JP2004510766A - インテグリン受容体アンタゴニスト中間体を調製するための方法 - Google Patents
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- C07D471/00—Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00
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- C07D471/04—Ortho-condensed systems
Abstract
αvβ3インテグリン受容体アンタゴニストの不斉合成に有用なキラルな中間体の調製のための新規の方法を提供する。この方法から得られる鏡像異性体の豊富な中間体も提供する。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、9−置換−3−(置換されていてもよいアリール−)ノナン酸の不斉合成に有用なキラルなアリルアルコール中間体を効率的に調製するための方法に関する。この方法は、骨吸収の抑制および骨粗鬆症の治療および/または予防のためのαvβ3インテグリン受容体アンタゴニストとして有用である、所望の置換されたノナン酸誘導体にさらに処理可能なキラルなアリルアルコールを得るための、不斉還元剤を用いたプロキラルなα,β−不飽和ケトンのエナンチオ選択的な1,2−還元を含む。
【0002】
発明の背景
本発明は、構造式(I)
【0003】
【化4】
[*で印を付けた不斉中心について(R)配置であり、
nが0、1、または2であり、
YがCHまたはNであり、
R1が水素、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルコキシであり、
R2が水素、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、
R3が、
水素、
C1〜8アルキル、
C3〜8シクロアルキル、
C3〜8シクロヘテロアルキル、
C3〜8シクロアルキル−C1〜6アルキル、および
C3〜8シクロヘテロアルキル−C1〜6アルキル
からなる群から選択される]
のキラルなアリルアルコールを調製するための効率的な方法を提供する。
【0004】
ラセミ形の構造式(I)の化合物の調製は、米国特許第6,048,861号(2000年4月11日)に開示されており、その全体を参照によって本明細書に組み込む。そこで開示されたラセミアリルアルコールは、骨吸収を抑制するためのαvβ3インテグリン受容体アンタゴニストとして有用である所望の9−置換−3−(置換されていてもよいアリール−)ノナン酸に、いくつかのステップで転換された。キラルな固形状支持体上でのラセミ混合物のHPLC分割によって、鏡像異性的に純粋な形の最終産物が得られた。αvβ3インテグリン受容体アンタゴニストとして使用するためには、最終産物の一方の鏡像体のみが好ましいので、米国特許第6,048,861号に開示されているアキラルな方法は、等量の好ましくない鏡像異性体も得られるという意味で非効率的である。
【0005】
本発明は、構造式(II)のプロキラルなα,β−不飽和ケトン(エノン)の1,2−還元を介する、不斉還元剤を用いた、効率的なエナンチオ選択的な様式で、構造式(I)の(R)−アリルアルコールを調製するための方法を提供する。
【0006】
【化5】
(式中、n、Y、R1、R2、およびR3は、上で定義した通りである。)
発明の概要
本発明は、構造式(I)のキラルなアリルアルコールを調製するための方法に関する。この方法は、構造式(II)のプロキラルなα,β−不飽和ケトン(エノン)の還元において、エナンチオ選択性を向上させる条件下で、エナンチオ選択的な不斉還元剤を利用する。この様式で得られたキラルなアリルアルコールは、骨吸収の抑制ならびに骨粗鬆症の治療および/または予防のために有用であるαvβ3インテグリン受容体アンタゴニストの不斉合成における重要な中間体である。
【0007】
発明の詳細な説明
本発明の方法は、構造式(I)
【0008】
【化6】
[*で印を付けた、新規に形成された不斉中心について(R)配置であり、
逆の(S)配置である鏡像異性体に対して少なくとも40%の鏡像体過剰率(ee)であり、
nが0、1、または2であり、
YがCHまたはNであり、
R1が水素、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルコキシであり、
R2が水素、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、
R3が水素、
C1〜8アルキル、
C3〜8シクロアルキル、
C3〜8シクロヘテロアルキル、
C3〜8シクロアルキル−C1〜6アルキル、および
C3〜8シクロヘテロアルキル−C1〜6アルキル
からなる群から選択される]
のキラルなアリルアルコールを調製するものである。
【0009】
