JP2004531494A - ビウレタン誘導体 - Google Patents

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Abstract

【化1】
Figure 2004531494

X、Y、Z、R、R、Rは請求項1に定義したとおりである、式Iの新規化合物は、凝固第Xa因子の阻害剤であり、血栓塞栓性疾患の予防および/または治療のため、および腫瘍の処置のために用いることができる。

Description

【0001】
本発明は、式I
【化4】
Figure 2004531494
式中、
Rは、H、HalまたはCNであり、
は、H、A、または(CH−Arであり、
は、HまたはHalであり、
は、H、無置換かまたはSOA、SONHAもしくはSONHで一置換されたフェニル、またはHetであり、
Xは、(CHであり、
Yは、存在しないかまたはピペリジン−1,4−ジイルであり、
Zは、CHまたはNであり、
【0002】
Arは、無置換かまたはHal、フェニル、A、OH、OA、NH、NHA、NA、NO、CN、COOH、COOA、CONH、CONHA、CONA、NHCHO、NACHO、NHCOA、NACOA、NHSOA、NASOA、CHO、COA、SONH、SONHAもしくはSONAで一置換または二置換されたフェニルであり、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式、飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環基であり、それは、無置換かまたはカルボニル酸素、Hal、A、OH、OA、NH、NHA、NA、NO、CN、COOH、COOA、CONH、CONHA、CONA、NHCHO、NACHO、NHCOA、NACOA、NHSOA、NASOA、CHO、COA、SONH、SONHAもしくはSONAで一置換または二置換されていてもよく、
【0003】
Aは、1〜6個の炭素原子を有する非分枝状または分枝状アルキルであり、ここで1つまたは2つ以上のCH基は、OまたはS原子および/または−CH=CH−基で置換されていてもよく、および/または加えて1〜7個のH原子は、Fで置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、BrまたはIであり、
nは、0、1または2である、
で表される化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)に関する。
【0004】
本発明は、価値のある性質を有する新規な化合物、特に医薬の製造のために用いることのできる化合物を見出すことを目的とする。
式Iの化合物、およびそれらの塩が、非常に価値のある薬理学的性質を有し、よく耐容されることが見出された。特に、それらは、第Xa因子阻害性能を示し、従って、血栓、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の再狭窄、および間欠性跛行などの血栓塞栓性疾患を治療および予防するために用いることができる。
【0005】
本発明による式Iの化合物は、更に血液凝固カスケードにおいて凝固因子である、第VIIa因子、第IXa因子、およびトロンビンの阻害剤になりうる。
【0006】
抗血栓活性を有する芳香族アミジン誘導体は、例えば、EP 0 540 051 B1、WO 98/28269、WO 00/71508、WO 00/71511、WO 00/71493、WO 00/71507、WO 00/71509、WO 00/71512、WO 00/71515またはWO 00/71516に開示されている。血栓塞栓性疾患の処置のための環状グアニジンは、例えば、WO 97/08165に記載されている。第Xa因子阻害活性を有する芳香族ヘテロ環化合物は、例えば、WO 96/10022に開示されている。第Xa因子阻害剤としての、置換N−[(アミノイミノメチル)フェニルアルキル]アザ複素環アミドは、WO 96/40679に記載されている。
【0007】
本発明の化合物の抗血栓効果および抗凝固効果は、第Xa因子の名で知られる活性化された凝固プロテアーゼに対する阻害活性、または第VIIa因子、第IXa因子もしくはトロンビンなどの他の活性化されたセリンプロテアーゼの阻害に起因する。
【0008】
第Xa因子は、血液凝固の複雑な過程に関与するプロテアーゼの1つである。第Xa因子は、プロトロンビンからトロンビンへの変換を触媒する。トロンビンは、フィブリノゲンをフィブリンモノマーに開裂し、これは、架橋後、塞栓形成に基本的な貢献をする。トロンビンの活性化は、血栓塞栓性疾患の発症をもたらす。しかし、トロンビンの阻害は、塞栓形成に関与するフィブリン形成を阻害することができる。トロンビンの阻害は、例えば、Circulation 1996,94,1705−1712のG.F.Cousinsらの方法により測定することができる。
【0009】
従って、第Xa因子の阻害は、トロンビンの形成を予防することができる。
本発明の式Iで表される化合物、およびそれらの塩は、第Xa因子を阻害することで血液凝固過程に関与し、従って塞栓形成を阻害する。
本発明の化合物による第Xa因子の阻害、および抗血栓活性、および抗凝固活性の測定は、通常のin vitro、またはin vivoの方法により決定することができる。適切な方法は、例えば、Thrombosis and Haemostasis 1990,63,220−223のJ.Hauptmannらにより記載されている。
【0010】
第Xa因子の阻害は、例えば、Thromb.Haemostas.1994,71,314−319のT.Haraらの方法により測定することができる。
凝固第VIIa因子は、組織因子に結合した後、凝固カスケードの外因系の部位を開始し、第Xa因子を与える第X因子の活性化に貢献する。従って、第VIIa因子の阻害は、第Xa因子の形成、その後のトロンビン形成を予防する。
