JP2004521137A - カロポロシド誘導体、その製造方法およびその使用 - Google Patents

カロポロシド誘導体、その製造方法およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は微生物 Gloeoporus dichrous Bres. ST001714, DSM 13784により、培養中に形成される新規の活性物質(カロポロシド(caloporoside)誘導体)に関する。また本発明は、該活性物質の調製方法、薬剤としてのその使用、カロポロシド誘導体を含有する薬剤、および微生物 Gloeoporus dichrous Bres. ST001714, DSM 13784そのものに関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は微生物 Gloeoporus dichrous Bres. ST001714, DSM 13784により、培養中に生産される新規の活性物質(カロポロシド(caloporoside)誘導体)、その製造方法、薬剤としてのその使用、カロポロシド誘導体を含有する薬剤、および微生物 Gloeoporus dichrous Bres. ST001714, DSM 13784に関する。
【背景技術】
【0002】
カロポロシドはホスホリパ−ゼC阻害剤として1994年に最初に文献に記載された(W.Weberら、 J. Antibiotics, 47, 1188−1194)。同年に、更に2種類の、類似の2次代謝物が単離された(R. Shanら、Nat. Prod. Lett., 4, 171−178)。下記する式Iの本発明の化合物はその構造において、これらに記載される物質とは異なる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
がんは、通常致命的な転帰を有し、身体自身の細胞の制御されない成長により引き起こされるヒトおよび動物の病気である。がんとは、悪性腫瘍の形成、新生物(腫瘍または癌腫)の形成または悪性変性、および白血球の成熟の障害(白血病)に与えられた名称である。がん細胞または腫瘍細胞は身体自身の細胞の形質転換を介して成長する。がん細胞の悪性状態は自立性成長、すなわち臓器の体制に適合せずに、組織の破壊をもたらす無抑制で、浸潤性の成長能力であると表現されている。悪性状態の明確な兆しは、腫瘍細胞の造血原性またはリンパ原性伝播後の、腫瘍から離れた場所への転移の形成である。がんは、ヒトにおける最も多い死亡原因の1つであり、従って悪性変性を治癒または治療する方法および手段が強く求められている。
【0004】
考えられる悪性腫瘍の療法は、可能な場合に、腫瘍を完全に外科的に切除する方法に加えて、X線、α、βおよびγ線を用いる放射線療法、免疫療法および化学療法が包含される。免疫療法は、現在限られた範囲にのみ適用できる。腫瘍の化学療法とは、腫瘍の治療、および局所的な外科治療または放射線照射の後に依然として残る腫瘍細胞の治療のために、細胞毒(細胞成長抑止剤)を投与することを意味する。具体的には、これらの物質は特に細胞分裂の過程に介入するため、急速に成長する腫瘍組織のような、分裂細胞の割合が高い組織がより鋭敏に反応する。用いられるこれらの物質は、例えばシクロホスファミド(The Merck Index, 第12版, 463ページ)のようなアルキル化化合物、メトトレキセート(The Merck Index, 第12版, 1025ページ)のような代謝拮抗物質、ビンクリスチン(The Merck Index, 第12版, 1704ページ)のようなアルカロイド並びにダウノマイシン(The Merck Index, 第12版, 479ページ)およびアドリアマイシン(The Merck Index, 第12版, 581−582ページ)のような抗生物質である。しかしながら副作用が大きいために、これらの物質の全てには大きな不利益が伴い、故に患者の死を遅らせるだけで、これを防ぎはしない。加えて、用いられる物質への抵抗が変性(がん性)細胞中で生じる。現行の薬剤はもはや細胞成長抑止効果を持たず、かえってその副作用により有毒である。これとは別に、細胞成長抑止剤の複合的、または逐次的な使用が、単一の細胞成長抑止剤の使用(単剤療法)の効果を上回ることが明らかになってきた。従って多剤化学療法を用いることで、相当の副作用の増加を生じずに効果を得ることができる。全ての上記の理由により、新規の化学治療剤を求める切迫した要求があり、従って該治療剤の世界的な探索が行われている。
【0005】
