JP2004533345A - 多層フィルム - Google Patents

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Abstract

適合性のあるドナーシートと関連する使用のための熱転写印刷受容体シートであって、該受容体シートは、関連づけられる適合性のあるドナーシートから熱的に転写される染料を受容する受容層を含み、および剥離材料、接着促進材料、帯電防止材料をさらに含み、該剥離材料、該接着促進材料、該帯電防止材料は、独立的に、該受容層の少なくとも一方の表面の少なくとも一部の上の被膜として存在するか、あるいは該受容層中に存在する受容体シート、透明で印刷可能なオーバーラミネートとしてのそれらの使用;前記受容体シートの1つまたは複数と、皮膜形成材料を含む裏地シートとを含む積層型多層フィルム。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、受容体シート、特に熱転写印刷により印刷可能な受容体シートに関する。受容体シートは透明であり、基材または裏地シート(特に画像または印刷された情報を担持する基材または裏地シート)上のオーバーラミネートすなわちオーバーレイとしての使用を主に意図している。関連づけられるドナーシートを用いる熱転写印刷プロセスによって、オーバーレイに印刷し、それによって、裏地シートおよびオーバーレイを含む多層製品に追加の情報またはデータを担持させることを可能にしてもよい。そのようなオーバーレイは、透明な印刷可能またはパーソナル化可能なオーバーレイまたはオーバーラミネートと呼んでもよい。さらに、本発明は、そのような受容体シートまたはオーバーレイの製造のための方法;そのようなオーバーレイおよび裏地シートを含む多層製品の製造のための方法;およびそのようなオーバーレイおよび裏地シートを含む多層製品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在利用可能な熱転写印刷(TTP)技術は、一般的に、関連するドナーシートからの画像形成媒質の熱転写による受容体シート上の画像の生成を伴う。受容体シートは、典型的には、その表面に染料受容可能なポリマー受容層を有する紙、合成紙、ポリマーフィルム材料である支持基材を含む。関連するドナーシートは、通常、同様の材料を有し、インキメジウム(通常、ワックスおよび/またはポリマー樹脂結合剤を含む)中の昇華性色素を含む転写層を塗布される支持基材を含む。それぞれの転写層および受容層を接触させて配置したドナーシートおよび受容体シートを含む組立品が、たとえばテレビ信号のような情報信号に由来するパターン形成された区域を選択的に加熱する時に、染料がドナーシートから受容体シートの染料受容層へと転写されて、そこに規定されたパターンを有する単色画像が形成される。異なる単色染料を用いて該プロセスを反復することによって、受容体シート上にフルカラーの画像が生成される。
【0003】
典型的なTTP作業の印刷すなわち転写段階において、転写層および受容層の両方が溶融状態にあるものと考えられ、およびドナーシートが受容体シートに熱的に結合される傾向がある。そのような結合は、画像形成された受容体シートからのドナーシートの分離を試みる際に、ドナーシートのしわまたは引裂さえ引き起こす恐れがある。特定の環境下において、受容体シートに対する染料含有転写層の全転写が起こって、ドナーシートが事実上破壊され、該転写層の一部が処理された受容体シートに対して堅固に接着することになる。この挙動は明らかに望ましくない。加熱された組立品から画像形成されたシートの分離を促進するために、転写層および受容層の少なくとも一方に、シリコーンオイルのような剥離材料を結合させてもよい。
【0004】
剥離材料は、ドナーシートおよび受容体シートの間の相対的移動を促進して、互いの容易な分離を可能にするために必要である。しかしながら、受容体シートと位置合わせをされるドナーシートの、印刷ヘッドに対する前進は、通常の場合、ドナーシートと受容体シートの間の摩擦による係合に依存し、該受容体シートは前進方向に動かすことができるローラまたはプラテン上に載置されている。それぞれのシートの間の不充分な結合は、位置合わせの損失および劣悪な鮮明度を有する画像の生成をもたらす傾向がある。したがって、剥離材料は、ドナーシートと受容体シートとの間の摩擦的結合をも促進する必要があり、したがって2つの明らかに矛盾する基準を満たす必要がある。
【0005】
TTPシステムの商業的成功は、特に適切な濃度、コントラストおよび鮮明度を有する画像の発現に依存する。したがって、画像の光学濃度は重要な基準である。しかしながら、不都合なことに、剥離材料は受容層中への染料の移動を阻害し、それによって得られる画像の光学濃度を低下させる恐れがある。不適切な光学濃度の問題は、ドナーシートから受容体シートへの染料の移動に対する障害を構成するような方法で剥離材料が改質される場合に、特に深刻である。たとえば、剥離材料が実質的に架橋される際に、この状況が起こり得る。同様に、剥離材料中の異質材料の含有もまた染料の移動を阻害する可能性があり、したがって、そのような異質材料の存在は一般的に望ましくない。
【0006】
鮮明な画像の発現を実施するために必要とされる強度かつ集中した加熱を、レーザービーム画像形成を含む種々の技術によって印加してもよい。しかしながら、便利かつ広く用いられているサーマル印刷の技術は、たとえばそれぞれのドットが独立した加熱要素(所望されるならば、電子的に制御される)であるドットマトリクス集合体を有するサーマルプリントヘッドを伴う。そのようなコンパクトなプリントヘッドに関連する問題は、加熱されて軟化した組立品上のそれぞれの要素の圧力に起因する受容体シートの変形である。この変形は受容体シートの表面光沢の低下として表われ、特に、初期はその表面が平滑で光沢のある受容体シート、すなわち高品質のアートワークの製造に需要を有する種類の受容体シートにおいて重要である。
【0007】
前述のように、商業的に入手可能なTTP受容体シートに関連する問題点は、発現される画像の不適切な濃度およびコントラスト、画像形成されるシートの光沢の低下、シートの裏側表面への画像の透通、および印刷サイクル中の位置合わせを維持することの困難さを含む。加えて、プリントヘッドに対する受容体シートの円滑な供給における困難さも経験されてきている。
【0008】
TTPプロセスにおける使用のために、種々の受容体シートが提案されてきた。たとえば、基材およびその上の画像受容層を有し、シリコーンオイルのような染料透過性の剥離剤が画像受容層中に存在するか、または画像受容層の少なくとも一部の上の剥離層として存在するかのいずれかである熱転写可能なシートが開示されている(特許文献1参照)。基材における使用を確認されている材料は、コンデンサ紙、グラシン紙、パーチメント紙、高度のサイジングを施された、紙またはプラスチックフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルムを含む)の可撓性の薄いシートを含む。基材の厚さは、普通は、3〜50μmのオーダーを有する。画像受容層は、エステル、ウレタン、アミドまたは高極性の結合を有する樹脂上で用いてもよい。
【0009】
画像受容層が第1および第2の領域を含み、それぞれ(a)−100〜20℃のガラス転移温度および極性基を有する合成樹脂および(b)40℃以上のガラス転移温度を有する合成樹脂を含むことを除いて、特許文献1のものに類似の基材および画像形成層の材料に基づく熱転写可能シートが開示されている(特許文献2参照)。画像受容層は、基材層と共に使用される場合に3〜50μm、または基材層を伴わずに使用される場合は60〜200μmの厚さを有してもよい。
【0010】
染料透過性ポリウレタン樹脂を含む剥離材料を有するTTP受容体シートが開示され、該ポリウレタン樹脂は、(i)有機ポリイソシアネート、(ii)イソシアネート反応性のポリジアルキルシロキサンおよび(iii)ポリマーポリオールを反応させることにより入手可能である(特許文献3参照)。
【0011】
基材および染料受容性受容層を含み、該受容層の表面上に任意選択的な染料透過性剥離材料(たとえば、有機ポリシロキサン樹脂)と帯電防止層とを有し、前記帯電防止層は該受容層から遠位の基材表面上にある、TTP受容体シートが開示されている(特許文献4参照)。
【0012】
【特許文献1】
欧州特許公開第0133012号明細書
【特許文献2】
欧州特許公開第0133011号明細書
【特許文献3】
欧州特許公開第0349141号明細書
【特許文献4】
欧州特許公開第0349152号明細書
【特許文献5】
英国特許公開第838708号明細書
【特許文献6】
国際特許公開第98−06575号パンフレット
【特許文献7】
欧州特許公開第0031202号明細書
【特許文献8】
欧州特許公開第0031203号明細書
【特許文献9】
欧州特許公開第006686号明細書
【特許文献10】
欧州特許公開第0076582号明細書
【特許文献11】
米国特許第5,589,324号明細書
【特許文献12】
米国特許第4,225,665号明細書
【特許文献13】
欧州特許公開第0036702号明細書
【特許文献14】
欧州特許公開第0027699号明細書
【特許文献15】
欧州特許公開第0190499号明細書
【特許文献16】
欧州特許公開第0678546号明細書
【特許文献17】
欧州特許公開第0432886号明細書
【特許文献18】
欧州特許公開第0576169号明細書
【特許文献19】
欧州特許公開第0892721号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
印刷された基材または裏地シート上へのオーバーレイとしての受容体の使用は、受容体シートが、光学的にも透明であり、かつそれが積層されるべき裏地シートまたは基材に対する良好な接着力を示すべきであることを意味する。
【0014】
裏地シートへの積層の前または後(一般的には後)に、および/または熱転写印刷の前または後(一般的には後)に、受容体シートの表面に対して追加の層または装備を付着できることが望ましい。したがって、好ましくは、受容体シートは、任意の続いて付着される層に対して、同様に良好な接着力を示すべきである。
【0015】
さらに、熱プレスを含む標準的カード製造プロセスにおいて受容体シートを加工してカードを製造できることが重要である。フィルムの構造は、そのように積層された積層体が高い品質を有し、表面欠陥のないようなものでなければならない。該表面欠陥は、それら自身における取り扱いおよび加工上の問題点をもたらし、かつ印刷画像中に二次的欠陥をもたらす可能性がある
【0016】
また、最も費用効果的かつ効率的な方法において、受容体シートに前述の特性の組合せを与えることが望ましい。
【0017】
光学的に透明であり、かつ良好な接着力特性を示す、パーソナル化可能なオーバーレイとしての使用に適当である熱転写印刷受容体シートを提供することが、本発明の目的である。また、受容体シートは、発現される画像の良好な濃度およびコントラスト;画像形成されたシートの良好な光沢;シートの裏側表面に対する画像の透通しが実質的にないこと;関連づけられるドナーシートからの受容体シートのきれいな分離を可能にすることと同時の、印刷サイクル中の位置合わせの維持;およびTTPプロセス中のプリントヘッドに対する円滑な供給を示すべきである。(特にカード製造プロセスにおける)良好な二次的加工可能性を有し、およびほとんど表面欠陥を有さないTTP受容体シートを提供することがさらなる目的である。最も経済的かつ効率的な方法において、前述のTTP受容体シートを提供することがさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、第1の態様において、本発明は、適合性のあるドナーシートと関連する使用のための熱転写印刷用受容体シートを提供し、該受容体シートは、関連づけられる適合性のあるドナーシートから熱的に転写される染料を受容するための受容層を含み、および剥離材料、接着促進材料および帯電防止材料をさらに含み、前記剥離材料、前記接着促進材料および前記帯電防止材料は、独立的に、受容層の少なくとも一方の表面の少なくとも一部の上の被膜として存在するか、あるいは受容層中に存在する。
