JP2004523366A - 液体金属を収集容器から受容容器に輸送する装置 - Google Patents

Abstract

液体金属を収集容器（９）から受容容器（１）へ輸送するための装置であって、該装置は、ａ）金属を導入する口部（４）を備えた取鍋（１）形状の受容容器と、ｂ）液体金属を収集容器（９）から取鍋（１）へ輸送する手段（８）であって、該手段（８）が、漏れ防止可能に取鍋の口部と係合でき、液体輸送ダクト（１１）と接続する第１開口部（１４）と、減圧する手段（１７、１８）が接続される少なくとも１つの第２開口部（１６）と、を有する蓋部（７）を含む当該輸送手段（８）と、ｃ）蓋部（７）が取鍋（１）の口部（４）に係合し輸送ダクト（１１）が収集容器（９）内に浸漬される位置と、蓋部が取鍋（１）の口部（４）から離脱する位置と、の間を輸送手段（８）が移動するために配置したハンドリング手段（２０）と、を含んでいる。

Description

【０００１】
本発明は、鋳造技術の分野で用いられる液体金属を、２つの離れた容器の間を輸送するのに適した装置に関する。
【０００２】
鋳造工程では、液状の金属を、例えば、精錬炉又は中間容器から取鍋へ、のように２つの異なる位置の間で輸送して、取鍋から鋳造用鋳型、鋳塊鋳型、又はタンディッシュのような別の作動装置に金属を傾注する必要がしばしばある。
【０００３】
さらに、金属の傾注及び輸送の種々の操作中に、金属を上記の作動装置に供給する前に金属の脱ガスを備える必要がある。
【０００４】
本発明の目的は、特に、金属を、液体状態で、２つの位置の間にそれらの配置とは関係なく容易に輸送できて、時間や分量の制限がなく、傾注した金属に脱ガス機能を結合できる別の利点があり、続いて受容容器（receiving container）内へ金属を移す装置を提供することである。
【０００５】
本発明の別の目的は、輸送時間と、さらに輸送中に必ず生じる熱損失と、を少なくできる装置を提供することである。
【０００６】
上記の目的のために、本発明は、液体金属を収集容器（collection container）から受容容器へ輸送する装置であって、該装置は、
金属を導入する口部を備えた取鍋形状の受容容器と、
液体金属を収集容器から取鍋へ輸送する手段であって、該手段が漏れ防止可能に取鍋の口部と係合でき、液体輸送ダクトと接続する第１開口部と、減圧する手段が接続される少なくとも１つの第２開口部と、を有する蓋部を含む輸送手段と、
蓋部が取鍋の口部に係合し輸送ダクトが収集容器内に浸漬する位置と、蓋部が取鍋の口部から離脱する位置と、の間を輸送手段が移動するために配置したハンドリング手段と、を備えている。
【０００７】
本発明に係る装置の別の特徴及び細部は、限定しない単なる例示として提供された添付の図面を参照して、以下の詳細な説明により明瞭になるだろう。
【０００８】
図面を参照して、鋳造工程で従来使用されている種類の取鍋は、通常は符号１で示すが、外部金属構造体２と耐火物の内張り３とを含んでいる。把握又は係合の手段が、取鍋１の外部壁に取付けられて、従来の方法によって取鍋１を取扱って、そこに入っている液体金属を作動装置内に傾注する。
【０００９】
取鍋１は、液体金属を導入する上側口部４を有しており、任意で、蓋部７据付け用の漏れ防止座部を規定する環状の上部表面６を備えた環状結合フランジ５を有している。従来の取鍋１を、これは、一般に漏れ防止するように密閉して配置されていないが、上記の蓋部７又は同等の封止手段を受容するように適応させるために、フランジ５又は漏れ防止用の蓋部７と協働するのに適した類似の手段を用いてもよい。
【００１０】
液体金属を、例えば、精錬炉により構成された収集容器９から取鍋１へ輸送する手段は、通常は符号８で示される。この手段は、上記の蓋部７を含み、該蓋部７は、好ましくは、気密的に取鍋１の口部を封止するために口部と協働する封止材１０を有する。
【００１１】
サイフォン状の金属輸送ダクト１１は、蓋部７と接続しており、収集容器９の液体金属内に浸漬される自由端１２と、蓋部７の開口部１４に取付けられた他端１３と、を有する。蓋部７は、少なくとも１つの第２開口部１６を備えており、その第２開口部には、真空ポンプ１８及び減圧バルブ１９と連通している吸引ダクト１７が挿通されている。
【００１２】
輸送手段８は、例えば、関節アーム２１及び空気ジャッキ２３付きの昇降装置２２を含むハンドリング手段２０と結合しており、昇降装置２２が、蓋部７に接続して輸送手段８を持ち上げて、取鍋１の口部４上および収集容器９内に位置決めできるようになっている。
【００１３】
液体輸送工程を行うために、ハンドリング手段２０によって、ダクト１１の端部１２を収集容器９内の液体金属に浸漬し、蓋部７を取鍋１の口部４上の気密的係合位置に運搬する。
【００１４】
図２は、完成した配置を示す。この時点で、取鍋１内部を減圧するシステムは、容器９から取鍋１へ液体が輸送されるように作動させる。液体の輸送が完了すると、バルブ１９を開放して常圧状態を回復し、そして、この時点で、輸送手段８を移動させて操作領域外に搬出する。
【００１５】
電極２４を蓋部７に接続して、金属の存在及び液面の高さを検出するセンサーとして機能させてもよいことは有利である。有利な点は、これらのセンサーは、電極２４で発生した信号を受信するように配置された調節操作ユニットと接続してもよく、信号は、取鍋１内に液体金属の存在することを示し、ユニットは、液体の液面高さが所定の値まで達すると、液体の輸送を中止し減圧発生装置の作動を中止する。
【００１６】
また、補助的な安全バルブ２５もダクト１１に接続して、輸送や注湯の作業中に溶融金属から発生して取鍋１内を過剰の圧に上昇させる気体を、外部に排気するように配置することは、好都合である。
【００１７】
本発明の装置は、時間と輸送する液体の分量とを実質的に制限せずに、どのような望ましい収集容器９からも、いくつかの収集容器からも、液体を輸送できる。
【００１８】
本発明の装置が、液体の輸送に続いて、脱ガス操作を行うようにすることができることは有利である。この目的のために、脱ガスするための気体排気用のダクト２６と、上述した真空ポンプ１８と接続したダクト１７と、を備えた予備の蓋部７ａ（図３）を、取鍋１に取付けることができる。
【００１９】
脱ガス操作は、気密的に取鍋１の口部を封止し、取鍋１の底部に配置されて気体放出体として機能するセラミックス材料の多孔質隔壁２８に接続した吹込みダクト２７を通して不活性ガスを供給することにより行うことができる。脱ガス操作は、不活性ガスの吹込みと、それと同時に減圧することと、により行われる。予備の蓋部７ａも同様に、上述のハンドリング手段２０、２１、及び２２に接続することができる。
【００２０】
上記の条件で行われる脱ガス操作により、スラグの性質がかなり改善されるので、この操作中に、金属浴を溶融塩によって保護する必要がないことが明らかになった。
【００２１】
同様の脱ガス操作は、予備の蓋部７ａを使用しないで、その代わりに上記の蓋部７を使用して行うことができ、蓋部７には、脱ガスするための気体排気用のダクト２６が接続され、このダクトは、液体輸送操作中に閉止する開閉弁を備えている。この場合は、ダクト１１又は蓋部７の開口部１４に開閉弁を接続して、脱ガス動作中に閉止するようにする。
【００２２】
特に本発明に係る装置は、液体輸送と脱ガス操作のための実用的かつ有利な操業柔軟性を有することができる。さらに、この装置は、簡単な取付作業により、従来利用されている取鍋に取付けることができる。
【００２３】
当然ながら、本発明の本質が同じである限り、実施の形態と詳細な構造は、限定しない例示によって説明され図解されたことに関して、添付の特許請求の範囲から逸脱せずに広く変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】装置の概略図である。
【図２】液体輸送段階で操作中の図１の装置の概略図である。
【図３】補助的な脱ガス段階の装置の概略図である。

