JP2004524044A - 制限部位タグ付きマイクロアレイを用いたハイスループットゲノム解析方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、複雑な微生物系を含めた複雑な生物系に由来するゲノム材料の新規で独特なハイスループット解析用技術を提供する。本発明は、制限部位タグ付き(RST)マイクロアレイ及び配列パスポーティング技術(特に、NotIクローンを含むマイクロアレイ)を用いて、ゲノム材料における変化を検出する方法にも関する。本発明の方法を使用して、特定の対立遺伝子のメチル化又はサイレンシング、同型接合欠失及び半接合欠失、後成的因子、遺伝的素因など、癌疾患の診断及び治療に特に有用な情報を検出することができる。本発明によるRSTマイクロアレイ及びパスポーティングは、複雑な微生物系の定性的解析及び定量的解析に使用することもできる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の対立遺伝子のメチル化又はサイレンシング、同型接合欠失、半接合欠失、後成的因子、遺伝的素因など、癌疾患の診断及び治療に特に有用な情報の検出に使用できる、制限部位タグ付き(RST)マイクロアレイ及びパスポーティング(Passporting)技術を用いたゲノム材料の変化を検出する方法に関する。本発明によるRSTマイクロアレイ及びパスポーティングは、複雑な微生物系の定性的解析及び定量的解析に使用することもできる。
【背景技術】
【0002】
ゲノムのサブトラクティブ法は、基本的に、腫瘍抑制遺伝子を含めた疾患遺伝子の同定に極めて有用である。しかし、提案された多数の技術のうち発現差解析法(Representational Difference Analysis)(RDA、Lisitsyn等、1993)及びRFLPサブトラクション(制限酵素断片長多型)(Rosenberg等、1994)と称するゲノムサブトラクションの変法のみが、欠失配列を再現性良くクローニングするのに成功した。3つの主要な欠点により、これら関係する方法の広範な使用が制限された。すなわち、どちらの方法も極めて複雑かつ面倒で微量の不純物に極めて敏感であり、実験はわずか数個の欠失配列をクローニングするだけに終わる。CpG島と無関係な酵素でのみこれらの方法が良好に働くことに留意することが重要である。メチル化に感受性がある発現差解析(MS−RDA、Ushijima等、1997)は、より具体的な目的を有し、すなわち、これはCpG島で働くが、元のRDAの制限からは依然として逃れることができない。また、示差的にクローン化した産物は、通常、遺伝子とは何の関係もない。機能的でない領域の欠失はヒトゲノムでは頻繁に起こり、このようなセグメントのクローニングが貴重な情報を生み出すことはない(Lisitsyn等、1995)。RDAは、点突然変異、少量の欠失又は挿入による差異を、これらが特定の制限酵素認識部位に影響を及ぼさない限り、検出することもできない。別なアーチファクト源は、最初のハイブリダイゼーション段階後でヌクレアーゼ処置前のPCR増幅である。ドライバーDNAが過剰に存在すると、残余のドライバー:ドライバー及びドライバー:テスター二重鎖が競合相手として作用する可能性があるため、テスター:テスター二重鎖の増幅効率が低下する結果となる可能性がある。RDAは、主として所望の産物の特異的PCR増幅に基づき、多数のサイクル(95〜110)を要するので、増幅産物の指数関数的な蓄積速度の低下を特徴とする「平坦効果」を受ける(Innins及びGelfand、1990)。しかし、主要な問題は、この方法で使用される複数の制限消化及び連結反応が非能率的であることに起因し、偽陽性の発生をもたらす。
【0003】
腫瘍において遺伝子の変化が存在することは現在一般に受け入れられており、腫瘍の非可逆的な性質を説明している。しかし、組織分化についての観察から、それが発癌、すなわち「後成的な」変化と何か共有するものがあることが示された。現在、CpG部位のDNAメチル化は、組織分化において正確に調節されていることが知られており、哺乳動物細胞における遺伝子発現の制御に鍵となる役割を演じていると考えられている。このプロセスに関与する酵素はDNAメチルトランスフェラーゼであり、これはS−アデノシルメチオニンからシトシン残基へのメチル基の転移を触媒して、ほとんどがゲノムのCpG部位に見られる修飾塩基である5−メチルシトシンを形成する。遺伝子のプロモーター領域にメチル化されたCpG島が存在すると、それらの発現を抑制することができる。このプロセスは、転写因子又は他のDNA結合タンパク質の結合を外見上妨害して転写を阻止する5−メチルシトシンが存在するためかもしれない。DNAのメチル化は、ヒストンの脱アセチル化及びクロマチン構造に関係し、DNAメチル化の調節酵素がクローン化されている。
【0004】
様々なタイプの腫瘍では、プロモーター領域中のCpG島の異常な又は偶発的なメチル化は、癌に関係する多数の遺伝子で観測され、それらの発現をサイレンシングすることになる。関与する遺伝子は、腫瘍抑制遺伝子、転移及び血管形成を抑制する遺伝子、DNAを修復する遺伝子などであり、後成学が腫瘍形成に重要な役割を果たしていることが示唆される。DNAメチル化の強力で特異的なインヒビターである5−アザ−2−デオキシシチジン(5−AZA−CdR)は、ヒト腫瘍細胞系中のこれらほとんどの悪性抑制遺伝子の発現を再活性化することが示された。これらの遺伝子は癌患者においてDNAメチル化のインヒビターを用いた化学療法の興味深い標的となり、腫瘍形成におけるこの後成的な機序の重要性を明らかにするのに役立つ可能性がある。悪性腫瘍の自発的な退行は研究者をひきつけたものであったが、高メチル化によって不活化された遺伝子が、自発的な退行を比較的頻繁にみせる腫瘍に関与することが多いことが現在認められている。いくつかの発癌物質の発癌機序は、後成的なスイッチの変更を伴うと考えられ、いくつかの食餌性因子もスイッチを変更させる可能性がある。
【0005】
総説論文によれば、哺乳動物細胞においてメチル化は基本的で極めて重要な特徴/機序であることが明らかである。これは、遺伝性の体細胞の癌、遺伝性の体細胞の疾患、アポトーシス、複製、組換え、温度制御、免疫応答、突然変異率(すなわち、p53における)に関与している。食物はメチル化を通して癌などを誘発することがあり、メチル化は、癌の診断、予後、予測、及び直接の治療にさえも使用できると考えられる。DNAメチルトランスフェラーゼの不活化はマウスでは致命的である。DNAメチル化の役割に対する理解が進み、それをもとに、DNAメチル化の変化をゲノム全体にわたって探索するいくつかの新しい方法が開発された。
【0006】
ヒトゲノムにおけるメチル化を試験するために、主に4つのゲノム全体にわたるスクリーニング方法がある(Sugimura T、Ushijima T、2000参照)。すなわち、制限酵素ランドマークゲノムスキャニング(restriction landmark genomic scanning)(RLGS、Costello等、2000)、メチル化感受性発現差解析(methylation−sensitive−representational difference analysis)(MS−RDA)、メチル化特異的AP−PCR(MS−AP−PCR)及びメチルCpG結合ドメインカラム/部分融解分子の分離(segregation of partly melted molecules)(MBD/SPM)である。これらはそれぞれそれ自体の利点を有するが、4つの方法ともやや非効率的で複雑であるので、大規模なスクリーニングには適さず、単に数個の試料を試験するのに使用できるだけである。例えば、MBD/SPMにより単離された1000個のクローンを解析すると、9つのDNA断片がCpG島として同定され、腫瘍DNA中で特異的にメチル化されたのはわずか1つであった。
【0007】
最近開発された固定化DNAのマイクロアレイは、分子生物学に新たな可能性をもたらした。cDNA又はゲノムDNAのいずれかを含むこれらのDNAアレイは、高速ロボティクスによってガラス基板上で組み立てられる。異なる色で標識されたプローブがハイブリダイズされる。1回のそのようなハイブリダイゼーションで、数千の遺伝子又はゲノムDNA断片を解析することができ、大量の並行した遺伝子発現及び遺伝子発見の研究が可能になる。パイロット実験では、固定化P1及びBACクローンDNAを含むマイクロアレイが、CGH(比較ゲノムハイブリダイゼーション)を用いたDNAコピー数の変化の高分解能解析に使用できることが示された。クローニングベクターへのヒトDNAの挿入断片が50kbよりも大きい場合、この手法が機能することが示唆された。将来、ヒトゲノム全体を網羅するP1及びBACクローンを含むマイクロアレイが作製されたときに、この手法が従来のCGHに置き換わる可能性が極めて高い。マップされたP1及びBACクローンを含むこのようなマイクロアレイを構築することは、極めて高価で、労力と時間がかかることは明らかである。このようなマイクロアレイを構築することは、単一の研究室では実施不可能である。小さな挿入断片のNotIリンキングクローンが同じ機能を果たすことができれば、単一の研究グループ及び多数の組織がこのようなCGH解析用のマイクロアレイを構築する道を開くことになる。ヒトゲノム全体を網羅するPAC及びBACはまだ利用できない。
【0008】
Pollack等、1999は、ゲノムDNAコピー数の変化に対してcDNAマイクロアレイを使用することを提案したが、cDNAクローンのサイズが小さいこと及びバックグラウンドのハイブリダイゼーションと実際の信号との比が高いことからこの提案は問題をはらんだものとなった。
【0009】
2000年の秋にAffymetrixは、GeneChipHuSNP Mapping Assayの販売に乗り出した。これらのマイクロアレイは、1,494個のSNP座を含んでいる。宣伝資料には、このマイクロアレイが、異型接合性の喪失(LOH)を検出するために使用できることが示されていた。しかし、大多数の試料でSNPの13%が失敗に終わり、特定の一実験で情報価値があったのはわずかに354個のSNPであった。
【0010】
Lucito等(2000)は、腫瘍細胞におけるコピー数の変動を検出するためにRDA技術の変法を用いた。この方法では、DNAマイクロアレイとともにBglIIレプリゼンテーション(representations)が使用された。ヒトゲノムには多数(150,000)の小さなBglIIクローンが存在するので、ヒトゲノム全体を網羅する一義的なクローンを含む包括的なマイクロアレイを作製することは容易でも安価でもない。
【0011】
