JP2004536151A - 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを連続的に製造する方法 - Google Patents

2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを連続的に製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを連続的に製造する方法であって、ニトロメタンをまずホルムアルデヒドおよびアルカリ金属の水酸化物と反応させ、次いで得られた反応混合物を臭素と反応させる方法である。
【選択図】図2

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを連続的に製造する方法であって、ニトロメタンをまずホルムアルデヒドおよびアルカリ金属の水酸化物と反応させ、次いでこのようにして得られた反応混合物を臭素と反応させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
略してブロノポールといわれる2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールは、医薬、洗面用品、化粧品および家庭用品における殺菌剤および防腐剤として使用される経済上極めて重要な殺生物剤である。
【0003】
2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールは、通常以下のようにして製造される。まず、塩基の存在下でホルムアルデヒドを使用してニトロメタンに2個のヒドロキシメチル基を付加する。この反応により、2−ニトロプロパン−1,3−ジオールに対応する塩が得られる。この塩を次いで臭素と反応させて2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを得る(以下の反応式1参照)。
【0004】
反応式1:
【0005】
【化1】
Figure 2004536151
M=1当量のカチオン、例えばNa、K、1/2Ca
R=H、アルキル
【0006】
上述の反応式1における第1の反応段階は、一般的には、水または水/アルコール溶媒においてアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ金属のアルコキシドを使用して行なわれ、反応式1に示されている2−ニトロプロパン−1,3−ジオールの塩の溶液が得られる。この溶液は次いで臭素の溶液に添加される。上述の反応は、例えばDen OtterによってRec.Trav.Chim.Pays Bas,57巻、(1938年)、13−24頁に示されている。
【0007】
【非特許文献1】
Rec.Trav.Chim.Pays Bas,1938年、57巻、p.13−24
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
主要な問題は、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールがアルカリ性の媒体中で分解しやすいことである。その上、上述の反応段階の両方ともが激しい発熱反応である。従って、反応を制御下で行なうことが重要である。このため、先行技術における製造は、慣習的には、希釈溶液のみを使用して行なわれてきた。
【0009】
各反応段階が激しい発熱反応であるという性質のため、従来は2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを連続的に製造する方法は制御不可能であると考えられてきた。このため、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールは、従来は、制御下で反応を行なうことができる回分法によってのみ製造されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
しかしながら、意外にも、ニトロメタンをホルムアルデヒドの水性溶液およびアルカリ金属の水酸化物の水性溶液とともにほぼ化学量論に必要な量でこれらの液を第1の反応域に混合しながら供給し、得られた反応溶液をこの反応域から連続的に採集し、次いで採集した反応溶液を直接、すなわち反応溶液の分離を行なわずに、臭素とともに冷却された第2の反応域にこれらを混合しながら供給し、得られた水性反応混合物から2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを分離する方法により、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを連続的に製造することができることがわかった。
【0011】
従って、本発明は、
i)ニトロメタンと、ホルムアルデヒドとアルカリ金属の水酸化物とを含む1種または2種の水性溶液とを、ニトロメタンに対するホルムアルデヒドのモル比が1.9:1〜2.2:1の範囲になりかつニトロメタンに対するアルカリ金属の水酸化物のモル比が0.95:1〜1.1:1の範囲になるようにして、混合しながら冷却された第1の反応域に連続的に供給する工程
ii)上記i)工程において得られた水性反応混合物を第1の反応域から連続的に採集し、次いで、採集した液を直接臭素とともに、混合しながら少なくとも1箇所の冷却された第2の反応域に連続的に供給する工程、および、
iii)上記ii)工程において得られた水性反応混合物から2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを分離する工程、
を含む、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを連続的に製造する方法を提供する。
【0012】
本発明に関するかぎり、水性溶液または水性反応混合物とは、水を溶媒とした溶液または混合物、または、水と混和可能な不活性有機溶媒と水との混合物であって水が主成分であるような混合物、すなわち水が水と有機溶媒との混合物の少なくとも50体積%、好ましくは少なくとも80体積%、特に好ましくは少なくとも95体積%を占めるようになっている混合物を溶媒とした溶液または混合物を意味する。水に混和可能な不活性溶媒としては、メタノ−ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびt−ブタノールのようなC−C−アルコールが好ましい。好ましい形態では、水が溶媒として使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の方法では、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの製造の第1工程(上記i)工程)において、冷却された反応域において反応物が徹底的に混合される点が重要である。第2工程(上記ii)工程)においてもまた、徹底的に混合される点が重要である。混合は、液体反応物を、液体を連続的に混合するのに好適な装置を介して第1反応工程および好ましくは第2反応工程に供給することによって行なうのが好ましい。装置の寸法が比較的小さい場合には、液体反応物を液流が渦巻くようにしながら反応器中に導入することによって、例えば、互いに隣接している液流用の2つの入り口を介して液体反応物を反応器中に導入することによって、反応物の混合を達成することもできる。この混合方法は、特に研究室の装置および反応器の容量(それぞれの反応域の容量)が1000ml以下の小さいプラントにおいて特に有用であることがわかっている。
【0014】
液体の連続的な混合のための装置(混合器)は、反応器の形状に依存して、ジェット式混合器、静止式混合器または動的混合器のいずれでもよい。このような混合器は当業者に公知であり、例えば、“Ullmann‘s Encyclopedia of Industrial Chemistry、5th ed.on CD−ROM、WiLey−VCH、(1997)、Weinheim”に示されている、H.J.Henzlerによる論文“Continuous Mixing of Fluids”に記載されている。静止式混合器、すなわち静止した内部部品を有する混合器を使用するのが好ましく、特に反応器の形状が管状である場合には静止式混合器が好ましい。静止式混合器は、複数の偏向板または衝突板、例えばKoaxミキサー、SulzerのSMX、SMV、SMR、SMFまたはSMXL型のような網状内部部品、またはKenics、Fix−Mix、LightningまたはHelaxミキサーにおけるような螺旋状内部部品、または種々の静止式混合器の組み合わせ、の配置を備えることができる。
【0015】
反応域の形状は、反応域内で乱流の状態が優勢であるようにするのが好ましいことがわかっている。本発明では、管状の反応器、例えば管反応器または円筒多管式反応器、を使用するのが特に有用であることがわかっている。その上、これらの反応器の形状により、より多くの量の反応熱を容易に取り除くことができる。反応管の断面は、円形および楕円形のいずれでもよい。反応器は、反応管の直径に対する長さの比が一般的には100:1〜1000000:1、好ましくは100:1〜10000:1、特に好ましくは250:1〜1000:1の範囲であるような寸法である。反応管の断面が楕円形である場合には、管の直径とは、長軸と短軸の長さの平均を意味する。反応器の管は直管であってもよいが、1本以上の湾曲した管部品を有していてもよく、例えば、交互に反対方向に湾曲した複数の連続した湾曲部を有する管部品を有していてもよい。後者の反応器は例えばWO98/08602に記載されており、この文献の開示内容は参考として本明細書に組入れられる。
【0016】
本発明では、上記反応域は冷却されている。すなわち、反応域は冷却設備を備えている。原則として、冷却液を使用して外部から冷却するような種類の設備の全て、例えば反応器の外壁に配置されたジャケット式冷却装置および冷却コイル、または冷却浴、が本発明では好ましい。反応器は、円筒多管式熱交換器の形状、すなわち、管束の周りを液体の冷却媒体が通過するようになっている形状、に構成されているのが好ましい。好適な冷却媒体は、原則として、冷却媒体として公知の全ての媒体であり、冷却された塩水または液体アンモニアが特に好ましい。
【0017】
本発明では、管状反応器は、液体反応物の入り口の直ぐ近傍に少なくとも1個の混合器を備えている。管状反応器はもちろん、反応管に沿った別の場所に別の混合器、特に静止式混合器、を有することもできる。
【0018】
本発明の方法では、アルカリ金属の水酸化物およびホルムアルデヒドは、この2つの成分の両方を含む水性溶液として、または別々の水性溶液として、反応域に導入することができる。ニトロメタンは、反応域中にどの位置からでも供給することができ、複数の場所から供給することもできる。ニトロメタンは、常に液体を混合するのに好適な装置を介して供給される。このようにすると、ニトロメタンとその他の反応物の水性溶液または反応域に存在している反応混合物との混合を徹底的に行なうことができる。
【0019】
ニトロメタンの少なくとも一部および他の液体反応物の導入は、互いに直ぐ隣に位置しておりかつ少なくとも1個の混合器の直ぐ隣に位置している2個または3個の入り口を介して行なうのが好ましい。本発明において好ましい管状反応器の形態の場合には、これらの2個または3個の入り口は、反応管の1方の端部に配置される。液体を混合するのに好適な少なくとも1個の装置も、同じ端部に配置される。
【0020】
この配置の好ましい形態では、ニトロメタン用の入り口とホルムアルデヒドおよびアルカリ金属の水酸化物のための入り口とが一緒になって、中央出口とこの中央出口の周りに同心円状に配置された第2の出口とを有するノズルを形成する。これらの出口の形状はあまり重要でなく、断面形状は円状または環状であっても楕円状であってもよい。このノズルの各出口オリフィスの寸法は、各出口の断面積の比率が各出口を通って運搬されるべきマスフローの比率に対応するようになっているのが好ましい。この配置では、ニトロメタンが中央の出口オリフィスを通り、ホルムアルデヒドとアルカリ金属の水酸化物を含む水性溶液がこの中央出口の周りに同心円状に配置された出口オリフィスを通り、反応域の混合器を介して供給されるのが好ましい。この配置は、本発明において好適である管状反応器の形状の場合に特に好適である。
【0021】
管状の反応域のための上述の特別な配置における特に好ましい形態が、図1に示されている。
【0022】
本発明の方法のために好適なアルカリ金属の水酸化物は、特に、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。水酸化ナトリウムを使用するのが特に好ましい。
【0023】
アルカリ金属の水酸化物およびホルムアルデヒドが別々の水性溶液として供給される場合には、これらの水性溶液におけるアルカリ金属の水酸化物およびホルムアルデヒドの濃度は、溶液の総質量に対してそれぞれ10〜50質量%であるのが好ましく、15〜30質量%の範囲であるのが特に好ましい。これらの成分が共通の溶液によって供給される場合には、ホルムアルデヒドとアルカリ金属の水酸化物の合計の濃度が、溶液の総質量に対して10〜50質量%であるのが好ましく、15〜30質量%の範囲であるのが特に好ましい。ニトロメタンは、そのままで第1の反応域に導入されるのが好ましい。
【0024】
ホルムアルデヒドとアルカリ金属の水酸化物の濃度は、設定されたニトロメタン、ホルムアルデヒドおよびアルカリ金属の水酸化物のモル比に対応して、第1の反応工程における反応混合物中のニトロメタンまたはその反応生成物の濃度が1〜10mol/lの範囲、好ましくは1.2〜5mol/lの範囲、特に好ましくは1.5〜4mol/lの範囲になるように選択するのが好ましい。同様に、供給される液流の総量におけるニトロメタンの割合は、約60〜600g/lであるのが好ましく、7.5〜300g/lであるのがより好ましく、90〜250g/lであるのが特に好ましい。または、流の総体積に対して5.3〜53体積%であるのが好ましく、6.6〜26.5体積%であるのが特に好ましく、8.0〜22.1体積%であるのが極めて好ましい。
【0025】
本発明によると、各反応物は、上述したように化学量論に必要な量にほぼ等しい量で第1反応工程に導入される。ニトロメタンに対してアルカリ金属の水酸化物およびホルムアルデヒドが10%まで過剰であってもよく、またはこれらの化合物がわずかに少なくともよい。本発明では、各反応物の上述の化学量論はモルを基礎としている。しかしながら、ホルムアルデヒドとアルカリ金属の水酸化物をニトロメタンに対して少なくとも等モル量で使用するのが好ましく、好ましくは0.5〜10モル%、特に好ましくは2〜7.5モル%わずかに過剰に使用するのが好ましい。従って、ニトロメタンに対するホルムアルデヒドのモル比は、2.01:1〜2.2:1の範囲であるのが好ましく、2.05:1〜2.15:1の範囲であるのが特に好ましい。ニトロメタンに対するアルカリ金属の水酸化物のモル比は、1.01:1〜1.1:1の範囲であり、1.02:1〜1.07:1の範囲であるのが特に好ましい。
【0026】
第1の反応域における反応温度は、この反応域を冷却することによって、40℃未満に保つことが好ましい。特に、第1反応域の反応は、10℃〜40℃の範囲、より好ましくは15〜30℃の範囲、特に好ましくは20〜25℃の範囲で行なわれる。
【0027】
本発明の方法では、第1の反応域における反応物の滞留時間はきわめて短く、好ましくは3分以内であるのが有利であることがわかっており、滞留時間は例えば5秒〜3分の範囲であり、好ましくは10秒〜1分の範囲であり、特に好ましくは10秒〜45秒の範囲であり、極めて好ましくは10秒〜30秒の範囲である。
【0028】
次に、第1反応域において得られる2−ニトロプロパン−1,3−ジオールのアルカリ金属塩の溶液を直ちに、すなわち中間的に貯蔵することなく、直接第2の反応工程に供給する。本発明において、上記溶液は臭素とともに、少なくとも1個の液体を混合するのに好適な装置を介して供給するのが好ましい。この場合にも、静止式混合器が好ましい。水性の2−ブロモ−2−ニトロプロパンジオールを含有する反応混合物は、第2の反応域から、複数の反応域を含む場合には最後の反応域から、自然に連続的に採集され、採集された反応混合物から目的の生成物が分離される。
【0029】
第2の反応域も同様に、管状の形状を有しているのが好ましい。従って、第2の反応域も管反応器または円筒多管式反応器として構成されるのが好ましい。
【0030】
上記i)工程において得られた水性反応混合物および臭素は、互いに隣接して配置されておりかつ混合部品の直ぐ隣に配置されている2個の入り口を介して添加されるのが好ましい。この場合にもi)工程からの水性反応溶液および臭素が、反応域内に、好ましくは反応管内に、第1の中央出口とこの中央出口の周りに同心円状に配置された第2の出口を有するノズルから、液体を混合するのに好適な装置を介して供給されるのが好ましい。特に、上記i)工程に反応物を導入するために詳細に説明した配置であって、例えば図1および1aに示されている配置を使用するのが好ましい。このような配置において、臭素は中央出口を介して添加され、水性反応溶液は中央出口の周りの第2の環状出口を介して添加されるのが好ましい。
【0031】
第2工程に供給される臭素の量は、実質的に化学量論に必要な量に対応するが、一般的には20モル%を超えない量でわずかに過剰かまたは少ない量を使用してもよい。化学量論を計算するためには、使用したニトロメタンの量を基礎として使用する。臭素を、使用されたニトロメタンに対して等モル量以下の量で、特にわずかに少ない量で使用するのが有利であることがわかっている。第1工程で使用されたニトロメタンに対する臭素のモル比は、従って、1.8:1〜1.99:1の範囲であるのが好ましく、1.9:1〜1.95:1の範囲であるのが特に好ましい。
【0032】
第2反応域における反応混合物の温度は、徹底した冷却により、40℃未満、例えば5〜40℃の範囲、好ましくは10〜30℃の範囲、特に好ましくは15〜25℃の範囲に保つのが好ましい。
【0033】
第2反応域における反応物の滞留時間は3分を超えないのが好ましく、好ましくは10秒〜3分の範囲であり、特に好ましくは10秒〜2分の範囲であり、極めて好ましくは15秒〜1分の範囲である。
【0034】
第2反応域から流出した水性反応混合物は、一般的には2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとアルカリ金属の臭化物との水性溶液の形態である。2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを分離するために、得られた反応混合物を好ましくは5℃未満、特に好ましくは0℃未満に冷却する。冷却の下限温度は、水性反応混合物の凝固点である。混合物を−10℃〜−2℃の範囲の温度に冷却するのが好ましい。反応溶液中に存在する2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールはこれらの条件下で事実上完全に結晶化するため、慣用の方法で濾過することができる。さらに精製するために、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを少量の水と有機溶媒で洗浄する。続いて乾燥させると、ほとんどの用途には十分な純度を有する2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールが得られる。2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを、例えば水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノールのようなC−C−アルコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびメチルt−ブチルエーテルのようなエーテル、塩素化溶媒等から再結晶化すると、さらに精製することができる。さらに、反応溶液を蒸発させる方法、結晶化を繰り返す方法、および/または、好ましくはアルカリ金属の臭化物または塩化物、例えばNaBrまたはNaCl、を用いて塩析する方法によって、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを得ることができる。
【0035】
意外にも、本発明の方法によると、使用されたニトロメタンに基づいて、先行技術の回分法におけるよりも極めて高収率で2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを得ることができる。使用されたニトロメタンに対する選択性は、一般的には90%以上、特に95〜99%の範囲である。使用されたニトロメタンに対する2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの収率は、一般的には理論収率の80%以上であり、しばしば少なくとも85%である。従って、副生成物の形成は少ない。本発明の方法はまた、先行技術の回分法において使用されなければならなかった希釈度の大きい溶液を使用する必要がないため、より経済的でもある。その上、本発明の方法における空時収量は、先行技術の回分法における空時収量よりも極めて大きく、一般的には少なくとも100倍、特に少なくとも200倍である。従って、目的の生成物の所定量を回分法に必要な反応器の体積よりも極めて小さい体積の反応器で製造することができる。この点は経済性を改良する。というのはプラントの構築のためにより少ない量の材料しか必要でないからである。その上、本発明の方法は、極めて精密に制御することができる。先行技術文献によると先行技術の方法では必要であった有機溶媒を、本発明の方法では使用する必要がない。
【0036】
以下に、図と実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は以下の図および実施例に限定されない。
【0037】
図1は、円筒多管式反応器の一部を示す。この円筒多管式反応器は反応管(1)を含んでおり、反応管(1)の端部に第2の管(2)が突き出ている。第2の管(2)の出口オリフィス(3)の断面積は、反応管(1)の断面積より小さい。管(2)の外壁は、管(1)の内壁と一緒になって、第2の出口オリフィス(4)を形成している。静止式混合器(7)、例えばSulzerのSMX充填材、が、出口オリフィス(3)および(4)の直ぐ隣に配置されている。管(1)と(2)とは図示されていない室(5)および(6)に接続されている。矢印(A)は、ホルムアルデヒドおよび水酸化ナトリウムの水性溶液を供給する流れを表し、矢印(B)はニトロメタンを供給する流れを示す。
【0038】
図1aは、図1に示された配置を複数含む円筒多管式反応器の一部を簡略的に示している。混合器(7)を備えた複数の反応管(1)が、プレート(8)から突き出ている。複数の管(2)がプレート(9)から管(1)内に突き出ている。プレート(9)とプレート(8)とが一緒になって、反応溶液または反応物の導入のための供給ラインを備えた室(5)を形成している。また、プレート(9)とキャップ(10)とが一緒になって、反応物または反応溶液用の供給ラインを備えた室(6)を形成している。
【0039】
図2は、本発明の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの製造方法の流れ図を示す。この流れ図では、ニトロメタン流(11)が室(6)を介して円筒多管式反応器R1に導入される。円筒多管式反応器R1は、図1または図1aに示したような配置の反応管を複数備えている。水酸化ナトリウムの水性溶液(流12)およびホルムアルデヒドの水性溶液(流13)が混合器(14)内で合わせられ、室(5)を介して反応器R1内に供給される。反応器からの流出物(15)は室(5´)を介して反応器R2に直接運搬される。反応器R2は、反応器R1と同様の形状を有する反応器であり、同様に図1または図1aに示されているような配置が複数組み込まれている。臭素流(16)が、室(6´)を介して反応器R2内に供給される。反応器R2からの流出物(17)が次いで結晶化装置(図示せず)に通される。反応器R1とR2の両方に冷却装置(図示せず)が接続されている。
【実施例】
【0040】
I.研究室での実験
直列に接続された2本のコイル状テフロン(登録商標)反応管を、反応器として用いた。第1の反応管の長さは5000mmであり、内径は2mmであった。この値は、約15.7mlの反応器体積に対応する。第2の反応管の長さは3000mmであり、内径は2mmであった。この値は、約9.4mlの反応器体積に対応する。第1の反応管は、一方の端部に、液体用の入り口を3個有していた。第1の反応管は、別の端部で、液体用の入り口を1個有している接続用部品を介して、第2の反応管の始端部に接続されていた。第2の反応器の自由な方の端部は、冷却された受容器に導かれていた。反応管(1)と反応管(2)の両方が、反応器(1)における最大反応器温度が30℃を超えないように、反応器(2)における最大反応器温度が20℃を超えないように、冷却浴によって冷却された。冷却された受容器は、−5℃に冷却されていた。自動滴定器(Metrohm Posimat)によって、3.43ml/minの濃度20質量%の水性ホルムアルデヒド溶液、0.54ml/minのニトロメタン、および1.8ml/minの濃度20質量%の水性水酸化ナトリウム溶液を、第1の反応器内に、この反応器に備えられた入り口を介して供給した。約50mlを供給した後に、0.51ml/minの臭素を、自動滴定器(Metrohm Posimat)によって、2本の反応管間の接続用部品に備えられた入り口を介して供給した。事実上純粋な2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを冷却された受容器内で結晶化させ、濾過して分離した。使用したニトロメタンに対する目的の生成物の収率は、約90%であった。この値は、4.3kg・l−1・h−1の空時収量に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】反応物を反応管に導入するための好適な形態の図である。
【図1a】図1のような配置を複数互いに接続された配置形態を示す概略図である。
【図2】2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを連続的に製造する方法を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0042】
1 反応管
2 第2の管
3 第1の出口オリフィス
4 第2の出口オリフィス
5、5´、6、6´ 室
7 混合器
8、9 プレート
10 キャップ
11 ニトロメタンの流れ
12 水酸化ナトリウムの水性溶液の流れ
13 ホルムアルデヒドの水性溶液の流れ
14 混合器
15 反応器R1からの流出物
16 臭素の流れ
17 反応器R2からの流出物
R1、R2 円筒多管式反応器

Claims (14)

  1. i)ニトロメタンと、ホルムアルデヒドとアルカリ金属の水酸化物とを含む1種または2種の水性溶液とを、ニトロメタンに対するホルムアルデヒドのモル比が1.9:1〜2.2:1の範囲になりかつニトロメタンに対するアルカリ金属の水酸化物のモル比が0.95:1〜1.1:1の範囲になるようにして、混合しながら冷却された第1の反応域に連続的に供給する工程
    ii)前記i)工程において得られた水性反応混合物を第1の反応域から連続的に採集し、次いで、採集した液を直接臭素とともに少なくとも1箇所の冷却された第2の反応域に連続的に供給する工程、および、
    iii)前記ii)工程において得られた水性反応混合物から2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを分離する工程、
    を含む、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを連続的に製造する方法。
  2. 第1の反応域における反応物の滞留時間が3分以内であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 第1の反応域が管反応器または円筒多管式反応器として構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. ニトロメタンと、ホルムアルデヒドとアルカリ金属の水酸化物とを含む水性溶液とを、中央の第1の出口とこの中央出口のまわりに同心円状に配置された第2の出口とを有するノズルから、液体を混合するのに好適な装置を介して前記反応管に供給することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記i)工程において水酸化ナトリウムを使用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 第1の反応域における反応を40℃未満の温度で行なうことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 第2の反応域が管反応器または円筒多管式反応器として構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. ニトロメタンと、ホルムアルデヒドとアルカリ金属の水酸化物とを含む水性溶液とを、液体を混合するのに好適な装置を介して第1の反応域に供給することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記i)工程において得られた水性反応混合物と、臭素とを、液体を混合するのに好適な装置を介して第2の反応域に供給することを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
  10. 第1および第2の液体を混合するのに好適な装置が、それぞれ静止式混合器であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 第2の反応域における反応物の滞留時間が3分未満であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 第2の反応域における反応を30℃未満で行なうことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記i)工程において使用されるニトロメタンに対する臭素のモル比が1.8:1〜1.99:1の範囲であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 第2の反応域からの流出物を0℃未満に冷却し、その結果結晶化した2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを分離することを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
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