JP2004528221A - 電動駐車ブレーキ作動アセンブリ - Google Patents

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Abstract

電動機と、電動機が第1の回転可能部材をブレーキ作動回転方向に回転させることができるように電動機に作動接続された、第1の回転可能部材とを含む、駐車ブレーキ作動アセンブリが提供される。第1の回転可能部材は、通常、ブレーキ解除回転方向に回転することができない。第2の回転可能部材は、第1の回転可能部材に対して回転可能であり、ブレーキ作動リンク装置を取り付けるためのケーブル取付構造を含む。クラッチ・スプリングが、第1の回転可能部材と第2の回転可能部材との間に配置され、第1の回転可能部材がブレーキ作動方向に回転開始すると収縮し、第2の回転可能部材を第1の回転可能部材に結合して、第2の回転可能部材をブレーキ作動方向へ回転させるように構成される。

Description

【技術分野】
【0001】
本特許出願は、参照により本明細書に組み込まれている、譲渡される出願である、2001年5月24日付出願の米国仮出願第60/292914号および2002年5月23日付出願の米国非仮出願の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、自動車用駐車ブレーキ作動システムに関し、特に、電動または手動で解除可能な、改良された電動駐車ブレーキ作動アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車にはパワーアシスト付き駐車ブレーキを備えたものがある。パワーアシスト付き駐車ブレーキは、自動車のブレーキ(一般に後ブレーキのみ)の遠隔作動を可能にして、駐車時に自動車の移動を防止する、電動ブレーキ作動システムである。このシステムは、電動機と、電動機の回転移動およびトルクを、ブレーキに機械的に接続されたブレーキ・ケーブルの直線移動に変換するための回転直線駆動機構とを含む。遠隔作動時に、電動機が回転してブレーキ・ケーブルを移動させ、ブレーキを設定する。電動機を逆回転させることにより、ブレーキを同様に遠隔解除することができる。さらに、自動車の電源異常の場合に、手動オーバーライドによりブレーキを手動で解除して、自動車を移動させる(たとえば、牽引する)ことができる。現在の設計のブレーキ作動システムには、いくつかの欠点がある。
【0004】
通常、手動のオーバーライドでは、ブレーキ・ケーブルやブレーキをホーム(非作動)位置に無制限に戻すことはできない。これは、駆動機構や電動機等のブレーキ作動システム自体に固有の移動抵抗性によるものである。したがって、手動のオーバーライドを使用しても、ブレーキが必ずしも確実に完全に解除されるわけではない。ブレーキが部分的にしか解除されていない状態で自動車を無理に移動させると、ブレーキの磨耗および/または損傷が生じるおそれがある。
【0005】
さらに、ブレーキの作動を維持するために、電動機に連続通電して駆動機構に加わる保持トルクを維持しなければならないシステムがある。この電動機の連続使用により、電動機およびブレーキ作動システムの使用可能な寿命が大きく制限される。あるいは、別のロック装置を使用して、ブレーキのずれを生じさせることなくブレーキの電動機への通電を止めることができる。しかし、この余分な部品により、ブレーキ作動システムの製造コストが大きく増加する。さらに、このような別の部品を加えると、ブレーキ作動システムが大型になり、これに対応して、ブレーキ作動システムを車両に据え付けるのに使用可能な方向空間管理オプションが少なくなる。
【0006】
さらに、従来技術のブレーキ作動システムは、車両自体の部品に組み込まれており、他の車両の付加部品や後付け部品として容易に使用することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点を解消した、電動機の連続使用による電動機およびブレーキ作動システムの使用可能な寿命が大きく制限されない、そして余分な部品によるブレーキ作動システムの製造コストの大きな増加を抑えた、電動または手動で解除可能な、改良された電動駐車ブレーキ作動アセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、電動機と、電動機が第1の回転可能部材をブレーキ作動回転方向に回転させることができるように電動機に作動接続された、第1の回転可能部材とを含む、ブレーキ作動リンク装置を介して車両ブレーキ・システムを作動させるための、動力駆動駐車ブレーキ作動アセンブリを提供する。第1の回転可能部材は、通常、ブレーキ解除回転方向に回転することができないようになっている。第2の回転可能部材は、第1の回転可能部材に対して回転可能であり、ブレーキ作動リンク装置に接続可能、かつブレーキ作動リンク装置を作動させるように移動可能なブレーキ・リンク・アクチュエータを含む。ねじりクラッチ・スプリングが、第1の回転可能部材と第2の回転可能部材との間に配置され、第1の回転可能部材が電動機によりブレーキ作動方向に回転開始すると収縮し、第2の回転可能部材を第1の回転可能部材に結合して、第2の回転可能部材をブレーキ作動方向へ回転させてブレーキ作動リンク装置を作動させるように構成される。クラッチ・スプリングは、作動されたブレーキ作動リンク装置が第2の回転可能部材にブレーキ解除方向に力を加えるときに、収縮したままであり、第2の回転可能部材を第1の回転可能部材に結合したまま維持するように構成される。これにより、第1の回転可能部材は、第2の回転可能部材がブレーキ解除方向へ回転するのを防止することができる。選択的に作動可能なブレーキ解除機構が、クラッチ・スプリングに作動接続され、解除部材の移動によりクラッチ・スプリングが広がって第2の回転可能部材が第1の部材から切り離され、これにより第2の回転可能部材がブレーキ解除方向に回転できるようになっている。
【0009】
好ましくは、車両の従来のメイン・バッテリ・システムとは別の電源により、手動または電動で解除機構に動力を供給することができるので、車両の動力がなくなってメイン・バッテリ・システムが消耗した場合に解除機構を解除することができる。
【0010】
本発明の別の態様は、出力シャフトを有する電動機と、出力シャフトに結合された駆動アセンブリとを含むブレーキ作動アセンブリを提供する。ブレーキ作動アセンブリは、駆動アセンブリに結合されたピボット構造を含み、駆動アセンブリを介して電動機により枢動可能になっている。ピボット構造は、ブレーキ作動リンク装置に結合するように構成された接続構造を有する。駆動アセンブリは、ブレーキ作動位置へ移動するとブレーキ作動位置にロックされるように構成される。解除構造は、駆動アセンブリに結合されて、ロックされたブレーキ作動位置から駆動アセンブリを解除する。解除構造は、各相対位置に配置された対の接続部を含む。各接続部は、解除ケーブル・アセンブリに接続するように構成されて、ブレーキ作動アセンブリを、接続部の位置に対応する2つの異なる据付方向に配置することができるようになっている。
【0011】
本発明のこれらその他の態様は、図面を参照しながら以下の開示を読めば明らかになろう。
【実施例】
【0012】
図1は、車両10の概略図であり、車両10は対の前輪アセンブリ12と対の後輪アセンブリ14とを有する。各後輪アセンブリ14はブレーキ機構16、たとえばドラムまたはディスク・ブレーキ機構を含む。ブレーキ機構16は、移動時に車両10を減速かつ/または停止させるために、あるいは停止時に車両10の移動を防止するために、後輪アセンブリ14にブレーキ力を加えるように動作することができる。ブレーキ機構16は、ペダルおよびマスタ・シリンダ(図示せず)と、マスタ・シリンダとブレーキ機構との間に接続された油圧ライン18とを含む油圧ブレーキ・システムにより作動させることができる。さらに、ブレーキ機構16は、接続リンク装置24を介してブレーキ作動アセンブリ22に結合された対のリンク装置20を含むブレーキ作動リンク装置により、機械的に作動させることができる。図示した実施例では、リンク装置20、24はワイヤ・ストランド・ケーブルであるが、ロッド等の剛性リンク装置であってもよい。ブレーキ作動アセンブリ22は、車両10の乗員、たとえばドライバが、電気制御アセンブリ26を使用して、リンク装置20、24を介してブレーキ機構16を電気的に作動させ、また解除するように、遠隔操作することができる。電気制御アセンブリ26は、たとえば、車両10のダッシュボードまたはコンソール内に配置された、対の押ボタンまたは2位置トグル・スイッチを含み、ブレーキ作動アセンブリ22を介してブレーキ機構16を遠隔作動させ、また解除することができる。さらに、手動解除機構28を使用してリンク装置20、24内の張力を解除して、車両10に動力が供給されていない場合等にブレーキ機構16を解除する。
【0013】
図2は、ブレーキ作動アセンブリ22をさらに詳細に示す。ブレーキ作動アセンブリ22は、基部32、側壁部34、36、および側壁部34、36に結合された上板37を含み、駆動アセンブリ38のエンクロージャを形成する。図3および3Aは、対の長孔39が形成された上板37を示す。長孔39は、側壁部36の対応する対の直立部33を受けて、上板37を側壁部36に固定するように構成される。さらに、上板37の、長孔39と反対側の端部には長孔41が形成される。長孔41は、側壁部34の直立部35を受けて、上板37を側壁部34に固定するように構成される。ハウジング30は、シート・メタルもしくはプレート・メタル材料、またはポリマーもしくは複合材等の適宜の剛性材料から形成される。
【0014】
駆動アセンブリ38は、可逆電動機40により駆動されて、接続リンク装置24内に張力を加え、また解除し、これに対応してブレーキ機構16を作動させ、また解除するように構成される。接続リンク装置24は、さらに詳細に後述する検出装置44を介して駆動アセンブリ38に接続される。さらに、手動解除機構28は、駆動アセンブリ38に結合された引張ケーブル48を有するケーブル・アセンブリ46を含み、接続リンク装置24内の張力を手動で解除することができ、これにより、さらに詳細に後述する方法でブレーキ機構16を解除することができる。
【0015】
図3に示すように、電動機40は、たとえばねじ切り留め具(図示せず)により間にスペーサ部材42を配置して、側壁部34に接続される。あるいは、スペーサ部材42は、側壁部34もしくは電動機40のいずれかに別に接続されるか、または一体形成される。電動機40は、結合構造54を介して駆動シャフト52に結合することのできる電機子50を含む。あるいは、電機子50は、駆動シャフト52と一体形成することができる。駆動シャフト52は、スペーサ42および側壁部34の位置合わせされた開口を通って延びる。ウォーム・ギア56が、駆動シャフト52に固定して取り付けられ(または駆動シャフト52と一体形成され)、駆動シャフト52の端部58が、軸受または軸支構造60等により、側壁部36に形成された受け開口59内で回転可能に支持されて、駆動シャフト52の回転および曲げ支持を容易にする。さらに、シャフト62、64、66が、基部32の対応するシャフト受け開口68を通って延び、基部32に回転不可能に固定される。図示したように、シャフト62、64、66は互いに平行かつウォーム56に垂直な向きに配置される。
【0016】
第1のギア構造70は、ハウジング30内でシャフト62に回転可能に取り付けられる。第1のギア構造70は、ウォーム・ギア72、ピニオン・ギア74、およびスペーサ76を含み、これらは別々に形成しても、1つの部品として一体形成してもよい。ウォーム・ギア72、ピニオン・ギア74、およびスペーサ76は、同軸に位置合わせされ、少なくともウォーム・ギア72およびピニオン・ギア74は互いに回転不可能に接続される(すなわち、共に回転するように固定される)。電動機40により回転可能なウォーム56は、ウォーム・ギア72に噛合して駆動係合され、第1のギア構造70を駆動する。ウォーム・ギア72は、一体または回転不可能であることにより、ピニオン・ギア74を回転可能に駆動する。第2のギア構造78は第1のギア構造70に類似しており、スパー・ギア80、ピニオン・ギア82、およびスペーサ84を含む。スパー・ギア80、ピニオン・ギア82、およびスペーサ84は別々に図示されているが、これらを1つの部品として一体形成することもできる。いずれの場合も、少なくともギア80、82は互いに回転不可能に接続される。第1のギア構造70のピニオン・ギア74は、第2のギア構造のスパー・ギア80に噛合して駆動係合し、これに対応してピニオン・ギア82を駆動させる。ピニオン・ギア82は、シャフト66に回転可能に取り付けられるメイン・ギア86に噛合して駆動係合する。メイン・ギア86はどのようなタイプの構成でもよく、総称して、非限定的な第1の回転可能部材と呼ぶことができる。
【0017】
メイン・ギア86のトルクおよびその回転速度は、電動機40により発生し、第1のギア構造70および第2のギア構造78を介してメイン・ギア86に伝えられる。メイン・ギア86のトルクおよび速度は、電動機40のトルクおよび速度を修正することにより、かつ/またはギア56、72、74、80、82、86の相対サイズを変更することにより、変更することができる。
【0018】
図3にさらに示すように、メイン・ギア86の上に第1のシャフト要素88がある。好ましくは、メイン・ギア86と第1のシャフト要素88とは、1つの部品として一体形成されるが、別々に形成した後に互いに回転不可能に結合してもよい。第1のシャフト要素88はメイン・ギア86と同心な向きに配置されて、メイン・ギア86から外側に同軸に延びる。第1のシャフト要素88は円周状の外周90を画定する。第1のシャフト要素88は、第2の回転可能部材の第2のシャフト要素94に結合されて、第2の回転可能部材95のケーブル取付構造を移動させる。ケーブル取付構造は作動アーム96を含み、作動アーム96は、さらに詳細に後述するように、第1のシャフト要素88と第2のシャフト要素94とを結合することにより、第2の回転可能部材によって枢動する。第2のシャフト要素94は、第1のシャフト要素88と同軸に位置合わせされ、第1のシャフト要素88の外径に等しい直径を持つように形成される。作動アーム96は、第2のシャフト要素94からほぼ半径方向外側に延びる。検出装置44の第1の端部98は、作動アーム96の半径方向外端部に結合され、検出装置44の第2の端部100は接続リンク装置24に接続される。したがって、第2のシャフト要素94が回転すると、作動アーム96は枢動して接続リンク装置24に張力を加え、また解除し、これによりブレーキ機構16を作動させ、また解除する。
【0019】
環状溝102が、メイン・ギア86内に第1のシャフト要素88の外周90に沿って設けられる。環状溝102は、接線脚部104を含む。複数の円形巻線を有するねじりばね状のクラッチ・スプリング106が、環状溝102内に受けられる第1の端部108を含む。タング110が、環状溝102の接線脚部104内に受けられる。図3Bに示すように、解除ギア112が、クラッチ・スプリング106の第2の端部116を受けるように形成された環状溝114を含む。環状溝114は、クラッチ・スプリング106の第2の端部116の、反対側に延びるタング120を受ける別の接線脚部118を含む。解除ギア112には、第2のシャフト要素94を受けるように、軸方向に通って延びる円形中央開口121が形成される。解除ギア112は、第2のシャフト要素94に回転可能に取り付けられ、接線脚部118内にタング120を受けることにより、クラッチ・スプリング106の第2の端部116に回転不可能に結合される。
【0020】
解除ブラケット、または解除レバー122は、軸方向に延びる円形中央開口126を画定して第2のシャフト要素94を回転可能に受ける環状構造124を含む。解除ブラケット122は、第2のシャフト要素94上で作動アーム96と解除ギア112との間に軸方向に配置される。解除ブラケット122は、引張ケーブル48の端部を固定して受けるように構成された、半径方向に延びる対の接続部128、129を含む。好ましくは、接続部128、129は、互いに円周方向に約90゜離間するように、環状構造124に配置される。手動アクチュエータ28には1本のケーブル・アセンブリ46のみが必要であるが、異なる相対位置にある対の接続部128、129を解除ブラケット122に形成することにより、車両10に据え付けるための異なる構成オプションが提供される。図3および4は、接続部128、129に接続されたケーブル48を示す。枢動可能な爪構造130が、接続部128に隣接して環状構造124に取り付けられる。爪130は、爪130から外側に延びて解除ギア112に係合するラチェット歯132を含む。
【0021】
図3Bおよび5に示すように、接続部128は、離間した対向する壁構造128A、128Bを提供するほぼU字型の構成を有する。壁構造128A、128Bには、開口131A、131Bが各々形成される。ケーブル48が接続部129に接続された、図3Bおよび5に示すような状況では、円筒形の保持ピン131が、接続部128の壁構造128A、128Bの開口131A、131B内に配置される。爪構造130は、壁構造128A、128B間に配置され、爪構造130の受け開口125を通って延びるピン131に枢動可能に固定される。ピン131は、たとえば、131Cで示すクリップまたはピンにより開口131A、131B内に固定される。爪構造130を解除ギア112に位置合わせするように、スペーサ125Aが爪構造130と壁構造128Bとの間に配置される。引張ケーブル48が接続部128に接続された図5Aでは、ケーブル48端部の止め部材またはケーブル・ステイ133が、壁構造128A、128Bの開口131A、131Bを通って延び、爪構造130は開口125を介して枢動可能に取り付けられる。この状況では、ケーブル48自体が図5に示すスペーサ125Aの位置に置き換わり、爪構造130を解除ギア112に位置合わせした位置を維持する。図3Bおよび5Bに示すように、ケーブル48が接続部129に接続された状況では、止め部材133が、接続部129の壁構造129A、129Bの開口135A、135Bを通って延びる。スペーサ133Aが、ケーブル48と止め部材133上の壁構造129A、129Bの一方との間に配置されて、接続部129内の止め部材133の移動を制限する。あるいは、図5のスペーサ125Aを、図5Cの配置の代わりに接続部129に使用することもできる。
【0022】
第2のシャフト要素94は、軸方向に延びるスタッド構造134を含む。図示した実施例では、スタッド構造134、作動アーム96、および第2のシャフト要素94は、1つの部品として一体形成される。しかし、これらの部品を別々に形成した後に互いに回転不可能に結合してもよい。ねじりばね136が、スタッド構造134の周りに配置され、ねじり偏倚した第1の端部138および第2の端部140を含む。第1の端部138は、解除ブラケット122の環状構造124の大き目の開口142を通って延び、爪構造130の受け開口144内に係合する。第2の端部140は、作動アーム96の外端部で軸方向に延びるスタッド構造148の横開口146内に受けられる。ばね136の第2の端部140は、開口146内に受けられることにより第2の回転可能部材95に対して固定されるだけでなく、検出装置44の第1の端部98をスタッド構造148上で軸方向に保持するのに役立つ。ばね136の第1の端部138は、爪構造130のラチェット歯132を偏倚させて、解除ギア112の外周の鋸歯150に係合させる。図示したように、鋸歯150は、ブレーキ作動方向とは反対側に、ブレーキ解除方向に向かって傾斜している。ラチェット歯132と鋸歯150とは協働して、解除ギア112および解除ブラケット122の一回転方向への相対回転移動を可能にし、かつ反対方向への移動を防止する。特に、ラチェット歯132は、歯150の傾斜前縁面166上に載置され(図2参照)、解除ギア112がラチェット歯132を通過してブレーキ作動方向に回転すると、爪構造130の半径方向外側および内側への枢動(すなわち、ラチェット移動)が繰返し行われる。解除ギア112がブレーキ解除方向に回転すると、ラチェット歯132は、歯150の張出し後縁面168(図2参照)と連動する。オプションのスプリング・ワッシャ152が、スタッド構造134と上板37との間に配置され、シャフト66に回転可能に取り付けられた部品に軸方向保持力を加える。
【0023】
後述するように、ねじりばね136の第2の端部140は、作動アーム96を偏倚させる更なる役割を果たす。しかし、爪130と作動アーム96を偏倚させる別々のばねを、図示した1つのばねの代わりに使用することができる。
【0024】
前記したように、ブレーキ作動アセンブリ22は、接続リンク装置24に張力を加え、また解除して、ブレーキ機構16を作動させ、また解除するように動作可能である。図2は、ブレーキ機構16が係合していないとき等の、接続リンク装置24内の張力が最小である状況に対応する相対位置に部品がある状態の、ブレーキ作動アセンブリ22を示す。図2に示すように、この状態では、ブレーキ作動アセンブリ22の部品が対応する第1の位置(ブレーキ解除位置とも呼ばれる)にある。
【0025】
特に、作動アーム96は、側壁部34により設けられた内側に延びるタング156に取り付けられた止め構造154に当接して移動する。好ましくは、止め構造154は、バンパとして働き、したがって、ゴム等の弾性材料または他の弾性材料から形成される。さらに、爪構造130のラチェット歯132は、解除ギア112の鋸歯150に係合する。
【0026】
接続リンク装置24への張力印加を開始するため、電動機40を張力印加方向、たとえば時計方向に回転させる。これを達成するために、ユーザは、たとえばボタンを押したり、電気制御アセンブリ26のスイッチを操作したりするだけでよい。電気制御アセンブリ26は電動機40と協働して、電動機40が張力印加方向に駆動されるようにする。電動機40の回転、およびこれにより発生するトルクが、第1のギア構造70および第2のギア構造78を通してメイン・ギア86に伝達され、メイン・ギア86を張力印加方向、たとえば時計方向に回転させるようにする。クラッチ・スプリング106のタング110が、メイン・ギア86に設けられた環状溝102の脚部104内に配置されるので、タング110はメイン・ギア86と共に回転する。ブレーキ機構16内の偏倚部材(図示せず)により発生する接続リンク装置24内の残留張力は、初めのうちは第2のシャフト要素94の回転を防止する。第1のシャフト要素88をメイン・ギア86と共に張力印加方向に回転させることは、クラッチ・スプリング106を「閉じる」のに役立つ。すなわち、張力印加方向は、クラッチ・スプリング106のコイルの巻き方向に対応し、張力印加方向への移動により、クラッチ・スプリング106の直径が相対的に減少する。クラッチ・スプリング106の直径が減少すると、クラッチ・スプリング106の内周が、第1のシャフト要素88の外面90および第2のシャフト要素94の外面158に摩擦係合または「把持」する。クラッチ・スプリング106は、第1の位置にあるときに、クラッチ・スプリング106の内周が第1のシャフト要素88および第2のシャフト要素94の外周に軽く摩擦係合するように構成される。第1のシャフト要素88が第2のシャフト要素94に対して張力印加方向に回転すると、クラッチ・スプリング106と第2のシャフト要素94との間の摩擦係合により、第2のシャフト要素94に係合するスプリング106の一部が第2のシャフト要素94の外周158に沿って「引張られ」、これによりスプリング106が撓み、第2のシャフト要素94上でスプリング106の巻きを締めて収縮させる。スプリング106の十分な収縮が達成されると、第1のシャフト要素88および第2のシャフト要素94が回転不可能に結合される。その後、ブレーキ機構16の「抵抗」、すなわちブレーキ機構16内の偏倚要素により発生した力が克服され、第2のシャフト要素94が第1のシャフト要素88と共に回転する。したがって、作動アーム96はブレーキ作動方向、たとえば時計方向に回転し、これは、接続リンク装置24内に十分な張力を発生させてブレーキ機構16を作動させるのに役立つ。
【0027】
図4は、ブレーキ機構16が作動されたブレーキ作動状態に対応する相対位置にある、ブレーキ作動アセンブリ22の部品を示す。図示したように、作動アーム96は、図2に示した第1の位置に対して円周方向に進んだ第2の位置にある。作動アーム96の回転移動により、検出装置44および接続リンク装置24が直線移動し、ブレーキ機構を作動させる。
【0028】
ブレーキ作動アセンブリ22の組立て中、ねじりばね136に予荷重を加えて、第1の端部138および第2の端部140に偏倚力を対応して提供する残留ねじり偏倚力を有するようにする。そのため、作動アーム96が図2に示す第1の位置にあるときに、ばね136が、作動アーム96および解除ブラケット122を第2のシャフト要素94の周りで互いに回転方向に偏倚させる。特に、図示した実施例では、ばね136が作動アーム96を時計方向に偏倚させ、解除ブラケット122を半時計方向に偏倚させる。長孔160が側壁部136に設けられ、解除ブラケット122の各接続部128は、長孔160を通って延びる。長孔160は、解除ブラケット122の第1の位置および第2の位置を画定する、離間した第1の端部162および第2の端部164を含む。図2および4は、接続部128が第1の端部162に当接する第1の位置にある、解除ブラケット122を示す。ばね136は、解除ブラケット122を偏倚させて第1の端部162に当接係合させる。さらに、ばね136の偏倚は、爪構造130のラチェット歯132と、解除ギア112の鋸歯150との接触を維持するのに役立つ。作動アーム96が第1の位置(すなわちブレーキ解除)から第2の位置(すなわちブレーキ作動)へ移動すると、ばね136の第2の端部140は第1の端部138に対して移動し、これによりばね136のねじり偏倚をわずかに緩和する。しかし、ばね136の予荷重は十分であり、作動アーム96の第2の位置への移動によって、解除ブラケット122に加わる、解除ブラケット122を第1の位置から枢動させるのに十分な偏倚力の度合いが緩和されることはない。すなわち、第1の位置と第2の位置との間の作動アーム96の位置に関して、ばね136が接続部128を弾性偏倚させて長孔160の第1の端部162に当接させる。解除ギア112が第2のシャフト要素94と共に回転すると、爪構造130は、鋸歯150の傾斜後縁面166上でラチェット動作を行う(図2参照)。
【0029】
図示した実施例では、ブレーキ作動アセンブリ22は自己ロック構成であり、ブレーキ作動アセンブリ22がブレーキ係合状態にあるときに、リンク装置内の張力の解除を防止するのに電動機40に一定の電流を供給する必要がなく、またこれを達成するのに更なるロック機構を使用する必要がない。ブレーキ機構16自体の内部にある偏倚部材は、第2のシャフト要素94に張力解除方向にトルクを加えるのに役立つ。第2のシャフト要素94に張力解除方向に加わるトルクは、第1のシャフト要素88に張力印加方向に加わるトルクと相対的に等しく、いずれもクラッチ・スプリング106の収縮を維持して両者間の回転不可能な結合を維持する。したがって、ブレーキ機構16の偏倚部材を介して第2のシャフト要素94に張力解除方向に加わるトルクにより、第1のシャフト要素88および第2のシャフト要素94が、クラッチ・スプリング106により回転不可能に結合される。第1のギア構造70、第2のギア構造78と、ウォーム56との間の相互作用は、大きなトルクが電動機40に伝わるのを防止するのに効果的に役立つ。これには、クラッチ・スプリング106を広げて第1のシャフト要素88と第2のシャフト要素94とを切り離す動力供給反応力を電動機40により加えて、リンク装置24の張力を維持し、かつ/または第1のシャフト要素88と第2のシャフト要素94との間の相対回転を防止することが必要である。特に、ウォーム・ギア72とウォーム56との間隔は、ウォーム56に加わるウォーム・ギア72のトルクがウォーム56に加わる軸方向の力に変換されるように構成される。軸方向の力は、ウォーム56、したがって電動機40の移動を防止するのに十分な大きさの摩擦を、ウォーム・ギア72とウォーム56の歯間に発生させる。
【0030】
ブレーキ機構16を遠隔解除するために、ユーザは、たとえばボタンを押したり、電気制御アセンブリ26のスイッチを操作したりするだけでよい。電気制御アセンブリ26は電動機40と協働して、電動機40を張力解除方向(たとえば半時計方向)に駆動する。張力解除方向に電動機40を回転させることにより、メイン・ギア86と、したがって第1のシャフト要素88とを張力解除方向に対応して駆動する。第1のシャフト要素88を張力解除方向に回転させることにより、クラッチ・スプリング106が対応して「開き」、または広がり、これにより、クラッチ・スプリングの第2のシャフト要素94との係合が「弛緩」される。したがって、第2のシャフト要素94は張力解除方向へ自由に回転してブレーキ機構16を解除することができる。
【0031】
図6は、手動解除状態にあるブレーキ作動機構22を示す。図示したように、引張ケーブル48は、解除ブラケット122を枢動させるように手動で移動されている。前記したように、ねじりばね136は、爪構造130の歯132と解除ギア112の鋸歯150との係合を維持する。作動アーム96が第1の位置から第2の位置へ移動するときのように、解除ギア112が解除ブラケット122に対して回転すると、爪構造130が鋸歯150に沿ってラチェット移動する。しかし、解除ブラケット122が引張ケーブル48により解除ギア112に対して移動されると、ラチェット歯132は鋸歯150の1つの張出し後縁面168に係合し、これにより、解除ブラケット122と解除ギア112とを回転不可能に結合する。クラッチ・スプリング106のタング120が環状溝114の脚部118内に配置されるので、解除ギア112の回転移動により、クラッチ・スプリング106のタング110、120間の相対移動が行われる。タング110、120の相対移動がある度合いのときに、クラッチ・スプリング106が「弛緩」されて、クラッチ・スプリング106の内径が増加し、その後第1のシャフト要素88および第2のシャフト要素94の外周90、158を解除する。したがって、次に第2のシャフト要素94および作動アーム96が自由に回転して、ブレーキ機構16の偏倚部材により第1の位置側へ、かつ第1の位置内へ偏倚される。長孔160の第2の端部164は第2の位置の止め具として働き、第2の位置を通過する解除ブラケット122の移動を防止する。
【0032】
ブレーキ作動アセンブリ22は、ユーザにより、たとえば車両内から遠隔操作されるので、必要ではないが好ましくは、ブレーキ作動アセンブリ22が、所定の位置に到達するときの自己遮断に備えている。特に、電動機40は、オプションとして、接続リンク装置24に十分な張力が加わってブレーキ機構16の適切な作動が確実になると、通電が止められるようにしてもよい。さらに、電動機40は、オプションとして、ブレーキ機構16の解除に続いて通電が止められるようにしてもよい。
【0033】
図3Bを参照し、以下で、検出装置44の図示した実施例の全体的な説明を行う。検出装置44は、第1の接続構造170および第2の接続構造172を含む。第1の接続構造170は、たとえばねじ切り留め具等の留め具176により互いに固定された、対の接続部材174を含む。第1の接続構造170は壁部材178を提供し、第2の接続構造172は壁部材180を提供する。圧縮ばね182が、壁部材178、180間に配置され、第1の接続構造170と第2の接続構造172との相対移動中に壁部材178、180間で圧縮される。検出装置44は、対のスイッチ・ユニット184を含み、一方が圧縮ばね182の最大移動位置を判定し、他方が最小移動位置を判定する。図4は、ブレーキ機構16が作動状態にあるブレーキ作動アセンブリ22を示す。作動アーム96の回転移動の範囲、および接続リンク装置24に加わる張力の大きさが、検出装置44により判定される。特に、圧縮ばね182の所定の移動がスイッチ・ユニット184の1つにより検出されると、検出装置44が電気制御アセンブリ26に連通して電動機40への通電を止め、作動アーム96の回転を中止する。同様に、ブレーキ機構16の解除時に、接続リンク装置24内の最小張力がスイッチ・ユニット184の一方により検出されると、検出装置44は電気制御アセンブリ26に連通して電動機40への通電を止め、作動アーム96の回転を中止する。検出装置44の使用は、接続リンク装置24の張力が過大または過小になることを防止するのに有利である。さらに、検出装置44が、接続リンク装置24の縦方向移動量ではなく接続リンク装置24内の張力の大きさに基づいて、電動機40への通電を止めるので、ブレーキ作動アセンブリ22は、接続リンク装置24が徐々に伸長するのを補償するように自己調整式になっている。さらに、ブレーキ作動アセンブリ22は、大きさの異なる張力を接続リンク装置24に加えて、ブレーキ機構16により大きさの異なるブレーキ力を対応して発生させることができる。たとえば、車両を平面ではなく斜面に駐車するときに、ブレーキ作動アセンブリ22は、さらに大きな張力を接続リンク装置24に加えることができる。検出装置44は、接続リンク装置24内の異なる張力レベルで電動機40を検出することにより、電動機40への通電を止めることができる。さらに、このために、電気制御アセンブリ26は傾斜検出器(図示せず)を含むことができる。
【0034】
ブレーキ作動アセンブリの別の実施例が図7に概略的に示され、200で示される。アセンブリ200は、前記したブレーキ作動アセンブリ22と同様に、電気制御アセンブリ26により遠隔制御される電動機202を含む(すなわち、電気制御アセンブリ26が押ボタンまたはスイッチを含み、ユーザが電動機202を前方または逆方向に電気駆動することができる)。ウォーム204が電動機202の駆動シャフト206に結合され、ウォーム204はウォーム・ギア208に駆動係合する。ウォーム・ギア208は、ウォーム204とメイン・ギア210の間に配置され、これらに噛合する。
【0035】
メイン・ギア210は、ピボット・シャフト212に回転可能に取り付けられ、第1のシャフト要素214および第2のシャフト要素216も同様に取り付けられる。第1のシャフト要素214をメイン・ギア210に溶接または他の方法で結合することができ、あるいは、第1のシャフト要素214とメイン・ギア210とを1つの一体型ユニットとして形成することができる。第2のシャフト要素216および第1のシャフト要素214は、ピボット・シャフト212を中心に互いに回転することができる。図示したように、ナット217または他の適宜の保持構造がピボット・シャフト212の端部に取り付けられて、第1のシャフト要素214と第2のシャフト要素216との間の実質的な相対軸方向移動を防止する。クラッチ・スプリング218が第1のシャフト要素214および第2のシャフト要素216上に、両者間で重なるように配置され、第1のシャフト要素214と第2のシャフト要素216とが一方向(張力解除方向)に互いに回転するが、反対方向(張力印加方向)には回転不可能にロックされるように構成される。
【0036】
作動アーム220は、第2のシャフト要素216からほぼ半径方向外側に延び、第2のシャフト要素216に溶接されるか、または第2のシャフト要素216と一体形成される。接続リンク装置24はケーブル取付部材220に結合される。
【0037】
この配置では、電動機202がウォーム204を駆動し、ウォーム204がウォーム・ギア208、したがってメイン・ギア210を駆動する。これにより、第1のシャフト要素214が張力印加方向に回転する。第1のシャフト要素214が張力印加方向に回転することにより、クラッチ・スプリング218が第2のシャフト要素216の周りで閉じる。これにより第2のシャフト要素216を第1のシャフト要素214に回転不可能に結合させて、第2のシャフト要素216がブレーキ作動方向に回転するようにして、接続リンク装置24を引いてブレーキ機構16を作動させる。電動機202への電力の駆動は、ブレーキ作動ボタンを単に解除することにより、または、好ましくは、接続リンク装置24が前記した検出装置44等の検出装置を含んで、接続リンク装置24に加わる所定の最大張力を検出することにより、終了させることができる。クラッチ・スプリング218とギア210、208、204とを介して第1のシャフト要素214と第2のシャフト要素216とを相互接続することにより、十分な剛性が提供されて、ピボット・シャフト212を中心とした、第2のシャフト要素216の後方への張力解除回転が防止される。
【0038】
ブレーキ作動システム200は、電動機202を逆方向に駆動してクラッチ・スプリング218を解除することにより解除することができ、または手動で解除することができる。このため、システムに送られるすべての動力がなくなっても駐車ブレーキを解除することができ、これにより、たとえば、必要に応じて牽引することができるようになっている。考慮された手動の解除機構222が、図8〜16に示される。
【0039】
解除ギア224が第2のシャフト要素216上に取り付けられ、第2のシャフト要素216に対して回転可能になっている。図9に示すように、クラッチ・スプリング受け溝226が解除ギア224の底面に形成される。解除ギア224は、クラッチ・スプリング218の上部に嵌合し、クラッチ・スプリング218の上部タング(図示せず)はタング受け溝延長部228内に嵌合する。(クラッチ・スプリングの反対側端部にある、クラッチ・スプリング218の反対側タング(図示せず)は、第1のシャフト要素214および第2のシャフト要素216に対するクラッチ・スプリング218の自由な無制限の回転を防止する支柱によりメイン・ギア210に固定される。)
【0040】
解除機構222は、ラチェット解除レバー・アセンブリをさらに含む。特に、解除レバー・アセンブリは、支持フランジまたはカラー232を持つ支柱230を含む。歯付き解除ギア234が、フランジまたはカラー232により支柱230に回転可能に支持される。歯付き解除ギア234の歯236は解除ギア224の歯238に噛合して、2つの解除ギア224、234が互いに反対方向に回転するようになっている。図11に示すように、歯付き解除ギア234は、歯236と反対側の、歯付き解除ギア234の軸方向外向面に形成された傾斜ラチェット歯240を有する。
【0041】
図14〜16では、解除ブラケットまたは解除レバー242が、支柱230上に回転可能に嵌合し、歯付き解除ギア234の傾斜ラチェット歯240に係合する傾斜ラチェット歯244を含む。したがって、解除レバー242と歯付き解除ギア234とは、(2つの部材が軸方向に離れ、傾斜歯同士が通過して摺動すると互いの方へ戻る状態で)互いに一方向に回転することができるが、(傾斜歯の「縦」面同士が同一平面で係合するため)2つの部材を共に回転させるように、互いに反対方向に回転することはできない。解除レバー242は、解除ケーブル接続部246をさらに有する。解除レバー242を偏倚させて歯付き解除ギア234と係合させるように、圧縮ばね248が支柱230上(保持ワッシャ250と解除レバー242表面との間)に設けられる。
【0042】
