JP2004510811A - 抗癌剤を封入したリポソーム及び悪性腫瘍の治療におけるその使用方法 - Google Patents

抗癌剤を封入したリポソーム及び悪性腫瘍の治療におけるその使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004510811A
JP2004510811A JP2002533840A JP2002533840A JP2004510811A JP 2004510811 A JP2004510811 A JP 2004510811A JP 2002533840 A JP2002533840 A JP 2002533840A JP 2002533840 A JP2002533840 A JP 2002533840A JP 2004510811 A JP2004510811 A JP 2004510811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liposome
lipopeptide
lipid
encapsulated
anticancer drug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002533840A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4286535B2 (ja
Inventor
パレンテ・ドゥエーニャ,アントニオ
ポンス・ランビエス,フェラン
ファブラ・フレス,アンヘルス
ポロ・トラサンコス,マリア・ドロレス
ガルセス・ガルセス,ホセ
イサルト,レイク,フランセスカ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lipotec SA
Original Assignee
Lipotec SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lipotec SA filed Critical Lipotec SA
Publication of JP2004510811A publication Critical patent/JP2004510811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4286535B2 publication Critical patent/JP4286535B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • A61K9/1271Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

抗癌剤封入リポソーム及び悪性腫瘍の治療におけるその使用。本発明のリポソームは、脂質フラグメント、活性オリゴペプチド、及びこれら2つのフラグメントの間に挿入されるオリゴペプチドスペーサーの3つのサブ構造からなるリポペプチドにてコーティングされる。本発明のリポソームは悪性腫瘍を治療するために静脈内投与することが可能である。

Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は、施療する生物の他の細胞には影響を及ぼすことなく当該生物体内の癌細胞を選択的に破壊することが可能な抗癌療法のシステムを提供するものである。より詳細には本発明は上記の治療において有用な抗癌剤を含有したリポソームに関するものである。
【0002】
【従来技術】
癌は先進諸国においては最も一般的な疾病であり、充実性悪性腫瘍を有する患者では腫瘍の転移が主たる死因となっている。腫瘍の転移では別の臓器や異なる組織において原発性腫瘍に由来する新たな癌中心が出現する。こうした転移過程には、腫瘍細胞が細胞の構成要素及びホスト組織と相互作用を行う一連の段階が含まれる。その段階とは、原発性腫瘍からの腫瘍細胞の分離、血管内腔への侵入、血管やリンパ系を介した他の組織への細胞の移動、血管内皮への接着、血管外遊出及び新たな組織への浸潤、及び2次腫瘍の形成である。
【0003】
この過程を通じて悪性腫瘍細胞は細胞外基質の各要素と相互作用を行うが、特に基底膜に接着して腫瘍細胞自身及び/または腫瘍細胞に刺激された実際のホスト細胞が産生する蛋白分解酵素の作用により基底膜を傷害する。すなわち細胞接着性の変化は、原発腫瘍からの細胞の遊離、細胞の移動、及び新たな組織への細胞の着床に密接に関連した過程であり、転移が生ずるうえで不可欠な要素である。
【0004】
この相互作用に介在する主要な接着分子がインテグリンである。インテグリンは膜貫通糖蛋白質の一ファミリーであり、非共有結合によってα鎖とβ鎖の2本の鎖が結合した構造を有する(疎水性物質)。インテグリンは、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチンやコラーゲンなどの特定の細胞外基質蛋白質の受容体として特に機能する(Ruoslahti, E., Giancotti, F.G., Cancer Cells(1989), 1, 4, 119−126)。最近になって腫瘍細胞ではインテグリンの発現が変化し、こうした細胞においてインテグリンの存在量が増加することが示された(Dedhar, S., Saulmier, R., Cell Biol. (1990), 11, 481−489)。この発現量の増加は、腫瘍細胞の細胞外基質への接着及び転移能の獲得の要因となっている。
【0005】
腫瘍を消失させる主な治療法として、特にアントラサイクリンファミリーを中心とした細胞分裂抑制因子を静脈内投与する方法がある(Young, R.C., Ozols, R.F., Myers, C.E., N. Eng. J. Med.(1981), 305, 139−153)。しかしながら、これらの細胞分裂抑制因子が腫瘍細胞に対する選択性を欠いていること、腫瘍細胞がこれらの薬剤に対する耐性を獲得すること、細胞分裂抑制因子の作用に対する原発腫瘍及び転移細胞の応答が異なることから、こうした治療によって通常深刻な副作用が生じ、その一部は慢性的または不可逆的である。
【0006】
そのため今日の化学療法は、これらの薬剤の抗腫瘍効果を高めるとともにその毒性を低減させることに主眼をおいたものとなっている。その方法の一つは適当な濃度の細胞分裂抑制因子を標的細胞に送達することであり、これによって正常細胞を傷害することなく原発腫瘍や転移細胞が選択的に破壊される。こうした方法によれば薬剤の治療指数が向上し、より高い治療効果を上げることが可能である。
【0007】
こうした系では、薬剤が親水性である場合にはこれをリポソームの水性空間中に取り入れ、薬剤が親油性を有する場合にはこれを水性空間と脂質2重層との間に分布させる。このようにリポソームに封入した薬剤を治療中の患者に投与することが可能である。
【0008】
抗癌剤の投与にリポソームを使用することで従来の投与法の効果がしばしば向上することが多くの研究者によって示されている(例えば、Gabizon et al.: Cancer Res. (1982) 42, 4734−4739 and Van Hossel et al.: Cancer Res. (1984) 44, 3698−3705)。
【0009】
様々な動物モデルにおいて、ドキソルビシンをリポソームに封入することにより慢性及び急性の副作用毒性が著しく低減することが示されている(例えば、Rahman et al.: Cancer Res. (1980) 40, 1532−1537, Forssen et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USE (1981) 78, 1873−1877, Olson et al.: Eur. J. Cancer Clin. Oncol. (1982) 18 167−176, Rahman et al.: Cancer Res. (1985) 45, 796−803 and Gabizon et al.: J. Natl. Cancer Inst.(1986) 77, 459−467)。更にリポソームに封入したドキソルビシンの投与により、脱毛、体重減少、悪心、嘔吐、及び血管外遊出による皮膚壊死などの他の毒性指標も大幅に低減される(Forssen et al.: Cancer Treat. Rep. (1983) 67, 481−484。及びこの段落で上述した文献を参照。)。
【0010】
同様に様々な動物モデルにおいて、毒性が大幅に低下する代わりに抗腫瘍効果が損なわれるといったことがないことも示されている(上述の文献及び、Rahman et al.: Chemother. Pharmacol. (1986) 16, 22−27, Gabizon et al.: Cancer Res. (1983) 43, 4730−4735 and Br. J. cancer (1985) 51, 681−689, Mayhew et al.: J. Natl. Cancer Inst. (1987) 78, 707−713, Forssen et al.: Cancer Res. (1983) 43, 546−550, and Storm et al.: Cancer Res. (1987) 47, 3366−3372)。
【0011】
癌転移の発生率及びその特別な性質のために、抗転移療法は、従来の治療法に代わる新たな治療法の模索に多大な努力が費やされた分野の一つとなっている。アントラサイクリンはその作用機序、高い有効性、及び高い毒性ゆえにリポソームなどの徐放系への薬剤封入の分野で最も研究が進められている細胞分裂抑制因子のファミリーである。このことは増加の一途にあるリポソーム関連特許から明らかであり、これらの特許の80%は細胞分裂抑制因子に適用されたものである。
【0012】
アントラサイクリンを含有したリポソームの最初の世代のものは、PC、PG、及びコレステロールからなる小胞であり、その水性内空間に薬剤が封入されるものであった。こうしたリポソームでは薬剤の毒性は低下するがその抗腫瘍活性は遊離薬剤の活性を上回ることはなく、リポソームが最も送達されやすい臓器である肝臓全体に転移細胞が拡がった腫瘍モデルのみにおいて薬剤の活性の向上が見られ、腫瘍の増殖が局所的である場合には活性の改善は見られなかった(Mayhew, E., Rustum, Y., Biol. Cell. (1983), 47, 81−86)。更に、これらのリポソームは小胞体のマクロファージによって速やかに捕捉されるために静脈注射後の生物体内での効果は数時間しか持続しない。こうした理由のため、精力的な研究が行われたにも関わらず、リポソームに対する細胞分裂抑制因子の輸送体としての当初の期待を満足するような製剤は存在しなかった。80年代に入り、血流中での循環時間を延長する目的で表面に糖脂質(Allen, T.M., Hansen, C., Rutledge, J., Biochem. Biophys. Acta (1989), 981, 27−35; Mori, A., Klivanov, A.L., Torchilin, V.P., Huang, L., FEBS Lett. (1991), 284, 263−266)またはポリエチレングリコール(PEG)などの疎水性高分子(Blume, G., Ceve, C., Biochem. Biophys. Acta (1990), 1029, 91−97, Allen, T.M., Hansen, C., Martin, F., Redemann, C., Yau−Young, A., Biochem. Biophys. Acta (1991), 1066, 29−36)を有するリポソームが初めて報告されるに到って状況は変化した。こうしたリポソームは、所謂「第2世代リポソーム」または「ステルスリポソーム」と呼ばれるものである。PEG及び糖脂質によるこうした安定化効果はこれらの物質の疎水性によるものと考えられる。これらの物質の疎水性は、リポソーム表面での凝集体の形成を防止し、リポソームが細胞受容体や血漿中蛋白質のリガンドとして認識されることを防ぐものである。更に、リポソーム表面にこれらの物質が存在することによって立体効果が生じ、オプソニンなどの血中蛋白質の作用が阻害されるとともにリン脂質のリン酸基に対するマクロファージ受容体の結合性が低下するために血中での循環時間が長くなる。
