JP2004510940A - 改良されたサービスドアを備える給仕用キャビネット - Google Patents
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Abstract
冷凍キャビネット(10)は、冷凍製品(50)を収容する冷却された内部を有するとともに頂部が開口した冷凍室を画成するキャビネット基部(20)と、冷凍室の上に配置されたキャノピー(30)と、を含む。キャノピー(30)の前方壁に設けられた透明なガラス窓は、冷凍室内の製品補充線まで下向きに延長され、これにより顧客の可視領域が拡張される。キャノピー(30)の後方壁は、透明なサービスドア(40)と枠組(42)を含む。サービスドア(40)は、冷凍室の給仕用の入口を提供するために、枠組(42)とは独立して開位置まで回転可能である。また、サービスドア(40)および枠組(42)は、清掃および消毒のために冷凍室に接近可能となるように、ユニットとして共に第2の開位置まで回転可能である。キャビネットの内部を照明するためのランプ(80)が、キャノピー(30)の外側に配置されている。
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、手で盛りつけられる冷凍菓子の容器を収容するために商業用途で使用される種類の冷凍キャビネットに関し、特に、給仕用キャビネットのキャノピーの改良に関する。
【0002】
本出願は、2000年10月2日に出願された米国特許仮出願第60/237,279号に基づく優先権を主張している。
【0003】
【背景技術】
給仕用冷凍キャビネットは、典型的には、全て同じ高さを有する前方壁、後方壁、および端壁を備える横型のキャビネットである。これらの4つの壁は、盛りつけられる冷凍菓子、例えばアイスクリームだけでなく、フローズンヨーグルト、ソーベット、およびシャーベットなどの容器を収容する開口した冷凍室を画成する。これらの壁は、一般に断熱コアを囲む内側および外側のシートメタル外板を有する“コールドウォール”タイプのものであり、冷媒配管が内側シートメタル外板の背面に配設されている。内側外板を冷却するために、低温の冷媒が冷媒配管を通して循環しており、キャビネット内に低温でかつ高濃度の安定した空気層を確実に維持するように、製品から周囲壁の低温の内側外板に放射および伝導によって熱が伝達される。タンクの深さによって増加する熱的安定性は、冷凍製品の軟度および品質を適切に維持するために重要である。
【0004】
一般に、安全および衛生の基準に適合するように、給仕用キャビネットには、その四方の壁上に支持されたテント様のキャノピーが設けられている。顧客は、キャビネットの前方すなわち顧客側に設けられたキャノピーの前方壁に提供された窓を通して製品を見ることができる。また、キャノピーは、キャビネットの背面すなわち給仕人側に給仕用の入口を備える後方壁を有する。このようなキャノピーは、一般に、一枚ガラスの前方窓と、熱成形された透明なアクリルまたはポリカーボネイトタイプのプラスチックシートからなる後方蓋を含むように構成される。顧客に給仕する人は、キャノピーの給仕人側の後方壁に提供された給仕用の入口を通して冷凍菓子に接近してこれをすくう。キャノピー付きキャビネットの内部への接近がないときに、給仕用の入口を閉じるために一般にヒンジ式の蓋もしくは一対の引き戸が設けられている。
【0005】
給仕用キャビネットなどの低温の冷凍キャビネットでは、製品補充線は、通常キャビネットの頂端部から数インチ下に位置する。この空いた容積は、店内の暖かい周囲空気から冷凍製品を守るために、低温の冷却空気層用の空間を製品の上部に提供するのに必要である。しかし、製品がキャビネットの頂端部よりもいくらか下の凹所に位置しているので、顧客はキャビネットのキャノピーの前方窓を通して製品、特にキャビネットの内部の前方領域に収容された製品をすぐに見ることができない。
【0006】
動作時には、給仕用の入口が開いているときに、一定量の湿った暖かい周囲空気が、この給仕用の入口を通って店内からキャビネットに必然的に流入する。湿った暖かい空気がキャビネット内部の低温の壁と接触すると、特に食料製品の上部の空いた容積を構成する空間を境界づけるキャビネットの上部に着霜が生じる。多くの場合、実質的に平らなパネルを含む複数の分離可能な霜シールドが、霜が堆積可能な除去面を提供するようにキャビネットの内部壁上部に設置されており、霜がキャビネットの内部壁に直接堆積しないようになっている。キャビネットを除霜するには、霜シールドをキャビネットから取り除いて、一般に霜を温水と接触させることによって霜シールドの霜を迅速に除去する。
