JP2004533573A - 車両内燃エンジン用の液体フィルター - Google Patents

Abstract

フィルターが、外部ケーシング（１１）と、上部閉鎖カバー（１２）と、内部チャンバ（１３）の中に配置されて、フィルター内部チャンバ（１３）をインレットに通じる第一領域とアウトレットに通じる第二領域とに分離するための管状フィルター媒体（２１）を有したフィルターカートリッジ（２０）と、フィルター媒体（２１）の上端部に接合された上部ディスク（２２）とを備える。カバー(１２)に接合され、且つチャンバ（１３）の内部に向かって軸線方向に突出する第一カップリング要素（３１）と、上部ディスク（２２）に接合され、且つ上部カバー（１２）に向かって軸線方向に突出する、第二カップリング要素（４１）が、互いに作用して、相互スナップ結合を達成するために備えられる。第一カップリング要素（３１）が、放射方向の弾力を有した軸線方向に延びる結合歯を備え、第二カップリング要素（４１）が、結合歯（３１）の数に等しい多数の同一セクターに分割された、一般的な円筒形表面を備え、各セクターが、結合歯（３１）を軸線方向にスナップ嵌合するための結合領域（４３）と、結合領域（４３）の側に配置され、カートリッジ（２０）を上部カバー（１２）に関して小さな角度だけ回転させることによって、結合領域（４３）とのその嵌合から結合歯（３１）を解除するための、解放領域（４４）とを備える。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両内燃エンジン用、特にオイルまたはディーゼル燃料用の液体フィルターに関連するものである。
【背景技術】
【０００２】
数年来、フィルターは、濾過される液体用のインレット及び、濾過された液体用のアウトレットを有した内部チャンバを囲む、上部閉鎖カバーと、外部ケーシングと、内部チャンバの内部に配置して、チャンバをインレットに通じる第一領域及び、アウトレットに通じる第二領域に分離する、管状のフィルター媒体を有したフィルターカートリッジと、を有して構成されている。
【０００３】
フィルターカートリッジは、フィルター媒体の上端部に接合された上部ディスクによって、上部カバーに固定されており、消耗して、交換が必要な時、カバーから分離されて、新しいカートリッジと取り替えられる。
【０００４】
前記フィルターは、全体のフィルターを廃棄したり壊したりする必要がないので、現在適している。
【０００５】
カートリッジの利用は容易であり、これがケーシングの閉鎖カバーに固定されれているので、カートリッジを開く際、カートリッジがそれを、工具によって掴む必要なく、また振るか、或いは外したりする必要なく、沈められていた液体から出し、それにより有害なゴミを、カートリッジから分離させ得る。
【０００６】
カートリッジをカバーに固定するため、相互に作用して相互スナップ接続を行う、第一カップリング要素と第二カップリング要素を使用することが知れらており（特に米国特許明細書US 5695633参照）、そこでは第一カップリング要素（または第二カップリング要素）が、カバーに接合されて、チャンバ内部に向かって軸線方向に突出しており、そして逆に、第二カップリング要素（または第一カップリング要素）が、上部ディスクに接合されて、且つ上部カバーに向かって軸線方向に突出している。
【０００７】
それらのフィルターは、カバーとフィルターカートリッジを互いに結合する際か、困難ではない。しかし、消耗したカートリッジを新しいものに取り替える時、それらの要素を分離させるために、かなりの軸線方向の力が必要である。もし、手動で行うと、この分離動作は、相当な力を必要とすることに加えて、消耗したカートリッジに、油性不純物と種種雑多なゴミがしみ込ませられるので、オペレーターとフィルターの内部チャンバも汚すリスクと共に、それらの不純物とゴミを全て周囲に撒き散らす。
【０００８】
