JP2004528020A - インキュベータ及びインキュベートする生物に配慮するインキュベーション方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ドアを備える密閉式保温器、幾つかのウェルを有する培養箱、前記箱のウェルの1つの中にある生物、及びとりわけ胚を含むインキュベータであって、生物を入っているウェルから取り出し、新しい培地を満たした他のウェル内に入れるための外部から制御する手段を含むことを特徴とするインキュベータに関する。本発明は、生物のインキュベーション方法にも同様に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、インキュベータ及び生物のインキュベーション方法に関する。本発明は、胚を培養し、かつできるだけ良好な発育温度及び大気条件において監視するためにとりわけ応用される。
【背景技術】
【0002】
試験管内受精の際に、精子及び卵子は、一緒に置かれる。古典的な試験管内受精又は微量注入による、この受精の後に、配偶子が培地内に置かれ、かつインキュベータ内に預けられる。それらは、培地取替え、顕微鏡観察、又はその他のあらゆる操作のために、胚が子宮内へ移動するまで、毎日、1日当り1〜2回取り出される。
【0003】
これらの様々な培地取替え及び顕微鏡観察、又はその他のあらゆる操作の間に、胚培養は、下記の多数の問題にさらされる:
‐37℃(インキュベータの温度)から20℃(培地取替え及び顕微鏡観察が行われる外界温度)への熱衝撃、
‐培地のpHの変動をもたらすCO2濃度の変動、
‐胚に有害な生成物の出現を伴う温度変動による、培地の栄養特性の悪化、
‐顕微鏡観察の際に胚に光を当てること、
‐外傷性胚の操作、
‐細菌及び菌類学的汚染の危険、
‐遊離基の濃度増加、及び基質の濃度減少をもたらす遅い培地取替え、
‐胚喪失を伴う操作の間違い。
【0004】
胚が直面する上述の問題の幾つかは、胚にとって非常の有害な効果を有し得る。実際、22℃の温度に3分を超す間、置かれた胚は、もはや発育できないことが証明された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、培地取替えを容易にし、かつ操作の間違い及び外傷性操作を減少させるように自動化しながら、熱衝撃及び細菌及び菌類学的汚染の危険を取り除く、インキュベータ及びインキュベーション方法によって、これらの不都合が生じないようにする。従って試験管内受精の枠内で利用される本発明は、生育力があり、かつ良質な胚の数を改良することを可能にする。
【0006】
本発明の枠内において、「生物」とは、配偶子(卵母細胞及び精子)、受精卵母細胞、胚培養、及び胚だけでなく、株細胞、病原微生物または病原でない微生物等のようなあらゆる細胞培養も意味する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って本発明は、ドアを備える密閉式保温器、保温器内に置かれる幾つかのウェルを有する培養箱、前記箱のウェルの1つの中にある生物を含むインキュベータであって、生物を入っているウェルから取り出し、新しい培地を満たした他のウェル内に入れるための外部から制御する手段を含むことを特徴とするインキュベータを対象とする。好適には、本発明の枠内において、ウェルから生物を取り出し、培地を満たした他のウェル内に入れるための外部から制御する手段は、ピペットである。
【0008】
このようにして、生物、及び特に胚をそのウェルから取り出し、培地を替え、かつ胚をウェル内に再び置くために、もはや培養箱を取り出す必要はない。今や胚をインキュベータから取り出すことなく、それが入っているウェルから取り出し、まだ胚と接触しておらず、かつそれ故毒素を有さない培地を満たした次のウェルに入れることができるが、この培地を以下で「新しい培地」と呼ぶ。保温器は閉鎖されたままであるが、ディスプレイ上で作業を監視することを可能にする顕微鏡のおかげで、培養ウェルから次のものへの胚の移行は、正確に行われ得る。生物の進化を、望むだけ頻繁に追うことができるが、この検査に係る作業が生物に有害となることはない。
【0009】
本発明によれば、顕微鏡は、生物の培養を観察し、かつ様々な操作(一方のウェルから他方のウェルへ生物を移動すること及びウェルを満たすこと)を監視するように保温器内部又は外部に取り付けられ、顕微鏡は、保温器外部に置かれるディスプレイに連結される。顕微鏡が保温器の内部又は外部に位置しようとも、両方の場合において、顕微鏡のステージは、保温器内部にある。顕微鏡が保温器内部にあるならば、保護ケーシングが、保温器内部の温度及びN2、O2及びCO2濃度の条件において機能するために必要になり得る。本発明の枠内で好適には利用される顕微鏡は、顕微鏡での観察の際に、光の有害な効果から生物を保護するフィルタを有する。更に、本発明の対象であるインキュベータは、固定又は可動ステージを有する顕微鏡及び/又は固定又は可動軸を有する顕微鏡による応用例を許容する。
