JP2013522539A - 内燃機関用フィルタ - Google Patents

Abstract

外部筐体（１１）と、ろ過される液体用の入口およびろ過された液体用の出口を有する内部チャンバ（１３）を閉止する上部閉止カバー（１２）と、内部チャンバ（１３）の内部に配置されて、入口に連通する第１のゾーンと出口に連通する第２のゾーンとにチャンバ（１３）を分離する管型フィルタ手段（２１）を有するフィルタカートリッジ（２０）と、フィルタ手段（２１）の下端に接続された下方プレート（２２）とを備え、フィルタ手段が、筐体がカバーから分離された場合に筐体内に残るよう筐体（１１）に取り外し可能に固定されており、下方プレートが、軸方向に延び、径方向に弾性的に作動する係合歯（３１）を備えており、筐体の基部が、係合歯（３１）の数と同数のセクタであって、各々が、係合歯（３１）をスナップ式締結で軸方向に固定する係合ゾーン（４３）を画定しているセクタにさらに分割されている全体が円筒状の表面を備えている、車両の内燃機関用フィルタが提供されている。

Description

本発明は、特に油およびディーゼルといった車両の内燃機関用の液体のためのフィルタに関する。

過去数年において、フィルタは、ろ過される液体用の入口とろ過された液体用の出口とを有する内部チャンバを画定する外部筐体および上部閉止カバー、ならびに、管型フィルタ手段を有し、内部チャンバの内部に配置されて、入口に連通する第１のゾーンと出口に連通する第２のゾーンとにこのチャンバを分離するフィルタカートリッジを有するものとして形成されている。

フィルタカートリッジは、フィルタ手段の上端に接続されている上方プレートにより上部カバーに固定されており、劣化して、交換が必要な場合には、カバーから外されて新たなカートリッジと交換される。フィルタ全体ではなく、劣化したフィルタカートリッジのみを廃棄および処分すればよいため、現在ではこのようなフィルタが好まれている。

カートリッジは筐体の閉止カバーに固定されているため、そのアクセス性もまた容易とされており、筐体が開かれるとカートリッジがカバーに続いて浸漬されていた液体から出ることとなり、工具を用いてこれにアクセスする必要性、および、振盪したり、または、目詰まりを解消したりして、汚物を剥がす（これは常に損害を与える）必要性がまったくない。

カートリッジおよびカバーを互いに固定するために、第１の係合部材および第２の係合部が実装されており、第１の係合部材（または第２の係合部材）がカバーに接続されてチャンバの内部に向かって軸方向に突出し、反対に、第２の係合部材（または第１の係合部材）が上方プレートに接続されて上部カバーに向かって軸方向に突出している相互のスナップ式締結を達成することが公知である。

これらのフィルタに関連する欠点は、液体が含浸されている使用済みのフィルタカートリッジはカバーに取り付けられているため、外部筐体が取り外されると、カバーから外す際に、液体がカートリッジから垂れて、作業者のみならず、周囲の環境およびエンジン部品をも汚損してしまうことである。

本特許は、上記の欠点を予防することを目的とする。

目的は、請求項１に記載の特徴を有するフィルタによって達成されている。

この目的は、主として、筐体がカバーから外された場合にも筐体の内部に残るよう、カートリッジを取り外し可能に筐体に固定することにより達成される。

本発明は、迅速、かつ、確実な連結／脱連結が促進されるよう、カートリッジをカバーの底部に取り外し可能に固定するための有利な手段をさらに備えている。

本発明は、筐体に強固に固定されていると共に、軸方向に延び、径方向に弾性的に作動する係合歯が示されている第１の係合部材と、係合歯と等しい数の同等のセクタであって、各々が、係合歯をスナップ式締結配置で軸方向に固定する係合ゾーンを画定するセクタにさらに分割されている全体が円筒状の表面を有するカートリッジに強固に固定されている第２の係合部材と、係合ゾーンの側方に配置されており、筐体に対する限定的な角度でのカートリッジの回転に続いて、係合歯を係合ゾーンとの固定から遊離させる脱連結ゾーンとを備えているという事実に基づいている。

本発明の利点および構造上−機能上の特徴が以下の詳細な説明から明らかとなり、この詳細な説明では、添付の図面の図を伴って非限定的な例による好ましい実施形態が例示されている。

本発明のフィルタの横断面である。 図１の下部の拡大図である。 図２の詳細を下方から見た平面図である。 図３の詳細を上方から見た斜視図である。 図４をＶから見た図である。 図４をＶＩから見た図である。 図５の断面ＶＩＩ−ＶＩＩである。 本発明の詳細の変形例である。 図１０をＩＸから見た側面図を示す。 図９をＸから見た側面図を示す。

フィルタは、特に全体が円筒状の筐体であって、上方が開口していると共に、全体が円筒状である内部チャンバ１３を閉止する上部閉止カバー１２を有する外部筐体１１を備えている。

カバー１２は、筐体上に存在する手段と結合するためのねじ手段１２０と、正確な位置を確定し、ガスケット１２２によりカバーと筐体との間の液圧の封止を実現するための接合部材１２１および封止部材１２２を備えている。

チャンバ１３は、図中に例示されている実施形態においてはカバー上で側方に配置されているろ過される液体用の入口１３０を有していると共に、再度図中に例示されている実施形態を参照すると、上部カバー１２上に配置されているろ過された液体用の出口１３１とを有している。

フィルタカートリッジ２０がチャンバ１３の内部に配置されており、このフィルタカートリッジ２０は、チャンバを入口１３０に連通する第１のゾーンと出口１３１に連通する第２のゾーンとに分離する、内部チャンバ１３内に配置されている管型フィルタ手段２１を有する。

カートリッジ２０は、フィルタ手段２１の平坦で環状の下面を完全に、かつ、密に覆うと共にこれに固着している、円形プレートの形態の下方プレート２２をさらに備えている。最後に、カートリッジ２０は、フィルタ手段２１の平坦で環状の上面を完全に、かつ、密に覆うと共にこれに固着している、円環の形態の上方プレート２３を備えている。

図示の実施形態において、カバー１２は、上方プレート２３の中心に設けられている開口を貫通する軸上チューブ１７を備えている。ガスケット２３１により、プレート２３とチューブ１７との間が気密に封止されている。

チューブ１７は、カバーを介して、ろ過される液体の入口流路１３０に連通している。

フィルタは、互いに組み合わされて相互のスナップ式締結を実現する第１の係合部材および第２の係合部材をさらに備えている。図示の実施形態においては、第１の係合部材３０が筐体１１にその基部で繋がって筐体の壁と一体的に形成されていると共にチャンバ１３の内部において軸方向上方に延在しており、一方で、第２の係合部材４０が、下方プレート２２と一体的に繋がっていると共に筐体の基部に向かって軸方向下方に突出している。

本発明において、第１の係合部材は、軸方向に伸びて、径方向に弾性的に作動する２つ以上の係合歯３１を備え、一方で、第２の係合部材は、全体が円筒状で、係合歯３１の数と同数のセクタにさらに分割されている外表面を有する管型本体４１を備えている。

円筒状の表面の各セクタは、係合歯３１をスナップ式締結で軸方向に固定する係合ゾーン４３（図３）と、上部カバー１２に対するカートリッジ２０の限定的な角度での回転で、係合ゾーン４３との連結から係合歯３１を遊離させるための係合ゾーンの側方に配置された脱連結ゾーン４４とを画定する。特に、各係合ゾーン４３は、第１の係合歯３１に対して相補的であると共に、第１の係合歯３１を収容し、および、軸方向における相互の接近によりスナップ式締結で連結される第２の係合歯を横断面（図６）において画定している。

より具体的には、係合ゾーン４３は、わずかに傾いて下方に向かって半径が大きくなる上方部分４３ａ、続いて、第１の係合歯３１を捕らえるための鋸歯形状を有する縁部４３ｄを形成する下方溝部４３ｂを備えている。

脱連結ゾーン４４は、全体が平滑な円筒状の表面４４ａの一部分と、溝部４３ｂの外周に沿って表面部分４４ａに向かって連続的に下がる接続傾斜部を形成する帯状のアーチ状表面４４ｂとを備えており、この傾斜部は、係合歯を溝部４３ｂから平滑な円筒状の表面４４ａに移動させるためのものである。

好ましくは、噛合溝部４３ｂおよび帯状の表面４４ｂは係合ゾーン４３に対して一定の軸距離で延在しており、カートリッジ２０の軸方向への如何なる動きも全く必要とせずに係合歯がこれに沿って摺動可能である。

さらに、係合ゾーン４３の反対側に配置されている直線状の突条部材４５がセクタの係合ゾーン４３と他のセクタの脱連結ゾーン４４とを分けていると共に、周囲のゾーン４３，４４に対して径方向外方に突出している。

係合歯３１が対応する縁部４３ｄと連結する際に、係合歯３１はプレート２２の下面に対して衝突し、この衝突により、フィルタカートリッジ２０がカバー１２からの所望される軸距離で正確に保持され、さらに、縁部４３ｄと係合歯３１の縁部とが互いに押圧され続けることに伴って、係合歯３１と円筒状本体４１とが、完全に遊隙が出ないよう固定される。

４本の支台１１０が筐体の基部から等距離で突出しており、これらの支台１１０は、カートリッジ２０のガイドおよび径方向の固定として機能する。使用においては、フィルタカートリッジ２０を筐体１１に結合するために、係合ゾーン４３を係合歯３１に位置させることによって、カートリッジは筐体中に軸方向に挿入され、溝部４３ｂにおける歯３１の突出部のスナップ式締結によって相互の結合が達成される。

２つの係合ゾーン４３は、突条部材４５によってもたらされるガイド作用に伴って、係合歯３１のための進入レーンとして機能し、過剰に力を用いる必要性を全く伴わずに確実な圧力締結を実現する。

圧力が加えられている最中にその軸でカートリッジが回転されることにより、進入スロットへの確実な挿入が可能となる。

実際に溝部４３ｂにおける歯３１の係合音が聞こえることで係合が確認される。

この安定した位置からは、正しい脱連結動作が行われなければ、カートリッジ２０はそれ以上動くことはできない。

縁部４３ｄは、フィルタ群全体の内部での圧力の高まりによって生成される力によるカートリッジ２０の脱係合のいずれをも防止する。

カートリッジ２０の筐体１１からの分離は２つのステージよりなる動作によって行われ、第１のステージにおいては、カートリッジ２０が、筐体に対して、歯３１の縁部が対応する接続傾斜部（４４ｂ）に摺動して歯３１自体が結果的に分離する）ようわずかな角度で、縁部が平滑な表面部分４４ａ上に位置されるまで回転される（要求されるトルクは比較的小さい）。噛合溝部４３ｂおよび帯状の表面４４ｂが一定の軸距離で係合ゾーン４３に対して延びているため、係合歯３１はこれらに沿ってカートリッジ２０を軸方向に動かす必要を伴わずに摺動する。

この時点で、カートリッジ２０を軸方向に筐体１１から引き離すことにより、歯３１が管型本体４１から切り離されて、カートリッジが筐体から分離する。

このように、フィルタ手段２１は、脱連結時には力を加えることなくフィルタ筐体から軽く分離されることが可能であり、従って、液体の漏れおよび外部への液体のはねが防止される。

さらなる実施形態において（図８、９、１０）、係合ゾーン１４３には、下方に向かって半径が大きくなるわずかに傾いた上方部分１４３ａ、続いて、第１の係合歯３１が嵌入する鋸歯形状を有する縁部１４３ｄを形成する下方円筒状溝部１４３ｂが見られる。脱連結ゾーン１４４は平滑な円筒状の表面１４４ａの一部分、および、その基部が溝部１４３ｂの基部に落ち込んで、係合歯を溝部１４３ｂから平滑な円筒状の表面１４４ａに移動させるアーチ状の傾斜した溝部１４４ｂを含む。

溝部１４４ｂは、カートリッジの脱係合のための回転の最中にフィルタカートリッジ２０が筐体１１から離間するよう、係合ゾーン１４３に対して少なくとも部分的に異なる軸距離で延在している。

溝部１４３ｂ，１４４ｂは、係合ゾーン１４３の位置に対して少なくとも部分的にらせん状に延在していることが好ましい。

カートリッジの脱連結のための回転の最中にフィルタカートリッジ２０を筐体１１から確実に離間させるために、噛合溝部１４３ｂの基部と溝部１４４ｂの基部との間に傾斜部１５０が設けられており、この傾斜部１５０が係合歯３１の摺動のために用いられる。

さらに、係合ゾーン１４３の反対側には、セクタの係合ゾーン１４３を他のセクタの脱連結ゾーン１４４から分け、および、周囲のゾーン１４３，１４４に対して径方向外方に突出している直線状の突条部１４５がある。

使用においては、フィルタカートリッジ２０を筐体１１に結合するために、カートリッジは筐体中に軸方向に挿入され、係合ゾーン１４３を係合歯３１と接近させ、相互の結合が溝部１４３ｂの歯３１における突出部のスナップ挿入によってなされる。

２つの係合ゾーン１４３は、突条部１４５によってもたらされるガイド作用に伴って、係合歯３１のための進入レーンとして機能し、過剰な力を必要とせずに確実な圧力嵌合を実現する。

圧力が加えられている最中のカートリッジのその軸での回転は、進入レーンが確実に対面することが可能であることを意味する。

連結の完了が、溝部１４３ｂにおける歯３１が進入した際のスナップ音により確認することが可能である。

この安定した位置から、正しい脱連結動作が行われなければ、カートリッジ２０はそれ以上動くことはできない。

縁部１４３ｄは、完全なフィルタ群の内部でのピーク圧力によって生成される力によるカートリッジ２０の脱係合のいずれをも防止する。

カートリッジ２０の筐体１１からの分離は２ステップの動作によってなされ、第１のステップにおいては、カートリッジ２０が、筐体に対して、歯３１の縁部が溝部１４４ｂによりもたらされた対応する傾斜部を摺動する（結果的に歯３１自体の分離が伴う）ような小さい角度で、縁部が表面１４４ａの平滑な部分上に配置されるまで回転され（要求されるトルクは比較的小さい）、これと同時に、フィルタカートリッジ２０が、カートリッジの脱係合のための回転の最中に筐体１１から離間する。

噛合溝部１４３ｂおよび溝部１４４ｂは、係合ゾーン１４３の位置に対して少なくとも部分的にらせん状に延在していることが好ましい。

カートリッジの脱係合のための回転の最中にフィルタカートリッジ２０を筐体１１から確実に離間させるために、噛合溝部１４３ｂおよびアーチ状表面１４４ｂに隣接して傾斜部１５０が設けられており、この傾斜部１５０が係合歯３１の摺動を可能としている。

この時点で、カートリッジ２０を軸方向に筐体１１から引き離すことにより、歯３１が管型本体４１から切り離されて、カートリッジが筐体から分離する。

このように、フィルタ手段２１は、脱係合に際して大きな力を加えることなくフィルタ筐体から軽く分離されることが可能であり、液体の漏れおよび外部へのその飛び出しが防止される。

以下に本明細書において特許請求されている保護範囲を放棄することなく、本発明に実際の適用上の特性の数多くの変更をなすことが可能であることが明白である。

Claims (8)

1. 外部筐体（１１）と、
   ろ過される液体用の入口およびろ過された液体用の出口を有する内部チャンバ（１３）を閉止する上部閉止カバー（１２）と、
   前記内部チャンバ（１３）の内部に配置されて、前記入口に連通する第１のゾーンと前記出口に連通する第２のゾーンとに前記チャンバ（１３）を分離する管型フィルタ手段（２１）を有するフィルタカートリッジ（２０）と、
   前記フィルタ手段（２１）の下端に接続された下方プレート（２２）とを備え、
   前記フィルタ手段が、前記筐体が前記カバーから分離された場合に前記筐体内に残るよう前記筐体（１１）に取り外し可能に固定されており、
   係合部材（３１）が、軸方向に延び、径方向に弾性的に作動する係合歯を備え、
   第２の係合部材（４１）が、係合歯（３１）の数と同数のセクタであって、各々が、前記係合歯（３１）をスナップ式締結で軸方向に固定する係合ゾーン（４３）を画定しているセクタにさらに分割されている全体が円筒状の表面を備えている車両の内燃機関用フィルタであって、
   各セクタが、係合ゾーン（４３，１４３）の側方に配置されており、前記筐体に対する限定的な角度での前記カートリッジ（２０）の回転に続いて、前記係合歯（３１）を前記係合ゾーン（４３，１４３）との連結から遊離させる、脱連結ゾーン（４４，１４４）をさらに画定していることを特徴とするフィルタ。
2. 前記第１の係合部材（３１）が、前記筐体（１３）の基部に取り付けられていると共に、前記チャンバ（１３）の内部に向かって軸方向に突出しており、
   全体が円筒状の表面（４１）が、前記下方プレート（２２）に取り付けられていると共に、前記筐体の基部に向かって軸方向に突出していることを特徴とする請求項１に記載のフィルタ。
3. 前記係合ゾーン（４３，１４３）の各々が、前記第１の係合歯（３１）と相補的であると共に、軸方向での相互の接近および第１の係合歯（３）の連結に続いて、スナップ式締結で前記第１の係合歯（３）を収容する第２の係合歯を画定していることを特徴とする請求項１に記載のフィルタ。
4. 前記第２の係合歯が、前記係合ゾーン（４３，１４３）中に設けられた溝部（４３ｂ，１４３ｂ）により画定されており、この溝部（４３ｂ，１４３ｂ）が、前記第１の係合歯（３１）の凸部をスナップ式締結で収容するものであることを特徴とする請求項３に記載のフィルタ。
5. 前記脱連結ゾーン（４４，１４４）が、完全に平滑な円筒状部分（４４ａ，１４４ａ）と、前記係合歯（３１）を前記噛合溝部（４３ｂ，１４３ｂ）から平滑な円筒状の表面部分（４４ａ，１４４ａ）に移動させる接続傾斜部を形成する表面の帯状のアーチ部（４４ｂ，１４４ｂ）とを備えていることを特徴とする請求項４に記載のフィルタ。
6. 前記アーチ状表面（４４ｂ，１４４ｂ）が、前記溝部（１４４ｂ）の底部（１５）に設けられており、この溝部（１４４ｂ）がまた軸方向に延びていると共に前記溝部（１４３ｂ）と連続するよう配置されていることを特徴とする請求項５に記載のフィルタ。
7. 前記噛合溝部（１４３ｂ）および帯状の前記アーチ状表面（１４４ｂ）が、前記係合ゾーン（１４３）の位置に対して少なくとも部分的にらせん状に延在していることを特徴とする請求項６に記載のフィルタ。
8. 傾斜部（１５０）が、前記噛合溝部（１４３ｂ）および前記帯状のアーチ状表面（１４４ｂ）に隣接して設けられており、この傾斜部（１５０）が前記係合歯（３１）の摺動を可能とするためのものであることを特徴とする請求項６または請求項７に記載のフィルタ。

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