JP2004514638A - 高濃縮過酸化水素を製造するための晶出方法 - Google Patents

高濃縮過酸化水素を製造するための晶出方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、懸濁晶出およびH結晶の後処理によって80質量%を上廻り、特に98質量%を上廻る含量を有する、極めて高濃縮された過酸化水素の連続的製造方法に関する。本発明によれば、充填結晶床を備えた水圧洗浄カラムまたは機械洗浄カラム中での向流洗浄の形をとる。さらに本発明は、99.9〜100質量%の濃度を有し、かつ、それぞれ4mg/lを下廻るTOC、硝酸塩、リン酸塩、ニッケルおよび錫の含量を有する過酸化水素を提供する。

Description

【0001】
本発明は、濃度Cの過酸化水素水溶液から、濃度Cの極めて高濃縮された過酸化水素を製造するための方法に関し、その際、Cは少なくとも80質量%であり、かつCはCを上廻り、この場合、この方法は、連続的な懸濁晶出、引き続いての晶出した過酸化水素の洗浄を含む。特に方法は、約90質量%の過酸化水素から、98質量%を上廻る過酸化水素を製造する方法に関し、さらには、本発明によって得ることの可能な極めて高純度の少なくとも99.9質量%の過酸化水素に関する。
【0002】
過酸化水素を製造するための公知方法、たとえば、アントラキノン環化法、電気分解法および直接合成法において、過酸化水素は、水性溶液の形で得られる。このような溶液を市場性のある生成物に変換する目的で、通常は引き続いての蒸留による溶液の濃縮がおこなわれる。この蒸留によって、約90質量%までの過酸化水素含有率を有する過酸化水素水溶液を得ることが可能である。蒸留によるさらなる濃縮において、費用および安全性の問題が生じる。
【0003】
より高濃縮された過酸化水素、すなわち、90質量%〜約98質量%の範囲でのH含量を有する生成物は、その高いエネルギー含量およびその高い純度の理由から、市場において収益的にますます重要である。過酸化水素が、反復的な再晶出によって得ることができることは公知である。過酸化水素の晶出に関する基本的概要ならびに過酸化水素/水系の固−液相図は、Walter C. Schumbらによる参考書“Hydrogen peroxide”、Reinhold Publishing Corp.(1955)、第210頁〜第220頁から公知である。この本によれば、高濃縮過酸化水素水溶液の顕著な性質は、著しい過冷却傾向にあり、この場合、これは、結晶化による濃縮をより困難なものとする。Schumbらによれば(第215頁)、結晶形成は、撹拌またはかき取りによるの再生方法においてか、あるいは冷却速度によって影響を受けることはない。しかしながら、過冷却された高濃縮過酸化水素の凝固が、過酸化水素結晶でのシード添加によって誘発される。バッチ分別晶出の低い効率は、晶出による濃縮の欠点とされるが(Schumb et al., 第215頁)、それというのも、晶出段階毎に、約2%でありかつ4%を上廻ることのない濃度での増加しか達成されないからである。この問題は、晶出した過酸化水素中での水の高い限界溶解性の結果として明らかであり、この場合、これらはさらに相図において示されている(Schumb、第211頁)。これらの限界溶解性の理由から、経験上、分別晶出によっては少なくとも99.9質量%の含量を有する過酸化水素を得ることは従来不可能であった。
【0004】
DE−PS 1041479では、過酸化水素水溶液を濃縮するための連続的方法が教示されている。この場合、この方法は、極めて高い濃度の過酸化水素を得ることを可能にする。濃縮のための装置は、晶出容器およびその下方に直接的に配置された精留カラムを含む。過酸化水素出発材料は、晶出容器中で、固体結晶相および液体母液から成る2相系が形成されるまで過冷却され、この場合、これらの相は、過酸化水素濃度に関する平衡化によって異なる。精留カラム中の温度は、上部末端から下部末端にかけて温度がゆるやかに増加する程度に調整される。結晶化過酸化水素の高い密度によって、結晶は精留カラム中で下方に沈み、材料の固−液交換は、それぞれ平衡化が達成されるまでおこなわれ、かつ結晶中のH濃度は底部に向かって増加する;母液中のH濃度は頭部に向かって低下する。それというのも、結晶化された過酸化水素と過酸化水素母液との密度の差はわずかであり、方法は低い空時収量によって特徴付けられる。従来公知の方法の工業的規模への適用を妨げる他の顕著な欠点は、スケールアップの問題(工業的スケールへの方法の適用):精留カラムの直径が増加するにつれて、好ましくない逆混合が生じることから成り、双方の結果として、機能が損なわれ、かつ工程のリスクは著しく増加する(たとえば、Weillinghoffら、in Chem.−Ing.−Tech.63(1991)、881−882参照のこと)。