【0019】
第2の態様において、本発明は、適合性のあるドナーシートと関連する使用のための熱転写印刷用受容体シートを製造する方法であって、適合性のあるドナーシートから熱的に転写される染料を受容する受容層を形成する工程と、前記受容層中または前記受容層の少なくとも一方の表面の少なくとも一部の上のいずれかに、剥離材料、接着促進材料および帯電防止材料を提供する工程を含む方法を提供する。
【0020】
好ましくは、前記剥離材料、前記接着促進材料および前記帯電防止材料は、独立的に、受容層の少なくとも一方の表面の少なくとも一部の上の被膜として存在する。
【0021】
受容体シートは光学的に透明であるべきである。透明性は、受容体シートの全厚を通した全光透過率(total luminance transmission)および/またはヘイズ(散乱される透過可視光の%)を測定することによって決定される。80〜100、特に88〜95の範囲内の全光透過率、ならびに3.5%未満、特に2.5%未満の範囲内のヘイズが好ましい。
【0022】
受容体シートは、それが積層されるべき裏地シートに対する良好な接着力を示すべきである。少なくとも5.0N/cm、好ましくは少なくとも6.0N/cmの層間剥離強度が好ましい。
【0023】
本明細書において用いられる際に、受容体シートの「第1表面」とは、熱転写印刷によってその上に画像が生成され、およびTTPプロセス中に関連づけられるドナーシートに接触される、受容体シートの表面を意味する。受容体シートの「第2表面」とは、裏地シート上のオーバーレイとしての主たる目的とする用途の状況において、本明細書中に記載される多層製品の製造において裏地シートに接触される受容体シートの表面を意味する。
【0024】
好ましくは、前記受容体シートは、その第1表面上に前記剥離材料を含む。好ましくは前記受容体シートは、その第1表面上に前記帯電防止材料を含む。
【0025】
1つの実施形態において、受容体シートは、その第1表面上に剥離材料および帯電防止材料を含む。
【0026】
別の実施形態において、受容体シートは、その第1表面上に剥離材料、帯電防止材料および接着促進材料を含む。
【0027】
別の実施形態において、受容体シートは、その第1表面上に剥離材料および帯電防止材料を含み、およびその第2表面上に接着促進材料を含む。
【0028】
好ましい実施形態において、受容体シートは、その第1表面上に剥離材料、帯電防止材料および接着促進材料を含み、およびその第2表面上に接着促進材料を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の範疇において、以下の術語は、ここで特定される意味を有するものと理解すべきである。
シート: 単一で個別のシートのみならず、複数の個別のシートへとさらに分割することができる連続ウェブまたはリボン状構造を含む。
適合性: ドナーシートに関して、ドナーシートに染料が含浸されており、該染料が、熱の影響下において、ドナーシートに接触して配置される受容体シートの受容層へと移動し、該受容層中に画像を形成することができることを示す。
フィルム: 支持ベースなしに独立して存在することができる自立性構造である。
帯電防止: 帯電防止材料を包含する受容体シートが、帯電防止材料を包含しない受容体シートに比較して、静電気を蓄積する傾向が減少していることを示すことを意味する。
接着力: 接着促進材料を包含する受容体シートが、接着促進材料を包含しない受容体シートに比較して、表面エネルギーを増大させ、インキおよび染料などが接着することを許すことを意味する。
【0030】
受容層
受容層は、(1)ドナーシートから熱的に転写される染料の高い受容性、(2)許容可能な光沢のある印刷物の製造を保証するための熱印刷ヘッドの接触に起因する表面の変形に対する抵抗性、および(3)安定な画像を保持する能力を示すべきである。
【0031】
前述の規準を満足する受容層は、合成熱可塑性ポリマーから形成してもよい。受容層のモルホロジーは、必要とされる特性に依存して変化してもよい。たとえば、受容層のポリマーが本質的に非晶質の特質を有して転写される画像の光学濃度を向上させてもよいし、本質的に結晶性であって表面の変形を減少させてもよいし、あるいは、部分的に非晶質/結晶性であって特性間の適切な均衡を提供してもよい。
【0032】
受容層中に用いられる染料受容性ポリマーは、適切にはポリエステル樹脂、特にコポリエステル樹脂を含み、それら樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸およびヘキサヒドロフタル酸のような1つまたは複数の二塩基性芳香族カルボン酸と、1つまたは複数のグリコール、特に脂肪族グリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびネオペンチルグリコールのようなもの)とから誘導される。満足な染料受容性と変形抵抗性とを提供する典型的なコポリエステル類は、特に50〜90モル%のエチレンテレフタレートと対応する50〜10モル%のエチレンイソフタレートとのモル比にある、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとのコポリエステルである。好ましいコポリエステルは、65〜85モル%のエチレンテレフタレートおよび35〜15モル%のエチレンイソフタレートを含み、および特に、約82モル%のエチレンテレフタレートおよび約18モル%のエチレンイソフタレートのコポリエステルを含む。
【0033】
本発明による受容層を、一軸配向させてもよいが、好ましくはフィルムの面内の2つの相互に直交する方向に延伸することによって二軸配向させて、機械的および物理的特性の満足な組合せを達成する。フィルムの形成は、たとえば管状または平面フィルムプロセスのような、配向ポリマーフィルムを製造することに関して当該技術において知られている任意のプロセスを用いて実施してもよい。
【0034】
管状プロセスにおいて、熱可塑性ポリマーチューブを押出し、引き続いてそれを急冷、再加熱し、そして内部ガス圧力によって膨張させ、かつ長手方向の配向を誘起する速度で延伸することによって、同時二軸配向を実施してもよい。
【0035】
好ましい平面フィルムプロセスにおいて、皮膜形成ポリマーをスロットダイを通して押出し、冷却キャストドラム上で急速に冷却して、ポリマーが非晶質状態へと急冷されることを保証する。
【0036】
次に、急冷された押出物を、ポリマーのガラス転移温度より高い温度において少なくとも一つの方向に延伸することによって、配向が実施される。最初に一つの方向(通常、長手方向、すなわちフィルム延伸機を貫く前進方向)に、次いで横方向に延伸することによって、逐次配向を実施してもよい。押出物の前進方向への延伸は、1組の回転ローラ上で、または2対のニップロールの間で慣用的に実施され、次いで横延伸がステンタ装置中で実施される。延伸は、皮膜形成ポリマーの特質によって決定される程度まで実施される。たとえば、ポリエステルは、通常、延伸方向またはそれぞれの延伸方向において、配向されたポリエステルフィルムの寸法が当初の寸法の2.5〜4.5倍となるように延伸される。延伸は、典型的には70〜125℃の範囲内の温度において実施される。
【0037】
延伸されたフィルムは、皮膜形成ポリマーのガラス転移温度より高いがその溶融温度より低い温度において、寸法拘束の下でヒートセットして、該ポリマーの結晶化を誘起することにより寸法安定化されてもよく、好ましくは寸法安定化される。特許文献5に記載されるように、ヒートセットは、典型的には150〜250℃の範囲内の温度において実施される。
【0038】
ドナーシートから熱的に転写される染料に対する高い受容性を示し、それゆえTTP受容体シートにおける使用に適当であるポリマーは、一般的には、受容体シートに要求される機械的特性を提供するための追加層を必要とする。好ましい実施形態において、受容層は、染料受容層および支持体層を含む多層構造を含む。染料受容層は、前述の染料受容性ポリマーの任意のものを含んでもよい。支持体は、任意の合成の皮膜形成ポリマー材料で形成されてもよい。適当な熱可塑性合成材料は、エチレン、プロピレンまたはブテン−1のような1−オレフィンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、および特に合成線状ポリエステルを含む。該合成線状ポリエステルは、1つまたは複数のジカルボン酸類またはそれらの低級アルキル(炭素原子6個まで)ジエステル(たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−、2,6−または2,7−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、4,4,−ジフェニルジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、または1,2−ビス−p−カルボキシフェノキシエタン(任意選択的に、ピバル酸のようなモノカルボン酸を伴う))を、1つまたは複数のグリコール(たとえば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール)と縮合させることにより得ることができる。支持体層はポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。
【0039】
好ましい実施形態において、受容層は、前述の第1および第2染料受容層の間に配置される、前述の支持体層を含むABA多層構造を含む。好ましくは、支持体層はポリエチレンテレフタレートを含み、および第1および第2染料受容層は65〜85モル%のエチレンテレフタレートおよび35〜15モル%のエチレンイソフタレートを有するコポリエステル、特に約82モル%のエチレンテレフタレートおよび約18モル%のエチレンイソフタレートを有するコポリエステルを含む。そのような染料受容層は、多層受容層の支持体に対して良好な接着力を示す。
【0040】
多層構造の支持体の厚さは、変化してもよいが、一般的には350μmを越えることはなく、および好ましくは40〜250μm、より好ましくは50〜100μmの範囲内である。多層構造の染料受容層の厚さは広範に変化し得るが、一般的には100μmを越えることはない。染料受容層の乾燥厚さは、特に、個々の受容性ポリマー中に発現される得られる画像の光学濃度を支配し、好ましくは0.5〜25μmの範囲内である。本明細書に記載される支持体層と共同する染料受容層の厚さの0.5〜15μm、特に0.5〜10μmの範囲内への慎重な制御によって、転写される画像の光学濃度を著しく減じることなしに、表面変形に対する抵抗性における著しい改善が実現される。
【0041】
1つの実施形態において、受容層の総厚さは、50〜100μmの範囲内である。
【0042】
前述の種類の多層受容層は、(1)高品質のアートワークの濃度、コントラストおよび風合いを有する印刷物の製造に必須である透明度および明度、(2)印刷ヘッドとの接触に関連する表面変形および画像の裏抜けに対する改善された抵抗性に寄与する硬度および剛直度、および(3)寸法的安定性およびカール抵抗性を与える、熱的および化学的の両方の安定度を含む、数多くの利点を提供する。
