JP2004529916A - パーキンソン病の治療において神経栄養活性化合物と組み合わせたアデノシンa2aレセプターアンタゴニスト - Google Patents
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Abstract
本発明は、パーキンソン病の治療に神経栄養活性を有する化合物とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの組み合わせ作用を使用する方法に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキンソン病の治療に神経栄養活性を有する化合物とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの組み合わせ作用を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は世界中で約400万人が患う運動能力の進行性悪化によって特徴づけられる神経変性疾患である。パーキンソン病患者は動作を開始するのが更に困難になり、腕及び肢の硬直並びに震えが増すことに悩まされている。パーキンソン病の特定の原因は知られていないが、この疾患は動作の連携に係わっていると信じられている黒質として知られている脳の領域で特定のドパミン含有ニューロンが変性することに関係があると示されてきた。
【0003】
治療法の1つとして単独で又はたとえばドパミンアゴニストとの組み合わせるL−DOPA治療がある。しかし、L−DOPA治療後3〜5年で、不本意の運動障害(ジスキネジー)が現れる。
【0004】
別の治療法はモノアミン再取り込み阻害剤(たとえばドパミン再取り込み阻害剤)の使用であり、それによってシナプス間隙で存在するドパミンレベルは増加する。
【0005】
他の可能な治療は、病変した及び損傷したニューロンに神経保護及び(又は)神経変性作用を与える神経栄養化合物を使用することである。
【0006】
提案されたまた別の治療は、増加したドパミン作動性活性をもたらすアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの使用である。さらに、アデノシンA2Aレセプター及びその神経保護への関連は議論されてきた(Ongini, E.等(1977) Adenosine A2Areceptors and neuroprotection, Ann NY Acad Sci 825:30-48)。
【0007】
パーキンソン病の患者の治療により少ない副作用でより選択的かつ有効な治療の開発に対して強い興味が相変わらずある。
【0008】
発明の要旨
本発明者は、本発明によれば神経栄養活性を有する化合物をアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストと組み合わせた作用がパーキンソン病の治療に有利に使用することができることを見出した。
【0009】
したがって、その第一の観点で、本発明は神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の治療上有効な量を薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤少なくとも1個と共に含有する薬学的調合物に関する。
【0010】
もう一つの観点で、本発明はパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用される薬剤を製造するために神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個を使用する方法に関する。
【0011】
その原理は迅速な開始作用(アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの作用)と長期間の有効な主作用(神経栄養活性)との組み合わせである。したがってアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストは疾患の症状を軽減し(ドパミン作動性活性を増加させることによって)、一方神経栄養活性が疾患の原因(ニューロンを変性する)を、疾患の進行の遅延によってか又は逆行によって処置する。
【0012】
本発明の他の目的は下記の詳細な説明及び実施例から当業者に明らかである。
【0013】
発明の詳細な説明
第一の観点で、本発明はパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用される薬剤を製造するために神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個を使用する方法を提供する。
【0014】
第二の観点で、本発明は神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の治療上有効な量を薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤少なくとも1個と共に含有する薬学的調合物を提供する。
【0015】
第三の観点で、本発明は治療用剤として使用される、神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の組み合わせ物を提供する。
【0016】
別の観点で、本発明はパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減方法において、この方法が神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の治療上有効な組み合わせ物を上記患者に投与することを特徴とする、上記方法を提供する。
【0017】
また別の観点で、本発明は神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個から成るパーツを含むキットを提供する。
【0018】
1つの実施態様において、アデノシンA2AレセプターアンタゴニストはKW−6002,ZM−241385、8FB−PTP、SCH−58261、KF−17837、CGS−15943、DMPX及びそれらの薬学的に許容し得る塩から選ばれる。
【0019】
第二の実施態様において、神経栄養活性を有する化合物は、
5−(4−クロロフェニル)−8−メチル−6.7.8.9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]イソキノリン−2,3−ジオン−3−オキシム;
5−(4−クロロフェニル)−6.7.8.9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]ナフタレン−2,3−ジオン−3−オキシム;
GDNF;
ニューブラスチン
及びそれらの薬学的に許容し得る塩より成る群から選ばれた化合物である。
【0020】
具体的な実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はGDNFであり、アデノシンA2AレセプターアンタゴニストがSCH−58261である。別の具体的な実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はGDNFであり、アデノシンA2AレセプターアンタゴニストはKF−17837である。
【0021】
別の実施態様において、上記の薬学的調合物は神経変性状態の治療、予防又は軽減に使用される。また別の実施態様において、上記の薬学的調合物はパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用される。
【0022】
本発明にしたがって治療される患者はこのような治療を必要とする生体、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトである。
【0023】
ここに記載された実施態様の2つ以上のすべての可能な組み合わせは本発明の範囲内である。
【0024】
神経栄養活性を有する化合物
生体内神経栄養因子、たとえば神経発育因子(NGF)、脳に由来する神経栄養因子(BNDF)、ヒフ発育因子(EGF)、基礎型(basic)線維芽細胞発育因子(bFGF又はFGF2)、NT3/4、ニュールチュリン(neurturin) (NTN)、ニューブラスチン/アーテミン、パーセフィン(persephin) 及びグリア細胞系に由来する神経栄養因子(GDNF)は成長及び成人期の間、多くの末梢及び中枢神経系ニューロンの分化(differentiation)、発育及び生存を促進する。
【0025】
本発明において、神経栄養活性を有する化合物は1種以上の内因性神経栄養因子の機能を擬似するか又は増加させる化合物である。ある実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はNGF、BDNF及び(又は)GDNFの機能を擬似するか又は増加させる化合物である。別の実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はbFGF及び(又は)EGFの機能を擬似するか又は増加させる化合物である。特定の実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はNGFの機能を擬似するか又は増加させる化合物である。神経栄養活性は発育因子とそのレセプターの相互作用での又は発育因子シグナルトランスダクション経路での特異的段階にあるとされていなかった。
【0026】
神経栄養活性を有する化合物として作用する一定の化合物の潜在能力(potential) を、標準インビトロ結合アッセイ及び(又は)標準インビボ機能テスト、たとえば“テスト法”に記載された方法を用いて測定することができる。
【0027】
1つの実施態様において、1μMで神経栄養活性を有する化合物は、PC12細胞生存アッセイ(方法2)でテストした場合、3nM NGFの作用に対して10%より多く(より好ましくは20%より多く、そして最も好ましくは30%より多く)示す。
【0028】
第二の実施態様において、1μMで神経栄養活性を有する化合物は、胎生ラット(Embryonic rat) ドパミン作動性ニューロンの生存(方法3)でテストした場合、10ng/mlGDNFの作用に対して10%より多く(より好ましくは20%より多く、そして最も 好ましくは30%より多く)示す。
【0029】
具体的な実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストでない。
【0030】
別の実施態様において、神経栄養活性を有する化合物及びアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストは同一化合物でない。
【0031】
本発明にしたがって使用される神経活性を有する化合物は国際特許出願(WO)第98/07705号明細書(Takeda Chem Ind Ltd)、国際特許出願(WO)第00/34262号明細書(Takeda Chem Ind Ltd)、国際特許出願(WO)第00/32197号明細書(Alcon Lab Inc)、国際特許出願(WO)第97/40035号明細書(NeuroSearch)、国際特許出願(WO)第00/43397号明細書(NeuroSearch)、国際特許出願PCT/DK01/000449号明細書(NeuroSearch)、特開2002−26388号公報(Takeda Chem Ind Ltd)、国際特許出願(WO)第00/32197号明細書(Alcon Lab Inc)及び国際特許出願(WO)第00/46222号明細書(Schering AG)に記載されている物質を含む。
【0032】
本発明の神経栄養活性を有する化合物の別の例は、1−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−1,3−ベンゾジオキソル「4,5−」イソキノリン−7−オン(Takeda) 、2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−イソインドリン(Takeda) 、4−アリル−1−フェニルアルキル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(Sanofi-Synthelabo)、SR57746A又は1−(2−ナフト−2−イル)エチル−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(Sanofi-Synthelabo)、AIT−082(Neo Therapeutics) 、NIL−A(Amgen Inc)、K−252a(Cephalon)、CEP1347、GPI−1046(Guilford)、CTQ3、CTQ5及びCTQ8(Centre de Neurochimie du CNRS)、V−10,367及びV−13,661(Vertex Pharmaceuticals Inc)、ABS 205(American Biogenic Sciences) 、Dexanabinol又はHU−211(Pharmos)、又はその塩、遊離塩基、ラセミ化合物又はエナンチオマーを含む。
【0033】
神経栄養活性を有する化合物の上記例は、請求項に記載される本発明の範囲に何ら限定を与えることを意図するものではない。
【0034】
アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト
本発明の範囲で、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストはキサンチンを主体とする同族体及び非キサンチンを主体とする同族体を含む。
【0035】
アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの例は、KW−6002(Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd),ZM−241385,8FB−PTP,SCH−58261、KF−17837、CGS−15943、DMPX、8−(m−クロロスチリル)−DMPX、8−(m−ブロモスチリル)−DMPX(又はBS−DMPX)、8−(3,4−ジメトキシスチリル)−DMPXを含む。
【0036】
アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストとして作用する特定の化合物の潜在能力(potential) を、標準インビトロ結合アッセイ及び(又は)標準インビボ機能テスト、たとえば“テスト法”に記載された方法を用いて測定することができる。
【0037】
1つの実施態様において、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストは3H−ZM 241385結合のインビトロ阻害でテストした場合(方法7a)、10μMより小さい、好ましくは1μMより小さい、そして最も好ましくは0.1μMより小さいIC50値を示す。
【0038】
アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの上記例は、請求項に記載された本発明の範囲に何ら限定を与えることを意図するものではない。
【0039】
薬学的に許容し得る塩
本発明の化合物を、意図される投与に適するすべての形態で提供することができる。適する形態は薬学的に(すなわち生理学的に)許容し得る塩及び本発明の化合物のプレドラッグ形及びプロドラッグ形を含む。
【0040】
薬学的に許容し得る付加塩の例としては、以下のものに限定されないが、非毒性無機- 及び有機酸付加塩、たとえば塩酸に由来する塩酸塩、臭化水素酸に由来する臭化水素酸塩、硝酸に由来する硝酸塩、過塩素酸に由来する過塩素酸塩、リン酸に由来するリン酸塩、硫酸に由来する硫酸塩、ギ酸に由来するギ酸塩、酢酸に由来する酢酸塩、アコニチン酸に由来するアコニチン酸塩、アスコルビン酸に由来するアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸に由来するベンゼンスルホン酸塩、安息香酸に由来する安息香酸塩、ケイヒ酸に由来するケイヒ酸塩、クエン酸に由来するクエン酸塩、エンボン酸(embonic acid)に由来するエンボン酸塩、エナンチン酸(enanthic acid) に由来するエナンチン酸塩、フマル酸に由来するフマル酸塩、グルタミン酸に由来するグルタミン酸塩、グリコール酸に由来するグリコール酸塩、乳酸に由来する乳酸塩、マレイン酸に由来するマレイン酸塩、マロン酸に由来するマロン酸塩、マンデル酸に由来するマンデル酸塩、メタンスルホン酸に由来するメタンスルホン酸塩、ナフタレン-2- スルホン酸に由来するナフタレン-2- スルホン酸塩、フタル酸に由来するフタル酸塩、サリチル酸に由来するサリチル酸塩、ソルビン酸に由来するソルビン酸塩、ステアリン酸に由来するステアリン酸塩、コハク酸に由来するコハク酸塩、酒石酸に由来する酒石酸塩、トルエン-p- スルホン酸に由来するトルエン-p- スルホン酸塩を含む。この様な塩は技術上公知の方法及びで製造することができる。