【0005】
DE−PS 1041479による精製カラムは、原則として、重力洗浄カラム(gravity washing column)として操作する。カラムの最下部において、いくらかの結晶は再度融解し、このような融解物は洗浄媒体として作用する。このような洗浄カラムにおいては、向流の原理が働き、固−液分離および固体のさらなる精製が一つの装置中でおこなわれるが、しかしながら、スケールアップの問題は依然として、以下に示す本発明による懸濁晶出の方法が実施される場合にも存在する。
【0006】
前記に示されたスケールアップの問題は、刊行されていない特許出願DE10054742.7で記載されているように、層晶出法ならびに引き続いての発汗操作によって回避することができるけれども、しかしながら、ラージスケールであっても問題なく実施することができる固体および液体の簡単な分離の利点は、連続的な多段操作および高いエネルギー要求量といった欠点によって補われるものである。
【0007】
したがって、本発明は、少なくとも80質量%の過酸化水素水溶液から、極めて高濃縮された過酸化水素を、連続的に製造するための方法に関し、この場合、この方法は、工業的スケールであっても問題なく実施することができる。さらに本発明は、一工程でおおよそ90質量%の過酸化水素から、98質量%を上廻って、好ましくは少なくとも99.9質量%の過酸化水素を得ることを可能にする。濃縮およびそれによって得られる本質的に無水の過酸化水素に加えて、他の課題は、不純物、たとえば有機体炭素および通常の安定化剤の含量を低下させることに関する。通常の不純物は、工程による副次的成分および濃縮すべきH出発材料の製造中/後に添加される安定化剤である。これらの課題は、簡単に、本発明による方法を用いて、予測できない高い効率で達成することができる。
【0008】
したがって、本発明は、濃度Cの過酸化水素水溶液から濃度Cの極めて高濃縮された過酸化水素を連続的に製造するための方法を提供し、その際、Cは少なくとも80質量%であり、かつCはCを上廻り、濃度Cの過酸化水素水溶液の懸濁晶出および懸濁液中で得られた過酸化水素結晶の後処理を含み、この場合、この方法は、後処理が充填結晶床を有する水圧洗浄カラムまたは機械洗浄カラム中で向流洗浄の形をとり、かつ濃度Cの融解過酸化水素を洗浄媒体として使用することを特徴とする。従属請求項は、本発明による方法の好ましい実施態様に関するものである。
【0009】
方法は、特に単一工程で、85〜95質量%、特に88〜92質量%の範囲の濃度Cを有する過酸化水素水溶液を、98質量%を上廻るが、しかしながら特には99.9質量%以上の濃度Cに濃縮するのに適している。H出発材料の濃縮に加えて、不純物の含量は、同時に、驚異的に低い値に減少する。たとえば、H出発材料中40〜50mg/kgのTOC含量(全有機体炭素量)は、一工程で、約3mg/lのH生成物を下廻る値に減少させることができる。他の副次的成分および安定化剤、たとえば、リン酸塩、錫および硝酸塩は、通常の分析的方法の検出限界を下廻る値、一般的にはそれぞれの場合において3mgを下廻る値、特に1mg/kgを下廻るH生成物の値に減少させることができる。
【0010】
したがって、さらに本発明は、99.9〜100質量%の濃度およびそれぞれの場合において4mg/lを下廻るTOC、硝酸塩、リン酸塩、ニッケルおよび錫の含量を有する過酸化水素を提供する。99.9〜100質量%の過酸化水素は、好ましくは、H 1l当たり1mgを下廻るNiおよびSnおよびH 1l当たり2mgを下廻るリン酸塩を有する。
【0011】
本発明によって得ることができ、かつ極めて低い不純物含量を有する本質的に無水の過酸化水素は、たとえば、自動車燃料として、酸化剤としてまたは電子工業的目的のために、たとえば、電子部品を処理するための溶液を製造するために使用されてもよい。必要である場合には、極めて高く濃縮され、かつ極めて純粋なHに、特別な適用に関する一つまたはそれ以上の助剤および/または当業者に公知の安定化剤かまたは安定化剤組合せ物の有効量を添加することが可能である。適した安定化剤は、たとえば、錫化合物、リン酸塩、二リン酸塩および三リン酸塩、ホスホン酸塩およびラジカル受容体である。したがって、本発明による方法によって達成することができるH生成物の極めて高い純度は、H出発生成物中に含まれる安定化剤組合せ物を、H生成物中の他の助剤/活性成分での置換によるものである。
