JP2004530605A - セルロース含有咀嚼性フィルム - Google Patents
セルロース含有咀嚼性フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004530605A JP2004530605A JP2003506514A JP2003506514A JP2004530605A JP 2004530605 A JP2004530605 A JP 2004530605A JP 2003506514 A JP2003506514 A JP 2003506514A JP 2003506514 A JP2003506514 A JP 2003506514A JP 2004530605 A JP2004530605 A JP 2004530605A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- packaging film
- protein
- film according
- filler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A22—BUTCHERING; MEAT TREATMENT; PROCESSING POULTRY OR FISH
- A22C—PROCESSING MEAT, POULTRY, OR FISH
- A22C13/00—Sausage casings
- A22C13/0013—Chemical composition of synthetic sausage casings
Abstract
本発明は、セルロース、少なくとも一種のタンパク質及び少なくとも一種の充填材を含む、一緒に食するのに適した食品用包装フィルムであって、前記充填材として、好ましくは糠、粉砕した天然繊維、綿リンター、キトサン、グアーシード粉、カロブシード粉または微結晶性セルロースが使用される前記フィルムに関する。このフィルムは、主に人工ソーセージケーシングとして使用される。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、一緒に食するのに適した食品用包装フィルム、それの製造方法及び使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
一緒に食するのに適したまたはそれ用のソーセージの皮としては、中でも、天然由来の皮[ボックヴルスト(ゆでて食べる牛・豚肉の細長いソーセージ)の場合は、特に羊の小腸)]及びコラーゲン製の皮がこれまで使用されてきた。口径21(Kaliber 21)の可食性コラーゲン製皮の場合は、咀嚼性に重要な機械的特性は以下の範囲である。
乾燥状態での長手方向の引張り強さ 20〜40N/mm2
湿潤状態での長手方向の引張り強さ 5〜10N/mm2
乾燥状態での長手方向の破断点伸び 10〜30%
湿潤状態での長手方向の破断点伸び 10〜20%
湿潤状態での破裂圧 18〜30kPa
また、湿潤状態での引張り強さが、乾燥状態のそれよりも低いことも重要である。
【0003】
しかし、動物の伝染病、例えばBSEなどの理由から、天然由来及びコラーゲン製の皮に対する強い懸念がある。しかし、代替物として開発されたアルギン酸カルシウムに基づく可食性ソーセージケーシング(ドイツ特許(DE−C)第1213211号)は技術的には不十分なものであることが判明している。ソーセージエマルションと塩水との相互作用によって、難溶性のアルギン酸カルシウムが徐々に易溶性のアルギン酸ナトリウムに変化する。その結果、ケーシングが安定性を失う。他の天然由来のポリマー、例えば架橋されたカゼインに基づく可食性皮も同様にその使用は広まっていない。
【0004】
また、未加工もしくは加工デンプン及びタンパク質を必須の成分として含む熱可塑性混合物からなる生分解性でかつ場合によっては可食性でさえある成形体も公知である(国際公開第93/19125号)。デンプン及びタンパク質は、架橋剤、例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドまたはエピクロロヒドリンによって互いに結合されている。前記熱可塑性混合物は、その他、可塑剤、潤滑剤、充填材、抗菌作用剤及び/または着色剤、例えばグリセリン、グリセリン−モノ−、−ジ−または−トリアセテート、ソルビトール、マンニトール、エチレングリコール、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、クエン酸ジエチル、脂肪酸、植物油、鉱油または微結晶性セルロースを含んでいてもよい。このような混合物から、深絞り、射出成形、ブロー成形または類似の方法によって成形体、例えばフィルム、カプセル、皿、ボトル、管などを製造することができる。しかし、デンプンの少なくとも一部は熱水中に溶解してしまうため、筒状の食品ケーシング、特に加熱調理に対して安定しているソーセージケーシング用としては、上記熱可塑性混合物はそれほど適していない。更に、可食性のソーセージケーシングとしては上記の材料は強靱過ぎる。
【0005】
タンパク質から繊維を製造することも公知である。これは、タンパク質を溶解して、そしてその際得られた溶液を、直接、凝固浴中に入れて紡糸するか(湿式紡糸法)、または空調された紡糸用シャフト(Fallschacht)中に入れて紡糸する(乾式紡糸法、スイス連邦特許第232342号参照)ことによって得ることができる。
【0006】
カゼインからタンパク質繊維を製造するための所謂(R)Lanital(ラニタール)法が、従来、商業的に重要な方法であった(英国特許第483731号、仏国特許第813427号、米国特許第2297397号、米国特許第2338916号)。この方法では、酸析出によってミルクから得られるカゼインを、希釈した苛性ソーダ中に溶解させる。次いで、この溶液を、硫酸水性凝固浴中で紡糸する。こうして得られた繊維またはフィラメントを次いでホルムアルデヒド含有浴中で硬化させる。カゼインの他、他のタンパク質、例えばコーンタンパク質、ピーナッツタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質または魚肉タンパク質も原料として使用することができる。このタンパク質成形体を凝固後に硬化させるためには、延伸することによって配向されたポリペプチド鎖を架橋して固定する。架橋剤としては、ホルムアルデヒドの他、他のアルデヒドまたはジアルデヒドや、ホルムアミド及び硫酸アルミニウムなども好適である。
【0007】
最後に、NMMO一水和物中の微小繊維状タンパク質の濃厚溶液の製造方法及びこの溶液を成形体の製造に使用する方法も公知である(ドイツ特許出願公開第19841649号)。しかし、天然に多数生じそしてしばしば簡単に得ることができる球状タンパク質はこの方法には使用することができない。
【0008】
セルロースに基づく人工皮も非咀嚼性であり、それゆえ一緒に食するのには適していない。しかし、これは、従来慣用のビスコース法の場合とは異なり、アミンオキシド法などの比較的新しい方法によって簡単にかつ環境に負担をかけることなく製造することができる。アミンオキシド法では、セルロースをアミンオキシド、特にN−メチル−モルホリン−N−オキシド(NMMO)中に溶解させるが、この際、セルロースは化学的な変性を受けない。このアミンオキシド/セルロース溶液は、公知の装置、例えば環状口金を用いて紡糸することができる。エアギャップを通過した後、押出された成形体は水性凝固中に入れ、そこでセルロースが再生される。このような方法は多数開示されている(米国特許第4,246,221号、ドイツ特許出願公開第4219658号、ドイツ特許出願公開第4244609号、ドイツ特許出願公開第4343100号、ドイツ特許出願公開第4426966号)。
【0009】
これまで天然由来及びコラーゲン製皮の代替物として開発された材料は、咀嚼性及び/または毒性の面での懸念に関して、課せられる要求を満たさない。更に、タンパク質の加工に関連して従来公知の方法には多数の工程が付随するため、技術的に煩雑で、応じて高額な設備を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それゆえ、生理学的上及び毒学的上の懸念がなく、咀嚼性が良好で、そして大きな環境負荷無く簡単にかつ安価に製造することができる、可食性の、すなわち一緒に食するのに適した食品用包装フィルムを提供するという課題があった。また、そのための原料は簡単にかつ安価に入手し得るべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
驚くべきことに、NMMO一水和物中のセルロースの溶液を、タンパク質及び充填材と混合することによって上記の問題を解決できることがここに見出された。これは、押出及び再生工程の後に可食性の、すなわち先ず何よりも咀嚼性のフィルムを与える混合物を生成する。驚くべきことに、このフィルムの機械的特性は、純粋なセルロースフィルムのそれとは明らかに異なる。その理由は、恐らくは、タンパク質分子及び充填材粒子が組み込まれたことにより、伸張されたセルロース分子(β−グルコシド結合)間の相互作用が妨害されるからであろうと思われる。
【0012】
それゆえ、本出願の対象は、セルロース、少なくとも一種のタンパク質及び少なくとも一種の充填材を含むことを特徴とする、一緒に食するのに適した食品用包装フィルムである。このフィルムは、好ましくは、ソーセージケーシングとして使用することができる継ぎ目の無い筒状フィルムである。
