JP2004523245A - 三重螺旋相互作用によるターゲット二本鎖dna配列の精製及び検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は三重螺旋型の構造を形成することが可能な新規ターゲットDNA配列と、DNAの新規精製方法に関する。より詳細には、本発明の精製方法はターゲットDNA配列とオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを利用する。本発明の方法は医薬品質の二本鎖DNAを高収率で精製することができるので特に有用であることが判明した。
【0002】
本発明は前記特定ターゲット配列を含むDNA分子を検出、定量、単離又は選別するための新規方法にも関する。
【0003】
本発明の精製方法は主に特定ターゲットDNA配列と天然又は修飾塩基から構成されるオリゴヌクレオチドの三重螺旋相互作用に基づく。
【背景技術】
【0004】
ホモピリミジンオリゴヌクレオチドはDNA二重螺旋の大きな溝で特異的に相互作用し、三重螺旋と呼ばれる三本鎖構造を局所的に形成できることが示されている(Moserら,Science 238(1987)645;Povsizら,J.Am.Chem.111(1989)3059)。これらのオリゴヌクレオチドはオリゴプリン−オリゴピリミジン配列即ち一方の鎖にオリゴプリン配列をもち、相補鎖にオリゴピリミジン配列をもつ領域でDNA二重螺旋を選択的に認識し、そこに局所的に三重螺旋を形成する。第3のホモピリミジンオリゴヌクレオチド鎖の塩基はワトソン−クリック塩基対のプリンと共に水素結合(フーグスティーン型結合)を形成する。
【0005】
同様に、ホモプリンオリゴヌクレオチドとホモプリン−ホモピリミジン二本鎖DNAの間にも三重螺旋型の構造を形成することができる。この種の構造では、オリゴヌクレオチドのプリン塩基は二本鎖DNAのプリン塩基と逆フーグスティーン型結合を形成する。
【0006】
これらの部位特異的三重螺旋相互作用は特にLooneyら(Science 241(1988)456)やHeleneら(BBA 1049(1990)99;WO95/18223)により利用されており、前者は所定遺伝子の発現を調節するために利用しており、後者はプロモーター又はコーディング領域に存在するターゲット配列とオリゴヌクレオチド間の三重螺旋構造の形成を記載しており、開始及び/又は伸長レベルで恐らくRNAポリメラーゼの阻害作用によりこれらの遺伝子の発現プロフィルを調節できるとしている。
【0007】
DNA分子を他の成分と混合した複合混合物からプラスミドDNAを精製するためにこの種の三重螺旋相互作用を利用することもプラスミドDNAの精製に関して国際出願WO96/18744に記載されている。より詳細には、同出願はターゲットDNAの特定配列とハイブリダイゼーションにより三重螺旋を形成することが可能なオリゴヌクレオチドを共有結合した担体に複合混合物を接触させることからなる二本鎖DNAの精製方法を記載している。
【0008】
精製を目的としたこの三重螺旋型特異的相互作用では、特異性はオリゴヌクレオチドから構成される第3鎖のチミン(T)塩基と二本鎖DNAのAT塩基対の間のフーグスティーン型水素結合により対合し、T*ATトライアドを形成することに起因する。同様に、第3鎖に配置されたプロトン化シトシンは二本鎖DNAのGC塩基対と対合し、+C*GCトライアドを形成する(Sunら,Curr.Opin Struc Biol.3(1993)345)。これらのT*AT及び+C*GCトライアド(カノニカルトライアドと言う)は三重螺旋の最大安定性を確保することが従来認められている。しかし、三重螺旋の安定化には例えばシトシンの百分率、pH、媒質の塩度及び三重螺旋の環境等の多数の他の因子も関わっている。所謂非カノニカル(即ちT*AT及び+C*GCトライアドとは異なる)トライアドを導入すると三重螺旋のレベルに相当の構造変形を生じ、必然的に相当不安定になることも広く記載されている。更に、各種非カノニカルトライアドの導入も比較試験の範囲で検討されており(Robertsら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,9397;Fossellaら,(1993)Nucleic Acids Research 21,4511;Goversら,Nucleic Acids Research(1997)25,3787)、導入した非カノニカルトライアドの種類に応じて三重螺旋の不安定化が変動することも分かっている。
【0009】
この方法は医薬品質のターゲットDNAを迅速且つ効率的に精製することができるが、精製しようとするDNAの2鎖の一方に十分長い配列、好ましくは完全なホモプリン配列が存在している必要があり、更にこの配列は第3のDNA鎖に相補的でなければならない。この配列は精製が所望されるターゲット二本鎖DNA配列に天然に存在するものでもよいし、人工的に挿入してもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは非カノニカルトライアドの形成をもたらすオリゴヌクレオチドの塩基と相補的ではない塩基が存在するにも拘わらず、主にプリン塩基から構成されないターゲットDNA配列を一方の鎖にもつDNA分子が第3のDNA鎖と安定な三重螺旋構造を形成できることを今般意外にも発見した。
【0011】
より詳細に説明すると、本発明者らが新規に同定したターゲット二本鎖DNA配列は所定数のピリミジン塩基を割り込ませたホモプリン配列を一方の鎖に含む。本発明者らはこれらの不完全なホモプリン−ホモピリミジンDNA配列を使用すると、これらの配列を含むDNA分子を三重螺旋相互作用により効率的に精製できることも発見した。
【0012】
新規に同定された配列は更に、これらの配列を含むDNA分子を検出、定量、単離又は選別するのにも特に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本発明は一般式:
5’−(R)n−(N)t−(R’)m−3’
(式中、RとR’はプリン塩基のみから構成されるヌクレオチド配列を表し、nとmは8以下の整数であり、n+mの和は6以上であり、Nはプリン塩基とピリミジン塩基の両者を含むヌクレオチド配列であり、tは7以下の整数である)をもつ配列を一方の鎖に含む新規ターゲットDNA配列に関し、前記DNA配列は第3のDNA鎖と相互作用して三重螺旋を形成することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
従って、ターゲットDNA配列の夫々5’及び3’部分に位置するホモプリン配列R及びR’は全長6以上である。これらの配列はT*AT及び+C*GCカノニカルトライアドから構成される三重螺旋構造を形成するために第3鎖と相互作用することが可能なアデニン及びグアニン塩基を含む。ホモプリン配列R及びR’は少なくとも合計2個のグアニンと少なくとも2個のアデニンを含むことが好ましい。これらのプリン配列は(AAG)型のモチーフを含むことが更に好ましい。
【0015】
中心配列Nの長さtはプリン及びピリミジン塩基対7以下であり、本発明によると、非カノニカルトライアドを形成するために第3のDNA鎖と相互作用することが可能である。中心配列Nの長さは1以上7以下が好ましい。中心配列Nの長さは2以上7以下がより好ましい。
【0016】
「カノニカルトライアド」なる用語は二本鎖DNAのAT及びGCダブレットがT及び+C塩基と相互作用して夫々T*AT及び+C*GCトライアドとなる2個のヌクレオチドトライアドを意味する。これらの2個のトライアドは16個の既存トライアドのうちで最大の安定性をもつ。