サイクリン依存性キナーゼ(=CDK)は、細胞周期の調節において中心的な役割を果たしている。これらはリン酸化反応を触媒し、これによって細胞周期におけるG1期(増殖期)からS期(合成期)への移行を起こす反応カスケードを開始させる。従ってサイクリン依存性キナーゼは、細胞増殖の病的な乱れを伴うがんおよびその他の障害の治療のための、治療上適した標的である。細胞周期を調節し、無制御な細胞分裂を防ぐ低分子量阻害剤は、がん患者の治療にとって有用な医薬物質と成り得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、微生物 Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784は、非常に低濃度においてサイクリン依存性キナーゼを阻害する新規の細胞成長抑制物質を、非常に効率的に生産できることが分かった。
従って本発明は微生物 Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784株により生産される活性物質(カロポロシド誘導体)および生理学的に許容されるその塩、エステルおよびその明白な化学的等価物に関する。
【0007】
従って本発明は次の式I
【化1】
Figure 2004521137
[式中、
R1、R2およびR3は、互いに独立してH、または2〜10個の炭素原子、好ましくは2〜6個、特に好ましくは2個の炭素原子を有するアシル基であり;そして
R4はHまたは−C(O)(CH2)nCOOH、ここでnは1〜7であり、好ましくは1〜3、特に好ましくは1または2であり;
ただしR1、R2、R3およびR4の全てがHであることはない];
の化合物および生理学的に許容されるその塩に関する。
【0008】
式Iの化合物のアシル基は、直鎖または分枝状、飽和またはモノ−もしくはジ不飽和であってよい。
2個の炭素原子を有するアシル残基は、例えばアセチル残基である。
飽和、非分枝状アシル残基の例は、酢酸残基(C=2)、プロピオン酸残基(C=3)、酪酸残基(C=4)、吉草酸残基(C=5)、カプロン酸残基(C=6)、エナント酸残基(C=7)、カプリル酸残基(C=8)、ペラルゴン酸残基(C=9)、およびカプリン酸残基(C=10)である。
モノ不飽和、非分枝状アシル残基の例は、アクリル酸残基(C=3)、クロトン酸残基(C=4)、またはビニル酢酸残基(C=4)である。
ジ不飽和の、非分枝状アシル残基の例は、ソルビン酸残基(C=6)である。
【0009】
カロポロシド類は、弱い活性を持つ抗生物質であり、1つのサリチル酸と1つの二糖から成る。この2つの構造単位はアルキル鎖によりつながっている。式Iの化合物の糖部分は各々アルドヘキソースのD−ピラノース(例えば、D−グルコピラノースまたはD−ガラクトピラノース)およびアルドヘキソースのオニック酸(onic acid)(例えば、D−グルコン酸)から成る二糖であってよい。糖部分は好ましくは、非置換であるかまたは、上記で定義されたR2、R3および/またはR4により置換されているD−マンノピラノシル−D−マンノン酸である。
【0010】
本発明はさらに、
a)式I、[ここでR1=アセチル;R2=R3=R4=H(=カロポロシドB:分子式:C38H62O16、MW 774.9)]の化合物および生理学的に許容されるその塩;
b)式I、[ここでR1=R3=アセチル;R2=H;R4=マロニル(=カロポロシドC:分子式:C43H66O20、MW 902.99)]の化合物および生理学的に許容されるその塩 ;
c)式I、[ここでR1=R2=H;R3=アセチル;R4=マロニル(=カロポロシドD:分子式:C41H64O19、MW 806.96)]の化合物および生理学的に許容されるその塩 ;
d)式I、[ここでR1=R3=H;R2=アセチル;R4=マロニル(=カロポロシドE:分子式:C41H64O19、MW 806.96)]の化合物および生理学的に許容されるその塩 ;
e)式I、[ここでR1=R2=R4=H;R3=アセチル(=カロポロシドF:分子式:C38H62O16、MW 774.9)]の化合物および生理学的に許容されるその塩;
に関する。
【0011】
式Iの化合物中のキラル中心は、別に記載しない限りRまたはS配置をとり得る。本発明は光学的に純粋な化合物並びに、例えばエナンチオマー混合物およびジアステレオマー混合物のような光学異性体の混合物の両方に関する。
式Iの化合物は、培養培地中適当な条件下で、1種またはそれ以上の式Iのカロポロシド誘導体が培養培地中に増加するまで、Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784、またはその変異体もしくは突然変異体の1種を培養することにより、本発明に従って得られる。カロポロシド誘導体は、その後に行われる化合物の単離、および必要によって、化学的等価物および生理学的に許容されるその塩への変換により得られる。
【0012】
従って、本発明はさらに式Iの化合物の製造方法に関し、該方法は培養培地中適当な条件下で、1種またはそれ以上の目的化合物が培養培地中に増加するまで、微生物 Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784、またはその変異体もしくは突然変異体の1種を培養すること、およびその後該目的化合物を培養培地から単離すること、および必要によって、化学的等価物および/または生理学的に許容される塩に変換することを包含する。