本発明の化合物による第VIIa因子の阻害、ならびに抗血栓および抗凝固活性の測定は、通常のin vitro、またはin vivoの方法により決定することができる。第VIIa因子の阻害測定のための通常の方法は、例えばThrombosis Research 1996,84,73.81のH.F.Ronningらにより記載されている。
【0011】
凝固第IXa因子は、内因系の凝固カスケードで生成され、第Xa因子を与える第X因子の活性化に同様に関与する。従って、第IXa因子の阻害は、別の方法で第Xa因子の形成を予防する。
本発明の化合物による第IXa因子、ならびに抗血栓および抗凝固活性の測定は、通常のin vitro、またはin vivoの方法により決定することができる。適切な方法は、例えばJournal of Biological Chemistry 1998,273,12089−12094のJ.Changらにより記載されている。
【0012】
本発明の化合物は、更に、腫瘍、腫瘍疾患、および/または腫瘍転移の処置のために用いることができる。組織因子TF/第VIIa因子と、種々のタイプの癌の進行との相関関係は、Biomed.Health Res.(2000),41(Molecular Pathogenesis of Pancreatic Cancer),57−59でT.Taniguchi and N.R.Lemoineにより示されている。
【0013】
以下に列挙する出版物は、種々のタイプの腫瘍に対するTF−VIIおよび第Xa因子阻害剤の抗腫瘍作用を記載する。
【表1】
Figure 2004531494
【0014】
式Iの化合物は、ヒト医学および獣医学、特に、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、静脈血栓症、肺塞栓、動脈血栓症、心筋虚血、不安定狭心症、および血栓症に基づく卒中発作などの血栓塞栓性疾患の処置、および予防のための医薬活性成分として用いることができる。本発明の化合物はまた、冠状動脈疾患、大脳動脈疾患、または末梢動脈疾患などのアテローム動脈硬化性疾患の処置、または予防のために用いられる。この化合物はまた、心筋梗塞の場合に、更には、血栓溶解、経皮経管的血管形成(PTCA)、および冠状動脈バイパス手術の後の再閉塞の予防のために、他の血栓溶解剤と組み合わせて用いられる。
【0015】
本発明の化合物は、更に、マイクロサージェリーにおける再血栓症(rethrombosis)の予防のため、更には、人工臓器、または人工透析における抗凝固剤として用いられる。
この化合物は、更に、患者のin vivoのカテーテル、および医療器具の洗浄、または血液、血漿、およびin vitroの他の血液製剤の保存のための抗凝固剤として用いられる。本発明の化合物は、血液凝固が、病気の進行に決定的に寄与する疾患、または、例えば転移を含む癌、関節炎を含む炎症疾患、および糖尿病など、血液凝固が2次的病変の原因となる疾患のために、更に用いられる。
【0016】
記載した疾患を処置するのに、本発明の化合物はまた、例えば、「組織プラスミノゲン活性化因子」t−PA、修飾型t−PA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼなどの他の血栓溶解性の活性化合物と組み合わせて用いられる。本発明の化合物は、言及した他の物質と同時か、または前に、または後に与えられる。
血栓形成の再発を防ぐために、アスピリンと同時に投与するのが特に好ましい。
本発明の化合物はまた、血小板凝集を阻害する血小板糖タンパクレセプター(IIb/IIIa)拮抗薬と組み合わせて用いられる。
【0017】
本発明はまた、式Iの化合物、およびそれらの塩、ならびに請求項1に記載の式Iの化合物およびそれらの塩の製造方法であって、
式II
【化5】
Figure 2004531494
式中、
RおよびRは、請求項1に定義したとおりである、
で表される化合物を、式III
【化6】
Figure 2004531494
式中、
、R、X、YおよびZは、請求項1で定義したとおりである、
で表される化合物と反応させ、
および/または
式Iの塩基または酸をその塩の1つに変換することを特徴とする前記方法にも関する。
【0018】
本発明はまた、これらの化合物の光学活性体(立体異性体)、エナンチオマー、ラセミ体、ジアステレオマー、ならびに水和物および溶媒和物に関する。化合物の溶媒和物の用語は、不活性溶媒分子がその化合物と、相互の吸引力により形成する付加物を意味する。溶媒和物は、例えば、一水和物、もしくは二水和物、またはアルコラートである。
【0019】
薬学的に使用可能な誘導体は、例えば、本発明の化合物の塩、およびいわゆるプロドラッグ化合物を意味する。
プロドラッグ誘導体の用語は、例えば、アルキル、またはアシル基、糖、またはオリゴペプチドで修飾され、生体内で迅速に開裂され、有効な本発明の化合物を与える、式Iの化合物を意味する。
これらはまた、例えば、Int.J.Pharm.115,61−67(1995)に記載されているような本発明の化合物の生体分解性ポリマー誘導体を含む。
【0020】
本発明はまた、式Iの本発明の化合物の混合物、例えば、2つのジアステレオマーの混合物、例えば、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物に関する。
それらは、特に好ましくは、立体異性体化合物の混合物である。
例えばAなどの一回以上現れるすべての基については、それらの意味はお互いに独立している。
本明細書中、基、またはパラメーターR、X、Y、R、RおよびRは、他に特に述べない限り、式Iで定義したとおりである。
【0021】
