JP2004528665A - 磁気抵抗メモリセルに書き込む方法および本方法によって書き込まれ売る磁器抵抗性メモリ - Google Patents

磁気抵抗メモリセルに書き込む方法および本方法によって書き込まれ売る磁器抵抗性メモリ Download PDF

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本発明は、MRAMメモリの磁気抵抗メモリセルに書き込むための方法に関する。この方法で、書き込み電流(IWL、IBL)は、各場合について、ワード線(WL)およびビット線(BL)に印加され、この書き込み電流によって生成された磁界の重ね合わせが、対応するワード線およびビット線によって選択された各メモリセルにおいて磁化方向の変化をもたらす。この方法で、書き込み電流(IWL、IBL)は、互いに対して時間的にオフセットされた態様で、それぞれのワード線(WL)およびビット線(BL)に印加されて、選択されたメモリセルの磁化方向が、論理値「0」または「1」を書き込むように所望される方向にて、複数の連続的ステップ(a〜h)で回転される。
【選択図】図4

Description

【背景技術】
【0001】
磁気抵抗メモリ(MRAM)において、メモリ効果は、メモリセル(MTJ)の磁気的に可変の電気抵抗性に依存する。1実施形態において、磁気抵抗メモリセルは、通常、互いに直交するように構成される2つの導体、すなわち、ビット線BLおよびワード線WLの交差に位置する。これらの導体間の交差点に、中間にトンネル酸化物(TL)が配置される軟磁性材料および硬磁性材料(ML−FREEおよびML−FIXED)の重なり合いを含む多層システムが配置される(交差点コンセプト)。情報は、硬磁性層(ML−FIXED)の磁化方向に対して軟磁性層(ML−FREE)の磁化が回転されることによって格納される。この目的で必要とされる磁界は、電流IWLおよびIBLによって生成される。これらの電流は、ワード線WLおよびビット線BLをそれぞれ通って流れ、その交差点にて重ね合わされる。
【0002】
添付の図1は、このような態様で構成され、かつ上述のメモリセルのマトリックス構成を含むMRAMメモリ構成の部分を示す。ただ1つの選択セルMTJに書き込まれることを保証するために、磁界は、選択されたワード線およびビット線を通る電流IWLおよびIBLの磁界の重なり合いが、磁化をスイッチングするために十分に大きくなるように正確に選択されなければならないが、隣接するセルも、選択された線上に位置するセルもスイッチングされないように十分小さくなるように選択されなければならない。この方法は、「半選択」法(「Half−Select」−Verfahren)とも呼ばれる。
【0003】
MRAMセルは、それぞれのMTJの抵抗の決定を介して読み出される。ML−FREEおよびML−FIXEDの磁化方向が平行の配向である場合、セルの(トンネル)抵抗は小さく、これに対して、この抵抗は、反平行の配向である場合は大きい。従って、図1に示されるように、論理値「1」をML−FREEおよびML−FIXEDの磁化方向の配向と平行な配向に、および論理値「0」を磁化方向の反平行の配向に割り当てることが可能である。
【0004】
書き込まれることが多いMTJの場合、セルの老化が記録される。これは、書き込み周期の数が増加すると、各場合について、平行配向(「1」)と反平行配向(「0」)との間のMTJの抵抗の差は減少し、従って、セルの情報内容を決定することが益々困難になることを意味する。さらに、書き込まれるべきセルは、確実にスイッチングされないことがよく確認される。これらの問題は、このために用いられる「半選択」法によっても、任意の公知の他の解決策によっても解決され得ない。
【0005】
従来技術において生じる問題は、以下において、図2を参照して、論理値「1」が書き込まれる場合を例として、より詳細に説明される。外部磁界がない状態で、薄い磁性層(この場合、ML−FREE)内の磁化は、識別された方向、いわゆる容易軸(easy axis)に沿って配向され、これは図2に破線で示される。従って、図2aおよび図2bにおける実線の太い矢印は、ビット線BLおよび/またはワード線WLにおける電流によって生成される外部磁界の効果がない間の、磁気抵抗メモリセルMTJの磁化方向(ML−FREE)を示す。図2aおよび図2bに実線の太い矢印によって示される(静止)磁化方向を変更するために、斜線領域(いわゆる星芒形)によって示されるスイッチング範囲の外側に位置する外部磁界を印加することが必要である。スイッチングが、ただ1つの磁界成分(例えば、H)を用いて印加する場合、相対的に大きい磁界が必要とされる。対照的に、2つの磁界成分HおよびHが用いられる場合、より小さい大きさの磁界がスイッチングのために必要とされる。
