JP7547406B2 - 結腸直腸がんのエピジェネティックマーカー及び該マーカーを使用する診断法 - Google Patents

結腸直腸がんのエピジェネティックマーカー及び該マーカーを使用する診断法 Download PDF

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Description

本発明は一般的には、そのDNAメチル化レベルの変化が新生物の発症又は新生物の発症の素因を示す核酸分子に関する。より詳細には、本発明は、そのDNAメチル化レベルの変化がアデノーマ又は腺癌などの大腸新生物の発症及び/又は進行を示す核酸分子を対象とする。本発明のDNAメチル化状態は、結腸直腸腺癌などの結腸直腸新生物の診断及び/又はモニタリングに関連する適用を含むが、これらの限定されない一定範囲の適用に有用である。したがって、関連する態様では、本発明は、1つ又は複数の核酸分子のDNAメチル化のモジュレーションについてスクリーニングすることにより新生物の発症、発症の素因及び/又は進行についてスクリーニングする方法を対象とする。
結腸直腸がんには、結腸、直腸及び虫垂における癌性増殖が含まれる。年あたり世界中で655,000人が死亡しており、結腸直腸がんは合衆国では4番目に一般的な種類のがんであり、西洋世界ではがん関連死の3番目の主因である。結腸直腸がんは結腸において腺腫性ポリープから生じる。これらのキノコ形の腫瘍は通常は良性であるが、一部は時間をかけてがんに成長する。限局性結腸がんは結腸内視鏡検査により診断される。
結腸の壁内に限定される浸潤がん(TNM分類I及びII)は手術により治療可能である。上記浸潤がんは、処置されなければ、領域リンパ節まで広がり(分類III)、そこでは73%までが手術及び化学療法により治療可能である。遠隔部位へ転移するがん(分類IV)は通常では治療可能ではないが、化学療法は生存を延長することができ、ごくまれに、手術と化学療法を組み合わせると患者が治癒することがあった(Markowitz and Bertagnolli、2009年、N.Engl.J.Med.361(25):2449~60頁)。直腸がんには放射線が使用される。
結腸直腸がんにはアデノーマが先行する。アデノーマは、腺組織に由来する又は明確に限定された腺構造を示す上皮起源の良性腫瘍又は新生物である。一部のアデノーマは線維組織(線維腺腫)及び上皮構造などの認識可能な組織要素を示すが、気管支腺腫などの他のアデノーマは、臨床症候群を生じることもある活性化合物を生成する。
アデノーマは進行して浸潤新生物になることがあり、その場合は、腺癌と呼ばれる。したがって、腺癌は、身体の多くの器官の構成部分である線維構造から生じる悪性上皮腫瘍と定義される。用語腺癌は、腺増殖パターンを示す腫瘍にも適用される。これらの腫瘍は、上記腫瘍が生成する物質、たとえば、粘液分泌及び漿液性腺癌に従って、又はパターンへのその細胞の微細配置、たとえば、乳頭状及び濾胞腺癌に従って、細分類され得る。これらのカルシノーマは、固形の場合もあれば嚢胞性(嚢胞腺癌)の場合もある。それぞれの器官は、種々の組織学的種類を示す腫瘍を生じることがあり、たとえば、卵巣は粘液性腺癌も嚢胞腺癌も生じることがある。
アデノーマは器官が異なれば振る舞いも異なる。一般に、カルシノーマがアデノーマ内に存在する(すなわち、がんの病巣が良性病変内で発生している)全体的可能性はおよそ5%である。しかし、これはアデノーマのサイズと関係がある。たとえば、大腸(具体的には結腸及び直腸)では、アデノーマ内でのがんの発生は、1センチメートル未満のアデノーマではまれである。大きさが4センチメートルを超えており、絨毛状変化又は高度異形成などのある種の組織学的変化を示すアデノーマではそのような発生は40~50%と推定される。異形成の程度が高いアデノーマほど、カルシノーマの発生率が高くなる。所与の結腸直腸アデノーマでは、上記器官中の現在のがんの存在又は将来のがん発生の予測因子には、管状から絨毛状形態への変化のサイズ(特に9mmを超える)程度、高度異形成の存在及び「鋸歯状アデノーマ」として記載される形態学的変化が含まれる。所与の個体では、加齢、結腸直腸アデノーマ若しくはがんの家族内発症、雄性又はアデノーマの多重度という追加の特長が、上記器官におけるがんリスクの将来の増加、いわゆるがんのリスク因子を予想する。アデノーマの存在及びそのサイズを除いて、これらの特長はどれ1つとして客観的に定義されておらず、数とサイズ以外の特長はすべて観察者誤差及び問題の特長の正確な定義に関して混同に陥りやすい。そのような因子は評価し定義するのが困難になることがあるために、がんの現在又は将来のリスクの予測因子としてのその価値は不正確である。
散発性アデノーマが発症してしまうと、新しいアデノーマが発生する可能性は26か月以内でおよそ30%である。
結腸直腸がんの症状は、大腸における腫瘍の位置及び腫瘍が転移してしまったかどうかに依拠する。不運にも、症状の多くは他の疾患でも同様に起こり得るもので、したがって、症状は結腸直腸がんの決定的診断には役立たない場合がある。
局所症状は、腫瘍が肛門近くに位置している場合は可能性が高くなる。排便習慣の変化(別の原因の非存在下での初発の便秘又は下痢)、不完全な排便感及び糞便径の減少が生じる場合がある。テネスムス及び糞便形状の変化は両方とも直腸がんに特徴的である。粘液の存在の増加と同じように、糞便中の明赤色血液の排泄を含む下部消化管出血は、結腸直腸がんを示している場合がある。外見がタール様の黒色便であるメレナは、通常は上部消化管出血において(たとえば、十二指腸潰瘍から)起こるが、疾患が大腸の起始部に位置する場合には結腸直腸がんにおいて遭遇することもある。
腸の全菅腔を満たすほど大きい腫瘍は、腸閉塞を引き起こし得る。このような状況は、便秘、腹痛、腹部膨満及び嘔吐により特徴付けられる。このために、閉塞性及び膨張した腸穿孔をもたらし腹膜炎を引き起こすこともある。
上記疾患がさらに進行すると結腸直腸がんのある種の局所的効果が生じる。腹部に触れると大きな腫瘍のほうが気づかれやすく、医師又は身体検査により気がつかれ得る。上記疾患は他の器官を浸潤し得、尿又は膣排泄物中に血液又は空気を引き起こし得る。
腫瘍が慢性的潜血を引き起こした場合、鉄欠乏性貧血が起こり得る。これは、疲労、動悸として経験され、蒼白として気づかれ得る。結腸直腸がんは、一般には食欲減退のせいで体重が低下することもある。
さらに普通でない全身症状は未解明の熱及びいくつかの腫瘍随伴症候群のうちの1つである。もっとも一般的な腫瘍随伴症候群は、血栓症、通常は深在静脈血栓症である。
結腸直腸がんはもっとも一般的に肝臓まで広がる。これは気がつかれないまま進行することがあるが、肝臓中の大きな沈着物は黄疸及び腹痛を引き起こし得る(嚢の伸長に起因する)。腫瘍沈着物が胆管を遮断する場合、黄疸は蒼白色の糞便などの胆管閉塞という他の特長を伴うことがある。
結腸直腸がんは発症するのに何年もかかることがあり、結腸直腸がんの初期検出は予後を大いに改善する。結腸直腸がんスクリーニング法を実行する控えめな努力でさえ、がん死亡を低下させることが可能である。これにもかかわらず、結腸直腸がんスクリーニング率は依然として低い。現在、この目的のために利用可能であるいくつかの異なる検査が存在する:
直腸指診:医師は潤滑剤を付け手袋をした指を直腸に挿入し、指の感覚で異常な領域を探す。直腸指診は直腸の末端部分において感じ取れるほどの大きさの腫瘍を検出するのみであるが、最初のスクリーニング検査として有用である。
糞便潜血検査:糞便中の血液を調べる検査。糞便中の潜血を検出するためには2種類の検査、すなわち、グアヤクベース(化学的検査)の検査と免疫化学的検査を使用することが可能である。免疫化学的検査の感度は、特異性が容認できないほど減少することなく、化学的検査よりも優れている(Weitzel JN(December 1999年)。「遺伝的癌リスク評価 まとめ(Genetic cancer risk assessment. Putting it all together)」。Cancer 86(11 suppl):2483~92頁)。
・内視鏡検査:
S字結腸鏡検査:照明付きプローブ(lit probe)(S字結腸鏡検査)が直腸及び結腸下部内に挿入されて、ポリープ及び他の異常について検査する。
結腸内視鏡検査:結腸内視鏡と呼ばれる照明付きプローブが直腸及び全結腸内に挿入されて、がんにより引き起こされることがあるポリープ及び他の異常を探す。結腸内視鏡検査には、その処置中にポリープが見つかった場合には、ポリープを直ちに除去することができるという利点がある。組織を生検のために採取することもできる。
二重造影注腸(DCBE):先ず、一晩置いた調製物を取って結腸を洗浄する。硫酸バリウムを含有する浣腸液を投与し、次に結腸に空気を吹き込み、膨張させる。その結果、結腸の内層全体にバリウムの薄層ができ、これはX線フィルム上で可視になる。がん又は前がん性ポリープはこのようにして検出することが可能である。この技法では(より一般的ではない)平坦なポリープは見逃されることがある。
バーチャル結腸鏡検査は、二重造影注腸におけるX線フィルム(上記)を特殊なコンピュータ断層撮影スキャンで置き換えており、放射線科医が解釈することができるように特殊なワークステーションソフトウェアを必要とする。この技法は、ポリープに対する感度では結腸内視鏡検査に近づいている。しかし、それでも見つかるどんなポリープも標準結腸内視鏡検査により除去しなければならない。
・標準コンピュータ体軸断層撮影は、がんの広がりの程度を決定するのに使用することができるX線法であるが、スクリーニングのために使用できるほどの感度はない。一部のがんは、他の理由で実施されるCATスキャンに見つけられる。
血液検査:ある種のタンパク質レベルの上昇について患者の血液を測定することにより、腫瘍量を示すことが可能になる。特に、血液中の癌胎児性抗原(CEA)レベルが高ければ腺癌が転移していることを示すことができる。これらの検査は偽陽性又は偽陰性であることが多く、スクリーニングには推奨されないが、疾患再発を評価するには有用になり得る。CA19-9及びCA242バイオマーカーは、e-セレクチン関連転移リスクを示し、治療進展を追跡するのに役立ち、疾患再発を評価することができる。最近、セプチン9遺伝子のメチル化された配列の血漿中での検出のためのアッセイも利用できるようになって結腸直腸がんの診断に役立っている。
ポジトロン放射形断層撮影(PET)は、3次元走査技術であり、放射性糖が患者に注入され、上記糖は代謝活性が高い組織に集まり、上記糖からの放射線の放出を測定することにより画像が形成される。がん細胞は非常に高い代謝率を有する場合が多いので、これを使用して良性と悪性腫瘍を区別することが可能である。PETはスクリーニングには使用されず、結腸直腸がん症例の定常精密検査には(まだ)用いられない。
・糞便DNA検査は、結腸直長がんについてのスクリーニングにおける先端技術である。前悪性アデノーマ及びがんはDNAマーカーをその細胞から放ち、このマーカーは消化過程中分解されず糞便中で安定なままである。捕獲とそれに続くPCRにより、上記DNAをアッセイのための検出可能レベルにまで増幅させる。
・リスクマーカーとしての高いC反応性タンパク質レベル
これらの検査法が存在するが、診断は依然として問題がある。さらに感度の良い検査の大半は極めて侵襲的で高価であり、したがって患者による取り込みが低い。したがって、アデノーマ又はカルシノーマを発症している可能性の高い人に結腸内視鏡検査を受診するよう指示できるようになるようなもっと簡便でもっと情報価値のある診断プロトコール又は診断に役立つものを開発する必要性が現在も持続して存在する。簡便で正確なスクリーニング検査があれば、はるかに広く適用可能なスクリーニングシステムを提供できるようになると考えられる。
本発明へとつながる研究において、ある種の遺伝子のメチル化の変化が、アデノーマ及び腺癌などの大腸の新生物の発生を示すことが確定された。さらに、高度メチル化される特定のゲノムDNAシトシンヌクレオチドが同定されたことにより、診断という状況での常用のための非常に簡便で特異的な増幅反応の開発が可能になった。したがって、これらの差次的にメチル化された遺伝子のパネルのうちの1つ又は複数についてのスクリーニングに基づいて診断を下すことが可能である。したがって、発明者らは、腺癌及びアデノーマ発生の診断及び/又はこれらの種類の新生物の発生により特徴付けられる状態のモニタリングを促進する遺伝子のパネルを特定した。
本明細書及びこれに続く特許請求の範囲全体を通して、文脈が他の方法で要求していなければ、単語「含む(comprise)」並びに「comprises」及び「comprising」などの変化は、述べられている整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を含むが、他のいかなる整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を排除しないことを意味すると解釈されることになる。
本明細書で使用されるように、用語「に由来する」は、特定の整数又は整数の群が明記されている種に由来しているが、必ずしも明記された供給源から直接入手されたわけではないことを示すと解釈されるものとする。さらに、本明細書で使用されるように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈が他の方法で明白に指示していなければ、複数の指示対象を含む。
本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、他の方法で定義されていなければ、本発明が属する分野の当業者により一般に理解されているのと同じ意味を有する。
主題の明細書は、文献目録の後で本明細書に提示されるプログラムPatentInバージョン3.5を使用して準備されたヌクレオチド配列情報を含有する。それぞれのヌクレオチド配列は、数字指標<210>、続いて配列識別子(たとえば、<210>1、<210>2、等)により配列表において特定される。配列(DNA、等)の長さ、種類、及び配列ごとの供給源生物は、それぞれ数字指標フィールド<211>、<212>及び<213>に提供される情報により示される。明細書において言及されるヌクレオチド配列は、指標配列番号、続いて配列識別子(たとえば、配列番号1、配列番号2、等)により特定される。明細書において言及される配列識別子は、配列識別子(たとえば、<400>1、<400>2、等)が後に続く、配列表における数字指標フィールド<400>に提供される情報と相互関係がある。すなわち、明細書において詳述される配列番号1は、配列表において<400>1として示される配列と相互関係がある。
本発明の一態様は、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、
上記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標のうちのいずれか1つ又は複数及び転写開始部位の2kb上流により定義される領域、
Figure 0007547406000001

(ii)
Figure 0007547406000002

のうちのいずれか1つ又は複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域のメチル化状態を評価することを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域のメチル化のより高いレベルは大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示している、
方法を対象とする。
別の態様では、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、
上記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標のうちのいずれか1つ又は複数及び転写開始部位の2kb上流により定義される領域、
Figure 0007547406000003

(ii)
Figure 0007547406000004

のうちのいずれか1つ又は複数の、2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域のメチル化状態を評価することを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域のメチル化のより高いレベルは大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示している、
方法が提供される。
特定の有用性を示すと確定された小領域(subregion)は、上記小領域が見出される遺伝子及び染色体領域を参照して下に収載されている。
Figure 0007547406000005

Figure 0007547406000006
さらに別の実施形態では、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、
上記個体由来の生体試料において
Figure 0007547406000007

Figure 0007547406000008

Figure 0007547406000009

Figure 0007547406000010

Figure 0007547406000011

Figure 0007547406000012

Figure 0007547406000013

Figure 0007547406000014

から選択される1つ又は複数のシトシン残基、又は反対のDNA鎖上のn+1位の対応するシトシンのメチル化を評価することを含み、対照試料における対応する残基のメチル化レベルと比べて上記残基のうちの1つ又は複数のメチル化のより高いレベルは大腸新生物又は新生物状態の発症の素因を示している、
方法が提供される。
さらに別の態様では、本発明は、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、
上記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標のうちのいずれか1つ又は複数及び転写開始部位の2kb上流により定義される領域、
Figure 0007547406000015

(ii)
Figure 0007547406000016

のうちのいずれか1つ又は複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域の発現レベルを評価することを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の発現のより低いレベルは大腸新生物又は新生物状態の発症の素因を示している、
方法を対象とする。
本発明の関連する態様は、
(i)上文に記載される新生物マーカーDNAのうちのいずれか1つ若しくは複数に対応するヌクレオチド配列又はその配列に少なくとも80%の同一性を示す配列を含む核酸分子或いは上記核酸分子の機能的誘導体、断片、バリアント又は相同体、又は
(ii)中程度の厳密性条件下で(i)の配列のうちのいずれか1つ若しくは複数にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含む核酸分子又は上記核酸分子の機能的誘導体、断片、バリアント若しくは相同体、又は
(iii)中程度の厳密性条件下で(i)の配列のうちのいずれか1つ若しくは複数にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含む核酸プローブ若しくはオリゴヌクレオチド又は上記核酸分子の機能的誘導体、断片、バリアント若しくは相同体、又は
(iv)(i)の核酸分子又はその核酸分子の誘導体、断片若しくは相同体によりコードされるタンパク質のうちのいずれか1つ若しくは複数に結合することができるプローブ
のうちの複数を含む分子アレイであって、
(i)の上記マーカー遺伝子若しくは(iv)のタンパク質の発現レベルが大腸に由来する細胞若しくは細胞亜集団の新生物状態を示している、
分子アレイを提供する。
図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 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図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図1及び図2は、それぞれ表3及び4に示される遺伝子の差次的メチル化プロットを描いている。タイル領域の染色体座標はX軸に示されている。TaqI及びMspI制限部位の位置は破線の垂直線により示されている。Y軸上にはハイブリダイゼーション強度が示されている(log2スケール)。上欄では、それぞれのプローブ位置は、正常及びがんDNAのメチル化された割合(それぞれGN及びGT)並びにその非メチル化割合(それぞれAN及びAT)のシグナルで表されている。がんと正常間の差次的メチル化を表す「二重差」(GT-GN)-(AT-AN)は、最高の17%クオリティスコアのプローブは黒DDとして、上位43%におけるプローブは灰色DDとして及びさらに低いクオリティスコアのプローブ又はTaqI若しくはMspI制限部位から300bp向こうにあるプローブは灰色点として示されている。すべてのDDプローブポイントは、明確にするため丸で囲まれている。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 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図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。 図3~図27は、24の遺伝子由来の1つ若しくは複数のアンプリコンの亜硫酸水素塩配列分析から得られるDNAメチル化のプロファイルを示している。それぞれの図では、上のボックスは、遺伝子(Hg19配列)の及び個々のアンプリコンの染色体座標を示している。DNAメチル化プロットは、配列分析により決定されるそれぞれのCpG部位でのメチル化されたシトシンの割合(Y軸)を示している。アンプリコン内のそれぞれのCpG部位の位置はX軸に示されている。個々の灰色点は、10のがんDNAについてのそれぞれのCpG部位でのメチル化割合を表し、上記10の試料の平均メチル化は連続する灰色線により、四分位範囲は斜線部分により示されている。同様に、正常なDNA試料のメチル化割合は黒点により示され、平均メチル化及び四分位範囲はそれぞれ黒線及び黒斜線部分により示されている。血液DNAにおけるメチル化割合は明灰色破線により示されている(これは正常組織DNAについてのメチル化データにより不明瞭になることが多い)。図は、亜硫酸水素塩修飾に先立って、PCRアンプリコンごとの配列領域も含む。いくつかの場合、遺伝子転写の方向に対して下部鎖に設計されており、これらはBSと呼ばれる。図の下のピクトグラムは、遺伝子の染色体位置並びに遺伝子転写物の位置及びエクソン構造、Affymetrix U133 Plusプローブセットの位置とCpGアイランドの位置、並びに異なる増幅された領域の位置を示すマップを示している。
本発明は、一部は大腸新生物を特徴付けるDNAメチル化状態の解明に基づいている。この所見のせいで、対照レベルと比べたある種の遺伝子のメチル化の増加に基づいて、大腸新生物の発症又は発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする常用手段の開発は今や促進されている。
本発明に従って、問題の細胞が新生物であるか否かに応じて、ある種の遺伝子は、メチル化のレベルの差次的変化の点からモジュレートしていることが確定された。問題の遺伝子は、その名称とその染色体座標を参照することの両方により本明細書では記載されることは理解されるべきである。Nimblegenプロモータータイリングアレイのタイリング領域の染色体座標は、ヒトゲノムデータベースバージョンHg18(本明細書では「Hg18座標」と呼ばれ、表3及び4に詳述されている)と一致している。ゲノム名称に対応する染色体座標が収載されている限り、これら染色体座標は2009年2月に公表されたヒトゲノムデータベースバージョンHg19(本明細書では「Hg19座標」と呼ばれる)と一致している。
したがって、本発明の一態様は、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、
上記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標のうちのいずれか1つ又は複数及び転写開始部位の2kb上流により定義される領域、
Figure 0007547406000017

(ii)
Figure 0007547406000018

のうちのいずれか1つ又は複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域のメチル化状態を評価することを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域のメチル化のより高いレベルは大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示している、
方法を対象とする。
「大腸」への言及は、大腸の8つの解剖学的領域であって、回腸の末端領域の後で始まり、これらの領域が
(i)盲腸
(ii)上行結腸
(iii)横行結腸
(iv)下行結腸
(v)S状結腸
(vi)直腸
(vii)脾弯曲部、及び
(viii)右結腸曲
である領域のうちの1つに由来する細胞への言及として理解されるべきである。
「新生物」への言及は、病変、腫瘍又は他の被包性若しくは非被包性腫瘤又は新生物細胞を含む他の形態の成長への言及として理解されるべきである。「新生物細胞」は、異常な成長を示す細胞への言及として理解されるべきである。用語「成長」はそのもっとも広い意味で理解されるべきであり、増殖への言及を含む。この点に関して、異常な細胞成長の例は、細胞の制御されない増殖である。別の例は、細胞における失敗したアポトーシスであり、したがって細胞の通常の寿命の延長である。新生物細胞は良性細胞のこともあれば悪性細胞であることもある。好ましい実施形態では、対象の新生物はアデノーマ又は腺癌である。本発明をどれか1つの理論又は作用機序に限定せずに、アデノーマは一般には、上皮組織由来である又は明確に限定された上皮構造を示す上皮起源の良性腫瘍である。これらの構造物は腺外見を帯びることもある。アデノーマは、良性アデノーマ又は良性新生物病変の悪性腺癌への進行とともに起こるなどの、その内部に悪性細胞集団を含むことがある。
好ましくは、上記新生物細胞はアデノーマ又は腺癌であり、さらに好ましくは、結腸直腸アデノーマ又は腺癌である。
「DNA領域」への言及は、ゲノムDNAの特定のセクションへの言及として理解されるべきである。これらのDNA領域は、遺伝子名又は染色体座標のセットに言及することにより特定される。遺伝子名も染色体座標も当業者には周知であり、理解されていると考えられる。上文に詳述されているように、Nimblegenプロモータータイリングアレイにおいてアッセイされる領域の染色体座標は、上記ゲノムのHg18バージョンに一致し、関連する遺伝子記号を記載する染色体座標は上記ゲノムのHg19バージョンに一致する。一般に、遺伝子は、それを介してその配列も染色体位置も常に得られる遺伝子名を参照することにより、又はそれを介してその遺伝子名もその配列も常に得られる遺伝子の染色体座標を参照することにより常に同定することが可能である。
上で詳述される遺伝子/DNA領域のそれぞれへの言及は、あらゆる形態のこれらの分子への及びその断片又はバリアントへの言及として理解されるべきである。当業者には認識されていると考えられるように、一部の遺伝子は、個体又は一塩基多型間で対立遺伝子変異を示すことが知られている。SNPは、変化するサイズの挿入及び欠失並びに、ジヌクレオチド及びトリヌクレオチド反復などの単純な配列反復を包含する。バリアントには、少なくとも90%、95%、98%、99%配列同一性を共有する、すなわち、本明細書に記載されるDNA領域に対して1つ又は複数の欠失、付加、置換、逆方向配列等を有する同じ領域由来の核酸配列が含まれる。したがって、本発明は、現在の診断適用の点から、実際の核酸配列間の小さな遺伝子変異が個体間に存在し得るという事実にもかかわらず、同じ結果を達成するようなバリアントにまで及ぶと解釈されるべきである。したがって、本発明は、任意の他の突然変異、多型、又は対立遺伝子変異から生じるあらゆる形態のDNAにまで及ぶと解釈されるべきである。
試験の対象である「個体」はいかなるヒト又は非ヒト哺乳動物であってもよいことは理解されるべきである。非ヒト哺乳動物の例には、霊長類、家畜動物(たとえば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ロバ、等)、実験室試験動物(たとえば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット)、コンパニオンアニマル(たとえば、イヌ、ネコ)及び捕獲野生動物(たとえば、シカ、キツネ)が含まれる。
好ましくは、哺乳動物はヒトである。
同定されている遺伝子のパネルは、対応する非新生物細胞と比べて大腸新生物細胞におけるメチル化が増加していることを実証している。この増加したメチル化は、いくつかの場合は、DNA領域内の少数の特定のCpG部位に局在化しており、他の場合は、増加したメチル化は広範囲のCpG部位にわたって観察される。しかし、すべての遺伝子由来の特定の領域はメチル化の増加を示しており、したがって、有用な診断マーカーであるが、これらの遺伝子のいくつかは、上昇したメチル化がより高い割合の新生物において観察されるという理由、又は新生物組織と正常な結腸組織若しくは末梢血白血球との間にDNAメチル化のレベルにより大きな差が観察されるという理由のどちらか又は両方のせいで、特に良好な感受性及び特異性を与える。
この実施形態に従って、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、
上記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標のうちのいずれか1つ又は複数及び転写開始部位の2kb上流により定義される領域、
Figure 0007547406000019

(ii)
Figure 0007547406000020

のうちのいずれか1つ又は複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域のメチル化状態を評価することを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域のメチル化のより高いレベルは大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示している、
方法が提供される。
これらの態様に従って、さらに別の実施形態では、上記対照レベルは非新生物レベルである。
本発明のこれらの態様に従えば、上記大腸組織は、好ましくは結腸直腸組織である。
さらに別の実施形態では、新生物はカルシノーマなどの悪性である。
追加の実施形態では、新生物はアデノーマなどの非悪性である。
本発明をどれか1つの理論又は作用機序に限定せずに、これらのDNA領域にわたるメチル化レベルを測定することは、大腸新生物状態の診断に役立つが、別々の小領域は、これらの小領域が結腸直腸がんなどの大腸新生物において高度メチル化されている場合が多い高密度のCpGジヌクレオチドを含有するので、この点に関して特に有用であることが確定されている。このために、大腸新生物という状況でのその発現レベルという点から下方調節されていることがすでに知られている追加の15のDNA領域という状況では、実際、特に高密度の高度メチル化されたCpGジヌクレオチドを示す別々の小領域が存在することも確定されている。この所見のおかげでこれらの小領域は分析のための特に有用な標的になる。なぜならば、分析を必要とするDNAの領域がもっと短くさらに明確に限定されるせいで、さらに、これらの領域からの結果は、高度メチル化の存在又は非存在との関係において、分析がDNA領域全体にわたって実施される場合に得られるよりも著しく決定的な結果を与えることになるという事実のせいで、この所見によりスクリーニング過程が簡略化されるためである。したがって、この所見により、スクリーニング過程は簡略化されるし、大腸新生物診断の感度及び特異性も増加する。
特定の有用性を示すことが確定している小領域は、その小領域が見出される遺伝子及び染色体領域を参照して、以下に収載されている。
Figure 0007547406000021

Figure 0007547406000022
この実施形態に従えば、したがって、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、上記個体由来の生体試料において、Hg19座標により定義される領域
Figure 0007547406000023

から選択される1つ又は複数のDNA領域のメチル化状態を評価することを含み、
対照レベルと比べて上記DNA領域のメチル化のより高いレベルは大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示している、
方法が提供される。
別の実施形態では、上記新生物細胞はアデノーマ又は腺癌であり、さらに好ましくは、結腸直腸アデノーマ又は腺癌である。
一特定の実施形態では、したがって、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニター又はモニターする方法であって、上記個体由来の生体試料において、Hg19座標により定義される領域
Figure 0007547406000024

から選択される1つ又は複数のDNA領域のメチル化状態を評価することを含み、
対照レベルと比べて上記DNA領域のメチル化のより高いレベルは大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示している、
方法が提供される。
さらに別の実施形態では、上記DNA領域は、Hg19座標により定義される領域
Figure 0007547406000025

から選択される。
別の実施形態では、上記新生物細胞はアデノーマ又は腺癌であり、さらに好ましくは、結腸直腸アデノーマ又は腺癌である。
本発明をどれか1つの理論又は作用機序に限定せずに、DNAメチル化は細菌、植物、及び動物において普遍的である。DNAメチル化は、細胞分裂のラウンドにわたり安定しているDNAの化学修飾の一種であるが、生物の根底にあるDNA配列の変化を伴わない。クロマチン及びDNA修飾は、エピジェネティクスの2つの重要な特長であり、細胞分化の過程に関与しており、細胞に同じゲノム物質を含有しているのにもかかわらず異なる特徴を安定的に維持させる。真核生物では、DNAメチル化はシトシンピリミジン環の番号5炭素でのみ起こる。哺乳動物では、DNAメチル化はCpGジヌクレオチドのシトシンの番号5炭素で大部分起こる。CpGジヌクレオチドはおよそ1%のヒトゲノムを構成する。
すべてのCpGの70~80%はメチル化されている。CpGは、多くの遺伝子の5’調節領域に存在しメチル化されていないことが多い「CpGアイランド」と呼ばれるクラスターにグループ化されていることがある。がんなどの多くの疾患過程では、遺伝子プロモーター及び/又はCpGアイランドは、遺伝性の転写サイレンシングに付随する異常な高度メチル化を獲得する。DNAメチル化は遺伝子の転写に2つの方法で影響を与え得る。第一に、DNAのメチル化は、それ自体が転写タンパク質の遺伝子への結合を物理的に阻害し、したがって転写を遮断することがある。第二に、メチル化されたDNAには、メチル-CpG-結合ドメインタンパク質(MBD)として知られるタンパク質が結合し得る。次に、MBDタンパク質は、ヒストンデアセチラーゼ、及びヒストンを修飾しそれによりサイレントクロマチンと呼ばれる緻密で不活性なクロマチンを形成することができる他のクロマチン再構築タンパク質などの追加のタンパク質を遺伝子座に動員する。DNAメチル化とクロマチン構造間のこの連関は非常に重要である。特に、メチル-CpG-結合タンパク質2(MeCP2)の喪失はレット症候群に関与しており、メチル-CpG-結合ドメインタンパク質2(MBD2)はがんにおいて高度メチル化された遺伝子の転写サイレンシングを媒介する。
ヒトでは、DNAメチル化のプロセスは、3種の酵素、DNAメチルトランスフェラーゼ1、3a及び3b(DNMT1、DNMT3a、DNMT3b)により実行される。DNMT3a及びDNMT3bは、発生の初期にDNAメチル化パターンを設定する新規のメチルトランスフェラーゼであると考えられている。DNMT1は、DNA複製中DNAメチル化パターンを娘鎖にコピーすることに関与している提唱されたメインテナンスメチルトランスフェラーゼである。DNMT3Lは、その他のDNMT3に相同であるが触媒活性がないタンパク質である。代わりに、DNMT3Lは、DNAに結合する新規のメチルトランスフェラーゼの能力を増加させて、その活性を刺激することにより新規のメチルトランスフェラーゼを補助する。最後に、DNMT2は「謎の」DNAメチルトランスフェラーゼ相同体として同定されており、すべてのDNAメチルトランスフェラーゼに共通の10個の配列モチーフすべてを含有するが、DNMT2はDNAをメチル化しないことがあるが、代わりに、すべての小型RNAをメチル化することが明らかにされている。
したがって、「メチル化状態」は、DNA領域内の特定のヌクレオチド(単数又は複数)でのメチル化の存在、非存在及び/又は量への言及として理解されるべきである。特定のDNA配列のメチル化状態(たとえば、本明細書に記載されるDNA領域)は、上記配列におけるすべての塩基のメチル化状態を示すことができる、又は上記配列内の塩基対のサブセットの(たとえば、シトシンの)メチル化状態(又は1つ若しくは複数の特定の制限酵素認識配列のメチル化状態)を示すことができる、又は上記配列のどこでメチル化が起きているかについての正確な情報を与えることなく、上記配列内の領域メチル化密度に関する情報を示すことができる。メチル化状態は、任意選択で、「メチル化値」により表す又は示すことができる。メチル化値は、たとえば、メチル化依存性制限酵素での制限消化に続いて存在する無傷のDNAの量を定量化することにより生み出すことができる。この例では、DNA中の特定の配列が定量的PCRを使用して定量化される場合は、偽の処理をされた対照にほぼ等しい鋳型DNAの量は、上記配列が高度にメチル化されていないことを示し、偽の処理をされた試料において存在するよりも鋳型の量が実質的に少ないことは上記配列でのメチル化されたDNAの存在を示している。したがって、たとえば、上記の例由来の値、すなわち、メチル化値はメチル化状態を表し、したがって、メチル化状態の定量的指標として使用することが可能である。試料中の配列のメチル化状態を閾値と比較することが望ましい場合、このことは特に有用である。
本発明の方法は、生体試料の特定のDNA領域のメチル化レベルとこれらのDNA領域の対照メチル化レベルとの比較に基づいている。「対照レベル」とは「正常レベル」であり、新生物ではない又はアッセイのためにDNAを単離し得る別の生体試料における対応する大腸細胞又は細胞集団のDNA領域のメチル化レベルである。
正常な(又は「非新生物の」)メチル化レベルは、検査の対象である同一個体由来の非新生物組織を使用して決定し得る。しかし、これは関係する個体に対して極めて侵襲的になり得ることは認識されると考えられ、したがって、問題の患者以外の個体から得られる個々の又は集団の結果を反映する標準結果に対して検査結果を解析するほうが都合がよい可能性がある。この後者の形態の分析は、実際、好ましい分析方法である。なぜならば、この方法は対象の試験試料である単一の生体試料の収集及び分析を必要とするキットの設計を可能にするからである。正常なメチル化レベルを与える標準結果は、当業者には周知と考えられる任意の適切な手段により計算し得る。たとえば、正常組織の集団は、本発明の遺伝子のメチル化レベルの点から評価し、それにより将来の試験試料すべてを分析する際の基準となる標準値又は値の範囲を与えることができる。正常レベルは、特定のコホートの対象から及びそのコホート由来の試験試料に関して使用するために決定し得ることも理解されるべきである。したがって、年齢、性別、民族性又は健康状態などの特徴の点で異なるコホートに対応するいくつかの標準値又は範囲を決定し得る。上記「正常レベル」は、別々のレベル又はある範囲のレベルでもよい。正常レベルと比べた対象遺伝子のメチル化レベルの増加は、組織が新生物であることを示している。
用語「メチル化」は、核酸、たとえば、ゲノムDNAの領域においてDNAメチルトランスフェラーゼ酵素の作用によりシトシン塩基(単数又は複数)に付加されたメチル基の存在を意味すると解釈するものとする。本明細書に記載されるように、核酸のメチル化のレベル又は程度を決定するための当業者に公知の方法がいくつか存在する。
「より高いレベル」は、診断された対象中に、対照試料中よりも多くの数のメチル化されたCpGジヌクレオチドが存在する、すなわち、特定のCpG部位でメチル化されたDNA分子の割合がより高い又は対象中にメチル化された個別のCpG部位の数が多いことを意味する。用語「増強された」又は「増加された」は用語「より高い」と互換的に使用されると理解されるべきである。本発明は、対象における新生物の診断に役立つと見なされるメチル化された残基の正確な数により限定されるべきではない。なぜならば、患者試料間のある程度の変動が存在することになるからである。本発明は、メチル化された残基の位置決めによって限定されることもない。
にもかかわらず、これらの小領域内で高度メチル化を受けるいくつかの特定のシトシン残基も同定されている。別の実施形態では、したがって、これらの残基又は反対のDNA鎖上のn+1位の対応するシトシンのうちの1つ又は複数のメチル化状態を評価することに特に向けられるスクリーニング法を用いることが可能である。
このために、この点に関して同定されているシトシン残基が下に収載されている。これらの個々の残基はHg19を参照することにより番号付けがされており、これは上文に収載されている特定の小領域の番号付けにも一致しており、小領域ごとの座標番号付けが配列表に与えられている対応する小領域配列に適用される場合には、さらに同定することが可能であることは、当業者であれば認識するはずである。これらの残基は、小領域DNAという状況で同定されていることは理解されるべきである。しかし、ここには、小領域それ自体の外側であるが上記小領域が由来するさらに大きなDNA領域内で高度メチル化されている他の残基が存在する。したがって、これらの特定化された残基は、本明細書で開示されているDNA領域及び小領域という状況内で高度メチル化を受ける個々のシトシン残基の特に有用なサブセットを表す。これらの個々の残基は、上記残基が存在するDNA領域に従って下にグループ分けされている。これらのDNA領域は、Hg19染色体座標と遺伝子領域名の両方を参照することにより同定される。
この実施形態に従えば、したがって、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、上記個体由来の生体試料において、
Figure 0007547406000026

Figure 0007547406000027

Figure 0007547406000028

Figure 0007547406000029

Figure 0007547406000030

Figure 0007547406000031

Figure 0007547406000032

Figure 0007547406000033

若しくは反対のDNA鎖上のn+1位の対応するシトシンから選択される1つ又は複数のシトシン残基のメチル化を評価することを含み、
対照試料における対応する残基のメチル化レベルと比べて上記残基のうちの1つ若しくは複数のメチル化のより高いレベルは大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示している、
上記方法が提供される。
別の実施形態では、上記1つ又は複数のシトシン残基は、GRASP、SDC2、COL4A1、IRX1、SOX21、FGF5、ZNF471、SUSD5、EFEMP1、TCF21、COL1A2、FOXB1、FOXF1、PDX1及びDLX5から選択される。
一特定の実施形態では、上記1つ又は複数のシトシン残基は
Figure 0007547406000034