Aは、非分枝状(直鎖状)または分枝状アルキルであり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する。Aは好ましくは、メチル、更には、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルであり、更にはまた、ペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピル、更に好ましくは例えば、トリフルオロメチルでもある。Aは、非常に好ましくは、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルである。
【0022】
シクロアルキルは、好ましくは例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。
アルキレンは、好ましくはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンまたはヘキシレン、更には分枝状アルキレンである。
−COA(アシル)は、好ましくは、アセチル、プロピオニル、更にまた、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、または例えば、ベンゾイルである。
Phはフェニル、Meはメチル、Etはエチルである。
Halは、好ましくは、F、ClまたはBr、そしてIである。
【0023】
は、好ましくは、H、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル、フェニルまたはベンジルである。
は、好ましくはH、FまたはClである。
は、好ましくは、モノ−SOA−置換されたフェニルまたはHetである。
【0024】
Arは、例えば、無置換のフェニル、ナフチル、またはビフェニル、更に好ましくは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルであって、例えば、A、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アセチル、プロピオニル、トリフルオロメチル、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ベンジルオキシ、スルホンアミド、メチルスルホンアミド、エチルスルホンアミド、プロピルスルホンアミド、ブチルスルホンアミド、ジメチルスルホンアミド、フェニルスルホンアミド、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルまたはアミノカルボニルで一置換、二置換、または三置換されたものである。
【0025】
Arは、特に好ましくは、例えば、無置換か、またはHal、A、OHまたはメトキシで一置換、もしくは二置換されたフェニルである。
Hetは、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、更に好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、
【0026】
1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、更に好ましくは、1,3−ベンゾ−ジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−または5−イル、または2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−イルである。
【0027】
ヘテロ環基はまた、部分的または完全に水素添加されていることができる。従って、Hetは、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1-、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、
【0028】
更に好ましくは、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−または−6−イル、2,3−(2−オキソ−メチレンジオキシ)フェニル、または代替的に3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−または−7−イル、更に好ましくは、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、または2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルである。
【0029】
Hetは、好ましくは、1〜2個のNおよび/またはO原子を有する単環式、飽和または不飽和ヘテロ環基であり、それは、無置換かまたはカルボニル酸素、OHもしくはOAで、一置換または二置換されていてもよい。
【0030】
Hetは特に、1〜2個のNおよび/またはO原子を有する単環式、飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環基であり、それは、カルボニル酸素で一置換または二置換されている。Hetは特に好ましくは、例えば、ピリジル、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、3−オキソモルホリン−4−イル、4−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、2,6−ジオキソピペリジン−1−イル、2−オキソピペラジン−1−イル、2,6−ジオキソピペラジン−1−イル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル、3−オキソ−2H−ピリダジン−2−イル、2−カプロラクタム−1−イル(=2−オキソアゼパン−1−イル)、2−ヒドロキシ−6−オキソピペラジン−1−イルまたは2−メトキシ−6−オキソピペラジン−1−イルである。