【0007】
【発明の開示】
本発明の目的は、改良されたキャノピーを有する冷凍キャビネットを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、キャビネットの内部への接近を可能とする独立したサービスカバーを備える回転可能な後方壁を有するキャノピーを提供することである。
【0009】
冷凍製品を収容する冷却された内部を有するとともに、頂部が開口した冷凍室を画成するキャビネット基部と、冷凍室の上に配置されたキャノピーと、を含む冷凍キャビネットが提供される。キャビネット基部は、前方壁、後方壁、および端壁を備えており、前方壁は、後方壁よりも高さが低い。キャノピーは、キャビネットの内部が見える透明な窓を備える前方壁と、サービスドアを備える後方壁と、を有する。サービスドアは、キャビネットの内部への接近を可能とするように、閉位置と開位置との間で移動可能となっている。
【0010】
本発明によると、キャノピーの後方壁は、透明なサービスドアとこのサービスドアの周囲の枠組とを有する。キャノピーと動作可能に関連づけられた支持装置が、サービスドアを枠組から独立して開位置と閉位置との間で回転させる第1の方法と、サービスドアおよび枠組をユニットとして共に閉位置と開位置との間で回転させる第2の方法と、で動作可能となっている。
【0011】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明のキャノピー付き冷凍キャビネットは、好適実施例において、アイスクリーム給仕用キャビネットとして説明する。しかし、本発明のキャノピー付き冷凍キャビネットは、顧客に見えること、および給仕用の入口が要求される冷凍ショーケースとして、一般に種々の実施例に適用可能である。従って、本発明およびその種々の形態は、図面に示した実施例に限定されるものではない。
【0012】
続いて図面を参照すると、冷凍キャビネット10が、アイスクリーム給仕用キャビネットとして示されている。図示の実施例では、キャビネット10は、冷凍基部20と、この基部20に支持されるキャノピー30を有する。冷凍基部は、離間して配置されるとともにトリム部材16によって覆われている外側シェル12と内側冷凍ライナ14とを含む。このように構成された基部20は、前方壁13、後方壁15、側壁17、床部、および開口した頂部を備えるボックス状の容器を画成する。ライナ14の壁および床部は、金属製、一般にはステンレス鋼製の支持シートによってそれぞれ構成されており、支持シートの可視側にはビニール層が被覆されている。ライナ14は、一般に製品補充線21の高さまで冷凍製品50が収容される冷凍容積23を囲んでいる。アイスクリーム給仕用キャビネットの場合には、冷凍製品50は、例えば堅いアイスクリーム、フローズンヨーグルト、ソーベット、シャーベットまたは他の冷凍菓子を含みうる。
【0013】
外側シェル12は、ライナ14の4つの側壁および床部から離間された状態でライナ14を取り囲んでいる。外側シェル12とライナ14との間の空間に配置された現場発泡ポリウレタン材料などの断熱材18は、室温にさらされた外側シェル12から冷凍ライナ14を断熱するとともにキャビネットに構造的な一体性を付加する。
【0014】
ライナ14は、ライナ14の背面にまたはこれと熱交換を行うように配設された蒸発器配管22によって従来の方法で冷却される。蒸発器配管は、従来の冷媒回路(図示省略)の一部であり、この冷媒回路では、圧縮機で圧縮された冷媒が、熱膨張装置を介して膨張し、蒸発配管を通過してから圧縮機に戻る前に凝縮器を通過する。R−22、R404a、または他の商業的に流通している冷媒が蒸発器配管を通過すると、この冷媒は、冷凍容積内の空気からライナ14を通して熱を吸収して蒸発し、これにより空気および製品が冷却されて所望の温度が維持される。この方法では、上述したように製品補充線21まで冷凍容器を満たしている、製品50の上部の容積25に低温の空気層が維持される。
【0015】
上述した通り、また図1に示すように、キャビネット10の冷凍基部20は、従来の“コールドウォール”構造を有する。この構造の詳細については、2000年8月9日出願の米国特許出願第09/639,467号を参照されたい。しかし、基部20の特定の構造および基部20の特定の冷却方法は、本発明とは無関係である。例えば、1998年1月20日出願の米国特許出願第09/016,824号に開示されているように、外側壁と内側壁との間の解放通路を通って低温の冷却空気が循環するようにキャビネット基部20を構成することができる。
【0016】
