JP2004516307A - (メタ)アクリル酸の製法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は(メタ)アクリル酸の後処理において安定剤を再導入する方法に関する。
【0002】
(メタ)アクリル酸、すなわちメタクリル酸またはアクリル酸、の重合を減少させるために安定剤を使用することはすでに長い間公知である。
【0003】
Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (第6改訂版、1999 Electronic Release. Kapitel: Acrylic Acid and Derivatives − Acid Recovery and Purification)中では、アクリル酸の重合の好適な抑制剤として後処理の蒸留カラム中にヒドロキノンまたはヒドロキノンモノメチルエーテルが酸素の存在下に供給される。
【0004】
後処理工程中で使用される抑制剤は残分と共に焼却される。
【0005】
特開平7−53449号公報は(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルの重合を阻止するための方法を記載しており、そこでは蒸留の際にフェノチアジンおよびヒドロキノンと分子酸素とからなる組合せを使用している。
【0006】
最後に挙げた文献によれば、公知技術の欠点は(メタ)アクリル酸を高い温度に曝す工程において重合を減少させるために、一般に重合抑制剤を多量に添加しなければならないということである。
【0007】
更に、安定剤の回収可能性が記載されていないということは欠点である。
【0008】
更に、比較的高い蒸気圧を有する重合抑制剤を使用する際に、これは生成物中に容易に混入し、これを着色する。
【0009】
PERP−Report 96/97−8“Acrylic Acid/Acrylate”、Chem Systems Inc., New York,1997, 第20〜24頁は、アクリル酸後処理に使用した抑制剤であるヒドロキノンモノメチルエーテルの一部の回収を記載しており、その際アクリル酸ダイマー開裂の高沸点底部排出物を任意に水で抽出する。
【0010】
この回収法における欠点は、抽出のための付加的な工程の必要性である。
【0011】
DE−OS2901783中にはアクリル酸およびヒドロキノンを同時に回収するための方法が記載されており、その際多量のアクリル酸ダイマー、重合抑制剤および高物点物質を含有する底部液体に分解を伴う蒸留を行い、この蒸留においてはダイマーもしくはこれから切断されたアクリル酸が流動媒体として働きこうして抑制剤のヒドロキノンが蒸留物中に達する。
【0012】
その際、ヒドロキノンの回収のために残留する残分を付加的に水で抽出する。
【0013】
この分解を伴う蒸留は温度120〜220℃、および圧力2〜50ミリバールで実施する。
【0014】
この方法の欠点は、例において蒸留物中のヒドロキノンの含量が、供給液体中の含量より明らかに低いということである。重合抑制剤の効果的な回収のためには、付加的な工程である水での抽出が必要である。
【0015】
Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (第6改訂版、1999 Electronic Release. Kapitel: Acrylic Acid and Derivatives − Esterification)中には高分子量または低分子量のアクリル酸エステルの製法および後処理法が記載されており、ここでは使用した抑制剤が再導入されている。
【0016】
その際、生成物を高沸点物から分離する清留塔の、抑制剤を含有する高沸点の底部排出物の一部をその形でその他の高沸点物と一緒に後処理部にもしくはエステル化反応装置中に再導入する。
【0017】
この底部排出液のその他の部分、並びに場合により後処理部からの部分流を回収塔中に導き、その中で高沸点材料、例えば抑制剤、不純物およびポリマーを除去し、燃焼し、系中への蓄積を阻止する。
【0018】
その際の欠点は、再導入する抑制剤が非常に僅かな量を占める比較的多量の再導入流であり、これは後処理の性能を低下させる。更に、回収塔に供給される抑制剤は高沸点物として失われる。
【0019】
更に、この種の底部排出液はしばしば高い粘度を有し、これをポンプにかけることを困難にする。
【0020】
更に、例えばEP−A765856からは、固体のポリマーの存在によりアクリル酸の重合が促進されるので、ポリマー含有流の再導入を阻止しなければならないことが記載されている。
【0021】
少なくとも1種の安定剤の存在で(メタ)アクリル酸を後処理する方法において、後処理から由来する、実質的に(メタ)アクリル酸不含の、安定剤を含有する物質混合物を蒸留装置中に導き、これから得られる安定剤を含有する低沸点物流を後処理中に再導入する際に、安定剤の使用が減少することが見いだされた。
【0022】
本願明細書において安定剤とは(メタ)アクリル酸の重合を遅延させるかつ/または抑制する化合物である。例えばこれは抑制剤であってよい。
【0023】
ここでは重合とは、実質的に非可逆性である(メタ)アクリル酸の主にラジカル重合である。
【0024】