【0031】
式Iの化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を有してよく、従って種々の立体異性体が存在する。式Iはすべてのこれらの形態を包含する。
従って、本発明は特に、少なくとも1種の前記基が上記の好ましい意味を有する式Iの化合物に関する。化合物のいくつかの好ましい群は、式Iに適合する以下の付属式Ia〜Ig
式中詳細に指定しない基は式Iに定義したとおりであるが、式中、
Iaにおいて、
は(CHArであり、
Ibにおいて、
は(CHArであり、
Arは、無置換かまたはHalで一置換されたフェニルであり、
Icにおいて、
は(CHArであり、
Arは、無置換かまたはHalで一置換されたフェニルであり、
はHであり、
【0032】
Idにおいて、
は(CHArであり、
Arは、無置換かまたはHalで一置換されたフェニルであり、
はHであり、
は、SOAもしくはSONHで一置換されたフェニル、またはHetであり、
Ieにおいて、
は(CHArであり、
Arは、無置換かまたはHalで一置換されたフェニルであり、
はHであり、
は、SOAもしくはSONHで一置換されたフェニル、またはHetであり、
Hetは、1〜2個のNおよび/またはO原子を有する単環式基、飽和または不飽和ヘテロ環基であり、それは、無置換かまたはカルボニル酸素、OHもしくはOAで、一置換または二置換されていてもよく、
【0033】
Ifにおいて、
は(CHArであり、
Arは、無置換かまたはHalで一置換されたフェニルであり、
はHであり、
は、SOAもしくはSONHで一置換されたフェニル、またはHetであり、
Hetは、ピリジル、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、3−オキソモルホリン−4−イル、4−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、2,6−ジオキソピペリジン−1−イル、2−オキソピペラジン−1−イル、2,6−ジオキソピペラジン−1−イル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル、3−オキソ−2H−ピリダジン−2−イル、2−カプロラクタム−1−イル、2−ヒドロキシ−6−オキソピペラジン−1−イル、または2−メトキシ−6−オキソピペラジン−1−イルであり、
【0034】
Igにおいて、
Hetは、1〜2個のNおよび/またはO原子を有する単環式基、飽和または不飽和ヘテロ環基であり、それは、無置換かまたは、カルボニル酸素、OH、もしくはOAで、一置換または二置換されていてもよい、
ならびにそれらの薬学的に許容できる塩、溶媒和物、および立体異性体により表すことができる。
さらに、式Iの化合物、および製造のための出発物質は、それ自体既知の方法で、文献に記載されるように(例えばHouben−Weyl,Methoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry],Georg−Thieme−Verlag,Stuttgartなどの標準的文献)、正確には、既知で前記反応に適した反応条件下で製造される。それ自体既知の変法もまた用いることができるが、ここで詳細は記載しない。
【0035】
必要に応じて、出発物質は、反応混合物から単離することなく、そのまま即座に式Iの化合物に更に変換させるというように、その場で形成させることもできる。
式Iの化合物は、好ましくは、式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させることで得ることができる。
反応は一般的に、不活性溶媒中で行われる。用いられる条件次第で、反応時間は数分〜14日間、反応温度は約0°〜約150°、通常20°〜130°である。
【0036】
適切な不活性溶媒の例は、水、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、またはキシレンなどの炭化水素、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルムまたはジクロロメタンなどの塩素化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなどのアルコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサンなどのエーテル、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、またはエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)などのグリコールエーテル、アセトンまたはブタノンなどのケトン、アセトアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド、アセトニトリルなどのニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド、二硫化炭素、蟻酸、酢酸などのカルボン酸、ニトロメタンまたはニトロベンゼンなどのニトロ化合物、酢酸エチルなどのエステル、または前記溶媒の混合物である。
【0037】
式IIおよびIIIの出発化合物は一般的に既知である。しかしそれらが新規である場合、それらはそれ自体既知の方法で製造することができる。エステルは、例えば、酢酸を用いてまたは水、水/THF、もしくは水/ジオキサン中のNaOHまたはKOHを用いて、0〜100°の温度で鹸化することができる。
【0038】
