JP2004513639A - イオン液の存在下での酵素触媒反応 - Google Patents

イオン液の存在下での酵素触媒反応 Download PDF

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Abstract

本発明は、イオン液の存在下での酵素触媒反応の実施に関するものである。

Description

【0001】
本発明は酵素とイオン液とを含む組成物およびイオン液の存在下での酵素触媒反応実施方法に関するものである。
【0002】
今日まで、酵素は、実験室および工業的スケールでの反応に関し、生体触媒としてしっかりと確立されている。にもかかわらず、酵素反応を用いたすべての成功にかかわらず、相変わらず例えば次のような問題がある:
−抽出物溶解度が低い結果としての低生産性、
−平衡反応における低収率、
−位置選択的または立体選択的変換における不十分な選択性、
−生成物阻害
−副反応発生(並発・逐次反応)
【0003】
これらの問題を、有機溶媒の添加によって(G.Carrea,S.Riva,Angew.Chem.2000,112,2312;J.M.S.Cabral,M.R.Aires−Barros,H.Pinheiro,D.M.F.Prazeres,J.Biotechnol.1997,59,133;M.N.Gupta,Eur.J.Biochem.1992,203,25)、塩の添加によって(A.M.Blinkorsky,Y.L.Khmelnitzky,J.S.Dordick,J.Am.Chem.Soc.1999,116,2697)、あるいはマイクロエマルジョン中での反応実施によって(B.Orlich,R.Schomaecker 1999,65,357−362)、解決しようとの公知の試みはあった。しかししばしば、それによって得られた改善は有意なものではなく、さらなる出費を正当化するものではない。またはこの条件のもとでは酵素の安定度がひどく低下する(G.Carrea,S.Riva,Angew.Chem.2000,112,2312)。イオン液は低温度(100℃未満)のときは溶解塩で、非分子性のイオン性をもつ新しいクラスの溶媒の典型である。最初の典型は1914年来知られてはいるものの、イオン液が化学変換の溶媒として盛んに研究されているのはここ15年来だけである。イオン液は測定できるような蒸気圧を有しない。これはプロセス工学上大きな利点であり、なぜならばそれによって生成物分離の効果的な方法として反応混合物の蒸留的分離が可能となる。溶媒と生成物との間の共沸混合物形成によって引き起こされていた公知の問題は生じない。イオン液は200℃を超えても温度安定である。陽イオンと陰イオンを適当に選べば、極性を段階的に調節し、それによって溶解特性を調整することが可能である。その範囲は水混和性のイオン液から水非混和性のイオン液、さらにはそれ自体が有機溶媒と二相を形成する液まで達する。この並外れた溶解特性のうまい利用が、イオン液を新たなクラスの溶媒としてうまく使うための鍵となる。
【0004】
イオン液はすでに、二相触媒で新たなタイプの媒体として、または液−液抽出(liquid−liquid extraction)のための媒体としてうまく使われている(P.Wasserscheid,W.Keim,Angew.Chem.2000,112,3926)。
【0005】
本発明により、意外にも、広範な抽出物をイオン液の存在下さまざまな酵素で変換させている間に、収率と選択性の大幅な上昇が明らかになった。これは先行技術に較べて大きな改善を意味する。イオン液の酵素安定に対する悪影響は認められず、個々についてはむしろ安定効果が見出された。
【0006】
これはイオン液のイオン性、および、イオン液と、同様に帯電した基を有する酵素との間に考えられる強い相互作用を考慮すれば、予期せぬ驚くべきことである。
【0007】
同じく、イオン液は抽出物と生成物の溶解性改善のための共溶媒として使用できることがわかった。
【0008】
本発明は、イオン液を含む反応媒体中、触媒としての酵素の存在下、物質(抽出物)を変換する方法である。
【0009】
イオン液は水と混和可能であるか、または混和不可能である。同じく、単相、二相または多相の反応の実施が可能である。
【0010】
イオン液は次の一般式:
[A] [Y]n−
〔ここで
n=1または2、
陰イオン[Y]n−は次のものを含むグループから選び出される:
テトラフルオロホウ酸([BF)、テトラクロロホウ酸([BCl)、ヘキサフルオロ燐酸([PF)、ヘキサフルオロアンチモン酸([SbF)、ヘキサフルオロ砒酸([AsF)、テトラクロロアルミン酸([AlCl)、トリクロロ亜鉛酸([ZnCl)、ジクロロ銅酸、硫酸([SO2−)、炭酸([CO2−)、フルオロスルホン酸、[R’−COO]、[R’−SOまたは[(R’−SON]、R’は直鎖もしくは分枝の、1〜12の炭素原子を含む脂肪族もしくは脂環式アルキル、またはC−C18−アリール、C−C18−アリール−C−C−アルキルまたはC−C−アルキル−C−C18アリールの基で、これらはハロゲン原子によって置換されていてもよい。
