JP2004520180A

JP2004520180A - 切削インサート

Info

Publication number: JP2004520180A
Application number: JP2002559195A
Authority: JP
Inventors: サトランアミル; ウリアニトスキーダニエル
Original assignee: Iscar Ltd
Current assignee: Iscar Ltd
Priority date: 2001-01-25
Filing date: 2001-12-26
Publication date: 2004-07-08
Anticipated expiration: 2021-12-26
Also published as: US20020098049A1; NZ526802A; ATE398504T1; DE60227154D1; PT1353771E; MXPA03006583A; KR100689172B1; CZ20031962A3; KR20030081394A; CA2433868C; PL195891B1; US6722824B2; EP1353771B1; JP3786920B2; WO2002058872A1; EP1355756B1; IL141089A0; RU2279334C2; PL198280B1; ATE279287T1

Abstract

立て削り作動または金属ワークピースの直角の角部を右利きおよび左利きの面フライス削り用にフライスカッターに取付けられる４つの切れ刃（２０）を備えた概ね四角形状の割出し可能な切削インサート（１０）。切れ刃は底面(１４)に平行で、２つのワイパー(２４)の間に延在する主切れ刃(２６)を有し、各ワイパーはコーナー縁部(２２)に隣接している。主切れ刃に隣接する第１の逃げ面(３４)は、第１の逃げ角(x１)を有し、および２つのワイパーに隣接する第２の逃げ面は、第１の逃げ角より大きな第２の逃げ角(x２)を有している。第１の逃げ面は、切れ刃に直角に計測されたとき、２つのワイパーの近傍で最小値を、切れ刃の中央領域(４２)で最大値を有する幅寸法を有している。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、立て削り作動または金属ワークピースにおける直角の角部の右利きおよび左利き面フライス用のフライスカッターに取付けるための、概ね四角形状の割出し可能な切削インサートに関する。
【背景技術】
【０００２】
金属ワークピースにおける直角の角部をフライス削りする、四角形状の割出し可能な切削インサートを有する先行技術のフライスカッターでは、４つの切れ刃により形成される基準面が、負のラジアルレーキおよび正のアキシャルレーキ（ヘリックス）を生じさせるように、切削インサートが一般に取付けられる。各インサートは、ワークピースの中で直角の角部、すなわち、肩部をフライス削りする主切れ刃および横に向けられた第２の切れ刃を有している。第２の切れ刃は、肩部の滑らかな基壁を形成するワイパーとして働き、主切れ刃に隣接するセクションと、作動しないセクションとの２つのセクションを一般に備えている。切削インサートは、小さなクリアランスが不作動セクションと肩部の基壁との間に形成されるように、設計され、且つ、フライスカッターに取付けられる。
【０００３】
切削インサートは、正のアキシャルレーキを持って取付けられるので、肩部の基壁とインサートの肩部基壁に隣接する側部フランクとの間のクリアランスを保証するためには、それが正のジオメトリを有することが好ましい。上述のようにフライスカッターに取付けられた切削インサートは、比較的小さな切れ刃くさび角および大きなラジアル方向逃げ角を有するであろう。結果的に、加工中において、切削インサートは切れ刃の領域において破損し易すく、フライスカッターがびびり振動し易い。切削インサートの性能は、ワークピースとインサートのワークピースに隣接する側部フランクとの間のクリアランスが主切れ刃の領域で減少されるが、ワイパーの領域では減少されないときに、改善されることが判明した。
【０００４】
特に興味あるのは、右利きおよび左利きのフライス削りの両方に用いられ得る、４つの切れ刃を備えた概ね四角形状の切削インサートである。かかる切削インサートは特許文献１に開示されている。しかしながら、このインサートは上述の方法では改善された性能をもたらさない。
【０００５】