【0013】
その後、酢酸ビタミンE、BHTまたはクロマン誘導体などの脂質の過酸化を抑制する添加物質を添加することによりこうしたリポソームの安定性及び有効性を向上させることが可能であることが何人かの研究者によって見出された(欧州特許公報第0274174号、国際公開公報第8500968号、同9202208号及び米国特許第5605703号)。
【0014】
こうしたガレヌス製剤は従来の剤形と比較して多くの利点を与えるものであるが、少ない投薬量で高い効果を上げ、副作用を抑制または低減するために標的細胞に向けて小胞を誘導するには課題が残っている。
【0015】
基本的な考え方は、標的細胞によって選択的に認識される任意の化学物質をリポソーム表面に取り込ませるというものである。標的細胞に向けてリポソームを誘導するうえで重要となるのは適当なベクター分子を選択することである。
【0016】
腫瘍細胞へとリポソームを誘導することが可能な任意の化学構造を選択する方法は、決して容易なものではなく、腫瘍細胞の場合では、膜内蛋白質、及び、転移能、分裂能、及び問題となる組織に応じて異なる抗原及び表面受容体のように極めて多様であり、これらは認識構造を選択するための基準として用いることが可能であるものの実際にはその選択は容易ではない。更に実際には多くの場合、分裂中の細胞及び/または腫瘍細胞はその相違する特徴として正常細胞と比較して所定の構造を過剰発現している。
【0017】
これまでに得られた知見によれば、接着過程及びこれに関与する蛋白質は、転移過程及び細胞の増殖に必要な血管新生において重要な役割を担っていることが示されている。
【0018】
これらの機序に関わりの深い蛋白質のうち、ラミニンは腫瘍細胞においてその受容体が過剰発現していることが示されていることからリポソーム誘導物質の有力な候補である。
【0019】
ラミニンはコラーゲンに次ぐ細胞の基底膜の主要成分である。ラミニンは、α鎖(440kDa)、β鎖(200kDa)及びγ鎖(220kDa)の3本のポリペプチド鎖が2本の短腕と1本の長腕を有する十字架状に配された糖蛋白質である。これらの鎖はジスルフィド結合及び非共有結合型の相互作用によって結合しており、異なる構造ドメインを有する非対称分子を構成している。
【0020】
各細胞はラミニン分子のペプチド配列及び/または機能的ドメインを認識する異なる特異的膜受容体を有する。これらの受容体はインテグリンと非インテグリンの2つのグループに分類される。
【0021】
インテグリンはα鎖及びβ鎖の2本の膜貫通ポリペプチド鎖が非共有結合的に会合した構造を有する。これらの分子は細胞が細胞外基質の要素に接着するための受容体となっている。インテグリンには細胞−細胞の認識に介在するものもある。各インテグリンはラミニンなどの基質中分子に存在する特定のペプチド配列を認識する。
【0022】
非インテグリン型の受容体の中で最もよく研究されているのはラミニンに対する67kDaの受容体であり、癌を含む各種の細胞組織から単離、同定されている。更に転移性腫瘍細胞はその細胞表面に正常細胞よりも多くの受容体を発現していることが確認されていることから、こうした受容体を腫瘍の悪化を示すマーカー及び各種の腫瘍の活性の指標とすることが可能であると考えられている。
【0023】
ラミニンは以下のような異なる転移活性を示す。すなわち、
−細胞接着、成長、及び増殖を引き起こす。
【0024】
−上皮細胞と腫瘍細胞の区別を刺激する。
【0025】
−細胞遊走を引き起こす。
【0026】
−その細胞表面における存在によって腫瘍細胞の悪性度を高め、腫瘍細胞の浸潤性及び転移活性を高める。
【0027】
信頼のおける研究により、ラミニンの異なる機能は、ラミニンα鎖のPA22−2フラグメントに存在するアミノ酸5個からなる配列SIKVAVSのようなラミニン分子中に存在する特定のペプチド配列によるものであることが示されている。詳細には、この領域で最も高い活性を示す部分がペンタペプチドであるSIKVAVSである。
【発明の概要】
現在、リポソームに関する研究は、腫瘍細胞を認識し、これに特異的に結合する抗体、ペプチド、及び蛋白質などをこのリガンド小胞の表面に取り込むことによってこの種の細胞にリポソームを誘導することに向けられている(Allen T.M., Austin, G.A., Chonn, A., Lin, L., Lee, K.C., Biochem. Biophys. Acta (1991), 1061, 56−63)。
【0028】
しかるに本発明の目的は、リポソームに封入された抗癌剤の新たな応用である。当該リポソームはその主たる特徴として特にSIKVAVS配列などのラミニンの構造に由来するリポペプチドによって被覆されている。このようにして調製されたリポソームは腫瘍細胞に対して高い選択性を示すことから封入された抗癌剤の効果が高められる。
【0029】
本発明において使用する略語の意味
DXR:ドキソルビシン
PC:ホスファチジルコリン
PL:水素化した卵のリン脂質
PG:ホスファチジルグリセロール
CHOL:コレステロール
CROM:クロマン−6
A Ala   アラニン
C Cys   システイン
D Asp   アスパラギン酸
E Glu   グルタミン酸
F Phe   フェニルアラニン
G Gly   グリシン
H His   ヒスチジン
I Ile   イソロイシン
K Lys   リシン
L Leu   ロイシン
M Met   メチオニン
N Asn   アスパラギン
P Pro   プロリン
Q Gln   グルタミン
R Arg   アルギニン
S Ser   セリン
T Thr   スレオニン
V Val   バリン
W Trp   トリプトファン
Y Tyr   チロシン
Lam2M:ミリストイル−PEGAD
Lam9:ミリストイル−YESIKVAVS
Lam9Cys:ミリストイル−CYESIKVAVS
Lam9Cys−b−Ala:ミリストイル−AAAAACYESIKVAVS
AG10:GYSRARKEAASIKVAVSARKE
(E8)−2−4G:NPWHSIYITRFG
mir:ミリストイル
DOX:ドキソルビシン
(発明の詳細な説明)
本発明は抗癌剤を含有したリポソームの調整法及びその使用に関する。
【0030】
本発明のリポソームはその主たる特徴として疎水性誘導ペプチド(被覆リポペプチド)のフラグメントで被覆されている。このようにして調製されたペプチドは腫瘍細胞に対して高い指向性を示すことから、封入された抗癌剤の効果が高められる。
【0031】
予想し得なかったことであるが、リポソームに取り込む以前にin vitroでは活性を示す被覆リポペプチドがリポソームに取り込まれるとその指向性が完全に失われる。このため本発明によれば、被覆リポペプチドの前記配列と親油性鎖との間に挿入されることによって何らかの機序により活性ペプチド配列の指向性を維持するペプチドスペーサーが開発された。
【0032】
すなわち被覆リポペプチド(疎水性誘導ペプチド)の構造は次のようなものである。
【0033】
脂質フラグメント    スペーサー    活性配列
したがって本発明の目的は、抗癌剤を含有したリポソームであって、その表面に、特に脂質フラグメント、活性オリゴペプチド、及びオリゴペプチドスペーサーの3つの構造ブロックからなる、ラミニンから誘導されたペプチドフラグメント(被覆リポペプチド)を有するリポソームの調製法及びその使用法を提供することにある。