Figure 0007547406000035

Figure 0007547406000036

から選択される。
本発明の検出法は任意の適切な生体試料で実施することが可能である。このために、「生体試料」への言及は、細胞物質、生体液(たとえば、血液)、糞便、組織生検標本、外科的標本又は動物の身体に導入されそれに続いて取り除かれた(たとえば、浣腸液から回収された溶液などの)液体などの、しかしこれらの限定されない動物由来の生体物質の任意の試料への言及として理解されるべきである。本発明の方法に従って試験される生体試料は、直接試験することもあれば、試験に先立ってある種の処理を必要とすることもある。たとえば、生検又は外科的試料は試験に先立って均質化を必要とすることもあれば、個々の遺伝子の質的発現レベルのインサイツ試験のためにセクショニングを必要とすることもある。代わりに、細胞試料は試験に先立って透過処理を必要とすることもある。さらに、生体試料が液体形態ではない限り、(そのような形態が試験のために必要であれば)上記生体試料は、試料を動態化するためにバッファーなどの試薬の添加を必要とすることもある。
対象のDNA領域が生体試料中に存在する限り、生体試料は直接試験してもよいし、さもなければ生体試料中に存在する核酸のすべて若しくは一部を試験に先立って単離してもよい。さらに別の例では、試料は部分的に精製される、又は分析に先立って他の方法で濃縮されてもよい。たとえば、生体試料が極めて多様な細胞集団を含む限り、特定の対象の亜集団について濃縮することが望ましいこともある。標的細胞集団又はそこに由来する分子を試験に先立って処理する、たとえば、生ウイルスを不活化することは本発明の範囲内である。生体試料は新たに収穫してもよく、又は試験に先立って保存していてもよく(たとえば、凍結により)、若しくは他の方法で試験に先立って処理してもよい(培養を受けることによりなど)ことも理解されるべきである。
本明細書に開示される方法に従って試験するためにはどのような種類の試料がもっとも適切なのかの選択は、状況の性質に依存することになる。好ましくは、上記試料は便(糞便)試料、浣腸水、外科的切除、組織生検又は血液試料(たとえば、全血、血清又は血漿)である。
さらに好ましくは、上記生体試料は血液試料、生検試料又は糞便試料である。
上文に詳述されるように、本発明は大腸に位置する新生物細胞又は細胞集団についてスクリーニングするように設計されている。したがって、「細胞又は細胞集団」への言及は、個々の細胞又は細胞の群への言及として理解されるべきである。上記細胞の群は、細胞の拡散集団、細胞懸濁液、細胞の被包性集団又は組織の形態をとる細胞の集団のこともある。
アデノーマ又は腺癌などの新生物の「発症」への言及は、異形成を示す個体の1つ又は複数の細胞への言及として理解されるべきである。この点に関して、アデノーマ又は腺癌は、多量の異形成細胞が発生している点でよく発達していることがある。代わりに、アデノーマ又は腺癌は、比較的少数の異常な細胞分裂のみが診断時に起きている点でごく初期段階であることもある。本発明は、アデノーマ又は腺癌などの新生物の発生の個体の素因の評価までにも及ぶ。本発明をいかなる点でも限定せずに、変化したメチル化レベルは、アデノーマ若しくは腺癌又は別のアデノーマ若しくは腺癌の将来の発生などの、新生物を発症する個体の素因を示していることがある。
好ましい方法は、新生物発生又はその素因を診断する目的でメチル化レベルを評価することであるが、上記メチル化のレベルにおける逆の変化の検出は、場合によっては、たとえば、アデノーマ又は腺癌の発生などの新生物状態を調節することに向けられる治療又は予防処置の有効性をモニターするためには望ましいこともある。たとえば、メチル化レベルの上昇が、個体がアデノーマ又は腺癌の発生により特徴付けられる状態を発症したことを示す場合、治療的処置レジメン(therapeutic treatment regime)の開始に続くメチル化レベルの減少についてのスクリーニングは、新生物細胞の排除に成功したことを示すのに利用し得る。別の例では、この方法を使用して腫瘍の全縁が取り除かれたかどうかを確定するために腫瘍切片の縁の組織を試験することができる。
したがって、本方法は、疾病リスクの診断、予後、分類、予測、疾病の再発の検出、いくつかの種類の新生物の治療の選択及び新生物のモニタリングに使用することが可能である。原発、転移性及び再発がんなどのいかなる進行段階のがんも検出することが可能である。
本発明は、哺乳動物(たとえば、ヒト)が大腸の新生物を有するかどうか、哺乳動物から採取した生体試料が新生物細胞若しくは新生物細胞由来のDNAを含有するかどうかを確定する、哺乳動物が新生物を発症しているリスク若しくは可能性を推定する、抗がん治療の効力をモニターする、又はがんを有する哺乳動物における適切な抗がん治療を選択するための方法を提供する。そのような方法は、本明細書に記載されるDNA領域において新生物細胞が正常細胞とは異なるメチル化状態を有することの決定に基づいている。したがって、細胞が本明細書に記載されるDNA領域において差次的にメチル化された配列を含有するかどうかを確定することにより、細胞が新生物であることを決定することが可能である。
本発明の方法は、新生物を有することが知られている若しくは疑われる個体を評価するために、又は常用の臨床試験として、すなわち、必ずしも新生物を有すると疑われるわけではない個体において使用することが可能である。追加の診断アッセイを実施して、個体における新生物状態を確かめることが可能である。
さらに、本方法を使用して処置経過の効力を評価し得る。たとえば、抗がん治療の効力は、がんに罹っている哺乳動物において本明細書に記載される配列のDNAメチル化を時間をかけてモニターすることにより、評価することができる。たとえば、治療前に又は治療の早期に哺乳動物から採取した試料中のレベルと比べて、治療に続いて哺乳動物から採取した生体試料における本発明の診断配列のいずれかでのメチル化の減少又は非存在は、有効な治療であることを示している。
したがって、本発明の方法は、1回限りの検査として又は新生物発生の危険があると考えられる個体の継続的モニターとして又は新生物発生を阻害する若しくは他の方法で遅延することに向けられる治療的若しくは予防的処置レジメンの有効性のモニターとして有用である。これらの状況では、いずれか1つ又は複数の種類の生体試料におけるメチル化レベルのモジュレーションを位置付けることは、個体の状態又は現在使用されている治療的若しくは予防的レジメンの有効性についての価値ある指標である。したがって、本発明の方法は、その正常レベル(上文に定義されている)と比べて、又は個体の生体試料から確定された1つ若しくは複数の以前のメチル化レベルと比べて、上記個体におけるメチル化レベルの増加又は減少についてモニターすることにまで及ぶと理解されるべきである。
新生物を検出するための方法は、1つ又は複数の他のがん関連ポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の検出を含むことができる。したがって、本発明の方法によるメチル化の検出は、単独で又は新生物の診断若しくは予後のための他のスクリーニング法と組み合わせて使用することが可能である。
DNAメチル化を検出するためのいかなる方法も、本発明の方法において使用することができる。いくつかの方法が、原発組織試料における又は血液、尿、糞便若しくは唾液などの患者試料における特定の遺伝子座での差次的にメチル化されたDNAの検出に利用することが可能である(Kristensen and Hansen Clin Chem.55:1471~83頁、2009年;Ammerpohl et al.Biochem Biophys Acta.1790:847~62頁、2009年;Shames et al.Cancer Lett.251:187~98頁、2007年;Clark et al.Nat Protoc.1:2353~64頁、2006年に概説されている)。標的遺伝子のDNAメチル化の割合又は程度の分析では、DNAは通常、亜硫酸水素ナトリウムで処理され、対象の領域は、DNAのメチル化状態とは無関係に増幅することになるプライマー及びPCR条件を使用して増幅される。次に、全体のアンプリコン又は個々のCpG部位のメチル化は、ピロシーケンス、制限酵素消化(COBRA)を含む塩基配列決定により又は融解曲線解析により評価することが可能である。代わりに、特定のCpG部位でのメチル化の分析のためのライゲーションベースの方法を使用し得る。腫瘍から体液中に放出された異常にメチル化されたDNAの検出はがん診断の手段として開発中である。ここでは、高度メチル化された配列の場合、メチル化されていない正常細胞DNAの背景からのメチル化されたDNA配列の選択的増幅を可能にする感度の良い方法を使用する必要がある。亜硫酸水素塩処理されたDNAに基づくそのような方法には、たとえば、メチル化選択PCR(MSP)、ヘビーメチル(Heavymethyl)PCR、ヘッドループ(Headloop)PCR及びヘルパー依存性(Helper-dependent)連鎖反応(国際出願PCT/AU2008/001475)が含まれる。
手短に言えば、いくつかの実施形態では、メチル化を検出するための方法は、ゲノムDNAを無作為に剪断する又は無作為に断片化し、メチル化依存性又はメチル化感受性制限酵素でDNAを切断し、それに続いて切断された又は切断されていないDNAを選択的に同定する及び/又は分析することを含む。選択的同定には、たとえば、切断されたDNAと切断されていないDNAを分離し(たとえば、サイズにより)、切断された又は代わりに切断されていない対象の配列を定量化することを含むことができる。たとえば、米国特許第7,186,512号を参照されたい。代わりに、上記方法は、制限酵素消化後無傷のDNAを増幅し、それによって増幅された領域において制限酵素により切断されなかったDNAのみを増幅することを包含することができる。たとえば、米国特許出願第10/971,986号、米国特許出願第11/071,013号及び米国特許出願第10/971,339号を参照されたい。いくつかの実施形態では、増幅は、遺伝子特異的であるプライマーを使用して実施することができる。代わりに、アダプターを無作為に断片化されたDNAの端部に付加することができ、上記DNAはメチル化依存性又はメチル化感受性制限酵素で消化することができ、無傷のDNAは上記アダプター配列にハイブリダイズするプライマーを使用して増幅することができる。この場合、DNAの増幅されたプールにおいて特定の遺伝子の存在、非存在又は量を決定する第2のステップを実施することができる。いくつかの実施形態では、上記DNAはリアルタイム定量的PCRを使用して増幅される。
いくつかの実施形態では、上記方法は、ゲノムDNAの集団内の標的配列における平均メチル化密度を定量化することを含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、遺伝子座における潜在的制限酵素切断部位の少なくとも一部のコピーが切断されないままであることを可能にする条件下で、ゲノムDNAをメチル化依存性制限酵素又はメチル化感受性制限酵素に接触させ、上記遺伝子座の無傷のコピーを定量化し、増幅された産物の量を対照DNAのメチル化の量を表す対照値と比較し、それによって上記対照DNAのメチル化密度と比べた上記遺伝子座における平均メチル化密度を定量化することを含む。
DNAの遺伝子座のメチル化の量は、上記遺伝子座を含むゲノムDNAの試料を提供し、上記DNAをメチル化感受性又はメチル化依存性である制限酵素で切断し、次に無傷のDNAの量を定量化する又は対象のDNA遺伝子座で切断されたDNAの量を定量化することにより決定することができる。無傷の又は切断されたDNAの量は、上記遺伝子座を含有するゲノムDNAの最初の量、上記遺伝子座におけるメチル化の量、及び上記ゲノムDNAにおいてメチル化されている遺伝子座におけるヌクレオチドの数(すなわち、割合)に依存することになる。DNA遺伝子座におけるメチル化の量は、無傷のDNA又は切断されたDNAの量を同様な処理を受けたDNA試料における無傷のDNA又は切断されたDNAの量を表す対照値と比較することにより決定することができる。対照値は、メチル化されたヌクレオチドの既知の又は予想される数を表すことができる。代わりに、対照値は、別の(たとえば、正常な、非疾患)細胞における同じ遺伝子座又は第二の遺伝子座由来の無傷の又は切断されたDNAの量を表すことができる。
遺伝子座における潜在的制限酵素切断部位の少なくとも一部のコピーが切断されないままであることを可能にする条件下で、少なくとも1つのメチル化感受性又はメチル化依存性制限酵素を使用し、それに続いて残っている無傷のコピーを定量化し、その量を対照と比較することにより、遺伝子座の平均メチル化密度を決定することができる。メチル化感受性酵素は、その認識配列がメチル化されていなければDNAを切断する酵素であり、メチル化依存性酵素は、その認識配列がメチル化されているとDNAを切断する。メチル化感受性制限酵素を、遺伝子座における潜在的制限酵素切断部位の少なくとも一部のコピーが切断されないままであることを可能にする条件下で、DNA遺伝子座のコピーに接触させるならば、残っている無傷のDNAはメチル化密度に正比例することになり、したがって、対照と比較して、試料中の遺伝子座の相対的メチル化密度を決定し得る。同様に、メチル化依存性制限酵素を、遺伝子座における潜在的制限酵素切断部位の少なくとも一部のコピーが切断されないままであることを可能にする条件下で、DNA遺伝子座のコピーに接触させるならば、残っている無傷のDNAはメチル化密度に反比例することになり、したがって、対照と比較して、試料中の遺伝子座の相対的メチル化密度を決定し得る。そのようなアッセイは、たとえば、米国特許出願第10/971,986号に開示されている。
上記方法のためのキットは、たとえば、メチル化依存性制限酵素、メチル化感受性制限酵素、増幅(たとえば、PCR)試薬、プローブ及び/又はプライマーのうちの1つ又は複数を含むことができる。
定量的増幅法(たとえば、定量的PCR又は定量的線形増幅)を使用して、制限消化に続いて、増幅プライマーが隣接する遺伝子座内の無傷のDNAの量を定量化することができる。定量的増幅の方法は、たとえば、米国特許第6,180,349号、米国特許第6,033,854号及び米国特許第5,972,602号、並びにたとえば、Gibson et al.、Genome Research 6:995~1001頁(1996);DeGraves et al.、Biotechniques 34(1):106~10頁、112~5頁(2003);Deiman B、et al.、Mol.Biotechnol.20(2):163~79頁(2002)に開示されている。増幅は「リアルタイム」でモニターし得る。
DNAメチル化を検出するための追加の方法は、DNAを亜硫酸水素塩で処理する前及び後のゲノム配列決定を含むことができる。たとえば、Frommer et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1827~1831頁(1992)を参照されたい。亜硫酸水素ナトリウムをDNAに接触させると、非メチル化シトシンはウラシルに変換され、メチル化されたシトシンは改変されない。
いくつかの実施形態では、亜硫酸水素塩変換DNAから増幅されたPCR産物の制限酵素消化を使用して、DNAメチル化を検出する。たとえば、Sadri&Hornsby、Nucl.Acids Res.24:5058~5059頁(1996);Xiong&Laird、Nucleic Acids Res.25:2532~2534頁(1997)を参照されたい。
いくつかの実施形態では、メチル化特異的PCR(「MSP」)反応は、単独で又はDNAメチル化を検出する他の方法と組み合わせて使用される。MSPアッセイは、亜硫酸水素ナトリウムによるDNAの最初の改変、すべての非メチル化であるがメチル化されないシトシンのウラシルへの変換、及びメチル化対非メチル化DNAに特異的なプライマーを用いたそれに続く増幅を必要とする。Herman et al.、Natl.Acad.Sci.USA 93:9821~9826頁(1996);米国特許第5,786,146号を参照されたい。
いくつかの実施形態では、メチライト(MethyLight)アッセイは、単独で又はDNAメチル化を検出する他の方法と組み合わせて使用される(Eads et al.、Cancer Res.59:2302~2306頁(1999)参照)。手短に言えば、メチライトプロセスでは、ゲノムDNAは亜硫酸水素ナトリウム反応において変換される(亜硫酸水素塩プロセスは非メチル化シトシン残基をウラシルに変換する)。次に、対象のDNA配列の増幅は、CpGジヌクレオチドにハイブリダイズするPCRプライマーを使用して実施される。メチル化されたDNAの亜硫酸水素塩変換から生じる配列(又は代わりに非メチル化配列)のみにハイブリダイズするプライマーを使用することにより、増幅は上記プライマーがハイブリダイズする配列のメチル化状態を示すことができる。さらに、増幅産物は、非メチル化DNAの亜硫酸水素塩処理から生じる配列に特異的に結合するプローブを用いて検出することができる。必要であれば、プライマーとプローブの両方を使用してメチル化状態を検出することが可能である。したがって、メチライトで使用するためにキットは、亜硫酸水素ナトリウム並びに、亜硫酸水素塩で処理されているメチル化されたDNAと非メチル化DNAを区別するプライマー又は検出可能的に標識されたプローブ(Taqman又は分子ビーコンプローブを含むがこれらに限定されない)を含むことができる。他のキット成分は、たとえば、PCRバッファー、デオキシヌクレオチド及び熱安定ポリメラーゼを含むがこれらに限定されない、DNAの増幅に必要な試薬を含むことができる。
いくつかの実施形態では、Ms-SNuPE(メチル化感受性一塩基プライマー伸長)反応は、単独で又はDNAメチル化を検出する他の方法と組み合わせて使用される(Gonzalgo&Jones、Nucleic Acids Res.25:2529~2531頁(1997)参照)。Ms-SNuPE法は、DNAの亜硫酸水素塩処理、続いて一塩基プライマー伸長に基づいて特定のCpG部位でのメチル化の差を評価するための定量的方法である(Gonzalgo&Jones、上記参照)。手短に言えば、ゲノムDNAを亜硫酸水素ナトリウムと反応させて、5-メチルシトシンは不変のままにして、非メチル化シトシンをウラシルに変換する。次に、目的の標的配列の増幅は、亜硫酸水素塩変換DNAに特異的なPCRプライマーを使用して実施され、得られた産物は単離されて対象のCpG部位(複数可)でのメチル化分析のための鋳型として使用される。
Ms-SNuPE分析のための典型的な試薬(たとえば、典型的なMs-SNuPEベースのキットに見られるような)は、特定の遺伝子(又はメチル化変更されたDNA配列又はCpGアイランド)のためのPCRプライマー;最適化されたPCRバッファー及びデオキシヌクレオチド;ゲル抽出キット;正の対照プライマー;特定の遺伝子のためのMs-SNuPEプライマー;反応バッファー(Ms-SNuPE反応のための);並びに検出可能的に標識されたヌクレオチドを含むことができるが、これらに限定されない。さらに、亜硫酸水素塩変換試薬は、DNA変性バッファー;スルホン化バッファー;DNA回収試薬又はキット(たとえば、沈殿、限外濾過、親和性カラム);脱スルホン化バッファー;及びDNA回収成分を含み得る。
追加のメチル化検出法には、メチル化されたCpGアイランド増幅(Toyota et al.、Cancer Res.59:2307~12頁(1999)参照)及び、たとえば、米国特許出願公開第2005/0069879号;Rein,et al.、Ncleic Acids Res.26(10):2255~64頁(1998);Olek,et al.、Nat.Genet.17(3):275~6頁(1997);及び国際出願PCT/WO 00/70090に記載される方法を含むが、これらの方法に限定されない。
これらの一般的に記載されている方法のいくつかに関するさらに詳細な情報は以下に提供される、
(a)プローブ又はプライマー設計及び/又は作製
新生物の診断のための本明細書に記載されるいくつかの方法は、1つ又は複数のプローブ及び/又はプライマーを使用する。たとえば、PCR又はハイブリダイゼーションにおいて使用するためのプローブ及び/又はプライマーを設計するための方法は当技術分野では公知であり、たとえば、Dieffenbach and Dveksler(Eds)(In:PCR Primer:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratories、NY.1995)に記載されている。さらに、種々のアッセイのための最適プローブ及び/又はプライマーを設計するいくつかのソフトウェアパッケージ、たとえば、the Center for Genome Research、Cambridge、Mass.、USAから入手可能なPrimer3が公開されている。
明らかに、プローブ又はプライマーの潜在的使用はその設計中に検討するほうがよい。たとえば、プローブ又はプライマーがメチル化特異的PCR又はリガーゼ連鎖反応(LCR)アッセイにおいて使用するために作製されるとすれば、3’端部(又はLCRの場合は5’端部)のヌクレオチドは好ましくは核酸中のメチル化されたヌクレオチドに一致するほうがよい。
新生物に関連する配列の検出に有用なプローブ及び/又はプライマーは評価されて、ヘアピンを形成することも、セルフプライムすることも、(たとえば、検出アッセイにおいて使用される別のプローブ又はプライマーと)プライマーダイマーを形成することもないプローブ及び/又はプライマーを決定する。さらに、プローブ又はプライマー(又はその配列)は評価されて、それが標的核酸から変性する温度(すなわち、プローブ若しくはプライマーの融解温度又はTm)を決定する場合が多い。Tmを推定するための方法は当技術分野では公知であり、たとえば、Santa Lucia、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、95:1460~1465頁、1995年又はBresslauer et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、83:3746~3750頁、1986年に記載されている。
本発明のプローブ又はプライマーを作製する/合成するための方法は当技術分野では公知である。たとえば、オリゴヌクレオチド合成は、Gait(Ed)(In:Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach、IRL Press、Oxford、1984年)に記載されている。たとえば、プローブ又はプライマーは、生物学的合成により(たとえば、制限エンドヌクレアーゼを用いた核酸の消化により)又は化学合成により得られる。短い配列では(約100ヌクレオチドまで)、化学合成が好ましい。