【0013】
好ましくはST001714, DSM 13784株、その突然変異体および/または変異体を、炭素および窒素源を含む、そして一般的に用いられる無機塩を含む栄養溶液または固形培地(また培養培地と称する)中で、本発明の化合物が培養培地中に増加するまで培養し、その後該化合物を培養培地から単離し、そして必要によって、個々の活性化合物に分画する。
【0014】
本発明の方法は、実験室規模の培養(ミリリットル〜リットルの範囲)および工業規模(立方メートル規模)で用いることができる。
Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714株は、前培養において増やされた。単離された株は、ブダペスト条約(1999年12月14日)に基づき、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH, Mascheroder Weg 1B, 3300 Brunswick, Germanyで、以下の番号:DSM13784の下に寄託された。
Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784は白色の菌糸および紫色の胞子を有する。該株は、選択的にカバノキ属上に発生するが、他の宿主、例えばハンノキ属、ヤナギ属、ヤマナラシ属、ニレ属、サクラ族にも寄生し得る。
Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784株に代えて、1種またはそれ以上の本発明の化合物を合成する、その突然変異体および変異体を用いることもできる。このような突然変異体は、例えば紫外線またはX−線などの照射のような物理学的手段、または例えばメタンスルホン酸エチル(EMS)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(MOB)もしくはN−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)のような化学的突然変異誘発物質により、それ自体既知の様式において生成することができる。
【0015】
1種またはそれ以上の本発明の化合物を合成する突然変異体および変異体のスクリーニングは、以下のスキームに従って行われる:
−プレート培養物の凍結乾燥;
−有機溶媒を用いた凍結乾燥物の抽出;
−固相を用いる培養濾液からの化合物の抽出;
−HPLC、TLCによるまたは生物活性測定による分析。
【0016】
下記の培養条件を、Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714、寄託単離体DSM 13784並びにその突然変異体および変異体に適用する。
炭素源および窒素源および通例の無機塩を含有する栄養溶液において、Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784はカロポロシド誘導体を生産する。
培養に適当な、好ましい炭素源は吸収され得る炭水化物および例えばグルコース、ラクトース、スクロースまたはD−マンニトールのような糖アルコール、並びに例えばマルトエキスのような炭水化物含有天然生成物である。適当な窒素含有栄養素は:アミノ酸、ペプチドおよびプロテイン、並びにカゼイン、ペプトンまたはトリプトンのようなそれらの分解生成物、また肉エキス、酵母エキス、例えばトウモロコシ、小麦、マメ、大豆またはコットンプラントのような種子粉砕物、アルコール、肉紛または酵母エキス生産物の蒸留残留物、またアンモニウム塩および硝酸塩、また特に合成的に、もしくは生合成的に得られるペプチドがある。栄養溶液が含有し得る無機塩とは、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属、鉄、亜鉛、コバルトおよびマンガンの塩化物、炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩である。
【0017】
本発明の化合物は、約0.05〜5%、好ましくは1〜2%のマルトエキス、0.05〜3%、好ましくは0.05〜1%の酵母エキスおよび0.2〜5%、好ましくは0.5〜2%のグルコース、0.5〜3%、好ましくは0.5〜3%のセルロースパウダーおよび痕跡量の硫酸アンモニウムを含有する栄養溶液中で特に良好に生産される。百分率の値は各場合において、完全栄養溶液の重量に基づく。
【0018】
この栄養溶液において、Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784 はカロポロシド誘導体の混合物を生産する。1種またはそれ以上の本発明のカロポロシド誘導体の量については、その総量は栄養溶液の組成によって変化し得る。さらに、個々のカロポシド誘導体の合成を培地の組成によって制御することが可能であり、微生物によるカロポロシド誘導体の生産を全く行わせないか、または検出限度以下の量で生産させることができる。