【0034】
脂質フラグメントとは、炭素鎖長がC6〜C20である脂肪酸であり、より詳細にはデカノイル、ミリストイル、及びステアロイルである。
【0035】
スペーサーフラグメントは、アミノ酸残基5〜10個分の長さを有する、より詳細にはアミノ酸残基7〜9個分の長さを有する、更に詳細には配列AAAAACYE、SSAAACYE及びRKERKECYEを有するラミニンに対して不活性なオリゴペプチドからなる。
【0036】
活性配列はオリゴペプチドSIKVAVSからなる。
【0037】
リポソームを形成する脂質は広く知られている。一般的には正味電荷が0か負の値であるリン脂質やコレステロールなどのステロールが含まれる。脂質は、最終的なリポソームの粒径、封入される薬剤、及び調製時に求められる安定性に関する必要条件に基づいて選択される。通常、リポソームの最大の脂質成分はホスファチジルコリン(PC)である。各PCは長さ及びアクリル鎖の飽和度が異なり、天然または合成の供給源から単離される。負に帯電したリン脂質を含有することでリポソーム溶液が安定化し、リポソームの自然な凝集を防ぐことができる。
【0038】
最もよく用いられる負に帯電したリン脂質として、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルセリン(PS)及びホスファチジルイノシトール(PI)がある。負帯電リン脂質に対する中性リン脂質の比率は、10:2〜10:10の範囲である。コレステロールを含有することにより、イオンや小さな極性分子に対する膜の透過性が失われてリポソームの安定性に寄与するだけでなく、2重層間での一連の蛋白質の貫通性が低下して蛋白質間の無秩序性が高くなる。通常用いられるコレステロールの比率は全脂質の0〜50%である。
【0039】
必要に応じ、安定性を向上させ、封入薬剤の毒性を低下させる添加剤を本発明のリポソームに加えることが可能である。例えば米国特許第5605703号、欧州特許公開番号第0274174号、国際公開公報第8500968号及び同9202208号に述べられるような脂質酸化阻害剤が挙げられる。
【0040】
本発明のリポソームに封入することが可能な抗癌剤としてはこれらに限られるものではないが次のようなものが挙げられる。すなわち、シクロフォスファミド、メルファラン、イホスファミドまたはトロホスファミドなどのナイトロジェンマスタード類似体;
チオテパなどのエチレンイミン類;
カルムスチンなどのニトロソ尿素;
テモゾロミドまたはダカルバジンなどのリースト剤;
メトトレキセートまたはラルチトレキセドなどの葉酸類似代謝拮抗剤;
チオグアニン、クラドリビンまたはフルダラビンなどのプリン類似体;
フルオロウラシル、テガフールまたはゲムシタビンなどのピリミジン類似体;
ビンブラスチン、ビンクリスチンまたはビンオレルビンなどのビンカアルカロイド及びその類似体;
エトポシド、タキサン、ドセタキセルまたはパクリタキセルなどのポドフィロトキシン誘導体;
ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン及びミトキサントロンなどのアントラサイクリン類及び類似体;
ブレオマイシン及びミトマイシンなどの他の細胞毒性抗生物質;
シスプラチン、カルボプラチン及びオキザリプラチンなどの白金化合物;
リツキシマブなどのモノクローナル抗体;
ペントスタチン、ミルテフォシン、エストラムスチン、トポテカン、イリノテカン及びビカルタミドなどの他の抗腫瘍剤などである。
【0041】
上記の記載に基づけば、本発明のリポソームは次の特徴を有するものである。すなわち、
a)1〜100mg/ml、好ましくは約10mg/mlの脂質濃度である。
【0042】
b)成分脂質は、天然もしくは合成化合物由来のリン脂質及びコレステロールである。
【0043】
c)全脂質量に対するコレステロールの比率が0〜50%、好ましくは35〜50%である。
【0044】
d)存在するリン脂質は、正味電荷が0であるホスファチジルコリンと、場合により負に帯電した別のリン脂質、好ましくはホスファチジルグリセロールを含む。
【0045】
e)負に帯電したリン脂質に対する中性リン脂質の比が10:2〜10:10、好ましくは10:7〜10:10の範囲である。
【0046】
f)場合によりリポソームは例えば米国特許第5605703号、欧州特許公開番号第0274174号、国際公開公報第8500968号及び同第9202208号に述べられるような脂質酸化阻害剤を含有する。
【0047】
g)ペプチドの濃度は0.1〜1mg/ml、好ましくは約0.5mg/mlで変動する。
【0048】
h)リポソームは、水溶液中で形成されるものであって、生理的であろうとなかろうと、生理学的に等張な水溶液、例えば、0.9%Nacl水溶液中で形成される。
【0049】
j)リポソームの粒径はいずれの場合も500nm未満、好ましくは300nm未満、より詳細には50nm〜250nmの範囲である。
リポソームの調製及び薬剤の取込み
好ましい一方法としてBangham等によって提案された方法があり、不均一な粒径の多重膜リポソーム(MLV)が得られる。この方法では脂質を適当な有機溶媒に溶解した後、溶媒を真空下に回転蒸発により除去する。得られた脂質膜を薬剤を含有した適当な水性媒体により、手動もしくは機械的な撹拌によって水和する。公知の方法によってMLVの不均質な懸濁液の粒径を減少させ、均一化する。好ましい方法としては例えば、チタン製プローブを用いた超音波処理によってSUVリポソームを得る方法と、MLV溶液をポリカーボネート製フィルターから押し出してVETリポソームを得る方法の2方法がある。
【0050】
ペプチドフラグメントの調製
Fmoc/tBuを用いたメリフィールドの固相法(1962)によってペプチドの合成を行った。
【0051】
リポペプチドの取込み
使用したリポペプチドはアシル化オリゴペプチドであり、好ましくはデカノイル、ミリストイル、またはステアロイルなどのC6〜C20の直鎖飽和炭化水素鎖を有するアシル基である。このリポペプチドを、リポソームを形成するための他の残りの成分と混合するか、もしくはリポペプチドを小胞とともに60℃でインキュベートしてリポソームに取り込む。小胞の2重層はゲル状であり、これらの誘導体の疎水性部分が小胞内部に取り込まれる。いずれの場合にも誘導体の疎水性部分は2重層を形成し、ペプチド配列は親水性の外面に残される。
【0052】
本発明の方法を以下に幾つかの実施例に基づいて説明するが、これはあくまで説明を目的としたものであって発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0053】
実施例1:カルボキシル末端を有する活性ペプチドの合成
Fmoc/tBuを用いたメリフィールドの固相法(1962)によってラミニンから誘導されるペプチドの合成を行った。
【0054】
カルボキシル末端を有する配列を得るため、固相合成の支持体として、下記表1に示す処理を行った官能基化度が0.72meq/gのWangレジンを使用した。
【0055】
【表1】
Figure 2004510811
【0056】
概略的に述べると、真空システムに接続したフィルターを有するシリンジに入れたWangレジン1gを開始点とし、ジメチルホルムアミド(DMF)を30分間吹き込んだ。同時にフィルター重量秤にて最初のFmoc−アミノ酸の必要量を秤量してDMFに溶解し、この溶液にカップリング剤として4−ジメチルアミノピリジン(4−DMAP)及びジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)(モル比にして0.3:1)を加えた。試薬はすべて反応を行ううえで必要とされる量の5倍の過剰量を用いた。この後、この混合物を予め乾燥したレジンに加え、時折撹拌しつつ室温で2時間反応させた。反応後、レジンを異なる溶媒で洗浄して完全に乾燥させた。
【0057】
最後にアミノ酸の全体量を求めた。反応が不完全である場合には、最初に加えた量の半分に当たる量の試薬を追加して更に2時間反応を行った。この後、同様のレジン乾燥及び導入されたアミノ酸の定量の過程を繰り返した。
【0058】
残りのFmoc−アミノ酸の結合は、アミノ基の脱保護及びアミド結合の形成を行う後工程において行われた。
【0059】