【0012】
本発明の基本的原理は、任意の好ましい単段または多段の晶出器中での結晶懸濁液の製造、その際、冷却は装置の壁を介してかまたは真空下での蒸発によっておこなわれ、引き続いての固−液分離、結晶の向流洗浄、および濃縮され精製された結晶の融解を含む。
【0013】
適した晶出器の例は:撹拌管晶出器、スクレーパ型晶出器、冷却板晶出器、晶出スクリュー、ドラム晶出器、管巣晶出器である。固−液分離のための適した装置は、通常の装置、たとえば、フィルターおよび遠心分離器であり、この場合、これらはさらに前記のように液体サイクロンによって、懸濁液を増粘させることが可能である。分離および洗浄は、好ましくは単一装置中で実施され、たとえば、充填結晶床を有する水圧洗浄カラムまたは機械洗浄カラム中で実施される。
【0014】
好ましくは使用されるべきスクレーパ型の冷却器またはスクレーパ型の晶出器は、冷却板を有する外壁かまたは容器を介して冷却される容器であり、この場合、濃縮すべき過酸化水素水溶液は、過酸化水素結晶が、冷却板内部かまたは冷却板上で晶出する程度に過冷却され、かつスクレーパまたはブレードの回転によって除去されてもよく、個々の結晶またはフレークを形成する。結晶は、懸濁液中で適した方法、たとえば撹拌によって維持される。本発明によれば、濃度Cの過酸化水素は、連続的に晶出器中に供給され;形成された結晶懸濁液は、連続的に、固−液分離および向流洗浄を組合せて使用される水圧洗浄カラムまたは機械洗浄カラムに供給される。
【0015】
驚くべきことに、同等の原理に基づくスクレーパ型晶出器または他の晶出器が使用される場合には、出発材料は、結晶核を形成するために、平衡温度をわずかに下廻って冷却されてもよい。0を上廻って5Kまで、特に0.5〜3Kの範囲で平衡温度を下廻っての冷却は特に適している。従来公知の技術(Schumb、第219頁 参照)とは対照的に、かなりの過冷却および種晶の添加は、スクレーパー型晶析器または同等の効果を有する晶出器が使用される場合には必要とされることなく、その結果、より効果的な濃縮および精製が可能になる。核生成に引き続いての十分な結晶の成長、および固−液分離、引き続いての洗浄のための適切な懸濁密度を達成するために、冷却は、相状態図にしたがってこれに必要とされる温度までおこなわれる。
【0016】
特に好ましい実施態様によれば、晶出器から除去された懸濁液は、連続的に固−液分離のための装置中に供給され、この場合、この装置は同時に、洗浄カラムとして操作される。過酸化水素の濃縮に関する従来技術において記載されている精留カラム、この場合、工業的な装置に関しては、重力カラム/洗浄カラムの形でなければならないのとは対照的に、水圧洗浄カラムまたは機械洗浄カラムを用いて、重力カラムを用いてのスケールアップにおいて生じる、予測不可能な逆混合を含む欠点を回避することが可能である。本発明によって使用すべき水圧洗浄カラムまたは機械洗浄カラム中において、結晶は軸方向に、水圧または機械力によって運搬され、したがって、緊密に充填された結晶床が形成される。
【0017】
水圧洗浄カラムの有利な実施態様において、懸濁液は、カラムの上部に装入され;液相(母液)は、フィルターを介してカラムから除去され、その結果として、緊密に充填された結晶床が形成される。液相は、結晶床を通って、カラムの底部の方向に流れ、かつ結晶床は、流れ抵抗の結果として下方にプレスされる。カラム底部において、回転式掻き取り装置が存在し、この場合、この装置は、緊密に充填された結晶床および洗浄カラムの下方部に装入された洗浄融解物から、再度懸濁液を生じさせる。懸濁液を熱交換器を通して汲み上げ、かつ融解する。融解物の一部分は、洗浄融解物として使用され;これをカラム中にポンプによって戻し入れ、かつ、反対方向に移動している結晶床を洗浄した。一方では、洗浄融解物は、結晶の洗浄を行い、他方では、融解物は結晶上で晶出する。放出された晶出のエンタルピーは、カラムの洗浄領域中での結晶床を加温する。
【0018】