微生物を好気的に培養、すなわち例えば、微生物を振とうフラスコまたは培養槽中で、振とうまたは攪拌しながら液体培養し、必要によって空気または酸素を導入するか、または固形培地上で培養する。これは約18〜35℃、好ましくは約20〜30℃、特に好ましくは25〜30℃の温度範囲において実行できる。pH範囲は、5〜8、好ましくは5.5〜6.5にすべきである。一般的に微生物は、これらの条件下で24〜720時間、好ましくは288〜576時間の期間培養される。
【0019】
有利には、培養は複数の段階で行われる。すなわち、まず最初に1またはそれ以上の前培養液が液体培地中で生産され、次いで例えば1:10の体積比で、実際の生産培地、本培養液中に移される。前培養液は例えば、菌糸を液体培地中に移し、それを約36〜120時間、好ましくは48〜72時間成長させることによって得られる。菌糸は例えば、菌株を約3〜40日間、好ましくは10〜30日間、固形または液体栄養培地上で、例えばマルト/酵母寒天またはポテト/デキストロース寒天培地上で成長させることにより得られる。
培養の進行は培地のpHまたは菌糸の容積に基づき、クロマトグラフィー方法、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、または生物活性試験によりモニターすることができる。
【0020】
下記の単離方法は、本発明のカロポロシド誘導体を精製するのに用いられる。
本発明のカロポロシド誘導体の、培養培地からの単離および精製は、天然物質の化学的、物理学的および生物学的特性を考慮しながら、既知の方法により行われる。HPLCはそれぞれのカロポロシド誘導体の培養培地中の濃度、または個々の単離段階における濃度アッセイに用いることができ、便宜上、検定標準溶液で求められる物質の量と比較する。
本発明の化合物を単離するために、培養液または固形培地での培養物を凍結乾燥し、次いでカロポロシド誘導体を凍結乾燥物から、場合により水混和性の有機溶媒で抽出する。有機溶媒相には本発明の天然物質が含まれており、それを濃縮し、必要によって真空濃縮を行い、さらに精製する。
【0021】
本発明の1種またはそれ以上の化合物の更なる精製は、適当な物質上のクロマトグラフィー、好ましくは例えば、モレキュラーシーブ上、シリカゲル上、アルミナ、イオン交換体上、吸着樹脂上、または逆相(RP)上でのクロマトグラフィーにより行われる。カロポロシド誘導体は、このクロマトグラフィー方法により分離される。カロポロシド誘導体のクロマトグラフィーは、水溶液、または水溶液と有機性溶液の混合物を緩衝液として行われる。
【0022】
水溶液と有機性溶液の混合物とは、溶媒中5〜80%の濃度における、好ましくは溶媒中20〜50%の濃度における、全ての水混和性有機溶媒、好ましくはメタノール、プロパノールおよびアセトニトリル、あるいは、全ての有機溶媒混和性の緩衝水溶液を意味する。用いられ得る緩衝液は、上に示したものに同じである。
【0023】
カロポロシド誘導体の極性の違いに基づくそれらの分離は、例えばMCI(R)(日本、三菱化学製吸着樹脂)またはAmberlite XAD(R)(TOSOHAAS社製)のような逆相クロマトグラフィーを用いて、例えばRP−8またはRP−18相のような他の疎水性物質を用いて行われる。さらに、分離は例えばシリカゲル、アルミナ等のような普通の相上のクロマトグラフィーを用いて行うこともできる。
カロポロシド誘導体のクロマトグラフィーは、緩衝水溶液または酸性水溶液または、水溶液とアルコールもしくは他の水混和性有機溶媒との混合物を用いて行われる。プロパノールおよびアセトニトリルが有機溶媒として好ましく用いられる。
【0024】
緩衝水溶液または酸性水溶液とは、例えば、水、濃度0〜0.5Mのリン酸緩衝液、酢酸アンモニウム、クエン酸緩衝液および、好ましくは濃度0〜1%のギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸または当業者に周知のあらゆる市販の酸を意味する緩衝水溶液の場合、0.1%酢酸アンモニウムが特に好ましい。
【0025】
クロマトグラフィーは100%水から開始し100%溶媒で終了する勾配を用いて行われ、20〜100%プロパノールまたはアセトニトリルの連続した直線勾配が好ましい。
また別法として、ゲルクロマトグラフィーまたは疎水性相上のクロマトグラフィーを行うことができる。
【0026】
ゲルクロマトグラフィーは例えば、Biogel-P 2(R)(Biorad社製)またはFractogel TSK HW 40(R)(ドイツ、Merck社製またはUSA、Toso Haas社製)のようなポリアクリルアミドまたはコポリマーゲル上で行われる。
前述のクロマトグラフィーの順序は逆にすることができる。
本発明の化合物は、固体状態において、およびpH領域3〜8、特に5〜7にある溶液中において安定であり、従って従来の医薬調製物に組み込むことができる。
【0027】
