、ホスホルアミデート、カルバメート、カルボネート、ホスフェートトリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステル、メチルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、p−エトキシおよびこれらの組み合わせ。本発明はまた、ペプチドから構成される核酸誘導体または核酸残基を欠く核酸誘導体の分析を包含する。
【0057】
本発明は、核酸分子のメチル化状態を決定するいくつかの方法、および核酸分子から配列情報を引き出すいくつかの方法を提供する。本明細書中で使用される場合、核酸分子からの配列情報の誘導はまた、核酸分子を「マッピング」するといわれる。よって、メチラーゼの認識配列は、本明細書中に提供される方法を使用して、核酸分子上にマッピングされる。得られた情報は、例えば、その天然の供給源において存在するような、核酸分子のネイティブなメチル化状態であり得る。この情報は、細胞の遺伝子発現パターン、潜在的な前悪性表現型もしくは悪性表現型、または特定の治療効率を示し得る。
【0058】
本明細書中に記載される方法は、酵素的手段を使用して、核酸分子をメチル化または標識する工程、あるいはメチル化したヌクレオチドを認識しかつそのメチル化したヌクレオチドに特異的に結合する因子で核酸分子を直接標識する工程を典型的に包含する。これらの方法は、単独で使用されても、メチル化状態または配列情報を決定することと組み合わせて使用されてもよい。
【0059】
いくつかの方法は、配列特異的メチラーゼの作用を利用する。メチラーゼ(または、メチルトランスフェラーゼとも呼ばれる)は、メチル基を1つ以上のヌクレオチドに共有結合させる酵素である。好ましくは、メチラーゼは、配列特異的である。本明細書中で使用される場合、「配列特異的」は、メチラーゼがヌクレオチドまたはその誘導体の特定の線状配置を認識し、その配置内のヌクレオチドまたはその配置近傍のヌクレオチドのいずれかをメチル化することを意味する。一般に、配列特異的メチラーゼは、このメチラーゼが認識する同一配列内の1つ以上のヌクレオチドをメチル化する。
【0060】
配列特異的メチラーゼとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:SssI(CpGメチラーゼ;CmG)、ヒトDNA(シトシン−5)メチルトランスフェラーゼ(DNMT1)、ヒトDNA(シトシン−5)メチルトランスフェラーゼ(Dnmt1)アミノ末端、DNMT3a、DNMT3b、AluIメチラーゼ(AGCmt)、BamHIメチラーゼ(GCATCmC)、ClaIメチラーゼ(ATCGAmT)、damメチラーゼ(GAmTC)、EcoRIメチラーゼ、HaeIIIメチラーゼ、HhaIメチラーゼ、HpaIIメチラーゼ、MspIメチラーゼ(CmCGG)、TaqIメチラーゼ、mRNA N6−アデノシンメチルトランスフェラーゼ(Pu(G/A)AC(U/A)(ここで、Aがメチル化されている))、およびrRNAメチルトランスフェラーゼRrmA(すなわち、rRNAラージサブユニットメチルトランスフェラーゼ)。上記のメチラーゼのいくつかの配列特異性が、(その後ろの「m」で示されるメチル化ヌクレオチドにより)示される。他のメチラーゼの配列特異性およびそのメチラーゼがメチル化するヌクレオチドは、これらの酵素の任意の商業的供給業者(New England Biolabsを含むが、これに限定されない)のカタログに参照されることによって決定され得る。本発明の方法において使用され得る他のメチラーゼとしては、DNA修復タンパク質、O6−メチルグアニンRNAメチルトランスフェラーゼ、およびS−アデノシル−L−メチオニンメチルトランスフェラーゼが挙げられる。本発明がRNAメチラーゼおよびDNAメチラーゼの使用を含むこともまた、理解されるべきである。RNAの配列特異的メチル化は、1999年10月26日に発行された米国特許第5,972,705号に報告されている。
【0061】
メチラーゼは、典型的には細菌より得られる。種々の細菌株は、制限酵素−メチル化転移酵素の独特な組み合わせを有する。細菌細胞でのメチル化は、細菌細胞に宿主核酸と外来核酸との間を区別させる防御機構に関与する。この後者の局面において、制限エンドヌクレアーゼおよびメチラーゼは、分解するために外来DNAを標的化するように合わせて作用する。よって、公知の制限エンドヌクレアーゼのいずれもが、同一の核酸配列を認識する同族のメチラーゼを有する。各酵素対は、独特のDNA配列を認識する。配列がメチル化されている場合、制限酵素は、この特異的部位で核酸分子を切断しない。細菌は、自身のDNAをこれらの特異的認識部位でメチル化し、これにより、同族の制限酵素から自身のDNAを保護する。この特異的DNA配列を含み得るメチル化されていないDNA(例えば、外来DNA)は、制限エンドヌクレアーゼ切断の対象である。
【0062】
本発明の方法において適切なメチラーゼはまた、かなり多数の供給源(哺乳動物種、線虫(例えば、C.elegans)、ウイルス種などを含む)由来であり得る。配列特異的メチラーゼは、標準的なメチル化反応においてメチルドナーとしてSAMを共通して使用する。通常、SAMは、ヌクレオチドにメチル基を付与し(メチル化ヌクレオチドを生じる)、そしてメチラーゼとともに核酸分子から放出される。DNAメチラーゼは、例えば、N6位のアデニン(例えば、より高等な真核生物におけるmRNAの内部位置において見出される)のメチル化、およびC5位またはN4位のシトシンのメチル化を触媒し得る。他のメチラーゼは、これらのヌクレオチドおよび他のヌクレオチド上の種々の位置で核酸をメチル化する。
【0063】
配列特異的メチラーゼはまた、標識核酸分子のSAMの標識された誘導体とともに機能し得る。2000年2月10日に公開されたPCT特許出願WO00/06587は、SAMの誘導体であるメチラーゼの補因子を記載する。メチラーゼとともに使用される場合、SAM誘導体は、メチル化ヌクレオチドに直接付加され得る。しかし、SAMとは異なり、メチラーゼが不可逆的に結合される場合、基質もメチラーゼも核酸分子から解離し得ない。
【0064】
以前に言及されたように、SAMおよびSAM誘導体は、これらの位置(SMA誘導体の場合)または付与されたメチル基の位置(SAMの場合)を検出するために、両方とも標識され得る。さらに他の実施形態において、メチラーゼ自体が標識され得、ここで、SAM誘導体は、(そのように所望されるならば、標識され得るが)標識される必要はない。
【0065】
SAMおよびSAM誘導体(例えば、アジリジン誘導体)は、レポーターまたは他の反応性化学基を含み得る。例として、アジリジン誘導体に結合され得るレポーターまたは反応性化学基としては、以下が挙げられる:発蛍光団、反応基(例えば、アミン、カルボキシル基など)、アフィニティタグ、架橋剤(例えば、マレイミド、ヨードアセトアミド、アルデヒド誘導体)、光架橋剤(例えば、アリールアジド、ジアゾ化合物およびベンゾフェノン)、発色団、タンパク質(例えば、抗体および酵素)、ペプチド、アミノ酸(改変されているかまたはされていない)、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸、炭水化物、脂質、PEG、トランスフェクション試薬、ビーズ(例えば、マイクロビーズ)およびインターカレート剤(例えば、エチジウムブロミド、ソラレンおよびこれらの誘導体)。いくつかの実施形態において、好ましい発蛍光団としては、以下が挙げられる:BODIPY、クマリン、ダンシル、フルオレセイン、マンシル、ピレン、ローダミン、Texas Red、TNS、シアニン発蛍光団(例えば、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7)。アフィニティタグは、以下からなる群より選択され得る:ペプチドタグ(例えば、his−タグ、strep−タグ、flag−タグ、c−myc−タグ、エピトープおよびグルタチオン)、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノールなど。
【0066】
メチラーゼおよびSAM誘導体(例えば、アジリジン誘導体)を使用する核酸分子の酵素標識の利点の1つは、特定の位置での標識の数を増加させ、これにより改変されたヌクレオチドから生成されたシグナルを増加させる能力である。これは、アジリジン誘導体が自身の不可逆的結合およびいくつかの場合核酸分子に対するメチラーゼの不可逆的結合を増加させるからである。タンパク質(例えば、メチラーゼ)の表面上の反応基の数および多様性を考慮して、複数の標識をメチラーゼに導入し得るべきである。メチラーゼが標識される場合、アジリジン誘導体が標識される必要はない。あるいは、アジリジン誘導体は標識され得るが、酵素は標識され得ない。しかし、この後者の実施形態において、標識および対応して検出されるシグナルの量は、メチラーゼが標識される場合よりも低い。好ましい実施形態において、メチラーゼ上の標識は同一であるが、異なり得る距離が存在する。例えば、利用可能な独特の検出可能な標識の数を増加させるために、特定の独特な配列を生成するために、例えば、異なる発蛍光団を合わせることが可能であり得る。いくつかの実施形態において、メチラーゼ上の標識は、FRET標識である。
【0067】
本明細書中で使用される場合、SAM標識誘導体とともに、配列特異的メチラーゼは、核酸分子を「メチル化」するのではなく「標識」する。しかし、標識化は、メチル化と同一の位置で生じる。よって、「標識パターン」は、「メチル化パターン」を代理する。
【0068】
メチル化反応は、配列特異性が公知でありそして公知の標識(または公知の標識の組合わせ)で標識されたメチラーゼを使用することによって行われる。あるいは、SAMまたはSAM誘導体が標識される。配列特異的メチラーゼと標識との公知の組み合わせが使用され得、その結果、後者の組み込まれた標識がメチラーゼの認識配列のマーカーとして使用され得る。
【0069】
一連のメチラーゼ反応は、連続して行われ得る。メチル化パターンは、メチラーゼ反応間で決定され得る。あるいは、メチル化パターンは、全てのメチラーゼ反応の完了後に決定され得る。
【0070】
以前に言及されたように、これらの方法は、予め核酸分子を増幅することに依存しない。よって、メチラーゼ反応は、回収および単離されたばかりの核酸分子に対して直接行われ得る。核酸分子に対するメチラーゼ反応は、回収時にはメチル化されていなかったこれらのヌクレオチドをメチル化または標識する。核酸分子の回収時にメチル化されていたヌクレオチドは、いくつかの場合、この手順によってさらにメチル化され得ない。しかし、これらの後者のメチル化部位は、本明細書中に記載される多くの方法において決定され得る。これらの方法は、より詳細に記載されるが、簡単には、全てのメチル化部位の脱メチル化、その後の、全ての部位(インビボでメチル化された部位、および第1のメチラーゼ反応においてメチル化された部位を含む)を標識するための再メチル化を含む。いくつかの実施形態において、第1のメチラーゼ反応は、メチラーゼおよび標識されたSAM誘導体(例えば、アジリジン)を用いて行われる。次いで、核酸分子は、標識されたアジリジン誘導体の存在について分析され得、その後、その核酸分子は脱メチル化され得、そして1つ以上のメチラーゼおよび異なる標識を有するSAM誘導体に再度曝露され得る。この方法において、インビボでのメチル化部位は、メチル化されていない部位と区別され得る。他の実施形態において、SAMおよびメチラーゼの組み合わせを使用する前に脱メチル化する必要はない。例えば、ヒトゲノムなどにおいて見出される正常なCpGメチル化と重複しないメチラーゼを使用する場合、全く脱メチル化する必要はない。例えば、BamHIメチラーゼは、配列GGATCCを認識し、そして脱メチル化工程によって影響されない。
【0071】
方法の組み合わせのいずれもが本発明によって含まれること、および当業者が、特定の適用にどの組み合わせが最も適しているかを容易に決定することが、理解されるべきである。
【0072】
1つの実施形態において、核酸分子は回収され得、そして1つ以上の配列特異的メチラーゼおよびSAM標識誘導体で標識され得る。全ての「利用可能な」メチル化部位(すなわち、メチル化され得るがメチル化されていない部位)は、この方法において標識され得る。次いで、この標識パターンは、正常なメチル化パターン(標識されたメチル化部位全てを有する)と比較され得る。正常メチル化パターンから標識パターンを差し引くことによって、回収時に核酸分子においてメチル化されていたメチル化部位を同定することが可能である。これらのメチル化パターンはまた、核酸分子およびメチル化部位をゲノムに対して方向付けるためにゲノムマップと比較され得る。
【0073】
本発明の方法は、メチル化の総量を検出し得るのみならず、メチル化の位置および型をも決定し得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、特に、型または認識配列に関わらずメチル化部位全てが決定されるべき実施形態において、複数のメチラーゼが、1つの型のみのSAM誘導体とともに使用され得る(すなわち、同一のSAM標識誘導体が、全てのメチラーゼによって使用され、よって、全てのメチル化部位が、同一の標識で標識される)。
【0075】
酵素的メチル化反応がまたSAMを基質として使用し得、これにより、核酸分子にメチル基を移し得ることが、明らかである。この場合において、メチル化ヌクレオチドは、トリチウムでそのメチル基を標識し、核酸分子をMBPまたは、下記に記載されるようなメチル化特異的抗体もしくは抗体フラグメントに曝露することによって可視化され得る。
【0076】
すでにメチル化されているメチル化核酸分子を直接標識することを包含する方法は、核酸分子上のメチル化部位を認識し、このメチル化部位に結合する因子を使用する。このような因子の例としては、MBPおよびメチル化特異的抗体または抗体フラグメントが挙げられる。
【0077】
いくつかのMBPが、RETT症候群および神経膠腫を含む特定の障害において同定された。特に、RETT症候群変異は、X連鎖メチルCpG結合タンパク質2(MeCP2)にマッピングされた(Amirら,1999,23(2):185−8)。MeCP2は、CpGジヌクレオチドに結合し、これにより転写を抑制する。同定されている他のMBPとしては、MBD1、MBD2、MBD3およびMBD4/MED1が挙げられる(Schlegelら、Oncol.Rep.2002,9(2):393−5)。MBP全体または単にそのメチル化核酸結合ドメインを使用して、メチル化ヌクレオチドを直接標識し得る。多くのMBPは、CGジヌクレオチドの状況下におけるメチル化シトシンを認識するが、本発明は、その結合特異性に関わらずMBPを含むことを意図する。
【0078】
本発明のいくつかの局面において、本方法は、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントを使用する。抗体に対する任意の参照が抗体フラグメントに対して等価に適用されることが、理解されるべきである。これらの抗体は、多くのメチル化ヌクレオチド(メチル化アデニン、メチル化チミン、メチル化シトシン、メチル化グアニンおよびメチル化ウリジンを含む)に対する特異性を有し得る。メチル化ヌクレオチドの例としては、以下が挙げられる:N6−メチルアデニン、4−メチルシトシン、5−メチルシトシン、7−メチルグアニン、O4−メチルチミン、O6−メチルグアニン、6−メチルアデノシン、2,2,7−トリメチルグアニンなど。
【0079】
メチル化ヌクレオチドに特異的な抗体は、Megabase Research Productsより商業的に購入され得る。あるいは、同様の特異性を有する未標識抗体は、ErlangerおよびBeiser(PNAS,52:68,1964)ならびにSanoら(Biochemica et Biophysica Acta、951:157,1988)によって記載されている。1999年3月4日に公開されたPCT特許出願WO99/10540は、メチル化ヌクレオチドに特異的な抗体を調製するための他の方法および供給源を教示する。Kawaradaらはまた、メチル化DNAに特異的な抗体のウサギにおける合成を教示する(Tohuku J.Exp Med.1986,149(2):151−161)。よって、メチル化特異的抗体は、任意の型のメチル化ヌクレオチドに対して作製され得る。いくつかの実施形態において、抗体は単離される。他の実施形態において、抗体は、抗血清または腹水として提供される。抗体は、モノクローナルであってもポリクローナルであってもよい。
【0080】
抗体またはMBPは、回収および単離された核酸と接触され、そしてこれらの標的との相互作用(例えば、結合)を可能にする。いくつかの例において、複数の抗体またはMBPを使用することが望ましくあり得、これらの各々は、他の抗体またはMBPとは異なる独特の特異性を有し、そして各々は、他の抗体またはMBPとは異なる標識で標識される。異なる抗体またはMBPに対する曝露は、同時または連続的に起こり得る。次いで、生じた核酸は、複数の抗体またはMBPで標識され、これらの各々は、種々の型のメチル化ヌクレオチドに結合し、そして各々は異なる標識を有する。
【0081】
いくつかの例において、本方法は、特定のメチル化ヌクレオチドのみを標的化し、そのため、特定の型のメチル化ヌクレオチド(例えば、5−メチルシトシンではなく、4−メチルシトシン))を認識しそしてこれに結合する抗体のみを含む。あるいは、本方法は、無差別であり、そしてある範囲のメチル化ヌクレオチドに対する抗体のパネルを使用する。
【0082】
本明細書中で使用される場合、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントおよびMBPは、メチル化部位で核酸分子に結合する。よって、これらの因子の「結合パターン」は、この核酸分子の「メチル化パターン」を代理する。
【0083】
直接結合法は、多くの方法において使用され得る。例えば、回収された核酸上でのメチル化特異的抗体または抗体フラグメントの結合パターンあるいはMBPの結合パターンが決定され得、次いで、正常なメチル化パターンと比較され得る。あるいは、結合パターンは、ゲノム地図(例えば、ゲノム配列決定プロジェクトから利用可能なもの)と比較され得る。これは、核酸分子の回収に際してメチル化される部位を同定する。別の例において、核酸分子はさらに、脱メチル化、続いて、複数のメチラーゼおよびSAMを用いる再メチル化、続いて、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントあるいはMBPの再結合によって処理され得る。この実施形態において、核酸分子の標識のみが、抗体またはMBPの結合に由来し、メチラーゼにもSAMにも由来しない。
【0084】
さらに別の実施形態において、核酸は、メチラーゼおよびSAM標識誘導体に曝露され得、次いで、このSAM誘導体の標識とは異なる標識を有するメチル化特異的抗体に曝露され得る。この方法において、予め存在するメチル化部位は、核酸分子中の非メチル化部位とは区別され得る。
【0085】
本発明は、本明細書中に提供される酵素的方法および/または結合方法の使用を含むことを意図するが、本明細書中に列挙される方法の例および組み合わせに限定されることは意味されない。
【0086】
他の実施形態において、メチル化ヌクレオチドは、メチル化特異的抗体フラグメントを使用して検出される。当該分野において周知であるように、抗体分子の小部分(パラトープ)のみが、そのエピトープへのその抗体の結合に関与する(一般に、Clark,W.R.(1986)The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley&Sons,Inc.,New York;Roitt,I.(1991)Essential Immunology,第7版,Blackwell Scientific Publications,Oxfordを参照のこと)。例えば、抗体のpFc’領域およびFc領域は、補体カスケードのエフェクターであるが、抗原結合に関与しない。pFc’領域が酵素的に切断されている抗体、またはpFc’領域なしに産生された抗体(F(ab’)2フラグメントと称される)は、インタクトな抗体の抗原結合部位の両方を残す。単離されたF(ab’)2フラグメントは、その2つの抗原結合部位に起因して二価モノクローナルフラグメントといわれる。同様に、Fc領域が酵素的に切断されている抗体、またはFc領域なしに産生された抗体(Fabフラグメントと称される)は、インタクトな抗体分子の抗原結合部位の一方を残す。さらに、Fabフラグメントは、共有結合した抗体軽鎖およびFd(重鎖可変領域)と称される抗体重鎖の一部から構成される。Fdフラグメントは、抗体特異性の主要な決定基(単一のFdフラグメントは、抗体特異性を変化させることなく異なる10個までの軽鎖と結合され得る)であり、そしてFdフラグメントは、単離物中にエピトープ結合能を残す。
【0087】
用語Fab、Fc、pFc’、F(ab)2およびFvは、標準的な免疫学的意味で使用される(Klein,Immunology(John Wiley,New York,NY,1982);Clark,W.R.(1986)The Experimental Foundations of Modern Immunology(Wiley&Sons,Inc.,New York);Roitt,I.(1991)Essential Immunology,第7版,(Blackwell Scientific Publications,Oxford))。
【0088】
他の局面において、抗体は、ヒト抗体由来の領域および非ヒト抗体由来の領域を有するキメラであり得る。このような抗体を作製するための方法は、当該分野において公知である。
【0089】
本方法のさらなる実施形態において、核酸分子はさらに、酵素的メチル化またはMBPもしくは抗体(またはそのフラグメント)での直接標識の前または後にプロセスされ得る。
【0090】
例えば、核酸分子は、核酸分子由来のほとんどの(全てではない場合)メチル基を除去するように脱メチル化因子(例えば、脱メチル化酵素、すなわち、デメチラーゼで処理され得る。脱メチル化因子は、核酸分子から大部分のメチル基(全てのメチル基ではない場合)を除去するために有効な量で使用される。大部分のメチル基の除去は、好ましくは、70%より多く、より好ましくは、80%より多く、さらにより好ましくは、90%より多く、そして最も好ましくは、95%より多く(すなわち、96%、97%、98%、99%および100%)のメチル基が脱メチル化酵素への曝露の後に除去されることを意味する。いくつかの例において、脱メチル化因子を使用して、特定のメチル化ヌクレオチドからメチル基を除去する(例えば、メチルシトシンからのメチル基の除去)。他の実施形態において、脱メチル化因子は、全てのメチル化ヌクレオチドからメチル基を無差別に除去する。さらに他の実施形態において、脱メチル化因子のセットを使用して、同時にかまたは連続的にかのいずれかで核酸分子を脱メチル化する。
【0091】
重要な実施形態において、脱メチル化因子は、デメチラーゼである。DNAデメチラーゼ(DNA dMTase)は、1999年5月20日に公開されたPCT特許出願WO99/24583に記載されている。
【0092】
脱メチル化は、メチル化分析の前、後またはその間に行われ得る。いくつかの例において、全ての潜在的メチル化部位の読出しを不明にする予め存在するメチル化をすべて除去するために、脱メチル化がメチル化分析の前に行われることが、好ましくあり得る。これは、核酸分子がそのメチル化状態について分析される場合ではなく配列決定またはマッピングされる場合に好ましくあり得る。核酸分子のメチル化状態が代わりに探索される場合、最初にメチル化分析、次いで、脱メチル化(メチル化の除去のため)、次いで、全ての潜在的メチル化部位を同定するための再メチル化を行うことが好ましくあり得る。第1のメチル化パターンおよび第2のメチル化パターンの比較は、核酸分子中のメチル化ヌクレオチドの位置、数および頻度についての情報を提供する。
【0093】
従って、いくつかの実施形態では、脱メチル化後、核酸分子が、SAMまたはSAM誘導体の存在下で1つ以上の配列特異的メチラーゼに曝露され、その結果、核酸分子は、場合によっては、再メチル化または再標識され得る。重要な実施形態では、全ての既知のメチラーゼは、核酸分子の最大限のメチル化または標識を達成するために反応に添加される。メチラーゼが、SAMと共に用いられる場合、核酸分子はメチル化され、そしてメチル化されたヌクレオチドは、MBPおよび本明細書中に記載される抗体を用いて可視化され得る。代わりに、メチラーゼがSAM誘導体(例えば、アジリジン)と共に用いられる場合、核酸分子は、メチル化よりもむしろ標識され、そして標識は、MBPまたはメチル化特異的抗体の必要性なしに検出され得る。本明細書中で言及されるように、SAM誘導体(例えば、アジリジン誘導体)を用いる場合、標識は、SAM誘導体またはメチラーゼに対してなされ得る。
【0094】
本発明はまた、核酸分子に沿って配列(メチラーゼ認識配列に対応する)をマッピングする方法を提供する。互いに対するか、または他のゲノムマーカーに対する(例えば、他のゲノムマッピング)かのいずれかで、これらの配列の各々についての位置情報を得ることが可能である。これらの方法を用いて得られる配列情報は一部である。なぜならば、この方法は、メチラーゼの認識配列を検出するように制限されるからである。従って、核酸分子の連続配列は一般的に得られず、むしろ、この結果は、核酸分子、および潜在的にゲノムに沿って分布されるメチラーゼ認識部位のマップである。
【0095】
メチラーゼは、特徴的な認識配列内またはこの認識配列付近の特定のヌクレオチドで核酸をメチル化するので、メチル化ヌクレオチドは、この認識配列の存在の指標である。同様に、メチラーゼへの曝露の後に標識されたヌクレオチドおよびSAM標識誘導体の存在もまた、認識部位の存在の指標である。
【0096】
MBPおよびメチル化特異的抗体(またはそのフラグメント)はまた、特にこれらが制御されたインビトロでのメチル化反応から生じるメチル化(例えば、配列特異的メチル化)を検出するために用いられる場合、配列決定目的のために用いられ得る。例えば、核酸分子は、配列特異的メチラーゼおよびSAMを用いてメチル化され得、その後、メチル化反応から生成することが既知であるメチル化ヌクレオチドの型に特異的な抗体またはMBPに曝露され得る。この抗体またはMBPの結合は、特定のメチル化ヌクレオチドが存在することを示し、次いで、これは、特定の既知の認識配列が、メチル化ヌクレオチドにまたはメチル化ヌクレオチドの付近に存在することを示す。メチル化反応および標識は、特に生成されるメチル化ヌクレオチドが同じである場合、連続した順序で行われ得る。メチラーゼが、異なるメチル化ヌクレオチドを生成する場合、これらは、抗体またはMBPがメチル化ヌクレオチドを認識し得るように、一緒にインキュベートされ得る。MBPおよびメチル化特異的抗体もまた、連続して用いられ得る。
【0097】
以下に、どのように配列情報が核酸分子から得られ得るかを簡単に記載する。生物学的サンプル(例えば、組織サンプルまたは体液またはエキソビボ組織培養物)から収集および単離される核酸分子は、上記されるような脱メチル化酵素に最初に曝露される。この曝露は、好ましくは、メチル化ヌクレオチドの大部分が、脱メチル化されるまで続けられる。脱メチル化の後、核酸分子は、予め決定したメチラーゼと標識SAM誘導体の組み合わせに連続して曝露される。重要な実施形態では、可能な限り多くのメチラーゼが、連続的な様式で用いられ得る。各々のメチラーゼは、(対合される)核酸分子の特定のSAM誘導体での標識が、認識配列を示すように、固有かつ別個の認識配列を有するべきである。結果は、核酸分子が、多数の異なる標識(各々が、特定の既知の認識配列に対応する)で標識されることである。核酸の両方の鎖がこの技術を用いて標識され、そして両方の鎖は、一緒かまたは別々に分析され得る。
【0098】
例として、2つ以上のメチラーゼが、例えば、異なる発蛍光団を核酸分子に付着させるために連続して用いられ得る。各発蛍光団は、異なる認識配列の存在に対応する。従って、核酸分子は、あるメチラーゼ/発蛍光団の組み合わせ、次いで別のものなどで標識され得る。さらなる例として、EcoR1、BamH1、およびPVU IIメチラーゼの各々は、6塩基認識配列を識別する。個別に、固有の6塩基配列の各々が、平均、1:4096塩基対で生じる。従って、合計3つのメチラーゼが(各々、固有のSAM誘導体と共に)用いられる場合、少なくとも1364塩基対のオーダーの分解能で核酸分子の配列マップを得ることが可能であるはずである。用いられるメチラーゼが多くなれば、分解能も高くなる。いくつかの実施形態では、分解能は、用いられるシステムの分解能の限界により制限される。いくつかの実施形態では、この分解能は、少なくとも100bp、少なくとも200bp、少なくとも300bp、少なくとも400bp、少なくとも500bp、少なくとも600bp、少なくとも700bp、少なくとも800bpまたはそれ以上である。この分解能はまた、既にメチル化されている部位を認識し、この部位に結合し、そして/またはこの部位に作用するメチラーゼの能力により制限され得る。従って、いくつかのメチラーゼが用いられる場合、重複する認識配列が全て検出されるとは限らない。
【0099】
このように標識された核酸分子の各々は、メチル化認識部位の固有のパターンを有する。この固有のパターンは、核酸分子の「フィンガープリント」に類似し得る。用いられる異なるメチラーゼ(各々が異なる認識配列を有する)の数が多くなれば、より多くの配列情報が利用可能になる。
【0100】
いくつかの実施形態では、配列情報は、ヒトゲノムプロジェクトのような情報源から利用可能であるゲノム配列情報と比較され得る。本発明の方法を用いて推定されるメチル化パターンはまた、物理的ゲノムマップ上にスーパーインポーズされ得る。これらのマップ(配列マップ、モチーフマップおよび構造マップを含む)は、ヒトゲノムプロジェクト、または他の生物のゲノム配列決定プロジェクトのような公の情報源から利用可能である。本発明の方法を用いて誘導されるメチル化パターンのスーパーインポーズは、分析されるゲノムの領域を位置付けるのに役立つ。従って、ゲノムの物理的マップは、本発明の方法を用いて決定されるメチル化パターンを方向付けるための参照として用いられる。さらに、メチル化される遺伝子座(例えば、活性な遺伝子座またはサイレントな遺伝子座、インプリントされた遺伝子座(imprinted loci)、ならびにこれまで未知の遺伝子座(すなわち、機能が未だ割当てられていない遺伝子座))を同定するためにもまた役立つ。本発明の全ての局面は、メチル化パターンを、特定の種についてのゲノムまたはその一部の物理的マップと比較する工程を包含する。いくつかの実施形態では、核酸のサンプルは、2つの等しいアリコートに分けられ、そして各々のアリコートは、別々に処理される。1つのアリコートは、脱メチル化され得、一方、他のアリコートは、本発明のMBPまたはメチル化特異的抗体で標識される。次いで、脱メチル化されたアリコートは、全ての可能な部位をメチル化するために、メチル化され得る。両方のアリコートは、好ましくは、互いに対して2つのアリコートの核酸分子を整列させるために用いられ得る独立したマーカーで処理され得る。この独立したマーカーは、単に、短いヌクレオチド配列に対する核酸プローブであり得る。このプローブは、メチル標識反応に用いられる他の標識から、別々に標識される。次いで、アリコートが分析され、そして位置データが、アライメントのための第3のマーカーのパターンを用いて、他のものから減算される。この減算は、収集の時点でメチル化されていないヌクレオチドを表す差異を生じるはずである。当業者は、収集の時点でメチル化されたヌクレオチドに対応する差異を導くために、これらの反応の順序を操作する方法を理解する。