【特許文献１】米国特許第５、９５１、２１２号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の目的は、右利きおよび左利きのフライス削りの両方に用いられ得、且つ、上述の方法で改善された性能をもたらす、４つの切れ刃を備えた概ね四角形状の新規な切削インサートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明に従って、フライス用の割出し可能な切削インサートであって、頂面、底面および底面と頂面の間に延びる実質的に同一なM個の側面を備え、頂面が切削インサートの平面視においてM辺の多角形の全体的形状を有し、各側面は２つのコーナー側面間に位置され、各側面は底面から頂面へ向けて外方に傾斜し、切れ刃において頂面と交差し、切れ刃は２つのコーナー縁部の間に位置され、そして底面に実質的に平行であり、各切れ刃は２つのワイパーの間に延びる主切れ刃を備え、各ワイパーはコーナー縁部に隣接され、各側面は、主切れ刃に隣接する第１逃げ面と、境界線で第１の逃げ面と合流し２つのワイパーで頂面と交差する第２の逃げ面との少なくとも２つのコンポーネント表面を備え、Mは４の整数倍であり、第１の逃げ面は切れ刃に直交させて計測したとき幅寸法を有し、該幅寸法が２つのワイパー近傍で最小値、および切れ刃の中央領域で最大値を有することを特徴とする切削インサートが提供される。
【０００８】
本発明に従えば、第１の逃げ面は、各側面に関する切れ刃を包含する基準面に垂直なラインに対し第１の逃げ角（０でない）を形成し、且つ第２の逃げ面は、第１と第２のワイパーの領域に第２の逃げ角（０でない）を形成し、第２の逃げ角が第１の逃げ角より大きい。
【０００９】
さらに、本発明の特定の実施形態に従えば、第２の逃げ面は、側面の中央領域で合流する２つの同一要素の逃げ面を備える。
【００１０】
好ましくは、２つの要素の逃げ面の各々はコーナー側面から側面の中央領域へ向かって外方に傾斜している。
【００１１】
望むなら、第１の逃げ面は研磨されている。
【００１２】
さらに望むなら、２つの要素の逃げ面は研磨されている。
【００１３】
さらに望むなら、第２の逃げ面にはその中央に位置された凹部が設けられている。
【００１４】
本発明に従えば、切削インサートは、頂面と底面とを通り抜ける貫通孔を有する。
【００１５】
好ましくは、切削インサートは、加圧され焼結された粉末体を備える。
【００１６】
本発明の好ましい実施形態に従えば、Mは４に等しい。
【００１７】
本発明の実施形態に従えば、第２の逃げ面にはその中央に位置された凹部が設けられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
より良い理解のために、本発明が例示のみにより添付の図面を参照しつつ説明される。
【００１９】
注意が最初に図１ないし５に向けられる。本発明による切削インサート１０は、頂面１２、底面１４および、底面１４および頂面１２の間に延びる実質的に同一な４つの側面１６を有している。切削インサートは、好ましくは、粉末体を加圧し焼結させることにより製造される。図３から分かるように、頂面１２は、切削インサート１０の平面視において全体的に四角形である。個々の側面１６は、２つのコーナー側面１８間に延在している。コーナー側面１８は、頂面１２の近傍に最大半径を有し、底面近傍の最小半径に減少するように丸みが付けられている。個々の側面１６は、底面１４から頂面１２へ向かって外方に傾斜し、切れ刃２０で頂面と交差している。換言すると、図１および２から分かるように、切削インサート１０は正のジオメトリを有し、その結果、個々の側面１６が切削インサート１０の頂面１２とで鋭いくさび角β（以下に詳細に説明されるように、本発明によれば、βは２つの値β１およびβ２を取る) を形成している。各切れ刃２０は、底面１４と実質的に平行で、２つの丸みが付けられたコーナー縁部２２間に延在している。切れ刃２０は、２つのワイパー２４、すなわち、コーナー縁部２２に隣接する補助切れ刃と２つのワイパー２４の間に延在する主切れ刃２６との２つの部分を備えている。頂面１２は、切れ刃２０、ワイパー２４およびコーナー縁部２２から、頂面１２の中央領域３０に向かって下方および内方へ傾斜しているチップすくい面２８を備えている。主切れ刃２６、ワイパー２４およびコーナー縁部２２は全て切削能力があり、従って、頂面１２の全周囲が連続的な切れ刃を形成し、そこからチップすくい面２８が下方および内方へ傾斜している。切削インサート１０は、切削工具のインサートポケット内に切削インサート１０をクランプするクランプねじを受入れるため、頂面１２の中央領域３０および底面１４を通り抜ける貫通孔３２を有している。
【００２０】
主切れ刃２６の領域において切削インサート１０を強化するために、側面１６が、主切れ刃２６に隣接する第１逃げ面３４と、境界線３８で第１逃げ面に合流し主切れ刃２６の両側の２つのワイパー２４で頂面１２に交差する第２逃げ面３６との２つのコンポーネント表面に分割されている。
【００２１】
第１の逃げ面３４は、切れ刃２０に直交して計測したときに、本発明の第１形態に従って、切れ刃２０の中央領域４０で最大値を有し、２つのコーナー縁部２２の近傍で最小値を有する幅寸法Wを有している。この構成によれば、図から分かるように、第１の逃げ面３４は概ね三角形である。更に、この構成は切削インサート１０に右利きまたは左利きのいずれもの切削インサートとして用いられるのをも可能とする対称性を付与する。
【００２２】
