JP2004525163A - 癌治療のためのジャスモネート医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

哺乳動物における癌の処理に有用な医薬組成物であって、有効成分として、治療的に有効な量のジャスモネート化合物を含む。ジャスモネート化合物は、あらゆる悪性腫瘍の治療に有用である。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物におけるあらゆる悪性腫瘍の治療に用いられる医薬組成物に関するものである。本発明の組成物は、無害であり、その対象を、健康な末梢細胞と相対する癌細胞に絞ったものである。
【0002】
植物は、様々なストレスを受ける場合があり、それによって、ストレス源に対応した生理学的反応を引き起こす複雑な遺伝経路が活性化される。植物がさらされる一般的なストレスとしては、極度の紫外線放射、浸透圧ショック、熱ショック及び病原体攻撃が挙げられる。植物において、ストレスホルモン類が放出される。そのストレスホルモン類は、そのようなストレスを受けた時に放出され、対応した反応のもとである様々なカスケードの引き金となる。ジャスモン酸(JA)及びジャスモン酸メチルエステル(MJ)は、「ジャスモネート類」と呼ばれる1群の天然植物ストレスホルモン類に属する(Sembdner及びParthier、Annu. Rev. Physiol. Plant Mol. Biol.、44、569-589、1993)。ジャスモン酸は、創傷に対する応答である細胞間のシグナリングに非常に重要であり、ジャスモン酸メチルエステルは、傷または病原体攻撃に応答して低濃度で蓄積するプロテイナーゼ阻害剤を誘導する(Farmer及びRyan、Proc. Natl. Acad. Sci.、87、7713-7716、1990)。ジャスモネート類は、植物の成長及び穀物の改良における様々な使用について特許権化されている。ジャスモネート類を適用することにより、事実上すべての植物に広範囲な相反する作用を及ぼす可能性がある。これらの作用は植物の発達を阻害することから植物のプロセスを促進することまで多岐に渡っている。米国特許第6,114,284号には、植物の成長及び発達を相乗的に増進することを目的としたジャスモン酸エステル及びジベレリン(giberellin)の使用が開示されている。米国特許第5,436,226号には、収穫後の塊茎における発芽及び黒ずみの阻害を目的としたジャスモネートの使用が開示されており、米国特許第5,118,711号には、防虫を目的としたジャスモン酸メチルエステルの使用が開示されている。
【0003】
サリチル酸ナトリウム(SA)は、別のファミリーの植物ストレスホルモンであり、病原体や創傷に対する植物の防衛反応の中心的媒介物質である(Ryalsら、Plant Cell.、8、1809-1819、1996)。
【0004】
微生物病原体に攻撃された場合の植物の典型的な反応の一つとしては、例えば、過敏感反応(HR)と呼ばれる先天的に植物内にプログラムされた細胞死を挙げることができる。過敏感反応によって、感染部位の周囲には死細胞の領域が形成される。病原体の侵入部位を囲む死細胞の層は、病原体の更なる増殖及び拡散を阻害する物理的なバリアとして機能すると考えられている。そのプロセスの次の段階には、植物ストレスホルモンであるサリチル酸ナトリウムの合成、及び感染特異的タンパク質類、フィトアレキシン類などの抗菌剤の蓄積が含まれる(Danglら、Plant Cell、8、1793-1807、1996;Mitler及びLam、Trends. Microbiol.、4、10-15 1996)。
【0005】
病原体攻撃に対する応答であるこのプログラムされた細胞死は、哺乳動物細胞において起こることが知られているプログラムされた細胞死とよく似ている。哺乳動物細胞は、外部の損傷によって引き起こされ、細胞破裂をもたらす「予定外の」壊死、または同様に「プログラムされた細胞死」あるいは「細胞自殺」と呼ばれている、より系統立てられたアポトーシスにおいて死ぬ可能性がある(Willingham, J. Histochem. Cytochem.、47、1101-1109、1999)。アポトーシスにおいて、生化学的及び形態学的事象は、通常、非常に特異で制御された工程(核の断片化や細胞収縮を含む)のカスケードにおいて系統立てられおり、細胞構成要素が完全にアポトーシス小体に分離されて終了する(Stwart, J. Cancer Inst.、86、1286-1295、1994)。
【0006】
アポトーシスのプロセスは壊死より遅く、誘導物質によって異なるが、2、3時間または2、3日間の内に発生する。この種の死は「細胞自殺」と見なされる場合がある(Willingham, J. Histochem. Cytochem.、47、1101-1109、1999)。
【0007】
驚いたことに、植物ストレスホルモンSAは、哺乳動物細胞におけるストレス応答に特有の細胞間の生化学的事象を誘導することができ(Schwengerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、4、2869-2873、1997;Schwengerら、J. Cell. Physiol.、179、109-114、1999)、カスパーゼ−3(アポトーシスの最終段階に不可欠な哺乳動物細胞質性プロテアーゼ)の活性化を通して、ヒト骨髄性白血病の細胞株においてアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導することができた(Klampferら、Blood.、93、2386-2394、1999;Willingham, J. Histochem. Cytochem.、47、1101-1109、1999;Porter及びJanicke、Cell Death Differ.