本発明の化合物の1またはそれ以上は、その有用な薬理学的特性により、ヒトまたは動物における薬剤としての使用に適している。
従って、本発明は式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩の、腫瘍症治療に用いる細胞成長抑止剤の製造のための使用に関する。
【0028】
更に本発明は、本発明の式Iの化合物に対し、化学的に等価であることが明白な物質の全てに関する。このような等価物は、化学的にわずかな違いを示す、つまり等しい効果を有する化合物か、または穏やかな条件下で本発明の化合物に変換される化合物である。また、該等価物は例えば、本発明の塩、還元生成物、エステル、エーテル、アセタールまたはアミド、および当業者が標準的な方法により調製できる等価物、および更に、全ての光学的対称物、ジアステレオマーおよび全ての立体異性形態を包含する。
【0029】
式Iの化合物の生理学的に許容される塩とは、その有機および無機塩の両方を意味し、Remington's Pharmaceutical Sciences (第17版、1418ページ(1985))に記載されている。物理学的および化学的安定性並びに溶解性のために、特に、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびアンモニウム塩は酸性の基に好ましく;塩基性の基に好ましいのは特に、塩酸、硫酸、リン酸の塩、または例えば酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸およびp−トルエンスルホン酸のような、カルボン酸の塩、またはスルホン酸の塩である。
エステル、エーテルおよびアセタールは、例えばAdvanced Organic Synthesis第4版、J.March, John Wiley & Sons, 1992またはProtective Groups in Organic Synthesis第3版、T.W.Greene & P.G.M.Wuts, John Wiley & Sons, 1999の文献に記載される方法によって調製できる。
【0030】
カルボキシル基は例えばLiAlH4を用いてアルコールに還元することができる。
最初に、アルカリ加水分解により式Iの化合物のグリコシド部分を除去することができる(W.Weberら, J.Antibiotics, 47, 1188-1194)。次いで、いずれかの所望の糖残基をグリコシル化により導入することができる(例えばKoenigs-Knorr反応)。相当する方法は文献、例えばCarbohydrate Chemistry, J.F.Kennedy, Oxford University Press, 1988に記載されている。
カロポロシド誘導体の活性化機構は解っていないが、有意な効力は検出することができた。
【0031】
CDKの阻害剤は、サイクリン依存性キナーゼによる特異的ペプチド基質のリン酸化率を測定するアッセイを用いて検出される。サイクリン依存性キナーゼは特定のサイクリンに結合することにより活性化される。[γ−P]−ホスフェートは、酵素により[γ−P]−ATP
からペプチド基質へ移される。アッセイは、96ウェルマイクロタイタープレート中で行われ:[γ−P]−ホスフェートの放射活性の基質への移行を測定する。
カロポロシド誘導体のIC50値を表1に示す。該値は、CDK−4の50%を不活性化する濃度を表す。
【0032】
【表1】
Figure 2004521137
【0033】
更に本発明は、本発明の化合物の少なくとも1種を含有する薬剤に関する。
本発明のカロポロシド誘導体の1種またはそれ以上の化合物は、原則的に希釈せずに、そのものとして投与することができる。好ましくは、適当な添加剤または担体物質と混合して用いられる。使用できる担体物質は、薬理学的に適当であり、薬剤において一般的な担体物質および/または添加剤である。
【0034】
本発明の薬剤は一般的に、経口的または非経口的に投与されるが、原則的には直腸投与も可能である。適当な固体または液体の医薬処方物は、例えば、顆粒剤、粉剤、(被覆)錠剤、(マイクロ)カプセル、坐薬、シロップ、乳剤、懸濁剤、エアロゾル、アンプル形態の点滴剤または注射用液剤、および活性物質の放出遅延製剤であり、その製造において一般的に崩壊剤または結合剤、コーティング剤、膨張剤、流動促進剤または潤滑剤、矯味嬌臭剤、甘味剤または可溶化剤のような担体および混合剤および/またはアジュバントが用いられる。頻繁に使用される担体または添加剤を挙げると、例えば、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトールおよび他の糖、タルク、乳タンパク質、ゼラチン、デンプン、ビタミン、セルロースおよびその誘導体、動物または植物油、ポリエチレングリコール、および例えば、滅菌水、アルコール、グリセロールおよび多価アルコールのような溶媒である。
【0035】
経口投与のための単位投与量は、マイクロカプセル化してもよく、必要によって、放出を遅延させるかまたは放出を長期間延長させるために、例えば粒子形態の活性物質を適当なポリマー、ワックスなどで被覆または包埋してよい。
好ましくは、医薬品は、各単位中に活性成分として本発明のカロポロシド誘導体の1種またはそれ以上の化合物を、特定の用量で含有するような用量単位で製造および投与される。錠剤、カプセルおよび坐剤のような固形の用量単位の場合、該用量は一日当たり約500mg以下であり得るが、好ましくは約0.1〜200mgである。またアンプル形態の注射用液剤の場合、一日当たり約200mg以下であるが、好ましくは約0.5〜100mgである。
【0036】
投与される日用量は、哺乳類の体重、年齢、性別および状態による。しかしながらいくつかの状況では、より高いまたはより低い日用量を用いることもできる。日用量の投与は、単一の用量単位形態を、またあるいは、複数個のより少ない用量単位形態を、1回で投与することにより行っても、分割した用量を特定の間隔を空けて複数回投与することにより行ってもよい。
【0037】
本発明の薬剤は、1種またはそれ以上の本発明の化合物を従来の担体および、必要によって、混合剤および/または添加剤で加工して、適当な用量形態にすることにより製造される。
本発明は更に、以下の実施例において説明される。百分率の値は体重に基づく。液体の混合率は別に記載のない限り、体積に基づく。
【実施例1】
【0038】
Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784のグリセロール培養液の調製
滅菌された300ml容三角フラスコ中の栄養溶液(マルトエキス 2.0%、酵母エキス 0.2%、グルコース 1.0%、(NH4)2HPO4 0.05%、pH6.0)100mlを、Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784株と共に140rpmの回転式シェーカー上で、25℃で7日間インキュベートする。次いで、この培養液1.5mlを80%グリセロール2.5mlで希釈し、−135℃で保存する。
【実施例2】
【0039】
三角フラスコ内におけるGloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784の前培養液の調製
滅菌された100ml容三角フラスコ中の栄養溶液(マルトエキス 2.0%、酵母エキス 0.2%、グルコース 1.0%、(NH4)2HPO4 0.05%、pH6.0)30mlを、Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784株と共に140rpmの回転式シェーカー上で、25℃で4日間インキュベートする。次いでこの前培養液の内2mlを、本培養液調製用のプレートに接種するのに用いる。
【実施例3】
【0040】
固形培地プレート上での、Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784の本培養液の調製
滅菌された25×25cmプレート(Nunc社製)に200mlの栄養溶液(20 g/l マルトエキス、2 g/l 酵母エキス、10 g/lグルコース、および0.5 g/l (NH4)2HPO4、pH6.0)を注入する。これらのプレートにそれぞれ2mlの前培養液を接種した。1種またはそれ以上の本発明の化合物の生産量は、約480時間後に最大に達する。
【実施例4】
【0041】
カロポロシド誘導体の生産
25×25cmプレート50枚を調製し、前培養液を接種した:
栄養培地:
20 g/l マルトエキス
2 g/l 酵母エキス
10 g/lグルコース
0.5 g/l (NH4)2HPO4
pH6.0(滅菌前)
インキュベーション時間:480時間
インキュベーション温度:25℃
【実施例5】
【0042】
Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784のプレート培養液からのカロポロシド混合物の単離
Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784の培養完了後、実施例3に従って得られたプレート培養液を凍結乾燥し、この凍結乾燥物を5リットルのメタノールで抽出する。活性物質含有メタノール溶液を濾過して残留物を除き真空濃縮する。濃縮物を水で希釈し、分取用1.0リットルMCI GEL,CHP20Pカラムにロードする。溶離は、水〜100%アセトニトリルの勾配を用いて行う。カラム流出液(25ml/分)を画分(各25ml)毎に回収し、カロポロシド誘導体含有画分(40%〜100%アセトニトリル)を合わせて1つにする。真空濃縮に続けて凍結乾燥を行い、8.5gの黄褐色粉末を得る。
【実施例6】
【0043】
RP18クロマトグラフィーによるカロポロシド誘導体の1次分離
実施例4に従って得られる生成物0.5gをNucleosil(R) 100-7 C18 HDカラム(サイズ:40 mm×250 mm)にロードする。溶離は、20%アセトニトリル(+0.1%酢酸アンモニウム/水)〜100%アセトニトリルの勾配を用いて、流速35ml/分で行う。カラム流出液を画分(35ml)毎に回収する。カロポロシド誘導体は主に画分39〜68に存在する。それらを合わせて1つにし、真空で溶媒を除き、次いで凍結乾燥する。これによりカロポロシドB(22.4mg)およびF(10.5mg)はすでに純度>95%であった。カロポロシドC(画分41;43.4mg)、D(画分43〜45;76.2mg)およびE(画分43〜45;76.2mg)は、純度約70%で得られ、従ってクロマトグラフィーにより更に精製を行った。
【実施例7】
【0044】
カロポロシドC、DおよびEの精製
実施例5に従って単離および濃縮されたカロポロシドC 20mgをLUNA(R) 5μ C18(2) カラム(サイズ:10 mm×250 mm)に装荷し、0.1%酢酸アンモニウム/水における25〜35%アセトニトリルの勾配を用いてクロマトグラフィーに供する。溶離液の流出は6.5ml/分であり、画分サイズは6.5mlである。カロポロシドCは画分35〜42に存在する。該画分を凍結乾燥して純度>95%のカロポロシドC(7.5mg)を得る。
【0045】
実施例5に従って単離および濃縮されたカロポロシドDおよびEの混合物25mgをLUNA(R) 5μ C18(2) カラム(サイズ:10 mm×250 mm)にロードし、0.1%酢酸アンモニウム/水における30〜40%アセトニトリルの勾配を用いてクロマトグラフィーに供する。溶離液の流出は6.5ml/分であり、画分サイズは6.5mlである。カロポロシドDは画分18および19に、カロポロシドEは画分20〜21に存在する。該画分を凍結乾燥して純度>95%のカロポロシドD(7.0mg)およびカロポロシドE(6.0mg)を得る。
【0046】
本発明の物質の物理化学的および分光学的特性は以下のようにまとめることができる:
カロポロシドB:
分子式:C38H62O16
分子量:774.9
UV極大:208、244、310
1H-および13C-NMR:表2参照
高分解能FABマススペクトルは、m/z775.4120 Daで極めて強いM+H+を示し、質量計算値(C38H63O16として、モノアイソトピック)である775.4116 Daと良好に一致する。
【0047】
カロポロシドC:
分子式:C43H66O20
分子量:902.99
UV極大:208、244、310
1H-および13C-NMR:表3参照
高分解能FABマススペクトルは、m/z903.4264 Daで極めて強いM+H+を示し、質量計算値(C36H71O25として、モノアイソトピック)である903.4284 Daと良好に一致する。
【0048】
カロポロシドD:
分子式:C41H64O19
分子量:860.96
UV極大:208、244、310
1H-および13C-NMR:表4参照
高分解能FABマススペクトルは、m/z883.3942 Daで極めて強いM+Na+を示し、質量計算値(C41H64O19Naとして、モノアイソトピック)である883.3939 Daと良好に一致する。
【0049】
カロポロシドE:
分子式:C41H64O19
分子量:860.96
UV極大:208、244、310
1H-および13C-NMR:表4参照
高分解能FABマススペクトルは、m/z833.3942 Daで極めて強いM+Na+を示し、質量計算値(C41H64O19Naとして、モノアイソトピック)である883.3939 Daと良好に一致する。
【0050】
カロポロシドF:
分子式:C38H62O16
分子量:774.9
UV極大:208、244、310
1H-および13C-NMR:表5参照
高分解能FABマススペクトルは、m/z775.4128 Daで極めて強いM+H+を示し、質量計算値(C38H63O16として、モノアイソトピック)である775.4116 Daと良好に一致する。
【0051】
【表2】
Figure 2004521137
a)MeODまたはDMSOにおけるこれらのプロトン/炭素原子のシグナルは観測されない(集合)。
【0052】
【表3】
Figure 2004521137
a)これらの原子核のシグナルは観測されない(シグナルが大きくブロードしている)。
b)シグナルがブロードしている。
c)新鮮な調製溶液中においてのみ、8’位にあるプロトンのシグナルが観測される(重水素での急速な置換)。
【0053】
【表4】
Figure 2004521137
a)これらのシグナルは明瞭に定めることができない。
【0054】
【表5】
Figure 2004521137
【実施例8】
【0055】
CDK−4阻害剤としてのバイオアッセイ