もっと長い配列では、たとえば、Messing、Methods Enzymol、101,20~78頁、1983年により記載される一本鎖DNAのためのM13の使用などの、分子生物学で用いられる標準複製法が有用である。オリゴヌクレオチド合成のための他の方法には、たとえば、リン酸トリエステル及びリン酸ジエステル法(Narang、et al.、Meth.Enzymol 68:90頁、1979年)及び支持体上での合成(Beaucage、et al.、Tetrahedron Letters 22:1859~1862頁、1981年)並びにホスホロアミド酸法、Caruther,M.H.、et al.、Methods in Enzymology、Vol.154、287~314頁(1988)、並びに「DNAとRNAの合成と適用(Synthesis and Applications of DNA and RNA)」、S.A.Narang editor、Academic Press、New York、1987年及びそこに引用される参考文献に記載される他の方法が含まれる。ロックド核酸(LNA)を含むプローブは、たとえば、Nielsen et al.、J.Chem.Soc.Perkin Trans.、1:3423頁、1997年;Singh and Wengel、Chem Commun.1247頁、1998年に記載される通りに合成される。その上、ペプチド核酸(PNA)を含むプローブは、たとえば、Egholm et al.、Am.Chem.Soc.、114:1895頁、1992年;Egholm et al.、Nature、365:566頁、1993年;及びOrum et al.、Nucl.Acids Res.、21:5332頁、1993年に記載される通りに合成される。
(b)DNAのメチル化感受性エンドヌクレアーゼ消化
一例では、試料中のメチル化の増加は、核酸が消化されるのに十分な条件下で一定量のメチル化感受性制限エンドヌクレアーゼ酵素で核酸を処理し、次に生成された断片を検出することを含むプロセスを使用して決定される。例となるメチル化感受性エンドヌクレアーゼには、たとえば、HhaI又はHpaIIが含まれる。好ましくは、アッセイは、用いられるメチル化感受性酵素と同じ特異性を有するメチル化非感受性酵素で消化される内部標準を含む。たとえば、メチル化非感受性酵素MspIは、メチル化感受性酵素HpaIIのイソ制限酵素である。
ハイブリダイゼーションアッセイフォーマット
一例では、核酸の消化は未消化核酸へのプローブ又はプライマーの選択的ハイブリダイゼーションにより検出される。代わりに、プローブは消化された核酸と未消化核酸の両方に選択的にハイブリダイズするが、たとえば、電気泳動により両方の形態の区別を促進する。ハイブリダイゼーションプローブへの選択的ハイブリダイゼーションを達成するのに適切な検出法には、たとえば、サザン又は他の核酸ハイブリダイゼーションが含まれる(Kawai et al.、Mol.Cell.Biol.14:7421~7427頁、1994年;Gonzalgo et al.、Cancer Res.57:594~599頁、1997年)。
適切なハイブリダイゼーション条件は、プローブを含む核酸二重鎖の融解温度(Tm)に基づいて決定される。いくつかの一般論を適用することは可能であるが、最適ハイブリダイゼーション反応条件はプローブごとに経験的に決定するほうがよいことは当業者であれば知っているであろう。好ましくは、短いオリゴヌクレオチドプローブを用いるハイブリダイゼーションは、低いから中程度の厳密性で実施される。GCリッチプローブ若しくはプライマー又はもっと長いプローブ若しくはプライマーの場合には、高厳密性ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄が好ましい。高厳密性は本明細書では、約0.1×SSCバッファー及び/若しくは約0.1%(w/v)SDS若しくはさらに低い塩濃度において、並びに/又は少なくとも65℃の温度若しくは同等の条件で実施されるハイブリダイゼーション及び/又は洗浄であると定義される。特定レベルの厳密性への本明細書での言及は、当業者には公知のSSC以外の洗浄/ハイブリダイゼーション溶液を使用する同等の条件を包含する。
本例に従えば、試験試料及び負の対照試料のために作製される断片の差異は対象が新生物を有することを示している。同様に、対照試料が、腫瘍、がん組織又はがん細胞若しくは前がん細胞のデータを含む場合、試験試料と対照試料間の類似性は、必ずしも絶対的同一性ではないとしても、陽性診断(すなわち、がん)を示している。
増幅アッセイフォーマット
別の例では、制限酵素により生成される断片は、たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅(RCA)、逆ポリメラーゼ連鎖反応(iPCR)、インサイツPCR(Singer-Sam et al.、Nucl. Acids Res.18:687頁、1990年)、鎖置換増幅(SDA)又はサイクリングプローブ技術などの増幅システムを使用して検出される。
PCRの方法は当技術分野では公知であり、たとえば、McPherson et al.、PCR:A Practical Approach.(series eds、D.Rickwood and B.D.Hames)、IRL Press Limited、Oxford.1~253頁、1991年により、及びDieffenbach(ed) and Dveksler(ed)(In:PCR Primer:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbour Laboratories、NY、1995年)により記載されており、上記内容はそれぞれが参照によりその全体を組み込まれている。一般に、PCRでは、少なくとも18ヌクレオチド長、さらに好ましくは少なくとも20~30ヌクレオチド長を含む2つの非相補的核酸プライマー分子は、核酸鋳型分子の異なる鎖にそのそれぞれのアニーリング部位でハイブリダイズされ、アニーリング部位に介在する鋳型の特定の核酸分子コピーは酵素的に増幅される。増幅産物は、たとえば、電気泳動及び核酸に結合する検出可能マーカーを用いる検出を使用して検出し得る。代わりに、オリゴヌクレオチドのうちの1つ又は複数は検出可能なマーカー(たとえば、フルオロフォア)で標識され、増幅産物は、たとえば、ライトサイクラー(Perkin Elmer、Wellesley、Mass.、USA、Roche Applied Science、Indianapolis、IN、USA)を使用して検出される。
鎖置換増幅(SDA)は、オリゴヌクレオチドプライマー、DNAポリメラーゼ及び制限エンドヌクレアーゼを利用して標的配列を増幅する。オリゴヌクレオチドは標的核酸にハイブリダイズされ、ポリメラーゼを使用してプライマーアニーリング部位に介在する領域のコピーを作製する。次に、コピーされた核酸と標的核酸の二重鎖は、上記コピーされた核酸の始まりの配列を特異的に認識するエンドヌクレアーゼで切れ目が入れられる。DNAポリメラーゼは切れ目を入れられたDNAを認識し、同時に標的領域の別のコピーを作製して、すでに生成されている核酸を置換する。SDAの利点は、それが等温フォーマットで起こり、それによってハイスループット自動分析を促進することである。
サイクリングプローブ技術は、標的配列にハイブリダイズすることができるDNA-RNA-DNAを含むキメラ合成プライマーを使用する。標的配列にハイブリダイズすると、形成されたRNA-DNA二重鎖はリボヌクレアーゼHの標的となり、それによってプライマーを切断する。次に、切断されたプライマーは、たとえば、質量分析又は電気泳動により検出される。
メチル化感受性エンドヌクレアーゼ認識部位に隣接する又は近接しているプライマーでは、そのようなプライマーは新生物において高度メチル化されている部位のみに隣接して確実に診断増幅産物が作製されるようにすることが好ましい。この点に関して、増幅産物は制限部位が切断されない場合、すなわち、制限部位がメチル化される場合のみ生成されることになる。したがって、増幅産物の検出は対象のCpGジヌクレオチド(単数又は複数)がメチル化されていることを示している。
当業者には公知であるように、増幅産物の正確な長さは、プライマー間の距離に応じて変動する。明らかに、それぞれのジヌクレオチドがメチル化感受性制限エンドヌクレアーゼ部位の中に存在すれば、この形式の分析を使用して複数のCpGジヌクレオチドのメチル化状態を確定し得る。これらの方法では、プライマーのうちの1つ又は複数を検出可能なマーカー、たとえば、蛍光標識(たとえば、Cy5又はCy3)又は放射性同位元素(たとえば、32P)で標識して、増幅された核酸の急速検出を促進し得る。
増幅された核酸は、一般に、たとえば、未変性アガロースゲル電気泳動、未変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動、質量分析、液体クロマトグラフィー(たとえば、HPLC又はdHPLC)又はキャピラリー電気泳動(たとえば、MALDI-TOF)を使用して分析される。たとえば、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間(MALDI-TOF)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、質量分析(タンデム質量分析、たとえば、LC MS/MSを含む)、バイオセンサー技術、エバネッセントファイバーオプティックス技術又はDNAチップ技術(たとえば、国際公開第98/49557号パンフレット;国際公開第96/17958号パンフレット;Fodor et al.、Science 767~773頁、1991年;米国特許第5,143,854号及び米国特許第5,837,832号、これら文献の内容はすべてが参照により本明細書に組み込まれる)などのハイスループット検出法は、本明細書に記載されるすべてのアッセイフォーマットのために特に好ましい。代わりに、核酸の増幅は、本明細書及び/又はたとえば、米国特許第6,174,670号に記載される融解曲線分析法を使用して絶えずモニターし得る(上記特許文献は参照により本明細書に組み込まれる)。
(c)他のアッセイフォーマット
別の例では、試料におけるメチル化の増加は、核酸が消化されるのに十分な条件下で核酸を含有するクロマチンを一定量のデオキシリボヌクレアーゼIで処理し、次に生成された断片を検出することを含むプロセスを実施することにより決定される。このアッセイフォーマットは、メチル化されたDNA、たとえば、高度メチル化されたDNAを含有するクロマチンは、非高度メチル化DNAよりも密に閉ざされた立体構造を有し、結果として、デオキシリボヌクレアーゼIによるエンドヌクレアーゼ消化に感受性が低いという理解に基づいている。
この方法に従えば、長さの異なるDNA断片は、非メチル化DNAと比べたメチル化されたDNAのデオキシリボヌクレアーゼI消化により作製される。そのような異なったDNA断片は、たとえば、以上記載されたアッセイを使用して検出される。代わりに、DNA断片は、基本的には、たとえば、Gregory and Feil Nucleic Acids Res.、27、e32i~e32iv、1999年に記載されているPCR-SSCPを使用して検出される。PCR-SSCPを本発明に適応させる際、新生物試料ではデオキシリボヌクレアーゼI消化に抵抗性であるが健康な/正常な対照又は健康な/正常な試験試料ではデオキシリボヌクレアーゼI消化に抵抗性ではない核酸中の1つ又は複数のCpGジヌクレオチドに隣接する又は含む増幅プライマーを使用して、デオキシリボヌクレアーゼI生成される断片を増幅する。この場合、デオキシリボヌクレアーゼIを使用した特定の核酸断片の作製は新生物の診断に役立つ。なぜならば、上記DNAは効率的には分解されないからである。これとは対照的に、健康な/正常な対象試料由来の鋳型DNAはデオキシリボヌクレアーゼIの作用により分解され、結果として、増幅は別々の増幅産物を生成することができない。たとえば、PCR-dHPLCなどのPCR-SSCPに代わる方法も当技術分野では公知であり、本発明により企図されている。
(d)非メチル化DNAの選択的変異誘発
別の方法では、試料中のメチル化の増加は、変異誘発を誘導するのに十分な条件下でCpGジヌクレオチド内の非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる一定量の化合物で上記核酸を処理することを含むプロセスを使用して決定される。
たとえば、亜硫酸水素の塩、たとえば、亜硫酸水素ナトリウム又は亜硫酸水素カリウムなどの好ましい化合物はシトシンをウラシル又はチミジンに変異させる(Frommer et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89、1827~1831頁、1992年)。DNAの亜硫酸水素塩処理は、CpGジヌクレオチド内にはない又はメチル化を受けないCpGジヌクレオチド内に位置するシトシン残基を含む、メチル化により保護されないシトシン残基を変異させることにより、メチル化されたシトシン残基を非メチル化シトシン残基と区別することが知られている。
配列ベースの検出
一例では、1つ若しくは複数の変異ヌクレオチドの存在又は変異配列の数は変異DNAの塩基配列決定により決定される。一形態の分析は、本明細書に記載される増幅反応、たとえば、PCRを使用して変異核酸を増幅することを含む。次に、増幅された産物は直接塩基配列決定される又はクローニングされ、クローニングされた産物は塩基配列決定される。DNAを塩基配列決定するための方法は当技術分野では公知であり、たとえば、ジデオキシ連鎖終止法又はマクサムギルバート法が含まれる(Sambrook et al.、Molecular Cloning、A Laboratory Manual(2nd Ed.、CSHP、New York 1989年)又はZyskind et al.、Recombinant DNA Laboratory Manual、(Acad.Press、1988年)参照)。
たとえば、亜硫酸水素塩などの化合物で核酸を処理することにより非メチル化シトシンがウラシル(したがって、増幅過程後にチミジン)に変異されるので、配列の分析によりメチル化されたヌクレオチドの存在又は非存在が決定される。たとえば、対照試料若しくは亜硫酸水素塩で処理されていない試料を使用して得られる配列又は対象の領域の既知のヌクレオチド配列を処理された試料と比較することにより、ヌクレオチド配列の差異の検出が促進される。対照又は未処理の試料と比べられた処理された試料におけるシトシンの部位で検出されたどんなチミン残基も、亜硫酸水素塩処理の結果としての変異により引き起こされると見なし得る。亜硫酸水素塩処理された核酸の塩基配列決定を使用するメチル化の検出に適した方法は、たとえば、Frommer et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89、1827~1831頁、1992年又はClark et al.、Nucl.Acids Res.22:2990~2997頁、1994年に記載されている。
別の方法では、亜硫酸水素塩処理された試料における変異した又は非変異ヌクレオチドの存在は、たとえば、Uhlmann et al.、Electrophoresis、23:4072~4079頁、2002年に記載されているなどのピロシーケンスを使用して検出される。基本的に、この方法は、メチル化されているシトシンの部位に隣接する又は近い部位にハイブリダイズするプライマーを使用するリアルタイム塩基配列決定の一種である。DNAポリメラーゼの存在下でのプライマーと鋳型のハイブリダイゼーションに続いて、4種の改変されたデオキシヌクレオチド三リン酸のそれぞれがあらかじめ決められた分配順に従って別々に付加される。亜硫酸水素塩処理された試料に相補的である付加されるヌクレオチドのみが組み込まれ、無機ピロリン酸(PPi)が遊離される。次に、PPiは反応を推進し、検出可能レベルの光を発生する。そのような方法により、プライマーのハイブリダイゼーション部位に隣接する特定のヌクレオチドの種類を決定することができる。
固相ピロシーケンスの方法は当技術分野では公知であり、たとえば、Landegren et al.、Genome Res.、8(8):769~776頁、1998年に概説されている。そのような方法により、いくつかのCpGジヌクレオチドのメチル化のハイスループット検出が可能になる。
亜硫酸水素塩処理されたヌクレオチドの配列を決定するための関連する方法は、メチル化感受性一塩基プライマー伸長(Me-SnuPE)又はSNaPmethである。適切な方法は、たとえば、Gonzalgo and Jones、Nucl.Acids Res.、25:2529~2531頁又はUhlmann et al.、Electrophoresis、23:4072~4079頁、2002年に記載されている。メチル化されているシトシンの部位に隣接する核酸の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドが使用される。次に、このオリゴヌクレオチドは、ポリメラーゼ及び亜硫酸水素塩処理に続いてこの部位に存在する考えられる塩基(すなわち、チミン又はシトシン)のうちのどちらか又はいずれにでも一致する遊離のヌクレオチド二リン酸又はジデオキシヌクレオチド三リン酸を用いるプライマー伸長プロトコールにおいて使用される。好ましくは、ヌクレオチド-二リン酸は検出可能なマーカー(たとえば、フルオロフォア)で標識される。プライマー伸長に続いて、非結合の標識されたヌクレオチド二リン酸は、たとえば、サイズ排除クロマトグラフィー若しくは電気泳動を使用して取り除かれる、又はたとえば、アルカリホスファターゼを使用して加水分解され、標識されたヌクレオチドのオリゴヌクレオチドへの取り込みが検出され、上記部位に存在する塩基が示される。
明らかに、他のハイスループット塩基配列決定法は本発明に包含されている。そのような方法には、たとえば、固相ミニシークエンシング(たとえば、Southern et al.、Genomics、13:1008~1017頁、1992年に記載されている)、又はFRETを用いるミニシークエンシング(たとえば、Chen and Kwok、Nucleic Acids Res.25:347~353頁、1997年に記載されている)が含まれる。
制限エンドヌクレアーゼベースのアッセイフォーマット
一方法では、非変異配列の存在は、基本的にXiong and Laird、Nucl.Acids Res.、25:2532~2534頁、2001年に記載されている組合せ亜硫酸水素塩制限分析(COBRA)を使用して検出される。この方法は、非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる化合物、たとえば、亜硫酸水素塩を用いた処理後メチル化された核酸と非メチル化核酸間の制限酵素認識部位の差異を利用する。
亜硫酸水素塩処理に続いて、メチル化され制限エンドヌクレアーゼ認識配列に含まれる1つ又は複数のCpGジヌクレオチドを含む対象の領域は、本明細書に記載される増幅反応、たとえば、PCRを使用して増幅される。次に、増幅産物を、切断が起こるのに十分な時間及び条件下で、CpGジヌクレオチドの部位で切断する制限酵素に接触させる。制限部位はメチル化の存在又は非存在を示すように選択され得る。たとえば、制限エンドヌクレアーゼTaqIは配列TCGAを切断するが、非メチル化核酸の亜硫酸水素塩処理に続いて、上記配列はTTGAになり、結果として、切断されなくなる。次に、消化及び/又は未消化核酸は、たとえば、電気泳動及び/又は質量分析などの、当技術分野で公知の検出手段を使用して検出される。核酸の切断又は非切断は対象におけるがんを示している。明らかに、この方法は、がんの診断のための陽性読出し又は陰性読出しシステムにおいて用い得る。
陽性読出しアッセイフォーマット
一実施形態では、本発明のアッセイフォーマットは、たとえば、亜硫酸水素塩で処理された試料由来のDNAが陽性シグナルとして検出される陽性読出しシステムを含む。好ましくは、健康な又は正常な対照対象由来の非高度メチル化DNAは検出されない又は微弱にしか検出されない。
好ましい実施形態では、対象試料におけるメチル化の増加は、
(i)変異誘発を誘導するのに十分な条件下で非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる一定量の化合物で核酸を処理し、それによって変異核酸を作製するステップ、
(ii)非変異核酸への選択的ハイブリダイゼーションが起こるような条件下でメチル化されたシトシン残基を含む配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むプローブ又はプライマーに核酸をハイブリダイズさせるステップ、及び
(iii)選択的ハイブリダイゼーションを検出するステップ
を含むプロセスを使用して決定される。
この状況では、用語「選択的ハイブリダイゼーション」は、非変異核酸へのプローブ又はプライマーのハイブリダイゼーションが、対応する変異配列への同じプローブ又はプライマーのハイブリダイゼーションよりも高い頻度若しくは速度で起こる、又は高い最大反応速度を有することを意味する。好ましくは、上記プローブ又はプライマーは、使用される反応条件下では変異(複数可)を担持する非メチル化配列にはハイブリダイズしない。
ハイブリダイゼーションベースのアッセイフォーマット
一実施形態では、ハイブリダイゼーションは、サザン、ドットブロット、スロットブロット又は他の核酸ハイブリダイゼーション手段を使用して検出される(Kawai et al.、Mol.Cell.Biol.14:7421~7427頁、1994年;Gonzalgo et al.、Cancer Res.57:594~599頁、1997年)。適切なプローブ選択を条件として、そのようなアッセイフォーマットは、本明細書において上に一般的に記載されており、現在記載されている選択的変異誘発アプローチを準用する。
好ましくは、リガーゼ連鎖反応フォーマットを用いて、変異と非変異核酸の区別をする。リガーゼ連鎖反応(EP320,308及び米国特許第4,883,750号に記載されている)は、標的核酸に並置されるように標的核酸にアニールする少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプローブを使用する。リガーゼ連鎖反応アッセイでは、標的核酸は、診断プローブが実質的に標的核酸のみに結合したままである条件下で、標的配列、たとえば、1つ又は複数のメチル化されたCpGジヌクレオチド(複数可)を含む核酸の診断部分に相補的である第一のプローブ(診断プローブ)、及び診断部分に近接しているヌクレオチド配列に相補的である第二のプローブ(近接プローブ)にハイブリダイズされる。診断及び近接プローブは、ハイブリダイゼーションの厳密性を調整して標的へのその選択的ハイブリダイゼーションが可能になるように、長さが異なり及び/又は異なる融解温度を有することができ、融解温度が高いほうのプローブはより高い厳密性でハイブリダイズされ、未結合及び/又は非選択的に結合したプローブを洗浄して取り除くことに続いて融解温度が低いほうのもう一方のプローブはより低い厳密性でハイブリダイズされる。次に、診断プローブと近接プローブは、たとえば、T4 DNAリガーゼを使用してなどの共有結合的にライゲートされて、それによって標的配列に相補的であるより大きな標的プローブを生成し、ライゲートされないプローブはハイブリダイゼーション厳密性を変更することにより取り除かれる。この点に関して、ライゲートされなかったプローブは、ライゲートされたプローブよりも低い厳密性ハイブリダイゼーション条件下で選択的にハイブリダイズすることになる。したがって、長いほうのプローブを、好ましくは、ライゲーションに続いて短いほうのプローブにより与えられる増加した長さに起因するより高い厳密性でハイブリダイズさせるのに使用される厳密性と少なくとも同じくらいの高さの厳密性までハイブリダイゼーションの厳密性を高めることが可能である。
別の例では、標的-プローブ二重鎖を溶解し、解離したプローブを溶出し、標識(複数可)について試験することにより、標的配列の存在又は非存在を試験することができるように、上記プローブのうちの1つ又は両方は標識される。両方のプローブが標識される場合、異なるリガンドを使用してライゲートされたプローブと非ライゲートプローブの区別を可能にし、その場合、同じ溶出画分中に両方のプローブが存在すればライゲーション事象が確認される。標的核酸が、たとえば、サザンハイブリダイゼーション、スロットブロット、ドットブロット、又はマイクロチップアッセイフォーマットにおいて固体マトリックスに結合しているならば、診断と近接プローブの両方の存在は直接決定することが可能である。