ここで、Fmocアミノ保護基を除去するため、ペプチジルレジンを一旦DMF/20%ピペリジンで1分間処理し、2回目にこの処理を5分間行った。この後、DMFにて複数回洗浄してピペリジンを除去し、ニンヒドリン試験を行ってFmoc基の脱離が完全であることを確認した(青色に呈色)。場合によりDMF/ピペリジン/DBU(48:2:2、v/v/v)の混合物中に試薬1.8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセ−7−エン(DBU)を用いて7分間レジンを処理することによって脱保護を行った。この処理の最後にレジンをDMFにて複数回洗浄し、上記に述べたのと全く同様にニンヒドリン試験を行った。
【0060】
ペプチジルレジンの脱保護の後、これに結合剤と所望のFmoc−アミノ酸を加えた。配列の合成の難度に応じて結合剤の2つの組合わせを使用した。すなわち、
モル比にして1:1のHOBtとDIPCDI、及びFmoc−アミノ酸。
【0061】
モル比にして1:2:1のHOBt、DIEA、及び2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)。
【0062】
試薬はすべて必要量に対して2.5倍の過剰量を使用した。
【0063】
いずれの場合も反応は1時間行い、ニンヒドリン試験を行って遊離アミノ基の消失を確認して(黄色に呈色)反応終了を制御した。反応が不完全である場合には混合物を更に1時間レジンと接触状態においた後、ニンヒドリン試験を再び行った。レジン中に遊離アミノ基が残存する場合にはこれをDMFで数回洗浄し、最初に用いた量の半分の試薬を再び加えた。反応を繰り返し行ったにも関わらず結合が不完全である場合があった。不規則な主鎖とならないように合成を継続するため、遊離状態で存在するアミノ基をアセチル化して不完全な鎖の合成を阻止した。そのため、ペプチジルレジン1モル当量につき2モル当量の無水酢酸及び1モル当量の4−DMPでレジンを30分間処理した。次いでレジンをDMFで洗浄し、ニンヒドリン試験を行ってアミノ基が完全に消失したことを確認した(黄色に呈色)。
【0064】
プロリンのようなアミノ酸の2級アミノ基を検出する場合には、ニンヒドリンはこうしたアミノ基と反応しないのでニンヒドリン試験に代えてクロラニル試験を行う。
【0065】
実施例:アミノ末端を有するペプチドの合成
カルボキシアミド末端を有するペプチドがp−メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)レジンから得られる。このレジンは、40%のDCM/TFA酸性混合物にて複数回洗浄した後、この混合物を20分間レジンと接触させるという特殊な前処理を必要とする。この後、酸を除去するためレジンをDCMで5回、毎回1分づつ洗浄し、これを中和するためにレジンのpHが塩基性となるまで塩基性混合物としての5%DCM/ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)にて処理した。最後にDIEAを除去するためにDCMで複数回洗浄した。
【0066】
次にFmoc基で保護した酸性スペーサーであるp−[(R,S)−α[1,9H−フルオレン−9−e]−メトキシホルムアミド]−2,4−ジメトキシベンジル]−フェノキシアセチック(AM)の縮合を行うことにより、アミノ末端を有する配列が得られる。そのため、必要量の1.5倍のFmoc−AMを秤量し、これをやはり過剰量のヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)及びDIPCDI試薬(1:1、モル比)とともにレジンに加え、90分間反応させた。Kaiser試験すなわちニンヒドリン試験によってレジンから遊離アミノ基が消失したことを確認して反応の完了を確認した。すべてのスペーサー分子が結合していない場合、最初に使用した半分の量の試薬を用いて反応を再び繰り返した。すべてのスペーサーが結合した時点でレジンをDMFにて複数回洗浄して余分な試薬を除去した。
【0067】
残留したFmoc−アミノ酸は、実施例1に述べたのと同様、アミノ基の脱保護とアミド結合の形成を行う後工程において導入した。
【0068】
実施例3:ペプチドの脱保護とレジンからの分離
遊離ペプチド配列を脱保護するため、下表のプロトコールにしたがって先ずFmoc基をアミノ末端から外す。
【0069】
【表2】
Figure 2004510811
【0070】
場合により合成の際20%DMF/ピペリジンをDMF/ピペリジン/DBU(48:2:2、v/v/v)混合物に置換し、7分間ペプチジルレジンと接触させた。
【0071】
次いでペプチドをレジンから分離し、1段反応でアミノ酸官能基鎖から保護基を外した。これを行うため、ペプチド鎖に存在する保護基に応じてアニソール、チオアニソール、フェノール、メルカプトエタノール、及び水などの異なるスカベンジャーを含む様々なTFA混合物を調製した。真空システムに接続したフィルターを有するシリンジに所定量のペプチジルレジンを入れ、これにスカベンジャーの酸性混合物を加えて時折撹拌しながら室温で2〜3時間レジンと接触させた。この時間の経過後、レジンを濾過してTFAで3回洗浄し、濾液と洗浄物を試験管に回収した。始めにTFAを窒素にて蒸発させた後、冷やしたジエチルエーテルを加えて白色の沈殿物(遊離ペプチド)を得た。沈殿物を3000rpmで15分遠心し上清を捨て、この工程を更に5回繰り返した。最後に窒素により固体生成物から残留エーテルを除去した。これをペプチドの溶解度に応じて水または10%酢酸に再溶解して凍結乾燥し、完全に乾燥した原料遊離ペプチド生成物を得た。
【0072】
実施例4:固相中でのペプチド配列の疎水性誘導
脂肪酸のカルボキシル基にアミド結合を形成することによってFmocアミノ酸と同様に脂肪酸を前記配列に導入した。
【0073】
真空ポンプに接続されたフィルターを有するシリンジに所定量のペプチジルレジンを入れ、DMFで膨潤させた。次いでFmoc基を脱保護した。脱保護の完了後、対象とするペプチド配列に応じてDPCDI/HOBtまたはTBTU/DIEA/HOBt合成試薬とともに各脂肪酸を2.5倍の過剰量で加えた。合成を行った際と同様、ニンヒドリン試験によって遊離アミン基の消失を確認して反応の終了を確認した。
【0074】
遊離疎水性誘導体を得るため、最初のペプチド配列をレジンから分離した際に用いた条件と同じ条件下でペプチジルレジンをTFAとスカベンジャーの同様の酸性混合物で処理した。
【0075】
実施例5:表面をリポペプチドでコーティングしたドキソルビシン含有リポソームの調製
すべての場合において始めにBanghamにより述べられた方法にしたがって大粒径の多重膜リポソーム(MLV)を調製した。これに超音波処理を行って小粒径の一枚膜リポソーム(SUV)を得た。
【0076】
使用した材料及び溶液はすべて無菌状態であり、無菌状態を維持するために全過程を通じて作業は層流フードの下で行った。
【0077】
前記2つの活性配列の疎水性誘導体を有するリポソームはその組成にホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルグリセロール(PG)、コレステロール、及びクロマン6を含む。これを得るため以下の方法を用いた。
【0078】
先ずSUVリポソームを調製した。PC、PG、コレステロール、及びクロマン6を秤量してクロロフォルムに溶解し、回転式エバポレータで溶媒を蒸発させて脂質膜を形成した。残留溶媒は1時間の凍結乾燥によって完全に除去した。
【0079】
この時間の経過後、得られた膜を1mlの0.9%NaClにて水和し、得られた球状体を1時間60℃の浴中においた。得られたMLVリポソームに濃度2mg/mL(2.4mg)のドキソルビシン溶液を1.2ml加えた。調製物を60℃の浴中に15分静置した後、球状体を真空自由回転式エバポレータに入れ20分間ゆっくり回転させた。
【0080】
SUVリポソームを得るため、超音波浴中でMLVに各サイクル2分ずつの超音波処理を5分の静置間隔をおいて8サイクル行なった。その間MLVは60℃の浴中に静置した。
【0081】
200μLのリポソーム、200μLの0.9%NaCl、及び12μLのリポペプチドのDMSO溶液(c=10mg/ml)を混合してリポペプチドを取り込んだ。混合物は60℃で1時間静置した後、室温で更に30分静置した。