【0101】
本発明の方法は、標識される試薬の使用を包含する。これらの試薬としては、メチラーゼ、SAM誘導体、抗体、抗体フラグメント、およびMBPが挙げられる。本明細書中で用いられる場合、これらの薬剤は、好ましくは、検出可能な標識に共有結合される。検出可能な標識としては、直接検出可能である標識および間接的に検出可能である標識が挙げられる。一般的に、標識の検出は、標識によるエネルギーの吸収または放出を包含する。この標識は、特定の波長の光を発光および/または吸収する能力によって直接検出され得る。標識は、それ自体が特定の波長の光を発光または吸収し得る別の部分を、結合、補充、および、場合によっては、切断する能力によって間接的に検出され得る。間接検出の例は、眼に見える産物へと基質を切断する第1の酵素標識の使用である。標識はまた、酵素基質であり得る。
【0102】
この標識は、化学物質、糖質、脂質、ペプチド、または核酸の性質のものであり得るが、これらに限定されない。他の検出可能な標識としては、放射性同位体(例えば、P32またはH3)、化学ルミネセンス基質、発色基質、発光マーカー(例えば、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、TRITC、ローダミン、テトラメチルローダミン、R−フィコエリトリン、Cy−3、Cy−5、Cy−7、テキサスレッド、Phar−Red、アロフィコシアニン(APC)など))、光学的マーカーまたは電子密度マーカーなど、ビオチン、アビジン、ジゴキシゲニン、またはエピトープタグ(例えば、FLAGエピトープまたはHAエピトープ)、ビオチン、アビジン、および酵素タグ(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトースなど)が挙げられる。
【0103】
標識として、米国特許第6,207,392号に記載される、量子ドット(quantum dot)(すなわち、Qdot)のような半導体ナノクリスタルの使用もまた、本発明により想定される。Qdotは、Quantum Dot Corporationから市販されている。標識はまた、電気的に荷電した伝達分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁気分子などであり得る。
【0104】
さらに他の実施形態では、検出可能な標識は、リガンド/レセプター対のリガンドまたはレセプター、マイクロビーズ、磁気ビーズ、またはアフィニティー分子である。
【0105】
本発明の薬剤に対する標識の連結は、多数の公知の共有結合プロセスおよび非共有結合プロセスにより実行され得る。これらの連結は、当該分野で慣用的である。種々の薬剤に対して種々の標識を連結するために用いられ得る汎用連結系は、van Gijlswijkら(Expert Rev Mol Diagn 2001,1(1):81−91)により記載される。
【0106】
検出可能な標識はまた、抗体または抗体フラグメントおよびこれらの対応する抗原またはハプテン結合パートナーであり得る。(これらの抗体およびそのフラグメントは、本明細書中で議論されるメチル化特異的抗体およびフラグメントと混同されるべきではない)。このような結合抗体およびタンパク質またはペプチドの検出は、当業者に公知の技術により達成される。ジゴキシゲニンまたはジニトロフェニルのようなハプテン結合体の使用もまた、ここで十分に適している。ハプテン結合体に応答して形成する抗体/抗原複合体は、標識をハプテンまたはハプテンを認識する抗体に連結し、次いで標識の部位を観察することによって、容易に検出される。あるいは、抗体は、用いられる一次抗体に特異的である二次抗体またはそのフラグメントを用いて可視化され得る。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体が用いられ得る。抗体フラグメントとしては、Fab、F(ab)2、Fd、およびCDR3領域を含む抗体フラグメントが挙げられる。
【0107】
標識はシグナルを放出し、そしてこのシグナルは検出システムにより検出されなければならない。この検出システムは、標識の性質に基づいて選択され得、そして蛍光検出システム、電気検出システム、写真フィルム検出システム、化学ルミネセンス検出システム、酵素検出システム、原子間力顕微鏡(AFM)検出システム、走査トンネル顕微鏡(STM)検出システム、光学検出システム、核磁気共鳴(NMR)検出システム、近距離場検出システム、全反射(TIR)システム、および電磁気検出システムからなる検出システムの群から選択され得るが、これらに限定されない。
【0108】
本発明は、標識の任意の組み合わせが、核酸の長さに沿って用いられ得ることを意図する。これは、核酸分子が、その長さに沿って、発蛍光団、発色団、核磁気共鳴標識、および半導体ナノクリスタルで標識され得、そして本明細書中に記載されるシステムにより分析され得ることを意味する。これらのシステムは、多数の異なる「シグナル様式」からシグナルを検出する能力を有する。
【0109】
核酸の分析は、標識からシグナルを検出し、そして互いに対するこれらの標識の相対的位置を決定することを包含する。いくつかの例では、このように得られた情報を分析した他の核酸からの情報と比較することを容易にする標準的なマーカーを用いて、核酸分子をさらに標識することが好適であり得る。例えば、この標準的なマーカーは、骨格標識、または(固有の配列であってもそうでなくても)ヌクレオチドの特定の配列に結合する標識、核酸分子中の特定の位置(例えば、複製起点、転写プロモーター、セントロメアなど)に結合する標識であり得る。
【0110】
骨格修飾の1つのサブセットは、配列独立様式で核酸を結合する核酸鎖である。例としては、以下が挙げられる:フェナントリジンおよびアクリジンのようなインターカレーティング色素(例えば、臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ヘキシジウム、ジヒドロエチジウム、エチジウムホモダイマー−1およびエチジウムホモダイマー−2、エチジウムモノアジド、およびACMA);インドールおよびイミダゾールのようなマイナーグルーブバインダー(例えば、Hoechst33258、Hoechst33342、Hoechst34580、およびDAPI);ならびにアクリジンオレンジ(インターカレーティングもまた可能である)、7−AAD、アクチノマイシンD、LDS751およびヒドロキシスチルバミジンのような種々の核酸染色剤。上記の核酸染色剤の全ては、Molecular Probes,Inc.のような供給元から市販されている。核酸染色剤のさらなる他の例としては、Molecular Probes製の以下の色素が挙げられる:シアニン色素(例えば、SYTOX Blue、SYTOX Green、SYTOX Orange、POPO−1、POPO−3、YOYO−1、YOYO−3、TOTO−1、TOTO−3、JOJO−1、LOLO−1、BOBO−1、BOBO−3、PO−PRO−1、PO−PRO−3、BO−PRO−1、BO−PRO−3、TO−PRO−1、TO−PRO−3、TO−PRO−5、JO−PRO−1、LO−PRO−1、YO−PRO−1、YO−PRO−3、PicoGreen、OliGreen、RiboGreen、SYBR Gold、SYBR Green I、SYBR Green II、SYBR DX、SYTO−40、SYTO−41、SYTO−42、SYTO−43、SYTO−44、SYTO−45(青)、SYTO−13、SYTO−16、SYTO−24、SYTO−21、SYTO−23、SYTO−12、SYTO−11、SYTO−20、SYTO−22、SYTO−15、SYTO−14、SYTO−25(緑)、SYTO−81、SYTO−80、SYTO−82、SYTO−83、SYTO−84、SYTO−85(オレンジ)、SYTO−64、SYTO−17、SYTO−59、SYTO−61、SYTO−62、SYTO−60、SYTO−63(赤))。
【0111】
核酸分子中の総メチル含有量を分析している従来技術の方法とは異なり、本明細書中に記載されるアプローチは、核酸分子中の総メチル含有量を決定することが可能であり、そしてメチル化の位置および型を定めることもまた可能である。この方法は、従来技術で要求されるような、増幅、核酸分子の制限エンドヌクレアーゼ消化、または他のプロセスを必要としない。
【0112】
核酸分子は、線状ポリマー分析システムを用いて分析される。この線状ポリマー分析システムは、線状様式(すなわち、ポリマーのある位置で始まり、そしてこの位置から、いずれかの方向に直線的に進行する)でポリマーを分析するシステムである。ポリマーが分析される場合、ポリマーに結合される検出可能な標識が、連続様式かまたは同時様式のいずれかで検出される。同時に検出される場合、シグナルは、通常、ポリマーの画像を形成し、この画像から、標識間の距離が決定され得る。連続的に検出される場合、シグナルは、核酸分子の速度の知識を用いて、ヒストグラム(シグナル強度対時間)で考察され、次いで、これは、マップに変換され得る。いくつかの実施形態において、この核酸分子は、固体支持体に付着され、他方では、この核酸分子は、自由に流動していることが理解されるべきである。いずれの場合でも、核酸分子が、例えば、相互作用ステーションまたは検出器を通過して移動する場合、核酸分子の速度は、互いに対して、および核酸分子上に存在し得る他の検出可能なマーカーに対して、標識の位置を測定することを助ける。
【0113】
従って、線状ポリマー分析システムは、核酸分子上の標識の総量のみならず、恐らく、より重要なことに、このような標識の位置をも推定し得る。標識(従って、メチル化部位)を位置決めするおよび位置付けする能力は、影響されるゲノムの領域を同定するために、メチル化パターンを、他のゲノムマップ上にスーパーインポーズすることを可能にする。好ましい実施形態では、線状ポリマー分析システムは、個別に核酸分子を分析し得る(すなわち、これらは、単一の分子検出システムである)。
【0114】
このようなシステムの例は、PCT特許出願公開WO98/35012およびWO00/09757(それぞれ、1998年8月13日、および2000年2月24日公開)、ならびに発行された米国特許第6,355,420B1(2002年3月12日発行)に記載される、Gene EngineTMシステムである。これらの出願および特許、ならびに他の出願および特許、ならびに本明細書中で援用される参考文献の内容は、その全体が参考として援用される。このシステムは、単一の核酸分子が、線状様式で相互作用ステーションを通過することを可能にし、それによって、この核酸分子中のヌクレオチドは、この核酸分子に結合体化した検出可能な標識が存在するか否かを決定するために、個別に問合せされる。問合せは、核酸分子をエネルギー源(例えば、設定した波長の光学的照射)に曝露することを包含する。エネルギー源曝露に応答して、ヌクレオチド上の検出可能な標識(これが存在する場合)は、検出可能なシグナルを放出する。シグナルの放出および検出のための機構は、検出されると考えられる標識の型に依存する。
【0115】
DNA分子の伸長を伴う他の単一の分子核酸分析法もまた、本発明の方法に用いられ得る。これらとしては、光学マッピング(Schwartzら、1993,Science 262:110−113;Mengら、1995,Nature Genet.9:432;Jingら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:8046−8051)および繊維−蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(繊維−FISH)(Bensimonら、Science 265:2096;Michaletら、1997,Science 277:1518)。光学マッピングにおいて、核酸分子は、液体サンプル中で伸長され、そしてゲル中または表面上に伸長したコンホメーションで固定される。次いで、伸長して固定された核酸分子に対して制限消化が行われる。次いで、順序付けられた制限マップが、制限フラグメントのサイズを決定することにより作成される。繊維−FISHにおいて、核酸分子が伸長され、そして、分子コーミング(molecular combing)により表面上に固定される。蛍光標識されたプローブ配列とのハイブリダイゼーションは、核酸分子上の配列ランドマークの決定を可能にする。両方の方法は、マーカーの間の分子の長さおよび/または距離が測定され得るように、伸長した分子の固定を必要とする。パルスフィールドゲル電気泳動をまた用いて、標識核酸分子を分析し得る。パルスフィールドゲル電気泳動が、Schwartzら、Cell,1984,37:67により記載される。他の核酸分析システムは、Otobeら(NAR,2001,29:109)、Bensimonら、米国特許第6,248,537号(2001年6月19日発行)、HerrickおよびBensimon(Chromosome Res 1999,7(6):409−423)、Schwartz、米国特許第6,150,089号(2000年11月21日発行)および米国特許第6,294,136号(2001年9月25日発行)により記載される。他の線状ポリマー分析システムもまた用いられ得、そして本発明は、本明細書中に列挙したシステムの一つに限定されることを意図しない。
【0116】
従って、いくつかの局面では、推定されるメチル化のレベル、位置、および型を含む、メチル化パターンは、「正常な」メチル化パターンと比較される。本発明の方法を用いて推定されるメチル化パターンの、正常なメチル化パターンに対する比較もまた、特定のメチル化パターンの生物学的関連性への洞察を提供し得る。「正常な」メチル化パターンは、正常な被験体由来か、または核酸受託機関からの正常な核酸サンプル由来の核酸分子のメチル化パターンであり得る。好ましくは、正常なメチル化パターンは、以前にメチル化関連障害の病歴を有さない明らかに健康な被験体に由来する。より好ましくは、正常なメチル化パターンは、試験被験体についてサンプリングされた組織に対応する正常な被験体の組織におけるメチル化パターンである。例として、乳癌は、いくつかの場合、このような組織が、周辺の正常な乳房組織から区別され得る程度まで十分に描写される。この描写は、非定型的乳房切除術(例えば、乳腫腫瘤摘除)において生じるような、罹患した乳房組織の選択的摘出を容易にする。同様に、このような描写は、所定の被験体由来の、予想される罹患した組織および正常組織の両方を収集するために、本発明において用いられ得る。
【0117】
メチル化の「正常な」レベルはまた、例えば、ある集団が、被験体のいる特定のグループについてのベースライン範囲を得るために用いられる範囲であり得る。従って、「正常」値は、選択される特定の集団に依存し得る。このような正常なレベルは、個体がいるカテゴリーを考慮して、予め選択された値として確立され得る。適切な範囲およびカテゴリーは、当業者により、慣用的な実験を超えることなく選択され得る。この範囲内の平均または別の予め選択された数のいずれかが、予め選択された正常値として確立され得る。
【0118】
従って、いくつかの局面では、一般的に、正常な細胞または正常な組織、および生物学的サンプルに対するメチル化分析を行う必要がある。あるいは、正常なメチル化パターンは、データとして予め決定され、そして記憶され得る。このデータは、アクセス可能であり、そして本明細書中で決定されるメチル化パターンと比較可能である。いくつかの例では、この比較は、核酸分子が低メチル化されることを実証し、一方、他の例では、比較は、核酸が高メチル化されることを実証する。この方法は、核酸分子内のメチル化の合計レベルに関する情報のみならず、メチル化が生じる核酸分子に沿った位置に関する情報もまた生じる。このことは、メチル化の合計に関する情報は提供するが、メチル化の位置に関する情報を提供しない、いくつかの従来技術の方法を超える利点である。
【0119】
本方法は、障害特異的であるメチル化パターンを同定するために用いられ得る。例として、細胞が癌性であり得、そして核酸分子の特定の領域もしくはヌクレオチドが癌性細胞において優先的にメチル化されているか否かを決定するために、この細胞のインビボでのメチル化状態が分析され得る。さらなる分析は、正常な、非癌性の細胞から収集した核酸分子に対して同じ分析を実行すること、次いで、癌性サンプルと非癌性サンプルとの間のメチル化のパターンを比較することを包含し得る。この比較は、癌、または特定の癌の型、または癌もしくは特定の癌の型に対する感受性と関連するメチル化のパターンの同定を導き得る。
【0120】
低メチル化された遺伝子座とは、正常な細胞由来のコントロール核酸分子よりも、少ないメチル化ヌクレオチドを含む核酸分子の領域をいう。高メチル化された遺伝子座とは、正常な細胞由来のコントロール核酸分子よりも、多いメチル化ヌクレオチドを含む核酸分子の領域をいう。本明細書中で用いられる正常な細胞とは、この細胞が罹患しておらず、そしていくらか時間が経った後に、罹患している上記の通常危険性を有していないことを意図する。低メチル化および高メチル化の両方は疾患と関係し、低メチル化または高メチル化の知見は、特定の疾患に関する教示であり得る。高メチルは、癌において、特に、遺伝子座からの遺伝子発現のサイレンシングを生じると考えられている、遺伝子座のプロモーター領域で観察されいる(Wistubaら、Semin.Oncol.2201,28(2 Supp 4):3−13)。従って、癌を有する被験体からのメチル化パターンの、正常なメチル化パターンとの比較は、特定の障害または特定の障害に対する感受性の結果として、低メチル化または高メチル化のいずれかとなる遺伝子座の同定を導き得る。
【0121】
核酸分子におけるメチル化「ホットスポット(hot spot)」の同定もまた、本発明の方法を用いて行われ得る。メチル化ホットスポットは、上記の正常なレベルのメチル化ヌクレオチドを有する核酸分子の領域(すなわち、集中したメチル化の領域)である。これらのホットスポットは、障害の発症において重要である遺伝子座を同定するために用いられ得、次いで、障害または障害を発症する危険性のマーカーとして用いられ得る。メチル化ホットスポットはまた、既知の遺伝子座(例えば、特定の障害において高メチル化されることが既知の遺伝子座)に対応し得る。例えば、網膜芽腫遺伝子およびウィルムス腫瘍遺伝子の両方のプロモーター領域は、いくつかの腫瘍において繰返し高メチル化される。メチル化のホットスポットの同定は、悪性であると疑われる生物学的サンプルの型についての最初のスクリーニングとして用いられ得る。
【0122】
本発明はまた、異常なメチル化により特徴付けられる障害有するか、またはこの障害を発症する危険性のある被験体を同定するための方法を提供する。異常なメチル化とは、一般的に、正常な細胞におけるメチル化(すなわち、正常なメチル化)のレベルよりも、より低いか、またはより高い、メチル化レベルをいい得る。異常なメチル化はまた、正常なメチル化パターンと異なるメチル化パターンを含む。これらの後者の差異は、サンプルのメチル化パターンと正常なメチル化パターンとの間のメチル化の位置または型の差異であり得る。
【0123】
本明細書中で用いられる場合、被験体は、ヒト被験体および非ヒト被験体を含む。いくつかの好ましい実施形態では、被験体は、哺乳動物である。被験体としては、ヒト、霊長類、家庭用動物(例えば、イヌおよびネコ)、農業用家畜動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ヒツジなど)、水産養殖種(例えば、魚類および甲殻類)、動物園用動物(例えば、クマ、ライオンなど)、研究用動物(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
メチル化の障害としては、癌、ベックウィズ−ヴィーデマン症候群、家族性プラーダー−ヴィリ症候群、ICF免疫不全症候群、ぜい弱X症候群のようなX染色体不活性化に関連した状態、および不適切な親の刷り込みを含む障害が挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
いくつかの実施形態において、この障害は、癌のような増殖性障害である。癌は、制御されていない、細胞の異常な増殖として規定され、これは、局在されたままであるか、または血流もしくはリンパ系を介して体中に広まり、それによって、第二の部位に播種(すなわち、転移)されるかのいずれかであり得る。本明細書中で使用される場合、診断は、その原発部位および/または転移部位において癌に指向される。診断され得る癌の例としては、以下が挙げられる:胆管癌、脳の癌(神経膠芽細胞腫および髄芽細胞腫を含む):乳癌;子宮頸部癌;絨毛癌;結腸癌;子宮内膜癌;食道癌;胃癌;血液学的新生物(急性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病を含む);慢性リンパ性白血病および慢性骨髄性白血病;多発性骨髄腫;AIDS関連白血病および成人T細胞白血病リンパ腫;上皮内新生物(ボーエン病およびパジェット病を含む);肝臓癌;肺癌;リンパ腫(ホジキン病およびリンパ球性リンパ腫を含む);神経芽腫;口腔癌(扁平上皮癌腫を含む);卵巣癌(上皮細胞、間質細胞、生殖細胞および間葉細胞から生じる癌を含む);膵臓癌;前立腺癌;結腸直腸癌;肉腫(平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫および骨肉腫を含む);皮膚癌(黒色腫、カポージ肉腫、基底細胞(basocellular)癌および扁平上皮癌;精巣癌(胚の腫瘍(精上皮腫、非精上皮腫の奇形腫および絨毛癌)、支質腫瘍および生殖細胞腫瘍を含む);甲状腺癌(甲状腺腺癌および髄質癌を含む);ならびに腎臓癌(腺癌およびウィルムス腫瘍を含む)。好ましくは、本発明は、乳癌、子宮頸部癌、白血病、卵巣癌および前立腺癌のような障害(またはそれに対する罹患率)を診断するために追及されてきた。
【0126】
核酸分子のメチル化状態は、核酸分子が誘導される細胞が、核酸を回収する前に供される条件に関連し得る。例えば、これらの細胞は、インビボまたはエキソビボのいずれかで化合物(例えば、抗癌剤またはメチルトランスフェラーゼのインヒビター)に曝露され得る。従って、本発明の方法は、核酸分子、そして潜在的に、順々に細胞、組織または器官に対するこのような化合物の効果を決定することにおいて有用である。
【0127】
本明細書中に記載される方法の別の用途は、治療処置の効果の評価である。いくつかの場合において、治療効果は、疾患、またはメチル化のレベルの増加、またはメチル化の局在もしくは型における変化、または特定のメチル化パターンすべての欠如によって決定される。重要な実施形態において、治療処置は抗癌剤の投与である。他の実施形態において、治療処置は脱メチル化因子である。脱メチル化因子は、核酸分子のメチル化のレベルの低減を、直接的または関節的に引き起こす因子である。脱メチル化因子としては、メチルトランスフェラーゼのようなメチル化酵素のインヒビターが挙げられる。本発明において有用な脱メチル化因子の例としては、5−アザシチジン、5−アザ−2’デオキシシチジン(欧州ではデシタビンとしても知られている)、5,6−ジヒドロ−5−アザシチジン、5,6−ジヒドロ−5−アザ−2’デオキシシチジン、5−フルオロシチジン、5−フルオロ−2’デオキシシチジン、ならびに5−アザ−2’デオキシシトシン、5,6−ジヒドロ−5−アザ−2’デオキシシトシン、および5−フルオロ−2’デオキシシトシンを含む短いオリゴヌクレオチドが挙げられる。前述の因子はすべて、DNAメチルトランスフェラーゼインヒビターとして作用する。これらのような因子(例えば、記された誘導物)としては、核酸、好ましくはDNA中に組み込まれ得る場合、最も効果的である。DNAメチルトランスフェラーゼを阻害すること、ならびに/またはインビトロでの脱メチル化を引き起こすことが報告された他の因子が、プロカナミド(procanamide)およびS−アデノシルホモシステインが挙げられる。低分子脱メチル化因子(メチルトランスフェラーゼのインヒビターを含む)のいくつかの候補(これらの効力を示すために核酸の組込みを必要としない)は、現在開発中である。
【0128】
本発明は、サンプルが特定の障害(例えば、癌のような)と診断された被験体、またはこのような障害を発症する危険性のある被験体のいずれかから回収され得ることによる方法を提供する。サンプルは、組織、細胞集団または体液であり得、そして通常被験体からの生検から得られる。サンプルからの核酸分子は、本願発明の方法に従って、回収され、単離され、そしてそのメチル化状態を決定するために分析される。1つの核酸分子、1つより多い核酸分子または全ての核酸分子の「処置前」メチル化プロフィールまたはパターンが、そのように決定され得る。次いで、被験体は、治療処置で処理され、そしてこのような処置(別の生物学的サンプルが被験体から回収される)が後に続く。核酸分子は回収され、そして「処置後」サンプルから単離され、そしてそれらのメチル化状態を決定するために分析される。好ましくは、これらのサンプルは、同一の組織、身体領域または体液から回収される。例えば、被験体が腫瘍を有する場合、処置前サンプルおよび処置後サンプルは両方とも腫瘍に由来する。概して、これらのサンプルはまた、障害によって影響されると考えられる細胞、組織または体液から採集される。しかし、他の例において、非障害細胞または組織に対する治療処置の効果を調査することが望まれ得る。例えば、正常な細胞および組織をインタクトなままにして、疾患の細胞または組織をより特異的に標的にする処置を同定するために、特定の治療処置の特異性を決定することが所望され得る。
【0129】
本発明の方法を使用して試験され得る他の抗癌剤としては、以下の列挙が挙げられる。本発明の方法を使用して、これらの化合物が、分析された核酸分子のメチル化状態に変化を誘導する点で試験され得ることが、理解されるべきである。
【0130】
他の抗癌剤としては、以下のようなDNA損傷抗癌剤が挙げられる:トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エトポシド、ランプトセシン(ramptothecin)、トポテカン(topotecan)、テニポシド、ミトキサントロン)、抗微小管剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン)、抗代謝剤(例えば、シタラビン、メトトレキサート、ヒドロキシウレア、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、6−チアグアニン、6−メルカプトプリン、フルダラビン、ペントスタチン、クロロデオキシアデノシン)、DNAアルキル化因子(例えば、シスプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クランブシル(chorambucil)、ブスルファン、チオテパ、カルムスチン、ロムスチン、カルボプラチン、ダカルバジン、プロカルバジン)、DNA鎖破壊誘導因子(例えば、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC)、および放射線治療剤。
【0131】
他の抗癌剤としては、以下のような免疫治療剤が挙げられる:リブタキン(Ributaxin)、ハーセプチン(Herceptin)、トラスツズマブ(trastuzumab)、クアドラメッド(Quadramet)、パノレックス(Panorex)、IDEC−Y2B8、BEC2、C225、オンコリム(Oncolym)、スマートM195(SMART M195)、アトラジェン(ATRAGEN)、オバレックス(Ovarex)、ベキサール(Bexxar)、LDP−03、ior t6、MDX−210、MDX−11、MDX−22、OV103、3622W94、抗VEGF、ゼナパックス(Zenapax)、MDX−220、MDX−447、メルイミュン−2(MELIMMUNE−2)、メルイミュン−1、シーサイド(CEACIDE)、プレターゲット(Pretarget)、ノボマブ−G2(NovoMAb−G2)、TNT、グリオマブ−H(Gliomab−H)、GNI−250、EMD−72000、リンホサイド(LymphoCide)、CMA 676、モノファーム−C(Monopharm−C)、4B5、ior egf.r3、ior c5、BABS、抗FLK−2、MDX−260、ANA Ab、スマート1D10 Ab、スマートABL 364 Ab、イミュレイト−CEA(ImmuRAIT−CEA)、免疫刺激性ペプチド、オリゴヌクレオチド。
【0132】
他の抗癌剤としては、以下のような癌ワクチンが挙げられる:EGF、抗イディオタイプ癌ワクチン、Gp75抗原、GMK黒色腫ワクチン、MGVガングリオシド結合体ワクチン、Her2/neu、オベイレックス(Ovarex)、M−Vax、O−Vax、L−Vax、STn−KHLセラトープ(theratope)、BLP25(MUC−1)、リポソームイディオタイプワクチン、メラシン(Melacine)、ペプチド抗原ワクチン、毒素/抗原ワクチン、MVAベースのワクチン、PACIS、BCGワクチン、TA−HPV、TA−CIN、DISCウイルスおよびイミュシスト(ImmuCyst)/セラシス(TheraCys)。
【0133】
他の抗癌剤としては、例えば、以下のサイトカインのような生物学的応答改変因子が挙げられる(例えば、インターフェロン、インターロイキンおよびリンホカイン(例えば、IL−2)、インターフェロンアゴニスト、造血増殖因子(例えば、エリスロポエチン、GM−CSF、G−CSF)、bFGFインヒビター、インスリン様増殖因子−1レセプターインヒビター)。
【0134】
他の抗癌剤としては、以下のようなホルモン治療剤が挙げられる:アドレノコルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン)、アンドロゲン(例えば、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、プロゲスチン(例えば、メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ(アミノグルテチミド)、性腺刺激放出ホルモンアゴニスト(例えば、ロイプロリド)、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド(octreotide))。
【0135】
他の抗癌剤としては、以下のような血管新生インヒビターが挙げられる:塩基性FGF、VEGF、アンギオポイエチン、アンギオスタチン、エンドスタチン、TNFα、TNP−470、トロンボスポンジン−1、血小板因子4、CAIおよびインテグリンファミリーのタンパク質の特定メンバー。
【0136】
