JP2004523729A - テストヘッドのバランスをとり、順応範囲を供給するための装置および方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(発明の分野)
本発明は1本以上の軸に対して、テストヘッドのバランスをとる方法および装置に関する。さらに、本発明は、1本以上の軸に対してテストヘッドに運動の順応範囲を供給する方法および装置を提供する。
【0002】
(発明の背景)
集積回路、チップ、およびウエハのテストにおいては、通例、テストヘッドおよびテストされるアイテムを取り扱う機器を含むシステムを用いている。取り扱い機器は、パッケージされた装置ハンドラ、ウエハプローバ、もしくは他の装置であってもよい。簡単化のために、ここでは、こうした機器を、「装置ハンドラ」もしくは単に「ハンドラ」と称する。テストヘッドは、ハンドラに「ドッキング」される。その後、テストヘッドと集積回路の間に回路接続がなされ、その結果、テストヘッドは、適切なテストを実行することが出来る。
【0003】
一般に、ドッキングには、アクチュエータ駆動ドッキング、およびマニピュレータ駆動ドッキングの2つの方法がある。「アクチュエータ駆動」ドッキングとして知られている技術は、最初にスミス(Smith)による米国特許第4,589,815号明細書(以下、’815)において開示され、後に、その変形が開発され、エイメス(Ames)による米国特許第5,654,631号明細書、ボッデン(Bogden)による米国特許第5,744,974号明細書、チウ(Chiu)他による米国特許第5,982,182号明細書、スロカム(Slocum)他による米国特許第6,104,202号明細書、スロカム(Slocum)他による米国特許第5,821,764号明細書において開示されている。すべてが参照により組み込まれている。
【0004】
一般に、ドッキングシステムは、2つのドッキングされるアイテムのうちの一方に、「アライメント構造」を要し、それが2つのアイテムの他方にある「アライメント受け」と係合する。特許‘815では、アライメント構造としてガイドピンが含まれ、アライメント受けとしてガイドピン受けおよびガセットが含まれている。チウ(Chiu)他、およびスロカム(Slocum)他による3つの特許では、「せいぜい2つの接点のみが共直線となる」提供表面間に、6つの接点を提供するキネマティックカップリングにより、全自由度6でのアライメントが提供されている。これらの特許では、2つのドッキングされるアイテムのうちの一方にある「キネマティック表面」が、アライメント受けとして働き;さらに、2つのアイテムのうちの他方の「キネマティック合わせ面」が、アライメント構造として機能する。特許内で説明された好ましい実施例では、ボールもしくは球面は、キネマティック合わせ面もしくはアライメント構造をしており、溝は、キネマティック表面もしくはアライメント受けとなっている。特許内に示されているように、表面の他の多くの組み合わせが利用可能である。
【0005】
特許‘815内で説明されるドッキングアセンブリは、本願の図13(および、部分的に図13の左下の図の破断図)内の、鉛直平面ハンドラポジション(Vertical Plane Handler Position)に部分的に示される、2点ドッキングアセンブリ1340と同様である。図13では、テストヘッドに付属するアセンブリの半分のみが示されている。これらの2点ドッキングアセンブリは、共に、2つのガイドピン912およびそれぞれの合わせ穴(図13には図示せず)、および2つの円形カム910を使用している。カム910がそこに取り付けられたハンドル914によって回転すると、ドックの2つの半分は、共にガイドピン912により引かれ、それらの合わせ穴(図示せず)に完全に挿入される。ワイヤケーブル915は、2個のカム910を、同期回転するよう連結している。ケーブルを配置することにより、2つのハンドル914のうちの1つもしくは他方に力を適用させるだけで、ドックが操作可能となる。従って、ハンドルはこの場合、ドッキングアクチュエータである。
【0006】
レイドアッシュマンマニュファクチャリングカンパニー(Reid Ashman Manufacturing Company)(RAM)製のドック(ウェブサイトおよびセールス用文献参照)は、特許‘815内に説明されているドックと同様のコンセプトとなっている。しかし、RAMドックでは、円形カムの代わりに線形カムが使用されている。また、RAMドックは、カムの動きを同期させるのに、ワイヤケーブルの代わりに剛性機械的リンケージおよびベルクランクを用いている。ドックは、それぞれのベルクランクに結合した2つのハンドルのうちの1つもしくは他方により作動させられる。
【0007】
電動アクチュエータは、さまざまな方法でドックに組み込み可能である。例えば、すでに説明したように、‘815のドック内のワイヤケーブル、もしくは、他のドック内の機械的リンケージまたは線形カムに、直接ドッキング作動を付与するために、線形アクチュエータを容易に付加可能である。線形アクチュエータは、電動電気モーター、電気ソレノイド、もしくは空気圧ソレノイドを含む、いかなるタイプのものでもよい。
【0008】
米国特許第5,654,631号明細書、および米国特許第5,744,974号明細書で説明されたドックは、2つの半分を並べるのにガイドピンと穴を利用する。しかし、ドックは、真空が適用される場合は、2つの両半分を一緒にする真空装置によって作動させられる。2つの半分は、真空状態が維持される限り、一体にロックされたままである。
【0009】
米国特許第5,821,764号明細書、米国特許第5,982,182号明細書、および米国特許第6,104,202号明細書で開示されるドックは、2つの半分の間の最終的なアライメントは、キネマティックカップリング技術を用いて提供される。ガイドピンはまた、初期アライメントを提供するのに利用されてもよい。ガイドピンは、その穴にガイドピンを捕らえ、それが外れるのを防ぐ、キャッチ機構を設けていてもよい。キャッチ機構は、特許‘764および‘202では、自動的起動と考えられる。ところが、特許‘182では、3本のガイドピンの各々のために、モーター駆動装置を利用している。また、特許‘182では、ドッキングしたコンポーネント間の平担化をもたらすよう、3台のモーターが別々に作動してもよい。3つの開示のすべてにおいて、最終的に2つの半分を引き合わせるのに、線形アクチュエータが用いられている。線形アクチュエータは、空気圧タイプであるとして開示されている。
【0010】
上述の議論は、特定の利用可能なアクチュエータ被駆動ドッキング技術の簡潔な概観を提供することを意図している。ドックは、さまざまな異なった装置により作動可能であることが認められる。
【0011】
「マニピュレータ駆動」ドッキングと称される、代替アプローチが、例えば、グラハム(Graham)他による米国特許第5,600,258号明細書および米国特許第5,900,737号明細書で説明されている。この代替アプローチは、テストヘッドを位置決めさせるために、マニピュレータに、1本以上の電動の制御軸(「制御軸」)を提供する。例えば、そして言及された特許内で説明されているように、垂直、ピッチおよびロール軸は、グラハム(Graham)特許における制御軸である。システムはまた、そこにおいて縦軸もしくはタンブル軸などの単一の軸だけが制御されていることでも知られている。位置センサは、通常、装置ハンドラ/プローバに対するテストヘッドの位置に関するフィードバックを、制御軸に供給するために用いられている。ドッキングに際しては、コントローラ(もしくは、オペレータ)は、最初にレディーへのテストヘッドをドック構成にもたらすために、制御軸もしくは軸を操作し、さらにその後、ドッキングを終了するために制御軸を操作し続ける。(グラハム(Graham)他の)センサでは、テストヘッドのドッキング表面を、装置ハンドラ/プローバ(通常コプレーナ)のドッキング表面に対して適切に方向付け、さらに、ドッキングが完了し、テストヘッドと装置ハンドラ/プローバとの間に適切な電気接続が形成されると、動きを止めるよう、コントローラによって用いられる。ドックアクチュエータは全く存在せず、さらに、マニピュレータ軸から独立した、いかなる分離、独立ラッチング機構も存在しない。いかなる分離、独立ラッチング機構も存在しない場合、テストヘッドを完全なドッキング位置に維持するために、マニピュレータ軸が所定の場所にロックされねばならない。
【0012】
さらに、マニピュレータ駆動ドッキングシステムでは、テストヘッドをすべての軸においてバランスをとることが、常に望ましく、もしくは実行可能であるというわけではない。アンバランスなテストヘッドは、駆動および制御機構によって、アライメント機構によって、さらに装置ハンドラ/プローバ自身の構造によって、打ち勝たれなければならない、予測不能な所望しない力をもたらしてしまう。
【0013】
ドッキングが完了すると、マニピュレータから分離、独立した機構が、テストヘッドをハンドラ/プローバにラッチさせるドッキングシステムは、「掛け金式ドッキング」システムと称される。単にマニピュレータ軸をロックすることにより、テストヘッドを、ドッキング完了位置に保持するシステムは、「非掛け金式ドッキング」システムと称される。通常、アクチュエータ駆動ドッキングシステムは、掛け金式ドッキングシステムであり、マニピュレータ駆動ドッキングシステムは非掛け金式ドッキングシステムである。しかし、他の2つの組み合わせが可能である。
【0014】
大型テストヘッド用マニピュレータの設計では、テストヘッドが、本質的に、制御運動の容易性を促進するための、最大6個の自由運動の軸もしくは次数内で、自由に運動可能であることが好ましい。これは、PCT国際特許出願第US00/00704号「テストヘッドマニピュレータ(TEST HEAD MANIPULATOR)」、および米国仮出願第60/186,196号「駆動縦軸テストヘッドマニピュレータにおける釣合せ鉛直ドッキング運動(COUNTER BALANCED VERTICAL DOCKING MOTION IN A DRIVEN VERTICAL AXIS HEAD MANIPULATOR)」にて説明されているように、手動操作および運動軸の安全力行に対して正確なものである。また、これは、スミス(Smith)による米国特許第5,821,764号明細書、およびとスロカム(Slocum)他による米国特許第5,821,764号明細書、および米国特許第6,104,202号明細書、またはチウ(Chiu)他に対する米国特許第5,982,182号明細書にて説明されているように、運動がドッキングシステムにより提供される、装置ハンドラもしくはプローバでのドッキング/ドッキング解除において、正確なものである。こうした運動の自由、もしくは「順応運動(compliant motion)」が、テストヘッドをハンドラにドッキングするプロセスでは、特に重要である。
【0015】
床に平行(左右方向と内外方向)な動きを供給する2本の軸と、床に垂直(上下方向)な軸が、図14に示されている。これらの3本の軸は、x軸(左右方向)1315、Y軸(内外方向)1325、およびz軸(上下方向)1335を含んでいる。また、ピッチ軸(x)1310、ロール軸(y)1320、およびスイング(およびヨー)軸(z)1330を含む3本の回転軸も示されている。床(xおよびy)に平行な2本の軸では、運動の自由は、通常、スミス(Smith)による米国特許第4,527,942号明細書に説明されるように、低摩擦ベアリング、レールなどによって、もしくは、関節でつなぐアームにおいて提供される。垂直すなわち上下軸(z軸)の場合には、オペレータによって軸が故意にロックされる場合を除いて、常時所望の運動の自由を提供するよう、実質的無荷重状態の提供にカウンターウェイトを用いるのが典型である。上下軸における他の公知技術は、ビューコウプ(Beaucoup)他による米国特許第4,943,020号明細書におけるようなスプリング機構、スロカム(Slocum)他に対する米国特許第5,149,029号明細書、およびスミス(Smith)に対する米国特許第5,931,048号明細書および米国特許第4,705,447号明細書におけるような空気圧手段を用いるものである。しかし、アルデン(Alden)による米国特許第5,949,002号明細書は、こうしたアプローチに伴う特定の困難を指摘し、ロードセル力センサを組み込むサーボ制御ループの使用を提案している。しかし、力および位置のフィードバックを伴う、サーボ制御ループを含む技術は、複雑かつ高価であり、不調となった場合には、オペレータは容易にはシステムをオーバーライドすることが出来ない。
【0016】
ピッチ、ロール、およびヨーの回転運動の場合は、回転軸を、それらがテストヘッドおよびその付属搭載機構のほぼ重心とケーブルとを通るように配置することが知られている。これは、バラストカウンターウェイトを付加することにより、タンブルモードマニピュレータにおいて達成される。ケーブルピボットマニピュレータでは、ホルト(Holt)による米国特許第5,450,766号明細書で説明されているように、投影されたケーブルピボットマニピュレータの背面上に、内部クレードルの長さを変える、さまざまなスペーサーを設けることにより達成されてきた。
【0017】
図13に示されるように、テストヘッドとケーブルアセンブリの実際の重心上、もしくはその近傍の、テストヘッド内部に、1本以上の回転運動軸を配置することは、経済的となり得る。ピッチおよびヨー運動が、テストヘッド構造内に組み込まれていることに留意すべきである。図13では、これらは、ピッチ軸1310(±5度のシータX)、およびヨー軸1320(±5度のシータZ)として示される。ロール軸1330(±90−95度のシータY)も図13に示される。
【0018】
現行のシステムでは、テストヘッドの内側に、ピッチ軸におよそ±5度の運動、ロール軸に少なくとも±90度の運動(テストヘッドの外部)、および、およそ±5度のヨー運動を置くのが望ましいとされている。これは、これらの軸を、重心上、もしくはその近傍に実装させるために必要な構造の範囲が、例えば、それぞれホルト(Holt)による米国特許第5,450,766号明細書、および同じくホルト(Holt)による第5,608,333号明細書でそれぞれ開示される、「CPPJ」(ピッチのための)およびスプリットリングケーブルピボット(Split Ring Cable Pivot)技術を用いることにより、これらの軸がテストヘッドの外側である場合の、これらの軸を実装させるために必要な構造よりもかなり少ないためである。
【0019】
球面ベアリングをテストヘッドの重心付近に置くことにより、このコンセプトを実行することが提案されている。球面ベアリングの位置を動かす外部的に調整可能な手段は、テストヘッドがDUT(テスト中の装置)アップもしくはDUTダウンのいずれかに方向付けられている場合、ピッチ(もしくは、タンブル)軸のバランスをとるために物理的に配置可能となるよう、内外方向に提供されることもあるだろう。球面ベアリングの不都合は、同時に運動の3つの回転角度の全てを提供することである。
【0020】
望ましいことではあるが、これらの内部軸を、実際のテストヘッドの真の重心もしくはその近傍に位置させることは、非常に困難である。特定のテスターエンドユーザの必要性を満たすために、テストヘッド内部のピン電子ボードの占有率、およびテストヘッドケーブルの大きさや重さを変化させることは、多くの場合、有意な重心位置のシフト、および、それによる重大なアンバランス力を引き起こす。さらに、テストヘッドがその運動エンベロープを通して動かされると、ケーブルによりテストヘッドに印加される力は変化しかねない;固定構成のシステムが用いられているため、これは可変アンバランス力を引き起こす。これらのアンバランス力は、運動の1つ以上の軸に対して、所望される自由な可動状態を妨害する。
【0021】
また、マニピュレータで伝統的に行われてきたように、運動軸がテストヘッド内部にあるか、テストヘッドに対して外部にあるかにかかわらず、運動軸の位置を、重心から遠くの位置に再配置することも、多くの場合望ましい。この例は、タンブル軸を、通常テストヘッドの物理的中心付近にあるテストヘッドの重心よりも、むしろ、非常に厚いテストヘッドのDUTインターフェイスの非常に近くに位置させることになる。テストヘッドが厚さ1メートルである場合、タンブルピボット軸を重心、つまり物理的中心付近に位置させる含意は、マニピュレータが少なくとも1メートル(100cm)の上下運動範囲(ストローク)を必要とするだろうということである。タンブルピボット軸をDUTインタフェースの13cm以内に設置可能である場合、マニピュレータの垂直ストロークを74cm(100cm−26cm’’)削減可能であり、その結果、マニピュレータの全高を減少し、もしくは、所与のベアリング構造からのより大きな負荷容量のための、より長いメインアームを可能にする。しかし、上に示したように、テストヘッドの重心を、判明している物理的位置から遠くへ動かすことにより、アンバランス力が生ずる。さらに、これらのアンバランス力は、6つの軸すべてにおいて自由可動とは限らないような、アンバランス状態に、テストヘッドを導く。
【0022】
したがって、テストヘッドが、より大きく、より複雑となるにつれて、限界的なそれぞれの運動軸内でアンバランス力が増加する。オペレータおよび機器の双方の安全に備えている一方で、テストヘッドが有効に操作され、かつ位置決めされるよう、これらのアンバランスが中和されるのを可能にする手段を持つことが望ましい。
【0023】
(発明の要約)
本発明は、テストヘッドが実質的にその軸に対して無荷重となるように、軸に対してテストヘッドのバランスをとる装置および方法に関している。本発明は、さらにテストヘッドマニピュレータの多数の軸に適用可能である。さらに、本発明は、テストヘッドの軸のうち少なくとも1つに対する、テストヘッドのための運動の順応範囲を提供する装置および方法に関している。
【0024】
(発明の詳細な説明)
以下の本発明のいくつかの実施例の詳述では、上にリストした図を参照している。図が故意に一定縮尺となっていないことは、理解されることだろう。むしろ、それらは、本発明の重要な特徴を強調するように描かれている。
【0025】
装置をテストする間、テストヘッドは、明らかに完全にドッキングされた状態のまま保たれる。ハンドラ/プローバは、テストインタフェースに対応して順番にテストされる各装置を、自動的に位置決めする機構を備えている。これは、ドックを通してテストヘッドおよびマニピュレータと結合するハンドラ/プローバ内に、低周波機械振動を引き起こす。これらの振動に関与するエネルギーは、安全に散逸させなければならない。この理由により、多くのユーザは、ラッチされたドックを用いて、テスト中はマニピュレータ軸をロックされないままにしておくのを好むわけである。この場合、振動は、関連摩擦におけるエネルギーの散逸を伴う、マニピュレータ軸の運動により、好都合に吸収される。他方、テストの間マニピュレータ軸がしっかりとロックされている場合は、システムの最も弾力性のない部分が主に振動を吸収することになる。例えば、ポゴピンおよびプローブを含む、テストヘッドとテスト中の装置との間のインタフェース内の電気的接触は、こうした振動エネルギーを吸収することにより、破損を蒙ったり、あるいはそれらの耐用年数を短縮させ得る、デリケートな機械構造をしている。非ラッチ式ドッキングシステムでは、テスト中、テストヘッドを完全にドッキングされた状態に保つよう、あるマニピュレータ軸をロックすることが望ましい。振動吸収のために、1本以上の軸をロックしないままにするには、それらをバランスされた順応状態にする必要がある。従って、テストヘッドがドッキングされている間、軸をバランスされた順応状態に維持することは有益である。
【0026】
追加的考慮として、装置ハンドラもしくはプローバとドッキングした場合、アンバランステストヘッドは、そのアンバランス力のすべてあるいは一部を、ドッキングされる装置上に印加してしまうことになる。通常、こうした装置は、垂直荷重のみを支えるよう設計されている。アンバランス力は、必ずしも垂直というわけではなく、一般に、予測出来ない大きさと方向を有するものである。未知のアンバランス力は、潜在的に、機器を害し、ウエハおよび装置を扱うよう内部に組み込まれたオートメーションを傷つける。従って、テストヘッドが装置ハンドラ/プローバにドッキングされる全期間を通して、アンバランス力を無力化することが出来るなら、それは望ましいことである。
【0027】
装置ハンドラ/プローバ上の垂直ローディングの場合にも、テストヘッドを実質的無荷重の状態に維持する、多くの伝統的なカウンターバランスタイプのマニピュレータが存在する。これは、装置ハンドラ/プローバ上のテストヘッドの垂直ローディングを最小にするもので、その構造的要件を簡素化する。また、硬質駆動縦軸を有するマニピュレータでも、ドッキングの間、垂直荷重が部分的に装置ハンドラ/プローバへ移されるものがあり、それは、そこに設置される構造要件を増加させる。従って、垂直順応性を有する硬質駆動縦軸マニピュレータでは、テストヘッドが装置ハンドラ/プローバにドッキングしている全期間の間、カウンターバランス状態を維持し得ることが望ましいだろう。空気圧ベースのカウンターバランス機構の場合は、結果的に空気の漏出がカウンターバランス力の損失を意味する。
【0028】
さらに他の考慮は、空気圧順応メカニズムを有する、テストヘッドマニピュレータシステムでは、通常、テストヘッドがドッキング機構に近接した状態にある場合、ドッキングの直前に、システムのバランスをとる必要があるということである。目下知られている若干のシステムでは、テストヘッドは、これを実現するために、その順応範囲内を自由に運動出来なければならない。こうしたバランスをとる手順では、テストヘッドは、かなりの距離および大きな力を伴って、突然かつ不意に動くことが経験されている。こうした動きは、潜在的にドッキング装置との衝突、およびデリケートな電気的接触へのダメージを引き起こす場合があった。また、人間のオペレータも潜在的に危険である。
【0029】
テストヘッドが、より大きくより複雑になったため、それに対応して、限界的な運動軸内でのアンバランスの増加が起こっている。テストヘッドが、オペレータおよび設備の双方にとり、効果的および安全性を伴って、操作および設置可能となるように、これらのアンバランスを中和し得る手段を有することは不可欠である。
【0030】
提案された1つの技術は、二元動作空気圧シリンダなどの1つ以上のシリンダを用いて、アンバランスを相殺することである。こうしたシリンダは、2つの空気吸込口とその間に適合するピストンを有している。第1空気吸込口は、伸長吸込口として知られ、第2空気吸込口は、収縮吸込口として知られている。ピストンは、その2つの側での、空気圧の違いに対応して動く。ピストンに取り付けられたコネクティングロッドは、シリンダと同軸であり、負荷上に線形力と動きとを加えるために、片端を通り抜ける。伸長吸込口での圧力が、収縮吸込口での圧力より大きい場合、コネクティングロッドはシリンダから伸長する。逆に、収縮吸込口での圧力が、伸長吸込口での圧力より大きい場合、コネクティングロッドはシリンダに向かって収縮する。ピストンの位置を示すために、位置センサが組み込まれていてもよい。このように、例えばピッチ軸など、特定の軸に関して、こうしたシリンダおよび適切な制御システムが、使用可能であったように思われるだろう。この制御システムは、どんな力のアンバランスも無効にするために、必要に応じて、空気を伸長もしくは収縮吸込口のどちらかに、ポンプで送り、さらに、テストヘッドが操作もしくはドッキングされるとき、順応運動を実現することになる。二元動作空気圧シリンダは、スプリングに似た効果を提供すると思われる;すなわち、圧力差が軸内のアンバランスを相殺するように調整された場合、あたかもそれが非常に小さな力で実際にバランスをとっているかのように、テストヘッドを動かすことが出来る。
【0031】
このアプローチは、いくつかの理由で実行が非常に困難である。まず最初に、唯一のフィードバック機構は、ピストンの位置である。第2に、ピストンの片側からもう片方への、および、コネクティングロッドがシリンダの端を通り抜ける位置からの、空気の漏出を最小化するために、空気圧シリンダ内でシールが使用されている。運動経路内のこれらのシールは、静止摩擦および運動摩擦の双方を提供する。通常、空気圧シリンダは、「起動抵抗」として知られる特性を示す。空気圧シリンダの起動抵抗は、静止摩擦に打ち勝ち、シリンダ内でピストンを動かすために必要な力である。静止摩擦(スティクション)は、時間、使用、および温度によって変化し、無視出来ないものとなり得る。多くの場合、スティクションは、運動摩擦もしくは動摩擦よりはるかに大きいものである。従って、変化させるために、制御システムは、それが少なくとも位置の変化(すなわち、動き)を感知するまで、空気圧力差を好適に調整し、その後、所望の結果に適応させるよう、運動を分析する。スティクション(静止摩擦)に起因して、運動を開始させる空気圧力差は、空気圧シリンダの運動摩擦に結びつく負荷アンバランスより、かなり大きなものとなり得るし、実際、頻繁にそうなっている。これは、著しく非線形で不安定な制御課題を導くことになる。特にスティクション構成要素の動的性質を考慮するなら、ロバストな解決策は達成および維持が困難である。
【0032】
二元動作空気圧シリンダは、テストヘッド軸内のアンバランスを補う、有用な手段を提供する可能性を与えるものである;しかし、有用な解決策を実現するには、新しいアプローチが必要である。本発明の第2の目的は、二元動作空気圧シリンダの不都合を克服する手段を提供し、その利点をロバストに導入可能とすることである。
【0033】
典型的実施例では、主題の発明は、テストヘッドを有効に、かつ安全に操作、ドッキング、ドッキング解除出来るよう、少なくとも1本のテストヘッド軸内でアンバランスを補う。本発明は、(例えば)上で説明されるように、他の要素と新規基本制御計画とを組み合わせて、少なくとも1個の二元動作空気圧シリンダなどの力発生源を組込んでいる。結果的に作られるシリンダおよび構成要素のアセンブリは、「バランスユニット」と称される。要約すると、単一軸のために、テストヘッドは、先ずその支持構造物に対応した好適位置に設置され、ロックされる。テストヘッドは、このように、議論されている軸に対してロックされる。バランスユニットに含まれる力センサ(すなわち、双方向ロードセル)は、有意な量のアンバランス、およびアンバランスの方向の有無を判断するために、ロック軸に対するアンバランス力を測定する。次に、力センサにより検出される力が、何らかの所定の最小値、テストヘッドの重さとシリンダの特性に依存して、通常5〜25ポンドが妥当と思われる、より下にまで減少するよう、二元動作空気圧シリンダの2側面の空気圧が調整される。次に、ロックが解除され、空気圧シリンダ内の圧力差は、力のアンバランスを打ち消すよう、コネクティングロッド経由でテストヘッドへ力を伝達する。この手順は、選択されたテストヘッド軸がバランスされ、自由可動な状態を維持するために必要なだけ、何度でも繰り返すことが出来る。
【0034】
図1(a)は、本発明の典型的実施例に従う、テストヘッドマニピュレータのテストヘッドバランシングシステムの斜視図である。2つの終端を伴う、バランスユニット110が設けられる。上述のように、バランスユニットは、軸に対してテストヘッドのバランスをとる、他の要素および新規制御計画を組合せた、力発生源(すなわち、二元動作空気圧シリンダ)である。バランスユニット110の第1終端は、テストヘッド100に接続される。バランスユニット110の第2終端は、ピボット軸102用支持構造物(図示せず)に接続される。バランスユニット110の目的は、テストヘッド100の重心がピボット軸102と一致しない場合に、ピボット軸102の周りでの、テストヘッド100の運動を容易にすることである。図1(a)に示された典型的実施例では、バランスユニット110は、以下で議論するように、二元動作空気圧シリンダ128、およびその関連構成要素を含んでいる。
【0035】
バランスユニット110は、力センサ120、および力ロッド112を含む。力センサ120は、力ロッドに沿って力を測定するよう、力ロッド112と結合される。力ロッド112は、ベアリング116a経由で、テストヘッド100に接続される。テストヘッド100の重心が、ピボット軸102に一致しない場合、力はテストヘッド100によってピボット軸102の周りに加えられる。この力の少なくとも1つの成分が、力ロッド112へのその接続を通して、力センサ120により測定される。
【0036】
力センサ120は、ピボット軸102に対する、テストヘッド100のアンバランス力の大きさと方向を測定し、(例えばコントローラに)示すことが出来る、典型的な双方向ロードセルであってもよい。力センサ120は、測定された力で、単調に変化する電圧出力を提供する周知の方法で、ブリッジ回路内に設置可能なひずみゲージを組み込んでいてもよい。アナログ−デジタル変換およびプロセッサを用いることにより、力ロッド112に沿う力が、自由運動に対して許容可能最大量より大きいか否か;そして、その場合は、力の方向を判断可能である。また、アナログコンパレータ回路は、有意な力アンバランスの存在と方向を示す、go/nogo信号を生成する公知の方法で使用可能であった。
【0037】
力ロッド112は、ロック118を作動させるロック入口126を含むロック118経由で、空気圧シリンダ128へ、スライド式に取り付けられ、ロック118が作動していない場合は、ロック118は、力ロッド112がシリンダ128に対して平行に動くのを可能にする。従って、ロック118が作動していない場合、テストヘッド100は、軸102の周りで回転可能である。ロック118が作動すると、もはや力ロッド112を、シリンダ128に対して滑らせることは出来ない;そして、テストヘッド100は、軸102に対する位置にロックされる。このロック118は、本技術でよく知られた、いくつかのタイプの1つである。選択したロック118のタイプに依存して、特定用途に適切な、電気的信号、空気圧入力、もしくは他の手段による制御が可能であった。
【0038】
空気圧シリンダ128は、テストヘッド100の方向へ、もしくは離れる方向へ押すために用いられる、単なる力発生源である。アンバランス力が力センサ120により検出される場合、空気圧シリンダ128は、コネクティングロッド114を経由して、テストヘッド100へ反力を加えるために用いられる。この典型的実施例では、エアシステムを必要する空気圧シリンダ128が利用されている。反力は、液圧シリンダや電磁装置などの、他の様々な手段を通して、実現可能であったことが理解されるだろう。
【0039】
空気圧シリンダ128は、ピストン130を通して、コネクティングロッド114に接続される。コネクティングロッド114は、ベアリング116bを通して、テストヘッドに接続される。コネクティングロッド114は、力ロッド112に平行に配置される。シリンダ128およびコネクティングロッド114の軸は、テストヘッド100の回転軸102と直交している。軸は、いずれの軸に沿って作用する力も、テストヘッドの回転軸102の周りで、モーメントもしくはトルクを生成するよう、配置されることになる。十分な力でコネクティングロッド114を伸長および収縮させると、テストヘッド100は、軸102の周りで回転する。
【0040】
空気圧シリンダ128は、ベアリング138を通して、支持構造(図示せず)に接続される。空気圧シリンダ128内部では、ピストンの130の2つの側の空気圧の違いに対応して、ピストン130が移動する。空気圧シリンダ128内のピストン130の片側は、伸長入口134を含んでいる。空気圧シリンダ128内のピストン130の反対側は、収縮入口132を含んでいる。空気圧エアシリンダの空気入132、134は、それぞれ、電気操作制御バルブ(図示せず)を経由して、比較的高圧の空気(図示せず)の供給に接続される。アキュムレータ(図示せず)のは、任意に、ピストン130に対して働く、より大量の空気を提供するために、各入口132、134に取り付けられてもよい。