Claims (7)

1. 液体金属を収集容器（９）から受容容器（１）へ輸送するための装置であって、該装置は、
   金属を導入する口部（４）を備えた取鍋（１）形状の受容容器と、
   液体金属を収集容器（９）から取鍋（１）へ輸送する手段（８）であって、該手段（８）が、漏れ防止可能に取鍋の口部と係合でき、液体輸送ダクト（１１）と接続する第１開口部（１４）と、減圧する手段（１７、１８）が接続される少なくとも１つの第２開口部（１６）と、を有する蓋部（７）を含む当該輸送手段（８）と、
   蓋部（７）が取鍋（１）の口部（４）に係合し輸送ダクト（１１）が収集容器（９）内に浸漬される位置と、蓋部が取鍋（１）の口部（４）から離脱する位置と、の間を輸送手段（８）が移動するために配置したハンドリング手段（２０）と、を含んでいる装置。
2. ハンドリング手段（２０）が、蓋部（７）と結合するために空気ジャッキ（２３）付きの昇降装置（２２）を含んでいる請求項１に記載の装置。
3. ハンドリング手段（２０）が、昇降装置（２２）を支持する旋回可能なアーム（２１）を含んでいる請求項１又は２に記載の装置。
4. ガス吹込み手段（２７、２８）が、取鍋（１）に備えられて、取鍋（１）の底部領域に配置されて、取鍋（１）内に含まれた金属浴に不活性ガスを供給できるようにされている請求項１ないし３のいずれかに記載の装置。
5. ガス吹込み手段が、多孔質セラミックス隔壁（２８）を含む放出部材に接続されたガス供給ダクト（２７）を含んでいる請求項４に記載の装置。
6. 取鍋（１）の口部（４）を気密的に封止し、減圧する手段及び少なくとも１つの気体排出ダクト（２６）を接続した予備蓋部（７ａ）を含む請求項１ないし５のいずれかに記載の装置。
7. 蓋部（７、７ａ）は、
   取鍋（１）内に輸送した液体金属の液面高さを示す信号を発生するように配置した液面検出手段（２４）と、
   液面検出手段（２４）と機能的に結合して液面検出手段（２４）からの金属の液面高さを示す信号を受信し、取鍋（１）内の液面高さが所定の値に達すると減圧を中止するように配置した調節操作ユニットと、を接続している請求項１ないし６のいずれかに記載の装置。