【0041】
他の酸、たとえばシュウ酸──これ自体、薬学的に許容されない──は、本発明の化合物及びその薬学的に許容し得る酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の製造に適している。
【0042】
本発明に使用される本発明の有効化合物の金属塩はアルカリ金属塩、たとえばカルボキシ基を含有する本発明に使用される有効化合物のナトリウム塩を含む。
【0043】
本発明の範囲いおいて、N−含有化合物の“オニウム塩”も薬学的に許容し得る塩として考慮される。好ましい“オニウム塩”はアルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩を含む。
【0044】
本発明の有効化合物は薬学的に許容し得る溶剤、たとえば水、エタノール等々と共に溶解可能な形又は溶解不可能な形で提供されてよい。溶解可能な形はまた水和形、たとえば一水和物、二水和物、ヘミ水和物、三水和物、四水和物等々を包含することができる。一般に、溶解可能な形は本発明の目的にとって溶解不可能な形に相当するものと考えられる。
【0045】
薬学的調合物
本発明の有効化合物を治療で使用するにあたり、そのまま化合物として投与することもできるが、有効成分を場合により生理学的に許容し得る塩の形で、1種以上の佐剤、賦形剤、希釈剤、緩衝剤、及び(又は)その他の慣用の薬学的助剤と共に薬学的調合物の形で提供するが好ましい。
【0046】
本発明により使用される有効化合物は別々に又は組み合わせて投与することができる。本発明により使用される薬学的調合物は別々に又は組み合わせて使用される有効化合物を含有することができる。
【0047】
1つの具体例において、本発明は、更に本発明の有効化合物又はその薬学的に許容し得る塩又は誘導体を薬学的に許容し得るキャリヤー1種以上及び場合により他の治療及び(又は)予防成分(これは当該技術上周知であり、使用されている。)と共に含有する薬剤を提供する。このキャリヤーは、製剤中の他の成分と適合しかつこれが投与される患者に有害でないという意味で“許容し得”なければならない。
【0048】
本発明の薬学的調合物は経口、直腸、鼻腔、局所(バッカル及び舌下を含めて)、経皮、膣又は腸管外(皮膚−、皮下−、筋肉内−、腹腔内−、静脈内−、動脈内−、脳内−、眼内注射又は注入)投与に適するものであるか、あるいは粉末及び液体エアゾール投与を含む吸入又はガス注入による又は徐放システムによる投与に適する形のものであってよい。徐放システムの適当な例は、本発明の化合物を含有する固形疎水性ポリマーの半透過性マトリックス────そのマトリックスは製品の形で、たとえばフィルム又はマイクロカプセルであってよい────を含む。
【0049】
通常の佐薬、キャリヤー又は希釈剤と共に、本発明の有効化合物を、薬学的調合物の形及びその単位投薬形とすることができる。このような形態は固体、特に錠剤又は充填カプセル、又は液体、たとえば溶液、懸濁液、エマルジョンン、エリキシル又はこれによって充填されたカプセル、経口使用するためのすべての形で、直腸投与用座剤の形で又は非経口用滅菌注射溶液の形で使用する。この様な薬学的調合物及びその単位投薬形は通常の成分を通常の割合で、別の有効物質又は成分の存在下又は不存在下に含有し、この様な単位投薬形は、有効成分の適する有効量を、使用される、計画された一日投薬範囲に相応して含有することができる。
【0050】
本発明の有効化合物を、多種の経口及び非経口投薬形で投与することができる。下記の投薬形は、有効成分として本発明の化合物又は本発明の化学物の薬学的に許容し得る塩のどちらかを含有してよいことは当業者に明らかである。
【0051】
本発明の有効化合物から薬学的調合物を製造することに関して薬学的に許容し得るキャリヤーは固体又は液体のどちらかである。固形薬剤として粉末、錠剤、丸薬、カプセル、カッシェ、坐剤及び分散可能な顆粒が挙げられる。固体キャリヤーは、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤又はカプセル化材料として作用してもよい物質1種又はそれ以上であることができる。
【0052】
粉末中に、キャリヤーは微粉砕された固体であって、これは微粉砕された有効成分との混合物中にある。
【0053】
錠剤中に、有効成分は適する割合で必要な結合容量を有するキャリヤーと混合され、所望の形態と大きさに圧縮される。
【0054】
粉末及び錠剤は有効物質約5又は10〜約70%を含有する。適するキャリヤーは炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、でんぷん、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ロウ、カカオバター等々である。“製造”なる言葉は、キャリヤー含有又は不含で有効物質を有効物質と関連するキャリヤーによって含有するカプセルを供給するキャリヤーとしてカプセル化材料を用いる有効物質の調製を含む。同様にカッシェ及びロゼンジも含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸薬、カッシェ及びロゼンジを経口投与に適する固形で使用することができる。
【0055】
座剤を製造するために、低融点ロウ、たとえば脂肪酸グリセリド又はカカオバターの混合物を先ず融解し、有効成分をこれ中に均一に攪拌によって分散する。次いで融解された均一な混合物を通常のサイズの型に注ぎ、冷却し、それによって固化する。
【0056】
膣投与に適する製剤を、有効成分に加えて従来公知の適するキャリヤーを含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーとして製造する。
【0057】
液剤としては、溶液、懸濁液及びエマルジョン、たとえば水又は水- プロピレングリコール溶液が挙げられる。たとえば非経口注射液剤をポリエチレングリコール水溶液中の溶液として調製することができる。
【0058】
本発明の有効化合物を非経口投与(たとえば注射、たとえばボルス注射液又は連続注入による)のために調製し、そして単位投薬形でアンプル、前もって充填された注射器、少量の注入剤中に又は多様な投薬容器中に添加される保存剤と共に存在する。製剤を油状又は水性賦形剤中の懸濁液、溶液又はエマルジョンとなし、調製剤、たとえば懸濁剤、安定剤及び(又は)分散剤を含有する。あるいは有効成分は、無菌固体の無菌単離によって又は使用前に適する賦形剤、たとえば発熱性物質不含無菌水を溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形であってよい。
【0059】
経口使用に適する水溶液を、水中に有効成分を溶解し、所望に応じて適する着色剤、風味剤、安定剤及び増粘剤を加えて製造することができる。
【0060】
経口使用に適する水性懸濁液を、微粉砕された有効成分を水中で粘性物質、たとえば天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、又は他のよく知られた懸濁液と共に懸濁化することによって製造することができる。
【0061】
使用する少し前に、経口投与のために液状形製剤に変えられる固形製剤も挙げられる。この様な液状形として溶液、懸濁液及びエマルジョンが挙げられる。これらの製剤は、有効成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝物質、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等々を含有する。
【0062】
表皮への局所投与のために、本発明の化合物を軟膏、クリーム又はローションとして又は経皮吸収パッチとして調製する。軟膏及びクリームをたとえば適する増粘剤及び(又は)ゲル化剤の添加して水性又は油性ベースを用いて調製する。ローションを水性又は油性ベースを用いて調製し、これは一般に1種又はそれ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、又は着色剤を含有する。
【0063】
口中での局所投与に呈する薬剤としては風味ベース、通常ショ糖及びアカシア又はトラガント中に有効成分を含有するロゼンジ、不活性ベース、たとえばゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシア中に有効成分を含有するパスチル、及び適する液体キャリヤー中に有効成分を含有する洗口剤が挙げられる。
【0064】
溶液又は懸濁液を鼻腔に通常の手段、たとえば点滴器、ピペット又はスプレーによって直接に投与する。薬剤は単一又は多様- 投薬形で供給される。
【0065】
呼吸器官への投与はエアゾール製剤によって達成される。このエアゾール中に有効成分を適する噴射剤、たとえばクロロフルオロカーボン(CFC)、たとえばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン又はジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適するガスで加圧パックして供給する。エアゾールはまた界面活性剤、たとえばレシチンを通常含有する。薬剤の投薬量は計量バルブの供給によって調節される。
【0066】
あるいは有効成分を、乾燥粉末の形でたとえば適する粉末ベース、たとえば乳糖、でんぷん、でんぷん誘導体、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)中の化合物の粉末混合物の形で供給する。通常、粉末キャリヤーは鼻腔内でゲルを形成する。粉末製剤は、単位投薬形の形で、たとえばゼラチンのカプセル又はカードリッジ、又は発泡パックの形で存在し、これから粉末を吸入器によって投与する。
【0067】
呼吸器官への投与を意図する製剤(鼻腔製剤を含む)中で、化合物はたとえば5ミクロン又はそれ以下の大きさの小粒サイズを一般に有する。この様な粒子サイズは従来公知の方法、たとえば微粒子への細砕化によって得られる。
【0068】
所望の場合、有効成分の徐放を付与する適した製剤を使用する。
【0069】
薬学的調合物は、単位投薬形であるのが好ましい。この様な形で、薬剤を有効成分の適する量を含有する単位投薬形に再分割する。単位投薬形は、包装された薬剤、薬剤の別々の量を含有するパッケージ、たとえば包装された錠剤、カプセル、及び小瓶又はアンプル中の粉末であってよい。単位投薬形はまたカプセル、錠剤、カッシェ又はロゼンジそれ自体であるか又は包装された形でこれらのいずれかの適する数であってもよい。
【0070】
経口投与用錠剤又はカプセル及び静脈内投与用液体及び連続注入剤が好ましい製剤である。
【0071】
製剤及び投与方法に関する更に詳しい説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.,Easton,PA)の最新版中に見出される。
【0072】
本発明の薬学的調合物は、好ましくはパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用するためのものである。
【0073】
実際の薬用量は治療される疾患の性質及び過酷さ及び投与経路に依存し、更にその量は医師の裁量にまかされており、所望の治療効果を生じるために本発明の特定の状況に薬用量を適合させることによって変化させることができる。単一投薬量あたり有効成分約0.01〜約500mg、好ましくは約0.1〜約100mg、最も好ましくは約1〜約10mgを含有する調合物が治療的処置に適当であると現在考えられている。
【0074】
有効成分を、1日1回又は数回の薬用量で投与することができる。満足のいく結果は、ある場合、0.1μg/kg(静脈内)及び1μg/kg(腹腔内)ほどの低い薬用量で得ることができる。薬用量範囲の上限は約10mg/kg(静脈内)及び100mg/kg(腹腔内)であると現在見なされる。好ましい範囲は、一日あたり約0.1μg/kg〜約10mg/kg(静脈内)及び約1μg/kg〜約100mg/kg(腹腔内)である。
【0075】
本発明の薬学的調合物はパーキンソン病の治療、予防又は軽減に有用な付加的な薬物1個以上と組み合わせて含むか又は使用するか又は投与することができる。このような付加的な薬物は、L−DOPA[場合によりデカルボキシラーゼ阻害剤(たとえばカルビドーパ(carbidopa) )又はCOMT阻害剤(たとえばエンタカポン(entacapone))との組み合わせで]、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤(たとえばセレギリン(selegiline)),ドパミンアゴニスト[たとえばブロモクリプチン(bromocriptine) 、ペルゴリド(pergolide) 、カバーゴリン(cabergoline) 、ロピニロル(ropinirole)、プラミペキソル(pramipexole) 、又はアポモルフィンとドンペリドン(domperidone) との組み合わせで]、モノアミン再取り込み阻害剤[たとえば国際特許出願(WO)第97/16451号明細書(NeuroSearch)及び国際特許出願(WO)第97/13770号明細書(NeuroSearch)に記載されている物質、又はALE−26018)、ドパミン再取り込み阻害剤(たとえば米国特許第6011070号明細書、米国特許第5821386号明細書、米国特許第6001330号明細書、米国特許第5795915号明細書、米国特許第5574060号明細書に記載された物質)、NA/DA−再取り込み阻害剤[たとえばベンラファキシン(Venlafaxin)、ミナシプラム(Minacipram)、レボキセチン(Reboxetin) ]、古典的な三環状抗うつ剤(たとえばイミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン)、選択的ドパミン再取り込み阻害剤(たとえばGRB−12909、GRB−12935、インダトラリン(Lu−19−005)、ブプロピオン、アンホネリン酸、BTCP、マジンドール、ノミフェンジン、ベータ−CFT(WIN35,428)、ベータ−CTP(WIN35,065−2),ベータ−CIP(RTI−55),GYKI52895,4’,4”−ジフルオロ−3−アルファ−ジフェニル−メトキシトロパン、4’−クロロ−3−アルファ−ジフェニルメトキシトロパン、5−(4−クロロフェニル)−8−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]イソキノリン−2,3−ジオン−3−オキシム、及び5−(4−クロロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]ナフタレン−2,3−ジオン−3−オキシム)、相対的に選択的なドパミン再取り込み阻害剤(たとえばアミンプチン、3,4−ジクロロフェニル4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−メチル−3−ピペリジル ケトン(Wang、S.等、1999)、1−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]−4−(3−フェニルプロピル)ホモピペラジン(LR−1111)、1−[2−(ジフェニルメトキシ)−エチル]−4−(3−フェニル−2−プロペニル)ホモピペラジン、(S)−(−)−1−[2−ジフェニルメトキシ)エチル]−2−[[N−(3−フェニルプロピル]アミノ]メチル]ピロリジン及び(S)−(−)−1−[2−[ビス(4−フルオロフェニル)−メトキシ]エチル]−2−[[N−(3−フェニルプロピル]アミノ]メチル]ピロリジン)を含む。
【0076】
更に、本発明の治療はその他の公知のパーキンソン病の治療と組み合わせて、たとえばドパミン分泌細胞を線条体に移植又は神経栄養発育因子を側脳室に適用と組み合わせることができる。
【0077】