メチル化特異的マイクロアレイ(MSO)も変異と非変異配列を区別するのに有用である。適切な方法は、たとえば、Adorjan et al.、Nucl.Acids Res.、30:e21、2002年に記載されている。MSOでは、変異と非変異核酸の両方を増幅させる増幅反応のための鋳型として、非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる化合物(たとえば、亜硫酸水素塩)で処理されている核酸が使用される。増幅は、たとえば、フルオロフォア、たとえば、Cy3又はCy5などの検出可能標識を含む少なくとも1つのプライマーを用いて実施される。
変異核酸の検出のためのマイクロアレイを作製するために、オリゴヌクレオチドは、たとえば、グラススライド上に、好ましくはある程度重複してスポットされる(たとえば、Golub et al.、Science、286:531~537頁、1999年に記載されている)。好ましくは、分析されるCpGジヌクレオチドごとに、2つの異なるオリゴヌクレオチドが使用される。それぞれのオリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドのメチル化又は非メチル化状態を反映する配列N-16CGN-16又はN-16TGN-16(Nは対象のCpGジヌクレオチドに隣接している又は並置しているヌクレオチドの数である)を含む。
次に、標識された増幅産物は一塩基差異の検出を可能にする条件下、マイクロアレイ上でオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせる。洗浄して未結合増幅産物を取り除くことに続いて、ハイブリダイゼーションは、たとえば、マイクロアレイスキャナーを使用して検出される。この方法は、多数のCpGジヌクレオチドのメチル化状態を決定することを可能にするだけではなく、半定量的でもあり、分析されるそれぞれのCpGジヌクレオチドでメチル化の程度を決定することが可能である。1つの試料においてメチル化のある程度の不均一性が存在し得るので、そのような定量化はがんの診断に役立ち得る。
増幅ベースのアッセイフォーマット
別の例では、ハイブリダイゼーションは、増幅システムを使用して検出される。メチル化特異的PCRフォーマットでは(MSP;Herman et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821~9826頁、1992年)、ハイブリダイゼーションは亜硫酸水素塩処理されたDNAを増幅することを含むプロセスを使用して検出される。したがって、中程度及び/又は高厳密性条件下で非変異配列に特異的にアニールする1つ又は複数のプローブ又はプライマーを使用することにより、増幅産物はメチル化されたヌクレオチドを含む試料のみを使用して生成される。亜硫酸水素塩処理されたDNAの混合物からのメチル化された又は非メチル化成分の選択的増幅のために提供される別のアッセイは、Cottrell et al.、Nucl.Acids Res.32:e10、2003年(HeavyMethyl PCR)、Rand et al.Nucl.Acids Res.33:e127、2005年(Headloop PCR)、Rand et al.Epigenetics 1:94~100頁、2006年(Bisulfite Differential Denaturation PCR)及び国際出願PCT/AU07/000389号パンフレット(End-specific PCR)により提供される。
たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅(RCA)、逆ポリメラーゼ連鎖反応(iPCR)、インサイツPCR(Singer-Sam et al.、Nucl.Acids Res.18、687頁、1990年)、鎖置換増幅又はサイクリングプローブ技術などの、本明細書に記載されるいずれの増幅アッセイフォーマットも使用することが可能である。PCR技法は、遺伝子変異の検出(Kuppuswamy et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1143~1147頁、1991年)及び対立遺伝子特異的発現の定量化(Szabo and Mann、Genes Dev.9:3097~3108頁、1995年;及びSinger-Sam et al.、PCR Methods Appl.1:160~163頁、1992年)のために開発された。そのような技法は、PCR生成された鋳型にアニールし、アッセイされる単一ヌクレオチドの5’で直ちに終結する内部プライマーを使用する。そのようなフォーマットは本明細書の上に記載されるリガーゼ連鎖反応と容易に組み合わされる。リアルタイム定量的アッセイフォーマットの使用も有用である。適切なプライマーを選択することを条件として、そのようなアッセイフォーマットは本明細書の上に一般的に記載されており、現在記載されている選択的変異誘発アプローチを準用する。
メチル化特異的融解曲線分析(基本的に、Worm et al.、Clin.Chem.、47:1183~1189頁、2001年に記載されている)も本発明により企図されている。このプロセスは、亜硫酸水素塩処理されたメチル化された又は非メチル化核酸を使用して作製される増幅産物における融解温度の差異を利用する。基本的に、亜硫酸水素塩処理された試料の非差別的増幅が、二本鎖DNAに特異的に結合する蛍光色素(たとえば、SYBR Green I)の存在下で実施される。蛍光をモニターしながら増幅産物の温度を増加することにより、融解特性及びしたがって増幅産物の配列が決定される。蛍光の減少は、増幅産物における少なくともドメインの融解を反映する。蛍光が減少する温度は、増幅された核酸のヌクレオチド配列を示しており、それによって1つ又は複数のCpGジヌクレオチドの部位のヌクレオチドを、本発明を使用して増幅される核酸の配列として決定することができる。
本発明は、この実施例を実施するために、たとえば、TaqMan(Holland et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7276~7280頁、1991年;Lee et al.、Nucleic Acids res.21:3761~3766頁、1993年)などのリアルタイム定量型のPCRの使用も包含している。たとえば、Eads et al.、Nucl.Acids Res.28:E32、2000年のメチルライト法では、修正されたTaqManアッセイを使用して、CpGジヌクレオチドのメチル化を検出する。基本的に、この方法は、核酸試料を亜硫酸水素塩で処理し、増幅反応、たとえば、PCRを使用して、新生物細胞ではメチル化されているが対照試料ではメチル化されていない1つ又は複数のCpGジヌクレオチドを含む核酸を増幅させることを含む。増幅反応は、3つのオリゴヌクレオチド、対象の領域に隣接するフォワード及びリバースプライマー並びに上記2つのプライマー間で1つ又は複数のメチル化されたCpGジヌクレオチドの部位にハイブリダイズするプローブの存在下で実施される。上記プローブは、5’蛍光レポーター及び3’クエンチャー(又は逆にして)で二重に標識される。プローブが無傷の場合、クエンチャー色素はその近接のせいでレポーターの蛍光を吸収する。PCR産物へのアニーリングに続いて、プローブは、たとえば、Taq DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性により切断される。この切断により、レポーターはクエンチャーから放出され、それによって最初の鋳型メチル化レベルを推定するのに使用することができる増大した蛍光シグナルを生じる。非変異核酸(すなわち、メチル化された核酸)に選択的にハイブリダイズするプローブ又はプライマーを使用することにより、たとえば、標準曲線を使用してメチル化のレベルが決定される。
代わりに、切断を必要とする標識されたプローブを使用するのではなく、たとえば、分子ビーコンなどのプローブが使用される(たとえば、Mhlanga and Malmberg、Methods 25:463~471頁、2001年参照)。分子ビーコンは、ステムループ構造を有する一本鎖核酸分子である。ループ構造は、新生物試料ではメチル化されているが対照試料ではメチル化されていない1つ又は複数のCpGジヌクレオチドを囲む領域に相補的である。ステム構造は、プローブ(ループ)のどちら側にもある、互いに相補的な2本の「アーム」をアニールすることにより形成される。蛍光部分は一方のアームに結合しており、分子ビーコンが標的配列に結合していないときにはいかなる検出可能な蛍光も抑制する消光部分はもう一方のアームに結合している。ループ領域がその標的核酸に結合すると、アームは分離され蛍光が検出可能になる。しかし、単一の塩基ミスマッチでさえ、試料において検出される蛍光のレベルを著しく変える。したがって、特定の塩基の存在又は非存在は、検出される蛍光のレベルにより決定される。そのようなアッセイは、核酸における1つ又は複数の非変異部位(すなわち、メチル化されたヌクレオチド)の検出を促進する。
蛍光的に標識されたロックド核酸(LNA)分子又は蛍光的に標識されたタンパク質-核酸(PNA)分子は、ヌクレオチド差異の検出に有用である(たとえば、Simeonov and Nikiforov、Nucleic Acids Research、30(17):1~5頁、2002年)。LNA及びPNA分子は、核酸、特にDNAに高親和性で結合する。LNA又はPNAプローブにコンジュゲートしたフルオロフォア(特に、ローダミン又はヘキサクロロフルオレセイン)は、標的核酸に上記プローブがハイブリダイズすると著しく大きなレベルで蛍光を発する。しかし、一つのヌクレオチドミスマッチでも存在すると、蛍光の増加レベルは同一レベルにまで増強されなくなる。したがって、試料において検出される蛍光の程度は、メチル化されたCpGジヌクレオチドにおける変異シトシンの存在下などのLNA又はPNAプローブと標的核酸間のミスマッチの存在を示している。好ましくは、蛍光的に標識されたLNA又はPNA技術を使用して、たとえば、当技術分野で公知の及び/又は本明細書に記載される増幅法を使用してすでに増幅されている核酸における少なくとも一塩基変化を検出する。
当業者には明らかになるように、LNA又はPNA検出技術は、Orum et al.、Clin.Chem.45:1898~1905頁、1999年に記載されるように、LNA又はPNAプローブを固体支持体に固定化することにより、1つ又は複数のマーカーのハイスループット検出を受け入れることができる。
代わりに、たとえば、いわゆるヘビーメチルアッセイ(Cottrell et al.、Nucl.Acids Res.32:e10、2003年)などのリアルタイムアッセイを使用して、試験試料における核酸のメチル化の存在又はレベルを決定する。基本的に、この方法では、メチル化特異的な形で亜硫酸水素塩処理された核酸に結合する1つ又は複数の非伸長可能核酸(たとえば、オリゴヌクレオチド)ブロッカーが使用される(すなわち、ブロッカー(単数又は複数)は中程度から高厳密性条件下で未変異DNAに特異的に結合する)。増幅反応は、任意選択でメチル化特異的であってもよいが上記1つ又は複数のブロッカーに隣接する1つ又は複数のプライマーを使用して実施される。非メチル化核酸(すなわち、非変異DNA)の存在下で、ブロッカー(単数又は複数)は結合し、PCR産物は生成されない。基本的に上に記載される通りにTaqManアッセイを使用して、試料における核酸のメチル化レベルが決定される。
非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる化合物を用いた処理に続いてメチル化された核酸を検出するための他の増幅ベースの方法には、たとえば、メチル化特異的一本鎖立体構造分析(MS-SSCA)(Bianco et al.、Hum.Mutat.、14:289~293頁、1999年)、メチル化特異的変性勾配ゲル電気泳動(MS-DGGE)(Abrams and Stanton、Methods Enzymol.、212:71~74頁、1992年)及びメチル化特異的変性高速液体クロマトグラフィー(MS-DHPLC)(Deng et al.、Chin.J.Cancer Res.、12:171~191頁、2000年)が含まれる。これらの方法のそれぞれで、ヌクレオチド配列及び/又は二次構造における差異に基づいて増幅産物における核酸差異を検出するための異なった技法が使用される。そのような方法は、明らかに本発明により企図されている。
他の増幅ベースのアッセイフォーマットの場合と同じように、増幅産物は、ゲル電気泳動、ゲル濾過、質量分析を含む様々な手法を使用して、標識されたプライマーの場合には、増幅産物における標識を同定することにより、分析される、別の実施形態では、亜硫酸水素塩変換されたDNAから増幅されるPCR産物の制限酵素消化は、基本的に、Sadri and Hornsby、Nucl.Acids Res.24:5058~5059頁、1996年;及びXiong and Laird、Nucl.Acids Res.25:2532~2534頁、1997年により記載される通りに実施されて、形成される産物を分析する。
たとえば、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間(MALDI-TOF)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、質量分析(タンデム質量分析、たとえば、LC MS/MSを含む)、バイオセンサー技術、エバネッセントファイバーオプティクス技術又はDNAチップ技術などのハイスループット検出法を用いることも可能である。
ハイブリダイゼーション及び/又は増幅検出システムを利用する本明細書に記載されるその他のアッセイフォーマットの場合と同じように、本明細書において上に記載されるようなプロセスの組合せは、本発明の選択的変異誘発ベースのアッセイフォーマットにより特に企図されている。一例では、
(i)変異誘発を誘導するのに十分な条件下でCpGジヌクレオチド内の非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる一定量の化合物で核酸を処理し、それによって変異された核酸を作製するステップ、
(ii)非変異核酸へのハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、メチル化されたシトシン残基を含むDNAにおける配列に相補的であるヌクレオチド配列をそれぞれが含む2つの非重複及び非相補的プライマーに核酸をハイブリダイズさせるステップ、
(iii)ハイブリダイズされたプライマーに介在する核酸を増幅させ、それによってプライマー配列を含む配列からなるDNA断片を作製するステップ、
(iv)非変異核酸へのハイブリダイゼーションが起こるような条件下でメチル化されたシトシン残基を含む配列に一致する又は相補的であるヌクレオチド配列を含むプローブに増幅されたDNA断片をハイブリダイズさせ、上記ハイブリダイゼーションを検出するステップ、
を含むプロセスを実施することによりメチル化の増加が検出される。
陰性読出しアッセイ
別の例では、アッセイフォーマットは、健康な/正常な対照試料由来のDNAのメチル化の減少が陽性シグナルとして検出され、好ましくは、新生物試料由来のメチル化されたDNAが検出されない又は微弱にしか検出されない陰性読出しシステムを含む。
好ましい実施形態では、
(i)変異誘発を誘導するのに十分な条件下でCpGアイランド内の非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる一定量の化合物で核酸を処理し、それによって変異された核酸を作製するステップ、
(ii)変異核酸への選択的ハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、変異シトシン残基を含む配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むプローブ又はプライマーに核酸をハイブリダイズさせるステップ、及び
(iii)上記選択的ハイブリダイゼーションを検出するステップ
を含むプロセスを使用して、メチル化の減少は決定される。
この状況では、用語「選択的ハイブリダイゼーション」は、変異核酸へのプローブ又はプライマーのハイブリダイゼーションが、対応する非変異配列への同一プローブ又はプライマーのハイブリダイゼーションよりも高い頻度で若しくは速度で起こる、又は高い最高反応速度を有することを意味する。好ましくは、上記プローブ又はプライマーは、使用される反応条件下ではメチル化された配列(又は非変異配列)にはハイブリダイズしない。
ハイブリダイゼーションベースのアッセイフォーマット
一実施形態では、ハイブリダイゼーションは、サザン、ドットブロット、スロットブロット又は他の核酸ハイブリダイゼーション手段を使用して検出される(Kawai et al.、Mol.Cell.Biol.14:7421~7427頁、1994年;Gonzalgo et al.、Cancer Res.57:594~599頁、1997年)。適切なプローブ選択を条件として、そのようなアッセイフォーマットは、本明細書において上に一般的に記載されており、現在記載されている選択的変異誘発アプローチを準用する。好ましくは、リガーゼ連鎖反応フォーマットを用いて、非変異と変異核酸の区別をする。この点に関して、アッセイ要件及び条件は陽性読出しアッセイについて本明細書において上に記載されている通りであり、現在のフォーマットを準用する。しかし、プローブの選択は異なることになる。陰性読出しアッセイでは、非変異配列ではなく変異配列に選択的にハイブリダイズする1つ又は複数のプローブが選択される。
好ましくは、CpGジヌクレオチドのシトシンがチミジンに変異される場合、たとえば、非メチル化シトシン残基の場合にのみ、診断プローブ及び近接プローブがライゲートされることができるように、リガーゼ連鎖反応プローブ(複数可)は、健康な対照試料ではメチル化されていないが、癌では高度メチル化されているCpGジヌクレオチドを含む3’端部及び/又は5’端部配列を有する。
当業者には明らかになるように、上に記載されるMSO法は陽性及び/又は陰性読出しアッセイのどちらか又は両方を受け入れられる。これは、記載されるアッセイが変異と非変異配列の両方を検出し、それによってメチル化のレベルを決定することを促進するからである。しかし、メチル化された又は非メチル化配列のみを検出するアッセイは本発明により企図されている。
増幅ベースのアッセイフォーマット
別の例では、ハイブリダイゼーションは、変異核酸に選択的にハイブリダイズするプライマー(及び適用可能な場合はプローブ)を使用しているのもかかわらず、陽性読出しアッセイのために本明細書において上に記載される任意の増幅アッセイフォーマットを使用する増幅システムを使用して検出される。
上に記載されるヘビーメチルアッセイを陰性読出しフォーマットに適応する際に、亜硫酸水素塩処理された核酸にメチル化特異的な形で結合するブロッカーは、中程度から高厳密性条件下で変異DNAに特異的に結合する。増幅反応は、任意選択でメチル化特異的であってもよい(すなわち、変異核酸のみに結合する)が上記1つ又は複数のブロッカーに隣接する1つ又は複数のプライマーを使用して実施される。メチル化された核酸(すなわち、変異DNA)の存在下で、ブロッカー(単数/複数)は結合し、PCR産物は生成されない。
一例では、
(i)変異誘発を誘導するのに十分な条件下で非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる一定量の化合物で核酸を処理して、それによって変異核酸を作製するステップ、
(ii)変異核酸へのハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、変異シトシン残基を含むDNA中の配列に相補的であるヌクレオチド配列をそれぞれが含む2つの非重複及び非相補的プライマーに核酸をハイブリダイズさせるステップ、
(iii)ハイブリダイズしたプライマーに介在する核酸を増幅させそれによってプライマー配列を含む配列からなるDNA断片を作製するステップ、
(iv)変異核酸へのハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、変異シトシン残基を含む配列に一致する又は相補的であるヌクレオチド配列を含むプローブに上記増幅されたDNA断片をハイブリダイズさせるステップ、並びに
(v)上記ハイブリダイゼーションを検出するステップ
を含むプロセスを実施することにより正常な/健康な対照対象におけるメチル化の減少が検出される。
当業者には明らかになるように、陰性読出しアッセイは好ましくは、確実に陰性結果が反応の失敗ではなくメチル化された核酸により引き起こされるように適切な対照試料を含む。
本発明は、本明細書に記載される方法を使用する、本発明の診断配列又はその発現若しくはメチル化の検出及び/又は定量化のためのキットも提供する。
メチル化の検出のためのキットでは、本発明のキットは、本発明の診断配列のうちの少なくとも1つにハイブリダイズする少なくとも1つのポリヌクレオチド及び遺伝子メチル化の検出のための少なくとも1つの試薬を含むことができる。メチル化の検出のための試薬には、たとえば、亜硫酸水素ナトリウム、バイオマーカー配列がメチル化されていなければ(たとえば、少なくとも1つのC→U変換を含有する)、本発明のバイオマーカー配列の産物である配列にハイブリダイズするよう設計されたポリヌクレオチド及び/又はメチル化感受性若しくはメチル化依存性制限酵素が含まれる。キットは、上記配列のメチル化された又は非メチル化形を表す対照天然又は合成DNA配列も含み得る。キットは、アッセイにおける使用するように構成されるアッセイ器具の形態で固体支持体を提供することができる。キットは、キットにおいて任意選択でポリヌクレオチド(たとえば、プローブ)に連結されている検出可能な標識をさらに含み得る。試験管、移動ピペット、及び同種のものを含む、アッセイの実施に有用な他の材料もキットに含めることが可能である。キットは、本明細書に記載されるアッセイのいずれにおいてもこれらの試薬のうちの1つ又は複数の使用のための書面による使用説明書も含むことが可能である。
上文で詳述されているように、高度メチル化は転写サイレンシングに関連している。したがって、大腸新生物の素因又は発症についてスクリーニングする基礎を提供するこれら遺伝子のメチル化レベルの増加に加えて、これら遺伝子の発現レベルの下方調節も診断的に価値がある。本発明のこの態様に従えば、遺伝子「発現産物」又は「遺伝子の発現」への言及は、転写産物(たとえば、一次RNA又はmRNA)又はタンパク質などの翻訳産物への言及である。この点に関して、生成される発現産物(すなわち、RNA又はタンパク質)のレベルの変化、遺伝子に会合しているクロマチンタンパク質の変化、たとえば、アミノ酸位番号9若しくは27のリジン上でのメチル化されたヒストンH3の存在(抑制的修飾)又はDNAのメチル化の変化などの、発現を下方調節するよう作用するDNAそれ自体の変化についてスクリーニングすることにより遺伝子の発現レベルの変化を評価することが可能である。これらの遺伝子及びその遺伝子発現産物は、それがRNA転写物であれ、発現を下方調節するよう作用するDNAの変化であれ、コードされたタンパク質であれ、「新生物マーカー」と総称される。
したがって、本発明の別の態様は、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、上記個体由来の生体試料において、
(i)Hg19座標のうちのいずれか1つ又は複数及び転写開始部位の2kb上流により定義される領域、
Figure 0007547406000037

(ii)
Figure 0007547406000038

のうちのいずれか1つ又は複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域の発現のレベルを評価することを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の発現のより低いレベルは大腸新生物又は新生物状態の発症の素因を示している、
方法を対象とする。
本発明のこの態様の方法は、生体試料の新生物マーカーのレベルとこれらのマーカーの対照レベルとの比較に基づいている。「対照レベル」は、新生物ではない対応する大腸細胞又は細胞集団により発現されるマーカーのレベルである「正常レベル」でもよい。
上文で詳述されるように、正常(又は「非新生物」)レベルは、試験対象である同じ個体由来の組織を使用して決定し得る。しかし、これは関係する個体には極めて侵襲的になることがあり、したがって、問題の患者以外の個体から得られる個々の又は集団の結果を反映する標準結果と比べて試験結果を分析するほうが都合がよい可能性があることは認識されるであろう。
したがって、さらに具体的には、個体における大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又は大腸新生物をモニターする方法であって、上記個体由来の生体試料において、
(i)Hg19座標のうちのいずれか1つ又は複数及び転写開始部位の2kb上流により定義される領域、
Figure 0007547406000039

(ii)
Figure 0007547406000040

のうちのいずれか1つ又は複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択される1つ又は複数の遺伝子又は転写物の発現のレベルを評価することを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)の遺伝子又は転写物の発現のより低いレベルは腫瘍性大腸新生物又は新生物状態の発症の素因を示している、
上記方法が提供される。
好ましくは、上記対照レベルは非新生物レベルである。
上文で詳述されるように、本発明は、大腸に位置している新生物細胞又は細胞集団についてスクリーニングするように設計されている。したがって、「細胞又は細胞集団」への言及は、個々の細胞又は細胞の群への言及として理解されるべきである。上記細胞の群は拡散した細胞集団、細胞懸濁液、被包性細胞集団又は組織の形態をとる細胞集団であってもよい。
「発現」への言及は、核酸分子の転写及び/又は翻訳への言及として理解されるべきである。「RNA」への言及は、一次RNA又はmRNA又は非翻訳RNA(たとえば、miRNA、等)などの任意の形態のRNAへの言及を包含すると理解されるべきである。いかなる点でも本発明を限定することなく、増加した又は減少したRNA合成をもたらす遺伝子転写のモジュレーションは、タンパク質産物を産生するこれらのRNA転写物の一部(たとえば、mRNA)の翻訳とも相関していることがある。したがって、本発明は、細胞又は細胞集団の新生物状態の指標としての新生物マーカータンパク質産物のモジュレートしたレベル又はパターンについてスクリーニングすることを対象とする検出方法論までにも及ぶ。一方法は、mRNA転写物及び/又は対応するタンパク質産物についてスクリーニングすることであるが、本発明はこの点に関して限定されることはなく、たとえば、一次RNA転写物などの他の任意の形態の新生物マーカー発現産物についてスクリーニングすることにまで及ぶことは理解されるべきである。
マーカーの発現の下方調節についてスクリーニングする点に関して、DNAレベルで検出可能である変化は遺伝子発現活性の変化、したがって、発現産物レベルの変化を示していることも当業者には周知であろう。そのような変化には、DNAメチル化の変化が含まれるが、これに限定されない。したがって、「発現レベルをスクリーニングする」及びこれらの「発現レベル」と対照「発現レベル」の比較への本明細書での言及は、遺伝子/DNAメチル化パターンなどの、転写に関係しているDNA因子を評価することへの言及として理解されるべきである。これらのことは、ある程度上文に詳細に説明されている。
クロマチン構造の変化は遺伝子発現の変化を示していることも当業者には公知であろう。遺伝子発現のサイレンシングは、クロマチンタンパク質の修飾に関連する場合が多く、ヒストンH3の9位及び27位のどちらか又は両方でのリジンのメチル化はよく研究されている例であり、活性なクロマチンはヒストンH3のリジン9のアセチル化を特徴とする。したがって、遺伝子配列と抑制的又は活性な修飾を担持しているクロマチンの会合を使用して、遺伝子の発現レベルの評価をすることが可能である。
「核酸分子」への言及は、デオキシリボ核酸分子とリボ核酸分子の両方及びその断片への言及として理解されるべきである。したがって、本発明は、生体試料においてmRNAレベルについて直接スクリーニングすること又は対象のmRNA集団から逆転写されている相補的cDNAについてスクリーニングすることの両方に及ぶ。DNA又はRNAのどちらかについてスクリーニングすることを対象とする方法論を設計することは十分に当業者の能力の範囲内である。上で詳述されたように、本発明の方法は対象mRNA又はゲノムDNAそれ自体から翻訳されたタンパク質産物についてスクリーニングすることにも及ぶ。
一つの好ましい実施形態では、遺伝子発現のレベルはタンパク質産物をコードする遺伝子を参照することにより測定され、さらに具体的には、上記発現レベルはタンパク質レベルで測定される。
別の特に好ましい実施形態では、上記遺伝子発現は、抑制的修飾、たとえば、ヒストンH3のリジン9又は27のメチル化を担持するクロマチンタンパク質とDNAの会合により評価される。
本発明は、1つ又は複数の生体試料におけるタンパク質及び/又は核酸分子の両方を同定することに基づく検出方法を包含すると理解されるべきである。これは、対象の新生物マーカーのいくつかが、タンパク質産物をコードしていない遺伝子又は遺伝子断片に一致し得る限り特に重要になり得る。したがって、これが起こる限り、タンパク質について試験することはできないと考えられ、対象マーカーは、転写発現プロファイル又はゲノムDNAの変化に基づいて評価されなければならないであろう。
用語「タンパク質」は、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質(タンパク質断片を含む)を包含すると理解されるべきである。上記タンパク質はグリコシル化されていても非グリコシル化でもよく及び/又はアミノ酸、脂質、炭水化物又は他のペプチド、ポリペプチド若しくはタンパク質などの、上記タンパク質に融合している、連結している、結合している又は他の方法で会合している様々な他の分子を含有していてもよい。「タンパク質」への本明細書における言及は、アミノ酸の配列を含むタンパク質並びにアミノ酸、脂質、炭水化物又は他のペプチド、ポリペプチド若しくはタンパク質などの他の分子と会合しているタンパク質を含む。
本発明の新生物マーカーによりコードされるタンパク質は、2つ又はそれよりも多い分子が互いに会合していることを意味する多量体形であってもよい。同じタンパク質分子が互いに会合している場合、複合体はホモ多量体である。ホモ多量体の例はホモダイマーである。少なくとも1つのマーカータンパク質が少なくとも1つの非マーカータンパク質と会合している場合、複合体はヘテロダイマーなどのヘテロ多量体である。
「断片」への言及は、対象核酸分子又はタンパク質の一部への言及として理解されるべきである。これは、糞便試料においてモジュレートしたRNAレベルについてスクリーニングすることに関して特に関連がある。なぜならば、対象RNAは、腸の環境のせいで分解されている又は他の方法で断片化されている可能性があるからである。したがって、その断片が適切に特異的であるプローブの使用によって同定される対象RNA分子の断片を実際には検出していることがある。
好ましい方法は、新生物発生又はその素因を診断する目的で新生物マーカーの発現産物又はDNA変化を検出することであるが、上記マーカーのレベルの逆の変化の検出は、ある種の状況下では、たとえば、アデノーマ又は腺癌の発生などの新生物状態を調節することを対象とする治療的又は予防的処置の有効性をモニターするためには望ましいことがある。たとえば、対象マーカーの発現の減少が、個体がアデノーマ又は腺癌発生により特徴付けられる状態を発症していることを示す場合、たとえば、治療レジメンの開始に続いてこれらマーカーのレベルの増加についてスクリーニングすることを利用して、対象個体の状態の回復又は他の形の改善を示し得る。したがって、本発明の方法は、1度限りの検査として又は新生物発生のリスクがあると考えられる個体の進行中のモニターとして又は新生物発生を阻害する若しくは他の方法で遅延させることを対象とする治療的若しくは予防的処置レジメンの有効性のモニターとして有用である。
生体試料において対象の発現された新生物マーカーを評価する手段は、当業者には周知であると考えられる任意の適切な方法により達成することができる。このために、均一な細胞集団(たとえば、腫瘍生検又は不均一な出発集団から濃縮された細胞集団)又は組織切片を調べている限り、インサイツハイブリダイゼーション、マイクロアッセイによる発現プロファイルの評価、免疫アッセイ及び同類のもの(下文にさらに詳細に記載されている)などの多種多様な技法を利用して、対象の1つ又は複数のマーカーの発現レベルの非存在又は下方調節を検出し得ることは認識されるであろう。しかし、不均一な細胞集団又は血液試料などの不均一な細胞集団が見出される体液をスクリーニングしている限り、特定マーカーの発現レベルの非存在又は減少は、試料中に存在する非新生物細胞によるマーカーの固有の発現のせいで検出不可能であることもある。すなわち、細胞の亜集団の発現レベルの減少は検出可能ではないことがある。この状況では、本発明の1つ又は複数のマーカーの発現レベルの新生物の亜集団における減少を検出するさらに適切な機構は、エピジェネティック変化の検出などの間接的手段を介してである。
遺伝子発現レベルの変化を検出する方法(上文で詳細に記載されているメチル化分析に加えて)は、特に対象生体試料が多数の非新生物細胞で汚染されていない場合には、
(i)インビボ検出
分子イメージング(Molecular Imaging)は、腸組織におけるマーカーの変更された発現を明らかにすることができるイメージングプローブ又は試薬の投与に続いて使用し得る。
分子イメージング(Moore et al.、BBA、1402:239~249頁、1988年;Weissleder et al.、Nature Medicine 6:351~355頁、2000年)は、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、MRI、陽電子放射断層撮影(PET)又は内視鏡検査などの「古典的」画像診断法を使用して現在視覚化されているマクロ特長と相関している分子発現のインビボイメージングである。
(ii)細胞における蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)による、又は細胞由来の抽出物における定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(QRTPCR)若しくは競合的RT-PCR産物のフローサイトメトリー定量化などの技術による、RNA発現の下方調節の検出(Wedemeyer et al.、Clinical Chemistry 48:9 1398~1405頁、2002年)。
(iii)たとえば、アレイ技術によるRNAの発現プロファイルの評価(Alon et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA:96:6745~6750頁、1999年6月)。
が含まれるが、これらに限定されない。
「マイクロアレイ」は、好ましくは個別の領域の線形又は多次元アレイであり、それぞれが、固体支持体の表面に形成された一定の面積を有する。マイクロアレイ上の個別の領域の密度は、単一の固相支持体の表面で検出される標的ポリヌクレオチドの総数により決定される。本明細書で使用されるように、DNAマイクロアレイは、標的ポリヌクレオチドを増幅する又はクローニングするのに使用されるチップ又は他の表面に置かれたオリゴヌクレオチドプローブのアレイである。アレイにおけるそれぞれの特定のプローブ群の位置は分かっているので、標的ポリヌクレオチドの種類は、マイクロアレイにおける特定の位置へのその結合に基づいて決定することが可能である。
DNAマイクロアレイ技術により、単一の固相支持体上で複数の標的核酸分子の大規模アッセイを行うことが可能である。米国特許第5,837,832号(Chee et al.)及び関連する特許出願は、試料中の特定の核酸配列のハイブリダイゼーション及び検出のためにオリゴヌクレオチドプローブのアレイを固定化することを記載している。対象の組織から単離された対象の標的ポリヌクレオチドがDNAチップにハイブリダイズされ、個別のプローブ位置での標的ポリヌクレオチドの選好及びハイブリダイゼーションの程度に基づいて特定の配列が検出される。アレイの1つの重要な使用は差次的遺伝子発現の解析においてであり、異なる細胞又は組織、多くの場合、対象の組織及び対照組織における遺伝子の発現プロファイルが比較され、それぞれの組織間の遺伝子発現のどんな違いも同定される。そのような情報は、特定の組織型において発現される遺伝子の種類の同定及び発現プロファイルに基づく状態の診断に有用である。
(iv)たとえば、免疫アッセイによる細胞抽出物における変更された新生物マーカータンパク質レベルの測定。
生体試料におけるタンパク質性新生物マーカー発現産物についての試験は、当業者に周知であるいくつかの適切な方法のうちのいずれか1つにより実施することが可能である。適切な方法の例には、組織切片、生検標本又は体液試料の抗体スクリーニングが含まれるが、これに限定されない。抗体ベースの診断法が使用される限り、マーカータンパク質の存在は、ウェスタンブロッティング、ELISA又はフローサイトメトリー法によるなどのいくつかの方法で決定し得る。当然、これらには、非競合的種類の並びに従来の競合的結合アッセイにおける単一部位と二部位の両方又は「サンドイッチ」アッセイが含まれる。これらのアッセイは、標的への標識された抗体の直接結合も含まれる。
(V)たとえば、免疫組織化学による細胞表面でのタンパク質新生物マーカーの変更された発現の決定。
(vi)上記のポイント(iv)及び(v)において詳述された試験に加えて、任意の適切な機能試験、酵素試験又は免疫学的試験に基づいた変更されたタンパク質発現の決定、
が含まれるが、これらに限定されない。
当業者であれば、常用手順の問題として、特定種の生体試料への所与の方法の適用の妥当性を決定することができるであろう。
本発明の関係する態様は、
(i)上文に記載される新生物マーカーDNAのうちのいずれか1つ若しくは複数に一致するヌクレオチド配列若しくはそれに対して少なくとも80%同一性を示す配列を含む核酸分子又は上記核酸分子の機能的誘導体、断片、バリアント若しくは相同体、或いは
(ii)中程度の厳密性条件下で(i)の配列のうちのいずれか1つ若しくは複数にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含む核酸分子又は上記核酸分子の機能的誘導体、断片、バリアント若しくは相同体、或いは
(iii)中程度の厳密性条件下で(i)の配列のうちのいずれか1つ若しくは複数にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含む核酸プローブ若しくはオリゴヌクレオチド又は上記核酸分子の機能的誘導体、断片、バリアント若しくは相同体、或いは
(iv)(i)の核酸分子又はその誘導体、断片若しくは相同体によりコードされるタンパク質のうちのいずれか1つ若しくは複数に結合することができるプローブのうちの複数を含むアレイであって、
(i)の上記マーカー遺伝子又は(iv)のタンパク質の発現のレベルが、大腸由来の細胞又は細胞亜集団の新生物状態を示している、
分子アレイを提供する。
好ましくは、上記パーセント同一性は、少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%である。
「ハイブリダイゼーション」とは、核酸鎖が塩基対合を通じて相補的鎖に結合するプロセスのことである。ハイブリダイゼーション反応は、対象の特定の配列を、その配列が低濃度で存在する試料中でも同定することができるように、感受性であり選択性であることが可能である。厳密な条件は、たとえば、プレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーション溶液中の塩若しくはホルムアミドの濃度により、又はハイブリダイゼーション温度により定義することができ、当技術分野では周知である。たとえば、厳密性は、下に詳細に記載されるように、塩の濃度を減少する、ホルムアミドの濃度を増加する、又はハイブリダイゼーション温度を上げる、ハイブリダイゼーションの時間を変更することにより増加させることができる。別の態様では、本発明の核酸は、本明細書に記載されるように、様々な厳密性条件(たとえば、高、中程度、及び低)下でハイブリダイズするその能力により定義される。
低厳密性への本明細書での言及は、ハイブリダイゼーションのための少なくとも約0~少なくとも約15%v/vのホルムアミド及び少なくとも約1M~少なくとも約2Mの塩、並びに洗浄条件のための少なくとも約1M~少なくとも約2Mの塩を含み包含する。一般に、低厳密性は、約25~30℃から約42℃までである。温度は変更して、もっと高い温度を使用し、ホルムアミドを交換する及び/又は別の厳密性条件を与えてもよい。必要な場合は、ハイブリダイゼーションのための少なくとも約16%v/v~少なくとも約30%v/vのホルムアルデヒド及び少なくとも約0.5M~少なくとも約0.9Mの塩、並びに洗浄条件のための少なくとも約0.5M~少なくとも約0.9Mの塩を含み包含する中程度の厳密性、又はハイブリダイゼーションのための少なくとも約31%v/v~少なくとも約50%v/vのホルムアミド及び少なくとも約0.01M~少なくとも約0.15Mの塩、並びに洗浄条件のための少なくとも約0.01M~少なくとも約0.15Mの塩を含み包含する高厳密性などの、別の厳密性条件を適用し得る。一般に、洗浄は、T=69.3+0.41(G+C)%で実施される(Marmur and Doty、J.Mol.Biol.5:109頁、1962年)。しかし、二重鎖DNAのTは、ミスマッチ塩基対の数が1%増加するごとに1℃低下する(Bonner and Laskey、Eur.J.Biochem.46:83頁、1974年)。ホルムアミドはこれらのハイブリダイゼーション条件では任意選択である。したがって、厳密性の特に好ましいレベルは以下の通りに定義され:低厳密性は、25~42℃で、6×SSCバッファー、0.1%w/v SDS;中程度の厳密性は、20℃~65℃の範囲の温度で、2×SSCバッファー、0.1%w/v SDS;高厳密性は、少なくとも65℃の温度で、0.1×SSCバッファー、0.1%w/v SDSである。
本発明の核酸が高厳密性下でハイブリダイズするその能力により定義される場合、これらの条件は約37℃~42℃の温度で約50%のホルムアミドを含む。一態様では、本発明の核酸は、約30℃~35℃で約35%~25%のホルムアミドでの条件を含む低下した厳密性下でハイブリダイズするその能力により定義される。代わりに、本発明の核酸は、42℃で50%のホルムアルデヒド、5×SSPE、0.3%のSDS、及びcot-1又はサーモン精子DNA(たとえば、200n/mlの剪断され変性されたサーモン精子DNA)などの反復配列ブロッキング核酸の条件を含む高厳密性下でハイブリダイズするその能力により定義される。一態様では、本発明の核酸は、35℃の下げられた温度で35%のホルムアミドを含む低下した厳密性条件下でハイブリダイズするその能力により定義される。
好ましくは、対象プローブは、非特異的反応性の発生率を最小化する特異性のレベルでそれが向けられる核酸又はタンパク質に結合するよう設計される。しかし、すべての潜在的交差反応性又は非特異的反応性を取り除くことは可能ではなく、これはどんなプローブベースのシステムでも固有の限界であることは認識されるであろう。
対象タンパク質を検出するのに使用されるプローブの点から、タンパク質は抗体及びアプタマーを含む任意の適切な形態をとり得る。
核酸又はタンパク質プローブのライブラリー又はアレイは、豊富な高い価値の情報を提供する。さらに、そのような配列の2つ又はそれよりも多いアレイ又はプロファイル(アレイの使用から得られる情報)は、結果の試験セットを別の試料又は保存されたキャリブレーターなどの基準と比較するための有用なツールである。アレイを使用する際には、個々のプローブは、典型的には別々の場所に固定化され、結合反応のために反応させておく。マーカーの組み合わされたセットに関連するプライマーは、配列のライブラリーを調製する又は他の生体試料からマーカーを直接検出するのに有用である。
遺伝子マーカーのライブラリー(又はライブラリー中の少なくとも一部の配列に一致する物理的に分離された核酸に言及する場合は、アレイ)は極めて望ましい特性を示す。これらの特性は特定の条件に関連しており、調節プロファイルとして特徴付け得る。ここで命名されたプロファイルとは、マーカーが最初に由来した組織の診断情報を提供する一組のメンバーのことである。プロファイルは、多くの場合、寄託された配列から作られたアレイ上に一連のスポットを含む。
特徴的な患者のプロファイルは、一般に、アレイの使用により準備される。アレイプロファイルは、1つ又は複数の他のアレイプロファイル又は他の基準プロファイルと比較し得る。比較の結果は、疾患状態、発生状態、治療の受容性に関する豊富な情報及び患者についての他の情報を提供することができる。
本発明の別の態様は、1つ又は複数の新生物マーカーを検出するための1つ又は複数の作用物質を含む生体試料をアッセイするための診断キット及び上記作用物質による検出を促進するのに有用な試薬を提供する。たとえば、生体試料を受け取るための追加の手段も含むことができる。上記作用物質は任意の適切な検出分子でもよい。
本発明は、以下の非限定的実施例を参照することによりさらに説明される。
実施例1
亜硫酸水素塩タグ技術を適用して、下に記載されるメチル化された及び非メチル化ゲノム画分を作製した。手短に言えば、DNAは、それぞれの制限酵素により残される5’-CG一本鎖オーバーハングにおけるシトシンがメチル化されていなければウラシルに変換されるが、メチル化されていれば未変換のままであるように、非変性条件下、メチル化非感受性酵素のMspI及びTaqIで消化され、亜硫酸水素ナトリウムで処理された。5’-CG又は5’-CAオーバーハングを有する別個のリンカーはライゲートされて、それぞれ、連結されたメチル化された及び非メチル化画分を与えた。逆向き鎖の無作為にプライムされたコピーによる第二のプライマーの取り込み後、この共通プライマーは適切なフォワードプライマーと組み合わせて使用され、メチル化された及び非メチル化画分を増幅した。
詳細には、8件の患者由来の腫瘍及びマッチド正常DNA試料は以下に記載される通りに処理され分析された。
1.がん及び正常組織(1~2μg)由来のDNAは、300μLの10mM Tris、0.1mM EDTA、pH7.5中、Bioruptor UCD-200ソニケーター(Diagenode、Belgium)を30秒間の「オン」又は「オフ」の交互サイクルで、氷上60分間、推力設定「高」で使用する超音波処理により剪断された。次に、それぞれの試料のわずかな部分を2%アガロースゲルに適用して、200~300bpの平均サイズ範囲に到達していることを確かめた。DNAは沈殿させ、水に再懸濁させた。
2.容量は、Antarcticホスファターゼ反応バッファー(New England Biolabs)中20μLに調整され、DNAは37℃で60分間、5ユニットのAntarcticホスファターゼを使用して脱リン酸化された。次に、上記酵素は10分間で65℃まで加熱することにより不活化された。
3.連続制限酵素消化:3μLの10×New England Biolabsバッファー4及び2μL、20ユニットのMspI酵素が添加され、インキュベーションは37℃で2時間継続された。20ユニット、2μLのTaqI及び100μg/mLまでのBSAが添加されて、28μLの容量が得られ、インキュベーションは65℃でさらに2時間継続された。インキュベーションは500mM EDTAの2μLを添加することにより停止された。
4.切断されたDNA(1μg)は、Human Genetic Signatures(North Ryde、Australia)製のMethylEasyキットを使用し、しかし前加熱又はアルカリ変性ステップは省略して、亜硫酸水素ナトリウムと反応させた。手短に言えば、
(a)25~30μLの制限消化されたDNAは、2mL管の中で250μlの亜硫酸水素ナトリウムと組み合わされ、次に鉱物油を取り除きながら37℃で4時間インキュベートされた。
(b)20μgのブルー色素標識されたグリコーゲンを添加し、DNAは750μlのMethylEasy溶液4及び1mlのイソプロパノールを用いて沈殿させた。遠心分離及び70%のエタノールでのペレットの洗浄に続いて、DNAは12μLのMethylEasy溶液3に溶解された。代わりに、過剰な亜硫酸水素塩は、小型のシリカカラムを使用して取り除かれ、試料はカラムから16μLのMethylEasy溶液3に溶出された。
(c)脱スルホン化は、蒸発を減らすために数回遠心沈殿させながら、72℃で60分間、MethylEasy溶液3中で加熱することにより達成された。
5.CGとCAリンカーのライゲーション。下に記載されるP1-CG又はP1-CAリンカー(表1)を用いた別個のライゲーションが準備された。P1-CGとP1-CAリンカーの両方(表1)は、上部鎖の3’端部でビオチンを取り込むことにより修飾されて、その後の捕獲を可能にした。
Figure 0007547406000041
組み合わされたリンカー及びコンペティターの混合物は下の表2にある通りに調製された。これらの量及び比は、平均長200bpのDNA1000ngに対してである。
Figure 0007547406000042
1μgの亜硫酸水素塩処理されたDNAを用いるライゲーション反応は、0.6μL(12ユニット)のT4 DNAリガーゼを有する50μL中で準備され、室温で5時間インキュベートされた。ライゲーション後、DNAはPromega Wizardカラムを通して精製され、2×50μLの10mM Tris.HCl、0.1mM EDTA、pH8を用いて溶出された。このステップにより、未ライゲートリンカーが取り除かれる。
6.ビーズ捕獲及び一本鎖の放出:25μLのDynal M280ストレプトアビジンビーズは先ず500μLの2×塩洗浄バッファー(2M NaCl、10mM Tris pH7.5、1mM EDTA、0.2% Tween20)で2度洗浄され、100μlの2×洗浄バッファーに再懸濁された。100μLの溶出されたDNAが添加され、振盪器上、上記ビーズと一緒に室温で15分間、500rpmで混合された。ビーズは1分間磁気的に捕獲され、上清は取り除かれた。これに続いて、500μLの1×洗浄バッファーで2度、500μLの1×SSCで1度、次に500μLの0.5×SSCで65℃、3分間、振盪しながら洗浄された。
7.次に、上記ビーズは、50μLの10mM Tris.HCl、0.1mM EDTA、pH8に再懸濁され、新しい管に移された。98℃で5分間のインキュベーション及び氷上で1分間の冷却後、上記ビーズは氷上で1分間磁気的に捕獲され、上清(50μL)は新しい管に移された。乾燥後、上記DNAは10μLの水に再懸濁された。
8.無作為プライミング:P2プライマー配列はP2-N6プライマー(表1)を使用して無作為プライミングにより組み込まれた。10μLの溶出された一本鎖DNAは、500ng(5μL)のP2-N6プライマーと混合され、98℃で2分間加熱され、氷上で冷却された。この混合液に、2.5μlの10×New England Biolabsバッファー2、0.625μlの10mM dNTP、0.625μlのDNAポリメラーゼのクレノウ断片(5000u/μl)を添加し、容量は25μLに調整された。氷上で10分間、次に室温で60分間のインキュベーション後、反応は75℃で20分間加熱することにより終結された。
9.増幅:増幅サイクルを見積もることができる大きさで、1μLの無作為プライムドDNAを使用する試行反応後、メチル化された及び非メチル化画分ごとに300μLの増幅反応が以下の通りに準備された。
10μLのランダムプライムドDNA試料
150μLのPromega GoTaq 2×Hotスタートマスターミックス
18μLのP1-CA又はP1-CGプライマー(表1、5μM ストック)
18μLのP2-ロングプライマー(表1、5μM ストック)
7.5μLのSybr Green(10000×濃度の1対3000希釈)
96.5μLの水