他の抗癌剤としては以下が挙げられる:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン(Adozelesin);アルデスロイキン(Aldesleukin);アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール(Anastrozole);アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(Asperlin);アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;ブチマスタット(Batimastat);ベンゾデパ;バイカルタミド(Bicalutamide);塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシレート(Bisnafide Dimesylate);ビゼレシン(Bizelesin);硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン(Carubicin Hydrochloride);カルゼレシン(Carzelesin);セデフィンゴール(Cedefingol);クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン(Cladribine);クリスナトールメシレート(Crisnatol Mesylate);シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン(Dexormaplatin);デザグアニン;デザグアニンメシレート(Dezaguanine Mesylate);ジアジコン(Diaziquone);ドセタセル(Docetaxel);ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン(Droloxifene);クエン酸ドロロキシフェン(Droloxifene Citrate);プロピオン酸ドロモスタノロン;ズアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン(Enloplatin);エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルピシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン(Estramustine);エストラムスチンリン酸ナトリウム(Estramustine Phosphate Sodium);エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール(Fadrozole Hydrochloride);ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルホモシン;イプロプラチン(Iproplatin);塩酸イリノテカン(Irinotecan Hydrochloride);酢酸ランレオチド(Lanreotide Acetate);レトロゾール(Letrozole);塩酸リアロゾール(Liarozole Hydrochloride);ロメトレキソールナトリウム(Lometrexol Sodium);ロムスチン;塩酸ロソザントロン(Losoxantrone Hydrochloride);マソプロコール;マイタンシン(Maytansine);塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル(Menogaril);メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン(Mitocromin);ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトーテン;塩酸ミトザントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペグアスパルガース(Pegaspargase);ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン(Peplomycin Sulfate);ペルホスファミド(Perfosfamide);ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン(Plomestane);ポルフィマーナトリウム(Porfimer Sodium);ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン(Pyrazofurin);リボプリン;ログレチミド(Rogletimide);サフィンゴール(Safingol);塩酸サフィンゴール(Safingol Hydrochloride);セムスチン;シムトラゼン(Simtrazene);スパルホセートナトリウム(Sparfosate Sodium);スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル(Sulofenur);タリソマイシン;テコガランナトリウム(Tecogalan Sodium);テガフール;塩酸テロザントロン(Teloxantrone Hydrochloride);タキソテール;テモポルフィン(Temoporfin);テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン(Tirapazamine);クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード(Uracil Mustard);ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン(Verteporfin);硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール(Vorozole);ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン;。
【0137】
他の抗癌剤としては、以下が挙げられる:メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、クロロエチルニトロソウレア(chloroethylnitrosourea)を含む非糖、マイトマイシンC、ダカルバジン、フラギリン(fragyline)、メラミン、GLA、バルルビシン(valrubicin)、カルムスタイン(carmustaine)およびプリファーポザン(poliferposan)、MMI270、BAY12−9566、RASフェーメシル(famesyl)トランスフェラーゼインヒビター、フェーメシルトランスフェラーゼインヒビター、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメテソール(Lometexol)、グラモレック(Glamolec)、CI−994、TNP−470、PKC412、バルスポダール(Valspodar)/PSC833、ノバントロン(Novantrone)/ミトロザントロン(Mitroxantrone)、メタレット(Metaret)/スラミン(Suramin)、バチマスタット(Batimastat)、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、インセル(Incel)/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マルミスタット(Marmistat)、BB2516/マルミスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レマナール(Lemonal)DP 2202、FK 317、ピシバニール/OK−432、AD 32/バルルビシン(Valrubicin)、メタストロン(Metastron)/ストロンチウム誘導体、テモダール(Temodal)/テモゾロミド、エバセット(Evacet)/リポソームドキソルビシン、セロード(Xeload)/カペシタビン(Capecitabine)、フルツロン/ドキシフルリジン、経口タキソイド(Oral Taxoid)、SPU−077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール(Flavopiridol)、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS癌遺伝子インヒビター、BMS−182751/経口白金、UFT(テガフール/ウラシル)、エルガミソール(Ergamisol)/レバミゾール、エニウラシル(Eniluracil)/776C85/5FU増強因子、カンプト(Campto)/レバミゾール、カンプトソール(Camptosar)/イリノテカン、ツモデクス(Tumodex)/ラルチトレゼド(Ralitrexed)、ロイスタチン(Leustatin)/クラドリビン(Cladribine)、ドキル(Doxil)/リポソームドキソルブシン、カエリクス(Caelyx)リポソームドキソルビシン、フラダラ(Fludara)/フルダラビン、ファーマルビシン(Pharmarubicin)/エピルビシン、デポサイト(DepoCyt)、ZD1839、LU79553/ビス−ナフタリミド(Bis−Naphtalimide)、LU103793/ドラスタチン(Dolastain)、カエティクス(Caetyx)/リポソームドキソルビシン、ゲムザー(Gemzar)/ゲンシタビン、ZD0473/アノルメッド(Anormed)、YM116、ヨードシード(lodine seed)、CDK4インヒビターおよびCDK2インヒビター、PARPインヒビター、D4809/デキシホスアミド(Dexifosamide)、イフェス(Ifes)/メスネクス(Mesnex)/イホスファミド、ブモン(Vumon)/テニポシド、パラプラチン/カルボプラチン、プランチノール(Plantinol)/シスプラチン、ベペシド(Vepeside)/エトポシド、ZD9331、タキソテール/ドセタキセル、グアニンアルビニシドのプロドラッグ、ニトロソ尿素、メルファラン(melphelan)のようなアルキル化剤、シクロホスファミド、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロモブシル(Chlorombucil)、シタラビンHCl、ダクチノマイシン、ダウノルビシンHCl、エストラムスチンリン酸ナトリウム(Estramustine phosphate sodium)、フロクスウリジン、フルタミド、ヒドロキシ尿素(ヒドロキシカルバミド)、イホスファミド、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミン(Mechlorethamine)HCl(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ(Mesna)、ミトタン(o.p’−DDD)、ミトキサントロンHCl、オクトレオチド、プリカマイシン、プロカルバジンHCl、ストレプトゾシン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m−AMSA)、アザシチジン、ヘキサメチルメラミン(Hexamethylmelamine)(HMM)、ミトグアゾン(メチルGAG);メチルグリオキサールビス−グアニルヒドラゾン(methyl glyoxal bis−guanylhydrazone);MGBG)、ペントスタチン(2’デオキシホルミシン(2’deoxycoformycin))、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(VM−26)および硫酸ビンデシン。
【0138】
他の抗癌剤としては、以下が挙げられる:20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン(abiraterone);アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン(adozelesin);アルデスロイキン(aldesleukin);ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン(ambamustine);アミドクス(amidox);アミホスチン;アミノレブリン酸(aminolevulinic acid);アムルビシン(amrubicin);アムサクリン;アナグレリド;アナストゾール(anastrozole);アンドログラホリド(andrographolide);アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス(antarelix);抗背方化形態形成タンパク質−1(anti−dorsalizing morphogenetic protein−1);抗ネオプラストン(antineoplaston);アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート(aphidicolin glycinate);アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシスレギュレーター;アプリン酸(apurinic acid);ara−CDP−DL−PTBA;アデニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1(axinastatin 1);アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン(azasetron);アザトキシン(azatoxin);アザチロシン(azatyrosine);バカチンIII誘導体(baccatin III derivative);バラノール(balanol);バチマスタット(batimastat);BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロプロリン;βラクタム誘導体;β−アレチン(beta−alethine);βクラマイシンB(betaclamycin B);ベツリン酸(betulinic acid);ビカルトアミド(bicalutamide);ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナファイド(bisnafide);ビストラテンA(bistratene A);ビゼレシン(bizelesin);ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン(buthionine sulfoximine);カルシポトリオール;カルホスチンC(calphostin C);カムプトテシン誘導体(camptothecin derivative);カナリアルポックスIL−2(canarypox IL−2);カペシタビン(capecitabine);カルボキサミド−アミノ−トリアゾール(carboxamide−amino−triazole);カルボキシアミドトリアゾール(carboxyamidotriazole);CaRest M3;CARN 700;軟骨由来インヒビター;カルゼレシン(carzelesin);カゼインキナーゼインヒビター(ICOS);カスタノスペルミン(castanospermine);セクロピンB(cecropin B);セトロレリクス(cetrorelix);クロリン;クロロキノザリン(chloroquinoxaline)スルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン(cladribine);クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA(collismycin A);コリスマイシンB;コムブレタスタチンA4(combretastatin A4);コムブレタスタチンアナログ;コナゲニン(conagenin);クラムベシジン816(crambescidin 816);クリスナトール;クリプトフィシン8(cryptophycin 8);クリプトフィシンA誘導体;クラシンA(curacin A);シクロペンタンスラキノン(cyclopentanthraquinone);シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスフェート(cytarabine ocfosfate);細胞溶解性因子;サイトスタチン(cytostatin);ダクリキシマブ(dacliximab);デキタビン;デヒドロジデムニンB(dehydrodidemnin B);デスロレリン(deslorelin);デキシホスファミド(dexifosfamide);デキスラゾキサン;デキスベラパミル(dexverapamil);ジアジコン(diaziquone);ジデムニンB(didemnin B);ジドクス(didox);ジエチルノルスペルミン(diethylnorspermine);ジヒドロ−5−アザシチジン(dihydro−5−azacytidine);ジヒドロタキソール(dihydrotaxol),9−;ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール(docosanol);ドラセトロン(dolasetron);ドキフルリジン;ドロロキシフェン(droloxifene);ドロナビノール;デュオカルマイシンSA(duocarmycin SA);エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ(edrecolomab);エフロルニチン;エレメン(elemene);エミテフール(emitefur);エピルビシン;エプリステリド(epristeride);エストラムスチンアナログ;エタニダゾール;エトポシドホスフェート;エグゼメスタン(exemestane);ファドロゾール(fadrozole);ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム(filgrastim);フィナステリド;フラボピリドール(flavopiridol);フレゼラスチン(flezelastine);フルアステロン(fluasterone);フルダラビン;塩酸フルオロダウノルビシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);フォルフェニメクス(forfenimex);フォルメスタン(formestane);フォストリエシン(fostriecin);フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン(gadolinium texaphyrin);硝酸ガリウム;ガロシタビン(galocitabine);ガニレリクス(ganirelix);ゼラチナーゼ(gelatinase)インヒビター;ゲムシタビン;グルタチオンインヒビター;ヘプスルファム(hepsulfam);ヒレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン(hypericin);イバンドロン酸(ibandronic acid);イダルビシン;イドキシフェン(idoxifene);イドラマントン(idramantone);イルモホシン;イロマスタット(ilomastat);イミダゾアクリドン(imidazoacridones);イミキモド(imiquimod);イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール(ipomeanol),4−;イリノテカン(irinotecan);イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリンB(isohomohalicondrin B);イタセトロン(itasetron);ジャスプラキノリド(jasplakinolide);カハラリドF(kahalalide F);ラメラリン−N(lamellarin−N)トリアセテート;ランレオチド(lanreotide);レイナマイシン(leinamycin);レノグラスチム(lenograstim);硫酸レンチナン;レプトールスタチン(leptolstatin);レトロゾール(letrozole);白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール(liarozole);直鎖状ポリアミンアナログ;親油性二糖類ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7(lissoclinamide 7);ロバプラチン(lobaplatin);ロムブリシン(lombricine);ロメトレキソール(lometrexol);ロニダミン;ロソキサントロン(losoxantrone);ロバスタチン;ロキソリビン(loxoribine);ルルトテカン(lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン(lutetium texaphyrin);リソフィリン(lysofylline);溶解ペプチド;メイタンシン;マンノスタチンA(mannostatin A);マリマスタット(marimastat);マソプロコール;マスピン(maspin);マトリリシン(matrilysin)インヒビター;メノガリル;メルバロン(merbarone);メテレリン(meterelin);メチオニナーゼ(methioninase);メトクロプラミド;MIFインヒビター;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム(mirimostim);ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド;ミトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞増殖因子−サポリン(saporin);ミトキサントロン;モファロテン(mofarotene);モルグラモスチム(molgramostim);モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロフィン;モノホスホリルリルピドA+ミコバクテリア(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子インヒビター;多発性腫瘍サプレッサー1ベースの治療剤;マスタード(mustard)抗癌化合物;ミカペルオキシドB(mycaperoxide B);ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N−アセチルジナリン(N−acetyldinaline);N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン(pentazocine);ナパビン(napavin);ナフテルピン(naphterpin);ナルトグラスチム(nartograstim);ネダプラチン(nedaplatin);ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸(neridronic acid);中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン(nisamycin);一酸化窒素モジュレーター;窒素酸化物酸化防止剤(nitroxide antioxidant);ニトルリン(nitrullyn);O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);経口サイトカインインデューサー;オルマプラチン;オサテロン(osaterone);オキサリプラチン;オキサウノマイシン(oxaunomycin);パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン(palmitoylrhizoxin);パミドロン酸(pamidronic acid);パナキシトリオール(panaxytriol);パノミフェン;パラバクチン(parabactin);パゼリプチン;ペガスパルゲース(pegaspargase);ペルデシン(peldesine);ペントザンポリスルフェートナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン(perflubron);ペルホスファミド(perfosfamide);ペリリル(perillyl)アルコール;フェナジノマイシン(phenazinomycin);酢酸フェニル;ホスファターゼインヒビター;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム(piritrexim);プラセチンA(placetin A);プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム(porfimer Sodium);ポルフィロマイシン;プロピルビス−アクリドン(propyl bis−acridone);プロスタグランジンJ2;プロテアソームインヒビター;プロテインAベースの免疫モジュレーター;プロテインキナーゼCインヒビター;プロテインキナーゼCインヒビター、ミクロアルガール(microalgal);プロテインチロシンホスファターゼインヒビター;プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター;プルプリン;ピラゾロアクリジン(pyrazoloacridine);ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド(raltitrexed);ラモセトロン(ramosetron);rasファルネシル化タンパク質トランスフェラーゼインヒビター;rasインヒビター;ras−GAPインヒビター;レテリプチン脱メチル化;レニウムRe186エチドロネート(etidronate);リゾキシン(rhizoxin);リボザイム;RIIレチナミド(retinamide);ログレチミド(rogletimide);ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド(romurtide);ロキニメクス;ルビギノンB1(rubiginone Bl);ルボキシル(ruboxyl);サフィンゴール(safingol);セイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA(sarcophytol A);サルグラモスチム(sargramostim);Sdi1模倣物;セムスチン;老化誘導インヒビター1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達インヒビター;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン(sizofiran);ソブゾキサン;ブロカプテートナトリウム(Sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン(sonermin);スパルホシン酸(sparfosic acid);スピカマイシンD(spicamycin D);スピロムスチン;スプレノペンチン(splenopentin);スポンギスタチン1(spongistatin 1);スクアラミン(squalamine);幹細胞インヒビター;幹細胞分裂インヒビター;スチピアミド(stipiamide);ストロメライシンインヒビター;スルフィノシン(sulfinosine);過反応性(superactive)血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン(swainsonine);合成グリコサミノグリカン(glycosaminoglycan);タリムスチン(tallimustine);タモキシフェン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン(tazarotene);テコガランナトリウム(tecogalan Sodium);テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメアーゼインヒビター;テモポルフィン(temoporfin);テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド(tetrachlorodecaoxide);テトラゾミン(tetrazomine);サリブラスチン(thaliblastine);サリドマイド;チオコラリン(thiocoraline);トロンボポイエチン(thrombopoietin);トロンボポイエチン模倣物;チマルファシン(thymalfasin);チモポイエチン(thymopoietin)レセプターアゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン(tin ethyl etiopurpurin);チラパザミン(tirapazamine);二塩化チタノセン(titanocene dichloride);トポテカン(topotecan);トプセンチン(topsentin);トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳インヒビター;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド(turosteride);チロシンキナーゼインヒビター;チルホスチン(tyrphostins);UBCインヒビター;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖阻害因子(urogenital sinus−derived growth inhibitory factor);ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB(variolin B);ベクター系、赤血球遺伝子治療剤;ベラレソール(velaresol);ベラミン(veramine);ベルジン(verdins);ベルテポルフィン(verteporfin);ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン(vitaxin);ボロゾール(vorozole);ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブ(zilascorb);ジノスタチン刺激因子(zinostatin stimalamer)。
【0139】
他の抗癌剤は、抗癌補充増強因子(anti−cancer supplementary potentiating agent)を含む。例としては、以下が挙げられる:三環式抗うつ薬(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン(amitryptyline)、クロミプラミン、トリミプラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン、およびマプロチリン);非三環式抗うつ薬(例えば、セルトラリン、トラゾドン、およびシタロプラム(citalopram));Ca++アンタゴニスト(例えば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピン、およびカロベリン(caroverine));カルモジュリンインヒビター(例えば、プレニラミン、トリフロロペラジン(trifluoroperazine)、およびクロミプラミン);アンホテリシンB;トリパラノールアナログ(例えば、タモキシフェン);抗不整脈薬(例えば、キニジン);抗高血圧薬(例えば、レセルピン);チオールデプレター(depleter)(例えば、ブチオニン(buthionine)およびスルホキシミン(sulfoximine))、およびクレマホールEL(Cremaphor EL)のような多剤耐性低減(multiple drug resistance reducing)化合物。
【0140】