もちろん、重合がラジカルによらない、例えばアニオンまたはカチオン的に進行してもよい。
【0025】
非可逆的とはここでは、反応条件下に使用するポリマーの最高でも10質量%、しばしば5質量%より少量のポリマーが低沸点成分、例えばオリゴマーまたはモノマーに切断されることを意味する。
【0026】
この際、ポリマーとは重合により生じた化合物である。
【0027】
本発明による方法を一般に次のように実施する:
残留含量まで実質的に(メタ)アクリル酸不含であり、安定剤(活性形および/または非活性形)、(メタ)アクリル酸製造工程もしくは(メタ)アクリル酸後処理工程の種々の高沸点物、例えばオリゴマーまたはポリマー、並びに場合により吸収または抽出のための溶剤(以降、溶剤と呼ぶ)を含有する後処理流を好適な蒸留装置に供給する。
【0028】
この蒸留装置中では安定剤をその活性な形で含有する少なくとも1つの流れを高沸点成分から分離し、この低沸点物流を好適な位置で後処理に再導入する。低沸点物とは蒸留装置中でガス状で導出される成分を包含する。この流れは安定剤の他に残りの存在する(メタ)アクリル酸および/または溶剤、並びにその他の成分、例えばアクリル酸ダイマーを含有していてよい。
【0029】
分離した高沸点物にこの工程を更に複数回実施してもよく、例として熱放出に供給するか、または場合により熱または触媒による切断に供給し、その反応排出物を再び本発明による工程に供給するかまたは廃棄することができる。
【0030】
後処理から得られ、蒸留装置に供給される流れ中の(メタ)アクリル酸の残留量は、一般に20質量%、有利に最高で10質量%および特に有利に最高で5質量%である。
【0031】
溶剤は先行する吸収および/または抽出において使用されていてよく、かつ当業者に公知のこの目的のための使用可能な物質、例えば水、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、オルト−フタル酸ジメチルエステル、オルト−フタル酸ジエチルエステル、オルト−フタル酸ジブチルエステルまたはこれらの混合物を包含する。
【0032】
ジフェニルエーテルおよびビフェニルからなる混合物、例えば質量比10:90〜90:10の混合物を使用するか、またはこれに付加的に少なくとも1種のオルトフタル酸エステル、例えばオルト−フタル酸ジメチルエステル、オルト−フタル酸ジエチルエステルまたはオルト−フタル酸ジブチルエステルを0.1〜25質量%(ビフェニルとジフェニルエーテルの総量に対して)添加されている混合物を使用するのが有利である。
【0033】
(メタ)アクリル酸の後処理は吸収工程、脱着工程、抽出工程および蒸留工程を包含し、これは(メタ)アクリル酸製造のガス混合物から不純物を分離するために専門家には公知である。
【0034】
ガス混合物としては、C3−もしくはC4−アルカン、−アルケン、−アルカノールおよび/または−アルカナールの接触ガス相酸化において形成される反応導出物、および/または公知法によるアクリル酸もしくはメタクリル酸へのその前駆物質が好適である。特に有利であるのはプロペン、プロパン、アクロレイン、t−ブタノール、イソブテン、イソブタン、イソブチルアルデヒド、メタクロレイン、イソ酪酸またはメチル−t−ブチルエーテルを使用する。しかしながら、出発化合物としてはそれから本来のC3−/C4−出発化合物がガス相酸化の際に最初に中間的に生じるようなものも使用可能である。例えば、メタクリル酸の製造のためにはイソ酪酸またはメチル−t−ブチルエーテルを挙げることができる。
【0035】
アクリル酸もしくはメタクリル酸の製造の際には一般に、出発ガスを不活性ガス、例えば窒素、CO2、飽和C1〜C6−炭化水素、および/または水蒸気で希釈し、酸素と混合して高めた温度で(通常、200〜450℃で)並びに場合により高めた圧力で遷移金属、例えばMoおよびVもしくはMo、W、BiおよびFeを含有する混合酸化物触媒上を導通し、酸化的にアクリル酸もしくはメタクリル酸に変換する。この変換は例えば1工程でまたは多工程で実施する。メタクリル酸を製造する特に好適な方法はメタクロレインから出発する製法であり、特にメタクロレインをt−ブタノール、イソブタンまたはイソブテンの気相接触酸化によりまたはホルムアルデヒドとプロピオンアルデヒドとの反応により獲得する場合である。
【0036】
生じた反応混合物は所望の酸の他に副生成物、例えば未反応のアクロレインもしくはメタクロレインおよび/またはプロペンもしくはイソブテン、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素、酢酸、プロピオン酸、ホルムアルデヒド、その他のアルデヒドおよび無水マレイン酸を含有する。アクリル酸の場合、反応混合物は通常、全反応ガス混合物に対してアクリル酸30質量%、プロペン0.01〜1質量%およびアクロレイン0.05〜1質量%、酸素0.05〜10質量%、酢酸0.01〜3質量%、プロピオン酸0.01〜2質量%、ホルムアルデヒド0.05〜1質量%、その他のアルデヒド0.05〜2質量%、マレイン酸および無水マレイン酸0.01〜0.5質量%を含有し、残分として不活性希釈ガスを含有する。
【0037】