本発明の第２の形態は、切削インサート１０の側面１６の逃げ、すなわち、クリアランスに関する。説明および特許請求の範囲において、個々の側面１６に関連する切れ刃２０を包含する基準面Pが定義されている。各切れ刃２０は底面１４に実質的に平行であるので、基準面Pはまた、図２から分かるように、切削インサート１０の底面１４にも平行である。本発明の第２の形態によれば、第１の逃げ面３４は、基準面Pに直角なラインNに対し第１の逃げ角α１を形成し、第２の逃げ面３６はワイパー２４の領域で第２の逃げ角α２を形成する。ここで、第２の逃げ角α２は第１の逃げ角α１よりも大きい。図４および５から分かるように、本発明のこの形態によれば、個々の側面１６の主切れ刃２６の領域におけるくさび角β１がワイパー２４の領域におけるくさび角β２より大きい。明らかに、第１の逃げ面３４の存在が、増大されたくさび角の故に、主切れ刃２６の領域において切削インサート１０を強化している。特定の拘束力のない実施例によれば、α２＝１４°、α１＝８°であり、これにより、主切れ刃において、６°だけクリアランスを増大させ、一方、主切れ刃２６に沿ってくさび角を増大することにより、切削インサートを強化している。
【００２３】
図から分かるように、個々の側面１６の境界線３８は、側面１６の中央領域４２で会う２つの等しい境界線セクション３８a、３８bを備えている。本発明の好ましい実施形態によれば、境界線セクション３８a、３８bは直線である。同様に、第２の逃げ面３６は、側面１６の中央領域４２で合流する２つの同一要素の逃げ面３６a、３６bを備える。個々の側面１６に対しては、２つの要素逃げ面３６a、３６bのうちの各１つは、コーナー側面１８の近傍からそれらが合流する側面中央領域４２に向けて外方へ傾斜している。
【００２４】
多くの目的のためには、加圧し焼結し、さらなる処理なしで、図１ないし５に図解された切削インサートを製造すれば十分であるが、表面のうちのいくつかを研磨することでもって、より高い精度が得られる。したがって、もし望むなら、第１の逃げ面３４は研磨された表面である。さらに、もし望むなら、２つの要素の逃げ面３６a、３６bは研磨された表面である。
【００２５】
さて、注意が図６に向けられる。図６は、本発明の教示に従う切削インサート１０を図解し、ここでは、各第２の逃げ面３６に中央に位置された凹部４４が設けられている。個々の要素の逃げ面３６a、３６bは、上部領域４６a、４６bおよび下部領域４８a、４８bの２つの領域に分割されている。所与の側面１６の２つの要素逃げ面３６a、３６bにおける下部領域４８a、４８bは、コーナー側面１８の近傍から凹部４４に向けて外方に傾斜している。また、２つの要素逃げ面３６a、３６bにおける上部領域４６a、４６bは、側面１６の凹部４４の上の上部中央領域５０で合流している。
【００２６】
図７および８は、本発明の切削インサート１０の好ましい適用例を図解している。図７は立て削りカッター５２を示し、ここでは、３つの同一半径上に取付けられた切削インサート１０(１０’、１０”)のみが示されている。切削インサート１０は、左利きインサート１０’および右利きインサート１０”の両方として取付けられている。左利きインサート１０’として取付けられている切削インサートは、立て削りカッター５２の一方の面５３aの近くに作動するワイパー２４’を有し、一方、右利きインサート１０”として取付けられた切削インサート１０”は立て削りカッター５２の他方の面５３ｂの近くに作動するワイパー２４”を有している。図８は、本発明による切削インサート１０を用いる、ワークピースの右利きフライス用の面フライスカッター５４を示す（１つのインサートのみが示されている）。同様に、本発明による切削インサート１０はワークピースの左利きフライス用の面フライスカッターにも用いられ得る。
【００２７】
本発明がある程度特異的に説明されたが、以下に請求されるように、本発明の趣旨ないしは範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることは理解されるべきである。例えば、本発明は切削インサートの平面視が四角形の切削インサートに関して説明された。しかしながら、本発明は概ね四角形状のジオメトリを有する切削インサートに限定されるわけではない。本発明は切削インサートの平面視が概ね八角形状の切削インサートにも等しく適用されることが理解されよう。一般に、本発明は、切削インサートの平面視が概ねM角形状である切削インサートに等しく適用する。ここでMは４の整倍数である。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】本発明による切削インサートの斜視図である。
【図２】図１に示された切削インサートの側面図である。
【図３】図１に示された切削インサートの平面図である。
【図４】図３のIV−IV線に沿う切削インサートの部分の断面図である。
【図５】図３のV−V線に沿う切削インサートの部分の断面図である。
【図６】各第２の逃げ面に凹部を備える本発明による切削インサートの斜視図である。
【図７】本発明による切削インサートが着座されている立て削りカッターである。
【図８】本発明による切削インサートが着座されている面フライスカッターである。

