JP2004528034A - アレルギーを処置及び予防するための薬剤としての乳酸菌 - Google Patents
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Abstract
本発明は、様々な異なるアレルゲンに対してアレルギー反応を起こす個体の傾向を低下させることができる乳酸菌の菌株に関する。具体的には、本発明は、IgE分子のFc領域の少なくとも一部分に対する模倣体として作用するペプチド又は抗体フラグメントを含む表面ポリペプチドを発現する乳酸菌の組換え菌株に関する。本発明はまた、前記微生物又はその活性な画分を含有する食品組成物又は医薬組成物に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体のアレルギー反応発症傾向を低下させることができる乳酸菌の新規な菌株に関する。具体的には、本発明は、IgE分子のFc領域の少なくとも一部分に対する模倣体として作用する小さいペプチド及びより大きいペプチドを含む表面ポリペプチドを発現する乳酸菌の組換え菌株に関する。本発明はまた、前記微生物又はその活性画分を含有する食品組成物又は医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫系は、ウイルス、細菌、寄生虫及び菌類又は単純なより大きい化学物質などの何らかの侵襲性の生物学的因子又は化学的因子から身体を守る複雑な多因子性の防御システムである。免疫系は、身体の統合性を維持するために不可欠ではあるが、場合により、自己免疫疾患、炎症又はアレルギーなどにおいて疾患そのものの原因であり得る。
【0003】
アレルギーは、様々な物質(アレルゲン)に対する免疫系の不適切な反応である。一般に、個体は、環境において通常的に遭遇する物質、例えば、花粉又は食品材料などに対して著しい免疫反応を生じさせない。そのような非反応性は、主として免疫系自体の抑制機構のためであると考えられている。しかし、損なわれた状態では、免疫系は前記の抑制活性を発揮せず、アレルゲンに対して特異的な免疫反応、すなわち、アレルギー反応を生じさせる。
【0004】
アレルギー反応の広く明らかにされている機構には、アレルゲンの取り込みによって始まる一連の事象が含まれ、アレルゲンは密着結合帯の下に位置する粘膜固有層又は上皮に存在するエフェクター細胞に到達し、それらを活性化するために上皮バリアを通過する必要がある。アレルギー反応に関連する臨床的症状は、基本的には、初期の特異的な免疫応答及び後期の炎症反応の結果である。初期段階のとき、アレルゲン性物質に対する免疫グロブリンE(IgE)が宿主の免疫系によって産生され、その後、IgEが受容体タンパク質を介して、例えば、マスト細胞及び好塩基球に結合する。IgE分子の結合及び架橋がその表面で行われると、細胞はヒスタミン及びサイトカインを放出し、それらは、その後、炎症細胞を鼻腔通路及び上部気道通路に呼び寄せることによって後期段階を媒介する。続いて、好酸球、マクロファージ、リンパ球、好中球及び血小板の流入により、最初の免疫応答を増幅する炎症サイクルが開始され、これにより、より多くの炎症細胞の放出が次に引き起こされる。
【0005】
これまで、アレルギー罹患者の数は増大してきており、これは、多くの場合、例えば、排気ガスによって引き起こされる、増大する一方の大気汚染が原因であると考えられる。また、タンパク質性物質の長期間にわたる消費も、アレルギーの発症、特に食品アレルギーの増大する発生の一因であると考えられる。さらに、先進諸国において遭遇する微生物感染が少ないこともまた、アトピー性疾患の増大に対する別の考えられる原因として示唆される。
【0006】
したがって、アレルギーを処置することがこの分野では求められており、種々の方法がアレルギーに対してこれまでに提案されている。
【0007】
食品アレルギーの処置に関しては、いくつかの方法は、その潜在的アレルゲン物質を少なくするように食品材料そのものを改変することに頼っている。これは、その化学構造を変化させることによって、又はそのような問題の原因であると考えられる食品材料若しくはその成分をそれぞれ制限若しくは禁止することによって達成することができる。しかし、関係する問題は多くの場合、それぞれの食品材料における具体的なアレルゲン性物質が知られていないことが多く、その結果、ほとんどの場合には、どの成分を選択的に除去しなければならないか、又はどの成分を選択的に変化させなければならないかが明らかでないということにある。
【0008】
食品アレルギー及び食品不耐性を処置する別の方法は、食品アレルゲンが本質的には通過することができないように腸の統合性を回復及び維持することに関している。これに関して、米国特許第5,192,750号には、粘膜に食品アレルゲンの透過に対する必要なバリアを形成させ、かつ正常な機能を維持させることを可能にするN−アセチルグルコサミンの使用が記載されている。
【0009】
アレルギーを処置する最も一般的な方法は免疫療法であり、アレルゲンに対して患者を脱感作するために、数年間の期間にわたってアレルゲンの注射を繰り返すことを含む。しかし、それに従って処置することは、時間がかかり、すなわち、数年の処置を伴い、患者を脱感作するというその目的を達成できないことが多い。
【0010】
より最近の方法によれば、マスト細胞及び好塩基球のトリガリングを阻害する、IgE分子に対する個体のワクチン接種が提案されている。この目的のために、国際特許出願公開WO97/31948には、IgE分子、すなわち、メディエーターの放出に関与する免疫グロブリンのそれらの三次元立体配座部分が類似し、アレルギー反応及び炎症反応の調節において役割を果たすワクチン接種用の具体的なペプチドが提案されている。個体自身の免疫系は、前記IgE免疫グロブリンが捕捉されるように前記IgE分子に対する抗体を最終的には形成すると考えられる。
【0011】
しかし、前記の方法は、生物学的に活性な物質が、例えば、静脈内注射などによる侵襲的な方法(そのような投与経路は一般に患者により嫌がられる)によって投与されなければならないという点で、通常のワクチン接種法に共通する不利益を有している。他方で、経口による経路が選ばれたときには、好適な製剤配合物を、生物学的に活性な物質が破壊されることなく胃腸管を通過することができるように設計しなければならない。この方法において遭遇する別の問題は、ミモトープ(mimotope)が、ほとんどの場合には、実質的な免疫応答を単独では誘発させない短い長さのペプチドであり、その結果、キャリア及び賦形剤のほかに、アジュバントを組成物に含めなければならないということにある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、アレルギーを処置するための改善された手段を提供することがこの分野では求められている。
特に、本発明の目的の1つは、効率的であり、かつ容易であり、かつ費用効果的な様式で、好ましくは、医師を必要とせず、そしてそのような処置に関連する負の関連事象を生じさせることなく、アレルギーの処置を可能にする手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的は、IgE分子の立体配座エピトープ(ミモトープ)の少なくとも一部を模倣する少なくとも1つのペプチド配列を含有するポリペプチドをその表面に発現する新規な乳酸菌株を提供することによって解決された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に至った研究において、今回、上記に規定されるようなペプチド配列を含む組換え表面ポリペプチドを含有する乳酸菌を提供することによって、IgEに対する個体の特異的な免疫化を得ることができ、その結果、本質的にはすべての抗原に対する前記個体のアレルギー反応が抑制されることが見出された。
【0015】
何らかの理論にとらわれることを望まないが、現時点では、乳酸菌は、摂取されたとき、一定期間にわたって胃腸管に留まるので、個体の免疫系に抗原を提示することができ、その結果、効果的な免疫反応が生じ、それにより抗IgE抗体の形成を個体において生じさせるようにすると考えられる。胃腸管経路を介して行われる個体への、そのような表面タンパク質を含有する細菌の投与が、最終的には、対応する抗原(すなわち、ミモトープ)を、個体の免疫系に提示して、免疫系がその抗原を認識することができ、それに対する免疫応答を誘発するかどうかは予測することができなかったので、この事実はいっそう驚くべきことである。さらには、明らかなことではあるが、ミモトープが免疫系に提示される生物学的環境は、抗原に対する免疫応答を誘発させるためのアジュバントの使用が必要とされないような環境である。
【0016】
好ましい実施形態により、そのようなミモトープを含有する表面ポリペプチドを含有する乳酸菌は、ラクトバチルス属群又はビフィドバクテリウム属群又はラクトコッカス属群に属し、より好ましくは、L.アシドフィルス(L.acidophilus)、L.ジョンソニイ(L.johnsonii)、L.ガッセリ(L.gasseri)、L.カセイ(L.casei)、L.パラカセイ(L.paracasei)又はL.ロイテリ(L.reuteri)からなる群に由来する。これらはすべてヒト起源又は動物起源である。より好ましい実施形態により、乳酸菌はプロバイオティック乳酸菌である。プロバイオティックスとして、胃腸管を本質的には生育可能な生存形態で通過することができ、かつ場合により宿主の免疫系を刺激することもできる微生物と理解しなければならない。最も好ましい実施形態により、乳酸菌はラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)である。
【0017】
表面ポリペプチドの性質は、「ミモトープペプチド配列」が免疫系に対して利用可能であるように挿入され得るならば重要ではない。好ましい実施形態により、表面ポリペプチド/タンパク質は、その内部には、IgE免疫グロブリンの立体配座エピトープを模倣する配列が挿入されるが、Gilbert他(1996)、J.Bacteriol.178、3059〜3065にその配列が発表されたラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)の細胞表面固定プロテアーゼである。このタンパク質は、酵素の細胞外への輸送に関わる33アミノ酸のリーダーペプチド(プレ領域)と、それに続く、一連の、切断時に酵素のタンパク質分解活性の活性化に関わる154アミノ酸(プロ領域)及び活性部位に対する700〜800アミノ酸とから構成される2000アミノ酸のタンパク質として特徴づけられた。後続の領域(約1000アミノ酸)は、生じたペプチドの細胞内での切断及び輸送の特異性において役割を果たし、そしてまた細胞壁を貫通することが示唆されている。このプロテアーゼはそのカルボキシル末端によって細胞壁に固定され、この場合、最後の200アミノ酸が細胞壁のペプチドグリカン構造に対する特異的な共有結合的結合に関わっている。
【0018】
このポリペプチドは、この分野で十分に知られている様々な方法に従って乳酸菌において発現させることができる。例えば、市販されているベクターのpNZ124(Platteuw他(1994)、Appl.Env.Microbiol.60、587)又はpGK12(Walke他(1996)、FEMS Microbiol.138、233)又はpG+host9(Maguin他(1996)、J.Bacteriol.178、931)をエピソーム発現のために使用することができる。しかしながら、染色体組み込みの優れた安定性を考えると、この方法は、それぞれのポリペプチドをコードする組換え遺伝子については好ましいと考えられる。染色体への組み込みのために、相同的組換えを、例えば、寛容原性ペプチドを含有する乳酸菌由来の組換え遺伝子を使用し、そして内因性遺伝子を置き換えることによって適用することができる。しかしながら、組換え遺伝子を宿主染色体に導入するための方法は十分に当業者の範囲内である。
【0019】
IgEの立体配座エピトープを模倣するペプチド配列(配列番号1〜17)並びに抗イディオタイプ型のVH配列及びVL配列(配列番号18〜19)が、IgEのFc部分に対する抗体を用いてランダムペプチドライブラリー及びヒトFab抗体ファージディスプレーライブラリーをスクリーニングすることによって見出され得る。好ましいミモトープ配列及び抗イディオタイプ型Fab配列は、下記の配列からなる群から選択される:
【0020】
【化1】
【0021】
IgEの定常領域の一部を模倣するペプチド配列並びに抗イディオタイプ型のVH配列及びVL配列の単離及び/又は調製に関するさらに詳細な情報については、一般に、国際特許出願公開WO97/31948が参照される。その教示は参考として本明細書中に組み込まれる。
【0022】
本発明はまた、上記に記載されるような少なくとも1つのそのような乳酸菌を含有する食品組成物及び医薬組成物(特に、ワクチン)に関する。
【0023】
細菌株は、1gの材料あたり105〜1012cfu(コロニー形成単位)の範囲の量で組成物に含まれ得る。食品組成物は、ミルク、ヨーグルト、カード、チーズ、発酵乳、発酵乳製品、アイスクリーム、発酵シリアル製品、ミルクから作製される粉末、乳児用調合物、又は動物の場合にはペットフードであり得る。医薬組成物は、錠剤、液状細菌懸濁物、乾燥経口補助物、湿潤経口補助物、乾燥チューブ補給物又は湿潤チューブ補給物の形態にすることができる。
【0024】
本発明の乳酸菌及び食品/医薬組成物は、IgE抗体を伴う免疫反応が関与するアレルギー反応に関連する任意の疾患状態を処置するために、例えば、鼻炎、アトピー性皮膚炎、紅斑などを処置するために使用することができる。同様に、本発明の細菌/組成物は、一般に個体におけるアレルギーの発症を予防する「ワクチン接種剤」として使用されるために十分に適することが理解される。これは、アレルギーに対する処置を必要としている人に本発明による食品組成物又は医薬組成物を単に与えることによって容易に達成することができる。摂取したとき、細菌は一定の期間にわたって腸に定着し、その結果、細菌細胞数の量及び本発明の組成物が投与されている時間に依存して、ミモトープが個体に提示され、その結果、個体はミモトープに対する免疫応答を形成することができる。本発明の組成物に含有される乳酸菌に加えて、免疫系を刺激することが知られている薬剤も同様に、ミモトープに対する免疫応答を改善するように投与され得ることが理解される。