【0041】
稼働中、力センサ120は、テストヘッド100からアンバランス力を検出するために使用される;その後、力センサ120により検出された力を打ち消すために、空気が収縮入口132および伸長入口134へ供給される。このように、ピストン130を挟んで、圧力差が生成される。目標は、この圧力差が、力ロッド112内の力を、所定の最大許容可能アンバランス力より小さな大きさにまで減少させるのに十分な大きさと方向を有することである。
【0042】
さらに図1(a)を参照すると、空気圧シリンダ128はまた、例えば、空気圧シリンダ128内のピストン130の位置をコントローラに示す、2つのピストン位置センサ136a、136bを含んでいる。例えば、リミットスイッチは、ピストン130が中央位置にあるか、もしくは、それがシリンダ128のどちらの終端に位置するかを示すために、公知の方法で用いることが出来た。必要なら、より高性能の位置感知手段も提供可能であった。例えば、ポテンショメータ、絶対エンコーダ、適切なエレクトロニクスを伴うインクリメンタルエンコーダなどが、シリンダ128に対する、ピストン130およびコネクティングロッド114の位置についての正確な位置情報の提供のために使用可能であった。システムの構成、設定、および維持を容易にするために位置検知機構がキャリブレート可能であって、調整可能であることは、望ましい。
【0043】
コントローラ(図示せず)は、入口バルブ132、134、およびロック118を操作し、位置センサ136a、136b、および力センサ120のフィードバック信号を受け取るために、設けられてもよい。例えば、起動時においては、テストヘッド100はハンドラにドッキングされておらず、空気圧シリンダ128は、通常、非加圧状態であろう。あらゆるコントロール動作の前には、テストヘッド100および装置が、続くバランシング操作を妨げる、いかなる異物もしくは構造にも接触していないことを確実にするよう、注意すべきである。テストヘッド100は、この段階で、既に比較的バランスした状態、もしくは、より蓋然性が高いが、アンバランス状態にある。ロック118は、既に作動していないなら、その後、テストヘッド100を所定の位置にロックするよう作動する。若干の例では、最初にテストヘッド100を、なんらかの所望位置へ動かす必要があるだろう。この動きは、手動手段により達成してもよいだろうし;もしくは、代わりに、コントローラが、位置フィードバックに結合された空気圧シリンダ128を利用可能にする、適切なアルゴリズムを備えていてもよいだろう。前記のスティクションを考慮すると、こうした制御アルゴリズムは困難となり得ることを、注意すべきである。ロック118を適用する前に、テストヘッド100を所望の位置で停止するようにさせる場合、これが当てはまる。しかし、適当なロック118はまた、ブレーキとして使用可能であり、テストヘッド100が所望の位置に来たとき、ロック118を適用することにより、運動を停止させることが出来る。
【0044】
ここで、テストヘッド100が所定の位置にロックされると、コントローラは、力センサ120から引き出された信号に応答する。力センサ120は、ピボット軸102に対するテストヘッド100から、有意のアンバランス力があるかどうかを検出する。力センサ120は、力の大きさおよび方向の双方を検出可能である。有意のアンバランスが検出された場合は、続いて、ピストン130を挟んで圧力差を生成させる目的で、収縮入口132および伸長入口134内の空気圧が調整される。ピストン130を挟んだこの圧力差は、力センサ120により測定された力を、所定の最大許容アンバランス力以下に減少させるに十分な大きさとなる。これが達成されると、ロック118はロックを外され、テストヘッド100は本質的にはピボット軸102に対して無荷重となる。ここで、テストヘッド100は、ピボット軸102に対して運動可能となる。このプロセスは、テストヘッド100をピボット軸102に対してバランス状態に維持するために、必要なだけ繰り返すことが出来る。
【0045】
テストヘッド100が移動すると、ピストン130もまた移動する。圧力差は、機械的スプリングと同様に、ピストン転置と共に単調に増加する。ピストン130の所与の側面に加えられる空気圧は、体積と逆比例で変化する。しかし、空気体積の変化が比較的小さい転置では、同等な「バネ定数」Kを用いて、同等なスプリング力が、転置とほぼ比例して変化する。すなわち、F=Kx、ここで、Fは力の変化、xはピストン転置の変化である。力が動作範囲を明らかに超えて変化しないよう、Kを小さくすることが望ましい。Kは、ピストン転置の増分あたりの圧力変化に対する空気の全体積により、ある程度決定されることになろう;すなわち、VおよびdP/dxにより、ここで、Vは体積、Pは圧力である。ピストン130が、移動の一方の終端に近づくのに応じて、Vは小さく、dP/dxは指数関数的に大きくなり、従って、Kは、Fと同様に増加する。アキュムレータ(図1(a)には示さず)は、上述のように追加されることになる。アキュムレータは、dV/dxおよびdP/dxを許容可能値に制限している限り、空気体積Vをかなり増加させるのに役立つ。これは、明らかに望ましい、「ソフトスプリング」効果として知られているものを提供する。
【0046】
上のサイクルは、一度実行されると、何らかの変化がシステムになされるまでは、繰り返されないことが理想である。しかしながら、空気圧シリンダ128システムは、空気漏れを起こすことがあるので、本サイクルは、必要に応じて定期的に繰り返されてもよい。経験上、典型的なシステムでは、サイクルを繰り返す必要が生じるまで、およそ10分間以上充分な空気を保っている。典型的な操作では、サイクルは、数分(例えば、5分から8分)ごとに、自動的に繰り返すことが可能であった。また、典型的な操作では、テストヘッド100を望ましい位置に移動させるステップを繰り返す必要もない。テストヘッド100は、偶発的な困難な障害、あるいは、何らかの他の事故に遭遇しない限り、その許容動作範囲に留まるべきである。実際に、テストヘッド100が、現在、所望する機能を実行するのに必要な位置にいるならば、テストヘッド100を所定の所望位置に戻すことは、著しく望ましくないことになりかねない。
【0047】
従って、図15(a)に示されるように、継続ベースでは、典型的実施例における操作のシーケンスは、以下の通りとなるだろう:
1. ステップ1501に示されるように、ロック118をロックする。
2. ステップ1502、1503に示されるように、力ロッド112の力が、所定値未満になるまでシリンダ入口圧力を調整する。
3. ステップ1504に示されるように、ロック118をアンロックする。
4. ステップ1505に示されているように、有意の量の空気がシリンダ128から失われる前に、ステップ1501に進む。
【0048】
このシーケンスは、テストヘッド100を、まるで軸102が直接その重心を通り抜けるかのように振る舞わせることを可能にする;これを「通常シーケンス」と呼ぶことにする。
【0049】
典型的システムでは、ステップ1501、1502、1503、1504に必要な時間は、4秒未満であった。ステップのこの流れを、「力キャンセリングシーケンス」と称することにする。
【0050】
さらに図1(a)を参照すると、2つのストップカラー122、124、もしくは「運動限界」が、ロック118がそれらの間に位置するよう、力ロッド112に取り付けられる。ストップカラー122、124は、空気圧シリンダ128内のピストン130がセンタリングされる場合に、ストップカラー122、124が、ロック118の中心から等距離にあるように、位置づけられる。2個のストップカラー122、124間の距離「A」は、空気圧シリンダ128内のピストン130の総ストロークより、妥当な若干量だけ小さい値である。従って、ストップカラー122、124は、ピストン130がシリンダ128の終端まで進み、力ロッド112および力センサ120から荷重を奪い、その結果処理を歪ませてしまうのを防ぐことになる。同時にそれらは、テストヘッド100に対するポジティブモーションストップとして役立つ。システムがアンバランス状態にあり、さらにロック118が外されている場合は、2個のストップカラー122もしくは124のうちの1つか他方が、アンバランス力を支持および測定する力ロッド112と力センサ120を伴ったロック118に接触することになるだろう。
【0051】
図1(a)には示されていない、追加コントロール機能が、上のシステムに追加されてもよい。例えば、オペレータが、上にリストされたステップ1501もしくはステップ1502のどちらかで始まる、コントロールシーケンスを開始出来るように、押しボタンを提供してもよい。オペレータに、力ロッド112がロックされたことを警告する、インジケータライトが追加可能であった;これは、オペレータが、ステップ1502が実行されている間、軸102内でマニピュレータの移動の試行を回避したり、および/または、ドッキングを試行したりするのに役立つだろう。こうした試行は、テストヘッド100に追加的なアンバランス力を発生させ、システムはそれらを補おうと、誤動作することになるだろう。システムはまた、例えば、ドッキングされている間システムがロック、および/または、使用不能にされるように、ドッキング機構内でセンサと統合されている。また、テストヘッド100が、すぐにもドッキングされる位置にあり、ドッキング直前にシーケンスを実行させる準備ができていることを感知することも望ましいだろう。これは、ドッキングが実際に行われている間、シーケンスが実行されず、また、ドッキングが始まる前に、アンバランスが最適に補われるのを確実にするだろう。
【0052】
「ロックシーケンス」と称される、代替制御サイクルは、選択されたアプリケーションで可能であり、有用である。ロックシーケンスでは、テストヘッド100が、それがドッキングされる装置(図1(a)には図示せず)から遠くにある場合には、テストヘッド100は、一般に軸102に関して中央位置にロックされた状態にある。これは、「所望されたロック位置」である。テストヘッド100が、ドッキング準備の完了する位置へと操作された場合、力キャンセリングシーケンスが呼び出される;すなわち、空気圧シリンダ128内の空気圧は、力ロッド112の力が事実上取り消されるまで調整される。続いて、ロック118がリリースされ、ドッキングが実行可能となる。テストヘッド100は、空気圧シリンダ128、および位置センサ136a、136bを用いて、手動もしくは自動制御のいずれかにより、所望のロック位置に設置可能である。すなわち、テストヘッド100がドッキングされていない起動時には、コントローラは、最初にロック118を解除するだろう。次に、テストヘッド100は、制御される軸102に対する、所望のロック位置に動かされるだろう;例えば、位置センサ136a、136bにより示されるような、ほぼ中央位置へ。自動制御の場合には、空気圧の動作のみによりテストヘッド100を停止位置へ運ぶよりも、ロック118を、テストヘッド100が所望するロック位置で止まるブレーキとして用いる方が好適である。
【0053】
通常シーケンスを用いてドッキングの準備をする場合は、テストヘッド100は、ロック118を解除して、ドッキング準備完了位置へ操作され、テストヘッド100は空気圧シリンダ128によりバランスをとる。ドッキング準備完了位置が達成されたとき、システムに依存して、オペレータもしくはセンサのいずれかが、ドッキング準備完了信号を提供することになる。この信号で、テストヘッド100がバランス可能のみならず、確実にバランスをとるよう、力キャンセリングシーケンスが呼び出される。ロックシーケンスアプローチが用いられる場合は、テストヘッド100は、ロック118を係合させて、ドッキング準備完了位置に操作される;そして、ドッキング準備完了信号が受け取られると、上にリストされた力キャンセリングシーケンスのステップ1502、1503のみが、順番に実行される。ここで、いずれの場合でも、テストヘッド100のドッキング準備が完了し、新たにバランスを取り、さらに、あらゆる軸内で運動自由となると、ドッキング機構は、テストヘッド100を完全にドッキングされた位置に引くために、係合および作動する。若干のアプリケーションでは、完全なドッキングが完了した信号が、(オペレータもしくはセンサによって)提供されると、ロック118が再び適用される。ロック118は、テストヘッドを用いて集積回路をテストしている間、適用状態のままである。いずれの場合も、ロック118は、ドッキング解除の間、オペレータもしくはセンサにより、「クリアオブドック」信号が提供されるまで、適用状態のままである。いずれの場合も、力キャンセリングシーケンスは、ここで実行されてもよい。ロックシーケンスの場合には、テストヘッド100を所望の中央位置へ配置する手順は、最終的に実行され、ロック118が係合される。通常シーケンスの場合は、ロック118は解除状態のままである。
【0054】
後に説明するように、若干のアプリケーションでは、ドッキングの間、ロック118は解除状態のままの方が好適である。ドッキングに関するさらなる詳細は、後に提供される。
【0055】
図1(b)は、図1(b)内のベアリング116a、166bが1つに連結され、さらに単一ポイントでテストヘッド100に接続されている点を除いては、図1(a)を参照して説明されたシステムと同じシステムを表している。対照的に、図1(a)では、ベアリング116a、116bは、個別にテストヘッド100へ接続されている。
【0056】
このように説明されるバランス機構は、図6(a)、図6(b)、図8(a)などで使用に供されている。これらの図に関連した議論は、空気および他の流出物の制御に関する、さらなる情報および詳細を提供する。
【0057】
図1(c)は、図1(c)では、圧力センサ146a、146bを含む液圧式ロック140が、図1(a)に示されたロック118および力センサ120と対照的に用いられている点を除いては、図1(a)に示されたシステムと同じシステムを表している。図1(a)に表されているシステムと同様に、図1(c)のシステムは、上で説明した通常シーケンス、もしくは上で説明したロックシーケンスのいずれかを実現可能である。図4(b)は、液圧式ロックユニット140のより詳細な破断図を示している。ここで、力ロッド112は、二元動作液圧シリンダ140のピストン144に取り付けられる。
【0058】
図1(c)に示されるように、液圧シリンダ140は、空気圧シリンダ128にしっかりと取り付けられる。液圧シリンダ140は、適切な非圧縮性流体(図示せず)で満たされる。ピストン144は、ピストン144の両側面の圧力差に応じて、液圧シリンダ140内を移動する。ピストン144の各側面は、制御バルブ142を経由して、配管152により互いに連結された、流体入口154を有している。コントロールバルブ142の各側面上には、圧力センサ146a、146bがあり、それぞれ2つの流体吸入口154のうちの1つに接続されている。
【0059】
液圧流体が実質的に非圧縮性であるため、制御バルブ142が閉じられると、力ロッド112はロックされる。制御バルブ142が開いている場合は、力ロッド112は自由に動くことが出来る。運動は、システムを通る流体の流れによってのみ妨害される。この流れは、ホース、配管、オリフィス、およびバルブ操作によって制御可能である。流れの適切な制御により、見込み有益システムダンピングを提供可能である。制御バルブ142が閉じた瞬間の、ピストン144の両側の圧力は同じであるが、力ロッド112に課されるテストヘッド100のアンバランスは、ピストン144の片側に対する圧力を増加させ、さらに、ピストン144のもう一方の側に対する圧力を減少させる。2つの圧力センサ146a、146bにより測定された圧力差が、力ロッド112に適用される力の大きさと方向を示すことになる。
【0060】
図1(c)に示されるシステムの操作は、液圧バルブ142が機械的ロック118に代わって作動し、力ロッド112内の力を示すために、圧力センサ出力がコントローラによって読み込まれて処理される点を除いては、図1(a)のシステムに対して説明されたものと同様である。
【0061】
稼働中には、圧力センサ146a、146bは、テストヘッド100からのアンバランス力を検出するのに用いられる;空気は、圧力センサ146a、146bによって検出された力を取り消すよう、空気圧シリンダ128の収縮入口132および伸長入口134に供給される。図4(a)は、空気圧シリンダ128のより詳細な破断面を示す。収縮入口132および伸長入口134に入る空気圧により、圧力差がピストン130を挟んで生成される。目標は、この圧力差が、力ロッド112内の力を、所定の最大許容アンバランス力より小さな大きさにまで減少させるのに十分な大きさと方向を有することである。
【0062】
図1(c)において、ピボット軸102に対してテストヘッド100をバランスさせる処理は、以下の通りである。制御バルブ142が開いた状態で、テストヘッド100はその支持構造(図示せず)に対応する所望の位置に配置され、制御バルブ142が閉じられる。このとき、制御バルブ142が閉じられるので、テストヘッド100は、ピボット軸102に対してロックされる。圧力センサ146a、146bは、ピボット軸102に対するテストヘッド100から、有意なアンバランスがあるかどうかを検出する。圧力センサ146a、146bは、力の大きさおよび方向の双方を検出可能である。有意のアンバランスが検出された場合は、続いて、ピストン130を挟んで圧力差を生成させる目的で、収縮入口132および伸長入口134内の空気圧が調整される。目標は、ピストン130を挟んだこの圧力差が、圧力センサ146aおよび146bにより測定された力を、所定の最大許容可能アンバランス力より小さな大きさにまで減少させるのに十分な大きさを有することである。このとき、制御バルブ142が開放され、テストヘッド100は、ピボット軸102の向きにおいて、本質的に無荷重となる。ここで、テストヘッド100は、ピボット軸102の向きに移動可能である。このプロセスは、テストヘッド100をピボット軸102に対してバランス状態に維持するために、必要なだけ繰り返すことが出来る。
【0063】
図1(d)は、図1(d)内のベアリング116aおよび166bが1つに連結され、さらに単一ポイントでテストヘッド100に接続されている点を除いては、図1(c)に示されたシステムと同じシステムを表している。対照的に、図1(c)では、ベアリング116a、116bは、個別にテストヘッド100へ接続されている。
【0064】
図2(a)は、本発明の、さらなる典型的実施例を示している。図2(a)は、伝統的なクレードル200内に搭載された、テストヘッド100のタンブル軸(ピボット軸)102に対する、バランスユニット110のアプリケーションを示す斜視図である。テストヘッド100は、タンブル軸102の2つの終端ポイントでクレードル200に接続する。2つの終端を伴うバランスユニット110が提供される。バランスユニット110の第1端は、テストヘッド100に接続される。バランスユニット110の第2端は、クレードル200に接続される。クレードル200は、タンブル軸102に対するテストヘッドのための支持構造である。
【0065】
テストヘッド100の重心が、タンブル軸102と一致しない場合、テストヘッド100は、図2(a)に示される位置から離れ、タンブル軸102の周りを回転する。バランスユニット110は、タンブル軸102に対してテストヘッド100の重心をバランスさせるために、反力を供給し、図2(a)でのテストヘッド100の位置を維持する。従って、ここでは、テストヘッド100は、本質的にタンブル軸102に対して無荷重となるので、軸102に対するテストヘッド100の手動運動が容易になっている。
【0066】
図2(b)は、図2(b)内のベアリング116aおよび116bが1つに連結され、さらに単一位置でテストヘッド100に接続されている点を除いては、図2(a)に示されたシステムと同じものを表している。対照的に、図2(a)では、ベアリング116aおよび116bは、個別にテストヘッド100へ接続されている。
【0067】
図3(a)は、本発明の他の典型的実施例を示す。図3(a)は、テストヘッド100のピボット軸102への、バランスユニット110のアプリケーションを示す斜視図である。テストヘッド100は、サポートアーム302と保持フランジ300によって支えられる。ベアリング305は、テストヘッド100内部に収容される。サポートアーム302は、テストヘッド100の外部で、保持フランジ300に接続される。2つの終端を有するバランスユニット110が提供される。バランスユニット110の第1端は、テストヘッド100に接続される。バランスユニット110の第2端は、保持フランジ300に接続される。保持フランジ300は、ピボット軸102のための支持構造物である。
【0068】
テストヘッド100の重心が、ピボット軸102と一致しない場合、テストヘッド100は、図3(a)に示される位置から離れ、ベアリング305を通してピボット軸102の周りを回転する。バランスユニット110は、タンブル軸102に対してテストヘッド100の重心をバランシングさせるために、反力を供給し、図3(a)でのテストヘッド100の位置を維持する。従って、ここでは、テストヘッド100は、本質的にタンブル軸102に対して無荷重となるので、テストヘッド100の手動運動が容易になっている。
【0069】
図3(b)は、図3(b)内のベアリング116a、116bが1つに連結され、さらに単一位置でテストヘッド100に接続されている点を除いては、図3(a)に示されたシステムと同じものを表している。対照的に、図3(a)では、ベアリング116a、116bは、個別にテストヘッド100へ接続されている。
【0070】
発明は、単一の軸102に連結された、単一のバランスユニット110に関して説明されてきたが、2つ以上のユニットが、単一の軸上または複数の軸上のいずれかに導入可能であった。複数のユニットが用いられている場合、それらは相互作用可能である。総括制御計画では、こうした潜在的相互作用を考慮することが好ましい。例えば、2つのユニットが2本の独立した回転軸の制御に使用される場合、それらは一度に1つだけ操作されるべきである。本発明の背景として説明したように、球面ベアリングで搭載されたテストヘッドの制御のために、3個以上のユニットが首尾よく使用可能であったと考えられる。
【0071】
図5(a)は、アンバランス力がほとんどもしくは全く存在せず、摩擦力に起因して順応力が優位を占めている、水平軸内での使用に適切な、本発明の典型的実施例に従う、基本的な順応ドライブ512機構を示す。図5(a)では、プレート504およびプレート500は、例えば、ホルト(Holt)他によるPCT国際出願第US00/00704号「テストヘッドマニピュレータ(TEST HEAD MANIPULATOR)」で説明されているように、それに対して、1つ以上の水平運動軸を組込んだ、マニピュレータベースの構造で用いられるプレートを表す。図示されているように、2つの線形ガイドレール503a、503bは、互いに平行に配置され、双方とも、プレート504の上面にしっかりと取り付けられる。2対のボールスライド、ボールスライド502a、502bを含む第1対、およびボールスライド502c、502dを含む第2対が、プレート500の下部に取り付けられる。第1対のボールスライド502a、502bは、線形ガイドレール503aにスライド可能に結合するよう配置される。第2対のボールスライド502c、502dは、同様に、線形ガイドレール503bにスライド可能に結合するよう配置される。従って、プレート500は、プレート504の上に平行に示され、プレート500は、線形ガイドレール503a、503bにより形作られた軸に沿って、プレート504に対して直線的に移動可能である。こうした配置は、テストヘッドマニピュレータベース内で、内外方向もしくは左右方向のいずれかの運動を実行可能であった。また、こうした配置は、例えば、ホルト(Holt)他に対するPCT国際出願第USOO/00704号「テストヘッドマニピュレータ(TEST HEAD MANIPULATOR)」で説明されているような、水平面に対する縦軸の周りで回転する水平板によって提供される揺れ運動にも、適合可能であったことに留意すべきである。図5(a)に示されるように、運動に対する抵抗は、ボールスライド502a、502b、502c、502dおよび線形ガイドレール503a、503bに関連した摩擦力によって生成される。簡便さのために、ここでは、図5(a)に示したように、線形アクチュエータ508の方へ向かう、線形ガイドレール503a、503bに沿ったプレート500の動きを「内」方向、一方、逆方向への動きを「外」方向と考えることにする。
【0072】
アクチュエータモーター510を含む、線形アクチュエータ508の静止要素506は、プレート504に取り付けられる。通常、線形アクチュエータ508は、電気モーターにより駆動される、ボールネジである駆動要素514を伴う、ボールネジ機構を備えている。しかし、他の機構、および/または、ネジタイプはまた、所与のアプリケーションに適切なものとして使用可能であった。図5(a)では、線形アクチュエータ508の駆動要素は、アクチュエータシャフト514であり、それは、アクチュエータモーター510が通電される場合、静止要素506から伸長し、および/または、静止要素506へと収縮する;アクチュエータシャフト514の運動方向は、アクチュエータモーター510の回転方向で決定される。図示されるように、線形アクチュエータ508は、アクチュエータシャフト514が線形ガイドレール503a、503bに平行なプレート内を移動するよう、配置される。
【0073】
アクチュエータシャフト514の遠心終端には、それを通り、アクチュエータシャフト514の軸に対する基準直角に穴が備えられている。アクチュエータシャフト514内のその穴を通り抜ける、Uリンク516およびUリンクピン518が、アクチュエータシャフト514を順応シャフト520へ結合させる。順応シャフト520の軸は、アクチュエータ514の軸と、ほぼ同軸であることが望ましい;しかし、当業者は、他の配置が可能であることを理解するだろう。
【0074】
順応シャフト520は、ロック118を貫通する;ロック118は、プレート500にしっかりと取り付けられる。ロック118は、電気操作タイプおよび空気圧操作タイプを含む、多くの異なったタイプのうちの1つでよい。ロック118が係合している場合、プレート500は、順応シャフト520に対して、さらに、結果的にプレート504に対して、動かないよう制限される。従って、ロック118が係合すると、線形アクチュエータ508は、線形ガイドレール503a、503bに沿い、プレート504に対して、プレート500を位置決めするために使用することが出来る。ロック118が係合していない場合は、プレート500は、順応シャフト520およびプレート504に対して自由に移動することが出来る;そして、その結果、プレート504に対する、プレート500の順応運動が実現される。この機構に起因する関連順応力は、線形ガイドレール503a、503bと、ボールスライド502a、502b、502c、502dとの摩擦力、加えてロック118を通って移動する順応シャフト520の摩擦力に打ち勝つのに必要な力から成る。特定のマニピュレータおよびアプリケーションにおける、若干の追加の力もあり得るが、これらは説明されたような機構には関連づけられないことに留意すべきである。
【0075】
伸長順応ストップ522および収縮順応ストップ524は、双方とも、ロック118のいずれの側にも1つずつ、順応シャフト520へしっかり取り付けられる。図5(a)に示されるように、伸長順応ストップ522は、ロック118とUリンク516との間に配置される;そして、収縮順応ストップ524は、順応シャフト520aの遠心終端とロック118との間に配置される。これらの順応ストップ522、524は、プレート500に対する順応シャフト520の進行を制限し、もしくは同じく、順応シャフト520に対するプレート500の進行を制限するのに役立つ。ロック118が係合されていない場合、プレート500は、外力により2つの順応ストップ522、524の間の距離「D」から、ロック118の幅「W」を減算することにより定義される進行範囲上を移動可能であり、これは順応動作範囲を定義する。すなわち、ロック118が解除されると(さらに、線形アクチュエータ508は切られているのが好ましい)、プレート500は、前述の順応力に打ち勝つのに十分な外力により、線形ガイドレール503a、503bに沿ってD−Wで定義された距離にわたって、移動可能である。
【0076】
通常、ボールスライド502a、502b、502c、502d、および線形ガイドレール503a、503bに関する摩擦力は、順応シャフト520とロック118との間の摩擦力より大きい。従って、ロック118が係合されていない場合、線形アクチュエータモーター520が通電されると、順応シャフト520は、ロック118およびプレート500に対して移動する。アクチュエータシャフト514が静止要素506から伸長するように、アクチュエータモーター510が通電されると、伸長順応ストップ522は、ロック118の方向へ移動する。アクチュエータモーター510が切られない場合、順応範囲の終端に達すると、伸長順応ストップ522がロック118に接触することになる;そして、アクチュエータシャフト514がさらに伸長すると、プレート500は、プレート504に対して「外」方向に移動する。反対に、アクチュエータシャフト514が静止要素506へと収縮するように、アクチュエータモーター510が通電されると、収縮順応ストップ524が、ロック118の方向へ移動する。アクチュエータモーター510が切られない場合、順応範囲の終端に達すると、収縮順応ストップ524がロック118に接触することになる;そして、アクチュエータシャフト514がさらに収縮すると、プレート500は、プレート504に対して「内」方向に移動する。
【0077】
稼働中、順応シャフト520は、プレート500に対し、その動作範囲内の、どこか事前に選択されたポイントの近傍内へ配置され、そこでロックされるのが望ましい。通常、このポイントは、2つの順応ストップ522、524間の中間点になるだろう;しかし、この位置が、2つの順応ストップ522もしくは524の一方、もしくは他方により近くに位置するのが望ましいアプリケーションがあるかもしれない。この近傍を「順応中立領域」と称する。通常、順応中立領域は、全順応範囲のごく一部分である;例えば、40から50mmの総順応範囲内の±3もしくは4mmである。
【0078】
ロック118が、順応中立領域と伸長順応ストップ522との間に位置する場合、それは「順応−伸長領域」にあると呼ぶ。同様に、ロック118が、順応中立領域と収縮順応ストップ524との間に位置する場合は、それは「順応−収縮領域」にあると呼ぶ。
【0079】
図5(a)に示されるように、位置センサ528は、順応シャフト520に対する、プレート500の相対的位置を感知するよう組み込まれる。位置センサ528は、精密エンコーダ、ポテンショメータなどから、リミットスイッチ、近接センサ、距離計などまで、多くの既知のタイプのいかなるものあってもよい。最低限の機能として、位置センサ528は、現在機構が3領域のどこにあるかを示すべきである:順応−伸長、順応−中立、順応−収縮。
【0080】