【0017】
「非カノニカルトライアド」なる用語は他の14個のヌクレオチドトライアドを意味する。これらのトライアドは二本鎖DNAと第3のDNA鎖の非特異的な相互作用により形成され、T*AT及び+C*GCカノニカルトライアドよりも安定性が低い。夫々ターゲット配列のCG又はGCダブレットと第3鎖のチミン(T)の相互作用により形成されるT*CG及びT*GC非カノニカルトライアド、ターゲット配列のCGダブレットと第3鎖のグアニン(G)の相互作用により形成されるG*CG非カノニカルトライアド、夫々ターゲット配列のAT及びTAダブレットと第3鎖に配置されたシトシン(C)の相互作用により形成されるC*AT及びC*TA非カノニカルトライアド、CGダブレットと第3鎖のグアニン(G)の相互作用により形成されるG*CG非カノニカルトライアド、又はTAダブレットと第3鎖のチミン(T)の相互作用により形成されるT*TAを特に挙げることができる。
【0018】
当然のことながら、5’及び3’プリン末端と同様に、中心配列Nも夫々AT及びGCダブレットと第3のDNA鎖に配置されたチミン(T)及びシトシン(C)塩基の相互作用によりT*AT及び+C*GCカノニカルトライアドを形成することができる。
【0019】
中心配列Nは最大6個の非カノニカルトライアドを形成するプリン及びピリミジン塩基を含むことが好ましい。中心部分とオリゴヌクレオチドの相互作用により形成される非カノニカルトライアドはT*CG、T*GC、C*AT及びC*TA非カノニカルトライアドから選択されることが好ましい。これらのトライアドの好適分布例としては、1個のC*ATと1個のC*TAと2個のT*CGと2個のT*GCを含む6個の非カノニカルトライアドの形成、2個のC*ATと3個のT*CGを含む5個の非カノニカルトライアドの形成、又は2個のT*GCと1個のC*ATを含む3個の非カノニカルトライアドの形成が挙げられる。数個のT*TA非カノニカルトライアドが存在していてもよいが、この場合には三重螺旋に連続して配置されない。
【0020】
中心配列はT*CG及びC*TA又はG*TA非カノニカルトライアドを形成する最大3個のC又はTピリミジン塩基を含むことが好ましい。3個のピリミジン塩基は連続せず、第3のDNA鎖と相互作用してT*CG及びC*AT非カノニカルトライアドとT*AT及び+C*GCカノニカルトライアドを形成することができるA又はGプリン塩基により分離されていることが好ましい。
【0021】
本発明の1特定態様によると、ターゲット二本鎖DNA配列は配列5’−AA GAA GCA TGC AGA GAA GAA−3’(配列番号1)である。
【0022】
本発明の二本鎖DNA配列と相互作用することが可能な第3のDNA鎖は例えばオリゴヌクレオチド又は局所非対合状態の別の二本鎖DNAの鎖とすることができ、以下の塩基を含むことができる。
−ターゲット二本鎖DNA配列のATダブレットとT*ATカノニカルトライアドを形成すると共に、ターゲットDNA配列の夫々CG及びGCダブレットとT*CG及びT*GC非カノニカルトライアドを形成することが可能なチミン(T)(Soyferら,in Triple Helical Nucleic Acids(1996)Springer,New York,pp.151−193);
−二本鎖DNAのTAダブレットとG*TAトライアドを形成することが可能なグアニン(G)(Soyferら,in Triple Helical Nucleic Acids(1996)Springer,New York,pp.151−193);
−ターゲット二本鎖DNAの夫々GC、AT及びTAダブレットと+C*GC(プロトン化
シトシン+C)又はC*AT及びC*TA非カノニカルトライアドを形成することが可能なシトシン(C);並びに
−ターゲット配列のAU又はAT塩基対とトリプレットを形成することが可能なウラシル(Batesら,Nucleic Acids Research 23(1995)3627)。
【0023】
使用する第3のDNA鎖はシトシンリッチなホモピリミジン配列を含むことが好ましく、シトシンは酸性pHでプロトン化状態で存在しており、三重螺旋を安定化する。このようなオリゴヌクレオチドは例えば(CCT)n配列、(CT)n配列又は(CTT)n配列を含むことができ、ここでnは1〜20の整数である。(CT)nもしくは(CTT)n型の配列、又は(CCT)、(CT)もしくは(CTT)モチーフを結合した配列を使用すると特に有利である。
【0024】
第3のDNA鎖がオリゴヌクレオチドとして存在している場合には、天然でもよいし(即ち未修飾天然塩基から構成されていてもよいし)、化学的に修飾されていてもよい。特に、オリゴヌクレオチドはヌクレアーゼに対して耐性にするかもしくは保護するか又は特定配列に対するその親和性を高めるように所定箇所を化学修飾されていると有利である。
【0025】
本発明によると、「オリゴヌクレオチド」なる用語はヌクレアーゼ耐性を高める目的で主鎖を修飾した任意ヌクレオシド鎖を意味する。可能な修飾としては、DNAと三重螺旋を形成することが可能なホスホロチオエートオリゴヌクレオチド(Xodoら,Nucleic Acids Research,22(1994)3322)と、ホルムアセタール又はホスホン酸メチル主鎖をもつオリゴヌクレオチド(Matteucciら,J.Am.Chem.Soc.,113(1991)7767)が挙げられる。同様にDNAと三重螺旋を形成することができるヌクレオチドのαアノマーと合成したオリゴヌクレオチドを使用することも可能である(Le Doanら,Nucleic Acids Research,15(1987)7749)。主鎖の別の修飾はホスホロアミダイト結合である。例えばGryaznovら(J.Am.Chem.Soc.,116(1994)3143)により記載されているホスホロアミダイトN3’−P5’ヌクレオチド間結合が挙げられ、DNAと特に安定な三重螺旋を形成するオリゴヌクレオチドが得られる。他の主鎖修飾としては、リボヌクレオチド、2’−O−メチルリボース、又はホスホジエステルの使用も挙げることができる(Sunら,Curr.Opinion in Struct.Biol.,3(1993)3143)。更に、リン主鎖をPNA(ペプチド核酸)のようにポリアミド主鎖で置換しても三重螺旋を形成することができる(Nielsenら,Science,254(1991),1497;Kimら,J.Am.Chem.Soc.,115(1993)6477−6481)。
【0026】
第3鎖のチミンを5−ブロモウラシルで置換してもよく、それによってDNAに対するオリゴヌクレオチドの親和性を増すことができる(Povsicら,J.Am.Chem.Soc.,111(1989)3059)。第3鎖は更に非天然塩基を含んでいてもよく、例えば7−デアザ−2’−デオキシキサントシン(Milliganら,Nucleic Acids Res.,21(1993)327)、1−(2−デオキシ−α−D−リボフラノシル)−3−メチル−5−アミノ−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(Kohら,J.Am.Chem.Soc.,114(1992)1470)、8−オキソアデニン、2−アミノプリン、2’−O−メチルプソイドイソシチジン又は当業者に公知の他の任意修飾(Sunら,Curr.Opinion in Struct.Biol.,3(1993)345)が挙げられる。