【0025】
下記の実施例により、本発明がさらに例示されるが、本発明は実施例に限定されない。
【実施例1】
【0026】
組換えポリペプチドの構築
2つのペプチド、すなわち、ペプチドε4(配列番号1)及び破傷風毒素(下記ではTTと呼ばれる;配列は下記参照)由来の別のペプチド(これはコントロールとして使用した)を、L.bulgaricusの細胞表面固定プロテアーゼと融合して、細菌La1(CNCMI−1225)の表面に提示させた。
【0027】
ミモトープ(ε4)をラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)由来の細胞表面プロテイナーゼ(PrtB)(Gilbert他(1996)、J.Bacteriol.178、3059〜3065)に読み枠を合わせて融合した。
【0028】
プロテアーゼ遺伝子を、下記の2つのプライマーを使用することによってそのプロモーターと共に最初に増幅した:
5’−TTTTGTGGATCCTTAACTTCATAGCACG−3’
(遺伝子のプロモーターの上流。これはBamHI部位を有する)
5’−ATATTATCTAGAATTGAATAGATTGCC−3’
(遺伝子のρ依存性ターミネーターの下流。これはXbaI部位を有する)
【0029】
増幅産物をBamHI及びXbaIで切断し、同じ制限酵素で消化した乳酸菌ベクターpNZ124にクローン化し、最終的にはプラスミド非含有(β−ガラクトシダーゼ陰性及びプロテアーゼ陰性)ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)にエレクトロポレーションによって導入した。
【0030】
クローン化したプロテアーゼの活性部位の領域を、2つのシステイン残基が両端に位置するTTペプチド及びε4ペプチドの配列によって置き換えた。システイン残基は、2つのシステイン残基が両端に存在する環状ペプチドとして、これらの2つのペプチドがファージディスプレーライブラリーから単離されるので付加された。これらのペプチドは、天然のエピトープを表さず、それどころか、天然のエピトープを模倣するので、ミモトープと呼ばれる。
【0031】
【化2】
【0032】
これを達成するために、クローン化されたプロテアーゼを、リーダーペプチドの切断部位の配列の50bp下流に存在するNheIと、さらに800bp下流のPvuIとで切断した。目的とするペプチドをコードするDNA配列(上掲)を、ハイブリダイゼーションしたときにこの2つの制限部位がそれらの末端で生じるように設計された2つのオリゴヌクレオチドとしてこの2つの制限部位の間に挿入した。オリゴヌクレオチドの設計では、プロテアーゼ遺伝子に連結したとき、組換えタンパク質の読み枠が途中で終わらないことが考慮に入れられた。
【0033】
増幅産物をこれらの制限酵素で切断した。両方の場合において、DNAフラグメントをプロテアーゼ遺伝子に連結し、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)にエレクトロポレーションによって導入した。
【実施例2】
【0034】
ラクトバチルス・ジョンソニイの形質転換
形質転換のために、ラクトバチルス・ジョンソニイのLa1株(アクセション番号CNCMI−1225でパスツール研究所から入手可能)を、嫌気的条件の下、37℃でMRS培地において一晩増殖させた。この培養物の一部を使用して、0.5Mスクロースを含有する別の培養液(MRS)に接種した(1:10)。200mlのMRS+0.5Mスクロースに2%でさらに再接種した後、培養物を0.6のOD595にまで増殖させた。細胞を4℃で10分間の5000rpmでの遠心分離によって集め、ペレットを、1Mスクロース及び2.5mMCaCl2を含有する溶液の1/2容量で2回、次いで1Mスクロース及び2.5mMCaCl2を含有する溶液の1/4容量で1回洗浄し、そして遠心分離後に得られたペレットを、1Mスクロース、2.5mMCaCl2+0.459mlの87%グリセロール(10%の最終濃度)の溶液3.5mlに再懸濁した。細胞は、形質転換のために直接使用されたか、又は−80℃で凍結されたかのいずれかであった。
【0035】
エレクトロポレーションのために、40μlの細胞を10ng〜100ngのDNA(5μl未満の体積)と混合して、氷冷した0.2cmエレクトロポレーションキュベットに入れた。氷冷した0.2cmエレクトロポレーションキュベットで200Ω、25μF、2.5kVのパルスを数回加えた。MRS+20mM MgCl2、2mM CaCl2を1mlキュベットに加えて、懸濁物を37℃で2時間〜3時間インキュベーションした。10μl及び100μlのアリコートをそれぞれ、適切な抗生物質を含有するMRS寒天平板に置床した。平板を上記と同じ温度で嫌気的に24時間〜48時間インキュベーションした。選択培地として、クロラムフェニコール(10μg/ml)含有MRSを使用した。
【実施例3】
【0036】
プロテイナーゼPrtBに対する抗血清の作製
PrtBに対する抗血清を作製するために、ウサギを、プロテイナーゼB(PrtB)を発現するラクトバチルス・デルブルュッキイ亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp bulgaricus)のATCC11842株で皮下免疫化した。細菌を、GasPak嫌気システム中、42℃でMRS培養液において一晩増殖させた。この培養物のアリコートを使用して、0.5Mスクロースを含有する別の培養液(MRS)に接種し、培養物を0.6のOD595になるまで42℃で5時間増殖させた。細胞を4℃で10分間の5000rpmでの遠心分離によって集め、ペレットを10mlのPBSで2回洗浄し、そして2mlのPBSに再懸濁した。ウサギは、1.5mlのPBS懸濁細胞で2週間間隔で3回免疫し、最後の投与を行った7日後に採血た。血清を2×109個のラクトバチルス・ジョンソニイ(La1)に対して6回精製した。
【実施例4】
【0037】
TTミモトープ及びε4ミモトープに対する抗血清の作製
TTミモトープ及びε4ミモトープに対する抗血清を作製するために、ウサギをポリオキシム−TTミモトープ構築物又はキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)結合ε4ミモトープのいずれかで皮下免疫化した。ウサギは2週間間隔で4回免疫し、そして最後の注射を行った7日後に採血した。抗ε4血清を、ε4ミモトープ結合CH−セファロース4Bでの免疫アフィニティークロマトグラフィーによって精製した。
【実施例5】
【0038】
抗体によるミモトープ−PrtB融合タンパク質の検出