機械洗浄カラムにおいて、この場合、これは、たとえば、EP0193226BおよびNL1007687Aによるものにおいて、密な結晶床を、融解物に対して透過性のプランジャーを用いて、カラム内部に作成する。プランジャーは、カラムの上部末端かまたは下部末端に配置されていてもよく;第1の場合において、懸濁液は、カラムの上部領域に供給され、第2の場合において、これはカラム中程、または下部領域に提供される。プランジャーは融解物に対して透過性であるので、圧縮することで融解物はプランジャーの後方からでて、ここで引き抜かれる。水圧洗浄カラムと同様に機械洗浄カラムも、掻き取り装置、たとえば、回転式掻き取り部を含み、結晶床から結晶を掻き取り、かつ懸濁液中に洗浄融解物と一緒に運搬する。洗浄融解物は、結晶床とは反対の方向に流れる。懸濁液は、プランジャーとは反対の洗浄カラム側から除去され、かつ、融解した後に、融解物の一部分を洗浄融解物としてフィードバックし、かつ他の部分を極めて純粋な生成物として循環から搬出する。
【0019】
の濃縮以外の目的で、従来的に使用されている、機械洗浄カラムまたは水圧洗浄カラムを用いての融解晶出(melt crystallisation)のための適した装置および方法は、いわゆる、フィリップスパルセーションカラム、フィリップスプレッシャーカラム、ブレンナン−コッパース法(Brennan−Koppers process)、ニロ−グレンコ凍結濃縮法(Niro−Grenco freeze−concentration)およびTNO法である。懸濁晶出および引き続いての水圧洗浄カラムまたは機械洗浄カラム中での結晶の洗浄は、“Melt Crystallization Technology”G.F. Arkenbout, Technomic Publishing Co. Inc., Lancaster−Basel (1995), p. 265−288、および廃水の予濃縮のためのNiro 凍結濃縮に関する文献、Chemie Ingenieur Technik(72)(10/2000)、1231−1233に関する。
【0020】
図は、方法を概略的に記載した方法の略図を示す;
貯蔵容器1から結晶化すべき出発材料を、液体の状態で、すなわち、平衡温度をちょうど上廻る温度で、装入口2を介して、懸濁液生成器、好ましくはスクレーパ型冷却器に供給した。出発材料を平衡温度以下に冷却することによって、結晶核は最初に、懸濁液生成器中で形成され、さらに冷却することによって懸濁液密度は連続的に増加する。懸濁液密度は一般的に5〜80%、好ましくは20〜50%および特に20〜30%である。懸濁液は連続的に、装入口4を介して、機械洗浄カラム5に供給され、かつ、可動式濾過装置を介して液相および固相に分離される。濾液は洗浄カラムから放出され、かつ連続的に母液容器12に供給される。収量を増加させる目的のために、濾液の一部を、母液返送路11を介して懸濁液生成器にフィードバックすることは有利である。洗浄カラム中の結晶は、結晶床を形成するために圧縮され、かつ洗浄カラムの型に依存して、回転式ブレードを用いて、頭部または底部でこすりおとす。こすりおとされた生成物である結晶は、循環ポンプ7を介して生成物循環路6中で、懸濁液の形で循環して汲み上げられ、かつ熱交換器8を用いての融解エンタルピーの導入によって溶融した。循環路6からの一部分を、向流洗浄のための管路10を介して、洗浄液として洗浄カラム中にフィードバックし、他の部分を生成物容器9に入れる。
【0021】
スクレーパ型晶出器と機械洗浄カラムとの組合せは高純度の有機物質の製造に関して公知であるが、このような方法が、極めて高濃縮され、特に純粋な過酸化水素を得る目的のために、水を含む場合であっても混合結晶を形成する過酸化水素水溶液の濃度に関して、高く適していることは予想できなかった。濃縮された過酸化水素の性質に関しては、前記に挙げられたSchumbによる文献の相状態図中で見出されるものであって、一工程で約10%を上廻る範囲の濃度が達成されるであろうことは予想されなかった。前記に示したように、98質量%を上廻るばかりか、99.9質量%以上のH、すなわち本質的に100質量%のHを得ることができることは予想されなかった。さらに驚くべきことに、不純物の内容物、たとえば、有機性炭素、リン酸塩および重金属は、本発明による方法によって検出限界を下廻る値に減少した。
【0022】
実施例
例1