【0027】
第3鎖の他の修飾の目的は、特に第3鎖と特定配列の相互作用及び/又は親和性を改善することである。特に、本発明の完全に有利な修飾はオリゴヌクレオチドの5位シトシンのメチル化である。こうしてメチル化したオリゴヌクレオチドは中性に近いpH範囲(≧5;Xodoら,Nucleic Acids Research 19(1991)5625)で特定配列と安定な三重螺旋を形成する優れた特性をもつ。従って、従来技術のオリゴヌクレオチドよりも高いpH、即ちプラスミドDNAの分解の危険が非常に少ないpHで操作することが可能になる。
【0028】
長さは相互作用の所望選択性及び安定性に応じて当業者により個別的に調整することができる。
【0029】
本発明の第の3DNA鎖は任意公知方法により合成することができる。特に、核酸合成器により製造することができる。当業者に公知の他の任意方法も当然使用できる。
【0030】
これらの第3のDNA鎖又はこれらのオリゴヌクレオチドは上述のように両側を2個のホモプリン領域R及びR’で挟まれた7ヌクレオチド長以下の混合(ピリミジン−プリン)内部領域Nを含む特定二本鎖DNA配列と三重螺旋を形成することができる。このようなホモプリン領域は例えばGAA型モチーフを含むことができる。
【0031】
例えば、以下の配列:
【0032】
【化1】
から選択される配列を含むオリゴヌクレオチドと三重螺旋を形成することが可能な配列5’−AA GAA GCA TGC AGA GAA GAA−3’(配列番号1)に対応するターゲット二本鎖DNA配列を挙げることができる。
【0033】
三重螺旋の形成は場合によりこの構造の安定化を助長し得るMg2+イオンの存在下に得ることができる(Vasquezら,Biochemistry 34(1995)7243;Bealら,Science 251(1991)1360)。
【0034】
1好適態様によると、本発明のターゲットDNA配列は二本鎖DNAに天然に存在するものとすることができ、その場合には例えば治療又は実験用遺伝子やマーカー遺伝子等の目的遺伝子の配列中に存在するこのような配列と三重螺旋を形成することが可能なオリゴヌクレオチドを使用すると特に有利である。この点では、本発明者らは種々の目的遺伝子のヌクレオチド配列を分析し、(CTT)n型のオリゴヌクレオチドとの三重螺旋相互作用の安定性を試験した処、これらの遺伝子の所定領域はT*CG、T*GC、C*AT、C*TA及びT*TA等の非カノニカルトライアドの存在にも拘わらず安定な三重螺旋を形成することを示すことができた。
【0035】
二本鎖DNAに天然に存在する配列としては、ヒトFGF1遺伝子(Jayeら,Science 233(1986)541)の配列に存在する配列5’−AA GAA GCA TGC AGA GAA GAA−3’(ID1と言う)(配列番号1)、凝血に関与するIX因子をコードするヒト遺伝子(Kurachiら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.79(1982)6461)の配列5’−GAA GAA GCA CGA GAA G−3’(配列番号6)、分泌アルカリホスファターゼSeAP遺伝子(Millanら,J.Biol.Chem.,261(1986)3112)の配列5’−AAA GAA AGC AGG GAA G−3’(配列番号7)及び5’−GAA GAG GAA GAA G−3’(配列番号8)、ヒトα−フェトプロテインhαFP遺伝子(Gibbsら,Biochemistry 26(1987)1332)の配列5’−AAG GAG AAG AAG AA−3’(配列番号9)、再狭窄を抑制するヒトGAX遺伝子(Gorskiら,Mol.Cell.Biol.,13(1993)3722)の配列5’−AA GAT GAG GAA GAA G−3’(配列番号10)、並びにヒトVEGFB−167遺伝子(Olofssonら,J.Biol.Chem.,271(1986)19310)の配列5’−GGC AAC GGA GGA A−3’(配列番号13)を挙げることができる。治療又は実験用遺伝子に存在する配列と三重螺旋を形成すると、ターゲット配列は二本鎖DNA分子に天然に存在しており、ターゲット二本鎖DNA分子又はこの遺伝子をもつプラスミドに人工特定配列を組込むように修飾する必要がないので特に有利である。あるいは、ターゲット配列を二本鎖DNAに人工的に導入してもよい。
【0036】
本発明の第2の側面は二本鎖DNAの精製方法にあり、この方法によると、他の成分との混合物としてDNAを含む溶液を上記のような第3のDNA鎖と接触させるが、この場合、第3のDNA鎖は上記のような二本鎖DNAに存在する特定配列とハイブリダイゼーションにより三重螺旋を形成することが可能なオリゴヌクレオチドが好ましい。担体に固定したオリゴヌクレオチドに二本鎖DNAを溶液中で接触させることが好ましい。オリゴヌクレオチドを前記担体に安定に共有又は非共有結合させるとより好ましい。従って、二本鎖DNAを含む溶液を接触させる段階は、精製が所望される二本鎖DNAを効率的且つ迅速に得るために、オリゴヌクレオチドを結合した担体上に他の成分と混合したDNAの溶液を通すと有利である。
【0037】
このような担体は当業者に周知であり、例えばビーズもしくは微粒子(例えばラテックス粒子)又は他の任意懸濁担体から構成する。天然又は合成起源のポリマー型分子にオリゴヌクレオチドをグラフトしてもよい。オリゴヌクレオチドを結合するポリマーは二本鎖DNAと三重螺旋を形成後に溶液から容易に分離できるような性質をもつことが好ましい。天然ポリマーとしてはタンパク質、脂質、糖及びポリオールを挙げることができる。合成ポリマーとしてはポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、スチレン誘導体及び感熱ポリマー(例えば低温では可溶性であるが、相転移温度を越えると不溶性になるポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)型化合物)が挙げられる(T.Moriら,Biotechnology and Bioengineering,72(2001)261)。
【0038】
本発明の精製方法はi)ホモピリミジンオリゴヌクレオチドと安定な三重螺旋を形成するに十分な長さのホモプリン配列を含まないDNA分子のみならず、ii)ホモプリン配列に数個のピリミジン塩基が割り込んだDNA分子も精製できるので特に有利である。より多くの種類のDNA分子を精製できることに加え、この方法は迅速であり、特に高い収率と純度が得られる。
【0039】
更に、他の核酸、タンパク質、内毒素(例えばリポ多糖)、ヌクレアーゼ等を含む複合混合物からDNA分子を精製できると共に、医薬品質の精製DNAが得られる。
【0040】
担体に共有結合させるためには、オリゴヌクレオチドを一般に機能化する。即ち、5’又は3’位をチオール、アミン又はカルボキシル末端基で修飾してもよい。特に、チオール、アミン又はカルボキシル基を加えると、例えばジスルフィド、マレイミド、アミン、カルボキシル、エステル、エポキシド、臭化シアン又はアルデヒド基をもつ担体にオリゴヌクレオチドを結合することが可能になる。これらの結合はオリゴヌクレオチドと担体のジスルフィド、チオエステル、エステル、アミド又はアミン結合の設定により形成される。例えば二官能カップリング剤等の当業者に公知の他の任意方法も使用することができる。
【0041】