乳酸菌が、抗体が接近可能であり、かつ抗体によって認識されるような様式でミモトープを発現しているかどうかを明らかにするために、修飾を何ら伴わないPrtB遺伝子又は(ε4ミモトープ若しくはTTミモトープのいずれかをコードする)組換え遺伝子のいずれかを含有する細菌を、10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する25mlの培地で増殖させた。細菌細胞を4℃で15分間の3000×gでの遠心分離によって集め、5mlのTBSで洗浄し、再び遠心分離した。最後に、細菌ペレットを450μlのTris緩衝化生理的食塩水(TBS:25mMTris/HCl(pH7.5)、0.8%NaCl、0.02%KCl)及び150μlの4×非還元性サンプル緩衝液(80mMTris/HCl(pH6.8)、2.5%SDS、0.15%グリセロール、0.05%ブロモフェノールブルー)に再懸濁した。20μl量をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)(6%アクリルアミド−ビス、0.5MTris−HCl(pH8.8))によって分離し、25mMTris/192mMグリシン緩衝液(pH8.3)において100Vで60分間泳動した。ゲルをBM Fast染色剤(Boehringer Mannheim、ドイツ)で染色し、又はニトロセルロースメンブランに電気泳動で転写した(Protran BA83、Schleicher&Schuell、Dassel、ドイツ)。転写後、メンブランをRTにおいてPBS/5%BSAで2時間ブロッキングした。免疫ブロットをウサギ抗TT血清(1:1000)又は抗PrtB血清(1:2000)のいずれかとRTで一晩インキュベーションし、そして1:1000希釈の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgGとRTで3時間インキュベーションした。免疫ブロットを4−クロロ−1−ナフトールで2分間発色させた。
【0039】
図1に示されるように、組換えラクトバチルス・ジョンソニイは、適切な抗体を検出のために使用したとき、特異的なバンドを示したことを認めることができる。このことは、ε4ミモトープ及びTTミモトープが、プロテイナーゼPrtBと同様に、正しい立体配座で組換え細菌によって産生されたことを示している。
【実施例6】
【0040】
ラクトバチルス・ジョンソニイ(La1)における表面抗原の発現を検出するためのELISA
形質転換した細菌を、10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する50mlの培地で一晩増殖させた。細菌細胞を4℃で15分間の3000×gでの遠心分離によって集め、5mlのTBSで洗浄し、そして再び遠心分離した。最後に、細菌ペレットを900μlのTBS及び100μlの0.5M重炭酸塩緩衝液(pH9.6)に再懸濁した。Coster EIA/RIAハーフウエルプレート(Coster、Cambridge、MA)を、ウエルあたり50μlの細菌溶液(約108個の細菌)で、37℃で一晩コーティングした。コーティング効率を、TTdをコーティング抗原として10μg/mlの濃度で使用して評価した。プレートを、細菌が残らなくなるまで、PBS/0.1%ツィーン−20で徹底的に洗浄した。ウエルをPBS/5%BSAにおいて37℃で2時間ブロッキングし、10μg/mlの濃度でのウサギ抗TT血清IgG抗体又はアフィニティー精製したウサギ抗ε4血清IgG抗体のいずれか50μlと共に37℃で4時間インキュベーションした。PBS/0.1%ツィーン−20で6回洗浄した後、プレートを1:1000希釈の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgGと共に37℃で1.5時間インキュベーションした。プレートをPBS/0.1%ツィーン−20で6回洗浄し、テトラメチルベンジジン(TMB;Fluka Chemie AG、Buchs、スイス)で発色させた。反応を1MのH2SO4で停止させ、ELISAリーダー(Molecular devices、Basel、スイス)を使用して、吸光度値を450nmで測定した。
【0041】
図2及び図3に示されるように、抗TT抗体及び抗ε4抗体は、TTミモトープ及びε4ミモトープを発現する生きている組換えLa1を特異的に認識した。このことは、この2つのミモトープが細菌の細胞表面に発現し、提示されたことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ラクトバチルス・ジョンソニイ組換え体のタンパク質染色及び免疫ブロット分析を示す。(A)La1野生型(レーン1)、pMD112TTを有するLa1(La1TT、レーン2)、又はpMD112ε4を有するLa1(La1ε4、レーン3)のタンパク質染色。(B)La1TT(レーン2)及びLa1ε4(レーン3)におけるプロテイナーゼPrtBの発現。約108個の細菌を、1:2000に希釈された抗PrtB血清を使用する免疫ブロットによって分析した。野生型La1は陰性コントロールとして負荷した(レーン1)。結合している抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Fc)抗体を用いて検出した。(C)La1TTの表面における破傷風ミモトープの発現(レーン2)。スロットあたり約108個の細菌を、1:1000で希釈された抗TT血清を使用する免疫ブロットによって分析した。La1(レーン1)及びLa1E4(レーン3)は陰性コントロールとして使用した。結合している抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Fc)抗体を用いて検出した。(D)La1ε4の表面におけるε4ミモトープの発現(レーン3)。スロットあたり約108個の細菌を、抗E4血清(SDS280)を10μg/mlの濃度で使用する免疫ブロットによって分析した。La1(レーン1)及びLa1TT(レーン2)は陰性コントロールとして使用した。結合している抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Fc)抗体を用いて検出した。矢印は、A〜Dにおいて認められたプロテイナーゼバンドの高さを示している。
【図2】乳酸菌上の表面提示されたεミモトープに対する抗TTIgGのELISAにおける結合アッセイの結果を示す。
【図3】乳酸菌上の表面提示されたεミモトープに対する抗ε4IgGのELISAにおける結合アッセイの結果を示す。
【0001】
本発明は、個体のアレルギー反応発症傾向を低下させることができる乳酸菌の新規な菌株に関する。具体的には、本発明は、IgE分子のFc領域の少なくとも一部分に対する模倣体として作用する小さいペプチド及びより大きいペプチドを含む表面ポリペプチドを発現する乳酸菌の組換え菌株に関する。本発明はまた、前記微生物又はその活性画分を含有する食品組成物又は医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫系は、ウイルス、細菌、寄生虫及び菌類又は単純なより大きい化学物質などの何らかの侵襲性の生物学的因子又は化学的因子から身体を守る複雑な多因子性の防御システムである。免疫系は、身体の統合性を維持するために不可欠ではあるが、場合により、自己免疫疾患、炎症又はアレルギーなどにおいて疾患そのものの原因であり得る。
【0003】
アレルギーは、様々な物質(アレルゲン)に対する免疫系の不適切な反応である。一般に、個体は、環境において通常的に遭遇する物質、例えば、花粉又は食品材料などに対して著しい免疫反応を生じさせない。そのような非反応性は、主として免疫系自体の抑制機構のためであると考えられている。しかし、損なわれた状態では、免疫系は前記の抑制活性を発揮せず、アレルゲンに対して特異的な免疫反応、すなわち、アレルギー反応を生じさせる。
【0004】
アレルギー反応の広く明らかにされている機構には、アレルゲンの取り込みによって始まる一連の事象が含まれ、アレルゲンは密着結合帯の下に位置する粘膜固有層又は上皮に存在するエフェクター細胞に到達し、それらを活性化するために上皮バリアを通過する必要がある。アレルギー反応に関連する臨床的症状は、基本的には、初期の特異的な免疫応答及び後期の炎症反応の結果である。初期段階のとき、アレルゲン性物質に対する免疫グロブリンE(IgE)が宿主の免疫系によって産生され、その後、IgEが受容体タンパク質を介して、例えば、マスト細胞及び好塩基球に結合する。IgE分子の結合及び架橋がその表面で行われると、細胞はヒスタミン及びサイトカインを放出し、それらは、その後、炎症細胞を鼻腔通路及び上部気道通路に呼び寄せることによって後期段階を媒介する。続いて、好酸球、マクロファージ、リンパ球、好中球及び血小板の流入により、最初の免疫応答を増幅する炎症サイクルが開始され、これにより、より多くの炎症細胞の放出が次に引き起こされる。
【0005】
これまで、アレルギー罹患者の数は増大してきており、これは、多くの場合、例えば、排気ガスによって引き起こされる、増大する一方の大気汚染が原因であると考えられる。また、タンパク質性物質の長期間にわたる消費も、アレルギーの発症、特に食品アレルギーの増大する発生の一因であると考えられる。さらに、先進諸国において遭遇する微生物感染が少ないこともまた、アトピー性疾患の増大に対する別の考えられる原因として示唆される。
【0006】
したがって、アレルギーを処置することがこの分野では求められており、種々の方法がアレルギーに対してこれまでに提案されている。
【0007】
食品アレルギーの処置に関しては、いくつかの方法は、その潜在的アレルゲン物質を少なくするように食品材料そのものを改変することに頼っている。これは、その化学構造を変化させることによって、又はそのような問題の原因であると考えられる食品材料若しくはその成分をそれぞれ制限若しくは禁止することによって達成することができる。しかし、関係する問題は多くの場合、それぞれの食品材料における具体的なアレルゲン性物質が知られていないことが多く、その結果、ほとんどの場合には、どの成分を選択的に除去しなければならないか、又はどの成分を選択的に変化させなければならないかが明らかでないということにある。
【0008】
食品アレルギー及び食品不耐性を処置する別の方法は、食品アレルゲンが本質的には通過することができないように腸の統合性を回復及び維持することに関している。これに関して、米国特許第5,192,750号には、粘膜に食品アレルゲンの透過に対する必要なバリアを形成させ、かつ正常な機能を維持させることを可能にするN−アセチルグルコサミンの使用が記載されている。
【0009】
アレルギーを処置する最も一般的な方法は免疫療法であり、アレルゲンに対して患者を脱感作するために、数年間の期間にわたってアレルゲンの注射を繰り返すことを含む。しかし、それに従って処置することは、時間がかかり、すなわち、数年の処置を伴い、患者を脱感作するというその目的を達成できないことが多い。
【0010】
より最近の方法によれば、マスト細胞及び好塩基球のトリガリングを阻害する、IgE分子に対する個体のワクチン接種が提案されている。この目的のために、国際特許出願公開WO97/31948には、IgE分子、すなわち、メディエーターの放出に関与する免疫グロブリンのそれらの三次元立体配座部分が類似し、アレルギー反応及び炎症反応の調節において役割を果たすワクチン接種用の具体的なペプチドが提案されている。個体自身の免疫系は、前記IgE免疫グロブリンが捕捉されるように前記IgE分子に対する抗体を最終的には形成すると考えられる。
【0011】
しかし、前記の方法は、生物学的に活性な物質が、例えば、静脈内注射などによる侵襲的な方法(そのような投与経路は一般に患者により嫌がられる)によって投与されなければならないという点で、通常のワクチン接種法に共通する不利益を有している。他方で、経口による経路が選ばれたときには、好適な製剤配合物を、生物学的に活性な物質が破壊されることなく胃腸管を通過することができるように設計しなければならない。この方法において遭遇する別の問題は、ミモトープ(mimotope)が、ほとんどの場合には、実質的な免疫応答を単独では誘発させない短い長さのペプチドであり、その結果、キャリア及び賦形剤のほかに、アジュバントを組成物に含めなければならないということにある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、アレルギーを処置するための改善された手段を提供することがこの分野では求められている。
特に、本発明の目的の1つは、効率的であり、かつ容易であり、かつ費用効果的な様式で、好ましくは、医師を必要とせず、そしてそのような処置に関連する負の関連事象を生じさせることなく、アレルギーの処置を可能にする手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的は、IgE分子の立体配座エピトープ(ミモトープ)の少なくとも一部を模倣する少なくとも1つのペプチド配列を含有するポリペプチドをその表面に発現する新規な乳酸菌株を提供することによって解決された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に至った研究において、今回、上記に規定されるようなペプチド配列を含む組換え表面ポリペプチドを含有する乳酸菌を提供することによって、IgEに対する個体の特異的な免疫化を得ることができ、その結果、本質的にはすべての抗原に対する前記個体のアレルギー反応が抑制されることが見出された。
【0015】
何らかの理論にとらわれることを望まないが、現時点では、乳酸菌は、摂取されたとき、一定期間にわたって胃腸管に留まるので、個体の免疫系に抗原を提示することができ、その結果、効果的な免疫反応が生じ、それにより抗IgE抗体の形成を個体において生じさせるようにすると考えられる。胃腸管経路を介して行われる個体への、そのような表面タンパク質を含有する細菌の投与が、最終的には、対応する抗原(すなわち、ミモトープ)を、個体の免疫系に提示して、免疫系がその抗原を認識することができ、それに対する免疫応答を誘発するかどうかは予測することができなかったので、この事実はいっそう驚くべきことである。さらには、明らかなことではあるが、ミモトープが免疫系に提示される生物学的環境は、抗原に対する免疫応答を誘発させるためのアジュバントの使用が必要とされないような環境である。
【0016】
好ましい実施形態により、そのようなミモトープを含有する表面ポリペプチドを含有する乳酸菌は、ラクトバチルス属群又はビフィドバクテリウム属群又はラクトコッカス属群に属し、より好ましくは、L.アシドフィルス(L.acidophilus)、L.ジョンソニイ(L.johnsonii)、L.ガッセリ(L.gasseri)、L.カセイ(L.casei)、L.パラカセイ(L.paracasei)又はL.ロイテリ(L.reuteri)からなる群に由来する。これらはすべてヒト起源又は動物起源である。より好ましい実施形態により、乳酸菌はプロバイオティック乳酸菌である。プロバイオティックスとして、胃腸管を本質的には生育可能な生存形態で通過することができ、かつ場合により宿主の免疫系を刺激することもできる微生物と理解しなければならない。最も好ましい実施形態により、乳酸菌はラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)である。
【0017】
表面ポリペプチドの性質は、「ミモトープペプチド配列」が免疫系に対して利用可能であるように挿入され得るならば重要ではない。好ましい実施形態により、表面ポリペプチド/タンパク質は、その内部には、IgE免疫グロブリンの立体配座エピトープを模倣する配列が挿入されるが、Gilbert他(1996)、J.Bacteriol.178、3059〜3065にその配列が発表されたラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)の細胞表面固定プロテアーゼである。このタンパク質は、酵素の細胞外への輸送に関わる33アミノ酸のリーダーペプチド(プレ領域)と、それに続く、一連の、切断時に酵素のタンパク質分解活性の活性化に関わる154アミノ酸(プロ領域)及び活性部位に対する700〜800アミノ酸とから構成される2000アミノ酸のタンパク質として特徴づけられた。後続の領域(約1000アミノ酸)は、生じたペプチドの細胞内での切断及び輸送の特異性において役割を果たし、そしてまた細胞壁を貫通することが示唆されている。このプロテアーゼはそのカルボキシル末端によって細胞壁に固定され、この場合、最後の200アミノ酸が細胞壁のペプチドグリカン構造に対する特異的な共有結合的結合に関わっている。
【0018】
このポリペプチドは、この分野で十分に知られている様々な方法に従って乳酸菌において発現させることができる。例えば、市販されているベクターのpNZ124(Platteuw他(1994)、Appl.Env.Microbiol.60、587)又はpGK12(Walke他(1996)、FEMS Microbiol.138、233)又はpG+host9(Maguin他(1996)、J.Bacteriol.178、931)をエピソーム発現のために使用することができる。しかしながら、染色体組み込みの優れた安定性を考えると、この方法は、それぞれのポリペプチドをコードする組換え遺伝子については好ましいと考えられる。染色体への組み込みのために、相同的組換えを、例えば、寛容原性ペプチドを含有する乳酸菌由来の組換え遺伝子を使用し、そして内因性遺伝子を置き換えることによって適用することができる。しかしながら、組換え遺伝子を宿主染色体に導入するための方法は十分に当業者の範囲内である。
【0019】
IgEの立体配座エピトープを模倣するペプチド配列(配列番号1〜17)並びに抗イディオタイプ型のVH配列及びVL配列(配列番号18〜19)が、IgEのFc部分に対する抗体を用いてランダムペプチドライブラリー及びヒトFab抗体ファージディスプレーライブラリーをスクリーニングすることによって見出され得る。好ましいミモトープ配列及び抗イディオタイプ型Fab配列は、下記の配列からなる群から選択される:
【0020】
【化1】
【0021】
IgEの定常領域の一部を模倣するペプチド配列並びに抗イディオタイプ型のVH配列及びVL配列の単離及び/又は調製に関するさらに詳細な情報については、一般に、国際特許出願公開WO97/31948が参照される。その教示は参考として本明細書中に組み込まれる。
【0022】
本発明はまた、上記に記載されるような少なくとも1つのそのような乳酸菌を含有する食品組成物及び医薬組成物(特に、ワクチン)に関する。
【0023】
細菌株は、1gの材料あたり105〜1012cfu(コロニー形成単位)の範囲の量で組成物に含まれ得る。食品組成物は、ミルク、ヨーグルト、カード、チーズ、発酵乳、発酵乳製品、アイスクリーム、発酵シリアル製品、ミルクから作製される粉末、乳児用調合物、又は動物の場合にはペットフードであり得る。医薬組成物は、錠剤、液状細菌懸濁物、乾燥経口補助物、湿潤経口補助物、乾燥チューブ補給物又は湿潤チューブ補給物の形態にすることができる。
【0024】
本発明の乳酸菌及び食品/医薬組成物は、IgE抗体を伴う免疫反応が関与するアレルギー反応に関連する任意の疾患状態を処置するために、例えば、鼻炎、アトピー性皮膚炎、紅斑などを処置するために使用することができる。同様に、本発明の細菌/組成物は、一般に個体におけるアレルギーの発症を予防する「ワクチン接種剤」として使用されるために十分に適することが理解される。これは、アレルギーに対する処置を必要としている人に本発明による食品組成物又は医薬組成物を単に与えることによって容易に達成することができる。摂取したとき、細菌は一定の期間にわたって腸に定着し、その結果、細菌細胞数の量及び本発明の組成物が投与されている時間に依存して、ミモトープが個体に提示され、その結果、個体はミモトープに対する免疫応答を形成することができる。本発明の組成物に含有される乳酸菌に加えて、免疫系を刺激することが知られている薬剤も同様に、ミモトープに対する免疫応答を改善するように投与され得ることが理解される。
【0025】
下記の実施例により、本発明がさらに例示されるが、本発明は実施例に限定されない。
【実施例1】
【0026】
組換えポリペプチドの構築
2つのペプチド、すなわち、ペプチドε4(配列番号1)及び破傷風毒素(下記ではTTと呼ばれる;配列は下記参照)由来の別のペプチド(これはコントロールとして使用した)を、L.bulgaricusの細胞表面固定プロテアーゼと融合して、細菌La1(CNCMI−1225)の表面に提示させた。
【0027】
ミモトープ(ε4)をラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)由来の細胞表面プロテイナーゼ(PrtB)(Gilbert他(1996)、J.Bacteriol.178、3059〜3065)に読み枠を合わせて融合した。
【0028】
プロテアーゼ遺伝子を、下記の2つのプライマーを使用することによってそのプロモーターと共に最初に増幅した:
5’−TTTTGTGGATCCTTAACTTCATAGCACG−3’
(遺伝子のプロモーターの上流。これはBamHI部位を有する)
5’−ATATTATCTAGAATTGAATAGATTGCC−3’
(遺伝子のρ依存性ターミネーターの下流。これはXbaI部位を有する)
【0029】
増幅産物をBamHI及びXbaIで切断し、同じ制限酵素で消化した乳酸菌ベクターpNZ124にクローン化し、最終的にはプラスミド非含有(β−ガラクトシダーゼ陰性及びプロテアーゼ陰性)ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)にエレクトロポレーションによって導入した。
【0030】
クローン化したプロテアーゼの活性部位の領域を、2つのシステイン残基が両端に位置するTTペプチド及びε4ペプチドの配列によって置き換えた。システイン残基は、2つのシステイン残基が両端に存在する環状ペプチドとして、これらの2つのペプチドがファージディスプレーライブラリーから単離されるので付加された。これらのペプチドは、天然のエピトープを表さず、それどころか、天然のエピトープを模倣するので、ミモトープと呼ばれる。
【0031】
【化2】
【0032】
これを達成するために、クローン化されたプロテアーゼを、リーダーペプチドの切断部位の配列の50bp下流に存在するNheIと、さらに800bp下流のPvuIとで切断した。目的とするペプチドをコードするDNA配列(上掲)を、ハイブリダイゼーションしたときにこの2つの制限部位がそれらの末端で生じるように設計された2つのオリゴヌクレオチドとしてこの2つの制限部位の間に挿入した。オリゴヌクレオチドの設計では、プロテアーゼ遺伝子に連結したとき、組換えタンパク質の読み枠が途中で終わらないことが考慮に入れられた。
【0033】
増幅産物をこれらの制限酵素で切断した。両方の場合において、DNAフラグメントをプロテアーゼ遺伝子に連結し、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)にエレクトロポレーションによって導入した。
【実施例2】
【0034】
ラクトバチルス・ジョンソニイの形質転換
形質転換のために、ラクトバチルス・ジョンソニイのLa1株(アクセション番号CNCMI−1225でパスツール研究所から入手可能)を、嫌気的条件の下、37℃でMRS培地において一晩増殖させた。この培養物の一部を使用して、0.5Mスクロースを含有する別の培養液(MRS)に接種した(1:10)。200mlのMRS+0.5Mスクロースに2%でさらに再接種した後、培養物を0.6のOD595にまで増殖させた。細胞を4℃で10分間の5000rpmでの遠心分離によって集め、ペレットを、1Mスクロース及び2.5mMCaCl2を含有する溶液の1/2容量で2回、次いで1Mスクロース及び2.5mMCaCl2を含有する溶液の1/4容量で1回洗浄し、そして遠心分離後に得られたペレットを、1Mスクロース、2.5mMCaCl2+0.459mlの87%グリセロール(10%の最終濃度)の溶液3.5mlに再懸濁した。細胞は、形質転換のために直接使用されたか、又は−80℃で凍結されたかのいずれかであった。
【0035】
エレクトロポレーションのために、40μlの細胞を10ng〜100ngのDNA(5μl未満の体積)と混合して、氷冷した0.2cmエレクトロポレーションキュベットに入れた。氷冷した0.2cmエレクトロポレーションキュベットで200Ω、25μF、2.5kVのパルスを数回加えた。MRS+20mM MgCl2、2mM CaCl2を1mlキュベットに加えて、懸濁物を37℃で2時間〜3時間インキュベーションした。10μl及び100μlのアリコートをそれぞれ、適切な抗生物質を含有するMRS寒天平板に置床した。平板を上記と同じ温度で嫌気的に24時間〜48時間インキュベーションした。選択培地として、クロラムフェニコール(10μg/ml)含有MRSを使用した。
【実施例3】
【0036】
プロテイナーゼPrtBに対する抗血清の作製
PrtBに対する抗血清を作製するために、ウサギを、プロテイナーゼB(PrtB)を発現するラクトバチルス・デルブルュッキイ亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp bulgaricus)のATCC11842株で皮下免疫化した。細菌を、GasPak嫌気システム中、42℃でMRS培養液において一晩増殖させた。この培養物のアリコートを使用して、0.5Mスクロースを含有する別の培養液(MRS)に接種し、培養物を0.6のOD595になるまで42℃で5時間増殖させた。細胞を4℃で10分間の5000rpmでの遠心分離によって集め、ペレットを10mlのPBSで2回洗浄し、そして2mlのPBSに再懸濁した。ウサギは、1.5mlのPBS懸濁細胞で2週間間隔で3回免疫し、最後の投与を行った7日後に採血た。血清を2×109個のラクトバチルス・ジョンソニイ(La1)に対して6回精製した。
【実施例4】
【0037】
TTミモトープ及びε4ミモトープに対する抗血清の作製
TTミモトープ及びε4ミモトープに対する抗血清を作製するために、ウサギをポリオキシム−TTミモトープ構築物又はキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)結合ε4ミモトープのいずれかで皮下免疫化した。ウサギは2週間間隔で4回免疫し、そして最後の注射を行った7日後に採血した。抗ε4血清を、ε4ミモトープ結合CH−セファロース4Bでの免疫アフィニティークロマトグラフィーによって精製した。
【実施例5】
【0038】
抗体によるミモトープ−PrtB融合タンパク質の検出
乳酸菌が、抗体が接近可能であり、かつ抗体によって認識されるような様式でミモトープを発現しているかどうかを明らかにするために、修飾を何ら伴わないPrtB遺伝子又は(ε4ミモトープ若しくはTTミモトープのいずれかをコードする)組換え遺伝子のいずれかを含有する細菌を、10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する25mlの培地で増殖させた。細菌細胞を4℃で15分間の3000×gでの遠心分離によって集め、5mlのTBSで洗浄し、再び遠心分離した。最後に、細菌ペレットを450μlのTris緩衝化生理的食塩水(TBS:25mMTris/HCl(pH7.5)、0.8%NaCl、0.02%KCl)及び150μlの4×非還元性サンプル緩衝液(80mMTris/HCl(pH6.8)、2.5%SDS、0.15%グリセロール、0.05%ブロモフェノールブルー)に再懸濁した。20μl量をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)(6%アクリルアミド−ビス、0.5MTris−HCl(pH8.8))によって分離し、25mMTris/192mMグリシン緩衝液(pH8.3)において100Vで60分間泳動した。ゲルをBM Fast染色剤(Boehringer Mannheim、ドイツ)で染色し、又はニトロセルロースメンブランに電気泳動で転写した(Protran BA83、Schleicher&Schuell、Dassel、ドイツ)。転写後、メンブランをRTにおいてPBS/5%BSAで2時間ブロッキングした。免疫ブロットをウサギ抗TT血清(1:1000)又は抗PrtB血清(1:2000)のいずれかとRTで一晩インキュベーションし、そして1:1000希釈の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgGとRTで3時間インキュベーションした。免疫ブロットを4−クロロ−1−ナフトールで2分間発色させた。
【0039】
図1に示されるように、組換えラクトバチルス・ジョンソニイは、適切な抗体を検出のために使用したとき、特異的なバンドを示したことを認めることができる。このことは、ε4ミモトープ及びTTミモトープが、プロテイナーゼPrtBと同様に、正しい立体配座で組換え細菌によって産生されたことを示している。
【実施例6】
【0040】
ラクトバチルス・ジョンソニイ(La1)における表面抗原の発現を検出するためのELISA
形質転換した細菌を、10μg/mlのクロラムフェニコールを含有する50mlの培地で一晩増殖させた。細菌細胞を4℃で15分間の3000×gでの遠心分離によって集め、5mlのTBSで洗浄し、そして再び遠心分離した。最後に、細菌ペレットを900μlのTBS及び100μlの0.5M重炭酸塩緩衝液(pH9.6)に再懸濁した。Coster EIA/RIAハーフウエルプレート(Coster、Cambridge、MA)を、ウエルあたり50μlの細菌溶液(約108個の細菌)で、37℃で一晩コーティングした。コーティング効率を、TTdをコーティング抗原として10μg/mlの濃度で使用して評価した。プレートを、細菌が残らなくなるまで、PBS/0.1%ツィーン−20で徹底的に洗浄した。ウエルをPBS/5%BSAにおいて37℃で2時間ブロッキングし、10μg/mlの濃度でのウサギ抗TT血清IgG抗体又はアフィニティー精製したウサギ抗ε4血清IgG抗体のいずれか50μlと共に37℃で4時間インキュベーションした。PBS/0.1%ツィーン−20で6回洗浄した後、プレートを1:1000希釈の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgGと共に37℃で1.5時間インキュベーションした。プレートをPBS/0.1%ツィーン−20で6回洗浄し、テトラメチルベンジジン(TMB;Fluka Chemie AG、Buchs、スイス)で発色させた。反応を1MのH2SO4で停止させ、ELISAリーダー(Molecular devices、Basel、スイス)を使用して、吸光度値を450nmで測定した。
【0041】
図2及び図3に示されるように、抗TT抗体及び抗ε4抗体は、TTミモトープ及びε4ミモトープを発現する生きている組換えLa1を特異的に認識した。このことは、この2つのミモトープが細菌の細胞表面に発現し、提示されたことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ラクトバチルス・ジョンソニイ組換え体のタンパク質染色及び免疫ブロット分析を示す。(A)La1野生型(レーン1)、pMD112TTを有するLa1(La1TT、レーン2)、又はpMD112ε4を有するLa1(La1ε4、レーン3)のタンパク質染色。(B)La1TT(レーン2)及びLa1ε4(レーン3)におけるプロテイナーゼPrtBの発現。約108個の細菌を、1:2000に希釈された抗PrtB血清を使用する免疫ブロットによって分析した。野生型La1は陰性コントロールとして負荷した(レーン1)。結合している抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Fc)抗体を用いて検出した。(C)La1TTの表面における破傷風ミモトープの発現(レーン2)。スロットあたり約108個の細菌を、1:1000で希釈された抗TT血清を使用する免疫ブロットによって分析した。La1(レーン1)及びLa1E4(レーン3)は陰性コントロールとして使用した。結合している抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Fc)抗体を用いて検出した。(D)La1ε4の表面におけるε4ミモトープの発現(レーン3)。スロットあたり約108個の細菌を、抗E4血清(SDS280)を10μg/mlの濃度で使用する免疫ブロットによって分析した。La1(レーン1)及びLa1TT(レーン2)は陰性コントロールとして使用した。結合している抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(Fc)抗体を用いて検出した。矢印は、A〜Dにおいて認められたプロテイナーゼバンドの高さを示している。
【図2】乳酸菌上の表面提示されたεミモトープに対する抗TTIgGのELISAにおける結合アッセイの結果を示す。
【図3】乳酸菌上の表面提示されたεミモトープに対する抗ε4IgGのELISAにおける結合アッセイの結果を示す。
Claims (11)
- IgE分子の立体配座エピトープの少なくとも一部を模倣するペプチド配列を含む表面ポリペプチドを発現する乳酸菌群の細菌株。
- ラクトバチルス属群又はビフィドバクテリウム属群又はラクトコッカス属群から選択され、より好ましくは、L.アシドフィルス(L.acidophilus)、L.ジョンソニイ(L.johnsonii)、L.ガッセリ(L.gasseri)、L.カセイ(L.casei)、L.パラカセイ(L.paracasei)又はL.ロイテリ(L.reuteri)からなる群に由来する、請求項1に記載の細菌株。
- 表面ポリペプチドがL.ブルガリクス(L.bulgaricus)の細胞表面固定プロテアーゼである、請求項1又は請求項2に記載の細菌株。
- ペプチド配列が配列番号1〜配列番号19から選択される配列に由来する、前記請求項のいずれかに記載の細菌株。
- 前記請求項のいずれかに記載される細菌株又はその上清を含有する食品組成物。
- ミルク、ヨーグルト、カード、チーズ、発酵乳、発酵乳製品、アイスクリーム、発酵シリアル製品、ミルクから作製される粉末、乳児用調合物又はペットフードからなる群から選択される、請求項5に記載の食品組成物。
- 細菌株が107cfu/投薬形態物から1012cfu/投薬形態物までの範囲の量で含有される、請求項5又は請求項6のいずれかに記載の食品材料。
- 請求項1から請求項4までのいずれかに記載される細菌株を含有する医薬組成物。
- 細菌株が1010cfu/投薬形態物から1012cfu/投薬形態物までの範囲の量で含有される、請求項8に記載の医薬組成物。
- アレルギーの処置及び/又はアレルギー反応の発症予防のための摂取可能なキャリアを調製するための、請求項1から請求項4までのいずれかに記載される細菌株の使用。
- アレルギーの処置及び/又はアレルギー反応の発症予防のための摂取可能なキャリアを調製するための、請求項6から請求項9までのいずれかに記載される食品組成物又は医薬組成物の使用。
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