試料はRoche LightCycler 480上、SYBRグリーンプログラム:95℃2分間×1サイクル、及び95℃15秒、60℃1分×40サイクルで実行された。蛍光がモニターされ、反応は対数期の頂点で停止された。DNAはPromega Wizardカラムを使用して精製され、30μLの水に溶出され、分光光度法により定量化された。
10.標識化及びハイブリダイゼーション。それぞれの画分の20μgの試料は、Nimblegen Dual-Color DNA標識化キットを使用して蛍光的に標識されたが、Cy3及びCy5ランダムノナマーはCy3及びCy5ランダムヘキサマー(Geneworks、Adelaide、Australia)で置換された。メチル化されたDNA画分はCy3で標識され、非メチル化DNA画分はCy5色素で標識された。
がん及び正常DNAのメチル化された画分は、Nimblegenプロトコールに従ってNimblegen 720K プロモータータイリングアレイを用いて同時ハイブリダイズされ、非メチル化画分は、製造業者のプロトコールに従って別個のアレイに同時ハイブリダイズされた。アレイはAxonスキャナー上でスキャンされた。
個々の試料に加えて、蛍光標識化のためにDNAの4つのプール(並びにCy3標識ががんDNAに、Cy5が正常DNAに使用される4つの追加のプール)が調製された。
プール1はがん組織由来のメチル化されたDNA画分を組み合わせた:cy5標識
プール2はマッチド正常組織由来のメチル化されたDNA画分を組み合わせた:cy3標識
プール3はがん組織由来の非メチル化DNA画分を組み合わせた:cy5標識
プール4はマッチド正常組織由来の非メチル化DNA画分を組み合わせた:cy3標識
差次的にメチル化された遺伝子の同定
8つの個々のがんと正常対のマイクロアレイからのデータ並びにプールされたDNAの分析及びプールされたDNAとの色素交換ハイブリダイゼーションを下に記載される通りに組み合わせて、もっとも差次的にメチル化された遺伝子を同定した。差次的メチル化は、差-差スコア、DDを介して評価される。これは、プローブごとに、
DD=(Y.メチル化腫瘍-Y.非メチル化腫瘍)-(Y.メチル化正常-Y.非メチル化正常)
として定義され、それぞれのY値は、メチル化状態(メチル化/非メチル化)及び疾患状態(腫瘍/正常)の所与の組合せに対する生プローブ応答値の底2の対数である。DDの値が大きいほど、正常試料と比べて腫瘍試料においてメチル化が増加していることを意味する。タイル領域ごとに、プローブは、もっとも高いDDの順番に、DD1、DD2、DD3、等としてランク付けされた。
2つの遺伝子リストが作成され、タイル領域における2つのもっとも差次的なプローブに対する差次的メチル化に基づくリスト(DD2)及びトップの4つの差次的プローブに基づくリスト(DD4)であった。
DD2リストでは、Nimblegenによりスコア化されたプローブクオリティが閾値の1.5を超えるデータは破棄された。この閾値はすべてのプローブのうちの約17%を受け入れ、2つのプローブのみが検討される場合は「ノイズ」の可能性を最小化する。タイル領域ごとに、8つの個々の試料に対するDD2値は中央値を介して組み合わされた。次に、すべての試料にわたる全DD2値は、3つの値、すなわち、この中央値、及び2つのプールされた試料値、フォワードと色素交換の平均から得られた。次に、タイル領域すべてはこのスコアによりランク付けされ、上位30は戻された。
タイル領域あたりより多数のプローブが検討されるDD4リストでは、クオリティスコア閾値4(プローブの約40%を受け入れる)が使用された。タイル領域ごとの全DD4値は、それぞれの場合に個々のDD4値を使用すること以外は、DD2と同じように決定された。
表3は、DD2又はDD4分析に基づく差次的シグナルのレベルのどちらかに基づいて、がんと正常DNA間で差次的にメチル化されていることを示される44の遺伝子のリストを示している。上記リストは、4プローブ、次に2プローブに基づく差により順序付けられている。上位4つのランク付けられているプローブ(及び全部で9)は、両方の方法により導かれる上位30の遺伝子リストに現れる。差次的メチル化を示すNimblegenアレイ上のタイル領域のhg18座標は第一列に与えられている。利用可能な場合にはタイル領域に関連付けられる対応する遺伝子名及び上記遺伝子の座標(hg19)は右側の2つの列に示されている。遺伝子ごとのタイル領域にわたるDDプロットは図1に示されている。
Figure 0007547406000043
これらの差次的にメチル化された遺伝子の二重差プロットは図1に示されている。これらのプロットでは、プローブが制限部位から>300bpにある場合(すべて一端部が制限部位に位置している断片の剪断長のせいで)、又は制限部位がプローブ内にあり、ハイブリダイゼーション領域のサイズを短くしている場合、低シグナルが予想される。広範な差次的メチル化が、一部の遺伝子、たとえば、PDX1及びTRAPP9Cのタイル領域にわたって見られ、一部の場合、メチル化の増加がタイル領域の部分、たとえば、ZNF471の右手半分に限定されている。
実施例2
結腸直腸がん細胞株、HCT116、HT29及びSW480の亜硫酸水素塩処理されたDNA由来の並びに全血から単離されたDNA由来のメチル化されたDNA画分は、下に記載されるビオチン捕獲法を使用して調製され、メチル化されたDNAのライブラリーは、Applied Biosystems SOliD塩基配列決定システムを使用して塩基配列決定された。手短に言えば、DNAは剪断され、修飾されたSOLiD P2リンカーは上記剪断されたDNAにライゲートされた。次に、DNAはCsp61(切断部位G’TAC)で切断され、修飾されたSOLiD P1リンカーとライゲートされた。次に、DNAは変性され、亜硫酸水素ナトリウムで処理されて、非メチル化シトシンをすべてウラシルに変換した。次に、亜硫酸水素塩処理されたDNAは、修飾されたP2プライマーを使用してコピーされ、元のウラシル含有亜硫酸水素塩処理されたDNA鎖は取り除かれた。次に、P1フォワードプライマーを使用して、ビオチン-dCTPの存在下フォワード鎖合成をプライムした。したがって、ビオチンdCTPは、元のDNAではメチル化されたシトシンを含有しており、したがってウラシルに変換されなかった位置に組み込まれた。ビオチン含有画分は、メチル化されたシトシンを含有しCsp61部位に隣接して位置する分子を表すが、磁気ビーズ上に捕獲され、それに続いてハイスループット塩基配列決定のために増幅された。プロトコールの詳細は以下の通りである。
1.ゲノムDNA、2μgは実施例1と同じように超音波処理され、90~1000bpのサイズの範囲で、大半の分子が100~230bpの範囲であるDNA断片を生成した。
DNAは、End-itキット(Epicentre Biotechnologies)を使用する効率的ライゲーションのために平滑端部及び5’リン酸化を確保するために端部修復された。反応は、1×End-itバッファー、1mMのATP、それぞれのdNTPを0.25mM及び1μLのEnd-it酵素混合物(T4 DNAポリメラーゼ及びポリヌクレオチドキナーゼ)において行われた。室温で45分間のインキュベーション後、反応は10分間で70℃まで加熱され、T4 DNAポリメラーゼを不活化した。
2.修復されたDNAは精製され、Qiagen MinElute反応クリーンアップキットを用いて濃縮された。DNAは、2×16.5μLのQigen溶出バッファー(EB)に溶出された。溶出液は、200μMのdATPを含有する50μLのNEBuffer2(50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、10mMのMgCl、1mMのジチオスレイトール、pH7.9、25℃)に調整され、DNAポリメラーゼの3’→5’エキソヌクレアーゼN端部切断型クレノウ断片(new England Biolabs)50ユニットと一緒にインキュベートされた。反応は75℃で20分間加熱することにより停止された。
3.修復されたAテイルドDNAは、アニーリングされたリンカーSOLP2-AB/SOLP2-BPとライゲートされた。上記リンカーは、そのSOLiDハイスループット塩基配列決定システムにおいて使用されるApplied Biosystems P2リンカーから適合され、SolP2-BPにおいて下線を引いた塩基は元の配列に存在していたシトシンに取って代わっている。SolP2-BP配列は、ビオチンdCTPのその後の組込みがインサート配列に制限されるように、シトシンを含有しない。
SolP2-AB 5’CCTACCCCACATTCCTCATTCTCT 配列番号11
SolP2-BP 3’TTGAGGGGTGTAAGGAGTAAGAGp 配列番号12
相補的オリゴヌクレオチドは、Quickリガーゼバッファー(New England Biolabs)と0.2mL PCR管において組み合わされて、最終500μM濃度を得た。オリゴヌクレオチドは、Applied Biosystems SOLiDライブラリー調製付属物に指定されている通りにサーマルサイクラーを使用することによりアニーリングされた。
DNAライゲーションは、40μLの反応あたり1μLのQuickリガーゼ(New England Biolabs)を使用して、Quickリガーゼバッファー(66mM Tris-HCl、10mM MgCl、1mM ジチオスレイトール、1mM ATP、7.5%w/vポリエチレングリコール6000、pH7.5、25℃)において行われた。リンカー対DNA断片端部の比は約10又は15対1であった。リンカーはQiaQuick PCR精製キット(Qiagen)を使用して取り除かれ、DNAは40又は50μLのEBに溶出された。
4.最初のリンカーライゲーションに続いて、DNAは、5’-TA-3’オーバーハングを残す制限酵素Csp61(G’TAC)で切断された。DNAは、供給業者により提供された制限酵素バッファー(Fermentas、bufferB)において10UのCsp61で一晩切断された。
次に、これらの端部は、その上部鎖SolP1-AM上のシトシンが5-メチルシトシン(「M」として示される)で置き換えられているヘミメチル化されたSolP1リンカーとライゲートされ、5’-TA-3’オーバーハング(下線を引かれている)は元のSolP2-B配列に付加された。
SolP1-AM 5’MMAMTAMGMMTMMGMTTTMMTMTMTATGGGMAGTMGGTGAT 配列番号13
SolP1-BC 3’CGGTGATGCGGAGGCGAAAGGAGAGATACCCGTCAGCCACTAAT 配列番号14
5.P1リンカーライゲーションに続いて、DNAは変性され、MethylEasyキット(Human Genetic Signatures)を使用して亜硫酸水素ナトリウムで処理され、30μLのHGS試薬3に再懸濁された。上部鎖では、P1リンカーにおけるメチルシトシンは変換から保護されており、P2リンカー鎖はシトシンを含有せず、CからU変換をインサート領域に制限している。一本鎖ニックのせいで、変性後上部鎖のみがその両端部にアダプターを有することになる。
6.プライマーSolP2-ABを使用して、プライムし伸長して変換されたDNAのコピーを合成した。手短に言えば、亜硫酸水素塩処理されたDNA(1μg)は、50μMのdNTP、2.5mMのMgCl及び500nmolのSolP2-ABプライマーを含有する25μLのPlatinum Taqバッファー中でInvitrogen Platinum Taq DNAポリメラーゼ(1μL、5ユニット)と一緒にインキュベートされた。94℃で3分間加熱後、反応は65℃で15分間インキュベートされた。25μLのプライムド鎖反応は、5UのArcticホスファターゼと一緒に2.5μLのArcticホスファターゼバッファーを添加された(dNTPプールを取り除くため)。インキュベーションは37℃で30分間であり、それに続いて65℃で8分間Antarcticホスファターゼは変性された。
7.相補鎖の合成に続いて、元の亜硫酸水素塩処理された鎖は、DNAをウラシル塩基の位置で切断するUSER酵素混合物を用いた処理により分解された。次に、残りの鎖は元の亜硫酸水素塩処理された鎖に一致する鎖の合成のための鋳型として使用され、メチル化された部位の特異的タグ付けのためビオチン-dCTPが組み込まれた。反応管は冷却され試薬の混合物が添加されて、500nMのSolP1-Aプライマー、1Uのhot-start Taq、2Uのウラシル特異的切除試薬、USER酵素混合物(New England Biolabs)及び1×Taqバッファーと共に、100μMのデオキシアデノシン三リン酸、100μMのデオキシグアノシン三リン酸、100μMのデオキシチミジン三リン酸及び50μMのビオチン-14-デオキシシチジン三リン酸の最終濃度を有する50μLの容量にした。反応は37℃で10分間インキュベートされて、ウラシルDNAグリコシラーゼにウラシル含有亜硫酸水素塩処理されたDNAを分解させ、その後、94℃で2分間変性させ、65℃で10分間鋳型を伸長した。次に、2.5nmolの未標識デオキシシチジン三リン酸を含有する最終アリコートを添加し、65℃でさらに5分間インキュベートした。産物はQiaQUICK PCR精製キット(Qiagen)を用いて精製され、200μLのEBに溶出された。
8.次に、DNAは、ビオチンで標識された物質を結合させるためにストレプトアビジンビーズと一緒にインキュベートさせた。一連の洗浄ステップにより、この結合した物質を選択的に濃縮した。水中での熱変性により、濃縮された物質を回収することができた。ウシ血清アルブミンをブロッキング剤として使用し、洗浄ステップにおける界面活性剤は濃縮の厳密性を高めるために使用された。手短に言えば、Invitrogen M-270ストレプトアビジン磁気ビーズは、製造業者の仕様書に従って調製され、次に500μLの0.1mg/mLウシ血清アルブミンにおいて洗浄され、その後200μLの2×結合及び洗浄(B&W)バッファー(2mol/LのNaCl、20mmol/LのTris-HCl[pH7.2]、2mmol/LのEDTA及び0.2%v/v Tween80)に再懸濁され、等容量の精製され標識されたDNA溶液を添加した。一部の場合、10pgのそれぞれの対照アニーリングされたオリゴヌクレオチドDNAも「スパイクイン」された。400μLの混合液は37℃で30分間穏やかに振動させながらインキュベートした。管は、上清を吸引し保管する前に磁石上に3分間置かれた。2度の追加の洗浄が実施され、1度目は500μLの1×B&Wバッファー、2度目は550μLの水を用いた。次に、ビーズは45μLの水に再懸濁され、管は2分間で90℃まで加熱され、直ちに磁石上に置かれた。加熱した水は、磁気ビーズが溶液から取り除かれるとすぐに吸引され、5μLの100mM Tris-HCl pH8.0、1mM EDTA溶液が管に添加された。捕獲され放出された画分は吸引され、画分はエタノール沈殿されて、50μLの10mM Tris-HCl pH8.0、1mM EDTAに再懸濁された。
9.捕獲されたDNAは、1000nMの標準SOLiD P1及びP2プライマーの存在下、hot start Taqポリメラーゼを用いて限られた回数のサイクル間に増幅された。逆プライマーを使用して、アンプリコン配列を元のApplied Biosystemsプライマー2配列の配列に適合するよう改変した。最初の数回の増幅サイクルにおける非正統的ミスマッチプライミングは、もっと低いアニーリング温度が必要であった。増幅では、94℃で10秒の変性ステップ及び72℃で30秒の伸長ステップ、最初の4サイクルでは50℃でのアニーリングステップを使用し、その後それに続くサイクルでは62℃のアニーリング温度まで移行した。PCR産物は精製されて定量化され、次に、さらに数回の最終ラウンドのPCRが、100μLのPhusion Taq High-Fidelityバッファー中2UのPhusion Taq(Finnzymes)、1000nMのプライマー並びに98℃で10秒の変性ステップ、62℃で30秒のアニーリングステップ及び72℃で30秒の伸長ステップを用いて実施された。
10.反応生成物はLow-Rangeアガロース(Biorad)ゲル上に流され、SYBR Gold(Invitrogen)で染色され、125~200ヌクレオチドDNAが、Safe Imager(Invitrogen)上青色光下でメスを用いてアガロースから切断された。切断された寒天は、アガロースが室温で溶解することを除いて、製造業者の使用説明書に従ってWizard SV Gel抽出及びPCRクリーンアップキット(Promega)を用いて処理された。
PCR産物は、Qiagen MinEluteキットを使用して精製され、分光光度計(Nanodrop)で定量化され、SOLiDバージョン3ケミストリーを使用するApplied Biosystems SOLiD装置で塩基配列決定された。
亜硫酸水素塩シーケンシングリードはヒトゲノムに合わせて整列化され、Csp61部位のそれぞれの側の50塩基読取り距離内のそれぞれの潜在的位置でのCpGの読取り数はDNA試料ごとに決定された。亜硫酸水素塩シーケンシングリードにおけるCpGのそれぞれの読取りは、元のDNAにおけるメチル化されたCpGに対応している。DNA試料ごとに、遺伝子のもっとも上流の推定転写開始部位の2kb上流から1kb下流までの領域におけるメチル化されたCpG部位読取りの総数はコンピュータ処理された。これにより、結腸がん細胞株DNAのそれぞれと血液DNAを比較して、著しい差次的メチル化が存在する遺伝子及びプロモーター領域の同定が可能になった。次に、8つのプールされたがんDNAと8つのプールされた正常DNA試料の分析から得られたこれらの遺伝子の亜硫酸水素塩タグメチル化プロファイル(図2)を使用して、臨床試料においても著しい差次的メチル化を示すビオチン捕獲法を通じて同定された遺伝子のリスト(表4)を開発した。表4では、遺伝子又は遺伝子座名は最初の列に示されている。関連する遺伝子の染色体位置は次の2つの列に示されており、第四と第五列ではビオチン捕獲分析において塩基配列決定された最初と最後のCpG部位の位置が与えられている。DNA試料それぞれにおいて分析されたCpG部位の数及び計数されたメチル化されたCpGの総数は、その後の列に与えられている。これらの領域における結腸がん細胞株DNAと血液DNA間のメチル化レベルの明白な差は明らかである。
とりわけ、表4においてアステリスクを付けて特定されている5つの遺伝子、IRX1、DLX5、SALL1、SLC32A1及びZNF471も、一次スクリーニングのための亜硫酸水素塩タグ法を使用して高度に差次的にメチル化された遺伝子として同定されていた。
再びとりわけ、同じ遺伝子ファミリーの関連するメンバーは、1つ又は両方の方法により、正常組織と比べて結腸がんにおいて差次的にメチル化されていることが見出された。これには、IRXファミリーの遺伝子、IRX1及びIRX2、FOXDファミリーの遺伝子、FOXD2及びFOXD3、HOXAファミリーの遺伝子、HOXA2及びHOXA5、並びにNKX2ファミリーの遺伝子、NKX2-2、NKX2-3及びNKX2-6が含まれていた。
Figure 0007547406000044
実施例3
結腸直腸がん及び正常組織DNAにおける選択された遺伝子のDNAメチル化プロファイル
プライマーは、前の実施例において同定された一組の遺伝子の遺伝子及び/又はプロモーター領域のメチル化状態非依存性増幅のために設計された。アンプリコンの遺伝子、プライマー及び染色体座標は表5に示されている。
上記プライマーは、10の結腸直腸がん標本、そのマッチド正常組織及び正常血液DNAの亜硫酸水素塩処理されたDNAからのPCRのために使用された。増幅は、Promega GoTaq master mix(SybrGreenなし)、4mMのMgClを使用し、200nMのプライマー及び10ngのインプットDNAを用いて行われた。サイクリング条件は、95℃で2分間(1サイクル)、続いて95℃で15秒、N℃で30秒、72℃で30秒を50サイクルであり、アンプリコンごとのアニーリング温度Nは表5に示されている。一部のアンプリコンでは、追加の200μMのdATP及びdTTPが添加されて、メチル化されたと非メチル化DNA配列両方の比較できる増幅を可能にした。DNAの増幅されたバンドは精製され、それぞれのDNA試料由来の当量の別々のアンプリコンはプールされ、Roche 454 Titanium FLXシステム上での塩基配列決定のためのリンカーとライゲートされた。個々の患者のがん又は正常DNA由来の試料及び血液DNA試料は、配列整列化及びスコア化のために配列リードを後で個々の試料の割り当てることができるように、バーコード化された「MID」リンカー(Roche カタログ番号05619211001)と個別にライゲートされた。ライブラリーは、Roche Library調製キット及び試薬と一緒に提供されるプロトコールに従って調製され、半分はがん試料をすべて含有し半分は等しくバーコード化された正常試料を含有している二等分したフローセルで塩基配列決定された。亜硫酸水素塩シーケンシングリードはバーコード配列を使用して個々の試料に分離され、それぞれのアンプリコンの亜硫酸水素塩変換された配列と整列化させた。最良の整列化後、それぞれの潜在的CpGメチル化部位でのシトシンの割合は試料ごとに決定された。
個々のアンプリコンにわたるプロファイルは図3~図27に示されている。24の遺伝子又は領域を表す57のアンプリコンについてのデータは表6に集約されている。上記表は、個々のがん試料A~JではそれぞれのアンプリコンにわたるCpG部位でのメチル化レベルの近似の範囲及び10のマッチド正常DNAでは総合データを示している。列は、見出しのm/10及びp/10、すなわち、アンプリコンにわたり高レベル(>60%)又は部分的(30~60%)メチル化を示している10のうちのがん試料の数を示している。これら遺伝子のうちの2つ、ADAMTS1及びTMEFF2のメチル化はすでに結腸直腸がんにおいて報告されており、それぞれ9又は10のがん試料において部分的又は高レベルのメチル化を示している。試験された23の新しい遺伝子間では、FGFR2遺伝子のみががんと正常試料間で差次的メチル化を示さなかった。大半の遺伝子は、高割合の試料において差次的メチル化を示した。9個の遺伝子、DLX5、FOXD2、IRX1、MEIS1、MMP2、NPY、PDX1、SUSD5及びTCF21は10の試料すべてにおいて、9個の遺伝子、COL1A2、COL41、EFEMP、FGF5、FOXF1、GRASP、SDC2、SOX21及びZNF471は9つの試料において、FOXB1は8つの試料において、PPP1R14Aは7つの試料において、FBN1及びEDIL3は6つの試料において、MEISは3つの試料において高又は部分的メチル化を示した。一部の場合、たとえば、EDIL3、FBN1、GRASP領域2、MEIS1及びSDC2では、マッチド正常結腸組織におけるメチル化のレベルは一貫して非常に低かった。他の遺伝子又は領域、たとえば、DLX5、GRASP領域3、IRX1、MMP2、NPY、PDX1及びTCF21では、著しいレベルのメチル化がマッチド正常組織において明白であったが、がん組織においてはメチル化は常に著しく増加していた。データは、所与の遺伝子で、すべての領域が等しいがん特異的メチル化を示しているわけではないことも実証している。たとえば、COL4A遺伝子(複数可)では、領域1及び5は、10のがん試料のうち9つで高又は部分的メチル化を示しており、領域2及び3はそれぞれ4つ又は2つの試料のみでメチル化されている。COL4A領域1はCOL4A1遺伝子内にあり、COL4A領域5は隣接する多岐に転写されたCOL4A2遺伝子内にある。
したがって、塩基配列決定データは、がんと正常DNAを区別するためのアッセイの開発のために使用し得る23の新規の遺伝子及び特定の領域の結腸直腸がん特異的DNAメチル化を実証している。
実施例4
メチル化選択的PCRを使用する臨床試料におけるDNAメチル化の分析
DNAは、10のアデノーマ、15の分類1、18の分類B、28の分類C、7つの分類IV、6つのマッチド正常結腸標本及び7つの他の正常結腸組織を含む結腸組織標本から抽出された。単離されたDNAは、Zymo EZ Gold亜硫酸水素塩変換キットを製造業者が推奨する通りに使用して亜硫酸水素塩変換された。PCRアッセイは、最終濃度200nMのオリゴヌクレオチド及び表7に示されるMgCl及び1対120,000希釈のMolecular Probe SYBR Green(Invitrogen)を含有する15μLの反応混合物において行われた。GRASP及びNPY増幅は、0.15μLのPlatinum Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)を使用して1×Platinumバッファー(Invitrogen)で行われた。COL4A及びSDC2増幅は、0.1μL(0.5ユニット)のAmpliTaq Gold(Applied Biosystems)を使用してAmplitaq、TaqmanバッファーAにおいて行われた。PCR増幅は、384ウェルプレートを使用するRoche LightCycler 480リアルタイムPCR装置において、アンプリコンごとに表7に示されるサイクリング条件を使用して実施された。メチル化のレベルは、総投入量が5ngを与えるように末梢血白血球DNAと混合された40pg~5ngの完全にメチル化されたDNAの標準曲線を使用して定量化された。試料中のメチル化されたDNAの割合は、完全にメチル化されたDNAの標準曲線から計算されるメチル化されたDNAの量を投入されたDNAの量で割ることにより決定された。
Figure 0007547406000045
DNA試料は、メチル化されたDNAの割合がGRASPで>1%、NPY、SDC2及びCOL4A1で>2%である場合は、陽性としてスコア化された。それぞれのバイオマーカーアッセイごとの陽性試料の数及び%は表8に示されている。がんDNA試料では、試料のうち高割合88~94%の範囲が、それぞれのマーカーのメチル化に陽性であった。これとは対照的に、マッチド正常対照間の陽性試料の割合は低かった(0~25%)。正常DNA試料内では、MSPアッセイにより測定されるメチル化のレベルは、がんDNA試料と比べて定量的に低かった。
Figure 0007547406000046
実施例5
血漿から単離されたDNAにおけるGRASP及びCOL4A1遺伝子のメチル化の分析
GRASP及びCOL4A1遺伝子についてのアッセイも、結腸直腸がん、結腸直腸アデノーマを有する患者又は結腸内視鏡検査により決定される結腸直腸新生物のない患者由来の血漿DNA試料で行われた。DNAは、血清/血漿から遊離の循環している核酸のQIAmp単離(QIAGEN)を使用して、4mLのヒト血液血漿から抽出した。単離されたDNAは、Zymo亜硫酸水素塩変換キットを製造業者が推奨する通りに使用して亜硫酸水素塩変換された。合計で36μLの亜硫酸水素塩変換されたDNAは、4mLの血漿から回収された。メチル化されたCOL4A1配列の存在は、特異的検出プローブCOL4A1プローブBS1、HEX-5’CTAAACCCGTCCGCCTACCCCTC-BHQ(配列番号80)が100nMで含まれること以外は、実施例4に記載されるMSPアッセイを使用して決定された。
メチル化されたGRASP配列の検出は、半入れ子状態のPCRを使用して行われた。第1ラウンドPCRは、最終濃度1×Platinum Taqバッファー、0.1μLのPlatinum Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)、3.3mMのMgCl、200μMのdNTP(New England BioLabs)及び33nMのオリゴヌクレオチドからなる30μL(2.5μLの亜硫酸水素塩変換されたDNA投入量)において行われた。第1ラウンド増幅では、表7、実施例4からフォワードプライマーGrspA-F1 5’-CGGATTTTCGATTCGGAAGT(配列番号81)及びGRASP MSPR1が使用された。
サイクリング条件は、95℃で2分、続いて92℃で15秒、60℃で30秒及び72℃で30秒を11サイクルであった。PCR増幅は、96ウェルプレートを使用するPALMエンドポイントPCRサイクラーにおいて実施された。第2ラウンドPCRでは、実施例4、表7からプライマー及び反応条件が使用され、1μLのPCRラウンド1由来の材料で実施され、総PCR反応の15μLになった。メチル化レベルは、総投入量が5ngを与えるように末梢血白血球DNAと混合された40pg~5ngの完全にメチル化されたDNAの標準曲線を使用して定量化された。標準曲線は、COL4A1では1回のラウンド又はGRASPでは第1ラウンドへの投入量に基づいていた。
少なくとも2又は3の三通りのPCRにおいて陽性をスコア化する血漿DNA試料の割合は表9に示されている。データはその両方を示す。
Figure 0007547406000047
当業者であれば、本明細書に記載される発明は、具体的に記載された変動及び修正以外の変動及び修正を受け入れる余地があることは認識するであろう。本発明はそのような変動及び修正すべてを含むと理解されるべきである。本発明は、本明細書において言及される又は示されるステップ、特長、組成物及び化合物のすべてを個別に又は合わせて、並びに上記ステップ又は特長のうちの任意の2つ又はそれよりも多くのありとあらゆる組合せも含む。
Figure 0007547406000048