本発明は更に下記試験法及び例によって説明するが、これらは請求項に記載された本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
【0078】
試験法
方法1
PC12細胞における神経突起成長の刺激
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がPC12細胞においてNGF−誘発された神経突起成長を高める能力を判定する。
【0079】
方法
PC12細胞をコラーゲンコーティングされた組織培養プレートで細胞密度15,000/cm2で7.5%FCS及び7.5%DHSを有するDMEMに植える。翌日、培地をNGFの不在下又は存在下で上記化合物が補充された培地に変更する。
【0080】
培地変更して2日後、細胞を4%パラホルムアルデヒド中に固定し、神経フィラメントを染色する。細胞をPBS中の4%パラホルムアルデヒド中でインキュベートし、ついで10%DHSの存在下に0.05%トリトン−X100に浸透させて、非特異結合部位を遮断して組織培養プレートに固定する。洗浄後、プレートを0.05%トリトン−X100/10%DHS中で1:200に希釈された抗神経フィラメント(NF)抗体(クローンRT97)(ベーリンガー社製)と共にインキュベートし、ついで1:200に希釈されたビオチン化抗マウス免疫グロブリンRPN1001(Amersham) と共にインキュベートする。NF−免疫反応性細胞を、基質としてABC−複合体/HRPキットK0355(DAKO)及び3,3−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロライド(DAB)を用いて染色する。
【0081】
ウエルあたりの全細胞数並びに神経突起全体の長さの見積りを不偏2D立体学(unbiased 2D stereology)(オリンパスBH−2顕微鏡に連結されたCASTグリッドシステム)を用いて行う。
【0082】
方法2
PC12細胞生存アッセイ
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がPC12細胞の生存に影響を及ぼす能力を判定する。
【0083】
方法
PC12細胞を2nM マウス7SNGF(Alomone Labs Ltd., Jerusalem, Israel) が補充された増殖培地でコラーゲンコーティングされた96ウエルプレート(well plate) に植え、ついで6日間培養する。ついでこの培地を化合物が補充された血清不含DMEMに変える。NGF(3nM)を正のコントロールとして含む。インキュベーション4日後、細胞生存能力を製造業者の指示(Molecular Probes、C−7026)にしたがってCyQUANT Cell Proliferation Assay を用いて評価する。すぐに培地を吸気し、細胞を−80℃で少なくとも1時間インキュベートする。ついで細胞を解かし、蛍光CyQUANT 染料を含有する緩衝液中でインキュベートする。この染料は核酸に結合すると強い蛍光増加を示す。480nmでの劣化の尺度となる蛍光及び520nmでの発光検出をウエルでの生存細胞の数に関連させることができる。
【0084】
方法3
胎生ラット(Embryonic rat) ドパミン作動性ニューロンの生存
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がラットE14腹側中脳(ventral mesencephali (VM))から得られ、解離された培養液中でドパミン作動性ニューロンの生存に影響を及ぼすことを判定する。
【0085】
方法
胎生ラット脳(ウスター;E14)を滅菌状態で単離し、グルコース(6.5mg/ml)を有する冷却されたゲイ(Gey)均衡塩類溶液(CIBCO)中に置く。
【0086】
腹側中脳を切断し、小さい組織片に切断し、B27サプレメントを有するニューロン性培地(nuerobasal medium) 中に置き、Nitex フィルター80μmによって穏やかにプレスする。細胞を血球計算板を用いて数え、約2.0×106細胞/ウエルの密度で6ウエルマルチ皿(a 6 well multi dish)中に置く。培養皿をポリ−D−リジンで被覆する。
【0087】
1時間後、培地を除き、新たな培地を添加する(1.5ml/ウエル)。培養のうちの1つのグループを1μM濃度で上記化合物で常に処理する。未処理培養をコントロールとして使用する。培地を1日おきに変え、抗有糸分裂薬及び抗生物質をどの段階でも使用しない。
【0088】
培養7日後、培養をチロシンヒドロキシラーゼ(TH)に対して免疫染色しする。すぐに細胞を1%トリトンX−100含有0.05Mトリス緩衝食塩水(TBS、pH7.4)中で3×15分洗浄し、30分間TBS中で10%胎児牛血清(FBS ,Life Technologies)と共にインキュベートする。ついで細胞を24時間4℃で10%FBSを有するTBS中で1:600に希釈されたモノクロナールマウス抗TH抗体(ベ−リンガー、マンハイム)と共にインキュベートする。1%トリトンX−100を有するTBS中で洗浄した後、細胞を10%FBSを有するTBS中で1:200に希釈されたビオチン化抗マウスIgG抗体(Amersham) と共に60分間インキュベートする。細胞を1%トリトンX−100含有TBS中で洗浄し(3×15分)、10%FBSを有するTBS中で1:200に希釈されたストレプタビジン−パーオキシダーゼ(Dako)と共に60分間インキュベートする。TBS中で洗浄した後(3×15分)、結合した抗体を0.01%H2O2含有TBS中で0.05%3,3−ジアミノベンジジン(Sigma)で処理して可視化する。TH−免疫反応性(ir)細胞を手動で数える。
【0089】
方法4
E28 豚腹側中脳(ventral mesencephali)からドパミン作動性ニューロンの生存
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)が豚E28腹側中脳から得られた臓器典型スライス培養(organotypic slice culture)中でドパミン作動性ニューロンの生存に影響を及ぼすことを判定する。
【0090】
方法
腹側中脳(VM)を豚胎児(E28)から滅菌状態で単離し、400μmのスライスに刻み、グルコース(6.5mg/ml)を有する冷却されたゲイ均衡塩類溶液(CIBCO)中に置く。組織スライスを、本来Stoppini等によって開発されたインターフェース培養方法で培養する[L. Stoppini, P.A. Buchs, D. Muller. A simple method for organotypic culture of nervous tissue; J. Neurosci. Methods 1991 37 173-182 ]。
【0091】
すぐに、血清含有培地(GibcoBRL)を有する6−ウエルプレート(Coster)中に挿入物としてある半多孔性膜(ミリ小孔、0.3μm;4つのスライス/膜)上にスライスを置く。それぞれのウエルは最終濃度25mMまでD−グルコースが補充された培地1ml(50%オプチメン、25%馬血清、25%ハンクス均衡塩類溶液(すべてのGIBCO))を含有する。
【0092】
3日目、培地を限定された血清不含培地(Life Technologies のB27サプレメントを有するNeurobasal培地)に代える。切片を方法2に記載した様にTHに対して免疫染色した後、21日間36℃で5%CO2によってインキュベーター中で培養を増殖させる。スライス培養グループのうちの1つを、1μM濃度の化合物で常に処理する。未処理培養をコントロールとして使用する。培地を1週間に2回変え、抗有糸分裂薬及び抗生物質をどの段階でも使用しない。
【0093】
オリンパスBX50顕微鏡及びコンピューター制御されたx−y−z step motor stage からなるオリンパスC.A.S.T.グリッドシステム(version 1.10; Olympus, Albertslund, Denmark)を用いて、TH−irニューロンの定量化をコードされたスライド(サンプル同定のために盲検("blinded")による分析を可能にする)上で行う。培養スライスの領域を正確に描き、数える枠を無作為に置き、サンプルとする最初の領域に印を付ける。ついでそのフレームを規則的に切片じゅうを移動させ、TH−ir細胞を数える。
【0094】
方法5
PC12細胞におけるNGFシグナルトランスダクションの強化
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がERKs及びAktキナーゼのNGF−誘発されたリン酸化に影響を及ぼすことを判定する。
【0095】
方法
約200,000個のPC12細胞を24ウエルプレートで7.5%FCS及び7.5%DHSを有するDMEM中に入れ、ONをインキュベートする。翌日、NGF及び上記化合物を細胞に添加し、24時間インキュベートし、その後細胞を2×Laemmliサンプル緩衝液中で収得する。
【0096】
細胞溶解物全体をPVDF膜にエレクトロブロットされた8−18%勾配SDSゲル上で電気泳動する。リン酸化されたERK1及びERK2をマウスanti-Phospho-p44/p42 MAPキナーゼE10mAb(New England Biolabs #9106)及びHRP−結合抗マウス抗体を用いて免疫検定する。リン酸化されたAktキナーゼをウサギPhospho-specificAkt(Ser473)抗体(New England Biolabs #9271)及びHRP−結合抗ウサギ抗体を用いて免疫検定する。バンドをECLシステム(Amersham)を用いて化学発光によって検出する。
【0097】
方法6
非分化PC12細胞におけるCREBリン酸化の刺激
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がCREB(環状AMP−応答エレメント結合蛋白質)リン酸化に影響を及ぼすことを判定する。
【0098】
方法
ウエルあたり約7.5×105PC12細胞をコラーゲンコーティングされた6−ウエルプレートで0.75%FCS及び0.75%DHSを有するDMEM中に植え、48時間インキュベートする。ついで5、10又は20分間上記化合物で刺激する前に、血清不含DMEM中で2時間更に細胞を飢餓状態(starved) にする。細胞を1×加熱されたサンプル緩衝液(2%SDS、400mMTris、pH8.0、10mMDTT及び0.25mMNa3VO4)中に収得し、細胞溶解物を、PVDF膜にエレクトロブロットされた8−18%勾配SDSゲル上で電気泳動する。
【0099】
リン酸化されたCREBをウサギanti-Phospho- DREB(UpState Biotechnology #06-519)、ついでHRP−結合抗ウサギ抗体(Amersham Life Science #NA 934)を用いて免疫検定する。バンドをECLシステム(Amersham)を用いて化学発光によって免疫検定する。
【0100】
方法7a
3H−ZM241385結合のインビトロ阻害
この試験で、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストが線条体組織中の選択的及び強力なアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト3H−ZM241385の特異結合を阻害する能力を判定する。
【0101】
組織調製:
その他に明記しない限り、0〜40Cで調製を行う。雄性ウスターラット(150-200g)から得られた線条体組織を、Ultra-Turraxホモジナーザーを用いて20容量のトリスHCl(50mM,pH7.4)中で10〜20秒間ホモジナイズする。ついでこの膜ホモジナートを10分間48,000×gで遠心分離する。上澄みを捨て,ペレットを原組織重量10mg/mlに対してアデノシン デアミナーゼ2 IU/mlを含有する緩衝液に浮遊し、37℃で30分間インキュベートし、内因性アデノシンを除去する。この膜ホモジナートを再遠心分離し、最終ペレットを緩衝液50容量に再浮遊し、アッセイの時まで−80℃で凍結する。
【0102】
アッセイ:
膜調製物を解凍し、2℃で10分間、27,000×gで遠心分離し、ペレットを10mM MgCl2を有する50mMトリス,HCl,pH7.4(原組織1gあたり500ml)に再浮遊させ、ついで結合アッセイに使用する。0.5mlのホモジナートを有するアリコートを、試験溶液0.025ml及び3H- ZM241385(最終濃度1nM)0.025mlに加え、混合し、室温で30分間インキュベートする。非特異結合をNECA(100μM、最終濃度)を用いて測定する。インキュベーション後、サンブルを吸引下にワットマンGF/Cガラスファイバーフィルター上に直接注ぎ、直ちに氷冷緩衝液2×5mlで洗滌する。フィルター上の放射能の量を通常の液体シンチレーション計数器によって測定する。特異結合を全結合と非特異結合の差異として算出する。
【0103】
結果
試験値をIC50として表わす(3H- ZM241385の特異結合を50%阻害する試験化合物の濃度(μM))。
【0104】
方法7b
3H−CGS 21680結合のインビトロ阻害
この方法で、線条体中のアデノシンA2Aレセプターアゴニスト3H−CGS 21680の特異結合を阻害するアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの能力を判定する。
【0105】
組織調製: 上記方法7aに記載した通り行う。
【0106】
アッセイ:
膜調製物を解凍し、2℃で10分間、27,000×gで遠心分離し、ペレットを10mM MgCl2を有する50mMトリス,HCl,pH7.4(原組織1gあたり200ml)に再浮遊させ、ついで結合アッセイに使用する。0.5mlのホモジナートを有するアリコートを、試験溶液0.025ml及び3H−CGS 21680(最終濃度5nM)0.025mlに加え、混合し、室温で2時間インキュベートする。非特異結合をNECA(100μM、最終濃度)を用いて測定する。インキュベーション後、サンブルを吸引下にワットマンGF/Cガラスファイバーフィルター上に直接注ぎ、直ちに氷冷緩衝液2×5mlで洗滌する。フィルター上の放射能の量を通常の液体シンチレーション計数器によって測定する。特異結合を全結合と非特異結合の差異として算出する。
【0107】
結果
試験値をIC50として表わす(3H−CGS 21680の特異結合を50%阻害する試験化合物の濃度(μM))。
【0108】
方法7a及び7bのIC50値を阻害曲線から決定する。完全な曲線が得られないならば、IC50を算出する前に、25−75%特異結合阻害を得ることが必要である。
【数1】
【0109】
{上記式中、
Coはコントロールアッセイ中の特異結合であり、Cxはテストアッセイ中の特異結合である。(算出は正常の質量作用動力学であるとする。)}
方法8
微量透析法によって測定された細胞外ドパミンへの化合物の作用
この試験で、種々の脳領域において線条体ドパミンを増加させるドパミン活性増加化合物の能力を判定する。
【0110】
雄性SPF Molウスターラット(体重300−350g)をM φllegaad Breedingand Research Centre から得、標準Macrolonケージ(サイズ24×36×18cm)中に少なくとも5日間標準条件下で23±2℃の温度で、60%±10%の湿度で、そして12時間明るい及び暗いのサイクルで入れる。ラットを任意に自由に得られる餌及び水と共に2つのグループに分けて入れる。微量透析法のために、ラットを1 1/2%ハロタン、20%酸素及び80%亜酸化窒素を用いてハロタン麻酔下で定位装置中に置く。直腸の温度を監視し、加熱パッド(CMA150 Carnegie Medicin )を用いて実験の間37.0±1℃で保つ。小さい穴をあけ、垂直なプローブ(CMA/123)を右線条体にブレグマに対して次の座標を用いて定位にインプラントさせる:AP+1mm;L3mm;DV−6mm。側坐核(CMA122)に対するプローブを次の座標で垂直にインプラントする:AP+2.4mm;L1.4mm;DV−8mm。同様な実験を麻酔されていない自由に動く動物で側坐核にインプラントされたプローブを用いて行う。これらの実験は手術後48時間で任意に自由に得られる餌及び水を有するプラスチックケージ中に個々に入れられた動物において昼間行われる。すべての場合、注射部位をPaxinos 及びWatsonの地図にしたがって組織学的に確認する。
【0111】