【0010】
本発明の対象であるインキュベータは、ゾーンに分割され、少なくとも:
‐観察及び様々な胚の操作(培地を満たすこと及びウェル取替え)に当てられる「処置ゾーン」、
‐培養箱の貯蔵に当てられる「培養ゾーン」、
‐「処置ゾーン」と共通であっても良く、かつ消耗品(培地、錐状体)の貯蔵及び廃物の排出に当てられる追加ゾーンを含み得る。
【0011】
異なる3つのゾーンは、同じレベルにあっても、又は異なるレベルにあっても良い。
【0012】
本発明の対象であるインキュベータは、幾つかのウェルを有する培養箱の保温器内に、保温器外部から制御する、ステップバイステップ移動手段を含む。培養箱のあらゆるステップバイステップ移動手段は、本発明の枠内で利用可能である。好適には、利用される移動手段は:
‐制御線を介してコンピュータによって制御されるステップバイステップモータによってそれ自体が回転駆動される、駆動ローラによって駆動されるエンドレスコンベヤベルトか、
‐処理する培養箱を採取し、かつそれを処置ゾーンに送ることが可能な、コンピュータによって制御され、線状又は回転移動を有し得る連接操作アームからなる。
【0013】
培地の保温器の全てのウェルを予め満たすことを計画することができる。しかしまさに胚がウェル内に置かれる前に、培地が蒸発するか、汚染されることを防ぐために、インキュベータが、ウェルの上に通じる弁を有する導管と連通する培地源、及び規定量の培地をウェル内に注ぐように、弁制御手段を含むことが好まれる。培地源は、インキュベータ外部にあっても良く、又はインキュベータ内、例えば消耗品貯蔵に当てられたゾーン内に備えられても良い。問題のウェルが胚を受ける直前に、ウェルを培地で満たす。好ましくは、導管が、前記場所にあるウェルの上に通じ、このことがそこでも顕微鏡を用いた作業を監視することを可能にする。
【0014】
同様に好ましい、もう一つの実施態様によれば、導管は、前記場所にあるウェルのすぐ上流のウェルの上に通じる。このようにして上流のこのウェルを満たすことを同時に行い、かつピペットを用いて胚を吸い込み、前記場所にあるウェルから胚を取り出すことができる。導管をウェルの上に届かせるためのより広い空間を同様に自由に使える。
【0015】
本発明の対象であるインキュベータが、一方のウェルから他方のウェルへ培地を満たすために有用な弁の移動手段を含むことも同様に検討できる。
【0016】
本発明の枠内で、培養箱のウェルを培地で満たすための他の手段が検討可能である。電動式でありかつ外部から制御する注入器であって、消耗品貯蔵に当てられたゾーン内にあるフラスコ内の培地を直接吸い込み、かつ注入器の動作を反転させてウェル内に配分する注入器の利用を検討することも同様にできる。配分する培地は同様に、例えば使い捨て錐状体のような外部から制御する採取システムによってフラスコ内に採取され、かつ次にウェル内に配分され得る。
【0017】
好適には保温器は、細胞培養及びとりわけ胚培養の発育に理想的な温度及びN2、O2及びCO2濃度の条件を示す。好適には、これら条件は、37℃の温度、並びにO25%、CO25%及びN290%の大気である。好適には、本発明の対象であるインキュベータは、保温器内部の大気の自動調節及び監視を可能にするセンサを備える。これらのセンサにより、培養期間中にわたり、温度及びN2、O2及びCO2濃度を検査することが可能である。保温器の条件での温度及びN2、O2及びCO2濃度の変動を測定することに適したあらゆるセンサが、本発明の枠内で利用可能である。
【0018】
本発明は、生物を密閉式保温器に入れ、培地を満たした培養ウェル内でインキュベートし、かつそれをn回、培地を取り替えることからなり、nは1より大きく、かつ50より小さい整数である生物のインキュベーション方法であって、
i)保温器内に置かれた箱の一連の(n+1)のウェルの1つの中に生物を入れ、他方で一連のnの他のウェルは、あらゆる生物を有さないこと、
ii)新しい培地を満たした一連の次のウェル内に生物を入れるために、生物を、保温器から取り出すことなく、入っているウェルから移動させること、及び
iii)多くとも、使用できるウェルが残っているのと同じ回数だけ、移動を反復することからなることを特徴とする方法も同様に対象とする。
【0019】