更に、結合したオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを改善するためには、オリゴヌクレオチドが「アーム」と「スペーサー」塩基配列を含むようにすると有利である。実際にアームを使用すると担体から選択した距離にオリゴヌクレオチドを結合でき、DNAとの相互作用条件を改善できる。アームは1〜18、好ましくは6〜12個のCH2型基を含む線状炭素鎖と、カラムに結合させるアミンから構成すると有利である。アームはオリゴヌクレオチド又はハイブリダイゼーションに関与しない塩基から構成される「スペーサー」のリン酸に結合する。従って、「スペーサー」はプリン塩基を含むことができる。例えば、「スペーサー」はGAGG配列を含むことができる。
【0042】
精製担体に結合したオリゴヌクレオチドは例えば配列5’−GAGG CTT CTT CTT CTT CTT CTT CTT−3’(GAGG(CTT)7;配列番号11)をもつことができ、GAGG塩基は三重螺旋構造に関与していないが、オリゴヌクレオチドとカップリングアームの間にスペースを形成することができる。
【0043】
本発明を実施するには種々の担体を使用することができる。機能化クロマトグラフィー担体でもよいし、バルク又はプレパックカラムでもよいし、機能化プラスチック表面又は磁性もしくは非磁性の機能化ラテックスビーズでもよい。ゲル透過用クロマトグラフィー担体が好ましい。例えば、利用可能なクロマトグラフィー担体はアガロース、アクリルアミド又はデキストランやその誘導体(例えばSephadex(登録商標)、Sepharose(登録商標)、Superose(登録商標)等)、ポリ(スチレンジビニルベンゼン)等のポリマー、又はグラフトもしくは非グラフトシリカである。クロマトグラフィーカラムはこの特定態様に適した密度のクロマトグラフィー担体を使用し、拡散式でも潅流式でもよく、所謂「流動層」系でも「発泡」系でもよい。
【0044】
本発明の方法は任意種の二本鎖DNAを精製するために使用することができる。例えばミニサークル(Darquetら,Gene Therapy 6(1999)209)等の環状DNA、線状フラグメント、又は一般に1種以上の治療又は実験用遺伝子をもつプラスミドである。このプラスミドは例えば条件型の複製起点(例えばSoubrierら,Gene Therapy 6(1999)1482に記載されているpCORプラスミド)、マーカー遺伝子等も含むことができる。本発明の方法は細胞溶解液に直接適用することができる。この態様では、形質転換後に細胞培養して増幅したプラスミドを細胞溶解後に直接精製する。本発明の方法は透明溶解液(即ち細胞溶解液の中和と遠心分離後に得られる上清)に適用することもできる。当然のことながら、公知方法を使用して予備精製した溶液に適用することもできる。本方法は種々の配列のDNAを含む混合物から目的配列をもつ線状又は環状DNAを精製することもできる。本発明の方法は二本鎖RNAの精製に使用することもできる。
【0045】
細胞溶解液は原核細胞の溶解液でも真核細胞の溶解液でもよい。原核細胞としては例えば大腸菌、枯草菌、ネズミチフス菌、黄色ブドウ球菌又はストレプトミセス属細菌が挙げられる。真核細胞としては、動物細胞、酵母、真菌等が挙げられ、具体的にはKluyveromycesもしくはSaccharomyces酵母、又はCOS、CHO、C127、NIH3T3、MRC5、293等の細胞が挙げられる。
【0046】
本発明の方法は非常に高純度のプラスミドDNAを迅速且つ簡単に得られるので特に有利である。特に、実施例に例証するように、本方法は断片化染色体DNA、RNA、内毒素、タンパク質又はヌクレアーゼ等の汚染成分からプラスミドDNAを効率的に分離することができる。
【0047】
本発明の方法はDNA分子、特に商業的規模で生産及び精製され、医薬用に適合可能な純度を必要とするFGF1遺伝子等の治療用遺伝子を精製及び純化するのにも有用である。
【0048】
第3の側面によると、本発明は少なくとも1種の上記ターゲット配列を含む二本鎖DNA分子の検出、定量及び選別方法として、a)前記分子を含む疑いのある溶液を第3のDNA鎖、例えば標識オリゴヌクレオチドと接触させて安定な三重螺旋を形成し、b)二本鎖DNAと第3のDNA鎖の間に場合により形成される複合体を検出することからなる方法に関する。
【0049】
本方法は例えばゲノム内の特定DNA配列の検出又は特定配列の選別を可能にすることによりゲノム分析の範囲で特に有用である。
【0050】
本発明のこの側面によると、第3のDNA鎖又はオリゴヌクレオチドは分光学、光化学、生化学、免疫化学又は化学的手段により検出可能なマーカーで標識することができる。
【0051】
例えば、このようなマーカーは放射性同位体(32P、33P、3H、35S)又は蛍光分子(5−ブロモデオキシウリジン、フルオレセイン、アセチルアミノフルオレン、ジゴキシゲニン)から構成することができる。
【0052】
マーカーはプライマー伸長又は5’もしくは3’末端添加によりマーカー分子をポリヌクレオチドに加えることにより実施することが好ましい。
【0053】
非放射性マーカーの例は特に仏国特許第FR7810975号又はUrdeaら(1988,Nucleic Acids Research,11:4937−4957)やSanchez−pescadorら(1988;J.Clin.Microbiol.,26(10):1934−1938)の論文に記載されている。
【0054】
本発明のこの特定側面によると、第3のDNA鎖又はオリゴヌクレオチドも上述のように担体に固定してもよい。
【0055】
本発明の第4の側面は複合混合物における本発明の二本鎖DNAの存在を精製及び/又は検出するためのパック又はキットとして、1種以上の上記オリゴヌクレオチドを含むものに関する。オリゴヌクレオチドは担体に固定してもよいし、及び/又は検出可能なマーカーを加えてもよい。
【0056】
本発明のこの側面によると、上記検出キットは目的ターゲット二本鎖DNA配列を検出するために使用可能な複数の本発明のオリゴヌクレオチドを含む。
【0057】
即ち、担体に固定したオリゴヌクレオチドは「DNAチップ」等のマトリックスに整列させることができる。このような整列マトリックスは特に米国特許第5,143,854号とPCT出願第WO90/15070号及び92/10092号に記載されている。
【0058】
オリゴヌクレオチドを高密度に固定した担体マトリックスは例えば米国特許第5,412,087号とPCT出願第WO95/11995号に記載されている。
【0059】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、以下の実施例は例示に過ぎず、発明を限定するものではない。
【0060】
一般クローニング及び分子生物学技術
制限酵素消化、ゲル電気泳動、DNAフラグメントライゲーション、大腸菌での形質転換、核酸の沈降、シーケンシング等の慣用分子生物学技術は文献に記載されている(Maniatisら,(1989)Molecular cloning:a laboratory manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York;Ausubelら,(1987)Current protocols in molecular biology,John Wiley and Sons,New York)。制限酵素はNew−England Biolabs,Beverly,MA(Biolabs)から入手した。
【0061】