【0043】
加えて、前述の種類の好ましい多層ABA受容体シートは、本明細書中に記載される多層製品(カードのようなもの)の製造のための裏地シート上のオーバーレイとして用いられる際に、裏地シートに対する驚くほど向上した接着力を示す。
【0044】
受容層、または受容層が多層構造である場合の受容層中の1つまたは複数の層(すなわち、前述の染料受容層(単数または複数)および/または支持体層)は、ポリマーフィルムの製造において慣用的に用いられる添加剤の任意のものを適宜含有してもよい。そのような添加剤は、一般的に、比較的少量で存在する。そのように、架橋剤、染料、顔料、空隙化剤、潤滑剤、酸化防止剤、ラジカル捕獲剤、UV吸収剤、熱安定化剤、粘着防止剤、界面活性剤、滑り助剤、蛍光増白剤、光沢向上剤、分解剤前駆体(prodegradents)、粘度調整剤および分散安定化剤のような剤を、適宜組み込んでもよい。
【0045】
たとえば、層が、微粒子無機充填剤または非相溶性樹脂充填剤、あるいは2つ以上のそのような充填剤の混合物、好ましくは微粒子無機充填剤のような、微粒子充填剤を含んでもよい。好ましい微粒子無機充填剤は、二酸化チタンおよびシリカを含む。必要とされる透明性を実現するために、充填剤は、典型的には、一般的に層の0.5質量%を越えず、好ましくは層の0.2質量%未満である少量においてのみ存在する。この種類の充填剤は当該技術においてよく知られており、たとえば、参照により本明細書の一部をなすものとする特許文献6中に記載されている。
【0046】
加えて、老化の開始を遅延させるために、1つまたは複数のUV吸収剤の存在が特に好ましい。好適なUV吸収剤は、参照により本明細書の一部をなすものとする特許文献6中に記載されるものを含む。UV吸収剤は、たとえば約20000ppmまでの量において存在してもよい。また、UV吸収剤は、皮膜形成ポリマーの鎖中に共重合した残基として存在してもよい。特に、受容層のポリマーがポリエステルであるとき、好都合には、ポリエステル鎖は、芳香族カルボニルUV安定化化合物の共重合されたエステル化残基を含む。適当なエステル化残基は、特許文献7に記載されるジ(ヒドロキシアルコキシ)クマリン残基;特許文献8に記載される2−ヒドロキシ−ジ(ヒドロキシアルコキシ)ベンゾフェノン残基;特許文献9に記載されるビス(ヒドロキシアルコキシ)キサント−9−オン残基;特許文献10に記載されるヒドロキシ−ビス(ヒドロキシアルコキシ)キサント−9−オン残基を含み、それら特許文献の開示は参照により本明細書の一部をなすものとする。特に好ましい残基は、1−ヒドロキシ−3,6−ビス(ヒドロキシアルコキシ)キサント−9−オンから誘導される。前述のUV安定化化合物中のアルコキシ基は、好都合には1〜10炭素原子、好ましくは2〜4炭素原子(たとえばエトキシ基)を含有する。エステル化残基の含有量は、受容層のポリマーの総重量の、好都合には0.01〜30質量%、好ましくは0.05〜10質量%である。
【0047】
本発明による受容体シートの光学的特性および加工挙動を、少量の適当な改質剤を組み込むことにより改善してもよく、該改質剤は、たとえば、周期表I−A族、II−A族、III−A族およびIV−B族の元素から選択されるカチオンを含む塩である。典型的な該改質剤は、ナトリウム、カリウム、アルミニウムおよびジルコニウムの水酸化物およびハロゲン化物、特に塩化物のような塩を含む。
【0048】
層の組成物の成分を、慣用の方法において一緒に混合してもよい。たとえば、層ポリマーを誘導するモノマー反応剤を混合することにより、または、混転ブレンドまたはドライブレンドにより、あるいは押出機中で配合することにより、成分をポリマーと混合してもよく、引き続いて冷却および通常は顆粒またはチップへと粉砕してもよい。また、マスターバッチ技術を用いてもよい。
【0049】
多層受容層の形成を、慣用の技術、たとえばあらかじめ形成された支持体層上への染料受容性ポリマーのキャスティングによって実施してもよい。しかし、好都合には、複合体シート(支持体および染料受容層)の形成は、共押出によって実施される。該共押出は、多オリフィスダイの独立したオリフィスからそれぞれの皮膜形成ポリマーの同時共押出およびその後に依然として溶融状態の層を合体させることによって、あるいは、好ましくは、最初にそれぞれのポリマーの溶融流をダイマニホールドに導くチャネル内で合体させ、混合することのない層流の条件下でダイオリフィスから一緒に押出すことによってのいずれかで実施され、それによって複合体シートが製造される。
【0050】
前述のように、共押出しされたシートを延伸して、支持体の分子配向を実施し、そして好ましくはヒートセットを実施する。一般的に、支持体層を延伸するために適用される条件は、染料受容性ポリマーの部分的結晶化を誘起し、したがって、寸法拘束下で、染料受容性層の所望されるモルホロジーを発現させるために選択される温度において、ヒートセットすることが好ましい。そのように、染料受容層の結晶融解温度未満の温度におけるヒートセットを実施し、そして複合体が冷却されることを許すかまたは複合体を冷却させることによって、染料受容性ポリマーは、本質的に結晶性の状態を維持する。一方、染料受容性ポリマーの結晶融解温度を超える温度においてヒートセットすることによって、後者は本質的に非晶質にされる。好都合なことには、ポリエステル支持体とコポリエステル染料受容層を含む受容層のヒートセットは、175〜200℃の範囲内の温度で実施されて実質的に結晶性の染料受容層をもたらすか、あるいは200〜250℃の範囲内の温度で実施されて本質的に非晶質の染料受容層をもたらす。
【0051】
帯電防止材料
本発明における使用するための帯電防止材料は、当該技術においてその帯電防止特性が知られている任意の媒質であってもよい。そのような帯電防止材料は、たとえば特許文献11〜16およびそれらの中で引用されている文献中に開示されており、それらの開示は参照により本明細書の一部をなすものとする。帯電防止材料は、アニオン性、中性またはカチオン性であってもよいが、好ましくはアニオン性または中性である。特に好ましい帯電防止材料は、スチレンスルホン酸ナトリウムのホモポリマーおよび/またはコポリマー、特に、参照により本明細書の一部をなすものとする特許文献11に開示されるものを含む。好ましくは、帯電防止材料は、(a)スチレンスルホン酸のナトリウム塩および(b)無水マレイン酸のコポリマー、すなわちポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム−無水マレイン酸)を含む。
【0052】
望ましくは、ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム−無水マレイン酸)のアルカリ金属含有量は、成分(a)および(b)の総合重量の1.0%、好ましくは0.75%、および特に好ましくは0.50%を越えるべきではない。ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム−無水マレイン酸)のそれぞれの成分の相対比率は、広い範囲内で変化してもよく、および望ましくは、受容体シートに対して、相対湿度50%、23℃において、12.5ログオーム/スクエアを越えない表面抵抗率、および好ましくは12.0ログオーム/スクエア未満の表面抵抗率を与える帯電防止層を提供するように、簡単な実験によって選択されるべきである。望ましくは、成分(a)および(b)は、約0.5:1〜5:1の重量比において存在する。
【0053】
帯電防止被膜を乾燥させた後に、望ましくない粉末状の表面「ブルーム」が発生するおそれがある。この粉末状の表面ブルームは、受容体シートの光学的透明性を損なうのみならず、引き続く受容体シートの加工中に、該加工を妨害するような方法において拭き落とされる恐れがある。この望ましくない粉末状の表面ブルームを回避するために、帯電防止材料のアルカリ金属含有量を、明記したレベルに維持するべきである。
【0054】
帯電防止材料を受容層中に組み込んでもよく、その場合には、帯電防止材料は、当該技術においてよく知られている慣用の技術にしたがって、押出前に受容層の皮膜形成ポリマーと混合される。しかしながら、好ましくは、以下に詳細に記載するように、帯電防止材料は、受容層の一方または両方の表面に対する被膜として付着される。液体被覆剤組成物中の帯電防止材料の濃度は、特に受容体シートで必要とされる帯電防止特性、および付着される被覆層の湿潤厚さに依存する。しかし、有効濃度は、好都合には約0.5%から約10%(質量/体積)まで、好ましくは1から5%(質量/体積)までである。乾燥被膜は、好都合には、約0.1〜約1.0mg/dm-2の乾燥塗布量を示す。したがって、帯電防止層の厚さは、一般的には0.01〜0.1μmの範囲内である。
【0055】
帯電防止材料の使用は、飛塵による表面の汚染を減少させることまたは実質的に排除することに有効である。加えて、本発明における使用のために好ましい帯電防止材料は特に有利である。なぜなら、剥離材料および/または接着促進材料(特に、以下に記載される好ましい剥離材料および/または接着促進材料)を同時に被覆される際に、被覆の効率および容易さを向上させることを可能にするからである。特に、好ましい帯電防止材料は、帯電防止材料が、剥離材料および/または接着促進材料が同時に存在する被覆剤材料の凝集の問題を回避し、それによって受容体シートの製造の効率および経済性を改善する。
【0056】
剥離材料
本発明の受容体シートは、受容層内部に、または好ましくは受容層の表面の少なくとも一部の上の不連続の層としてのいずれかにおいて、剥離材料を含んでもよい。剥離材料を、好ましくは、慣用の技術にしたがう水性分散物(以下により詳細に記載する)として、受容層の表面に付着してもよい。剥離材料が受容層中に組み込まれる場合、当該技術においてよく知られている慣用の技術にしたがう押出の前に、受容層のポリマーの50質量%までの量で、受容層の皮膜形成ポリマーと混合される。
【0057】
剥離材料は、ドナーシートから転写される染料に対して透過性であるべきであり、および、剥離剤(たとえば、ドナーシートに関する受容体シートの剥離特性を向上させるために、TTPプロセスにおいて慣用的に用いられる種類のもの)を含む。適当な剥離剤は、固体ワックス、フッ素化ポリマー、エポキシ修飾および/またはアミノ修飾されたシリコーンオイルのようなシリコーンオイル(好ましくは硬化される)、および特に有機ポリシロキサン樹脂を含む。有機ポリシロキサン樹脂は、受容層の露出される表面の少なくとも一部の上の不連続の層としての付着に特に好適である。
【0058】
剥離材料は、好ましくはポリウレタン付着防止性樹脂、特に(i)有機ポリイソシアネート、(ii)イソシアネート反応性のポリジアルキルシロキサン、および(iii)ポリマーポリオールの反応生成物を含むポリウレタン樹脂を含む。この種類の好適な剥離材料は、たとえば、参照により本明細書の一部をなすものとする特許文献3に開示される。
【0059】
ポリウレタン剥離材料の有機ポリイソシアネート成分は、脂肪族、環状脂肪族、芳香族脂肪族(araliphatic)、芳香族ポリイソシアネートであってもよい。適当なポリイソシアネートの例は、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート類、および1,5−ナフチレンジイソシアネートを含む。ポリイソシアネートの混合物を用いてもよく、また同様にウレタン、アロファネート、ウレア、ビウレット、カルボジイミド、ウレトニミンまたはイソシアヌレート残基の導入により修飾されたポリイソシアネート類を用いてもよい。
【0060】