【0011】
陽イオン[A]は以下から選び出される:
− 一般式
[NRR]
を有する4級アンモニウム陽イオン
− 一般式
[PRR]
を有するホスホニウム陽イオン
− 一般式
【0012】
【化5】
Figure 2004513639
【0013】
を有するイミダゾリウム陽イオン
(ここで、イミダゾール核は次のものから選び出された少なくとも1つの基によって置換されていてもよい:
−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アミノアルキル、またはC−C12−アリールまたはC−C12−アリール−C−Cアルキルの基)
− 一般式
【0014】
【化6】
Figure 2004513639
【0015】
を有するピリジニウム陽イオン
(ここで、ピリジン核は次から選び出された少なくとも1つの基によって置換されていてもよい:
−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アミノアルキル、C−C12−アリール、C−C12−アリール−C−C−アルキルの基)
− 一般式
【0016】
【化7】
Figure 2004513639
【0017】
を有するピラゾリウム陽イオン。
(ここで、ピラゾール核は次から選び出された少なくとも1つの基によって置換されていてもよい:
−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アミノアルキル、C−C12−アリール、C−C12−アリール−C−C−アルキルの基)
− 一般式
【0018】
【化8】
Figure 2004513639
【0019】
を有するトリアゾリウム陽イオン
(ここで、トリアゾール核は次から選び出された少なくとも1つの基によって置換されていてもよい:
−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アミノアルキル、C−C12−アリール、またはC−C12−アリール−C−C−アルキルの基)、そして、基R、R、Rは以下から成るグループから互いに独立して選び出される:
−水素;
−1から20個の炭素原子を有する、直鎖または分枝の、飽和または不飽和の、脂肪族または脂環式アルキル基;
−ヘテロアリール基中の3から8個の炭素原子と、N、O、Sから選択された少なくとも1つのへテロ原子とを有する、ヘテロアリール、ヘテロアリール−C−C−アルキルの基(これらは、C−C−アルキル基および/またはハロゲン原子から選択された少なくとも1つの基で置換されていてもよい。);
−アリール基中に5から12個の炭素原子を有する、アリール、アリール−C−C−アルキルの基(これらは、必要な場合、少なくとも1つのC−C−アルキル基および/または1つのハロゲン原子で置換されていてもよい)〕
を有する化合物を含む。
【0020】
さらなる局面では、本発明は酵素と上に定義したイオン液の少なくとも1つとを含む組成物に関する。これらの組成物は上に述べた酵素触媒反応実施の出発点として使用されうる。したがって、本発明の組成物は酵素(生体触媒)のほかに変換すべき抽出物(基質)も含みえ、反応が進めば、もちろん酵素反応で得られうる反応生成物も含みうる。
【0021】
したがって、なおさらなる局面は、生体触媒中の反応媒体または反応媒体の一構成要素としての、イオン液、特に上に定義したイオン液の使用である(つまり、基質における酵素触媒反応の実施)。
【0022】
本発明の特定の展開では、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリールのスルホン酸基(陰イオン[Y])は、ハロゲン原子、特に弗素、塩素、臭素によって置換されうる。とくに、トリフルオルメタンスルホン酸(triflat)のような、過弗化された(perfluorinated)アルキルのおよび上に述べたアリールのスルホン酸が好まれる。ハロゲン化されていないものの代表としては、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸の基、ならびに、先行技術で公知の他のスルホン酸脱離基が挙げられうる。
【0023】
本発明のさらなる展開では、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリールのカルボン酸基は、ハロゲン原子、特に弗素、塩素、臭素で置換することができる。とくに、トリフルオロメタンカルボン酸(トリフルオロ酢酸;CFCOO)のような、弗化された、特に過弗化されたアルキルおよび上に述べたアリールのカルボン酸が好まれる。ハロゲン化されていないものの代表として、酢酸および安息香酸の基、ならびに先行技術で公知のすべての他のカルボン酸脱離基が挙げられうる。