【0006】
従って、図2bおよび図2cを参照して、成分HおよびHを有する磁界が、ワード線WLに流れる電流IWLおよびビット線BLに流れる電流IBLによって生成される(図2bにおける破線の矢印)。この磁界は、磁化方向(実線の太い矢印)がIWLおよびIBLによって生成される磁界の方向に沿って配向されるまで存在しなければならない(図2c)。2つの電流IWLおよびIBLは、その後、オフにされ、磁界は、もはや外部に存在しない(図2d)。従って、磁化方向(実線の太い矢印)は、図2eに描かれた配向、初期状態に対して反平行であると仮定すること(図2aによる、静止磁化方向)が所望される。
【0007】
この方法は、上述のように、確実ではなく、セルの老化をもたらすので、本発明の目的は、老化現象を回避し、従って、MRAMメモリの耐用寿命を延長し、従来の半選択法と比較して、より確実にスイッチングするMRAMメモリの磁気抵抗メモリセルに書き込むための方法を可能にし、さらに、本発明による方法によって書き込まれ得るMRAMメモリを規定することである。
【0008】
この目的は、請求項により達成される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
MRAMメモリの磁気抵抗メモリセルに書き込むための一般的なタイプの方法は、本発明の本質的な局面によると、書き込み電流IWLおよびIBLが互いに時間的にオフセットされた態様でワード線WLおよびビット線BL上に印加されて、選択されたメモリの磁化方向が、論理値「0」または「1」を書き込むための所望の方向にて、複数の連続的ステップで回転されるという事実によって特徴付けられる。
【0010】
本発明による方法は、選択されたメモリセルの書き込み電流IWLおよびIBLが、各場合について、ほぼ同じパルス持続時間で、かつ互いに対して時間的にオフセットされた態様で印加されるという事実によって、有利に展開され得る。
【0011】
従って、本発明による方法は、論理値「1」を書き込むために、ビット線BLにおける書き込み電流IBLが、ワード線WLにおける書き込み電流IWLと同じ電流の流れ方向で流れ、かつワード線WLの書き込み電流IWLに対して遅延された態様で印加されるように行われ得る。
【0012】
本方法によって書き込まれ得る、磁気抵抗メモリセルを含むアレイを有し、かつワード線およびビット線を有するMRAMメモリには、書き込み電流IWLおよびIBLを、各場合について、書き込むために選択されたメモリセルMTJのワード線WLおよびビット線BLに印加するように調整される書き込み制御回路が提供される。このMRAMメモリセルは、さらに、書き込み制御回路が、書き込み電流IWLおよびIBLを、互いに対して時間的にオフセットされた態様で、ワード線WLおよびビット線BLに印加して、選択されたメモリセルの磁化方向が、論理値「0」または「1」を書き込むように所望される方向にて、複数の連続的ステップで回転される、回路手段を有するという事実によって特徴付けられる。
【0013】
本発明による方法は、以下において、例示の実施形態において、図面を参照してより詳細に説明される。
【0014】
以下の記載は、例として、図1により構成されたMRAMメモリ構成を前提とする。しかしながら、本発明による方法は、磁気抵抗メモリセルが、ビット線とワード線との間の交差点に直接構成されない、かつ選択トランジスタまたは選択ダイオードが対応する選択線によって追加的に駆動される、異なった構成のMRAMにも適用され得ることに留意されなければならない。
【0015】
MRAMメモリの磁気抵抗メモリセルに書き込むための、本発明による書き込み方法(図3にグラフで、および図4にパルスタイミング図によって図示される)の場合、磁界成分HおよびH、あるいはワード線およびビット線に電流IWL、IBLを印加する時間が、磁化の「スイッチング」(公知の半選択法で行われる)が磁化の回転プロセスに移行されるように正確に制御され、このスイッチングは、より確実に、かつより大きい耐久性をともなって行われる。