全ての作業は、顕微鏡の監視下で、インキュベータ内部で行われ、かつコンピュータによって自動的に制御され得る。
【0020】
胚を取り出すために、顕微鏡が観察する場所にあるウェル内にピペットを入れ、生物を吸い込み、ピペットをウェルから取り出し、次のウェルを前記場所に来させ、ピペットをこの新しいウェル内に突っ込み、ウェル内でピペットから胚を放し、かつピペットをウェルから引き出す。胚の操作は、このように非常に配慮され、補助され、かつ更には自動化され、このことは事故及び外傷の危険を非常に減少させる。
【0021】
応用例によれば、本発明の対象である方法は、指示薬を含み、かつ生物が入っている、一連の(n+1)の着色されたウェル中の1つのウェル内に含まれる培地の色変化を顕微鏡で観察し、かつこの色変化の際にウェルの生物を取り替えることからなる。実際、好ましくはしばしば、又は連続して、特にpHの、着色した指示薬、例えばフェノールレッドを加えた培地の色変化が顕微鏡で観察される。このようにしてウェルを取り替えるべきである正確な瞬間を知らされる。色変化を監視するために、光学濃度計を保温器内に、かつ濃度計によって供給される信号を保温器外部に向ける手段、特に警報による音響手段を備えることもできる。
【0022】
胚培養に適したこの装置内に、卵胞液内での卵母細胞研究、配偶子の調製、卵母細胞の状態検査(decoronisation)、微量注入、補助孵化、及び卵母細胞成熟等のような培地取替え以外の操作も備えることができる。
【0023】
本発明のその他の利点及び特徴は、図面を参照した本発明の特殊な実施態様に関する以下の実施例から現れるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1に表した本発明によるインキュベータの略断面図は、インキュベータが密閉して閉鎖し得るドア2を備える密閉式保温器1を含むことを示す。保温器1内部に、駆動ローラ4によって駆動され、かつ案内ローラ5上を通るエンドレスコンベヤベルト3が取り付けられる。駆動ローラ4は、保温器1外部にあるが、その内部にも同様に備えられ得、かつこの場合、線7によって駆動ローラ4に連結されるモータ6によって回転駆動される。ステップバイステップモータ6は、制御線9を介してコンピュータ8によって制御される。コンベヤ3の上部繊維上に、3つのウェル11a、11b及び11cを含む培養箱10が置かれる。ウェル11aは、コンベヤの移動方向Fにおいてウェル11bの上流にあり、他方、ウェル11cは下流にある。箱10は、時宜を得ないで移動することを妨げる扶壁12によってコンベヤ3上に保持される。
【0025】
図でウェル11bがある場所の上に、この場所にあるウェル11bを見ることを可能にするディスプレイ装置15に、線14によって連結される顕微鏡13が固定して取り付けられる。この同じ場所に、線17を介してコンピュータ8によって制御されるピペット16が同様に達する。コンピュータ8は、ピペットを制御すること、及び特に前記場所にあるウェル内に、この場合、図ではウェル11b内にピペットを降ろすこと、又は取り出すことを可能にし、かつウェル11bの中味の一部を吸い込むか、又はこの場所にあるウェル内にピペットから一部を放すことを可能にするレバ19に、線18によって連結される。
【0026】
保温器2内部に備えられるコンソール20上に、弁23を備えた導管22によってウェル11aの上に、又は同様に図に表す応用例によれば、ウェル11bの上に通じる、培地のびん21が担持される。但し、これらの応用例の一方を利用するが、同時に両方を利用しないことが理解される。
【0027】
閾値のベルを有する光学濃度計24は、ウェル11bの培地の光学濃度を辿ることを可能にする。
【0028】
胚を培養するために、保温器1のドア2を開放し、かつ保温器1内の、培地で満たした胚をウェル11c内に入れ、他方ウェル11a及び11bは空である。但し、それらはすでに培地で満たされても良いことが理解される。従って、一連の3つのウェル11a、11b及び11cがあり、その内1つのみが胚を含む。ドア2を閉鎖する。ドアは、培養が終了するまでもはや開放しない。その場合、顕微鏡13の下にあるウェル11c内で胚を成長させ、この顕微鏡、及び場合により濃度計24により、そこで起きることを観察すること、及び必要な場合、培地を取り替えるべき最良の瞬間を決定することが可能である。一定の期間後に、培地を取り替えることを決定することも同様にできる。培地を取り替えることを決定する時、ウェル11c内にピペット16を下げ、ピペット16内にウェル11cの胚を、吸い込みによって通し、ウェル11cからピペット16を引き出し、かつ前にウェル11cがあった場所に、顕微鏡13に相対してウェル11bを今度は導くためにコンベヤ3を1ピッチ進める。次に、図に表した位置を得るために、ウェル11b内にピペット16を下げる。弁23及び導管22のびん21を用いて培地でウェル11bを満たす作業を前にすでに行ってなかったなら、この作業を行い、次にピペット16を下げ、かつウェル11b内に胚を放し、これらの作業が正確に行われることを、ディスプレイ装置15上で観察する。次にウェル11bからピペット16を引き出す。次にたった今示した作業を再度開始するが、ウェル11aは、ウェル11bに代わり、かつウェル11bは、ウェル11cが前に果たした役割を果たす。
【0029】
当然に、例えば反動回転車又はその他を用いて、顕微鏡13の下にある場所にウェルを置くために、ウェル移動装置を修正することは可能である。また一連当り、より多数のウェルを有する幾つかの一連のウェル11a、11b及び11c、及び各一連のウェルの固有の移動手段を備えることも同様に可能である。
【0030】
図2及び3は、各々が幾つかの培養箱を含むことが可能な2つのタイプのインキュベータを示す。
【0031】
図2のインキュベータは、処置ゾーン(A1)、消耗品の貯蔵に当てられるゾーン(A2)、及びインキュベーションゾーン(B)が同じレベルにあるインキュベータである。連接かつ電動式アームは、箱の貯蔵に当てられるインキュベーションゾーン(B)内に処理する箱を採取し、かつ処置ゾーンに向けて送る。この処置ゾーンで、胚のウェル取替え、及びウェルに培地を満たすことである、プロセスの様々な作業が展開される。この、本発明の実施の場合、処理する箱のみが操作される。更に、各箱は、インキュベーションゾーン内の位置(x、y)によって画定され、このことは、箱を論理的にかつ首尾一貫して整列させること、及び箱の間の、かつそれ故に培養の間の間違いを回避することを可能にする。
【0032】
図3のインキュベータは、2段から構成されるシステムである。第1段(E1)に対して、箱が貯蔵され、従ってこの段は、インキュベーションゾーン(A)に対応する。台は固定されている。気密室により4つの箱を同時に導入することが可能になる。第2段(E2)は、操作アームを経由して移る処置段である。顕微鏡の軸は、固定され、かつ観察する箱が置かれる顕微鏡のステージは、x及びyで移動し、顕微鏡は、焦点合わせのためにzで移動する。台の中央(C)で、消耗品が貯蔵され、かつ培地及び錐状体の採取作業、及びそれらの排出が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるインキュベータの略断面図を表す。
【図2】本発明の対象の、あるタイプのインキュベータを表す。
【図3】本発明の対象の、もう1つのタイプのインキュベータを表す。
【符号の説明】
【0034】
1 保温器
2 ドア
3 エンドレスコンベヤベルト
4 駆動ローラ
6 モータ
8 コンピュータ
9 制御線
10 培養箱
11a、11b、11c ウェル
13 顕微鏡
15 ディスプレイ装置
16 ピペット
22 導管
23 弁
A1 処置ゾーン
【0001】
本発明は、インキュベータ及び生物のインキュベーション方法に関する。本発明は、胚を培養し、かつできるだけ良好な発育温度及び大気条件において監視するためにとりわけ応用される。
【背景技術】
【0002】
試験管内受精の際に、精子及び卵子は、一緒に置かれる。古典的な試験管内受精又は微量注入による、この受精の後に、配偶子が培地内に置かれ、かつインキュベータ内に預けられる。それらは、培地取替え、顕微鏡観察、又はその他のあらゆる操作のために、胚が子宮内へ移動するまで、毎日、1日当り1〜2回取り出される。
【0003】
これらの様々な培地取替え及び顕微鏡観察、又はその他のあらゆる操作の間に、胚培養は、下記の多数の問題にさらされる:
‐37℃(インキュベータの温度)から20℃(培地取替え及び顕微鏡観察が行われる外界温度)への熱衝撃、
‐培地のpHの変動をもたらすCO2濃度の変動、
‐胚に有害な生成物の出現を伴う温度変動による、培地の栄養特性の悪化、
‐顕微鏡観察の際に胚に光を当てること、
‐外傷性胚の操作、
‐細菌及び菌類学的汚染の危険、
‐遊離基の濃度増加、及び基質の濃度減少をもたらす遅い培地取替え、
‐胚喪失を伴う操作の間違い。
【0004】