現在、複雑な微生物混合物を解析するのに有用ないくつかの方法、例えば、体外でのコロニーの増殖が必要な酵素分析(Katouli等、1994)、又は正常なフローラの組成を大雑把に示す糞便中の脂肪酸組成物の分析(参考文献)があるが、これらはすべて明らかに限界がある。
【0012】
培養に依存しない技術を適用するには、従来の培養方法のいくつかの欠点を克服できる分子生物学的方法がもとになる。近年では16S rRNA遺伝子のPCR増幅に基づく手法が最も良く知られている。この手法の一変法は、例えば16S rRNA遺伝子のPCR増幅断片を含む変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)を用いて、腸内のすべての種のフィンガープリントを利用した。別の適用例では、16S rRNA遺伝子のPCR増幅断片を直接クローン化して配列を決定した。これらの試験は重要な情報をもたらしたが、手法固有の欠点がその応用を制限している。問題は、16S rRNA遺伝子が高度に保存され、したがって同じ配列の断片が異なる種に属する可能性があることである。フィンガープリント実験では、類似した断片が異なる種を示し、異なる断片が同じ種を示し得ることに留意することも重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
複雑な生物系に由来するゲノム材料を解析するための従来法に付随する欠点に鑑み、簡単、迅速で信頼できるゲノム解析方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明の一目的は、複雑な微生物系を含めた複雑な生物系に由来するゲノム材料を解析するための新規で独特な技術を提供することである。本発明の主な目的は以下のとおりである。
【0015】
本発明の一目的は、発癌遺伝子の診断、予後、同定のために、真核生物のゲノムのメチル化及び/又はコピー数の変化を調べるためのNotIクローン(一般にPCR断片、オリゴヌクレオチドなど)マイクロアレイを調製し使用することである。NotIマイクロアレイは、コピー数の変化とメチル化を同時に検出することが可能な唯一の既存のマイクロアレイである。これには、正常細胞と悪性細胞をゲノム及び/又はRNAのレベルで比較すること、原発腫瘍と転移の比較、癌を含めた遺伝性疾患に罹った家族の解析、並びに診断及び疾患の予測が含まれる。
【0016】
正常細胞と腫瘍細胞の違いを確認できることは、発癌遺伝子のクローン化、癌の初期診断及び予防に役立つ。これは、分化、発生及び進化の研究にとっても極めて重要である。
【0017】
本発明の別の目的は、腸の正常フローラなどの複雑な微生物系の定性的解析及び定量的解析を可能にする技術を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、NotI配列決定パスポート(sequencing pasports)(「NotIパスポート」)(NotIタグすなわち、ゲノムNotI部位を囲む短い配列のコレクション)を調製すること、及び上述したNotIマイクロアレイの場合と同じ問題を検討するためにそれらを使用することである。
【0019】
RSTを用いたゲノム材料の広範なスクリーニングは、例えば、ヒトゲノム/微生物混合物のサイズ及び繰返し配列の数など、多くの問題に直面している。本発明者らは、ゲノムDNAを標識するための新しい方法を開発してこれらの問題を解決した。この方法では、NotI(又は他の任意の制限酵素)部位を囲む配列のみが標識され(タグが付けられ)、本明細書ではNotIレプリゼンテーション(NR)と称する。
【0020】
本発明では、制限部位タグ(RST)を、数千の微生物又はヒトゲノムから生成し、個々のヒト細胞/生物体又は菌種だけでなく、例えば腸内の微生物フローラの大部分又はすべての微生物を一義的に記述するNotI RSTマイクロアレイパスポートを作成するために使用する。
【0021】
本発明によるNotI又はRSTゲノムスキャンニング法を用いて、微生物ゲノムの定量的及び定性的な大規模スキャンニングが可能である。
【0022】
本発明者らの結果から、本発明者らは、NotIマイクロアレイパスポート、すなわちNotIマイクロアレイイメージを含む大きなデータベースを作成できることを示した。結腸フローラの多数の試料を比較してそれらの正確な組成を決定した。
【0023】
本発明の手順は汎用的なものであり、すなわち、本発明者らは他の任意の酵素を使用して「RSTマイクロアレイパスポート」を作成することができる。また、DNA(RNA)に沿って極めてまばらに分布する特異的な位置でDNA(RNA)を切断する任意の生化学的又は化学的手法を使用することができる。例えば、これを、creリコンビナーゼのような酵素、又は三本鎖DNAを形成しDNAの切断を開始する化学修飾されたオリゴヌクレオチドとすることができる。NotIレプリゼンテーションの多型は、BamHIに加えいくつかの酵素、例えばBclI、BglII、HindIIIなどを用いて増加させることができる。パイロット実験で、本発明者らはグラム陽性及びグラム陰性細菌由来のNotIマイクロアレイを作製し、極めて類似した大腸菌(E.coli)株でさえこの技術を用いて容易に識別できることを示した。上述の技術を用いて、本発明者らはヒト生体中の重要な病原菌を同定することができる。
【0024】
これらの「NotIマイクロアレイパスポート」を、各個体、正常/腫瘍ペア、様々な細胞のNotIレプリゼンテーション(NR)に対して作成することができる。NRプローブを用いたパイロット実験によって、この方法の能力が実証され、本発明者らはACC−LC5及びMCH939.2細胞系において欠失した3番染色体のNotIクローンを検出することに成功した。
【0025】
このようなNotI RSTマイクロアレイは、他の手段では検出することができない特定の疾患を検出するために、あらゆるヒト又は例えば同じ特定の疾患に罹っているヒトの任意のグループに対して調製することができる。NotI RSTマイクロアレイは、(ウシ又はイヌのような)あらゆる哺乳動物又は微生物に対しても調製することができる。
【0026】
NotIアレイは、癌の研究を著しく促進し、CGH、LOH及び多数の細胞遺伝学的な研究に取って代わる可能性がある。
【0027】
NotIスキャンニング手法は、主として欠失、増幅又はメチル化された遺伝子を発見するものであるが、多型及び突然変異のNotI部位も見分ける。これらのNotIパスポートを比較することによって、多数の疾患及び他の基本的な生物学的プロセスを理解する手がかりを得ることができる。
【0028】
RSTマイクロアレイを作製する本発明の方法を使用して、制限酵素タグ付き(RST)マイクロアレイを任意の酵素に対して作製することができる。本発明によるマイクロアレイは、新規なタイプのマイクロアレイであり、既存のもの(オリゴヌクレオチド、cDNA、ゲノムBAC/PACクローン)とは全く異なる。
【0029】
正常な腸フローラの個々の組成物間の違いを確定できることは、食餌、特別な食物、地理的位置(geographical location)、結腸、卵巣などの癌及び他の疾患によって正常フローラの組成がどのように影響されるかを将来解析するのに役立つ。これは癌の研究には特に広範に適用される。
【0030】
本発明の方法は、おそらく、基礎科学、ヒト及び動物の健康、農業、医薬、薬理などに多大な影響を及ぼすはずである。
【0031】
本発明者らは、ヒトゲノム全体を網羅するP1及びBACクローンに基づくマイクロアレイを補完するものとして本発明者らのNotIクローンを使用することを提案する。小さな挿入断片のNotIリンキングクローンに基づくマイクロアレイが開発され、類似の機能を有することができる。ヒトゲノム全体を網羅し全遺伝子の10%〜20%(それらの40%〜50%は、ESTマイクロアレイには存在しない)を含む約10,000〜20,000個のNotIクローンがすでに入手可能である。
【0032】
上述したことを達成するために、本発明は以下の実施形態を含む。
【0033】
本発明の一実施形態では、固相に結合された核酸及び/又は修飾核酸標準材料を調製するための方法が提供される。この方法は、
核酸及び/又は修飾核酸標準材料を生化学的及び/又は化学的手法を用いて消化して、特定の認識部位を囲む配列断片を得ること、
特定の認識部位に関連する前記核酸及び/又は修飾核酸配列断片を選択することの各ステップを含む。
【0034】
前記標準材料を、第1の制限酵素及び/又は1種若しくは複数の第2の制限酵素、例えばcreリコンビナーゼなどのエンドヌクレアーゼで消化する。
【0035】
本発明の実施形態では、第1のエンドヌクレアーゼの認識部位は、前記ゲノム材料に沿って極めてまばらに分布し、かつ遺伝子配列に隣接して位置し、前記1種又は複数の第2の制限エンドヌクレアーゼの認識部位は、前記ゲノム材料に沿って第1のエンドヌクレアーゼの部位よりも多く存在する。
【0036】
本発明の別の実施形態では、第1及び第2の制限エンドヌクレアーゼによる消化が同時に行われ、第1及び第2の制限エンドヌクレアーゼによって切断されて生じた末端それぞれに異なるリンカーが連結される。これらのリンカーは、PCR反応を起こすためにプライマーが添加されたときに、第1の制限エンドヌクレアーゼによって切断されて生じる末端を含む断片のみが増幅されるように設計されている。
【0037】
本発明のさらに別の実施形態では、まず標準材料が1種又は複数の第2の制限エンドヌクレアーゼによって消化され、こうして得られた断片の各末端が環状の核酸及び/又は修飾核酸分子の型の中に自己連結し、第1の制限エンドヌクレアーゼによる消化の前に自己連結後に残った線状の断片が不活化され、それによって、第1のエンドヌクレアーゼによって消化されて生じる線状断片がPCR増幅にかけられる。
【0038】
これらの実施形態では、第1の制限エンドヌクレアーゼはNotI、又は他の任意の制限エンドヌクレアーゼであり、その制限部位はゲノム材料中のCpG島の近辺にある。
【0039】
第1の制限エンドヌクレアーゼは、NotI、PmeI又はSbfI、或いは2つ以上の前記エンドヌクレアーゼの組合せとすることもでき、第2のエンドヌクレアーゼをBamHI、BclI、BglII又はSau3A、或いは2つ以上の前記エンドヌクレアーゼの組合せとすることができる。
【0040】
前記核酸及び/又は修飾核酸標準材料は、RNA、DNA、ペプチド又は改変されたオリゴヌクレオチド、或いは2つ以上の前記材料の組合せから選択することができる。
【0041】