【0013】
本発明のフィルムの製造のためには、約300〜700、好ましくは約400〜650の重合度DP[クオキサム(Cuoxam)法により測定された重合度、それゆえクオキサム−DPとも称される]を有するセルロースを使用するのが好ましい。約520〜600のクオキサム−DPを有する亜硫酸パルプが特に有利であることが判明した。公知のビスコース法の場合とは異なり、NMMO法ではセルロースのDPは実質的に減少しない。セルロースの割合は、それぞれフィルムの乾燥重量を基準にして一般的に20〜70重量%、好ましくは30〜65重量%である。
【0014】
タンパク質は、好ましくは、天然の球状タンパク質、特にカゼイン(乳タンパク質)、大豆タンパク質、グルテン(小麦タンパク質)、ゼイン(コーンタンパク質)、アルデイン(ピーナッツタンパク質)またはエンドウタンパク質である。原則的に、セルロースと一緒にNMMO一水和物中に溶解するものであれば如何なるタンパク質でも適している。少なくとも一種のタンパク質の割合は、それぞれフィルムの乾燥重量、すなわち水及びグリセリンを含まないフィルムの重量を基準にして一般的に5〜50重量%、好ましくは8〜45重量%である。
【0015】
タンパク質の水溶性を減少させるかまたはこれを水不溶性とするためには、タンパク質を予め架橋させることが好適であることが判明した。これは、例えば、タンパク質をアルデヒド、メチロール、エポキシド及び/または酵素と反応させることによって行うことができる。この際、“アルデヒド”、“メチロール”などの用語は、二つ以上のカルバルデヒドもしくはメチロール基を有する化合物を包含する。それ故、特に好適な架橋剤は、ジメチロールエチレン尿素及びジアルデヒド、特にグリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド及びグルタルアルデヒドである。架橋は、通常は、ルイス酸の存在下に行われ、そして反応中の温度は一般的に0〜160℃である。架橋の際は、タンパク質の遊離のアミノ基及び場合によっては存在する酸アミド基のみならず、ペプチド化合物のイミノ基及びセリンのヒドロキシ基も反応する。架橋有効酵素は、例えば、トランスグルタミナーゼである。架橋剤の割合はそれの性質に依存する。一般的には、各々タンパク質の重量を基準にして、0.5〜5.0重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%である。
【0016】
架橋は後で行ってもよい。例えば、最終の槽中で、二次可塑剤(通常はグリセリン)と一緒に、毒性の面での懸念のない架橋剤をフィルムに適用することができる。好ましい架橋剤は、シトラール、タンニン、糖−ジアルデヒド、ジアルデヒド−デンプン、カラメル及びエポキシド化されたアマニ油である。その使用量は、フィルムが、それの乾燥重量を基準にして約0.5〜5重量%の割合で架橋剤を含むようになるように制御する。実際の架橋は、フィルムを後に乾燥及び貯蔵する際に起こる。
【0017】
NMMO紡糸溶液に対する充填材の溶解性はできる限り低いのがよい。NMMO中に不溶性の充填材は、減圧下に水を留去する前に既にスラリーに加えることができる。NMMOに対して或る程度の溶解性を持つ充填材は、押出しする直前になって初めて紡糸溶液と混合することが好適である。必要ならば、NMMO一水和物に対する充填材の溶解性は、予め架橋させることによって減少させることができる。充填材は、タンパク質と同様に、セルロースの構造を中断させる。これによって、フィルムの強度は損なわれることなく、フィルムの伸張性が低減される。特に好適な有機系の充填材は、糠、特に小麦糠、粉砕した天然繊維、特に粉砕した亜麻繊維、麻繊維または綿繊維、綿リンター、キトサン、グアーシード粉、カロブシード粉または微結晶性セルロースである。上記有機系充填材の代わりにまたはこれに加えて、微粒子状無機系充填材を使用することもできる。これの例は、粉砕した炭酸カルシウムまたは粉末状SiO2である。好適な充填材は、100μm未満、好ましくは2〜50μmの粒度を有する。充填材の割合は、それぞれフィルムの乾燥重量を基準にして、一般的に3〜60重量%、好ましくは4〜50重量%である。
【0018】
良好な咀嚼性とするためには、フィルムの湿潤強度はそれほど高いものであってはならず、またフィルムはそれほど強靱であってもならない。親水性添加物を添加することによって、咀嚼性を更に向上させることができる。親水性添加剤も、NMMO紡糸溶液中に可溶である。特に好適なものは、ホモポリサッカライド及びそれの誘導体(例えばエステル及びエーテル)、例えばデンプン、酢酸デンプン、キチン、キトサンまたはペクチン; ヘテロポリサッカライド及びそれの誘導体、例えばカラギーナン、キサンタン、アルギン酸及びアルギネート; そして最後に毒性の面で懸念のない合成ポリマーまたはコポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンオキシドである。親水性添加剤の割合は、それぞれフィルムの全重量を基準にして一般的に約0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0019】
フィルムを、一次可塑剤または潤滑剤を用いて更に変性することができる。これらは、例えば、トリグリセリド、ワックス、例えばシェラック、炭化水素、例えば可食性の天然ゴム、またはパラフィンである。
【0020】
フィルムは好適には二次可塑剤、特にグリセリンも含む。この二次可塑剤は、通例通り、フィルムの乾燥直前の可塑剤槽中に加えられる。
【0021】
本発明のフィルムは、湿潤状態で、3〜12N/mm2、好ましくは4〜8N/mm2の引張り強さ(長手方向)を有する。乾燥状態では、引張り強さは明らかにそれよりも大きく、約15〜50N/mm2、好ましくは20〜45N/mm2である。長手方向の破断点伸びは、乾燥状態では12〜30%であり、湿潤状態では約10〜20%である。フィルムをソーセージケーシングとして使用すべき場合は、これは、通常は、継ぎ目のない筒状のフィルムとして製造される。この筒状フィルムの破裂圧は一般的に約15〜32kPaである。
【0022】
NMMO/水/セルロース紡糸溶液(場合によっては、変性用の添加剤も溶解された形で含む)を用いて(非可食性の)筒状フィルムを製造する方法は、原則的には当業者には公知でありそして例えば国際公開第97/31970号に記載されている。
【0023】
本発明のケーシングを製造する方法においては、セルロース及び場合によっては予め架橋されたタンパク質を、水性NMMO中に溶解し、この溶液を充填材と混合し、そしてこの際生じた懸濁物を押出しする。継ぎ目のない筒状フィルムを製造するためには、上記の懸濁物を環状ダイを通して押出しする。この押出しされたフィルムを次いで、水性NMMO溶液(好ましくは、約15重量%濃度の水性NMMO溶液)を含む凝固浴(=紡糸浴)中に移送する。しかしこの際、そのフィルムは、湿潤状態では機械的な負荷に対する許容容量が非常に小さいということも考慮しなければならない。それゆえ、個々の製造段階(紡糸浴、洗浄槽、可塑剤槽、乾燥器など)からフィルムを移送させる装置は、特に静穏に稼働させなければならない。このためには、個々の浴槽の全てのリバースローラーを、非常に細やかな勾配で独立して制御できるように設計しそして追加的に、例えばコンベアベルトまたは水圧式移送管を用いて移送を補助することが好適である。紡糸浴を通過した後、フィルムは更に洗浄浴中に入れ、そこでNMMOの残部を除去する。次いで、更に、可塑剤(好ましくはグリセリン)を含む可塑剤槽にフィルムを通すことが好適である。湿潤状態の筒状フィルムは安定性が低いために、膨らんだ状態で慣用の乾燥方法を直接行うことはできない。膨らましていない状態でのゲル状筒状体の含水量を減少させてから初めて、膨らました状態での最終的な乾燥を行うことができるまでに安定性が高まる。それゆえ、筒状フィルムを、先ずは、膨らましていない状態で温風で予め乾燥することが好適であることが判明した。この実質的に脱水された筒状フィルムを、次いで、所定の最終直径まで膨らまし、そして熱風で所定の最終含水量まで乾燥する。膨らました状態での最終乾燥は避けることはできない。この際生ずる長手及び横方向の伸張によって、重要な性質、例えば強度及び直径不変性が先ず確立される。乾燥器に導通させた場合は、この筒状フィルムは通常は巻き取って回収する。次いで、例えば切断、ひだ付けまたは他の類似法によって更に仕上げすることができる。
【0024】
本発明の筒状フィルムは、詰め物を入れられる状態において、一般的に8〜20重量%、好ましくは10〜18重量%の含水率を有する。
【0025】
本発明の筒状フィルムは、なかでも、人工ソーセージケーシング、特に、小型のソーセージ(Wuerstchen)、小型の焼きソーセージ(Bratwuerstchen)、並びに小径の湯通し済みソーセージ(Bruehwurst)及び調理済みソーセージ(Kochwurst)のためのケーシングに使用される。
【0026】
以下の例は、本発明を説明するためのものである。百分率は特に断りがない限り重量%である。全ての例において、木材パルプは、約550のクオキサム−DP(例1〜7)または約500のクオキサム−DP(例8)を有する、DoMo社製の亜硫酸パルプであるドモ・ディスソルビング( DoMo Dissolving)である。全てのケーシングは、最終の乾燥後に21の口径(Kaliber)を有した。