最初の2時間後、透析物のサンプルをハロタン麻酔されたラットから集める。これらのラットへの試験化合物の投薬を3つのベースライン分析の収集後に常に開始する。ドパミン及びその代謝物を急速に−18℃に凍結させ、ついでその後できるだけ早く分析する。透析プローブを、リンガー(Ringer)液(147mMNaCl、4mMKCl、2.3mMCaCl)、すなわち2mMリン酸ナトリウム緩衝液でpH6.5に調整されたリンガー液(NaCl4.3g、KCl150mg、CaCl2110.3mg、全量500ml)を用いて2μL/分の速度で(CMA/100微量潅流ポンプによって)潅流する。リンガー液を、使用する前にMillipore ガラスフィルター(0.22μm)によって濾過する。透析分画(40μL)20分間隔で集め、ついでHPLCシステムに注入する。ドパミン(DA)、ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC), ホモバニリン酸(HVA)及び5−ヒドロキシインドール酢酸(5−HIAA)の濃度を電気化学検出の高速液体クロマトグラフィー(HPLC−ED)によって測定する。カラムは23℃で逆相液体クロマトグラフィーカテコールアミン3μmESAカラムであり、移動相は0.1nMオクタンスルホン酸、0.01mMNaEDTA及びpH3.7に氷酢酸で調整された10%メタノールと0.055M酢酸ナトリウムから成る。移動相を0.55ml/分でHPLCポンプ(ESA)によって送る。電気化学的検出はガラス状炭素電極(0.8VAg/AgCl 比較)で電流測定検出器(Antec)又は熱量測定検出器(Choulochem II medel ESA;高感度分析セル(5011)を用いる)(0.4VAg/AgCl 比較)を用いて行われる。クロマトグラムをインテグレーターで記録する。データを基本濃度の現在の変更として算出し、100%値を各ラットに対する最後の3個の前処理の平均として定義する。ついで平均パーセント値を各グループの処理においてラットに関して各20分サンプルに対して算出する。
【0112】
方法9
内側前脳束及び腹側被蓋領域の6−OHDA病変後、黒質ドパミン作動性ニューロン変性への化合物の作用
線条体6−OHDA病変後、黒質において生存するドパミンニューロンの生存数を増加させる、神経栄養活性を有する化合物の能力を判定する。
【0113】
FluoroGold(0.9%NaCl中の0.2%溶液、0.2μL/side) をハロタン麻酔された雄性Sprague Dawleyラット(体重約200−250g)の線条体に10μLハミ ルトン注射器で左右に注射する。次の座標を使用する:AP=+1.0mm;ML=+/−3.0mm;DV=−5.0mm,歯バー(tooth bar) =0.0。1週間後、6−OHDA(0.02%アスコルビン酸が補充された0.9%NaClに溶解された遊離塩基20μg)を次の座標(coordinate):AP=−4.4mm;ML=−1.2mm;DV=−7.8mm,tooth bar=−2.3(MFB)及びAP=−4.0mm;ML=−0.8mm;DV=−8.0mm,tooth bar=+3.4(VTA)を用いてガラス製キャピラリーで内側前脳束(MFB)及び腹側被蓋領域(VTA)に一側性に注射する。
試験化合物又は賦形剤を毎日又は6−OHDA注射後に開始する特定の時間ポイントで腹腔内、経口、皮下又は静脈内投与する。6−OHDA注射3〜4週間後、ラットを深く麻酔し、1分間0.9%NaClを用いて、ついで6分間0.1Mリン酸緩衝液中の4%パラホルムアルデヒドを用いて心臓経由で(transcardically) 潅流する。脳を切断し、3〜6時間ホルマリン中に添加し(postfixed)、ついで48時間0.1Mリン酸緩衝液中の25%ショ糖に移す。一連の40μm切片を線条体及び黒質によるミクロトミーを凍結して得る。切片をチロシン ヒドロキシラーゼ(TH)のために染色する。6−OHDA−病変側及び−無傷側でのドパミン作動性ニューロンの生存を、フルオロゴールド蛍光を示す黒質中で反対に標識されたニューロンの数をステレオロジカリーに(stereologically)カウントし、そしてTH免疫活性を示すニューロンの数をカウントしてブラインドリーに定量化する(quantified blindly) 。
【0114】
方法10
6−OHDA病変後、挙動変化への化合物の作用
線条体又は内側前脳束及び腹側被蓋領域の6−OHDA病変後、挙動変化に影響を与えるアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び(又は)神経栄養活性を有する化合物の能力を判定する。
【0115】
6−OHDA(0.02%アスコルビン酸が補充された0.9%NaClに溶解された遊離塩基20μg)をハロタン麻酔された雌性Sprague Dawley ラット(体重約200−250g)の線条体に又は内側前脳束(MFB)及び腹側被蓋領域(VTA)にガラス製キャピラリーで一側性に注射する。試験化合物又は賦形剤を毎日又は6−OHDA注射後に開始する特定の時間ポイントで腹腔内、経口、皮下又は静脈内投与する。
【0116】
6−OHDA注射後種々の時間ポイントで、アンフェタミン(2.5mg/kg腹腔内)、アポモルフィン(0.25mg/kg皮下)又はL−ドーパ(2−10mg/kg腹腔内)の投与後6−OHDAにより病変した動物の回転動作を自動化されたロトメーターボウルで監視する。
【0117】
方法11
カタレプシーへの化合物の作用
この試験で、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び(又は)神経栄養活性誘導体を有する化合物がハロペリドールによって誘発されたカタレプシーに影響を与える能力を判定する。
【0118】
雄性ウスターラット(体重200−250g)をラット4匹づつ随意に餌及び水と共に及び12時間照明サイクルでケージに入れる。試験化合物又は賦形剤をハロペリドール投与(0.1mg/kg皮下)前の特定の時間に腹腔内、経口、皮下又は静脈内投与する。それぞれの投薬量に関して、6匹のラットを試験する。カタレプシーに関する試験は15分間隔で行われ、連続的に行われる4つの試験が含まれる。各試験で10秒間カタレプシー強度を判定する。
1)竪形ワイヤーネット(40×40cm高さ)。ネットのメッシュ(開口部)は約1×2cmである。
2)床から9cmのところに水平バー。
3)高さ9cmのブロック(バー)。
4)高さ3cmのブロック(コルク)。
【0119】
ラットを竪形ワイヤーネットの中央に置き、ついで前肢をバーで支える延長された位置での水平バー上に置く。カタレプシーの強度を総体的な静止(total immobility) 10秒の基準にしたがってスコア2と判定する。頭又は体の最小の動きはスコア1、そしてラットが一連の行動を示さない場合、スコアは0である。バーテストの後、10秒間先ず9cmブロックに、ついで3cmブロックに前肢又は右前肢を置いてラットがすわるのをいとわないかどうかを試験する。4つの試験すべての最大スコアは全部で8である。
【0120】
方法12
MPTPで処理されたマウスにおけるアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び神経栄養活性を有する化合物の別々の投与又は組み合わせ投与の線条体ドパミンへの作用
この試験で、MPTPで処理されたマウスにおいて線条体ドパミンを増加させる、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び神経栄養活性を有する化合物の別々の投与又は組み合わせ投与の能力を判定する。
【0121】
雌性C57BL/6Jマウス(体重20−25g)(M&E breeding centre, Ltd. Ejby, Denmark)を室温22−24℃で、実験の5−7日前に自由に得られる餌及び水を用いて実験室に順応させる。電灯を午前7時につけ、午後6時に消灯する。1つのグループに少なくとも5−8匹のマウスを使用する。MPTP(RBI)を実験直前に生理食塩水に溶解させ、種々の投薬量で試験する。アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの別々の投与の効果をMPTP処理の1−5日前に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で化合物の一日投与後に調べる。マウスをMPTP処理後48時間で殺す。神経栄養化合物の別々の投与の効果を、MPTP処理後1〜5日で種々の投薬量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で化合物の一日投与後に調べる。マウスを神経栄養化合物で最後に処理した後48時間で殺す。2つの化合物の組み合わせ投与の効果を、MPTP処理の1−5日前に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)でアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの一日投与によって、ついで同一動物においてMPTP処理後1〜5日で種々の投薬量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で神経栄養化合物の一日投与によって調べる。マウスを神経栄養化合物で最後に処理した後48時間で殺す。脳を迅速に除き、マウスの線条体を切断し、凍結させ、ドパミン及びその代謝物 HVA及びDOPACの生化学分析まで−80℃で貯蔵する。分析のその日に、マウス1匹あたり1つの線条体(重さ5−7mg)を5%EDTA含有0.1N 過塩素酸1mlにホモジナイズする。30分間遠心分離14,0000×G後、上澄み200μLをガラス0.22μmによって濾過する。ついで20μLを下記カラム(Caracholamine HR-80 4.6mm ×80mm 3μm Nucleosil C 18) を有するESA Coulochem II HPLC 装置に注入する。溶離剤はNaH2PO410.25g、EDTA185mg、オクタンスルホン酸100mgである。9%メタノール、pH3.7をMilliQ waterに添加し、0.22μmによって濾過する。ColochemESA分析細胞は5014Aであり、ESA検出器は次の設定を有する:E2−175mV、ドパミン、DOPAC及びHVAの溶離に対する実行時間(run time) (DOPAC=4.3分;ドパミン=6.4分;及びHVA=12.7分)。自動注入器SHIMADZY sil−10Aはつぎの設定を有する;注入容量20μL、分析時間16分、温度4℃。ポンプからの流速は0.80ml/分である。分析を、それぞれ12回分析を行ったドパミン、HVA及びDOPACの3pMのスタンダードを用いて目盛りを定め、そしてスタンダードカーブと比べる。
【0122】
方法13
線条体6−OHDA病変後、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び神経栄養活性を有する化合物の別々の投与又は組み合わせ投与の黒質ドパミン作動性ニューロン変性への作用
線条体6−OHDA病変後、黒質において生存するドパミンニューロンの数を増加させる、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び神経栄養活性を有する化合物の別々の投与又は組み合わせ投与の能力を判定する。
【0123】
FluoroGold(0.9%NaCl中の0.2%溶液、0.2μL/side) をハロタン麻酔された雄性Sprague Dawleyラット(体重約200−250g)の線条体に10μLハミ ルトン注射器で左右に注射する。次の座標を使用する:AP=+1.0mm;ML=+/−3.0mm;DV=−5.0mm,歯バー(tooth bar) =0.0。1週間後、6−OHDA(0.02%アスコルビン酸が補充された0.9%NaClに溶解された遊離塩基20μg)を次の座標(coordinate):AP=+1.0mm;ML=−3.0mm;DV=−5.0mm,tooth bar=0.0を用いてガラス製キャピラリーで線条体に一側性に注射する。アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの別々の投与の効果を、毎日又は6−OHDA注射後の特定の時間に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で化合物の投与後に調べる。2つの化合物の組み合わせ投与の効果を、毎日又は6−OHDA注射前の特定の時間に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)でアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの投与によって、ついで同一動物において毎日又は6−OHDA注射前の特定の時間に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で神経栄養化合物の投与によって調べる。6−OHDA注射3〜4週間後、ラットを深く麻酔し、1分間0.9%NaClを用いて、ついで6分間0.1Mリン酸緩衝液中の4%パラホルムアルデヒドを用いて心臓経由で(transcardically) 潅流する。
【0124】
脳を切断し、3〜6時間ホルマリン中に入れ(postfixed)、ついで48時間0.1Mリン酸緩衝液中の25%ショ糖に移す。一連の40μm切片を線条体及び黒質によるミクロトミーを凍結して得る。切片をマウス−anti−TH(Chemicon, #MAB 318) を用いてチロシン ヒドロキシラーゼ(TH)免疫活性のために染色する。切片をKPBS中で洗浄し、その後KPBS中の10%メタノール+3%過酸化水素を用いて急冷する。KPSB中の2%正常のウマ血清(NHS)+0.3%トリトンX−100を用いて1時間予備インキュベートする。その後切片をKPSB中のマウス−anti−TH(Chemicon, #MAB 318) 1:2000+2%NHS+0.3%トリトンX−100中で一晩インキュベートする。KPBS中で洗浄した後、切片をKPBS中の0.3%トリトンでビオチン化ウマ抗マウス(ベクター)1:200中で2時間インキュベートする。KPBS中で洗浄した後、免疫活性をABC反応(ベクターキット)によって、ついでDAB染色によって可視化する。6−OHDA−病変側及び−無傷側でのドパミン作動性ニューロンの生存を、フルオロゴールド蛍光を示す黒質中で反対に標識されたニューロンの数をステレオロジカリーに(stereologically)カウントし、そしてTH免疫活性を示すニューロンの数をカウントしてブラインドリーに定量化する(quantified blindly) 。ある場合には、ニューロン生存度を、生存するドパミン作動性細胞分画に基づき各切片に1から5のスコアを割り当てて見積もる。上記分画はフルオロゴールド蛍光及び(又は)TH免疫組織化学(immunohistrochemistry)のために処理された切片を観察してブラインドリーに見積もられている。スコア“1”をすべてのニューロンが生存し、そして非病変ニューロンと形態学的に区別されない切片に割り当て、一方スコア“5”をニューロンが6−OHDA病変側で生存する切片に割り当てる。
【0001】
本発明は、パーキンソン病の治療に神経栄養活性を有する化合物とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの組み合わせ作用を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は世界中で約400万人が患う運動能力の進行性悪化によって特徴づけられる神経変性疾患である。パーキンソン病患者は動作を開始するのが更に困難になり、腕及び肢の硬直並びに震えが増すことに悩まされている。パーキンソン病の特定の原因は知られていないが、この疾患は動作の連携に係わっていると信じられている黒質として知られている脳の領域で特定のドパミン含有ニューロンが変性することに関係があると示されてきた。
【0003】
治療法の1つとして単独で又はたとえばドパミンアゴニストとの組み合わせるL−DOPA治療がある。しかし、L−DOPA治療後3〜5年で、不本意の運動障害(ジスキネジー)が現れる。
【0004】
別の治療法はモノアミン再取り込み阻害剤(たとえばドパミン再取り込み阻害剤)の使用であり、それによってシナプス間隙で存在するドパミンレベルは増加する。
【0005】
他の可能な治療は、病変した及び損傷したニューロンに神経保護及び(又は)神経変性作用を与える神経栄養化合物を使用することである。
【0006】