オリゴヌクレオチドはApplied Biosystem社の自動DNA合成器394を製造業者の指示に従って使用することにより、α位をシアノエチル基で保護したホスホロアミダイトの化学を使用して合成する(Sinhaら,Nucleic Acids Research,12(1984)4539;Giles(1985))。
【0062】
アフィニティーゲルを合成するために使用したオリゴヌクレオチドはAmersham Pharmacia Biotech(Uppsala,スウェーデン)又はEurogentec(Seraing,ベルギー)製品を改変せずに使用する。
【0063】
pCORプラスミドを複製することが可能な菌株とこれらのプラスミドの増殖及び選択条件は文献に記載されている(Soubrierら,Gene Therapy 6(1999)1482)。
【実施例1】
【0064】
プラスミドの構築
1.1 プラスミドpXL3179(pCOR−FGF1)
図1に示すプラスミドpXL3179はプラスミドpXL2774(WO97/10343;Soubrierら,Gene Therapy 6(1999)1482)に由来するベクターであり、ヒトサイトメガロウイルスの初期領域(hCMV IE E/P)とSV40ウイルスの後期領域のポリアデニル化シグナル(SV40後期ポリA;Genbank SC4CG)に由来するプロモーターの制御下にヒト繊維芽細胞インターフェロンシグナルペプチドとFGF1(繊維芽細胞増殖因子1)cDNAの融合体(sp−FGF1,Jouanneauら,PNAS 88(1991)2893)をコードする遺伝子を導入した。
【0065】
1.2 プラスミドpXL3296(pCOR)
プラスミドpXL3296はプラスミドpXL3179に由来し、sp−FGF1遺伝子の配列をプラスミドpUC28(Benesら,Gene 130(1993)151)の多重クローニングブイで置換した。プラスミドpXL3296を図2に示す。
【0066】
1.3 プラスミドpXL3426(pCOR−ID1)
プラスミドpXL3426はプラスミドpXL3296に由来し、BglII及びXhoI部位間に配列5’−GATCCAAGAAGCATGCAGAGAAGAATTC−3’を挿入した。プラスミドpXL3426を図3に示す。
【実施例2】
【0067】
ターゲット配列をもつ他のプラスミドの構築
プラスミドpXL3675はプラスミドpXL3296に由来し、HpaI及びXbaI部位間に配列5’−GAAGAAGGGAAAGAAGATCTG−3’を挿入し、プラスミドpXL3676もプラスミドpXL3296に由来し、HpaI及びXbaI部位間に配列5’−GAAGAAAGGAGAGAAGATCTG−3’を挿入し、更にプラスミドpXL3713はpXL3296のHpaI及びXbaI部位間にDNA配列5’−GAAGAAGTTTAAGAAGATCTG−3’を挿入した。こうして構築したプラスミドをCsCl塩化物グラジエントにより精製し、シーケンシングによりインサートの配列を確認した。以下の実施例ではこれらの調製物を使用した。
【実施例3】
【0068】
安定な三重螺旋を形成するFGF1遺伝子の20量体内部配列の同定
以下の実施例に記載するような種々のプラスミドを標準化条件下に三重螺旋相互作用アフィニティークロマトグラフィーにかけた。アフィニティー担体はクロマトグラフィー担体Sephacryl(登録商標)S−1000 SF(Amersham Pharmacia Biotech)を使用して以下のように合成した。第1段階では、0.2M酢酸ナトリウム緩衝液に分散したSephacryl(登録商標)S−1000ゲルをメタ過ヨウ素酸ナトリウム(3mM,20℃、1時間)で活性化した後、第2段階でタンパク質の結合について記載されている手順(Hornseyら,J.Immunol.Methods 93(1986)83)と同様の手順に従ってアスコルビン酸(5mM)の存在下に還元アミノ化によりその5’−NH2末端部分を介して活性化マトリックスのアルデヒド基に結合させた。すなわち本発明に報告する全実験では、オリゴヌクレオチドをこの一般手順に従って結合させた。全オリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチドの5’末端にNH2−(CH2)6−機能化アームをもつ。
【0069】
オリゴヌクレオチドと二本鎖DNAの三重螺旋構造の形成を立証し、その安定性を測定する全実験は以下の条件下に実施した。各実験で2mM NaClを加えた50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)6mlに精製プラスミド300μgを溶かし、本発明のオリゴヌクレオチドで機能化したアフィニティーゲル1mlを充填したHR5/5カラム(Amersham Pharmacia Biotech)に流速30cm/hで注入した。カラムを同一緩衝液5mlで洗浄後、0.5mM EDTAを加えた100mM Tris/HClカラム緩衝液(pH9.0)3mlでプラスミドを溶離し、pH9.0緩衝液で溶出したプラスミドの量をi)溶液の260nm吸光度の測定とii)Millipore GenPak−Faxカラム上のアニオン交換クロマトグラフィーにより定量した(Marquetら,BioPharm,8(1995)26)。
【0070】
オリゴヌクレオチド5’−NH2−(CH2)6−TT(CTT)6−3’(配列番号2)で機能化したカラムを使用すると、下表1に示す精製結果から明らかなように、ヒトFGF1遺伝子の配列を含まず、該当カラムに固定していない対照プラスミド(pXL3296)とは対照的に、完全FGF1遺伝子(pXL3179)又はヒトFGF1遺伝子の内部ID1配列(pXL3426)を含むプラスミドでは安定な三重螺旋が形成される。
【0071】
【表1】
【0072】
プラスミドpXL3426の配列は寸法を減らしながらFGF1遺伝子の種々のフラグメントをサブクローニングすることにより同定した。従って、FGF1遺伝子の内部配列ID1である5’−AA GAA GCA TGC AGA GAA GAA−3’(配列番号1)は使用した配列番号2の配列のオリゴヌクレオチドと安定な三重螺旋構造を形成する。得られる三重螺旋構造は7個のトライアド(そのうち6個は非カノニカルであり、より具体的にはT*GCトライアド2個とT*CGトライアド2個とC*ATトライアド1個とC*TAトライアド1個を含む)の内部領域(T)により隔てられた6単位(R,5’側)と7単位(R’,3’側)の長さのT*AT及び+C*GCカノニカルトライアドを形成するピリミジン−プリン−ピリミジン(Py*PuPy)型の2つの領域を含む。
【実施例4】
【0073】
FGF1遺伝子の20量体内部配列ID1で三重螺旋構造の安定性に必要な塩基の同定
内部配列ID1に基づいて4種のオリゴヌクレオチドを調製した。そのうちの2種はID1の5’側からヌクレオチド7又は13個を欠失し、他の2種は3’側からヌクレオチド7又は14個を欠失する。オリゴヌクレオチド5’−TT(CTT)6−3’(配列番号2)又はオリゴヌクレオチドFRB36、FRB38、FRB39もしくはFRB40を使用して機能化した三重螺旋相互作用カラムでプラスミドpXL3426をクロマトグラフィーにかけた。その後、カラムに保持された各プラスミドの量を測定することにより種々の切断内部配列ID1と共に形成された三重螺旋構造の安定性を試験した。
【0074】
【表2】