こうして、そのようなガス混合物はアクリル酸の場合には常圧で例えば120〜180℃の温度範囲に、特に有価生成物の沸点の+/−10℃の範囲、すなわち約131〜151℃を有する温度範囲に沸点を有する成分を実質的に含む、中間沸点フラクションとして主に凝縮する目的成分の(メタ)アクリル酸の他に、その他の化合物を高沸点および低沸点範囲に並びに重合することのできない成分を含有する。
【0038】
この後処理は、例えばアクリル酸のための後処理は、場合により例えば急冷または前急冷での冷却の後、前記の溶剤、例えばビフェニル、ジフェニルエーテルまたはフタル酸エステルまたはこれらの混合物または水での反応導出物の吸収を包含する。水での吸収の場合、アクリル酸より高いかまたは低い沸点を有していてもよい有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルアクリレート、ビフェニルおよび/またはジフェニルエーテルでのアクリル酸の抽出を続けて行う。
【0039】
所望の場合には、吸収からの取出し物を脱着にかけ、この脱着においては吸収排出物をガスで処理し、低沸点成分、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレインまたはアセトンの含有量を低下させる。
【0040】
前記の全ての場合に、通常蒸留による後処理を続け、この後処理においてはアクリル酸が流れる不純物、副生成物または使用した溶剤から分離される。この工程は1または多工程であってよい。
【0041】
溶剤中での吸収は本発明方法においては必ずしも必要なものではなく、反応混合物の先行する分別凝縮を使用することもでき、例えばDE−A19740253またはドイツの先願明細書10053086.9中に記載されている。
【0042】
冒頭に記載したように、後処理においてポリマー形成に対する好適な処置を実施しなければならず、多くの場合には少なくとも1種の安定剤の使用により行わなければならない。
【0043】
通常、この後処理においては多くの場合高沸点流が生じ、この高沸点流は多くの場合使用した安定剤をポリマーまたはオリゴマーと共に含有している。
【0044】
オリゴマーは(メタ)アクリル酸と系中に存在する他の成分とからミヒャエル反応により生じた化合物であり、例えばジアクリル酸(3−アクリロキシプロピオン酸)、トリ−、テトラアクリル酸等、並びにジ−、トリ−、テトラメタクリル酸等、3−ヒドロキシプロピオン酸およびヒドロキノン−(2′−カルボキシエチル)−エーテルである。
【0045】
オリゴマーは一般に少なくとも部分的に、すなわち少なくとも20質量%まで、有利に少なくとも30質量%まで、例えば熱処理により、場合により好適な触媒、例えばベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸または硫酸、の存在において低沸点成分に分解可能である。
【0046】
オリゴマーを含有する混合物の熱によるおよび/または触媒による分解はもちろん本発明による方法とも組み合わせることができる。
【0047】
本発明による発明のための安定剤としては、(メタ)アクリル酸と一緒に蒸留により分離するためには充分に揮発性でない、1種またはそれ以上の化合物、すなわち蒸留条件下での蒸気相中の含量が、供給した液相中のその含量の、20%より多くない、しかしながら特に10%より多くない、殊に有利には5%より多くない安定剤であるが、好適な蒸留工程において含有する高沸点物から分離されることができる程度に充分に揮発性である、1種またはそれ以上の化合物、すなわちこの蒸留条件下に蒸気相中の含量が供給した液相中のその含量の5%より多く、有利に少なくとも10%、特に有利に少なくとも20%である安定剤、を使用することができる。
【0048】
例えばこれは、N−オキシル、例えば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラ−メチル−ピペリジン−N−オキシル、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4,4′,4′′−トリス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル)−ホスフィットまたは3−オキソ−2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジン−N−オキシル、フェノールおよびナフトール、例えばp−アミノフェノール、p−ニトロソフェノール、2−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−メチル−4−t−ブチルフェノールまたは4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェノール、キノン、例えばヒドロキノンまたはヒドロキノンモノメチルエーテル、芳香族アミン、例えばN,N−ジフェニルアミン、N−ニトロソ−ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、例えばN,N′−ジアルキル−パラ−フェニレンジアミン(その際アルキル基は同一または異なっていてよく、それぞれ相互に独立して炭素原子1〜4個からなり、直鎖または分枝鎖であってよい)、ヒドロキシルアミン、例えばN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、尿素誘導体、例えば尿素またはチオ尿素、リン含有化合物、例えばトリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィットまたはトリエチルホスフィットまたは硫黄含有化合物、例えばジフェニルスルフィドである。