抗癌剤との組み合わせにおいて有用な他の化合物としては、以下が挙げられる:ピリトレキシムイセチオナート(Piritrexim Isethionate);抗前立腺肥大化合物、シトグルシド;良性前立腺肥大治療化合物、塩酸タムスロシン(Tamsulosin Hydrochloride);前立腺増殖インヒビター、ペントモン;以下のような放射性化合物:フィブリノーゲン1 125;フルデオキシグルコースF18(Fludeoxyglucose F18);フルオロドーパF18(Fluorodopa F18);インスリンI125;インスリンI131;イオベングアンI123;イオジパミドナトリウムI131(Iodipamide Sodium I131);ヨードアンチピリンI131(Iodoantipyrine I131);ヨードコレステロールI131;ヨード馬尿酸ナトリウムI123;ヨード化馬尿酸ナトリウムI125;ヨード馬尿酸ナトリウムI131;ヨードピラセットI125(Iodopyracet I125);ヨードピラセットI131;塩酸イオフェタミンI123;イオメチンI125;イオメチンI131;イオサラメートナトリウムI125(Iothalamate Sodium I125);イオサラメートナトリウムI131;イオチロシンI131(Iotyrosine I131);リオチロニンI125;リオチロニンI131;酢酸メリソプロールHg197(Merisoprol Acetate Hg197);酢酸メリソプロールHg203;メリソプロールHg197(Merisoprol Hg197);セレノメチオニンSe75;テクネチウムTc99mアンチモントリスルフィイドコロイド(Antimony Trisulfide Colloid);テクネチウムTc99mビシセート(Bicisate);テクネチウムTc99mジソフェニン;テクネチウムTc99mエチドロネート(Etidronate);テクネチウムTc99mエキサメタジム;テクネチウムTc99mフリホスミン(Furifosmin);テクネチウムTc99mグルセプテート(Gluceptate);テクネチウムTc99mリドフェニン;テクネチウムTc99mメブロフェニン;テクネチウムTc99mメドロネート(Medronate);テクネチウムTc99mメドロネートニナトリウム(Medronate Disodium);テクネチウムTc99mメルチアチド(Mertiatide);テクネチウムTc99mオキシドロネート(Oxidronate);テクネチウムTc99mペンテテート(Pentetate);テクネチウムTc99mペンテテートカルシウム三ナトリウム(Pentetate Calcium Trisodium);テクネチウムTc99mセスタミビ(Sestamibi);テクネチウムTc99mシボロキシム(Siboroxime);テクネチウムTc99mスクシマー;テクネチウムTc99m硫黄コロイド;テクネチウムTc99mテボロキシム(Teboroxime);テクネチウムTc99mテトロホスミン(Tetrofosmin);テクネチウムTc99mチアチド(Tiatide);チロキシンI125;チロキシンI131;トルポビドンI131(Tolpovidone I131);トリオレインI125およびトリオレインI131。
【0001】
(発明の分野)
本発明は、核酸のメチル化状態の分析および核酸を配列決定するためのメチル化機構の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
核酸はメチル化されることが知られている。DNAのメチル化は、正常な細胞プロセスおよび異常な細胞プロセスの両方に関与する。例えば、DNAのメチル化は、X染色体不活性化、親対立遺伝子のインプリンティング、および示差的な遺伝子発現(遺伝子座のアップレギュレーションまたはサイレンシングのいずれかによる)に関与している。細菌において、シトシン残基およびアデニン残基のメチル化は、DNA複製およびDNA修復の調節において役割を果たす。DNAのメチル化はまた、これらの生物が自己DNAと非自己DNAとの間を識別するのを可能にする免疫機構の部分を構成する。DNAのメチル化はまた、癌の危険性増大および癌の発症自体にも関与している。
【0003】
DNAのメチル化は、メチラーゼ(メチルトランスフェラーゼとしてもまた公知)によって行われる。これらの酵素は一般に配列特異的であり、そしてこれらの酵素は、両方の核酸鎖(DNAの場合)をメチル化し得る。これらの鎖の複製は、半メチル化状態を生み、この半メチル化状態は、両方の鎖に対する完全なメチル化を回復し得る一種の維持メチラーゼによって認識される。
【0004】
メチル化は、すべてのヌクレオチド残基において起こり得るが、哺乳動物種においては、DNAのメチル化は通常、シトシン残基において起こり、そしてより一般的には、グアノシン残基の隣に存在するシトシン残基(すなわち、CGジヌクレオチドのシトシン残基)において起こる。「CpG島」中のCGジヌクレオチドは、メチル化されないまま残存する。CpG島は、CG部位に富み、そしてしばしば、ゲノム内のコード領域(すなわち、遺伝子)付近で見出される。ヒトゲノムの約半分の遺伝子は、CpG島と関連付けられる。重要なことに、ゲノム中の大部分のCpG島は、正常な成体の細胞および組織において、メチル化されないまま残存している。CpG島のメチル化は通常、雌の不活性なX染色体およびインプリント遺伝子においてのみ観察され、ここでこのCpG島のメチル化は、このような遺伝子の安定なサイレンシングにおいて機能する。DNAのメチル化のレベルおよび分布に対する厳密な制御は、正常な動物の発達に必須である。
【0005】
DNAメチル化の改変は、ヒト腫瘍に特徴的なゲノム不安定性の1つの徴候である。ヒトの発癌に関する1つの証明は、細胞増殖を制御する遺伝子の遺伝的改変から生じる、細胞増殖に対する正常な拘束の欠損である。このような変異の結果としては、陽性の増殖シグナルの活性化および増殖阻害性シグナルの不活性化が挙げられる。メチル化された場合に正常な細胞応答の欠損へと導く遺伝子標的の同定は有益である。これは、異常なメチル化および異常なメチル化から生じる下流の任意の事象と関連する障害の診断および処置を容易にする。
【0006】
核酸のメチル化レベルは、当該分野で利用可能な多くの技術を使用して決定され得る。いくつかの間接的な分析方法は、メチル化シトシンを脱アミノ化してウラシルへと変換するための亜硫酸水素塩の使用を包含する。増幅の際に、次いで、このウラシルは、相補的なアデノシンで効率的に合成される。このようにして、この合成は、DNA鎖上のメチル化部位の位置を決定するための、配列決定ベースのアプローチまたはハイブリダイゼーションベースのアプローチを介したメチル化部位の分析を可能にする。先行技術のメチル化分析方法としては、メチル化感受性制限分析、メチル化特異的ポリメラーゼ連鎖反応(MSP)、亜硫酸水素塩改変DNAの配列決定、Ms−SnuPE、およびCOBRAが挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
代表的に、単一の核酸分子上におけるメチル化パターンの直接的な分析は可能でない。従って、核酸分子のメチル化の直接的な検出のための方法は有用であり、単一の核酸分子におけるメチル化の数、型および位置を決定するための方法もまた同様に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、核酸のメチル化状態が分析され得るという観察を前提とする。核酸分子のメチル化状態は、例えば、対立遺伝子のインプリンティング、遺伝子の発現およびサイレンシング、ならびにゲノム変異の同定に関する情報を与える。本発明はまた、単一の核酸分子に関して配列情報を導き出すために、メチル化の機構およびプロセスを利用する。
【0009】
1つの局面では、本発明は、核酸分子を分析する方法を提供し、この方法は、核酸分子を、配列特異的メチラーゼおよびS−アデノシルメチオニン(SAM)標識化誘導体に曝露する工程、上記配列特異的メチラーゼが、上記SAM標識化誘導体を用いて上記核酸分子中のヌクレオチドを標識するのを可能にする工程、および線形ポリマー分析システムを使用して、上記核酸分子における標識化パターンを決定する工程、を包含する。
【0010】
本明細書中に開示されるすべての局面において、核酸分子は、DNAもしくはRNA、またはそれらのいくつかの組み合わせであり得る。核酸分子は、天然に存在し得、そしておそらく、インビボ供給源から収集され得るか、またはインビトロで合成され得る。核酸分子はさらに、ホスホジエステルバックボーンを有し得るか、または本明細書中で考察されるようなバックボーン改変を含み得る。いくつかの重要な実施形態において、核酸分子は、インビトロで増幅されていない核酸分子である。
【0011】
本発明のこの局面および他の局面において、核酸分子は、その核酸分子を脱メチル化するに有効な量の脱メチル化剤(例えば、脱メチル化酵素)に曝露され得る。この曝露は、上述の配列特異的メチラーゼおよびSAM標識化誘導体のような因子、あるいは下記のようなメチル化特異的抗体もしくは抗体フラグメント、またはメチル化核酸結合タンパク質(MBP)への曝露前あるいは曝露後に行われ得る。いくつかの実施形態では、脱メチル化剤への曝露前のメチル化パターンと、脱メチル化剤への曝露および再標識化プロセスの後のメチル化パターンとを比較し、そしてそれらのメチル化パターンにおける差異を同定する。これらの差異は、メチル化のレベルもしくは頻度という点で定量的であり得、および/またはメチル化の位置もしくは型という点で定性的であり得る。
【0012】
別の局面では、本発明は、核酸分子を分析するための関連方法を提供し、ここでは、配列特異的メチラーゼを標識し、そしてSAM誘導体を標識しない。重要な実施形態では、SAM誘導体はアジリジン誘導体である。メチラーゼは、SAM誘導体を標識するために本明細書中で記載された任意の標識を使用して標識され得る。重要な実施形態では、メチラーゼは複数の標識を含み、その複数の標識は、本明細書中に記載されるように、同じであっても異なってもよく、そして同じ型のものであっても異なる型のものであってもよい。
【0013】
さらに別の関連した局面では、核酸分子を分析するための別の方法が提供され、ここでは、SAM誘導体ではなくSAMを使用し、そしてこのSAM自体が、例えば、放射性標識で標識される。
【0014】
本発明の別の局面では、核酸分子を分析するための方法が提供され、この方法は、核酸分子を、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントに曝露する工程、上記抗体または抗体フラグメントを上記核酸分子に結合させる工程、および線形ポリマー分析システム(例えば、本明細書中に記載されるシステムであるが、これに限定されない)を使用して、上記核酸分子に対する上記メチル化特異的抗体または抗体フラグメントの結合パターンを決定する工程、を包含する。抗体またはそのフラグメントは、好ましくは、検出可能な標識で標識される。あるいは、抗体またはそのフラグメントは、その抗体を認識および結合しかつそれ自体が検出可能な標識であり得るかまたは検出可能な標識を結合された状態であり得る二次抗体を使用することによって、検出される。
【0015】
1つの実施形態では、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントは、メチル化アデノシン、メチル化シトシン、メチル化グアノシン、メチル化チミン、およびメチル化ウリジンからなる群より選択されるメチル化ヌクレオチドを認識し、そしてそれらに結合する。他の実施形態では、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントは、6−メチルアデノシン、4−メチルシトシン、および5−メチルシトシンを認識し、そしてそれらに結合する。他のメチル化ヌクレオチドもまた、本発明の方法を使用して検出され得、そしてこれらは、「正常な」メチル化ヌクレオチド(すなわち、例えば、遺伝子座からの発現をサイレンシングするために、細胞において通常起こるヌクレオチドのメチル化)および変異促進性メチル化ヌクレオチド(すなわち、DNA損傷剤に曝露された後で起こるヌクレオチドのメチル化、および癌のような特定の障害に関連しているヌクレオチドのメチル化)の両方を含む。検出され得る他のメチル化ヌクレオチドとしては、7−メチルグアニン、O4−メチルチミン、O6−メチルグアニン、2,2,7−トリメチルグアニンなどが挙げられる。
【0016】
関連した局面では、核酸分子のメチル化パターンを、MBPを使用して決定する。この方法は、核酸分子をMBPに曝露する工程、上記MBPを上記核酸分子に結合させる工程、および上記核酸分子に対する上記MBPの結合パターンを決定する工程、を包含する。いくつかの実施形態では、MBPは、検出可能な標識で標識される。他の実施形態では、核酸分子を、MBPへの結合後に脱メチル化剤で処理し、次いで、上記のように配列特異的メチラーゼとSAM誘導体またはSAMとを用いて標識する。
【0017】
実施形態に依存して、脱メチル化剤への曝露と、その後のメチル化またはSAM誘導体での標識化とが、核酸分子における全メチル化部位を決定するために使用され得る。従って、1つの実施形態では、核酸分子におけるメチル化パターンを決定(例えば、前述の任意の方法を使用して)した後で、その核酸分子を脱メチル化するに有効な量の脱メチル化剤(例えば、脱メチル化酵素)に、その核酸分子を曝露する。次いで、核酸分子を、配列特異的メチラーゼとSAM標識化誘導体またはSAMとに曝露し、そしてそれらで標識する。
【0018】
従って、1つの実施形態では、この方法は、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントの結合パターンを決定した後で、核酸分子を、その核酸分子を脱メチル化するに有効な量の脱メチル化剤(例えば、脱メチル化酵素)に曝露する工程、および上記核酸分子を、配列特異的メチラーゼおよびSAM標識化誘導体に再度曝露する工程、上記配列特異的メチラーゼが、上記SAM標識化誘導体を用いて上記核酸分子中の標的ヌクレオチドを改変するのを可能にする工程、およびそのメチル化パターンを決定する工程、をさらに包含する。
【0019】
前述の局面において、脱メチル化前のメチル化パターンおよび脱メチル化後のメチル化パターンは、正常なメチル化パターンまたはゲノムマップと比較され得る。
【0020】
特定の実施形態では、SAM標識化誘導体は、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電した変換分子(transducing molecule)、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に導電性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群より選択される標識を含む。本明細書中で考察されるように、メチル化特異的抗体および抗体フラグメント、ならびにMBPもまた、上記標識で標識され得る。本明細書中に記載される方法はさらに、バックボーン標識で核酸分子を標識する工程を含み得る。
【0021】
1つの実施形態では、核酸分子におけるヌクレオチド改変のパターンは、Gene EngineTMシステム、光学的マッピング、DNAコーミング(DNA combing)などのような線形ポリマー分析システムを使用して決定される。
【0022】
1つの実施形態では、核酸分子を、ヌクレオチド改変から生じるシグナルを生成するためのステーションに曝露し、そして検出システムを使用してそのシグナルを検出する。いくつかの実施形態では、核酸分子を固体支持体に結合させるが、他の場合には、核酸分子は溶液中において遊離状態である。
【0023】
関連の実施形態において、検出システムは、蛍光検出システム、電気的検出システム、写真フィルム検出システム、化学発光検出システム、酵素検出システム、原子間力顕微鏡(AFM)検出システム、走査トンネル顕微鏡(STM)検出システム、光学的検出システム、核磁気共鳴(NMR)検出システム、近距離場検出システム、全反射(TIR)システム、および電磁的検出システムからなる群より選択される。
【0024】
さらに別の局面では、本発明は、核酸分子の異常なメチル化によって特徴付けられる障害を有するかまたはその障害を発症する危険性がある被験体を同定する方法を提供する。この方法は、被験体由来の生物学的サンプル中における核酸分子のメチル化パターンを決定する工程、およびその核酸分子のメチル化パターンをコントロールに対して比較する工程を包含し、ここで上記コントロールと比較した場合における、上記核酸分子のメチル化パターンの差異により、障害を有するかまたは障害を発症する危険性がある被験体が同定される。本発明のこの局面および他の局面において、この被験体はヒトであり得る。
【0025】
1つの実施形態では、メチル化パターンは、核酸分子を、メチル化特異的抗体もしくは抗体フラグメント、またはMBPに曝露する工程、および線形ポリマー分析システムを使用して、上記核酸分子に対する結合パターンを決定する工程によって、決定される。別の実施形態では、メチル化パターンは、核酸分子を、配列特異的メチラーゼおよびSAM標識化誘導体に曝露する工程、上記配列特異的メチラーゼが、上記SAM標識化誘導体を用いて上記核酸分子中のヌクレオチドを標識するのを可能にする工程、および上記核酸分子における標識化パターンを決定する工程によって、決定される。
【0026】
1つの実施形態では、コントロールは、正常な細胞または正常な組織サンプルである。別の実施形態では、コントロールは、正常な細胞からのデータセットである。
【0027】
別の局面では、本発明は、治療的処置の効力を評価する方法を提供する。この方法は、治療的処置前および治療的処置後に、被験体由来の生物学的サンプル中における核酸分子のメチル化パターンを決定する工程、および治療的処置前のメチル化パターンを、治療的処置後のメチル化パターンと比較する工程を包含し、ここで、治療的処置の結果としてのメチル化パターンにおける差異は、その治療的処置の効力を示す。
【0028】
1つの実施形態では、上記のメチル化パターンにおける差異は、全体的なメチル化レベルにおける増加である。別の実施形態では、上記のメチル化パターンにおける差異は、全体的なメチル化レベルにおける減少である。さらに他の実施形態では、上記のメチル化パターンにおける差異は、メチル化の位置における差異であるか、または規定された位置におけるメチル化の頻度における差異であるか、またはメチル化の型における差異である。
【0029】
1つの実施形態では、上記の治療的処置は、抗癌剤である。別の実施形態では、上記の治療的処置は、メチルトランスフェラーゼのインヒビターの投与を含む。メチルトランスフェラーゼのインヒビターは、5−アザシチジン、5−アザ−2’デオキシシチジン、5,6−ジヒドロ−5−アザシチジン、5−フルオロシチジン、および5−フルオロ−2’デオキシシチジンからなる群より選択され得るが、これらに限定されない。
【0030】
さらなる局面では、本発明は、核酸分子を光学的に分析するためのシステムを提供する。このシステムは、既知の波長の光学的放射線を放射するための光源;光路において光学的放射線を受容するための、および上記光学的放射線に曝露された核酸分子を受容して検出可能なシグナルを生成するための、相互作用ステーション;上記検出可能なシグナルの少なくとも2つの別々の波長帯を作り出すための、上記光路における二色性反射体;上記核酸分子と上記光学的放射線との相互作用から生じるシグナルを含む放射線を検出するように構築された光学的検出器;ならびに、上記シグナルを含む検出された放射線に基づいて、上記核酸分子を分析するように構築および配置されたプロセッサ、を備え、ここで上記核酸分子は、そのメチル化状態に従って標識される。
【0031】
1つの実施形態では、上記の相互作用ステーションは、局在化された放射線スポットを含む。さらなる実施形態では、上記のシステムはさらに、上記の局在化された放射線スポットを通してポリマー単位を受容しかつ前進させるように構築されたマイクロチャネルを備える。別の実施形態では、上記のシステムはさらに偏光子を備え、ここで上記の光源は、放射線ビームを放射するように構築されたレーザーを含み、そして偏光子は、そのビームを偏光するように配置される。いくつかの実施形態では、上記の局在化された放射線スポットは、スリットを使用して生成される。このスリットは、1nm〜500nmの範囲または10nm〜100nmの範囲のスリット幅を有し得る。いくつかの実施形態では、上記の偏光子は、スリットに到達する前にビームを偏光するように配置される。他の実施形態では、上記の偏光子は、スリットの幅と平行してビームを偏光するように配置される。
【0032】
前述のシステムのような線形ポリマー分析システムを使用して分析される核酸分子は、本明細書中に記載される任意の方法およびその組み合わせを使用して標識される。
【0033】
本発明の1つの局面では、核酸分子を分析する方法が提供され、この方法は、既知の波長の光学的放射線を生成して、局在化された放射線スポットを生成する工程;標識された核酸分子を、マイクロチャネルを通して通過させる工程;上記の局在化された放射線スポットにおいて、上記の標識された核酸分子を照射する工程;上記の局在化された放射線スポットにおいて、上記の標識された核酸と上記の光学的放射線との相互作用から生じる放射線を連続的に検出する工程;および検出された放射線に基づいて、上記の標識された核酸分子を分析する工程を包含し、ここで上記核酸分子は、そのメチル化状態に従って標識される。
【0034】
1つの実施形態では、この方法はさらに、上記の核酸分子を上記のマイクロチャネルを通して通過させるために電場を使用する工程を包含する。別の実施形態では、上記の検出する工程は、上記の核酸分子を上記のマイクロチャネルを通して通過させながら、経時的にシグナルを収集する工程を包含する。
【0035】
本発明の標識化方法は、以下を使用し得る:a)標識化配列特異的メチラーゼおよび標識化SAM誘導体、b)標識化配列特異的メチラーゼおよび標識されていないSAM誘導体、c)配列特異的メチラーゼおよび標識化SAM誘導体または標識化SAM、ならびにd)いずれも標識されていない、配列特異的メチラーゼおよびSAM。これらの後者の実施形態では、メチル化は、メチル化特異的抗体もしくはフラグメント、またはMBPの使用を通して検出されなければならない。重要な実施形態では、SAM誘導体はアジリジン誘導体である。配列特異的メチラーゼ、SAM誘導体およびSAMは、本明細書中に記載される任意の検出可能な標識で標識され得る。
【0036】
本発明のこれらの実施形態および他の実施形態は、本明細書中でより詳細に考察される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(発明の詳細な説明)
単一の核酸分子の検出は、単一の核酸分子における構造的モチーフの直接的な照会(interrogation)を可能にする。直接的な分析は、単一の核酸分子のメチル化状態が決定されることを可能にする。本発明によれば、核酸分子におけるメチル化状態の同定は、多数の異なる方法を通して達成され得る。これらの方法は、核酸分子におけるメチル化部位を直接的に標識化すること(メチル化ヌクレオチドを認識し、かつそのメチル化ヌクレオチドに結合する因子を使用する)、ならびに核酸分子を酵素的に改変して標識化ヌクレオチドを生じさせることを含む。直接的に標識する方法は、メチル化核酸結合タンパク質(MBP)、またはメチル化特異的抗体もしくは抗体フラグメントを使用し得る。酵素的に改変する方法は、標識化されたメチル化補因子(または、メチル化部位で核酸分子に対して共有結合的かつ不可逆的に結合され得る補因子誘導体)を使用し得る。酵素的方法は、核酸分子をメチル化するためかまたは核酸分子を標識するために使用され得る。脱メチル化もまた、脱メチル化の前および後に決定されたメチル化パターンのサブトラクションを行い得るので、分析の一部として含まれ得る。
【0038】
メチル化状態は、その核酸分子が由来する細胞または組織に関する情報を与える。例えば、変異促進性のメチル化を受けたヌクレオチドの存在は、その細胞が、DNA損傷剤のような発癌物質に曝露されたことを示し得る。特定のメチル化パターンは、前悪性状態または悪性状態と関連付けられ得、従って、例えば、腫瘍の発達前にこのようなメチル化パターンが同定されることにより、モニタリングまたは処置の必要がある被験体を同定し得る。
【0039】
単一の核酸分子においてメチル化を検出する能力はまた、核酸分子から配列情報を引き出すために利用され得る。配列依存的な様式で核酸分子をメチル化または標識化するための「配列特異的」メチラーゼの使用、ならびに生じたメチル化ヌクレオチドまたは標識化ヌクレオチドの位置および数を検出する能力は、核酸分子を配列決定する方法を提供する。
【0040】
1つの局面では、本発明は、配列特異的メチラーゼと、メチル化基質またはメチル化基質アナログとの使用に依存する。1つのメチル化補因子は、S−アデノシルメチオニン(SAM)である。SAMは、メチラーゼの作用を介して、核酸分子のような別の化合物へとメチル基を付与する。一旦SAMがメチル基を付与すると、そのSAMは、メチラーゼと同様に、その核酸分子から解離する。この反応は、特定の配列(例えば、配列特異的メチラーゼの認識配列)でヌクレオチドをメチル化するために、本発明の方法において使用され得る。メチル基自体が、例えば、水素ではなくトリチウム部分を使用することによって標識化され得る。他の標識もまたメチル基に結合され得、そして本発明は、この様式に限定されることを意図されない。前述の実施形態において、メチル化は可逆的な反応である。
【0041】
代わりに、メチラーゼ補因子がSAM誘導体(例えば、アジリジン誘導体)である場合、核酸の標識化は、メチラーゼおよびSAM誘導体のいずれかまたはその両方から由来し得る。SAM誘導体は、SAMおよび必要に応じてメチラーゼを、メチラーゼの認識配列にある核酸分子かまたはメチラーゼの認識配列の付近にある核酸分子に不可逆的に結合させ得る不可逆的反応を誘導する。(対照的に、SAMまたはトリチウム化SAMが使用される場合、メチラーゼは解離し得る。従って、この反応は可逆的な反応と言われる。)。メチラーゼおよびSAM誘導体は両方とも、核酸分子に不可逆的に結合し得るので、その位置を検出するために、従って、メチラーゼ認識配列の位置を検出するために、いずれかまたは両方を標識化することが可能である。いくつかの場合では、メチラーゼを標識化することが好ましい。なぜなら、SAM誘導体よりも多くの標識がメチラーゼに結合され得るからである。従って、いくつかの実施形態では、メチラーゼおよびSAM誘導体の両方を、不可逆的に結合させる。
【0042】
本明細書中で使用される場合、メチラーゼ反応は、SAMまたは標識化SAMを補因子として使用する場合には、核酸分子を「メチル化」することをいい、そしてSAM誘導体を(標識されているか否かにかかわらず)補因子として使用する場合には、核酸分子を「標識化」することをいう。
【0043】
本発明は、アジリジン誘導体に加えて、他のSAM誘導体を採用することを意図する(特に、このような誘導体がアジリジンと同様に機能する場合)。
【0044】
本明細書中に記載されるメチラーゼ、抗体およびMBP方法が、核酸分子における配列のマッピング(配列情報を引き出す目的のため)および核酸分子のメチル化状態の決定を含む、本発明のすべての局面において有用性を有することが理解される。
【0045】
本発明のなお他の局面では、本明細書中に提供される方法は、薬剤のメチル化活性および脱メチル化活性をスクリーニングするために使用され得る。本発明のこれらの適用および他の適用は、本明細書中で考察される。
【0046】
一般的に、本発明は、メチル化状態に基づいて、単一の核酸を分析するための方法、組成物およびシステムを提供する。本明細書中で使用される場合、「メチル化状態」は、核酸分子におけるメチル化ヌクレオチドのレベル(すなわち、数)、位置および/または型をいう。本明細書中で使用される場合、用語「メチル化状態」および「メチル化パターン」は、交換可能に使用される。メチル化部位は、配列特異的メチラーゼによって認識およびメチル化される、連続して連結されたヌクレオチドの配列である。メチラーゼは、メチル化部位において1つ以上のヌクレオチドをメチル化する(すなわち、メチル基を共有結合させる)酵素である。
【0047】
本発明の方法はまた、特定のメチル化ヌクレオチドの検出に限定されず、すべてのメチル化ヌクレオチドから情報を得ることを意図する。従って、本発明の方法を使用して、メチル化アデニン、メチル化シトシン、メチル化グアニン、メチル化チミン、およびメチル化ウリジンを検出し得る。上記で述べたように、これらのメチル化ヌクレオチドは、通常、正常な細胞において観察されるもの(これらは、例えば、通常、遺伝子座をサイレントにするためかまたは対立遺伝子をインプリントするために使用される)であり得る。あるいは、メチル化ヌクレオチドはまた変異促進性であるものであり得、これはそれらが、DNA損傷剤のような発癌物質に対して核酸分子を曝露したことから生じていることを意味する。
【0048】
本方法は、種々の核酸分子においてメチル化状態を分析することを意図する。これらの核酸分子としては、インビボ供給源およびインビトロ供給源の両方に由来する、DNAおよびRNAが挙げられる。mRNA、rRNAおよびtRNAのメチル化が報告されている(Tantravahiら、1981,56(3):315−320;Popeら、1978,5(3):1041−1057;Liuら、2002,44(11):195−204)。DNAとしては、ゲノムDNA(例えば、核DNAおよびミトコンドリアDNA)、およびいくつかの場合にはcDNA、が挙げられる。重要な実施形態では、核酸分子は、ゲノム核酸分子である。核酸分子は、一本鎖、二本鎖、部分的に一本鎖、および部分的に二本鎖であり得る。以下に記載するように、核酸分子は、天然に存在するものであっても、天然に存在しないものであってもよく、そしてさらに、そのメチル化状態は、インビボプロセスの結果であっても、実験操作(例えば、推定DNA損傷剤または推定脱メチル化剤への意図的な曝露)の結果であってもよい。
【0049】
用語「核酸」は、複数のヌクレオチド(すなわち、置換されたピリミジン(例えば、シトシン(C)、チミジン(T)またはウラシル(U))または置換されたプリン(例えば、アデニン(A)またはグアニン(G))のいずれかである交換可能な有機塩基に結合した糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)を含む分子)を意味するために、本明細書中で使用される。「核酸」および「核酸分子」は、交換可能に使用される。本明細書中で使用される場合、この用語は、オリゴリボヌクレオチドおよびオリゴデオキシリボヌクレオチドをいう。この用語はまた、ポリヌクレオシド(すなわち、ホスフェートのない(minus)ポリヌクレオチド)およびポリマーを含む任意の他の有機塩基を含む。核酸分子は、既存の核酸供給源(例えば、ゲノムまたはcDNA)から、または合成手段(例えば、核酸合成によって産生される)によって得られ得る。核酸分子のサイズは、制限されていない。核酸分子のサイズは、いくつかのヌクレオチド長(数百、数千または数百万のヌクレオチド長)であり得る。いくつかの実施形態において、核酸分子は、染色体の長さであり得る。
【0050】
本発明の方法は、予めインビトロで核酸を増幅させることなしに行われ得る。いくつかの好ましい実施形態において、核酸分子は、生物学的サンプル(例えば、組織または細胞培養物)より、核酸分子を増幅する必要なしに直接回収および単離される。よって、本発明のいくつかの実施形態は、インビトロで増幅されていない核酸分子の分析に関する。本明細書中で使用される場合、「インビトロで増幅されていない核酸分子」は、ポリメラーゼ連鎖反応または組換えDNA法のような技術を使用してインビトロで増幅されていない核酸分子をいう。
【0051】
しかし、インビトロで増幅されていない核酸分子は、生物学的サンプル中における細胞の発達の天然の結果としてインビボで(回収された生物学的サンプル中で)増幅される核酸分子であり得る。これは、インビトロで増幅されていない核酸分子が、いくつかの細胞型で通常観察される現象である遺伝子増幅の一部としてインビボで増幅される核酸分子であり得、そして癌の発達に関連し得る核酸分子であり得ることを意味する。結果として、本方法は、核酸分子のネイティブなメチル化状態を決定することを可能にする。本明細書中で使用される場合、「ネイティブなメチル化状態」は、インビボで存在するような核酸分子のメチル化状態(またはパターン)である。
【0052】
核酸の回収および単離は、当該分野において慣用的に行われ、そして適切な方法は、標準的な分子生物学の教科書に見出され得る。核酸分子は、組織または生物学的体液のような生物学的サンプルから回収され得る。本明細書中で使用される場合、用語「組織」は、以下を含む局在化された細胞集団および散在した細胞集団の両方をいう:脳、心臓、胸部、結腸、膀胱、子宮、前立腺、胃、精巣、卵巣、膵臓、下垂体、腺、副腎、甲状腺、唾液腺、乳腺、腎臓、肝臓、腸、脾臓、胸腺、骨髄、気管および肺。生物学的体液としては、唾液、血清、血漿、精液、血液および尿が挙げられるが、これらに限定されない。侵襲性および非侵襲性の技術は両方とも、このようなサンプルを得るために使用され得、そして当該分野において十分に示されている。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明を使用して、核酸誘導体を分析し得る。本明細書中で使用される場合、核酸誘導体は、天然に存在しない核酸分子である。核酸誘導体は、天然に存在しないヌクレオチドおよび骨格結合(linkage)のような、天然に存在しないエレメントを含み得る。
【0054】
核酸誘導体は、C−5プロピン改変塩基(Wagnerら、Nature Biotechnology 14:840−844,1996)のような置換されたプリンおよびピリミジンを含み得る。プリンおよびピリミジンとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、5−メチルシトシン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、ならびに天然に存在する他の核酸塩基および天然に存在しない他の核酸塩基、置換された芳香族部分および置換されていない芳香族部分。他のこのような改変は、当業者に公知である。
【0055】
核酸誘導体はまた、例えば、塩基および/または糖における置換または改変を含み得る。例えば、これらは、3’部分のヒドロキシル基および5’部分のリン酸基以外の低分子量有機基に共有結合される骨格糖を有する核酸分子を含む。よって、核酸誘導体は、2’−O−アルキル化リボース基を含み得る。さらに、核酸誘導体は、リボースの代わりにアラビノースのような糖を含み得る。この核酸は、骨格組成において均質であっても不均質であってもよい。
【0056】
天然に存在しない骨格結合としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート、アルキルホスホネート、ホスフェートエステル、アルキルホスホノチオエート、ホスホルアミデート、カルバメート、カルボネート、ホスフェートトリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステル、メチルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、p−エトキシおよびこれらの組み合わせ。本発明はまた、ペプチドから構成される核酸誘導体または核酸残基を欠く核酸誘導体の分析を包含する。
【0057】
本発明は、核酸分子のメチル化状態を決定するいくつかの方法、および核酸分子から配列情報を引き出すいくつかの方法を提供する。本明細書中で使用される場合、核酸分子からの配列情報の誘導はまた、核酸分子を「マッピング」するといわれる。よって、メチラーゼの認識配列は、本明細書中に提供される方法を使用して、核酸分子上にマッピングされる。得られた情報は、例えば、その天然の供給源において存在するような、核酸分子のネイティブなメチル化状態であり得る。この情報は、細胞の遺伝子発現パターン、潜在的な前悪性表現型もしくは悪性表現型、または特定の治療効率を示し得る。
【0058】
本明細書中に記載される方法は、酵素的手段を使用して、核酸分子をメチル化または標識する工程、あるいはメチル化したヌクレオチドを認識しかつそのメチル化したヌクレオチドに特異的に結合する因子で核酸分子を直接標識する工程を典型的に包含する。これらの方法は、単独で使用されても、メチル化状態または配列情報を決定することと組み合わせて使用されてもよい。
【0059】
いくつかの方法は、配列特異的メチラーゼの作用を利用する。メチラーゼ(または、メチルトランスフェラーゼとも呼ばれる)は、メチル基を1つ以上のヌクレオチドに共有結合させる酵素である。好ましくは、メチラーゼは、配列特異的である。本明細書中で使用される場合、「配列特異的」は、メチラーゼがヌクレオチドまたはその誘導体の特定の線状配置を認識し、その配置内のヌクレオチドまたはその配置近傍のヌクレオチドのいずれかをメチル化することを意味する。一般に、配列特異的メチラーゼは、このメチラーゼが認識する同一配列内の1つ以上のヌクレオチドをメチル化する。
【0060】
配列特異的メチラーゼとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:SssI(CpGメチラーゼ;CmG)、ヒトDNA(シトシン−5)メチルトランスフェラーゼ(DNMT1)、ヒトDNA(シトシン−5)メチルトランスフェラーゼ(Dnmt1)アミノ末端、DNMT3a、DNMT3b、AluIメチラーゼ(AGCmt)、BamHIメチラーゼ(GCATCmC)、ClaIメチラーゼ(ATCGAmT)、damメチラーゼ(GAmTC)、EcoRIメチラーゼ、HaeIIIメチラーゼ、HhaIメチラーゼ、HpaIIメチラーゼ、MspIメチラーゼ(CmCGG)、TaqIメチラーゼ、mRNA N6−アデノシンメチルトランスフェラーゼ(Pu(G/A)AC(U/A)(ここで、Aがメチル化されている))、およびrRNAメチルトランスフェラーゼRrmA(すなわち、rRNAラージサブユニットメチルトランスフェラーゼ)。上記のメチラーゼのいくつかの配列特異性が、(その後ろの「m」で示されるメチル化ヌクレオチドにより)示される。他のメチラーゼの配列特異性およびそのメチラーゼがメチル化するヌクレオチドは、これらの酵素の任意の商業的供給業者(New England Biolabsを含むが、これに限定されない)のカタログに参照されることによって決定され得る。本発明の方法において使用され得る他のメチラーゼとしては、DNA修復タンパク質、O6−メチルグアニンRNAメチルトランスフェラーゼ、およびS−アデノシル−L−メチオニンメチルトランスフェラーゼが挙げられる。本発明がRNAメチラーゼおよびDNAメチラーゼの使用を含むこともまた、理解されるべきである。RNAの配列特異的メチル化は、1999年10月26日に発行された米国特許第5,972,705号に報告されている。
【0061】
メチラーゼは、典型的には細菌より得られる。種々の細菌株は、制限酵素−メチル化転移酵素の独特な組み合わせを有する。細菌細胞でのメチル化は、細菌細胞に宿主核酸と外来核酸との間を区別させる防御機構に関与する。この後者の局面において、制限エンドヌクレアーゼおよびメチラーゼは、分解するために外来DNAを標的化するように合わせて作用する。よって、公知の制限エンドヌクレアーゼのいずれもが、同一の核酸配列を認識する同族のメチラーゼを有する。各酵素対は、独特のDNA配列を認識する。配列がメチル化されている場合、制限酵素は、この特異的部位で核酸分子を切断しない。細菌は、自身のDNAをこれらの特異的認識部位でメチル化し、これにより、同族の制限酵素から自身のDNAを保護する。この特異的DNA配列を含み得るメチル化されていないDNA(例えば、外来DNA)は、制限エンドヌクレアーゼ切断の対象である。
【0062】
本発明の方法において適切なメチラーゼはまた、かなり多数の供給源(哺乳動物種、線虫(例えば、C.elegans)、ウイルス種などを含む)由来であり得る。配列特異的メチラーゼは、標準的なメチル化反応においてメチルドナーとしてSAMを共通して使用する。通常、SAMは、ヌクレオチドにメチル基を付与し(メチル化ヌクレオチドを生じる)、そしてメチラーゼとともに核酸分子から放出される。DNAメチラーゼは、例えば、N6位のアデニン(例えば、より高等な真核生物におけるmRNAの内部位置において見出される)のメチル化、およびC5位またはN4位のシトシンのメチル化を触媒し得る。他のメチラーゼは、これらのヌクレオチドおよび他のヌクレオチド上の種々の位置で核酸をメチル化する。
【0063】
配列特異的メチラーゼはまた、標識核酸分子のSAMの標識された誘導体とともに機能し得る。2000年2月10日に公開されたPCT特許出願WO00/06587は、SAMの誘導体であるメチラーゼの補因子を記載する。メチラーゼとともに使用される場合、SAM誘導体は、メチル化ヌクレオチドに直接付加され得る。しかし、SAMとは異なり、メチラーゼが不可逆的に結合される場合、基質もメチラーゼも核酸分子から解離し得ない。
【0064】
以前に言及されたように、SAMおよびSAM誘導体は、これらの位置(SMA誘導体の場合)または付与されたメチル基の位置(SAMの場合)を検出するために、両方とも標識され得る。さらに他の実施形態において、メチラーゼ自体が標識され得、ここで、SAM誘導体は、(そのように所望されるならば、標識され得るが)標識される必要はない。
【0065】
SAMおよびSAM誘導体(例えば、アジリジン誘導体)は、レポーターまたは他の反応性化学基を含み得る。例として、アジリジン誘導体に結合され得るレポーターまたは反応性化学基としては、以下が挙げられる:発蛍光団、反応基(例えば、アミン、カルボキシル基など)、アフィニティタグ、架橋剤(例えば、マレイミド、ヨードアセトアミド、アルデヒド誘導体)、光架橋剤(例えば、アリールアジド、ジアゾ化合物およびベンゾフェノン)、発色団、タンパク質(例えば、抗体および酵素)、ペプチド、アミノ酸(改変されているかまたはされていない)、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸、炭水化物、脂質、PEG、トランスフェクション試薬、ビーズ(例えば、マイクロビーズ)およびインターカレート剤(例えば、エチジウムブロミド、ソラレンおよびこれらの誘導体)。いくつかの実施形態において、好ましい発蛍光団としては、以下が挙げられる:BODIPY、クマリン、ダンシル、フルオレセイン、マンシル、ピレン、ローダミン、Texas Red、TNS、シアニン発蛍光団(例えば、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7)。アフィニティタグは、以下からなる群より選択され得る:ペプチドタグ(例えば、his−タグ、strep−タグ、flag−タグ、c−myc−タグ、エピトープおよびグルタチオン)、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェノールなど。
【0066】
メチラーゼおよびSAM誘導体(例えば、アジリジン誘導体)を使用する核酸分子の酵素標識の利点の1つは、特定の位置での標識の数を増加させ、これにより改変されたヌクレオチドから生成されたシグナルを増加させる能力である。これは、アジリジン誘導体が自身の不可逆的結合およびいくつかの場合核酸分子に対するメチラーゼの不可逆的結合を増加させるからである。タンパク質(例えば、メチラーゼ)の表面上の反応基の数および多様性を考慮して、複数の標識をメチラーゼに導入し得るべきである。メチラーゼが標識される場合、アジリジン誘導体が標識される必要はない。あるいは、アジリジン誘導体は標識され得るが、酵素は標識され得ない。しかし、この後者の実施形態において、標識および対応して検出されるシグナルの量は、メチラーゼが標識される場合よりも低い。好ましい実施形態において、メチラーゼ上の標識は同一であるが、異なり得る距離が存在する。例えば、利用可能な独特の検出可能な標識の数を増加させるために、特定の独特な配列を生成するために、例えば、異なる発蛍光団を合わせることが可能であり得る。いくつかの実施形態において、メチラーゼ上の標識は、FRET標識である。
【0067】
本明細書中で使用される場合、SAM標識誘導体とともに、配列特異的メチラーゼは、核酸分子を「メチル化」するのではなく「標識」する。しかし、標識化は、メチル化と同一の位置で生じる。よって、「標識パターン」は、「メチル化パターン」を代理する。
【0068】
メチル化反応は、配列特異性が公知でありそして公知の標識(または公知の標識の組合わせ)で標識されたメチラーゼを使用することによって行われる。あるいは、SAMまたはSAM誘導体が標識される。配列特異的メチラーゼと標識との公知の組み合わせが使用され得、その結果、後者の組み込まれた標識がメチラーゼの認識配列のマーカーとして使用され得る。
【0069】
一連のメチラーゼ反応は、連続して行われ得る。メチル化パターンは、メチラーゼ反応間で決定され得る。あるいは、メチル化パターンは、全てのメチラーゼ反応の完了後に決定され得る。
【0070】
以前に言及されたように、これらの方法は、予め核酸分子を増幅することに依存しない。よって、メチラーゼ反応は、回収および単離されたばかりの核酸分子に対して直接行われ得る。核酸分子に対するメチラーゼ反応は、回収時にはメチル化されていなかったこれらのヌクレオチドをメチル化または標識する。核酸分子の回収時にメチル化されていたヌクレオチドは、いくつかの場合、この手順によってさらにメチル化され得ない。しかし、これらの後者のメチル化部位は、本明細書中に記載される多くの方法において決定され得る。これらの方法は、より詳細に記載されるが、簡単には、全てのメチル化部位の脱メチル化、その後の、全ての部位(インビボでメチル化された部位、および第1のメチラーゼ反応においてメチル化された部位を含む)を標識するための再メチル化を含む。いくつかの実施形態において、第1のメチラーゼ反応は、メチラーゼおよび標識されたSAM誘導体(例えば、アジリジン)を用いて行われる。次いで、核酸分子は、標識されたアジリジン誘導体の存在について分析され得、その後、その核酸分子は脱メチル化され得、そして1つ以上のメチラーゼおよび異なる標識を有するSAM誘導体に再度曝露され得る。この方法において、インビボでのメチル化部位は、メチル化されていない部位と区別され得る。他の実施形態において、SAMおよびメチラーゼの組み合わせを使用する前に脱メチル化する必要はない。例えば、ヒトゲノムなどにおいて見出される正常なCpGメチル化と重複しないメチラーゼを使用する場合、全く脱メチル化する必要はない。例えば、BamHIメチラーゼは、配列GGATCCを認識し、そして脱メチル化工程によって影響されない。
【0071】
方法の組み合わせのいずれもが本発明によって含まれること、および当業者が、特定の適用にどの組み合わせが最も適しているかを容易に決定することが、理解されるべきである。
【0072】
1つの実施形態において、核酸分子は回収され得、そして1つ以上の配列特異的メチラーゼおよびSAM標識誘導体で標識され得る。全ての「利用可能な」メチル化部位(すなわち、メチル化され得るがメチル化されていない部位)は、この方法において標識され得る。次いで、この標識パターンは、正常なメチル化パターン(標識されたメチル化部位全てを有する)と比較され得る。正常メチル化パターンから標識パターンを差し引くことによって、回収時に核酸分子においてメチル化されていたメチル化部位を同定することが可能である。これらのメチル化パターンはまた、核酸分子およびメチル化部位をゲノムに対して方向付けるためにゲノムマップと比較され得る。
【0073】
本発明の方法は、メチル化の総量を検出し得るのみならず、メチル化の位置および型をも決定し得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、特に、型または認識配列に関わらずメチル化部位全てが決定されるべき実施形態において、複数のメチラーゼが、1つの型のみのSAM誘導体とともに使用され得る(すなわち、同一のSAM標識誘導体が、全てのメチラーゼによって使用され、よって、全てのメチル化部位が、同一の標識で標識される)。
【0075】
酵素的メチル化反応がまたSAMを基質として使用し得、これにより、核酸分子にメチル基を移し得ることが、明らかである。この場合において、メチル化ヌクレオチドは、トリチウムでそのメチル基を標識し、核酸分子をMBPまたは、下記に記載されるようなメチル化特異的抗体もしくは抗体フラグメントに曝露することによって可視化され得る。
【0076】
すでにメチル化されているメチル化核酸分子を直接標識することを包含する方法は、核酸分子上のメチル化部位を認識し、このメチル化部位に結合する因子を使用する。このような因子の例としては、MBPおよびメチル化特異的抗体または抗体フラグメントが挙げられる。
【0077】
いくつかのMBPが、RETT症候群および神経膠腫を含む特定の障害において同定された。特に、RETT症候群変異は、X連鎖メチルCpG結合タンパク質2(MeCP2)にマッピングされた(Amirら,1999,23(2):185−8)。MeCP2は、CpGジヌクレオチドに結合し、これにより転写を抑制する。同定されている他のMBPとしては、MBD1、MBD2、MBD3およびMBD4/MED1が挙げられる(Schlegelら、Oncol.Rep.2002,9(2):393−5)。MBP全体または単にそのメチル化核酸結合ドメインを使用して、メチル化ヌクレオチドを直接標識し得る。多くのMBPは、CGジヌクレオチドの状況下におけるメチル化シトシンを認識するが、本発明は、その結合特異性に関わらずMBPを含むことを意図する。
【0078】
本発明のいくつかの局面において、本方法は、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントを使用する。抗体に対する任意の参照が抗体フラグメントに対して等価に適用されることが、理解されるべきである。これらの抗体は、多くのメチル化ヌクレオチド(メチル化アデニン、メチル化チミン、メチル化シトシン、メチル化グアニンおよびメチル化ウリジンを含む)に対する特異性を有し得る。メチル化ヌクレオチドの例としては、以下が挙げられる:N6−メチルアデニン、4−メチルシトシン、5−メチルシトシン、7−メチルグアニン、O4−メチルチミン、O6−メチルグアニン、6−メチルアデノシン、2,2,7−トリメチルグアニンなど。
【0079】
メチル化ヌクレオチドに特異的な抗体は、Megabase Research Productsより商業的に購入され得る。あるいは、同様の特異性を有する未標識抗体は、ErlangerおよびBeiser(PNAS,52:68,1964)ならびにSanoら(Biochemica et Biophysica Acta、951:157,1988)によって記載されている。1999年3月4日に公開されたPCT特許出願WO99/10540は、メチル化ヌクレオチドに特異的な抗体を調製するための他の方法および供給源を教示する。Kawaradaらはまた、メチル化DNAに特異的な抗体のウサギにおける合成を教示する(Tohuku J.Exp Med.1986,149(2):151−161)。よって、メチル化特異的抗体は、任意の型のメチル化ヌクレオチドに対して作製され得る。いくつかの実施形態において、抗体は単離される。他の実施形態において、抗体は、抗血清または腹水として提供される。抗体は、モノクローナルであってもポリクローナルであってもよい。
【0080】
抗体またはMBPは、回収および単離された核酸と接触され、そしてこれらの標的との相互作用(例えば、結合)を可能にする。いくつかの例において、複数の抗体またはMBPを使用することが望ましくあり得、これらの各々は、他の抗体またはMBPとは異なる独特の特異性を有し、そして各々は、他の抗体またはMBPとは異なる標識で標識される。異なる抗体またはMBPに対する曝露は、同時または連続的に起こり得る。次いで、生じた核酸は、複数の抗体またはMBPで標識され、これらの各々は、種々の型のメチル化ヌクレオチドに結合し、そして各々は異なる標識を有する。
【0081】
いくつかの例において、本方法は、特定のメチル化ヌクレオチドのみを標的化し、そのため、特定の型のメチル化ヌクレオチド(例えば、5−メチルシトシンではなく、4−メチルシトシン))を認識しそしてこれに結合する抗体のみを含む。あるいは、本方法は、無差別であり、そしてある範囲のメチル化ヌクレオチドに対する抗体のパネルを使用する。
【0082】
本明細書中で使用される場合、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントおよびMBPは、メチル化部位で核酸分子に結合する。よって、これらの因子の「結合パターン」は、この核酸分子の「メチル化パターン」を代理する。
【0083】
直接結合法は、多くの方法において使用され得る。例えば、回収された核酸上でのメチル化特異的抗体または抗体フラグメントの結合パターンあるいはMBPの結合パターンが決定され得、次いで、正常なメチル化パターンと比較され得る。あるいは、結合パターンは、ゲノム地図(例えば、ゲノム配列決定プロジェクトから利用可能なもの)と比較され得る。これは、核酸分子の回収に際してメチル化される部位を同定する。別の例において、核酸分子はさらに、脱メチル化、続いて、複数のメチラーゼおよびSAMを用いる再メチル化、続いて、メチル化特異的抗体または抗体フラグメントあるいはMBPの再結合によって処理され得る。この実施形態において、核酸分子の標識のみが、抗体またはMBPの結合に由来し、メチラーゼにもSAMにも由来しない。
【0084】
さらに別の実施形態において、核酸は、メチラーゼおよびSAM標識誘導体に曝露され得、次いで、このSAM誘導体の標識とは異なる標識を有するメチル化特異的抗体に曝露され得る。この方法において、予め存在するメチル化部位は、核酸分子中の非メチル化部位とは区別され得る。
【0085】
本発明は、本明細書中に提供される酵素的方法および/または結合方法の使用を含むことを意図するが、本明細書中に列挙される方法の例および組み合わせに限定されることは意味されない。
【0086】
他の実施形態において、メチル化ヌクレオチドは、メチル化特異的抗体フラグメントを使用して検出される。当該分野において周知であるように、抗体分子の小部分(パラトープ)のみが、そのエピトープへのその抗体の結合に関与する(一般に、Clark,W.R.(1986)The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley&Sons,Inc.,New York;Roitt,I.(1991)Essential Immunology,第7版,Blackwell Scientific Publications,Oxfordを参照のこと)。例えば、抗体のpFc’領域およびFc領域は、補体カスケードのエフェクターであるが、抗原結合に関与しない。pFc’領域が酵素的に切断されている抗体、またはpFc’領域なしに産生された抗体(F(ab’)2フラグメントと称される)は、インタクトな抗体の抗原結合部位の両方を残す。単離されたF(ab’)2フラグメントは、その2つの抗原結合部位に起因して二価モノクローナルフラグメントといわれる。同様に、Fc領域が酵素的に切断されている抗体、またはFc領域なしに産生された抗体(Fabフラグメントと称される)は、インタクトな抗体分子の抗原結合部位の一方を残す。さらに、Fabフラグメントは、共有結合した抗体軽鎖およびFd(重鎖可変領域)と称される抗体重鎖の一部から構成される。Fdフラグメントは、抗体特異性の主要な決定基(単一のFdフラグメントは、抗体特異性を変化させることなく異なる10個までの軽鎖と結合され得る)であり、そしてFdフラグメントは、単離物中にエピトープ結合能を残す。
【0087】
用語Fab、Fc、pFc’、F(ab)2およびFvは、標準的な免疫学的意味で使用される(Klein,Immunology(John Wiley,New York,NY,1982);Clark,W.R.(1986)The Experimental Foundations of Modern Immunology(Wiley&Sons,Inc.,New York);Roitt,I.(1991)Essential Immunology,第7版,(Blackwell Scientific Publications,Oxford))。
【0088】
他の局面において、抗体は、ヒト抗体由来の領域および非ヒト抗体由来の領域を有するキメラであり得る。このような抗体を作製するための方法は、当該分野において公知である。
【0089】
本方法のさらなる実施形態において、核酸分子はさらに、酵素的メチル化またはMBPもしくは抗体(またはそのフラグメント)での直接標識の前または後にプロセスされ得る。
【0090】
例えば、核酸分子は、核酸分子由来のほとんどの(全てではない場合)メチル基を除去するように脱メチル化因子(例えば、脱メチル化酵素、すなわち、デメチラーゼで処理され得る。脱メチル化因子は、核酸分子から大部分のメチル基(全てのメチル基ではない場合)を除去するために有効な量で使用される。大部分のメチル基の除去は、好ましくは、70%より多く、より好ましくは、80%より多く、さらにより好ましくは、90%より多く、そして最も好ましくは、95%より多く(すなわち、96%、97%、98%、99%および100%)のメチル基が脱メチル化酵素への曝露の後に除去されることを意味する。いくつかの例において、脱メチル化因子を使用して、特定のメチル化ヌクレオチドからメチル基を除去する(例えば、メチルシトシンからのメチル基の除去)。他の実施形態において、脱メチル化因子は、全てのメチル化ヌクレオチドからメチル基を無差別に除去する。さらに他の実施形態において、脱メチル化因子のセットを使用して、同時にかまたは連続的にかのいずれかで核酸分子を脱メチル化する。
【0091】
重要な実施形態において、脱メチル化因子は、デメチラーゼである。DNAデメチラーゼ(DNA dMTase)は、1999年5月20日に公開されたPCT特許出願WO99/24583に記載されている。
【0092】
脱メチル化は、メチル化分析の前、後またはその間に行われ得る。いくつかの例において、全ての潜在的メチル化部位の読出しを不明にする予め存在するメチル化をすべて除去するために、脱メチル化がメチル化分析の前に行われることが、好ましくあり得る。これは、核酸分子がそのメチル化状態について分析される場合ではなく配列決定またはマッピングされる場合に好ましくあり得る。核酸分子のメチル化状態が代わりに探索される場合、最初にメチル化分析、次いで、脱メチル化(メチル化の除去のため)、次いで、全ての潜在的メチル化部位を同定するための再メチル化を行うことが好ましくあり得る。第1のメチル化パターンおよび第2のメチル化パターンの比較は、核酸分子中のメチル化ヌクレオチドの位置、数および頻度についての情報を提供する。
【0093】
従って、いくつかの実施形態では、脱メチル化後、核酸分子が、SAMまたはSAM誘導体の存在下で1つ以上の配列特異的メチラーゼに曝露され、その結果、核酸分子は、場合によっては、再メチル化または再標識され得る。重要な実施形態では、全ての既知のメチラーゼは、核酸分子の最大限のメチル化または標識を達成するために反応に添加される。メチラーゼが、SAMと共に用いられる場合、核酸分子はメチル化され、そしてメチル化されたヌクレオチドは、MBPおよび本明細書中に記載される抗体を用いて可視化され得る。代わりに、メチラーゼがSAM誘導体(例えば、アジリジン)と共に用いられる場合、核酸分子は、メチル化よりもむしろ標識され、そして標識は、MBPまたはメチル化特異的抗体の必要性なしに検出され得る。本明細書中で言及されるように、SAM誘導体(例えば、アジリジン誘導体)を用いる場合、標識は、SAM誘導体またはメチラーゼに対してなされ得る。
【0094】
本発明はまた、核酸分子に沿って配列(メチラーゼ認識配列に対応する)をマッピングする方法を提供する。互いに対するか、または他のゲノムマーカーに対する(例えば、他のゲノムマッピング)かのいずれかで、これらの配列の各々についての位置情報を得ることが可能である。これらの方法を用いて得られる配列情報は一部である。なぜならば、この方法は、メチラーゼの認識配列を検出するように制限されるからである。従って、核酸分子の連続配列は一般的に得られず、むしろ、この結果は、核酸分子、および潜在的にゲノムに沿って分布されるメチラーゼ認識部位のマップである。
【0095】
メチラーゼは、特徴的な認識配列内またはこの認識配列付近の特定のヌクレオチドで核酸をメチル化するので、メチル化ヌクレオチドは、この認識配列の存在の指標である。同様に、メチラーゼへの曝露の後に標識されたヌクレオチドおよびSAM標識誘導体の存在もまた、認識部位の存在の指標である。
【0096】
MBPおよびメチル化特異的抗体(またはそのフラグメント)はまた、特にこれらが制御されたインビトロでのメチル化反応から生じるメチル化(例えば、配列特異的メチル化)を検出するために用いられる場合、配列決定目的のために用いられ得る。例えば、核酸分子は、配列特異的メチラーゼおよびSAMを用いてメチル化され得、その後、メチル化反応から生成することが既知であるメチル化ヌクレオチドの型に特異的な抗体またはMBPに曝露され得る。この抗体またはMBPの結合は、特定のメチル化ヌクレオチドが存在することを示し、次いで、これは、特定の既知の認識配列が、メチル化ヌクレオチドにまたはメチル化ヌクレオチドの付近に存在することを示す。メチル化反応および標識は、特に生成されるメチル化ヌクレオチドが同じである場合、連続した順序で行われ得る。メチラーゼが、異なるメチル化ヌクレオチドを生成する場合、これらは、抗体またはMBPがメチル化ヌクレオチドを認識し得るように、一緒にインキュベートされ得る。MBPおよびメチル化特異的抗体もまた、連続して用いられ得る。
【0097】
以下に、どのように配列情報が核酸分子から得られ得るかを簡単に記載する。生物学的サンプル(例えば、組織サンプルまたは体液またはエキソビボ組織培養物)から収集および単離される核酸分子は、上記されるような脱メチル化酵素に最初に曝露される。この曝露は、好ましくは、メチル化ヌクレオチドの大部分が、脱メチル化されるまで続けられる。脱メチル化の後、核酸分子は、予め決定したメチラーゼと標識SAM誘導体の組み合わせに連続して曝露される。重要な実施形態では、可能な限り多くのメチラーゼが、連続的な様式で用いられ得る。各々のメチラーゼは、(対合される)核酸分子の特定のSAM誘導体での標識が、認識配列を示すように、固有かつ別個の認識配列を有するべきである。結果は、核酸分子が、多数の異なる標識(各々が、特定の既知の認識配列に対応する)で標識されることである。核酸の両方の鎖がこの技術を用いて標識され、そして両方の鎖は、一緒かまたは別々に分析され得る。
【0098】
例として、2つ以上のメチラーゼが、例えば、異なる発蛍光団を核酸分子に付着させるために連続して用いられ得る。各発蛍光団は、異なる認識配列の存在に対応する。従って、核酸分子は、あるメチラーゼ/発蛍光団の組み合わせ、次いで別のものなどで標識され得る。さらなる例として、EcoR1、BamH1、およびPVU IIメチラーゼの各々は、6塩基認識配列を識別する。個別に、固有の6塩基配列の各々が、平均、1:4096塩基対で生じる。従って、合計3つのメチラーゼが(各々、固有のSAM誘導体と共に)用いられる場合、少なくとも1364塩基対のオーダーの分解能で核酸分子の配列マップを得ることが可能であるはずである。用いられるメチラーゼが多くなれば、分解能も高くなる。いくつかの実施形態では、分解能は、用いられるシステムの分解能の限界により制限される。いくつかの実施形態では、この分解能は、少なくとも100bp、少なくとも200bp、少なくとも300bp、少なくとも400bp、少なくとも500bp、少なくとも600bp、少なくとも700bp、少なくとも800bpまたはそれ以上である。この分解能はまた、既にメチル化されている部位を認識し、この部位に結合し、そして/またはこの部位に作用するメチラーゼの能力により制限され得る。従って、いくつかのメチラーゼが用いられる場合、重複する認識配列が全て検出されるとは限らない。
【0099】
このように標識された核酸分子の各々は、メチル化認識部位の固有のパターンを有する。この固有のパターンは、核酸分子の「フィンガープリント」に類似し得る。用いられる異なるメチラーゼ(各々が異なる認識配列を有する)の数が多くなれば、より多くの配列情報が利用可能になる。
【0100】
いくつかの実施形態では、配列情報は、ヒトゲノムプロジェクトのような情報源から利用可能であるゲノム配列情報と比較され得る。本発明の方法を用いて推定されるメチル化パターンはまた、物理的ゲノムマップ上にスーパーインポーズされ得る。これらのマップ(配列マップ、モチーフマップおよび構造マップを含む)は、ヒトゲノムプロジェクト、または他の生物のゲノム配列決定プロジェクトのような公の情報源から利用可能である。本発明の方法を用いて誘導されるメチル化パターンのスーパーインポーズは、分析されるゲノムの領域を位置付けるのに役立つ。従って、ゲノムの物理的マップは、本発明の方法を用いて決定されるメチル化パターンを方向付けるための参照として用いられる。さらに、メチル化される遺伝子座(例えば、活性な遺伝子座またはサイレントな遺伝子座、インプリントされた遺伝子座(imprinted loci)、ならびにこれまで未知の遺伝子座(すなわち、機能が未だ割当てられていない遺伝子座))を同定するためにもまた役立つ。本発明の全ての局面は、メチル化パターンを、特定の種についてのゲノムまたはその一部の物理的マップと比較する工程を包含する。いくつかの実施形態では、核酸のサンプルは、2つの等しいアリコートに分けられ、そして各々のアリコートは、別々に処理される。1つのアリコートは、脱メチル化され得、一方、他のアリコートは、本発明のMBPまたはメチル化特異的抗体で標識される。次いで、脱メチル化されたアリコートは、全ての可能な部位をメチル化するために、メチル化され得る。両方のアリコートは、好ましくは、互いに対して2つのアリコートの核酸分子を整列させるために用いられ得る独立したマーカーで処理され得る。この独立したマーカーは、単に、短いヌクレオチド配列に対する核酸プローブであり得る。このプローブは、メチル標識反応に用いられる他の標識から、別々に標識される。次いで、アリコートが分析され、そして位置データが、アライメントのための第3のマーカーのパターンを用いて、他のものから減算される。この減算は、収集の時点でメチル化されていないヌクレオチドを表す差異を生じるはずである。当業者は、収集の時点でメチル化されたヌクレオチドに対応する差異を導くために、これらの反応の順序を操作する方法を理解する。
【0101】
本発明の方法は、標識される試薬の使用を包含する。これらの試薬としては、メチラーゼ、SAM誘導体、抗体、抗体フラグメント、およびMBPが挙げられる。本明細書中で用いられる場合、これらの薬剤は、好ましくは、検出可能な標識に共有結合される。検出可能な標識としては、直接検出可能である標識および間接的に検出可能である標識が挙げられる。一般的に、標識の検出は、標識によるエネルギーの吸収または放出を包含する。この標識は、特定の波長の光を発光および/または吸収する能力によって直接検出され得る。標識は、それ自体が特定の波長の光を発光または吸収し得る別の部分を、結合、補充、および、場合によっては、切断する能力によって間接的に検出され得る。間接検出の例は、眼に見える産物へと基質を切断する第1の酵素標識の使用である。標識はまた、酵素基質であり得る。
【0102】
この標識は、化学物質、糖質、脂質、ペプチド、または核酸の性質のものであり得るが、これらに限定されない。他の検出可能な標識としては、放射性同位体(例えば、P32またはH3)、化学ルミネセンス基質、発色基質、発光マーカー(例えば、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、TRITC、ローダミン、テトラメチルローダミン、R−フィコエリトリン、Cy−3、Cy−5、Cy−7、テキサスレッド、Phar−Red、アロフィコシアニン(APC)など))、光学的マーカーまたは電子密度マーカーなど、ビオチン、アビジン、ジゴキシゲニン、またはエピトープタグ(例えば、FLAGエピトープまたはHAエピトープ)、ビオチン、アビジン、および酵素タグ(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトースなど)が挙げられる。
【0103】
標識として、米国特許第6,207,392号に記載される、量子ドット(quantum dot)(すなわち、Qdot)のような半導体ナノクリスタルの使用もまた、本発明により想定される。Qdotは、Quantum Dot Corporationから市販されている。標識はまた、電気的に荷電した伝達分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁気分子などであり得る。
【0104】
さらに他の実施形態では、検出可能な標識は、リガンド/レセプター対のリガンドまたはレセプター、マイクロビーズ、磁気ビーズ、またはアフィニティー分子である。
【0105】
本発明の薬剤に対する標識の連結は、多数の公知の共有結合プロセスおよび非共有結合プロセスにより実行され得る。これらの連結は、当該分野で慣用的である。種々の薬剤に対して種々の標識を連結するために用いられ得る汎用連結系は、van Gijlswijkら(Expert Rev Mol Diagn 2001,1(1):81−91)により記載される。
【0106】
検出可能な標識はまた、抗体または抗体フラグメントおよびこれらの対応する抗原またはハプテン結合パートナーであり得る。(これらの抗体およびそのフラグメントは、本明細書中で議論されるメチル化特異的抗体およびフラグメントと混同されるべきではない)。このような結合抗体およびタンパク質またはペプチドの検出は、当業者に公知の技術により達成される。ジゴキシゲニンまたはジニトロフェニルのようなハプテン結合体の使用もまた、ここで十分に適している。ハプテン結合体に応答して形成する抗体/抗原複合体は、標識をハプテンまたはハプテンを認識する抗体に連結し、次いで標識の部位を観察することによって、容易に検出される。あるいは、抗体は、用いられる一次抗体に特異的である二次抗体またはそのフラグメントを用いて可視化され得る。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体が用いられ得る。抗体フラグメントとしては、Fab、F(ab)2、Fd、およびCDR3領域を含む抗体フラグメントが挙げられる。
【0107】
標識はシグナルを放出し、そしてこのシグナルは検出システムにより検出されなければならない。この検出システムは、標識の性質に基づいて選択され得、そして蛍光検出システム、電気検出システム、写真フィルム検出システム、化学ルミネセンス検出システム、酵素検出システム、原子間力顕微鏡(AFM)検出システム、走査トンネル顕微鏡(STM)検出システム、光学検出システム、核磁気共鳴(NMR)検出システム、近距離場検出システム、全反射(TIR)システム、および電磁気検出システムからなる検出システムの群から選択され得るが、これらに限定されない。
【0108】
本発明は、標識の任意の組み合わせが、核酸の長さに沿って用いられ得ることを意図する。これは、核酸分子が、その長さに沿って、発蛍光団、発色団、核磁気共鳴標識、および半導体ナノクリスタルで標識され得、そして本明細書中に記載されるシステムにより分析され得ることを意味する。これらのシステムは、多数の異なる「シグナル様式」からシグナルを検出する能力を有する。
【0109】
核酸の分析は、標識からシグナルを検出し、そして互いに対するこれらの標識の相対的位置を決定することを包含する。いくつかの例では、このように得られた情報を分析した他の核酸からの情報と比較することを容易にする標準的なマーカーを用いて、核酸分子をさらに標識することが好適であり得る。例えば、この標準的なマーカーは、骨格標識、または(固有の配列であってもそうでなくても)ヌクレオチドの特定の配列に結合する標識、核酸分子中の特定の位置(例えば、複製起点、転写プロモーター、セントロメアなど)に結合する標識であり得る。
【0110】
骨格修飾の1つのサブセットは、配列独立様式で核酸を結合する核酸鎖である。例としては、以下が挙げられる:フェナントリジンおよびアクリジンのようなインターカレーティング色素(例えば、臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ヘキシジウム、ジヒドロエチジウム、エチジウムホモダイマー−1およびエチジウムホモダイマー−2、エチジウムモノアジド、およびACMA);インドールおよびイミダゾールのようなマイナーグルーブバインダー(例えば、Hoechst33258、Hoechst33342、Hoechst34580、およびDAPI);ならびにアクリジンオレンジ(インターカレーティングもまた可能である)、7−AAD、アクチノマイシンD、LDS751およびヒドロキシスチルバミジンのような種々の核酸染色剤。上記の核酸染色剤の全ては、Molecular Probes,Inc.のような供給元から市販されている。核酸染色剤のさらなる他の例としては、Molecular Probes製の以下の色素が挙げられる:シアニン色素(例えば、SYTOX Blue、SYTOX Green、SYTOX Orange、POPO−1、POPO−3、YOYO−1、YOYO−3、TOTO−1、TOTO−3、JOJO−1、LOLO−1、BOBO−1、BOBO−3、PO−PRO−1、PO−PRO−3、BO−PRO−1、BO−PRO−3、TO−PRO−1、TO−PRO−3、TO−PRO−5、JO−PRO−1、LO−PRO−1、YO−PRO−1、YO−PRO−3、PicoGreen、OliGreen、RiboGreen、SYBR Gold、SYBR Green I、SYBR Green II、SYBR DX、SYTO−40、SYTO−41、SYTO−42、SYTO−43、SYTO−44、SYTO−45(青)、SYTO−13、SYTO−16、SYTO−24、SYTO−21、SYTO−23、SYTO−12、SYTO−11、SYTO−20、SYTO−22、SYTO−15、SYTO−14、SYTO−25(緑)、SYTO−81、SYTO−80、SYTO−82、SYTO−83、SYTO−84、SYTO−85(オレンジ)、SYTO−64、SYTO−17、SYTO−59、SYTO−61、SYTO−62、SYTO−60、SYTO−63(赤))。
【0111】
核酸分子中の総メチル含有量を分析している従来技術の方法とは異なり、本明細書中に記載されるアプローチは、核酸分子中の総メチル含有量を決定することが可能であり、そしてメチル化の位置および型を定めることもまた可能である。この方法は、従来技術で要求されるような、増幅、核酸分子の制限エンドヌクレアーゼ消化、または他のプロセスを必要としない。
【0112】
核酸分子は、線状ポリマー分析システムを用いて分析される。この線状ポリマー分析システムは、線状様式(すなわち、ポリマーのある位置で始まり、そしてこの位置から、いずれかの方向に直線的に進行する)でポリマーを分析するシステムである。ポリマーが分析される場合、ポリマーに結合される検出可能な標識が、連続様式かまたは同時様式のいずれかで検出される。同時に検出される場合、シグナルは、通常、ポリマーの画像を形成し、この画像から、標識間の距離が決定され得る。連続的に検出される場合、シグナルは、核酸分子の速度の知識を用いて、ヒストグラム(シグナル強度対時間)で考察され、次いで、これは、マップに変換され得る。いくつかの実施形態において、この核酸分子は、固体支持体に付着され、他方では、この核酸分子は、自由に流動していることが理解されるべきである。いずれの場合でも、核酸分子が、例えば、相互作用ステーションまたは検出器を通過して移動する場合、核酸分子の速度は、互いに対して、および核酸分子上に存在し得る他の検出可能なマーカーに対して、標識の位置を測定することを助ける。
【0113】
従って、線状ポリマー分析システムは、核酸分子上の標識の総量のみならず、恐らく、より重要なことに、このような標識の位置をも推定し得る。標識(従って、メチル化部位)を位置決めするおよび位置付けする能力は、影響されるゲノムの領域を同定するために、メチル化パターンを、他のゲノムマップ上にスーパーインポーズすることを可能にする。好ましい実施形態では、線状ポリマー分析システムは、個別に核酸分子を分析し得る(すなわち、これらは、単一の分子検出システムである)。
【0114】
このようなシステムの例は、PCT特許出願公開WO98/35012およびWO00/09757(それぞれ、1998年8月13日、および2000年2月24日公開)、ならびに発行された米国特許第6,355,420B1(2002年3月12日発行)に記載される、Gene EngineTMシステムである。これらの出願および特許、ならびに他の出願および特許、ならびに本明細書中で援用される参考文献の内容は、その全体が参考として援用される。このシステムは、単一の核酸分子が、線状様式で相互作用ステーションを通過することを可能にし、それによって、この核酸分子中のヌクレオチドは、この核酸分子に結合体化した検出可能な標識が存在するか否かを決定するために、個別に問合せされる。問合せは、核酸分子をエネルギー源(例えば、設定した波長の光学的照射)に曝露することを包含する。エネルギー源曝露に応答して、ヌクレオチド上の検出可能な標識(これが存在する場合)は、検出可能なシグナルを放出する。シグナルの放出および検出のための機構は、検出されると考えられる標識の型に依存する。
【0115】
DNA分子の伸長を伴う他の単一の分子核酸分析法もまた、本発明の方法に用いられ得る。これらとしては、光学マッピング(Schwartzら、1993,Science 262:110−113;Mengら、1995,Nature Genet.9:432;Jingら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:8046−8051)および繊維−蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(繊維−FISH)(Bensimonら、Science 265:2096;Michaletら、1997,Science 277:1518)。光学マッピングにおいて、核酸分子は、液体サンプル中で伸長され、そしてゲル中または表面上に伸長したコンホメーションで固定される。次いで、伸長して固定された核酸分子に対して制限消化が行われる。次いで、順序付けられた制限マップが、制限フラグメントのサイズを決定することにより作成される。繊維−FISHにおいて、核酸分子が伸長され、そして、分子コーミング(molecular combing)により表面上に固定される。蛍光標識されたプローブ配列とのハイブリダイゼーションは、核酸分子上の配列ランドマークの決定を可能にする。両方の方法は、マーカーの間の分子の長さおよび/または距離が測定され得るように、伸長した分子の固定を必要とする。パルスフィールドゲル電気泳動をまた用いて、標識核酸分子を分析し得る。パルスフィールドゲル電気泳動が、Schwartzら、Cell,1984,37:67により記載される。他の核酸分析システムは、Otobeら(NAR,2001,29:109)、Bensimonら、米国特許第6,248,537号(2001年6月19日発行)、HerrickおよびBensimon(Chromosome Res 1999,7(6):409−423)、Schwartz、米国特許第6,150,089号(2000年11月21日発行)および米国特許第6,294,136号(2001年9月25日発行)により記載される。他の線状ポリマー分析システムもまた用いられ得、そして本発明は、本明細書中に列挙したシステムの一つに限定されることを意図しない。
【0116】
従って、いくつかの局面では、推定されるメチル化のレベル、位置、および型を含む、メチル化パターンは、「正常な」メチル化パターンと比較される。本発明の方法を用いて推定されるメチル化パターンの、正常なメチル化パターンに対する比較もまた、特定のメチル化パターンの生物学的関連性への洞察を提供し得る。「正常な」メチル化パターンは、正常な被験体由来か、または核酸受託機関からの正常な核酸サンプル由来の核酸分子のメチル化パターンであり得る。好ましくは、正常なメチル化パターンは、以前にメチル化関連障害の病歴を有さない明らかに健康な被験体に由来する。より好ましくは、正常なメチル化パターンは、試験被験体についてサンプリングされた組織に対応する正常な被験体の組織におけるメチル化パターンである。例として、乳癌は、いくつかの場合、このような組織が、周辺の正常な乳房組織から区別され得る程度まで十分に描写される。この描写は、非定型的乳房切除術(例えば、乳腫腫瘤摘除)において生じるような、罹患した乳房組織の選択的摘出を容易にする。同様に、このような描写は、所定の被験体由来の、予想される罹患した組織および正常組織の両方を収集するために、本発明において用いられ得る。
【0117】
メチル化の「正常な」レベルはまた、例えば、ある集団が、被験体のいる特定のグループについてのベースライン範囲を得るために用いられる範囲であり得る。従って、「正常」値は、選択される特定の集団に依存し得る。このような正常なレベルは、個体がいるカテゴリーを考慮して、予め選択された値として確立され得る。適切な範囲およびカテゴリーは、当業者により、慣用的な実験を超えることなく選択され得る。この範囲内の平均または別の予め選択された数のいずれかが、予め選択された正常値として確立され得る。
【0118】
従って、いくつかの局面では、一般的に、正常な細胞または正常な組織、および生物学的サンプルに対するメチル化分析を行う必要がある。あるいは、正常なメチル化パターンは、データとして予め決定され、そして記憶され得る。このデータは、アクセス可能であり、そして本明細書中で決定されるメチル化パターンと比較可能である。いくつかの例では、この比較は、核酸分子が低メチル化されることを実証し、一方、他の例では、比較は、核酸が高メチル化されることを実証する。この方法は、核酸分子内のメチル化の合計レベルに関する情報のみならず、メチル化が生じる核酸分子に沿った位置に関する情報もまた生じる。このことは、メチル化の合計に関する情報は提供するが、メチル化の位置に関する情報を提供しない、いくつかの従来技術の方法を超える利点である。
【0119】
本方法は、障害特異的であるメチル化パターンを同定するために用いられ得る。例として、細胞が癌性であり得、そして核酸分子の特定の領域もしくはヌクレオチドが癌性細胞において優先的にメチル化されているか否かを決定するために、この細胞のインビボでのメチル化状態が分析され得る。さらなる分析は、正常な、非癌性の細胞から収集した核酸分子に対して同じ分析を実行すること、次いで、癌性サンプルと非癌性サンプルとの間のメチル化のパターンを比較することを包含し得る。この比較は、癌、または特定の癌の型、または癌もしくは特定の癌の型に対する感受性と関連するメチル化のパターンの同定を導き得る。
【0120】
低メチル化された遺伝子座とは、正常な細胞由来のコントロール核酸分子よりも、少ないメチル化ヌクレオチドを含む核酸分子の領域をいう。高メチル化された遺伝子座とは、正常な細胞由来のコントロール核酸分子よりも、多いメチル化ヌクレオチドを含む核酸分子の領域をいう。本明細書中で用いられる正常な細胞とは、この細胞が罹患しておらず、そしていくらか時間が経った後に、罹患している上記の通常危険性を有していないことを意図する。低メチル化および高メチル化の両方は疾患と関係し、低メチル化または高メチル化の知見は、特定の疾患に関する教示であり得る。高メチルは、癌において、特に、遺伝子座からの遺伝子発現のサイレンシングを生じると考えられている、遺伝子座のプロモーター領域で観察されいる(Wistubaら、Semin.Oncol.2201,28(2 Supp 4):3−13)。従って、癌を有する被験体からのメチル化パターンの、正常なメチル化パターンとの比較は、特定の障害または特定の障害に対する感受性の結果として、低メチル化または高メチル化のいずれかとなる遺伝子座の同定を導き得る。
【0121】
核酸分子におけるメチル化「ホットスポット(hot spot)」の同定もまた、本発明の方法を用いて行われ得る。メチル化ホットスポットは、上記の正常なレベルのメチル化ヌクレオチドを有する核酸分子の領域(すなわち、集中したメチル化の領域)である。これらのホットスポットは、障害の発症において重要である遺伝子座を同定するために用いられ得、次いで、障害または障害を発症する危険性のマーカーとして用いられ得る。メチル化ホットスポットはまた、既知の遺伝子座(例えば、特定の障害において高メチル化されることが既知の遺伝子座)に対応し得る。例えば、網膜芽腫遺伝子およびウィルムス腫瘍遺伝子の両方のプロモーター領域は、いくつかの腫瘍において繰返し高メチル化される。メチル化のホットスポットの同定は、悪性であると疑われる生物学的サンプルの型についての最初のスクリーニングとして用いられ得る。
【0122】
本発明はまた、異常なメチル化により特徴付けられる障害有するか、またはこの障害を発症する危険性のある被験体を同定するための方法を提供する。異常なメチル化とは、一般的に、正常な細胞におけるメチル化(すなわち、正常なメチル化)のレベルよりも、より低いか、またはより高い、メチル化レベルをいい得る。異常なメチル化はまた、正常なメチル化パターンと異なるメチル化パターンを含む。これらの後者の差異は、サンプルのメチル化パターンと正常なメチル化パターンとの間のメチル化の位置または型の差異であり得る。
【0123】
本明細書中で用いられる場合、被験体は、ヒト被験体および非ヒト被験体を含む。いくつかの好ましい実施形態では、被験体は、哺乳動物である。被験体としては、ヒト、霊長類、家庭用動物(例えば、イヌおよびネコ)、農業用家畜動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ヒツジなど)、水産養殖種(例えば、魚類および甲殻類)、動物園用動物(例えば、クマ、ライオンなど)、研究用動物(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
メチル化の障害としては、癌、ベックウィズ−ヴィーデマン症候群、家族性プラーダー−ヴィリ症候群、ICF免疫不全症候群、ぜい弱X症候群のようなX染色体不活性化に関連した状態、および不適切な親の刷り込みを含む障害が挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
いくつかの実施形態において、この障害は、癌のような増殖性障害である。癌は、制御されていない、細胞の異常な増殖として規定され、これは、局在されたままであるか、または血流もしくはリンパ系を介して体中に広まり、それによって、第二の部位に播種(すなわち、転移)されるかのいずれかであり得る。本明細書中で使用される場合、診断は、その原発部位および/または転移部位において癌に指向される。診断され得る癌の例としては、以下が挙げられる:胆管癌、脳の癌(神経膠芽細胞腫および髄芽細胞腫を含む):乳癌;子宮頸部癌;絨毛癌;結腸癌;子宮内膜癌;食道癌;胃癌;血液学的新生物(急性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病を含む);慢性リンパ性白血病および慢性骨髄性白血病;多発性骨髄腫;AIDS関連白血病および成人T細胞白血病リンパ腫;上皮内新生物(ボーエン病およびパジェット病を含む);肝臓癌;肺癌;リンパ腫(ホジキン病およびリンパ球性リンパ腫を含む);神経芽腫;口腔癌(扁平上皮癌腫を含む);卵巣癌(上皮細胞、間質細胞、生殖細胞および間葉細胞から生じる癌を含む);膵臓癌;前立腺癌;結腸直腸癌;肉腫(平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫および骨肉腫を含む);皮膚癌(黒色腫、カポージ肉腫、基底細胞(basocellular)癌および扁平上皮癌;精巣癌(胚の腫瘍(精上皮腫、非精上皮腫の奇形腫および絨毛癌)、支質腫瘍および生殖細胞腫瘍を含む);甲状腺癌(甲状腺腺癌および髄質癌を含む);ならびに腎臓癌(腺癌およびウィルムス腫瘍を含む)。好ましくは、本発明は、乳癌、子宮頸部癌、白血病、卵巣癌および前立腺癌のような障害(またはそれに対する罹患率)を診断するために追及されてきた。
【0126】
核酸分子のメチル化状態は、核酸分子が誘導される細胞が、核酸を回収する前に供される条件に関連し得る。例えば、これらの細胞は、インビボまたはエキソビボのいずれかで化合物(例えば、抗癌剤またはメチルトランスフェラーゼのインヒビター)に曝露され得る。従って、本発明の方法は、核酸分子、そして潜在的に、順々に細胞、組織または器官に対するこのような化合物の効果を決定することにおいて有用である。
【0127】
本明細書中に記載される方法の別の用途は、治療処置の効果の評価である。いくつかの場合において、治療効果は、疾患、またはメチル化のレベルの増加、またはメチル化の局在もしくは型における変化、または特定のメチル化パターンすべての欠如によって決定される。重要な実施形態において、治療処置は抗癌剤の投与である。他の実施形態において、治療処置は脱メチル化因子である。脱メチル化因子は、核酸分子のメチル化のレベルの低減を、直接的または関節的に引き起こす因子である。脱メチル化因子としては、メチルトランスフェラーゼのようなメチル化酵素のインヒビターが挙げられる。本発明において有用な脱メチル化因子の例としては、5−アザシチジン、5−アザ−2’デオキシシチジン(欧州ではデシタビンとしても知られている)、5,6−ジヒドロ−5−アザシチジン、5,6−ジヒドロ−5−アザ−2’デオキシシチジン、5−フルオロシチジン、5−フルオロ−2’デオキシシチジン、ならびに5−アザ−2’デオキシシトシン、5,6−ジヒドロ−5−アザ−2’デオキシシトシン、および5−フルオロ−2’デオキシシトシンを含む短いオリゴヌクレオチドが挙げられる。前述の因子はすべて、DNAメチルトランスフェラーゼインヒビターとして作用する。これらのような因子(例えば、記された誘導物)としては、核酸、好ましくはDNA中に組み込まれ得る場合、最も効果的である。DNAメチルトランスフェラーゼを阻害すること、ならびに/またはインビトロでの脱メチル化を引き起こすことが報告された他の因子が、プロカナミド(procanamide)およびS−アデノシルホモシステインが挙げられる。低分子脱メチル化因子(メチルトランスフェラーゼのインヒビターを含む)のいくつかの候補(これらの効力を示すために核酸の組込みを必要としない)は、現在開発中である。
【0128】
本発明は、サンプルが特定の障害(例えば、癌のような)と診断された被験体、またはこのような障害を発症する危険性のある被験体のいずれかから回収され得ることによる方法を提供する。サンプルは、組織、細胞集団または体液であり得、そして通常被験体からの生検から得られる。サンプルからの核酸分子は、本願発明の方法に従って、回収され、単離され、そしてそのメチル化状態を決定するために分析される。1つの核酸分子、1つより多い核酸分子または全ての核酸分子の「処置前」メチル化プロフィールまたはパターンが、そのように決定され得る。次いで、被験体は、治療処置で処理され、そしてこのような処置(別の生物学的サンプルが被験体から回収される)が後に続く。核酸分子は回収され、そして「処置後」サンプルから単離され、そしてそれらのメチル化状態を決定するために分析される。好ましくは、これらのサンプルは、同一の組織、身体領域または体液から回収される。例えば、被験体が腫瘍を有する場合、処置前サンプルおよび処置後サンプルは両方とも腫瘍に由来する。概して、これらのサンプルはまた、障害によって影響されると考えられる細胞、組織または体液から採集される。しかし、他の例において、非障害細胞または組織に対する治療処置の効果を調査することが望まれ得る。例えば、正常な細胞および組織をインタクトなままにして、疾患の細胞または組織をより特異的に標的にする処置を同定するために、特定の治療処置の特異性を決定することが所望され得る。
【0129】
本発明の方法を使用して試験され得る他の抗癌剤としては、以下の列挙が挙げられる。本発明の方法を使用して、これらの化合物が、分析された核酸分子のメチル化状態に変化を誘導する点で試験され得ることが、理解されるべきである。
【0130】
他の抗癌剤としては、以下のようなDNA損傷抗癌剤が挙げられる:トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エトポシド、ランプトセシン(ramptothecin)、トポテカン(topotecan)、テニポシド、ミトキサントロン)、抗微小管剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン)、抗代謝剤(例えば、シタラビン、メトトレキサート、ヒドロキシウレア、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、6−チアグアニン、6−メルカプトプリン、フルダラビン、ペントスタチン、クロロデオキシアデノシン)、DNAアルキル化因子(例えば、シスプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クランブシル(chorambucil)、ブスルファン、チオテパ、カルムスチン、ロムスチン、カルボプラチン、ダカルバジン、プロカルバジン)、DNA鎖破壊誘導因子(例えば、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC)、および放射線治療剤。
【0131】
他の抗癌剤としては、以下のような免疫治療剤が挙げられる:リブタキン(Ributaxin)、ハーセプチン(Herceptin)、トラスツズマブ(trastuzumab)、クアドラメッド(Quadramet)、パノレックス(Panorex)、IDEC−Y2B8、BEC2、C225、オンコリム(Oncolym)、スマートM195(SMART M195)、アトラジェン(ATRAGEN)、オバレックス(Ovarex)、ベキサール(Bexxar)、LDP−03、ior t6、MDX−210、MDX−11、MDX−22、OV103、3622W94、抗VEGF、ゼナパックス(Zenapax)、MDX−220、MDX−447、メルイミュン−2(MELIMMUNE−2)、メルイミュン−1、シーサイド(CEACIDE)、プレターゲット(Pretarget)、ノボマブ−G2(NovoMAb−G2)、TNT、グリオマブ−H(Gliomab−H)、GNI−250、EMD−72000、リンホサイド(LymphoCide)、CMA 676、モノファーム−C(Monopharm−C)、4B5、ior egf.r3、ior c5、BABS、抗FLK−2、MDX−260、ANA Ab、スマート1D10 Ab、スマートABL 364 Ab、イミュレイト−CEA(ImmuRAIT−CEA)、免疫刺激性ペプチド、オリゴヌクレオチド。
【0132】
他の抗癌剤としては、以下のような癌ワクチンが挙げられる:EGF、抗イディオタイプ癌ワクチン、Gp75抗原、GMK黒色腫ワクチン、MGVガングリオシド結合体ワクチン、Her2/neu、オベイレックス(Ovarex)、M−Vax、O−Vax、L−Vax、STn−KHLセラトープ(theratope)、BLP25(MUC−1)、リポソームイディオタイプワクチン、メラシン(Melacine)、ペプチド抗原ワクチン、毒素/抗原ワクチン、MVAベースのワクチン、PACIS、BCGワクチン、TA−HPV、TA−CIN、DISCウイルスおよびイミュシスト(ImmuCyst)/セラシス(TheraCys)。
【0133】
他の抗癌剤としては、例えば、以下のサイトカインのような生物学的応答改変因子が挙げられる(例えば、インターフェロン、インターロイキンおよびリンホカイン(例えば、IL−2)、インターフェロンアゴニスト、造血増殖因子(例えば、エリスロポエチン、GM−CSF、G−CSF)、bFGFインヒビター、インスリン様増殖因子−1レセプターインヒビター)。
【0134】
他の抗癌剤としては、以下のようなホルモン治療剤が挙げられる:アドレノコルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン)、アンドロゲン(例えば、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、プロゲスチン(例えば、メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ(アミノグルテチミド)、性腺刺激放出ホルモンアゴニスト(例えば、ロイプロリド)、ソマトスタチンアナログ(例えば、オクトレオチド(octreotide))。
【0135】
他の抗癌剤としては、以下のような血管新生インヒビターが挙げられる:塩基性FGF、VEGF、アンギオポイエチン、アンギオスタチン、エンドスタチン、TNFα、TNP−470、トロンボスポンジン−1、血小板因子4、CAIおよびインテグリンファミリーのタンパク質の特定メンバー。
【0136】
他の抗癌剤としては以下が挙げられる:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン(Adozelesin);アルデスロイキン(Aldesleukin);アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール(Anastrozole);アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(Asperlin);アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;ブチマスタット(Batimastat);ベンゾデパ;バイカルタミド(Bicalutamide);塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシレート(Bisnafide Dimesylate);ビゼレシン(Bizelesin);硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン(Carubicin Hydrochloride);カルゼレシン(Carzelesin);セデフィンゴール(Cedefingol);クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン(Cladribine);クリスナトールメシレート(Crisnatol Mesylate);シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン(Dexormaplatin);デザグアニン;デザグアニンメシレート(Dezaguanine Mesylate);ジアジコン(Diaziquone);ドセタセル(Docetaxel);ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン(Droloxifene);クエン酸ドロロキシフェン(Droloxifene Citrate);プロピオン酸ドロモスタノロン;ズアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン(Enloplatin);エンプロマート;エピプロピジン;塩酸エピルピシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン(Estramustine);エストラムスチンリン酸ナトリウム(Estramustine Phosphate Sodium);エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール(Fadrozole Hydrochloride);ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルホモシン;イプロプラチン(Iproplatin);塩酸イリノテカン(Irinotecan Hydrochloride);酢酸ランレオチド(Lanreotide Acetate);レトロゾール(Letrozole);塩酸リアロゾール(Liarozole Hydrochloride);ロメトレキソールナトリウム(Lometrexol Sodium);ロムスチン;塩酸ロソザントロン(Losoxantrone Hydrochloride);マソプロコール;マイタンシン(Maytansine);塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル(Menogaril);メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン(Mitocromin);ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトーテン;塩酸ミトザントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;ペグアスパルガース(Pegaspargase);ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン(Peplomycin Sulfate);ペルホスファミド(Perfosfamide);ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン(Plomestane);ポルフィマーナトリウム(Porfimer Sodium);ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン(Pyrazofurin);リボプリン;ログレチミド(Rogletimide);サフィンゴール(Safingol);塩酸サフィンゴール(Safingol Hydrochloride);セムスチン;シムトラゼン(Simtrazene);スパルホセートナトリウム(Sparfosate Sodium);スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル(Sulofenur);タリソマイシン;テコガランナトリウム(Tecogalan Sodium);テガフール;塩酸テロザントロン(Teloxantrone Hydrochloride);タキソテール;テモポルフィン(Temoporfin);テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン(Tirapazamine);クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード(Uracil Mustard);ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン(Verteporfin);硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール(Vorozole);ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン;。
【0137】
他の抗癌剤としては、以下が挙げられる:メトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、クロロエチルニトロソウレア(chloroethylnitrosourea)を含む非糖、マイトマイシンC、ダカルバジン、フラギリン(fragyline)、メラミン、GLA、バルルビシン(valrubicin)、カルムスタイン(carmustaine)およびプリファーポザン(poliferposan)、MMI270、BAY12−9566、RASフェーメシル(famesyl)トランスフェラーゼインヒビター、フェーメシルトランスフェラーゼインヒビター、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメテソール(Lometexol)、グラモレック(Glamolec)、CI−994、TNP−470、PKC412、バルスポダール(Valspodar)/PSC833、ノバントロン(Novantrone)/ミトロザントロン(Mitroxantrone)、メタレット(Metaret)/スラミン(Suramin)、バチマスタット(Batimastat)、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、インセル(Incel)/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マルミスタット(Marmistat)、BB2516/マルミスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レマナール(Lemonal)DP 2202、FK 317、ピシバニール/OK−432、AD 32/バルルビシン(Valrubicin)、メタストロン(Metastron)/ストロンチウム誘導体、テモダール(Temodal)/テモゾロミド、エバセット(Evacet)/リポソームドキソルビシン、セロード(Xeload)/カペシタビン(Capecitabine)、フルツロン/ドキシフルリジン、経口タキソイド(Oral Taxoid)、SPU−077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール(Flavopiridol)、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS癌遺伝子インヒビター、BMS−182751/経口白金、UFT(テガフール/ウラシル)、エルガミソール(Ergamisol)/レバミゾール、エニウラシル(Eniluracil)/776C85/5FU増強因子、カンプト(Campto)/レバミゾール、カンプトソール(Camptosar)/イリノテカン、ツモデクス(Tumodex)/ラルチトレゼド(Ralitrexed)、ロイスタチン(Leustatin)/クラドリビン(Cladribine)、ドキル(Doxil)/リポソームドキソルブシン、カエリクス(Caelyx)リポソームドキソルビシン、フラダラ(Fludara)/フルダラビン、ファーマルビシン(Pharmarubicin)/エピルビシン、デポサイト(DepoCyt)、ZD1839、LU79553/ビス−ナフタリミド(Bis−Naphtalimide)、LU103793/ドラスタチン(Dolastain)、カエティクス(Caetyx)/リポソームドキソルビシン、ゲムザー(Gemzar)/ゲンシタビン、ZD0473/アノルメッド(Anormed)、YM116、ヨードシード(lodine seed)、CDK4インヒビターおよびCDK2インヒビター、PARPインヒビター、D4809/デキシホスアミド(Dexifosamide)、イフェス(Ifes)/メスネクス(Mesnex)/イホスファミド、ブモン(Vumon)/テニポシド、パラプラチン/カルボプラチン、プランチノール(Plantinol)/シスプラチン、ベペシド(Vepeside)/エトポシド、ZD9331、タキソテール/ドセタキセル、グアニンアルビニシドのプロドラッグ、ニトロソ尿素、メルファラン(melphelan)のようなアルキル化剤、シクロホスファミド、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロモブシル(Chlorombucil)、シタラビンHCl、ダクチノマイシン、ダウノルビシンHCl、エストラムスチンリン酸ナトリウム(Estramustine phosphate sodium)、フロクスウリジン、フルタミド、ヒドロキシ尿素(ヒドロキシカルバミド)、イホスファミド、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミン(Mechlorethamine)HCl(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ(Mesna)、ミトタン(o.p’−DDD)、ミトキサントロンHCl、オクトレオチド、プリカマイシン、プロカルバジンHCl、ストレプトゾシン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m−AMSA)、アザシチジン、ヘキサメチルメラミン(Hexamethylmelamine)(HMM)、ミトグアゾン(メチルGAG);メチルグリオキサールビス−グアニルヒドラゾン(methyl glyoxal bis−guanylhydrazone);MGBG)、ペントスタチン(2’デオキシホルミシン(2’deoxycoformycin))、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(VM−26)および硫酸ビンデシン。
【0138】
他の抗癌剤としては、以下が挙げられる:20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン(abiraterone);アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン(adozelesin);アルデスロイキン(aldesleukin);ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン(ambamustine);アミドクス(amidox);アミホスチン;アミノレブリン酸(aminolevulinic acid);アムルビシン(amrubicin);アムサクリン;アナグレリド;アナストゾール(anastrozole);アンドログラホリド(andrographolide);アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス(antarelix);抗背方化形態形成タンパク質−1(anti−dorsalizing morphogenetic protein−1);抗ネオプラストン(antineoplaston);アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート(aphidicolin glycinate);アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシスレギュレーター;アプリン酸(apurinic acid);ara−CDP−DL−PTBA;アデニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1(axinastatin 1);アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン(azasetron);アザトキシン(azatoxin);アザチロシン(azatyrosine);バカチンIII誘導体(baccatin III derivative);バラノール(balanol);バチマスタット(batimastat);BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロプロリン;βラクタム誘導体;β−アレチン(beta−alethine);βクラマイシンB(betaclamycin B);ベツリン酸(betulinic acid);ビカルトアミド(bicalutamide);ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナファイド(bisnafide);ビストラテンA(bistratene A);ビゼレシン(bizelesin);ブレフレート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン(buthionine sulfoximine);カルシポトリオール;カルホスチンC(calphostin C);カムプトテシン誘導体(camptothecin derivative);カナリアルポックスIL−2(canarypox IL−2);カペシタビン(capecitabine);カルボキサミド−アミノ−トリアゾール(carboxamide−amino−triazole);カルボキシアミドトリアゾール(carboxyamidotriazole);CaRest M3;CARN 700;軟骨由来インヒビター;カルゼレシン(carzelesin);カゼインキナーゼインヒビター(ICOS);カスタノスペルミン(castanospermine);セクロピンB(cecropin B);セトロレリクス(cetrorelix);クロリン;クロロキノザリン(chloroquinoxaline)スルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン(cladribine);クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA(collismycin A);コリスマイシンB;コムブレタスタチンA4(combretastatin A4);コムブレタスタチンアナログ;コナゲニン(conagenin);クラムベシジン816(crambescidin 816);クリスナトール;クリプトフィシン8(cryptophycin 8);クリプトフィシンA誘導体;クラシンA(curacin A);シクロペンタンスラキノン(cyclopentanthraquinone);シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスフェート(cytarabine ocfosfate);細胞溶解性因子;サイトスタチン(cytostatin);ダクリキシマブ(dacliximab);デキタビン;デヒドロジデムニンB(dehydrodidemnin B);デスロレリン(deslorelin);デキシホスファミド(dexifosfamide);デキスラゾキサン;デキスベラパミル(dexverapamil);ジアジコン(diaziquone);ジデムニンB(didemnin B);ジドクス(didox);ジエチルノルスペルミン(diethylnorspermine);ジヒドロ−5−アザシチジン(dihydro−5−azacytidine);ジヒドロタキソール(dihydrotaxol),9−;ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール(docosanol);ドラセトロン(dolasetron);ドキフルリジン;ドロロキシフェン(droloxifene);ドロナビノール;デュオカルマイシンSA(duocarmycin SA);エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ(edrecolomab);エフロルニチン;エレメン(elemene);エミテフール(emitefur);エピルビシン;エプリステリド(epristeride);エストラムスチンアナログ;エタニダゾール;エトポシドホスフェート;エグゼメスタン(exemestane);ファドロゾール(fadrozole);ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム(filgrastim);フィナステリド;フラボピリドール(flavopiridol);フレゼラスチン(flezelastine);フルアステロン(fluasterone);フルダラビン;塩酸フルオロダウノルビシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);フォルフェニメクス(forfenimex);フォルメスタン(formestane);フォストリエシン(fostriecin);フォテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン(gadolinium texaphyrin);硝酸ガリウム;ガロシタビン(galocitabine);ガニレリクス(ganirelix);ゼラチナーゼ(gelatinase)インヒビター;ゲムシタビン;グルタチオンインヒビター;ヘプスルファム(hepsulfam);ヒレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン(hypericin);イバンドロン酸(ibandronic acid);イダルビシン;イドキシフェン(idoxifene);イドラマントン(idramantone);イルモホシン;イロマスタット(ilomastat);イミダゾアクリドン(imidazoacridones);イミキモド(imiquimod);イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール(ipomeanol),4−;イリノテカン(irinotecan);イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリンB(isohomohalicondrin B);イタセトロン(itasetron);ジャスプラキノリド(jasplakinolide);カハラリドF(kahalalide F);ラメラリン−N(lamellarin−N)トリアセテート;ランレオチド(lanreotide);レイナマイシン(leinamycin);レノグラスチム(lenograstim);硫酸レンチナン;レプトールスタチン(leptolstatin);レトロゾール(letrozole);白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール(liarozole);直鎖状ポリアミンアナログ;親油性二糖類ペプチド;親油性白金化合物;リソクリナミド7(lissoclinamide 7);ロバプラチン(lobaplatin);ロムブリシン(lombricine);ロメトレキソール(lometrexol);ロニダミン;ロソキサントロン(losoxantrone);ロバスタチン;ロキソリビン(loxoribine);ルルトテカン(lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン(lutetium texaphyrin);リソフィリン(lysofylline);溶解ペプチド;メイタンシン;マンノスタチンA(mannostatin A);マリマスタット(marimastat);マソプロコール;マスピン(maspin);マトリリシン(matrilysin)インヒビター;メノガリル;メルバロン(merbarone);メテレリン(meterelin);メチオニナーゼ(methioninase);メトクロプラミド;MIFインヒビター;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム(mirimostim);ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド;ミトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞増殖因子−サポリン(saporin);ミトキサントロン;モファロテン(mofarotene);モルグラモスチム(molgramostim);モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロフィン;モノホスホリルリルピドA+ミコバクテリア(myobacterium)細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子インヒビター;多発性腫瘍サプレッサー1ベースの治療剤;マスタード(mustard)抗癌化合物;ミカペルオキシドB(mycaperoxide B);ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N−アセチルジナリン(N−acetyldinaline);N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン(pentazocine);ナパビン(napavin);ナフテルピン(naphterpin);ナルトグラスチム(nartograstim);ネダプラチン(nedaplatin);ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸(neridronic acid);中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン(nisamycin);一酸化窒素モジュレーター;窒素酸化物酸化防止剤(nitroxide antioxidant);ニトルリン(nitrullyn);O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);経口サイトカインインデューサー;オルマプラチン;オサテロン(osaterone);オキサリプラチン;オキサウノマイシン(oxaunomycin);パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン(palmitoylrhizoxin);パミドロン酸(pamidronic acid);パナキシトリオール(panaxytriol);パノミフェン;パラバクチン(parabactin);パゼリプチン;ペガスパルゲース(pegaspargase);ペルデシン(peldesine);ペントザンポリスルフェートナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン(perflubron);ペルホスファミド(perfosfamide);ペリリル(perillyl)アルコール;フェナジノマイシン(phenazinomycin);酢酸フェニル;ホスファターゼインヒビター;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム(piritrexim);プラセチンA(placetin A);プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム(porfimer Sodium);ポルフィロマイシン;プロピルビス−アクリドン(propyl bis−acridone);プロスタグランジンJ2;プロテアソームインヒビター;プロテインAベースの免疫モジュレーター;プロテインキナーゼCインヒビター;プロテインキナーゼCインヒビター、ミクロアルガール(microalgal);プロテインチロシンホスファターゼインヒビター;プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター;プルプリン;ピラゾロアクリジン(pyrazoloacridine);ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド(raltitrexed);ラモセトロン(ramosetron);rasファルネシル化タンパク質トランスフェラーゼインヒビター;rasインヒビター;ras−GAPインヒビター;レテリプチン脱メチル化;レニウムRe186エチドロネート(etidronate);リゾキシン(rhizoxin);リボザイム;RIIレチナミド(retinamide);ログレチミド(rogletimide);ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド(romurtide);ロキニメクス;ルビギノンB1(rubiginone Bl);ルボキシル(ruboxyl);サフィンゴール(safingol);セイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA(sarcophytol A);サルグラモスチム(sargramostim);Sdi1模倣物;セムスチン;老化誘導インヒビター1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達インヒビター;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン(sizofiran);ソブゾキサン;ブロカプテートナトリウム(Sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン(sonermin);スパルホシン酸(sparfosic acid);スピカマイシンD(spicamycin D);スピロムスチン;スプレノペンチン(splenopentin);スポンギスタチン1(spongistatin 1);スクアラミン(squalamine);幹細胞インヒビター;幹細胞分裂インヒビター;スチピアミド(stipiamide);ストロメライシンインヒビター;スルフィノシン(sulfinosine);過反応性(superactive)血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン(swainsonine);合成グリコサミノグリカン(glycosaminoglycan);タリムスチン(tallimustine);タモキシフェン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン(tazarotene);テコガランナトリウム(tecogalan Sodium);テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメアーゼインヒビター;テモポルフィン(temoporfin);テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド(tetrachlorodecaoxide);テトラゾミン(tetrazomine);サリブラスチン(thaliblastine);サリドマイド;チオコラリン(thiocoraline);トロンボポイエチン(thrombopoietin);トロンボポイエチン模倣物;チマルファシン(thymalfasin);チモポイエチン(thymopoietin)レセプターアゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン(tin ethyl etiopurpurin);チラパザミン(tirapazamine);二塩化チタノセン(titanocene dichloride);トポテカン(topotecan);トプセンチン(topsentin);トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳インヒビター;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド(turosteride);チロシンキナーゼインヒビター;チルホスチン(tyrphostins);UBCインヒビター;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖阻害因子(urogenital sinus−derived growth inhibitory factor);ウロキナーゼレセプターアンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB(variolin B);ベクター系、赤血球遺伝子治療剤;ベラレソール(velaresol);ベラミン(veramine);ベルジン(verdins);ベルテポルフィン(verteporfin);ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン(vitaxin);ボロゾール(vorozole);ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブ(zilascorb);ジノスタチン刺激因子(zinostatin stimalamer)。