【0016】
論理値「1」を書き込む場合の磁化の回転の時系列を図示する図3a〜図3hのグラフの表示において、簡略化するために、星芒形が省略され、破線の直線によって容易軸のみが示される。図2に示されるように、メモリセルMTJの磁化は、太い黒矢印によって表示され、磁界成分HおよびHからなり、かつワード線電流IWLおよびビット線電流IBLによって誘起される磁界は、2重破線矢印によって表示される。図3aは、図2aに図示される初期状態に対応する初期状態を図示する。図3bおよび図3cにおいて、磁界Hは、最初、電流IWLおよびIBLによって誘起された態様でy方向にのみ存在し、この磁界は、最初、MRAMメモリセルMTJの磁化を0°〜90°回転させる(図3c)。その後、2つの電流IWLおよびIBLが流れる場合、磁界は、x方向およびy方向の、ほぼ同じ大きさの成分HおよびHで生成され、その結果、磁化方向(太い矢印)は、さらに回転し、90°と180°との間の範囲の角度を想定する(図3e)。最終的に、x方向(180°)のみを指す成分Hを有する磁界によって、磁化方向が、図3fおよび図3gによると、最終的に、x方向に(180°)回転されるまで、さらに回転される。図3hは、電源が切られた最終状態を示し、これは、MRAMメモリセルMTJの論理値「1」により情報内容を規定する。
【0017】
図4におけるタイミング図は、その左側半分において、論理値1を書き込むための、ワード線電流IWLの時系列a〜hおよびビット線電流IBLの時系列a〜hを示し、例a〜hは、上述のように、結果として回転する磁化の系列(図3a〜図3hに示される)に対応する。
【0018】
図4の右側半分は、論理値「0」をMRAMメモリセルMTJに書き込むための、電流IWLおよびIBLの時系列のステップa’〜h’を同様の態様で示す。例i’とh’との間では、ビット線電流IBLが、ビット線BLを通って逆方向に流れることが明らかである。
【0019】
従って、本発明により提示される段階的な磁化回転を実行するために、ワード線WLを通る電流IWLおよびビット線BLを通る電流IBLが、規定の態様で、互いに時間的にオフセットされることが絶対的に必要である。例として、ワード線電流およびビット線電流が、同じスイッチオン持続時間を有する場合、ビット線電流IBLは、例えば、ワード線電流IWLの半分のスイッチオン持続時間だけ遅延された態様で付加され得、論理値「0」を書き込む場合のビット線電流IBLの電流の流れ方向は、論理値「1」を書き込む場合のIBLの電流の流れ方向と逆にされる。
【0020】
MRAMメモリセルMTJの磁化の制御された回転(本発明による、および図面を参照してすでに記載された)は、公知の半選択法の場合に生じる老化現象を回避し、これにより、MRAMセルの耐用寿命を延長し、かつ従来の方法よりも確実にスイッチングする。
【0021】
本発明による上述の方法の知識を用いて、当業者は、本発明による方法によって書き込まれ得るMRAMメモリ用の書き込み制御回路、すなわち回路手段が明示され得る。この回路手段は、図4に例として図示されるように、ワード線WLおよびビット線BLを通る書き込み電流IWLおよびIBLを互いに時間的にオフセットされた態様で印加し、従って、選択されたメモリセルの磁化方向は、論理値「0」または「1」を書き込むための各場合について、所望される方向で、複数の連続的ステップで回転される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、MRAMメモリ構成の基本構造を線図および斜視図で示す。
【図2a】図2aは、公知の半選択法の場合の、磁化方向のスイッチングをグラフで示す。
【図2b】図2bは、公知の半選択法の場合の、磁化方向のスイッチングをグラフで示す。
【図2c】図2cは、公知の半選択法の場合の、磁化方向のスイッチングをグラフで示す。
【図2d】図2dは、公知の半選択法の場合の、磁化方向のスイッチングをグラフで示す。
【図2e】図2eは、公知の半選択法の場合の、磁化方向のスイッチングをグラフで示す。