フリーのアミノ基は、更に、酸クロライドもしくは無水物を用いて通常の方法でアシル化でき、または無置換もしくは置換ハロゲン化アルキルを用いてアルキル化でき、またはCH−C(=NH)−OEtと、有利にはジクロロメタンまたはTHFなどの不活性溶媒中、および/またはトリエチルアミンもしくはピリジンなどの塩基存在下、−60〜+30°の温度で反応させることができる。
【0039】
式Iの塩基は、酸を用いて、例えば、エタノールなどの不活性溶媒中で等量の酸と塩基の反応と、その後の濃縮により、関連する酸付加塩に変換することが出来る。この反応に適切な酸は、特に生理学的に許容できる塩を与える酸である。従って、無機酸、例えば硫酸、硝酸、塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、オルトリン酸などのリン酸、またはスルファミン酸、更に有機酸、特に脂肪族、脂環式、アラリファティック(araliphatic)、芳香族、ヘテロ環式の一塩基性または多塩基性カルボン酸、スルホン酸もしくは硫酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンまたはエタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノおよびジスルホン酸ならびにラウリルスルホン酸である。生理学的に許容できない酸との塩、例えばピクリン酸塩は、式Iの化合物の単離および/または精製のために用いることが出来る。
【0040】
他方で、式Iの化合物は、塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム)を用いて、対応する金属塩、特にアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩、または対応するアンモニウム塩に変換することができる。例えば、エタノールアミンなどの生理学的に許容できる有機塩基を用いることも可能である。
【0041】
本発明の式Iの化合物は、それらの分子構造によりキラルであってよく、従って種々のエナンチオマー形態で存在する。それらは従ってラセミ体または光学活性体として存在することができる。
本発明の化合物のラセミ化合物または立体異性体の薬学的活性は異り得るために、エナンチオマーを用いることが望ましい。これらの場合、最終生成物または中間体であっても、当業者に、既知の化学的または物理的方法でエナンチオマー化合物に分離することができ、またはそのまま合成に用いることさえできる。
【0042】
ラセミ化合物のアミンの場合、ジアステレオマーは、光学活性分割剤との反応により、混合物から形成する。適切な分割剤の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、適切にNが保護されたアミノ酸(例えばN−ベンゾイルプロリン、またはN−ベンゼンスルホニルプロリン)、または種々の光学活性カンフルスルホン酸のR、およびS体などの光学活性な酸である。光学活性分割剤(例えば、シリカゲルに担持させたジニトロベンゾイルフェニルグリシン、セルローストリアセテート、または炭水化物の他の誘導体、またはキラルに誘導体化されたメタクリレートポリマー)の助けによる、クロマトグラフィーエナンチオマー分割もまた有用である。この目的のための適切な溶離液は、例えば82:15:3の比率のヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルなどの水性、またはアルコール性溶媒混合物である。
【0043】
本発明は更に、式Iの化合物、および/またはそれらの生理学的に許容できる塩の、特に非化学的方法による医薬製剤の製造への使用に関する。ここで、それらは、少なくとも1種の固体、液体および/または半液体の賦形剤または補助剤と共に、必要に応じて、1種または2種以上の更なる活性成分と組み合わせて適切な投与形態にすることが出来る。
本発明は更に、少なくとも1種の式Iの化合物、および/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)、および任意に、賦形剤および/または補助剤を含む医薬に関する。
本発明は更に、少なくとも1種の式Iの化合物、および/またはその生理学的に許容できる塩の1種を含む医薬製剤に関する。
【0044】
これらの製剤は、ヒト医学または獣医学における医薬として用いることができる。適切な賦形剤は、経腸(例えば経口)投与、非経口投与または局所投与に適した、新規化合物と反応しない有機または無機物質であり、例えば水、植物油、ベンジルアルコール、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールトリアセテート、ゼラチン、そして乳糖または澱粉などの炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルク、またはワセリンである。
【0045】
特に錠剤、ピル、被覆錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、シロップ剤、ジュース、またはドロップは経口投与用に適切であり、座薬は直腸投与用に適切であり、溶液、好ましくは油性液または水溶液、更に懸濁液、乳液またはインプラントは、非経口投与に適切であり、軟膏、クリーム、または粉剤は、局所投与もしくはスプレー式点鼻薬として適切である。新規化合物は凍結乾燥もでき、得られた凍結乾燥物を例えば、注射剤の調製に用いることができる。記載した製剤は滅菌でき、および/または潤滑剤、保存剤、安定剤、および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧を修正する塩、緩衝物質、着色剤、および香味剤および/または複数の更なる活性化合物、例えば1種または2種以上のビタミンなどの補助剤を含むこともできる。
【0046】