【実施例】
【0027】
例1
砕木パルプ7.45kgを、NMMO60%及び水40%からなる溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによって、pH値を11に調節した。このスラリーに、含湿カゼイン(乾質40%)7.7kgをい加えた。この含湿カゼインは、予め熱処理した脱脂乳(すなわち70℃より高い温度に加熱したもの)から酸析出させることによって得られたものである。水溶性を減少させるために、このカゼインを、これの重量を基準にして3%のグルタルアルデヒドを用いて予め架橋させた。加えて、安定化剤として、没食子酸プロピル20gを添加した(没食子酸プロピルは、NMMOの分解を阻止する)。次いで、40〜60μmの粒度を有する微細に粉砕した小麦糠3.5kgを上記スラリー中に混ぜ入れた。
【0028】
次いで、溶剤中のNMMO及び水の割合がそれぞれ約87%及び約13%になるまで(NMMO一水和物に相当する)、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に温度を上昇させながら水を留去した。こうして得られた溶液は、1.4887の屈折率及び85℃で2,910Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0029】
このようにして製造された紡糸溶液を、90℃の温度で、20mmの環直径を有する環状口金を通して押出しした。得られたフィルム筒状体は、先ず、長さ10cmの通気区間中を通した。この際、フィルム筒状体の内部に所謂“支持空気”を吹き込むことによってシワが生じないようにした。加えて、筒状体の内部には、5℃に温度調節した15%濃度の水性NMMO溶液を絶えず新鮮なものに置き換えながら内側凝固浴として導入した。外側凝固浴は、同じ組成及び温度の水性NMMO溶液からなる。次いでこの筒状体は、3mの凝固浴区間に通した。この際、半分の距離を過ぎた所で転向させた。紡糸槽の通過後に、平面幅が30mmになるまでこの筒状体を横に伸張した。
【0030】
次いで、上記筒状体を、各々上と下に8つのリバースロールを備えた4つの洗浄槽に通した。この際、槽の深さは2.5mであり、通気区間は0.5mである。最後の槽の終わりには向流で導かれた水を流した。このようにして最初の槽の出口では、NMMO含有率は12〜16%に維持した。温度は、槽から漕へと移動するにつれ高まり、最後の槽では60〜70℃まで上昇した。最後に、60℃に温度調節された10%濃度水性グリセリン溶液を含む可塑剤槽中に筒状体を入れた。このグリセリン槽の通過の際、この筒状体の平面幅はなお20mmであった。次いで、この筒状体を、膨らましていない状態でノズル型乾燥器中で水平に浮かして予備乾燥した。次いで、この筒状体を、膨らました状態で二つのピンチローラー対の間で温風により乾燥した。この乾燥器は、次第に低下する温度を有する複数の区域を有する。この際、乾燥器の入口の所の区域は120℃の温度を有し、出口では80℃の温度を有する。乾燥器を通過した後は、このフィルム筒状体は、筒状体の総重量を基準にして8〜12%の含水量まで加湿した。この筒状体の機械的特性を以下の表に纏めて記す。
【0031】
次いでこの筒状体を、含水率が全重量を基準にして16〜18%になるまで更に加湿し、そしてひだ付けしてひだ付き筒状体(Raupe)とした。このひだ付き筒状体に、自動充填機[(R)FrankMatic(フランクマチック)]を用いてソーセージエマルションを充填し、湯通ししそして薫製した。このケーシングは良好な咀嚼性を有しそして細かく切ることができた。
例2
可塑剤槽が、グリセリンの他、架橋剤(ジアルデヒド−デンプン)も含むことを除き、例1を繰り返した。架橋は乾燥工程中に起こる。その後の仕上げ及び加工は、例1に記載のように行った。
例3
砕木パルプ7.45kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを添加することによって、pH値を11に調節した。このスラリーに、商業的に慣用のゼイン3.3kgを加えた。加えて、安定化剤として、没食子酸プロピル20gを添加した。次いで、微細に粉砕した小麦糠5.3kgをこのスラリーと混合した。
【0032】
その後の工程は、例1と同様に行った。
例4
砕木パルプ5.3kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによってpH値を11に調節した。次いで、このスラリーに商業的に慣用のゼイン2.2kgを加えた。微細に粉砕された小麦糠3kgを充填材としてこのスラリーに混ぜ入れた。更に、安定化剤として没食子酸プロピル20gを加えた。
【0033】
溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで(NMMO一水和物に相当)、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に次第に温度を上昇させながら水を留去した。得られた溶液は、1.4850の屈折率及び85℃で1,090Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0034】
その後のフィルム筒状体の製造工程は例1に記載の通りに行った。
例5
砕木パルプ6.3kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによって、pH値を11に調節した。このスラリーに、商業的に慣用のゼイン2.2kgを加えた。クエン酸で予め架橋した綿短繊維2.0kgを充填材として加えた。更に、没食子酸プロピル20gを安定化剤として加えた。
【0035】
次いで、溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで(NMMO一水和物に相当)、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に温度を次第に上昇させながら水を留去した。得られた溶液は、1.4840の屈折率及び85℃で1,450Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0036】
紡糸、洗浄、乾燥、仕上げ及び加工を再び例1に記載のように行った。
例6
砕木パルプ6.3kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによって、pH値を11に調節した。このスラリーに、商業的に慣用のゼイン2.2kgを加えた。各々1kgの綿短繊維及び粉砕した小麦糠を充填材として上記スラリーに混ぜ入れた。更に、没食子酸プロピル20gを安定化剤として加えた。
【0037】
次いで、溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に次第に温度を上昇させながら水を留去した。得られた溶液は、1.4860の屈折率及び85℃で1,520Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0038】
紡糸、洗浄、乾燥、仕上げ及び加工は例1に記載の通り行った。
例7
砕木パルプ6.3kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによって、pH値を11に調節した。次いで、このスラリーに、商業的に慣用のアルデイン(=ピーナッツタンパク質)3.8kgを加えた。加えて、微細に粉砕した小麦糠1.0kg及び天然のジャガイモデンプン0.5kgを混合した。更に、安定化剤として没食子酸プロピル20gを加えた。
【0039】
溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に次第に温度を上昇させながら水を留去した。得られた溶液は1.4870の屈折率及び85℃で1,830Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0040】
紡糸、洗浄、乾燥、仕上げ及び加工は例1に記載のように行った。
例8
砕木パルプ5.1kgを、60%濃度水性NMMO溶液136kg中でスラリー化した。次いで、NaOHを加えることによってpH値を11に調節した。次いでこのスラリーに、乾燥カゼイン1.3kgを加えた。なお、このカゼインは、水溶性を減少させるために、各々カゼインの重量を基準にして0.03%のトランスグルタミナーゼ及び4%のグルタルアルデヒドを用いて予め架橋したものである。微細に粉砕した小麦糠6kgを充填材として上記スラリーに混ぜ入れた。更に、没食子酸プロピル20gを安定化剤として加えた。
【0041】
溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで(NMMO一水和物相当)、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に次第に温度を上昇させて水を留去した。得られた溶液は1.4883の屈折率及び85℃で1,300Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。紡糸、洗浄、乾燥、仕上げ及び加工は例1に記載の通りに行った。
【0042】
【表1】
【0001】
本発明は、一緒に食するのに適した食品用包装フィルム、それの製造方法及び使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