提案されたまた別の治療は、増加したドパミン作動性活性をもたらすアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの使用である。さらに、アデノシンA2Aレセプター及びその神経保護への関連は議論されてきた(Ongini, E.等(1977) Adenosine A2Areceptors and neuroprotection, Ann NY Acad Sci 825:30-48)。
【0007】
パーキンソン病の患者の治療により少ない副作用でより選択的かつ有効な治療の開発に対して強い興味が相変わらずある。
【0008】
発明の要旨
本発明者は、本発明によれば神経栄養活性を有する化合物をアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストと組み合わせた作用がパーキンソン病の治療に有利に使用することができることを見出した。
【0009】
したがって、その第一の観点で、本発明は神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の治療上有効な量を薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤少なくとも1個と共に含有する薬学的調合物に関する。
【0010】
もう一つの観点で、本発明はパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用される薬剤を製造するために神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個を使用する方法に関する。
【0011】
その原理は迅速な開始作用(アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの作用)と長期間の有効な主作用(神経栄養活性)との組み合わせである。したがってアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストは疾患の症状を軽減し(ドパミン作動性活性を増加させることによって)、一方神経栄養活性が疾患の原因(ニューロンを変性する)を、疾患の進行の遅延によってか又は逆行によって処置する。
【0012】
本発明の他の目的は下記の詳細な説明及び実施例から当業者に明らかである。
【0013】
発明の詳細な説明
第一の観点で、本発明はパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用される薬剤を製造するために神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個を使用する方法を提供する。
【0014】
第二の観点で、本発明は神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の治療上有効な量を薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤少なくとも1個と共に含有する薬学的調合物を提供する。
【0015】
第三の観点で、本発明は治療用剤として使用される、神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の組み合わせ物を提供する。
【0016】
別の観点で、本発明はパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減方法において、この方法が神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の治療上有効な組み合わせ物を上記患者に投与することを特徴とする、上記方法を提供する。
【0017】
また別の観点で、本発明は神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個から成るパーツを含むキットを提供する。
【0018】
1つの実施態様において、アデノシンA2AレセプターアンタゴニストはKW−6002,ZM−241385、8FB−PTP、SCH−58261、KF−17837、CGS−15943、DMPX及びそれらの薬学的に許容し得る塩から選ばれる。
【0019】
第二の実施態様において、神経栄養活性を有する化合物は、
5−(4−クロロフェニル)−8−メチル−6.7.8.9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]イソキノリン−2,3−ジオン−3−オキシム;
5−(4−クロロフェニル)−6.7.8.9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]ナフタレン−2,3−ジオン−3−オキシム;
GDNF;
ニューブラスチン
及びそれらの薬学的に許容し得る塩より成る群から選ばれた化合物である。
【0020】
具体的な実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はGDNFであり、アデノシンA2AレセプターアンタゴニストがSCH−58261である。別の具体的な実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はGDNFであり、アデノシンA2AレセプターアンタゴニストはKF−17837である。
【0021】
別の実施態様において、上記の薬学的調合物は神経変性状態の治療、予防又は軽減に使用される。また別の実施態様において、上記の薬学的調合物はパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用される。
【0022】
本発明にしたがって治療される患者はこのような治療を必要とする生体、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトである。
【0023】
ここに記載された実施態様の2つ以上のすべての可能な組み合わせは本発明の範囲内である。
【0024】
神経栄養活性を有する化合物
生体内神経栄養因子、たとえば神経発育因子(NGF)、脳に由来する神経栄養因子(BNDF)、ヒフ発育因子(EGF)、基礎型(basic)線維芽細胞発育因子(bFGF又はFGF2)、NT3/4、ニュールチュリン(neurturin) (NTN)、ニューブラスチン/アーテミン、パーセフィン(persephin) 及びグリア細胞系に由来する神経栄養因子(GDNF)は成長及び成人期の間、多くの末梢及び中枢神経系ニューロンの分化(differentiation)、発育及び生存を促進する。
【0025】
本発明において、神経栄養活性を有する化合物は1種以上の内因性神経栄養因子の機能を擬似するか又は増加させる化合物である。ある実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はNGF、BDNF及び(又は)GDNFの機能を擬似するか又は増加させる化合物である。別の実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はbFGF及び(又は)EGFの機能を擬似するか又は増加させる化合物である。特定の実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はNGFの機能を擬似するか又は増加させる化合物である。神経栄養活性は発育因子とそのレセプターの相互作用での又は発育因子シグナルトランスダクション経路での特異的段階にあるとされていなかった。
【0026】
神経栄養活性を有する化合物として作用する一定の化合物の潜在能力(potential) を、標準インビトロ結合アッセイ及び(又は)標準インビボ機能テスト、たとえば“テスト法”に記載された方法を用いて測定することができる。
【0027】
1つの実施態様において、1μMで神経栄養活性を有する化合物は、PC12細胞生存アッセイ(方法2)でテストした場合、3nM NGFの作用に対して10%より多く(より好ましくは20%より多く、そして最も好ましくは30%より多く)示す。
【0028】
第二の実施態様において、1μMで神経栄養活性を有する化合物は、胎生ラット(Embryonic rat) ドパミン作動性ニューロンの生存(方法3)でテストした場合、10ng/mlGDNFの作用に対して10%より多く(より好ましくは20%より多く、そして最も 好ましくは30%より多く)示す。
【0029】
具体的な実施態様において、神経栄養活性を有する化合物はアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストでない。
【0030】
別の実施態様において、神経栄養活性を有する化合物及びアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストは同一化合物でない。
【0031】
本発明にしたがって使用される神経活性を有する化合物は国際特許出願(WO)第98/07705号明細書(Takeda Chem Ind Ltd)、国際特許出願(WO)第00/34262号明細書(Takeda Chem Ind Ltd)、国際特許出願(WO)第00/32197号明細書(Alcon Lab Inc)、国際特許出願(WO)第97/40035号明細書(NeuroSearch)、国際特許出願(WO)第00/43397号明細書(NeuroSearch)、国際特許出願PCT/DK01/000449号明細書(NeuroSearch)、特開2002−26388号公報(Takeda Chem Ind Ltd)、国際特許出願(WO)第00/32197号明細書(Alcon Lab Inc)及び国際特許出願(WO)第00/46222号明細書(Schering AG)に記載されている物質を含む。
【0032】
本発明の神経栄養活性を有する化合物の別の例は、1−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−1,3−ベンゾジオキソル「4,5−」イソキノリン−7−オン(Takeda) 、2−(2,2,4,6,7−ペンタメチル−3−フェニル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−イソインドリン(Takeda) 、4−アリル−1−フェニルアルキル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(Sanofi-Synthelabo)、SR57746A又は1−(2−ナフト−2−イル)エチル−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(Sanofi-Synthelabo)、AIT−082(Neo Therapeutics) 、NIL−A(Amgen Inc)、K−252a(Cephalon)、CEP1347、GPI−1046(Guilford)、CTQ3、CTQ5及びCTQ8(Centre de Neurochimie du CNRS)、V−10,367及びV−13,661(Vertex Pharmaceuticals Inc)、ABS 205(American Biogenic Sciences) 、Dexanabinol又はHU−211(Pharmos)、又はその塩、遊離塩基、ラセミ化合物又はエナンチオマーを含む。
【0033】
神経栄養活性を有する化合物の上記例は、請求項に記載される本発明の範囲に何ら限定を与えることを意図するものではない。
【0034】
アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト
本発明の範囲で、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストはキサンチンを主体とする同族体及び非キサンチンを主体とする同族体を含む。
【0035】
アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの例は、KW−6002(Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd),ZM−241385,8FB−PTP,SCH−58261、KF−17837、CGS−15943、DMPX、8−(m−クロロスチリル)−DMPX、8−(m−ブロモスチリル)−DMPX(又はBS−DMPX)、8−(3,4−ジメトキシスチリル)−DMPXを含む。
【0036】
アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストとして作用する特定の化合物の潜在能力(potential) を、標準インビトロ結合アッセイ及び(又は)標準インビボ機能テスト、たとえば“テスト法”に記載された方法を用いて測定することができる。
【0037】
1つの実施態様において、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストは3H−ZM 241385結合のインビトロ阻害でテストした場合(方法7a)、10μMより小さい、好ましくは1μMより小さい、そして最も好ましくは0.1μMより小さいIC50値を示す。
【0038】
アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの上記例は、請求項に記載された本発明の範囲に何ら限定を与えることを意図するものではない。
【0039】
薬学的に許容し得る塩
本発明の化合物を、意図される投与に適するすべての形態で提供することができる。適する形態は薬学的に(すなわち生理学的に)許容し得る塩及び本発明の化合物のプレドラッグ形及びプロドラッグ形を含む。
【0040】
薬学的に許容し得る付加塩の例としては、以下のものに限定されないが、非毒性無機- 及び有機酸付加塩、たとえば塩酸に由来する塩酸塩、臭化水素酸に由来する臭化水素酸塩、硝酸に由来する硝酸塩、過塩素酸に由来する過塩素酸塩、リン酸に由来するリン酸塩、硫酸に由来する硫酸塩、ギ酸に由来するギ酸塩、酢酸に由来する酢酸塩、アコニチン酸に由来するアコニチン酸塩、アスコルビン酸に由来するアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸に由来するベンゼンスルホン酸塩、安息香酸に由来する安息香酸塩、ケイヒ酸に由来するケイヒ酸塩、クエン酸に由来するクエン酸塩、エンボン酸(embonic acid)に由来するエンボン酸塩、エナンチン酸(enanthic acid) に由来するエナンチン酸塩、フマル酸に由来するフマル酸塩、グルタミン酸に由来するグルタミン酸塩、グリコール酸に由来するグリコール酸塩、乳酸に由来する乳酸塩、マレイン酸に由来するマレイン酸塩、マロン酸に由来するマロン酸塩、マンデル酸に由来するマンデル酸塩、メタンスルホン酸に由来するメタンスルホン酸塩、ナフタレン-2- スルホン酸に由来するナフタレン-2- スルホン酸塩、フタル酸に由来するフタル酸塩、サリチル酸に由来するサリチル酸塩、ソルビン酸に由来するソルビン酸塩、ステアリン酸に由来するステアリン酸塩、コハク酸に由来するコハク酸塩、酒石酸に由来する酒石酸塩、トルエン-p- スルホン酸に由来するトルエン-p- スルホン酸塩を含む。この様な塩は技術上公知の方法及びで製造することができる。
【0041】
他の酸、たとえばシュウ酸──これ自体、薬学的に許容されない──は、本発明の化合物及びその薬学的に許容し得る酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の製造に適している。
【0042】
本発明に使用される本発明の有効化合物の金属塩はアルカリ金属塩、たとえばカルボキシ基を含有する本発明に使用される有効化合物のナトリウム塩を含む。
【0043】
本発明の範囲いおいて、N−含有化合物の“オニウム塩”も薬学的に許容し得る塩として考慮される。好ましい“オニウム塩”はアルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩を含む。
【0044】
本発明の有効化合物は薬学的に許容し得る溶剤、たとえば水、エタノール等々と共に溶解可能な形又は溶解不可能な形で提供されてよい。溶解可能な形はまた水和形、たとえば一水和物、二水和物、ヘミ水和物、三水和物、四水和物等々を包含することができる。一般に、溶解可能な形は本発明の目的にとって溶解不可能な形に相当するものと考えられる。
【0045】
薬学的調合物
本発明の有効化合物を治療で使用するにあたり、そのまま化合物として投与することもできるが、有効成分を場合により生理学的に許容し得る塩の形で、1種以上の佐剤、賦形剤、希釈剤、緩衝剤、及び(又は)その他の慣用の薬学的助剤と共に薬学的調合物の形で提供するが好ましい。