キャノピー30は、頂部壁32、キャビネット10の顧客側に位置する前方壁34、側壁36、およびキャビネット10の給仕側すなわち背面に位置する後方壁38を備える。頂部壁32は、側壁36および前方壁34上に支持されているとともにこれらの壁の間で延在する。前方壁34は、枠37内に支持され、かつ透明な材料によって形成された透明な窓35を含む。窓35は、顧客が冷凍容積23内に収容された製品50を見ることができる顧客可視領域を提供する。側壁36は、ステンレス鋼または他の金属、成形プラスチック、または所望であれば支持枠とこの枠内に設置された透明材料からなるパネルで形成することができる。
【0017】
本発明の一形態では、窓35を備える透明な前方壁34は、製品補充線17に向かって下向きに延在し、最も有利には、顧客可視領域が増加するように製品補充線17まで下向きに延在する。図示のように、キャノピー30の透明な前方壁34の下向きの延長部を収容するために、キャビネット基部20の前方壁13は、キャビネット基部20の後方壁15および側壁17よりも低い高さに短縮されている。本発明の冷凍キャビネットでは、前方壁13は、一般にキャビネット基部20の側壁および後方壁よりも数インチ、例えば約6インチ短くなっている。窓35を備えるキャノピー30の前方壁34の下部は、キャビネット基部20の前方壁13を覆うトリム部材と接してこれに対して密閉されるように下向きに延在する。前方壁34とその窓35を下向きに延長することによって、可視領域が増加し、図5に最もよく示されているように、子供でも冷凍キャビネット内の種々の種類のアイスクリームを見ることができるようになる。
【0018】
キャノピー30の前方壁34に設けられた窓35は、成形されたプラスチックもしくはプレクシグラス材料の平らなもしくは弓形の単一片として形成することができる。しかし、窓35は、間に断熱空間を形成するように離間して配置された2つまたはそれ以上のガラスを含む複層断熱窓とすることがより有利である。また、窓35は、平らであるか弓形であるかにかかわらず、離間された一対のガラス35’,35”を含む上述のような断熱窓を含むことが最も有利である。
【0019】
冷凍容積23を境界づける窓35の底部は、サービスドアが開いているときにキャビネット基部20に流入する湿気と直接接するので、着霜を防止するために窓35の底部を加熱することが有利である。霜がつけば、窓35の着霜部によって製品が見えにくくなる。従って、図4に示すように、少なくとも一枚のガラスの下部、例えば外側ガラス35’の下部の内側面に電導性の被覆70を施すことができる。電導性の被覆と接触しているとともに電源に接続されたバスバー(図示省略)が、電導性の被覆にわたって電流を供給する手段を提供する。電導性の被覆に選択的に電流を流すことによって、窓を充分に加熱して局部的な露点よりも高い温度に維持して、内側パネル35”の内側面上の着霜および外側パネル35’の外側面上の結露を防止する一方で、冷凍キャビネット10内の製品50の望ましくない加熱を避ける。
【0020】
キャノピー30の後方壁38は、骨組42に載置された透明なサービスドア40を含む。サービスドア40は、従来の給仕用キャビネットと同様に透明なプラスチック材料またはプレクシグラスで形成することができるが、平らな強化ガラスパネルとすることが最も有利である。強化ガラスは、プラスチック材料よりもかなり強度が高く、かつ構造的な剛性がより大きい。さらに、強化ガラスは、容易に傷ついたり、ひっかき傷がついたり、壊れたりしない。
【0021】
図1,図2,および図3に最もよく示されているように、サービスドア40と骨組42は、ヒンジ41と2対のガスばね62,64を含む支持装置60に載置されているとともに、それぞれ異なる回転中心を中心に枢軸運動可能に設けられている。各々のガスばね62は、骨組42に取り付けられたヒンジ41にその遠位端部で連結されており、対応する側壁36に取り付けられた支持ブラケット63にその近位端部で連結されている。サービスドア40は、各々のヒンジ41内のピボットピン65を介して第1の回転中心を中心に枢軸運動する。各々のガスばね64は、骨組42にその遠位端部で連結されており、側壁36に取り付けられた支持ブラケット67にその近位端部で連結されている。枠組42は、それぞれの側壁36に支持されたピボットピン69を介して第2の回転中心を中心に枢軸運動する。一組の支持ブラケット63,67とピボットピン69は、それぞれの側壁36に設けられている。
【0022】