イソシアネート反応性ポリジアルキルシロキサンは、モノ官能性であってもよいが、好都合には少なくとも2つのイソシアネート反応性基を含む。アルキル基が1〜8炭素原子、特にメチル基を含み、および少なくとも2つのイソシアネート反応性基を有するポリジアルキルシロキサン類は知られている。これらは、ヒドロキシ、メルカプト、第1級アミノ、第2級アミノおよびカルボキシ基から選択される2つ以上の反応性基を有するポリジメチルシロキサン類を含む。ポリジアルキルシロキサンは、たとえばそれぞれの端にヒドロキシ基を有するジオールのように線状であってもよいし、あるいは、分枝して3つ以上のイソシアネート反応性基を有してもよい。該3つ以上のイソシアネート反応性基は、分子の種々の端部に位置してもよく、あるいは全てが1つの端部に配置されていてもよい。適当なポリジメチルシロキサンの例は、式(I)のジオール類を含む:
【0061】
【化1】
Figure 2004533345
【0062】
(式中、nは、0〜100、好ましくは1〜50、より好ましくは10〜20の整数であり;R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよい、−(CH2y(OX)z−OHであり;Xは、−CH2−CH2−および−CH(CH3)−CH2−から選択され;yは、2〜12、好ましくは2〜4、より好ましくは3の整数であり;およびzは、0〜25、好ましくは5〜15、より好ましくは11または12の整数である。)。
【0063】
適当なポリジメチルシロキサン類のさらなる例は、式(II)のトリオール類を含む:
【0064】
【化2】
Figure 2004533345
【0065】
(式中、yは、40〜150、特に50〜75の整数である。)。
【0066】
剥離材料のポリマーポリオール成分は、ポリウレタン調合における使用に適当なポリマーポリオールの化学的クラスの任意の構成要素であってもよい。たとえば、ポリマーポリオールは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリアセタールまたはポリオレフィンであってもよく、好ましくはポリカーボネートであってもよく、それは比較的に高いガラス転移温度(約140℃のTg)を有し、かつ剥離材料に対して望ましい硬度を与える。ポリカーボネート類は、脂肪族または芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸の本質的に熱可塑性のポリエステルであり、一般式(III)で表すことができる:
【0067】
【化3】
Figure 2004533345
【0068】
(式中、Rは2価の脂肪族基または芳香族基であり、nは2〜20の整数である。)。それらポリカーボネート類は、脂肪族または芳香族ジヒドロキシ化合物または混合された脂肪族または芳香族ジヒドロキシ化合物による炭酸のジエステルのエステル交換のような慣用の手順によって調製されてもよい。典型的な反応剤は、ビスフェノールAとして一般的に知られる2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−プロパン;エトキシル化ビスフェノールAとして一般的に知られる1,1−イソプロピリデン−ビス−(p−フェニレンオキシ−2−エタノール);または1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。
【0069】
好ましくは、ポリマー性ポリオールの分子量は700〜3000である。
【0070】
ポリウレタン剥離材料は、複数のイソシアネート反応性基を含有する1つまたは複数の化合物をさらに含んでもよい。適当な追加のイソシアネート反応性化合物は、有機ポリオール、特に、62〜6000の範囲内の分子量を有し、シリコン原子を持たない短鎖の脂肪族ジオールもしくはトリオール、またはそれらの混合物を含む。また、有機ポリオールとは別にまたは一緒のいずれかにおいて、有機ジアミン、特に脂肪族ジアミンを含んでもよい。
【0071】
したがって、典型的な剥離材料は、式IVの構造を含むウレタン−シリコーンポリマーを含む:
【0072】
【化4】
Figure 2004533345
【0073】
(式中、
Rは2価の脂肪族、環状脂肪族または芳香族の炭化水素基であり;
XはR1またはR2であり;
1は、ポリカーボネート基、ポリエステル基またはポリエーテル基であり;
2は、500〜3000の分子量のシリコーン鎖であり;
3は、2価の脂肪族および/または環状脂肪族の炭化水素基であり;
4は、任意選択的にカルボキシル基を含有してもよい2価の脂肪族炭化水素基であり;
nおよびmは1〜20の整数であり;および
oおよびpは0〜20の整数である。)。
【0074】
ジブチルスズジラウレートおよび/またはスズ(II)オクトエートのような、ウレタン形成の触媒を用いて剥離材料の形成を補助してもよく、および媒質の形成の前または後に、非反応性溶媒を添加して粘度を調整してもよい。用いることができる適当な非反応性溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ジグライム、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、エチレングリコールジアセテートおよびプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノアセテートおよびプロピレングリコールモノアセテートのアルキルエーテル類、トルエン、キシレン、およびt−ブタノールおよびジアセトンアルコールのような立体障害を有するアルコールを含む。好ましい溶媒は、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドおよびグリコールアセテート類のジアルキルエステル類、またはN−メチルピロリドンおよびメチルエチルケトンの混合物のような水混和性の溶媒である。他の適当な溶媒は、引き続いて重合されるビニルモノマーを含む。
【0075】
ポリウレタン樹脂は水分散性である。水性ポリウレタン分散物は、好ましくは有効量の多官能性の活性水素含有連鎖延長剤の存在下、水性媒質中にポリウレタン樹脂を分散させることによって調製してもよい。当該技術においてよく知られている技術を用いて、樹脂を水中に分散させてもよい。好ましくは、攪拌しながら、水に対して樹脂を添加してもよいし、あるいはまた水を樹脂中へと攪拌してもよい。
【0076】
用いられる場合、多官能性の活性水素含有連鎖延長剤は、好ましくは水溶性であり、かつ水自身も有効である。他の適当な延長剤は、ポリオール、アミノアルコール、アンモニア、第1級または第2級の脂肪族、環状脂肪族、芳香族、脂肪族、芳香族脂肪族または複素環式のアミン、特にジアミン、ヒドラジンまたは置換ヒドラジンを含む。適当な連鎖延長剤の例は、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロへキシレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、3,3’−ジニトロベンジジン、(4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニルジアミン、2,6−ジアミノピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、メンタンジアミン、m−キシレンジアミン、イソホロンジアミン、およびアクリレートまたはその加水分解生成物とジエチレントリアミンの付加物を含む。さらに好適な材料は、ヒドラジン、アセトンアジンのようなアジン類、ジメチルヒドラジンのような置換ヒドラジン類、1,6−ヘキサメチレン−ビス−ヒドラジン、カルボジヒドラジン、アジピン酸モノヒドラジドまたはジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、1,3−フェニレンジスルホン酸ジヒドラジド、ω−アミノカプロン酸ジヒドラジドのようなジカルボン酸およびジスルホン酸のヒドラジド類、γ−ヒドロキシ酪酸ヒドラジドのようなラクトンをヒドラジンと反応させることにより作成されるヒドラジド類、ビス−セミ−カルバジド、前述のグリコール類のようなグリコール類のビス−ヒドラジド炭酸エステル類を含む。
【0077】
連鎖延長剤が水以外のたとえばジアミンまたはヒドラジンである場合、連鎖延長剤をポリウレタン樹脂の水性分散物に添加してもよいし、あるいはまた、樹脂を水性媒質中に分散させる場合には、その中に連鎖延長剤があらかじめ存在していてもよい。
【0078】
望ましくは、多官能性連鎖延長剤は、分子内架橋をして、耐久性および溶媒に対する抵抗性を改善することが可能であるべきである。適当な樹脂性分子内架橋剤は、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、および/またはアルデヒド(たとえば、ホルムアルデヒド)とアミン(たとえば、メラミン、ジアジン、ウレア、環状エチレンウレア、環状プロピレンウレア、チオウレア、環状エチレンチオウレア、アルキルメラミン類、アリールメラミン類、ベンゾグアナミン類、グアナミン類、アルキルグアナミン類およびアリールグアナミン類)の縮合生成物を含む。有用な縮合生成物は、ホルムアルデヒドとメラミンの縮合生成物である。縮合生成物は、任意選択的に部分的または完全にアルコキシル化されてもよく、該アルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシまたはiso−ブトキシのような低分子量のものである。ヘキサメトキシメラミン縮合物が特に適当である。もう1つの適当な架橋剤は、ポリアジリジンである。
【0079】
そのような多官能性延長剤は、好ましくは少なくとも三官能性(すなわち3つの官能基)を示し、ポリウレタン樹脂中に存在する官能基との分子内架橋を促進し、受容層に対する剥離材料の接着力を向上させる。
【0080】
本発明の好ましい実施形態において、剥離材料は連鎖延長剤および架橋剤を含む。
【0081】
連鎖延長は、高温、低温または周囲温度において実施されてもよい。好都合な温度は、約5℃から95℃以上まで、好ましくは約10℃から約45℃までである。
【0082】
用いられる連鎖延長剤の量は、樹脂中の遊離NCO基の量とほぼ当量であるべきであり、連鎖延長剤中の活性水素対樹脂中のNCO基の比率は、好ましくは1.0〜2.0:1の範囲内である。
【0083】
好ましくは、剥離材料中に触媒を導入して、樹脂性架橋剤の分子内架橋作用を加速し、および同様にポリウレタン樹脂中の架橋性官能基による分子間架橋作用を加速する。メラミンホルムアルデヒドを架橋させるために好ましい触媒は、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、パラトルエンスルホン酸、硫酸、塩基との反応により安定化されたマレイン酸、パラトルエンスルホン酸アンモニウムおよびパラトルエンスルホン酸モルホリニウムを含む。
【0084】
好ましくは、硬化された剥離層は、約5μmまで、好ましくは0.025〜2.0μmの乾燥厚さを有する。
【0085】
記載された種類の剥離材料は、優れた光学的性質を有し、表面のきずおよび欠陥を持たない受容体シートを与え、それは種々の染料に対して透過性であり、多数回の順次的な剥離の性質を与え、それによって受容体シートに別個の単色染料を用いて連続的に画像形成して、フルカラーの画像を与えることができる。特に、熱転写印刷操作中に、それぞれのシートがしわが寄ること、裂開または他の損傷をこうむる危険なしに、ドナーシートと受容体シートの位置合わせが容易に維持される。
【0086】
接着促進材料
