JPH11207510A - スローアウェイチップ及びスローアウェイ式穴明け工具 - Google Patents

スローアウェイチップ及びスローアウェイ式穴明け工具

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Publication number
JPH11207510A
JPH11207510A JP1308398A JP1308398A JPH11207510A JP H11207510 A JPH11207510 A JP H11207510A JP 1308398 A JP1308398 A JP 1308398A JP 1308398 A JP1308398 A JP 1308398A JP H11207510 A JPH11207510 A JP H11207510A
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JP
Japan
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tip
cutting edge
cutting
nose
cutter
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP1308398A
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English (en)
Inventor
Koyo Saeki
幸洋 佐伯
Masaharu Takiguchi
正治 滝口
Yasuhiko Kawade
保彦 川出
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削時に振動が生じても加工壁面の擦過やチ
ップの損傷を抑制する。 【解決手段】 スローアウェイチップ10を回転対称の
略六角形板状とし、対向する切刃15は、略山形の第一
切刃16と段差18を介して両側に接続される第二切刃
17a、17bとを備えている。一方の第二切刃17a
は他方の第二切刃17bより長く、第二切刃17aに第
一ノーズ部20を、他方の第二切刃17bに第二ノーズ
部21を接続する。稜線部22a、22bの両端に接続
する第一及び第二ノーズ部20,21は第一ノーズ部2
0の方が外側に距離dだけ突出する。チップ10をドリ
ル30の回転軸線Oとほぼ平行に取り付け、外刃チップ
10bの先端側に突出する切刃15の外周に第一ノーズ
部20を稜線部22a及び第二ノーズ部21より突出さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スローアウェイ式
ドリル等のスローアウェイ式穴明け工具等に用いられる
スローアウェイチップ、及びこのようなスローアウェイ
チップが装着されたスローアウェイ式穴明け工具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、スローアウェイ式ドリルの一例と
して特開平9−150304号公報に開示されたものが
ある。このドリルを図12及び図13により説明する
と、このドリル1は図示しないシャンク部の先端側に刃
部2が設けられ、刃部2の外周面にはドリル本体1aの
回転軸線Oに沿って一対の切屑排出溝が先端面から基端
部にかけて形成されている。そして、一対の切屑排出溝
の先端部には、2枚の略平行四辺形板状のスローアウェ
イチップ3,3がそれぞれチップ取付座6a,6bに取
り付けられている。このスローアウェイチップ3は、上
面の稜線部に略くの字型に屈曲された主切刃4と、段部
5aを介して略鈍角に交差する二つの切刃5b、5cか
らなる切刃部5とが各一対回転対称に形成されている。
そして、このスローアウェイチップ3のうち、内刃チッ
プ3aをなすスローアウェイチップ3は、主切刃4がド
リル1の回転軸線Oに近接した位置で先端側に突出して
取り付けられ、外刃チップ3bをなすスローアウェイチ
ップ3は切刃部5が回転軸線Oから遠い位置で先端側に
突出して設けられている。
【0003】切削の際には、内刃をなす主切刃4と外刃
をなす切刃部5とで被削材の切削が行われて穴加工され
るが、特に外刃チップ3bの外刃をなす切刃部5は、段
差5aを介して二つの切刃5b、5cに分離されている
ことで、切削加工時に切屑が段差5aで分離された状態
で生成され、それぞれの切屑が細いために排出性が良好
になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なドリル1では、スローアウェイチップ3が略平行四辺
形をなしているために、特に小径のドリル1では芯厚部
の領域を含む中央部7に食い込んで一対のチップ取付座
6a,6bが形成されるために、この中央部7の肉厚が
小さくスローアウェイチップ3の切削負荷を受けて損傷
しやすいという欠点がある。しかも外刃チップ3bにつ
いていえば、切刃部5の先端外周部に位置する切刃5b
とコーナーを介して隣接する側部の稜辺に主切刃4の一
部(符号4aで示す)が回転軸線Oとほぼ平行に延びて
いる。一方、ドリル1による穴明け加工時には、ドリル
1のシャンク部を工作機械のチャック等で片持ち保持し
ているためと切削抵抗のために振動が生じ易いが、その
際、主切刃4の一部4aがその長さ範囲に亘って加工穴
の加工壁面に断続的に衝突して、加工壁面を傷つけると
いう問題が生じる。しかも主切刃4の一部4aが欠損し
易いという問題がある。これを避けるためにスローアウ
ェイチップ3bを更に回転軸線O側に傾けて、主切刃4
の一部4aの回転軸線Oに対する傾斜角度即ちコーナー
角を正角に設定すると、中央部7の肉厚が一層小さくな
り、一層破損しやすくなるという問題が生じる。工具本
体1aの外径が小さくなると、一層この問題が大きくな
る。
【0005】本発明は、このような課題に鑑みて、穴明
け加工時に振動が生じても、工具本体の中央部の肉厚を
犠牲にすることなく加工壁面の損傷を抑制できるような
スローアウェイチップ及びスローアウェイ式穴明け工具
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるスローアウ
ェイチップは、着座面に対向する面の稜線が切刃をなす
スローアウェイチップにおいて、切刃は第一切刃と該第
一切刃に段差を介して接続される第二切刃とを備えてい
ると共に、前記切刃に続くコーナー部に第一ノーズ部が
設けられ、該第一ノーズ部に続いて形成される稜線部よ
り外側に突出していることを特徴とする。本発明による
スローアウェイチップを、切刃を先端側に向けてスロー
アウェイ式穴明け工具に装着すると、外周側に位置する
チップは、第一ノーズ部が工具本体の外周面から外側に
突出し、第一ノーズ部に続く稜線部は内側に引っ込めら
れているから、切削加工時に振動が生じても被削材の加
工壁面を擦過することが少なく、そのためにチップの損
傷も抑制される。しかもチップを工具本体の回転軸線と
ほぼ平行に装着できるから、チップ取付座が芯厚部分の
領域に食い込むことが少なく、工具本体の剛性も確保で
きる。
【0007】また、切刃に隣接する稜辺には、稜線部の
第一ノーズ部と反対側に第二ノーズ部が形成され、該第
二ノーズ部は第一ノーズ部より内側に引っ込められてい
てもよい。第二ノーズ部は稜線部より外側に突出してい
てもよい。また、切刃に隣接する稜辺には、稜線部の第
一ノーズ部と反対側に第二ノーズ部が形成され、該第二
ノーズ部は第一ノーズ部と同程度稜線部より外側に突出
していてもよい。尚、スローアウェイチップは、その両
端に第一ノーズ部と第二ノーズ部が接続された切刃が回
転対称に一対形成され、しかも対向配置されていてもよ
い。また、対向する切刃について、略山形の第一切刃の
頂点を結ぶ仮想線が、対向する一対の稜線部から同一の
距離で平行になるように形成されている、略六角形板状
のスローアウェイチップであってもよい。チップはコー
ナーチェンジして使用できる。切刃の内側にブレーカ溝
が設けられていてもよい。また、スローアウェイチップ
は多角形板状、好ましくは略六角形板状とされている。
【0008】本発明に係るスローアウェイ式穴明け工具
は、請求項1乃至3のいずれか記載のスローアウェイチ
ップを、第一切刃及び第二切刃を先端側に突出させて工
具本体に装着させてなる穴明け工具であって、スローア
ウェイチップは、第一ノーズ部が先端外周側に位置し且
つ外周側に突出して配設されていることを特徴とする。
本発明によるスローアウェイ式穴明け工具では、第一及
び第二切刃を先端側に向けてチップを工具本体の例えば
内側と外側に装着すると、外側に位置するチップは、第
一ノーズ部が工具本体の外周面から外側に突出し、稜線
部等、チップの他の部分より外周側に突出しているか
ら、切削加工時に振動が生じても被削材の加工壁面を擦
過することが少なく、そのためにチップの損傷も抑制さ
れる。また、スローアウェイチップは、稜線部が工具本
体の回転軸線とほぼ平行に取り付けられていてもよい。