図1,図6に示す閉位置では、後方壁38は45度の公称角度で保持されており、その下端がキャビネット基部20の後方壁15に設けられたトリム部材16と接してこれに対して密閉されているとともに、その上端がキャノピー30の頂部壁32と接してこれに対して密閉されている。キャノピー30の後方壁38の側面は、キャノピー30の対応する側壁36と接してこれに対して密閉されている。最も有利には、上記密閉機能は、後方壁38、頂部壁32、および側壁36の1つまたはそれ以上の端部に担持されたガスケットによって達成される。さらに、サービスドア40は、閉位置において、ガスばねの動作によって枠組42に対して押し付けられているとともにこの位置に保持されている。
【0023】
図6に最もよく示されているように、最も有利には蛍光灯であるランプ80が、後部壁が閉位置にあるときに、キャノピーの内部に対して外側の位置でキャノピー30の頂部壁32に取り付けられている。従来の給仕用キャビネットは、一般にキャノピーの頂部壁に取り付けられたランプを有するが、このランプはキャビネットの内部に位置する。このようにランプがキャノピー内に位置すると、ランプから放射される熱エネルギが冷却されたキャビネット10の内部に捕捉されて冷凍装置の冷却負荷が増加するとともに、アイスクリーム製品が温められて軟化するおそれがある。また、ランプからの高エネルギの波長は、製品の化学的性質を破壊するおそれがあり、変色を引き起こしうる。本発明に従ってランプをキャビネット10の外側に配置することで、ランプからの熱エネルギが冷凍キャビネットの外部の環境に放散される。さらに、高エネルギの波長を有する光は、サービスドア40によって反射し、低エネルギの波長を有する光のみが透明なサービスドア40を通って冷凍キャビネット10の内部を照明する。好適実施例では、サービスドア40を構成する強化ガラスパネルを適切な材料で被覆して、高エネルギの波長を有する光が冷凍キャビネットに入ることをさらに阻止することができる。所望であれば、サービスドア40を構成する強化ガラスパネルを電導性のフィルムで被覆し、この被覆に選択的に電流を流して凝結および/または着霜による曇りを防止することができる。
【0024】
本発明によると、給仕者がアイスクリーム製品50を盛りつけるために冷凍キャビネットの内部に接近するには、単にサービスドア40を内側に押すだけでよい。サービスドア40の下部を下向きに押すと、サービスドア40は、それぞれの支持ブラケット65内で枢軸運動するガスばねのヒンジ62とともに第1の回転中心63を中心に内向きに回転する。図2,図7に最もよく示されているように、サービスドア40は、開位置において1つまたはそれ以上のストッパで停止するように前方に回転する。サービスドア40は、開いた状態では、顧客の視界を妨害せずに冷凍キャビネット10内の製品への接近を容易とする。
【0025】
本発明の他の形態では、併せてキャノピー30の後方壁38を構成するサービスドア40および枠組42は、第2の回転中心67を中心に上向きかつ外向きに回転し、冷凍キャビネット10の内部の清掃を容易とする。図3,図8に最もよく示されているように、サービスドア40の下部を持ち上げると、サービスドア40および枠組42は、約90度の公称角度から開位置まで単一のユニットとして枢軸運動する。ガスばねヒンジ64は、開位置において、サービスドア40および枠組42を定位置に保持するように機能するとともに、このユニットを開位置まで持ち上げるのを補助する。サービスドア40の下方の角部にはラッチが設けられており、これらのラッチは、サービスドア40を枠組42に固定するために選択的に係合される。これにより、サービスドア40および枠組42は、上向きかつ外向きに回転可能なユニットを構成し、清掃および消毒のためにキャビネットの内部に接近することが可能となる。ラッチが解除されると、サービスドア40は、枠組42から独立して内側に回転可能となり、給仕のために製品50に接近することができる。
【0026】
上述した本発明の冷凍キャビネットの実施例の種々の改良および調整は、当業者には明らかであり、本発明の趣旨および請求項によって定められる範囲から逸脱しないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の冷凍キャビネットの横断面図である。
【図2】
キャノピーのサービスドアが開位置にある状態を示す、本発明の冷凍キャビネットの横断面図である。
【図3】
キャノピーの後方壁が開位置にある状態を示す、本発明の冷凍キャビネットの横断面図である。
【図4】
図1の冷凍キャビネットのキャビネット基部における前方壁下部の部分拡大横断面図である。
【図5】
本発明の冷凍キャビネットの前方からの斜視図である。
【図6】
本発明の冷凍キャビネットの後方からの斜視図である。
【図7】
サービスドアが開位置にある状態を示す、本発明の冷凍キャビネットの後方からの斜視図である。