ここで、順応機構512の動作を説明する。まず最初に、ロック118が解除される。続いて、線形アクチュエータ508が、位置センサ528と連動して、順応シャフト520を事前に決定した順応−中立位置に位置決めするために用いられる。ここで、ロック118がロックされ、線形アクチュエータ508が、プレート500をプレート504に対して所望位置に位置決めするために用いられる。例えば、所望位置は、テストヘッドもしくは負荷(図示せず)がドッキングされる位置であってもよい。ここで、線形アクチュエータモーター510が切られ、ロック118が解除される。ここで、プレート500は、外力により順応状態で移動することが出来る;例えば、テストヘッドもしくは負荷がその最終ドッキング位置に移動させられるとき、ドッキング機構により生成される力。特定のアプリケーション、および/または、ユーザの好みにより、最終ドッキング位置が一旦達成されると、ロック118が再ロックしてもよいし、しなくてもよい。また、特定のアプリケーション、および/または、ユーザの好みにより、テストヘッドもしくは負荷がドッキング解除されている間、ロック118はロックされても、ロックされなくてもよい。しかし、一旦ドッキングが解除されると、順応シャフト520は、線形アクチュエータ508によってプレート500が運動を開始する前に、これまでの手順に従って順応−中立位置に配置され、かつロックされるべきである。
【0081】
図5(b)は、図5(a)の代替実施例を示す。図5(b)では、液圧機構513は、図5(a)のロック118および順応ストップ522、524を取り替えている。特に、二元動作液圧シリンダ140のボディーは、線形アクチュエータ508のアクチュエータシャフト514の軸を伴う平面内のそのボアの軸で、プレート500に取り付けられている。再び、図5(b)に示したように、線形アクチュエータ508の方へ向かう、線形ガイドレール503a、503bに沿ったプレート500の動きを「内」方向、一方、逆方向への動きを「外」方向とする。線形アクチュエータ508から最も遠いシリンダ140の終端は「伸長終端」532であり、線形アクチュエータの最も近くにあるシリンダ140の終端は「収縮終端」533である。ピストン144は、液圧シリンダ140の内部に位置する;そして、ピストン144は、液圧シリンダ140のボアと同軸で、液圧シリンダ140の収縮終端533を通って伸びるシャフト520bに接続されている。シャフト520bは、順応シャフト520の一部として供され、それは、図5(a)に関して説明したように、Uリンク516およびUリンクピン518によって、アクチュエータシャフト514に接続されている。図5(b)では、ピストン144の反対側に取り付けられた第2シャフト520cは、液圧シリンダ140の伸長終端532を通って伸びている。この第2シャフト520cは、順応シャフト520の延長として供され、図5(b)の位置センサ528は、プレート500に対するこのシャフト520cの位置を感知する。しかし、また、位置センサ528が、第2シャフト520cを提供する潜在的追加費用を節約するために、第1シャフト520bと連動して作動可能なように、システムを配置することも実現可能である。
【0082】
液圧シリンダ140の2つの終端の各々は、適切な液圧流体が、シリンダ140の内もしくは外へ流れるのを可能にするポート154を伴って設けられる。2つのポート154は、配管152により、バルブ142経由で、互いに外部で接続している。バルブ142は、それが開かれると、流体は自由に、1つのポートから出て他方へと流入可能となり;それが閉じられると、流体は2つの154間を流れることは出来なくなるように調整されている。機構全体は、適切な本質的に非圧縮性の流体で満たされる。流体の選択は、システムに漏洩が発生した場合に起こるであろう、潜在的に有害な影響を考慮に入れるべきである。また、システムは、氷点下の飛行機貨物室内に積まれて出荷されることが多いので、流体は凝固点の低いものでなければならない。流体が実質的に非圧縮性であるため、バルブ142が閉じられると、ピストン144がいずれの方向にも動くことが出来ないのは、明らかである。しかし、バルブ142が開くと、流体は、ポート154、配管152、および開放弁142によって提供される経路を通って、ピストン144の一方から他方まで、自由に移動可能となるため、ピストン144は動くことが出来る。バルブ142が閉じられると、液圧シリンダ140、およびシリンダ140が取り付けられているプレート500に対する、順応シャフト520の運動は、本質的にロックされる。従って、バルブ142が閉じられた状態で、線形アクチュエータ508を操作すると、線形ガイドレール503a、503bによって定義された軸に沿った、プレート504に対するプレート500の運動を引き起こす。しかし、バルブ142が開いている場合、ピストン144の利用可能なストローク(これは、本質的には、シリンダ140の2つの終端壁間の内寸距離、マイナス、ピストン144の厚さ)により定義される進行範囲にわたって、線形ガイドレール503a、503bにより定義される軸に沿って外力により、プレート500を移動させることが可能となる;そして、これは順応動作範囲を定義する。すなわち、バルブ142が開いている場合(さらに、線形アクチュエータモーター510は切られているのが好ましい)、プレート500は、線形ガイドレール503a、503bに沿う外力により、ピストン144の利用可能なストロークによって定義される距離にわたって移動可能となる。
【0083】
通常、バルブ142が開いている場合、液圧シリンダ140内のピストン144を動かすことに関する摩擦力およびその他の力は、線形ガイドレール503a、503bと、ボールスライド502a、502b、502c、502dに関連する摩擦力より小さい。従って、バルブ142が開いていて、線形アクチュエータモーター510が通電されるなら、順応シャフト520は、液圧シリンダ140とプレート500に対して移動することになる。アクチュエータシャフト514が静止要素506から伸長するように、アクチュエータモーター510が通電されると、ピストン144は、シリンダ140の伸長終端532の方向へ移動する。ここで、アクチュエータモーター510が切られない場合、順応範囲の終端に達すると、ピストン144がシリンダ140の伸長終端532で端壁に接触することになる。アクチュエータシャフト514がさらに伸長すると、プレート500は、プレート504に対して「外」方向に移動する。アクチュエータシャフト514が静止要素506へと収縮するように、アクチュエータモーター510が通電されると、ピストン144が、シリンダ140の収縮終端533の方向へ移動する。今、アクチュエータモーター510が切られない場合、順応範囲の端に達すると、ピストン144がシリンダ140の収縮終端533で端壁に接触することになる。アクチュエータシャフト514がさらに収縮すると、プレート500は、プレート504に対して「内」方向に移動する。
【0084】
稼働中、ピストン144(および、その取り付けられた順応シャフト520)は、プレート500に対し、その動作範囲内の、どこか事前に選択されたポイントの近傍内へ位置決めされ、そこでロックされるのが望ましい。通常、このポイントは、シリンダ140の2つの終端間の中間点となる;しかし、この位置が、2つの終端の一方、もしくは他方により近くに位置するのが望ましいアプリケーションがあってもよい。この近傍を、再び「順応中立領域」と呼ぶ。通常、順応中立領域は、全順応範囲のごく一部分である;例えば、40から50mmの総順応範囲内の±3もしくは4mmである。
【0085】
ピストン144が、順応中立領域とシリンダ140の伸長終端532との間に位置する場合、それは「順応−伸長領域」にあると呼ぶことにする。同様に、ピストン144が、順応中立領域とシリンダ140の収縮終端533との間に位置する場合は、それは「順応−収縮領域」にあると呼ぶ。
【0086】
ちょうど図5(a)にあるように、位置センサ528は、順応シャフト520に対する、プレート500の相対的位置を感知するよう組み込まれる。位置センサ528は、精密エンコーダ、ポテンショメータなどから、リミットスイッチ、近接センサ、距離計などまで、多くの知られているタイプのいかなるものあってもよい。最低限の機能として、位置センサ528は、現在機構が3領域のどこにあるかを示すべきである:順応−伸長、順応−中立、順応−収縮。
【0087】
ここで、機構513の動作を説明する。まず最初に、バルブ142は開かれる。続いて、線形アクチュエータ508が、位置センサ528と連動して、ピストン144を事前に決定した順応−中立位置に位置決めするために用いられる。ここで、バルブ142が、ピストン144と順応シャフト520を順応−中立位置に固定するために閉じられ、さらに、線形アクチュエータ508が、プレート500をプレート504に対して所望位置に位置決めするために用いられる。例えば、所望位置は、テストヘッドもしくは負荷(図示せず)がドッキングされる位置であってもよい。ここで、線形アクチュエータ508が切られ、バルブ142が開かれる。ここで、プレート500は、外力により順応状態で移動することが出来る;例えば、テストヘッドもしくは負荷がその最終ドッキング位置に移動させられるとき、ドッキング機構により生成される力。特定のアプリケーション、および/または、ユーザの好みにより、最終ドッキング位置が一旦達成されると、バルブ142は閉じられてもよいし、閉じられなくてもよい。また、特定のアプリケーション、および/または、ユーザの好みにより、テストヘッドもしくは負荷がドッキング解除されている間、バルブ142は開けられても、開けられなくてもよい。しかし、一旦ドッキングが解除されると、順応シャフト520は、線形アクチュエータ508によってプレート500が運動を開始する前に、これまでの手順に従って順応−中立位置に配置され、かつ固定されるべきである。
【0088】
図5(c)は、アンバランス力がほとんどもしくは全く存在せず、摩擦力に起因して、順応力が優位を占めている、水平軸内での使用のための、さらに他の典型的な順応ドライブ機構550を示している。2枚の水平プレート500、504、線形ガイドレール503a、503b、ボールスライド502a、502b、502c、502d、および、線形アクチュエータ508の配置と目的は、図5(a)に関して説明されたものと本質的には同じである。さらに、順応シャフト520は、図5(a)に示されたのと同様の方法で、Uリング516およびUリングスピン518によって、アクチュエータシャフト514に接続される。図5(c)に示されるように、線形ガイドレール503a、503bに沿った、プレート500の、線形アクチュエータ508の方へ向かう運動は「内」方向、逆方向への運動は「外」方向である。
【0089】
順応シャフト520は、内向き取付ブラケット554および外向き取付ブラケット552の双方を貫通し、内向き取付ブラケット554を、外向き取付ブラケット552より線形アクチュエータ508の近くに置くように、その双方をプレート500の下側にしっかりと取り付ける。順応シャフト520が、内外方向の軸に沿い、取付ブラケット552、554に対して、自由に移動可能で、ボールスライド502a、502b、502c、502dは、これを達成するために使用されるのが望ましい。順応ストップ556は、2つの取付ブラケット552、554の間に配置された、順応シャフト520に所定位置でしっかりと取り付けられる。
【0090】
外向きセンタリングアクチュエータ558の静止要素は、外向き取付ブラケット552に取り付けられており、内向きセンタリングアクチュエータ560の静止要素は、内向き取付ブラケット554に取り付けられている。これらの2つのセンタリングアクチュエータ558、560の各々の駆動要素は、アクチュエータ558または560へエネルギーを適切に適用するに際して、静止要素から外向きに伸長、もしくは、静止要素へと収縮する、プランジャーもしくはボールネジ機構である。(簡便さのために、用語「プランジャー」は、いずれが適切であるか文意上明確な場合に、いずれかのタイプの駆動要素を意味するよう用いている。)2つのアクチュエータ558、560は、プランジャーもしくはボールネジが、順応シャフト520の軸に対して本質的に同軸かつ平行となり、適切に通電される場合、プランジャーもしくはボールネジが、順応ストップ556方向に伸長するように、反対方向に取り付けられる。
【0091】
内向きアクチュエータプランジャー564および外向きアクチュエータプランジャー562の一方もしくは両方が、結果として、順応ストップ556と、アクチュエータプランジャー562、564の一方もしくは両方の遠心終端との間に、スペースが出来るよう、十分に収納されるなら、順応運動範囲が設けられることが分かる。この条件が満たされるなら、プレート500は、取付ブラケット552、554、順応シャフト520の摩擦力に加え、ボールスライド502a、502b、502c、502dと、線形ガイドレール503a、503bとの摩擦力に打ち勝つのに十分な外力により、線形ガイドレール503a、503bに沿って移動可能である。順応運動の利用可能な総範囲は、2つのアクチュエータプランジャー562、564の遠心終端間の距離から順応ストップ556の厚さを引いた値に等しい。従って、所望であれば、順応運動の範囲は、図5(c)のシステム内のセンタリングアクチュエータ558、560により制御可能である;ところが、順応領域は、図5(a)および図5(b)のシステム内で固定される。
【0092】
また、内向きおよび外向きアクチュエータプランジャー564、562の双方が、それぞれ、同時に順応ストップ556に接触するように伸長される場合、次に、プレート500は、順応シャフト520に対応した位置に固定されることが分かる。続いて、線形アクチュエータ508は、プレート504に対して、プレート500を移動させ、位置決めするために使用可能である。
【0093】
通常、ボールスライド502a、502b、502c、502d、および線形ガイドレール503a、503bに関する摩擦力は、順応シャフト520と、内向きおよび外向き取付ブラケット554、552、それぞれの間の摩擦力より大きい。従って、順応運動が可能となるよう、センタリングアクチュエータプランジャー562もしくは564の一方または双方が十分収納され、次いで、線形アクチュエータモーター510が通電されると、順応シャフト520および順応ストップ556は、それぞれ、内向きおよび外向き取付ブラケット554、552に対して移動する。アクチュエータシャフト514が静止要素506から伸長するように、アクチュエータモーター510に通電されると、順応ストップ556は、外向きアクチュエータプランジャー562の方向へ移動する。アクチュエータモーター510が切られない場合、順応範囲の終端に達すると、順応ストップ556が外向きアクチュエータプランジャー562に接触することになる。アクチュエータシャフト514がさらに伸長すると、プレート500は、プレート504に対して「外」方向に移動する。逆に、アクチュエータシャフト514が静止要素506へと収縮するように、アクチュエータモーター510が通電されると、順応ストップ556が、内向きアクチュエータプランジャー564の方向へ移動する。アクチュエータモーター510が切られない場合、順応範囲の終端に達すると、順応ストップ556が内向きアクチュエータプランジャー564に接触することになる。アクチュエータシャフト514がさらに収縮すると、プレート500は、プレート504に対して移動する。
【0094】
稼働中、順応シャフト520は、プレート500に対し、その動作範囲内の、どこか事前に選択されたポイントの近傍内へ位置決めされ、そこに保持されるのが望ましい。通常、このポイントは、内向きおよび外向きセンタリングアクチュエータ560、558のそれぞれの間の中間点になるだろう;しかし、この位置が、2つのセンタリングアクチュエータ560、558の一方、もしくは他方により近くに位置するのが望ましいアプリケーションでもよい。この近傍を、再び、「順応中立領域」と呼ぶ。通常、順応中立領域は、全順応範囲のごく一部分である;例えば、40から50mmの総順応範囲内の±3もしくは4mmである。
【0095】
順応ストップ556が、順応中立領域と外向きアクチュエータプランジャー562の遠心終端との間に位置する場合、それは「順応−外向き領域」にあると呼ぶ。同様に、順応ストップ556が、順応中立領域と内向きアクチュエータプランジャー564の遠心終端との間に位置する場合、それは「順応−内向き領域」にあると呼ぶ。
【0096】
以下に議論するように、適切なセンタリングアクチュエータおよび設計手順が提供されるならば、図5(c)内の有用なタイプのシステムが、プレート504に対するプレート500の相対的位置を感知するセンサなしで、実現可能である。しかし、位置センサ528(図示せず)は、潜在的により精巧なシステムを実現する、この目的のために、任意に組込むことが出来る。位置センサ528は、精密エンコーダ、ポテンショメータなどから、リミットスイッチ、近接センサ、距離計などまで、多くの知られているタイプのいかなるものあってもよい。最低限の機能として、位置センサ528は、現在機構が3領域のどこにあるかを示すべきである:順応−内向き、順応−中立、順応−外向き。
【0097】
位置センサ528を伴わないシステムを実現するには、そのプランジャー562、564を、所与の方向へ、最大範囲に達するまで移動させることが出来るように制御可能なタイプの、センタリングアクチュエータ558、560を用いることが望ましい。こうしたアクチュエータ558、560は、エネルギーが適用されると、直ちにその最大範囲に達し、エネルギーが除去されると、バネの戻りにより完全に収縮する、プランジャー562、564を備えたソレノイド装置と同じくらい簡単であってもよい。モーターおよびネジ機構を組込んだアクチュエータ558、560もまた、実現可能である。ネジが移動し過ぎるのを防ぐよう、アクチュエータ558、560にハードストップが組み込まれる場合、および、モーターが失速しても、オーバーヒートから適切に保護される場合は、ネジは、その進行限界に達し得る十分な時間の間、既知の方向へ単純に駆動可能である。さらに、モーター駆動ネジアクチュエータは、進行位置の終端に達したことを合図する、リミットスイッチを組み込んでいてもよい。さらなる代案では、ステッピングモーターの組み込みが可能であり、さらに、運動のステップ数を制御することにより、場合によっては、1つ以上のリミットスイッチと組み合わせて、位置の制御が可能であった。第2要件は、所望の結果のために、各アクチュエータプランジャー562、564のストロークの長さ、もしくは、ネジおよび内向きおよび外向き取付ブラケット552、554、並びにアクチュエータ558、560の配置を設計することである。以下を含む特定の評価基準。アクチュエータ558および560が、共に完全に伸長した状態にあるとき、順応ストップ556が所望の順応−中立位置にしっかり保持される;そして、アクチュエータ558、560の双方が完全に収納された状態にあるとき、所望の順応動作範囲が実現される。
【0098】
ここで、位置センサを伴わない、図5(c)の機構の動作を説明する。まず最初に、両センタリング558、560が、それらのプランジャー562、564もしくはネジを完全に伸長するように通電される。これは、順応シャフト520に対して、プレート500を順応−中立位置に移動させる。図5(c)のシステムにおいて、順応−中立位置を達成するこのステップでは、順応シャフト520が静止した状態にある間に、プレート500が移動されることに留意するべきである;ところが、図5(a)および図5(b)のシステムでは、順応シャフト520がこの目標を達成するために移動する間、プレート500は固定されたままである。ここで、アクチュエータ558、560は、プレート500を順応−中立位置に保つために、完全に伸長する位置でそのプランジャー562、564もしくはネジを支える状態に、配置される。非逆転可能モーター駆動アクチュエータを用いると、これは、単に電源を切るだけで達成される。ソレノイドアクチュエータなどの他のアクチュエータでは、エネルギー励起が適用された状態にしておくことが必要な場合もある。このように、プレート500を順応−中立位置に保ち、線形アクチュエータ508は、プレート504に対して、プレート500を所望の位置に位置決めするのに使用される。例えば、所望の位置は、テストヘッドもしくは負荷(図示せず)がドッキングされる位置であってもよい。ここで、線形アクチュエータモーター510が切られると、センタリングアクチュエータ558、560は、順応運動領域を生成するために、そのプランジャー562、564、もしくはネジを収縮させるように制御される。ここで、プレート500は、外力により順応状態で移動することが出来る;例えば、テストヘッドもしくは負荷がその最終ドッキング位置に移動させられるとき、ドッキング機構により生成される力。特定のアプリケーション、および/または、ユーザの好みにより、最終ドッキング位置が一旦達成されると、センタリングアクチュエータ558、560は、事実上、プレート504に対してプレート500をロックするために用いられてもよいし、用いられなくてもよい。また、特定のアプリケーション、および/または、ユーザの好みにより、テストヘッドもしくは負荷がドッキング解除されている間、プレート500は、センタリングアクチュエータ558、560により、所定の位置に保持されてもよいし、されなくてもよい。しかし、一旦ドッキングが解除されると、順応シャフト520は、線形アクチュエータ508によってプレート500が運動を開始する前に、これまでの手順に従って順応−中立位置に配置され、かつ固定されるべきである。
【0099】
ここで、順応シャフト520に対するプレート500の位置を感知するための、位置センサ528a(図示せず)も組み込んだ、図5(c)に従うシステムを説明する。こうしたシステムでは、利用可能な位置フィードバックを利用するために、モーター操作センタリングアクチュエータ558、560を用いるのが、最も実用的である。アクチュエータプランジャー562、564もしくはネジの総ストローク、および、アクチュエータ558、560の配置は、上に説明した、位置センサ528aを伴わないシステムほど、厳密ではない。そのプランジャー562、564が、ともに完全に収縮するとき、適切な順応運動範囲が実現するように;さらにまた、完全に伸長するとき、プランジャー562、564が、少なくとも順応−中立位置に達するように、アクチュエータ558、560が配置されれば十分である。動作は、位置センサ528aが、順応ストップ556が順応−中立位置を達成したことを示すのに用いられる点を除いては、位置センサ528aを伴わないシステムと本質的に同じである。また、エンコーダもしくはポテンショメータタイプの位置センサ528aが用いられる場合は、制御システムの適切なプログラミングにより、機械的な構造を変えることなく、順応−中立領域の位置を変化させることが、図5(a)および図5(b)のシステムと同様に図5(c)のシステムで可能となるだろう。
【0100】
図5(a)(および、また図5(b)および図5(c))の機構はまた、運動が、軸に沿う平行移動よりむしろ、軸の周りのボディーまたは負荷の回転である、回転軸にも適用可能である。この技術はまた、回転と平行移動の双方が組み合わさった運動にも適用することが出来る。図7は、縦軸102の周りで回転するボディー100に適用された順応機構を示している。これは、テストヘッドマニピュレータにおける揺れ運動と同じである。図7の順応機構はまた、図5(a)の機構に対する代替実施例を示している。特に、図5(a)の機構は、ロッド(順応シャフト520)に取り付けられた、アクチュエータシャフト514もしくはネジ、および、ロッド(順応シャフト520)を作動させるロック118に取り付けられた、移動ボディ(プレート500)を備えている。図7では、ロック118およびロッド(力ロッド112)の配置が、逆になっている;すなわち、アクチュエータシャフトもしくはネジ514は、順番に移動ボディー100と結合する、力ロッド112を作動させる、ロック118に結合される。図7の動作は、図5(a)のそれに、完全に類似していることが分かる。以下では、図7に含まれる特徴を、より詳細に議論する。
【0101】
図5(a)から図5(c)の実施例では、水平面内の運動軸のための順応、もしくは、他の状況でのいかなる有意なアンバランス力もない典型的実施例を記述してきた。図6(a)および図8(a)では、アンバランス力が有意で、位置が変化し、多くの場合予測不可能である駆動軸内の、アンバランス力および順応性を相殺するために、双方に釣り合う力を提供する機構を示している。これらの機構を「バランス−順応アクチュエータアセンブリ」(“BCAA”)と称する。
【0102】
図6(a)および図8(a)では、ボディー100は、前記ボディーの重心から有意な距離離れた、1つの表面付近に位置するピボット軸102の周りを回転可能な、重い負荷(すなわち、テストヘッド)を表している。図6(a)および図8(a)のボディー600は、ピボット軸102を支える保持構造の一部を表わす。例えば、ボディー100は、DUTのインタフェース付近に位置する、それ自身のピッチもしくはタンブル軸を有するテストヘッドを表すことが可能であり、さらに、ボディー600は、テストヘッドマニピュレータ(図示せず)のメインアームに接続した装置により、順番に支持されるテストヘッド保持クレードルの一部を表すことが可能であった。以下の議論では、他の方法が述べられない限り、ピボット軸102は水平面内にあるとものと想定している。ボディー100が、ピボット軸102の直下にその重心が来ないように回転する場合、ボディー100の重さによるモーメントは、ボディー100の位置の関数であるアンバランスを生成することに留意すべきである。従って、順応力は、摩擦力およびケーブル力などの他の予想される影響のみならず、このモーメントに打ち勝つために必要な力も含んでいる。
【0103】
図6(a)および図8(a)に示され、説明される機構は、「テストヘッドマニピュレータのためのテストヘッドバランシングシステム(A Test Head Balancing System for a Test Head Manipulator)」と題された、ナイ(Ny)他による、および本願と同じ譲受人に譲渡される、米国仮特許出願シリアル番号第60/234,598号内で説明されている概念を含むものである。具体的には、図1(a)、図1(c)、図2(a)、図3(a)、図4(a)および図4(b)は、仮出願第60/234,598号内で説明されている。
【0104】
図示されていないが、図6(a)および図8(a)では、システムコントローラの存在が暗示されている。システムコントローラは、制御シーケンスを実行し、後述するアクチュエータおよびバルブへ、制御信号を供給する。さらに、システムコントローラは、やはり後述するセンサから、オペレータ入力およびフィードバック信号を受け取る。
【0105】
概観すると、図6(a)および図8(a)は、共に、ピボット軸102の周りでボディー100を駆動する線形アクチュエータ508、ロック118を含む順応機構、力ロッド112、およびボディー100の順応運動を可能にする2つの順応ストップ522、524、力ロッド112内に印加されるアンバランス力を測定する力センサ120、およびアンバランス力を相殺するために釣り合い力を発生させる二元動作空気圧シリンダ128を含んでいる。
【0106】
図6(a)および図8(a)は非常によく似ている。これらは、二元動作空気圧シリンダ128ボディーの支持方法が異なるだけである。従って、双方の図に共通する特徴は、以下に一緒に説明される;そして、相違点は、適切な場合には個別に記述される。
【0107】
図6(a)および図8(a)の双方では、そのモーター510を含む線形アクチュエータ508の静止要素506は、ベアリング620によってボディー600に取り付けられている。線形アクチュエータ508の駆動要素は、モーター510が通電されたとき、静止要素506から伸長したり、静止要素へと収縮したりする、アクチュエータネジ514である。特に、モーター510が第1の回転方向へ回転するために通電されると、ネジ(アクチュエータ)は、静止要素506から伸張する;そして、モーター510が逆方向に回転するよう通電されると、アクチュエータ514は静止要素506内へと収縮する。通常、アクチュエータネジ514はボールネジである;しかし、適切であるなら、他のタイプのネジ、もしくは他のアクチュエータ手段を用いることが出来た。
【0108】
力ロッド112は、ベアリング116aによりボディー100に取り付けられる。図示されるように、力ロッド112は、ビスもしくは他の適切な手段により、アクチュエータネジ514の遠心終端にしっかりと取り付けられたロック118に係合されている。ロック118は、本技術分野で周知の、いくつかのタイプのうちの1つであってもよい。選択されたロックのタイプに依存して、電気的信号、空気圧入力、もしくは特定のアプリケーションに適切な他の手段により、それは制御可能である。ロック118が活性化されているときに、しっかりと力ロッド112を把持し、そして、次に、事実上、力ロッド112は厳密な方法でアクチュエータネジ514に取り付ける。従って、ロック118が活性化している場合、ボディー100は、アクチュエータネジ514に対する移動を抑制される。ロック118が非活性化している場合、力ロッド112は、ロック118に滑り込んで、本質的にアクチュエータネジ514の軸に平行な直線に沿い、移動可能である。その結果、ロック118を活性化して、暫時空気圧シリンダ128およびいかなるアンバランス力とも無関係に、線形アクチュエータ508は、ボディー100をピボット軸102の周りでボディー600に対して回転させるために使用可能である。加えて、ロック118がロックされていない場合、ボディー100は、十分な外力に反応して、アクチュエータネジ514およびボディー600に対し自由に移動可能である;そして、その結果、ボディー600に対する、ボディー100の順応運動が達成される。つまり、それは、ロック118が非活性化している場合、外力に応答して、そのピボット軸102の周りの、およびボディー600に対する、ボディー100の順応運動が可能となる。順応運動量を制限するために、伸長順応ストップ522および収縮順応ストップ524が、力ロッド112にしっかりと取り付けられる。伸長順応ストップ522は、ロック118とボディー100との間に位置する。収縮順応ストップ524は、ロック118と力ロッド112の遠心終端との間の、ロック118の反対側に位置する。
【0109】
双方向力センサ120は、力ロッド112に沿う力を測定するように、力ロッド112に結合される。力センサ120は、双方向ロードセル、容易に利用可能な装置を用いて、実装可能である。ロードセルは、測定された力と共に単調に変化する、電気信号出力を提供する周知の方法で、ブリッジ回路に配置可能なひずみゲージを組み込んでいる。アナログ−デジタル変換およびプロセッサを用いることにより、力ロッド112を伝わる力が、自由運動に対して許容可能最大量より大きいか否か;そして、その場合は、力の方向を判断可能である。これに代わり、アナログコンパレータ回路は、有意な力アンバランスの存在と方向を示す、go/nogo信号を生成する公知の方法で使用可能であった。
【0110】
前述の順応ストップ522、524は、線形アクチュエータ508が固定された伸張の状態で、ボディー600に対する力ロッド112の進行を制限するのに役立つ。シャフトロック118が係合されていない場合、力ロッド112は、ボディー100に作用する外力により、2つの順応ストップ522、524の間の距離「C」から、シャフトロック118の幅「L」を減算することにより定義される進行範囲上を移動可能であり、これはボディー100のための順応動作範囲を定義する。すなわち、シャフトロック118が解除されると(さらに、線形アクチュエータ510は切られているのが好ましい)、ボディー100は、順応力に打ち勝つのに十分な外力により、距離C−Lを通る力ロッドの対応運動によって定義される角度で、ピボット軸102の周りに回転可能である。図6(a)もしくは図8(a)のいずれかでは、ロック118が力ロッド112に対して移動すると、空気圧シリンダ128内のピストン130もまた移動することになる。重要なのは、ピストン130の利用可能な総ストロークが、ピストン130および空気圧シリンダ128に順応ストップ522、524を妨げさせないものでなければならないことである。
【0111】
ロック118がアンロックされ、ボディ100がピボット軸102の直下にその重心が来ないような角度まで回転し、2つの順応ストップ522、524の一方あるいは他方が、ロック118に接触するのが分かる。これは、ボディー100の重さにより引き起こされるピボット軸102の周りのモーメントが、システム内の静止摩擦力、ボディー100に働く空気圧シリンダ128およびピストン130に起因する力、およびシステムに作用するいかなる他の力にも、打ち勝つだけの大きさである場合に、実現される。こうした状態で、アクチュエータモーター510に通電すると、ボディー100がピボット軸102を中心に回転することになるのは明白である。これは必ずしも、好ましい動作モードというわけではない;むしろ、これは、本発明の典型的実施例のための、様々な動作シーケンスを考える場合に、念頭におくべき状況である。
【0112】
稼働中、ロック118は、力ロッド112に対し、その運動範囲内の、どこか事前に選択されたポイントの近傍内の位置へ移動し、そこでロックされるのが望ましい。通常、このポイントは、2つの順応ストップ522、524間の中間点になるだろう;しかし、この位置が、2つの順応ストップ522もしくは524の一方、もしくは他方により近くに位置するのが望ましいアプリケーションでもよい。ここでは、この近傍を「順応中立領域」と称する。通常、順応中立領域は、全順応範囲のごく一部分である;例えば、40から50mmの総順応範囲内の±3もしくは4mmである。
【0113】
さらに図6(a)および図8(a)を参照すると、ロック118が、順応中立領域と伸長順応ストップ522との間に位置する場合、それは「順応−伸長領域」にあると呼ぶことにする。同様に、ロック118が、収縮順応ストップ524上の順応中立領域の間に位置する場合は、それは「順応−収縮領域」にあると呼ぶ。
【0114】
ロック118がアンロックされ、次いで順応−中立位置に移動するには、ボディー100がバランス状態にあることが必要な場合もある。このバランスは、例えば、以下を含む、多くの可能な方法で実現し得る:重心をピボット軸102の下に位置させ、および/または、外力を適用する。しかし、説明されるように、空気圧シリンダ128およびピストン130の目的は、制御可能な釣り合い力の発生源を提供することである。
【0115】
位置センサ612は、ロック118に対する力ロッド112の位置を感知するために設けられる。位置センサ612は、精密エンコーダ、ポテンショメータなどから、リミットスイッチ、近接センサ、距離計などまで、多くの知られているタイプのいかなるものあってもよい。最低限の機能として、位置センサ612は、現在機構が3領域のどこにあるかを示すべきである:順応−伸長、順応−中立、もしくは順応−収縮。
【0116】
二元動作空気圧シリンダ128は、いかなるアンバランス力も打ち消す力を発生させるために設けられる。目標は、ボディー100に働くネットおよび/またはトルクを、ボディー600対するボディー100の順応運動を可能にする許容レベルにまで、最小化することである。これが達成されると、ボディー100は、「バランス状態」にあると言ってもよい。バランス状態にある場合、総順応力の成分となる、「残存アンバランス力」が存在することもある点に留意すべきである。図6(a)では、二元動作空気圧シリンダ128が、適切な取り付けハードウェア624とベアリング622により、ボディー600に取り付けられている。図8(a)では、二元動作空気圧シリンダ128は、ブラケットを用いて、ロック118に取り付けられている。図6(a)および図8(a)の双方では、空気圧シリンダ128は、シリンダ128軸と同軸であるコネクティングロッド114と結合するピストン130を含んでいる。コネクティングロッド114は、空気圧シリンダ128の終端を通り抜けて、ボディー100に向かって伸長し、さらにそれはベアリング116bによりボディー100と結合されている。図6(a)および図8(a)では、2つの別々のベアリング116a、116bによりボディー100に取り付けられた、コネクティングロッド114およびロッド112を示しているが、そうでなければ、図8(a)と同じである図8(b)のように、、ベアリング116a、116bを用いて、ロッド114、112を共同でボディー100に結合させる、ブラケットなどの使用を含めた、代替構造も可能である。図8(b)は、事実上、ロッド114、112を結合するブラケット800を用いて、1つに結合されたロック118とシリンダ128とを示している。
【0117】
高圧空気供給装置602は、空気圧シリンダ128を操作する空気源を提供する。通常、半導体試験施設では、1平方インチあたり80から100ポンドの空気圧が、適切かつ利用可能である。空気圧シリンダ128は、ピストン130のいずれの側にも1つずつ、一般にはシリンダ128の各終端付近に、2つの空気入口132、134を有している。第1空気入口132は、配管により第1アキュムレータ608aと結合し、さらに第2空気入口134は、配管により第2アキュムレータ608bと結合している。第1および第2アキュムレータ608a、608bは、適切な配管により、それぞれ第1および第2バルブ604a、604bと結合し、そして、第1および第2バルブ604a、604bの双方は、適切な配管により、空気供給装置602へ結合している。第1および第2バルブ604a、604bは、コントローラにより制御されるが、そのコントローラは図示されていない。
【0118】
加えて、2つのバルブ604a、604bは、それぞれ、空気をシリンダ128並びにアキュムレータ608a、608bから排出させる排気口を有している。バルブ604a、604bの各々は、以下の3つの位置のうちの1つに配置可能である。:
・「注入位置」は、空気を、空気供給装置602から、アキュムレータ608aもしくは608b、およびシリンダ128へ流す。
・「排気位置」は、排気口経由で、空気を、アキュムレータ608aもしくは608b、およびシリンダ128から大気中へ流す。
・「オフ位置」は、バルブ604aもしくは604b経由で、空気が、アキュムレータ608aもしくは608b、およびシリンダ128から出入りするのを妨げる。
バルブ(604aおよび604b)の多くの異なる構成が、市販されている。例えば、図示されている単一の独立バルブ(604aおよび604b)に加えて、空気がピストン130の一方の側で注入されると、他方の側から自動的に空気が排気されるように、一方のバルブが注入位置にある場合他方は排気位置にあるような形で構成された、2つのバルブを有するユニットもある。
【0119】
上に示されるように、空気圧シリンダ128の目的は、負荷、この例では、ボディー100に加わるアンバランス力を相殺する力を発生させることである。例えば、ボディー100を、その重心がピボット軸102から水平にオフセットされるような角度で回転させたとする。すると、ボディー100の重さは、ピボット軸102の周りでトルクを生成するアンバランス力であり、それは、重心をピボット軸102の直下位置に移動させる方向に作用する。このトルクの大きさおよび方向は、ピボット角度の大きさと方向と同様に、重さの関数であり、そこでは、ピボット角度は、重心からピボット軸102までの最短距離に対する、ピボット軸102からの重心の水平変位の比のアークサインである。アンバランスは、可変であり負荷位置の関数であることが理解される。空気圧シリンダ128は、ピストン130の2側面の空気圧の違いに従って、そのピストン130上に力を発生させる。この力は、コネクティングロッド114に沿って送られ、ボディー100に対して、コネクティングロッド114の軸の延長となる線により決定された位置および方向で作用する。本装置は、この力の線が、対象の回転角度の全範囲で、ピボット軸102を横切らないよう配置されている。従って、ピストン130は、ボディー100の重さによって生成されたアンバランストルクに等しくて反対方向のトルクを、ピボット軸102の周りのボディー100上に作成可能であり、それにより、ボディー100はバランス状態を達成することになる。空気圧装置により発生する力は、ここでは、「釣り合い力」と称する。
【0120】
稼働中、バルブ604a、604bは、通常オフ位置にある。ピストン130の一方の側の圧力を増加させるには、対応するバルブ(604aもしくは604b)を注入位置に切り換える。達成される圧力変化は、シリンダ128における現在の圧力、空気供給装置における圧力、およびバルブ(604aもしくは604b)が操作される時間の長さの関数である。ピストン130の所与の側面の圧力を減少させるには、対応するバルブ(604aもしくは604b)を排気位置に切り換える。ここで、達成される圧力変化は、シリンダ128における現在の圧力、およびバルブ(604aもしくは604b)が操作される時間の長さのみの関数である。つまり、バルブ(604aもしくは604b)を操作可能な最短時間により、所与の初期シリンダ圧で達成される、シリンダ128における圧力の最小増加量が決定されることになる。この最小時間は、通常、8から10ミリセカンドである。コネクティングロッド114上に作用可能な釣り合い力の最小増加量は、圧力の最小増加量と、ピストン130の面積との積により決定される。構成要素とパラメーターとの適切な選択により、2ポンド未満の釣り合い力の増加量を得ることが可能であり、さらにこれは、アンバランスをどの程度厳密に中和可能かを決定する。
【0121】
ボディー100がボディー600に対する特定位置にあり、釣り合い力が空気圧シリンダ128とピストン130によって確立され、さらに、この状態で、ボディー100がボディー600に対しわずかに動かされるなら、ピストン130はシリンダ128内を移動し、ピストン130のいずれかの側面の空気量の変化に応じて、確立した釣り合い力は変化するだろう。特に、圧力差は、機械的スプリングと同様の、ピストン130の変位に伴って単調に増加する。ピストン130の所与の側面に加わる空気圧は、体積に逆比例して変化する。しかし、空気体積の変化が比較的小さな変位では、同等な「バネ定数」Kを用いるなら、同等なスプリング力が、変位とほぼ線形に変化する。すなわち、F=Kxであるが、ここで、Fは力の変化、xはピストン130の変位の変化である。力が運動範囲にわたって明らかには変化しないよう、Kを小さくすることが望ましい。Kは、ピストン130の変位の増加量あたりの圧力変化に対する空気の全体積により、ある程度決定され;それは、VおよびdP/dxによるが、ここで、Vは体積、Pは圧力である。ピストン130が、移動の一方の終端に近づくのに応じて、Vは小さく、dP/dxは指数関数的に大きくなり、従って、Kは、Fと同様に増加する。上に説明したアキュムレータ608a、608bの追加は、Vをかなり増加させ、さらにdV/dxとdP/dxを許容出来る値まで制限するのに役立つ。これは、順応範囲にわたって、Kを比較的低い一定値にし、もしくは、明らかに望ましい、「ソフト・スプリング」効果として知られているものを提供する。
【0122】
図6(a)および図8(a)に示された装置の構成要素を簡潔に説明してきたので、ここで、システムのさらなる詳細、および動作についての記述を行うことにする。
【0123】
バランス状態を達成するために、最初に、ロック118は、ボディー100の運動を防ぐためにロックされる。続いて、コントローラは、力センサ120から引き出される信号に応答して、適切な方法でバルブ604a、604bを操作し、釣り合い力をボディー100に適用させる。コントローラは、力ロッド112内の力の大きさを、最大許容アンバランス力を表す、所定の閾値より小さな値にまで減少させるのに十分な、大きさと方向になるまで、釣り合い力を調整する。状況により、通常、この閾値は5から10ポンド未満である;さらに、システムの設計で留意される場合は、1から2ポンド程度の低さとなり得る。この状況が達成されると、ボディー100は、「バランス状態」にあると考えられ、本来のアンバランス力と、ピストン130で発生した釣り合い力との差は、「残存アンバランス力」と称される。
【0124】
今度は、ボディー100がこうしたバランス状態にあり、ロック118は、2つの順応ストップ522、524のどちらか一方から遠くに、ロックされて位置決めされているとする。ここで、ロック118が解除されている場合、いかなる残存アンバランス力でも、空気圧シリンダ128およびピストン130に関する起動抵抗の影響を含む、システムの静止摩擦力未満であるなら、ボディー100およびロック118は移動しない。この状態に到達すると、ボディー100は、「全バランス」であると呼ばれる。しかし、残存アンバランス力が総静止摩擦力に打ち勝つのに十分である場合は、ボディー100は、「ほぼバランス」であると呼ばれる。ボディー100がほぼバランスであり、ロック118が解放される場合、ロック118は2つの順応ストップ522もしくは524のうちの1つへ向って移動する。ロック118が、順応ストップ(522もしくは524)に接触して止まるか否かは、アンバランス力および釣り合い力の双方が、位置の変化の関数として、いかに変化するかに依存することだろう。全バランス状態になるには、より大きな精度と、それに応じた、より大きなシステム・コストを必要とし、その後ほぼバランス状態になることは理解されるところである。
【0125】
ここで、ボディー100がバランス状態にあり、さらに、力ロッド112が順応中立領域にある状態を、「順応準備完了」という語句で示すことにする。一般に、バランス状態は、ロック118が解除されても、ボディー100が動かない、全バランス状態にあることが好ましい。
【0126】
通常の状態では、初期には、ボディー100はバランス状態にはなく、ボディー600に対して任意の位置にあると想定し得るだろう。また、順応準備完了状態を達成するのが望ましいとも想定される。この状況で、アンバランス力は、力ロッド112と力センサ120によって支持され、測定される。ロック118が解除された状態にあり、アンバランス力がはっきり感知されるなら、力ロッド112は、その順応範囲の一方もしくは他方の端部に存在する可能性が最も高い;そして、アンバランス力は、順応ストップ(122もしくは124)に接触したロック118によって、力ロッド112からアクチュエータネジ514まで運ばれるだろう。しかし、ロック118がロック状態にあるなら、アンバランス力は、直接力ロッド112からロック118へ、そして、そこからアクチュエータネジ514へと運ばれるだろう。
【0127】
所望される順応準備完了状態を達成するには、いくつかの可能な方法がある。しかし、いかなるコントロール動作の前にも、ボディー100および他のマニピュレータ装置が、続くバランスもしくは順応範囲位置決め処理を妨害し得る、いかなる異物もしくは構造にも接触停止していないことを確保するよう、留意すべきである。若干の例では、最初にボディー100を、どこか望ましい位置へ移動させることが必要な場合もある。こうした場合は、既には作動していない場合は、ロック118が先ず作動し、その後、所望の動きを起こすために、線形アクチュエータ508が利用される。また、もし存在するならば、他のマニピュレータ軸の動きが必要となることもある。前記の動きは、手動手段によって達成されることもあり、線形アクチュエータ508を操作するために、コントローラへの押しボタンコマンドの使用を含んでいてもよい。代わりに、コントローラは、自動位置決めシーケンスにおいて、位置フィードバックに結合して、線形アクチュエータ508を利用し得る、適切なアルゴリズムを備えていてもよい。ボディー100を望ましい位置におき、順応準備完了状態を達成させる、いくつかの可能性がある。特定の方法の設計と選択は、手近のアプリケーションの明細に依存する。以下で説明されるのは、それぞれの潜在的アプリケーションを示すコメントを伴った、2つの選択されたアプローチである。いずれの場合も、ロック118は、順応−中立位置にないと想定されている。
【0128】
アプローチ1:
このアプローチは、図15(b)のフローチャートに示されるように、バランスをとることが、常に全バランス状態となるよう、システムが設計されている必要がある。これは以下のステップシーケンスを含む:
1. ステップ1510に示されるように、ロック118は、それが既にはロックされていない場合、ロックされる。
2. ステップ1511に示されるように、ボディー100が、以前の手順に従ってバランスをとる。
3. ステップ1512に示されるように、ロック118が解除される。
4. ステップ1513に示されるように、線形アクチュエータ508が、ロック118を順応−中立位置に位置決めするために用いられる。
5. 再びStep1514に示されるように、ロック118が再びロックされる。
6. ステップ1515に示されるように、ボディー100は、ステップ1513から生じたアンバランスにおけるどんな変化にも順応するよう、再びバランスをとる。
7. ステップ1516に示されるように、ここでボディー100は、ロック118がロックされた状態で、全バランスであり、順応準備完了状態にある。
ステップ1513では、成功するために、2つの条件が満足される必要があることを、認識すべきである。第1に、ロック118が解除されてもボディー100が静止状態にとどまるよう、ステップ1513で達成されるバランスは、全バランス状態であることを要する。第2に、ロック118と力ロッド112との間の摩擦力が、空気圧シリンダ128におけるピストン130の起動抵抗力を含んで、システムの残りの部分の静止摩擦力未満である必要がある。
【0129】
アプローチ2:
このアプローチは、図15(c)のフローチャートに示されるように、バランスをとることが、常に全バランス状態となるよう、システムが設計されている必要はない。これはバランスをとることが、全バランス、もしくはほぼバランスのいずれかの状態で働く。これは以下のステップのシーケンスを含む:
・ ステップ1520に示されるように、ロック118が解除される。
・ ステップ1521に示されるように、位置センサ612から得られるフィードバックに基づき、コントローラは、力ロッド112がロック118に対して移動するよう、所望された方向へのピストン130の運動を引き起こす二元動作空気圧シリンダ128内の空気圧操作を行うために、バルブ604a、604bを操作する。これは、結果的に、ロック118に対し、力ロッド112を所望された方向へ移動させる。
・ ステップ1522に示されるように、順応−中立位置に達すると、ステップ1521での移動は止められる。ロック118は、移動を止めるブレーキとして用いられてもよい。
・ ステップ1523に示されるように、ロック118がロックされる。
・ ステップ1524に示されるように、上の手順に従って、ボディー100のバランスをとる。
・ ステップ1525に示されるように、ここでボディー100は順応準備完了状態であるが、必ずしも全バランス状態であるというわけではない。
【0130】
ステップ1521およびステップ1522では、ピストン130が原動機であることに留意されたい。特にピストン130の起動抵抗力を含む、システムの静止摩擦力を考慮すると、ロック118に対して力ロッド112を位置決めさせる制御アルゴリズムは、実現が困難であるかも知れない。(アプローチ1では、線形アクチュエータ508が制御原動機であり、システムのスティクションに打ち勝つのに十分な力を、通常供給可能であることに留意されたい。)当業者が、ロック118を適用する以前に、ボディー100を所望の位置で停止させようとする場合、これがあてはまる。しかし、また、適切なロック118は、ブレーキとして用いられてもよく、ボディー100が所望の順応−中立位置に移動したとき、ロック118を適用することにより、運動を停止させることが出来る。
【0131】
テストヘッドマニピュレータシステムでは、2つの予想動作のうちの1つは、順応準備完了位置を達成した後となりそうである。第1の可能性は、テストヘッド100のドッキング準備が出来ているということである。この場合、ドッキングアクチュエータとドッキング・ガイド機構(図6(a)および図8(a)には図示せず)が初期係合するよう、それを少し移動してもよい。ドッキング装置は、通常、こうした位置で、デリケートな電気接触がまだなされず、さらに、損傷を受ける危険もないよう設計される。通常、この小さな運動は、順応準備完了位置を乱すには不十分である。ロック118がロックされている場合、ここで、それを解除することが出来る。運動を引き起こすのに十分なわずかな残存アンバランスがある場合、その運動は、結果として、ドッキング装置のドッキングガイド部品間で接触を起こさせるだけである。ボディー100は、ここで順応的に移動可能であり、ドッキングアクチュエータは、ここで、完全にドッキングされた位置へテストヘッド100を引くために係合してもよい。
【0132】
第2の可能性は、マニピュレータ装置(図6(a)および図8(a)には図示せず)を伴ってテストヘッド100が、現在の位置から新しい位置まで移動されることである。この場合、望ましくは、順応−中立位置を維持するためにロック118をロックし、そして、2番目の所望の位置にボディー100を動かすのが望まれているように、線形アクチュエータ508を使用することができる。ボディー100は、そのように移動されると、それに作用するアンバランス力にも変化があり得ることに留意するべきである。従って、ボディー100が前記第2位置に到達すると、それは再びバランスをとるべきである。一旦バランスをとると、ボディー100は、順応−中立位置内にロックされた状態のままであるため、順応準備完了状態である。所望されるならば、ロック118は解除されてもよく、ボディー100は、ピボット軸102の周りで順応的に移動されてもよい。
【0133】
理想的には、順応準備完了状態の達成プロセスは、システムに何らかの変化、例えば、ボディー600に対するボディー100の位置を含む、が生成されてしまうまでは、一度実行されるだけで、繰り返される必要はないだろう。しかし、空気圧シリンダシステムは、空気の漏洩およびそれに対応した圧力損失を受けるため、さらに、バランスもしくは順応準備完了状態を達成するために必要な手順は、必要に応じて定期的に繰り返されるべきである。典型的実施例では、必要な手順が繰り返しを必要とするまで、システムはおよそ10分間以上充分な空気を保っている。典型的な動作では、サイクルは、数分(例えば、5分から8分)ごとに、自動的に繰り返すことが可能であった。空気の漏出と空気圧力差の損失から起こる他の考察は、テストヘッドが長時間ドッキングされる場合、釣り合い力が失われることである。これは、例えば、連続して何分も、あるいは何時間もテストを行う場合に起こることである。ドッキングされている間、テストヘッドはドッキング機構によりしっかりと保たれ、釣り合い力は、以上の方法により回復されることは出来ない。従って、ドッキング解除の間、ボディー100がアクチュエータネジ514に対してしっかり保たれるように、ロック118は最初にロックされなければならない。続いて、ドック作動機構により駆動されるドッキング解除運動は、ボディー600、100間の相対運動が必要とならないようにするべきである。代替手段として、システムは、任意の圧力センサ(606a、606b)を装備することが可能であり、さらに、シリンダ128圧力は、ちょうどドッキングが始まるように、記録可能であった。ドッキング解除の直前に、適切な釣り合い力を回復するシリンダ128圧力が、回復可能であった。これによって、ドッキング解除の間、ロック118が解除され、さらにボディー100の順応的移動が可能になるだろう。
【0134】
ここまでの議論は、ピボット軸102が水平面に位置することを想定しており、これは、本発明の原理を示すのに充分であった。しかし、ピボット軸102は、他の方向付けも可能である。対象の特定の構成は、ボディー100が、順番にテストヘッドを支えるマニピュレータコラムのための支持構造を表す、垂直ピボット軸に関する場合であろう。この場合、ピボット軸102は、マニピュレータのスイング軸に対応する。テストヘッドケーブルの曲がりにより発生する力のため、アンバランス力が、こうした軸に存在する場合もある。この場合存在していない、以前に説明された重力によるアンバランス力と比較すると、ケーブルによるアンバランスは、一般に、予測不能な形で変化する。それにもかかわらず、図6(a)もしくは図8(a)のいずれの機構も、ケーブル力の順応性および釣り合いを有する駆動スイング軸を、事実上提供するために使用可能であったことは明確である。例えば、図6(b)は、回転軸が垂直、すなわち、スイング軸である、軸102に適用された図6(a)に示されるタイプのBCAAを示している。また、ケーブル力が小さく、無視しうるものであるなら、図6(a)に示されたような、二元動作空気圧シリンダ128を伴わない機構の簡易型フォーム、および関連装置が、事実上、使用可能であったことも認識される。従って、図7は、何らの反力も必要としない。スイング軸102へのアプリケーションを示している。図7は、力センサ120および空気圧シリンダ128反力装置が取り外されている点で、図6(a)と異なっている。図7は、図7内のアクチュエータシャフト514が、直接ロッド520などのロッドに対するよりむしろ、ロック118に対して結合されている点を除いては、図5(a)の順応機構と同じものである。
【0135】
説明されているように、図6(a)および図8(a)のBCAAは全く同じものである。2つの構成のいずれを使うかの選択は、通常、アプリケーションの物理的構成の詳細に基づく。例えば、図8(a)は、軸102および、それに応じて、線形アクチュエータ508内の、運動の要求範囲が、順応運動の要求範囲より遥かに大きな場合に、適切なものとなるだろう。これは、図8(a)では、シリンダ128内のピストン130のストロークが、順応運動を適応させるのに充分であればよいだけだからである;ところが、図6(a)でのピストン130のストロークは、軸102の動作全体範囲を適応させなければならない。結果として、図8(a)では、より小さな、より高価でない空気圧シリンダ128およびピストン130アセンブリが利用可能である。図6(a)が望ましいとされる例としてはBCAAのすべての部品を近接して一緒に置くことが不可能な、空間制限がある状況であろう。特に、図6(a)では、空気圧シリンダ128およびピストン130サブアセンブリは、アクチュエータ508、ロック118、力ロッド112、および関連要素、およびセンサを含むサブアセンブリから離れて配置されてもよい。
【0136】
図9(a)は、典型的なマニピュレータシステムアプリケーションで使用される、図8(a)の、2つのバランス−順応アクチュエータアセンブリ(BCAA)機構の、典型的アプリケーションの例を示している。図9(a)では、ある機構がテストヘッド100のヨー軸934に作用し、第2機構が同じテストヘッド100のピッチ軸936に作用する。簡便さのため図示しない単一の制御システムは、必要な制御を実行するために、全マニピュレータシステムと同様に、2つのBCAAにわたって提供される。
【0137】
図9(a)では、テストヘッド100は、上部表層901にテストインタフェースを伴って示されている。DUTボード900は、テスト中の装置を、テストヘッド100内に位置するテストヘッドピンエレクトロニクス(図示せず)に適切にインターフェースするために必要な、インタフェース回路および接続装置を提供する。
【0138】
また、破断図に示されているのは、4つのドッキングカム910のうちの3つ、4つのガイドピン912のうちの3つ、ケーブル915、ケーブルドライバー917、および、ドッキングハンドル914を含む、ドッキングアセンブリ916の一部である。概観すると、テストヘッド100を装置ハンドラ(図示せず)、ウエハプローバなどのテスト装置とドッキングするために、テストヘッド100は、先ず、ガイドピン912が、テスト装置に取り付けられた、合わせドッキングアセンブル(図示せず)上の合わせドッキング穴(図示せず)に、部分的に挿入されるよう、操作される。ここで、ドッキングカム910は、合わせドッキングアセンブリ(図示せず)上の合わせカムフォロア(図示せず)と係合する。ここで、ケーブルドライバー917を回転させるために、ドッキングハンドル914を回転させる外力を適用してもよい。ケーブルドライバー917が回転するのに応じて、その運動は、ケーブル915を通してドッキングカム910を同期して回転させるために伝えられ、これにより、テストヘッド100は、最終ドッキング位置に引かれる。ドッキングハンドル914、ケーブルドライバー917、およびドッキングカム910が、テストヘッド100を所定位置へと引く間、テストヘッド100は、望ましくは、自由度6の全てで、好適に順応して移動可能である。このドックは、後に議論する、図12(a)から図12(d)にさらに詳細に示されている。また、このドックは、参照により本願明細書に組み込まれた、スミス(Smith)による米国特許第4,489,815号明細書に説明されている、2つのガイドピン912およびカム910を用いたドックを、拡張して実現したものである。さらに他のこのタイプのドックは、3つのガイドピン912およびカム910を使用している。さらなる情報は、テストハンドブック(TEST Handbook)に見出すことが出来るだろう。
【0139】
テストヘッド100は、例えば、ホルト(Holt)による米国特許第5,030,869号明細書、および米国特許第5,450,766号明細書、およびテストハンドブック(TEST Handbook)に説明されているように、テストヘッドマニピュレータ(図示せず)の典型的なケーブルピボットリング924に取り付けられている。図9(a)は、ケーブルピボットリング924に取り付けられたテストヘッドマウント926を示しており、テストヘッドサポートビーム922の第1終端は、前記テストヘッドマウント926に取り付けられている。テストヘッドサポートビーム922の軸は、ケーブルピボットリング924の平面と直交しており、軸の延長は、ケーブルピボットリング924の中央を通り抜けている。テストヘッドサポートビーム922は、テストヘッド100の後部の穴920を通って延び、円形ベアリングアセンブリ905の外リング904にしっかりと取り付けられる。内リング902は内部に配置され、円形ベアリングアセンブリ905の外リング904によって支えられる。内リングおよび外リング902および904は、それぞれ円形、コプレーナ、および同心である。ヨー軸934は、2つのリング902、904の平面に垂直であり、それらの共通の中心を通り抜けている。内リング902は、外リング904の内部でヨー軸934の周りに回転する。2つの付属シャフト906は、外リング904内の溝を通り抜け、さらに内リング902を、テストヘッドサポートビーム922と平行な鉛直面内に示される、テストヘッド100の2つの側面に固定された、ベアリングブロック908に結合させる。ベアリングブロック908は、テストヘッド100が、付属シャフト906によって定義されるピッチ軸936の周りに回転するのを可能にする。
【0140】
6つのカムフォロア(図示せず)は、低摩擦ヨー運動が可能となっている間、外リング904上の内リング902により印加される荷重を支えるサポート装置として利用される。3つのカムフォロア(図示せず)は、ヨー軸934の垂線方向のラジアル負荷を支えるために、外リング904の内側円周の周りに、120度間隔で配置される。また、他の3つのカムフォロア(図示せず)は、ヨー軸934に平行な軸荷重を支える方法で、外リング904の内部上に、最初の3つの間で等しい間隔を取るように配置される。
【0141】
要約すると、ケーブルピボットリング924は、テストヘッドマウント926を支える。テストヘッドマウント926は、ロール軸を定義するテストヘッドサポートビーム922を支える。テストヘッドサポートビーム922は、順番に内リング902を支えている外リング904を支える。内リング902は、ヨー軸934を提供し、付属シャフト906を支える。付属シャフト906は、テストヘッド100を支え、ピッチ軸936を提供する。この構成は、テストヘッド100が、ピッチ軸936(水平として表示)の周りに±5度、ヨー軸934(垂直として表示)の周りに±5度回転することを可能にする。ここでは、ヨー軸およびピッチ軸は互いに直交し、テストヘッドサポートビーム922と互いに直交している。ピッチおよびヨー運動の範囲は、システムに組み込まれた、物理的拘束および機械的ストップにより、それぞれ±5度に制限されているが、これらは、簡便さのために、図9(a)には示されていない。さらに、位置センサ(図示せず)は、ピッチ軸936およびヨー軸934に対するテストヘッド100の相対的位置を示し、さらにこの情報を制御システムに供給するために、既知の方法で組み込まれていてもよい。