そのため、チップを工具本体の回転軸線とほぼ平行に装
着できるから、チップ取付座が工具本体の先端中央部の
領域に食い込んで形成されることが少なく、工具本体の
剛性も確保できる。或いは、稜線部が、工具本体の先端
側から基端側に向けて漸次回転軸線に近接するように傾
斜して配設されていてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図8により説明する。図1は実施の形態によるスロ
ーアウェイチップの平面図、図2は図1に示すチップの
A−A線断面図、図3は図1に示すチップの底面図、図
4は図1に示すチップのB−B線断面図、図5は図1に
示すチップのC−C線断面図、図6は実施の形態による
チップを装着したドリルの穴加工状態における側面図、
図7は図6に示すドリルの先端面図、図8は図6に示す
ドリルの各切刃による切屑の生成状態を示す図である。
実施の形態によるスローアウェイチップ10は図1乃至
図3に示されるように略々六角形板状とされ、着座面を
なす下面11に対向する面が上面12とされ、側面13
は下面11から上面12に向けて外側に傾斜するポジチ
ップとされている。上面12中央には下面11まで貫通
するネジ挿通用の孔14が穿設されている。
【0010】上面12において、略山形の側面13とで
なす稜線は切刃15とされ、頂点16aを有し山形をな
す第一切刃16とその両端に位置する略直線状の二つの
第二切刃17a,17bとがそれぞれ段差18,18を
介して接続されている。そのため、第二切刃17a,1
7bより第一切刃16の方が外側に突出している。ま
た、第二切刃17aは17bよりも若干長く形成されて
いる。しかも切刃15全体で略山形をなすように構成さ
れている。切刃15は対向して一対形成され、しかも孔
14の中心点Mを中心にして回転対称に配設されてい
る。また、段差18,18は上面12から下面11まで
延在している。
【0011】そして、上面12において、対向する2つ
の第一切刃16,16の頂点16a,16aと孔14の
中心点Mを結ぶ仮想線をLとして、第二切刃17a、1
7bの端部につながる外周の各コーナー部には仮想線L
に直交する方向に突出する平面視略凸曲線状の第一ノー
ズ部20,第二ノーズ部21が形成され、これら第一及
び第二ノーズ部20,21は切刃を構成する。上面12
において、切刃15の両側に位置する第一ノーズ部20
と第二ノーズ部21の、第二切刃17a、17bとは反
対側の他端部は、仮想線Lに近づく方向に湾曲した位置
で直線状の稜線部22a、22bに接続されている。こ
れら稜線部22a、22bは、仮想線Lに平行で且つ仮
想線Lから等しい距離に形成されている。これらの稜線
部22a、22bは切刃を構成してもよいが、しなくて
もよい。そのため、稜線部22a(22b)の両側のノ
ーズ部20と21は、第二切刃17a、17bの寸法長
さが相違するために、仮想線Lからの距離がd(例えば
0.15mm前後)だけ相違するように突出量が相違す
る。また、上面12の切刃15の内側には、切刃15を
介して一端の第一ノーズ部20から他端の第二ノーズ部
21にかけてほぼ一定幅のブレーカ溝23がそれぞれ形
成されており、ブレーカ溝23の周囲には切刃15及び
ノーズ部20,21、そして上面の孔14の周囲の平面
部24につながる傾斜部25が形成されている。
【0012】また、側面13において、全周に亘って例
えば7°のポジの逃げ角が設定された第一逃面26が形
成されている。そして、特に第一ノーズ部20において
は、図4に示されるように、着座面11から側面13の
中央部にかけて、第一逃げ面26を斜めにカットして例
えば約20°の逃げ角が設定された第二逃げ面27aが
形成されている。また第二ノーズ部21においては、図
5に示されるように、着座面11から側面13の中途部
にかけて、第一逃げ面26を斜めにカットして例えば約
20°の逃げ角が設定された第三逃げ面27bが形成さ
れている。一例を挙げれば、側面13の(厚み方向の)
長さを2,38mmとした場合、第二逃げ面27aの長
さは1.0mm、第三逃げ面27bの長さは0.5mm
とされている。第二逃げ面27aと第三逃げ面27b
は、特に小径のドリルに組み込まれた際、第一及び第二
ノーズ部20,21が外周方向に突出しているために、
転削加工時に逃げ不足で加工壁面を擦過するのを防止す
るために側面13を切り欠いて形成されたものである。
第二逃げ面27aの厚み方向の長さが第三逃げ面27b