【図8】
サービスドアと枠組がユニットとして開位置にある状態を示す、本発明の冷凍キャビネットの後方からの斜視図である。
【図9】
従来技術の給仕用キャビネットの斜視図である。
【技術分野】
本発明は、手で盛りつけられる冷凍菓子の容器を収容するために商業用途で使用される種類の冷凍キャビネットに関し、特に、給仕用キャビネットのキャノピーの改良に関する。
【0002】
本出願は、2000年10月2日に出願された米国特許仮出願第60/237,279号に基づく優先権を主張している。
【0003】
【背景技術】
給仕用冷凍キャビネットは、典型的には、全て同じ高さを有する前方壁、後方壁、および端壁を備える横型のキャビネットである。これらの4つの壁は、盛りつけられる冷凍菓子、例えばアイスクリームだけでなく、フローズンヨーグルト、ソーベット、およびシャーベットなどの容器を収容する開口した冷凍室を画成する。これらの壁は、一般に断熱コアを囲む内側および外側のシートメタル外板を有する“コールドウォール”タイプのものであり、冷媒配管が内側シートメタル外板の背面に配設されている。内側外板を冷却するために、低温の冷媒が冷媒配管を通して循環しており、キャビネット内に低温でかつ高濃度の安定した空気層を確実に維持するように、製品から周囲壁の低温の内側外板に放射および伝導によって熱が伝達される。タンクの深さによって増加する熱的安定性は、冷凍製品の軟度および品質を適切に維持するために重要である。
【0004】
一般に、安全および衛生の基準に適合するように、給仕用キャビネットには、その四方の壁上に支持されたテント様のキャノピーが設けられている。顧客は、キャビネットの前方すなわち顧客側に設けられたキャノピーの前方壁に提供された窓を通して製品を見ることができる。また、キャノピーは、キャビネットの背面すなわち給仕人側に給仕用の入口を備える後方壁を有する。このようなキャノピーは、一般に、一枚ガラスの前方窓と、熱成形された透明なアクリルまたはポリカーボネイトタイプのプラスチックシートからなる後方蓋を含むように構成される。顧客に給仕する人は、キャノピーの給仕人側の後方壁に提供された給仕用の入口を通して冷凍菓子に接近してこれをすくう。キャノピー付きキャビネットの内部への接近がないときに、給仕用の入口を閉じるために一般にヒンジ式の蓋もしくは一対の引き戸が設けられている。
【0005】
給仕用キャビネットなどの低温の冷凍キャビネットでは、製品補充線は、通常キャビネットの頂端部から数インチ下に位置する。この空いた容積は、店内の暖かい周囲空気から冷凍製品を守るために、低温の冷却空気層用の空間を製品の上部に提供するのに必要である。しかし、製品がキャビネットの頂端部よりもいくらか下の凹所に位置しているので、顧客はキャビネットのキャノピーの前方窓を通して製品、特にキャビネットの内部の前方領域に収容された製品をすぐに見ることができない。
【0006】
動作時には、給仕用の入口が開いているときに、一定量の湿った暖かい周囲空気が、この給仕用の入口を通って店内からキャビネットに必然的に流入する。湿った暖かい空気がキャビネット内部の低温の壁と接触すると、特に食料製品の上部の空いた容積を構成する空間を境界づけるキャビネットの上部に着霜が生じる。多くの場合、実質的に平らなパネルを含む複数の分離可能な霜シールドが、霜が堆積可能な除去面を提供するようにキャビネットの内部壁上部に設置されており、霜がキャビネットの内部壁に直接堆積しないようになっている。キャビネットを除霜するには、霜シールドをキャビネットから取り除いて、一般に霜を温水と接触させることによって霜シールドの霜を迅速に除去する。
【0007】
【発明の開示】
本発明の目的は、改良されたキャノピーを有する冷凍キャビネットを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、キャビネットの内部への接近を可能とする独立したサービスカバーを備える回転可能な後方壁を有するキャノピーを提供することである。
【0009】
冷凍製品を収容する冷却された内部を有するとともに、頂部が開口した冷凍室を画成するキャビネット基部と、冷凍室の上に配置されたキャノピーと、を含む冷凍キャビネットが提供される。キャビネット基部は、前方壁、後方壁、および端壁を備えており、前方壁は、後方壁よりも高さが低い。キャノピーは、キャビネットの内部が見える透明な窓を備える前方壁と、サービスドアを備える後方壁と、を有する。サービスドアは、キャビネットの内部への接近を可能とするように、閉位置と開位置との間で移動可能となっている。
【0010】