式Iの化合物、およびそれらの生理学的に許容できる塩は、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、腫瘍、腫瘍疾患、および/または腫瘍転移などの血栓塞栓性疾患に対抗するために用いることができる。
一般的に、本発明物質は、好ましくは、投与単位当たり約1〜500mg、特に5〜100mgの用量で投与する。一日量は、好ましくは、約0.02〜10mg/体重kgである。しかし、各患者についての具体的な用量は、例えば、用いられる具体的な化合物の有効性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与の時間と方法、排泄速度、併用薬、および処置を行っている疾患の重篤度などの、広範な様々な要因によって変動する。経口投与が好ましい。
【0047】
本発明は更に、少なくとも1種の式Iの化合物、および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)、および少なくとも1種の更なる医薬活性成分を含む医薬に関する。
本発明は、また、
(a)式Iの化合物、および/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)の有効量
および
(b)更なる医薬活性成分の有効量
の分離パックからなるセット(キット)に関する。
【0048】
そのセットは、ボックス、個別のボトル、バッグ、またはアンプルなどの適切な容器を含む。そのセットは、例えば、式Iの化合物、および/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)の有効量、
および溶解形態または凍結乾燥形態の更なる医薬活性成分の有効量を各々含有する個別のアンプルを含むことができる。
【0049】
本発明は更に、式Iの化合物、および/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)の、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、腫瘍、腫瘍疾患、および/または腫瘍転移の処置のための医薬の製造のための、少なくとも1種の更なる医薬活性成分と組み合わせての使用に関する。
【0050】
本明細書中、全ての温度は℃で与えられている。以下の例での「通常の精製処理」は、必要ならば水を加え、必要ならば最終生成物の組成に応じてpHを2〜10に調整し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、留去し、生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーおよび/または結晶化で精製する。シリカゲルでのRf値;溶離液:酢酸エチル/メタノール 9:1
Figure 2004531494
【0051】

式Iの化合物
【化7】
Figure 2004531494
表1
【表2】
Figure 2004531494
【表3】
Figure 2004531494
【0052】
【表4】
Figure 2004531494
Ph=フェニル;R=H;
【化8】
Figure 2004531494
【0053】
例1
化合物No.1の調整
N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1−ピペリジル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン
1.1
50mlのTHF中の15.35gの4−クロロフェニルイソシアナートの溶液を、100mlのTHF中の9.83gのフェニルヒドラジンの溶液に窒素雰囲気下で加え、その混合物を2時間環流する。通常の精製処理により、25.1gのN−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−フェニルヒドラジン(「AA」)、EI 277、m.p.187〜189を得る。
1.2
0.032mlのクロロ蟻酸トリクロロメチルを窒素雰囲気下で、5mlのTHF中の50mgの1−(4−アミノフェニル)ピペリジン−2−オン(1−(4−ニトロフェニル)ピペリジン−2−オンから触媒としてラネーニッケルを用いて水素添加することで調製)の溶液に加え、その後に混合物を1.5時間環流することにより、1−(4−イソシアナートフェニル)ピペリジン−2−オン(「AB」)を得る。
【0054】
1.3
78.4mgの「AA」を、「AB」を含む溶液に加え、その混合物を2時間環流し、その後に通常の精製処理に供することにより、105mgのN−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1−ピペリジル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、EI 478、m.p.165〜170°(分解)を得る。
表1に示す化合物は同様に調整する。
【0055】
薬理学的データ
レセプターとの親和性
表2
【表5】
Figure 2004531494
【0056】
以下の例は医薬製剤に関する。
例A:注射用バイアル
式Iの活性成分100gとリン酸水素二ナトリウム5gを2回蒸留水3リットルに溶解した溶液を2Nの塩酸を使ってpH6.5に調節し、滅菌濾過し、注射用バイアルに移し、無菌条件下で凍結乾燥し、無菌的条件下で密封する。各注射バイアルは活性成分を5mg含有する。
例B:座薬
式Iの活性成分20gと大豆レシチン100gおよびココアバター1400gとの混合物を融解し、鋳型に注ぎ、放冷する。各座薬は活性成分20mgを含有する。
【0057】
例C:溶液
940mlの2回蒸留水中の、1gの式Iの活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HO、および0.1gの塩化ベンザルコニウムから溶液を調製する。pHを6.8に調節し、1リットルにし、照射によって滅菌する。この溶液は点眼液の形態で使用することが出来る。