【0049】
その他のN−オキシルとして好適であるのは、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−メトキシピペリジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−トリメチルシリルオキシピペリジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル−2−エチルヘキサノエート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル−ステアレート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ベンゾエート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−(4−t−ブチル)ベンゾエート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−スクシネート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−アジペート、1,10−デカンジ酸−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エステル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルマロネート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−フタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−イソフタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−テレフタレート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサヒドロテトラフタレート、N,N′−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アジピンアミド、N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−カプロラクタム、N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ドデシルスクシンイミド、2,4,6−トリス−[N−ブチル−N−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]トリアジン、N,N′−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ビス−ホルミル−1,6−ジアミノヘキサン、または4,4′−エチレンビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン)である。
【0050】
その他のフェノールおよびナフトールとして好適であるのはo−、m−またはp−クレゾール(メチルフェノール)、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、6−t−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール[11066−49−2]、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールS、ビスフェノールC、3,3′,5,5′−テトラブロモ−ビスフェノールA、オクチルフェノール[140−66−9]、2,6−ジメチルフェノール、2−メチルヒドロキノン、2−(1′−メチルシクロヘキシ−1′−イル)−4,6−ジメチルフェノール、2−または4−(1′−フェニル−エチ−1′−イル)−フェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2−t−ブチル−6−メチルフェノール、2,4,6−トリス−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、BASF社のコレシン(Koresin)(R)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル、4−t−ブチルピロカテキン、2−ヒドロキシベンジルアルコール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、6−イソプロピル−m−クレゾール、4−t−ブチルピロカテキン、n−オクタデシル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシエチル−イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)−イソシアヌレートまたはペンタエリトリット−テトラキス−[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,6−ジ−t−ブチル−4−ジメチルアミノメチル−フェノール、6−sec−ブチル−2,4−ジニトロフェノール、Ciba