【0082】
別の方法として、初めからリポペプチドを取り込んだリポソームを調製した。PC、PG、コレステロール、及びクロマン6の各脂質をクロロフォルム/メタノールに溶解したリポペプチドと上記の例と同じモル比で混合した。それ以外は前述の場合と同様の処理を行った。
【0083】
最後に、封入されずに残ったドキソルビシンと取り込まれずに残ったリポペプチドを除去するため、試料をPD−10カラム(セファデックスG−25)にかけた。このため最初に0.9%NaClにてカラムを平衡化した。平衡化の後、試料を流してやはり0.9%NaClでカラムから溶出した。これにより最大2mLのリポソームを得た。
【0084】
この処理の後、ドキソルビシンが導入された以下のリポソームを得た。
【0085】
【表3】
Figure 2004510811
【0086】
実施例6:表面をリポペプチドでコーティングしたパクリタキセル含有リポソームの調製
すべての場合において始めにBanghamにより述べられた方法にしたがって大粒径の多重膜リポソーム(MLV)を調製した。これに超音波処理を行って小粒径の一枚膜リポソームを得た。
【0087】
使用した材料及び溶液はすべて無菌状態であり、無菌状態を維持するために全過程を通じて作業は層流フードの下で行った。
【0088】
前記2つの活性配列の疎水性誘導体を有するリポソームはその組成にホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルグリセロール(PG)、及びコレステロールを含む。これを得るため以下の方法を用いた。
【0089】
先ずSUVリポソームを調製した。PC及びコレステロールを秤量してクロロフォルムに溶解し、回転式エバポレータで溶媒を蒸発させて脂質膜を形成した。残留溶媒は1時間の凍結乾燥によって完全に除去した。
【0090】
この時間の経過後、得られた膜を1mLの0.9%NaClにて水和し、得られた球状体を1時間60℃の浴中においた。得られたMLVリポソームに濃度0.5mg/mL(0.6mg)のパクリタキセル溶液を1.2mL加えた。調製物を60℃の浴中に15分静置した後、球状体を真空自由回転式エバポレータに入れ20分間ゆっくり回転させた。
【0091】
SUVリポソームを得るため、超音波浴中でMLVに各サイクル2分ずつの超音波処理を5分の静置間隔をおいて8サイクル行なった。その間MLVは60℃の浴中に静置した。
【0092】
200μLのリポソーム、200μLの0.9%NaCl、及び12μLのリポペプチドのDMSO溶液(c=10mg/ml)を混合してリポペプチドを取り込んだ。混合物は60℃で1時間静置した後、室温で更に30分静置した。
【0093】
別の方法として、初めからリポペプチドを取り込んだリポソームを調製した。PC、PG、及びコレステロールの各脂質をクロロフォルム/メタノールに溶解したリポペプチドと上記の例と同じモル比で混合した。それ以外は前述の場合と同様の処理を行った。
【0094】
最後に、封入されずに残ったパクリタキセルと取り込まれずに残ったリポペプチドを除去するため、試料をPD−10カラム(セファデックスG−25)にかけた。このため最初に0.9%NaClにてカラムを平衡化した。平衡化の後、試料を流してやはり0.9%NaClでカラムから溶出した。これにより最大2mLのリポソームを得た。
【0095】
この処理の後、パクリタキセルが導入された以下のリポソームを得た。
【0096】
【表4】
Figure 2004510811
【0097】
実施例7:細胞接着試験
ラミニン1と各合成ペプチド(50mg/ウェル)の溶液をTPP(スイス)製96穴組織培養プレートの各ウェル中に固定した。ウェルは一晩室温で乾燥させた。ウェルは使用前にカルシウム及びマグネシウムイオンを含まない生理的食塩水で洗浄した。残存するポリスチレンのフリーラジカルは1%BSA溶液でブロックした。
【0098】
この溶液は培養され、ヒト線維肉腫HT1080の51Cr細胞で標識された。標識細胞をラミニンと各合成ペプチドが入ったウェルに入れた(1cpm/ウェル)。
【0099】
37℃で30分培養した後、未接着の細胞を洗浄により除去した。接着細胞は平滑化し、放射能を測定した。具体的な接着率を添付の図1に示した。
【0100】
実施例8:In vitroでのラミニンペプチドによるラミニン(完全な分子)への細胞接着の阻害
実施例1で述べた処理の後、51Crで標識したHT1080細胞を1μgのラミニンでコーティングしたウェル(0.32cm)に接着させた。接着した細胞は、異なる濃度のラミニンの合成ペプチドフラグメントとともに培養した。結果を図2に示した。
【0101】
実施例9:腫瘍細胞のラミニンペプチドの特異的受容体に作用するドキソルビシンリポソームの分裂抑制効果
ドキソルビシンの分裂抑制効果を以下に述べるMTT法により分析した。指数増殖期の培養から得られたHT1080細胞を0.36cmのウェル(TPP(スイス)製96穴組織培養プレート)にウェル当たり5000個の細胞密度で播いた。1日後に細胞を洗浄しドキソルビシン含有リポソームとともに2時間培養した。同じ薬剤濃度で異なるリポソーム製剤を使用し、(ドキソルビシン濃度を0.01μg/ml〜10μg/mlの範囲で高くした)複数のウェルで試験を行った。培養後、PBSで細胞を5回洗浄し完全培地中で3日間培養した。この培養期間の後、各ウェルに1mg/mlのMTT(テトラゾリウム塩、Sigma社)を含むPBSを50μLづつ加え、更に4時間培養した。生細胞においてのみ見られる、テトラゾリウム塩の還元によって生成するホルマザンの細胞内結晶をDMSOに溶解した。このDMSO溶液の540nmでの吸光度を測定することによって代謝活性を有する細胞数を推定した。
【0102】
細胞分裂抑制率を式(A−B)/A×100から計算した。ただしAはコントロール培地中で培養した腫瘍細胞における吸光度であり、Bはリポソーム製剤とともに培養した腫瘍細胞における吸光度である。
【0103】
求めた細胞分裂抑制率の結果を図3に示した。
【0104】
−結果は、それぞれ3重に行った3つの独立した実験における平均±標準偏差を示す。
【0105】
−IC50はコントロールロットと比較して50%の細胞が生存する薬剤濃度として定義される。
【0106】
−P>0.05:スチューデント検定t
実施例10:腫瘍を有する動物に遊離薬剤またはリポソーム製剤(PC/PG/Chol/ミリストイル−AAAAACYESIKVAVS)/ドキソルビシン)として投与したドキソルビシンの生体内分布
動物: 動物産地としてIFFA CREDO社(リヨン、フランス)より入手した免疫抑制BALB/cヌードマウスを用いて試験を行った。動物は無病原体条件下、層流キャビン内で飼育し、8週齢に達した時点で使用した。
細胞培養条件: 10%ウシ胎児血清、ピルビン酸ナトリウム、可欠アミノ酸、L−グルタミン、及びビタミン溶液(GIBCO、グランドアイランド、ニューヨーク州)を添加したHam’sF−12培地(GIBCO、グランドアイランド、ニューヨーク州)でHT1080ヒト線維肉腫細胞を培養した。
培養細胞はプラスチック容器に入れ、加湿したインキュベータで37℃にて5%CO/95%空気中で培養した。細胞系はマイコプラズマ感染がないことを確認した。
【0107】
サブコンフルエンス(50〜70%のコンフルエンス)に達した培養からトリプシン(0.25%)及びEDITA(0.02%)処理により腫瘍細胞を回収した。細胞は補足培地中で洗った後、注射用にハンクス液(HBSS)に再懸濁した。このin vivo実験では生存率(トリパンブルー染色で判定)が90%以上である単一細胞懸濁液のみを使用した。
生体内分布試験: HBSS中で1x10細胞/mlの細胞濃度としたHT−1080細胞を同量の10mg/mL液状マトリゲル(コラボレイティブ バイオメディカル プロダクト社、ベッドフォード、マサチューセッツ州)と予め混合した。得られた懸濁液の0.02mLをマウスの左前肢側部に皮下接種した。腫瘍の成長を毎週2回観察した。腫瘍体積が1cmに達した時点(細胞注入の25日後)でマウスにドキソルビシン(5mg/kg)をリポソーム製剤または遊離薬剤の形態で単回静脈内投与した。薬剤の投与から30分、5時間、及び24時間後にマウスを殺して腫瘍組織及び血漿の試料を採取した。結果を図4及び図5に示した。