例D:軟膏
式Iの活性成分500mgを無菌条件下でワセリン99.5gと混合する。
例E:錠剤
式Iの活性成分1kg、乳糖4kg、馬鈴薯澱粉1.2kg、タルク0.2kg、ステアリン酸マグネシウム0.1kgの混合物を通常の方法で、各錠剤が活性成分10mgを含有するように打錠する。
【0058】
例F:被覆錠剤
例Eと同様にして、錠剤を打錠し、その後に通常の方法でスクロース、馬鈴薯澱粉、タルク、トラガカント、および着色剤のコーティングで被覆した。
例G:カプセル剤
式Iの活性成分2kgを通常の方法で、各カプセルが活性成分20mgを含有するように硬ゼラチンカプセルに導入する。
【0059】
例H:アンプル剤
式Iの活性成分1kgが2回蒸留水60リットル中に溶解した溶液を滅菌濾過し、アンプルに移し、無菌条件下で凍結乾燥し、無菌条件下で密封した。各アンプルは活性成分10mgを含有する。

Claims (18)

  1. 式I
    Figure 2004531494
    式中、
    Rは、H、HalまたはCNであり、
    は、H、A、または(CH−Arであり、
    は、HまたはHalであり、
    は、H、無置換かまたはSOA、SONHAもしくはSONHで一置換されたフェニル、またはHetであり、
    Xは、(CHであり、
    Yは、存在しないかまたはピペリジン−1,4−ジイルであり、
    Zは、CHまたはNであり、
    Arは、無置換かまたはHal、フェニル、A、OH、OA、NH、NHA、NA、NO、CN、COOH、COOA、CONH、CONHA、CONA、NHCHO、NACHO、NHCOA、NACOA、NHSOA、NASOA、CHO、COA、SONH、SONHAもしくはSONAで一置換または二置換されたフェニルであり、
    Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式、飽和、不飽和または芳香族ヘテロ環基であり、該基は、無置換かまたはカルボニル酸素、Hal、A、OH、OA、NH、NHA、NA、NO、CN、COOH、COOA、CONH、CONHA、CONA、NHCHO、NACHO、NHCOA、NACOA、NHSOA、NASOA、CHO、COA、SONH、SONHAもしくはSONAで一置換または二置換されていてもよく、
    Aは、1〜6個の炭素原子を有する非分枝状または分枝状アルキルであり、ここで1つまたは2つのCH基は、OまたはS原子および/または−CH=CH−基で置換されていてもよく、および/または加えて1〜7個のH原子は、Fで置換されていてもよく、
    Halは、F、Cl、BrまたはIであり、
    nは、0、1または2である、
    で表される化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  2. がHである、請求項1に記載の化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  3. が(CHArである、請求項1または2に記載の化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  4. が(CHArであり、およびArが、無置換かまたはHalで一置換されたフェニルである、請求項1または2に記載の化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  5. が(CHArであり、Arが、無置換かまたはHalで一置換されたフェニルであり、RがHである、請求項1に記載の化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  6. が(CHArであり、Arが、無置換かまたはHalで一置換されたフェニルであり、RがHであり、Rが、SOAもしくはSONHで一置換されたフェニル、またはHetである、請求項1に記載の化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  7. が(CHArであり、Arが、無置換かまたはHalで一置換されたフェニルであり、RがHであり、Rが、SOAもしくはSONHで一置換されたフェニル、またはHetであり、Hetが、1〜2個のNおよび/またはO原子を有する、単環式、飽和または不飽和ヘテロ環基であり、該基は、無置換かまたはカルボニル酸素、OHもしくはOAで一置換または二置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  8. が(CHArであり、Arが無置換かまたはHalで一置換されたフェニルであり、RがHであり、Rが、SOAもしくはSONHで一置換されたフェニル、またはHetであり、Hetが、ピリジル、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、3−オキソモルホリン−4−イル、4−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、2,6−ジオキソピペリジン−1−イル、2−オキソピペラジン−1−イル、2,6−ジオキソピペラジン−1−イル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル、3−オキソ−2H−ピリダジン−2−イル、2−カプロラクタム−1−イル、2−ヒドロキシ−6−オキソピペラジン−1−イルまたは2−メトキシ−6−オキソピペラジン−1−イルである、請求項1に記載の化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  