本発明では、核酸及び/又は修飾核酸は、マイクロアレイの形をした固体のガラス担体に結合されている。しかし、本発明はガラス製マイクロアレイを使用することのみに限定されるものではない。フィルター、例えばナイロンフィルター、コードされたビーズ(coded beads)、ニトロセルロースなどのセルロース、又は他の固体担体などの固相も、核酸及び/又は修飾核酸を結合するのに使用することができる。一般に、固相に結合されたDNA、オリゴヌクレオチドなどを使用することができる。
【0042】
本発明に従って使用できるゲノム材料は、1人又は複数のヒトから、体内の異なる部位から、同一又は異なる時刻に採取することができる。前記ゲノム材料は、腸、皮膚又はヒトの体の他の部分の細菌から採取することができる。しかし、これは、任意の生物体、細菌、動物又は植物、或いはこれらから産生される産物、或いはゲノム材料が含まれる任意の物質、特に空気及び水からも得られる。
【0043】
本発明は、本発明を用いて得ることができる断片、これらの断片を含む核酸及び/又は修飾核酸マイクロアレイにも関する。
【0044】
さらに、本発明は、生物体のゲノム又はその一部のレプリゼンテーションにも関し、本発明の方法によって得られる核酸及び/又は修飾核酸断片の複数のコピー、又はそれらから選択されたものを含む。
【0045】
これらのレプリゼンテーションを液状で、前記固相の形で存在する核酸及び/又は修飾核酸断片にハイブリダイズする。
【0046】
前記レプリゼンテーションは、異なるゲノムを識別するために使用することができ、同一個体から異なる時点で得られたゲノム材料内のメチル化、欠失、突然変異及び他の変化を検出するために、或いは少なくとも1つの他の個体から得られる標準のレプリゼンテーションと比較して一個体から得られるゲノム材料におけるメチル化、欠失、突然変異及び他の変化を検出するために使用することができ、又はそれらの組合せに使用することができる。
【0047】
上述の適用例に加え、これらのレプリゼンテーションは、以下のために使用することができる。すなわち、
発癌遺伝子などの診断、予後、同定のために真核生物のゲノムのメチル化及びコピー数の変化を研究すること、
様々な微生物(ウイルス、原核生物、真核生物)の遺伝形質を決めること、
複雑な生物系、すなわち、ヒトの腸、或いは水、食物、空気資源中の細菌フローラのバイオコンプレキシティー(biocomplexity)及び多様性を研究すること、
複雑な生物混合物を含めた様々な資源中の病原体を同定すること、
様々な目的、すなわち、様々な条件、すなわち様々な年齢、疾患/健康、感染/非感染などで生物体を記述するために、パスポート(マイクロアレイハイブリダイゼーションのイメージ、タグ配列を含むデータベース)を作成すること、
新しい生物体、例えば細菌種を同定すること、
(DNA及びオリゴベースの)マイクロアレイを作製して上述のすべての特徴を研究すること、
大きな生物コレクション/バンクの検証及び維持、すなわち高等生物に対する細胞系及び個々の生物体を検証し、微生物種に対して特定の菌株の純度を確認すること、
マイクロアレイを用いた標識化及びハイブリダイゼーションのためのキットを製造すること、
配列のタギング(パスポーティング)を作製するためのキットを製造すること、及び、
オリゴマイクロアレイを製造して配列タグを解析することである。
【0048】
最後に、本発明は上述の断片の使用に基づくNotI CODEゲノムサブトラクション法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
文献では、NotI部位が実際にCpG島だけに位置し、機能遺伝子と密接に関連していることが示唆され実証された。したがって、NotI部位は、物理地図だけでなく遺伝子地図作成にとっても極めて有用なマーカーである。
【0050】
本発明者らは、6個の代表的なNotIリンキングライブラリーから生じる50,000個のNotIクローンを含む高密度グリッドを作製し、17Mbの情報を含む22,000個を超える独特なNotI配列(厳密な基準で16,000)を生成した。これらの配列の解析から、NotI部位を囲む短い配列でさえ、新しい遺伝子の効率的な単離及び発癌の研究を可能にする重要な情報源であることが示された。
【0051】
本発明者らは、λファージ及びプラスミドの形の代表的なNotIリンキングライブラリー(Zabarovsky等、1994a)を作成可能なNotIリンキングライブラリー(Zabarovsky等、1990)を構築するための新しい手法を開発した。この手順は極めて簡単で再現性があるので、多数の資源からライブラリーを構築することが可能である。
【0052】
本発明のNotI(RST)マイクロアレイを用いて、NotI部位を囲む短い配列又は一般に制限部位タグ付き配列(RSTS)に基づいて、複雑な微生物混合物を含めた複雑な生物系を定性的及び定量的に解析することが可能である。
【0053】
本発明の研究では、ヒト3番染色体用NotIマイクロアレイ(150クローン)を確立し、使用して、3番染色体を腎臓癌、肺癌、乳癌及び鼻咽腔癌と比較した。
【0054】
ゲノムワイドスキャンニング用NotIマイクロアレイ
近年、本発明者らは25,000個のNotIクローンの配列を決定し、その中の16,000個の独特なクローンを同定した。ヒトゲノム全体を網羅し全遺伝子の10%〜20%(その40%〜50%はESTマイクロアレイには存在しない)を含むこれらのクローンはすでに利用可能である。
【0055】
NotIマイクロアレイは、(例えば、欠失/増幅の研究のために)ゲノムワイドNotIスキャンニングで腫瘍ゲノムDNAを試験するために使用することができる。このようなアレイは、癌研究を著しく促進し、LOH(異型接合性の喪失)、CGH(比較ゲノムハイブリダイゼーション)及び他の細胞遺伝学的な研究に取って代わる可能性がある。
【0056】
NotIクローンを用いたゲノムワイドスクリーニングの基本的な問題は、
(i)ヒトゲノムのサイズ及び複雑さ、
(ii)繰り返し配列の数、
(iii)NotIクローン中の挿入断片のサイズが比較的小さいこと(平均6〜8kb)である。
【0057】
この問題を解決するために、特別なプライマーを設計し、NotI部位を囲む領域のみを増幅する、いわゆるNotIレプリゼンテーション(NR)のための特別な手順を開発した。他のDNA断片は増幅されなかった。本発明者らは、NotI部位を囲む配列のみを標識するこのゲノムDNAの新しい標識方法とゲノムスクリーニング用のNotIマイクロアレイを併用することを提案した。
【0058】
NotIマイクロアレイイメージは、特定の細胞、腫瘍及び個体に対して作成することができる。正常細胞及び腫瘍細胞からのイメージを比較することによって、これらの違いが明確になる。この情報を使用して、2つ(又はそれ以上)のDNA間で異なるNotIリンキングクローンを同定する。これらのクローンは、さらに進んだ解析に使用することができ、完全な遺伝子を単離するために使用することができる。NotI部位の多型は極めて頻繁に起こり、文献によればNotI部位の43.5%が異なってメチル化され、すなわち多型である。
【0059】
16,000個の一義的なNotI配列(2つの配列は同じNotIクローンに属し得る)からなる本発明者らのデータベースの解析から、実際にこれらすべてが遺伝子と関連し、遺伝子の5’末端に位置することが示された。完全に配列が決定された21番及び22番染色体との比較から、興味深い知見が明らかになった。21番染色体は、122個の(メチル化及び非メチル化)NotI部位を含み、Ichikawa等、1993は40個のNotI部位をクローン化して43個のNotI断片を含む完全なNotI制限酵素地図を作成した。これらの40個のクローンのうち、本発明者らのデータベースは38個(95%)及び追加の13個のNotIクローン(11%)を含んでいた。したがって、ランダムシークエンシング(random sequencing)により、本発明者らは、21番染色体のみからのNotIクローンのクローニングに注力していたIchikawa等、1993の研究におけるよりも27.5%多いNotIクローンを単離することができた。要するに、21番及び22番染色体中に予想される390個のNotI部位のうち、本発明者らのデータベースは163個(42%)のクローンを含む。また、本発明者らの研究で同定された18個のクローン(5%)は、公開配列には存在しなかった。これらのクローンは多型NotI部位を含んでいた。したがって、本発明者らのデータから、非メチル化(本発明者らのデータベースは非メチル化NotI部位のみを含む)NotI部位が、予想されるすべてのNotI部位の約42%を占め、多型が5%を占めると本発明者らは結論することができる。本発明者らの推定では、ヒトゲノムは15,000〜20,000個のNotI部位を含み、その6,000〜9,000は個々の細胞中で非メチル化されている。したがって、NotIマイクロアレイを用いたスクリーニングは、6,000〜9,000個の遺伝子に関連した一塩基多型(SNP)を用いたスクリーニングと等価である。
【0060】
従来技術のゲノムチップを本発明のNotIマイクロアレイと比較すると、NotIマイクロアレイは欠失マッピングに追加の情報を提供することが容易にわかる。すなわち、遺伝子発現プロファイリング及びメチル化の研究にNotIマイクロアレイを使用することができる(表1参照)。
【0061】
SNPチップ用のプローブを調製するためには、3,000個のPCRプライマー及び24回の分離反応が必要であり、NotIマイクロアレイ用プローブは1〜2個のプライマーを用いて1個の反応管中で調製される。同じNotIクローンを用いて、本発明者らは
(i)欠失/増幅、
(ii)メチル化、
(iii)遺伝子発現プロファイル
についての情報を同時に得ることができる。
【0062】
NotIマイクロアレイのこれらの特徴はすべて大規模実験に極めて重要である。
【0063】
NotIマイクロアレイに対するNRのハイブリダイゼーションパターンは、NRを調製するために使用したDNAに対するマイクロアレイパスポートである。
【0064】
本発明者らが現時点で見出した最も関連する従来技術であるCpG島マイクロアレイ(以下CGIと略記する。Yan等、Cancer Res.(2001)61:8375〜8380参照)と、本発明のRSTマイクロアレイ(以下RSTと略記する。表2参照)との違いをここで要約する。
【0065】
本発明では、同じ制限部位を囲む配列をクローン化し、一方、CGIでは配列は2つの制限部位間の配列に由来する。
【0066】
原則として、本発明の技術を用いれば、RSTでは任意の制限酵素を使用することができるが、CGIでは限られた数の制限酵素しか使用できない。
【0067】
CGIはメチル化を検出できるが、(一般に)(異型又は同型接合)欠失又は非メチル化配列の増幅を検出できない。RSTはコピー数の変化とメチル化の両方を検出することができる。CGIは、正常ゲノム材料中でそれがメチル化されており、かつ腫瘍材料中でそれが欠失(非メチル化)していれば、対立遺伝子の欠失を検出することができる。しかし、重要な遺伝子の大部分は正常ゲノム材料中で非メチル化されており、正常ゲノム材料中のメチル化された遺伝子の大部分は、様々な種類の繰返し要素、例えば長散在ヌクレオチド要素(又は配列又はリピート)(LINE)であるので、このプロセスは非効率的である。
【0068】
CGIでは、ヒトDNA全体が標識されており、RSTでは0.1〜0.5%が標識されているにすぎず、このDNAが含むリピートはヒトDNA全体の1/10である。
【0069】
CGIの多数のクローンはリピート及びリボソームDNAを含むが、RSTは一義的なヒト配列を含む遺伝子を含むにすぎない。この極めて重要な違いは、全く異なるマイクロアレイ作製技術の結果である(Yan等は本発明では使用しないメチル−CG結合カラム(binding column)を使用する)。
【0070】
RSTマイクロアレイでは、短いOLIGOS(オリゴヌクレオチド20〜100bp)を使用できるが、CGIでは使用できない。
【0071】
不完全な消化はRSTでは問題にならないが、CGIでは人為的な信号(artificial signal)を発生する。
【0072】
RSTを用いると、部位がメチル化されていないときにハイブリダイゼーションが得られるのに対し、CGIでは部位がメチル化されているときにのみハイブリダイゼーションが起こる。
【0073】
CGIマイクロアレイは、高等脊椎動物のメチル化を研究するためにのみ使用することができる。これはRSTでも可能であり、RSTは、それに加えて、任意の生物体の遺伝形質を決める(パスポーティング)ためにも使用することができる。このことは、RSTマイクロアレイを使って例えば細菌及びウイルスの遺伝形質を決めることができるが、CGIではそれができないことを意味する。
【0074】
本発明者らのRSTの適用には、補足的な面、すなわち配列決定によるNotI(RST)タグ(パスポート)の生成が含まれる。配列決定は、マイクロアレイへのハイブリダイゼーションによる配列決定を含めて、様々な技術を用いて実施することができる。このような補足的な手法は、CGIでは不可能である。
【0075】
NotI−CODE(又は一般にRST−CODE)は、RSTマイクロアレイとともに使用して汚染配列(contaminating sequences)を1段階で除去することができる。このような技術はCGIでは使用できない。RDAのような既存のサブトラクティブ法は、ヒトゲノムDNA全体の高度な複雑さを扱うほどには効率的ではないので、使用することができない。
【0076】
RSTマイクロアレイを用いると、欠失/増幅配列とメチル化配列を識別することができる。この目的を達成するために、非メチル化されているDNAを用いてNRを作製すべきである(これは、制限酵素でまず消化したのちに限定的な(limited)PCR増幅、酵素による脱メチル化など、異なる手法で実施可能である)。
【0077】
NotIパスポーティング
この目的のために本発明者らは始めにSAGE法を使用することを計画した。遺伝子発現の連続分析(Serial analysis of gene expression)(SAGE)は、代表的及び包括的な差次的遺伝子発現プロファイルを可能にする(Velculescu等、1995)。この手法の考え方は、mRNA分子のそれぞれに対して短い9bp(タギング酵素(tagging enzyme)認識部位を含めると13bp)の配列タグを作製することである。次いでこれらのタグをコンカテマー中に連結してクローン化する。1回の配列決定反応で数十のRNA分子に対する情報が作成される。したがって、数千のクローンの配列を決定することで、所与の細胞集団内において例えば推定で10,000〜50,000個の発現された遺伝子すべてを評価することができる。本発明者らは、NotIタグを作製するためにSAGE法を試みたが、これは失敗に終わった。微生物混合物のゲノムDNAの複雑さは、真核生物細胞のmRNAの複雑さよりも少なくとも100倍複雑である。SAGEではRNA分子すべてにタグを付けなければならないが、本発明者らの場合、約250分子のうちの1分子にタグを付けなくてはならない。本発明者らは100〜1,000kbそれぞれに対して1個のタグを作製することを提案するが、SAGEでは256bpに対して1個のタグを作製する。加えて、ゲノムDNA中の配列を明快に同定するには13bpタグは不十分である。そのため、本発明者らは、Notパスポーティングと称する新しい手順を開発した。
【0078】
この研究では、本発明者らは以下の変法を使用した。ゲノムDNAをNotIで消化し、NotI付着末端でリンカーに連結した。このリンカーはBpmI認識部位を含んでいた。この制限ヌクレアーゼは、認識部位から16/14bp離れたところで切断する。連結混合物をこの酵素で消化して、NotI部位に隣接する11/9ヌクレオチドタグを作製した。このDNA試料をZNBpmリンカーに連結し、antiuniver及びZ1univerプライマーを用いてPCR増幅して85bpの二重鎖を生成した。最終のPCR増幅分子は17bp配列タグを含み、これは元のNotI部位から2bpが失われており、したがってNotIタグ全体は19bpを含んでいる。NotIパスポートを大腸菌(E.coli)K12、E.cloaceae R4及び肺炎桿菌(K.pneumoniae)B4958に対して実験的に作成した。マウスから得た試料を用いた実験から、腸の糞便から単離したDNAの品質は、NotIタグを得るのに十分であることが示された。NotIパスポートは、これらの種を一義的に同定し、96個のタグのうちこれら3つの細菌種に共通するものはなかった。ジタグ(ditag)又はコンカテマーもこれら85bpの産物から作製できることは当然である。本発明者らは、MPSSのような新しいハイスループット技術は単一タグの配列決定をコンカテマーの作製よりもより効率的な手法にするものと考えている。しかし、研究室が違えば実験の設計は異なり得る。上述したように、この制限部位タギング法は、制限ヌクレアーゼのあらゆる認識部位に適合することができる。フローラ組成物を包括的に解析する場合、異なる細菌はCG含量が極めて異なっているので、いくつかのパスポートを使用することが有利である。このことは、NotIパスポートでは高CG含量の細菌(NotI認識部位:GCGGCCGC)が優勢であるが、例えばSwaIパスポート(SwaI:ATTTAAAT)を使用すれば、高AT含量の細菌ゲノムがより慎重に分析されることを意味する。2〜3種の異なるパスポートを使用すれば、分析感度を著しく向上させることができ、様々な応用例、例えば発癌リスク、薬物療法、食餌療法などにも有利である。
【0079】
本発明者らはパスポーティング手法の可能性を試験し、完全に配列決定された25種の細菌種を分析した。これら細菌種のレアカット(rare cutting)制限酵素の認識部位数を下記表3に示す。25種の微生物種すべてが異なるNotI認識部位数を有し、したがってNotIパスポーティングで識別できることが容易にわかる。また、表3からPmeI及びSbfI制限酵素がさらに情報価値のあることがわかる。
【0080】
表4に、NotI、PmeI及びSbfI酵素に対して大腸菌(E.coli)及びヘリコバクター・ピロリ菌(Helicobacter pylori)の異なる菌株を比較した結果を示した。これらの菌株のすべてがこれらの酵素のいずれによっても一義的に記述され、したがって本発明の方法は、異なる種及び菌株を実際に識別することができる。このことは、16S rRNA遺伝子による配列決定では不可能であった。
【0081】
配列決定された大腸菌(E.coli)株はすべて、これら3つの酵素に対して(NotI認識部位の左右のタグを含めて)全部で1312個のタグを含み、そのうちわずか139が一義的ではなかった。2個のタグが同じNotI部位を記述し、1個のタグが同じでもう1個が異なれば、両方のタグが依然として一義的にNotI部位を表すと考えることが可能である。このような場合、わずかに82個のタグが一義的ではなかった。これらの結果はこの手法の能力を示すものである。
【0082】
本発明者らの比較実験では、(EST及びEMBLに入っているものを含めて)細菌ゲノム配列だけでなく全ヒトゲノム配列も使用した。このような実験では、ほとんどの場合、NotIタグは1〜2個の配列のミスマッチを許容しても一義的であった。
【0083】
上述したように、NotIパスポーティングの極めて有利な特徴は、内部制御にある。特定の細菌種由来のNotI部位が例えばNotIタグ100及びNotIタグ101を含む場合、両方のタグはほぼ同じ量得られるはずである。NotIタグ100のみが存在する場合、NotIタグ100は別の細菌種から発生した可能性が高いことを意味する。
【0084】
上述したCODE法は、NotIフランキング配列に効率的に適用することができる(Li等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、(2002)、印刷中)。したがって、最も量の多い種をCODE法により除去することによって、パスポーティング法の能力及び感度をかなり増加させることができる(Li等、2001)。
【0085】
複雑な微生物混合物を分析できることは、多くの応用分野で重要になる可能性がある。例えば、個々の正常フローラ組成の違いは、食餌、特別な食物、地理的位置、結腸疾患、自己免疫、結腸癌リスクに対する細菌の効果、抗生物質などの投薬及びプロバイオティックスの発生によって正常フローラ組成がどのように影響されるかを将来解析するのに役立つ。
【0086】
この解析のため、本発明者らは、生成した制限部位タグ付き配列を使用することを提案する。数十万のタグを短時間で作製することができ、数千の細菌種/菌株を慎重に解析することができる(Velculesku等、1995)。本発明者らは、このようなNotIタグを効率的に作製することができ、このようなタグが高い特異性を有することを示した。この方法の能力は、CODEサブトラクティブ法を用いて増強することができる。本発明者らは、「NotIパスポート」(上述したようにこれは「RSTSパスポート」と呼ぶのがより正確である)用のデータベースも提供する。このようなデータベースは、NotI(RST)マイクロアレイデータベース(Li等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、(2002)、印刷中)とともに使用することができる。というのは、両方の手法は相互に補完し合うからである。これら2通りの手法が全く異なる生化学技術に基づき、しかし同じ問題を解決しようとすることから、この統合データベースは新しい知見を生み出すものである。
【0087】
NotI−CODEサブトラクション
本発明に先立ち、本発明者らは、RDA及びRFLPサブトラクションのいくつかの制限を受けない、欠失配列のクローニング(Cloning Of Deleted Sequences、CODE)と称する新しいゲノムサブトラクション法を開発した(Li等、Biotechniques、(2001)、31:788〜793)。CODEは、単一のヌクレオチド多型をクローニングするための新しい方法であるCOP法(Li,J.、Wang,F.、Zabarovska,V.、Wahlestedt,C.、Zabarovsky,E.R.、2000、多型のクローニング(Cloning of polymorphisms)(COP):複合ゲノム由来の多型配列の濃縮(enrichment of polymorphic sequences from complex genomes.Nucleic Acids Res.)を修正したものをもとにしている。本発明者らの主な目的は、簡単で再現性の良い方法を開発し、サブトラクティブな濃縮を改良し、それによって小さなDNA産物を生成することが多い余分なPCR動力学的濃縮(kinetic enrichment)ステップを回避することであった。
【0088】
CODE法では、制限酵素による消化、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)及び緑豆(mung bean)ヌクレアーゼによる処理、PCR増幅及びストレプトアビジン磁気ビーズによる精製を組み合わせて使用して、2つのヒト試料のゲノムから欠失配列を単離した。CODEは、かなり単純で効率的で堅牢な方法であることが証明された。
【0089】
本発明では、2つの疑問点に答えねばならない。すなわち
i)認識部位にCGを含む制限酵素に対してCODE法を使用することができるか、及び
(ii)欠失、増幅、メチル化NotI部位に対してゲノムワイドスクリーニング用のNotIクローンを使用することができるかどうかである。
【0090】
CODE法がCpG島の酵素切断に機能するならば、(おそらく偶然何の意味もなく欠失した)欠失配列だけでなく、疾患遺伝子候補と考えられる遺伝子もCODE法によりクローン化することができるであろう。
【0091】
本発明者らは、NotI部位を囲む領域のみを用いてサブトラクションすることを提案する。この手法の新規性は、環化(circularisation)によりこれらの領域を濃縮し精製することである。本発明者らは、NotIレプリゼンテーション(NR)を得るための特別なプライマー及び手順を設計した。このサブトラクションの他の原理は、CODE法におけるものと同じであるが、ゲノムDNAをBamHI+BglII及びNotIで消化し、他のリンカーを用いてNotIのみを含む断片のPCR増幅を可能にした。他のDNA断片は増幅されなかった。本明細書では、わずか2サイクルのサブトラクションを使用した。
【0092】
この手法を有効なものにするために、本発明者らは0.7Mbの同型接合的に欠失した領域を3p21〜p22に含む肺腫瘍細胞系ACC−LC5を、正常リンパ球のコントロールDNAと比較した。本発明者らは、この細胞系が他の染色体に同型接合欠失を含むかどうか知らなかった。この正常DNAは、別の個体から単離したものであったので、完全に適切なコントロールというわけではない。本発明者らは、多型配列並びに欠失配列がクローニングされると予測した。
【0093】
サブトラクティブ法の概略を図1に示す。テスター及びドライバーDNAをBamHI+BglIIで消化し、極めて低いDNA濃度で自己連結させて環を形成させた。これら連結された分子の大多数(99.99%)が次の段階ではPCR増幅されないので、分子間の連結は何ら問題を生じない。これら2つの連結された分子が近くに位置するNotI部位を含み、PCR増幅され得るような極めて稀なケースは有用である。なぜならば、NotIを囲む様々な配列の代表(representativity)を規格化するのにこれらが役立つからである。次いで、これらの環をNotIで消化した。環の大多数(約99.9%)は開環せず、したがってさらなる反応からは除外されるはずである。これは、BamHI又はBglII接着末端での非正統的連結(illegitimate ligation)によるNotIリンカーのDNA断片へのバックグラウンドハイブリダイゼーションを減少させるのにも役立つ。
【0094】
正常dNTPの存在下で、ドライバーDNAをdUTPで増幅し、無修飾プライマー及びテスターDNAをビオチン化プライマーで増幅した。DNA増幅産物(平均0.5〜1.5kb)を変性し、テスターDNAとドライバーDNAが1:100の比率でハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションが完結した後、産物を(すべてのドライバーDNAを破壊する)UDG及び(単鎖DNA及びすべての不完全なハイブリッドを消化する)緑豆ヌクレアーゼで処理した。得られたテスターホモハイブリッド(tester homohybrides)を精製し、ストレプトアビジンビーズで濃縮し、もう1ラウンドのサブトラクションにかけた。最終PCR産物を増幅し、適切なベクター、例えばpBC KS(+)ベクター(Stratagene)でクローン化した。
【0095】
本発明者らの以前の実験から、本発明者らは、NLJ−003及びNL1−401クローンがこの細胞系で欠失していたことを知っていた。本発明者らは、10個のランダムなクローンからDNAを単離し、それらの配列を決定した(これらの小さな挿入断片を用いてサザンブロッティングを行うことは、CG含量が高いために不可能であった)。この実験スキームでは、短いDNA配列(300〜400bp)のみが得られたが、それらのサイズは長距離PCR(long distance PCR)を用いて増大させることができる。これらのクローンのうち2つがNLJ−003 NotI部位を含んでいた。
【0096】
この実験により、10,000個のNotI部位のうちわずか2つの部位しか同型接合的に欠失した領域に位置せず、それらのうち1つはわずか10クローンの解析後に見出されたことから、NotIを囲む配列を用いたサブトラクションが極めて効率的であることが示された。CODE法を同じペアのドライバー/テスターに適用すると、情報価値のある大多数のクローン(19のうち11)はこのカテゴリに入ったことから、別のクローンは多型又は/及び半接合的に欠失する可能性がある。
【0097】
したがって、本発明は、NotI−CODE法がCpG島の酵素切断に使用できることを示している。
【0098】
NotIクローンマイクロアレイへのNRの使用
その後、本発明者らは、32Pで標識した後のNRを欠失NotI部位の検出に直接使用できるかどうかを検討することにした。したがって、本発明者らは、NotIリンキングクローン由来の固定DNAを含むナイロンフィルターを調製した。これらのフィルターを、ACC−LC5(NR−A)及び正常リンパ球DNA(NR−B)のNRにハイブリダイズした。
【0099】
その結果、これら2つのNRは異なるハイブリダイゼーションパターンを示し、NR−BにハイブリダイズするいくつかのクローンはNR−Aにハイブリダイズしないことが示された。とりわけ、同型接合的に欠失したNLJ−003及びNL1−401が容易に検出されたことは明らかである。他のクローンがNR−Aにハイブリダイズできなかった理由を理解するために、本発明者らは、4つのこのようなクローンを選択し、それらをサザンハイブリダイゼーションにより解析した。ACC−LC5及び正常リンパ球由来のゲノムDNAを、BamHI+BglII又はBamHI+BglII+NotIで消化し、アガロースゲル中で電気泳動して分離し、ナイロンフィルターに移し、NotIリンキングクローンの32P標識挿入断片にハイブリダイズした(図2:1〜4)。この実験から、これら4つのクローンすべてが、正常リンパ球由来のDNA中にNotI認識部位が明確に存在することを示し、ACC−LC5DNA中に対応するNotI部位が存在しないことを示すことが実証された。
【0100】
次の段階として、本発明者らは、同様の実験を、ただしガラススライドに固定したNotIリンキングクローン由来のDNAのマイクロアレイを用いて実施した。この適用例の主な考え方を図3に示す。特定のNotI部位がDNA中に存在すれば、環はNotIで開き、標識されるはずである。しかし、このNotI部位が欠失するかメチル化されていれば、NRは対応するDNA配列を含まないことになる。
【0101】
第1の実験では、本発明者らは、ヒト−マウスマイクロセルハイブリッド細胞系MCH903.1(ヒト3番染色体全部を含む)及びMCH939.2(3番染色体p14〜p22欠失)から単離したDNAを用いた。MCH903.1のNRを赤で標識し、MCH939.3のNRを緑で標識した。したがって、MCH939.2で欠失した配列は赤のはずである。その後、欠失を正確にマップした(図4A)。本発明以前であれば、同じ結果を得るのに1年の研究が必要であったであろう。
【0102】
第2の実験では、ACC−LC5由来のDNAを再度使用してNR−Aを調製し、正常リンパ球DNAを使用してNR−Bを作製した。NR−AをCy3(緑)及びNR−BをCy5(赤)で標識した。両方の配列が両方のNRに存在すれば、組み合わせた色は黄色に近くなるはずであり、いくつかのクローンがACC−LC5で欠失していればこれらのクローンの色はより赤くなるはずである(図4B)。図4に示すように、同型接合的に欠失したクローンNLJ−003及びNL1−401を明瞭に検出することができる。より赤い色を示す他のクローンは、100%のケースで3pのSCLC欠失が実際に検出されるという事実を反映している可能性が最も高い。いくつかのクローンは、NLJ−003及びNL1−401と同じ不均衡を示した。これは、両方の対立遺伝子のメチル化又はNotI部位の1つの対立遺伝子の欠失及びもう一方のメチル化(又は多型)によって説明することができる。実際、図2:3〜4に示すように、クローンNLM−132及びNR3−077は切断可能なNotI部位を含んでいない。やはり完全に赤であった他の2つの例(AP20及びNRL1−1)では状況が異なる。1つの対立遺伝子はメチル化され、もう一方は欠失している(図2:5〜6及び表5)。
【0103】
このハイブリダイゼーションの結果をさらに検討するために、TaqManプローブを5つのNotIリンキングクローンに対して設計した。定量的リアルタイムPCRを、これらのプライマー/プローブを用いABI Prism Model 7700 Sequence検出器を使用して実施した。定量的PCRの結果は、NotIマイクロアレイハイブリダイゼーションと良く一致した(下記表5参照)。
【0104】
正常DNAによる腫瘍DNAの汚染は、腫瘍抑制遺伝子の同定にとって重大な問題である。30〜40%の汚染正常細胞を含む2つのRCC生検試料を対照実験で使用して、NotIマイクロアレイの汚染に対する感応度を検査した。ハイブリダイゼーション前にNotI−CODE法の1段階を用い、1つの色素だけでプローブを標識した。図4(C、D)に示すように、ハイブリダイゼーションにより、RCCにおいて最も頻繁に欠失する2つの領域、3p21テロメア(NLJ−003の近く)及び3p21動原体(NRL1−1の近く)が明確に同定された。したがって、腫瘍の生検試料で起こり得る不純物の問題は、NotIマイクロアレイでは容易に解決することができる。
【実施例】
【0105】
細胞系及び一般的方法
本発明では、小細胞肺癌細胞系ACC−LC5から単離したDNAを使用した。この細胞系は、3p21.3〜p22に同型接合の685kbの欠失を含み、DNA A、ドライバーの資源として使用された。正常ヒトリンパ球から単離したDNAをコントロールDNA(DNA B、テスター)とした。
【0106】
DNAの単離、サザントランスファー、ハイブリダイゼーションなどは、文献に記載された標準法に従った。NotIリンキングライブラリーを上述のようにして構築した。
【0107】
標準的な手順を用いて、格子状にしたNotIリンキングクローンのナイロンフィルターレプリカを調製した。ナイロンフィルターは、100個のマップされた3番染色体に特異的なNotIリンキングクローン及び15個のランダムなマップされていないヒトNotIリンキングクローンを含んでいた。格子状のNotIクローンのナイロンフィルターレプリカにハイブリダイゼーションするために、PCRによってNRプローブを32P標識した。
【0108】
ABI 310自動シークエンサー(Perkin Elmer)に製造者の手順に従って配列決定用ゲルをかけた。
【0109】
細菌の増殖、他の微生物学的操作、DNAの単離、配列決定を標準法に従って実施した。
【0110】
修正NotI−CODE法
2つのオリゴヌクレオチド:NotX5’−AAAAGAATGTCAGTGTGTCACGTATGGACGAATTCGC−3’及びNotY:3’−AAACTTACAGTGTGTGTCACGTATGGCTGCTTAAGCGCCGG−3’を使用してNotIリンカーを作製した。100μM NotX20μl、100μM NotY20μl、10×M緩衝液(Boehringer Mannheim)10μl及びH050μlを含む最終体積100μlでアニーリングを実施した。反応混合物を8分間煮沸し、室温(r.t.)で徐冷した。
【0111】
DNA濃度50μg/mlのACC−LC5細胞系(DNA A)及び正常リンパ球(DNA B)由来のDNA2mgをBamHI 20U及びBglII(Boehringer Mannheim)20Uにより37℃で5時間消化し、その後65℃で20分間加熱して不活化した。次いで、消化されたDNA0.4μgを、反応混合物1ml中適切な緩衝液で希釈したT4 DNAリガーゼ(Boehringer Mannheim)とともに終夜循環させた。
【0112】
DNAをエタノール中で沈殿させて濃縮し、例えばクレノー断片で部分的に充填(full in)し、NotI 10Uを用いて37℃で3時間消化した。消化後、NotIを加熱不活化し、50M過剰のNotIリンカーの存在下室温で終夜DNAを連結した。
【0113】
67mMトリス−HCl、pH9.1、16.6mM(NHSO、1.0mM MgCl、0.1%Tween 20、200μM dNTP、テスターアンプリコンDNA 100ng、400nMビオチン化プライマーNotX及びTaqポリメラーゼ5Uを含む溶液100μl中でテスターアンプリコン(NotIリンカーを含むDNA B)のPCRを実施した。
【0114】
NotXプライマーを用い以下の修正条件、すなわちdTTpの代わりにdUTP(300μM)を使用し、1.0mM MgClではなく2.5mM MgClを使用して、20本の管の中でドライバーアンプリコン(NotIリンカーを含むDNA A)のPCRを実施した。PCRサイクル条件は、72℃5分、その後95℃1分、72℃2.5分及び最後の72℃5分の伸張期間を25サイクルであった。これらのPCR増幅したテスター及びドライバーアンプリコンを本発明者らはNotIレプリゼンテーション(NR)と称する。
【0115】
PCR増幅DNA A試料のすべてをプールし(2000μl)、PCR増幅DNA B20μlと混合した(サブトラクションのため、本発明者らは1:100のDNA BとDNA Aの比を採用した)。プールした試料をエタノール中で沈殿させて濃縮し、JETquick PCR Purification Spin Kit(GENOMED Inc.)を用いて精製し、HO100μlに溶解した。このDNA混合物をさらに濃縮して6μlとし、鉱油のもとで10分間煮沸した。
【0116】
0.4M NaCl、100mMトリス−HCl、pH8.5及び1mM EDTAを含む緩衝液9μl中で40時間サブトラクティブハイブリダイゼーションを実施した。ハイブリダイゼーション後、混合物を200μlに希釈し、等量のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)で抽出して鉱油を除去した。
【0117】
UDG(Boehringer Mannheim)による処理を、70mM Hepes−KOH、pH7.4、1mM EDTA及び1mMジチオスレイトールを含む緩衝液中UDG 30Uとともに37℃で4時間実施した。次いで、DNAをエタノールで沈殿させ、TE緩衝液25μlに溶解した。これに、3μlの10×MBN緩衝液(30mM酢酸ナトリウム、pH4.6、50mM NaCl、1mM酢酸亜鉛及び0.001%Triton X−100)及び緑豆ヌクレアーゼ(Boehringer Mannheim)20Uを添加し、37℃で30分間インキュベートした。EDTAを添加して反応を停止して、最終濃度を1mMとした。
【0118】
サブトラクトしたDNAを、ストレプトアビジンの結合したDynabeads M−280(Dynal A.S、Oslo、Norway)で製造者の指示に従って精製し、TE緩衝液20μlに溶解した。増幅したDNAを第2ラウンドのハイブリダイゼーションにかける前に、DNA Bに対して上述したように、ただし8サイクルのみでこのDNA調製物約0.5μlをPCR増幅した。
【0119】
最終のサブトラクション産物をPCR増幅し、JETquick PCR Purification Spin Kit(GENOMED Inc.)で精製し、NotIで消化した。このDNA調製物をpBC KS(+)ベクター(Stratagene)に挿入し、NotIで消化し、アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannheim)で脱リン酸化した。
【0120】
マイクロアレイ調製、ハイブリダイゼーション及びスキャンニング
マイクロアレイを基本的にSchena M.等、1996に記述されたように構築した。簡潔に述べると、NotIリンキングクローンのDNAを、3−アミノプロピルトリメトキシシランをコートした顕微鏡ガラススライド上にスポットした。NotIクローンの大部分は、挿入断片2〜12kbを含んでいた(ベクター部分は3.8又は4.5kbであった。Zabarovsky等、1990参照)。Qiagenの精製DNAをTEに溶解し、GMS 417 Arrayer(Genetic MicroSystems、Woburn、MA)を用いてスポット密度375μmで並べた。次いでアレイを風乾し、70%EtOHに30分間室温で浸し、再び風乾し、暗所に−20℃で貯蔵した。本明細書に記載したマイクロアレイは、150個の配列の決定されたヒト3番染色体特異的STSを6反復含み、61個の既知及び49個の未知の発現配列タグを示した。
【0121】
NotXプライマーを用いたPCR反応でNRプローブを標識した。PCR DIG Labelling Mix(Boehringer Mannheim)又はBiotin Reaction Mix(MICROMAX、NEN Life Science Products,Inc.、Boston、MA)を用いてジゴキシゲニン又はビオチンを組み入れた。MicroSpin PCR Purification Columns(Saveen)を用いてPCR産物を精製し、メンブレンベースの化学発光分析(MICROMAX、NEN)により標識化効率を決定した。
【0122】
低品質DNAを用いてNRを調製するための別法も使用した。この方法によれば、ゲノムDNAを、NotIと別の酵素又は認識部位にCpGペアをもたない酵素の組合せ(例えばSau3A又はBamHI+BglII)で同時に消化した。
【0123】
2つの酵素を不活化した後、特異的なアダプターSau00N及びNBSgt99をこれらに連結した。
Sau00N
Figure 2004524044
NBSgt99
Figure 2004524044
【0124】
その後、Zuniv及びZgtプライマーの存在下でPCRによりNRを調製した。PCRサイクル条件を、95℃2分、その後95℃45秒、65℃30秒及び72℃1.5分を25サイクルとした。一般に、これらのNRはハイブリダイゼーション実験で同じ結果を示したが、通常、バックグラウンドはより高かった。
【0125】
条件を満たしたDig標識プローブ及びBio標識プローブを結合させて99℃で2分間変性し、変性した(0.1M NaOH、2分、室温)マイクロアレイとHybridization Buffer(MICROMAX、NEN)中65℃で5時間ハイブリダイズした。
【0126】
このアレイを室温で5分間低ストリンジェンシーの緩衝液(0.06×SSC、0.01%SDS)で洗浄し、TSAシステム(MICROMAX、NEN)を用いて製造者の手順に従って展開(develop)した。簡潔に述べると、本発明者らは、マイクロアレイをホースラディッシュペルオキシダーゼ(Boehringer Mannheim)と複合された抗DIG抗体とともに、次いでシアニン−3−チラミド溶液とともにインキュベートした。この第1層中のパーオキシダーゼを不活化した後、ストレプトアビジン−HRP Conjugateを塗布し、ビオチン残基をシアニン−5−チラミドで可視化した。
【0127】
このアレイをGMS 418 Scanner(Genetic MicroSystems、Woburn、MA)でスキャンし、解析し、ImaGene 3.05ソフトウェア(Biodiscovery)により表示させた。6回のスポット繰り返しすべての比の平均をとってCy3/Cy5蛍光比の正確な測定値を得た。
【0128】
TaqManプローブを用いた定量的リアルタイムPCR
オリゴヌクレオチドプライマー及びプローブを、5個のNotIリンキングクローン、すなわち、NRL1−1(3p21.2)、NL3−001(3p21.2〜21.32)、NL1−205(3p21.2〜21.32)、NLj3(3p21.33)、924−021(3pl2.3)を増幅するように設計した。huBA−ベータ−アクチン遺伝子を基準配列(内部コントロール)として使用した。huBAを除いたプライマー配列及びプローブ配列の最終的な選択を、ABI Primer Express Software Version1.5(PE−Applied Biosystems、Foster City、CA、USA)を用いて製造者の指示に従って実施した。TaqManプローブ及びプライマーをPerkin−Elmerから入手した。TaqManプローブは、5’−蛍光性レポーター色素及び3’−クエンチャー色素を含むオリゴヌクレオチドからなる。5’末端に位置するレポーター色素として、NLj3、NRL1−1及びhuBAプローブはFAM(6−カルボキシフルオロセイン)を含み、NL3−001、NL1−205及び924−021RプローブはJOE(2,7−ジメトキシ−4,5−ジクロロ−6−カルボキシ−フルオロセイン)を含んでいた。レポーターすべてを、3’末端ヌクレオチドに複合化したTAMRA(6−カルボキシ−N,N,N’,N’−テトラメチルローダミン)でクエンチした。得られた配列を下記表6に示す。
【0129】
1×PCR緩衝液A:10mMトリス−HCl、10mM EDTA、50mM KCl、60nMパッシブリファレンス(passive reference)A、室温でpH8.3;3.5mM MgCl、200μM dATP、dGTP、dCTP、400μM dUTP、100nM TaqManプローブ、適切な濃度の順方向及び逆方向プライマー、0.025単位/μlのAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ、0.01単位/μlのAmpErase及び適切な希釈DNAテンプレート5μlからなる体積25μlでPCR反応を実施した。HOを総体積25μlに添加した。ABI Prism(登録商標)Model 7700 Sequence Detectorを用いてPCRを実施した。同じ又は別の管中の試料に対してそれぞれ3回PCR反応を実施した。
【0130】
同じ管中の2対以上のプライマーを用いたマルチプレックスPCRでプライマーリミテーション(primer limitation)実験を実施した(ABI PRISM7700 Sequence Detection System.ユーザーニュース2号 遺伝子発現の比較定量(User Bulletin no.2.Relative quantitation of Gene Expression).PE Applied Biosystems、1997)。熱サイクル条件を、50℃2分、95℃10分、その後95℃15秒と60℃1分の40サイクルで構成した。
【0131】
サイクル閾値(Cycle threshold)(C)の決定(すなわち、PCR産物の合成から得られるレポーター色素の蛍光がバックグラウンドの蛍光レベルよりも有意に高くなるのに必要なサイクル数の計算)は、各反応装置によって自動的に行われた。
【0132】
標的配列を定量的に評価するための比較C法(comparative C method)(ΔΔC法)の理論及び誘導に関する詳細は公表されている(ABI PRISM 7700 Sequence Detection System.ユーザーニュース2号 遺伝子発現の比較定量(User Bulletin no.2.Relative quantitation of Gene Expression).PE Applied Biosystems、1997)。この方法は、反応の標的配列コピー開始量(数)とABI7700システムによる対応するCT決定値との間に存在する逆指数関係に依存し、すなわち、コピー数が多いほどCT値が小さくなる(ABI PRISM 7700 Sequence Detection System.ユーザーニュース2号 遺伝子発現の比較定量(User Bulletin no.2.Relative quantitation of Gene Expression).PE Applied Biosystems、1997)。本発明者らは、比較サイクル閾値(comparative cycle threshold)(C)法と称する手法を用いて、両方の試料で、比較用試料−正常DNA(較正物質)に対する腫瘍試料−ACCLC5(標的)の標的配列量を決定し、内部コントロール配列−ベータ−アクチン(標準)と比較した。PE Applied Biosystemsの指針に従って設計され最適化されたアンプリコンの場合、効率は100%に近い。この場合、内部標準及び比較較正物質に対して規格化された標的の量(コピー数)は、NACC−LC5/N較正物 =2−ΔΔCTで与えられる。ΔΔCの計算には、ACC−LC5及びCBMIに対する平均標的配列Cから平均標準配列C値を引いて、ΔC ACC−LC5=C 標的−C アクチン及びΔC norm=C 標的−C アクチン値を得る必要がある。次いで、ΔC ACC−LC5からΔC normを引いてΔΔCが得られる。β−アクチンに対する全プローブに与えられた範囲は、2−ΔΔCTとΔΔC+s及びΔΔC−s(2−ΔΔCT with ΔΔC+s and ΔΔC−s)(式中、sはΔΔC値の標準偏差)で決定される。
【0133】
ΔΔCの計算を有効にするためには、標的の増幅効率及び標準の増幅効率をほぼ同じにしなければならない。ΔΔCT法を定量評価に使用する前に、確認実験を実施した(ABI PRISM 7700 Sequence Detection System.ユーザーニュース2号 遺伝子発現の比較定量(User Bulletin no.2.Relative quantitation of Gene Expression).PE Applied Biosystems、1997)。実施した確認実験から、これら標的及び標準の効率は、選択した希釈液でほぼ等しいことが示された。この場合、本発明者らは、標準曲線を用いずにΔΔCT計算法を用いて標的を相対的に定量することができる。
【0134】
Sequence Detection System(SDS)ソフトウェア(PE Biosystems)を用いてデータ解析を行った。
【0135】
NotI−パスポーティング手順
2つのオリゴヌクレオチド、BfocII:5’−ggatgaaaactgga−3’及びZ98NOT:3’−gtcgtgactgggaaaaccctggcctacttttgacctccgg−5’を使用してNotIリンカーを作製した。
【0136】
濃度50μg/mlの細菌DNA2μgをNotI(Roche Molecular Biochemicals)20Uを用いて37℃で2時間消化し、85℃で20分間加熱して不活化した。次いで、反応混合物100μl中適切な緩衝液に希釈したT4 DNAリガーゼ(Roche Molecular Biochemicals)を用いて(50M過剰の)消化したDNA0.4μgをNotIリンカーに終夜連結した。次いで、このDNAをエタノール中で沈殿させて濃縮し、37℃で3時間BpmI10Uで消化した。
【0137】
消化後、BpmIを加熱不活化し、50M過剰のZNBpmリンカーの存在下室温で終夜DNAを連結した。2つのヌクレオチド、Zamine:5’−ctcaaaccgt−3’及びZ2_univer:3’−Nngagtttggcacagcactgacccttttgggacc−5’を用いてZNBpmリンカーを作製した。
【0138】
次いで、この試料を、JETquick PCR Purification Spin Kit(GENOMED Inc.)を用いて精製し、TE100μlに溶解した。この試料1μlをZl univer(3’−gagtttggcacagcactgacccttttgggacc−5’)プライマー及びantiuniver(5’−cagcactgacccttttgggacc−3’)プライマーを用いてPCR増幅した。
【0139】
67mMトリス−HCl(pH9.1)、16.6mM(NHSO、2.0mM MgCl、0.1%Tween20、200μM dNTP、PCRプール3μl、各プライマー400nM及びTaq DNAポリメラーゼ5Uを含有する溶液40μlでPCRを実施した。PCRサイクル条件を、95℃1.5分、その後95℃1分、60℃1分、72℃0.5分及び最後の72℃3分の伸張期間を25サイクルとした。
【0140】
最終産物をJETquick PCR Purification Spin Kit(Genomed GmbH)で精製し、TOPO TA Cloningキット(Invitrogen AB、Sweden)でクローン化した。配列決定用ゲルを、標準プライマーを用いて、製造者の手順に従いABI377自動シークエンサー(Perkin Elmer)にかけた。
【0141】
複雑なフローラ組成物を分析する場合、本発明者らは、そのゲノムのいくつかの特定の断片(例えばNotIレプリゼンテーション、NotIタグ、NotIリンキングクローンなど)のみを使用することを勧める。したがって、本発明者らは、ゲノムすべての配列を決定すること又は遺伝子すべてを研究することを目的としない。本発明者らは、特定の微生物体/遺伝子のために特別なサインを付け、様々な結腸フローラ試料中のこれらのサインを解析する。本発明の研究では、本発明者らは、NotI又は他の制限酵素認識部位に付けた短い配列タグの使用について調べた。NotIタグのコレクションは、NotI配列パスポートであり、すなわち簡潔に述べると、NotIパスポート及びNotIパスポーティングはNotIタグ/パスポートの作成を意味する。その命名は、最初に使用した酵素に基づくが、この方法は他の制限酵素にも同様に適合させることができる。
【0142】
一般的な実験設計は以下のとおりである(図5)。糞便試料及び外科試料から作製したDNAをNotIで消化し、BpmI認識部位を含む特別なリンカーに連結する。次いで、DNAをBpmIで消化し、特別なリンカーに連結し、PCR増幅する。本発明者らは、これらの条件下で、特定の85bp NotI−BpmI断片のみが増幅されることを証明した(図6)。BpmI及びFokIで消化された後、この断片は、特定のNotI部位を示す24bp断片を生成するはずである。ここからは、2つの方向性で研究することが可能である。
a)コンカテマーストラテジー
この24bpユニットを、約1,000bpのサイズのコンカテマーに連結し、クローン化し、配列を決定する。各配列決定反応は、約20〜50個のNotI部位の情報を与えるはずである。
b)オリゴマーストラテジー。
【0143】
パイロシークエンシング(pyrosequencing)又は大規模並列シグネチャーシークエンシング(massively parallel signature sequencing)などの新しいハイスループット配列決定技術が最近開発されている。これらによって、1人で1日に何千もの配列を作製することができる。しかし、これらの配列は極めて短く20〜40bpであり、本発明者らの要求に良く適合しており、それによって特定の試料に対するNotIパスポートを作成することができる。例えば異なる個体又は薬物治療前後の同じ個体から得たこれらのパスポートを比較して、本発明者らは、それらに違いがあることを見出した。この情報は、いくつかの例ではそのまま使用して結論を下すことができる。別の例では、これらの配列を使用して、本発明者らは2つの試料間で異なるNotIリンキングクローンを同定することができる。これらのクローンは、さらに進んだ解析、例えば特定の健康状態(例えば癌、老化など)の原因である遺伝子を見つけることや必須の微生物体の配列決定/単離に使用することができる。
【0144】
【表1−1】
Figure 2004524044
【0145】
【表1−2】
Figure 2004524044
【0146】
【表2】
Figure 2004524044
【0147】
【表3】
Figure 2004524044
【0148】
【表4】
Figure 2004524044
【0149】
【表5】
Figure 2004524044
【0150】
【表6】
Figure 2004524044
【0151】
(参考文献)
Figure 2004524044
【0152】
Figure 2004524044
【0153】
Figure 2004524044

【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】NotI−CODEサブトラクション操作の一般的なスキームを示す図である。
【図2】様々なハイブリダイゼーションを示すNotIクローンのサザンハイブリダイゼーションを示す図である。クローンの名前を下部に示す。Nは正常DNA、Lは肺癌細胞系ACC−LC5から単離したDNAである。
【図3】NotIマイクロアレイ用NRを用いる一般的な原理を示す図である。
【図4】マイクロセルハイブリッドMCH939.2(A)、細胞系ACC−LC5(B)、並びに原発性RCC腫瘍#196(C)及び#301(D)中の欠失/メチル化のNotIマイクロアレイプロファイリングを示す図である。 マイクロアレイ(1)の代表的なイメージを3番染色体の物理地図に従って整列させている。1次元クラスタリング(clustering)(2)は、蛍光データを規格化した平均赤/緑比(赤、R>3;緑、R<0.3)に基づいている。(A)及び(B)では、正常DNAと試験DNAをハイブリダイズした。MCH903.1(染色体全体)のNRを赤で標識し、MCH939.2(3p.14〜p22欠失)のNRを緑で標識した。同様に、正常リンパ球DNAのNRを赤、小細胞肺癌系ACC LC5を緑で標識した。赤のクラスターは、完全な3番染色体又は正常DNAの著しい過剰発現(overrepresentation)を示す。緑のクラスターは、正常DNAの過少発現(under representation)を示す。(C)及び(D)では、1段階のNotI−CODEサブトラクション操作を実施し、単一のカラーハイブリダイゼーション(color hybridization)を行った。緑のクラスターは、正常DNAの著しい過剰発現を示している。灰色は、コントロールである。
【図5】実験の一般的なスキームを示す図である。(微生物フローラ)
【図6】約19bpのNotIタグ情報を含む85bpオリゴヌクレオチドの生成を説明するフローチャートである。

Claims (20)

  1. 固相に結合された核酸及び/又は修飾核酸標準材料を調製するための方法であって、
    核酸及び/又は修飾核酸標準材料を生化学的及び/又は化学的手法で消化して、特定の認識部位を囲む配列断片を得るステップと、
    特定の認識部位に関連した前記核酸及び/又は修飾核酸配列断片を選択するステップ
    を含む上記方法。
  2. 前記標準材料を第1の制限酵素及び/又は1種若しくは複数の第2の制限酵素で消化する請求項1記載の方法。
  3. 制限酵素がエンドヌクレアーゼである請求項2記載の方法。
  4. 第1のエンドヌクレアーゼの認識部位が、前記ゲノム材料に沿って極めてまばらに分布し、かつ遺伝子配列に隣接して位置し、前記1種又は複数の第2の制限エンドヌクレアーゼの認識部位が、前記ゲノム材料に沿って第1のエンドヌクレアーゼの部位よりも多く存在する請求項3記載の方法。
  5. 第1及び第2の制限エンドヌクレアーゼによる消化が同時に行われ、第1及び第2の制限エンドヌクレアーゼによって切断されて生じた末端それぞれに異なるリンカーが連結され、これらのリンカーが、PCR反応を起こすためにプライマーが添加されたときに、第1の制限エンドヌクレアーゼによって切断されて生じる末端を含む断片のみが増幅されるように設計されている請求項4記載の方法。
  6. 標準材料が1種又は複数の第2の制限エンドヌクレアーゼによってまず消化され、こうして得られた断片の各末端が環状の核酸及び/又は修飾核酸分子の型の中に自己連結し、第1の制限エンドヌクレアーゼによる消化の前に自己連結後に残った線状の断片が不活化され、それによって第1のエンドヌクレアーゼによって消化されて生じる線状断片がPCR増幅にかけられる請求項4記載の方法。
  7. 第1の制限エンドヌクレアーゼがNotI又は他の任意の制限エンドヌクレアーゼであり、その制限部位がゲノム材料中のCpG島の近辺にある請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第1の制限エンドヌクレアーゼが、NotI、PmeI又はSbfI、或いは2つ以上の前記エンドヌクレアーゼの組合せであり、第2のエンドヌクレアーゼがBamHI、BclI、BglII又はSau3A、或いは2つ以上の前記エンドヌクレアーゼの組合せである請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記核酸及び/又は修飾核酸標準材料を、RNA、DNA、ペプチド又は改変されたオリゴヌクレオチド、或いは2つ以上の前記材料の組合せから選択する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 固相がガラススライド、コードされたビーズ、ニトロセルロースなどのセルロース又はフィルターである請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ゲノム材料を1人又は複数のヒトから、体内の異なる部位から、同一又は異なる時刻に採取する請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ゲノム材料を腸、皮膚又はヒトの体の他の部分の細菌から採取する請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ゲノム材料を任意の生物体、細菌、動物又は植物、或いはこれらから産生される産物、或いはゲノム材料が含まれうる任意の物質、特に空気及び水から採取する請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法によって得られる断片。
  15. 請求項14記載の断片を含む核酸及び/又は修飾核酸のマイクロアレイ。
  16. 生物体のゲノム又はその一部のレプリゼンテーションであって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法によって得られる核酸及び/又は修飾核酸断片の複数のコピー又はそれらから選択されるものを含むレプリゼンテーション。
  17. 前記固相の形で存在する核酸及び/又は修飾核酸断片に液状のレプリゼンテーションをハイブリダイズする請求項16記載のレプリゼンテーション。
  18. 異なるゲノムを識別すること、同一個体から異なる時点で得られたゲノム材料内のメチル化、欠失、突然変異及び他の変化を検出すること、又は一個体から得られたゲノム材料におけるメチル化、欠失、突然変異及び他の変化を少なくとも1つの他の個体から得られる標準のレプリゼンテーションと比較して検出すること、或いはそれらの組合せにおける請求項16又は17に記載のレプリゼンテーションの使用。
  19. 発癌遺伝子などの診断、予後、同定のために真核生物のゲノムのメチル化及びコピー数の変化を研究すること、
    様々な微生物(ウイルス、原核生物、真核生物)の遺伝形質を決めること、
    複雑な生物系、すなわち、ヒトの腸、或いは水、食物、空気資源中の細菌フローラのバイオコンプレキシティー及び多様性を研究すること、
    複雑な生物混合物を含めた様々な資源中の病原体を同定すること、
    様々な目的、すなわち、様々な条件、すなわち様々な年齢、疾患/健康、感染/非感染などで生物体を記述するために、パスポート(マイクロアレイハイブリダイゼーションのイメージ、タグ配列を含むデータベース)を作成すること、
    新しい生物体、例えば細菌種を同定すること、
    (DNA及びオリゴベースの)マイクロアレイを作製して上述のすべての特徴を研究すること、
    大きな生物コレクション/バンクの検証及び維持、すなわち高等生物に対して細胞系及び個々の生物体を検証し、微生物種に対して特定の菌株の純度を確認すること、
    マイクロアレイを用いた標識化及びハイブリダイゼーションのためのキットを作製すること、
    配列のタギング(パスポーティング)を作製するためのキットを製造すること、及び、
    オリゴマイクロアレイを製造して配列タグを解析することのための請求項16又は17に記載のレプリゼンテーションの使用。
  20. 請求項14記載の断片の使用に基づくNotI CODEゲノムサブトラクション方法。
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