胚が直面する上述の問題の幾つかは、胚にとって非常の有害な効果を有し得る。実際、22℃の温度に3分を超す間、置かれた胚は、もはや発育できないことが証明された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、培地取替えを容易にし、かつ操作の間違い及び外傷性操作を減少させるように自動化しながら、熱衝撃及び細菌及び菌類学的汚染の危険を取り除く、インキュベータ及びインキュベーション方法によって、これらの不都合が生じないようにする。従って試験管内受精の枠内で利用される本発明は、生育力があり、かつ良質な胚の数を改良することを可能にする。
【0006】
本発明の枠内において、「生物」とは、配偶子(卵母細胞及び精子)、受精卵母細胞、胚培養、及び胚だけでなく、株細胞、病原微生物または病原でない微生物等のようなあらゆる細胞培養も意味する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って本発明は、ドアを備える密閉式保温器、保温器内に置かれる幾つかのウェルを有する培養箱、前記箱のウェルの1つの中にある生物を含むインキュベータであって、生物を入っているウェルから取り出し、新しい培地を満たした他のウェル内に入れるための外部から制御する手段を含むことを特徴とするインキュベータを対象とする。好適には、本発明の枠内において、ウェルから生物を取り出し、培地を満たした他のウェル内に入れるための外部から制御する手段は、ピペットである。
【0008】
このようにして、生物、及び特に胚をそのウェルから取り出し、培地を替え、かつ胚をウェル内に再び置くために、もはや培養箱を取り出す必要はない。今や胚をインキュベータから取り出すことなく、それが入っているウェルから取り出し、まだ胚と接触しておらず、かつそれ故毒素を有さない培地を満たした次のウェルに入れることができるが、この培地を以下で「新しい培地」と呼ぶ。保温器は閉鎖されたままであるが、ディスプレイ上で作業を監視することを可能にする顕微鏡のおかげで、培養ウェルから次のものへの胚の移行は、正確に行われ得る。生物の進化を、望むだけ頻繁に追うことができるが、この検査に係る作業が生物に有害となることはない。
【0009】
本発明によれば、顕微鏡は、生物の培養を観察し、かつ様々な操作(一方のウェルから他方のウェルへ生物を移動すること及びウェルを満たすこと)を監視するように保温器内部又は外部に取り付けられ、顕微鏡は、保温器外部に置かれるディスプレイに連結される。顕微鏡が保温器の内部又は外部に位置しようとも、両方の場合において、顕微鏡のステージは、保温器内部にある。顕微鏡が保温器内部にあるならば、保護ケーシングが、保温器内部の温度及びN2、O2及びCO2濃度の条件において機能するために必要になり得る。本発明の枠内で好適には利用される顕微鏡は、顕微鏡での観察の際に、光の有害な効果から生物を保護するフィルタを有する。更に、本発明の対象であるインキュベータは、固定又は可動ステージを有する顕微鏡及び/又は固定又は可動軸を有する顕微鏡による応用例を許容する。
【0010】
本発明の対象であるインキュベータは、ゾーンに分割され、少なくとも:
‐観察及び様々な胚の操作(培地を満たすこと及びウェル取替え)に当てられる「処置ゾーン」、
‐培養箱の貯蔵に当てられる「培養ゾーン」、
‐「処置ゾーン」と共通であっても良く、かつ消耗品(培地、錐状体)の貯蔵及び廃物の排出に当てられる追加ゾーンを含み得る。
【0011】
異なる3つのゾーンは、同じレベルにあっても、又は異なるレベルにあっても良い。
【0012】
本発明の対象であるインキュベータは、幾つかのウェルを有する培養箱の保温器内に、保温器外部から制御する、ステップバイステップ移動手段を含む。培養箱のあらゆるステップバイステップ移動手段は、本発明の枠内で利用可能である。好適には、利用される移動手段は:
‐制御線を介してコンピュータによって制御されるステップバイステップモータによってそれ自体が回転駆動される、駆動ローラによって駆動されるエンドレスコンベヤベルトか、
‐処理する培養箱を採取し、かつそれを処置ゾーンに送ることが可能な、コンピュータによって制御され、線状又は回転移動を有し得る連接操作アームからなる。
【0013】
培地の保温器の全てのウェルを予め満たすことを計画することができる。しかしまさに胚がウェル内に置かれる前に、培地が蒸発するか、汚染されることを防ぐために、インキュベータが、ウェルの上に通じる弁を有する導管と連通する培地源、及び規定量の培地をウェル内に注ぐように、弁制御手段を含むことが好まれる。培地源は、インキュベータ外部にあっても良く、又はインキュベータ内、例えば消耗品貯蔵に当てられたゾーン内に備えられても良い。問題のウェルが胚を受ける直前に、ウェルを培地で満たす。好ましくは、導管が、前記場所にあるウェルの上に通じ、このことがそこでも顕微鏡を用いた作業を監視することを可能にする。
【0014】