Claims

フライス用の割出し可能な切削インサートであって、
頂面、底面および底面と頂面の間に延びる実質的に同一なM個の側面を備え、頂面が切削インサートの平面視においてM辺の多角形の全体的形状を有し、
各側面は２つのコーナー側面間に位置され、
各側面は底面から頂面へ向けて外方に傾斜し、切れ刃において頂面と交差し、切れ刃は２つのコーナー縁部の間に位置され、そして底面に実質的に平行であり、
各切れ刃は２つのワイパーの間に延びる主切れ刃を備え、各ワイパーはコーナー縁部に隣接され、
各側面は、主切れ刃に隣接する第１逃げ面と、境界線で第１の逃げ面と合流し２つのワイパーで頂面と交差する第２の逃げ面との少なくとも２つのコンポーネント表面を備え、
Mは４の整数倍であり、第１の逃げ面は切れ刃に直交させて計測したとき幅寸法を有し、該幅寸法が２つのワイパー近傍で最小値、および切れ刃の中央領域で最大値を有することを特徴とする切削インサート。
第１の逃げ面は、各側面に関する切れ刃を包含する基準面に垂直なラインに対し第１の逃げ角（０でない）を形成し、且つ第２の逃げ面は、第１と第２のワイパーの領域に第２の逃げ角（０でない）を形成し、第２の逃げ角が第１の逃げ角より大きいことを特徴とする請求項１に記載の切削インサート。
各側面の境界線は、側面の中央領域で会う２つの実質的に等しい直線の境界線セクションを備えることを特徴とする請求項２に記載の切削インサート。
第２の逃げ面は、側面の中央領域で合流する２つの同一要素の逃げ面を備えることを特徴とする請求項３に記載の切削インサート。
２つの要素の逃げ面の各々はコーナー側面から側面の中央領域へ向かって外方に傾斜していることを特徴とする請求項４に記載の切削インサート。
第１の逃げ面は研磨されていることを特徴とする請求項３に記載の切削インサート。
２つの要素の逃げ面は研磨されていることを特徴とする請求項６に記載の切削インサート。
切削インサートは、頂面と底面とを通り抜ける貫通孔を有することを特徴とする請求項２に記載の切削インサート。
切削インサートは、加圧され焼結された粉末体を備えることを特徴とする請求項２に記載の切削インサート。
Mは４に等しいことを特徴とする請求項２に記載の切削インサート。
第２の逃げ面にはその中央に位置された凹部が設けられていることを特徴とする請求項１ないし１０のいずれかに記載の切削インサート。