【0046】
本発明により使用される有効化合物は別々に又は組み合わせて投与することができる。本発明により使用される薬学的調合物は別々に又は組み合わせて使用される有効化合物を含有することができる。
【0047】
1つの具体例において、本発明は、更に本発明の有効化合物又はその薬学的に許容し得る塩又は誘導体を薬学的に許容し得るキャリヤー1種以上及び場合により他の治療及び(又は)予防成分(これは当該技術上周知であり、使用されている。)と共に含有する薬剤を提供する。このキャリヤーは、製剤中の他の成分と適合しかつこれが投与される患者に有害でないという意味で“許容し得”なければならない。
【0048】
本発明の薬学的調合物は経口、直腸、鼻腔、局所(バッカル及び舌下を含めて)、経皮、膣又は腸管外(皮膚−、皮下−、筋肉内−、腹腔内−、静脈内−、動脈内−、脳内−、眼内注射又は注入)投与に適するものであるか、あるいは粉末及び液体エアゾール投与を含む吸入又はガス注入による又は徐放システムによる投与に適する形のものであってよい。徐放システムの適当な例は、本発明の化合物を含有する固形疎水性ポリマーの半透過性マトリックス────そのマトリックスは製品の形で、たとえばフィルム又はマイクロカプセルであってよい────を含む。
【0049】
通常の佐薬、キャリヤー又は希釈剤と共に、本発明の有効化合物を、薬学的調合物の形及びその単位投薬形とすることができる。このような形態は固体、特に錠剤又は充填カプセル、又は液体、たとえば溶液、懸濁液、エマルジョンン、エリキシル又はこれによって充填されたカプセル、経口使用するためのすべての形で、直腸投与用座剤の形で又は非経口用滅菌注射溶液の形で使用する。この様な薬学的調合物及びその単位投薬形は通常の成分を通常の割合で、別の有効物質又は成分の存在下又は不存在下に含有し、この様な単位投薬形は、有効成分の適する有効量を、使用される、計画された一日投薬範囲に相応して含有することができる。
【0050】
本発明の有効化合物を、多種の経口及び非経口投薬形で投与することができる。下記の投薬形は、有効成分として本発明の化合物又は本発明の化学物の薬学的に許容し得る塩のどちらかを含有してよいことは当業者に明らかである。
【0051】
本発明の有効化合物から薬学的調合物を製造することに関して薬学的に許容し得るキャリヤーは固体又は液体のどちらかである。固形薬剤として粉末、錠剤、丸薬、カプセル、カッシェ、坐剤及び分散可能な顆粒が挙げられる。固体キャリヤーは、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤又はカプセル化材料として作用してもよい物質1種又はそれ以上であることができる。
【0052】
粉末中に、キャリヤーは微粉砕された固体であって、これは微粉砕された有効成分との混合物中にある。
【0053】
錠剤中に、有効成分は適する割合で必要な結合容量を有するキャリヤーと混合され、所望の形態と大きさに圧縮される。
【0054】
粉末及び錠剤は有効物質約5又は10〜約70%を含有する。適するキャリヤーは炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、でんぷん、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ロウ、カカオバター等々である。“製造”なる言葉は、キャリヤー含有又は不含で有効物質を有効物質と関連するキャリヤーによって含有するカプセルを供給するキャリヤーとしてカプセル化材料を用いる有効物質の調製を含む。同様にカッシェ及びロゼンジも含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸薬、カッシェ及びロゼンジを経口投与に適する固形で使用することができる。
【0055】
座剤を製造するために、低融点ロウ、たとえば脂肪酸グリセリド又はカカオバターの混合物を先ず融解し、有効成分をこれ中に均一に攪拌によって分散する。次いで融解された均一な混合物を通常のサイズの型に注ぎ、冷却し、それによって固化する。
【0056】
膣投与に適する製剤を、有効成分に加えて従来公知の適するキャリヤーを含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーとして製造する。
【0057】
液剤としては、溶液、懸濁液及びエマルジョン、たとえば水又は水- プロピレングリコール溶液が挙げられる。たとえば非経口注射液剤をポリエチレングリコール水溶液中の溶液として調製することができる。
【0058】
本発明の有効化合物を非経口投与(たとえば注射、たとえばボルス注射液又は連続注入による)のために調製し、そして単位投薬形でアンプル、前もって充填された注射器、少量の注入剤中に又は多様な投薬容器中に添加される保存剤と共に存在する。製剤を油状又は水性賦形剤中の懸濁液、溶液又はエマルジョンとなし、調製剤、たとえば懸濁剤、安定剤及び(又は)分散剤を含有する。あるいは有効成分は、無菌固体の無菌単離によって又は使用前に適する賦形剤、たとえば発熱性物質不含無菌水を溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形であってよい。
【0059】
経口使用に適する水溶液を、水中に有効成分を溶解し、所望に応じて適する着色剤、風味剤、安定剤及び増粘剤を加えて製造することができる。
【0060】
経口使用に適する水性懸濁液を、微粉砕された有効成分を水中で粘性物質、たとえば天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、又は他のよく知られた懸濁液と共に懸濁化することによって製造することができる。
【0061】
使用する少し前に、経口投与のために液状形製剤に変えられる固形製剤も挙げられる。この様な液状形として溶液、懸濁液及びエマルジョンが挙げられる。これらの製剤は、有効成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝物質、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等々を含有する。
【0062】
表皮への局所投与のために、本発明の化合物を軟膏、クリーム又はローションとして又は経皮吸収パッチとして調製する。軟膏及びクリームをたとえば適する増粘剤及び(又は)ゲル化剤の添加して水性又は油性ベースを用いて調製する。ローションを水性又は油性ベースを用いて調製し、これは一般に1種又はそれ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、又は着色剤を含有する。
【0063】
口中での局所投与に呈する薬剤としては風味ベース、通常ショ糖及びアカシア又はトラガント中に有効成分を含有するロゼンジ、不活性ベース、たとえばゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシア中に有効成分を含有するパスチル、及び適する液体キャリヤー中に有効成分を含有する洗口剤が挙げられる。
【0064】
溶液又は懸濁液を鼻腔に通常の手段、たとえば点滴器、ピペット又はスプレーによって直接に投与する。薬剤は単一又は多様- 投薬形で供給される。
【0065】
呼吸器官への投与はエアゾール製剤によって達成される。このエアゾール中に有効成分を適する噴射剤、たとえばクロロフルオロカーボン(CFC)、たとえばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン又はジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適するガスで加圧パックして供給する。エアゾールはまた界面活性剤、たとえばレシチンを通常含有する。薬剤の投薬量は計量バルブの供給によって調節される。
【0066】
あるいは有効成分を、乾燥粉末の形でたとえば適する粉末ベース、たとえば乳糖、でんぷん、でんぷん誘導体、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)中の化合物の粉末混合物の形で供給する。通常、粉末キャリヤーは鼻腔内でゲルを形成する。粉末製剤は、単位投薬形の形で、たとえばゼラチンのカプセル又はカードリッジ、又は発泡パックの形で存在し、これから粉末を吸入器によって投与する。
【0067】
呼吸器官への投与を意図する製剤(鼻腔製剤を含む)中で、化合物はたとえば5ミクロン又はそれ以下の大きさの小粒サイズを一般に有する。この様な粒子サイズは従来公知の方法、たとえば微粒子への細砕化によって得られる。
【0068】
所望の場合、有効成分の徐放を付与する適した製剤を使用する。
【0069】
薬学的調合物は、単位投薬形であるのが好ましい。この様な形で、薬剤を有効成分の適する量を含有する単位投薬形に再分割する。単位投薬形は、包装された薬剤、薬剤の別々の量を含有するパッケージ、たとえば包装された錠剤、カプセル、及び小瓶又はアンプル中の粉末であってよい。単位投薬形はまたカプセル、錠剤、カッシェ又はロゼンジそれ自体であるか又は包装された形でこれらのいずれかの適する数であってもよい。
【0070】
経口投与用錠剤又はカプセル及び静脈内投与用液体及び連続注入剤が好ましい製剤である。
【0071】
製剤及び投与方法に関する更に詳しい説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.,Easton,PA)の最新版中に見出される。
【0072】
本発明の薬学的調合物は、好ましくはパーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用するためのものである。
【0073】
実際の薬用量は治療される疾患の性質及び過酷さ及び投与経路に依存し、更にその量は医師の裁量にまかされており、所望の治療効果を生じるために本発明の特定の状況に薬用量を適合させることによって変化させることができる。単一投薬量あたり有効成分約0.01〜約500mg、好ましくは約0.1〜約100mg、最も好ましくは約1〜約10mgを含有する調合物が治療的処置に適当であると現在考えられている。
【0074】
有効成分を、1日1回又は数回の薬用量で投与することができる。満足のいく結果は、ある場合、0.1μg/kg(静脈内)及び1μg/kg(腹腔内)ほどの低い薬用量で得ることができる。薬用量範囲の上限は約10mg/kg(静脈内)及び100mg/kg(腹腔内)であると現在見なされる。好ましい範囲は、一日あたり約0.1μg/kg〜約10mg/kg(静脈内)及び約1μg/kg〜約100mg/kg(腹腔内)である。
【0075】
本発明の薬学的調合物はパーキンソン病の治療、予防又は軽減に有用な付加的な薬物1個以上と組み合わせて含むか又は使用するか又は投与することができる。このような付加的な薬物は、L−DOPA[場合によりデカルボキシラーゼ阻害剤(たとえばカルビドーパ(carbidopa) )又はCOMT阻害剤(たとえばエンタカポン(entacapone))との組み合わせで]、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤(たとえばセレギリン(selegiline)),ドパミンアゴニスト[たとえばブロモクリプチン(bromocriptine) 、ペルゴリド(pergolide) 、カバーゴリン(cabergoline) 、ロピニロル(ropinirole)、プラミペキソル(pramipexole) 、又はアポモルフィンとドンペリドン(domperidone) との組み合わせで]、モノアミン再取り込み阻害剤[たとえば国際特許出願(WO)第97/16451号明細書(NeuroSearch)及び国際特許出願(WO)第97/13770号明細書(NeuroSearch)に記載されている物質、又はALE−26018)、ドパミン再取り込み阻害剤(たとえば米国特許第6011070号明細書、米国特許第5821386号明細書、米国特許第6001330号明細書、米国特許第5795915号明細書、米国特許第5574060号明細書に記載された物質)、NA/DA−再取り込み阻害剤[たとえばベンラファキシン(Venlafaxin)、ミナシプラム(Minacipram)、レボキセチン(Reboxetin) ]、古典的な三環状抗うつ剤(たとえばイミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン)、選択的ドパミン再取り込み阻害剤(たとえばGRB−12909、GRB−12935、インダトラリン(Lu−19−005)、ブプロピオン、アンホネリン酸、BTCP、マジンドール、ノミフェンジン、ベータ−CFT(WIN35,428)、ベータ−CTP(WIN35,065−2),ベータ−CIP(RTI−55),GYKI52895,4’,4”−ジフルオロ−3−アルファ−ジフェニル−メトキシトロパン、4’−クロロ−3−アルファ−ジフェニルメトキシトロパン、5−(4−クロロフェニル)−8−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]イソキノリン−2,3−ジオン−3−オキシム、及び5−(4−クロロフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]ナフタレン−2,3−ジオン−3−オキシム)、相対的に選択的なドパミン再取り込み阻害剤(たとえばアミンプチン、3,4−ジクロロフェニル4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシ−1−メチル−3−ピペリジル ケトン(Wang、S.等、1999)、1−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]−4−(3−フェニルプロピル)ホモピペラジン(LR−1111)、1−[2−(ジフェニルメトキシ)−エチル]−4−(3−フェニル−2−プロペニル)ホモピペラジン、(S)−(−)−1−[2−ジフェニルメトキシ)エチル]−2−[[N−(3−フェニルプロピル]アミノ]メチル]ピロリジン及び(S)−(−)−1−[2−[ビス(4−フルオロフェニル)−メトキシ]エチル]−2−[[N−(3−フェニルプロピル]アミノ]メチル]ピロリジン)を含む。
【0076】
更に、本発明の治療はその他の公知のパーキンソン病の治療と組み合わせて、たとえばドパミン分泌細胞を線条体に移植又は神経栄養発育因子を側脳室に適用と組み合わせることができる。
【0077】
本発明は更に下記試験法及び例によって説明するが、これらは請求項に記載された本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
【0078】
試験法
方法1
PC12細胞における神経突起成長の刺激
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がPC12細胞においてNGF−誘発された神経突起成長を高める能力を判定する。
【0079】
方法
PC12細胞をコラーゲンコーティングされた組織培養プレートで細胞密度15,000/cm2で7.5%FCS及び7.5%DHSを有するDMEMに植える。翌日、培地をNGFの不在下又は存在下で上記化合物が補充された培地に変更する。
【0080】
培地変更して2日後、細胞を4%パラホルムアルデヒド中に固定し、神経フィラメントを染色する。細胞をPBS中の4%パラホルムアルデヒド中でインキュベートし、ついで10%DHSの存在下に0.05%トリトン−X100に浸透させて、非特異結合部位を遮断して組織培養プレートに固定する。洗浄後、プレートを0.05%トリトン−X100/10%DHS中で1:200に希釈された抗神経フィラメント(NF)抗体(クローンRT97)(ベーリンガー社製)と共にインキュベートし、ついで1:200に希釈されたビオチン化抗マウス免疫グロブリンRPN1001(Amersham) と共にインキュベートする。NF−免疫反応性細胞を、基質としてABC−複合体/HRPキットK0355(DAKO)及び3,3−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロライド(DAB)を用いて染色する。
【0081】
ウエルあたりの全細胞数並びに神経突起全体の長さの見積りを不偏2D立体学(unbiased 2D stereology)(オリンパスBH−2顕微鏡に連結されたCASTグリッドシステム)を用いて行う。
【0082】
方法2