一緒に食するのに適したまたはそれ用のソーセージの皮としては、中でも、天然由来の皮[ボックヴルスト(ゆでて食べる牛・豚肉の細長いソーセージ)の場合は、特に羊の小腸)]及びコラーゲン製の皮がこれまで使用されてきた。口径21(Kaliber 21)の可食性コラーゲン製皮の場合は、咀嚼性に重要な機械的特性は以下の範囲である。
乾燥状態での長手方向の引張り強さ 20〜40N/mm2
湿潤状態での長手方向の引張り強さ 5〜10N/mm2
乾燥状態での長手方向の破断点伸び 10〜30%
湿潤状態での長手方向の破断点伸び 10〜20%
湿潤状態での破裂圧 18〜30kPa
また、湿潤状態での引張り強さが、乾燥状態のそれよりも低いことも重要である。
【0003】
しかし、動物の伝染病、例えばBSEなどの理由から、天然由来及びコラーゲン製の皮に対する強い懸念がある。しかし、代替物として開発されたアルギン酸カルシウムに基づく可食性ソーセージケーシング(ドイツ特許(DE−C)第1213211号)は技術的には不十分なものであることが判明している。ソーセージエマルションと塩水との相互作用によって、難溶性のアルギン酸カルシウムが徐々に易溶性のアルギン酸ナトリウムに変化する。その結果、ケーシングが安定性を失う。他の天然由来のポリマー、例えば架橋されたカゼインに基づく可食性皮も同様にその使用は広まっていない。
【0004】
また、未加工もしくは加工デンプン及びタンパク質を必須の成分として含む熱可塑性混合物からなる生分解性でかつ場合によっては可食性でさえある成形体も公知である(国際公開第93/19125号)。デンプン及びタンパク質は、架橋剤、例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドまたはエピクロロヒドリンによって互いに結合されている。前記熱可塑性混合物は、その他、可塑剤、潤滑剤、充填材、抗菌作用剤及び/または着色剤、例えばグリセリン、グリセリン−モノ−、−ジ−または−トリアセテート、ソルビトール、マンニトール、エチレングリコール、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、クエン酸ジエチル、脂肪酸、植物油、鉱油または微結晶性セルロースを含んでいてもよい。このような混合物から、深絞り、射出成形、ブロー成形または類似の方法によって成形体、例えばフィルム、カプセル、皿、ボトル、管などを製造することができる。しかし、デンプンの少なくとも一部は熱水中に溶解してしまうため、筒状の食品ケーシング、特に加熱調理に対して安定しているソーセージケーシング用としては、上記熱可塑性混合物はそれほど適していない。更に、可食性のソーセージケーシングとしては上記の材料は強靱過ぎる。
【0005】
タンパク質から繊維を製造することも公知である。これは、タンパク質を溶解して、そしてその際得られた溶液を、直接、凝固浴中に入れて紡糸するか(湿式紡糸法)、または空調された紡糸用シャフト(Fallschacht)中に入れて紡糸する(乾式紡糸法、スイス連邦特許第232342号参照)ことによって得ることができる。
【0006】
カゼインからタンパク質繊維を製造するための所謂(R)Lanital(ラニタール)法が、従来、商業的に重要な方法であった(英国特許第483731号、仏国特許第813427号、米国特許第2297397号、米国特許第2338916号)。この方法では、酸析出によってミルクから得られるカゼインを、希釈した苛性ソーダ中に溶解させる。次いで、この溶液を、硫酸水性凝固浴中で紡糸する。こうして得られた繊維またはフィラメントを次いでホルムアルデヒド含有浴中で硬化させる。カゼインの他、他のタンパク質、例えばコーンタンパク質、ピーナッツタンパク質、大豆タンパク質、綿実タンパク質または魚肉タンパク質も原料として使用することができる。このタンパク質成形体を凝固後に硬化させるためには、延伸することによって配向されたポリペプチド鎖を架橋して固定する。架橋剤としては、ホルムアルデヒドの他、他のアルデヒドまたはジアルデヒドや、ホルムアミド及び硫酸アルミニウムなども好適である。
【0007】
最後に、NMMO一水和物中の微小繊維状タンパク質の濃厚溶液の製造方法及びこの溶液を成形体の製造に使用する方法も公知である(ドイツ特許出願公開第19841649号)。しかし、天然に多数生じそしてしばしば簡単に得ることができる球状タンパク質はこの方法には使用することができない。
【0008】
セルロースに基づく人工皮も非咀嚼性であり、それゆえ一緒に食するのには適していない。しかし、これは、従来慣用のビスコース法の場合とは異なり、アミンオキシド法などの比較的新しい方法によって簡単にかつ環境に負担をかけることなく製造することができる。アミンオキシド法では、セルロースをアミンオキシド、特にN−メチル−モルホリン−N−オキシド(NMMO)中に溶解させるが、この際、セルロースは化学的な変性を受けない。このアミンオキシド/セルロース溶液は、公知の装置、例えば環状口金を用いて紡糸することができる。エアギャップを通過した後、押出された成形体は水性凝固中に入れ、そこでセルロースが再生される。このような方法は多数開示されている(米国特許第4,246,221号、ドイツ特許出願公開第4219658号、ドイツ特許出願公開第4244609号、ドイツ特許出願公開第4343100号、ドイツ特許出願公開第4426966号)。
【0009】
これまで天然由来及びコラーゲン製皮の代替物として開発された材料は、咀嚼性及び/または毒性の面での懸念に関して、課せられる要求を満たさない。更に、タンパク質の加工に関連して従来公知の方法には多数の工程が付随するため、技術的に煩雑で、応じて高額な設備を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それゆえ、生理学的上及び毒学的上の懸念がなく、咀嚼性が良好で、そして大きな環境負荷無く簡単にかつ安価に製造することができる、可食性の、すなわち一緒に食するのに適した食品用包装フィルムを提供するという課題があった。また、そのための原料は簡単にかつ安価に入手し得るべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
驚くべきことに、NMMO一水和物中のセルロースの溶液を、タンパク質及び充填材と混合することによって上記の問題を解決できることがここに見出された。これは、押出及び再生工程の後に可食性の、すなわち先ず何よりも咀嚼性のフィルムを与える混合物を生成する。驚くべきことに、このフィルムの機械的特性は、純粋なセルロースフィルムのそれとは明らかに異なる。その理由は、恐らくは、タンパク質分子及び充填材粒子が組み込まれたことにより、伸張されたセルロース分子(β−グルコシド結合)間の相互作用が妨害されるからであろうと思われる。
【0012】
それゆえ、本出願の対象は、セルロース、少なくとも一種のタンパク質及び少なくとも一種の充填材を含むことを特徴とする、一緒に食するのに適した食品用包装フィルムである。このフィルムは、好ましくは、ソーセージケーシングとして使用することができる継ぎ目の無い筒状フィルムである。
【0013】
本発明のフィルムの製造のためには、約300〜700、好ましくは約400〜650の重合度DP[クオキサム(Cuoxam)法により測定された重合度、それゆえクオキサム−DPとも称される]を有するセルロースを使用するのが好ましい。約520〜600のクオキサム−DPを有する亜硫酸パルプが特に有利であることが判明した。公知のビスコース法の場合とは異なり、NMMO法ではセルロースのDPは実質的に減少しない。セルロースの割合は、それぞれフィルムの乾燥重量を基準にして一般的に20〜70重量%、好ましくは30〜65重量%である。
【0014】
タンパク質は、好ましくは、天然の球状タンパク質、特にカゼイン(乳タンパク質)、大豆タンパク質、グルテン(小麦タンパク質)、ゼイン(コーンタンパク質)、アルデイン(ピーナッツタンパク質)またはエンドウタンパク質である。原則的に、セルロースと一緒にNMMO一水和物中に溶解するものであれば如何なるタンパク質でも適している。少なくとも一種のタンパク質の割合は、それぞれフィルムの乾燥重量、すなわち水及びグリセリンを含まないフィルムの重量を基準にして一般的に5〜50重量%、好ましくは8〜45重量%である。
【0015】
タンパク質の水溶性を減少させるかまたはこれを水不溶性とするためには、タンパク質を予め架橋させることが好適であることが判明した。これは、例えば、タンパク質をアルデヒド、メチロール、エポキシド及び/または酵素と反応させることによって行うことができる。この際、“アルデヒド”、“メチロール”などの用語は、二つ以上のカルバルデヒドもしくはメチロール基を有する化合物を包含する。それ故、特に好適な架橋剤は、ジメチロールエチレン尿素及びジアルデヒド、特にグリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド及びグルタルアルデヒドである。架橋は、通常は、ルイス酸の存在下に行われ、そして反応中の温度は一般的に0〜160℃である。架橋の際は、タンパク質の遊離のアミノ基及び場合によっては存在する酸アミド基のみならず、ペプチド化合物のイミノ基及びセリンのヒドロキシ基も反応する。架橋有効酵素は、例えば、トランスグルタミナーゼである。架橋剤の割合はそれの性質に依存する。一般的には、各々タンパク質の重量を基準にして、0.5〜5.0重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%である。
【0016】
架橋は後で行ってもよい。例えば、最終の槽中で、二次可塑剤(通常はグリセリン)と一緒に、毒性の面での懸念のない架橋剤をフィルムに適用することができる。好ましい架橋剤は、シトラール、タンニン、糖−ジアルデヒド、ジアルデヒド−デンプン、カラメル及びエポキシド化されたアマニ油である。その使用量は、フィルムが、それの乾燥重量を基準にして約0.5〜5重量%の割合で架橋剤を含むようになるように制御する。実際の架橋は、フィルムを後に乾燥及び貯蔵する際に起こる。
【0017】
NMMO紡糸溶液に対する充填材の溶解性はできる限り低いのがよい。NMMO中に不溶性の充填材は、減圧下に水を留去する前に既にスラリーに加えることができる。NMMOに対して或る程度の溶解性を持つ充填材は、押出しする直前になって初めて紡糸溶液と混合することが好適である。必要ならば、NMMO一水和物に対する充填材の溶解性は、予め架橋させることによって減少させることができる。充填材は、タンパク質と同様に、セルロースの構造を中断させる。これによって、フィルムの強度は損なわれることなく、フィルムの伸張性が低減される。特に好適な有機系の充填材は、糠、特に小麦糠、粉砕した天然繊維、特に粉砕した亜麻繊維、麻繊維または綿繊維、綿リンター、キトサン、グアーシード粉、カロブシード粉または微結晶性セルロースである。上記有機系充填材の代わりにまたはこれに加えて、微粒子状無機系充填材を使用することもできる。これの例は、粉砕した炭酸カルシウムまたは粉末状SiO2である。好適な充填材は、100μm未満、好ましくは2〜50μmの粒度を有する。充填材の割合は、それぞれフィルムの乾燥重量を基準にして、一般的に3〜60重量%、好ましくは4〜50重量%である。
【0018】
良好な咀嚼性とするためには、フィルムの湿潤強度はそれほど高いものであってはならず、またフィルムはそれほど強靱であってもならない。親水性添加物を添加することによって、咀嚼性を更に向上させることができる。親水性添加剤も、NMMO紡糸溶液中に可溶である。特に好適なものは、ホモポリサッカライド及びそれの誘導体(例えばエステル及びエーテル)、例えばデンプン、酢酸デンプン、キチン、キトサンまたはペクチン; ヘテロポリサッカライド及びそれの誘導体、例えばカラギーナン、キサンタン、アルギン酸及びアルギネート; そして最後に毒性の面で懸念のない合成ポリマーまたはコポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンオキシドである。親水性添加剤の割合は、それぞれフィルムの全重量を基準にして一般的に約0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0019】
フィルムを、一次可塑剤または潤滑剤を用いて更に変性することができる。これらは、例えば、トリグリセリド、ワックス、例えばシェラック、炭化水素、例えば可食性の天然ゴム、またはパラフィンである。
【0020】
フィルムは好適には二次可塑剤、特にグリセリンも含む。この二次可塑剤は、通例通り、フィルムの乾燥直前の可塑剤槽中に加えられる。
【0021】
本発明のフィルムは、湿潤状態で、3〜12N/mm2、好ましくは4〜8N/mm2の引張り強さ(長手方向)を有する。乾燥状態では、引張り強さは明らかにそれよりも大きく、約15〜50N/mm2、好ましくは20〜45N/mm2である。長手方向の破断点伸びは、乾燥状態では12〜30%であり、湿潤状態では約10〜20%である。フィルムをソーセージケーシングとして使用すべき場合は、これは、通常は、継ぎ目のない筒状のフィルムとして製造される。この筒状フィルムの破裂圧は一般的に約15〜32kPaである。
【0022】
NMMO/水/セルロース紡糸溶液(場合によっては、変性用の添加剤も溶解された形で含む)を用いて(非可食性の)筒状フィルムを製造する方法は、原則的には当業者には公知でありそして例えば国際公開第97/31970号に記載されている。
【0023】
本発明のケーシングを製造する方法においては、セルロース及び場合によっては予め架橋されたタンパク質を、水性NMMO中に溶解し、この溶液を充填材と混合し、そしてこの際生じた懸濁物を押出しする。継ぎ目のない筒状フィルムを製造するためには、上記の懸濁物を環状ダイを通して押出しする。この押出しされたフィルムを次いで、水性NMMO溶液(好ましくは、約15重量%濃度の水性NMMO溶液)を含む凝固浴(=紡糸浴)中に移送する。しかしこの際、そのフィルムは、湿潤状態では機械的な負荷に対する許容容量が非常に小さいということも考慮しなければならない。それゆえ、個々の製造段階(紡糸浴、洗浄槽、可塑剤槽、乾燥器など)からフィルムを移送させる装置は、特に静穏に稼働させなければならない。このためには、個々の浴槽の全てのリバースローラーを、非常に細やかな勾配で独立して制御できるように設計しそして追加的に、例えばコンベアベルトまたは水圧式移送管を用いて移送を補助することが好適である。紡糸浴を通過した後、フィルムは更に洗浄浴中に入れ、そこでNMMOの残部を除去する。次いで、更に、可塑剤(好ましくはグリセリン)を含む可塑剤槽にフィルムを通すことが好適である。湿潤状態の筒状フィルムは安定性が低いために、膨らんだ状態で慣用の乾燥方法を直接行うことはできない。膨らましていない状態でのゲル状筒状体の含水量を減少させてから初めて、膨らました状態での最終的な乾燥を行うことができるまでに安定性が高まる。それゆえ、筒状フィルムを、先ずは、膨らましていない状態で温風で予め乾燥することが好適であることが判明した。この実質的に脱水された筒状フィルムを、次いで、所定の最終直径まで膨らまし、そして熱風で所定の最終含水量まで乾燥する。膨らました状態での最終乾燥は避けることはできない。この際生ずる長手及び横方向の伸張によって、重要な性質、例えば強度及び直径不変性が先ず確立される。乾燥器に導通させた場合は、この筒状フィルムは通常は巻き取って回収する。次いで、例えば切断、ひだ付けまたは他の類似法によって更に仕上げすることができる。
【0024】
本発明の筒状フィルムは、詰め物を入れられる状態において、一般的に8〜20重量%、好ましくは10〜18重量%の含水率を有する。
【0025】
本発明の筒状フィルムは、なかでも、人工ソーセージケーシング、特に、小型のソーセージ(Wuerstchen)、小型の焼きソーセージ(Bratwuerstchen)、並びに小径の湯通し済みソーセージ(Bruehwurst)及び調理済みソーセージ(Kochwurst)のためのケーシングに使用される。
【0026】
以下の例は、本発明を説明するためのものである。百分率は特に断りがない限り重量%である。全ての例において、木材パルプは、約550のクオキサム−DP(例1〜7)または約500のクオキサム−DP(例8)を有する、DoMo社製の亜硫酸パルプであるドモ・ディスソルビング( DoMo Dissolving)である。全てのケーシングは、最終の乾燥後に21の口径(Kaliber)を有した。
【実施例】
【0027】
例1
砕木パルプ7.45kgを、NMMO60%及び水40%からなる溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによって、pH値を11に調節した。このスラリーに、含湿カゼイン(乾質40%)7.7kgをい加えた。この含湿カゼインは、予め熱処理した脱脂乳(すなわち70℃より高い温度に加熱したもの)から酸析出させることによって得られたものである。水溶性を減少させるために、このカゼインを、これの重量を基準にして3%のグルタルアルデヒドを用いて予め架橋させた。加えて、安定化剤として、没食子酸プロピル20gを添加した(没食子酸プロピルは、NMMOの分解を阻止する)。次いで、40〜60μmの粒度を有する微細に粉砕した小麦糠3.5kgを上記スラリー中に混ぜ入れた。
【0028】
次いで、溶剤中のNMMO及び水の割合がそれぞれ約87%及び約13%になるまで(NMMO一水和物に相当する)、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に温度を上昇させながら水を留去した。こうして得られた溶液は、1.4887の屈折率及び85℃で2,910Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0029】
このようにして製造された紡糸溶液を、90℃の温度で、20mmの環直径を有する環状口金を通して押出しした。得られたフィルム筒状体は、先ず、長さ10cmの通気区間中を通した。この際、フィルム筒状体の内部に所謂“支持空気”を吹き込むことによってシワが生じないようにした。加えて、筒状体の内部には、5℃に温度調節した15%濃度の水性NMMO溶液を絶えず新鮮なものに置き換えながら内側凝固浴として導入した。外側凝固浴は、同じ組成及び温度の水性NMMO溶液からなる。次いでこの筒状体は、3mの凝固浴区間に通した。この際、半分の距離を過ぎた所で転向させた。紡糸槽の通過後に、平面幅が30mmになるまでこの筒状体を横に伸張した。
【0030】
次いで、上記筒状体を、各々上と下に8つのリバースロールを備えた4つの洗浄槽に通した。この際、槽の深さは2.5mであり、通気区間は0.5mである。最後の槽の終わりには向流で導かれた水を流した。このようにして最初の槽の出口では、NMMO含有率は12〜16%に維持した。温度は、槽から漕へと移動するにつれ高まり、最後の槽では60〜70℃まで上昇した。最後に、60℃に温度調節された10%濃度水性グリセリン溶液を含む可塑剤槽中に筒状体を入れた。このグリセリン槽の通過の際、この筒状体の平面幅はなお20mmであった。次いで、この筒状体を、膨らましていない状態でノズル型乾燥器中で水平に浮かして予備乾燥した。次いで、この筒状体を、膨らました状態で二つのピンチローラー対の間で温風により乾燥した。この乾燥器は、次第に低下する温度を有する複数の区域を有する。この際、乾燥器の入口の所の区域は120℃の温度を有し、出口では80℃の温度を有する。乾燥器を通過した後は、このフィルム筒状体は、筒状体の総重量を基準にして8〜12%の含水量まで加湿した。この筒状体の機械的特性を以下の表に纏めて記す。
【0031】
次いでこの筒状体を、含水率が全重量を基準にして16〜18%になるまで更に加湿し、そしてひだ付けしてひだ付き筒状体(Raupe)とした。このひだ付き筒状体に、自動充填機[(R)FrankMatic(フランクマチック)]を用いてソーセージエマルションを充填し、湯通ししそして薫製した。このケーシングは良好な咀嚼性を有しそして細かく切ることができた。
例2
可塑剤槽が、グリセリンの他、架橋剤(ジアルデヒド−デンプン)も含むことを除き、例1を繰り返した。架橋は乾燥工程中に起こる。その後の仕上げ及び加工は、例1に記載のように行った。
例3
砕木パルプ7.45kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを添加することによって、pH値を11に調節した。このスラリーに、商業的に慣用のゼイン3.3kgを加えた。加えて、安定化剤として、没食子酸プロピル20gを添加した。次いで、微細に粉砕した小麦糠5.3kgをこのスラリーと混合した。
【0032】
その後の工程は、例1と同様に行った。
例4
砕木パルプ5.3kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによってpH値を11に調節した。次いで、このスラリーに商業的に慣用のゼイン2.2kgを加えた。微細に粉砕された小麦糠3kgを充填材としてこのスラリーに混ぜ入れた。更に、安定化剤として没食子酸プロピル20gを加えた。
【0033】
溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで(NMMO一水和物に相当)、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に次第に温度を上昇させながら水を留去した。得られた溶液は、1.4850の屈折率及び85℃で1,090Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0034】
その後のフィルム筒状体の製造工程は例1に記載の通りに行った。
例5
砕木パルプ6.3kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによって、pH値を11に調節した。このスラリーに、商業的に慣用のゼイン2.2kgを加えた。クエン酸で予め架橋した綿短繊維2.0kgを充填材として加えた。更に、没食子酸プロピル20gを安定化剤として加えた。
【0035】
次いで、溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで(NMMO一水和物に相当)、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に温度を次第に上昇させながら水を留去した。得られた溶液は、1.4840の屈折率及び85℃で1,450Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0036】
紡糸、洗浄、乾燥、仕上げ及び加工を再び例1に記載のように行った。
例6
砕木パルプ6.3kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによって、pH値を11に調節した。このスラリーに、商業的に慣用のゼイン2.2kgを加えた。各々1kgの綿短繊維及び粉砕した小麦糠を充填材として上記スラリーに混ぜ入れた。更に、没食子酸プロピル20gを安定化剤として加えた。
【0037】
次いで、溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に次第に温度を上昇させながら水を留去した。得られた溶液は、1.4860の屈折率及び85℃で1,520Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0038】
紡糸、洗浄、乾燥、仕上げ及び加工は例1に記載の通り行った。
例7
砕木パルプ6.3kgを、60%濃度水性NMMO溶液130kg中でスラリー化した。NaOHを加えることによって、pH値を11に調節した。次いで、このスラリーに、商業的に慣用のアルデイン(=ピーナッツタンパク質)3.8kgを加えた。加えて、微細に粉砕した小麦糠1.0kg及び天然のジャガイモデンプン0.5kgを混合した。更に、安定化剤として没食子酸プロピル20gを加えた。
【0039】
溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に次第に温度を上昇させながら水を留去した。得られた溶液は1.4870の屈折率及び85℃で1,830Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。
【0040】
紡糸、洗浄、乾燥、仕上げ及び加工は例1に記載のように行った。
例8
砕木パルプ5.1kgを、60%濃度水性NMMO溶液136kg中でスラリー化した。次いで、NaOHを加えることによってpH値を11に調節した。次いでこのスラリーに、乾燥カゼイン1.3kgを加えた。なお、このカゼインは、水溶性を減少させるために、各々カゼインの重量を基準にして0.03%のトランスグルタミナーゼ及び4%のグルタルアルデヒドを用いて予め架橋したものである。微細に粉砕した小麦糠6kgを充填材として上記スラリーに混ぜ入れた。更に、没食子酸プロピル20gを安定化剤として加えた。
【0041】
溶剤中のNMMOの割合が87%になるまで(NMMO一水和物相当)、加熱及び攪拌下に、25mbarの圧力下に次第に温度を上昇させて水を留去した。得られた溶液は1.4883の屈折率及び85℃で1,300Pa・sのゼロ剪断粘度を有した。紡糸、洗浄、乾燥、仕上げ及び加工は例1に記載の通りに行った。
【0042】
【表1】
Claims (18)
- セルロース、少なくとも一種のタンパク質及び少なくとも一種の充填材を含むことを特徴とする、一緒に食するのに適した食品用包装フィルム。
- セルロースが、約300〜700、好ましくは約400〜650の重合度DP(クオキサム法により測定した重合度)を有することを特徴とする、請求項1の包装フィルム。
- セルロースの割合が、それぞれフィルムの乾燥重量を基準にして20〜70重量%、好ましくは30〜65重量%であることを特徴とする、請求項1または2の包装フィルム。
- タンパク質が、天然由来の球状タンパク質、好ましくはカゼイン、大豆タンパク質、グルテン、ゼイン、アルデインまたはエンドウタンパク質であることを特徴とする、請求項1〜3の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- 少なくとも一種のタンパク質の割合が、それぞれフィルムの乾燥重量を基準にして5〜50重量%、好ましくは8〜45重量%であることを特徴とする、請求項1〜4の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- タンパク質が予め架橋されていることを特徴とする、請求項1〜5の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- タンパク質の予めの架橋が、アルデヒド、メチロール、エポキシド及び/または酵素との反応によって行われることを特徴とする、請求項6の包装フィルム。
- 架橋剤の割合が、それぞれタンパク質の重量を基準にして0.5〜5.0重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%であることを特徴とする、請求項7の包装フィルム。
- 充填材が、有機系の充填材、好ましくは糠、粉砕した天然繊維、綿リンター、キトサン、グアーシード粉、カロブシード粉または微結晶性セルロースであることを特徴とする、請求項1〜8の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- 充填材が、無機系の充填材、好ましくは粉砕した炭酸カルシウムまたは粉末状SiO2であることを特徴とする、請求項1〜8の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- 充填材の割合が、それぞれフィルムの乾燥重量を基準にして3〜60重量%、好ましくは4〜50重量%であることを特徴とする、請求項1〜10の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- 紡糸溶液中に可溶性の親水性添加剤を含むことを特徴とする、請求項1〜11の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- 親水性添加剤が、ホモポリサッカライドまたはそれの誘導体、好ましくはデンプン、酢酸デンプン、キチン、キトサンまたはペクチン、ヘテロポリサッカライドまたはそれの誘導体、好ましくはカラギーナン、キサンタン、アルギン酸またはアルギネート、毒性の面での懸念がない合成ポリマーまたはコポリマー、好ましくはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンオキシドであることを特徴とする、請求項12の包装フィルム。
- 親水性添加剤の割合が、それぞれフィルムの乾燥重量を基準にして0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%であることを特徴とする、請求項12または13の包装フィルム。
- 一次可塑剤及び/または潤滑剤を含むことを特徴とする、請求項1〜14の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- 湿潤状態で3〜12N/mm2、好ましくは4〜8N/mm2の引張り強度、乾燥状態で約15〜50N/mm2、好ましくは20〜45N/mm2の引張り強度を有することを特徴とする、請求項1〜15の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- 継ぎ目のない筒状体の形であることを特徴とする、請求項1〜16の一つまたはそれ以上の包装フィルム。
- 人工のソーセージケーシング、好ましくは小型のソーセージ(Wuerstchen)、小型の焼きソーセージ(Bratwuerstchen)あるいは小径の湯通し済みソーセージ(Bruehwurst)または調理済みソーセージ(Kochwurst)のためのケーシングとして、請求項1〜17の一つまたはそれ以上の包装フィルムを使用する方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE10129539A DE10129539A1 (de) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | Cellulosehaltige, eßbare Folie |
PCT/EP2002/006556 WO2003000060A1 (de) | 2001-06-22 | 2002-06-14 | Cellulosehaltige, kaubare folie |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004530605A true JP2004530605A (ja) | 2004-10-07 |
Family
ID=7688705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003506514A Withdrawn JP2004530605A (ja) | 2001-06-22 | 2002-06-14 | セルロース含有咀嚼性フィルム |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20040166209A1 (ja) |
EP (1) | EP1404183B1 (ja) |
JP (1) | JP2004530605A (ja) |
AT (1) | ATE446680T1 (ja) |
DE (2) | DE10129539A1 (ja) |
RU (1) | RU2294105C2 (ja) |
WO (1) | WO2003000060A1 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10231810A1 (de) * | 2002-07-15 | 2004-02-05 | Kalle Gmbh & Co. Kg | Schlauchförmige, essbare Nahrungsmittelhülle, hergestellt nach dem Aminoxidverfahren |
DE10248332A1 (de) * | 2002-10-17 | 2004-04-29 | Kalle Gmbh & Co. Kg | Nahtloser Folienschlauch, Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung eines nahtlosen Folienschlauches |
DE10258679A1 (de) * | 2002-12-13 | 2004-06-24 | Kalle Gmbh & Co. Kg | Spinnmasse für die Herstellung von eßbaren Nahrungsmittelhüllen |
DE102005032241A1 (de) * | 2005-07-09 | 2007-01-11 | Kalle Gmbh | Nahrungsmittelhülle auf Basis von Cellulosehydrat mit einer Kollagen-Fibrillen und Gelatine enthaltenden Beschichtung |
DE102007019650A1 (de) | 2007-04-26 | 2008-10-30 | Kalle Gmbh | Nahrungsmittelhülle aus einer Lösung von Cellulose in einer ionischen Flüssigkeit und ihre Verwendung |
ITMI20081450A1 (it) * | 2008-08-04 | 2010-02-05 | Biofarmitalia Spa | Pellicola solida a rapida dissoluzione nei liquidi |
DE102008036850A1 (de) | 2008-08-07 | 2010-02-11 | Kalle Gmbh | Eßbare Nahrungsmittelhülle auf Basis von Proteinen und Verfahren zu deren Herstellung |
US10136656B2 (en) | 2010-10-01 | 2018-11-27 | The Hillshire Brands Company | Systems and methods for providing a food product with additives |
GB0907323D0 (en) * | 2009-04-29 | 2009-06-10 | Dynea Oy | Composite material comprising crosslinkable resin of proteinous material |
CN102696737B (zh) * | 2012-07-10 | 2014-04-30 | 兰州亚成生物科技股份有限公司 | 可食玉米蛋白肠衣的制备方法 |
US9380804B2 (en) | 2012-07-12 | 2016-07-05 | The Hillshire Brands Company | Systems and methods for food product extrusion |
CN103283937B (zh) * | 2013-04-26 | 2014-09-24 | 中国国旅贸易有限责任公司 | 一种肠衣膜及其制备方法 |
CN104210162B (zh) * | 2014-08-26 | 2016-05-04 | 华南理工大学 | 一种高度疏水可食用膜的制备方法 |
CN106472648B (zh) * | 2016-10-07 | 2017-10-03 | 邯郸帝科胶原蛋白肠衣有限公司 | 一种可食性胶原蛋白肠衣及其制备方法 |
CN109320786A (zh) * | 2016-12-11 | 2019-02-12 | 金福珍 | 一种食用菌包装材料 |
CN109935757B (zh) * | 2018-11-28 | 2021-09-07 | 万向一二三股份公司 | 一种复合锂离子电池隔膜的制备方法 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2338916A (en) * | 1937-03-02 | 1944-01-11 | Ferretti Antonio | Embodiment in the process for manufacturing artificial textile fibers from animal casein |
NL64835C (ja) * | 1939-03-30 | |||
GB1086604A (en) * | 1966-04-01 | 1967-10-11 | Tee Pak Inc | Dry sausage casing |
US3833022A (en) * | 1972-07-24 | 1974-09-03 | Tee Pak Inc | Matte finish sausage casing |
US4246221A (en) * | 1979-03-02 | 1981-01-20 | Akzona Incorporated | Process for shaped cellulose article prepared from a solution containing cellulose dissolved in a tertiary amine N-oxide solvent |
DE3711712A1 (de) * | 1987-04-07 | 1988-10-27 | Hoechst Ag | Lebensmittelhuelle auf basis von cellulose mit vernetzten eiweissverbindungen |
US5412005A (en) * | 1991-05-03 | 1995-05-02 | Novamont S.P.A. | Biodegradable polymeric compositions based on starch and thermoplastic polymers |
DE4438961A1 (de) * | 1994-10-31 | 1996-05-02 | Hoechst Ag | Wursthüllen aus thermoplastischer Stärke und Verfahren zu deren Herstellung |
DE19607953A1 (de) * | 1996-03-01 | 1997-09-04 | Kalle Nalo Gmbh | Nach dem Aminoxidverfahren hergestellte Nahrungsmittelhüllen auf Cellulosebasis |
DE19637621A1 (de) * | 1996-09-16 | 1998-03-19 | Kalle Nalo Gmbh | Cellulose-gebundenes Faservlies und Verfahren zu dessen Herstellung |
US6395356B1 (en) * | 1997-05-14 | 2002-05-28 | Teepak Properties, Llc | Food casings having modified release properties and methods of manufacture |
DE19737113A1 (de) * | 1997-08-27 | 1999-03-04 | Kalle Nalo Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung eines nahtlosen Folienschlauches auf Cellulosebasis durch Extrudieren |
US6106763A (en) * | 1997-11-20 | 2000-08-22 | Institute Of Chemical Fibres | Process for producing cellulosic mouldings |
-
2001
- 2001-06-22 DE DE10129539A patent/DE10129539A1/de not_active Withdrawn
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2003506514A patent/JP2004530605A/ja not_active Withdrawn
- 2002-06-14 RU RU2004101607/13A patent/RU2294105C2/ru not_active IP Right Cessation
- 2002-06-14 DE DE50213962T patent/DE50213962D1/de not_active Expired - Lifetime
- 2002-06-14 EP EP02751028A patent/EP1404183B1/de not_active Expired - Lifetime
- 2002-06-14 WO PCT/EP2002/006556 patent/WO2003000060A1/de active Application Filing
- 2002-06-14 US US10/481,182 patent/US20040166209A1/en not_active Abandoned
- 2002-06-14 AT AT02751028T patent/ATE446680T1/de active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
RU2294105C2 (ru) | 2007-02-27 |
RU2004101607A (ru) | 2005-06-27 |
ATE446680T1 (de) | 2009-11-15 |
WO2003000060A1 (de) | 2003-01-03 |
DE50213962D1 (de) | 2009-12-10 |
EP1404183B1 (de) | 2009-10-28 |
EP1404183A1 (de) | 2004-04-07 |
US20040166209A1 (en) | 2004-08-26 |
DE10129539A1 (de) | 2003-01-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004530605A (ja) | セルロース含有咀嚼性フィルム | |
US6902783B1 (en) | Edible molded bodies, especially flat and flexible tubular films | |
JP3696305B2 (ja) | 熱可塑性デンプンからなるソーセージケーシングおよびその製造法 | |
US7838094B2 (en) | Smoke permeable food casing based on polyamide and water soluble polymers | |
US7976942B2 (en) | Smoke-and steam-permeable food skin made from a thermoplastic mixture with a natural appearance | |
US20020064580A1 (en) | Cellulose-based food casings | |
US3682661A (en) | Edible vegetable protein casing | |
JPS63235599A (ja) | 強化セルロースアミノメタネート | |
CA1067336A (en) | Collagen compositions and the method of preparing the same | |
US20060153953A1 (en) | Method and device for producing a seamless edible cellulose casing | |
JPS63269941A (ja) | チユーブ状食品包装材、その製法及び合成ソーセージケーシング | |
JPH08501698A (ja) | 高湿潤コラーゲンケーシング | |
US5295514A (en) | Cellulose aminomethanate sausage casings | |
CN116584525A (zh) | 可食用的膜 | |
US20190230942A1 (en) | Smoke- and water vapour-permeable food casing with optimized bonding properties | |
US2802745A (en) | Method of producing artificial sausage casings and product produced thereby | |
WO2004058862A1 (de) | Essbare flachfolie | |
US5811162A (en) | Sheet-like or tubular food casing based on cellulose hydrate | |
US4154857A (en) | Collagen dewatering with polysaccharides | |
US20130344265A1 (en) | Biopolymer-based flexible-tube type food casing with internal impregnation | |
WO2004054372A2 (de) | Spinnmasse für die herstellung von essbaren nahrungsmittelhüllen | |
US4096282A (en) | Collagen compositions | |
US6699542B2 (en) | Tubular films formed from cellulose/protein blends | |
US20040091586A1 (en) | Cellulose-hydrate-containing food casing with vinylpyrrolidone polymers | |
US20080220128A1 (en) | Food Casing Based on Cellulose Hydrate with a Coating Containing Collagen Fibrils and Gelatin |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050906 |