解除機構222は以下のように動作する。駐車ブレーキが係合すると、クラッチ・スプリング218は係合方向に回転し、解除ギア224は、溝226および溝延長部228内に嵌合するクラッチ・スプリングにより、同一の方向に、すなわちクラッチ・スプリングと共に回転する。解除ギア224は、回転すると歯付き解除ギア234を駆動し、歯付き解除ギア234は、(解除レバー242が、圧縮ばね248の偏倚に対して支柱230に沿って軸方向に前後移動する状態で)歯付き解除ギア234の歯と解除レバー242の歯とが互いに通過して摺動するときに、解除レバー242を通過して、または解除レバー242に対して回転することができる。
【0043】
駐車ブレーキを解除するために、たとえばケーブル・アセンブリ46を介して解除ケーブル接続部246に結合される手動アクチュエータ28(図1)が(たとえば、車両の客室から)引かれ、これにより解除レバー242が反対方向に回転する。解除レバー242と歯付き解除ギア234との間のラチェット型係合により、解除レバー242が歯付き解除ギア234を反対方向に回転させて、解除レバー224をその反対方向に回転させる。これにより、クラッチ・スプリング218がわずかに開き、第2のシャフト要素216の把持を解除し、第2のシャフト要素216がピボット・シャフト212上で第1のシャフト要素214に対して回転できるようになる。これにより、第2のシャフト要素216が「ホーム」位置に戻るときに、駐車ブレーキを解除することができる。好ましくは、圧縮ばね(図示せず)が、解除ケーブル(図示せず)を囲み、解除ケーブル、したがって解除レバーを図示した中立位置に戻すように構成される。
【0044】
引張ばねが、作動アーム220と、たとえばアセンブリ・ハウジングとの間に設けられる。この引張ばねを使用して、ケーブルが「ホーム」位置にあるときに接続リンク装置24内の張力を維持する。あるいは、ブレーキ機構126自体を介して接続リンク装置24内の張力を維持することができる。この場合、アセンブリ・ハウジングが止め構造を提供して、ケーブル取付部材220の移動を堅く制限することが好ましい。
【0045】
当業者は、本明細書中に開示した実施例に対する種々の修正および逸脱に想到することができるだろう。これらの修正および逸脱は、頭記の特許請求の範囲に含まれるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の原理によるブレーキ作動アセンブリを備えた車両の概略図である。
【図2】第1の位置にある、図1に示すブレーキ作動アセンブリの一実施例の上面図である。
【図3】図2に示すブレーキ作動アセンブリの斜視分解図である。
【図3A】図3に示すブレーキ作動アセンブリの詳細な斜視分解図である。
【図3B】図3に示すブレーキ作動アセンブリの詳細な斜視分解図である。
【図4】第2の位置にある、図2に示すブレーキ作動アセンブリの上面図である。
【図5】図4に示すブレーキ作動アセンブリの接続部の横断面図である。
【図5A】図4に示すブレーキ作動アセンブリの接続部の横断面図である。
【図5B】図4に示すブレーキ作動アセンブリの接続部の横断面図である。
【図6】第3の位置にある、図2に示すブレーキ作動アセンブリの上面図である。
【図7】図1に示すブレーキ作動アセンブリの別の実施例の概略図である。
【図8】図7に示すブレーキ作動アセンブリの手動解除機構の斜視図である。
【図9】図8に示す手動解除機構の上面図である。
【図10】図9の線I−Iに沿って取った手動解除機構の横断面図である。
【図11】図8に示す手動解除機構の解除ギアの斜視図である。
【図12】図11に示す解除ギアの正面図である。
【図13】図11に示す解除ギアの上面図である。
【図14】図8に示す手動解除機構の解除レバーの斜視図である。
【図15】図14に示す解除レバーの正面図である。
【図16】図14に示す解除レバーの上面図である。

Claims (25)

  1. ブレーキ作動リンク装置を介して車両ブレーキ・システムを作動させるための、動力駆動駐車ブレーキ作動アセンブリであって、
    電動機と、
    電動機が第1の回転可能部材をブレーキ作動回転方向に回転させることができるように電動機に作動接続された、通常、ブレーキ解除回転方向に回転することができない第1の回転可能部材と、
    第1の回転可能部材に対して回転可能であり、ブレーキ作動リンク装置に接続可能、かつブレーキ作動リンク装置を作動させるように移動可能なブレーキ・リンク・アクチュエータを含む第2の回転可能部材と、
    第1の回転可能部材と第2の回転可能部材との間に配置され、第1の回転可能部材が電動機によりブレーキ作動方向に回転開始すると収縮し、第2の回転可能部材を第1の回転可能部材に結合して、第2の回転可能部材をブレーキ作動方向へ回転させて、作動されたブレーキ作動リンク装置を作動させるように構成され、かつブレーキ作動リンク装置が第2の回転可能部材にブレーキ解除方向に力を加えるときに、収縮したままであり、第2の回転可能部材を第1の回転可能部材に結合したまま維持して、第1の回転可能部材が第2の回転可能部材のブレーキ解除方向への回転を防止することができるように構成されたねじりクラッチ・スプリングと、
    クラッチ・スプリングに作動接続されて、解除部材の動作によりクラッチ・スプリングが広がって第2の回転可能部材が第1の回転可能部材から切り離され、これにより第2の回転可能部材がブレーキ解除方向に回転可能になる、選択的に作動可能なブレーキ解除機構とを含む、動力駆動駐車ブレーキ作動アセンブリ。
  2. 選択的に作動可能なブレーキ解除機構が、クラッチ・スプリングに機械的に接続された手動移動可能な解除部材を含み、解除部材の手動移動によりクラッチ・スプリングが広がって第2の回転可能部材が第1の回転可能部材から切り離されるようにする手動作動可能なブレーキ解除機構である、請求項1に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  3. 電動機が可逆的であり、クラッチ・スプリングが、電動機による第1の回転可能部材のブレーキ解除方向への回転開始時に広がって第1の回転可能部材と第2の回転可能部材とを切り離すように構成され、これにより第2の回転可能部材がブレーキ解除方向に回転可能になる、請求項2に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  4. 電動機を第1の回転可能な部材に接続する歯車列をさらに含み、歯車列が、電動機による動力供給回転による場合を除いて、通常、第1の回転可能部材のブレーキ解除方向への回転を防止するように構成される、請求項3に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  5. 