IC50を決定するために、本発明の天然物質のストック溶液を10mMの濃度で調製する。384−ウェルフラッシュプレートを室温で2時間、50μL(50μg/ウェル)のビオチン化ペプチド基質で覆い、次いでPBS緩衝液で3回洗浄する。緩衝液で希釈されたカロポロシド誘導体溶液30μL、およびあらかじめ混合されたATP/サイクリンD1/CDK4溶液20μL(終濃度:33P-γ-ATP 1μCi, ATP 2μM および 酵素混合物1μg)をピペットでプレート上にのせ、反応させる。37℃で2時間反応させた後、その都度プレートを3%リン酸80μLで3回洗浄し、次いでMicroBetaカウンターを用いて30秒間測定する。阻害パーセンテージの決定は、数学の方程式を用いて行う。本発明の物質の新鮮な希釈DMSO溶液の10濃度についてアッセイを行い、IC50値を決定する。
【0056】
微生物の受託書
Figure 2004521137

Claims (16)

  1. 次の式I
    Figure 2004521137
    [式中:
    1、R2、R3は、互いに独立してH、または1〜10個の炭素原子を有するアシル基であり、そして
    4はHまたは−C(O)(CH2)nCOOH、ここでnは1〜7であり、
    ただしR1、R2、R3およびR4の全てがHであることはない]
    の化合物、および生理学的に許容されるその塩。
  2. 1、R2、R3は互いに独立してHまたはアセチルであり、そして
    4はHまたはマロニル(n=1)である、
    請求項1に記載の式Iの化合物、および生理学的に許容されるその塩。
  3. 1はアセチルであり;そして
    2、R3およびR4はHである、
    請求項1または2に記載の式Iの化合物、および生理学的に許容されるその塩。
  4. 1およびR3はアセチルであり、
    2はHであり、そして
    4はマロニルである、
    請求項1または2に記載の式Iの化合物、および生理学的に許容されるその塩。
  5. 1およびR2はHであり、
    3はアセチルであり、そして
    4はマロニルである、
    請求項1または2に記載の式Iの化合物、および生理学的に許容されるその塩。
  6. 1およびR3はHであり、
    2はアセチルであり、そして
    4はマロニルである、
    請求項1または2に記載の式Iの化合物、および生理学的に許容されるその塩。
  7. 1、R2およびR4はHであり、そして
    3はアセチルである、
    請求項1または2に記載の式Iの化合物、および生理学的に許容されるその塩。
  8. 微生物 Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784、またはその変異体もしくは突然変異体の1種を適当な条件下で培養すること、1またはそれ以上のカロポロシド誘導体を単離すること、および必要なら、それを生理学的に許容される塩に変換することにより生産され得る、請求項1〜7のいずれかに記載の式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  9. 微生物 Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784、またはその変異体もしくは突然変異体の1種を適当な条件下で培養すること、1またはそれ以上のカロポロシド誘導体を単離すること、および必要なら、それを生理学的に許容される塩に変換することを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩の製造方法。
  10. 培養が好気条件下、温度18〜35℃で、pH5〜8で行われる請求項9に記載の方法。
  11. 薬剤として使用するための、請求項1〜8のいずれかに記載の式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  12. CDK阻害剤として使用するための、請求項1〜8のいずれかに記載の式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  13. 細胞増殖の病的な乱れを伴うがんまたはその他の疾病の治療に用いる薬剤を製造するための、請求項1〜8のいずれかに記載の式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩の使用。
  14. 請求項1〜8のいずれかに記載の式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩の少なくとも1種を含有する薬剤。
  15. 請求項1〜8のいずれかに記載の式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩の少なくとも1種を、適当な添加剤および/または担体を用いて適当な用量形態に変換することを包含する、請求項14に記載の薬剤の製造方法。
  16. 微生物 Gloeoporus dichrous (Fr.:Fr.) Bres. ST001714, DSM 13784。
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