、6、99-104 1999)。SAはまた、哺乳動物FS−4繊維芽細胞(Schwengerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、4、2869-2873、1997)及びヒト膵臓癌腫(McDadeら、J. Surg. Res.、83、56-61 1999)においてアポトーシスを誘導することができた。サリチル酸をメンバーとする薬剤ファミリー、非ステロイド性抗炎症薬類(NSAID)は、強力な化学的予防活性を有する(Morgan、Gut.、38、646-648 1996;Pelegら、Dig. Dis. Sci.、41、1319-1326 1996;Vainioら、Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev.、6、749-753、1997)。
【0008】
環境上及び発達上の変化に応答する多くの植物遺伝子は、オクタデカノイド経路によりリノレン酸から派生するジャスモン酸によって調整される。特定の波長の紫外線放射に対する植物の防衛反応には、オクタデカノイド防衛シグナル経路を活性化する必要がある(Conconiら、 Nature、 383、826-829、1996)。細胞膜から細胞内へのリノレン酸の放出、及びそれに続くリノレン酸のJAへの転化は、哺乳動物細胞におけるシグナル経路に類似する。シグナル経路においては、細胞膜からのアラキドン酸の放出によって、プロスタグランジン類などのエイコサノイド類の合成が起こる(Needlemanら、Ann. Rev. Biochem.、 55、69-102 1986)。シクロペンタノン環状構造を含むA型及びJ型のプロスタグランジン類は、試験管内での細胞増殖を阻害する強力な阻害剤であり、生体内での腫瘍発生能を抑制することができる(D'Onofrioら、Int. J. Cancer.、51、481-488、 1992; Gorospeら、 Mol. Cell. Biol.、 16、 762-770、 1996)。その多種多様な範囲の腫瘍細胞株において成長を阻止する能力により、プロスタグランジン類は、ヒト癌治療に有用である可能性が高まっていた(Sasaki及びFukushima、 Anti-Cancer Drugs、 5、 131-138、 1994)。ジャスモネート類とプロスタグランジン類は、共にシクロペンタノン類(cyclopentanons)であることから構造上類似しており、このことは、JA及びMJが癌細胞に対して強力である可能性を示唆している。
【0009】
本発明は、主要なタイプのヒト悪性腫瘍を代表する哺乳動物癌細胞を抑制し殺生するための、「ジャスモネート類」と呼ばれる植物ストレスホルモンファミリーのメンバーの使用を開示している。出願人が知る限りでは、ジャスモネート類はこれまで、制癌剤としては検討されなかった。哺乳動物の身体に使用される化学療法薬は、通常、癌細胞におけるアポトーシスの誘導によって効き目を表し(Baillyら、 Leukemia.、 11、 1523-1532、 1997)、ジャスモネート類は、植物ストレスに対するアポトーシス反応に関係するものであると考えられている。そこで、出願人は、ジャスモネート類の、臨床的に重要な哺乳動物の癌細胞株の複製を抑制する能力を検査した。ジャスモネート類の細胞毒性は、哺乳動物の癌細胞に対して細胞毒性があることが知られている、植物ストレスホルモン、サリチル酸ナトリウムのそれと比較された。
【0010】
化学療法薬は非常に毒性が強いため、患者の生活の質を著しく低下させ、その機能を損なわせる多くの副作用をもたらすことが多い。化学療法養生法は数ヶ月間続き、再発した場合には繰り返し行われる可能性があり、寝たきりでない患者にまで、部分的に機能が損なわれる期間を繰り返しもたらす。従って、その効能を低下させずに、悪性腫瘍細胞に対する高い特異性を有し、副作用が少ない化学療法薬が必要である。本発明は、悪性腫瘍治療を目的とするジャスモネート化合物の使用を開示している。ジャスモネート類は、一般に、トマト、ジャガイモ、カボチャの種等の多くの食用植物に微量に含まれており(Sembdner及びParthier、 Annu. Rev. Physiol. Plant Mol. Biol.、 44、 569-589 1993)、従って無害である。出願人は、ジャスモネート類が、臨床的に重要なタイプの癌細胞においてアポトーシスを誘導し、しかも健康なリンパ球等の正常なヒト細胞の増殖を引き起こさないことから、非常に特異であるということを示した。更に出願人は、ジャスモネート類が、マウスの癌モデルにおけるリンパ腫の治療に有効であることを示した。
【0011】
本発明は、悪性腫瘍細胞に対する高い特異性を有する、強力な化学療法薬としてのジャスモネート化合物を提案することを目的とする。以下に、これらを含む本発明の他の目的を、好ましい実施形態の詳細な説明からより明らかにする。
【0012】
本発明において、「ジャスモネート類」という語は、ジャスモン酸及びジャスモンの全ての天然または合成の誘導体及び異性体に加え、天然植物ホルモン類であるジャスモン酸及びジャスモン酸メチルエステルを含むことを意図している。これらの誘導体は:
1)C3に低級アシル側鎖(遊離酸またはエステルまたは複合体(conjugate))、
2)C6炭素にケトまたはヒドロキシ(遊離ヒドロキシまたはエステル)部分、
3)C7にn−ペンテニルまたはn−ペンチル側鎖を有する。
【0013】
様々なジャスモネート類を使用することができ、そのようなジャスモネート類は、以下の式:
【0014】
【化3】
Figure 2004525163
を有するものを含むが、それらに限定されない。
【0015】
前記式中、nは0、1、または2;
1はOH、アルコキシ、O−グルコシルもしくはイミノ、
2はOH、O、アルコキシもしくはO−グルコシル、
3、R4及びR5は、H、OH、アルコキシもしくはO−グルコシル、
ならびに/またはR1及びR2、もしくはR1及びR4は一緒になってラクトンを形成し、及び更にC3:C7、C4:C5及びC9:C10間は二重結合もしくは単結合であってもよい。
【0016】
(本発明の要旨)
本発明は、哺乳動物における癌の治療に有用な医薬組成物に関し、前記医薬組成物は、有効成分として、治療的に有効な量の、式I:
【0017】
【化4】
Figure 2004525163
[前記式中、nは0、1、または2;
1は、OH、アルコキシ、O−グルコシルもしくはイミノ、
2は、OH、O、アルコキシもしくはO−グルコシル、
3、R4及びR5は、H、OH、アルコキシもしくはO−グルコシル、
ならびに/またはR1及びR2、もしくはR1及びR4は一緒になってラクトンを形成し、及び更にC3:C7、C4:C5及びC9:C10間は二重結合または単結合であってもよい]
で表されるジャスモネート化合物または前記式で表される誘導体を含み、前記誘導体は、C3に低級アシル側鎖(遊離酸またはエステルまたは複合体)、C6炭素にケトもしくはヒドロキシ(遊離ヒドロキシまたはエステル)部分またはC7にn−ペンテニルもしくはn−ペンチル側鎖のうち少なくとも1つを有する。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記ジャスモネートは、ジャスモン酸メチルエステル、ジャスモン酸、ジャスモン、7−イソ−ジャスモン酸、9,10−ジヒドロジャスモン酸、2,3−ジデヒドロジャスモン酸、3,4−ジデヒドロジャスモン酸、3,7−ジデヒドロジャスモン酸、4,5−ジデヒドロジャスモン酸、4,5−ジデヒドロ−7−イソ−ジャスモン酸、ククルビン酸、6−エピ−ククルビン酸、6−エピ−ククルビン酸−ラクトン、12−ヒドロキシ−ジャスモン酸、12−ヒドロキシ−ジャスモン酸−ラクトン、11−ヒドロキシ−ジャスモン酸、8-ヒドロキシ−ジャスモン酸、ホモ−ジャスモン酸、ジホモ−ジャスモン酸、11−ヒドロキシ−ジホモ−ジャスモン酸、8−ヒドロキシ−ジホモ−ジャスモン酸、ツベロン酸、ツベロン酸−O-β−グルコピラノシド、ククルビン酸−O−β−グルコピラノシド、5,6−ジデヒドロジャスモン酸、6,7−ジデヒドロジャスモン酸、7,8−ジデヒドロジャスモン酸、シス−ジャスモン、メチルジヒドロイソジャスモネート、ジヒドロジャスモン, ジャスモン酸のアミノ酸複合体、及びそれらの低級アルキルエステル類、キャリアリガンド複合体及び立体異性体(sterioisomers)から選択される。
【0019】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、治療対象である前記癌は、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、 結腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、白血病、頭頚部癌、腎臓癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌または甲状腺癌から選択される。
【0020】
更に、本発明の好ましい実施形態によれば、前記有効成分は、許容されうる任意の脂質キャリアに溶解されている。
【0021】
更にまた、本発明の好ましい実施形態によれば、前記組成物は更に、少なくとも1種類の他の化学治療剤を含む。
【0022】
更に、本発明の好ましい実施形態によれば、前記組成物は、経口投与用に調製される。このような実施形態において、前記組成物は、乳剤、液剤、カプセル剤、錠剤から選択される形態である。
【0023】
本発明の別の実施形態において、前記組成物は、注射による投与用に調製される。前記組成物は、筋内、腹膜内、または静脈注射に適するように調製される。
【0024】
更にまた、特定の実施形態において、前記組成物は、局部投与用に調製される。これらの実施形態によれば、前記組成物は、軟膏、ゲル、またはクリームから選択される形態である。
【0025】
更に、本発明の一部の実施形態において、前記組成物は、吸入による投与用に調製される。他の実施形態において、前記組成物は、坐剤を介する投与用に調製される。
【0026】
本発明には更に、治療的に有効な量の、式I:
【0027】
【化5】
Figure 2004525163
[前記式中、nは0、1、または2;
1は、OH、アルコキシ、O−グルコシルもしくはイミノ、
2は、OH、O、アルコキシもしくはO−グルコシル、
3、R4及びR5は、H、OH、アルコキシもしくはO−グルコシル、
及び/またはR1及びR2、もしくはR1及びR4は一緒になってラクトンを形成し、及び更にC3:C7、C4:C5及びC9:C10間は二重結合もしくは単結合であってもよい]
で表されるジャスモネート化合物もしくは前記式で表される誘導体
[前記誘導体は、C3に低級アシル側鎖(遊離酸またはエステルまたは複合体)、C6炭素にケトまたはヒドロキシ(遊離ヒドロキシまたはエステル)部分またはC7にn−ペンテニルまたはn−ペンチル側鎖のうち少なくとも1つを有する。]
【0028】
またはその医薬的に許容される塩の、哺乳動物における前立腺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、白血病、頭頚部癌、腎臓癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌または甲状腺癌の治療に有用な医薬組成物の調製における使用が開示されている。
【0029】
本発明を、単に例示として、添付の図面を参照して説明する。表1は、4タイプの悪性腫瘍細胞株について、ジャスモン酸、ジャスモン酸メチルエステル及びサリチル酸によってもたらされた毒性レベルを比較したものである。
【0030】
(発明の詳細な説明)
以下の詳細な説明は、特定の本発明の好ましい実施形態を説明することのみを意図していることを確認する。決して、クレームに記載されている、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0031】
本発明は、悪性腫瘍細胞の増殖防止及び死誘導を目的とするジャスモネート類の使用を説明するものである。
【0032】
特に好ましいジャスモネート類としては、ジャスモン酸[(−)−JA及び/または(+)−7−イソ−JA]、ジャスモン酸メチルエステル、ジャスモン、及び9,10−ジヒドロジャスモン酸及びその低級アルキルエステルが挙げられる。他の好ましいジャスモネート類としては、4,5−ジデヒドロ−7−イソ−JA、3,7−ジデヒドロ−JA、ククルビン酸(CA)、6−エピ−CA、6−エピ−CA−ラクトン、12−ヒドロキシ−JA、12−ヒドロキシ−JA−ラクトン、11−ヒドロキシ−JA、8−ヒドロキシ−JA、ホモ−JA、ジホモ−JA、11−ヒドロキシ−ジホモ−JA、8−ヒドロキシ−ジホモ−JA、ツベロン酸(TA)、TA−O−β−グルコピラノシド、CA−O−β−グルコピラノシド、JAのアミノ酸複合体、加えて、これらの酸それぞれに対応する低級アルキルエステル類が挙げられる。
【0033】
出願人は以下に、2種類のジャスモネート類、ジャスモン酸メチルエステル及びジャスモン酸が、正常な循環系リンパ球等の正常な細胞には無害であり、しかも悪性腫瘍細胞に対して積極的な治療作用を有することを立証した。以下の実施例は、ジャスモネート類が、哺乳動物において安全で達成可能であると考えられるであろう用量において、培養された異なる4タイプの悪性腫瘍細胞に細胞毒性を有し、健康なリンパ球の成長を阻害しないことを実証するものである。更に出願人は、実施例7において、ジャスモネート類が、リンパ腫細胞を注射されたマウスの寿命を延ばすのに有効であり、それによって、未処理のマウスよりも著しく高い生存率がもたらされることを立証した(生存したマウスの数は、未処理グループの2.25倍)。
【0034】
実施例1−植物ストレスホルモン類は4タイプのヒト形質転換細胞株に対して細胞毒性を有する。
【0035】
組織構造系統が異なる4タイプの形質転換細胞株に、3種類の植物ストレスホルモン類の1つを適用した。選ばれた細胞株は、臨床学的重要性を有する一般的な4タイプの癌を代表するものである。Molt−4は、ヒト急性Tリンパ球性白血病細胞株であり、SK−28は、ヒト黒色腫細胞である。LNCaPは、アンドロゲン応答型ヒト前立腺癌細胞株であり、MCF7は、ヒト乳癌細胞株である。細胞株は全て、ATCC(Rockville、 MD)から購入した。試薬は全て、特に断らない限り、シグマケミカルズ(Sigma Chemicals)(St. Luise、 MO)から購入した。JA及びMJは、エタノールに溶解させた。細胞培養は全て、10%ウシ胎仔血清(Biological Industries、 Beit-Haemek、 Israel)を含有するRPMI−1640内で行い、細胞(末梢血液からのMolt−4及びリンパ球を除く)は、下記のそれぞれの治療に先立って付着させた。
【0036】
LNCaP、MCF7及びSK−28細胞(4×103個/ウェルにて)及びMolt−4細胞(1.5×104個/ウェルにて)は、96−ウェルプレートに播種し、一晩培養した。以下に示すように、植物ストレスホルモンを濃度を上げながら加え、24時間後、セルタイター水溶性非放射性細胞増殖アッセイ(CellTiter 96 Aqueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay)(Promega、 Madison、 WI);生存可能な細胞が着色生成物を生成するアッセイ(このアッセイのプロトコルについての詳細は以下を参照)を用いて毒性を計測した。生成された色素の量をELISAリーダーを用いて読み取るため、このアッセイは定量的である。
【0037】
非ステロイド性抗炎症薬SAの、ヒトに使用される、非毒性薬理学的最高濃度は、およそ3mMである(Katzung、Lange Medical Book、 Stamford、 1998)。添加された植物ストレスホルモン類JA(ジャスモン酸)及びMJ(ジャスモン酸メチルエステル)とSAとを比較するため、同じ濃度範囲(0.5〜3mM)が選ばれた。上記濃度におけるこれらの化合物は、マウスに対して毒性を有しない。それぞれの細胞株を、0.5〜3mMの範囲の濃度におけるこれらホルモンのそれぞれを用いて24時間培養し、その後、細胞毒性を計測した。各結果の統計的重要性を、両側スチューデントのt検定、n=3により(適宜)測定した。各結果を±標準偏差で表す。
【0038】
図1に関し、3種類の植物ホルモンのそれぞれについての細胞毒性を、その濃度を基準としてプロットしている。
【0039】
菱形 = Molt−4急性リンパ球性白血病細胞;
正方形 = SK28黒色腫細胞;
三角形 = LNCaPアンドロゲン反応型前立腺癌細胞、
丸 = MCF7乳癌細胞。
【0040】
図1Aに関し、全ての細胞株が、SAに対し、投与量依存的に反応した。SAの細胞毒性は、P<0.05の場合、Molt−4急性リンパ球性白血病細胞、SK28黒色腫細胞及びMCF7乳癌細胞では全ての濃度において、LNCaPヒト前立腺癌細胞では1mM以上で著しいものであった。ここで、SAは、細胞株に依存して、異なる癌細胞の細胞増殖を20から40%阻害することが分かった。このことは、SAが、乳癌細胞株、ラット肝癌及びヒト繊維芽細胞培養菌の成長を阻害したという、同様の報告観察記録(Sotiriouら、 Anticancer Res.、 19、 2997-3006 1999; Hialら、 J. Pharmacol. Exp. Ther.、 202、 446-454 1977)と一致している。このデータは、SAが癌細胞内にストレスを引き起こし、それによって、それらの細胞における増殖が抑制されると解釈することができる。
【0041】
癌細胞に対するSAの作用が植物ストレスホルモン類に共通のものなのかどうか、及びジャスモネート類が、悪性腫瘍細胞の成長を対象とし、阻害することにおいて、サリチル酸よりもより有効であると考えられるのかどうかを確認するため、SAと比較してJA及びMJを検討した。
【0042】
図1Bに関し、JAに対する反応性は投与量依存的であった。JAの細胞毒性は、P<0.05の場合、Molt−4細胞では1mM以上、LNCaP及びSK28細胞では2mM以上、MCF7細胞では3mMで著しいものであった。感度は、Molt−4>SK−28>LNCaP>MCF7の順であった。
【0043】
図1Cに関し、MJの細胞毒性は、P<0.01の場合、Molt−4細胞では全ての濃度において、MCF7細胞では3mMにおいて著しく;そしてP<0.05の場合、LNCaP及びSK28細胞では2mM以上で著しいものであった。
【0044】
ここに示された結果により、MJが最高レベルの細胞毒性をもたらしたことが分かった。例えば0.5mMにおけるMJは、Molt−4細胞において87.52%の細胞毒性を誘導した。他の細胞株は、投与量依存的にMJに反応した。感度は、Molt−4>LNCaP>SK28>MCF7の順であった。
【0045】
(JA及びMJが溶解されている)エタノール自体が細胞毒性を誘導することがないよう、適切な制御が行われた。
【0046】
実施例1は、由来の異なる癌細胞が、植物ストレスホルモン類に応答したが、その反応に差異があったことを実証している。検討した細胞株の内、Molt−4は、JA(3mMにおいて90%の細胞毒性)及びMJ(0.5mMにおいて90%の細胞毒性)に対して強い反応を示した。
【0047】
実施例において用いられた細胞毒性アッセイ
セルタイター水溶性非放射性細胞増殖アッセイ(Promega、 Madison、 WI)により、細胞増殖の阻害性が測定された:所定の実験終了と同時に、MTS(テトラゾリウム化合物)333μg/ml+フェナジンメト硫酸(methosulfate)塩(25μM)を、37℃で1時間、96−ウェルプレートの各ウェルに加えた。これによって、デヒドロゲナーゼ類が代謝活性細胞内のMTSを減少させる呈色反応を顕出できた。MTSの添加前に細胞を洗浄しなかったため、問題となる可能性があった、潜在的に疎結合である付着性細胞または非付着性細胞はなかった。CERES 900 HDI ELISAリーダー(Bio-Tek Instruments, Inc、 Highland Park、 VT)を用い、波長490nmにおいて、可溶性MTSホルマザン生成物を計測した。光学密度は、培養内の生細胞の数に正比例する。細胞毒性(%)の計算は以下のように行った:[(対照細胞のOD−薬剤処理細胞のOD)/対照細胞のOD]×100。
【0048】
実施例2−更なるジャスモネート化合物であるシス−ジャスモンは3タイプのヒト形質転換細胞株に対して細胞毒性を有する。
【0049】
実施例1において説明した細胞株の内、3タイプの形質転換細胞株に、(JA及びMJに加えて)更なるジャスモネート化合物であるシス−ジャスモンを適用し、その癌細胞株に対する細胞毒性を検討した。実験は、実施例1に説明したように行った。
【0050】
図2に関し、シス−ジャスモンは、投与量依存的に細胞に影響を及ぼす強力な細胞毒性剤である。用いられた全ての濃度において(t検定によって求められた統計学的重要性をP<0.01とした場合)、シス−ジャスモンの各細胞株に対する作用は著しいものであった。唯一、重要でないと考えられたのは、シス−ジャスモンを、用いられた最小用量である0.5mMでLPCaP細胞に加えた場合の計測結果であった。シス−ジャスモンを2mM以上の濃度で加えた場合、検討された全ての細胞株において、細胞毒性は細胞の50%を超えた。用いられた最高濃度において、シス−ジャスモンは、各プレート内の75〜85%の形質転換細胞に対して細胞毒性を示した。
【0051】
実施例3−ジャスモネート類によって誘導される損傷の特徴について
最初に細胞を各ウェルに同数ずつ等分したので、処理細胞(上記)を含むウェルにおいて計測される光学密度の低下が、細胞死及び/または増殖率の低下を反映する。これらの2つの可能性を区別するため、トリパンブルー色素排除を行わないことから細胞死であることを検知する更なる細胞毒性アッセイを用いた。細胞を、0.1%のトリパンブルーを用いて2〜5分間培養し、死細胞(色素を排除しなかったもの)の比率を顕微鏡を用いて測定した。
【0052】
表1に関し、検査された植物ホルモン類の内、MJは、各細胞株において最も効果的に死を誘導した。MJは、その非メチル化形態であるJAよりも、ヒト形質転換細胞株を殺すのにより効果的である(図1B、1C及び表1)。SAは全ての細胞株において増殖を抑制し、一方、JAは急性リンパ球性白血病細胞において死を誘導し、他の細胞においては増殖抑制を誘導した。相対感度については、Molt−4細胞の次にSK28、LNCaP及びMCF7細胞がその順に続く。細胞株の違いにより、植物ストレスホルモンに対する感度に差異があることは、それらの化合物の各細胞に対する影響の特異性を示唆している。
【0053】
SAとジャスモネート類との間の、癌細胞株に対する影響の違いに注目することは重要である。SAは、検査された各細胞株において細胞増殖抑制を引き起こし、JAは、Molt−4細胞において細胞死、及びSK28、LNCaP及びMCF7細胞において細胞増殖抑制を引き起こし、一方、MJは全ての細胞株において死を引き起こす。これらの違いは、植物ストレスホルモン類の構造の相違及び/またはそれらの化合物が細胞において誘導する生化学的事象の違いによって説明がつくであろう。
【0054】
実施例4−ジャスモネート類はMolt−4細胞においてアポトーシスを誘導する。
【0055】
高レベルのカスパーゼ−3は、アポトーシスプロセスの特異なマーカーである(Porter及びJanicke、 Cell Death Differ.、 6、 99-104、 1999)。細胞死の原因がアポトーシスであったことを明確に確認するために、JA及びMJで処理後の細胞において、カスパーゼ−3の活性レベルを計測した。
【0056】
Molt−4細胞を、JA及びMJを用いて2、4及び14時間培養し、アポトーシスを介するプロテアーゼであるカスパーゼ−3の活性レベルを、メーカーの提案に従い、カスパーゼ−3(CPP32)プロテアーゼアッセイキット(PharMingen、San Diego、CA)を用いて測定した。簡潔に述べると、2×106個の細胞を、蛍光原カスパーゼ−3(CPP32)基質Ac−DEVD−AMCを含有する100μLの反応バッファー中で溶解させ、再浮遊させた。反応は、37℃で2時間培養し、試料は360nmの励磁波長及び460nmの発光波長において、FL600蛍光マイクロプレートリーダー(Bio-Tek Instruments、 Winooski、 Vermont、 USA)内でアッセイした。
【0057】
図3に関し、カスパーゼ−3活性の投与量依存性の向上が観察された:
(菱形 = 2時間、
正方形 = 4時間、
三角形 = 14時間。)
図3において分かるように、JA及びMJは、P<0.05の場合、全ての濃度及び時間において著しいカスパーゼ−3活性の増加を示した。
【0058】
図3Aに関し、JAを用いた2時間の培養によっては、カスパーゼ−3のレベル向上は誘導されなかった。
【0059】
図3Bに関し、MJを14時間適用後、1mM以上における死は、カスパーゼ−3活性の測定が不可能である程度のものであった。
【0060】
これらの結果から、JA及びMJがMolt−4細胞においてアポトーシス死を誘導したことが示唆された。この事実を確証するため、Molt−4細胞を、JA(2mM)及びMJ(0.5mM)で14時間処理し、クロマチンの凝集及び断片化のような、アポトーシスの極めて重要な形態学的特徴を検知するために、蛍光顕微鏡により分析した。
【0061】
図4に関し、植物ストレスホルモンであるJAまたはMJで処理後、Molt−4細胞の核内の細胞形態学的変化を表す蛍光顕微鏡像が示されている。5×105個/試料の細胞を採取し、その後1時間、[3%パラホルムアルデヒド及び0.1%トリトンX−100]を含有する燐酸緩衝塩水(PBS)を加えることにより固定した。細胞はDAPI(1μg/ml)で10分間染色した。核を、蛍光顕微鏡により(日本国、オリンパス光学工業株式会社製、A×70 TRF型の蛍光顕微鏡を用いて)1:400の倍率で分析した。特徴的なアポトーシス核を矢印で示している。
【0062】
図4Aに関し、未処理Molt−4細胞が示されている。
【0063】
図4Bに関し、Molt−4細胞を、2mMのJAで14時間処理した。JAを用いた処理により、クロマチンの凝集及び断片化が誘導された。
【0064】
図4Cに関し、Molt−4細胞を、0.5mMのMJで14時間処理した。MJを用いた処理により、略全ての細胞内の核形態構造が完全に破壊された。
【0065】
これらの結果は、アポトーシスの特徴の1つであるカスパーゼ−3活性の上昇、及び特徴的な形態学的変化に基づいて、JA及びMJが、Molt−4細胞においてアポトーシス死を引き起こしたことを確証するものである。
【0066】
SAは、骨髄性白血病細胞株及びB細胞性慢性リンパ球性白血病細胞においてアポトーシス及びカスパーゼの活性化を誘導すると報告された。また、SAがアポトーシスを増進し、FS−4細胞においてp38を介してアポトーシスを引き起こすという事実がある(Schwengerら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA、 4、 2869-2873、 1997)。それらの検討においては、炎症性疾患で処理されている患者の血漿において得られるよりも高い濃度のサリチル酸塩類を用いた培養によって、異なった細胞株にアポトーシスが起こる。本発明では、血漿において得られる濃度に匹敵するサリチル酸塩類の濃度を用いた。このことにより、SAがアポトーシスを誘導した検討と我々の結果との間の相違を説明することができる。
【0067】
実施例5−ジャスモネート類は正常なリンパ球には無害である
上記の結果により、植物ストレスホルモンが、癌細胞を脅かす能力を有することが立証される。ジャスモネート類が非癌細胞に対してもそれを脅かす細胞毒性を有しているのかどうかを確認するために、これらの植物生成物の作用を正常な細胞について検査した。
【0068】
正常なリンパ球を、以下のように末梢血液から分離した:健康なドナーの静脈血から単核細胞(MNC)をフィコール−ハイパック(Ficoll-Hypaque)(Phamacia Fine Chemicals、 Uppsala、 Sweden)密度勾配遠心により採取した。得られた単核細胞調製物を、汚染物質であるマクロファージを取り除くためにプラスチック皿に付着させた。その非付着性末梢血液リンパ球を用いた。
【0069】
JA及びMJでの処理に先立ち、リンパ球の増殖を引き起こすために(そしてそれにより悪性腫瘍不死化細胞と比較できるように)、正常なリンパ球にTPA(5ng/ml)及びPHA(0.8μg/ml)により48時間、刺激を与えた。正常なリンパ球及びMolt−4細胞を、(1.5×104個/ウェルにて)96−ウェルプレート内に播種した。
【0070】
ジャスモネート類またはサリチル酸を1mMまたは3mMの濃度で加え、細胞を24時間培養した。生存可能な細胞に対応する光学密度を、セルタイター水溶性非放射性細胞増殖アッセイにより測定した。