の厚み方向の長さより小さいのは上面12における第一
ノーズ部20と第二ノーズ部21の外側への突出量の差
異に起因する。上述のように、チップ10は中心点Mに
対して回転対称に形成されているため、ドリル等に装着
してコーナーチェンジして2コーナー使用できる。
【0013】次に上述のスローアウェイチップ10をド
リルに装着した構成について説明する。図6及び7にお
いて、穴明け工具の一例をなすドリル30はその工具本
体30aがシャンク部31と刃部32とからなり、その
中心が回転軸線Oとされている。刃部32の外周面に
は、ドリル30の先端面32aから基端部に向けて回転
軸線Oを中心に例えば一対の切屑排出溝33が螺旋状に
形成されている。そして、各切屑排出溝33の先端に
は、回転方向を向く壁面にチップ取付座34a、34b
が形成されている。一方のチップ取付座34aは回転軸
線Oに近接する位置に形成され、このチップ取付座34
aに装着されるスローアウェイチップ10が内刃チップ
10aとされ、他方のチップ取付座34bは回転軸線O
から離れた外周側に形成され、このチップ取付座34b
に装着されるスローアウェイチップ10が外刃チップ1
0bとされている。
【0014】そして、各チップ10a、10bの装着状
態で、図8に示すように内刃チップ10aと外刃チップ
10bはその仮想線L及び稜線部22a、22bが回転
軸線Oとほぼ平行とされている。内刃チップ10aは、
ドリル30の先端面32aから先端側に切刃15が突出
すると共に、先端部内側に第一ノーズ部20が位置し、
先端部外側に第二ノーズ部21が位置することになる。
しかも先端部内側の第一ノーズ部20と基端部内側の第
二ノーズ部21は側面視で回転軸線Oから反対側に突出
して配置されている。また、外刃チップ10bは、ドリ
ル30の先端面32aから先端側に切刃15が突出する
と共に、先端部外側に第一ノーズ部20が位置し、先端
部内側に第二ノーズ部21が位置することになる。しか
も先端部外側の第一ノーズ部20と基端部外側の第二ノ
ーズ部21は側面視で刃部32の外周面から外側に突出
して配置されている。従って、先端部外側の第一ノーズ
部20は基端部外側の第二ノーズ部21よりも外周側に
突出した構成とされている。しかも、外刃チップ10b
の方が内刃チップ10aよりも先端側に突出しており、
図8に示すように、外刃チップ10bの切刃15と内刃
チップ10aの切刃15はその回転軌跡において連続す
るものとする。
【0015】本実施の形態によるドリル30は上述のよ
うに構成されており、次にその作用を説明する。ドリル
30が回転軸線Oを中心に回転して被削材に穴明け加工
が行われる場合、各チップ10a、10bの切刃の回転
軌跡が重なるために、外刃チップ10bの第一切刃16
と第二切刃17aで被削材を切削加工し、内刃チップ1
0aでは第一切刃16と第二切刃17bで切削加工す
る。この時、外刃チップ10b及び内刃チップ10aに
おいて、第一切刃16と第二切刃17a、そして第一切
刃16と第二切刃17bとの間にそれぞれ段差18が存
在するために、第一切刃16と第二切刃17a、第一切
刃16と第二切刃17bによる各切屑はそれぞれ分離さ
れて生成され、それぞれ切屑排出溝33,33を通して
走行して、排出される。
【0016】しかも、外刃チップ10bでは、略山形の
第一切刃16の頂点16aが最初に被削材に当接するこ
とになり、切削開始時の切削トルクを低減することがで
きる。そして、少し遅れて内刃チップ10aの第一切刃
16がその中央頂部16aで切削を開始することで、同
様に内刃チップ10aの切削開始時の切削トルクを低減
できる。しかも、喰い付き時の衝撃と切削抵抗を小さく
できる。そのため、各チップ10a、10bで生成され
る切屑は、それぞれ分離されて生成されて切屑排出溝3
3から排出されるために、切屑排出性が良い。また、切
屑が切刃15の切削領域の幅よりも細く二分割された状
態で生成され、ブレーカ溝23でカール、折断処理等さ
れて切屑排出溝33を走行することで、切屑詰まりを抑
えてスムーズな排出ができる。
【0017】そして、ドリル30はシャンク部31を工
作機械のチャック等にいわゆる片持ち保持されるため
に、また切削抵抗のために、切削加工時にドリル30に
振動が生じる。この振動は回転軸線Oに略直交する方向
に生じるために、外刃チップ10bの外周側領域が被削
材の加工壁面に断続的に接触することになる。このと
き、本実施の形態では、外刃チップ10bの先端外周側
に突出する第一ノーズ部20が、基端側の外周に突出す
る第二ノーズ部21よりも外側に突出しており、しかも
両ノーズ部20、21間の稜線部22aは回転軸線O側
に引っ込められているから、ドリル本体30aの振動時
に被削材の加工壁面に当接する部分は第一ノーズ20部
だけであり、切削抵抗を減少させることができる。その
ため、加工壁面の擦過や外刃チップ10bの欠損等を効
果的に防止できる。
【0018】上述のように本実施の形態によれば、スロ
ーアウェイ式ドリル30について外刃チップ10bと内
刃チップ10aを回転軸線Oと平行に装着できるから、
ドリル本体30aの芯厚部分を含む領域である中央部9
の厚みを犠牲にすることがなく、中央部9を比較的大き
く形成でき、ドリル剛性が高い。しかも切削加工時にド
リル30に振動が生じても、チップ10bの先端外周側
の第一ノーズ部20だけが被削材の加工壁面に当接する
だけであるから、加工壁面を擦過したり、チップ10b
を欠損することを抑制できる。
【0019】尚、第一ノーズ部20の先端部20aにつ
いて、図1に示すように仮想線Lと平行な接線に対して
微少角度、例えば2°程度、第一ノーズ部20側から第
二ノーズ部21方向に向けて仮想線L側に傾斜していて
もよい。これによって、振動時における第一ノーズ部2
0による加工壁面への接触を更に減少させることができ
る。また、実施の形態において、外刃チップ10bと内
刃チップ10aでは第一切刃16の方が、第二切刃17
a、17bより回転軸線O方向先端側に突出配置されて
いるとしたが、これとは逆に第二切刃17a、17bの
方が先端側に突出するようにしてもよい。また、第一切
刃16の略山形形状として実施の形態では直線状切刃を
交差させた形状としたが円弧状でもよい。また、実施の
形態では、各チップ10a、10bは、切刃15の三つ
の切刃部分のうち、第一切刃16と一方の第二切刃17
aまたは17bで切削することとしたが、第一切刃16
と両方の第二切刃17a及び17bとで切削するように
しても勿論よい。
【0020】次に本発明の変形例を図9及び図10によ
り説明するが、上述の実施の形態と同一または同様の部
分または部材には同一の符号を用いてその説明を省略す
る。図9は第一の変形例であるスローアウェイチップの
平面図であり、図に示すスローアウェイチップ40にお
いて、上面12上で対向して配置される各切刃15、1
5は中心点Mを中心に回転対称とされている。しかも、
各切刃15、15の第一切刃16,16において、頂点
16a、16aは孔部14の中心点Mを含む仮想線L′
に対して反対方向にそれぞれ等しい距離、例えばd/2
だけずれている。
【0021】次に、図10は第二の変形例を示すスロー
アウェイチップの平面図であり、図に示すスローアウェ
イチップ60において、上面12上で対向して配置され
る各切刃15,15は、中心点Mを中心に回転対称とさ
れている。しかも両切刃15、15は仮想線Lに対して
線対称に形成されている。そのため、第一ノーズ部20
と第二ノーズ部21は、同一形状とされ、第一ノーズ部
20と第二ノーズ部21を結ぶ稜線部22a、22bに
対して同一の距離だけ仮想線Lに直交する方向に突出し
て形成されている。このようなスローアウェイチップ6
0,60を、図11に示すようにドリル30のチップ取
付座34a′,34b′に装着すると、少なくとも外周
側に位置する外刃チップ60bは先端側から基端側に向
かうに従って漸次回転軸線Oに近づくように傾斜(例え
ば2〜3°程度)して配置されている。図11に示す例
では内刃チップ60aも外刃チップ60bと同一角度傾
斜させられている。この場合、外刃チップ60bと内刃
チップ60aが傾斜している分だけドリル本体30aの
中央部9の肉厚が小さくなるが、各チップ60a、60
bは第一及び第二ノーズ部20、21を除く引っ込めら
れた稜線部22a、22bの領域が大きいため、ドリル
本体30aの芯厚を含む中央部9の肉厚減少に与える影
響は比較的小さい。
【0022】また、実施の形態では、外刃チップ10b
と内刃チップ10aとで生成される切屑がそれぞれ二分
割されているように、各切刃15は、第一切刃16の両
側に二つの段差18,18を介して二枚の第二切刃17
a、17bを設けて構成することとしたが、三つ以上の
段差を設けて四枚以上の切刃で構成してもよく、その場
合には三分割以上に分離された状態で切屑が生成される
ことになる。
【0023】
【発明の効果】上述のように、本発明に係るスローアウ
ェイチップは、切刃が第一切刃と該第一切刃に段差を介
して接続される第二切刃とを備えていると共に、切刃に
続くコーナー部には第一ノーズ部が設けられ、該第一ノ
ーズ部は、該第一ノーズ部に続いて形成される稜線部よ
り外側に突出しているから、切削加工時に振動が生じて
も、第一ノーズ部が被削材の加工壁面に当接するだけ
で、その他の部分は引っ込められているから加工壁面を
擦過することが少なく、そのためにチップの損傷も抑制
される。しかもチップを工具本体の回転軸線とほぼ平行
に装着できるから、チップ取付座が芯厚部分の領域に食
い込むことが少なく、工具本体の剛性も確保できる。
【0024】次に本発明に係るスローアウェイ式穴明け
工具では、請求項1乃至3のいずれか記載のスローアウ
ェイチップを、第一切刃及び第二切刃を先端側に突出さ
せて工具本体に装着させてなる穴明け工具であって、ス
ローアウェイチップは、第一ノーズ部が先端外周側に位
置し且つ外周側に突出して配設されているから、外側に
位置するチップは、第一ノーズ部が工具本体の外周面か
ら外側に突出し、稜線部等チップの他の部分より外周側
に突出しているから、切削加工時に振動が生じても被削
材の加工壁面を擦過することが少なく、そのためにチッ
プの損傷も抑制される。また、スローアウェイチップ
は、稜線部が工具本体の回転軸線とほぼ平行に取り付け
られているから、チップ取付座が工具本体の先端中央部
の領域に食い込んで形成されることが少なく、工具本体
の剛性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるスローアウェイチ
ップの平面図である。
【図2】 図1に示すチップのA−A線断面図である。
【図3】 図1に示すチップの底面図である。
【図4】 図1に示すチップのB−B線断面図である。
【図5】 図1に示すチップのC−C線断面図である。
【図6】 実施の形態によるチップを装着したドリルの
穴加工状態における側面図である。
【図7】 図6に示すドリルの先端面図である。
【図8】 図6によるドリルで切削加工する際における
切屑の生成状態を示す図である。
【図9】 実施の形態によるスローアウェイチップの第
一変形例を示す図である。
【図10】 実施の形態によるスローアウェイチップの
第二変形例を示す図である。
【図11】 図10に示すスローアウェイチップを装着
したドリルの先端部を示す側面図である。
【図12】 従来のスローアウェイチップ及びこのスロ
ーアウェイチップを装着したドリルの先端部を示す側面
図である。
【図13】 図12に示すドリルの先端面図である。
【符号の説明】
10 スローアウェイチップ 10a 内刃チップ 10b 外刃チップ 15 切刃 16 第一外刃 17a、17b 第二切刃 18 段差 20 第一ノーズ部 21 第二ノーズ部 30 ドリル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川出 保彦 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着座面に対向する面の稜線が切刃をなす
    スローアウェイチップにおいて、前記切刃は第一切刃と
    該第一切刃に段差を介して接続される第二切刃とを備え
    ていると共に、前記切刃に続くコーナー部には第一ノー
    ズ部が設けられ、該第一ノーズ部は、該第一ノーズ部に
    続いて形成される稜線部より外側に突出していることを
    特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の前記スローアウェイチッ
    プを、前記第一切刃及び第二切刃を先端側に突出させて
    工具本体に装着させてなるスローアウェイ式穴明け工具
    であって、 前記スローアウェイチップは、前記第一ノーズ部が先端
    外周側に位置し且つ外周側に突出して配設されているこ
    とを特徴とするスローアウェイ式穴明け工具。
  3. 【請求項3】 前記スローアウェイチップは、前記稜線
    部が前記工具本体の回転軸線とほぼ平行になるよう取り
    付けられていることを特徴とする請求項2記載のスロー
    アウェイ式穴明け工具。
JP1308398A 1998-01-26 1998-01-26 スローアウェイチップ及びスローアウェイ式穴明け工具 Withdrawn JPH11207510A (ja)

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