上記表2に示す結果から明らかなように、5’−TT(CTT)6−3’型のオリゴヌクレオチドと安定な三重螺旋構造を形成するためにはpXL3426(20量体)のID1配列全体が必要である。特に、5’及び3’末端の2個のPy*PuPy部分と中心部分は最終構造の安定性に非常に大きく且つ協調的に寄与する。
【実施例5】
【0075】
三重螺旋の安定性に及ぼすカノニカルトライアドと非カノニカルトライアド数の影響
オリゴヌクレオチド5’−TT(CTT)6−3’(配列番号2)の配列を改変し、これらの各種オリゴヌクレオチド(FRB15、FRB16及びFRB17)がプラスミドpXL3426の内部配列ID1(5’−AA GAA GCA TGC AGA GAA GAA−3’;配列番号1)と安定な三重螺旋を形成する能力を試験した。
【0076】
【表3】
上記表3に示す結果から明らかなように、三重螺旋構造の中央内部領域NにおけるT*AT及び+C*GCカノニカルトライアドの数を増すと同時に非カノニカルトライアド数を減らすようにオリゴヌクレオチドの配列を改変することにより三重螺旋構造の安定性を増すことができる。
【実施例6】
【0077】
三重螺旋構造の安定性に及ぼす非カノニカルトライアドの影響
オリゴヌクレオチド5’−TT(CTT)6−3’(配列番号2)と安定な三重螺旋を形成することが可能なFGF1遺伝子の内部配列ID1(配列番号1)を含むプラスミドpXL3426の配列を改変し、2個の連続する同一のT*GC型非カノニカルトライアドと5’側の1個のC*AT非カノニカルトライアドを中心領域Nに導入した。別の実験ではC*AT、T*GC、T*GC、C*AT及びT*GCの5個の連続する非カノニカルトライアドを導入した(pXL3676)。最後に、2個の連続するT*TA型非カノニカルトライアドと5’側の1個のC*TA非カノニカルトライアドを導入するようにプラスミドpXL3426を改変した(pX3713)。
【0078】
【表4】
上記表4に示す各種プラスミドの精製結果から明らかなように、非カノニカル中心領域がT*CG、T*GC、C*AT及びC*TA型のトライアドを形成するときに安定な三重螺旋構造が形成される。アフィニティーゲルに対するプラスミドpXL3675及びpXL3676の結合収率から明らかなように、非カノニカルT*GCトライアドを連続して2個導入する場合にも安定な三重螺旋が形成され、その場合には前後は問わず、即ち前後のトライアドはカノニカル型でも非カノニカル型でもよい。他方、2個の連続するT*TA型トライアドと1個のC*TAトライアドを連続して導入すると、三重螺旋構造は完全に不安定化する。
【実施例7】
【0079】
SeAP、hαFP、FIX及びGAX遺伝子をコードするカセットを含むプラスミドの構築
本発明の組成物の活性を立証するためにこれらの実験で使用した遺伝子は例えばFIX因子をコードするヒト遺伝子(Kurachiら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.79(1982)6461)、分泌アルカリホスファターゼSeAPをコードするヒト遺伝子(Millanら,J.Biol.Chem.,261(1986)3112)、α−フェトプロテインをコードするヒト遺伝子hαFP(Gibbsら,Biochemistry 26(1987)1332)、及びGAXをコードするヒト遺伝子(Gorskiら,Mol.Cell.Biol.,13(1993)3722)である。プラスミド又はcDNAライブラリー(Clontech)を使用してこれらの遺伝子をPCR増幅した後、pXL3296に由来するpCORプラスミドの真核CMV E/Pプロモーターの下流でSV40後期ポリAシグナル配列の上流にクローニングした。分泌アルカリホスファターゼ(SeAP)をコードする遺伝子はpXL3296に由来するpCORプラスミドに導入してプラスミドpXL3402(図4)を作製した。α−フェトプロテイン(hαFP)をコードする遺伝子はpXL3296に由来するpCORプラスミドに導入してプラスミドpXL3678(図5)を作製した。GAXをコードする遺伝子はpXL3296に由来するpCORプラスミドに導入してプラスミドpXL3207(図6)を作製した。FIX因子をコードする遺伝子はpXL3296に由来するpCORプラスミドに導入してプラスミドpXL3388(図7)を作製した。
【実施例8】
【0080】
各種目的遺伝子と安定な三重螺旋構造を形成するための5’−(CTT)7−3’型 オリゴヌクレオチドの使用
各種遺伝子をもつプラスミドで得られる容量を測定することにより、オリゴヌクレオチド5’−TT(CTT)6−3’(配列番号2)で機能化した三重螺旋相互作用ゲルと各種配列の相互作用を検討した。試験した遺伝子はi)IX因子をコードするヒト遺伝子、ii)分泌アルカリホスファターゼSeAPの遺伝子、iii)α−フェトプロテイン(αFP)のヒト遺伝子及びiv)ヒトGAX遺伝子であった。
【0081】
【表5】
上記表5に示す結果から明らかなように、(CTT)n型のオリゴヌクレオチドを使用すると、目的遺伝子がオリゴヌクレオチドに相補的な5’−(GAA)n−3’型のターゲット配列を含まない場合でも目的配列と安定な三重螺旋構造を形成することが可能である。T*CG、C*CG、T*GC及びC*AT型のトライアドに含まれる塩基がターゲット配列の中心部に存在していても三重螺旋構造に影響なく、孤立T*TAトライアド(GAX遺伝子)が存在していても同様である。
【実施例9】
【0082】
内部配列ID1(5’−AA GAA GCA TGC AGA GAA GAA−3’;配列番号1)を含むプラスミドを精製するための5’−(CTT)7−3’型 オリゴヌクレオチドで機能化したカラムの使用
5’−(CTT)7−3’型の オリゴヌクレオチドで機能化した三重螺旋相互作用アフィニティークロマトグラフィー担体を使用し、実施例8に基づいて上記5’−(R)n−(N)t−(R’)m−3’型の配列をもつプラスミドの精製可能性について試験した。
【0083】
(配列5’−AA GAA GCA TGC AGA GAA GAA−3’をもつヒトFGF1遺伝子を含む)プラスミドpXL3179をオリゴヌクレオチド5’−NH2−(CH2)6−(CTT)7−3’で機能化したSephacryl S−1000相互作用カラムでクロマトグラフィーにかけた。このために、実施例3に記載したようにSephacryl S−100 SFに共有結合したオリゴヌクレオチド5’−NH2−(CH2)6−(CTT)7−3’を含むアフィニティーカラム10mlに50mM酢酸ナトリウム、2M NaCl緩衝液(pH4.5)60ml中9.40mgのプラスミドpXL3179を流速30cm/hで注入した。カラムを同一緩衝液5容量で洗浄後、結合したプラスミドを100mM Tris/HCl,0.5mM EDTA緩衝液2カラム容量で溶離し、UV吸光度(260nm)の測定とGenPak−Faxカラム(Waters)上でイオン交換クロマトグラフィーにより定量した。初期調製物と精製フラクション中の大腸菌ゲノムDNA含量をWO96/18744に記載されているようにPCRにより測定した。溶出フラクション(溶出収率84%)中に7.94mgのプラスミドpXL3179が検出され、大腸菌ゲノムDNAによる汚染率は記載したアフィニティークロマトグラフィーでは7.8%から0.2%に低下した。同様に、RNAによる汚染率も出発プラスミド中の43%から精製後のプラスミド中では0.2%に低下した。
【0084】