【0142】
ケーブルピボットリング924は、サポートビーム922により定義される軸の周りに、通常±95度のロール回転を、テストヘッド100に提供する。図9(a)では、テストインタフェースの表面が上向きになっており、ヘッド100は、およそ+90度の位置に示されている。ケーブルピボットリング924およびテストヘッドマウント926の開口部928を通り抜けるテストヘッドケーブルの要素は、、テストヘッドサポートビーム922に沿って配置され、さらに、サポートシャフト開口部920を通って、テストヘッド100に入る。サポートビーム922に取り付けられたウェブ918は、テストヘッド100内の様々な電子要素(図示せず)へファンアウトする前に、ケーブル要素のためのサポートとひずみ解放を提供する。
【0143】
すべての回転軸に重心を通過させる必要性を伴わず、バランス−順応運動を提供可能ならば、それは有利である。図8(a)に示され以前に説明されたものと同タイプの、2つのバランス−順応アクチュエータアセンブリ930、932は、図9(a)では、ピッチ軸936およびヨー軸934が、バランス−順応運動のために重心を通過するという要件を排除するために用いられる。
【0144】
2つのBCAA930、932は、それらの力ロッド112およびコネクティングロッド114が、一般に、テストヘッドサポートビーム922により定義されるように、ロール軸と平行となるよう配置される。ヨーBCAA930は、力ロッド112もしくはコネクティングロッド114のいずれかに沿って作用する力が、ヨー軸934の周りで非ゼロモーメントを生成するように方向づけられる。同様に、ピッチBCAA932は、力ロッド112もしくはコネクティングロッド114のいずれかに沿って作用する力が、ピッチ軸936の周りで非ゼロモーメントを生成するように方向づけられる。2つのBCAA930、932の線形アクチュエータ508の静止要素506は、ベアリング620を備えたテストヘッドマウント926に適切に取り付けられる。
【0145】
2つのBCAA930、932が、互いに最小の相互作用で作動可能であることは重要である。従って、ヨーBCAA930を、その力ロッド112およびコネクティングロッド114が、ピッチ軸936にほぼ交差する線に沿って機能するように、配置することが好ましい。同様に、ピッチBCAA932を、その力ロッド112およびコネクティングロッド114が、ヨー軸934にほぼ交差する線に沿って機能するように、配置することが好ましい。しかし、図9(a)に示されるように、両力ロッド112、および両コネクティングロッド114が、それぞれ、各々ベアリング116a、116bを伴うテストヘッド100に個別に取り付けられている。その結果、力ロッド112の延長軸と、ピッチ軸936に交差するヨーBCAA930のコネクティングロッド114の延長軸とを双方とも有することは可能ではない。実際には、2つのロッド112、114は、通常、共に近傍に位置し、さらに2つのロッド112、114に平行な線が、2つのロッド間のほぼ中間でピッチ軸936と交差するように配置されている。同様に、力ロッド112の延長軸と、ヨー軸934に交差するヨーBCAA932のコネクティングロッド114の延長軸とを双方とも有することは可能ではない。実際には、2つのロッド112、114は、通常、共に近傍に位置し、さらに2つのロッド112、114に平行な線が、2つのロッド間のほぼ中間でピッチ軸936と交差するように配置されている。以前に図8(a)および図8(b)を参照して説明された、BCAAの代替構造では、力ロッド112およびコネクティングロッド114のテストヘッド100終端は、適切なブラケット800で、1つに接合可能である。さらに、テストヘッド100と結合されるブラケット116a、116bは、以前に図8(b)を参照で説明されたように、ベアリング116bだけがテストヘッド100に接続されなければならないように、接合可能である。この場合、ベアリング116bは、問題となっている軸と交差し、力ロッド112およびコネクティングロッド114の双方に平行な線上に配置可能である。図9(b)は、こうした単一のベアリング116bで構成されたシステムを示す。図9(b)は、この点を除けば図9(a)と同じである。
【0146】
ここで、図9(a)および図9(b)に示されるシステムの動作を説明する。一般の状況では、初期には、2つのBCAA930、932のロック118が解除された状態で、テストヘッド100は、アンバランス状態で任意の位置にあると想定される。最悪の場合、テストヘッド100は、システムに組み込まれた物理的拘束および機械的ストップに接触停止している。すなわち、ピッチ軸936およびヨー軸934内のその運動限界位置内にテストヘッド100を維持する、有意のアンバランス力が存在し、そのアンバランス力は、2つのBCAA930、932のいずれの要素によっても、完全には支持されていない。第1の目標は、テストヘッド100を、ヨー934軸およびピッチ936軸の双方に対する順応準備完了状態(すなわち、バランス状態および順応中立位置)に配置することである。2つのBCAA930、932の各々のロック118がロックされる。続いて、アクチュエータ508が、テストヘッド100を、システムに組み込まれた物理的拘束および機械的ストップから離れた、所望される第1の位置に位置決めするために用いられる。その位置では、アンバランス力が2つのBCAA930、932の一方もしくは双方のロック118および線形アクチュエータ508により完全に支持されている。また、この望ましい位置は、テストヘッド100が、システムに組み込まれ得る物理的拘束および機械的ストップのいずれからの干渉も受けずに、順応準備完了状態を達成し得る、順応範囲を通って、充分に移動可能となるようなものであるべきである。
【0147】
テストヘッド100を、望ましい位置へ移動させることは、手動手段によって達成されてもよいだろうし、この手段は、線形アクチュエータ508を操作するコントローラへの、押しボタンコマンドの使用を含んでいてもよい。代わりに、コントローラが、自動位置決めシーケンスで、位置フィードバックに結合された線形アクチュエータ508を利用可能にする、適切なアルゴリズムを備えていてもよいだろう。
【0148】
ここで、テストヘッド100が望ましい位置に配置され、ここで、順応準備完了状態が達成され得る。望ましい位置では、アンバランス力は、2つのBCAA930、932間で共有される。すなわち、アンバランス力は、ヨーBCAA、力ロッド112に沿って作動する第1成分、およびピッチBCAA、ロッド112に沿って作動する第2成分の、2つの成分へと分解される。軸は、一方の軸が最初に作動し、続いて他方の軸というように、連続作動してもよい。1つの軸を順応準備完了状態にすることは、すでに他の軸で達成された状態を乱すことになり得るため、両方が同時に満足にバランスされ、位置決めされるまで、各軸は、再び順番に繰返し操作されてもよい。既知のコントロールアルゴリズムの使用は、総合順応準備完了状態が達成されるまで、繰り返し各軸上に連続作動するシーケンスを自動化するために実行可能である。しかし、実際には、通常、1軸あたり2回の試行で充分である。
【0149】
どの軸を最初に作動させるかの選択は、様々な評価基準に基づくことになろう。あるアプリケーションでは、ある軸を常に最初にアドレスするのが好都合な場合もある。他のアプリケーションでは、無作為にそれを選択するのが好都合な場合もある。さらに他のアプリケーションでは、それぞれのBCAAsに作用する力の比較に基づいて、操作される第1軸を選択するのが好都合な場合もある。例えば、それに作用する、アンバランス力の最も大きな成分を有するBCAAを、最初に操作することが望ましいこともある。従って、その後、2つのセンサ120の出力を比べ、そして、アンバランス力の最も大きな成分を有する軸が、最初のものとして選択される。同様に、アンバランス力の最も小さな成分を有する軸も、選択可能であった。いずれの場合でも、アンバランス力の2つの成分がほぼ等しいなら、無作為に軸の一方もしくは他方を選択可能であった。
【0150】
ここでは、選択された最初に操作される軸を第1軸と称し、残りの軸を第2軸と称する。ここで、第1軸が、すでに説明されたアプローチ1(図15(b))あるいは、アプローチ2(図15(c))のいずれかのように、適切な手順に従って、順応準備完了状態に導かれる。この処理の間、第2軸のBCAA(930もしくは932)のロック118は、ロックされたままである。第1軸が、順応準備完了状態を達成すると、そのBCAA(930もしくは932)のロック118が、ロックされる;そして、第2軸もまた、順応準備完了状態に導くことが出来る。第2軸を順応準備完了状態に導く際に、第1軸に確立されるバランスは、わずかに乱されるかも知れない。従って、第1軸を順応準備に導くプロセスを繰り返すことが出来る。また、同様に、第2軸を順応準備に導くプロセスを繰り返すことが出来る。通常、双方の軸に、同時に妥当な程度の順応準備完了を実現するには、2度の反復で充分である。
【0151】
ここで、図9(a)に示されるように、2つのBCAA930、932を組み込んだ、テストヘッドマニピュレータの総合的な動作を考慮することにする。テストヘッド100を任意の位置に配置し、しかも、いかなるテスト装置にもドッキングされない状態から始めるなら、BCAA934、936を有する軸は、先ず、ロック118がロックした状態で、同時順応準備状態に導かれることになる。次に、テストヘッド100は、BCAAの線形アクチュエータ508を適宜用いて、ドッキング準備完了位置へと操作可能であった。すなわち、テストヘッド100がドッキングされるテスト装置の近傍の位置へ、そして、ドッキング装置の合わせ要素が、係合ポイントの近くにあるように。図9(a)のドッキング機構では、これは、ガイドピン912はほぼ近傍にあるが、合わせガイド穴(図示せず)には挿入されなかったポイントとなるだろう。テストヘッド100が、新しい方向に向いていると推定されるため、それはさらに、もはやバランスおよび順応準備完了とはなっていないと想定される。従って、BCAA(934および936)を有する軸は、再び同時順応準備完了状態に導かれる。ここで、BCAAロック118が解除され、テストヘッド100は、ドック作動機構が係合するように操作される。ドッキングハンドル914が作動可能となるようにガイドピン912がガイド穴(図示せず)に挿入され、、合わせドッキングアセンブリ(図示せず)上のカムフォロアが、ドッキングカム910に十分に挿入されるようになったとき、図9(a)のテストヘッド100内で、これが起こる。ここで、ドック作動機構が作動し、テストヘッド100は完全なドッキング位置へと引かれる。図9(a)では、これは、ドッキングハンドル914を回転させることにより達成される。他のドック作動機構が知られており、電気的、空気圧、および真空操作タイプを含み、等しく良好に使用可能であった。ドッキングの間、テストヘッド100は、必要に応じて自由に順応して移動する。テストヘッド100は、長期間、ドッキングされたままであってもよく、空気圧シリンダ128内の空気圧力差は漏洩により消失してもよい。従って、ドッキング解除のために、ロック118はロック状態に保たれ、テストヘッド100がテストインタフェース表面(図示せず)に対して垂直な、まっすぐな経路に沿って引かれるため、完全な順応運動は必要ではない。代わりに、システムは、ドッキング直前に順応準備完了状態が達成されたとき、ピストン130の各側面の圧力がコントローラ(図示せず)によって記録されるのを可能にする、圧力センサ(606a、606b)を装備可能であった。続いて、コントローラは、ドッキング解除の前に順応準備完了状態を回復するよう、この情報を使用することが出来、ドッキング解除は、順応運動で実行可能であった。一旦テストヘッド100がドッキング解除されると、望まれるなら、BCAA制御軸934、936を、再び順応準備完了状態に導くことが出来る。
【0152】
図10(a)、図10(b)、図10(c)、図10(d)、図10(e)および図l0fは、縦軸に対する、本発明の様々な実施例を示している。
【0153】
図10(d)および図10(e)は同等である。双方とも、固定垂直コラム1000を備え、さらに、アクチュエータ駆動縦軸は、コラム1000により定義されている。図10(d)では、図8(a)に示されたタイプのBCAAが、バランスおよび順応性を提供するために用いられている。ところが、図6(a)に示されたタイプのBCAAは、図10(e)において、この目的のためにに用いられている。以下の議論は一般に、双方の図に関係する。BCAAのタイプに基づく固有の差は、必要な場合に指摘される。
【0154】
全体として、図10(d)および図10(e)を参照すると、メインアーム1030は、レール1058、および線形ガイドベアリング(図示せず)もしくは円形シャフト(図示せず)およびベアリング(図示せず)のいずれかを用いて、コラム1000に、スライドする形で、普通の方法で取り付けられている。テストヘッド(図示せず)は、様々な周知の手段(やはり、図示せず)を通して、メインアーム1030と結合される。従って、メインアーム1030は負荷を支えている。メインアーム1030の上下動は、上側ストップ1032により制限される。
【0155】
アクチュエータモーター510aを含む線形アクチュエータ508aの静止要素506aは、ベースプレート1003に取り付けられる。このアクチュエータ508aは、メイン線形アクチュエータ508aと称される。メイン線形アクチュエータ508aの駆動要素514aは、逆転可能とならないように、適切なスレッドピッチおよび摩擦力の、ネジ、通常はボールネジもしくはアクメネジである。メイン線形アクチュエータ508aは、通電されていてもいなくても、安全に全負荷を支持可能でなければならない。メイン線形アクチュエータ508aは、メインアクチュエータ508aのストロークが、マニピュレータの垂直ストロークと等しくなるように、その全垂直範囲を通して、メインアーム1030を駆動させる。実際には、最大30インチのストロークを有する、適切なアクチュエータ508aが、商業的に利用可能であり、このタイプのマニピュレータは、対応して、最大30インチの垂直ストロークを有する設計になり得る。より長い垂直ストロークのために、図10(a)、図10(b)および図10(c)に示すタイプの、伸縮式コラムが使用可能である。
【0156】
サポートブラケット1040は、メインアクチュエータネジ514aの遠心終端に取り付けられる。図6(a)(図10(e)におけるように)もしくは図8a(図10(d)におけるように)のいずれかに示したタイプのBCAAは、メインアーム1030をサポートブラケット1040に接合する。BCAAは、力ロッド112に対して正確にロック118を位置決めするための、BCAAアクチュエータ508bを含んでいる。メインアクチュエータ508aの動作は、サポートブラケット1040の上下運動を引き起こし、それは順番に、メインアーム1030とその負荷に、対応する上下運動を引き起こす。メインアーム1030とその負荷の重さは、BCAA機構を通して、サポートブラケット1040およびアクチュエータネジ514aに伝えられる。
【0157】
通常の使用で、メインアーム1030は、最初に、ロック118が解除された状態で、順応準備完了状態に配置される。すなわち、コネクティングロッド114およびピストン130が、本質的に全負荷に堪えるよう、ロック118は、力ロッド112に対する順応中立位置に配置され、空気圧シリンダ128内の空気圧が調整される。この場合、力センサ120により測定される力はおよそゼロである。さらに、ピストン130は、ピストン130がそのストロークの終端に来ることなく、その全順応範囲を通して負荷が移動可能となるように、シリンダ128に対する順応中立位置にあることが望ましい。その後、メイン線形アクチュエータ508aは、垂直に負荷を位置決めするのに使用される。
【0158】
縦軸の場合は、アンバランスの方向は常に下向きである。従って、二元動作空気圧シリンダ(図6(a)および図8(a)の全体的な場合に示されるように)は必要ではない;単一の空気入口132が単一動作シリンダ128で十分である。その結果、図示された、フレキシブル配管1010経由で高圧空気供給装置602へ結合した、1つの3位置バルブ604、1つのアキュムレータ608、および、1つの任意の圧力センサ606しかない。フレキシブル配管1010は、通常静止している空気供給装置602に対する、空気圧シリンダ128および、その関連要素の移動を可能にする。シリンダ128およびピストン130の直径は、メインアーム1030および負荷が取り付けられたサポートに対して適切であることが望ましい。例えば、メインアーム1030と付属負荷の結合した重さが1000ポンドであり、シリンダ128内への注入可能な最大空気圧が1平方インチあたり100ポンドであるなら、シリンダ128とピストン130の面積は、少なくとも10平方インチ、対応する直径は少なくともほぼ3.57インチであることが望ましい。必要なシリンダ128直径は、負荷の平方根に比例する。従って、負荷を2倍にすると、シリンダ128直径は2の平方根だけ増加し、また代わりに(例えば、空気圧力逓倍器で)空気圧を倍にしてもよい。与えられた負荷に要するシリンダ130サイズが大き過ぎる場合は、2つ以上のより小さなシリンダ128を並列に配置してもよい。
【0159】
通常、ほぼ±1インチの上下の順応運動を持っているのは望ましい。通常、ピストン130のストロークは、ロック118が順応ストップに接触する事態において、ピストン130が「底についた」状態にならないよう、順応ストップ522、524より決定される順応範囲より幾分大きいことが望ましい。システムは、稼働中に、ロック118が、伸長522および収縮順応524ストップに対して、その順応中立位置にあるなら、ピストン130もシリンダ128に対して順応中立位置にあるように設計される。そして、負荷は、ドッキングの間、順応ストップ522、524により定義されるように、全順応範囲を通して移動してもよい。
【0160】
図10(d)では、シリンダ128およびロック118は、ブラケット1052を通して互いにしっかりと取り付けられ、さらに、システムは、ロック118が順応中立位置にあるときはいつも、ピストン130もこうした位置にあるよう、利便的に構成されてもよい。例えば、好ましい順応中立位置は、多くの場合中央位置である;さらに、システムは、ロック118が順応ストップ522、524間の中央に位置するとき、ピストン130がそのストロークの中央に位置するよう、構成されてもよい。図10(d)に示される単一の位置センサ1046は、ロック118およびピストン130の双方を、それらのそれぞれの順応中立位置に位置決めするのに適切である。
【0161】
図10(e)では、ロック118はシリンダ128に取り付けられておらず、ロック118は、シリンダ128に対して移動することが可能となっている。ロック118およびピストン130の双方を順応中立位置に位置決めするという、所望される目標を達成するために、図示された位置センサ1046により提供される情報に付加する情報が必要である。ピストン130もしくはBCAAアクチュエータ508bのいずれかに関する、位置情報で十分である。好ましい実施例では、システムは、BCAAアクチュエータ508bが完全に伸長し、ロック118がその順応中立位置にあるなら、ピストン130もまた順応中立位置にあるように、設計される。BCAAアクチュエータ508bの完全伸長状態の感知は、購入されたBCAAアクチュエータ508bアセンブリに備えられたリミットスイッチ(図には示さず)、もしくは、BCAAアクチュエータ508bを、その進行の終端に達してストールする充分な時間操作することにより、既知の方法で容易に達成される。後者の場合、オーバーヒートする可能性を最小にするために、BCAAアクチュエータモーター510bへの制限電圧供給の使用が勧められる。代替のアプローチとしては、シリンダ128に対するピストン130の位置の感知があげられよう。多くの場合、空気圧シリンダ−ピストンアセンブリには、それらのメーカーにより、この感知を可能にするリミットスイッチ(図には示さず)が設置されている。
【0162】
あるアプリケーションでは、BCAAアクチュエータ508bが、ピストン130がその進行範囲の任意の点にあるとき、順応ストップ522、524により定義される全順応範囲を通って、ロック118を位置決め可能であることが望ましい場合もある。この状況では、図10(e)のBCAAアクチュエータ508bの範囲は、少なくとも順応範囲とピストン130のストロークとの合計となる。また、図10(e)では、順応準備完了状態を達成する際に、ピストン130の位置を直接感知することが必要となろう。比較すると、図10(d)のBCAAアクチュエータ508bの必要とされる範囲は、少なくとも順応範囲あるいはピストン130のストロークより大きな値であり、図示された単一の位置センサ1046だけで十分である。
【0163】
順応準備完了状態を達成するための動作のシーケンスは以下の通りである:
最初に「バランスシーケンス」を定義する。
バランスシーケンス(図15(d)に示すとおり)
1. ステップ1530に示されるように、ロック118がロックされる。
2. 図1531に示されるように、力センサ120が、力ロッド112によりロック118に加えられる力が閾値より小さくなったことを示すまで、シリンダ128内の空気圧は調整される。
【0164】
以降が、順応準備完了状態の達成のための記述となる。(「順応準備完了シーケンス1」)
順応準備完了シーケンス1(図15(e)に示すとおり)(図10(d)および10e双方に適用可能)
1. ステップ1540に示されるように、バランスシーケンスを実行する。
2. ステップ1541に示されるように、ロック118を解除する。
3. ステップ1542aに示されるように、BCAAアクチュエータ508bを用いて、ロック118を順応中立位置に位置決めする。
4. ステップ1542bに示されるように、システムが図10(e)に示されるタイプである場合は、ロック118をロックし、それに続いて、ステップ1542cにおける代替実施例に示されるように、BCAAアクチュエータ508bを用いて、ピストン130をその順応中立位置に位置決めする。
5. ステップ1543に示されるように、力センサ120が、バランスが乱されたか、または低下したことを示す場合(例えば、測定された力が閾値より大きい場合)は、バランスシーケンスを繰り返す。
6. ステップ1544に示されるように、ロック118がロックされている場合は、ロック118を解除する。
【0165】
順応準備完了シーケンス1では、好ましくは、バランスのための閾値力は、結合した静止摩擦力および空気圧ピストンの起動抵抗力より小さい値でなければならないことに留意されたい。さもなければ、ステップ1541でロック118が解除されたとき、ロック118が移動して、順応ストップ522もしくは524に接触し、さらに、BCAAアクチュエータ508bは、ロック118を、力ロッド112に対して移動させないだろう。しかし、結合した静止摩擦力と空気圧ピストンの起動抵抗力は、通常、5から10ポンド以上の範囲であり、さらにそれは、1から3ポンドの範囲内にバランスすることができる。
【0166】
後述する理由により、システムは、以上の評価基準を満足するよう設計されることが好ましい。しかし、この評価基準の達成が、可能ではない、もしくは、また非実用である場合は、順応準備完了状態を達成するための、他の可能な代替シーケンスがある。ここで、その2つを説明する。
【0167】
第1の代替案は、以下のような動作シーケンスを用いて、ロック118を位置決めするために、空気圧シリンダ128とピストン130とを用いることである。(「順応準備完了シーケンス2」):
順応準備完了シーケンス2(図15(f)に示すとおり)(図10(d)および10e双方に適用可能)
1. ステップ1550に示されるように、ロック118を解除する。
2. ステップ1551に示されるように、伸長順応ストップ522がロック118に接触するよう、シリンダ130から空気を排出する。
3. ステップ1552に示されるように、BCAAアクチュエータ508bを調整して、それがそのストロークの中央付近、もしくは、その必要な順応中立位置の付近に位置するようにする。(このステップには、静止要素506bに対する、アクチュエータ508bの駆動要素514bの位置を感知する位置センサ1046の使用を含む、公知の解決方法の使用が必要である。若干の例では、アクチュエータ508bは、駆動要素514bが、いつその進行終端に達したかを感知するリミットスイッチを備えている;これらは、必要な結果を得る既知の方法で、タイマと共に使用されてもよい。)
4. ステップ1553に示されるように、ピストン130が起動し上方へ移動するポイントまで、シリンダ空気圧を増加させるために、シリンダ128に空気を注入する。
5. ステップ1554に示されるように、図示された位置センサ1046で、ロック118に対する力ロッド112の位置をモニターしている間、ピストン130、および、結果としてコネクティングロッド114およびロッド112を移動させ続けるために、シリンダ128の空気圧を調整し続ける。
6. ステップ1555aに示されるように、力ロッド112がロック118に対する順応中立位置に達すると、ロック118をロックし、シリンダ128内の空気圧を調整するのを終える。
7. ステップ1555bにおいて代替の実施例に示されるように、システムが図10(e)に示されるタイプである場合、BCAAアクチュエータ508bを用いて、ピストン130をその順応中立位置に位置決めする。
8. ステップ1556に示されるように、バランスシーケンスを実行する。
【0168】
第2の代替案は、設計をわずかに変えることである。ピストン130が底につくのを避けるため、上述の選択に反して、シリンダ128内に空気圧がなく、さらにロック118が解除されている場合、ピストン130はシリンダ128の下端に接触するよう、システムが調整される。シリンダ128の底面端に接触したピストン130は、事実上、伸長順応ストップ522の機能を果たすので、伸長順応ストップ522はシステムから排除されてもよい。(また、ピストン130がストップとしてシリンダ128の上部に接触可能であるなら、収縮順応ストップ524も排除可能であることに留意されたい。)その後、以下の、「順応準備完了シーケンス3」が適用可能となる。
順応準備完了シーケンス3(図15(g)に示すとおり)(図10(d)および図10(e)の双方に適用可能)
1. ステップ1560に示されるように、ピストン130が、シリンダ128内のそのストロークの底部に達することを可能にするよう、アクチュエータ508aを所定位置に引き込ませる。(設計によっては、これは、アクチュエータ508a内に組み込まれたリミットスイッチにより、完全収縮状態に達するよう、アクチュエータ508aを充分な時間収縮方向へ駆動させることにより、もしくは、他の既知の技術により、決定することが出来る。)
2. ステップ1561に示されるように、ロック118を解除する。
3. ステップ1562に示されるように、ピストン130がシリンダ128の底部に接触するようになるよう、シリンダ128から空気を排出する。
4. ステップ1563に示されるように、BCAAアクチュエータ508bを用いて、ロック118を順応中立位置に位置決めする。
5. ステップ1564に示されるように、バランスシーケンスを実行する。
6. ステップ1565に示されるように、ロック118をロックされた状態に保ったまま、BCAAアクチュエータ508bを用いて、ピストン130が、シリンダ128に対して順応中立位置(通常、ほぼ中心)に来る位置まで、負荷を上昇させる。
7. ステップ1566に示されるように、ピストン130の運動が、わずかなアンバランスを起こさせることができるよう、再びバランスシーケンスを実行する。
【0169】
順応準備完了シーケンス2および3では、バランスシーケンス閾値は、起動抵抗と結合した静止摩擦力より小さいことはないと保証されないとする。その結果、ドック装置(または、他の所望される条件)により部分的に支えられた負荷とのドッキング準備完了位置が達成されるまで、ロック118はロックされたままであるべきである。しかし、負荷がメインアクチュエータ508aで垂直に位置決めされている間、ロック118が解除されたままであり得る場合は、負荷が何か障害物に遭遇するか否かを検出するために、位置センサ1046を使用することが出来ると認識される。障害物に遭遇した場合は、負荷への関連力が、ロック118に対する力ロッド112の運動を引き起こすだろう。この動きは、位置センサ1046により検出され、その結果、メインアクチュエータ508aを停止させるなどの適切な行動を取るための信号を提供可能であった。従って、システムは、順応準備完了シーケンス1が確かに使用されるよう設計されることが好ましい。
【0170】
図l0fは、固定垂直コラム1000にも適用される。縦軸は、アクチュエータ508駆動である。図8(a)および図10(d)に示されるタイプのBCAAは、バランスと同様の、垂直ドライブおよび順応の両者を提供する。図10(d)と図10(e)との説明で述べられて来たことの多くが図l0fにも適用されるので、このセクションでは、主に新しい点、および異なる点に集中することにする。
【0171】
図l0fのシステムは、図8(a)のBCAAの線形アクチュエータ508と同等の、単一の線形アクチュエータ508を有している。さらに、それは、ストロークと仕様において、図10(d)および図10(e)のメイン線形アクチュエータ508aと同等である。アクチュエータネジ514の遠心終端は、ロック118に取り付けられる。サポートブラケット1094は、単一動作空気圧シリンダ128へ、ロック118を取り付ける。メインアーム1030は、コネクティングロッド114およびピストン130のサブアセンブリ、力ロッド112、力センサ120、およびロック118のサブアセンブリ、またはシステムの状態に依存する2つの組み合わせにより支えられる。線形アクチュエータ508の遠心終端に取り付けられた装置、および、メインアーム1030と結合された装置は、図1(a)のバランス機構と同等である。
【0172】
メインアーム1030を順応準備完了状態に置くために、以下のシーケンスが使用されてもよい。(「順応準備完了シーケンス4」)
順応準備完了シーケンス4(図15(h)に示すとおり)
1. ステップ1570に示されるように、ロック118を解除する。
2. ステップ1571に示されるように、伸長順応ストップ522がロック118に接触した状態になるよう、シリンダ128から空気を排出する。
3. ステップ1572に示されるように、シリンダ空気圧を、ピストン130が起動し、上方へ移動するポイントまで増加させるため、シリンダ128に空気を注入する。
4. ステップ1573に示されるように、位置センサ1046をモニターしている間、ピストン130、および、結果としてコネクティングロッド114および力ロッド112を移動させ続けるために、シリンダ128の空気圧を調整し続ける。
5. ステップ1574に示されるように、力ロッド112がロック118に対して順応中立位置に達すると、ロック118をロックし、シリンダ128内の空気圧を調整するのを終える。
6. ステップ1575に示されるように、バランスシーケンスを実行する。
【0173】
バランスシーケンス力閾値が、結合したピストン130の静止摩擦力および起動抵抗より小さい場合は、アクチュエータ508が、メインアーム1030とその支持されている負荷とを、所望の垂直位置へ駆動するために使用されるので、ロック118は解除され、さらに解除されたままにされてもよい。すでに議論されたように、これは好ましい。さもなければ、ドック装置(または、他の適当な、および所望される条件)により部分的に支えられた負荷とのドッキング完了位置が達成されるまで、ロック118はロックされた状態を維持するべきである。
【0174】
図10(a)および図10(b)の双方には、ホルト(Holt)他によるPCT出願ンPCT/US01/06456に説明されている伸縮式コラムと同様の、伸縮式コラム1000を伴ったマニピュレータがある。図10(a)では、図8(a)示されるタイプのBCAAが、バランスおよび順応を提供するために用いられている;ところが、図10(b)では、この目的のために、図6(a)に示されるタイプのBCAAが用いられている。以下の議論は、全体として、双方の図に関係している。BCAAのタイプに基づく特定の差は、必要に応じて指摘される。
【0175】
メインアーム1030は、線形ガイドレール1058および線形ガイドベアリング(図示せず)を用いて、伸縮式コラム1000の上部セグメント1001にスライドする形で取り付けられる。これは、上部セグメント1000に対するほぼ±1インチのバーニヤ運動を、メインアーム1030に提供する。上下のメインアームストップ1032、1054は、それぞれ、上部セグメント1000に対するメインアーム1030の進行限界を提供する。テストヘッド(図示せず)は、任意の数の周知の手段(同じく、図示せず)を経由して、メインアーム1030と結合される。こうして、メインアーム1030は、負荷を支える。
【0176】
第1線形アクチュエータ508aは、コラム1002の中央セグメントを、固定された下部セグメント1004およびベース1003に対して垂直に移動させる。第2線形アクチュエータ508bは、中央セグメント1002に取り付けられた第1サポートブラケット1034に搭載され、それは中央セグメント1002に対して上部セグメント1001を垂直に移動させる。伸縮式コラム1000の伸長および収縮により、負荷の第1垂直位置決めが実現する。上部1032および下部ストップ1054間の、メインアーム1030のバーニヤ運動は、ドッキングにおける順応上下運動に使用される。
【0177】
BCAA508cは、上部セグメント1001に取り付けたれた第2サポートブラケット1040とメインアーム1030との間に結合される。図8(a)で使用されるタイプのBCAA508cは、図10(a)において使用され、図6(a)で使用されるタイプのBCAA508cは、図10(b)において使用される。いずれの場合にも、BCAA508cは、垂直バーニヤ運動を制御し、全範囲の垂直バーニヤ運動にわたって順応性を提供するために用いられる。
【0178】
このシステムでの順応準備完了状態は、図10(d)および図10(e)などの、固定したコラム1000を伴ったシステムのものと同等である。しかしながら、それに加え、メインアーム1030を、特定の、全体的に、上部1032および下部メインアームストップ1054(下部ストップ1054が存在しない場合は、上部ストップ1032から一定距離離れた場所)間の中央位置に位置決めする必要がある。メインアーム1030のその位置を、順応中立位置と称する。
【0179】
順応準備完了状態のための条件は、以下に述べる通りである:
1. 空気圧シリンダ128内の空気圧は、本質的に、コネクティングロッド114およびピストンが、メインアーム130およびその負荷の全負荷に堪えるようなものでなければならない。
2. ロック118は、伸長522および収縮524順応ストップに対して、順応中立位置(通常2つの中間)になければならない。
3. ピストン130は、そのシリンダ128に対する順応中立位置にある。そして、
4. メインアーム1030は、上部1032および下部1054メインアームストップに対して、順応中立位置(通常2つの中間)になければならない。
【0180】
図10(a)と図10(b)における、上掲リストの項目2および項目3の、ロック118およびピストン130の接合位置決め要件の達成は、すでに図10(d)と図10(e)に対して説明されたことと同じである。特に図10(a)の設計では、ロック118がブラケット1052を通してシリンダ128に取り付けられるとき、その達成が可能であり、また、図10(b)では、BCAAアクチュエータ508cもしくはピストン130の位置に関するいずれの知識も必要である。
【0181】
ロック118およびピストン130の組み合わせとメインアーム1030を結合位置決めする要求に対する、全体的な解決方法を提供するために、上部セグメント1001に対するメインアーム1030の位置を感知する位置センサ1056が、図10(a)および図10(b)に示されている。このセンサ1056はまた、図10(b)(しかし、図10(a)ではない)でのシリンダ128に対するピストン130の位置も、効果的に示すことに留意されたい。結果として、図示された位置センサ1046と組み合わされたセンサ1056は、図10(a)および図10(b)の双方での、全体的な解決方法のために、すべての要求される位置を提供するために充分なものとなる。
【0182】
代わりに、全コストから見ると、システムは、BCAAアクチュエータ508cが完全に伸長し、ロック118がその順応中立位置にある場合、メインアーム1030がその順応中立位置にあるように、設計されるのが好適である。この制約内では、メインアーム位置センサ1056は、図10(a)と図10(b)の双方から削除されてもよい。しかし、BCAAアクチュエータ508cが完全に伸長したことを検出する手段を含むことが必要だろう。この典型的な解決策は、図10(d)および図10(e)において議論している。
【0183】
装置を順応準備完了状態に置くために、以下の動作シーケンスを使用してもよい。(「順応準備完了シーケンス5」)
順応準備完了シーケンス5(図15(i)に示されるとおり)
1. ステップ1580に示されるように、バランスシーケンスを実行する。
2. ステップ1581aに示されるように、ロック118を解除し、BCAAアクチュエータ508cを用いて、ロック118を順応中立位置に位置決めする。
3. ステップ1581bの代替実施例に示されるように、システムが図10(b)に示されるタイプである場合は、ロック118をロックして、BCAAアクチュエータ508cを用いて、ピストン130をその順応中立位置へ位置決めする。
4. ステップ1582に示されるように、メインアーム1030が、未だにその順応中立位置(例えば設計によって)にない場合は、ロック118をロックし、BCAAアクチュエータ508cを用いて、メインアーム1030をその順応中立位置へ移動させる。
5. ステップ1583に示されるように、力センサ120が、力ロッド112の力が閾値力より大きいことを示す場合は、バランスシーケンスを実行する。
6. ステップ1584に示されるように、ロック118がロックされている場合は、それを解除してもよい。
【0184】
ステップ1581およびステップ1584は、力の閾値がピストン130の静止摩擦力および起動抵抗の結合より小さい場合に必要とされることに、留意すべきである。図10(d)と図10(e)に関するケースのように、これは、システムのための好適な評価基準である。これが実際となる場合は、メインアーム1030およびその支持された負荷が、所望の垂直位置に駆動されるとき、ロック118は解除され、そして解除されたままに維持されてもよい。さらに、ホルト(Holt)他によるPCT出願PCT/US01/06456で説明されるように、障害物との遭遇を示す上部セグメント1001に対する、メインアーム1030の運動を検出するために使用可能な、2個の位置センサ1046、1056のいずれかを使用することが出来る。
【0185】
システムが、力の閾値がピストン130の静止摩擦力および起動抵抗の結合より、必ずしも小さくないよう設計されている場合は、順応準備完了シーケンス2、もしくは順応準備完了シーケンス3は、順応準備完了シーケンス5の最初の3つのステップと置き換えて、適合させてもよい。結果として起こるシーケンスは、以下に提供される。この場合、負荷を位置決めさせる間、全体的に、ロック118はロックされた状態に保たれる必要があり、位置センサ1046、1056は、運動への障害物を検出するために使用出来ないことに留意するべきである。しかし、いずれの場合にも、力センサ120は、運動への障害物を検出するために、使用してもよい。
【0186】
順応準備完了シーケンス6(図15(j)に示されたとおり)(空気圧シリンダ128がロック118の位置決めに使用され、バランス閾値が静止摩擦力および起動抵抗よりも大きい、図10(a)と図10(b)に適用可能である。)
1.ステップ1590に示されるように、ロック118を解除する。
2.ステップ1591に示されるように、伸長順応ストップ522がロック118に接触するよう、シリンダ128から空気を排出する。
3. ステップ1592に示されるように、BCAAアクチュエータ508cを調整して、それがそのストロークの中央付近、もしくは、その必要な順応中立位置の付近に位置するようにする。(このステップには、静止要素506cに対する、アクチュエータの駆動要素514cの位置を感知する位置センサの使用を含む、公知の解決方法の使用が必要である。若干の例では、アクチュエータ508cは、駆動要素514cがその進行終端に達したことを感知するリミットスイッチを備えている;これらは、必要な結果を得る既知の方法で、タイマと共に使用されてもよい。)
4. ステップ1593に示されるように、シリンダ空気圧を、ピストン130が起動し、上方へ移動する位置まで増加させるため、シリンダ128に空気を注入する。
5. ステップ1594に示されるように、図示された位置センサ1046で、ロック118に対する力ロッド112の位置をモニターしている間、ピストン130、および、結果としてコネクティングロッド114および力ロッド112を移動させ続けるために、シリンダ128の空気圧を調整し続ける。
6. ステップ1595aに示されるように、力ロッド112がロック118に対して順応中立位置に達すると、ロック118をロックし、シリンダ128内の空気圧を調整するのを終える。
7. ステップ1595bの代替実施例に示されるように、システムが図10(b)に示されるタイプである場合、BCAAアクチュエータ508cを用いて、ピストン130をその順応中立位置に位置決めする。
8. ステップ1596に示されるように、メインアーム1030が、未だにその順応中立位置(例えば設計によって)にない場合は、ロック118をロックし、BCAAアクチュエータ508cを用いて、メインアーム1030をその順応中立位置へ移動させる。
9. ステップ1597に示されるように、バランスシーケンスを実行する。
【0187】
順応準備完了シーケンス7(図15(k)に示されたとおり)(ピストン130がシリンダ128の底部と接触し、バランス閾値が静止摩擦力および起動抵抗力より大きい、図10(a)および図10(b)に適用可能である。)
1. ステップ1600に示されるように、ピストン130が、シリンダ128内のそのストロークの底部に達することを可能にするよう、BCAAアクチュエータ508cを所定位置に引き込ませる。(設計によっては、これは、アクチュエータ508c内に組み込まれたリミットスイッチにより、完全収縮状態に達するよう、アクチュエータ508cを充分な時間収縮方向へ駆動させることにより、もしくは、他の既知技術により、決定することが出来た。)
2. ステップ1601に示されるように、ロック118を解除する。
3. ステップ1602に示されるように、ピストン130がシリンダ128の底部に接触するように、シリンダ128から空気を排出する。
4. ステップ1603に示されるように、BCAAアクチュエータ508cを用いて、ロック118を順応中立位置に位置決めする。
5. ステップ1604に示されるように、ロック118をロックし、BCAAアクチュエータ508cを用いて、シリンダ128に対してピストン130がその順応中立位置(通常、ほぼ中心に置かれる)にある所定の位置に、負荷を上昇させる。
6. ステップ1605に示されるように、メインアーム1030が、未だにその順応中立位置(例えば設計によって)にない場合は、ロック118をロックし、BCAAアクチュエータ508cを用いて、メインアーム1030をその順応中立位置へ移動させる。
7. ステップ1606に示されるように、バランスシーケンスを実行する。
【0188】
図10(c)も、ホルト(Holt)他によるPCT出願PCT/US01/06456に説明されている伸縮式コラムと同様の、伸縮式コラム1000を有するマニピュレータである。前と同様に、メインアーム1030は、線形ガイドレール1058および線形ガイドベアリング(図示せず)を用いて、上部セグメント1001にスライドする形で取り付けられる。これは、上部セグメント1001に対するほぼ±1インチの垂直バーニヤ運動を、メインアームに提供する。
【0189】
第1線形アクチュエータ508aは、コラム1000の中央セグメント1002を、固定された下部セグメント1004およびベース1003に対して垂直に移動させる。図8(a)に示されるタイプのBCAAは、中央セグメント1002に対してセグメント1001を上昇させ、さらに垂直バーニヤ軸内にバランスおよび順応性を提供するために適合される。
【0190】
第2線形アクチュエータ1042の静止要素506bは、順番に中央セグメント1002に取り付けられる第1サポートブラケット1040に取り付けられる。アクチュエータネジ514の遠心終端は、BCAAロック118に取り付けられる。ロック118は、やはり上部セグメント1001に取り付けられる第2サポートブラケット1076に取り付けられる。従って、線形アクチュエータ508bは、中央セグメント1002に対して、上部セグメント1001を上下運動させる。BCAAの空気圧シリンダ128もまた、第2サポートブラケット1076に取り付けられる。力ロッド112およびコネクティングロッド114は、メインアーム1030を支えるために使用される。第2線形アクチュエータ508b、空気圧シリンダ128、ピストン130、コネクティングロッド114、力ロッド112、力センサ120、位置センサ1056、順応ストップ522、524などを含む装置が、可動上部セグメント1001にも取り付けられたサポートブラケット1076を有する追加の特徴を伴う、図8(a)に示されるタイプのBCAAを構成していることが認識される。
【0191】
メインアーム1030が順応準備完了状態あるための条件は、図10(a)および図10bのためのそれらと同じである。しかし、図10(a)と図10(b)でそうであり得るように、ロック118が上部セグメントから独立しては位置決めし得ないため、状況はより単純である。最終結果としては、メインアーム1030がその順応中立位置にある場合は、ロック118もその順応中立位置になければならず、そして逆関係にあるということである。順応準備完了状態を達成するために、以下のシーケンスが使用されてもよい。(「順応準備完了シーケンス8」)
【0192】
順応準備完了シーケンス8(図15(l)に示すとおり)
1. ステップ1610に示されるように、ロック118を解除する。
2. ステップ1611に示されるように、メインアーム1030が下部メインアームストップ1054に接触するよう、および/または伸長順応ストップ522が第2サポートブラケット1076に接触するよう、シリンダ128から空気を排出する。第2サポートブラケット1076および下部メインアームストップ1054はともにこの場合、上部セグメント1001に固定される。)
3. ステップ1612に示されるように、ピストン130が起動し上方へ移動するポイントまで、シリンダ空気圧を増加させるために、シリンダ128に空気を注入する。
4. ステップ1613に示されるように、メインアーム位置センサ1056をモニターしている間、ピストン130、および、結果としてコネクティングおよび力ロッド114、112のそれぞれ、およびメインアーム1030を上方向へ移動させ続けるために、シリンダ128の空気圧を調整し続ける。
5. ステップ1614に示されるように、力ロッド112およびメインアーム1030が順応中立位置に達すると、ロック118をロックし、シリンダ128内の空気圧を調整するのを終える。
6. ステップ1615に示されるように、バランスシーケンスを実行する。
【0193】
バランスシーケンス力閾値が、ピストン130の結合した起動抵抗および静止摩擦力より小さい場合は、アクチュエータ508aが、メインアーム1030とその支持されている負荷を、所望の垂直位置へ動かすために使用されるので、ロック118は解除され、さらに解除されたままに維持されてもよい。さもなければ、ドッキング装置(または、他の所望される条件)により部分的に支えられた負荷とのドッキング準備完了位置が達成されるまで、ロック118はロックされた状態を維持するべきである。
【0194】
上記から、この場合1つの位置センサ1056で十分であることがわかる。
【0195】
図11は、単一のテストヘッドマニピュレータ1101で利用される、本発明のいくつかの様々な典型的実施例を示している。図11のマニピュレータ1101は、ホルト(Holt)他による米国特許出願第09/646,072号で説明されているようなベース1103、固定コラム1000、すでに図9(b)に示したようなタイプのテストヘッド100を支えるメインアーム1030を有している。(図11のテストヘッド100は、破断図で示されており、図9(b)に示されるドッキングハードウェアは─内部ピッチおよびヨー回転機構と同様に─簡便さのために、図11には繰り返されていないことに留意されたい。)マニピュレータ1101には、7つの運動軸、3つの平行移動軸、および4つの回転軸がある。平行移動軸は、内外方向1128、左右方向/1126、および上下(すなわち垂直)方向1130である。回転軸は、スイング1115ベースの回転、テストヘッド100のベースのピッチ1113、ヨー1117、およびロール1111回転である。必要とされる典型的な運動は、内外±10インチ、左右±5インチ、垂直30インチ、スイング30度以上、ロール±95度、ピッチ±5度、およびヨー±5度である。この実施例では、マニピュレータ軸のすべての動きは、モーター駆動のアクチュエータによって動かされる。アクチュエータは、マニピュレータ1101の運動エンベロープの範囲内で、1つのポイントから他へと方向付けられる、テストヘッド100の動きに影響を与える中央コントローラ(図示せず)によって制御される。動きを制御する複数の軸にわたる制御の実行には、いかなる多くの技術も利用可能である。適切な位置センサは、フィードバックをコントローラに供給するために、すべての軸上で用いられる。
【0196】
このマニピュレータ1101では、ケーブルピボットリングアセンブリ924は、メインアーム1030に取り付けられる、サポートブラケット1114の終端に備えられる。テストヘッド100は、テストヘッドマウント926に固定される、テストヘッドサポートビーム922により支えられる。テストヘッドマウント926は、サポートビーム922の中心線が回転可能リング1102の回転の中心を通り抜け、回転可能リング1102の平面に垂直となる形で、ケーブルピボットリング924の回転可能リング1102と結合する。本装置は、テストヘッド100が、サポートビーム922の中心線により定義される軸の周りに、±95度回転するのを可能にするよう構成される;これは、運動のロール軸1111である。
【0197】
図11では、ロール軸1111が、テストヘッド100の重心を通り抜けるため、ロール運動は、実質的にバランスがとれ、事実上、無負荷となっている。ロール軸の周りのテストヘッド100の運動は、ホルト(Holt)他による米国特許出願第09/646,072号で説明されているように、モーターギアボックスクラッチの構成で、動力が与えられてもよい。モーター(図示せず)が作動していない場合は、ロール軸1111の周りにバランスのとれた順応運動を可能にするよう、クラッチが外される。
【0198】
テストヘッド100のピッチ1113およびヨー1117軸は、テストヘッドの100の重心を通り抜けない。図9(a)に示され、すでに議論したように、ピッチBCAA932およびヨーBCAA930は、テストヘッド100とテストヘッドマウント926との間で結合される。これらは、図11で、それぞれ機構1106および機構1112として概略的に表される。詳細は図9(a)と同じである。これら2つのBCAA1106、1112は、ドッキングおよび/または手動操作のための、バランスのとれた順応運動の提供と同様に、そのピッチ軸、ヨー軸1113、1117に対して、それぞれテストヘッド100を位置決めするために用いられる。±5度の運動範囲が、ピッチ軸、ヨー軸1113、1117の双方に、それぞれ提供される。
【0199】
テストヘッド100の上下動は、すでに図10(d)、図10(e)および図10(f)に示される代替インプリメンテーションで議論したように、BCAAを含む構成により提供されてもよい。図11では、図10(e)の構成が、機構1118として明瞭に示されている。(図11には、フレキシブル空気配管および高圧空気供給装置が示されていないことに留意されたい。)伸縮式コラムが固定コラム1000の代わりに用いられる場合、図10(a)、図10(b)または10(c)に示されるタイプのうちの1つの構成が使用可能であることが分かる。図11のシステムは、ロック118が解除された状態で、テストヘッド100を垂直に位置決め可能となるよう、静止摩擦力と空気圧シリンダ128の起動抵抗との合計が、バランス力閾値より大きくなるよう設計されている。
【0200】
ベース1103におけるスイング運動は、水平面内にあり、機構1120として図11に概略的に示される、順応ドライブ機構から影響を受ける。通常、この軸での運動は、本質的にバランスをとっており、外力の影響を受けやすくはない。この場合、原則として図5(a)、図5(b)、図5(c)または図7のいずれかに示されるタイプの順応ドライブ機構も使用可能であった。ほぼ30度以上のスイング運動が、アクチュエータに実質的に長いストロークを要求するため、図5(a)もしくは図7が好適であろう。しかし、あるアプリケーションでは、テストヘッド100をテストキャビネット(図示せず)に接続する、厚くていくぶん弾力があるテストヘッドケーブル(図示せず)は、この軸内の運動に作用する位置変化力を及ぼすことが出来る。この状況で、バランスした順応性と同様にドライブを提供する機構1120として、BCAAが使用可能であった。図6(b)に示されるようなBCAA構成が、適合可能であった。また、図8(a)もしくは図8(b)のいずれかに示されるタイプのBCAAも、このアプリケーションでの使用に同じく適合可能であった。
【0201】
同様に、ベース1103の内外方向および左右方向の運動は、水平面にも存在している。これらの軸のための順応ドライブ機構もまた、それぞれ機構1122および機構1124として図11内に概略的に示されている。スイング運動のように、これらの軸の運動は本質的にバランスしており、外力の影響をうけることはない。これらの軸に要求される運動範囲は、通常±5インチから±10インチである。従って、図5(a)もしくは図7の機構が、必要なストロークを提供するために好適である。有意な可変ケーブル力がシステム内に存在する場合、図6(a)、図6(b)、図8(a)または図8(b)に示されるタイプのBCAA機構が、水平軸内に適合して、有利に利用することが出来た。
【0202】
図11に示されるBCAAおよび順応ドライブ機構が、説明および議論の明快さを念頭に、可視位置に示されていることに留意されたい。実際の実装においては、特定の機構もしくは部分は、所与の視点からは不可視となることもある。例えば、機構1120、1122、1124の構成要素は、通常、マニピュレータベース1103を構成する様々なプレートの間に、他の機構と共に配置される。また、さらなる例として、機構1118は、マニピュレータコラム1105の一側、もしくは他側、もしくは後側に配置可能であった。
【0203】
ドッキングに関する情報
アクチュエータ駆動ドッキングの典型的実施例は、図11を参照することにより説明される。図11では、マニピュレータ1101が、テストヘッド100をドッキング準備完了位置へ引き込む、その後は、別の独立したドッキングアクチュエータ(図示せず)が、テストヘッド100を最終もしくは完全ドッキング位置へ導くために用いられる。テストヘッド100が適切かつ正確に、装置ハンドラ/プローバ(図示せず)に配置されることを確保するものとして、例えば、ガイドピンおよび穴、キネマティック機構などの様々なタイプのガイド機構が知られている。アクチュエータが動作するにつれて、テストヘッド100は、マニピュレータ1101に対して順応的に移動しなければならない。完全にドッキングされると、アクチュエータ機構でもよい機構は、所定の位置でしっかりとテストヘッドをラッチする。
【0204】
テストヘッド100がより大きくなるのに従い、815ドックの基本的な考え方も、3セットもしくは4セットのガイドピン912、ガイドピン受け912a、およびケーブル915により相互連絡された円形カム910を有するドックを提供するよう発展して来た。本願の図12(a)、図12(b)、図12(c)および図12(d)は、4つのガイドピン912および穴(受け)912aの組み合わせ、および4つの円形カム910を有するドック示している。こうした4ポイントドックは、4つのカム910の各々に取り付けたアクチュエータハンドルを有するよう構成されてきたが、図示されたドックは、ケーブルドライバ917に取り付けられた単一のアクチュエータハンドル914を組み込んでいる。ケーブルドライバ917がドッキングハンドル914によって回転する場合、ケーブル915は、4個のカム910が同期的に回転するよう、移動する。この配置により、単一アクチュエータハンドルは、オペレータにとって好都合な位置に配置される。また、ケーブルドライバの直径に対するカム910の直径の比率を、適切に調整することにより、より大きな機械的利点を達成可能である。
【0205】
ここで、図12(a)から図12(d)について、さらに詳細に考察する。図12(a)は、マニピュレータ(図示せず)により順番に支えられる、クレードル200内に保持された、テストヘッド100を示した斜視図である。また、テストヘッド100がドッキングし得る、装置ハンドラ1208のセグメントの破断図も示されている。図12(b)は、装置ハンドラ1208を、やや大きな縮尺で、さらに詳細に示している。(読者は、「ハンドラ」という用語が、パッケージされた装置ハンドラ、ウエハプローバなどを含む、様々なテスト装置のいずれかについて参照する場合に、一般性を損なうことなく用いられていることを、もう一度思い出すだろう。)図12(c)の断面図を一瞥すると、テストヘッド100は電気インタフェース1226を有し、装置ハンドラ1208は、対応する電気インタフェース1228を有しているのが分かる。通常、電気インタフェース1226、1228は、数百、もしくは数千の、小さくて、壊れやすい電気接点を有しており、これらは、テストヘッドが最終的にドッキングされるとき、信頼性のある、個々の対応した電気的接続を提供する形で、正確に係合されなければならない。この典型的なケースに示されているように、装置ハンドラ1208の下部表面は、ハンドラ電気インタフェース1228を含んでおり、テストヘッド100は、全般的に、下から上向きの運動でドッキングされる。他の方向も可能であり、既知の以下を含む:下方運動で上面表層への、水平運動で垂直平面表層への、および、水平および垂直の双方に対して角度を有した平面へのドッキング。
【0206】
図12(a)および図12(b)に戻って、完全な4ポイントドッキング装置が示されている;それの部分は装置ハンドラ1208、または、テストヘッド100のいずれかに取り付けられている。面板1206が、テストヘッド100に取り付けられている。面版1206の4つのコーナーの近傍に4つのガイドピン912が取付けられ、配置されている。フェースプレート1206は、中央穴を有し、テストヘッド電気インタフェース1226がその穴を通して突出し、ガイドピン912が電気インタフェース1226と中央をほぼ共有する近似的長方形を形作るように、テストヘッド100に取り付けられる。
【0207】
ガセットプレート1214は、装置ハンドラ1208の下部表面に取り付けられる。ガセットプレート1214は、中央穴を有し、ハンドラ電気インタフェース1228がその穴を通して突出するように、装置ハンドラ1208に取り付けられる。4つのガセット1216は、ガセットプレート1214に取り付けられ、その4隅のそれぞれの近くに1つずつ配置される。各ガセット1216は、それに埋め込まれたガイドピン穴もしくは受け912aを有している。各ガイドピン穴912aは、それぞれのガイドピン912に対応している。これらは、ドッキング時に、各ガイドピン912が、それぞれのガイドピン穴912aに完全に挿入される状態となるよう、配置されている。従って、ガイドピン912およびガイドピン穴912aは、テストヘッドと装置ハンドラのと間の整列を提供する。
【0208】
4つのドッキングカム910は、回転可能な形で、フェースプレート1206に取り付けられる。カム910は、円形であり、特許‘815で説明されるものと同等である。特に、それぞれは、上部表面上の上部カットアウトと共に、その円周の周りには、側面螺旋状溝を有している。各ドッキングカム910は、ガイドピン912がカム910とテストヘッド電気インタフェース1226との間にくるように、それぞれのガイドピン912を通るテストヘッド電気インタフェース1226のほぼ中心から延びる線上に、全体的にその中心が来る形で、それぞれのガイドピン912に近接して配置される。ガセット1216およびガセットプレート1214の隅は、ガイドピン912が、ガセット内のガイドピン穴912aへ完全に挿入されると、各カム910の円周が、そのガセット1216内の円形カットアウトに隣接し、かつ同心となるような、円形カットアウトを有している。この構成により、テストヘッド100が最初に装置ハンドラ1208とのドッキング位置に誘導されるときの、ドッキング要素間の初期コース整列が提供される。
【0209】
付属ドッキングハンドル914を備えた円形ケーブルドライバ917もまた、フェースプレート1206に回転可能な形で取り付けられる。ドッキングケーブル915は、各カム910、およびケーブルドライバ917に取り付けられる。プーリー1224は、ケーブルドライバ914に出入りするケーブルの経路を、適切に方向づける。ケーブルドライバ917は、ハンドラ914へ力を与えることにより、回転されることが出来る。ケーブルドライバ917が回転するのに従い、それは、カム910を順番に同期的に回転させるケーブル915へ、力を伝達する。
【0210】
カムフォロア1210は、各ガセット1216の円形カットアウトから延びている。カムフォロア1210は、そのそれぞれのカム910の上部表面上の、上部カットアウトにフィットする。図12(c)は、テストヘッド100のハンドラ1208へのドッキングプロセスの1ステージの、断面図を示している。ここで、ガイドピン912は、ガセット1216のガイドピン穴912aに、部分的に挿入される。この典型的な場合では、ガイドピン912は、その遠心終端付近ではテーパーとなっていて、フェースプレート1206への付属位置に近くなると、一定直径となっていることに留意すべきである。図12(c)でのガイドピン912は、丁度一定直径の領域がガイドピン穴912aに入るポイントまで、ガイド穴912a内に挿入されている。図12(c)でも、各カムフォロア1210は、それぞれのカム910の上部表面上の上部カットアウトに、螺旋状カム溝の最頂端の深さまで挿入されている。この構成では、ドックは、作動して、力をハンドルに適用し、カムを回転させる準備が出来ている。従って、この構成は、「作動準備完了」位置と称してもよい。
【0211】