同様に好ましい、もう一つの実施態様によれば、導管は、前記場所にあるウェルのすぐ上流のウェルの上に通じる。このようにして上流のこのウェルを満たすことを同時に行い、かつピペットを用いて胚を吸い込み、前記場所にあるウェルから胚を取り出すことができる。導管をウェルの上に届かせるためのより広い空間を同様に自由に使える。
【0015】
本発明の対象であるインキュベータが、一方のウェルから他方のウェルへ培地を満たすために有用な弁の移動手段を含むことも同様に検討できる。
【0016】
本発明の枠内で、培養箱のウェルを培地で満たすための他の手段が検討可能である。電動式でありかつ外部から制御する注入器であって、消耗品貯蔵に当てられたゾーン内にあるフラスコ内の培地を直接吸い込み、かつ注入器の動作を反転させてウェル内に配分する注入器の利用を検討することも同様にできる。配分する培地は同様に、例えば使い捨て錐状体のような外部から制御する採取システムによってフラスコ内に採取され、かつ次にウェル内に配分され得る。
【0017】
好適には保温器は、細胞培養及びとりわけ胚培養の発育に理想的な温度及びN2、O2及びCO2濃度の条件を示す。好適には、これら条件は、37℃の温度、並びにO25%、CO25%及びN290%の大気である。好適には、本発明の対象であるインキュベータは、保温器内部の大気の自動調節及び監視を可能にするセンサを備える。これらのセンサにより、培養期間中にわたり、温度及びN2、O2及びCO2濃度を検査することが可能である。保温器の条件での温度及びN2、O2及びCO2濃度の変動を測定することに適したあらゆるセンサが、本発明の枠内で利用可能である。
【0018】
本発明は、生物を密閉式保温器に入れ、培地を満たした培養ウェル内でインキュベートし、かつそれをn回、培地を取り替えることからなり、nは1より大きく、かつ50より小さい整数である生物のインキュベーション方法であって、
i)保温器内に置かれた箱の一連の(n+1)のウェルの1つの中に生物を入れ、他方で一連のnの他のウェルは、あらゆる生物を有さないこと、
ii)新しい培地を満たした一連の次のウェル内に生物を入れるために、生物を、保温器から取り出すことなく、入っているウェルから移動させること、及び
iii)多くとも、使用できるウェルが残っているのと同じ回数だけ、移動を反復することからなることを特徴とする方法も同様に対象とする。
【0019】
全ての作業は、顕微鏡の監視下で、インキュベータ内部で行われ、かつコンピュータによって自動的に制御され得る。
【0020】
胚を取り出すために、顕微鏡が観察する場所にあるウェル内にピペットを入れ、生物を吸い込み、ピペットをウェルから取り出し、次のウェルを前記場所に来させ、ピペットをこの新しいウェル内に突っ込み、ウェル内でピペットから胚を放し、かつピペットをウェルから引き出す。胚の操作は、このように非常に配慮され、補助され、かつ更には自動化され、このことは事故及び外傷の危険を非常に減少させる。
【0021】
応用例によれば、本発明の対象である方法は、指示薬を含み、かつ生物が入っている、一連の(n+1)の着色されたウェル中の1つのウェル内に含まれる培地の色変化を顕微鏡で観察し、かつこの色変化の際にウェルの生物を取り替えることからなる。実際、好ましくはしばしば、又は連続して、特にpHの、着色した指示薬、例えばフェノールレッドを加えた培地の色変化が顕微鏡で観察される。このようにしてウェルを取り替えるべきである正確な瞬間を知らされる。色変化を監視するために、光学濃度計を保温器内に、かつ濃度計によって供給される信号を保温器外部に向ける手段、特に警報による音響手段を備えることもできる。
【0022】
胚培養に適したこの装置内に、卵胞液内での卵母細胞研究、配偶子の調製、卵母細胞の状態検査(decoronisation)、微量注入、補助孵化、及び卵母細胞成熟等のような培地取替え以外の操作も備えることができる。
【0023】
本発明のその他の利点及び特徴は、図面を参照した本発明の特殊な実施態様に関する以下の実施例から現れるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1に表した本発明によるインキュベータの略断面図は、インキュベータが密閉して閉鎖し得るドア2を備える密閉式保温器1を含むことを示す。保温器1内部に、駆動ローラ4によって駆動され、かつ案内ローラ5上を通るエンドレスコンベヤベルト3が取り付けられる。駆動ローラ4は、保温器1外部にあるが、その内部にも同様に備えられ得、かつこの場合、線7によって駆動ローラ4に連結されるモータ6によって回転駆動される。ステップバイステップモータ6は、制御線9を介してコンピュータ8によって制御される。コンベヤ3の上部繊維上に、3つのウェル11a、11b及び11cを含む培養箱10が置かれる。ウェル11aは、コンベヤの移動方向Fにおいてウェル11bの上流にあり、他方、ウェル11cは下流にある。箱10は、時宜を得ないで移動することを妨げる扶壁12によってコンベヤ3上に保持される。