Spezialitaetenchemie社の イルガノックス(Irganox)(R)245、259、565、1141、1192、1222、1330、1425およびMD1024、3−(3′、5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルエステル、3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヘキサデシルエステル、3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクチルエステル、3−チア−1,5−ペンタンジオール−ビス−[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,8−ジオキサ−1,11−ウンデカンジオール−ビス[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,7−ヘプタンジアミン−ビス[3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド]、3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、3−(3′,5′−ジ−メチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、ビス(3−t−ブチル−5−エチル−2−ヒドロキシ−フェニ−1−イル)メタン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニ−1−イル)メタン、ビス[3−(1′−メチルシクロ−ヘキシ−1′−イル)−5−メチル−2−ヒドロキシ−フェニ−1−イル]メタン、ビス(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−フェニ−1−イル)メタン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニ−1−イル)エタン、ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニ−1−イル)スルフィド、ビス(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−フェニ−1−イル)スルフィド、1,1−ビス(3,4−ジメチル−2−ヒドロキシ−フェニ−1−イル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(5−t−ブチル−3−メチル−2−ヒドロキシ−フェニ−1−イル)−ブタン、1,3,5−トリス[1′−(3′′,5′′−ジ−t−ブチル−4′′−ヒドロキシ−フェニ−1′′−イル)−メチ−1′−イル]−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,1,4−トリス(5′−t−ブチル−4′−ヒドロキシ−2′−メチル−フェニ−1′−イル)ブタン、ピロカテキン(1,2−ジヒドロキシベンゼン)、ベンゾキノン、2−メチル−p−ヒドロキノン、2,3−ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、3−メチルピロカテキン、4−メチルピロカテキン、t−ブチルヒドロキノン、2−メトキシフェノール(グアヤコール、ピロカテキンモノメチルエーテル)、2−エトキシフェノール、2−イソプロポキシフェノール、モノ−またはジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、4−ブトキシフェノール、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、p−フェノキシフェノール、4,4′−オキシジフェニル、3,4−メチレンジオキシジフェノール(ごま油)、3,4−ジメチルフェノール、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジルアルコール、2,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシベンジルアルコール(シリンガアルコール)、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(バニリン)、4−ヒドロキシ−3−エトキシベンズアルデヒド(エチルバニリン)3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(イソバニリン)、1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)エタノン(アセトバニリン)、オイゲノール、イソオイゲノール、ジヒドロオイゲノールまたはp−ニトロソ−o−クレゾールである。