図12(d)は、カム910を完全に回転させた結果を示す断面図である。ここでは、テストヘッド100は、ハンドラ1208に完全にドッキングされている。カム910が回転し、それによって、カムフォロア1210は、前面板120により近接した位置まで螺旋状溝をたどっている。加えて、ガイドピン912は、そのそれぞれのガイドピン穴912aに、完全に挿入されている。ガイドピン912の一定直径領域と、それぞれのガイドピン穴912aの側面との間のはめ合いの精密さが、ハンドラ電気インタフェース1228とテストヘッド電気インターフェース1126との間の最終的な整列を決定していることが確認される。
【0212】
以上の議論の見地から、ここで、ドッキング処理についてより完全な議論をし、さらに特定用語を定義することが適当である。ドッキングの目的は、テストヘッド電気インタフェース1226を、ハンドラ電気インタフェース1228と正確に合わせることである。各電気インタフェース1226、1228は、通常、しかし、必ずしもそうとは限らないが、名目上は電気接点の遠心終端と平行な平面を形作る。ドッキングされると、これらの2つの平面は、互いに平行とならねばならない。電気接点の損傷を防ぐために、電気接点が互いに機械的接触可能となる以前に、2つのインタフェース1226、1228が自由度5で最初に整列されるのが好適である。ドッキング位置で、インタフェースの定義された平面が、図14のX−Y平面と平行である場合、それぞれの接点は、互いに並ぶような形で、X、Y、およびシータZに整列されなければならない。さらに、2つの平面は、シータXおよびシータYでの回転運動により、平行となる。2つの電気インタフェース平面を互いに平行にするプロセスは、インタフェースの「平面化(planarization)」と呼ばれる;そして、それが達成されると、インタフェースは、「平面化された(planarized)」もしくは「共面(co−planar)」にあると呼ばれる。X、Y、およびシータZ内で、一旦平面化され、整列されると、ドッキングは、ハンドラ電気インタフェース1228の平面に垂直な、Z方向へ運動することにより、続行される。ドッキングのプロセスでは、テストヘッド100は、最初にハンドラ1208の近傍へ誘導される。さらに、操作は、ガセット1216の円形カットアウトを、カム910との第1整列へともたらす。この位置、もしくはその直前の位置を、「ドッキング準備完了」位置だと考えてもよい。より一般的には、「ドッキング準備完了」は、なんらかの第1コース整列手段が、わずかに係合する、もしくは係合位置の近傍にある位置を指している。このステージでは、設計の詳細に依存して、ガイドピンの遠心終端は、それぞれのガイド穴に入る準備ができている。さらに、操作は、テストヘッドを、すでに図12(a)から図12(d)に関して議論した、「作動準備完了位置」にもたらすことになる。より一般的には、「作動準備完了」は、テストヘッドが、ドッキング装置の作動可能な場所に到達した位置を指している。作動準備完了位置では、およその平面化、さらに、X、YおよびシータZでの整列は達成されている。ドックが作動し、ガイドピン912が、それぞれのガイドピン穴912a内に、より完全に挿入されると、整列および平面化はより正確なものとなる。
【0213】
一般に、作動準備完了位置は、ドックの2つの半分内の整列機構が、少なくとも部分的に係合し、さらに、必ずしも全てでなくてもよいが、若干の軸で整列が達成されている位置である。例えば、特許’815内で説明されているタイプ、および、図9(a)および図9(b)、さらに図12(a)から図12(d)に示されるタイプのドックでは、これは、すでに説明した、ハンドラ1208上のカムフォロア1210がドッキングカム910内に挿入されるように、テーパーガイドピン912が、ガイドピン穴912a内にさらに挿入されている位置である。このようにすると、テストヘッド100は、通常、目標装置と、数1000分の1インチ以内、および、ほぼ1度以内の共面性で整列されるようになる。他の例として、米国特許第5,982,182号明細書(参照により含まれる)で説明されているドックでは、これは、キネマティックコンタクトが係合し、システムが、目標に対して垂直な、最終線形運動の準備が完了した位置である。
【0214】
上への解決方法は、本願明細書の図1(a)から図4(b)で説明されているバランジングシステム(ナイ(Ny)他による米国仮出願第60/234,598号で説明されている)、さらに、本願明細書の図6(a)から図9(b)にも説明されているBCAAと共に利用可能である。これらには、いくつかの共通態様がある;1つの視点では、バランジングシステムはBCAAの部品である。従って、必要もしくは所望されるバランスおよび順応性を提供するために、BCAAおよび/またはバランジングシステムは、必要に応じて、マニピュレータとテストヘッド100へ付加可能である。
【0215】
すでにこのアプリケーションで説明されたように、テストヘッド100は、ドッキングの前に、順応中立位置に導かれ、そこでロックされてもよい。軸もしくは複数の軸が、最終ドッキング直前に、ドッキングシステムのごく近傍で、バランスをとり、順応準備完了となってもよい。ロック118がロックされている状態でこれが達成されるので、テストヘッド100が、突然の、予測不能な、潜在的に危険性のある運動をするリスクは全くない。続いて、順応準備完了状態にあるシステムで、ロック118は、順応運動およびドッキングの進行を可能にするよう解除される。
【0216】
以前に本願説明書において示されているように、圧力センサ(606a、606b)は、空気圧を測定するために、空気圧シリンダ128の各入口に備えられ、配置されてもよい。コントローラ(図示せず)は、圧力センサから、測定圧力を示す信号を受け取る。バランス状態を回復するために、ドッキング解除の前に圧力センサを用いることは、以前に本願明細書において説明された。このアプローチがなければ、通常の動作は、バランスシステムロックがロックされた状態で、テストヘッド100をドッキング解除することになるが、これは、ドッキング解除の間、順応運動の機会に先立って行われる。
【0217】
また、圧力センサ(606a、606b)は、テストヘッド100がドッキングされ、テストが実行されている、すべての時間わたって、バランス状態を維持するために、システム内で使用されてもよい。これを達成するために、テストヘッド100は、ドッキング準備完了位置にもたらされる。バランジングシステムを有する全ての軸もしくはBCAAは、順応準備完了状態へもたらされる。すなわち、それらは、順応中立領域に、バランスをとって位置決めされる。続いて、空気圧シリンダ128における圧力は、コントローラにより測定され、記録される。次に、ロック118が解除され、テストヘッド100がドッキングされる。ドッキングシステムのタイプとアプリケーションによっては、テストヘッド100が最終的にドッキングされるとき、ロック118は再ロックされることもあるし、されないこともある。テストヘッド100がドッキングされる一方で、コントローラは、空気圧シリンダ128内の圧力を絶え間なくモニターし、それらを記録された値と比較して、シリンダ圧を本質的に一定に維持するためにバルブ604を操作する。これにより、ピストン130およびコネクティングロッド114上では本質的に一定の力が維持され、システムを所望のバランス状態に保つ。明らかに、バランス状態において、順応運動が利用可能な状態で、テストヘッド100はドッキング解除されてもよい。
【0218】
さらに具体的には、ドッキングシステムが、ラッチタイプであるか、あるいは非ラッチタイプであるかが、利用可能な動作モードを決定するだろう。ラッチされたドックは、2つの運転モードの間に、以下のような代替案を提供する:
1. (上で説明されたように)テストヘッド100がドッキングされている間、ロック118が解除された状態で、バランスは維持される。ドッキング解除の間、ロック118が解除された状態で、バランスおよび順応運動の機会は保持される。
2. テストヘッド100がドッキングされている間、ロック118がロックされた状態では、バランスは維持されない。ドッキング解除のための、2つのサブオプションがある:
a. 均衡はドッキング解除前に回復され、さらに、ドッキング解除の間、ロック118が解除された状態で、順応運動の機会は保持される。
a. バランスは回復されず、さらに、ドッキング解除の間、ロック118はロックされたまま保たれなければならない。このアプローチは圧力センサを必要としない。
【0219】
非ラッチドッキングシステムでは、テストヘッド100がドッキングされている間、通常、ロック118をロックする必要がある。バランスは、順応運動のための必要性により、ドッキング解除前に、回復されてもよいし、されなくてもよい。
【0220】
ラッチ式、アクチュエータ駆動式のドッキングを用いるシステムの動作について考察する。これは、現在最も広く用いられているタイプのシステムである。米国特許第4,589,815号明細書で説明されるような、基本的な2ポイントドッキング装置は、すでに説明した、図9(a)、図9(b)、および図12(a)から図12(d)に示されるような、3セットもしくは4セットのガイドピン912、ガイドピン穴912a、およびケーブルドライバを含むよう拡張可能である。こうした2、3および4ポイントドックは、この目的で、産業界で広く使用されている。こうした装置は、ドッキングハンドル914に力を適用することにより、オペレータによって手動で作動させるものであるが、モーター、電気のもしくは空気圧の線形アクチュエータ、および/または、真空操作装置を含む、他のタイプのドッキングアクチュエータも知られている。一般に、テストヘッド100は、パッケージされた装置ハンドラ、ウエハプローバ、もしくは、場合によっては、ハンドラ1208という用語もしくは「目標装置」として集合的に呼称されている、他の装置を用いてドッキングされるだろう。ドッキング用に以下のシーケンスを用いてもよい:
【0221】
図15(m)に示されるように、システムは、テストヘッド100もしくは負荷を、目標装置から離れた開始位置から、ドッキング準備完了位置へ操作するために準備される。
a. ステップ1620に示されるように、水平(内外方向、左右方向、およびスイング) 軸の順応ドライブ、および/または、BCAAは、順応準備完了状態にもたらされ、それらのロック118がロックされる。
b. ステップ1621に示されるように、ピッチおよびヨーBCAAは、順応準備完了状態にもたらされ、それらのロック118がロックされる。
c. ステップ1622に示されるように、垂直ドライブ機構内のBCAAは、順応準備完了状態にもたらされ、(順応準備完了シーケンス1を用いて)そのロック118を解除する。
d. ステップ1623に示されるように、ここで、テストヘッドもしくは負荷100が、目標装置とのドッキング準備完了位置へ誘導される。これを実現するために、コントローラは、テストヘッド100を、ドッキング準備完了位置へもたらす運動経路に沿って移動させるために、アクチュエータを制御する。概して、これは、ドックの2つの半分の整列機構が、ごく近傍に近づき、もしくは初期接触する位置であるが、完全に係合するわけではない。例えば、ガイドピン912を有する多くのタイプのドックでは、これは、ドッキングガイドピン912が、目標装置内にある、その合わせドッキングガイドピン受け912aのごく近接に来て、もしくは係合した直後の位置である。コントローラは、これを遂げるアルゴリズムを使用してもよいし、もしくは、オペレータが、プッシュボタン、ジョイスティック、および/または、コントローラへの他の適当な入力装置を用いて、処理を誘導してもよい。
【0222】
ドッキング準備完了から完全ドッキングへ
e. 準備:BCAAを有するマニピュレータのすべての軸が、再バランスをとる。ステップ1624に示されるように、各BCAAは、順番にバランスをとる。特定のBCAAのバランスをとると、どれか他のBCAAのバランスが乱されることもある。従って、それぞれのBCAAの力センサ120が、バランス状態を示すまで、このプロセスが繰り返される。(通常この目標は、3回以下、一般には2回の反復で達成される。)
f. ステップ1625に示されるように、圧力センサが、いずれかのBCAAに組み込まれている場合は、現在の圧力は、コントローラによって読み込まれ、後の使用のために、コントローラのメモリに格納される。
g. ステップ1626に示されるように、ロック118はすべて解除され、すべての軸において、バランス−順応運動が可能となる。(設計によっては、ホルト(Holt)他による米国特許出願第09/646,072号に説明されているように、モーターが作動しておらず、ロール軸も駆動されていない場合はいつでも、ロール軸モーターのクラッチが自動的に外されることに留意されたい。ここで、テストヘッド100もしくは負荷は、バランス−順応状態にあり、それは外部の手段によって、通常25から30ポンドより小さな力で操作可能である。
h. テストヘッド100は、さらに作動準備完了位置に誘導される。これは、通常1インチ未満の総合的な運動であり、操作は手動で行われてもよく、通常はそのようにされている。しかし、より精巧なシステムでは、テストヘッド100を、この作動準備完了位置へ導くために、コントローラ(図示せず)を使用してもよい。これを実現するために、コントローラは、ハンドラ(または、他の対象装置)の、電気インタフェース1228の平面に垂直な直線経路に沿って、テストヘッド100を誘導する。適切な運動軸(複数も可)が、選択され(水平ドッキングのための垂直方向、垂直面ドッキングのための内外方向もしくは左右方向、もしくは、傾斜ドッキングのための垂直方向および内外方向もしくは左右方向の組み合わせ)、ロック118(複数も可)がロックされ、アクチュエータ(複数も可)がテストヘッド100を所定位置へ導くために使用され、そこで、ロック118が再び解除される。(他の軸は、必要な順応運動を可能にするために解除された状態に保たれ、そして、これによって、上に説明されたように、テストヘッド100が整列可能となる。)
i. ステップ1628に示されるように、ここで、ドックアクチュエータが作動され、テストヘッド100を目標装置1201との完全ドッキング位置へと導く。図9(a)に示されるドッキング装置など、手動作動させられるドックでは、これは、図9(a)内のドッキングカム910もしくは図12(a)のケーブルドライバ(ユニット914の一部)に回転を起こさせる、ドッキングハンドル914に力を適用することによって達成される。電動によるアクチュエータを有するドックでは、これは、適切にアクチュエータに通電することにより達成される。テストヘッド100が最終的なドッキング位置に引かれるように、それはすべての空間自由度6で自由に従順に移動する。これは常に好適というわけではないが、所望であれば、選択された軸で、対応する自由度での順応運動を制限するために、それらのロック118を係合させてもよい。
【0223】
ドッキング機構の設計は、通常、ドッキングアクチュエータがその完全なドッキング限界に達したとき、テストヘッド100が、事実上、適所にラッチするような形となる。従って、ここでテストヘッド100は、完全にドッキングされ、機械的に装置をテストする準備が完了したことになる。
【0224】
ここで、非ラッチドッキングを伴った、マニピュレータ駆動システムの動作を考察する。こうしたシステムでは、マニピュレータは、ドッキングに関連した力に打ち勝たねばならない。これらの力は、通常、数百もしくは数千の、スプリング負荷のホッピングピンを圧縮する必要性、および/または、数百もしくは数千の電気コネクタでの合わせ接点を結合させる必要性から生成される。こうした各ホッピングピンもしくは接点が、数グラムもしくは数オンスの力を必要とすることで、多くの場合、数100ポンドの総ドッキング力に遭遇することになる。マニピュレータ駆動ドッキングのために、ドッキングに使用されるマニピュレータドライブ機構は、テストヘッドもしくは負荷100をフリースペースで移動させるのに必要な力に加えて、ドッキング力に打ち勝つことが出来なければならない。駆動軸がバランスしている場合、駆動力は削減される。
【0225】
マニピュレータ駆動ドッキングでの駆動軸となる軸の、BCAA機構の使用が、有利である。最初に、軸を駆動するアクチュエータは、通常、テストヘッドもしくは負荷100の誘導に必要な力に加え、ドッキング力に打ち勝つのに十分なドライブ能力を持つよう、容易に大きさを評価可能である。さらに、問題の軸は、ロック118が解除された状態で、バランス状態での操作が可能なように設計されているなら、障害や妨害物との遭遇を検出するために、相対位置センサが使用可能である。(例えば、図10(a)から図10(f)での議論を参照。)さらに、力センサ102は、ロック118がロックされた状態で、テストヘッド100もしくは操作が行われる場合には、妨害物や障害との遭遇を検出するために使用可能である。
【0226】
ここで、アクチュエータ駆動ドッキングでは、通常、ドッキング装置は、テストヘッド100を装置ハンドラ(図12(a)では1208)もしくはプローバのテストサイトとの整列へ導くために、その一方の側面にガイドピン912および他方の側面に合わせガイド穴912aを備えていることを、思い起こすことにする。2つの密着した穴912aに嵌合する、2つのガイドピン912は、ピン912に十分の長さおよび穴912aに十分な深さがあるなら、空間的自由度5での整列を提供するだろう。ドッキングされる表面が平面である場合、これらの自由度は、平面内のX、Y、およびシータ、および平面に対するピッチおよびロールを含んでいる。残余の自由度は、ドッキングアクチュエータ機構により制御される、2平面間の垂直距離である。この技術はまた、マニピュレータ駆動ドッキングで使用されてもよい;しかし、他の技術もまた、以前に議論された[グラハム(Graham)他]ように、既知である。
【0227】
マニピュレータ駆動ドッキングのための手順は、以下に概説されており、図15(n)のフローチャートに示されている。この手順は、アクチュエータ駆動ドッキングのための以前の手順の、一般形式に従っている。
1) システムは、テストヘッドもしくは負荷100を、目標装置から離れた開始位置から、ドッキング準備完了位置へ誘導するために準備される。
a) ステップ1630に示されるように、水平(内外方向、左右方向、およびスイング)軸の順応ドライブ、および/または、BCAAは、順応準備完了状態にもたらされ、それらのロック118がロックされる。
b) ステップ1631に示されるように、ピッチおよびヨーBCAAは、順応準備完了状態にもたらされ、それらのロック118がロックされる。
c) ステップ1632に示されるように、垂直ドライブ機構内のBCAAは、順応準備完了状態にもたらされ、(順応準備完了シーケンス1を用いて)そのロック118を解除する。
【0228】
2) ステップ1633に示されるように、ここで、テストヘッドもしくは負荷100が、目標装置とのドッキング準備完了位置へ誘導される。これを実現するために、コントローラは、2つの半分のドッキング装置が、その合わせ片の近傍に来て、もしくは、それと係合したばかりのドッキング準備完了位置へもたらす、運動経路に沿って、テストヘッド100を移動させるために、アクチュエータを制御する。コントローラは、これに作用するアルゴリズムを使用してもよいし、もしくは、オペレータが、プッシュボタン、および/または、ジョイスティック、および/または、コントローラへの他の適当な入力装置を用いて、プロセスを誘導してもよい。
【0229】
3) ドッキング準備完了から完全ドッキングへ
a) 準備:BCAAを有するマニピュレータのすべての軸が、再バランスをとる。ステップ1634に示されるように、各BCAAは、順番にバランスをとる。特定のBCAAのバランスをとると、どれか他のBCAAのバランスが乱されることもある。従って、それぞれのBCAAの力センサ120が、バランス状態を示すまで、この処理が繰り返される。(通常この目標は、3回以下、一般には2回の反復で達成される。)
b) ステップ1635に示されるように、圧力センサが、BCAAのいずれかに組み込まれている場合は、現在の圧力は、コントローラによって読み込まれ、後の使用のために、コントローラのメモリに格納される。
c) ステップ1636に示されるように、駆動および制御される軸が決定される。これらは、特定設備のアプリケーションでの設計により、前もって決定されてもよいが、一般には、テストヘッド100がドッキングする設備がそれらを決定することになるだろう。通常、選択された軸は、少なくとも、ハンドラもしくはプローバの、垂直、もしくは水平、あるいは、水平に対してある角度で傾いたドッキング平面に垂直な経路に沿った運動を可能にするだろう。特定のアプリケーションでは、1つに集められた2表面の平面化に作用する軸を、駆動および制御するのも望ましいかも知れない。
d) ステップ1637に示されるように、非駆動、および非制御軸内のロック118はすべて解除され、完全ドッキング位置へ移動している間、これらの軸での均衡−順応運動を可能にする。駆動および制御される軸のロック118は、ロックされた状態に保たれる。(設計によっては、Holt他に対する米国特許出願第09/646,072号に説明されているように、モーターが作動しておらず、ロール軸も駆動されていない場合はいつでも、ロール軸モーターのクラッチが自動的に外されることに留意されたい。(また、ロール軸が、ドッキング運動の一部として駆動される場合は、上に説明したように、非トルク制限操作を可能にする手段を備える必要があることに留意されたい。)ここで、テストヘッドもしくは負荷100は、均衡−順応状態にある。
e) ステップ1638に示されるように、テストヘッド100は、さらに、センサおよび/または、先細りガイドピン912のガイドピン受け912aへの部分的挿入により決定された、初期配列位置に誘導される。このようにすると、テストヘッド100は、目標装置と、数1000分の1インチ以内、および、ほぼ1度以内の共平面性で配置されるようになる。これは、通常1インチ未満の総合的な運動であり、そして、マニピュレータ駆動システムでは、操作は通常、この初期配置位置にテストヘッド100を導くコントローラを用いて実行される。これを実現するために、コントローラは、目標装置上のドッキング領域の平面に垂直な直線経路に沿って、テストヘッド100を誘導する。このステップで、上記ステップ2)c)で選択される軸以外の軸が使用される場合、運動の前にロックされ、さらにその運動後に、再び解除されなければならない。(他の軸は、必要な順応性を可能にするために、解除された状態に保たれる。)
f) ステップ1639に示されるように、テストヘッド100は、目標装置との完全ドッキング完了位置へ導かれる。上のステップ1636で選択される軸は、駆動されており、テストヘッド100を適切な経路に沿い、その完全ドッキング完了位置へ移動させるために、システムコントローラによって制御される。テストヘッド100が最終ドッキング完了位置に導かれると、それは非選択軸のすべてに自由に順応性をもって移動可能となる。しかし、所望される場合は、特定の非選択軸は、対応する自由度内で、順応運動を制限するために、そのロック118を係合させてもよい;しかし、一般に、これは好ましい動作モードではない。この運動が実行されると、適切な位置センサがモニターする。最小限の1つ以上の位置センサが、テストヘッド100がその完全ドッキング完了位置に到着したとき、合図を送るために必要である。適切な軸が手順の間駆動および制御されるなら、テストヘッド100がドッキング完了位置に移動されたとき、その配置と平面化を維持および改良するために、必要ならば、他のセンサを利用してもよい。
【0230】
4) ステップ1640に示されるように、テストヘッド100が完全にドッキングされると、(上の1636で選択された)駆動軸は止められて、完全ロック状態に維持される。それらは、掛け金機構が提供されない限り、その後のテストおよびテストヘッド100の使用の間、ドッキングハードウェア内で、テストヘッド100をそのドッキング完了位置に維持するために、この状態のままで維持されなければならない。こうした掛け金は、コントローラにより制御可能であり、ドッキング完了位置が達成されたのを示す信号で作動させることが出来た。
【0231】
テストヘッドがテストヘッド装置とのドッキング完了位置を維持する代替技術には、マニピュレータ運動軸の、いくつかあるいは全てをロックすることが含まれる。追加技術は、BCAAのシリンダ128内の圧力をモニターかつ維持することにより、テストヘッド100の均衡状態を維持することである。
【0232】
ドッキングのための方法では、テストヘッド100の2つの中間位置が、各場合で特定される:双方の場合のドッキング準備完了、およびアクチュエータ駆動ドッキングの場合の作動準備完了、さらにマニピュレータ駆動ドッキングの場合の初期配置の対応位置である。特定の場合には、2つの中間位置が同一であることもある。さらに、特定のドックでは、テストヘッド100をこれらの中間的位置の一方もしくは双方で捉えて保持するために、機械留め具を利用してもよい。これらの留め具は、作動されると、テストヘッド100が、得られたドッキング完了位置、ドッキングする位置から外れてしまうのを防止するが、それが次のドッキング位置に移動するのは許可するものである。これらの留め具の使用は、新方式を作成するより、むしろ上の方法を拡大する。
【0233】
本発明の好ましい実施例が本願明細書に示されさらに説明されて来たが、こうした実施例が例してのみ提供されていることは、理解されるものだろう。多数の変化、変更、および代替が、本発明の精神から逸脱することなく、当業者の心に浮かぶだろう。従って、付属した請求項が、本発明の精神と範囲の中に納まるすべての変化をカバーすることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1(a)】本発明の典型的実施例に従う、テストヘッドに結合したバランスユニットの斜視図である。
【図1(b)】本発明の他の典型的実施例に従う、テストヘッドに結合したバランスユニットの斜視図である。
【図1(c)】本発明のさらに他の典型的実施例に従う、テストヘッドに結合したバランスユニットの斜視図である。
【図1(d)】本発明のさらに他の典型的実施例に従う、テストヘッドに結合したバランスユニットの斜視図である。
【図2(a)】本発明の典型的実施例に従う、クレードルに搭載されたテストヘッドに結合したバランスユニットの斜視図である。
【図2(b)】本発明の他の典型的実施例に従う、クレードルに搭載されるテストヘッドに結合したバランスユニットの斜視図である。
【図3(a)】本発明の典型的実施例に従う、内部ベアリングで支えられたテストヘッドに結合した、バランスユニットの斜視図である。
【図3(b)】本発明の他の典型的実施例に従う、内部ベアリングで支えられたテストヘッドに結合したバランスユニットの斜視図である。
【図4(a)】本発明の典型的実施例に従う、空気圧シリンダの詳細な破断図である。
【図4(b)】本発明の典型的実施例に従う、液圧シリンダの詳細な破断図である。
【図5(a)】本発明の典型的実施例に従う、位置センサおよび機械式ロックを含む、順応駆動機構の斜視図である。
【図5(b)】本発明の典型的実施例に従う、位置センサおよび液圧式ロックを含む、順応駆動機構の斜視図である。
【図5(c)】本発明の典型的実施例に従う、位置センサおよび2個の順応性センタリングアクチュエータを含む、順応駆動機構の斜視図である。
【図6(a)】本発明の典型的実施例に従う、順応駆動機構および空気圧バランスユニットの斜視図である。
【図6(b)】本発明の他の典型的実施例に従う、順応駆動機構および空気圧バランスユニットの斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の典型的実施例に従う、順応駆動機構の斜視図である。
【図8(a)】本発明の典型的実施例に従って連結された、順応駆動機構および空気圧バランスユニットの斜視図である。
【図8(b)】本発明の他の典型的実施例に従って連結された、順応駆動機構および空気圧バランスユニットの斜視図である。
【図9(a)】は、本発明の典型的実施例に従う、第1回転軸に適用された空気圧バランスユニットに結合した第1順応駆動機構、および第2回転軸に適用された空気圧バランスユニットに結合した第2順応駆動機構の斜視図である。
【図9(b)】本発明の他の典型的実施例に従う、第1回転軸に適用された空気圧バランスユニットに結合した第1順応駆動機構、および第2回転軸に適用された空気圧バランスユニットに結合した第2順応駆動機構の斜視図である。
【図10(a)】本発明の典型的実施例に従う、縦軸上の順応駆動機構の斜視図である。
【図10(b)】本発明の他の典型的実施例に従う、縦軸上の順応駆動機構の斜視図である。
【図10(c)】本発明のさらに他の典型的実施例に従う、縦軸上の順応駆動機構の斜視図である。
【図10(d)】本発明のさらに他の典型的実施例に従う、縦軸上の順応駆動機構の斜視図である。
【図10(e)】本発明のさらに他の典型的実施例に従う、縦軸上の順応駆動機構の斜視図である。
【図10(f)】本発明のさらに他の典型的実施例に従う、縦軸上の順応駆動機構の斜視図である。
【図11】本発明のさらに他の典型的実施例に従う、複数の順応駆動機構を有するテストヘッドマニピュレータの斜視図である。
【図12(a)】本発明の典型的実施例に従う、テストヘッドをハンドラにドッキングさせるドッキング装置の斜視図である。
【図12(b)】本発明の典型的実施例に従う、ハンドラに結合したドッキング装置の斜視図である。
【図12(c)】本発明の典型的実施例に従う、テストヘッドをハンドラにドッキングさせるドッキング装置の断面図である。
【図12(d)】本発明の典型的実施例に従う、テストヘッドをハンドラにドッキングさせるドッキング装置の他の断面図である。
【図13(a)】従来技術のテストヘッドのための組立図である。
【図13(b)】従来技術のテストヘッドのための組立図である。
【図13(c)】従来技術のテストヘッドのための組立図である。
【図14】6本の運動軸を示す図である。
【図15(a)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(b)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(c)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(d)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(e)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(f)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(g)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(h)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(i)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(j)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(k)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(l)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(m)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
【図15(n)】本発明の典型的実施例に従うフローチャートである。
Claims (135)
- 負荷を支持するための装置は、以下を含む:
前記負荷から受ける力を検出する力センサ、前記負荷からもたらされる力は、トルクが前記負荷の回転軸の周りに生成されるようなアンバランス力である;