懸濁液を製造するためのスクレーパ型晶出器、および底部に配置されたプランジャーをおよび頭部に配置された精製融解物のための排出口を備えた機械洗浄カラムを有する図の装置中で、濃度C=89.7質量%を有する過酸化水素水溶液を使用した。出発材料を、−12.2℃の平衡温度を約3K下廻るように冷却した。驚くべきことに、種晶の添加なく結晶化が生じた。さらに−21℃に冷却することによって、さらなる晶出が生じ、懸濁密度が増加した。晶出器から除去された結晶懸濁液を、洗浄カラム中で圧縮し、圧縮結晶床を形成した。結晶床の上部は、回転スクレーパによってこすりおとされ、かつ、この領域に導入された洗浄溶融物と一緒になって、すなわち、濃度Cの過酸化水素を有する結晶懸濁液を形成し、この場合、これは、生成物循環路中で融解し、この一部分を向流洗浄のために結晶床中にフィードバックした。ほぼ100質量%の濃度を有する過酸化水素が得られた。TOC含量を、出発材料中約40mg/kgから生成物中4mg/l未満まで減少させた。さらに、H生成物中のSn、Ni、硝酸塩およびリン酸塩含量は、それぞれ検出限界を下廻るものであって、この場合、これらは0.02mg/lを下廻るSn、1mg/lを下廻るNiおよび2mg/lを下廻るリン酸塩である。
【0023】
例2
87.5質量%の含量を有する過酸化水素水溶液を用いて、核生成の目的で−16℃に過冷却し、さらに−26℃に冷却することで、適切な懸濁液密度を達成し、例1で使用したように機械洗浄カラム中で、固/液分離および洗浄をおこない、同様の結果を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による方法を示す概略図。
【符号の説明】
1 貯蔵容器、 2 装入口、 4 装入口、 5 機械洗浄カラム、 6 生成物循環路、 7 循環ポンプ、 8 熱交換器、 9 生成物容器、 10 向流洗浄のための管路、 11 母液返送路、 12 母液容器

Claims (9)

  1. 濃度Cの過酸化水素水溶液の懸濁晶出および懸濁液中に含まれる過酸化水素結晶の後処理を含む、濃度Cが少なくとも80質量%であり、かつCがCを上廻る、濃度Cの過酸化水素水溶液から濃度Cの極めて高濃縮された過酸化水素を連続的に製造するための方法において、後処理が、充填結晶床を備えた水圧洗浄カラムまたは機械洗浄カラム中での向流洗浄の形をとり、かつ濃度Cの融解過酸化水素を洗浄媒体として使用する、濃度Cの過酸化水素水溶液から濃度Cの極めて高濃縮された過酸化水素を連続的に製造するための方法。
  2. 85〜95質量%、特に88〜92質量%の範囲で、濃度Cの過酸化水素水溶液を、一工程で98質量%を上廻り、特に99.9質量%以上の濃度Cに濃縮する、請求項1に記載の方法。
  3. 懸濁晶出を、単段スクレーパ型晶出器または多段スクレーパ型晶出器中でおこなう、請求項1または2に記載の方法。
  4. 懸濁晶出を、スクレーパ型晶出器中でおこない、結晶の向流洗浄を懸濁液の固−液分離と組合わせて機械洗浄カラム中でおこない、かつ、洗浄カラムから搬出された母液の一部をスクレーパ型晶出器中にフィードバックする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 懸濁晶出中の核生成を、H出発材料の平衡温度を0を上廻り5Kまで、特に0.5〜3Kの範囲で下廻る温度でおこない、その後に温度を、さらに懸濁液密度が5〜80%の範囲に達するまで低下させる、請求項3または4に記載の方法。
  6. 懸濁晶出を、20〜50%、特に20〜30%の範囲の懸濁液密度でおこなう、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 融解物の形で洗浄カラムから搬出される、少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99.9質量%の濃度Cを有する過酸化水素を、一つまたはそれ以上の安定化剤、特に錫化合物、リン酸塩、二リン酸塩または三リン酸塩、ホスホン酸塩およびラジカル受容体の群からの安定化剤の有効量で安定化させる、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 99.9〜100質量%の濃度を有し、かつそれぞれ4mg/lを下廻るTOC、硝酸塩、リン酸塩、ニッケルおよび錫、好ましくは1mg/lを下廻るニッケル、1mg/lを下廻るSnおよび2mg/lを下廻るリン酸塩の含量を有する過酸化水素。
  9. 自動車または電子部品の処理のための酸化剤としての、請求項8に記載の過酸化水素の使用。
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