Claims (16)

  1. 抗癌剤を封入したリポソームにおいて、該リポソームは、脂質フラグメント、活性オリゴペプチド、及びこれら2つのフラグメントの間に挿入されるオリゴペプチドスペーサーの3つのサブ構造(図3)からなるリポペプチドにてコーティングされていることを特徴とする抗癌剤封入リポソーム。
  2. 前記コーティングリポペプチドの前記脂質フラグメントは炭素鎖の長さがC6〜C20である脂肪酸であることを特徴とする請求項1に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  3. 前記コーティングリポペプチドの前記脂質フラグメントは好ましくはデカノイル、ミリストイル、またはステアロイルである請求項1及び2に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  4. 前記コーティングリポペプチドの前記活性配列フラグメントはSIKVAVSであることを特徴とする請求項1乃至3に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  5. 前記コーティングリポペプチドの前記活性配列フラグメントと前記脂質フラグメントとの間に挿入される前記オリゴペプチドスペーサーはアミノ酸残基5〜10個分の長さを有することを特徴とする請求項1乃至4に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  6. 前記コーティングリポペプチドの前記活性配列フラグメントと前記脂質フラグメントとの間に挿入される前記オリゴペプチドスペーサーは、以下の配列、AAAAACYE、SSAAACYE、またはRKERKECYEのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至5に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  7. 薬剤に対するリポソームを形成する全脂質の比が20:1〜2:1であり、好ましくは10:1であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  8. リポソームの脂質成分は天然及び合成物由来のリン脂質及びコレステロールであることを特徴とする請求項1乃至7に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  9. 前記リン脂質は好ましくは正味電荷が0であるホスファチジルコリン、及び負に帯電した別のリン脂質、好ましくはホスファチジルグリセロールであることを特徴とする請求項1乃至8に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  10. 前記負帯電リン脂質に対する前記中性リン脂質の比が10:2〜10:10であり、好ましくは10:7〜10:10であることを特徴とする請求項1乃至9に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  11. 全脂質量に対するコレステロールの比率が0〜50%、好ましくは35〜50%であることを特徴とする請求項1乃至10に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  12. 必要に応じて脂質過酸化阻害剤を含有することを特徴とする請求項1乃至11に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  13. 前記脂質過酸化阻害剤は、3,4−ジヒドリド−2,2−ジメチル−6−ヒドロキシ−7−メトキシ−2H−1−ベンゾピランのような、BHT、クロマンまたはクロメンなどの薬剤としての使用が認められた抗酸化剤であるビタミンEまたは酢酸ビタミンEなどのビタミン類及びその誘導体であることを特徴とする請求項1乃至12に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  14. 全脂質量に対するコーティングリポペプチドの比率が0.1%〜30%、好ましくは1%〜15%であることを特徴とする請求項1乃至13に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  15. 平均粒径が50nm〜250nmであることを特徴とする請求項1乃至14に記載の抗癌剤封入リポソーム。
  16. 前記封入抗癌剤は、シクロフォスファミド、メルファラン、イホスファミドまたはトロホスファミドなどのナイトロジェンマスタード類似体;チオテパなどのエチレンイミン類;カルムスチンなどのニトロソ尿素;テモゾロミドまたはダカルバジンなどのリースト剤;メトトレキセートまたはラルチトレキセドなどの葉酸類似代謝拮抗剤;チオグアニン、クラドリビンまたはフルダラビンなどのプリン類似体;フルオロウラシル、テガフールまたはゲムシタビンなどのピリミジン類似体;ビンブラスチン、ビンクリスチンまたはビンオレルビンなどのビンカアルカロイド及びその類似体;エトポシド、タキサン、ドセタキセルまたはパクリタキセルなどのポドフィロトキシン誘導体;ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン及びミトキサントロンなどのアントラサイクリン類及び類似体;ブレオマイシン及びミトマイシンなどの他の細胞毒性抗生物質;シスプラチン、カルボプラチン及びオキザリプラチンなどの白金化合物;リツキシマブなどのモノクローナル抗体;ペントスタチン、ミルテフォシン、エストラムスチン、トポテカン、イリノテカン及びビカルタミドなどの他の抗腫瘍剤であることを特徴とする請求項1乃至15に記載のリポソーム。
JP2002533840A 2000-10-10 2001-10-03 抗癌剤を封入したリポソーム及び悪性腫瘍の治療におけるその使用方法 Expired - Fee Related JP4286535B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
ES200002447A ES2186484B1 (es) 2000-10-10 2000-10-10 Liposomas encapsulando farmacos anticancerosos y uso de los mismos en el tratamiento de tumores malignos.
PCT/ES2001/000367 WO2002030397A1 (es) 2000-10-10 2001-10-03 Liposomas encapsulando farmacos anticancerosos y uso de los mismos en el tratamiento de tumores malignos