【0051】
キノンとして更に好適であるのは、p−ベンゾキノン、テトラメチル−p−ベンゾキノン、ジエチル−1,4−シクロヘキサンジオン−2,5−ジカルボキシレート、フェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−3−ベンジル−p−ベンゾキノン、2−イソプロピル−5−メチル−p−ベンゾキノン(チモキノン)、2,6−ジイソプロピル−p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−3−ヒドロキシ−p−ベンゾキノン、エムベリン(Embelin)、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、2−アミノ−5−メチル−p−ベンゾキノン、2,5−ビスフェニルアミノ−1,4−ベンゾキノン、5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−アニリノ−1,4、ナフトキノン、アントラキノン、N,N−ジメチルインドアニリン、N,N−ジフェニル−p−ベンゾキノンジイミン、1,4−ベンゾキノンジオキシム、コエルリグノン(Coerulignon)、3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチルジフェノキノン、p−ロゾール酸および2,6−ジ−t−ブチル−4−ベンジリデン−ベンゾキノンである。
【0052】
その他の芳香族アミンとしては例えばニトロソジエチルアニリンまたはCiba Spezialitaetenchemie社のイルガノックス5057が好適である。
【0053】
その他のフェニレンジアミンとしてはN,N′−ジ−イソブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン(BASF社のKerobit(R) BPD)、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(Bayer社のVulkanox(R) 4010)、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、イミノジベンジル、N,N′−ジフェニルベンチジン、N−フェニルテトラアニリン、アクリドン、3−ヒドロキシジフェニルアミンまたは4−ヒドロキシジフェニルアミンが好適である。
【0054】
更に、トコフェロール、例えばα−、β−、γ−、δ−およびε−トコフェロール、トコール、α−トコフェロールヒドロキノン、並びに2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ヒドロキシベンゾフラン(2,2−ジメチル−7−ヒドロクマラン)が好適である。
【0055】
更に、これは安定剤の分解生成物または誘導体、例えば(メタ)アクリル酸およびヒドロキノンのミヒャエル付加物、であってもよい。
【0056】
常圧で141℃(アクリル酸の沸点)において、その蒸気圧が少なくとも15hPaであり、有利には20〜800hPa、特に有利には25〜500hPa、殊に有利には25〜250hPaおよび特に25〜160hPaである安定剤、およびその混合物が好適である。
【0057】
もちろんこの安定剤は実質的に非揮発性の安定剤、例えばフェノチアジンまたは無機塩、例えば銅ジメチルジチオカルバメート、銅ジエチルジチオカルバメート、銅ジブチルジチオカルバメートまたはサリチル酸銅またはマグネシウム塩、例えば酢酸マンガンとの混合物でも使用することができる。
【0058】
特に好適であるのは、ドイツ出願番号10064641.7を有する本願と同じ出願日を有するBASF社の同時出願“アクリル酸の製法”中にも記載されている安定剤組合せ、すなわちフェノチアジンおよび少なくとも1種のフェノール性化合物、並びに場合により少なくとも1種の金属塩を含有する安定剤組合せが好適であり、これを精留塔もしくは凝縮塔の塔頂にまたは塔頂の範囲に供給する。
【0059】
添加した新鮮な安定剤はそれぞれ単独でまたは混合物として液状で、固体でまたは好適な溶剤中に溶かした形で添加することができる。
【0060】
新鮮な、すなわち再導入したのではない安定剤の供給法は限定されない。
【0061】
この供給は後処理工程の全ての任意の位置で行うことができ、例えば前急冷または急冷中に急冷液と共に、吸収塔中に、例えば吸収剤と共に、吸収塔の供給口または任意の位置で、または蒸留塔中に、例えば供給流、再導入流と共に、冷却−または急冷循環中にまたはカラム中または多くの位置に直接、例えばWO00/20594中に記載されているように、実施することができる。
【0062】
多くの異なる安定剤を添加する場合、これらを相互に独立して後処理工程の種々の位置に実施することができる。有利には安定剤の添加を蒸留または吸収中に、特に有利には蒸留中におよび殊に有利には蒸留の冷却−または急冷循環中にまたは直接供給することもできる。
【0063】
供給した安定剤により、実質的にラジカル重合が阻止される。
【0064】
一般に安定剤は、ラジカル中心が酸素原子に存在するラジカルに作用することができる、例えばヒドロキノンまたはヒドロキノンモノメチルエーテル、または例えばN−オキシルまたは芳香族アミンにおけるようにラジカル中心が炭素原子存在するラジカルに作用することができるか、またはこれらは有利に、例えばペルオキシドを分解することができる、例えばリン含有または硫黄含有安定剤である。
【0065】
この方法は分子酸素(O2)の存在においても、存在しない場合にも実施することができる。酸素の存在で実施する場合、酸素含有ガスを使用することができ、このガス中で酸素は場合により不活性ガス、例えば二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)または希ガス、例えばヘリウムまたはアルゴン、またはこれらの混合物で希釈されている。有利には、窒素を希釈に使用する。
【0066】
酸素含有ガスの酸素含量は1〜100体積%であり、有利には2〜80体積%、特に有利には5〜50体積%であり、殊に有利には10〜30体積%であってよい。
【0067】
有利な実施形においては、空気を酸素含有ガスとして使用する。
【0068】
酸素の不存在で方法を実施する場合、前記の任意の不活性ガスを単独でまたは混合物で使用することが可能である。しかしながら、酸素含有ガスの存在で実施するのが有利である。
【0069】
本発明による処理のためには、安定剤が少なくとも部分的に重合を遅延および/または抑制する形で、ここでは活性形と呼ぶ形で、存在している後処理流が好適である、特にその中の活性な形の安定剤の量が、活性な形および不活性な形の総安定剤の量に対して、少なくとも10質量%、特に有利に少なくとも25質量%および殊に有利に少なくとも50質量%である後処理流が好適である。
【0070】
これは直接または間接的に、蒸留装置、回収装置または精留装置、吸収装置または脱着装置または急冷装置の塔底排出、側方取出し、自然循環、強制循環またはポンプ循環から取り出される。もちろんこれらの混合物も、場合により貯蔵の後に使用することができる。
【0071】
蒸留装置中に供給される流れ中の(活性および不活性の)安定剤の含量は、一般に、1〜50000ppm(w/w)、有利に5〜30000ppm、特に有利に20〜20000ppm(w/w)、殊に有利に50〜10000ppm(w/w)、非常に有利には100〜5000ppm(w/w)である。
【0072】
蒸留装置中に供給する流れ中の(メタ)アクリル酸の残留含量は、例えば50質量%まで、有利には40質量%まで、特に有利には25質量%までおよび殊に有利には10質量%までである。
【0073】
本発明による方法のための蒸留装置としては、当業者に公知の全ての蒸留装置、例えば循環蒸留装置、薄膜蒸発装置、流下薄膜蒸発装置、ワイパーブレード蒸発装置が好適であり、場合によりそれぞれ清留塔並びに回収塔を備えている。
【0074】
付加的に、回収流に例えば窒素または酸素含有ガス、有利に空気を導入することもできる。
【0075】
蒸留装置は温度80〜350℃、有利に100〜280℃、特に有利に120〜200℃、および特に130〜200℃、かつ温度とは独立して5〜2000hPa、有利に5〜1200hPa、特に有利に20〜500hPa、殊に有利に50〜400hPaおよび特に50〜300hPaで作動する。
【0076】
蒸留装置から後処理中に再導入する低沸点流中の安定剤の含量は一般に蒸留装置中に供給される流れの安定剤の含量の一般に少なくとも30質量%、有利に少なくとも40質量%、特に有利に少なくとも50質量%、殊に有利には60質量%、特に少なくとも85%である。
【0077】
蒸留装置から得られる流れの再導入のための好適な位置は、後処理工程の処理すべき(メタ)アクリル酸混合物がガス状相または液相で熱的に負荷されている、すなわち一般に例えば80℃を越える、特に100℃を越えるおよび殊に150℃を越える温度に曝されているような工程である。このことは、例えば、蒸発装置、蒸留装置、コンデンサー、急冷装置、吸収装置、脱着装置および再導入導管中での例えば吸収、脱着、抽出、加熱、蒸発、蒸留、精留または凝縮である。
【0078】
特に有利な実施形においては高沸点流の熱的および/または接触分解からのガス状の流れを記載した蒸留装置から得られる流れと同様な方法で再導入するのが好適である。分解のために好適な高沸点流は例えば凝縮塔または清留塔の、または前記の本発明による方法のための蒸留装置の高沸点流であってよい。
【0079】
分解における温度は一般に100〜220℃、有利に120〜200℃、特に有利に140〜180℃および殊に150〜180℃である。
【0080】
低沸点物の分離は、反応条件下に実質的に不活性なガス流を導通することにより(ストリッピング)、例えば窒素、水蒸気、および酸素含有ガス、例えば空気、の導通により補助される。
【0081】
残った残分を例えば部分的に取出し、蒸留するかまたはもう一度分解する。
【0082】
分解による低沸点生成物、例えばアクリル酸、メタクリル酸またはジアクリル酸の他に安定剤を含有していてよい、分解により得られるガス状流を場合により凝縮および/または更なる冷却の後に、後処理工程の全ての任意の位置、例えば急冷または前急冷、吸収塔、清留塔または凝集塔に再導入することができる。
【0083】
本発明による方法は(メタ)アクリル酸の後処理における安定剤の減少した使用により改善された経済性を可能にする。それというのもなお活性な安定剤を、従来のように廃棄せずに、後処理において再利用するので、この方法は経済的であるだけでなく、エコロジーにおける利点をも提供する。
【0084】
本発明を次の実施例により詳細に説明する。
【0085】
比較例1〜3
ヒドロキノンモノメチルエーテルを150質量ppm含有するアクリル酸をSambay蒸発装置中で、表中に記載した塔頂部圧でガス相が表に記載したような温度を有するように蒸留する。このガス相を導出し、完全に凝縮し、分析する。ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)の含量は表中に記載したように見いだされた。
【0086】
【表1】
【0087】
実験は、ヒドロキノンモノメチルエーテルが通常の蒸留条件下に実質的にアクリル酸と共に留出しないことを示す。
【0088】
例1〜3
ヒドロキノンモノメチルエーテルを150質量ppm含有するジフェニルエーテル75質量%およびビフェニル25質量%からなる混合物を比較例1〜3と同じ温度で同じ装置中で蒸留する。凝縮したガス相は次の含量を有する:
【0089】
【表2】
【0090】
この例はヒドロキノンモノメチルエーテルが高沸点溶剤と共に蒸留可能であることを示している。
【0091】
例4〜6
ジフェニルエーテル75質量%およびビフェニル25質量%からなる混合物99質量%およびアクリル酸1質量%およびヒドロキノンモノメチルエーテル150質量ppmからなる混合物を例1〜3と同じ装置中で同じ温度で蒸留する。凝縮したガス相は次の含量を有する:
【0092】
【表3】
【0093】
この例はヒドロキノンモノメチルエーテルがアクリル酸と共に高沸点溶剤から蒸留可能であることを示している。
【0094】
比較例4〜6
ジフェニルエーテル75質量%およびビフェニル25質量%からなる混合物99質量%およびアクリル酸1質量%およびフェノチアジン(PTZ)150質量ppmからなる混合物を例1〜3と同じ装置中で同じ温度で蒸留する。凝縮したガス相は次の含量を有する:
【0095】
【表4】
【0096】
比較例4〜6は、フェノチアジンがアクリル酸と共に高沸点溶剤から蒸留可能でないことを示している。
【0097】
例7
アクリル酸2mlおよびフェノチアジン20質量ppmを表中に記載した量のヒドロキノンモノメチルエーテルと共にガラスアンプル中に空気雰囲気中で充填し、気密に密閉し、油浴中120℃で浸漬深さ4cmで恒温保持した。重合が完結するまでの時間tを測定した。
【0098】
フェノチアジン/ヒドロキノンモノメチルエーテル混合物の完全な重合までの時間t(PTZ+MEHQ)およびフェノチアジン(20ppm)単独での時間t(PTZ)の間の比は有効比を示す:t(PTZ+MEHQ)/t(PTZ)
【0099】
【表5】
【0100】
ヒドロキノンモノメチルエーテルの添加によりアクリル酸中のフェノチアジンの効果が上昇することを、明らかに認識することができる。
Claims (10)
- 少なくとも1種の安定剤の存在で(メタ)アクリル酸を後処理する方法において、後処理から由来する、実質的に(メタ)アクリル酸不含の、安定剤を含有する物質混合物を蒸留装置中に導き、これから得られる安定剤を含有する低沸点物流を後処理中に再導入することを特徴とする、(メタ)アクリル酸の後処理法。
- 蒸留装置を80〜350℃の間で作動する、請求項1記載の方法。
- 蒸留装置を5〜2000hPaで作動する、請求項1または2記載の方法。
- 蒸留装置から後処理中に再導入される低沸点物流中の安定剤の含量が蒸留装置に供給される供給流の安定剤の含量の少なくとも30%である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 安定剤としてヒドロキノンおよびヒドロキノンモノメチルエーテルからなる群の化合物を少なくとも1種使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 後処理から由来する安定剤を含有する物質混合物が、ビフェニル、ジフェニルエーテルおよびオルトフタル酸ジメチルエステルからなる群の化合物少なくとも1種を含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 後処理から由来する安定剤を含有する物質混合物が(メタ)アクリル酸を最高で20質量%含有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- 後処理を酸素含有ガスの存在で実施する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- 蒸留装置に供給する物質混合物が安定剤1〜10000ppmを含有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 蒸留装置から得られる流れを吸収工程に導き、この中に酸化から得られた(メタ)アクリル酸を含有する反応ガス混合物を、場合により冷却した後、導入する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
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