前記第1の回転可能部材と第2の回転可能部材とが、ほぼ円筒形の軸方向に延びる第1のシャフト要素および第2のシャフト要素によりそれぞれ画定される、請求項2に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  6. 前記第1のシャフト要素と第2のシャフト要素とが、互いに軸方向に位置合わせされる、請求項5に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  7. 歯車列が、電動機により回転可能なウォームであり、前記第1の回転可能部材に結合されたウォーム・ギアに噛合する、請求項4に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  8. 前記第1の回転可能部材が、固定接続されたメイン・ギアを含む、請求項7に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  9. 前記歯車列が、前記ウォーム・ギアと前記メイン・ギアとの間に配置された中間ギアを含む、請求項8に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  10. 前記中間ギアが前記ウォーム・ギアに噛合する、請求項9に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  11. 前記中間ギアが更なる中間ギアに噛合する、請求項10に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  12. 前記ブレーキ・リンク・アクティベータが、前記第2の回転可能部材に固定して取り付けられた、第2の回転可能部材からほぼ半径方向外側に延びる、ブレーキ作動リンク装置に接続するように構成された構造を有する作動アームを含む、請求項2に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  13. 前記手動作動可能な解除機構が、前記第2の回転可能部材に対して回転可能な、クラッチ・スプリング端部に固定して取り付けられた解除ギアを含む、請求項2に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  14. 前記手動作動可能な解除機構が、前記解除構造と前記解除ギアとの作動方向への相対回転移動を可能にし、反対側の解除方向への相対回転移動を防止するように構成された解除構造を含む、請求項13に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  15. 前記解除構造が、手動作動可能なケーブル・アセンブリに結合されて、解除方向に手動回転可能であり、前記解除ギアを回転させて前記クラッチ・スプリングを解除するように構成される、請求項14に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  16. 前記解除ギアが周囲に離間した複数の歯を含む、請求項15に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  17. 前記解除構造が、前記第2の回転可能部材に回転可能に取り付けられる、請求項16に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  18. 前記解除構造が、枢動可能に接続された、前記解除ギアの前記歯と連動可能に構成された爪構造を含み、これにより、前記解除ギアと前記解除構造との作動方向への相対回転移動と、前記解除ギアと前記解除構造との前記解除方向への回転不可能な結合とが可能になる、請求項17に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  19. 前記解除構造が、前記第2の回転可能部材上で前記解除ギアと前記作動アームとの間に軸方向に配置される、請求項13に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  20. 前記手動作動可能なブレーキ解除機構が、前記爪構造と前記作動アームとの間に結合されたねじりばねを含み、前記爪構造を弾性偏倚させて前記解除ギアの前記歯に係合させる、請求項19に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  21. 前記手動作動可能なブレーキ解除機構が、前記解除ギアに回転可能に結合された歯付き解除ギアを含む、請求項15に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  22. 前記歯付き解除ギアが、ほぼ軸方向外側に延びる複数の傾斜歯を含み、前記解除構造が、ほぼ軸方向外側に延びる複数の傾斜歯を含み、前記複数の傾斜歯同士が係合して、前記歯付き解除ギアと前記解除構造との作動方向への相対回転移動を可能にし、前記歯付き解除ギアと前記解除構造とを反対側の解除方向へ回転不可能に結合する、請求項20に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  23. 前記手動作動可能なブレーキ解除機構が、前記複数の傾斜歯の係合を弾性維持するように構成された圧縮ばねを含む、請求項21に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  24. ブレーキ作動リンク装置内の張力を測定するように構成された検出装置をさらに含み、前記検出装置が、前記電動機に連通して、所定の最大張力がブレーキ作動リンク装置に加わると、前記電動機への通電を止める、請求項2に記載のブレーキ作動アセンブリ。
  25. 出力シャフトを有する電動機と、
    前記出力シャフトに結合された駆動アセンブリと、
    前記駆動アセンブリを介して前記電動機により枢動可能となるように前記駆動アセンブリに結合された、ブレーキ作動リンク装置に結合するように構成された接続構造を有するピボット構造であって、前記駆動アセンブリが、ブレーキ作動位置へ移動するとブレーキ作動位置にロックされるように構成されるピボット構造と、
    前記駆動アセンブリに結合されて、ロックされたブレーキ作動位置から前記駆動アセンブリを解除する解除構造であって、各相対位置に配置された対の接続部を含み、前記接続部の各々が、解除ケーブル・アセンブリに接続するように構成されて、ブレーキ作動アセンブリを、前記接続部の前記位置に対応する2つの異なる据付方向に配置することができる解除構造とを含む、ブレーキ作動アセンブリ。
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