前記力センサにより検出された前記力に応答して、前記負荷に対する、前記力の方向と逆方向の反力を供給する力発生源。 - ロックをさらに含み、前記ロックは、前記力センサが、前記力を検出し、さらに前記ロックがロックされた状態にあると、前記負荷の位置を維持する請求項1に記載の装置。
- 前記負荷が前記軸の周りでバランスし、さらに前記ロックが解除された状態にあると、前記力発生源が、前記負荷への運動の順応範囲を提供する、請求項1に記載の装置。
- 負荷をバランスさせる装置、前記負荷は、トルクが前記負荷の回転軸の周りで生成されるようにアンバランスである、前記装置は以下を含む:
前記負荷が、アンバランスである前記負荷の結果として、前記力センサへ適用する力の量を測定するための力センサ;および、
前記力を打ち消す反力を発生させる力発生装置。 - ロックをさらに含み、前記ロックは、前記力センサが、前記力の量を測定し、さらに前記ロックがロックされた状態にあると、前記負荷の位置を維持する、請求項4に記載の装置。
- 前記負荷が前記軸の周りでバランスし、さらに前記ロックが解除された状態にあると、前記力発生装置が前記負荷に動作の順応範囲を提供する、請求項5に記載の装置。
- 軸の周りで負荷をバランスさせる方法、前記方法は、以下のステップを含む:
前記負荷がアンバランスである結果として、前記負荷により適用される力の、少なくとも一部を測定すること;および、
前記力を打ち消す反力を適用すること、これによって、前記負荷は、前記反力の適用前より、バランス状態に近い。 - 以下のステップをさらに含む、請求項7に記載の方法;
前記測定ステップの間、前記負荷を所定位置にロックすること。 - 負荷を支持する装置、前記装置は以下を含む:
前記負荷を支えるための支持構造物;
ある方向に前記支持構造物を駆動する駆動ユニット;
前記支持構造物に運動範囲を供給する順応ユニット、前記駆動ユニットが支持構造物を駆動した結果として、前記運動範囲が設置される位置を変える前記駆動ユニット;および、
ロックがロック状態にあるとき、前記負荷位置を、前記動作範囲内の位置に維持するロック。 - 前記順応ユニットが、前記動作範囲の各終端にストップを含む、請求項9に記載の装置。
- 前記駆動ユニットが電動である、請求項9に記載の装置。
- 前記ロックが解除された状態にあるとき、前記負荷の滑り摩擦に打ち勝つことにより、前記負荷の位置を、前記運動範囲内で変更可能な、請求項9に記載の装置。
- 前記方向が水平面内にある、請求項9に記載の装置。
- 前記運動範囲が、前記駆動ユニットに対するものである、請求項9に記載の装置。
- 前記順応ユニットが液圧シリンダであり、さらに前記運動範囲が、前記液圧シリンダ内に含まれるピストンのストロークによって定義される、請求項9に記載の装置。
- 前記液圧シリンダが、前記ピストンの第1側面上の第1ポート、前記ピストンの第2側面上の第2ポート、前記第1ポートと前記第2ポートを接続する配管を含み前記シリンダが、前記第1ポートと前記第2ポート間の前記配管を流れる非圧縮性流体を含み、そして、前記支持構造物の運動の結果、前記第1ポートと前記第2ポート間を流体が流れる、請求項15に記載の装置。
- 前記配管がバルブを含んでおり、前記バルブが閉じた状態にあるとき、前記バルブか前記第1ポートと前記第2ポート間の流体の流れを妨げ、妨げられる前記流体の流れが、前記順応ユニットの位置に対する前記支持構造物の位置を維持する、請求項16に記載の装置。
- 負荷を支持する装置、前記装置は以下を含む:
前記負荷を支持する支持構造物;
前記支持構造物をある方向に駆動する駆動ユニット;および、
前記支持構造物に運動範囲を供給する順応ユニット、前記順応ユニットは、前記支持構造物に結合された第1アクチュエータ、および前記支持構造物に結合された第2アクチュエータを含み、ここで、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータのうちの少なくとも1台の動作が、前記運動範囲の少なくとも1つの限界を変化させる。 - 前記順応ユニットが、前記駆動ユニットと結合された順応シャフト、前記順応シャフトと結合された順応ストップをさらに含み、それによって、前記順応シャフトを駆動する前記駆動ユニットが、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータの位置によって制限されている前記運動範囲内の前記順応ストップの位置を変える、請求項18に記載の装置。
- 前記駆動ユニットが、前記順応ストップを、前記第1アクチュエータに向かう第1方向に駆動し、前記駆動ユニットが、前記順応ストップを、前記第2アクチュエータに向かう第2方向に駆動し、前記順応ストップが前記第1アクチュエータと接触したとき、前記駆動ユニットが、前記支持構造物を第1方向に駆動し、さらに、前記順応ストップが前記第2アクチュエータと接触したとき、前記駆動ユニットが、前記支持構造物を第2方向に駆動する、請求項19に記載の装置。
- 前記ロックが解除された状態にあるとき、前記駆動ユニットが前記ロックを前記運動範囲内で駆動するよう、前記駆動ユニットが前記ロックと結合されている、請求項18に記載の装置。
- 負荷を支持する装置、前記装置は以下を含む:
前記負荷から受け取った力を検出するための力センサ、前記力は、前記負荷の軸に対してアンバランスとなっている前記負荷に起因している;
前記力センサにより検出された前記力に応じて、前記負荷に対する反力を供給する力発生源;
前記負荷に前記軸に対する運動範囲を提供する順応ユニット、前記順応ユニットは、ロックを含み、前記ロックは、前記ロックがロックされた状態にあるとき、前記運動範囲内で前記ロックの位置を固定する;および、
前記ロックが前記ロック状態にあるとき、前記負荷を前記軸の方向に駆動する、前記順応ユニットに結合された駆動ユニット。 - 前記ロックが解除された状態にあるとき、前記駆動ユニットが前記ロックを駆動した結果、前記運動範囲内の前記ロックの前記位置が変化し得る、請求項22に記載の装置。
- 前記負荷の前記軸が回転軸である、請求項22に記載の装置。
- 前記順応ユニットが前記運動範囲の各終端にストップを含んでおり、前記ロックが前記ストップの間に配置される、請求項22に記載の装置。
- 前記ロックが前記ストップの1つに接触した場合に、前記駆動ユニットが、前記ロックが解除された状態で前記負荷を前記軸の方向へ駆動する、請求項25に記載の装置。
- 前記駆動ユニットが電動である、請求項22に記載の装置。
- 負荷を支持する装置、前記装置は以下を含む:
前記負荷から受け取った力を検出するための力センサ、前記力は、前記負荷の軸に対してアンバランスとなっている前記負荷からもたらされる;
前記力センサにより検出された力に応じて、前記負荷に反力を供給する力発生源;
前記負荷に前記軸に対する運動範囲を提供する順応ユニット;および、
前記力発生源から独立して制御される駆動ユニット、前記駆動ユニットは、前記負荷を前記軸の方向に駆動する、前記順応ユニットに結合されている。 - 前記軸が回転軸である、請求項28に記載の装置。
- 以下をさらに含む、請求項28に記載の装置:
ロックがロックされた状態にあるとき、前記運動範囲がある位置に固定するための前記ロック。 - 前記順応ユニットが前記運動範囲の各終端にストップを含んでいる、請求項28に記載の装置。
- 前記駆動ユニットが電動である、請求項28に記載の装置。
- 負荷を支持する装置は、以下を含む:
前記負荷を支持する支持構造物;
前記支持構造物に結合し、前記支持構造物に運動範囲を供給する順応ユニット、前記順応ユニットは、前記ロックが前記ロック状態にあるとき、前記運動範囲内の前記支持構造物の位置を維持するロックを含む;
ある方向に前記支持構造物を駆動させるよう、前記順応ユニットと結合された駆動ユニット、前記駆動ユニットは、前記ロックが前記ロック状態にあるとき、前記駆動ユニットが前記支持構造物を駆動した結果として、前記運動範囲がある位置を変える。 - 前記ロックが解除された状態にあるとき、前記駆動ユニットが前記ロックを駆動した結果として、前記運動範囲内の前記ロックの位置が変化し得る、請求項33に記載の装置。
- 前記順応ユニットが前記運動範囲の各終端にストップを含んでおり、前記ロックが前記ストップの間に配置される、請求項33に記載の装置。
- 前記ロックが前記ストップの1つに接触した場合に、前記駆動ユニットが、前記ロックが解除された状態で前記負荷を前記方向へ駆動する、請求項35に記載の装置。
- 前記駆動ユニットが電動ある、請求項33に記載の装置。
- 負荷を支持する装置、前記装置は以下を含む:
前記荷重を支持する支持構造物;
前記支持構造物に結合し、前記支持構造物に運動範囲を供給する順応シャフト、前記順応シャフトは、前記ロックがロック状態にあるとき、前記順応シャフトの位置に対応して前記支持構造物の位置を維持するロックを含む;および、
ある方向に前記支持構造物を駆動させるよう、前記ロックと結合されたアクチュエータ。前記アクチュエータは、前記ロックがロック状態にあるとき、前記アクチュエータが前記支持構造物を駆動した結果として、前記運動範囲がある位置を変える。 - 前記ロックが解除された状態にあるとき、前記アクチュエータが前記ロックを駆動した結果、前記運動範囲内の前記ロックの位置が変化し得る、請求項38に記載の装置。
- 前記順応ユニットが前記運動範囲の各終端にストップを含んでおり、前記ロックが前記ストップの間に配置される、請求項38に記載の装置。
- 負荷を支持する装置、前記装置は以下を含む:
前記荷重を支持する支持構造物;
前記支持構造物に結合し、前記支持構造物に運動範囲を供給する順応シャフト;
ある方向に前記支持構造物を駆動させるよう、前記順応シャフトと結合されたアクチュエータ。 - 負荷を支持する装置、前記装置は以下を含む:
前記荷重を支持する支持構造物;
ロックを通して前記支持構造物に結合し、前記支持構造物に運動範囲を供給する順応シャフト、前記ロックは、前記ロックがロックされた状態にあるとき、前記順応シャフトの位置に対して、前記支持構造物の位置を維持する;
ある方向に前記支持構造物を駆動させるよう、前記順応シャフトと結合されたアクチュエータ、前記アクチュエータは、前記ロックが前記ロック状態にあるとき、前記アクチュエータが前記支持構造物を駆動した結果として、前記運動範囲がある位置を変える。 - 前記順応ユニットが前記運動範囲の各終端にストップを含んでいる、請求項42に記載の装置。
- 前記アクチュエータが電動である、請求項42に記載の装置。
- ある方向に負荷を支持する装置、前記装置は以下を含む:
前記方向内の力を検出する力センサ、前記力は、前記負荷を前記方向へ導くことからもたらされる;
前記力センサにより検出された前記力に対応する反力を供給する力発生源;
前記方向内の前記負荷に運動範囲を供給する順応ユニット、前記順応ユニットはロックを含み、前記ロックは、前記ロックがロック状態にあるとき、前記運動範囲内の前記ロックの位置を固定する;および;
前記ロックが前記ロック状態にあるとき、前記負荷を前記方向に駆動する前記順応ユニットに結合された、前記力供給源と独立して制御される駆動ユニット。 - 前記ロックが解除された状態にあるとき、前記駆動ユニットが前記ロックを駆動した結果として、前記運動範囲内の前記ロックの位置が変化し得る、請求項45に記載の装置。
- 前記ロックが解除された状態にあり、さらに前記負荷が前記方向において実質的に無荷重であるとき、前記ロックを駆動する前記駆動ユニットにより、前記運動範囲内の前記ロックの前記位置が変化し得る、請求項45に記載の装置。
- 前記順応ユニットが前記運動範囲の各終端にストップを含んでいる、請求項45に記載の装置。
- 前記駆動ユニットが電動である、請求項45に記載の装置。
- 垂直方向において負荷を操作する装置、前記装置は以下を含む:
前記垂直方向内の力を検出する力センサ、前記力は、前記負荷を前記方向へ導くことからもたらされる;
前記力センサにより検出された前記力に応答して、前記負荷に対する反力を供給する力発生源;
前記垂直方向内の前記負荷に運動範囲を供給する順応ユニット、前記順応ユニットはロックを含み、前記ロックは、前記ロックがロック状態にあるとき、前記運動範囲内の前記ロックの位置を固定する;および、
前記ロックが前記ロック状態にあるとき、前記垂直方向内で前記負荷を駆動する、前記力供給源と独立して制御される駆動ユニット。 - 前記順応ユニットが前記運動範囲の各終端にストップを含んでおり、前記ロックが前記ストップの間に配置される、請求項50に記載の装置。
- 前記ロックが前記ストップの1つに接触する場合に、前記駆動ユニットが、前記ロックが解除された状態で前記負荷を前記垂直方向に駆動する、請求項51に記載の装置。
- 前記駆動ユニットが電動である、請求50に記載の装置。
- テストヘッドマニピュレータ内に保持される電子テストヘッドを、電子装置ハンドラへドッキングする方法、前記方法は以下のステップを含む:
前記テストヘッドマニピュレータの複数の運動軸のうちの少なくとも1つに沿う、もしくはその周りの、アンバランス力の大きさを測定すること;および、
前記アンバランス力が実質的にゼロとなるまで、前記アンバランス力に反力を供給すること。 - 電子テストヘッドを、電子装置ハンドラへドッキングする方法、前記方法は以下のステップを含む:
前記テストヘッドの複数の運動軸のうちの少なくとも1つに沿う、もしくはその周りの、アンバランス力の大きさを測定すること;
前記アンバランス力が実質的にゼロとなるまで、前記アンバランス力に反力を供給すること;および、
前記反力が適用されている間、前記装置ハンドラに対して、前記テストヘッドをドッキング位置へと移動させること。 - テストヘッドマニピュレータ内に保持される電子テストヘッドを、電子装置ハンドラへドッキングする方法、前記方法は以下のステップを含む:
前記テストヘッドの複数の運動軸のうちの少なくとも1つに沿う、アンバランス力を測定すること;
前記アンバランスに反力を供給すること;および、
前記反力が適用されている間、前記装置ハンドラに対する、ドッキング位置に向かって前記テストヘッドを移動させること。 - テストヘッドを、ハンドラへドッキングする方法、前記方法は以下のステップを含む:
前記テストヘッドの複数の運動軸のうちの少なくとも1つに沿う、アンバランス力を測定すること;
前記アンバランスに反力を供給すること;および、
前記テストヘッドと前記ハンドラの1つに取付けられた複数の整列構造のうちの少なくとも1つを、前記テストヘッドと前記ハンドラの他方に取付けられた整列受けの少なくとも1つに整列すること、前記整列ステップは、前記反力が供給されている間に達成される。 - テストヘッドを、装置ハンドラでドッキングする方法、前記方法は以下のステップを含む:
以下を含む装置を提供すること:
コントローラ、
コントローラによって制御されるアクチュエータを有し、インタフェース平面を形作るドッキング装置、
以下を有するテストヘッドマニピュレータ:
テストヘッドが、インタフェース平面に対して装置ハンドラと平面化することを可能にする、2度以上の運動、
インタフェース平面に垂直な軸に沿って、テストヘッドを移動可能にするコントローラにより制御される運動の、1つ以上の駆動軸;
テストヘッドをドッキング準備完了位置へ操作すること;
テストヘッドを平面化すること;
テストヘッドを前記軸に沿って、作動準備完了位置へ駆動すること;および、
テストヘッドを完全ドッキング完了位置へ引くために、アクチュエータを操作すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項58に記載の方法:
完全ドッキング完了位置にあるとき、テストヘッドをラッチすること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項58に記載の方法:
テストヘッドが完全ドッキング完了位置にあるとき、駆動軸をロックすること。 - 前記2以上の自由度に対応する1つ以上の軸がバランスしている、請求項58に記載の方法。
- 前記2以上の自由度に対応する1つ以上の軸が順応している、請求項58に記載の方法。
- 前記2以上の自由度に対応する1つ以上の軸が、コントローラによって駆動および制御されている、請求項58に記載の方法。
- 1以上の駆動軸が順応する、請求項58に記載の方法。
- 1以上の駆動軸がバランスする、請求項58に記載の方法。
- 1以上のバランスした軸が、バランジングユニットによってバランスをとられている、請求項61に記載の方法。
- 1以上のバランスした軸が、バランジングユニットによってバランスをとられる、請求項65に記載の方法。
- テストヘッドを装置ハンドラでドッキングする方法、前記方法は以下のステップを含む:
以下を含む装置を提供すること:
コントローラ、
インタフェース平面を形作るドッキング装置、
以下を有するテストヘッドマニピュレータ:
テストヘッドが、インタフェース平面に対して装置ハンドラと平面化することを可能にする、2度以上の運動、
インタフェース平面に垂直な軸に沿って、テストヘッドを移動可能にするコントローラにより制御される、1つ以上の駆動軸;
テストヘッドをドッキング準備完了位置へ操作すること;
テストヘッドを平面化すること;および、
テストヘッドを前記軸に沿って、完全ドッキング完了位置へ駆動すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項68に記載の方法:
完全ドッキング完了位置にあるとき、ドックをラッチすること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項68に記載の方法:
テストヘッドが完全ドッキング完了位置にあるとき、駆動軸をロックすること。 - 前記2以上の自由度に対応する1つ以上の軸がバランスされている、請求項68に記載の方法。
- 前記2以上の自由度に対応する1つ以上の軸が順応している、請求項68に記載の方法。
- 前記2以上の自由度に対応する1つ以上の軸が、コントローラによって駆動および制御されている、請求項68に記載の方法。
- 1以上の駆動軸が順応している、請求項68に記載の方法。
- 1以上の駆動軸がバランスしている、請求項68に記載の方法。
- 1以上のバランスした軸が、バランジングユニットによってバランスをとられている、請求項71に記載の方法。
- 1以上のバランスした軸が、バランジングユニットによってバランスをとられている、請求項75に記載の方法。
- 以下のステップをさらに含む、請求項54に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記反力を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項54に記載の方法:
前記反力の量を記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項54に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記反力を再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項54に記載の方法:
空気圧シリンダで、前記反力を適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項81に記載の方法:
前記反力を発生させる空気圧を測定し、記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項81に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記空気圧シリンダに適用された空気圧を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項81に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記空気圧シリンダへの空気圧を回復および再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項55に記載の方法:
テストヘッドがドッキングされている間、前記反力を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項55に記載の方法:
前記反力の量を記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項55に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記反力を再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項55に記載の方法:
空気圧シリンダで、前記反力を適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項88に記載の方法:
前記反力を発生させる空気圧を測定し、記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項88に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記空気圧シリンダに適用された空気圧を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項88に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記空気圧シリンダへの空気圧を回復および再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項56に記載の方法:
テストヘッドがドッキングされている間、前記反力を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項56に記載の方法:
前記反力の量を記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項56に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記反力を再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項56に記載の方法:
空気圧シリンダで、前記反力を適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項95に記載の方法:
前記反力を発生させる空気圧を測定し、記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項95に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記空気圧シリンダに適用された空気圧を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項95に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記空気圧シリンダへの空気圧を回復および再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項57に記載の方法:
テストヘッドがドッキングされている間、前記反力を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項57に記載の方法:
前記反力の量を記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項57に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記反力を再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項57に記載の方法:
空気圧シリンダで、前記反力を適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項102に記載の方法:
前記反力を発生させる空気圧を測定し、記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項102に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記空気圧シリンダに適用される空気圧を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項102に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記空気圧シリンダへの空気圧を回復および再適用すること。 - ロックをさらに含み、前記ロックは、前記ロックがロックされた状態にあるとき、前記力発生源に対する前記負荷の運動に抵抗する請求項1に記載の装置。
- ロックをさらに含み、前記ロックは、前記ロックがロックされた状態にあるとき、前記力発生源に対する前記負荷の運動に抵抗する請求項4に記載の装置。
- 以下のステップをさらに含む、請求項66に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項66に記載の方法:
前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供された反力の量を記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項66に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力を再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項66に記載の方法:
前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力を、空気圧シリンダで適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項111に記載の方法:
前記反力を発生させる空気圧を測定し、記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項111に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記空気圧シリンダに適用される空気圧を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項111に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記空気圧シリンダへの空気圧を回復および再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項67に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供された反力を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項67に記載の方法:
前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供された反力の量を記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項67に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供された反力を再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項67に記載の方法:
前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより供給される反力を、空気圧シリンダで適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項118に記載の方法:
前記反力を発生させる空気圧を測定し、記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項118に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記空気圧シリンダに適用される空気圧を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項118に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記空気圧シリンダへの空気圧を回復および再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項76に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項76に記載の方法:
前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力の量を記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項76に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力を再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項76に記載の方法:
前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力を、空気圧シリンダで適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項125に記載の方法:
前記反力を発生させる空気圧を測定し、記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項125に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記空気圧シリンダに適用される空気圧を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項125に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記空気圧シリンダへの空気圧を回復および再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項77に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項77に記載の方法:
前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力の量を記録するに記載。 - 以下のステップをさらに含む、請求項77に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力を再適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項77に記載の方法:
前記1つ以上のバランス軸をバランスさせる、前記バランジングユニットにより提供される反力を、空気圧シリンダで適用すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項132に記載の方法:
前記反力を発生させる空気圧を測定し、記録すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項132に記載の方法:
前記テストヘッドがドッキングされている間、前記空気圧シリンダに適用される空気圧を維持すること。 - 以下のステップをさらに含む、請求項132に記載の方法:
前記テストヘッドをドッキング解除する前に、前記空気圧シリンダへの空気圧を回復および再適用すること。
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