従って本発明の目的は、上記タイプのフィルターを提供し、フィルターカートリッジを直ぐケーシングカバーに結合でき、簡単且つ上手くそれから取り外すことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
これと更なる目的は、請求項において特徴付けられた発明によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明は、放射方向に弾性作用を有する軸線方向に延びる結合歯を具備した複数の第一カップリング要素と、結合歯の数と同数で多数の同一セクターに分割された、全体的に円筒形表面を有する複数の第二カップリング要素と、を備え、各セクターが、結合歯を軸線方向にスナップ嵌合する結合領域と、結合領域の側面に配置され且つ、カートリッジを上部カバーに関する小さな角度で回転させることによって、結合歯を結合領域との嵌合から解除するための解放領域と、を備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
本発明を限定しない一例として、その一実施例を示した添付図面参照して、以下で本発明を詳しく記載する。
【実施例】
【００１２】
本発明の図面は、特にほぼ円筒形状をした、上に開く上部ケーシング１１を備えており、それは上部閉鎖カバー１２を有し、ほぼ円筒形の内部チャンバ１３を囲んでいる。
【００１３】
チャンバ１３が、濾過される液体用のインレット（図示せず）と濾過された液体用のアウトレットとを設けており、図面に示されている実施例において、インレットはケーシング１１の円筒形表面上で横方向に配置され、アウトレットは、図面に示されている実施例において、上部カバー１２上に配置されている。
【００１４】
チャンバ１３の内部において、内部チャンバ１３の内部に配置された管状フィルター媒体２１を有する、フィルターカートリッジ２０を配置しており、それはチャンバをインレットに通じる第一領域１３´と、アウトレット１６に通じる第二領域１３″とに分離している。
【００１５】
またカートリッジ２０は、円形プレートの形をした上部ディスク２２を備えており、それは全体的且つ確実にフィルター媒体２１の平坦な環状上部表面を覆い、且つフィルター媒体２１に固く接合されている。カートリッジ２０は、円形プレートの形をした下部ディスク２３を最終的に備えており、それは全体的且つ確実にフィルター媒体２１の平坦な環状下部表面を覆い、且つフィルター媒体２１に固く接合されている。
【００１６】
図面に示されている実施例において、カバー１２は、実質的に平坦なチャンバ１４を設けており、そのチャンバは、カバーの上部内側表面１２ａと、表面１２ａから間隔をあけて、カバー１２に固く接合され且つその一部分を形成する下部円形壁１２２との間に画定されている。前記チャンバ１４は、アウトレット１６と、上部ディスク２２の中心部に備えられた孔を介して通る軸管１７によって、フィルター媒体２１の内部における領域１３″とに、通じている。ガスケット２２１は、ディスク２２と管１７との間に、溶接密閉部を形成している。
【００１７】
またフィルターは、相互作用して互いにスナップ嵌合を形成する第一カップリング要素と第二カップリング要素を有している。図面に示されている実施例において、第一カップリング要素は、カバー１２に接合されて（特にそれらの要素は間部１２２と一体型である）、軸線方向下向きに、チャンバ１３の内部へ突出しており、第二カップリング要素４０が、上部ディスク２２に組み込まれて、軸線方向上向きに、上部カバー１２へ突出している。別の実施例（図示せず）において、軸線方向下向きに、チャンバ１３の内部へ突出する、第二カップリング要素は、カバー１２に接合されており、逆に第一カップリング要素が、上部ディスク２２に接合され、軸線方向上向きに、上部カバー１２へ突出している。
【００１８】
本発明によると、前記第一カップリング要素は、軸線方向に延び、放射方向の弾性作用を有した、二つまたはそれ以上の結合歯３１を備えており、前記第二カップリング要素は、全体的に円筒形の外表面を有した管状本体４１を備えており、管状本体は、結合歯３１の数と等しい、多数の同一セクターに分割されている。
【００１９】
円筒形表面の各セクターは、結合歯３１を軸線方向にスナップ嵌合するための結合領域４３と、カートリッジ２０を上部カバー１２に関して小さな角度回転させることによって、結合領域４３とのその嵌合から、結合歯３１を解除するため、結合領域の側面に配置された、解放領域４４とを画定している。
【００２０】
特に、各々の前記結合領域４３は、横断面に、第一カップリング３１に対して補助的に配置し、軸線方向に互いに近づけることによって、第一結合歯３１をスナップ受けし、それらと嵌合するために配置され、第二結合歯を画定している。詳しくは（特に図４Ａ〜図４Ｃを参照すると）、結合領域４３は僅かに傾斜した上部分４３ａを設けて、その半径は下向きに増して、ノコギリ歯の形をした鋭角縁部４３ｄを形成する下溝４３ｂに続いており、それは第一結合歯３１に嵌合する。
【００２１】
解放領域４４は、全高にわたって延びた滑らかな円筒形表面部分４４ａと、溝４３ｂから表面部分４４ａへ円周に沿って連続的に下がって、結合歯３１を前記溝４３ｂから滑らかな円筒形表面４４ａへ移すための、接続傾斜部を形成する弓形の表面片４４ｂを備えている。
【００２２】
またカバー１２は、下向きに突出するアバットメント要素も備えており、カップリング要素が互いに嵌合すると、アバットメント要素はその下端部を、上部ディスク２２の上表面に対して当接する。特に前記要素３２は、結合歯３１に対して外側にある同軸の円筒形表面上に配置された、同一の管状セグメントから成っている。
【００２３】
結合歯３１が、個々の鋭角縁部４３ｄに嵌合する時、要素３２がディスク２２の上表面に対して当接し、この当接によって、ディスク２２がカバー１２から一定した軸線方向の距離で保持され、加えて縁部４３ｄ及び結合歯３１の縁部が、互いに作用して保持される際、前記カップリング要素の間の接続に、何も緩みがない。
【００２４】
使用時に、カートリッジ２０をカバー１２に結合するため、カートリッジがカバー１２に見かって軸線方向に持っていかれ、結合領域４３が複数の結合歯３１の間を通って；相互結合が、歯３１の突出部を溝４３ｂの中にスナップ挿入することによって、達成される。二つの結合領域４３は、リブ４５によって生じる案内作用と共に、過大な力なしで押すことによって、確実な挿入できるように、導入路として作用する。
【００２５】
押しながらカートリッジをその軸の周囲で回転させることで、それら導入路を確実に合わせることができる。溝４３ｂの中に歯３２が直ぐに入ることによって、結合が確認されて、それは音で分かる。
【００２６】
カートリッジ２０は、それに正確な解放動作を加える以外、もはやこの安定位置から動くことはできない。これに関して、鋭角縁部４３ｄが、完全なフィルターユニット内での圧力変化によって生じる力の効力によって、カートリッジ２０のどのような解放も防止する。
【００２７】
カートリッジ２０は、二段階の動作によって解放されるようになっており；第一段階でカートリッジ２０が、小さな角度だけ回転され（比較的小さなトルクで充分）、歯３２の縁部を接続傾斜部４４ｂに沿って摺動させ（必然的に歯３１が力で離されて）、それらの縁部が滑らかな表面部分４４ａ上に位置するまで、それを行う。このポイントで、カートリッジ２０を軸線方向に引いて、カバー１２から離すことによって、歯３１が管状本体４１から分離され、カートリッジが解放される。
【００２８】
この方法で、フィルター媒体２１が、その解放の瞬間に力を加えることなく、フィルターの本体から分離することができ、液体が外に出たり、飛び散ったりすることを防止する。
【００２９】
実用的且つ応用する特徴を有する数々の変形例は、請求項で示した本発明の概念の範囲内であり、本発明を構成するものであり得る。
【図面の簡単な説明】
【００３０】
【図１】フィルター全体を介する全体的な軸線方向の断面図。
【図１Ａ】図１の拡大詳細図。
【図２】図１の上部カバーの中心要素をだけを下方から見た平面図。
【図３】図１のカートリッジ用の上部ディスクだけを示した斜視図。
【図４Ａ】図３のディスクを上方から見た平面図。
【図４Ｂ】図４Ａの矢印Ｂの方向に見た側面図。
【図４Ｃ】図４Ａの矢印Ｃの方向に見た別の側面図。
【図４Ｄ】図４Ｂの平面Ｄ−Ｄ上の断面図。

Claims (5)

1. 濾過される液体用のインレット及び濾過された液体用のアウトレットを有する内部チャンバ（１３）を囲む、上部閉鎖カバー（１２）と、外部ケーシング（１１）と、内部チャンバ（１３）の中に配置されて、フィルター内部チャンバ（１３）を、インレットに通じる第一領域と、アウトレットに通じる第二領域に分離する、管状フィルター媒体（２１）を有する、フィルターカートリッジ（２０）と、フィルター媒体（２１）の上端部に接合された、上部ディスク（２２）と、
   互いに作用して、相互スナップ結合を達成する、複数の第一カップリング要素（３１）と複数の第二カップリング要素（４１）と、を備え、
   複数の第一カップリング要素（３１）または複数の第二カップリング要素（４１）が、カバー（１２）に接合されて、チャンバ（１３）の内部に向かって軸線方向に突出し、逆に複数の第二カップリング要素（４１）または複数の第一カップリング要素（４１）、または複数の第一カップリング要素（３１）が、上部ディスク（２２）に接合され、上部カバー（１２）に向かって軸線方向に突出する、
   車両内燃エンジン用のフィルターにおいて、
   前記複数の第一要素（３１）が、放射方向に弾性作用を有する、軸線方向に延びた複数の結合歯を備え、前記複数の第二カップリング要素（４１）が、複数の結合歯（３１）の数と等しい多数の同一セクターに分割された、全体的に円筒形の表面を備え、各セクターが、複数の結合歯（３１）を軸線方向にスナップ嵌合するための結合領域（４３）と、結合領域（４３）の側に配置され且つ、カートリッジ（２０）を上部カバー（１２）に関して小さな角度だけ、回転させることによって、結合領域（４３）とのその嵌合から、複数の結合歯（３１）を解除するための解放領域（４４）とを備えること、
   を特徴とするフィルター。
2. 各前記結合領域（４３）が、複数の第二結合歯を画定しており、複数の第二結合歯が、複数の第一結合歯（３１）に関して補助的に配置し、互いに軸線方向に近づくことによって、複数の第一結合歯（３１）をスナップ受けして、それらを嵌合するために配置されることを特徴とする請求項１に記載のフィルター。
3. 前記解放領域（４４）が、全高にわたって延びた滑らかな円筒形表面部分（４４ａ）と、複数の結合歯（３１）を歯付溝（４３ｂ）から滑らかな円筒形表面部分（４４ａ）へ移すために配置された、接続傾斜部を形成する弓形の表面片（４４ｂ）を備えることを特徴とする請求項２に記載のフィルター。
4. 上部カバー（１２）から突出しており、前記複数のカップリング要素（３１及び４１）が互いに嵌合される時、上部ディスク（２２）の上表面に対し当接して、上部カバー（１２）とディスク（２２）との間の距離を確実に画定し、前記複数のカップリング要素（３１、４２）の間の接続を緩みなく行えるように配置された、複数の軸線方向アバットメント要素（３２）を備えることを特徴とする請求項１に記載のフィルター。
5. 上部ディスク（２２）から突出しており、前記複数のカップリング要素（３１及び４１）が互いに嵌合される時、上部カバー（１２）の下表面に対し当接して、上部カバー（１２）とディスク（２２）との間の距離を確実に画定し、前記複数のカップリング要素（３１、４２）の間の接続を緩みなく行えるように配置された、複数の軸線方向アバットメント要素（３２）を備えることを特徴とする請求項１に記載のフィルター。