JP2004530060A - 木材パルプから成る製品ウェブを結合する方法 - Google Patents

Abstract

フリースを木材パルプから湿式の工程で製作することは知られている。これはボード、紙のような手触りを有している。衛生産業において液体を受容するために望まれて有利に使用される木材パルプ繊維はそれゆえ常に担体エレメントとしての化学繊維と混合され、それにより十分な強度を備えたウェブを作り出していた。本発明は、純粋な木材パルプフリースを水で交絡することを提案し、これにより、柔軟な手触りと高い吸水性とを備えた、結合された組織を提供する。

Description

【技術分野】
【０００１】
欧州特許出願公開第０３５９６１５号明細書により、木材パルプのようなセルロース繊維だけから成る製品ウェブを形成する方法が公知であって、木材パルプは湿式の工程で形成され、その後で単に乾燥される。繊維を重ねて合わせて絡ませるという意味での結合はここでは実施されない。
【０００２】
ウエットレイドされたエンドレスフィラメント（長繊維）から成る製品ウェブ上に、９０％までの木材パルプにステープルファイバ（短繊維）を混合した別の層が付与されることにより、より強く結合された製品ウェブを製作する方法が欧州特許出願公開第０３０８３２０号明細書により公知である。両者は共にその後で結合のためにハイドロダイナミック式、つまり流体力学的に交絡される。
【０００３】
同様の方法が欧州特許出願公開第０３７３９７４号明細書に開示されており、それによれば、やはりウエットレイドされた、８０％までの木材パルプから成るウェブが、今度はステープルファイバから成るウェブと共にハイドロダイナミック式に交絡される。この種の複合材料は確かにより高い強度を有しているものの、液体を受容する容量は満足に足るものではない。
【０００４】
乾式の工程でこの複合材料を形成することがやはり公知である。このために、エンドレスファイバとの関連で欧州特許出願公開第０４９２５５４号明細書には、９０％までのセルロース含有量がエンドレスファイバと水流交絡されることが記載されている。
【０００５】
これに対して、アメリカ合衆国特許第６１１０８４８号明細書は、９０％までの厚い木材パルプ層が、３０〜１００ｍｍのカーディングされたステープルファイバから成るフリースの下地を有している場合に、複合材料を有利なものと見なしている。この種のステープルファイバから成る第３のフリースを、木材パルプ層を中央に挟み込むようにしてその上面に付与することで、複合材料は完体となり得る。全てが一緒にハイドロダイナミック式に結合されるべきである。
【０００６】
この種の複合材料は幾つかの使用事例では有利であるけれども、必要と見なされる人造繊維は水分を全く受容しないので、やはり十分な強度を有する別の製品が希求される。
【０００７】
したがって本発明の課題は、フリースをその都度の使用事例に使用可能であることを保証する、最大で可能な液体受容能力と付加的に十分な強度とを有するフリースを製作する方法を提供することである。
【０００８】
いずれにせよ、木材パルプから成るフリースが、乾式の形成方法、例えばエアレイ法（Ｌｕｆｔｌｅｇｅｖｅｒｆａｈｒｅｎ）に従って、乾いた状態でエンドレスベルト上に載置され、いつも通りに吸い出し通風によりエンドレスベルト上で圧縮されるべきであるのは確かである。その後で純粋な木材パルプウェブ、つまり１００％木材パルプ繊維から成る製品ウェブは、結合のためにハイドロダイナミック式の交絡によってのみ負荷されて、引き続き乾燥されるべきである。
【０００９】
試行条件として、最初に木材パルプ繊維を湿らせることが２つのエンドレスベルトの間で１０バールの水圧によって設定される。その後で、本来の、結合するための交絡が片面または両面で、僅か２０バールの水圧でもって実施される。この水圧は高すぎに設定されるべきではなく、有利なのは１５〜４０バールの圧力である。交絡時の、流出のために選択されるスクリーン（Ｓｉｅｂ）は、パルプ損失を抑制するために、１０％程度の空隙を備えた面によって低い透過性を有しているべきである。
【００１０】
意外にも、水流交絡時に恐れられる木材パルプ損失がこの条件によれば大きな意味をなさないことが判明した。木材パルプ損失はすなわち国際公開第０１／１４６２４号パンフレットの対象であって、ここでは、化学繊維からなる担体層の隣に、木材パルプ繊維を化学繊維担体層の上に付与する前に、最初にメルトブローン繊維から成る層が、後続のハイドロダイナミック式の結合時の木材パルプ損失を軽減するために付与される。
【００１１】
木材パルプ繊維は１〜５ｍｍの長さを有している。この長さは木、植物の種類に依存している。ここで有利なフリースはいずれにしても種々異なる長さの繊維を有しているべきであって、有利には５ｍｍより長い繊維も有しているべきである。意外にも、この極めて短い繊維長でも水噴流結合法によってランダムに絡ませられることが判明し、このことは、すべての次元で結合されたフリースを生ぜしめることができる。
【００１２】
湿った、結合された木材パルプは乾燥前に結合剤を吹き付けられることができ、それに引き続いてすぐに乾燥させられる。
【００１３】
もちろん、木材パルプウェブは水流交絡の前または後に別の繊維と混合されてもよいし、またはステープルファイバまたはエンドレスファイバまたは天然繊維のような別の繊維から成る別のウェブと結合されてもよい。

Claims (6)

1. 乾式の形成方法、例えばエアレイ法に従って乾式にエンドレスベルト上に載置される、木材パルプから成る製品ウェブを結合する方法において、純粋な木材パルプウェブ、つまり１００％木材パルプ繊維から成る製品ウェブを、結合のためにハイドロダイナミック式の交絡でもって負荷し、その後、単に乾燥させることを特徴とする、木材パルプから成る製品ウェブを結合する方法。
2. 木材パルプ層を最初に湿らせて、その後、１５〜５０バールの水圧で交絡する、請求項１記載の方法。
3. 乾燥前に、つまり水流交絡後に、結合されたパルプウェブに結合剤をウェット・オン・ウェット式に吹き付ける、請求項１または２記載の方法。
4. 結合したい木材パルプウェブに、ステープルファイバまたはエンドレスファイバ場合によっては有利にはバイコンポーネント・ファイバまたは天然繊維の微量な成分を混合する、請求項１から３までのいずれか１項記載の方法。
5. 上記成分を別個の層として、木材パルプウェブの上または下に載置する、請求項４記載の方法。
6. 木材パルプウェブを、場合によっては付加的に前記成分と一緒に水流交絡する、請求項４または５記載の方法。