【0024】
本発明の好ましい展開では、置換基に関連して述べたC−C−アルキル基を各々独立してC−C−アルキル基で置換することができる。同じく、置換基に関連して述べたC−C−アルコキシ基は各々独立してC−C−アルコキシ基で置換することができる。本発明のさらに代替では、置換基に関連して述べたC−C12−アリール基を各々独立してC−C10−アリール基で置換することができ、C−C−ヘテロアリール基を各々独立してC−C−ヘテロアリール基で置換することができる。アルキル、アルコキシ、アリールの基に置換しうるハロゲン原子は、弗素、塩素、臭素、沃素、好ましくは、弗素、塩素、臭素から選択される。
【0025】
特に好まれる展開では、基R’は、直鎖または分枝した、1から8個の炭素原子を含む脂肪族または脂環式のアルキル、またはC−C10−アリール、C−C10−アリール−C−C−アルキルもしくはC−C−アルキル−C−C10−アリールの基であり、これらはハロゲン原子によって置換されうる。
【0026】
陽イオン[A]はたとえば以下から選択される:
トリメチルフェニルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、テトラブチル−ホスホニウム、3−ブチル−1−メチル−イミダゾリウム、3−エチル−1−メチル−イミダゾリウム、N−ブチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、ジエチルピラゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウム、1−ブチル−3−メチルピリジニウム、1−ブチル−2−メチルピリジニウム、1−ブチル−ピリジニウム、ブチル−メチル−イミダゾリウム、ノニル−メチル−イミダゾリウム、ブチル−メチル−イミダゾリウム、ヘキシル−メチル−イミダゾリウム、オクチル−メチル−イミダゾリウム、4−メチル−ブチル−ピリジニウム、トリエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、ブチルメチルピリジニウム、プロピルアンモニウム、メチル−メチル−イミダゾリウム、エチル−メチル−イミダゾリウム、ブチル−メチル−イミダゾリウム。
【0027】
イオン液およびその作成は先行技術で公知である。ヘキサフルオロ燐酸、テトラフルオロホウ酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸のイオンを用いるイオン液の合成には、アミンNR、ホスファンPR、一般式R2+N=CR−R−RC=Nを有するイミダゾール誘導体または一般式RN=CR4+を有するピリジニウム誘導体と、アルキル塩化物、アルキル臭化物、またはアルキル沃化物との反応によってそれに応じるハロゲン化物塩[陽イオン]がまず形成され、単離される(F.H.Hurley,T.P.Wier,Jr.,J.Electrochem.Soc.1951,98,207−212;J.S.Wilkes,J.A.Levisky,R.A.Wilson,C.L.Hussey,Inorg.Chem.1982,21,1263−1264;A.A.K.Abdul−Sada,P.W.Ambler,P.K.G.Hodgson,K.R.Seddon,N.J.Steward,WO−A−95/21871) R.H.Dubois,M.J.Zaworotko,P.S.White,Inorg.Chem.1989,28,2019−2020;J.F.Knifton,J.Mol.Catal.1987,43,65−78;C.P.M.Lacroix,F.H.M.Dekker,A.G.Talma,J.W.F.Seetz,EP−A−0989134)。形成され単離されたハロゲン化物塩[A]から出発すると、ヘキサフルオロ燐酸、テトラフルオロホウ酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)−アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸のイオンを用いるイオン液の合成には、2つの異なる経路が知られている。一方では、ハロゲン化物塩を金属塩MYの添加(使ったそれぞれの溶媒から塩MXまたは生成物[A][Y]を沈殿または分離する)によって変換する(ここで、[Y]はヘキサフルオロ燐酸、テトラフルオロホウ酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸のイオンを表わし、Mはアルカリ陽イオンを表わす)(J.S.Wilkes,M.J.Zaworotko,J.Chem.Soc.Chem.Commun.1992,965−967;Y.Chauvin,L.Mussmann,H.Olivier,Angew.Chem.1995,107,2941−2943;P.A.Z.Suarez,J.E.L.Dullius,S.Einloft,R.F.de Souza,J.Dupont,Polyhedron,1996,15,1217−1219;P.Bonhote,A.−P.Dias,N.Papageorgiou,K.Kalyanasundaram,M.Graetzel,Inorg.Chem.1996,35,1168−1178;C.M.Gordon,J.D.Holbrey,A.R.Kennedy,K.R.Seddon,J.Mater.Chem.1998,8,2627−2638;P.A.Z.Suarez,S.Einloft,J.E.L.Dullius,R.F.de Souza,J.Dupont,J.Chim.Phys.1998,95,1626−1639;A.J.Carmichael,C.Hardacre,J.D.Holbrey,M.Nieuwenhuyzen,K.R.Seddon,Anal.Chem.1999,71,4572−4574;J.D.Holbrey,K.R.Seddon,J.Chem.Soc.,Dalton Trans.1999,2133−2140)。他方では、強酸H[Y]の添加によって、ハロゲン化物イオンをH遊離によって置換し、[Y]と交換する(ここで、[Y]はヘキサフルオロ燐酸、テトラフルオロホウ酸、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸のイオンを表わす)(J.Fuller,R.T.Carlin,H.C.de Long,D.Haworth,J.Chem.Soc.Chem.Commun.1994,299−300)。しかしながら、EP00118441.5に記された方法によりイオン液をハロゲン化物なしに特に有利に作れる。
【0028】
本発明の方法の一つの展開では、イオン液を唯一の反応媒体(つまり、さらなる溶媒のない)として使用する。しかし、反応媒体中のイオン液の割合は、反応媒体全体の量に対し、0.1〜99.9容積%、好ましくは5〜75容積%、さらに好ましくは15または50〜75容積%とすることができる。
【0029】
反応媒体は、イオン液のほかに、さらに溶媒を含むこともできる。これは、水、緩衝液(pH2〜10、好ましくは5〜8)、有機溶媒からなるグループから選出することができる。使用可能な有機溶媒は水と混和可能、ないし水と混和不可能である。有機溶媒の例として、メチル−tert−ブチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、tert−ブタノール、グリコール、ポリアルキレングリコールを挙げることができる。しかしさらに、基本的には、酵素触媒の分野で公知のすべての従来の溶媒が考えられうる。
【0030】
基本的にECクラス1〜6のすべての酵素が考えられうる。酵素の分類は「Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology」(IUBMB)により推奨されている。酵素は、均一に溶解されるが、懸濁液としてまたは不活性担体への固定化物(immobilisate)としても使用されうる。
【0031】
本発明により、酵素触媒反応の間、反応媒体中にイオン液が存在すると、基質溶解性(生体適合性)の向上、酵素活性の向上、選択性の向上、生成物阻害の減少、副反応(並発反応、逐次反応)の抑制および/または酵素安定性の向上をもたらすことが見出された。これらの例により、さまざまなクラスの酵素が使え、イオン液の使用は、たとえば、蟻酸脱水素酵素の場合の活性向上、ガラクトシダーゼとの反応における収率の有意な増加、リパーゼのエナンチオ選択性の向上、疎水性抽出物での抽出物溶解性の向上などの有意な利点を提供することがわかる。
【0032】
本発明により、酵素は、イオン液の全体量とあるいはその一部とともに、繰り返し、あるいは連続運転のリアクター中、使うことができる。
【0033】
酵素は、位置選択的および立体選択的な酸化・還元のためのオキシドレダクターゼのクラス、オリゴ糖類合成のためのグリコシダーゼのクラス、光学活性な生成物(特にアルコール、アミン、カルボン酸)を得るためのリパーゼのクラス、合成のためのリアーゼおよび加水分解酵素のクラスから選択することができる。
【0034】
本発明の方法は、−10℃〜130℃の温度で、好ましくは10℃〜80℃の温度範囲で、特に好ましくは20℃〜40℃の温度範囲で行うことができる。
【0035】
この方法は単相様式または多相反応系で行うことができる。
【0036】
イオン液の反応媒体としての使用、あるいは酵素反応の反応媒体の一構成物質としての使用から生じるいくつかの効果を例として以下に説明する。たとえば、ケトンの酵素還元には特に、さまざまの起源のアルコール脱水素酵素が使われる。疎水性ケトンの溶解性は有機溶媒を添加することによって上げることができる。しかしこれは通常、酵素の活性と安定性の低下につながる(W.Hummel,Biochem.Eng.Biotechnol.1997,58,145;A.Liese,T.Zelinski,M.−R.Kula,H.Kierkels,M.Karutz,U.Kragl,C.Wandrey,J.Mol.Cat.B 1998,4,91)。同じく、水混和性のイオン液を、抽出物溶解性向上のため反応媒体に添加することができる。補因子再生に使われる蟻酸脱水素酵素の場合、純粋な水系と較べた反応速度の向上が、イオン液の同じ濃度域で認められる(実施例1参照)。イオン液の影響時間がかなり長い場合でさえ酵素の失活は見られなかった。したがって、酵素反応の生産性を抽出物濃度の向上により高める有用な可能性を、イオン液は提供する。これは芳香族ケトンまたはステロイドのようなわずかな溶解性〜非常にわずかな溶解性の抽出物の場合に特に興味深い。
【0037】
ほぼ20年間、グリコシダーゼは糖類間の結合の切断だけではなく、二糖類およびオリゴ糖類の合成にも使われてきた。水混和可能な溶媒を使用する(酵素安定性の減少を導く)多くの試みにもかかわらず、抽出物の一般的に高価な活性化によっては、最近の研究においてさえ31%以下の収率が得られている(J.H.Yoon,J.S.Rhee,Carbohydr.Res.2000,327,377;M.J.Hernaiz,D.H.G.Crout,J.Mol.Cat.B 2000,10,403)。これらの反応での主要な問題は、同じ酵素で触媒される、すぐに始まる生成物の2次的加水分解である。意外なことに、この2次的加水分解は、イオン液の存在下では、そうでなければ同じ酵素活性であるのに、ほとんど完全に抑制されている。薬理学的に関連するオリゴ糖類の基本要素であるN−アセチルラクトサミンのβ−ガラクトシダーゼ触媒合成の例の場合、安価なドナーとして乳糖を使用したとき、イオン液の存在が収率を55%超に高めることが示された。イオン液の添加なしでは最高30%であった。しかし、2次的加水分解の結果、生成物濃度は10%未満の値まで急激に下がる。イオン液の存在下では2次的加水分解は生じないため、簡易化された反応プロセスが得られる。なぜなら、反応を追跡し、最大生成物収率の時点で反応を停止する必要がないからである。ガラクトシダーゼはイオン液の存在下では極めて安定であり、限外濾過による分離後、到達可能な収率と生成物形成速度に変化を全く生じることなく繰り返し使用することができる。
【0038】
イオン液は二糖類およびオリゴ糖類の合成のための逆加水分解にも利点を提供する。この場合、水活性を低下させるため、添加剤(通常は有機溶媒)とともに高い抽出物濃度が用いられる。ここで、イオン液は炭水化物の非常に高い溶解能という利点を提供する。ラクトースの酵素的合成では、文献にくらべて、収率を2ファクター増加させ、反応時間を5ファクター減少させることが可能であった(K.Ajisaka,H.Fujimoto,H.Nishida,Carbohydr.Res.180,35−42(1988))。
【0039】
単相または二相反応で、有機溶媒の存在下でのリパーゼの使用は、先行技術である(G.Carrea,S.Riva,Angew.Chem.2000,112,2312,U.T.Bornscheuer,R.J.Kazlauskas,Hydrolases in Organic Synthesis −Regio− and stereoselective Biotransformations,Wiley−VCH,Weinheim,1999;A.Liese,K.Seelbach,C.Wandrey,Industrial Biotransfomrations,Wiley−VCH,Weinheim,2000;M.C.Parker,S.A.Brown,L.Robertson,N.J.Turner,Chem.Commun.1998,2247)。しかし、これまでは伝統的に酵素は濾過によって分離し、反応溶液は蒸留によって伝統的に分離し、溶媒を戻していた。イオン液の使用により、酵素の存在下でさえ反応混合液から反応物を直接蒸留分離できるようになり、手順が簡単になったのである。この手順は、反応物が適度な揮発性をもっていれば、リパーゼに限定されない。イオン液の存在下でのさまざまなリパーゼのラセミ分離を調べたところ、意外にもいくつかの例で変換速度とエナンチオ選択性が場合によっては有意に向上し、個々について5ファクター良くなることが確認された。工業プロセスにおいてリパーゼ触媒反応の溶媒としても用いられるtert−ブチルメチルエーテル中での反応を比較のために使用する。
【0040】
これらの結果は、酵素的変換の反応媒体としてのイオン液は、先行技術として確立されている条件にくらべ多くの利点を有し、変換に具体的に影響をあたえるための生体適合性溶媒として使用できることを示している。
【0041】
本発明を以下の実施例により詳細に説明するが、これに限定されるわけではない。