【図3a】図3aは、時間的に制御された外部磁界を印加することによる、本発明による書き込み法の例示的実施形態を示す。
【図3b】図3bは、時間的に制御された外部磁界を印加することによる、本発明による書き込み法の例示的実施形態を示す。
【図3c】図3cは、時間的に制御された外部磁界を印加することによる、本発明による書き込み法の例示的実施形態を示す。
【図3d】図3dは、時間的に制御された外部磁界を印加することによる、本発明による書き込み法の例示的実施形態を示す。
【図3e】図3eは、時間的に制御された外部磁界を印加することによる、本発明による書き込み法の例示的実施形態を示す。
【図3f】図3fは、時間的に制御された外部磁界を印加することによる、本発明による書き込み法の例示的実施形態を示す。
【図3g】図3gは、時間的に制御された外部磁界を印加することによる、本発明による書き込み法の例示的実施形態を示す。
【図3h】図3hは、時間的に制御された外部磁界を印加することによる、本発明による書き込み法の例示的実施形態を示す。
【図4】図4は、各場合について、論理値「1」および論理値「0」を書き込む場合の、図3にグラフで図示された方法の、ワード線およびビット線を流れる互いに時間的にオフセットされた電流パルスを図示するパスルタイミング図への変換を示す。
【符号の説明】
【0023】
BL ビット線
WL ワード線
ML−free 自由磁性層(軟磁性層)
ML−fixed 固定磁性層(硬磁性層)
TL トンネル層(トンネル酸化物)
MTJ 磁気トンネル接続(磁気抵抗メモリセル)
BL ビット線BLを流れる電流
WL ワード線WLを流れる電流
x方向の磁界成分
y方向の磁界成分
a−h 磁化方向の回転中の連続的ステップ
a’−h’ 磁化方向の回転中の連続的ステップ

Claims (4)

  1. MRAMメモリの磁気抵抗メモリセルに書き込む方法であって、書き込み電流(IWL、IBL)は、各場合について、ワード線(WL)およびビット線(BL)に印加されて、対応する該ワード線(WL)および該ビット線(BL)によって選択された各メモリセル(MTJ)において、書き込み電流によって生成された磁界(H(IBL)、H(IWL))の重なり合いが磁化方向を変化させる、方法であって、
    該書き込み電流(IWL、IBL)は、それぞれの該ワード線(WL)および該ビット線(BL)に、互いに対して時間的にオフセットされた態様で印加されて、該選択されたメモリセル(MTJ)の該磁化方向が、論理値「0」または「1」を書き込むように所望される該方向に、複数の連続的ステップにて回転されることを特徴とする、方法。
  2. 前記選択されたメモリセル(MTJ)の前記書き込み電流(IWL、IBL)は、各場合について、ほぼ同じ持続時間で、かつ互いに対して時間的にオフセットされた態様で印加されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 論理値「1」を前記選択されたメモリセル(MTJ)に書き込むために、前記ビット線(BL)内の前記書き込み電流(IBL)は、前記ワード線(WL)の前記書き込み電流(IWL)と同じ電流の流れ方向で流れ、かつ該ワード線(WL)の該書き込み電流(IWL)に対して遅延された態様で印加されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 磁気抵抗メモリセル(MTJ)を含むアレイを有し、かつワード線(WL)とビット線(BL)とを有するMRAMメモリ構成であって、書き込み制御回路が、書き込み電流(IWLおよびIBL)を、各場合について、書き込むために選択されたメモリセル(MTJ)の該ワード線(WL)および該ビット線(BL)に印加するように調整される、メモリ構成であって、
    該書き込み制御回路は、該書き込み電流(IWLおよびIBL)を、各場合について、該対応するワード線(WL)および該対応するビット線(BL)に、互いに対して時間的にオフセットされた態様で印加して、前記選択されたメモリセルの前記磁化方向が、論理値「0」または「1」を書き込むように所望される方向にて、複数の連続的ステップで回転される、回路手段を有することを特徴とする、MRAMメモリ構成。
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