PC12細胞生存アッセイ
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がPC12細胞の生存に影響を及ぼす能力を判定する。
【0083】
方法
PC12細胞を2nM マウス7SNGF(Alomone Labs Ltd., Jerusalem, Israel) が補充された増殖培地でコラーゲンコーティングされた96ウエルプレート(well plate) に植え、ついで6日間培養する。ついでこの培地を化合物が補充された血清不含DMEMに変える。NGF(3nM)を正のコントロールとして含む。インキュベーション4日後、細胞生存能力を製造業者の指示(Molecular Probes、C−7026)にしたがってCyQUANT Cell Proliferation Assay を用いて評価する。すぐに培地を吸気し、細胞を−80℃で少なくとも1時間インキュベートする。ついで細胞を解かし、蛍光CyQUANT 染料を含有する緩衝液中でインキュベートする。この染料は核酸に結合すると強い蛍光増加を示す。480nmでの劣化の尺度となる蛍光及び520nmでの発光検出をウエルでの生存細胞の数に関連させることができる。
【0084】
方法3
胎生ラット(Embryonic rat) ドパミン作動性ニューロンの生存
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がラットE14腹側中脳(ventral mesencephali (VM))から得られ、解離された培養液中でドパミン作動性ニューロンの生存に影響を及ぼすことを判定する。
【0085】
方法
胎生ラット脳(ウスター;E14)を滅菌状態で単離し、グルコース(6.5mg/ml)を有する冷却されたゲイ(Gey)均衡塩類溶液(CIBCO)中に置く。
【0086】
腹側中脳を切断し、小さい組織片に切断し、B27サプレメントを有するニューロン性培地(nuerobasal medium) 中に置き、Nitex フィルター80μmによって穏やかにプレスする。細胞を血球計算板を用いて数え、約2.0×106細胞/ウエルの密度で6ウエルマルチ皿(a 6 well multi dish)中に置く。培養皿をポリ−D−リジンで被覆する。
【0087】
1時間後、培地を除き、新たな培地を添加する(1.5ml/ウエル)。培養のうちの1つのグループを1μM濃度で上記化合物で常に処理する。未処理培養をコントロールとして使用する。培地を1日おきに変え、抗有糸分裂薬及び抗生物質をどの段階でも使用しない。
【0088】
培養7日後、培養をチロシンヒドロキシラーゼ(TH)に対して免疫染色しする。すぐに細胞を1%トリトンX−100含有0.05Mトリス緩衝食塩水(TBS、pH7.4)中で3×15分洗浄し、30分間TBS中で10%胎児牛血清(FBS ,Life Technologies)と共にインキュベートする。ついで細胞を24時間4℃で10%FBSを有するTBS中で1:600に希釈されたモノクロナールマウス抗TH抗体(ベ−リンガー、マンハイム)と共にインキュベートする。1%トリトンX−100を有するTBS中で洗浄した後、細胞を10%FBSを有するTBS中で1:200に希釈されたビオチン化抗マウスIgG抗体(Amersham) と共に60分間インキュベートする。細胞を1%トリトンX−100含有TBS中で洗浄し(3×15分)、10%FBSを有するTBS中で1:200に希釈されたストレプタビジン−パーオキシダーゼ(Dako)と共に60分間インキュベートする。TBS中で洗浄した後(3×15分)、結合した抗体を0.01%H2O2含有TBS中で0.05%3,3−ジアミノベンジジン(Sigma)で処理して可視化する。TH−免疫反応性(ir)細胞を手動で数える。
【0089】
方法4
E28 豚腹側中脳(ventral mesencephali)からドパミン作動性ニューロンの生存
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)が豚E28腹側中脳から得られた臓器典型スライス培養(organotypic slice culture)中でドパミン作動性ニューロンの生存に影響を及ぼすことを判定する。
【0090】
方法
腹側中脳(VM)を豚胎児(E28)から滅菌状態で単離し、400μmのスライスに刻み、グルコース(6.5mg/ml)を有する冷却されたゲイ均衡塩類溶液(CIBCO)中に置く。組織スライスを、本来Stoppini等によって開発されたインターフェース培養方法で培養する[L. Stoppini, P.A. Buchs, D. Muller. A simple method for organotypic culture of nervous tissue; J. Neurosci. Methods 1991 37 173-182 ]。
【0091】
すぐに、血清含有培地(GibcoBRL)を有する6−ウエルプレート(Coster)中に挿入物としてある半多孔性膜(ミリ小孔、0.3μm;4つのスライス/膜)上にスライスを置く。それぞれのウエルは最終濃度25mMまでD−グルコースが補充された培地1ml(50%オプチメン、25%馬血清、25%ハンクス均衡塩類溶液(すべてのGIBCO))を含有する。
【0092】
3日目、培地を限定された血清不含培地(Life Technologies のB27サプレメントを有するNeurobasal培地)に代える。切片を方法2に記載した様にTHに対して免疫染色した後、21日間36℃で5%CO2によってインキュベーター中で培養を増殖させる。スライス培養グループのうちの1つを、1μM濃度の化合物で常に処理する。未処理培養をコントロールとして使用する。培地を1週間に2回変え、抗有糸分裂薬及び抗生物質をどの段階でも使用しない。
【0093】
オリンパスBX50顕微鏡及びコンピューター制御されたx−y−z step motor stage からなるオリンパスC.A.S.T.グリッドシステム(version 1.10; Olympus, Albertslund, Denmark)を用いて、TH−irニューロンの定量化をコードされたスライド(サンプル同定のために盲検("blinded")による分析を可能にする)上で行う。培養スライスの領域を正確に描き、数える枠を無作為に置き、サンプルとする最初の領域に印を付ける。ついでそのフレームを規則的に切片じゅうを移動させ、TH−ir細胞を数える。
【0094】
方法5
PC12細胞におけるNGFシグナルトランスダクションの強化
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がERKs及びAktキナーゼのNGF−誘発されたリン酸化に影響を及ぼすことを判定する。
【0095】
方法
約200,000個のPC12細胞を24ウエルプレートで7.5%FCS及び7.5%DHSを有するDMEM中に入れ、ONをインキュベートする。翌日、NGF及び上記化合物を細胞に添加し、24時間インキュベートし、その後細胞を2×Laemmliサンプル緩衝液中で収得する。
【0096】
細胞溶解物全体をPVDF膜にエレクトロブロットされた8−18%勾配SDSゲル上で電気泳動する。リン酸化されたERK1及びERK2をマウスanti-Phospho-p44/p42 MAPキナーゼE10mAb(New England Biolabs #9106)及びHRP−結合抗マウス抗体を用いて免疫検定する。リン酸化されたAktキナーゼをウサギPhospho-specificAkt(Ser473)抗体(New England Biolabs #9271)及びHRP−結合抗ウサギ抗体を用いて免疫検定する。バンドをECLシステム(Amersham)を用いて化学発光によって検出する。
【0097】
方法6
非分化PC12細胞におけるCREBリン酸化の刺激
この試験で、神経栄養活性を有する化合物(以下、化合物と略称する。)がCREB(環状AMP−応答エレメント結合蛋白質)リン酸化に影響を及ぼすことを判定する。
【0098】
方法
ウエルあたり約7.5×105PC12細胞をコラーゲンコーティングされた6−ウエルプレートで0.75%FCS及び0.75%DHSを有するDMEM中に植え、48時間インキュベートする。ついで5、10又は20分間上記化合物で刺激する前に、血清不含DMEM中で2時間更に細胞を飢餓状態(starved) にする。細胞を1×加熱されたサンプル緩衝液(2%SDS、400mMTris、pH8.0、10mMDTT及び0.25mMNa3VO4)中に収得し、細胞溶解物を、PVDF膜にエレクトロブロットされた8−18%勾配SDSゲル上で電気泳動する。
【0099】
リン酸化されたCREBをウサギanti-Phospho- DREB(UpState Biotechnology #06-519)、ついでHRP−結合抗ウサギ抗体(Amersham Life Science #NA 934)を用いて免疫検定する。バンドをECLシステム(Amersham)を用いて化学発光によって免疫検定する。
【0100】
方法7a
3H−ZM241385結合のインビトロ阻害
この試験で、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストが線条体組織中の選択的及び強力なアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト3H−ZM241385の特異結合を阻害する能力を判定する。
【0101】
組織調製:
その他に明記しない限り、0〜40Cで調製を行う。雄性ウスターラット(150-200g)から得られた線条体組織を、Ultra-Turraxホモジナーザーを用いて20容量のトリスHCl(50mM,pH7.4)中で10〜20秒間ホモジナイズする。ついでこの膜ホモジナートを10分間48,000×gで遠心分離する。上澄みを捨て,ペレットを原組織重量10mg/mlに対してアデノシン デアミナーゼ2 IU/mlを含有する緩衝液に浮遊し、37℃で30分間インキュベートし、内因性アデノシンを除去する。この膜ホモジナートを再遠心分離し、最終ペレットを緩衝液50容量に再浮遊し、アッセイの時まで−80℃で凍結する。
【0102】
アッセイ:
膜調製物を解凍し、2℃で10分間、27,000×gで遠心分離し、ペレットを10mM MgCl2を有する50mMトリス,HCl,pH7.4(原組織1gあたり500ml)に再浮遊させ、ついで結合アッセイに使用する。0.5mlのホモジナートを有するアリコートを、試験溶液0.025ml及び3H- ZM241385(最終濃度1nM)0.025mlに加え、混合し、室温で30分間インキュベートする。非特異結合をNECA(100μM、最終濃度)を用いて測定する。インキュベーション後、サンブルを吸引下にワットマンGF/Cガラスファイバーフィルター上に直接注ぎ、直ちに氷冷緩衝液2×5mlで洗滌する。フィルター上の放射能の量を通常の液体シンチレーション計数器によって測定する。特異結合を全結合と非特異結合の差異として算出する。
【0103】
結果
試験値をIC50として表わす(3H- ZM241385の特異結合を50%阻害する試験化合物の濃度(μM))。
【0104】
方法7b
3H−CGS 21680結合のインビトロ阻害
この方法で、線条体中のアデノシンA2Aレセプターアゴニスト3H−CGS 21680の特異結合を阻害するアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの能力を判定する。
【0105】
組織調製: 上記方法7aに記載した通り行う。
【0106】
アッセイ:
膜調製物を解凍し、2℃で10分間、27,000×gで遠心分離し、ペレットを10mM MgCl2を有する50mMトリス,HCl,pH7.4(原組織1gあたり200ml)に再浮遊させ、ついで結合アッセイに使用する。0.5mlのホモジナートを有するアリコートを、試験溶液0.025ml及び3H−CGS 21680(最終濃度5nM)0.025mlに加え、混合し、室温で2時間インキュベートする。非特異結合をNECA(100μM、最終濃度)を用いて測定する。インキュベーション後、サンブルを吸引下にワットマンGF/Cガラスファイバーフィルター上に直接注ぎ、直ちに氷冷緩衝液2×5mlで洗滌する。フィルター上の放射能の量を通常の液体シンチレーション計数器によって測定する。特異結合を全結合と非特異結合の差異として算出する。
【0107】
結果
試験値をIC50として表わす(3H−CGS 21680の特異結合を50%阻害する試験化合物の濃度(μM))。
【0108】
方法7a及び7bのIC50値を阻害曲線から決定する。完全な曲線が得られないならば、IC50を算出する前に、25−75%特異結合阻害を得ることが必要である。
【数1】
【0109】
{上記式中、
Coはコントロールアッセイ中の特異結合であり、Cxはテストアッセイ中の特異結合である。(算出は正常の質量作用動力学であるとする。)}
方法8
微量透析法によって測定された細胞外ドパミンへの化合物の作用
この試験で、種々の脳領域において線条体ドパミンを増加させるドパミン活性増加化合物の能力を判定する。
【0110】
雄性SPF Molウスターラット(体重300−350g)をM φllegaad Breedingand Research Centre から得、標準Macrolonケージ(サイズ24×36×18cm)中に少なくとも5日間標準条件下で23±2℃の温度で、60%±10%の湿度で、そして12時間明るい及び暗いのサイクルで入れる。ラットを任意に自由に得られる餌及び水と共に2つのグループに分けて入れる。微量透析法のために、ラットを1 1/2%ハロタン、20%酸素及び80%亜酸化窒素を用いてハロタン麻酔下で定位装置中に置く。直腸の温度を監視し、加熱パッド(CMA150 Carnegie Medicin )を用いて実験の間37.0±1℃で保つ。小さい穴をあけ、垂直なプローブ(CMA/123)を右線条体にブレグマに対して次の座標を用いて定位にインプラントさせる:AP+1mm;L3mm;DV−6mm。側坐核(CMA122)に対するプローブを次の座標で垂直にインプラントする:AP+2.4mm;L1.4mm;DV−8mm。同様な実験を麻酔されていない自由に動く動物で側坐核にインプラントされたプローブを用いて行う。これらの実験は手術後48時間で任意に自由に得られる餌及び水を有するプラスチックケージ中に個々に入れられた動物において昼間行われる。すべての場合、注射部位をPaxinos 及びWatsonの地図にしたがって組織学的に確認する。
【0111】
最初の2時間後、透析物のサンプルをハロタン麻酔されたラットから集める。これらのラットへの試験化合物の投薬を3つのベースライン分析の収集後に常に開始する。ドパミン及びその代謝物を急速に−18℃に凍結させ、ついでその後できるだけ早く分析する。透析プローブを、リンガー(Ringer)液(147mMNaCl、4mMKCl、2.3mMCaCl)、すなわち2mMリン酸ナトリウム緩衝液でpH6.5に調整されたリンガー液(NaCl4.3g、KCl150mg、CaCl2110.3mg、全量500ml)を用いて2μL/分の速度で(CMA/100微量潅流ポンプによって)潅流する。リンガー液を、使用する前にMillipore ガラスフィルター(0.22μm)によって濾過する。透析分画(40μL)20分間隔で集め、ついでHPLCシステムに注入する。ドパミン(DA)、ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC), ホモバニリン酸(HVA)及び5−ヒドロキシインドール酢酸(5−HIAA)の濃度を電気化学検出の高速液体クロマトグラフィー(HPLC−ED)によって測定する。カラムは23℃で逆相液体クロマトグラフィーカテコールアミン3μmESAカラムであり、移動相は0.1nMオクタンスルホン酸、0.01mMNaEDTA及びpH3.7に氷酢酸で調整された10%メタノールと0.055M酢酸ナトリウムから成る。移動相を0.55ml/分でHPLCポンプ(ESA)によって送る。電気化学的検出はガラス状炭素電極(0.8VAg/AgCl 比較)で電流測定検出器(Antec)又は熱量測定検出器(Choulochem II medel ESA;高感度分析セル(5011)を用いる)(0.4VAg/AgCl 比較)を用いて行われる。クロマトグラムをインテグレーターで記録する。データを基本濃度の現在の変更として算出し、100%値を各ラットに対する最後の3個の前処理の平均として定義する。ついで平均パーセント値を各グループの処理においてラットに関して各20分サンプルに対して算出する。