好ましくは、接着促進材料は、参照により本明細書の一部をなすものとする特許文献17に開示されているもののようなアクリルポリマー樹脂および/またはメタクリルポリマー樹脂を含む。適当なポリマーは、アクリル酸のエステル(好ましくはアルキル基がC1-10アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、ter−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ヘプチルおよびn−オクチル、およびより好ましくはエチルまたはブチル)であるアルキルエステル)から誘導される少なくとも1つのモノマーを含む。アルキルアクリレートモノマー単位を含み、アルキルメタクリレートモノマー単位をさらに含むポリマーが特に好ましい。エチルアクリレートとアルキルメタクリレート(特にメチルメタクリレート)を含むポリマーが特に好ましい。アルキルアクリレートモノマー単位は、好ましくは約30〜約65モル%の範囲内の比率で存在し、アルキルメタクリレートモノマー単位は、好ましくは20〜約60モル%の範囲内の比率で存在する。
【0087】
接着促進材料のポリマー樹脂中に存在してもよい他のモノマー単位は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ハロ置換アクリロニトリル、ハロ置換メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エタノールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メタクリルアミド、N−エタノールメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−第3級ブチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、イタコン酸、無水イタコン酸およびイタコン酸のハーフエステルを含む。そのようなモノマー単位を、任意選択的な追加のモノマーとして、前述のアクリル酸および/またはメタクリル酸のエステルと共重合させてもよい。
【0088】
接着促進材料のポリマー樹脂中に存在してもよいさらなるモノマー単位は、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類、ビニルピリジン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、マレイン酸、無水マレイン酸、スチレン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレンおよびアルキル化されたスチレン(アルキル基はC1-10アルキル基である)のようなスチレンの誘導体を含む。
【0089】
好ましい実施形態において、接着促進材料は約35〜60モル%のエチルアクリレートと、約30〜55モル%のメチルメタクリレートと、約2〜20モル%のアクリルアミドまたはメタクリルアミド(好ましくはメタクリルアミド)とから誘導されるポリマー樹脂を含む。特に好ましい実施形態において、該ポリマー樹脂は、それぞれ46/46/8の近似的モル比で、エチルアクリレートと、メチルメタクリレートと、アクリルアミドまたはメタクリルアミド(好ましくはメタクリルアミド)とを含む。
【0090】
接着促進材料のポリマー樹脂の分子量は、広範な範囲にわたって変化し得るが、好ましくは40,000〜300,000、およびより好ましくは50,000〜200,000の範囲内である。
【0091】
また、接着促進材料は、ポリマーを架橋する機能を果たし、それによって受容層に対する接着力を向上させる架橋剤を含有してもよく、好ましくは該架橋剤を含有する。さらに、溶媒の浸透に対する保護を提供するために、架橋剤は好ましくは内部架橋が可能であるべきである。適当な架橋剤は、エポキシ樹脂、アルキル樹脂、アミン誘導体(ヘキサメトキシメチルメラミンのようなもの)、およびアルデヒド(ホルムアルデヒドのようなもの)とアミン(メラミン、ジアジン、ウレア、環状エチレンウレア、環状プロピレンウレア、チオウレア、環状エチレンチオウレア、アルキルメラミン類、アリールメラミン類、ベンゾグアナミン類、グアナミン類、アルキルグアナミン類およびアリールグアナミン類)の縮合生成物を含む。好ましい架橋剤は、ホルムアルデヒドとメラミンの縮合生成物である。該縮合生成物は、任意選択的にアルコキシル化、たとえばメトキシル化またはエトキシル化されていてもよい。架橋剤は、好ましくは、接着促進材料のポリマーの重量に基づいて25質量%までの量で用いられる。好ましくは、触媒を用いて架橋剤の架橋作用を促進する。架橋剤がメラミンホルムアルデヒドを含む場合の好ましい触媒は、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、パラトルエンスルホン酸、塩基との反応によって安定化されたマレイン酸、およびパラトルエンスルホン酸モルホリニウムを含む。
【0092】
また、接着促進材料は、1つまたは複数のフタレートエステルを含んで、引き続いて付着される層に対する接着力を向上させてもよく、好ましくは該フタレートエステルを含む。積層型多層カードにおける裏地シートに対する受容体シートの層間剥離強度を増大させるために、フタレートエステルの使用は、接着促進材料が受容体シートの第2表面に付着される際に特に有利である。フタレートエステルは、裏地シートに対する受容体シートの接着力を向上させるのに有効である量で存在し、好ましくは、受容体シートの第2表面上の接着力向上層の固形分の全重量に対して、約0.01〜10質量%、好ましくは約0.01〜5.0質量%、およびより好ましくは0.01〜20質量%の範囲内の量で存在する。適当なフタレートエステルは、特許文献18(該文献の開示は参照により本明細書の一部をなすものとする)中に包括的かつ具体的に開示されており、ジメチル フタレート、ジエチル フタレート、ジブチル フタレート、ジイソヘキシル フタレート、ブチル 2−エチルヘキシル フタレート、ジ−2−エチルヘキシル フタレート、ジイソオクチル フタレート、ジカプリル フタレート、ヘプチル ノニル フタレート、ジイソノニル フタレート、ブチル イソデシル フタレート、n−オクチル n−デシル フタレート、ジイソデシル フタレート、ヘプチル ノニル ウンデシル フタレート、ジウンデシル フタレート、ジトリデシル フタレート、ジアリル フタレート、ブチル シクロヘキシル フタレート、ジシクロヘキシル フタレート、ジフェニル フタレート、ブチル ベンジル フタレート、シクロヘキシル ベンジル フタレート、7−(2,6,6,8−テトラメチル−4−オキサ−3−オキソ−ノニル)ベンジル フタレート、メトキシエトキシエチル ベンジル フタレート、ジメトキシエチル フタレート、ジメトキシエトキシエチル フタレートおよびジブトキシエチル フタレートを含む。特に好ましいフタレートエステルは、ベンジル 2−エチルヘキシル フタレートである。アクリル樹脂とフタレートエステルとの適合性を最適化するために、フタレートエステルは、3.0〜8.0、より好ましくは4.5〜7.5、および特に5.0〜6.5の誘電率を有することが好ましい。フタレートエステルの分子量は、好ましくは5000未満、より好ましくは1000未満、特に200〜600の範囲内、および特に300〜400までである。
【0093】
好ましくは、接着促進材料は、以下に詳細に記載されるような慣用の技術を用いて、受容層の表面の少なくとも一部に対して付着される。接着促進材料のポリマーは、一般的に水不溶性である。それにもかかわらず、接着促進材料のポリマーは、水性分散物として、あるいはまた有機溶媒の溶液として、受容層の表面に付着されてもよい。好ましくは、接着促進材料は水性分散物として付着される。
【0094】
接着促進材料は、連続的被膜を形成するために、好ましくは0.1〜10mg/dm2、特に0.1〜2.0mg/dm2の範囲内の塗布量において受容層に対して付着される。そのような被覆の提供は、引き続いて付着される種々の被覆剤、インキおよびラッカーの接着力を向上させるとともに、受容体シートの滑り特性(すなわち、巻き取り性)を改善する。また、ポリマー樹脂が0.01〜0.2mg/dm2、特に0.03〜0.1mg/dm2の範囲内の塗布量において付着される場合には、不連続の被覆層を製造することも可能である。しかしながら、良好な滑り特性および良好な接着力の最適な組合せを提供するために、連続的被膜が好ましい。
【0095】
たとえば火炎処理、イオン衝撃、電子ビーム処理、紫外光処理または好ましくはコロナ放電による被覆された受容層の表面の改質は、引き続いて付着されるインキおよびラッカーの接着力を向上させる可能性がある。しかしながら、満足な接着力の提供のためには本質的ではない。
【0096】
コロナ放電による好ましい処理は、好ましくは1〜100kVの電位において1〜20kWの出力を有する、高周波数、高電圧の発電機を用いる慣用の装置を用いて、大気圧の空気中で実施することができる。好都合には、放電は、放電ステーションの支持ローラの上を、好ましくは1.0〜500m毎分の線速度においてフィルムを通過させることによって実施される。放電電極は、移動するフィルム表面から0.1〜10.0mmに位置してもよい。
【0097】
剥離材料、帯電防止材料および接着促進材料は、慣用の技術にしたがって、受容層の表面に対する被覆剤組成物として付着されてもよい。特に、その形成が比較的高い押出および/または処理温度を伴うポリエステル含有受容層の場合において、適切な揮発性媒質中の溶液または分散液から、種々の材料を受容層の表面上に直接的に堆積させることが好ましい。好ましくは、付着の経済性および容易さのために、揮発性媒質は水性媒質、特に水性分散液である。しかしながら、同様に、水または揮発性有機溶媒の溶液を用いてもよい。被覆剤組成物は、ディップコーティング、ビードコーティング、反転ロールコーティングまたはスロットコーティングのような任意の適当な慣用の被覆技術によって、ポリマーフィルムに付着されてもよい。
【0098】
先の議論においては、受容層の表面に対する剥離材料、帯電防止材料および接着促進材料の付着を別々に記載してきた。受容層に対するそれら3種の材料の任意の組合せの付着を、同一の塗布工程中に順次的または同時に実施してもよい。好ましくは、3つの成分全てを、好ましくは0.1〜10mg/dm2、より好ましくは0.1〜2.0mg/dm2、および特に0.1〜0.5mg/dm2の塗布量において、同一の塗布工程中に実施する。好ましい実施形態において、組み合わせられる被覆剤組成物は、約0.5〜約6%、好ましくは約0.5〜約3%の範囲内の濃度の剥離材料と;組成物の約0.05〜約2.0質量%、好ましくは約0.1〜約1.0質量%の範囲内の濃度の帯電防止材料と;被覆剤組成物の乾燥固形分の全重量に関して、約1〜約6質量%、好ましくは約1〜約4質量%の範囲内の濃度の接着力向上物質とを含む。接着促進材料が受容体シートの第2表面上に被覆される場合、好ましい濃度は、被覆剤組成物の乾燥固形分の全重量に関して、約1〜約6質量%、好ましくは約2〜約4質量%の範囲内である。
【0099】
受容層の表面に対する種々の材料のそれぞれの付着は、受容体シートの製造における任意の好都合の工程において実施されてもよい。たとえば、被覆剤組成物を既に配向された受容層に対して付着させてもよい。しかしながら、被覆剤組成物の付着は、好ましくは延伸操作の前または延伸操作中に実施される。特に、被覆剤組成物を2軸延伸操作の2つの段階(縦方向および横方向)の間に受容層に付着することが好ましい。線状ポリエステルをベースとする受容層の製造において、延伸および被覆の前記の順序が特に好ましく、該受容層は、最初に一連の回転ローラ上で縦方向に延伸され、被覆され、そして次にステンターオーブン中で横方向に延伸され、好ましくは引き続いてヒートセットが実施される。
【0100】
引き続く延伸および/またはヒートセット中に被覆されたフィルムに印加される温度は、被覆剤組成物中の水性媒質または揮発性有機溶媒を除去するのに有効である。また、そのような温度は、被覆を合体および形成して連続的および均一な層にすることを補助する。加えて、そのような温度は、同様に、帯電防止成分の架橋および剥離材料成分の架橋を実施することができる。
【0101】
被覆剤組成物が既に配向およびヒートセットされた受容層に付着される場合、追加の乾燥工程を用いて、揮発性媒質を除去し、および架橋可能成分の架橋を実施する。慣用の技術により、たとえば被覆されたフィルム基板を熱風炉(たとえば100〜160℃、好ましくは100〜120℃の温度のもの)を通過させることにより、乾燥を実施してもよい。
【0102】
剥離材料および/または帯電防止材料および/または接着促進材料を含む被覆層は、好都合には、ポリマーフィルムの製造において慣用的に用いられる添加剤の任意のものを含有してもよい。したがって、染料、顔料、空隙化剤、潤滑剤、酸化防止剤、粘着防止剤、表面活性剤、滑り助剤、光沢改良剤、分解剤前駆体、紫外線安定化剤、粘度調整剤および分散安定剤のような剤を、適宜、被膜中に組み込んでもよい。好ましくは、添加剤は受容体シートの全ヘイズを3.5%超、好ましくは2.5%超に増大させるべきではない。
【0103】
特に、それぞれの被覆工程における被覆剤材料は、エトキシル化されたアルキルフェノールのような少量の界面活性剤をさらに含有して、受容層の表面上の被覆剤材料による湿潤を補助し、ドナーシートから転写される色素に対する透過性を向上させてもよい。
【0104】
フィルムの滑り特性、巻き取り性、または粘着防止特性としても知られる一般的な取り扱い特性を最適化することが望ましい。前述の好ましい接着促進材料の使用が、この目的を達成することができる。しかし、前述のように、その被覆剤材料または被覆剤材料のそれぞれが微粒子助剤を含んで、受容体シートの滑り特性を向上させてもよい。しかしながら、複数の被覆工程が存在する場合、微粒子助剤(すなわち、滑り剤)は、典型的には、それら被覆剤組成物の1つのみの中に存在する。好適には、複数の被覆工程が存在する場合、微粒子助剤は、剥離材料を含む被覆剤組成物中に存在する。助剤は、被覆に引き続くフィルム加工中に皮膜を形成しない任意の微粒子材料を含んでもよい。好適には、助剤は、0.75μm以下の平均粒度を有し、かつTTP操作中に遭遇する温度において熱的に安定である、有機または無機の微粒子材料を含む。たとえば、転写操作中に、受容層は、数ミリ秒(ms)のオーダーの期間にわたって約290℃までの温度に遭遇する可能性がある。したがって、望ましくは、助剤は、50msまでの期間にわたる290℃の温度に対する暴露の際に熱的に安定である。高温に対する短い暴露時間のために、助剤は、290℃未満の公称の融解温度または軟化温度を有する材料を含んでもよい。たとえば、助剤は、比較的高いガラス転移温度を有する微粒子有機材料、特に、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミドまたはアクリルポリマーもしくはメタクリルポリマーのようなポリマー材料を含んでもよい。ポリメチルメタクリレート(約160℃の結晶融解温度を有する)が適当である。しかしながら、好ましくは、助剤は、アルミナ、チタニア、シリカ、チャイナクレーまたは炭酸カルシウムのような無機微粒子材料を含む。好ましい滑り剤は、シリカである。微粒子助剤の量は、必要とされる表面特性に依存して変化し得るが、一般的には、助剤対剥離材料の重量比は0.25:1〜2.0:1の範囲内のようなものである。より高い助剤レベルは、受容体シートの光学特性を損ない、かつ剥離材料を通過する染料の侵入を阻害する傾向がある。一方、より低いレベルは、通常、所望される表面摩擦挙動を与えるには不適切である。好ましくは、助剤:剥離材料の重量比は、0.5:1〜1.5:1の範囲内、特に0.75:1〜1.25:1の範囲内、たとえば1:1である。表面摩擦特性の所望される制御を与えるために、好ましくは、助剤の平均粒度は0.75μmを越えるべきではない。また、より大きな平均サイズは、ヘイズのような受容体シートの光学特性を損なう。望ましくは、助剤の平均粒度は、0.001〜0.5μm、好ましくは0.005〜0.2μmである。しかしながら、接着促進材料単独の使用により所望される滑り特性を達成し、被覆層が微粒子助剤を含有しないことが好ましい。
【0105】
前述の種種の材料(特に接着促進材料)による受容層の被覆の前に、所望されるならば、受容層の露出表面を化学的または物理的表面改質処理にさらして、受容層と引き続いて付着される被膜との間の結合を向上させてもよい。その単純性および有効性のために、好ましい処理は、基材の露出表面をコロナ放電に伴う高電圧の電気的ストレスにさらすことである。あるいはまた、支持体を、受容層ポリマーに対して溶解作用または膨潤作用を有することが当該技術において知られている剤を用いて前処理してもよい。ポリエステル含有受容層の処理に特に好適である、そのような剤の例は、一般的有機溶媒に溶解されたハロゲン化フェノール、たとえばp−クロロ−m−クレゾール、2,4−ジクロロフェノール、2,4,5−または2,4,6−トリクロロフェノール、または4−クロロレゾルシノールのアセトンまたはメタノール溶液を含む。
【0106】
受容層厚さ対被膜厚さの比は広い範囲内で変化し得るが、好ましくは被膜の厚さは受容層の厚さの0.001%以上10%以下であるべきである。実際には、連続被膜において、被覆の厚さは、望ましくは少なくとも0.01μmであり、および好ましくは約1.0μmを越えるべきではない。不連続被膜においては、被膜の厚さは0.01μm未満である。
【0107】
好ましい実施形態において、受容体シートは、その第1および第2表面の両方の上に、本明細書に記載される架橋された接着促進材料を有する受容層を含み、ここで好ましくは第2表面上の接着促進材料は同様にフタレートエステルも含む。第2表面における架橋された接着促進材料(好ましくはフタレートエステルを含む)の使用は、受容層が本明細書に記載されるコポリエステルの外側層を含む場合に、受容体シートが積層される裏地シートに対する強い結合を提供する。
【0108】
特に好ましい実施形態において、受容体シートは以下を含む:
(i)ABA構造を含む受容層であり、B層のポリマーは透明なPET含有層であり、およびA層は透明な染料受容性のコポリエステル含有層であり、該コポリエステルは65〜85モル%のエチレンテレフタレートと35〜15モル%のイソフタレートを含む受容層;
(ii)帯電防止材料および剥離材料、ならびに好ましくは同様に接着促進材料を含む、受容層の第1表面上の被膜;
(iii)架橋された接着促進材料(好ましくはフタレートエステルを含む)を含む、受容層の第2表面上の被膜。
【0109】
さらに好ましい実施形態において、受容体シートは、その第2表面上に接着促進層を持たない受容層を含む。受容層が本明細書に記載されるエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート(82:18)のようなヒートシール可能なポリエステルの外側層を有する場合、この外側層の厚さを調節することによって、接着促進材料および/または追加の接着剤(以下に詳細に記載する)の必要なしに、裏地シートに対する充分に強い接着力を得ることが可能である。この実施形態において、ヒートシール可能層は、少なくとも6N/cmの層間剥離強度(本明細書に記載されるように測定される)を提供するのに充分であるべきである。受容層が本明細書に記載されるエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート(82:18)コポリエステルの外側層を含む場合、この層の厚さを少なくとも約5μmかつ約15μmまでに増大させることにより、必要とされる層間剥離強度が好適に達成される。この実施形態においては、受容体シートは好ましくは、
(i)ABA構造を含む受容層であり、B層のポリマーは透明なPET含有層であり、およびA層は透明な染料受容性のコポリエステル含有層であり、特に、該コポリエステルは65〜85モル%のエチレンテレフタレートと35〜15モル%のイソフタレートを含む受容層;および
(ii)帯電防止材料および剥離材料、ならびに好ましくは同様に接着促進材料を含む、受容層の第1表面上の被覆
を含む。
【0110】
本発明の受容体シートは、裏地シートのための、画像および/または印刷情報を担持可能な、オーバーラミネートまたはオーバーレイとして、特に、透明で印刷可能であるかまたはパーソナル化が可能であるオーバーラミネートまたはオーバーレイとしての使用を主たる目的とする。受容体シートは、高い透明性を示し、かつ印刷可能である。加えて、受容体シートは、裏地シートすなわち基材に対する良好な接着力を示す。オーバーレイは、クレジットカート、身分証明書などの製造に格別の用途を有する。裏地シートすなわち基材は、たとえば親会社または信用供与会社の画像および詳細を印刷され、同時にオーバーレイは、たとえば親会社の一員または雇人であるかあるいは信用供与機能を申し込む個人の詳細を印刷される。また、受容体シートは、適当な接着剤と共同して、ラベルを提供するための用途を有してもよい。
【0111】
本発明の第3の態様によれば、透明な印刷可能オーバーラミネートとしての本明細書に記載される受容体シートの使用が提供される。
【0112】
本発明の第4の態様によれば、本明細書に記載される受容体シートと裏地シートとを含む積層型多層フィルムが提供される。裏地シートは、その一方または両方の表面上に画像および/または印刷情報を担持してもよい。裏地シートは適切な剛直さを提供すべきであり、紙、合成紙およびポリマー材料を含む任意の適当なフィルム形成材料から作製されてもよい。適当なポリマー材料は、本明細書に記載されるように、ポリエステル、PVC、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリオレフィンを含む。裏地シートは、単層であっても多層であってもよい。裏地シートは、好ましくは印刷可能である。
【0113】
1つの実施形態において、裏地シートは、印刷可能なポリエステルフィルム、特に特許文献19に記載されるようなインキ受容性で不透明なコポリエステルエーテル含有フィルムを含む。別の実施形態において、裏地シートは、印刷可能なポリエチレンテレフタレートフィルムである。
【0114】
さらなる実施形態において、裏地シートは、裏地シートと受容体シートとの間の接着力を増大させるヒートシール可能なフィルムであり、およびこの実施形態は、受容体シートがその第2表面に接着促進材料を持たない場合、および/または受容体シートがその第2表面上にヒートシール可能なポリマーを有する場合に、格別の用途を有する。たとえば、裏地シートは、基材(たとえば、PETポリエステル基材)と、1つまたは複数の外側シートシール可能層(たとえば、本明細書に記載されるエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート(82:18)コポリエステル)とを含む多層フィルムを含んでもよい。あるいはまた、裏地シートは非晶質コポリエステルを含んでもよい。該非晶質コポリエステルは、1つまたは複数(好ましくは1つ)のジカルボン酸(好ましくは芳香族ジカルボン酸、特にテレフタル酸)と、脂肪族ジオールおよび環状脂肪族ジオール(特にエチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール)とから誘導される。特に、該非晶質コポリエステルにおいて、環状脂肪族ジオール対脂肪族ジオールのモル比は、10:90〜60:40の範囲内、好ましくは20:80〜40:60の範囲内、およびより好ましくは30:70〜65:65、および特に約33:67である。
【0115】
積層型多層フィルムは、当業者によく知られている慣用の積層技術を用いて調製されてもよい。裏地シートを受容体シートと接触させ、その際に、任意選択的にその間の接着剤の層と、接着結合を実施するための所与の最小限の時間にわたって印加される圧力および任意選択的に温度とを用いる。エチルビニルアセテート(EVA)樹脂またはポリエステルウレタン樹脂のような、当該技術において知られている任意の慣用の接着剤を用いてもよい。接着剤は、好ましくは、たとえば押出被覆またはホットメルト被覆によって、約5〜約25μm、好ましくは約10〜約15μmの厚さにで裏地シートに付着され、そして被覆された裏地シートに受容体シートを接触させる。
【0116】
好ましい実施形態において、本発明の第4の態様の積層型多層フィルムは:
(i)本明細書に記載される本発明の第1の態様の透明な受容体シートであって、特に、該受容体シートは本明細書に記載される好ましいABA受容層構造を含み、任意選択的にその第2表面に架橋された接着促進材料(好ましくはフタレートエステルを含む)を伴う受容体シートと;
(ii)裏地シート(単層構造であっても多層構造であってもよい)と;
(iii)本発明の第1の態様の透明な受容体シートであって、特に、該受容体シートは本明細書に記載される好ましいABA受容層構造を含み、任意選択的にその第2表面に架橋された接着促進材料(好ましくはフタレートエステルを含む)を伴う受容体シートと
を含み、存在する場合には、受容体シート(i)および(iii)の接着促進材料は、裏地シートの反対側の表面と接触するように配置される。
【0117】
積層型多層フィルムは、その外側表面の全体または一部に、追加層をさらに含んでもよく、該追加層は、たとえば署名枠、バーコード、テープ、ホログラム、セキュリティ装置などを含む。
【0118】
本発明の第5の態様によれば、本明細書に記載される受容体シートを形成する工程と、裏地シートを形成する工程と、前記裏地シートの一方または両方の表面に前記受容体シートを積層する工程とを含む、多層フィルムの製造方法が提供される。
【0119】
本発明は、添付の図面を参照して例示される。
【0120】
図1は、受容体シート(R)の概略正面図(一定の縮尺ではない)である。層(1)は、帯電防止材料および剥離材料、ならびに、任意選択的に接着促進材料を含む。受容層(2)は、支持体(4)と2つの染料受容層(3)を含む。層(5)は、架橋された接着促進材料を含む。
【0121】
図2は、受容層(2)が染料受容層(3)および支持体(4)を含むAB構造であることを除いて、図1と同様の配置を示す。
【0122】
図3は、熱転写印刷用ドナーシート(D)を示し、該ドナーシートは、ポリマーフィルム支持体(8、約10μm厚までを有する)を含み、該支持体の第1の表面上の樹脂結合剤中に昇華性染料を含む転写層(9)と、該支持体の第2の表面上のポリマー性保護層(10)とを有する。
【0123】
図4および図5は、それぞれの転写層(9)と剥離材料含有層(1)とを接触させる状態で、ドナーシートと受容体シートとを組み合わせることにより実施されるTTPプロセスを図示する。次に、複数の印刷素子(11、1つのみを図示した)を備えた電気的に作働される印刷ヘッド(12)を、ドナーシートの保護層と接触して配置する。印刷ヘッドに対する電圧印加は、選択された個々の印刷素子(11)を熱くさせ、それによって転写層の下にある領域から、染料透過性剥離層(1)を通して、加熱された素子の画像が形成される染料受容層(3)へと染料を昇華させる。得られる画像形成された受容体シートを図5に示す。図5は、ドナーシート転写層(9)から色が除去され、位置(13)の染料受容層(3)に転写されたときの、印刷後の位置を示す。受容体シートに対してドナーシートを前進させ、そしてプロセスを反復することにより、受容層中に所望される形態の多色画像を生成することができる。
【0124】
図6は、典型的な積層型カードの構造を示す(一定の縮尺ではない)。2つの受容体シート(R)が、裏地シートのそれぞれの表面上の接着剤(7)の層を有する裏地シート(B)の周囲に配置される。
【0125】
完成時に、積層型カードは、バーコード、テキストまたは画像のようなTTP情報を有する層(1)を通して印刷される1つの受容体シートと共に用いることができる。積層型カード中の第2の受容体シートは、第1のものと同じでもよく、およびたとえば署名枠または磁気ストライプをそこに付着されてもよい。
【0126】
フィルムの特性は、以下のように測定される:
(i) フィルムの透明性は、ASTM D-1003-61にしたがって、Gardner XL211視程計を用いて、フィルムの全厚を通して全光透過率(TLT)およびヘイズ(散乱される透過可視光の%)を測定することにより決定される。
(ii) 層間剥離強度は、ヨーロッパ標準試験方法EN ISO/IEC 10373:1995にしたがって、裏地シートからオーバーレイを引きはがすのに必要とされる力を測定することによって決定される。層間剥離強度は少なくとも6N/cmであることが望ましい。
(iii) BS2782を用いて表面抵抗率を測定する(Method 231a; Surface Resistivity; 1991;測定電位:500ボルト);
(iv) 塵汚染(表面の塵および塵の捕捉)および表面欠陥は、視覚的観察により評価した。塵汚染および表面欠陥に関して、それぞれの試料を、1(低)、2(中程度)、または3(高)として採点した;
(v) 印刷されたカードの画像の品質を、多層のカラーイメージ形成を含む熱転写印刷、引き続いて画像の濃度および明瞭度および色、特に色の正確な重なりについて視覚的評価を行うことにより評価した。
【0127】
以下の実施例を参照することにより、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0128】
(実施例1)
受容体シートを調製するために、多チャネル共押出アセンブリに対して、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む第1ポリマーと、82モル%のエチレンテレフタレートおよび18モル%のエチレンイソフタレートの無充填のコポリエステルを含む第2ポリマーの別個の流れを供給し、フィルム形成ダイを通して、水冷され回転する急冷ドラム上に押し出して、ABA構造を有する非晶質のキャスト複合体押出物を得た。ここで、A層はエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレートのコポリエステルを含み、B層はPETを含む。キャスト押出物を約80℃の温度に加熱し、そして次に、3.2:1の前進延伸比において、縦方向に延伸した。
【0129】
光学的に透明な受容層の第1表面に第1の水性被覆剤材料を塗布した。第1の水性被覆剤材料は:
(a) AC201(登録商標)アクリル樹脂接着促進材料(Rohm & Haas, Philadelphia, USA)(25質量%のメトキシル化メラミンホルムアルデヒドを有する、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリルアミド(46/46/8モル%)の17質量%水性ラテックス)5308ml;
(b) Synperonic NP10(登録商標)(Uniqema, United Kingdom)界面活性剤(ノニルフェノールエトキシレートの10質量%水溶液)150ml;
(c) 硝酸アンモニウム(10質量%水溶液)125ml;
(d) Permuthane UE41-222a(登録商標)剥離材料(Permuthane Coatings, Mass., USA)(30質量%の水性のポリカーボネート−シリコーン−ウレタン樹脂)2500ml;
(e) Versa TL-TROY(登録商標)帯電防止材料(National Starch, Daventry, England)(10質量%の水性のスルホン化されたスチレン−無水マレイン酸)2250ml;および
(f) 被覆剤材料組成物を50リットルにするための量の脱塩水
を含む。
【0130】
光学的に透明な受容層の第2表面に第2の水性被覆剤材料を塗布した。第2の水性被覆剤材料は:
(a) AC201(登録商標)アクリル樹脂接着促進材料(Rohm & Haas, Philadelphia, USA)(25質量%のメトキシル化メラミンホルムアルデヒドを有する、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリルアミド(46/46/8モル%)の17質量%水性ラテックス)9400ml;
(b) Cymel 385(登録商標)(Cytec, Netherlands)架橋剤(メトキシメチルメチロールメラミンの10質量%水溶液)4700ml;
(c) Santicizer 261(登録商標)(ベンジル−2−エチルヘキシルフタレート、Monsanto)(2質量%の水性微乳化物)1000ml;
(d) 硝酸アンモニウム(20質量%水溶液)60ml;および
(e) 被覆剤材料を50リットルにするための量の脱塩水
を含む。
【0131】
次に、縦方向に延伸され被覆されたフィルムを、約96℃の温度に加熱し、そして、4.0:1の延伸比でステンターオーブン中で横方向に延伸した。最後に、延伸したフィルムを、寸法拘束下、約225℃の温度のステンターオーブン中で、ヒートセットした。
【0132】
得られる受容層は、2軸配向された受容層およびそのそれぞれの面上の被覆層を含む。受容層は、多層であり、約78μm厚さの無充填のポリエチレンテレフタレートの支持体層を含み、そのそれぞれの表面上に、約6μmの厚さを有するイソフタレート−テレフタレートコポリマーの本質的に非晶質の染料受容層を有する。受容層の第1の表面上は、剥離材料、帯電防止材料および接着促進材料を含む約50nmの厚さを有する連続被膜である。受容層の第2の表面上は、架橋された接着促進材料を含む約50nmの厚さの連続被膜である。
【0133】
ヘイズは2.0%であり、TLTは92.0%であった。剥離材料、帯電防止材料および接着促進材料を含む受容体シートの第1表面は、50%相対湿度および23℃において約12.0ログオーム/スクエアの表面抵抗率を有した。
【0134】
受容体シートを、積層型カードを調製するためのオーバーレイとして用いた。2つの別個の受容体シートを、接着剤を用いて裏地シートのそれぞれの面に対して、それぞれの受容体シートの第2表面が接着剤/裏地シートと接触するように積層した。裏地シートは、不透明なPETフィルム(13.5質量%のレベルでTiO2を含有する)であった。接着剤は、押出被覆によって裏地シートに付着されるポリ−1,4−ブチレンアジペートポリエステルウレタン(ヘキサメチレンジイソシアネートを含む)であり、8〜10μmの被覆厚さを与えた。受容体シート/裏地シート/受容体シートのサンドイッチをプレス中に挿入し、150ポンド毎平方インチの圧力下20分間にわたって150℃に加熱し、加圧下でさらなる20分間をかけて冷却し、そして取り出すことによって、積層を実施した。次に、積層されたシートから85.5mm×54.0mmの寸法の個々のカードを打ち抜いた。
【0135】
プリンタ給送性は優秀であり、個々のカードは、破壊なしに、スタックから熱転写プリンタの印刷ヘッドへと順次的に容易に給送された。層間剥離強度(すなわち、本明細書に記載されるように測定される、裏地シートから受容体シート(オーバーレイ)を引きはがすのに必要とされる力)は、8.0N/cmであった。
【0136】
(実施例2)
受容層の第2表面に以下の水性被覆剤材料を塗布したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。該水性被覆剤材料は:
(a) Cystat SP35(登録商標)帯電防止材料(イソプロパノール中の第4級アンモニウム化合物の33質量%水溶液)1200ml
(b) Rhoplex HA16(登録商標)アクリル樹脂(46質量%水性アクリル樹脂乳化物)620ml
(c) 硝酸アンモニウム(10質量%水溶液)130ml
(d) 被覆剤材料を50リットルにするための量の脱塩水
を含んだ。
【0137】
実施例1の記載される方法にしたがって、この受容体シートから作製した積層型カードの層間剥離強度は、5.0N/cmであった。
【0138】
(実施例3)
受容層がPETの支持体層および1つのみの染料受容層を含んだことを除いて実施例1に記載されている方法と同様の共押出手順を用いて、受容層を製造した。染料受容層の表面に、実施例1に記載される第1の被覆剤材料を塗布した。支持体層に、実施例1に記載される第2の被覆剤材料を塗布した。積層型カードを、この受容体シートを用い、実施例1に記載されている方法で作製した。図2に示すような、この受容体シート/オーバーレイから作製されたカードの層間剥離強度は、6.0N/cmであった。
【0139】
(実施例4)
受容層の第2表面を被覆しなかったことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。加えて、ABA複合体フィルムの「A」層、すなわちエチレンテレフタレートおよびエチレンイソフタレート(82:18)を含む層の厚さを12.5μmに増大させた。
【0140】
次に、裏地シートに対して受容体シートを固定するために追加の接着剤を用いなかったことを除いて実施例1の手順に従って、被覆されたフィルムを加工し、積層型カードを作製した。代わりに、受容体シートの第2(未被覆)表面を形成するエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレートコポリエステルのヒートシール可能な特性を用いて、裏地シートに対して受容体シートをヒートシールした。裏地シートは、それぞれの面にエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート(82:18)のコポリエステルを含む12.5μmの層を有する、共押出しされた不透明PETフィルムであった。層間剥離力は7.5N/cmであった。
【0141】
(実施例5,6,7および8)
これらの実施例を実施して、帯電防止成分の効果を決定した。これらの実施例の被膜は、異なる量の帯電防止成分を含んだ。受容層の第1表面を以下の水性被覆剤材料を用いて被覆したことを除いて実施例1の手順を繰り返した。該水性被覆剤材料は:
(a) AC201(登録商標)アクリル樹脂接着促進材料(Rohm & Haas, Philadelphia, USA)(25質量%のメトキシル化メラミンホルムアルデヒドを有する、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリルアミド(46/46/8モル%)の17質量%水性ラテックス)196ml;
(b) Synperonic NP10(登録商標)(Uniqema, United Kingdom)界面活性剤(ノニルフェノールエトキシレートの10質量%水溶液)15ml;
(c) 硝酸アンモニウム(10質量%水溶液)12.5ml;
(d) Permuthane UE41-222a(登録商標)(Permuthane Coatings, Mass., USA)(30質量%の水性のポリカーボネート−シリコーン−ウレタン樹脂)200ml;
(e) Versa TL-TROY(登録商標)帯電防止材料(National Starch, Daventry, England)(10質量%の水性のスルホン化されたスチレン−無水マレイン酸)0ml(実施例5)、76ml(実施例6)、228ml(実施例7)、457ml(実施例8);および
(f) 脱塩水(実施例5,6,7および8において、それぞれ4308ml、4232ml、4080mlおよび3851ml)
を含んだ。
【0142】
次に、実施例1の手順に従って、被覆されたフィルムを加工し、積層型カードを作製した。次に、本明細書中に記載されるように、表面の塵、塵の捕捉および表面欠陥を検査した。次に、慣用の熱転写印刷技術を用いてカードに印刷し、前述のように評価した。加えて、印刷されたカードの画像の品質についても評価した。帯電防止成分を含む受容体シート被覆を有するカードが、この成分を持たないものよりも優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】受容体シート(R)の概略正面図(一定の縮尺ではない)である。
【図2】受容層(2)が染料受容層(3)および支持体(4)を含むAB構造であることを除いて、図1と同等の配置の受容体シート(R)の概略正面図である。
【図3】熱転写印刷用ドナーシート(D)を示す図である。
【図4】ドナーシートと受容体シートとを組み合わせることにより実施されるTTPプロセスを示す図である。
【図5】ドナーシートと受容体シートとを組み合わせることにより実施されるTTPプロセスを示し、ドナーシート転写層(9)から色が除去され、位置(13)の染料受容層(3)に転写されたときの、印刷後の位置を示す図である。
【図6】典型的な積層カードの構造(一定の縮尺ではない)を示す図である。

Claims (22)

  1. 適合性のあるドナーシートと関連する使用のための熱転写印刷用受容体シートであって、該受容体シートは、関連づけられる適合性のあるドナーシートから熱的に転写される染料を受容するための受容層を含み、および剥離材料、接着促進材料および帯電防止材料をさらに含み、前記剥離材料、前記接着促進材料および前記帯電防止材料は、独立的に、該受容層の少なくとも1つの表面の少なくとも一部の上の皮膜として存在するか、あるいは該受容層中に存在することを特徴とする受容体シート。
  2. ヘイズが3.5%未満であることを特徴とする請求項1に記載の受容体シート。
  3. 前記受容層が、ポリエチレンテレフタレートを含む支持体層を含むABA多層構造を有し、前記支持体層は、第1および第2の染料受容層の間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の受容体シート。
  4. 前記染料受容層は、65〜85モル%のエチレンテレフタレートと、35〜15モル%のエチレンイソフタレートとのコポリエステルを含むことを特徴とする請求項3に記載の受容体シート。
  5. 前記剥離材料、前記接着促進材料、および前記帯電防止材料は、独立的に、受容層の少なくとも1つの表面の少なくとも一部の上の被膜として存在することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の受容体シート。
  6. 該受容体シートは、その第1の表面上に剥離材料、帯電防止材料および任意選択的に接着促進材料を含み、その第2の表面上に接着促進材料を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の受容体シート。
  7. 該帯電防止材料は、アニオン性または中性であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の受容体シート。
  8. 該帯電防止材料は、スチレンスルホン酸ナトリウムのホモポリマー(単数または複数)および/またはコポリマー(単数または複数)を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の受容体シート。
  9. 該帯電防止材料は、ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム−無水マレイン酸)を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の受容体シート。
  10. 該剥離材料は、(i)有機ポリイソシアネートと、(ii)イソシアネート反応性ポリジアルキルシロキサンと、(iii)ポリマーポリオールとの反応生成物であるポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の受容体シート。
  11. 該接着促進材料は、アクリルポリマー樹脂および/またはメタクリルポリマー樹脂を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の受容体シート。
  12. 該接着促進材料は、エチルアクリレートおよびメチルメタクリレートを含むことを特徴とする請求項11に記載の受容体シート。
  13. 接着促進材料は、架橋剤を含むことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の受容体シート。
  14. 該受容体シートの第1の表面は、該被覆の乾燥固形分の総重量に対して、約0.5〜約3質量%の量の剥離材料と;約0.1〜1.0質量%の量の帯電防止材料と;約1〜約4質量%の量の接着促進材料とを含むことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の受容体シート。
  15. 該受容体シートの第2の表面は、該被覆の乾燥固形分の総重量に対して、約2〜約4質量%の接着促進材料を含むことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の受容体シート。
  16. 該受容体シートの第2の表面上の接着促進材料はフタレートエステルを含むことを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の受容体シート。
  17. 該受容体シートが:
    (i)ABA構造を有する受容層であって、B層のポリマーが透明なPET含有層であり、A層が65〜85モル%のエチレンテレフタレートおよび35〜15モル%のエチレンイソフタレートのコポリエステルを含む透明な染料受容層である受容層と;
    (ii)帯電防止材料、剥離材料、任意選択的に接着促進材料、および任意選択的に架橋剤を含む、該受容層の第1表面上の被膜と;
    (iii)接着促進材料、架橋剤、およびフタレートエステルを含む、該受容層の第2表面上の被膜と
    を含むことを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の受容体シート。
  18. 透明で印刷可能なオーバーラミネートとしての請求項1から17のいずれかに記載の受容体シートの使用。
  19. 請求項1から17のいずれかに記載の1つまたは複数の受容体シートと、フィルム形成材料を含む裏地シートとを含むことを特徴とする積層型多層フィルム。
  20. 請求項17に記載の第1および第2の受容体シートと、裏地シートとを含み、前記受容体シートのフタレートエステル含有層が、該裏地シートの反対側の表面と接触するように配置されていることを特徴とする請求項19に記載の積層型多層フィルム。
  21. 適合性のあるドナーシートと関連する使用のための熱転写印刷受容体シートを製造するための方法であって、関連づけられる適合性のあるドナーシートから熱的に転写される染料を受容する受容層を形成する工程と、前記受容層中あるいは前記受容層の少なくとも一方の表面の少なくとも一部の上に、剥離材料、接着促進材料および帯電防止材料を提供する工程とを備えたことを特徴とする方法。
  22. 剥離材料、接着促進材料および帯電防止材料は、同一の被覆工程において、前記受容層の第1表面の少なくとも一部の上に塗布されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
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