各種プラスミドpXL3179調製物をオリゴヌクレオチド5’−NH2−(CH2)6−(CTT)7−3’で機能化したSephacryl S−1000アフィニティーカラムでクロマトグラフィーにかけた他の各種実験では、ゲノムDNA含量は0.2%から0.007%、0.7%から0.01%、7.1%から0.2%、又は7.8%から0.1%に低下した。
【実施例10】
【0085】
治療用遺伝子ヒトVEGFB−167と安定な三重螺旋構造を形成するための5’−CCT TTT CCT CCT T−3’型(配列番号12)のオリゴヌクレオチドの使用
ヒトVEGFB−167遺伝子(図8)(Olofssonら,J.Biol.Chem.,271(1986)19310)をもつプラスミドpXL3579で得られる容量を測定することにより、治療用遺伝子(ヒトVEGFB−167)の内部配列とオリゴヌクレオチド5’−CCT TTT CCT CCT T−3’型(配列番号12)で機能化した三重螺旋相互作用担体の相互作用を試験した。図8に示すプラスミドpXL3579はヒト心臓cDNAライブラリー(Clontech)からPCR増幅したVEGFB−167遺伝子を含み、pXL3296の多重クローニング部位のNsiI及びXbaI部位の間に真核プロモーターCMV E/P(−522/+74)の下流でSV40後期ポリAシグナル配列の上流にクローニングした。
【0086】
【表6】
上記表6に示す結果から明らかなように、5’−(R)n−(N)t−(R’)m−3’型の配列(例えばこの場合はヒトVEGFB−167遺伝子の領域5’−GGC AAC GGA GGA A−3’ (配列番号13))を標的としてオリゴヌクレオチド(例えばオリゴヌクレオチド5’−CCT TTT CCT CCT T−3’(配列番号12))を使用すると、目的遺伝子の領域と安定な三重螺旋構造を形成することができる。更に、ヒトVEGFB−167遺伝子はオリゴヌクレオチド5’−TTT TTT TTC CT−3’(表6)によりターゲットされるホモプリン配列5’−AAA AAA AAG GA−3’を含むが、オリゴヌクレオチド5’−CCT TTT CCT CCT T−3’との間に得られる相互作用はホモピリミジンオリゴヌクレオチドての間に得られる相互作用よりも非常に優れている。同様に、ホモプリン内部配列5’−GGA GGA A−3’はオリゴヌクレオチド5’−CCT CCT T−3’と安定な三重螺旋を形成できるほど十分に長くない。
【0087】
従って、本実施例は被験二本鎖DNAが更に少なくとも1個の相当な長さのホモプリン構造を示す場合でも5’−(R)n−(N)t−(R’)m−3’型の配列が安定な三重螺旋構造を形成できることを明らかに示すものである。
【実施例11】
【0088】
改変VEGFB−186のcDNAでターゲット配列と安定な三重螺旋構造を形成することにより非欠失VEGFB−186のcDNAを分離するための5’T CCT CTC CCT C−3’(配列番号14)型オリゴヌクレオチドの使用
ヒトVEGFB−186遺伝子の発酵生産段階中にこの遺伝子は特にエキソン6Aのレベルにおいて転位及び遺伝子欠失の場であることが認められた。そこで、逐次突然変異誘発PCRにより翻訳開始点+1に対して510(A/C)、513(C/T)、516(A/T)、519(C/T)及び522(C/T)のレベルにサイレント点突然変異を導入した。アミノ酸170〜174に含まれるタンパク質VEGFB−186のアミノ酸配列は変わらない。他方、こうして改変したVEGFB−186遺伝子(VEGFB−186m)は配列5’T CCT CTC CCT C−3’(配列番号14)のオリゴヌクレオチドと安定な三重螺旋構造を形成することができる本発明のターゲットcDNA配列5’−A GGA GCG GGA G−3(配列番号15)をもつ。この安定な三重螺旋相互作用は本発明の方法を実施し、発酵生産後に転位及び欠失していない改変VEGFB−186遺伝子を分離するために有利に使用される。
【0089】
改変VEGFB−186遺伝子の三重螺旋相互作用による精製方法を例証するために、図9に示すような2種のプラスミドpXL3601及びpXL3977を使用した。遺伝子VEGFB−186をまずヒト心臓cDNAライブラリー(Clontech)からPCR増幅した後、pXL3296(実施例1.2)の多重クローニング部位のNsiI及びXbaI部位間で真核プロモーターCMV E/P(−522/+74)の下流でSV40ウイルスの後期領域のポリアデニル化シグナルの上流にクローニングし、プラスミドpXL3601を作製した 。このプラスミドを逐次突然変異誘発PCRにより改変し、上述のようにVEGFB−186遺伝子をエキソン6Aのレベルで改変したプラスミドpXL3977を作製した。
【0090】
改変ヒトVEGFB−186遺伝子(図9)をもつプラスミドpXL3977で得られる容量を測定することにより、オリゴヌクレオチド5’T CCT CTC CCT C−3’(配列番号14)で機能化した三重螺旋相互作用担体を使用してVEGFB−186m遺伝子におけるターゲット配列5’−A GGA GCG GGA G−3(配列番号15)の相互作用を試験した。VEGFB−186mの配列にはVEGFB−167の配列が含まれているので、実施例10に記載したようなヒトVEGFB−167遺伝子を含むプラスミドpXL3579を陰性対照として使用する。
【0091】
【表7】
上記表7に示す結果から明らかなように、5’−(R)n−(N)t−(R’)m−3’型の配列(この場合はヒト改変VEGFB−186遺伝子の領域5’−A GGA GCG GGA G−3(配列番号15))を標的としてオリゴヌクレオチド(例えばオリゴヌクレオチド(配列番号14))を使用すると、目的遺伝子の領域と安定な三重螺旋構造を形成することができ、従って有効に精製することができる。改変ヒトVEGFB−186遺伝子の精製にはオリゴヌクレオチド5’−TTT CCT CTC CCT C−3’(配列番号16)も利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】プラスミドpXL3179の模式図。
【図2】プラスミドpXL3296の模式図。
【図3】プラスミドpXL3426の模式図。
【図4】プラスミドpXL3402の模式図。
【図5】プラスミドpXL3678の模式図。
【図6】プラスミドpXL3207の模式図。
【図7】プラスミドpXL3388の模式図。
【図8】プラスミドpXL3579の模式図。
【図9】プラスミドpXL3601及びpXL3977の模式図。
Claims (36)
- 二本鎖DNA分子の精製方法であって、第3のDNA鎖と相互作用して三重螺旋を形成することが可能な一般式:
5’−(R)n−(N)t−(R’)m−3’