【0112】
方法9
内側前脳束及び腹側被蓋領域の6−OHDA病変後、黒質ドパミン作動性ニューロン変性への化合物の作用
線条体6−OHDA病変後、黒質において生存するドパミンニューロンの生存数を増加させる、神経栄養活性を有する化合物の能力を判定する。
【0113】
FluoroGold(0.9%NaCl中の0.2%溶液、0.2μL/side) をハロタン麻酔された雄性Sprague Dawleyラット(体重約200−250g)の線条体に10μLハミ ルトン注射器で左右に注射する。次の座標を使用する:AP=+1.0mm;ML=+/−3.0mm;DV=−5.0mm,歯バー(tooth bar) =0.0。1週間後、6−OHDA(0.02%アスコルビン酸が補充された0.9%NaClに溶解された遊離塩基20μg)を次の座標(coordinate):AP=−4.4mm;ML=−1.2mm;DV=−7.8mm,tooth bar=−2.3(MFB)及びAP=−4.0mm;ML=−0.8mm;DV=−8.0mm,tooth bar=+3.4(VTA)を用いてガラス製キャピラリーで内側前脳束(MFB)及び腹側被蓋領域(VTA)に一側性に注射する。
試験化合物又は賦形剤を毎日又は6−OHDA注射後に開始する特定の時間ポイントで腹腔内、経口、皮下又は静脈内投与する。6−OHDA注射3〜4週間後、ラットを深く麻酔し、1分間0.9%NaClを用いて、ついで6分間0.1Mリン酸緩衝液中の4%パラホルムアルデヒドを用いて心臓経由で(transcardically) 潅流する。脳を切断し、3〜6時間ホルマリン中に添加し(postfixed)、ついで48時間0.1Mリン酸緩衝液中の25%ショ糖に移す。一連の40μm切片を線条体及び黒質によるミクロトミーを凍結して得る。切片をチロシン ヒドロキシラーゼ(TH)のために染色する。6−OHDA−病変側及び−無傷側でのドパミン作動性ニューロンの生存を、フルオロゴールド蛍光を示す黒質中で反対に標識されたニューロンの数をステレオロジカリーに(stereologically)カウントし、そしてTH免疫活性を示すニューロンの数をカウントしてブラインドリーに定量化する(quantified blindly) 。
【0114】
方法10
6−OHDA病変後、挙動変化への化合物の作用
線条体又は内側前脳束及び腹側被蓋領域の6−OHDA病変後、挙動変化に影響を与えるアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び(又は)神経栄養活性を有する化合物の能力を判定する。
【0115】
6−OHDA(0.02%アスコルビン酸が補充された0.9%NaClに溶解された遊離塩基20μg)をハロタン麻酔された雌性Sprague Dawley ラット(体重約200−250g)の線条体に又は内側前脳束(MFB)及び腹側被蓋領域(VTA)にガラス製キャピラリーで一側性に注射する。試験化合物又は賦形剤を毎日又は6−OHDA注射後に開始する特定の時間ポイントで腹腔内、経口、皮下又は静脈内投与する。
【0116】
6−OHDA注射後種々の時間ポイントで、アンフェタミン(2.5mg/kg腹腔内)、アポモルフィン(0.25mg/kg皮下)又はL−ドーパ(2−10mg/kg腹腔内)の投与後6−OHDAにより病変した動物の回転動作を自動化されたロトメーターボウルで監視する。
【0117】
方法11
カタレプシーへの化合物の作用
この試験で、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び(又は)神経栄養活性誘導体を有する化合物がハロペリドールによって誘発されたカタレプシーに影響を与える能力を判定する。
【0118】
雄性ウスターラット(体重200−250g)をラット4匹づつ随意に餌及び水と共に及び12時間照明サイクルでケージに入れる。試験化合物又は賦形剤をハロペリドール投与(0.1mg/kg皮下)前の特定の時間に腹腔内、経口、皮下又は静脈内投与する。それぞれの投薬量に関して、6匹のラットを試験する。カタレプシーに関する試験は15分間隔で行われ、連続的に行われる4つの試験が含まれる。各試験で10秒間カタレプシー強度を判定する。
1)竪形ワイヤーネット(40×40cm高さ)。ネットのメッシュ(開口部)は約1×2cmである。
2)床から9cmのところに水平バー。
3)高さ9cmのブロック(バー)。
4)高さ3cmのブロック(コルク)。
【0119】
ラットを竪形ワイヤーネットの中央に置き、ついで前肢をバーで支える延長された位置での水平バー上に置く。カタレプシーの強度を総体的な静止(total immobility) 10秒の基準にしたがってスコア2と判定する。頭又は体の最小の動きはスコア1、そしてラットが一連の行動を示さない場合、スコアは0である。バーテストの後、10秒間先ず9cmブロックに、ついで3cmブロックに前肢又は右前肢を置いてラットがすわるのをいとわないかどうかを試験する。4つの試験すべての最大スコアは全部で8である。
【0120】
方法12
MPTPで処理されたマウスにおけるアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び神経栄養活性を有する化合物の別々の投与又は組み合わせ投与の線条体ドパミンへの作用
この試験で、MPTPで処理されたマウスにおいて線条体ドパミンを増加させる、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び神経栄養活性を有する化合物の別々の投与又は組み合わせ投与の能力を判定する。
【0121】
雌性C57BL/6Jマウス(体重20−25g)(M&E breeding centre, Ltd. Ejby, Denmark)を室温22−24℃で、実験の5−7日前に自由に得られる餌及び水を用いて実験室に順応させる。電灯を午前7時につけ、午後6時に消灯する。1つのグループに少なくとも5−8匹のマウスを使用する。MPTP(RBI)を実験直前に生理食塩水に溶解させ、種々の投薬量で試験する。アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの別々の投与の効果をMPTP処理の1−5日前に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で化合物の一日投与後に調べる。マウスをMPTP処理後48時間で殺す。神経栄養化合物の別々の投与の効果を、MPTP処理後1〜5日で種々の投薬量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で化合物の一日投与後に調べる。マウスを神経栄養化合物で最後に処理した後48時間で殺す。2つの化合物の組み合わせ投与の効果を、MPTP処理の1−5日前に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)でアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの一日投与によって、ついで同一動物においてMPTP処理後1〜5日で種々の投薬量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で神経栄養化合物の一日投与によって調べる。マウスを神経栄養化合物で最後に処理した後48時間で殺す。脳を迅速に除き、マウスの線条体を切断し、凍結させ、ドパミン及びその代謝物 HVA及びDOPACの生化学分析まで−80℃で貯蔵する。分析のその日に、マウス1匹あたり1つの線条体(重さ5−7mg)を5%EDTA含有0.1N 過塩素酸1mlにホモジナイズする。30分間遠心分離14,0000×G後、上澄み200μLをガラス0.22μmによって濾過する。ついで20μLを下記カラム(Caracholamine HR-80 4.6mm ×80mm 3μm Nucleosil C 18) を有するESA Coulochem II HPLC 装置に注入する。溶離剤はNaH2PO410.25g、EDTA185mg、オクタンスルホン酸100mgである。9%メタノール、pH3.7をMilliQ waterに添加し、0.22μmによって濾過する。ColochemESA分析細胞は5014Aであり、ESA検出器は次の設定を有する:E2−175mV、ドパミン、DOPAC及びHVAの溶離に対する実行時間(run time) (DOPAC=4.3分;ドパミン=6.4分;及びHVA=12.7分)。自動注入器SHIMADZY sil−10Aはつぎの設定を有する;注入容量20μL、分析時間16分、温度4℃。ポンプからの流速は0.80ml/分である。分析を、それぞれ12回分析を行ったドパミン、HVA及びDOPACの3pMのスタンダードを用いて目盛りを定め、そしてスタンダードカーブと比べる。
【0122】
方法13
線条体6−OHDA病変後、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び神経栄養活性を有する化合物の別々の投与又は組み合わせ投与の黒質ドパミン作動性ニューロン変性への作用
線条体6−OHDA病変後、黒質において生存するドパミンニューロンの数を増加させる、アデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト及び神経栄養活性を有する化合物の別々の投与又は組み合わせ投与の能力を判定する。
【0123】
FluoroGold(0.9%NaCl中の0.2%溶液、0.2μL/side) をハロタン麻酔された雄性Sprague Dawleyラット(体重約200−250g)の線条体に10μLハミ ルトン注射器で左右に注射する。次の座標を使用する:AP=+1.0mm;ML=+/−3.0mm;DV=−5.0mm,歯バー(tooth bar) =0.0。1週間後、6−OHDA(0.02%アスコルビン酸が補充された0.9%NaClに溶解された遊離塩基20μg)を次の座標(coordinate):AP=+1.0mm;ML=−3.0mm;DV=−5.0mm,tooth bar=0.0を用いてガラス製キャピラリーで線条体に一側性に注射する。アデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの別々の投与の効果を、毎日又は6−OHDA注射後の特定の時間に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で化合物の投与後に調べる。2つの化合物の組み合わせ投与の効果を、毎日又は6−OHDA注射前の特定の時間に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)でアデノシンA2Aレセプターアンタゴニストの投与によって、ついで同一動物において毎日又は6−OHDA注射前の特定の時間に種々の薬用量(皮下、腹腔内、経口又はi.c.v.)で神経栄養化合物の投与によって調べる。6−OHDA注射3〜4週間後、ラットを深く麻酔し、1分間0.9%NaClを用いて、ついで6分間0.1Mリン酸緩衝液中の4%パラホルムアルデヒドを用いて心臓経由で(transcardically) 潅流する。
【0124】
脳を切断し、3〜6時間ホルマリン中に入れ(postfixed)、ついで48時間0.1Mリン酸緩衝液中の25%ショ糖に移す。一連の40μm切片を線条体及び黒質によるミクロトミーを凍結して得る。切片をマウス−anti−TH(Chemicon, #MAB 318) を用いてチロシン ヒドロキシラーゼ(TH)免疫活性のために染色する。切片をKPBS中で洗浄し、その後KPBS中の10%メタノール+3%過酸化水素を用いて急冷する。KPSB中の2%正常のウマ血清(NHS)+0.3%トリトンX−100を用いて1時間予備インキュベートする。その後切片をKPSB中のマウス−anti−TH(Chemicon, #MAB 318) 1:2000+2%NHS+0.3%トリトンX−100中で一晩インキュベートする。KPBS中で洗浄した後、切片をKPBS中の0.3%トリトンでビオチン化ウマ抗マウス(ベクター)1:200中で2時間インキュベートする。KPBS中で洗浄した後、免疫活性をABC反応(ベクターキット)によって、ついでDAB染色によって可視化する。6−OHDA−病変側及び−無傷側でのドパミン作動性ニューロンの生存を、フルオロゴールド蛍光を示す黒質中で反対に標識されたニューロンの数をステレオロジカリーに(stereologically)カウントし、そしてTH免疫活性を示すニューロンの数をカウントしてブラインドリーに定量化する(quantified blindly) 。ある場合には、ニューロン生存度を、生存するドパミン作動性細胞分画に基づき各切片に1から5のスコアを割り当てて見積もる。上記分画はフルオロゴールド蛍光及び(又は)TH免疫組織化学(immunohistrochemistry)のために処理された切片を観察してブラインドリーに見積もられている。スコア“1”をすべてのニューロンが生存し、そして非病変ニューロンと形態学的に区別されない切片に割り当て、一方スコア“5”をニューロンが6−OHDA病変側で生存する切片に割り当てる。
Claims (11)
- パーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用される薬剤を製造するために神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個を使用する方法。
- アデノシンA2AレセプターアンタゴニストがKW−6002,ZM−241385、8FB−PTP、SCH−58261、KF−17837、CGS−15943、DMPX及びそれらの薬学的に許容し得る塩から選ばれる、請求項1記載の使用する方法。
- 神経栄養活性を有する化合物が、
5−(4−クロロフェニル)−8−メチル−6.7.8.9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]イソキノリン−2,3−ジオン−3−オキシム;
5−(4−クロロフェニル)−6.7.8.9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]ナフタレン−2,3−ジオン−3−オキシム;
GDNF;
ニューブラスチン(Neublastin)
及びそれらの薬学的に許容し得る塩より成る群から選ばれた化合物である、請求項1又は2記載の使用する方法。 - 神経栄養活性を有する化合物がGDNFであり、アデノシンA2AレセプターアンタゴニストがSCH−58261又はKF−17837である、請求項1記載の使用する方法。
- 神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の治療上有効な量を薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤少なくとも1個と共に含有する薬学的調合物。
- アデノシンA2AレセプターアンタゴニストがKW−6002,ZM−241385、8FB−PTP、SCH−58261、KF−17837、CGS−15943、DMPX及びそれらの薬学的に許容し得る塩から選ばれる、請求項5記載の薬学的調合物。
- 神経栄養活性を有する化合物が、
5−(4−クロロフェニル)−8−メチル−6.7.8.9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]イソキノリン−2,3−ジオン−3−オキシム;
5−(4−クロロフェニル)−6.7.8.9−テトラヒドロ−1−H−ピロロ[3.2−h]ナフタレン−2,3−ジオン−3−オキシム;
GDNF;
ニューブラスチン
及びそれらの薬学的に許容し得る塩より成る群から選ばれた化合物である、請求項5又は6記載の薬学的調合物。 - パーキンソン病患者の治療、予防又は軽減に使用するための請求項5〜7のいずれかに記載の薬学的調合物。
- 治療用剤として使用される、神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の組み合わせ物。
- パーキンソン病患者の治療、予防又は軽減方法において、この方法が神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個の治療上有効な組み合わせ物を上記患者に投与することを特徴とする、上記方法。
- 神経栄養活性を有する化合物少なくとも1個とアデノシンA2Aレセプターアンタゴニスト少なくとも1個から成るパーツを含むキット。
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