【0025】
図でウェル11bがある場所の上に、この場所にあるウェル11bを見ることを可能にするディスプレイ装置15に、線14によって連結される顕微鏡13が固定して取り付けられる。この同じ場所に、線17を介してコンピュータ8によって制御されるピペット16が同様に達する。コンピュータ8は、ピペットを制御すること、及び特に前記場所にあるウェル内に、この場合、図ではウェル11b内にピペットを降ろすこと、又は取り出すことを可能にし、かつウェル11bの中味の一部を吸い込むか、又はこの場所にあるウェル内にピペットから一部を放すことを可能にするレバ19に、線18によって連結される。
【0026】
保温器2内部に備えられるコンソール20上に、弁23を備えた導管22によってウェル11aの上に、又は同様に図に表す応用例によれば、ウェル11bの上に通じる、培地のびん21が担持される。但し、これらの応用例の一方を利用するが、同時に両方を利用しないことが理解される。
【0027】
閾値のベルを有する光学濃度計24は、ウェル11bの培地の光学濃度を辿ることを可能にする。
【0028】
胚を培養するために、保温器1のドア2を開放し、かつ保温器1内の、培地で満たした胚をウェル11c内に入れ、他方ウェル11a及び11bは空である。但し、それらはすでに培地で満たされても良いことが理解される。従って、一連の3つのウェル11a、11b及び11cがあり、その内1つのみが胚を含む。ドア2を閉鎖する。ドアは、培養が終了するまでもはや開放しない。その場合、顕微鏡13の下にあるウェル11c内で胚を成長させ、この顕微鏡、及び場合により濃度計24により、そこで起きることを観察すること、及び必要な場合、培地を取り替えるべき最良の瞬間を決定することが可能である。一定の期間後に、培地を取り替えることを決定することも同様にできる。培地を取り替えることを決定する時、ウェル11c内にピペット16を下げ、ピペット16内にウェル11cの胚を、吸い込みによって通し、ウェル11cからピペット16を引き出し、かつ前にウェル11cがあった場所に、顕微鏡13に相対してウェル11bを今度は導くためにコンベヤ3を1ピッチ進める。次に、図に表した位置を得るために、ウェル11b内にピペット16を下げる。弁23及び導管22のびん21を用いて培地でウェル11bを満たす作業を前にすでに行ってなかったなら、この作業を行い、次にピペット16を下げ、かつウェル11b内に胚を放し、これらの作業が正確に行われることを、ディスプレイ装置15上で観察する。次にウェル11bからピペット16を引き出す。次にたった今示した作業を再度開始するが、ウェル11aは、ウェル11bに代わり、かつウェル11bは、ウェル11cが前に果たした役割を果たす。
【0029】
当然に、例えば反動回転車又はその他を用いて、顕微鏡13の下にある場所にウェルを置くために、ウェル移動装置を修正することは可能である。また一連当り、より多数のウェルを有する幾つかの一連のウェル11a、11b及び11c、及び各一連のウェルの固有の移動手段を備えることも同様に可能である。
【0030】
図2及び3は、各々が幾つかの培養箱を含むことが可能な2つのタイプのインキュベータを示す。
【0031】
図2のインキュベータは、処置ゾーン(A1)、消耗品の貯蔵に当てられるゾーン(A2)、及びインキュベーションゾーン(B)が同じレベルにあるインキュベータである。連接かつ電動式アームは、箱の貯蔵に当てられるインキュベーションゾーン(B)内に処理する箱を採取し、かつ処置ゾーンに向けて送る。この処置ゾーンで、胚のウェル取替え、及びウェルに培地を満たすことである、プロセスの様々な作業が展開される。この、本発明の実施の場合、処理する箱のみが操作される。更に、各箱は、インキュベーションゾーン内の位置(x、y)によって画定され、このことは、箱を論理的にかつ首尾一貫して整列させること、及び箱の間の、かつそれ故に培養の間の間違いを回避することを可能にする。
【0032】
図3のインキュベータは、2段から構成されるシステムである。第1段(E1)に対して、箱が貯蔵され、従ってこの段は、インキュベーションゾーン(A)に対応する。台は固定されている。気密室により4つの箱を同時に導入することが可能になる。第2段(E2)は、操作アームを経由して移る処置段である。顕微鏡の軸は、固定され、かつ観察する箱が置かれる顕微鏡のステージは、x及びyで移動し、顕微鏡は、焦点合わせのためにzで移動する。台の中央(C)で、消耗品が貯蔵され、かつ培地及び錐状体の採取作業、及びそれらの排出が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるインキュベータの略断面図を表す。
【図2】本発明の対象の、あるタイプのインキュベータを表す。
【図3】本発明の対象の、もう1つのタイプのインキュベータを表す。
【符号の説明】
【0034】
1 保温器
2 ドア
3 エンドレスコンベヤベルト
4 駆動ローラ
6 モータ
8 コンピュータ
9 制御線
10 培養箱
11a、11b、11c ウェル
13 顕微鏡
15 ディスプレイ装置
16 ピペット
22 導管
23 弁
A1 処置ゾーン
Claims (13)
- ドアを備える密閉式保温器、保温器内に置かれる幾つかのウェルを有する培養箱、前記箱のウェルの1つの中にある生物を含むインキュベータであって、生物を入っているウェルから取り出し、新しい培地を満たした他のウェル内に入れるための外部から制御する手段を含むことを特徴とするインキュベータ。
- 生物を入っているウェルから取り出し、培地を満たした他のウェル内に入れるための外部から制御する前記手段は、ピペットであることを特徴とする請求項1に記載のインキュベータ。
- 保温器外部に置かれたはディスプレイ上で生物の培養を観察することを可能にする顕微鏡を含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のインキュベータ。
- 前記顕微鏡のステージは、保温器内部にあることを特徴とする請求項3に記載のインキュベータ。
- 前記顕微鏡は、光の有害な効果から生物を保護するフィルタを有することを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載のインキュベータ。
- 幾つかのウェルを有する培養箱の保温器内に、保温器外部から制御する、ステップバイステップ移動手段を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインキュベータ。
- 培養箱のステップバイステップ移動手段は:
‐制御線を介してコンピュータによって制御されるステップバイステップモータによってそれ自体が回転駆動される、駆動ローラによって駆動されるエンドレスコンベヤベルトか、
‐処理する培養箱を採取し、かつそれを処置ゾーンに送ることが可能な、コンピュータによって制御され、線状又は回転移動を有し得る連接操作アームからなることを特徴とする請求項6に記載のインキュベータ。 - ウェルの上に通じる弁を有する導管と連通する培地源、及び規定量の培地をウェル内に注ぐように、弁制御手段を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のインキュベータ。
- 一方のウェルから他方のウェルへの前記弁の移動手段を含むことを特徴とする請求項8に記載のインキュベータ。
- 保温器内部の大気の自動調節及び監視を可能にするセンサを備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインキュベータ。
- 生物を密閉式保温器に入れ、培地を満たした培養ウェル内でインキュベートし、かつそれをn回、培地を取り替えることからなり、nは1より大きく、かつ50より小さい整数である生物のインキュベーション方法であって、
i)保温器内に置かれた箱の一連の(n+1)のウェルの1つの中に生物を入れ、他方で一連のnの他のウェルは、あらゆる生物を有さないこと、
ii)新しい培地を満たした一連の次のウェル内に生物を入れるために、生物を、保温器から取り出すことなく、入っているウェルから移動させること、及び
iii)多くとも、使用できるウェルが残っているのと同じ回数だけ、移動を反復することからなることを特徴とする方法。 - 指示薬を含み、かつ生物が入っている、一連の(n+1)の着色されたウェル中の1つのウェル内に含まれる培地の色変化を顕微鏡で観察し、かつこの色変化の際にウェルの生物を取り替えることからなることを特徴とする請求項11に記載の方法。
- インキュベータ内の光学濃度を監視し、かつ光学濃度が禁止閾値を超える時にウェルを取り替えることからなることを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
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