【0071】
各植物ストレスホルモンは、P<0.05の場合、Molt−4細胞において著しい細胞毒性を誘導したが、一方、正常なリンパ球において著しい細胞毒性を誘導したホルモンはなかった。
【0072】
図5に関し、Molt−4形質転換急性リンパ球性白血病細胞(白抜きの棒で表されている)とは対照的に、正常な血液リンパ球(塗りつぶされた棒で表されている)は実質的に植物ストレスホルモンの影響を受けなかった。
【0073】
図5Aは、1mM及び3mMの濃度のSAでの処理を表している。
【0074】
図5Bは、1mM及び3mMの濃度のJAでの処理を表しており、図5Cは、1mM及び3mMの濃度のMJでの処理を表している。
【0075】
表1も、健康な細胞ではなく、悪性腫瘍細胞に対して示されるジャスモネート類の選択性を表している。
【0076】
この実施例において、植物ストレスホルモンの形質転換リンパ球(Molt−4細胞)へ影響を、末梢血液から抽出された正常なリンパ球へ影響に対して比較した。(増殖を誘導するためTPA/PHAによって刺激を受けている)正常なリンパ球は、形質転換リンパ球とは対照的に、SA及びジャスモネート類によって影響を受けなかった。このデータは、選択性のある制癌剤としての植物ストレスホルモンの使用の可能性を裏付けるものである。
【0077】
実施例6−ジャスモネート類は正常な赤血球には無害である
ジャスモン酸、ジャスモン酸メチルエステル及びシス−ジャスモンの作用を、正常なヒト赤血球について検討した。その目的のため、ヘモグロビンの放出により赤血球への損傷を評価するアッセイが確立された。後者を、412nmにおいて分光測定法により計測した。完全溶血を誘導し、ヘモグロビンの放出を引き起こすために、実際の対照として蒸留水を用いた。ジャスモネート類は何れも、異なる3人のドナーの正常なヒト赤血球からのヘモグロビン放出を引き起こさなかった。これは、ジャスモネート類が、癌細胞において細胞毒性作用を引き起こす濃度(0.5〜3mM)で加えられた場合の結果であった。従って、ジャスモネート類は、正常なヒトリンパ球に(実施例5に示したように)無害であることに加え、赤血球に対しても無害であり、癌細胞に対する選択的作用を更に示している。
【0078】
実施例7−マウスにおける生体内実験
同質遺伝子のリンパ腫細胞を、マウス(C57BL系)の検査グループ及び対照グループに注射した。注射は皮下注射または腹膜内注射の何れかにより行われた。ジャスモン酸メチルエステルを経口投与、得られた腫瘍内または腹膜内に直接注射し、腫瘍の進行及び生存率に対する作用を分析した。
【0079】
400,000個のEL−4リンパ腫細胞を、C57BL株の、20個体の検査マウス、または19個体の対照マウスに腹膜内注射した。
【0080】
予備実験の結果、体重に対して236〜472mg/kgの用量のジャスモン酸メチルエステルであれば、腫瘍の成長を防止するのに適当であることが分かっている。そこで、ジャスモン酸メチルエステルを脂質キャリア(ドイツ国、B. Brown、 Melsunger製、0.4%リポフンディン)中に溶解し、体重に対して236mg/kgの用量で経口投与した。投与は、リンパ腫細胞を注射した日から始まって毎日、水を飲むことによって行われた。
【0081】
19個体の対照マウスには、ジャスモン酸メチルエステルを溶解していない脂質キャリア(0.4%リポフンディン)のみを与えた。
【0082】
各グループのマウスの生存時間(日)を計測し、分析した。
【0083】
図6に関し、実験の進行に応じた各グループにおける生存累積比率を示すカプラン−マイヤー生存関数グラフが示されている。対照グループ(丸及び文字「C」で表されている)に対して、処理グループ(十字及び文字「T」で表されている)は著しく高い生存率を示した;これは例えば、対照グループが達成した生存率20%のプラトー部に対して、第33日目に処理グループが達成した生存率50%のプラトー部において見られる。
【0084】
これらの結果の重要性を、ログ−ランク検定(Log-Rank Test)及びコックス−マンテル検定(Cox-Mantel Test)の2つの非常に厳密な統計分析手段を用いて、統計的に分析した。これらの検定はそれぞれ、所定の日に、生存マウスの全体的な数と比較して、2つのマウスグループの内の1つについて死の重要性の数値的な比較検討を行うものである。
【0085】
ログ−ランク検定についてはP=0.01492の場合、コックス−マンテル検定についてはP=0.00953の場合(P<0.05の場合に結果が重要であると見なされる時)に結果の重要性が高いと考えられた。
【0086】
結論として、実施例1〜7は、構造が異なる植物ストレスホルモン類である、ジャスモネート類及びサリチル酸塩の、数タイプの異なる癌細胞株における細胞増殖及び生存能力に対する作用を説明するものである。主に4つの発見があった。第1に、検査された全てのストレスホルモンが、癌細胞の増殖を脅かす能力を共通に有していることである。ジャスモン酸(JA)は、急性リンパ球性白血病細胞に死を誘導し、他の上記のヒト癌細胞において細胞増殖の抑制を引き起こした。ジャスモン酸メチルエステル(MJ)は、各細胞株において死を誘導した。植物ホルモン類は、投与量依存的に以下の順の感度で作用した:急性リンパ球性白血病>前立腺癌>黒色腫>乳癌。第2に、ジャスモネート類がMolt−4細胞に引き起こした死は、ほとんどの化学療法薬が細胞レベルで用いるメカニズムと同様の、アポトーシスとして確認されたことである。第3に、ジャスモネート類は、正常のリンパ球または赤血球に対しては損傷を引き起こさないことである。第4に、ジャスモネート類は、試験管内においてのみならず、リンパ腫の動物モデルにおいても、マウスにおいて安全であると考えられる用量を用いて、著しく生存率を延ばし(2.25倍)、有効であるということである。
【0087】
これらの発見は、植物ストレスホルモン類の、新規なクラスの制癌薬剤としての使用の可能性を示唆している。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1は、濃度を基準として、サリチル酸と比較した、植物ホルモンであるジャスモン酸メチルエステル及びジャスモン酸の細胞毒性を表すグラフである。
【図2】図2は、濃度を基準として、植物ホルモンであるシス−ジャスモンの細胞毒性を表すグラフである。
【図3】図3は、ジャスモン酸及びジャスモン酸メチルエステルで処理されたMolt−4細胞における、アポトーシスマーカータンパク質カスパーゼ−3の活性レベルを表すグラフである。
【図4】図4は、ジャスモン酸及びジャスモン酸メチルエステルで処理後の、Molt−4細胞の形態構造におけるアポトーシス変化を表す蛍光顕微鏡像を表す。
【図5】図5は、ジャスモネート類の細胞毒性作用が、健康なドナーからの正常なリンパ球には及ぼされないのに対して、悪性腫瘍細胞には及ぼされるという特異性を表すグラフである。
【図6】図6は、未処理マウスに対して、リンパ腫形成防止を目的としてジャスモネート類で処理したマウスの生存累計比率を表すグラフである。

Claims (12)

  1. 哺乳動物における癌の治療に有用な医薬組成物であって、有効成分として、治療的に有効な量の、式I:
    Figure 2004525163
    [前記式中、nは0、1、または2;
    1はOH、アルコキシ、O−グルコシル、もしくはイミノ、
    2はOH、O、アルコキシもしくはO−グルコシル、
    3、R4及びR5は、H、OH、アルコキシもしくはO−グルコシル、
    ならびに/またはR1及びR2、もしくはR1及びR4は一緒になってラクトンを形成し、及び更にC3:C7、C4:C5及びC9:C10間は二重結合もしくは単結合であってもよい]
    で表されるジャスモネート化合物または、
    前記式で表される誘導体を含み、前記誘導体は、C3に低級アシル側鎖(遊離酸またはエステルまたは複合体)、C6炭素にケトもしくはヒドロキシ(遊離ヒドロキシまたはエステル)部分、またはC7にn−ペンテニルもしくはn−ペンチル側鎖のうち少なくとも1つを有する医薬組成物。
  2. 前記ジャスモネートが、ジャスモン酸メチルエステル、ジャスモン酸、ジャスモン、7−イソ−ジャスモン酸、9,10−ジヒドロジャスモン酸、2,3−ジデヒドロジャスモン酸、3,4−ジデヒドロジャスモン酸、3,7−ジデヒドロジャスモン酸、4,5−ジデヒドロジャスモン酸、4,5−ジデヒドロ−7−イソ−ジャスモン酸、ククルビン酸、6−エピ−ククルビン酸、6−エピ−ククルビン酸−ラクトン、12−ヒドロキシ−ジャスモン酸、12−ヒドロキシ−ジャスモン酸−ラクトン、11−ヒドロキシ−ジャスモン酸、8-ヒドロキシ−ジャスモン酸、ホモ−ジャスモン酸、ジホモ−ジャスモン酸、11−ヒドロキシ−ジホモ−ジャスモン酸、8−ヒドロキシ−ジホモ−ジャスモン酸、ツベロン酸、ツベロン酸−O-β−グルコピラノシド、ククルビン酸−O−β−グルコピラノシド、5,6−ジデヒドロジャスモン酸、6,7−ジデヒドロジャスモン酸、7,8−ジデヒドロジャスモン酸、シス−ジャスモン、メチルジヒドロイソジャスモネート, ジヒドロジャスモン, ジャスモン酸のアミノ酸複合体、及びそれらの低級アルキルエステル類、キャリアリガンド複合体及び立体異性体から選択される請求項1に記載の組成物。
  3. 前記有効成分が、許容されうる脂質キャリアに溶解されている請求項1に記載の組成物。
  4. 更に、少なくとも1種類の他の化学治療剤を含む請求項1に記載の組成物。
  5. 前記組成物が、経口投与用に調製された請求項1に記載の組成物。
  6. 前記組成物が、乳剤、液剤、カプセル剤、錠剤から選択される形態である請求項5に記載の組成物。
  7. 前記組成物が、注射による投与用に調製された請求項1に記載の組成物。
  8. 前記組成物が、局部投与用に調製された請求項1に記載の組成物。
  9. 前記組成物が、軟膏、ゲル、またはクリームから選択される形態である請求項8に記載の組成物。
  10. 前記組成物が、吸入による投与用に調製された請求項1に記載の組成物。
  11. 前記組成物が、坐剤を介する投与用に調製された請求項1に記載の組成物。
  12. 治療的に有効な量の、式I:
    Figure 2004525163
    [前記式中、nは0、1、または2;
    1はOH、アルコキシ、O−グルコシル、もしくはイミノ、
    2はOH、O、アルコキシもしくはO−グルコシル、
    3、R4及びR5は、H、OH、アルコキシもしくはO−グルコシル、
    ならびに/またはR1及びR2、もしくはR1及びR4は一緒になってラクトンを形成し、及び更にC3:C7、C4:C5及びC9:C10間は二重結合もしくは単結合であってもよい]
    で表されるジャスモネート化合物もしくは前記式で表される誘導体
    [前記誘導体は、C3に低級アシル側鎖(遊離酸またはエステルまたは複合体)、C6炭素にケトもしくはヒドロキシ(遊離ヒドロキシまたはエステル)部分、またはC7にn−ペンテニルもしくはn−ペンチル側鎖のうち少なくとも1つを有する]
    またはその医薬的に許容される塩の、
    哺乳動物における前立腺癌、乳癌、皮膚癌、結腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、白血病、頭頚部癌、腎臓癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌または甲状腺癌の治療に有用な医薬組成物の調製における使用。
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