本発明によると、キャノピーの後方壁は、透明なサービスドアとこのサービスドアの周囲の枠組とを有する。キャノピーと動作可能に関連づけられた支持装置が、サービスドアを枠組から独立して開位置と閉位置との間で回転させる第1の方法と、サービスドアおよび枠組をユニットとして共に閉位置と開位置との間で回転させる第2の方法と、で動作可能となっている。
【0011】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明のキャノピー付き冷凍キャビネットは、好適実施例において、アイスクリーム給仕用キャビネットとして説明する。しかし、本発明のキャノピー付き冷凍キャビネットは、顧客に見えること、および給仕用の入口が要求される冷凍ショーケースとして、一般に種々の実施例に適用可能である。従って、本発明およびその種々の形態は、図面に示した実施例に限定されるものではない。
【0012】
続いて図面を参照すると、冷凍キャビネット10が、アイスクリーム給仕用キャビネットとして示されている。図示の実施例では、キャビネット10は、冷凍基部20と、この基部20に支持されるキャノピー30を有する。冷凍基部は、離間して配置されるとともにトリム部材16によって覆われている外側シェル12と内側冷凍ライナ14とを含む。このように構成された基部20は、前方壁13、後方壁15、側壁17、床部、および開口した頂部を備えるボックス状の容器を画成する。ライナ14の壁および床部は、金属製、一般にはステンレス鋼製の支持シートによってそれぞれ構成されており、支持シートの可視側にはビニール層が被覆されている。ライナ14は、一般に製品補充線21の高さまで冷凍製品50が収容される冷凍容積23を囲んでいる。アイスクリーム給仕用キャビネットの場合には、冷凍製品50は、例えば堅いアイスクリーム、フローズンヨーグルト、ソーベット、シャーベットまたは他の冷凍菓子を含みうる。
【0013】
外側シェル12は、ライナ14の4つの側壁および床部から離間された状態でライナ14を取り囲んでいる。外側シェル12とライナ14との間の空間に配置された現場発泡ポリウレタン材料などの断熱材18は、室温にさらされた外側シェル12から冷凍ライナ14を断熱するとともにキャビネットに構造的な一体性を付加する。
【0014】
ライナ14は、ライナ14の背面にまたはこれと熱交換を行うように配設された蒸発器配管22によって従来の方法で冷却される。蒸発器配管は、従来の冷媒回路(図示省略)の一部であり、この冷媒回路では、圧縮機で圧縮された冷媒が、熱膨張装置を介して膨張し、蒸発配管を通過してから圧縮機に戻る前に凝縮器を通過する。R−22、R404a、または他の商業的に流通している冷媒が蒸発器配管を通過すると、この冷媒は、冷凍容積内の空気からライナ14を通して熱を吸収して蒸発し、これにより空気および製品が冷却されて所望の温度が維持される。この方法では、上述したように製品補充線21まで冷凍容器を満たしている、製品50の上部の容積25に低温の空気層が維持される。
【0015】
上述した通り、また図1に示すように、キャビネット10の冷凍基部20は、従来の“コールドウォール”構造を有する。この構造の詳細については、2000年8月9日出願の米国特許出願第09/639,467号を参照されたい。しかし、基部20の特定の構造および基部20の特定の冷却方法は、本発明とは無関係である。例えば、1998年1月20日出願の米国特許出願第09/016,824号に開示されているように、外側壁と内側壁との間の解放通路を通って低温の冷却空気が循環するようにキャビネット基部20を構成することができる。
【0016】
キャノピー30は、頂部壁32、キャビネット10の顧客側に位置する前方壁34、側壁36、およびキャビネット10の給仕側すなわち背面に位置する後方壁38を備える。頂部壁32は、側壁36および前方壁34上に支持されているとともにこれらの壁の間で延在する。前方壁34は、枠37内に支持され、かつ透明な材料によって形成された透明な窓35を含む。窓35は、顧客が冷凍容積23内に収容された製品50を見ることができる顧客可視領域を提供する。側壁36は、ステンレス鋼または他の金属、成形プラスチック、または所望であれば支持枠とこの枠内に設置された透明材料からなるパネルで形成することができる。
【0017】
本発明の一形態では、窓35を備える透明な前方壁34は、製品補充線17に向かって下向きに延在し、最も有利には、顧客可視領域が増加するように製品補充線17まで下向きに延在する。図示のように、キャノピー30の透明な前方壁34の下向きの延長部を収容するために、キャビネット基部20の前方壁13は、キャビネット基部20の後方壁15および側壁17よりも低い高さに短縮されている。本発明の冷凍キャビネットでは、前方壁13は、一般にキャビネット基部20の側壁および後方壁よりも数インチ、例えば約6インチ短くなっている。窓35を備えるキャノピー30の前方壁34の下部は、キャビネット基部20の前方壁13を覆うトリム部材と接してこれに対して密閉されるように下向きに延在する。前方壁34とその窓35を下向きに延長することによって、可視領域が増加し、図5に最もよく示されているように、子供でも冷凍キャビネット内の種々の種類のアイスクリームを見ることができるようになる。
【0018】
キャノピー30の前方壁34に設けられた窓35は、成形されたプラスチックもしくはプレクシグラス材料の平らなもしくは弓形の単一片として形成することができる。しかし、窓35は、間に断熱空間を形成するように離間して配置された2つまたはそれ以上のガラスを含む複層断熱窓とすることがより有利である。また、窓35は、平らであるか弓形であるかにかかわらず、離間された一対のガラス35’,35”を含む上述のような断熱窓を含むことが最も有利である。
【0019】
冷凍容積23を境界づける窓35の底部は、サービスドアが開いているときにキャビネット基部20に流入する湿気と直接接するので、着霜を防止するために窓35の底部を加熱することが有利である。霜がつけば、窓35の着霜部によって製品が見えにくくなる。従って、図4に示すように、少なくとも一枚のガラスの下部、例えば外側ガラス35’の下部の内側面に電導性の被覆70を施すことができる。電導性の被覆と接触しているとともに電源に接続されたバスバー(図示省略)が、電導性の被覆にわたって電流を供給する手段を提供する。電導性の被覆に選択的に電流を流すことによって、窓を充分に加熱して局部的な露点よりも高い温度に維持して、内側パネル35”の内側面上の着霜および外側パネル35’の外側面上の結露を防止する一方で、冷凍キャビネット10内の製品50の望ましくない加熱を避ける。
【0020】
キャノピー30の後方壁38は、骨組42に載置された透明なサービスドア40を含む。サービスドア40は、従来の給仕用キャビネットと同様に透明なプラスチック材料またはプレクシグラスで形成することができるが、平らな強化ガラスパネルとすることが最も有利である。強化ガラスは、プラスチック材料よりもかなり強度が高く、かつ構造的な剛性がより大きい。さらに、強化ガラスは、容易に傷ついたり、ひっかき傷がついたり、壊れたりしない。
【0021】
図1,図2,および図3に最もよく示されているように、サービスドア40と骨組42は、ヒンジ41と2対のガスばね62,64を含む支持装置60に載置されているとともに、それぞれ異なる回転中心を中心に枢軸運動可能に設けられている。各々のガスばね62は、骨組42に取り付けられたヒンジ41にその遠位端部で連結されており、対応する側壁36に取り付けられた支持ブラケット63にその近位端部で連結されている。サービスドア40は、各々のヒンジ41内のピボットピン65を介して第1の回転中心を中心に枢軸運動する。各々のガスばね64は、骨組42にその遠位端部で連結されており、側壁36に取り付けられた支持ブラケット67にその近位端部で連結されている。枠組42は、それぞれの側壁36に支持されたピボットピン69を介して第2の回転中心を中心に枢軸運動する。一組の支持ブラケット63,67とピボットピン69は、それぞれの側壁36に設けられている。
【0022】
図1,図6に示す閉位置では、後方壁38は45度の公称角度で保持されており、その下端がキャビネット基部20の後方壁15に設けられたトリム部材16と接してこれに対して密閉されているとともに、その上端がキャノピー30の頂部壁32と接してこれに対して密閉されている。キャノピー30の後方壁38の側面は、キャノピー30の対応する側壁36と接してこれに対して密閉されている。最も有利には、上記密閉機能は、後方壁38、頂部壁32、および側壁36の1つまたはそれ以上の端部に担持されたガスケットによって達成される。さらに、サービスドア40は、閉位置において、ガスばねの動作によって枠組42に対して押し付けられているとともにこの位置に保持されている。
【0023】
図6に最もよく示されているように、最も有利には蛍光灯であるランプ80が、後部壁が閉位置にあるときに、キャノピーの内部に対して外側の位置でキャノピー30の頂部壁32に取り付けられている。従来の給仕用キャビネットは、一般にキャノピーの頂部壁に取り付けられたランプを有するが、このランプはキャビネットの内部に位置する。このようにランプがキャノピー内に位置すると、ランプから放射される熱エネルギが冷却されたキャビネット10の内部に捕捉されて冷凍装置の冷却負荷が増加するとともに、アイスクリーム製品が温められて軟化するおそれがある。また、ランプからの高エネルギの波長は、製品の化学的性質を破壊するおそれがあり、変色を引き起こしうる。本発明に従ってランプをキャビネット10の外側に配置することで、ランプからの熱エネルギが冷凍キャビネットの外部の環境に放散される。さらに、高エネルギの波長を有する光は、サービスドア40によって反射し、低エネルギの波長を有する光のみが透明なサービスドア40を通って冷凍キャビネット10の内部を照明する。好適実施例では、サービスドア40を構成する強化ガラスパネルを適切な材料で被覆して、高エネルギの波長を有する光が冷凍キャビネットに入ることをさらに阻止することができる。所望であれば、サービスドア40を構成する強化ガラスパネルを電導性のフィルムで被覆し、この被覆に選択的に電流を流して凝結および/または着霜による曇りを防止することができる。
【0024】
本発明によると、給仕者がアイスクリーム製品50を盛りつけるために冷凍キャビネットの内部に接近するには、単にサービスドア40を内側に押すだけでよい。サービスドア40の下部を下向きに押すと、サービスドア40は、それぞれの支持ブラケット65内で枢軸運動するガスばねのヒンジ62とともに第1の回転中心63を中心に内向きに回転する。図2,図7に最もよく示されているように、サービスドア40は、開位置において1つまたはそれ以上のストッパで停止するように前方に回転する。サービスドア40は、開いた状態では、顧客の視界を妨害せずに冷凍キャビネット10内の製品への接近を容易とする。
【0025】
本発明の他の形態では、併せてキャノピー30の後方壁38を構成するサービスドア40および枠組42は、第2の回転中心67を中心に上向きかつ外向きに回転し、冷凍キャビネット10の内部の清掃を容易とする。図3,図8に最もよく示されているように、サービスドア40の下部を持ち上げると、サービスドア40および枠組42は、約90度の公称角度から開位置まで単一のユニットとして枢軸運動する。ガスばねヒンジ64は、開位置において、サービスドア40および枠組42を定位置に保持するように機能するとともに、このユニットを開位置まで持ち上げるのを補助する。サービスドア40の下方の角部にはラッチが設けられており、これらのラッチは、サービスドア40を枠組42に固定するために選択的に係合される。これにより、サービスドア40および枠組42は、上向きかつ外向きに回転可能なユニットを構成し、清掃および消毒のためにキャビネットの内部に接近することが可能となる。ラッチが解除されると、サービスドア40は、枠組42から独立して内側に回転可能となり、給仕のために製品50に接近することができる。
【0026】
上述した本発明の冷凍キャビネットの実施例の種々の改良および調整は、当業者には明らかであり、本発明の趣旨および請求項によって定められる範囲から逸脱しないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の冷凍キャビネットの横断面図である。
【図2】
キャノピーのサービスドアが開位置にある状態を示す、本発明の冷凍キャビネットの横断面図である。
【図3】
キャノピーの後方壁が開位置にある状態を示す、本発明の冷凍キャビネットの横断面図である。
【図4】
図1の冷凍キャビネットのキャビネット基部における前方壁下部の部分拡大横断面図である。
【図5】
本発明の冷凍キャビネットの前方からの斜視図である。
【図6】
本発明の冷凍キャビネットの後方からの斜視図である。
【図7】
サービスドアが開位置にある状態を示す、本発明の冷凍キャビネットの後方からの斜視図である。
【図8】
サービスドアと枠組がユニットとして開位置にある状態を示す、本発明の冷凍キャビネットの後方からの斜視図である。
【図9】
従来技術の給仕用キャビネットの斜視図である。
Claims (1)
- 冷凍製品を収容する冷却された内部を有するとともに頂部が開口した冷凍室を画成する前方壁、後方壁、端壁を備えるキャビネット基部と、
キャビネットの内部が見える透明な窓を有する前方壁と、透明なサービスドアと該サービスドアの周囲に設けられた枠組とを有する後方壁と、を備えるとともに、前記冷凍室の上に配置されたキャノピーと、
前記サービスドアを前記枠組から独立して開位置と閉位置との間で回転させる第1の方法と、前記サービスドアおよび前記枠組をユニットとして共に閉位置と開位置との間で回転させる第2の方法と、で動作可能であり、かつ前記キャノピーと動作可能に関連づけられた支持装置と、を含むことを特徴とする冷凍キャビネット。
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