(式中、RとR’はプリン塩基のみから構成されるヌクレオチド配列を表し、nとmは8以下の整数であり、n+mの和は6以上であり、Nはプリン塩基とピリミジン塩基を併有するヌクレオチド配列であり、tは7以下の整数である)の少なくとも1個のターゲット配列を含む前記二本鎖DNA配列を第3のDNA鎖と接触させることを特徴とする前記方法。 - N領域と第3のDNA鎖の相互作用により最大6個の非カノニカルトライアドが形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- こうして形成される非カノニカルトライアドがT*CG、T*GC、C*AT及びC*TAトライアドから選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- R及びR’領域が少なくとも合計2個のグアニン(G)を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- R及びR’領域が少なくとも2個のアデニンを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- R及びR’領域が第3のDNA鎖と共にT*AT及び+C*GCから選択されるカノニカルトライアドを形成することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 第3のDNA鎖がホモピリミジン型であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 第3のDNA鎖がポリCTT配列を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 第3のDNA鎖がオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記二本鎖DNA分子上に存在するターゲット配列が配列番号1の配列を含み、前記オリゴヌクレオチドが配列番号2〜5の配列のオリゴヌクレオチドから選択されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- ターゲット配列が二本鎖DNA分子上に天然に存在するか又は二本鎖DNA分子に人工的に導入したターゲット配列であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
- DNA分子上に天然に存在するターゲット配列が治療又は実験用遺伝子のコーディング配列に存在することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
- ターゲットDNA配列がヒトFGF1遺伝子に含まれる配列番号1の配列の全部又は一部を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
- ターゲットDNA配列がIX因子をコードするヒト遺伝子に含まれる配列番号6の配列を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
- ターゲットDNA配列が分泌アルカリホスファターゼのヒト遺伝子に含まれる配列番号7又は8の配列を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
- ターゲットDNA配列がα−フェトプロテイン(αFP)のヒト遺伝子に含まれる配列番号9の配列を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
- ターゲットDNA配列がヒトGAX遺伝子に含まれる配列番号10の配列を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
- ターゲットDNA配列がヒトVEGFB167遺伝子に含まれる配列番号13の配列を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 二本鎖DNA分子がプラスミドやミニサークル等の環状DNA又は線状フラグメントであることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドが担体に安定に共有又は非共有結合していることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドが天然又は合成ポリマーにグラフトしていることを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
- 担体が機能化したラテックスビーズ、プラスチック表面及びクロマトグラフィー担体から選択されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
- クロマトグラフィー担体がゲル透過用担体であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
- 前記二本鎖DNA分子を含む溶液が細胞溶解液であることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
- 細胞溶解液が透明溶解液であることを特徴とする請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
- 二本鎖DNA分子が予備精製されていることを特徴とする請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドが配列GAGGCTTCTTCTTCTTCTTCTTCTT(配列番号11)をもつことを特徴とする請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドがジスルフィド、チオエーテル、エステル、アミド又はアミン結合を介して担体に結合していることを特徴とする請求項20から27のいずれか一項に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドが炭素鎖(CH2)n(式中、nは1〜18の整数である)から構成されるアームを介して担体に結合しており、前記アームがリン酸を介してオリゴヌクレオチドに結合し、アミン結合を介して担体に結合していることを特徴とする請求項20から28のいずれか一項に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼに対して耐性にするかもしくは保護するか又は特定配列に対するその親和性を高めるように少なくとも1箇所を化学修飾されていることを特徴とする請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドがシトシンの少なくとも1個を5’位メチル化した配列を含むことを特徴とする請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
- 他の成分との混合物として前記二本鎖DNAを含む溶液を前記オリゴヌクレオチドを共有結合した担体に接触させる少なくとも1段階を含むことを特徴とする請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
- 他の成分との混合物として前記二本鎖DNAを含む溶液を前記オリゴヌクレオチドを共有結合したクロマトグラフィー担体上に通すことを特徴とする請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第3のDNA鎖又は前記オリゴヌクレオチドが標識されていることを特徴とする請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1から34のいずれか一項に記載の方法を使用して得ることができる精製二本鎖DNA。
- 二本鎖DNAの検出方法であって、一般式:
5’−(R)n−(N)t−(R’)m−3’
(式中、RとR’はプリン塩基のみから構成されるヌクレオチド配列を表し、nとmは8以下の整数であり、n+mの和は6以上であり、Nはプリン塩基とピリミジン塩基を併有するヌクレオチド配列であり、tは7以下の整数である)をもつ前記二本鎖DNAのターゲット配列と共にハイブリダイゼーションにより三重螺旋を形成することが可能な第3の標識DNA鎖と前記二本鎖DNA分子を含む疑いのある溶液を接触させることを特徴とする前記方法。
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