【0139】
他の抗癌剤は、抗癌補充増強因子(anti−cancer supplementary potentiating agent)を含む。例としては、以下が挙げられる:三環式抗うつ薬(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン(amitryptyline)、クロミプラミン、トリミプラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン、およびマプロチリン);非三環式抗うつ薬(例えば、セルトラリン、トラゾドン、およびシタロプラム(citalopram));Ca++アンタゴニスト(例えば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピン、およびカロベリン(caroverine));カルモジュリンインヒビター(例えば、プレニラミン、トリフロロペラジン(trifluoroperazine)、およびクロミプラミン);アンホテリシンB;トリパラノールアナログ(例えば、タモキシフェン);抗不整脈薬(例えば、キニジン);抗高血圧薬(例えば、レセルピン);チオールデプレター(depleter)(例えば、ブチオニン(buthionine)およびスルホキシミン(sulfoximine))、およびクレマホールEL(Cremaphor EL)のような多剤耐性低減(multiple drug resistance reducing)化合物。
【0140】
抗癌剤との組み合わせにおいて有用な他の化合物としては、以下が挙げられる:ピリトレキシムイセチオナート(Piritrexim Isethionate);抗前立腺肥大化合物、シトグルシド;良性前立腺肥大治療化合物、塩酸タムスロシン(Tamsulosin Hydrochloride);前立腺増殖インヒビター、ペントモン;以下のような放射性化合物:フィブリノーゲン1 125;フルデオキシグルコースF18(Fludeoxyglucose F18);フルオロドーパF18(Fluorodopa F18);インスリンI125;インスリンI131;イオベングアンI123;イオジパミドナトリウムI131(Iodipamide Sodium I131);ヨードアンチピリンI131(Iodoantipyrine I131);ヨードコレステロールI131;ヨード馬尿酸ナトリウムI123;ヨード化馬尿酸ナトリウムI125;ヨード馬尿酸ナトリウムI131;ヨードピラセットI125(Iodopyracet I125);ヨードピラセットI131;塩酸イオフェタミンI123;イオメチンI125;イオメチンI131;イオサラメートナトリウムI125(Iothalamate Sodium I125);イオサラメートナトリウムI131;イオチロシンI131(Iotyrosine I131);リオチロニンI125;リオチロニンI131;酢酸メリソプロールHg197(Merisoprol Acetate Hg197);酢酸メリソプロールHg203;メリソプロールHg197(Merisoprol Hg197);セレノメチオニンSe75;テクネチウムTc99mアンチモントリスルフィイドコロイド(Antimony Trisulfide Colloid);テクネチウムTc99mビシセート(Bicisate);テクネチウムTc99mジソフェニン;テクネチウムTc99mエチドロネート(Etidronate);テクネチウムTc99mエキサメタジム;テクネチウムTc99mフリホスミン(Furifosmin);テクネチウムTc99mグルセプテート(Gluceptate);テクネチウムTc99mリドフェニン;テクネチウムTc99mメブロフェニン;テクネチウムTc99mメドロネート(Medronate);テクネチウムTc99mメドロネートニナトリウム(Medronate Disodium);テクネチウムTc99mメルチアチド(Mertiatide);テクネチウムTc99mオキシドロネート(Oxidronate);テクネチウムTc99mペンテテート(Pentetate);テクネチウムTc99mペンテテートカルシウム三ナトリウム(Pentetate Calcium Trisodium);テクネチウムTc99mセスタミビ(Sestamibi);テクネチウムTc99mシボロキシム(Siboroxime);テクネチウムTc99mスクシマー;テクネチウムTc99m硫黄コロイド;テクネチウムTc99mテボロキシム(Teboroxime);テクネチウムTc99mテトロホスミン(Tetrofosmin);テクネチウムTc99mチアチド(Tiatide);チロキシンI125;チロキシンI131;トルポビドンI131(Tolpovidone I131);トリオレインI125およびトリオレインI131。
Claims (107)
- 核酸分子を分析するための方法であって、該方法は、以下:
核酸分子を配列特異性メチラーゼおよびS−アデノシルメチオニン標識化誘導体に曝露する工程、
該配列特異的メチラーゼにより、該核酸分子を該S−アデノシルメチオニン標識化誘導体で標識する工程、および
線状ポリマー分析システムを使用して、該核酸分子中の標識パターンを決定する工程、
を包含し、ここで、該標識パターンは、該核酸分子のメチル化パターンを示す、
方法。 - 前記核酸分子が、インビトロで増幅した核酸分子中に存在しない、請求項1に記載の方法。
- 前記核酸分子が、DNAまたはRNAである、請求項1に記載の方法。
- 前記DNAが、ゲノムDNAである、請求項3に記載の方法。
- 前記S−アデノシルメチオニン標識化誘導体が、アジリジン誘導体である、請求項1に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記核酸分子中の前記標識パターンが、Gene EngineTM、光学マッピング、およびDNAコーミングからなる群から選択される方法を使用して決定される、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記配列特異的メチラーゼおよび前記S−アデノシルメチオニン標識化誘導体に曝露する前に、前記核酸分子が、核酸分子を脱メチル化するのに有効な量で脱メチル化酵素に曝露される、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記核酸分子中の前記標識パターンを決定した後、該方法は、さらに、以下:
該核酸分子を脱メチル化するのに有効な量で、該核酸分子を脱メチル化酵素に該核酸分子を曝露する工程、
配列特異的メチラーゼおよびS−アデノシルメチオニン標識化誘導体に該核酸分子を再曝露する工程、
該配列特異的メチラーゼにより、該核酸分子中の標的ヌクレオチドを該S−アデノシルメチオニン標識化誘導体で再標識する工程、および
該核酸分子中の標識パターンを決定する工程、
を包含する、方法。 - 前記脱メチル化酵素に曝露する前の標識パターンと、該脱メチル化酵素に曝露した後の標識パターンとを比較する、請求項8に記載の方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記核酸分子が、前記ヌクレオチド改変から生じるシグナルを生成し、検出システムを使用して該シグナルを検出するためのステーションに曝露される、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記S−アデノシルメチオニン標識化誘導体が、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電された変換分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に伝導性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群から選択される標識を含む、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記検出システムが、蛍光検出システム、電気検出システム、写真フィルム検出システム、化学発光検出システム、酵素検出システム、原子間力顕微鏡(AFM)検出システム、走査トンネル顕微鏡(STM)検出システム、光学的検出システム、核磁気共鳴(NMR)検出システム、近距離場検出システム、全反射(TIR)システムおよび電磁的検出システムからなる群から選択される、方法。
- 前記核酸分子を骨格標識で標識する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
- 前記メチル化パターンを正常メチル化パターンと比較する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
- 前記正常メチル化パターンを、正常被検体から決定する、請求項14に記載の方法。
- 前記正常メチル化パターンを、物理的ゲノムマップから決定する、請求項14に記載の方法。
- 核酸分子を分析するための方法であって、該方法は、以下:
該核酸分子をメチル化核酸結合タンパク質に曝露する工程;および
線状ポリマー分析システムを使用して、該核酸分子に対する、該メチル化核酸結合タンパク質の結合パターンを決定する工程、
を包含し、ここで、該メチル化核酸結合タンパク質の結合パターンが、該核酸分子のメチル化パターンを示す、
方法。 - 前記核酸分子が、DNAまたはRNAである、請求項17に記載の方法。
- 前記DNAが、ゲノムDNAである、請求項17に記載の方法。
- 前記核酸分子が、インビトロで増幅した核酸分子中に存在しない、請求項17に記載の方法。
- 前記線状ポリマー分析システムが、単一の分子検出システムである、請求項17に記載の方法。
- 請求項17に記載の方法であって、前記線状ポリマー分析システムが、Gene EngineTM、光学マッピング、繊維−FISH、およびDNAコーミングからなる群から選択される、方法。
- 前記線状ポリマー分析システムが、Gene EngineTMである、請求項22に記載の方法。
- 前記メチル化核酸結合タンパク質が、MBD1、MBD2、MBD3、MBD4/MED1、およびMeCP2からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
- 前記メチル化核酸結合タンパク質が、検出可能な標識で標識される、請求項17に記載の方法。
- 単一の核酸分子を分析するための方法であって、該方法が、以下:
該核酸分子をメチル化特異的抗体または抗体フラグメントに曝露する工程、および
線状ポリマー分析システムを使用して、該メチル化特異的抗体または抗体フラグメントの該核酸分子への結合パターンを決定する工程、
を包含し、ここで、該メチル化特異的抗体または抗体フラグメントの結合パターンは、該核酸分子のメチル化パターンを示す、方法。 - 前記メチル化パターンを正常メチル化パターンと比較する工程をさらに包含する、請求項26に記載の方法。
- 前記メチル化パターンが、正常被検体から決定される、請求項26に記載の方法。
- 請求項26に記載の方法であって、前記メチル化特異的抗体または抗体フラグメントが、6−メチルアデノシン、4−メチルシトシン、5−メチルシトシン、O6−メチルグアニン、およびO4−メチルチミンからなる群から選択されるメチル化ヌクレオチドに特異的に結合する、方法。
- 前記メチル化特異的抗体または抗体フラグメントが、抗体である、請求項26に記載の方法。
- 請求項26に記載の方法であって、前記メチル化特異的抗体または抗体フラグメントの結合のパターンを決定した後、該方法は、さらに、以下:
該核酸分子を脱メチル化するのに有効な量で、該核酸分子を脱メチル化酵素に曝露する工程、
配列特異的メチラーゼおよびS−アデノシルメチオニン標識化誘導体に該核酸分子を再曝露する工程、
該配列特異的メチラーゼにより、該核酸分子を該S−アデノシルメチオニン標識化誘導体で標識する工程、および
該核酸分子中の標識パターンを決定する工程、
を包含し、ここで、該標識パターンは、該核酸分子のメチル化パターンを示す、
方法。 - 前記脱メチル化酵素に曝露する前のメチル化パターンと、該脱メチル化酵素に曝露した後のメチル化パターンとを、比較する工程をさらに包含する、請求項31に記載の方法。
- 核酸分子の異常メチル化によって特徴付けられる障害を有するか、または障害を発症する危険性を有する被検体を同定するための方法であって、該方法は、以下:
被検体からの生物学的サンプル中の核酸分子のメチル化パターンを決定する工程、および
該核酸分子の該メチル化パターンをコントロールと比較する工程であって、該コントロールと比較した場合の該核酸の該メチル化パターンの差異により、障害を有するか、または障害を発症する危険性を有する被検体を同定する、工程、
を包含する、方法。 - 請求項33に記載の方法であって、前記メチル化パターンが、以下:
前記核酸分子を該核酸に対するメチル化特異的抗体または抗体フラグメントに曝露する工程、および
線状ポリマー分析システムを使用して、該核酸に対する該メチル化特異的抗体または抗体フラグメントの該核酸分子への結合パターンを決定する工程、
によって決定される、方法。 - 前記メチル化特異的抗体または抗体フラグメントが、検出可能な標識で標識される、請求項34に記載の方法。
- 請求項33に記載の方法であって、前記メチル化パターンが、以下:
前記核酸分子をメチル化核酸結合タンパク質に曝露する工程、および
線状ポリマー分析システムを使用して、該メチル化核酸結合タンパク質の該核酸分子への結合パターンを決定する工程、
によって決定される、方法。 - 前記メチル化核酸結合タンパク質が、検出可能な標識で標識される、請求項36に記載の方法。
- 請求項33に記載の方法であって、前記メチル化のパターンが、以下:
前記核酸分子を配列特異性メチラーゼおよびS−アデノシルメチオニン標識化誘導体に曝露する工程、
該配列特異的メチラーゼにより、該核酸分子を該S−アデノシルメチオニン標識化誘導体で標識する工程、および
線状ポリマー分析システムを使用して、該核酸分子中の標識パターンを決定する工程、
によって決定される、方法。 - 前記S−アデノシルメチオニン標識化誘導体が、アジリジン誘導体である、請求項38に記載の方法。
- 前記コントロールが、正常細胞である、請求項33に記載の方法。
- 前記コントロールが、正常細胞由来の一組のデータである、請求項33に記載の方法。
- 前記コントロールが、物理的ゲノムマップである、請求項33に記載の方法。
- 前記障害が、癌である、請求項33に記載の方法。
- 前記メチル化パターンの差異が、メチル化の総レベルの増加である、請求項33に記載の方法。
- 前記メチル化パターンの差異が、メチル化の総レベルの減少である、請求項33に記載の方法。
- 請求項33に記載の方法であって、前記メチル化パターンの差異が、メチル化の位置またはメチル化の型の差異である、請求項33に記載の方法。
- 治療処置の効力を評価するための方法であって、該方法は、以下:
該治療処置の前後に、被検体由来の生物学的サンプル中の核酸分子のメチル化パターンを決定する工程、および
該治療処置の前のメチル化パターンと該治療処置後のメチル化パターンとを比較する工程であって、ここで、該治療処置の結果として、該核酸分子のメチル化パターンの差異は、該治療処置の効力を示す、工程、
を包含する、方法。 - 前記核酸分子のメチル化パターンの差異が、メチル化の総レベルの減少である、請求項47に記載の方法。
- 前記核酸分子のメチル化パターンの差異が、メチル化の総レベルの増加である、請求項47に記載の方法。
- 前記核酸分子のメチル化パターンの差異が、メチル化の位置またはメチル化の型の差異である、請求項47に記載の方法。
- 前記治療処置が、抗癌剤である、請求項47に記載の方法。
- 前記治療処置が、メチルトランスフェラーゼのインヒビターの投与を含む、請求項47に記載の方法。
- 前記メチルトランスフェラーゼのインヒビターが、5−アザシチジン、5−アザ−2’デオキシシチジン、5,6−ジヒドロ−5−アザシチジン、5−フルオロシチジンおよび5−フルオロ−2’−デオキシシチジンからなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
- 核酸分子を光学的に分析するシステムであって、該システムは、以下:
既知の波長の光学的放射線を放射するための光源;
光路中の該光学的放射線を受容するため、および該光学的放射線に曝露され、検出可能なシグナルを生成する該核酸分子を受容するための、相互作用ステーション;
該検出可能なシグナルの少なくとも2つの別個の波長帯を生成するための、該光路中の二色性反射器;
該光学的放射線と該核酸分子との相互作用から生じる、該シグナルを含む放射線を検出するために構築された光学的検出器;および
該シグナルを含む該検出された放射線に基づく該核酸分子を分析するために、構築および配置されたプロセッサ、
を備え、ここで、該核酸分子は、そのメチル化状態に従って標識される、
システム。 - 前記核酸分子が、該核酸分子をメチラーゼおよびS−アデノシルメチオニン誘導体に曝露することによって標識される、請求項54に記載のシステム。
- 前記S−アデノシルメチオニン誘導体が、アジリジン誘導体である、請求項55に記載のシステム。
- 請求項55に記載のシステムであって、前記S−アデノシルメチオニン誘導体が、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電された変換分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に伝導性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群から選択される標識を含む、システム。
- 前記核酸分子が、該核酸分子をメチル化特異的抗体または抗体フラグメントに曝露することによって標識される、請求項54に記載のシステム。
- 請求項58に記載のシステムであって、前記抗体または抗体フラグメントが、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電された変換分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に伝導性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群から選択される標識に結合体化される、システム。
- 前記核酸分子が、該核酸分子をメチル化核酸結合タンパク質に曝露することによって標識される、請求項54に記載のシステム。
- 請求項60に記載のシステムであって、前記メチル化核酸結合タンパク質が、前記抗体または抗体フラグメントが、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電された変換分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に伝導性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群から選択される標識に結合体化される、システム。
- 前記核酸分子が、インビトロで増幅した核酸分子中に存在しない、請求項54に記載のシステム。
- 前記相互作用ステーションが、1nm〜500nmの範囲のスリット幅を有し、そして局在性放射線スポットを生成する、スリットを備える、請求項54に記載のシステム。
- 前記スリット幅が、10nm〜100nmの範囲である、請求項63に記載のシステム。
- 請求項63に記載のシステムであって、前記局在性放射線スポットを生成するためのスリットと共に配置されたマイクロチャネルをさらに備え、該マイクロチャネルは、該局在性放射線スポットを介して前記ポリマーユニットを受容および前進させるように構築される、システム。
- 請求項65に記載のシステムであって、偏光子をさらに備え、ここで、前記光源が、放射線のビームを放射するように構築されたレーザーを備え、そして該偏光子が、前記スリットに到達する前に該ビームを偏光するように配置される、システム。
- 前記編光子が、前記ビームを前記スリットの幅に対して平行に偏光するように配置される、請求項66に記載のシステム。
- 核酸分子を分析するための方法であって、該方法は、以下:
局在性放射線スポットを生成するために、既知の波長の光学的放射線を生成する工程;
標識化核酸分子をマイクロチャネルに通過させる工程;
該局在化放射線スポットにある該標識化核酸分子を照射する工程;
該局在化スポットにある該光学的放射線と該標識化核酸との相互作用から生じる放射線を連続的に検出する工程;および
該検出された放射線に基づいて、該標識化核酸分子を分析する工程、
を包含し、ここで、該核酸分子は、該核酸分子のメチル化状態に従って標識される、
方法。 - 前記核酸分子を前記マイクロチャネルに通過させるために電場を使用する工程をさらに包含する、請求項68に記載の方法。
- 前記検出する工程が、前記核酸分子を、前記マイクロチャンネルに通過させる間、経時的にシグナルを回収する工程を含む、請求項68に記載の方法。
- 前記核酸分子が、該核酸分子を、メチラーゼおよびS−アデノシルメチオニン誘導体に曝露することによって標識する、請求項68に記載の方法。
- 前記S−アデノシルメチオニン誘導体が、アジリジン誘導体である、請求項68に記載の方法。
- 請求項71に記載の方法であって、前記S−アデノシルメチオニン誘導体が、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電された変換分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に伝導性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群から選択される標識に結合体化される、方法。
- 前記核酸分子が、該核酸分子をメチル化特異的抗体または抗体フラグメントに曝露することによって標識される、請求項68に記載の方法。
- 請求項74に記載の方法であって、前記メチル化特異的抗体または抗体フラグメントが、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電された変換分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に伝導性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群から選択される標識に結合体化される、方法。
- 前記核酸分子が、該核酸分子をメチル化核酸結合タンパク質に曝露することによって標識される、請求項68に記載の方法。
- 請求項76に記載の方法であって、前記メチル化核酸結合タンパク質は、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電された変換分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に伝導性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群から選択される標識に結合体化される、方法。
- 前記核酸分子が、インビトロで増幅した核酸分子中に存在しない、請求項68に記載の方法。
- 単一の核酸分子を分析するための方法であって、該方法は、以下:
核酸分子を標識化配列特異的メチラーゼおよびS−アデノシルメチオニン誘導体に曝露する工程;
前記標識化配列特異的メチラーゼにより、該核酸分子をS−アデノシルメチオニン標識化誘導体と結合させ、そして該核酸分子を標識する工程;および
線状ポリマー分析システムを使用して、該核酸分子中の標識パターンを決定する工程、
を包含し、ここで、該標識パターンは、該核酸分子のメチル化パターンを示す、
方法。 - 前記核酸分子が、インビトロで増幅した核酸分子中に存在しない、請求項79に記載の方法。
- 前記S−アデノシルメチオニン誘導体が、検出可能な標識で標識される、請求項79に記載の方法。
- 前記核酸分子が、ゲノムDNAである、請求項79に記載の方法。
- 前記S−アデノシルメチオニン標識化誘導体が、アジリジン誘導体である、請求項79に記載の方法。
- 請求項79に記載の方法であって、前記核酸中の前記標識パターンが、Gene EngineTM、光学マッピング、およびDNAコーミングからなる群から選択される方法を使用して決定される、方法。
- 請求項79に記載の方法であって、前記標識化配列特異的メチラーゼおよび前記S−アデノシルメチオニン誘導体に曝露する前に、前記核酸分子が、核酸分子を脱メチル化するのに有効な量で脱メチル化酵素に曝露される、方法。
- 請求項79に記載の方法であって、前記核酸分子が、前記ヌクレオチド改変から生じるシグナルを生成し、検出システムを使用して該シグナルを検出するためのステーションに曝露される、方法。
- 請求項79に記載の方法であって、前記標識化配列特異的メチラーゼが、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電された変換分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に伝導性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群から選択される標識を含む、方法。
- 請求項86に記載の方法であって、前記検出システムが、蛍光検出システム、電気検出システム、写真フィルム検出システム、化学発光検出システム、酵素検出システム、原子間力顕微鏡(AFM)検出システム、走査トンネル顕微鏡(STM)検出システム、光学的検出システム、核磁気共鳴(NMR)検出システム、近距離場検出システム、全反射(TIR)システムおよび電磁的検出システムからなる群から選択される、方法。
- 前記核酸分子を骨格標識で標識する工程をさらに包含する、請求項79に記載の方法。
- 前記メチル化パターンを正常メチル化パターンと比較する工程をさらに包含する、請求項79に記載の方法。
- 前記正常メチル化パターンを、正常被検体から決定する、請求項90に記載の方法。
- 前記正常メチル化パターンを、物理的ゲノムマップから決定する、請求項90に記載の方法。
- 単一の核酸分子を分析するための方法であって、該方法は、以下:
該核酸分子を配列特異的メチラーゼおよび標識化S−アデノシルメチオニンに曝露する工程;
該配列特異的メチラーゼにより、該標識化S−アデノシルメチオニンで該核酸分子を標識する工程;および
線状ポリマー分析システムを使用して、該核酸分子中の標識パターンを決定する工程、
を包含し、ここで、該標識パターンが、該核酸分子のメチル化パターンを示す、
方法。 - 前記核酸分子が、インビトロで増幅した核酸分子中に存在しない、請求項93に記載の方法。
- 前記核酸分子が、DNAまたはRNAである、請求項93に記載の方法。
- 前記DNAが、ゲノムDNAである、請求項95に記載の方法。
- 請求項93に記載の方法であって、前記核酸分子中の前記標識パターンが、Gene EngineTM、光学マッピング、およびDNAコーミングからなる群から選択される方法を使用して決定される、方法。
- 請求項93に記載の方法であって、前記配列特異的メチラーゼおよび前記S−アデノシルメチオニンに曝露する前に、前記核酸分子が、核酸分子を脱メチル化するのに有効な量で脱メチル化酵素に曝露される、方法。
- 請求項93に記載の方法であって、前記核酸分子中の前記標識パターンを決定した後、該方法は、さらに、以下:
該核酸分子を脱メチル化するのに有効な量で、該核酸分子を脱メチル化酵素に該核酸分子を曝露する工程、
配列特異的メチラーゼおよび標識化S−アデノシルメチオニンに該核酸分子を再曝露する工程、
該配列特異的メチラーゼにより、該核酸分子中の標的ヌクレオチドを該標識化S−アデノシルメチオニンで再標識する工程、および
線状ポリマー分析システムを使用して、該核酸分子中の標識パターンを決定する工程、
を包含する、方法。 - 前記脱メチル化酵素に曝露する前の標識パターンと、該脱メチル化酵素に曝露した後の標識パターンとを、比較する、請求項99に記載の方法。
- 請求項93に記載の方法であって、前記核酸分子が、前記ヌクレオチド改変から生じるシグナルを生成し、検出システムを使用して該シグナルを検出するためのステーションに曝露される、方法。
- 請求項93に記載の方法であって、前記標識化S−アデノシルメチオニンが、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、ビオチン分子、アビジン分子、電気的に荷電された変換分子、核磁気共鳴分子、半導体ナノクリスタル、電磁分子、電気的に伝導性の粒子、リガンド、マイクロビーズ、磁気ビーズ、Qdot、色素形成性基質、アフィニティ分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、抗原、ハプテン、抗体、抗体フラグメント、および脂質からなる群から選択される標識を含む、方法。
- 請求項101に記載の方法であって、前記検出システムが、蛍光検出システム、電気検出システム、写真フィルム検出システム、化学発光検出システム、酵素検出システム、原子間力顕微鏡(AFM)検出システム、走査トンネル顕微鏡(STM)検出システム、光学的検出システム、核磁気共鳴(NMR)検出システム、近距離場検出システム、全反射(TIR)システムおよび電磁的検出システムからなる群から選択される、方法。
- 前記核酸分子を骨格標識で標識する工程をさらに包含する、請求項93に記載の方法。
- 前記メチル化パターンを正常メチル化パターンと比較する工程をさらに包含する、請求項93に記載の方法。
- 前記正常メチル化パターンは、正常被検体から決定される、請求項105に記載の方法。
- 前記正常メチル化パターンが、物理的ゲノムマップから決定する、請求項105に記載の方法。
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