9. Hetが、1〜2個のNおよび/またはO原子を有する、単環式、飽和または不飽和ヘテロ環基であり、それは、無置換かまたはカルボニル酸素、OHもしくはOAで一置換または二置換されていてもよい、請求項1〜5に記載の化合物、ならびに薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  10. N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1−ピペリジル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1−ピペリジル)フェニルアミノカルボニル]−N’−4−クロロフェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−メチルスルホニルフェニル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2,6−ジオキソ−1−ピペラジニル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1−ピペラジニル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1H−ピリジン−1−イル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−1−ピペラジニル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−メトキシ−6−オキソ−1−ピペラジニル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−シアノフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1−ピペラジニル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−シアノフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1−ピペリジル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−シアノフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1H−ピリジン−1−イル)フェニルメチルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[4−(2−オキソ−1−ピペリジル)フェニルメチルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    N−(4−クロロフェニルアミノカルボニル)−N’−[1−(ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イルアミノカルボニル]−N’−フェニルヒドラジン、
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)。
  11. 請求項1〜9に記載の式Iの化合物、ならびに薬学的に耐容されるそれらの塩および溶媒和物の製造のための方法であって、
    式II
    Figure 2004531494
    式中、
    RおよびRは、請求項1に定義したとおりである、
    で表される化合物を、式III
    Figure 2004531494
    式中、
    、R、X、YおよびZは、請求項1で定義したとおりである、
    で表される化合物と反応させ、
    および/または
    式Iの塩基または酸をその塩の1つに変換することを特徴とする前記方法。
  12. 凝固第Xa因子の阻害剤としての、請求項1〜10のいずれかに記載の式Iの化合物。
  13. 凝固因子VIIaの阻害剤としての、請求項1〜10のいずれかに記載の式Iの化合物。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の少なくとも1種の式Iの化合物、および/または薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)、ならびに任意に賦形剤および/または補助剤を含む医薬。
  15. 請求項1〜10のいずれかに記載の少なくとも1種の式Iの化合物、および/または薬学的に使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)、および少なくとも1種の更なる医薬活性成分を含む医薬。
  16. 請求項1〜10のいずれかに記載の化合物、および/またはそれらの生理学的に許容できる塩および誘導体の、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、腫瘍、腫瘍疾患、および/または腫瘍転移の処置のための医薬の製造への使用。
  17. (a)請求項1〜10のいずれかに記載の式Iの化合物、および/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)の有効量
    および
    (b)更なる医薬活性成分の有効量
    の分離パックからなるセット(キット)。
  18. 請求項1〜10のいずれかに記載の式Iの化合物、および/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(それらのすべての比率での混合物を含む)の、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の再狭窄、間欠性跛行、腫瘍、腫瘍疾患、および/または腫瘍転移の処置のための医薬の製造への、少なくとも1種の更なる医薬活性成分と組み合わせての使用。
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