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004510811A true JP2004510811A (ja) 2004-04-08
JP4286535B2 JP4286535B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=8495226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002533840A Expired - Fee Related JP4286535B2 (ja) 2000-10-10 2001-10-03 抗癌剤を封入したリポソーム及び悪性腫瘍の治療におけるその使用方法

Country Status (13)

Country Link
US (1) US7153490B2 (ja)
EP (1) EP1325739B1 (ja)
JP (1) JP4286535B2 (ja)
AT (1) ATE318582T1 (ja)
AU (1) AU9190401A (ja)
BR (1) BR0113552A (ja)
CA (1) CA2425271C (ja)
DE (1) DE60117583T2 (ja)
DK (1) DK1325739T3 (ja)
ES (2) ES2186484B1 (ja)
MX (1) MXPA03003125A (ja)
PT (1) PT1325739E (ja)
WO (1) WO2002030397A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007534727A (ja) * 2004-04-28 2007-11-29 リポテック,エス.アー. 細胞接着を増加させることにより皮膚の弾力を改善させる化粧品の組成物の調整におけるxikvavペプチドの使用

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7968569B2 (en) * 2002-05-17 2011-06-28 Celgene Corporation Methods for treatment of multiple myeloma using 3-(4-amino-1-oxo-1,3-dihydro-isoindol-2-yl)-piperidine-2,6-dione
JPWO2004078764A1 (ja) * 2003-03-04 2006-06-08 株式会社そーせい Gm−95物質を含む抗腫瘍効果増強剤、抗腫瘍用組み合わせ製剤及び抗腫瘍剤
WO2005021012A1 (ja) * 2003-08-29 2005-03-10 Terumo Kabushiki Kaisha ゲムシタビン封入薬剤担体
WO2005072479A2 (en) * 2004-01-27 2005-08-11 University Of Southern California Polymer-bound antibody concer therapeutic agent
EP1744764B1 (en) 2004-04-22 2012-05-30 Celator Pharmaceuticals, Inc. Liposomal formulations of anthracycline agents and cytidine analogs
CN100438855C (zh) * 2006-01-19 2008-12-03 浙江大学 重酒石酸长春瑞滨脂质体及其冻干粉针与制备方法
CN101209243B (zh) * 2006-12-29 2010-12-08 石药集团中奇制药技术(石家庄)有限公司 一种脂质体药物及其制备方法
JP4966084B2 (ja) 2007-04-25 2012-07-04 エスアイアイ・プリンテック株式会社 インクジェットヘッドの駆動方法、インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
US8067432B2 (en) * 2008-03-31 2011-11-29 University Of Kentucky Research Foundation Liposomal, ring-opened camptothecins with prolonged, site-specific delivery of active drug to solid tumors
WO2010135714A2 (en) 2009-05-22 2010-11-25 The Methodist Hospital Research Institute Methods for modulating adipocyte expression using microrna compositions
CN103083239B (zh) 2012-12-26 2015-11-25 中国人民解放军第四军医大学 一种蟾毒灵脂质体及其制备方法和应用
CN107530283A (zh) 2015-03-03 2018-01-02 奎尔波特股份有限公司 组合脂质体药物制剂
US10736845B2 (en) 2015-03-03 2020-08-11 Cureport Inc. Dual loaded liposomal pharmaceutical formulations
CN106955271A (zh) * 2016-01-08 2017-07-18 佛山英特医药科技有限公司 奥沙利铂聚集体及其制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0153955A1 (en) 1983-09-06 1985-09-11 Health Research, Inc. Liposome delivery method for decreasing the toxicity of an antitumor drug
WO1986004232A1 (en) * 1985-01-18 1986-07-31 Cooper-Lipotech, Inc. Liposome composition and method
US4797285A (en) 1985-12-06 1989-01-10 Yissum Research And Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Lipsome/anthraquinone drug composition and method
WO1992002208A1 (en) 1990-08-08 1992-02-20 Liposome Technology, Inc. Stable doxorubicin/liposome composition
ES2072223B1 (es) 1993-11-25 1996-03-16 Lipotec Sa Liposomas encapsulando doxorubicina.
US6071532A (en) * 1996-10-15 2000-06-06 Emory University Synthesis of glycophospholipid and peptide-phospholipid conjugates and uses thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007534727A (ja) * 2004-04-28 2007-11-29 リポテック,エス.アー. 細胞接着を増加させることにより皮膚の弾力を改善させる化粧品の組成物の調整におけるxikvavペプチドの使用

Also Published As

Publication number Publication date
CA2425271A1 (en) 2003-04-08
DE60117583D1 (de) 2006-04-27
PT1325739E (pt) 2006-07-31
US7153490B2 (en) 2006-12-26
ES2186484B1 (es) 2004-07-01
US20050100590A1 (en) 2005-05-12
BR0113552A (pt) 2003-07-29
ATE318582T1 (de) 2006-03-15
DK1325739T3 (da) 2006-07-10
ES2259674T3 (es) 2006-10-16
WO2002030397A9 (es) 2004-05-13
AU9190401A (en) 2002-04-22
ES2186484A1 (es) 2003-05-01
MXPA03003125A (es) 2004-05-04
WO2002030397A1 (es) 2002-04-18
EP1325739B1 (en) 2006-03-01
EP1325739A1 (en) 2003-07-09
DE60117583T2 (de) 2006-10-05
JP4286535B2 (ja) 2009-07-01
CA2425271C (en) 2011-04-19
AU2001291904B2 (en) 2006-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hu et al. Regulating cancer associated fibroblasts with losartan-loaded injectable peptide hydrogel to potentiate chemotherapy in inhibiting growth and lung metastasis of triple negative breast cancer
JP4286535B2 (ja) 抗癌剤を封入したリポソーム及び悪性腫瘍の治療におけるその使用方法
US20020041898A1 (en) Novel targeted delivery systems for bioactive agents
CN100431609C (zh) 注射用的整合素配体修饰的载抗癌药的长循环脂质体
CN102091036A (zh) 一种含有抗肿瘤药物的复合脂质体及其制备方法和用途
CN105476975B (zh) 主动靶向型抗脑肿瘤药物及其制备方法
WO2019237884A1 (zh) 一种淀粉样蛋白β短肽介导的脑靶向递送系统及其制备方法和用途
WO2011159951A2 (en) Targeting tumor associated macrophages using bisphosphonate-loaded particles
CN109432432B (zh) 靶向至细胞内质网纳米载药系统的构建与应用
JP4439120B2 (ja) 新生血管特異的ペプチド
JP5931212B2 (ja) 弱酸性pH応答性ペプチド及び該ペプチドを含むリポソーム
US7666986B2 (en) Biologically active peptide comprising tyrosyl-seryl-valine (YSV)
US20140105818A1 (en) Novel Vesicles and Nanostructures from Recombinant Proteins
JP2004331630A (ja) Peg結合ペプチド
JP2008031142A (ja) 脂肪組織標的化ペプチド及び該ペプチドを有するリポソーム
KR101258128B1 (ko) 이소류실-발릴-트레오닐-아스파라기닐-트레오닐-트레오닌(ivtntt)을 포함하는 생물학적으로 활성인 펩티드
CA2564179C (en) Biologically active peptide vapeehptllteaplnpk derivatives
JP2006514924A (ja) 走触性ペプチドを含むリポソーム組成物及びその使用
Gomathi Nanobiotechnology and chemotherapy
WO2024041372A1 (zh) 一种用于有效递送核酸的分支链结构多肽载体及其变化形式
Han et al. Self-assembled nanoparticles covalently consisting of doxorubicin and EDB fibronectin specific peptide for solid tumour treatment
EP3960852A1 (en) Peptides for the treatment of cancer
KR20090021065A (ko) 혈류 내 순환시간 증가를 위한 단백질로 수식된 리포솜 및이의 제조방법
KR20100031320A (ko) 혈류 내 순환시간 증가를 위한 단백질로 결합된 리포솜 및 이의 제조방법
KR20140041304A (ko) 소수성기를 포함하는 모이어티가 접합된 엘라스틴-유사 폴리펩티드, 화학 감응제 및 항암제를 포함하는 리포좀 및 그의 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080425

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081021

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080922

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090325

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees