JP2009520692A - 改良されたジャスモネート誘導体、医薬組成物及びそれらの使用方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規ジャスモネート誘導体、それらの調製方法、このような化合物を含む医薬組成物、並びにこれらの化合物及び組成物の、特に癌の防止及び処置のための化学療法剤としての使用方法に関する。

Description

技術分野
本発明は、ジャスモネート誘導体化合物、それらの調製方法、このような化合物を含む医薬組成物、並びにこれらの化合物及び組成物の、特に癌(特に哺乳動物の、殊にヒトの)の処置のための化学療法剤としての使用方法の分野に関する。
発明の背景
ジャスモネートは植物のストレスホルモン類であり、リノレン酸からオクタデカノイド経路によって誘導され、多くの食用植物に微量に見出される。ジャスモネート類のようなストレスホルモンは、植物において発達し、極端なUV線、浸透圧ショック、熱ショック及び病原体攻撃のようなストレス時に放出されて、適切な応答で終わる様々なカスケードを開始させる。ジャスモネート類の化合物の例はジャスモン酸(これは、障害に応答する細胞内信号伝達にとって極めて重要である)、及びジャスモン酸メチル(これは、外傷又は病原体攻撃に応答して低濃度で集積するプロテイナーゼインヒビターの誘導を引き起こす)である。哺乳動物の癌の処置のためのジャスモネートの使用は、米国特許第6469061号に開示されており、この特許の内容は全体として参照を通じて組み込まれる。米国特許第6469061号において、ジャスモネートが、乳房、前立腺、皮膚及び血液の癌に由来するヒト癌細胞の様々なタイプにとって直接的に細胞毒であることが示された。ジャスモネートはヒト白血病Molt−4細胞の死を引き起こしたが、それらは正常なリンパ球を損なわなかった。
米国特許第6469061号において、特に1つのジャスモネート化合物、ジャスモン酸メチルは、マウスにおけるリンパ腫の進行の防止に有効であることが示された。また、「植物ストレスホルモンはヒト癌細胞の増殖を抑え、アポトーシスを誘発する(Plant stress hormones suppress the proliferation and induce apoptosis in human cancer cells)」(Fingrut,O.and E.Flescher,Leukemia 16:608−616(2002))も参照。
続いて集められたデータは、ジャスモネートが健康な赤血球を損なわないことを同様に示した(WO02/080890を参照、この特許の内容は全体として参照を通じて組み込まれる)。
PCT国際特許公開WO2005/054172は、新規ハロゲン化ジャスモネート誘導体、該誘導体を含む医薬組成物、及び癌細胞の成長を弱め、癌を処置するためのそれらの使用を開示する。
カルボキシル基を通じてアミノ酸に結合したジャスモン酸が自然界に見出される(Plant Hormones、Davies PJ編、Kluwer Academic Publishers、ロンドン、2004年、618、620ページ)。いくつかのジャスモン酸−アミノ酸結合体が合成によって調製された。これらのアミノ酸には、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンが含まれる(Jikumaru Y.et al.Biosci.Biotechnol.Biochem.68,1461−1466,2004)。しかし、例えば癌の処置のための、これらの誘導体の治療への応用は、これまで記載されていない。
ジャスモネート化合物の薬理活性のために、それらは、癌の処置のための治療剤としての魅力的な候補となっている。少数のジャスモネート誘導体が報告されているにすぎないので(例えば、Ishii et al.,Leukemia,1−7(2004);Hossain et al.Biochem.Biosci.& Biotech.68(9),1842(2004)を参照)、当技術分野において、悪性細胞に対して高度の特異性を有する、効力のある化学療法薬剤であるジャスモネート誘導体化合物を開発することが求められている。
発明の要約
本発明は新規ジャスモネート誘導体化合物に関する。
好ましいジャスモネート誘導体は、式Iの構造により表されるチアゾール誘導体である。他の好ましいジャスモネート誘導体は、式IIAの構造により表される化合物である。他の好ましいジャスモネート誘導体は、式IIの構造によって表される、アミノ酸とジャスモネートの結合体又はペプチドとジャスモネートの結合体である。さらに別の好ましいジャスモネート誘導体は、式IV、V又はVIの構造により表されるオリゴマーである。これらの化合物のいくつかは、米国特許第6469061号及びWO2005/054172に開示されている化合物より、顕著に効力が高い。これらの新規誘導体は、正常な細胞はそのままにして、癌になった細胞(例えばリンパ球、腫瘍細胞及び乳癌細胞)に選択的細胞毒性を及ぼす。このため、本発明の化合物は、癌細胞の増殖を抑制し、様々な癌を処置するのに有用である。
一態様において、ジャスモネート誘導体は、式Iの構造により表されるチアゾール誘導体(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)である。
Figure 2009520692

式中、
nは、0、1、又は2であり;
は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、天然又は非天然アミノ酸、ペプチド、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、NR9a9b、NHCOR10及びNHSO11からなる群から選択され;
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
とC10との間の結合は、単結合又は二重結合であってよく;また
、R9a、R9b、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい。
現在好ましい一態様において、式IにおけるRはヒドロキシルである。別の態様において、Rはメトキシである。さらに別の態様において、Rは、NR9a9bであり、R9a及びR9bは上の式Iで記載された通りである。別の態様において、R9aは水素であり、R9bは、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、及び非置換又は置換ヘテロアリールからなる群から選択される。さらに別の態様において、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換又は置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成している。
現在好ましい一態様において、式IのRはNR9a9bであり、R9a及びR9bは上の式Iで記載された通りである。別の態様において、Rは、NHCOR10であり、R10は上の式Iで記載された通りである。さらに別の態様において、Rは、NHSO11であり、R11は上の式Iで記載された通りである。一般に好ましい一態様において、Rはフェニルである。別の一般に好ましい態様において、Rは、NHCOR10であり、R10は、アリール又はヘテロアリールにより置換されたC〜C12アルキル(例えば、メチレンチオフェン)である。
現在好ましい別の態様において、式IにおけるR、R、R、R及びRの各々は水素である。別の態様において、CとC10との間の結合は二重結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は単結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。
式Iの化合物の具体例には、これらに限らないが、次のものが含まれる。
Figure 2009520692
別の側面において、本発明は、式IIAの構造により表されるジャスモネート誘導体(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)に関する。
Figure 2009520692

式中、
nは、現れるたびに独立に、0、1、又は2であり;
は、次の式:
Figure 2009520692

の基であり;
は、現れるたびに独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
とC10との間の結合は、現れるたびに独立に、単結合又は二重結合であってよく;また
、R9a、R9bは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい。
一態様において、式IIAの化合物におけるRは、次の式の基である。
Figure 2009520692
一般に好ましい態様において、式IIAの化合物におけるRはオキソである。別の一般に好ましい態様において、R、R、R、R及びRの各々は水素である。別の態様において、CとC10との間の結合は二重結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は単結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。
式IIAの化合物の具体例は式B3の化合物である。
Figure 2009520692
別の態様において、本発明は、薬学的に許容される担体、及び活性成分として構造式IIBの化合物(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)を含む、癌の処置に有用な医薬組成物に関する。
Figure 2009520692

式中、
nは、0、1、又は2であり;
は、天然若しくは非天然アミノ酸又はペプチドであり;
は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
とC10との間の結合は、単結合又は二重結合であってよく;また
、R9a、R9bは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい。
式IIBの化合物におけるアミノ酸残基は、天然又は非天然のどのようなアミノ酸の残基であってもよい。現在好ましいアミノ酸は、ロイシン及びトリプトファンである。しかし、本明細書において定義され当業者に知られている他の任意のどのような天然又は非天然アミノ酸も、本発明のジャスモネート−アミノ酸誘導体に組み入れることができる。代わりに、基Rは、2つ以上のアミノ酸(これらは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、又はこれらの組合せであり得る)を含むペプチド配列を表し得る。
現在好ましい態様において、式IIBの化合物におけるRはオキソである。別の現在好ましい態様において、R、R、R、R及びRの各々は水素である。別の態様において、CとC10との間の結合は二重結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は単結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。
一態様において、式IIBの化合物におけるRはロイシンである(化合物B1)。別の態様において、Rはトリプトファンである(化合物B2)。アミノ酸は、ジャスモネートのカルボキシル基と、アミノ酸のアミノ基又はペプチドの末端のアミノ基との間でアミド結合を形成することによって、ジャスモネート誘導体に結合している。
Figure 2009520692
式IIA又はIIBの現在好ましい化合物は、式IIIの構造により表される。
Figure 2009520692

式中、Rは式IIA又はIIBに対して上で定義された通りである。
さらに別の側面において、本発明は、共有結合した複数のジャスモン酸部分を含む、ダイマー、オリゴマー又はポリマージャスモネート誘導体を想定している。どのような特定の説又は理論にも拘束されようとは思わないが、同じ分子内の2つ以上のジャスモン酸部分の存在は、標的とする部位での活性部分の局所的濃度を増大させ得るので、その化合物の効力を増大させると考えられる。この考えは、式IVの構造により表されるジャスモネート誘導体に関して、下に例示される。
Figure 2009520692

式中、
nは、現れるたびに独立に、0、1、又は2であり;
pは2、3、4、5又は6であり;
は、−O−、ポリオキシC〜C12アルキレン及び糖部分からなる群から選択されるリンカーであり;
は、現れるたびに独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
とC10との間の結合は、現れるたびに独立に、単結合又は二重結合であってよく;また
、R9a、R9bは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい。
一般に好ましい態様において、式IVの化合物におけるリンカーRは、−O−である。別の態様において、Rは、ポリオキシC〜C12アルキレン、例えば、構造−O(CH−CH−O−)−(mは1から20の整数である)により表されるポリエチレングリコールである。さらに別の態様において、Rは糖部分である。さらに別の態様において、Rは、−NH−、−S−、−OR10−、−NHR11−、−SR12−、非置換又は置換C〜C12アルキレン、ポリオキシC〜C12アルキレン、ポリアミノC〜C12アルキレン及びポリチオC〜C12アルキレンからなる群から選択され、R10、R11、R12は、それぞれ独立に、非置換又は置換C〜C12アルキレンである。式IVにおけるジャスモネート単位の数(整数pにより表される)は、リンカーの価数に応じて決まり、2、3、4、5及び6からなる群から通常選択される。
別の現在好ましい態様において、式IVの化合物におけるRは、オキソである。別の一般に好ましい態様において、R、R、R、R及びRの各々は水素である。別の態様において、CとC10との間の結合は二重結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は単結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。
式IVの一般に好ましい化合物は、式Vの構造により表されるダイマー化合物である。
Figure 2009520692

式中、Rは式IVに対して上で定義された通りである。
式Vの化合物の具体例には、これらに限らないが、化合物C1及びC2が含まれる。
Figure 2009520692
他の一般に好ましい式IVの化合物は、リンカーを通じて連結した複数のジャスモネート部分を含むオリゴマー化合物である。一態様において、リンカーは糖部分であり、この場合、ジャスモネート誘導体は糖のヒドロキシル基に結合している。このようなオリゴマー部分は、式(VI)の構造により表される。
Figure 2009520692

式中、
Rは次の式により表される。
Figure 2009520692

式中、R、R、R、R、R及びRの各々は上で定義された通りである。
式VIの化合物の具体例は式C3の化合物である。
Figure 2009520692
本発明はまた、薬学的に許容される担体と、活性成分として、前記の式I、IIA、IIB、III、IV、V又はVIのいずれかにより表される本発明の化合物の1種又は複数とを含む医薬組成物も想定している。好ましい組成物は、活性成分として、構造A1、A2、A3、A4、A5、A6、B1、B2、B3、C1、C2又はC3により表される化合物の任意の1種又は複数を含む。
本発明の医薬組成物は、当技術分野において知られているどのような形態としても、例えば、経口投与(例えば、溶液、懸濁液、シロップ、エマルジョン、分散体、懸濁液、錠剤、丸剤(pill)、カプセル、ペレット、顆粒及び粉末)、非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、経皮、皮下又は腹腔内)、局所投与(例えば、軟膏、ゲル、クリーム)、吸入による投与又は坐薬による投与に適する形態として、提供され得る。好ましくは、本発明の医薬組成物では、活性成分を許容される何らかの脂質担体に溶かす。
さらに、本発明の好ましい態様によれば、ジャスモネート誘導体は、少なくとも1種の他の化学療法剤と一緒に投与される。ジャスモネート誘導体及び少なくとも1種の化学療法剤は、同時に投与されても(同一の剤形として、又は別々の剤形として)、或いは、それらは任意の順序で逐次的に投与されてもよい。
本発明はさらに、癌細胞を、本明細書に記載の式I、IIA、IIB、III、IV、V又はVIのいずれかの化合物の治療に有効な量に接触させることを含む、癌細胞の増殖を抑制する方法を提供する。好ましくは、化合物は、構造A1、A2、A3、A4、A5、A6、B1、B2、B3、C1、C2又はC3により表される化合物の1種又は複数である。いくつかの態様において、化合物は医薬組成物中において投与される。
さらに、本発明は、対象(subject)に、本明細書に記載の本発明の化合物の治療に有効な量を投与することによる、対象の癌の処置のための方法を提供する。好ましくは、化合物は、構造A1、A2、A3、A4、A5、A6、B1、B2、B3、C1、C2又はC3により表される化合物の1種又は複数である。いくつかの態様において、化合物は医薬組成物中において投与される。一態様において、対象は哺乳動物、好ましくはヒトである。
さらに、本発明は、癌の処置に有用な治療薬の調製における、本発明による式I、IIA、IIB、III、IV、V又はVIのいずれかの化合物の使用に関する。
本発明の化合物は、癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫及び混合タイプの腫瘍を含めて、広範な癌に対して活性である。処置に向く腫瘍の特定の部類には、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌(bone cancer)、肝臓癌、胃癌、大腸癌(colon cancer)、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移が含まれる。処置に向く腫瘍の特定のタイプには、肝細胞癌、血腫、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫(ganglioblastoma)、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫(osteogenic sarcoma)、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫(rhabdotheliosarcoma)、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌(hypernephroid adenocarcinoma)、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌(colon carcinoma)、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)、急性骨髄球性白血病(acute myelocytic leukemia)、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)が含まれる。
特定の態様によれば、処置される癌は、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌又は甲状腺癌からなる群から選択される。例示的な態様において、処置される癌は、乳癌、腎臓癌、胃癌、白血病(リンパ芽球性白血病(lymphoblastic leukemia)が含まれる)、肺癌、黒色腫及び大腸癌から選択される。
本発明のジャスモネート誘導体は、米国特許第6469061号及びWO2005/054172に開示されている化合物より、顕著に効力が高い。それらは、悪性細胞に対して高度の特異性を有する、予想外の細胞毒性作用を示す。
本発明のさらなる態様及び適用可能な全範囲は、以下に記載される詳細な説明により明らかとなるであろう。しかし、詳細な説明及び具体例は、本発明の好ましい態様を示す一方、この詳細な説明により、本発明の思想および範囲内において様々な変更及び改変が当業者に明らかとなるであろうから、例示のみを目的として与えられていることが理解されるべきである。
発明の詳細な説明
本発明は新規ジャスモネート誘導体化合物に関する。好ましいジャスモネート誘導体は、式Iの構造により表されるチアゾール誘導体である。別の好ましいジャスモネート誘導体は式IIAの構造により表される化合物である。他の好ましいジャスモネート誘導体は、式IIBの構造により表されるアミノ酸とジャスモネートの結合体である。さらに別の好ましいジャスモネート誘導体は、式IV、V又はVIの構造により表されるジャスモネートオリゴマーである。これらの化合物のいくつかは、当技術分野において開示されている化合物より顕著に効力が高く、癌になった細胞(例えばリンパ球、腫瘍細胞及び乳癌細胞)に選択的細胞毒性を及ぼす一方、正常細胞には非常に僅かな作用しか及ぼさない。このため、本発明の化合物は、癌細胞の増殖を抑制し、様々な癌を処置するのに有用である。
一態様において、本発明の化合物は、式Iの一般構造により表される複素環式ジャスモネート誘導体(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)である。
Figure 2009520692

式中、
nは、0、1、又は2であり;
は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、天然又は非天然アミノ酸、ペプチド、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、NR9a9b、NHCOR10及びNHSO11からなる群から選択され;
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
とC10との間の結合は、単結合又は二重結合であってよく;また
、R9a、R9b、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい。
現在好ましい一態様において、式IにおけるRはヒドロキシルである。別の態様において、Rはアルキルオキシ、例えばメトキシである。別の態様において、Rは、O−グルコシルである。さらに別の態様において、Rは、NR9a9bであり、R9a及びR9bは上の式Iで記載された通りである。別の態様において、Rは、NR9a9bであり、R9aが水素であり、R9bは、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、及び非置換又は置換ヘテロアリールからなる群から選択される。アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールでの置換基は、本明細書に記載されている置換基の任意の1つ又は複数であり得る。
別の態様において、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換又は置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成している。複素環は、飽和又は不飽和であってよく、本明細書において記載されている複素環の1つ又は複数であり得る。このような環の非限定的な例には、ピペリジニル及びピペラジニルが含まれ、これらは、非置換であっても、又は、本明細書に記載されているあらゆる置換基の1つ又は複数により置換されていてもよい。
現在好ましい一態様において、式IのRはNR9a9bであり、R9a及びR9bは上の式Iで記載された通りである。別の態様において、Rは、NHCOR10であり、R10は上の式Iで記載された通りである。さらに別の態様において、Rは、NHSO11であり、R11は上の式Iで記載された通りである。現在好ましい一態様において、Rはフェニルである。別の現在好ましい態様において、Rは、NHCOR10であり、R10は、アリール又はヘテロアリールにより置換されたC〜C12アルキル(例えば、メチレンチオフェン)である。別の現在好ましい態様において、RはNHSO11であり、R11はアリール又はヘテロアリールである。さらに別の好ましい態様において、RはNHである。さらに別の好ましい態様において、RはNH−フェニルである。
現在好ましい一態様において、CとC10との間の結合は二重結合である。別の現在好ましい態様において、CとC10との間の結合は単結合である。別の態様において、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は単結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は二重結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。
本発明の化合物の具体例には、これらに限らないが、次のものが含まれる。
Figure 2009520692
別の態様において、本発明は、式IIAの構造により表されるジャスモネート誘導体(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)に関する。
Figure 2009520692

式中、
nは、現れるたびに独立に、0、1、又は2であり;
は、次の式:
Figure 2009520692

の基であり;
は、現れるたびに独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
とC10との間の結合は、現れるたびに独立に、単結合又は二重結合であってよく;また
、R9a、R9bは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい。
一態様において、式IIAの化合物におけるRは次の式の基である。
Figure 2009520692
現在好ましい態様において、式IIAの化合物におけるRはオキソである。別の一般に好ましい態様において、R、R、R、R及びRの各々は水素である。別の態様において、CとC10との間の結合は二重結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は単結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。
式IIAの化合物の具体例は式B3の化合物である。
Figure 2009520692
別の態様において、本発明は、式IIBの構造により表されるジャスモネート−アミノ酸又はジャスモネート−ペプチドの結合体(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)に関する。
Figure 2009520692

式中、
nは、0、1、又は2であり;
は、天然若しくは非天然アミノ酸又はペプチドであり;
は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
とC10との間の結合は、単結合又は二重結合であってよく;また
、R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい。
現在好ましい態様において、式IIBの化合物におけるRはオキソである。現在好ましい一態様において、CとC10との間の結合は二重結合である。別の現在好ましい態様において、CとC10との間の結合は単結合である。別の態様において、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は単結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は二重結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。
別の現在好ましい態様において、Rはトリプトファン残基である。別の現在好ましい態様において、Rはロイシン残基である。
一態様において、アミノ酸又はペプチドは、ジャスモネート誘導体に、ジャスモネートのカルボキシル基と、アミノ酸のアミノ基又はペプチドの末端アミノ基との間でアミド結合を形成することによって結合している。式IIBの化合物におけるRがロイシン(化合物B1)又はトリプトファン(化合物B2)である例示的な化合物が下に示される。
Figure 2009520692
代わりに、別の態様では、アミノ酸又はペプチドは、ジャスモネート誘導体に、ジャスモネートのカルボキシル基と、アミノ酸の側鎖、又はペプチド鎖中のアミノ酸の側鎖との間で結合を形成することによって結合している。こうして、エステル、アミド又はチオエステル結合が、それぞれO、N又はSのような、側鎖において利用できるヘテロ原子を通じて形成される。代わりに、前記結合は、ジャスモネート誘導体と、アミノ酸又はペプチドのカルボキシル基(αカルボキシル基か又は側鎖のカルボキシル基のいずれか)との間に形成し得る。アミノ酸又はペプチドをジャスモネート誘導体にカップリングするための、当業者に知られている他のあらゆる方法も、本発明には想定されていることが、当業者には明らかなはずである。
一般に好ましい式IIA又はIIBの化合物は、式IIIの構造により表される。
Figure 2009520692

式中、Rは、式IIA又は式IIBに対して上で定義された通りである。
さらに別の態様において、本発明は、式IVの構造により表されるジャスモネートオリゴマー誘導体(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)に関する。
Figure 2009520692

式中、
nは、現れるたびに独立に、0、1、又は2であり;
pは2、3、4、5又は6であり;
は、−O−、ポリオキシC〜C12アルキレン及び糖部分からなる群から選択されるリンカーであり;
は、現れるたびに独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
とC10との間の結合は、現れるたびに独立に、単結合又は二重結合であってよく;また
、R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい。
現在好ましい態様において、式IVの化合物におけるRは、−O−である。別の態様において、Rは、ポリオキシC〜C12アルキレン、例えば、構造−O(CH−CH−O−)−(mは1から20の整数である)により表されるポリエチレングリコールである。さらに別の態様において、Rは糖部分である。しかし、他のリンカーの使用は、本発明により想定されている。例えば、いくつかの態様において、Rは、−NH−、−S−、−OR10−、−NHR11−、−SR12−、非置換又は置換C〜C12アルキレン、ポリアミノC〜C12アルキレン及びポリチオC〜C12アルキレンからなる群から選択されるリンカーであり、R10、R11およびR12は、それぞれ独立に、非置換又は置換C〜C12アルキレンである。
別の現在好ましい態様において、式IVの化合物におけるRはオキソである。現在好ましい一態様において、CとC10との間の結合は二重結合である。別の現在好ましい態様において、CとC10との間の結合は単結合である。別の態様において、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は単結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。さらに別の態様において、CとC10との間の結合は二重結合であり、R、R、R、R及びRの各々は水素である。
式IVのオリゴマー化合物におけるジャスモネート単位の数(整数「p」により示される)は、リンカーの特質に応じて決まることが理解されるべきである。例えば、−O−又はポリオキシC〜C12アルキレンのような2価のリンカーでは、2つのジャスモネート単位が存在する(すなわち、p=2)ことになり、ダイマー化合物を定める。式IVのこのようなダイマー化合物の例は、式Vの構造により表される。
Figure 2009520692

式中、Rは上で定義された通りである。
式IVのダイマー化合物の具体例には、これらに限らないが、化合物C1及びC2が含まれる。
Figure 2009520692
ダイマー以外に、本発明は、多価リンカー、例えば糖部分を用いることによって形成されるオリゴマー化合物の使用を想定している。この場合、オリゴマーにおけるジャスモネート単位の数は、リンカーの利用可能な部位の個数に応じて決まることとなる。例えば、現在好ましい一態様において、リンカーは、ジャスモネート単位への結合に利用できる、2、3、4又は5個のヒドロキシル基を含む糖部分である。この考え方は、式VIの構造により表されるジャスモネート−糖誘導体に関して、下に例示される。
Figure 2009520692

式中、
Rは次に式により表される。
Figure 2009520692

式中、R、R、R、R、R及びRの各々は上で定義された通りである。
式VIの化合物の具体例には、これに限らないが、Cの化合物が含まれる。
Figure 2009520692
当業者には、どのような糖誘導体(例えば、グルコース)も、式VIのマルチマー(multimer)化合物にとってのリンカーとして使用できることが明白である。当業者には、さらに、ジャスモネートマルチマー誘導体における糖部分は、上の式VIのピラノシド環に限らないことは明白である。それどころか、任意の糖ピラノシド又はフラノシドに基づく誘導体、例えば、アルドヘキソース(例えば、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース及びタロース)、アルドケトース(例えば、psiocose、フルクトース、ソルボース及びtatasose)、アルドペントース(例えば、リボース、アラビノース、キシロース及びリキソース)などもまた、想定されている。D糖さらにはL糖の使用が想定されている。
さらに、ポリアルコール、ポリアミン、ポリカルボン酸などのようなどのような多官能基に基づくどのような他のリンカーも、本発明のマルチマー化合物を調製するために使用できる。
これらの化合物は、溶解を助けるために、塩として調製されても、或いは担体にカプセル化されてもよい。
化学的定義
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「CからC12のアルキル」という用語は、線状及び分岐状の、飽和又は不飽和(例えば、アルケニル、アルキニル)基を表し(不飽和基は、アルキル鎖の炭素原子の数が2以上の場合のみ)、混合構造を含み得る。好ましいのは1から4個の炭素原子を含むアルキル基(CからCのアルキル)である。飽和アルキル基の例には、これらに限らないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、tert−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどが含まれる。アルケニル基の例には、ビニル、アリル、ブテニルなどが含まれる。アルキニル基の例には、エチニル、プロピニルなどが含まれる。同様に、「CからC12のアルキレン」という用語は、1から12個の炭素原子の2価の基を表す。
からC12のアルキル基は、非置換であっても、以下からなる群から選択される1つ又は複数の置換基により置換されていてもよい:ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、オキソ、シクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ナフチル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルヘテロアリールアミノ、アリールヘテロアリールアミノ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、シアノ、スルホニル、スルホニルアミノ、スルフィニル、スルフィニルアミノ、チオール、CからC10のアルキルチオ、アリールチオ、又は、CからC10のアルキルスルホニル基。どの置換基も、非置換であっても、前記のこれら置換基のいずれか1つによりさらに置換されていてもよい。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「CからCのシクロアルキル」という用語は、飽和又は不飽和(例えば、シクロアルケニル、シクロアルキニル)で単環又は多環の任意の基を表す。シクロアルキル基の非限定的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。シクロアルケニル基の例には、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが含まれる。シクロアルキル基は、非置換であっても、或いは、アルキルに対して上で定義された置換基の任意の1つ又は複数により置換されていてもよい。同様に、「シクロアルキレン」という用語は、2価の、上で定義されたシクロアルキルを意味する。この場合は、シクロアルキル基が、2つの別個のさらなる基を連結する2つの位置で結合されている。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「アリール」という用語は、6〜14個の環炭素原子を含む芳香族環系を表す。アリール環は、単環、2環、3環などであり得る。アリール基の非限定的例は、フェニル、ナフチル(1−ナフチル及び2−ナフチルを含めて)などである。アリール基は、非置換であっても、或いは、利用できる炭素原子を通じて、アルキルに対して上で定義された基の1つ又は複数により置換されていてもよい。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「ヘテロアリール」という用語は、窒素、硫黄及び酸素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子の環原子を含む複素芳香族系を表す。ヘテロアリールは5個以上の環原子を含む。ヘテロアリール基は、単環、2環、3環などであり得る。この表現にやはり含まれるのは、ベンゾ複素環である。窒素が環原子である場合、本発明はまた、窒素含有ヘテロアリールのN−オキシドも想定している。ヘテロアリールの非限定的例には、チエニル、ベンゾチエニル、1−ナフトチエニル、チアントレニル、フリル、ベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルボリニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリルなどが含まれる。ヘテロアリール基は、利用できる原子を通じて、アルキルに対して上で定義された1つ又は複数の基により場合によって置換されていてもよい。ヘテロアリール基は、非置換であっても、或いは、利用できる原子を通じて、アルキルに対して上で定義された基の1つ又は複数により置換されていてもよい。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「複素環」又は「ヘテロシクリル」という用語は、1から4個のヘテロ原子を(例えば、酸素、硫黄及び/又は窒素を、特に窒素を、単独で又は硫黄若しくは酸素環原子と一緒に)有する、5員から8員の環を表す。これらの5員から8員の環は、飽和、完全に不飽和又は部分的に不飽和であり得るが、完全に飽和である環が好ましい。好ましい複素環には、ピペリジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、チオピラニル、ピペラジニル、インドリニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニルなどが含まれる。ヘテロシクリル基は、非置換であっても、或いは、利用できる原子を通じて、アルキルに対して上で定義された基の1つ又は複数により置換されていてもよい。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素、及びヨウ素を表す。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「アミノ」という用語は、NH基を表す。本明細書では、「アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ」という用語及びこれらの変異形は、1つ又は2つの置換基(2つの置換基は同じであっても異なっていてもよい)、例えば、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオアルキルなどにより置換されたアミノを表す。これらの置換基は、アルキルに対して上で定義された置換基の任意の1つ又は複数により、さらに置換されていてもよい。さらに、アミノ置換基(例えば、NR9a9b)は、それらが結合している窒素原子と一緒に、上で定義された複素環の任意の1つであり得る複素環を形成していてもよい。
「ヒドロキシ」という用語はOH基を表す。本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「アルコキシ」、「アリールオキシ」、「アリールアルキルオキシ」又は「ヘテロアリールオキシ」という用語は、酸素原子に結合した、任意の上記のアルキル、アリール又はヘテロアリール基を含む。アルコキシ基の非限定的な例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ及び同様の基である。アリールオキシ基の例はフェニルオキシ(フェノキシ)である。アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ又はヘテロアリールオキシ基は、非置換であっても、或いは、アルキルに対して上で定義された置換基の任意の1つ又は複数により置換されていてもよい。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「カルボキシ」という用語は、COO基を表し、さらに、式COOM(Mは金属イオンである)のカルボン酸塩を包含する。「金属イオン」という用語は、ナトリウム、カリウム又はリチウムのようなアルカリ金属イオン、並びに、マグネシウム及びカルシウムのようなアルカリ土類金属イオン、さらには亜鉛及びアルミニウムを表す。
「アシル」という用語は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、ベンゾイルなどのような基を包含する。好ましいアシル基はアセチル及びベンゾイルである。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「チオ」という用語は、SH基を表す。本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「アルキルチオ」、「アリールチオ」又は「アリールアルキルチオ」という用語は、硫黄原子に結合した、任意の上記のアルキル、アリールアルキル又はアリール基を表す。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「スルホニル」という用語は、−S(O)−を表す。本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「スルホニルアミノ」という用語は、−S(O)−NHを表す。「スルフィニル」という用語は、−S(O)−を表す。本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「スルフィニルアミノ」という用語は、−S(O)−NHを表す。本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「オキソ」という用語は、−O−を表す。本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「シアノ」という用語は、CN基を表す。本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「ニトロ」という用語は、NO基を表す。
本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「ポリオキシC〜C12アルキレン」という用語は、オキシC〜C12アルキレン(すなわち、酸素に結合した、上で定義されたC〜C12アルキレン部分)の2つ以上の単位、例えば、構造−O[(CHO]−(mは1から20の整数であり、pは1から12の整数である)により表される化合物を表す。ポリオキシC〜C12アルキレン基の例は、構造−O(CH−CH−O)により表されるポリエチレングリコールである。
同様に、本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「ポリアミノC〜C12アルキレン」という用語は、アミノC〜C12アルキレン(すなわち、NHに結合した、上で定義されたC〜C12アルキレン部分)の2つ以上の単位、例えば、構造−NH[(CHNH]−(mは1から20の整数であり、pは1から12の整数である)により表される化合物を表す。ポリアミノC〜C12アルキレン基の例は、構造−NH(CH−CH−NH)により表されるポリエチレンジアミンである。
同様に、本明細書では、単独で又は他の基の一部として用いられる「ポリチオC〜C12アルキレン」という用語は、チオC〜C12アルキレン(すなわち、硫黄に結合した、上で定義されたC〜C12アルキレン部分)の2つ以上の単位、例えば、構造−S[(CHS]−(mは1から20の整数であり、pは1から12の整数である)により表される化合物を表す。ポリチオC〜C12アルキレン基の例は、構造−S(CH−CH−S)により表される。
「天然及び非天然アミノ酸」(α−アミノ酸)という用語は、天然に産するアミノ酸、及び他の非天然のアミノ酸の両方を、光学活性(D及びL)体、さらにはラセミ誘導体の両方を含めて表す。本明細書において想定されているように、ジャスモネートのカルボキシル基とアミノ酸のアミノ基との間にアミド結合を形成することによって、アミノ酸はジャスモネート誘導体に結合している。天然に産するアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、システイン、プロリン、ヒスチジン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、γ−カルボキシグルタミン酸、アルギニン、オルニチン及びリシンである。非天然のα−アミノ酸の例には、N−メチルアラニン、α−アミノイソ酪酸、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、シトルリン、N−メチル−グリシン、N−メチル−グルタミン酸、ホモシトルリン、ホモプロリン、ホモセリン、ヒドロキシプロリン、ノルロイシン、4−アミノフェニルアラニン、スタチン、ヒドロキシリシン、キヌレニン、3−(2’−ナフチル)アラニン、3−(1’−ナフチル)アラニン、メチオニンスルホン、(t−ブチル)アラニン、(t−ブチル)グリシン、4−ヒドロキシフェニルグリシン、アミノアラニン、フェニルグリシン、ビニルアラニン、プロパルギル−グリシン、1,2,4−トリアゾール−3−アラニン、チロニン、6−ヒドロキシトリプトファン、5−ヒドロキシトリプトファン、3−ヒドロキシキヌレニン、3−アミノチロシン、トリフルオロメチル−アラニン、2−チエニルアラニン、(2−(4−ピリジル)エチル)システイン、3,4−ジメトキシ−フェニルアラニン、3−(2’−チアゾリル)アラニン、イボテン酸、1−アミノ−1−シクロペンタン−カルボン酸、1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸、キスカル酸、3−(トリフルオロメチルフェニル)アラニン、(シクロヘキシル)グリシン、チオヒスチジン、3−メトキシチロシン、エラスタチナール、ノルロイシン、ノルバリン、アロイソロイシン、ホモアルギニン、チオプロリン、デヒドロプロリン、ヒドロキシプロリン、ホモプロリン、α−アミノ−n−酪酸、シクロヘキシルアラニン、2−アミノ−3−フェニル酪酸、β−2−及び3−チエニルアラニン、β−2−及び3−フラニルアラニン、β−2−、3−及び4−ピリジルアラニン、β−(ベンゾチエニル−2−及び3−イル)アラニン、β−(1−及び2−ナフチル)アラニン;セリン、トレオニン又はチロシンのO−アルキル化誘導体;S−アルキル化システイン、S−アルキル化ホモシステイン;チロシンのO−硫酸エステル、O−リン酸エステル及びO−カルボン酸エステル;3−(スルホ)チロシン、3−(カルボキシ)チロシン、3−(ホスホチロシン)、チロシンの4−メタンスルホン酸エステル、チロシンの4−メタンホスホン酸エステル、3,5−ジヨードチロシン、3−ニトロチロシン、ε−アルキルリシン、並びにδ−アルキルオルニチンが含まれる。
前記アミノ酸の2つ以上が、アミド結合により連結して、様々な長さのペプチドを形成できる。2つ以上の天然又は非天然アミノ酸を含むペプチドは、また、本発明のジャスモネート誘導体に組み入れることができる。
本発明の化合物の全ての立体異性体は、混合物、或いは純粋な又は実質的に純粋な形のいずれかとして想定されている。本発明の化合物は、原子のいずれかに不斉中心を有し得る。このため、これらの化合物はエナンチオマー又はジアステレオマーの形として、又はこれらの混合物として存在し得る。本発明は、任意のラセミ体(すなわち、等量の各エナンチオマーを含む混合物)、一方のエナンチオマーを他方より多く含む(enantiomerically enriched)混合物(すなわち、1つのエナンチオマーに富んだ混合物)、純粋なエナンチオマー又はジアステレオマー、或いはこれらの混合物の使用を想定している。キラル中心は、R又はS又はR,S、或いは、d,D、l,L、又はd,l、D,Lとして指定できる。アミノ酸残基を含む化合物は、D−アミノ酸、L−アミノ酸、又はアミノ酸のラセミ誘導体の残基を含む。さらに、本発明の化合物のいくつかは、1つ又は複数の二重結合を含む。本発明は、シス、トランス、E及びZ異性体を含めて、それぞれが現れるたびに独立に、構造及び幾何異性体の全てを包含するものとする。
本発明の1種又は複数の化合物は塩として存在し得る。「塩」という用語は、塩基及び酸付加塩の両方を包含し、これらに限らないが、カルボン酸塩又はアミノ窒素による塩を含み、下に記載される有機及び無機の陰イオン及び陽イオンにより生成される塩を含む。さらに、この用語は、塩基性の基(例えば、アミノ基)と有機又は無機の酸とによる標準的な酸−塩基反応により生成する塩を含む。このような酸には、塩酸、フッ化水素酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、リン酸、酢酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、パルミチン酸、コール酸、パモ酸、粘液酸、D−グルタミン酸、D−ショウノウ酸、グルタル酸、フタル酸、酒石酸、ラウリン酸、ステアリン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ソルビン酸、ピクリン酸、安息香酸、ケイ皮酸、及び同様の酸が含まれる。
「有機又は無機の陽イオン」という用語は、カルボン酸塩のカルボン酸陰イオンに対する対イオンを表す。これらの対イオンは、アルカリ及びアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、アルミニウム及びカルシウム);アンモニウム及びモノ−、ジ−及びトリ−アルキルアミン、例えば、トリメチルアミン、シクロヘキシルアミン;並びに、有機陽イオン、例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、フェニルエチルベンジルアンモニウム、ジベンジルエチレンジアンモニウム、及び同様の陽イオンから選択される。例えば、「医薬塩(Pharmaceutical Salts)」(Berge et al.,J.Pharm.Sci.,66:1−19(1977))(これは参照を通じて本明細書に組み込まれる)を参照。上の用語によって包含される他の陽イオンには、プロカイン、キニン及びN−メチルグルコサミンのプロトン付加体、並びに、塩基性アミノ酸(例えば、グリシン、オルニチン、ヒスチジン、フェニルグリシン、リシン及びアルギニン)のプロトン付加形が含まれる。さらに、カルボン酸とアミノ基により形成される本発明の化合物の双性イオン形もまた想定されている。
本発明はまた、化合物I、II、III、IV及びV、並びにこれらの塩の溶媒和物も含む。「溶媒和物」は、本発明の化合物と1つ又は複数の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合には、水素結合を含めて、様々な度合いのイオン結合及び共有結合が関与する。特定の事例において、溶媒和物は単離できる。「溶媒和物」は、溶液相と単離できる溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例には、エタノール付加物(ethanolate)、メタノール付加物などが含まれる。「水和物」は、溶媒分子が水である溶媒和物である。
本発明はまた、化合物I、II、III、IV及びVの多形、並びにそれらの塩を含む。「多形」という用語は、物質の特定の結晶状態を表し、その状態は、X線回折、IRスペクトル、融点などのような特定の物理的性質によって特徴付けることができる。
治療的使用
本明細書に記載されているように、本発明の化合物は、多様な癌細胞における癌細胞の増殖を抑制できる、効力のある細胞毒性作用剤である。したがって、本発明は、これまでに記載されていない、癌の化学的予防及び処置に対する強力な方法を提供する。
すなわち、一態様において、本発明は、本明細書に記載されているように、癌細胞を、治療に有効な量の本発明の化合物に接触させることを含む、癌細胞の増殖を抑制する方法をさらに提供する。好ましくは、化合物は、構造A1、A2、A3、A4、A5、A6、B1、B2、B3、C1、C2及びC3により表される化合物の1種又は複数である。いくつかの態様において、化合物は医薬組成物の中において投与される。
さらに、本発明は、本明細書に記載されているように、対象に、治療に有効な量の本発明の化合物を投与することを含む、対象の癌の処置方法を提供する。好ましくは、化合物は、構造A1、A2、A3、A4、A5、A6、B1、B2、B3、C1、C2及びC3により表される化合物の1種又は複数である。いくつかの態様において、化合物は医薬組成物として投与される。一態様において、対象は哺乳動物、好ましくはヒトである。しかし、本発明はまた、本発明の化合物をヒトでない哺乳動物に対して、例えば、獣医学において用いることを想定している。
さらに、本発明は、癌の処置に有用な治療薬の調製における、本発明による式I、IIA、IIB、III、IV、V又はVIの化合物の使用に関する。
説明において本願の明細書および特許請求の範囲で、「悪性細胞増殖性疾患又は障害の処置又は抑制」、「非固形癌の処置又は抑制」、「腫瘍の処置又は抑制」が用いられる場合には常に、それらは、腫瘍生成、原発腫瘍、腫瘍の進行又は腫瘍の転移を包含すると想定されていることが理解されるべきである。
癌細胞に関する「増殖の抑制」という用語は、本発明との関連において、対照に比べての細胞の数(壊死、アポトーシス又は他の何らかのタイプの細胞死、或いはこれらの組合せであり得る細胞死による);細胞の成長速度における減少、すなわち、細胞の全数は増加するかもしれないが、対照における増加より低いレベル又は低い速度で増加する;対照との比較で、細胞の全数は変わらないとしても、細胞の浸潤性(例えば、軟寒天アッセイにより求められる)における低下;分化の低い細胞型から一層分化した細胞型への進行;悪性形質転換の減速;或いは、代わりに、1つの段階から次の段階への癌細胞の進行の減速:の少なくとも1つにおける減少を表す。
本発明との関連において、「癌の処置」という用語は、癌の成長速度の低下(すなわち、癌は依然として成長するが、より遅い速度で成長する);癌の成長の成長休止、すなわち、腫瘍成長の静止状態(Stasis):の少なくとも1つを含み、好ましい場合において、腫瘍は縮小するかまたは大きさが減少する。この用語はまた、転移の数の減少、生成される新たな転移の数の減少、1つの段階から別の段階への癌の進行の減速、及び、癌により誘発される血管新生の減少を含む。最も好ましい場合において、腫瘍は全て消え去る。この用語にさらに含まれるのは、処置を受けている対象の生存期間の延長、疾患進行の減速、腫瘍の退行などである。この用語はまた、予防的な状況での、或いは腫瘍にかかり易い個体に対する防止を包含する。本発明の化合物の投与は、個体が疾患にかかる見込みを減少させる。好ましい状況において、本発明の化合物が投与される個体は疾患にかからない。
本明細書では、「投与」という用語は、本発明の化合物に接触させることを表す。投与は、細胞又は組織の培養物、或いは生きている有機体(例えば、ヒト)に対して実施され得る。一態様において、本発明は、本発明の化合物をヒトである対象に投与することを包含する。
「治療的」処置は、病状の徴候を示す対象に、これらの徴候を軽減するか又はなくす目的で施される処置である。本発明の化合物の「治療に有効な量」は、その化合物が投与される対象に有益な効果をもたらすのに十分な化合物の量である。
癌は、癌が生じる組織のタイプ(組織型)及び原発部位、すなわち、癌が最初に発現した身体箇所、による2つのやり方で分類され得る。組織学の分類及び命名の国際標準は、International Classification of Diseases for Oncology,Third Editionである。
組織学の観点から、何百の異なる癌が存在し、これらは5つの主な種類:癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫に分類される。さらに、混合タイプのいくつかの癌もまた存在する。
癌腫は、上皮由来の悪性腫瘍又は身体の内部又は外部ライニング(lining)の癌である。癌腫、上皮組織の悪性腫瘍は、全ての癌の事例の80から90パーセントを占める。上皮組織は、身体の至る所に見出される。それは、皮膚に、さらには、器官及び内部通路(例えば、胃腸管)の被覆及びライニングに存在する。
癌腫は、2つの主なサブタイプ:腺癌(これは、器官又は腺において発現する)及び扁平上皮癌(これは、扁平上皮に生じる)に分けられる。多くの癌腫は、分泌の可能な器官又は腺(例えば、乳を産生する乳房、又は粘液を分泌する肺)、或いは大腸又は前立腺又は膀胱に影響を及ぼす。
腺腫は通常、粘膜において発生し、最初は、厚くなったプラーク様の白色粘膜として観察される。それらは、しばしば、それらが発生する軟部組織に容易に広がる。扁平上皮癌は、身体の多くの部分において発生する。
肉腫は、骨、腱、軟骨、筋肉、及び脂肪組織のような支持及び結合組織に生じる癌を表す。若い成人に通常起こり、最も普通の肉腫は、しばしば、骨の上の痛みのある塊として発現する。肉腫は通常、それらが成長する組織に似ている。
肉腫の例は、骨肉腫(osteosarcoma)、又は骨原性肉腫(骨);軟骨肉腫(軟骨);平滑筋肉腫(平滑筋);横紋筋肉腫(骨格筋);中皮肉腫又は中皮腫(体腔の膜状ライニング);線維肉腫(線維組織);血管肉腫又は血管内皮肉腫(血管);脂肪肉腫(脂肪組織);神経膠腫又は星細胞腫(脳に見出される神経原性結合組織);粘液肉腫(初期胚性(primitive embryonic)結合組織);間葉又は中胚葉性混合腫瘍(混合結合組織型)である。
骨髄腫は、骨髄の形質細胞に生じる癌である。形質細胞は、血中に見出されるタンパク質のいくつかを産生する。
白血病(「非固形腫瘍」又は「血液癌」)は骨髄(血液細胞の産生部位)の癌である。この疾患は、しばしば、未熟な白血球の過剰産生を伴う。白血病はまた赤血球にも影響を及ぼし、不十分な血液凝固、及び貧血による疲労を生じ得る。白血病の例には、以下のものが含まれる骨髄性又は顆粒球性白血病(骨髄及び顆粒白血球系列の悪性腫瘍);リンパ性、又はリンパ球性、又はリンパ芽球性白血病(リンパ系及びリンパ血球系列の悪性腫瘍);真性多血症又は赤血病(様々な血球産生物の悪性腫瘍であるが、主に赤血球の悪性腫瘍)。
リンパ腫は、リンパ系(体液を純化し、感染と戦う白血球、又はリンパ球を産生する管、節、及び器官(特に、脾臓、扁桃腺、及び胸腺)のネットワーク)の腺又は節において発現する。非固形腫瘍と呼ばれることがある白血病と異なり、「リンパ腫」は「固形癌」である。リンパ腫はまた、胃、胸又は脳のような特定の器官でも起こり得る。これらのリンパ腫は節外性リンパ腫と呼ばれる。リンパ腫は、2つの部類:ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫にサブ分類される。ホジキンリンパ腫におけるリード−シュテルンベルク細胞の存在が、ホジキンリンパ腫を非ホジキンリンパ腫から診断上、区別する。
混合タイプの癌は、いくつかのタイプの細胞を含む。複数のタイプ要素は1つの部類内であることも、異なる部類からのものでもあり得る。いくつかの例は:腺扁平上皮癌;中胚葉性混合腫瘍;癌肉腫;奇形癌;である。
本明細書では、「癌」という用語は、癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫及び混合タイプの腫瘍の上記の部類を含む。特に、癌という用語は、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌、肝臓癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移を含む。より詳細には、本明細書では、この用語は、肝細胞癌、血腫、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性骨髄球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)を表す。
より好ましくは、癌は、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、胃癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌、又は甲状腺癌からなる群から選択される。より一層好ましくは、癌は、白血病(リンパ芽球性白血病を含めて)、肺癌、黒色腫、腎臓癌、胃癌及び大腸癌から選択される。
治療薬調製における使用の他の態様において、治療薬は、本発明の化合物以外の少なくとも1種の活性化学療法剤をさらに含む。特定の態様において、本発明の化合物は、特定の癌の処置に効果のある従来の化学療法剤の少なくとも1種と一緒に投与され得る。投与は同時(1つの剤形に一緒にして、或いは別個の剤形として)、又は逐次であり得る。逐次的に投与される場合、ジャスモネート誘導体は、さらなる(複数の)化学療法剤による処置の前、又は後に投与され得る。本発明の化合物と従来の薬剤の組合せにより、従来の薬剤は少ない投薬量で投与され得るので、対象が経験する副作用は顕著に少なく、それにもかかわらず、同時に、化学療法の十分な効果が達成される。
医薬組成物
本発明の複素環式ジャスモネート誘導体は単独で投与され得るが、これらの化合物は、薬学的に許容される担体又は賦形剤と一緒にジャスモネート誘導体を含む医薬組成物として投与されると想定されている。
好ましくは、医薬組成物において、活性成分は任意の許容される脂質担体(例えばミセル又はリポソームを形成する、例えば、脂肪酸、オイル)に溶かされる。脂質担体には、例えば、リン脂質(例えば、レシチン)が含まれる。
さらに、本発明の好ましい態様によれば、前記組成物は少なくとも1種の他の化学療法剤をさらに含む。
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、経皮、非経口(皮下、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮及び筋肉内)、局所、鼻腔内を含めて様々な経路により、坐薬により、又は透析により投与されるように配合できる。このような組成物は、製薬技術においてよく知られたやり方で調製され、活性成分として、本明細書において上に記載された本発明の化合物の少なくとも1種と、薬学的に許容される賦形剤又は担体とを含む。「薬学的に許容される」という用語は、動物、より特定するとヒトに使用されるとして、連邦政府又は州政府の規制機関により承認されたか、或いは、米国薬局方又は他の一般に認知された薬局方のリストに記載されていることを意味する。
本発明による医薬組成物の調製の間に、活性成分は、固体、半固体、又は液体物質であり得る担体又は賦形剤と通常混合される。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、ペレット、顆粒、粉末、ドロップ(lozenge)、サシェ(sachet)、カシェ(cachet)、エリキシル剤、懸濁液、分散体、エマルジョン、溶液、スプレー剤、エアロゾル(固体として、又は液体媒体中)、例えば10重量%までの活性化合物を含む軟膏、ソフト及びハードゼラチンカプセル、坐薬、滅菌注入液、並びに滅菌パッケージ化粉末の形態であり得る。
担体は通常使用されるもののいずれかであってよく、化学−物理的考察(例えば、溶解性、及び本発明の化合物との反応性の欠如)、及び投与経路によってのみ制限される。担体の選択は医薬組成物を投与するのに用いられる個々の方法によって決められる。適切な担体のいくつかの例には、ラクトース、グルコース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、マイクロクリスタリンセルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水及びメチルセルロースが含まれる。他の医薬担体は、滅菌液体(例えば、水)、アルコール(例えばエタノール)、及びオイル(石油、動物、植物又は合成由来のオイル、例えば、ピーナッツオイル、大豆油、ミネラルオイル、ゴマ油などが含まれる)のような脂質担体、リン脂質(例えば、レシチン)、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒であり得る。水は、医薬組成物が静脈内に投与される場合に、好ましい担体である。生理食塩水並びに水性デキストロース及びグリセロール溶液はまた、特に注入可能溶液のための、液体担体として、用いることができる。
配合物はさらに、滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及びミネラルオイル;湿潤剤(wetting agent)、酸化防止剤、界面活性剤、乳化剤及び懸濁剤;保存剤、例えば、メチル−及びプロピルヒドロキシベンゾエート;甘味料;香味剤、着色剤、緩衝剤(例えば、酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩)、崩壊剤、湿分付与剤(moistening agent)、抗菌剤、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム)、キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸)、並びに、張度(tonicity)の調節剤、例えば塩化ナトリウムを含み得る。脂肪酸もまた含めることができる。
錠剤のような固体組成物を調製する場合には、本発明の化合物の均質な混合物を含む固体の予備配合組成物を生成するように、活性主成分が医薬用賦形剤と混合される。これらの予備配合組成物が均質であるという場合、活性成分が組成物全体に一様に分散されているため、その組成物の錠剤、丸剤及びカプセルのような、同等に効果的な単位剤形への再分割を容易に行い得ることを意味する。この場合、この固体予備配合物は、次に、例えば0.1から約500mgの本発明の活性成分を含む、前記のタイプの単位剤形に再分割される。
医薬組成物を調製するために、どのような方法が用いられてもよい。固体剤形は、湿式造粒、乾式造粒、直接圧縮などによって調製できる。
本発明の固体剤形は、持続的な作用による利点を与える剤形が得られるように、コーティングされても、或いは別の仕方で構成されてもよい。例えば、錠剤又は丸剤は、内部投薬成分及び外部投薬成分を含むことができ、後者は前者の外皮(envelope)の形態になっている。2つの成分は、腸溶性の層によって分離でき、この層は、胃における崩壊に耐える役目を果たし、内部成分が十二指腸へと元のまま通過すること、或いは内部成分の放出を遅らせることを可能にする。このような腸溶性の層又はコーティングに、様々な物質が使用でき、このような材料には、多くのポリマー酸、並びに、ポリマー酸と、セラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような物質との混合物が含まれる。
経口投与、又は注入(injection)による投与のために、本発明の組成物が組み入れられ得る液体の形態には、水性溶液、アルコール性溶液、適切に香味を付けたシロップ、水性又は油性の懸濁液、及び食用オイル(例えば、綿実油、ゴマ油、ココナッツオイル、又はピーナッツオイル)による香味付きエマルジョン、さらには、エリキシル剤及び類似の医薬ビヒクルが含まれる。
吸入又は通気のための組成物には、薬学的に許容される水性溶媒又は有機溶媒中の溶液及び懸濁液、或いはこれらの混合体、並びに粉末が含まれる。液体又は固体の組成物は、前記の薬学的に許容される適切な賦形剤を含み得る。好ましくは、組成物は、局所的又は全身的効果のために、口又は鼻の呼吸経路により投与される。好ましくは薬学的に許容される溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によって、霧状にされ得る。霧状になった溶液は、霧状にするデバイスから直接吸い込まれてもよい、或いは、霧状にするデバイスは、フェイスマスクステント(face masks tent)又は間欠的陽圧呼吸機に取り付けられてもよい。溶液、懸濁液、又は粉末組成物は、好ましくは経口で又は経鼻で、適切な仕方で配合物をデリバリーするデバイスから投与され得る。
本発明の方法において用いられる別の配合物は経皮デリバリーデバイス(「パッチ」)を用いる。このような経皮パッチは、調節された量で、本発明の化合物を連続的又は不連続的に持続注入(infusion)するのに使用され得る。薬剤のデリバリーのための経皮パッチの構成及び使用は、当技術分野においてよく知られている。
さらに別の態様において、本発明の組成物は、例えば、軟膏、ゲル、滴薬(drop)又はクリームとして、局所投与のために調製される。例えばクリーム、ゲル、滴薬、軟膏などを用いる身体表面への局所投与では、本発明の化合物は、医薬担体を含むか又は含まない、生理学的に許容される希釈剤に調製され、付けられる。本発明は、癌、例えば黒色腫を処置するために局所に、又は経皮で使用され得る。局所又はゲルベースの形のためのアジュバントには、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び木材ワックスアルコールが含まれ得る。
別の配合には、当技術分野において知られているように、鼻スプレー、リポソーム配合、徐放配合、制御放出配合などが含まれる。
本発明の組成物は、好ましくは、服用単位形態として配合される。「服用単位形態」という用語は、ヒトの患者及び他の動物に対して1つのものとして纏まった投薬として適する物理的に分離した単位を表し、それぞれの単位は、所望の治療効果を生じるように計算された予め決められた量の活性物質を、適切な医薬賦形剤と一緒に含む。
配合物を調製するのに、他の成分と一緒にする前に適切な粒径にするために、活性成分をミル加工する必要があり得る。活性化合物が実質的に不溶である場合、それは通常、200メッシュ未満の粒径までミル加工される。活性成分が実質的に水溶性である場合、粒径は通常、配合物において実質的に均一な分布が得られるように、例えば約40メッシュに、ミル加工により調節される。
本発明の医薬組成物を、処置の必要な部分に局部的に投与することが望ましいことである場合がある。これは、限定ではないが、例えば、手術の間の局部持続注入、局所適用(例えば、手術後の創傷被覆に関連して)によって、注入によって、カテーテルによって、坐薬によって、又はインプラント(このインプラントは、多孔質、非多孔質、又はゼリー状の物質である)によって、達成され得る。いくつかの好ましい態様において、投与は、腫瘍或いは腫瘍性又は前腫瘍性組織の部位での直接注入(例えば注入器による)によるものであり得る。
本発明の化合物はまた、どのような都合のよい経路によっても、例えば、持続注入又はボーラス注入によって、上皮ライニング(例えば、口腔粘膜、直腸及び腸の粘膜など)を通しての吸収によって投与されてもよく、また、他の治療活性剤と一緒に投与されてもよい。投与は局部的であることが好ましいが、全身的であってもよい。さらに、本発明の医薬組成物を、脳室内及び髄腔内への注入を含めて(脳室内への注入は、例えば、容器に取り付けられた脳室内カテーテルによって容易になり得る)、任意の適切な経路によって、中枢神経系に導入することが望ましいことであり得る。肺への投与もまた、例えば、吸入器又はネブライザー、及びエアロゾル化剤を含む配合の使用によって、用いることができる。
本発明の化合物は、速放性又は制御放出システムとして送達され得る。一態様において、持続注入ポンプ(例えば、特定の器官又は腫瘍に化学療法剤をデリバリーするために使用されるもの)が本発明の化合物を投与するために使用され得る(Buchwald et al.,1980,Surgery 88:507;Saudek et al.,1989,N.Engl.J.Med.321:574、を参照)。好ましい形態において、本発明の化合物は、生分解性、生体適合性ポリマーインプラントと組み合わせて投与され、このインプラントは、選択された部位で、制御された期間にわたって本発明の化合物を放出する。好ましいポリマー材料の例には、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリエチレン酢酸ビニル、これらのコポリマー及びブレンドが含まれる(Langer及びWise編の「制御放出の医療への応用(Medical applications of controlled release)」(1974年、CRC Pres.、Boca Raton、フロリダ州)。さらに別の態様において、制御放出システムは、治療標的の近傍に置くことができるので、全身投与用量のほんの一部だけを必要とする。
さらに、時に、本発明の医薬組成物は、非経口投与(皮下、静脈内、動脈内、経皮、腹腔内又は筋肉内注入)のために配合されることもあり、これらの組成物には、水性及び非水性の等張滅菌注入液(酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、及び、意図される受容者の血液と配合物とを等張にする溶質を含み得る)、並びに、水性及び非水性の滅菌懸濁液(懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び保存剤を含む)が含まれる。石油オイル、動物油、植物油、又は合成オイルのようなオイル、脂肪のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びトリエタノールアミン塩のような石鹸、及び適切な洗浄剤もまた非経口投与で使用され得る。前記配合はまた、直接腫瘍内注入にも使用され得る。さらに、注入部位での刺激を最小化するか又はなくすために、組成物は1種又は複数の非イオン性界面活性剤を含み得る。適切な界面活性剤には、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート及びプロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合により生成する疎水性ベースを含むエチレンオキシド高分子量付加物が含まれる。
非経口配合物は、1回用量又は複数用量の密封容器、例えばアンプル及びバイアルとして提供でき、また、使用の直前に、注入のために、滅菌液体担体(例えば、水)の添加だけを必要とする凍結乾燥状態で保存できる。必要に応じて調合される注入溶液及び懸濁液は、当技術分野において知られており、すでに記載された種類の滅菌粉末、顆粒、及び錠剤から調製できる。
別に、本発明のジャスモネート誘導体は、白血球除去(leukophoresis)及び他の関連する方法のような血液透析に使用でき、例えば、血液は、カラム/中空繊維膜、カートリッジなどを通しての透析のような様々な方法により患者から取り出され、ex−vivoでジャスモネート誘導体により処置され、処置の後、患者に戻される。このような処置方法は、よく知られており、当技術分野において記載されている。例えば、Kolho et al.,(J.Med.Virol.1993,40(4):318−21);Ting et al.,(Transplantation,1978,25(1):31−3)を参照;これらの内容は参照を通して全体としてここに組み込まれる。
癌を含めて、特定の障害又は病状の処置に効果のある本発明の化合物の量は、その障害又は病状の特質に応じて決まり、標準的臨床技術によって求めることができる。さらに、最適な投薬範囲を確定することを助けるために、in vitroアッセイが場合によって用いられてもよい。配合物において用いられる正確な用量はまた、投与経路、及び疾患又は障害の重篤度にも依存し、医師の判断及びそれぞれの患者の状況に応じて決定されるべきである。好ましい投薬量は、0.01〜1000mg/体重1kg、より好ましくは0.1mg/kgから100mg/kg、より一層好ましくは1mg/kgから10mg/kgの範囲内であろう。効果のある用量は、in vitro又は動物モデル試験バイオアッセイ又はシステムから導かれる用量−反応曲線から外挿され得る。
本発明において用いられる一般に好ましい医薬組成物は、少なくとも1種のジャスモネート誘導体、アルコール(例えば、エタノール)、リン脂質(例えば、レシチン)、酸化防止剤(例えば、アスコルビル−パルミテート)、プロピレングリコール;及び、アルファトコフェリルポリエチレングリコールを含む。好ましい一態様において、組成物は、
約0.1から約50μg/mlのジャスモネート活性成分、好ましくは、約5μg/ml;
約1〜100μg/mlのエタノール、好ましくは、約20μg/ml;
約1〜100μg/mlのポリプロピレングリコール、好ましくは、約20μg/ml;
約1〜100mg/mlのレシチン、好ましくは、約30mg/ml;
約0.1〜20mg/mlのアスコルビルパルミテート、好ましくは、約1mg/ml、約2mg/ml、約5mg/ml、又は約10mg/ml;及び
約0.1〜20mg/mlのアルファトコフェリルポリエチレングリコール、好ましくは、約0.4mg/ml又は1mg/ml;
を含む。
以下の実施例は、本発明の特定の態様をより完全に例示するために記載される。しかし、それらは、本発明の広い範囲を限定すると決して解釈されるべきでない。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示されている原理の多くの変形形態及び改変形態を容易に創作できる。
材料及び方法
実施例において用いた細胞毒性アッセイ
生細胞の数の減少の測定は、CellTiter 96 Aqueous Non−Radioactive Cell Proliferation Assay(XTT細胞増殖キットアッセイ(Biological industries、Beit−Haemek、イスラエル))により求めた。所定の実験の完了時に、333μg/mlのMTS(テトラゾリウム化合物)+フェナジンメトサルフェート(25μM)を、96ウェルプレートの各ウェルに、37℃で1時間加えておいた。これにより、代謝活性細胞において脱水素酵素がMTSを還元する着色反応が進んだ。MTSの可溶性ホルマザン産物を、CERES 900 HDI ELISAリーダー(Bio−Tek Instruments,Inc、Highland Park、バーモント州)を用いて490nmの波長で測定した。
光学濃度のパーセンテージは、培養物における生細胞の数に正比例する。細胞毒性(%)は次の様にして計算した:[対照細胞のOD−薬剤処理細胞のOD/対照細胞のOD]×100。
(実施例1)
白血病細胞に対するジャスモネート誘導体A1〜A6、B1及びB2の細胞毒性
ジャスモネート誘導体A1〜A6、B1及びB2の細胞毒性を、すでに研究がなされているジャスモネートのジャスモン酸メチル(MJ)のそれと比較した。各化合物の細胞毒性を、Molt−4−ヒト急性リンパ芽球性白血病の細胞系で求めた。
実験の構成
Molt−4リンパ芽球性白血病細胞(1.5×10個/ウェル)を96ウェルプレートに播種し、ジャスモネート誘導体を0.1〜1mMの範囲の濃度で24時間加えておいた。各実験点を3連制で行った。無処理細胞を対照として用いた。試験化合物は、DMSO中100mMの保存液として調製した。希釈は、培養基及びDMSO中で実施し、各ウェルにおける最高のDMSO濃度は0.5%であった。このDMSO濃度は、それ自体では、細胞系のいずれの生存能力に影響を及ぼさなかった。細胞毒性及び光学濃度は前記の通り求めた。
結果
新規誘導体の細胞毒性を、ジャスモン酸メチルのそれと比較した。0.1〜1mMの濃度で実施した第1回スクリーニングにより、いくつかの化合物が、ジャスモン酸メチルより効力があること(図1A及び1B参照−化合物A1、A2、A3、A4、A5及びA6)、また、いくつかの化合物は0.1mMの濃度でも非常に効力があること(化合物A1、A3、A4、A5及びA6)を確認した。
そのため、第2回スクリーニングは、0.01〜0.1mMの一層低い濃度で実施した。図2に示すように、試験した全ての化合物は、ジャスモン酸メチルより効力があり、最も効力のある誘導体は化合物A1、A3、A4及びA6であった。
第3回スクリーニングにおいて、最も効力のある化合物A3及びA4は、ジャスモン酸メチルを顕著に上回る効力があることが示された。化合物の細胞毒性を要約した結果を、図3及び表1に纏める。繰返しのそれぞれを3連制で行った。
表1−様々な濃度のジャスモネート誘導体のMolt−4細胞での細胞毒性(対照と比較した阻害%)
Figure 2009520692
(実施例2)
化合物A3及びA4は癌細胞に対して選択的である
実験の構成
Molt−4(白血病)細胞(2.5×10個/ml)、及び正常な末梢血リンパ球(peripheral blood lymphocyte、PBL、2×10個/ml)を、96ウェルプレートにおいて、様々な濃度のジャスモン酸メチル(MJ−米国特許第6469061号に開示されている)、並びに、0.001、0.01、0.1及び0.5mMの濃度の本発明の化合物A3及びA4の存在下に、1日インキュベートした。いくつかの実験において、PBLは、細胞サイクルの開始を誘発するために、0.8μg/mlの植物凝集素(PHA)+5ng/mlのTPAにより48時間予備インキュベートした。これらの細胞は増殖するので、その点では癌細胞に似ており、比較を一層妥当なものとする。生細胞を表す光学濃度を、前記のようにして求めた。
結果
IC20及びIC50のレベルを次の表2に下に示す。
Figure 2009520692

*約20回繰返し
**A3及びA4、2回繰返し
前に報告されたデータに基づいて、MJはMolt−4細胞に対して細胞毒であり、正常なリンパ球に対してほとんど細胞毒でなかった。化合物A3は、Molt−4細胞に対して毒性である(IC50=0.05mM)ことが見出されたが、正常なリンパ球(−PHA/TPA)に対する毒性は非常に小さかった(IC20=0.03mM、IC50に達しない)。同様に、化合物A4は、Molt−4細胞に対して毒性である(IC50=0.045mM)ことが見出されたが、PHA/TPAを含むか又は含まない正常なリンパ球では、細胞毒性は、(IC20=<0.01〜0.025mM、IC50に達しない、0.5mMまでの濃度を用いて)であった。
図4A及び4Bに示すように、化合物A3及びA4が、正常なリンパ球に実質的に影響を及ぼさないで白血病細胞を殺せる十分な治療許容範囲が存在する。これらの結果から、本発明の化合物が癌細胞に対して選択的細胞毒性作用を及ぼす能力を有し、正常な細胞には実質的に作用しないことが示される。
(実施例3)
白血病細胞に対するジャスモネートオリゴマー誘導体の細胞毒性
新しいMJ−誘導体C1及びC2を、3種の癌細胞系で細胞毒性について試験した。
A)Molt−4−ヒト急性リンパ芽球性白血病細胞系
B)CT26−ネズミ(murine)大腸癌細胞系
C)MCF7−ヒト乳腺癌細胞系
新しい誘導体は、健康なドナーから得られた正常なリンパ球(PBL)でも試験した。実験の構成、さらには様々な細胞系について得たIC50値を下に列挙する。
実験の構成
単核細胞は、Ficoll−Hypaque密度勾配遠心によって健康なドナーの末梢血から分離した。単核細胞は、マクロファージを除去するために、プラスチック皿に付着させた。細胞密度は次の通りであった:96ウェルプレートのウェルに播種したMolt−4(ウェル当たり100μL中、2.5×10個の細胞)、CT26(ウェル当たり100μL中、5×10個の細胞)、MCF7(ウェル当たり100μL中、5×10個の細胞)及びPBL(ウェル当たり100μL中、1.5×10個の細胞)。付着細胞(CT26及びMCF7)は、一夜付着させた。
MJ誘導体は、0.005〜0.5mMの範囲の濃度で、24時間加えておいた。各実験点は3連制で実施した。無処理細胞を対照として用いた。MJ誘導体は、前記のように保存溶液として調製した。
結果
様々な細胞系に対するIC50値を、化合物C1及びC2について下の表3に示す。化合物C3は溶けなかった。
Figure 2009520692
(実施例4)
ジャスモネート誘導体化合物B3の選択性
化合物B3の細胞毒性を、1)Molt4細胞(形質転換細胞のin vitroモデル)、2)PBL(正常細胞のex vivoモデル)、及び3)PBL CLL−慢性リンパ球性白血病患者から捕集した末梢血リンパ球(ex vivo形質転換細胞のex vivoモデル)で評価した。
実験の構成
単核細胞は、健康なドナーの末梢血から分離し、前記の通り処理した。非付着性PBLは、PHA及びTPAなしに予備インキュベートした。Molt−4及びPBL細胞は、前記の通り、96ウェルプレートに播種した。
化合物B3は、0.00025〜1mMの範囲の濃度で24時間加えておいた。各実験の繰返しの回数はnによって示す。無処理細胞を対照として用いた。化合物3Bは、100%DMSO中、100mMの保存液として調製し、媒体への希釈物は前記の通り調製した。光学密度及び細胞毒性のパーセンテージは前記の通り求めた。
図5に示すように、試験した様々な試験濃度で、化合物B3は癌細胞に対して選択的細胞毒性を示す。表4は、様々な細胞培養において50%の細胞毒性のために必要とされる化合物B3の濃度(mM)(IC50)を列挙する。
Figure 2009520692

MDA*−(MDA−MB−231)
結論
化合物B3は、感受性細胞系Molt−4で0.07mMのIC50を有する。次いで最も感受性の細胞は、CLL患者に由来するPBLであった。
これらの結果から、正常な細胞に実質的に作用することなく、癌細胞に対して選択的細胞毒作用を及ぼす化合物B3の能力が示される。
(実施例5)
Molt−4細胞系に対する化合物B3の様々なバッチの細胞毒性
化合物の様々なバッチを比較することにより、全ての調製物がMolt−4に同じ細胞毒性を有することが明らかになった。Molt−4細胞でのB3のIC50値は、平均で0.06mMであった。様々な細胞系での細胞毒性の評価には、B3−IVを用いた。
Figure 2009520692
(実施例6)
ex vivo及びin vivoのモデル系におけるジャスモネート誘導体の効果
ジャスモネート誘導体の効果を、健康なドナー及びCLL患者からの血液でex−vivoに、また、いくつかのマウス癌モデル(B16、CT26、及びEL4)のマウスへのIV及びPO投与によってin−vivoモデル系で調べた。
化合物は、下の表6に要約するように、医薬組成物として投与する。処方Iは現在好ましい処方である。
Figure 2009520692

EtOH −アルコール
PG −プロピレングリコール
PC −レシチン
AAP −アスコルビル−パルミテート
α−TPh −アルファトコフェリルポリエチレングリコール
(実施例7)
ATP減少へのジャスモン酸メチル及び化合物B3の効果
ATPレベル減少へのジャスモン酸メチル及び化合物B3の効果を、ATPキット及びルミノメーター(CellTiter−Gloルミネセンス、細胞生存性アッセイ、Promega、カタログ番号G7571、Ref.)を用いて、Molt4細胞系で調べた。
細胞調製:細胞(Molt4)を、96ウェル不透明壁プレートに播種した。細胞数(100μL/ウェルの容積中)は、5×10個の細胞/ウェルであった。対照ウェルは細胞なしで100μLの媒体を含んでいた(バックグラウンドルミネセンス)。インキュベーションは、37℃、6%COで、次の培養基を用いて実施した:RPMI 1640、10%のFCS、2mMのL−グルタミン、及び200U/mlのペニシリン+200μg/mlのストレプトマイシン或いは同等のもの。細胞生存性アッセイのために、細胞は、ジャスモン酸メチル又は本発明のいくつかのジャスモネート誘導体の存在下に(0.05〜4mMで)又は不在下に12分〜24時間インキュベートした。
試薬調製:CellTiter−Glo(登録商標)緩衝液及び凍結乾燥した基質を解凍し、室温で平衡状態にした。渦生成により緩衝液を基質と1分間混合した。
処理:ジャスモン酸メチルを、100%エタノール中、500mMの保存液として調製した。希釈は培養基で実施した。各希釈物でエタノールを同濃度(10%)に保ち、各ウェルにおけるエタノールの最終濃度は0.6%となった。このエタノール濃度はそれ自体で、Molt−4細胞系の生存性に影響を及ぼさなかった。DMSO中の化合物B3の保存溶液は前記の通り調製した。化合物B3は同一容積、すなわち6μLを各ウェルに加え、適切な最終濃度(0.05、0.1、0.25、0.5、1、2、3、4mM)とした。各実験点はn回実施する。表5は、化合物B3及びジャスモン酸メチルについて、こうして得たIC50値を列挙する。
プレートは室温[25℃]で30分間平衡状態に置いた。ATP標準曲線は、培養基中に1μMのATPを調製することによって作成した。10回の連続希釈を培養基で行った[1μM〜10nM]。100μLを各ウェルに移した。100μLの容積のCellTiter−Glo(登録商標)試薬を(細胞の入った又は入っていない)各ウェルに加えた。細胞溶解を引き起こすためにオービタルシェーカーで内容物を2分間混合した。ルミネセンス信号を安定化させるために、Luminoskanの中で、プレートを25℃で10分間インキュベートした。結果は、2000ミリ秒の積分時間/ウェル及びブランク時間5%で、Recordルミネセンス[Thermo−Luminoskan Ascent]又は同等のものにより読み取った。各実験は3回実施した。細胞毒性パーセントは前記の通りに求めた。
結果は、図7及び表7に示す。示すように、1時間の暴露でATPの減少を引き起こすIC50は、ジャスモン酸メチルのそれに似ていた。化合物B3とMolt−4の24時間のインキュベーションで細胞毒性を生じるIC50は、ATPの減少及びジャスモン酸メチルの細胞毒性に比べて10倍小さかった。如何なる特定の説又は理論に拘束されることなく、ATPの減少は、細胞毒性への化合物B3の作用の付加的な経路であり得ると想定される。
Figure 2009520692
(実施例8)
合成
ジャスモン酸メチルはAldrichから購入した。
化合物C3
Figure 2009520692
グルコース(144mg、0.799mmol)のピリジン(5mL)溶液に撹拌しながら、アルゴン雰囲気下に0℃で、ジャスモニルクロリド(1.3g、5.70mmol)の乾燥CHCl(10mL)溶液を滴下して加え、反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、室温まで昇温させ、さらに12時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcにより希釈し、飽和NaHCO水溶液(×2)により洗った。有機層を塩水により洗い、NaSOで乾燥し、真空濃縮した。残留物を、Sephadex LH20(CHCl/メタノール 1:1)により精製して、茶色味を帯びたオイルとして化合物C3を得た(379mg、36%)。
本発明の特定の態様が例示され説明されたが、本発明は本明細書に記載された態様に限定されないことは明らかであろう。上記特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多数の改変、変更、変形形態、置換及び等価物が、当業者には明らかであろう。
化合物B3
ジャスモン酸(80mg、0.381mmol)、触媒量のDMAP及び化合物1(77mg、0.393mmol)の乾燥CHCl(10mL)溶液に撹拌しながら、アルゴン雰囲気下に0℃で、EDCI(109mg、0.571mmol)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌して、室温まで昇温させ、次いで、さらに12時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO水溶液(2×20mL)に注ぎ、CHCl(×3)により抽出した。合わせた有機層を塩水により洗い、NaSOで乾燥し、真空濃縮した。残留物をVLC(EtOAc/石油エーテル 1:9)により精製して、無色のオイルとして化合物10を得た(91mg、62%)。
Figure 2009520692
本発明の特定の態様が例示され説明されたが、本発明は本明細書に記載された態様に限定されないことは明らかであろう。上記特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多数の改変、変更、変形形態、置換及び等価物が、当業者には明らかであろう。
リンパ芽球性白血病細胞系(Molt−4)における、本発明のいくつかの化合物(化合物A1、A3及びB1)の濃度増加(0.01〜1mM)による細胞毒性を示す。細胞毒性(%)が化合物濃度に対してプロットされている。特定の化合物についての繰返し実験は、添字、−01、−02などにより示されている。ジャスモン酸メチル(MJ)が対照として用いられている。 リンパ芽球性白血病細胞系(Molt−4)における、本発明のいくつかの化合物(化合物A2、A4、A5、A6、B1及びB2)の濃度増加(0.01〜1mM)による細胞毒性を示す。細胞毒性(%)が化合物濃度に対してプロットされている。特定の化合物についての繰返し実験は、添字、−01、−02などにより示されている。ジャスモン酸メチル(MJ)が対照として用いられている。 リンパ芽球性白血病細胞系(Molt−4)における、本発明のいくつかの化合物の低濃度(0.01〜0.1mM)での細胞毒性を示す。細胞毒性(%)が化合物濃度に対してプロットされている。ジャスモン酸メチル(MJ)及びジヒドロメチルジャスモネート(Deh)が対照として用いられている。 Molt4細胞に対する、MJ、A3−01、A3−02、A3−03及びA4の低濃度(0.01〜0.1mM)での細胞毒性を示す。それぞれを3連制で、2回繰返した。細胞毒性(%)が化合物濃度に対してプロットされている。ジャスモン酸メチル(MJ)が対照として用いられている。全ての化合物はMJより細胞毒性が強い。 化合物A3の効果の、正常なリンパ球(PBL)vs.白血病細胞(Molt−4)の比較を示す。PBLはPHA及びTPAを含めて又は含めないでインキュベートした。 化合物A4の効果の、正常なリンパ球(PBL)vs.白血病細胞(Molt−4)の比較を示す。PBLはPHA及びTPAを含めて又は含めないでインキュベートした。 リンパ芽球性白血病細胞(Molt−4)、慢性リンパ球性白血病細胞(CLL)及び末梢血白血球(PBL)を含めて、いくつかの細胞系における、化合物B3の濃度増加(0.0025〜0.5mM)による細胞毒性を示す。細胞はPHA/TPAなしで成長させた。細胞毒性(%)が化合物B3の濃度に対してプロットされている。 リンパ芽球性白血病細胞(Molt−4)、慢性リンパ球性白血病細胞(CLL)及び末梢血白血球(PBL)を含めて、いくつかの細胞系における、ジャスモン酸メチル(MJ)の濃度増加(0.0025〜0.5mM)による細胞毒性を示す。細胞はPHA/TPAなしで成長させた。細胞毒性(%)がジャスモン酸メチル(MJ)の濃度に対してプロットされている。 様々な濃度の化合物B3及びジャスモン酸メチル(MJ)による、1時間でのMolt−4細胞系におけるATPレベルの減少を示す。ATPの減少(%)がB3及びジャスモン酸メチル(MJ)の濃度に対してプロットされている。 化合物B3の様々なバッチ及びジャスモン酸メチル(MJ)の1つのバッチの、Molt−4細胞に対する細胞毒性を示す。細胞毒性(%)が、様々なB3のバッチ及び1つのジャスモン酸メチル(MJ)のバッチの様々な濃度に対してプロットされている。

Claims (102)

  1. 式Iの構造により表される化合物(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む):
    Figure 2009520692

    [式中、
    nは、0、1、又は2であり;
    は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、天然又は非天然アミノ酸、ペプチド、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、NR9a9b、NHCOR10及びNHSO11からなる群から選択され;
    、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    とC10との間の結合は、単結合又は二重結合であってよく;また
    、R9a、R9b、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい]。
  2. がOHである、請求項1に記載の化合物。
  3. がOCHである、請求項1に記載の化合物。
  4. がNR9a9bである、請求項1に記載の化合物。
  5. 9aが水素であり、R9bが、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、及び非置換又は置換ヘテロアリールからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
  6. 9a及びR9bが、これらが結合している窒素と一緒に、非置換又は置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成している、請求項4に記載の化合物。
  7. が、アリール、NR9a9b、NHCOR10及びNHSO11からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. がフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  9. がNHCOR10であり、R10は、アリール又はヘテロアリールにより置換されたC〜C12アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  10. とC10との間の結合が単結合であり、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素である、請求項1に記載の化合物。
  11. 前記化合物が、
    Figure 2009520692

    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  12. 薬学的に許容される担体、及び活性成分として請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
  13. 経口投与に適する形態である、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 経口、非経口、経皮、局所、又は直腸投与、吸入による投与、坐薬による投与、又は透析による投与に適する形態である、請求項12に記載の医薬組成物。
  15. 癌細胞に、治療に有効な量の請求項1に記載の化合物を接触させることを含む、癌細胞の増殖を抑制するための方法。
  16. 前記癌が哺乳動物の癌である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記哺乳動物がヒトである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記癌が、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌、肝臓癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  19. 前記癌が、肝細胞癌、肝癌、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性骨髄球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、胃癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌又は甲状腺癌からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  21. 前記癌が、白血病(リンパ芽球性白血病が含まれる)、肺癌、黒色腫、腎臓癌、胃癌、及び大腸癌から選択される、請求項18に記載の方法。
  22. 対象に、治療に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、対象における癌を処置する方法。
  23. 対象が哺乳動物である、請求項22に記載の方法。
  24. 対象がヒトである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記癌が、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌、肝臓癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  26. 前記癌が、肝細胞癌、肝癌、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性骨髄球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  27. 前記癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、胃癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌又は甲状腺癌からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  28. 前記癌が、白血病(リンパ芽球性白血病が含まれる)、肺癌、黒色腫、腎臓癌、胃癌、及び大腸癌から選択される、請求項22に記載の方法。
  29. 癌の処置に有用な治療薬の調製における式Iの化合物(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)の使用:
    Figure 2009520692

    [式中、
    nは、0、1、又は2であり;
    は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、天然又は非天然アミノ酸、ペプチド、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、NR9a9b、NHCOR10及びNHSO11からなる群から選択され;
    、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    とC10との間の結合は、単結合又は二重結合であってよく;また
    、R9a、R9b、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい]。
  30. 式IIAの構造により表される化合物(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む):
    Figure 2009520692

    [式中、
    nは、現れるたびに独立に、0、1、又は2であり;
    は、次の式:
    Figure 2009520692

    の基であり;
    は、現れるたびに独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
    、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    とC10との間の結合は、現れるたびに独立に、単結合又は二重結合であってよく;また
    、R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい]。
  31. がオキソである、請求項30に記載の化合物。
  32. とC10との間の結合が二重結合であり、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素である、請求項30に記載の化合物。
  33. 式IIIの構造:
    Figure 2009520692

    により表される、請求項30に記載の化合物。
  34. 式B3の構造:
    Figure 2009520692

    により表される、請求項30に記載の化合物。
  35. 薬学的に許容される担体、及び活性成分として請求項30に記載の化合物を含む医薬組成物。
  36. 前記組成物が経口投与に適する形態である、請求項35に記載の医薬組成物。
  37. 前記組成物が経口、非経口、経皮、局所、又は直腸投与、吸入による投与、坐薬による投与、又は透析による投与に適する形態である、請求項35に記載の医薬組成物。
  38. 癌細胞に、治療に有効な量の請求項30に記載の化合物を接触させることを含む、癌細胞の増殖を抑制するための方法。
  39. 前記癌が哺乳動物の癌である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記哺乳動物がヒトである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記癌が、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌、肝臓癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
  42. 前記癌が、肝細胞癌、肝癌、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性骨髄球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
  43. 前記癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、胃癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌又は甲状腺癌からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
  44. 前記癌が、白血病(リンパ芽球性白血病が含まれる)、肺癌、黒色腫、腎臓癌、胃癌、及び大腸癌から選択される、請求項38に記載の方法。
  45. 対象に、治療に有効な量の請求項30に記載の化合物を投与することを含む、対象における癌を処置する方法。
  46. 対象が哺乳動物である、請求項45に記載の方法。
  47. 対象がヒトである、請求項46に記載の方法。
  48. 前記癌が、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌、肝臓癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移からなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
  49. 前記癌が、肝細胞癌、肝癌、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性骨髄球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)からなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
  50. 前記癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、胃癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌又は甲状腺癌からなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
  51. 前記癌が、白血病(リンパ芽球性白血病が含まれる)、肺癌、黒色腫、腎臓癌、胃癌、及び大腸癌から選択される、請求項45に記載の方法。
  52. 癌の処置に有用な治療薬の調製における式IIAの化合物(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)の使用:
    Figure 2009520692

    [式中、
    nは、現れるたびに独立に、0、1、又は2であり;
    は、次の式:
    Figure 2009520692

    の基であり;
    は、現れるたびに独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
    、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    とC10との間の結合は、現れるたびに独立に、単結合又は二重結合であってよく;また
    、R9a、R9bは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい]。
  53. 薬学的に許容される担体、及び活性成分として構造式IIBの化合物(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む):
    Figure 2009520692

    [式中、
    nは、0、1、又は2であり;
    は、天然若しくは非天然アミノ酸又はペプチドであり;
    は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
    、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    とC10との間の結合は、単結合又は二重結合であってよく;また
    、R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい]
    を含む、癌の処置に有用な医薬組成物。
  54. 前記アミノ酸がロイシン及びトリプトファンからなる群から選択される、請求項53に記載の医薬組成物。
  55. がオキソである、請求項53に記載の医薬組成物。
  56. とC10との間の結合が二重結合であり、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素である、請求項53に記載の医薬組成物。
  57. 前記活性成分が、式IIIの構造:
    Figure 2009520692

    により表される、請求項53に記載の医薬組成物。
  58. 前記活性成分が式B1又はB2の構造:
    Figure 2009520692

    により表される、請求項53に記載の医薬組成物。
  59. 前記組成物が経口、非経口、経皮、局所、又は直腸投与、吸入による投与、坐薬による投与、又は透析による投与に適する形態である、請求項53に記載の医薬組成物。
  60. 癌細胞に、請求項53に記載の医薬組成物を接触させることを含む、癌細胞の増殖を抑制するための方法。
  61. 前記癌が哺乳動物の癌である、請求項60に記載の方法。
  62. 前記哺乳動物がヒトである、請求項61に記載の方法。
  63. 前記癌が、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌、肝臓癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移からなる群から選択される、請求項60に記載の方法。
  64. 前記癌が、肝細胞癌、肝癌、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性骨髄球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)からなる群から選択される、請求項63に記載の方法。
  65. 前記癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、胃癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌又は甲状腺癌からなる群から選択される、請求項63に記載の方法。
  66. 前記癌が、白血病(リンパ芽球性白血病が含まれる)、肺癌、黒色腫、腎臓癌、胃癌、及び大腸癌から選択される、請求項63に記載の方法。
  67. 対象に、請求項53に記載の医薬組成物を投与することを含む、対象における癌を処置する方法。
  68. 対象が哺乳動物である、請求項67に記載の方法。
  69. 対象がヒトである、請求項68に記載の方法。
  70. 前記癌が、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌、肝臓癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移からなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
  71. 前記癌が、肝細胞癌、肝癌、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性骨髄球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)からなる群から選択される、請求項70に記載の方法。
  72. 前記癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、胃癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌又は甲状腺癌からなる群から選択される、請求項70に記載の方法。
  73. 前記癌が、白血病(リンパ芽球性白血病が含まれる)、肺癌、黒色腫、腎臓癌、胃癌、及び大腸癌から選択される、請求項70に記載の方法。
  74. 癌の処置に有用な治療薬の調製における式IIBの化合物(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)の使用:
    Figure 2009520692

    [式中、
    nは、0、1、又は2であり;
    は、天然若しくは非天然アミノ酸又はペプチドであり;
    は、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
    、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    とC10との間の結合は、単結合又は二重結合であってよく;また
    、R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい]。
  75. 式IVの構造により表される化合物(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む):
    Figure 2009520692

    [式中、
    nは、現れるたびに独立に、0、1、又は2であり;
    pは2、3、4、5又は6であり;
    は、−O−、ポリオキシC〜C12アルキレン及び糖部分からなる群から選択されるリンカーであり;
    は、現れるたびに独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
    、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    とC10との間の結合は、現れるたびに独立に、単結合又は二重結合であってよく;また
    、R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい]。
  76. が−O−であり、pが2である、請求項75に記載の化合物。
  77. が、−O(CH−CH−O)−(mは1から20の整数である)であり、pが2である、請求項75に記載の化合物。
  78. が糖部分である、請求項75に記載の化合物。
  79. がオキソである、請求項75に記載の化合物。
  80. とC10との間の結合が二重結合であり、R、R、R、R及びRがそれぞれ水素である、請求項75に記載の化合物。
  81. 式Vの構造:
    Figure 2009520692

    により表される、請求項75に記載の化合物。
  82. 式C1又はC2の構造:
    Figure 2009520692

    により表される、請求項81に記載の化合物。
  83. 式VIの構造:
    Figure 2009520692

    [式中、
    Rは次の式:
    Figure 2009520692

    により表され、
    式中、R、R、R、R、R及びRの各々は上で定義された通りである]
    により表される、請求項75に記載の化合物。
  84. Rが、次の式:
    Figure 2009520692

    の基である、請求項83に記載の化合物。
  85. 薬学的に許容される担体、及び活性成分として請求項75に記載の化合物を含む医薬組成物。
  86. 組成物が経口投与に適する形態である、請求項85に記載の医薬組成物。
  87. 組成物が経口、非経口、経皮、局所、又は直腸投与、吸入による投与、坐薬による投与、又は透析による投与に適する形態である、請求項85に記載の医薬組成物。
  88. 癌細胞に、治療に有効な量の請求項75に記載の化合物を接触させることを含む、癌細胞の増殖を抑制するための方法。
  89. 癌が哺乳動物の癌である、請求項88に記載の方法。
  90. 哺乳動物がヒトである、請求項89に記載の方法。
  91. 癌が、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌、肝臓癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移からなる群から選択される、請求項88に記載の方法。
  92. 癌が、肝細胞癌、肝癌、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性骨髄球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)からなる群から選択される、請求項88に記載の方法。
  93. 癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、胃癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌又は甲状腺癌からなる群から選択される、請求項88に記載の方法。
  94. 癌が、白血病(リンパ芽球性白血病が含まれる)、肺癌、黒色腫、腎臓癌、胃癌、及び大腸癌から選択される、請求項88に記載の方法。
  95. 対象に、治療に有効な量の請求項75に記載の化合物を投与することを含む、対象における癌を処置する方法。
  96. 対象が哺乳動物である、請求項95に記載の方法。
  97. 対象がヒトである、請求項96に記載の方法。
  98. 癌が、リンパ増殖性疾患、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、子宮体癌、骨癌、肝臓癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部癌、中枢神経系の癌、末梢神経系の癌、皮膚癌、腎臓癌、さらにはこれらの全ての転移からなる群から選択される、請求項95に記載の方法。
  99. 癌が、肝細胞癌、肝癌、肝芽腫、横紋筋肉腫、食道癌、甲状腺癌、神経節芽腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋皮肉腫、浸潤性乳管癌、乳頭腺癌、黒色腫、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌(高分化、中分化、低分化又は未分化)、腎細胞癌、副腎腫、副腎様腺癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌(小細胞、非小細胞及び大細胞肺癌が含まれる)、膀胱癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、網膜芽細胞腫、神経芽腫、大腸癌、直腸癌、造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性骨髄球性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞白血病、多発性骨髄腫、脊髄リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含めて、全てのタイプの白血病及びリンパ腫が含まれる)からなる群から選択される、請求項95に記載の方法。
  100. 癌が、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、リンパ腫、骨髄腫、白血病、頭頸部癌、腎臓癌、胃癌、卵巣癌、骨癌、肝臓癌又は甲状腺癌からなる群から選択される、請求項95に記載の方法。
  101. 癌が、白血病(リンパ芽球性白血病が含まれる)、肺癌、黒色腫、腎臓癌、胃癌、及び大腸癌から選択される、請求項95に記載の方法。
  102. 癌の処置に有用な治療薬の調製における式IVの化合物(塩、水和物、溶媒和物、多形、光学異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びこれらの混合物を含む)の使用:
    Figure 2009520692

    [式中、
    nは、現れるたびに独立に、0、1、又は2であり;
    pは2、3、4、5又は6であり;
    は、−O−、ポリオキシC〜C12アルキレン及び糖部分からなる群から選択されるリンカーであり;
    は、現れるたびに独立に、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR、オキソ及びNR9a9bからなる群から選択され;
    、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、OR及びNR9a9bからなる群から選択され;
    とC10との間の結合は、現れるたびに独立に、単結合又は二重結合であってよく;また
    、R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、現れるたびに、水素、非置換又は置換C〜C12アルキル、非置換又は置換C〜Cシクロアルキル、非置換又は置換アリール、非置換又は置換ヘテロアリール、グルコシルからなる群から選択されるか、或いは、R9a及びR9bは、これらが結合している窒素と一緒に、非置換若しくは置換複素環又は複素芳香族環(O、N及びSから選択される1つ又は複数のさらなるヘテロ原子を場合によって含む)を形成していてもよい]。
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