【0042】
実施例
実施例に使った成分を記述するため以下の略語を用いた:
Figure 2004513639
【0043】
1. Candida boidiniiの蟻酸脱水素酵素(FDH)
酵素活性を測定するためのテスト反応として、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの還元による蟻酸から二酸化炭素へのFDH触媒酸化(NADをNADH+Hに)を用いる。酵素アッセイでは、25℃でのNADHの経時的増加を、波長340nmで光学検出する。
【0044】
酵素アッセイの組成:1mlの緩衝液(50mMトリエタノールアミン塩酸塩、1mMジチオスレイトール、塩酸)(pH7)を0.1mlの蟻酸ナトリウム水溶液(2.4M)および0.1mlの酵素溶液(0.7mg/ml、8.4U)と混合する。酵素溶液はすでに補因子NAD(6mM)を含んでいる。
【0045】
水溶性イオン液の酵素活性への影響をテストするため、アッセイにおける緩衝液の量を段階的に25容積%ずつ減らし、イオン液と交換する。
【0046】
【表1】
Figure 2004513639
【0047】
2. N−アセチルラクトサミン合成のためのBacilles circulans由来のβ−ガラクトシダーゼ
ラクトースとN−アセチルグルコサミンから出発して、β−Gal触媒トランスガラクトシレーションの進行に対するイオン液の影響を調べる。このため、イオン液の存在および非存在下でのこの合成の濃度−時間プロフィールを記録し、比較する。
【0048】
テストの各シリーズにおいて、1mlのGCガラスにおいて並行して10の反応を開始した。10分間隔で、反応を100℃の煮沸でストップし、反応液を濾過し(Minisart RC 4 Sartoriusインジェクションフィルター)、この時点での反応成分の濃度をクロマトグラフィーで測定する(BioRad社のAminex HPX−87H陽イオン交換カラム、対応プレカラム付き。溶離液として0.006Mの硫酸、流速0.8ml/分、カラム温度65℃。検出は208nmの紫外線と屈折率による)。
【0049】
反応混合液の組成:0.05mlの緩衝液(65mM KHPO、195mM KHPO)(pH7.3)を、0.5mlのN−アセチルグルコサミン液(緩衝液中GlcNAc 600mMまたは1.2M)、0.25mlのラクトース液(緩衝液中250mM)、0.2mlの酵素液(緩衝液中10mg/ml)と混合する。
【0050】
基質液中の緩衝液をイオン液と交換することにより、反応媒体中のイオン液の割合を次第に増やす。このようにして以下の基質液を得る:
a)0.50ml N−アセチルグルコサミン液(1:4 MMImMeSO :緩衝液中、600mM)
b)0.50ml N−アセチルグルコサミン液(1:4 MMImMeSO :緩衝液中、600mM)
0.25ml ラクトース液(1:4 MMImMeSO :緩衝液中、250mM)
c)0.50ml N−アセチルグルコサミン液(1:2 MMImMeSO :緩衝液中、1.2M)
0.25ml ラクトース液(1:2 MMImMeSO :緩衝液中、250mM)
d)0.50ml N−アセチルグルコサミン液(1:4 BMImPO /Cl:緩衝液中、600mM)
【0051】
【表2】
Figure 2004513639
【0052】
3. イオン液中でのCandida antarctica由来のリパーゼ(タイプB)を用いた触媒によるR,S−1−フェニルエタノールのエナンチオ選択性アシル化
表3のイオン液またはtert−ブチルメチルエーテル4.4mlを、122μlの酢酸ビニルおよび54μlの1−フェニルエタノールと混合して、およそ0.1mol/lの1−フェニルエタノールと0.3mol/lの酢酸ビニルの基質液を得る。凍結乾燥されたリパーゼ(120U/mg超)各1mgを、0.4mlの基質液と混合し、よく混合し、わずかに振とうしながら24℃で3〜4日インキュベートする。
【0053】
さらなる処理のため、反応処方物100μlをn−ヘキサン/イソプロパノール(97.5/2.5 v/v)1mlと混合し、よく混合する。このヘキサン/イソプロパノールの抽出物を、1−フェニルエタノールおよび1−フェニルエチル酢酸塩の濃度とエナンチオマー比を、HPLCを使って測定するのに使う。これらの濃度から、変換とエナンチオマー過剰を計算した(表3参照)。
【0054】
HPLC条件:
カラム:保護カラム Nucleosil C−18 5μm;
10mm、4.6mmID;
調製カラム Chiracel OJ;50mm、4.6mmID;
分離カラム Chiracel OJ;250mm、4.6mmID
溶離液:定組成(isocratic);
96.5%(v/v) n−ヘキサン
3.0%(v/v) イソプロパノール
0.5%(v/v) エタノール
流速: 1ml/分
温度: 38℃
検出: 紫外検出器(205nm)
【0055】
【表3】
Figure 2004513639
【0056】
4. イオン液中でのCandida antarctica由来のリパーゼ(タイプA)を用いた触媒によるR,S−1−フェニルエタノールのエナンチオ選択性アシル化
凍結乾燥したリパーゼ(30U/mg超)各5mgを、実施例3に記載の基質液0.4mlと混合する。さらなる手順は、実施例3の手順に相当する。
【0057】
【表4】
Figure 2004513639
【0058】
5. イオン液中でのPseudomonas sp.由来のリパーゼの触媒によるR,S−1−フェニルエタノールのエナンチオ選択性アシル化
凍結乾燥したリパーゼ(400U/mg)各3mgを、実施例3の基質溶液0.4mlと混合する。さらなる手順は、実施例3に記載の手順に相当する。
【0059】
【表5】
Figure 2004513639
【0060】
6. イオン液中でのAlcaligines sp.由来のリパーゼの触媒によるR,S−1−フェニルエタノールのエナンチオ選択性アシル化
凍結乾燥したリパーゼ(20U/mg超)各5mgを、実施例3の基質液0.4mlと混合する。さらなる手順は実施例3に記載の手順に相当する。
【0061】
【表6】
Figure 2004513639
【0062】
7.蒸留によるイオン液中のCandida antarctica由来のリパーゼ(タイプB)の再利用
凍結乾燥したリパーゼ(約10U/mg)600mgを、0.4mlのイオン液(BMIm(CFSO)、1.2mlの酢酸ビニル、0.7mlの1−フェニルエタノールと混合し、よくまぜる。反応混合液を、40℃で40分インキュベートする。
【0063】
次に未変換の抽出物および反応生成物1−フェニル酢酸塩を蒸留して除く(85℃、0.06ミリバール)。
【0064】
酵素/イオン液混合液は冷却し、1.2mlの酢酸ビニルおよび0.7mlの1−フェニルエタノールと再び混合し、再び40℃で40分インキュベートする。
【0065】
インキュベーションと蒸留除去とを含む反応手順は、リパーゼ活性の減退なく、数回繰返すことができる。
【0066】
8.Bacillus circulans由来のβ−ガラクトシダーゼを用いた逆加水分解によるラクトースの合成
100mmol/lのグルコース、20mmol/lのガラクトース、2mg/mlのガラクトシダーゼを、水とMMIm MeSOとの混合液の中で35℃で24時間インキュベートする。反応を100℃で10分の煮沸でストップし、反応液を濾過し(MinisartRC 4 Sartoriusインジェクションフィルター)、この時点での反応成分の濃度をクロマトグラフィーで測定する(BioRad社のAminex HPX−87H陽イオン交換カラム、対応する調製カラム付き。溶離剤として0.006Mの硫酸、流速0.8ml/分、カラム温度65℃。検出は208nmの紫外線と屈折率による)。
【0067】
イオン液の割合は0から100容積%に増加させる。イオン液と抽出物中の残水によって、100%のイオン液で0.6%の水分含量となる。24時間後には変換はもはや増加しない。イオン液の量に依存して、次のラクトース収率を得る:
【0068】
【表7】
Figure 2004513639

Claims (15)

  1. 少なくとも1つのイオン液を含む反応媒体中で、触媒としての酵素の存在下、物質を変換する方法。
  2. イオン液が一般式
    [A] [Y]n−
    〔ここで
    n=1または2、
    陰イオン[Y]n−は以下を含むグループから選び出され:
    テトラフルオロホウ酸([BF)、テトラクロロホウ酸([BCl)、ヘキサフルオロ燐酸([PF)、ヘキサフルオロアンチモン酸([SbF)、ヘキサフルオロ砒酸([AsF)、テトラクロロアルミン酸([AlCl)、トリクロロ亜鉛酸([ZnCl)、ジクロロ銅酸、硫酸([SO2−)、炭酸([CO2−)、フルオロスルホン酸、[R’−COO]、[R’−SOまたは[(R’−SON]、R’は直鎖もしくは分枝の、1〜12の炭素原子を含む脂肪族もしくは脂環式アルキル、またはC−C18−アリール、C−C18−アリール−C−C−アルキルまたはC−Cアルキル−C−C18−アリールの基で、これらはハロゲン原子によって置換されていてもよい
    陽イオン[A]は以下から選び出され:
    − 一般式
    [NRR]
    を有する4級アンモニウム陽イオン
    − 一般式
    [PRR]
    を有するホスホニウム陽イオン
    − 一般式
    Figure 2004513639
    を有するイミダゾリウム陽イオン
    (ここで、イミダゾール核は次のものから選び出された少なくとも1つの基によって置換されていてもよい:
    −C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アミノアルキル、C−C12−アリールまたはC−C12−アリール−C−C−アルキルの基)
    − 一般式
    Figure 2004513639
    を有するピリジニウム陽イオン
    (ここで、ピリジン核は次のものから選び出された少なくとも1つの基によって置換されていてもよい:
    −C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アミノアルキル、C−C12−アリール、C−C12−アリール−C−C−アルキルの基)
    − 一般式
    Figure 2004513639
    を有するピラゾリウム陽イオン
    (ここで、ピラゾール核は次のものから選び出された少なくとも1つの基によって置換されていてもよい:
    −C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アミノアルキル、C−C12−アリール、C−C12−アリール−C−C−アルキルの基)
    − 一般式
    Figure 2004513639
    を有するトリアゾリウム陽イオン
    (ここで、トリアゾール核は次のものから選び出された少なくとも1つの基によって置換されていてもよい:
    −C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アミノアルキル、C−C12−アリール、C−C12−アリール−C−C−アルキルの基)、
    そして、基R、R、Rは以下から成るグループから互いに独立して選び出される:
    − 水素;
    − 1から20個の炭素原子を有する、直鎖または分枝の、飽和または不飽和の、脂肪族または脂環式アルキル基;
    − ヘテロアリール基中3から8個の炭素原子と、N、O、Sから選択された少なくとも1つのへテロ原子とを有する、ヘテロアリール、ヘテロアリール−C−C−アルキルの基(これらはC−C−アルキル基および/またはハロゲン原子から選択された少なくとも1つの基で置換されていてもよい。);
    − アリール基中に5から12個の炭素原子を有する、アリール−、アリール−C−C−アルキルの基(これらは必要な場合、少なくとも1つのC−C−アルキル基および/または1つのハロゲン原子で置換されていてもよい。)〕
    を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 反応媒体中のイオン液の割合が0.1〜99.9容積パーセントであることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  4. 反応媒体がイオン液のほかにさらなる溶媒を含むことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. さらなる溶媒が水か有機溶媒であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. ECクラス1〜6の酵素を使用することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 酵素が、オキシドレダクターゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼのクラスから選ばれることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 反応が−10℃〜130℃の温度で行われることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 反応が単相様式あるいは多相反応系で行われることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 酵素と少なくとも1つのイオン液とを含む組成物。
  11. イオン液が請求項2のように定義されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
  12. それがさらに1つの基質を含むことを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の組成物。
  13. それがイオン液を、反応媒体としてあるいは反応媒体の一構成要素として含むことを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 酵素触媒反応への、反応媒体あるいは反応媒体の一構成要素としてのイオン液の使用。
  15. 二糖類およびオリゴ糖類の合成のための、逆加水分解における反応媒体または反応媒体の一構成要素としての、請求項14に記載の使用。
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