Figure 0007547406000049

Figure 0007547406000050

Figure 0007547406000051

Figure 0007547406000052

Figure 0007547406000053

Figure 0007547406000054

Figure 0007547406000055

Figure 0007547406000056
文献目録
Figure 0007547406000057

Figure 0007547406000058

Figure 0007547406000059

Claims (12)

  1. 個体における大腸新生物の発症の素因についてスクリーニングする方法であって、
    前記個体由来の生体試料において、
    (i)Hg19座標chr8:97505882..97624037及びその転写開始部位の2kb上流により定義される領域、又は
    (ii)SDC2及びその2kb上流の遺伝子領域
    から選択されるDNA領域のメチル化状態を評価することを含み、
    対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域のメチル化のより高いレベルは大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示している、
    方法。
  2. 前記新生物がアデノーマ又は腺癌である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対照レベルが非新生物レベルである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記新生物が結腸直腸新生物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記生体試料が糞便試料、浣腸洗浄水、外科切除、組織生検又は血液試料である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記血液試料が、全血、血清又は血漿である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記DNA領域がSDC2のプロモーター領域である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記個体がヒトである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 個体における大腸新生物の発症の素因についてスクリーニングする方法であって、
    前記個体由来の生体試料において
    (i)Hg19座標chr8:97505882..97624037及びその転写開始部位の2kb上流により定義される領域、
    (ii)SDC2及びその2kb上流の遺伝子領域
    から選択されるDNA領域の発現のレベルを評価することを含み、
    対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の発現のより低いレベルは大腸新生物又は新生物状態の発症の素因を示している、
    方法。
  10. 前記発現レベルが、前記遺伝子が会合しているクロマチンタンパク質の変化についてスクリーニングすることにより評価される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記発現レベルが、mRNA発現又はタンパク質発現である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記個体がヒトである、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
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