本発明の方法は、反応溶媒中で、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤー(modifier)の存在下で、エナンチオ選択的な不斉還元剤を用いて、構造式(II)のエノンを処理するステップを含む。エノン還元のための反応溶媒は、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、ジグリム、THF、トルエン、ジクロロメタン、NMP、DMF、DMPU、およびそれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態では、エノン還元のための溶媒は、THF、THFとトルエンの混合物、THFとトルエンとジクロロメタンの混合物、または、THFとジクロロメタンの混合物である。
【0010】
本発明の方法の一実施形態では、エナンチオ選択的な不斉還元剤は、水素化アルミニウムリチウムと、ほぼ等モル量の光学的に純粋な(R)−ビナフトールとプロトン源を有機溶媒中で混合することによって調製されたキラルな水素化アルミニウム試薬である。キラルな水素化アルミニウム試薬の調製に使用される有機溶媒は、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DME、MTBE、THF、トルエン、またはそれらの混合物であり得る。
【0011】
プロトン源は、XがO、S、またはNHであり、R4が、
C1〜10アルキル、
フェニル、
ナフチル、
ピリジル、
フェニル−C1〜3アルキル、
フェニルオキシ−C1〜3アルキル、
COR5、
SO2R5、
P(O)R5(OR5)、および
P(O)(OR5)2
からなる群から選択され、各R5がそれぞれ独立に
C1〜6アルキル、
フェニル、および
フェニル−C1〜3アルキル
からなる群から選択され、ただし、フェニルおよびアルキルが、C1〜4アルコキシ、アミノ、および(C1〜4アルキル)1〜2アミノからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されている、または置換されていない、構造式HXR4の化合物である。
【0012】
この実施形態のあるクラスでは、プロトン源HXR4は、C1〜4アルカノール(X=O、R4はC1〜4アルキル)である。このクラスのあるサブクラスでは、プロトン源は、エタノールまたはメタノール(X=O、R4はEtまたはMe)である。
【0013】
本発明の方法の第2の実施形態では、キラルな水素化アルミニウム試薬は、
構造式III
【0014】
【化7】
[XがO、S、またはNHであり、
R4が、
C1〜10アルキル、
フェニル、
ナフチル、
ピリジル、
フェニル−C1〜3アルキル、
フェニルオキシ−C1〜3アルキル、
COR5、
SO2R5、
P(O)R5(OR5)、および
P(O)(OR5)2
からなる群から選択され、各R5がそれぞれ独立に
C1〜6アルキル、
フェニル、および
フェニル−C1〜3アルキル
からなる群から選択され、
ただし、フェニルおよびアルキルは置換されていないか、あるいはC1〜4アルコキシ、アミノ、および(C1〜4アルキル)1〜2アミノからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されている]
の(R)−ビナフトール−水素化アルミニウムリチウム試薬である。
【0015】
この実施形態の一クラスでは、XR4は、OC1〜4アルキルである。このクラスのあるサブクラスでは、XR4は、OEtまたはOMeである。
【0016】
キラルな水素化アルミニウム試薬は、XR4がオキシド残基を示す場合、BINAL−H試薬として当技術分野で知られている[R.Noyori他、「J.Am.Chem.Soc.」、106:6709〜6716,6717〜6725(1984年);「J.Am.Chem.Soc.」101:3129〜3131(1979);および米国特許第4,284,581号(1981年8月19日)を参照のこと。尚、これらのそれぞれの内容全体を参照によって本明細書に組み込む]。Noyoriによって開発されたBINAL−H試薬は、プロキラルなケトンのキラルなアルコールへの不斉還元をもたらす。補助的なビナフトールリガンドの適切な左右像を選択することによって、予測可能な様式で、アルコール生成物のRまたはS鏡像体が得られる。BINAL−H試薬は、水素化アルミニウムリチウムと、光学的に純粋な2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチルすなわち(R)−または(S)−ビナフトール(BINOL)と、アルカノールから、in situで調製される。好ましいアルカノールは、メタノールまたはエタノールである。あらかじめ形成したキラルな水素化アルミニウム試薬に、本発明に開示した通りの有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーを加えると、エノン還元において、「修飾されていない(unmodified)」BINAL−H試薬そのものと比べて予想外に向上したエナンチオ選択性を示す「修飾された(modified)」BINAL−H試薬が生じる。したがって、「修飾されていない」Noyori型BINAL−H試薬を用いた構造式(II)のエノンの還元が、約42〜70%eeの範囲のエナンチオ選択性で進行するのに対し、本発明のようにBINAL−H試薬に有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーを加えたものは、エナンチオ選択性を約80〜90%の範囲まで向上する。
【0017】
「修飾された」BINAL−H試薬は、例えば、メタノールまたはエタノールなどの低級アルカノールとBINOLを、トルエン、THF、またはそれらの混合物などの有機溶媒に入れた、THFで前処理したLAHの混合物とともに混合することによって調製される。この混合物を指定された時間加熱後、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーを加え、指定された時間エージングさせる。
【0018】
本発明の方法のこの実施形態のあるクラスでは、修飾された(R)−BINAL−H試薬は、エタノールまたはメタノール(約1モル当量)と(R)−BINOL(1モル当量よりわずかに多い)を、トルエンまたはTHFに入れた、THF(≧2モル当量)で前処理したLAHの混合物に加えることによって生成させる。この混合物を40〜70℃で約30〜90分間加熱した後、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーを加え、この混合物を約30〜90分間エージングさせる。生じた混合物は、修飾されたエナンチオ選択性的な不斉還元剤(「修飾された」R−BINAL−H)を成し、次いで、これを構造式(II)のエノンの溶液と反応させる。このクラスのあるサブクラスでは、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーとBINAL−H試薬のモル比は、約0.1:1〜約3:1である。
【0019】
このクラスのあるサブクラスでは、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーは、12−クラウン−4、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチルアミン、(S)−(+)−1−(2−ピロリジニル)−ピロリジン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン(HMTTA)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)、およびN,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDTA)からなる群から選択される。好ましい有機ポリアミンは、TMEDAおよびPMDTAである。
【0020】
本発明の方法のこの実施形態の別のクラスでは、不斉還元は、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジグリム、DME、MTBE、THF、トルエン、ジクロロメタン、DMF、NMP、DMPU、およびそれらの混合物からなる群から選択される反応溶媒中で実施される。このクラスのあるサブクラスでは、還元のための反応溶媒は、THF、THFとトルエンの混合物、THFとトルエンとジクロロメタンの混合物、またはTHFとジクロロメタンの混合物である。
【0021】
この実施形態のさらなるクラスでは、nは1であり、YはNであり、R2とR3は水素であり、R1は水素またはメチルであり、XR4はOEtまたはOMeである。
【0022】
本発明の方法のさらなる実施形態では、不斉還元は、約−100℃〜40℃の範囲の温度で実施される。この実施形態のあるクラスでは、この反応は、約−60℃〜25℃の範囲の温度で実施される。
【0023】
本発明の方法のさらなる実施形態では、BINAL−H試薬とエノン基質のモル比は、約5:1〜約1:1の範囲である。この実施形態の一クラスでは、BINAL−H試薬とエノン基質のモル比は、約3:1である。
【0024】
(R)−BINOLの代わりに(S)−BINOLを使用すると、対応する「修飾された」(S)−BINAL−H試薬が生じる。構造式(II)のプロキラルなエノンを「修飾された」(S)−BINAL−H試薬で処理すると、指定した新規に形成された不斉中心についてS配置である構造式(IV)のキラルなアリルアルコールが生じる。
【0025】
【化8】
(式中、n、Y、R1、R2、およびR3は、上で定義した通りである。)
本発明の第2の態様は、不斉還元剤が、構造式(V)の(S)−オキサザボロリジン
【0026】
【化9】
(式中、R6は水素、C1〜4アルキル、またはC1〜4アルコキシである)
と、ボラン源の混合物である、構造式(II)のエノンのエナンチオ選択的な還元による構造式(I)のキラルなアリルアルコールの調製を提供する。
【0027】
キラルなオキサザボロリジンは、プロキラルなケトンの還元のためのエナンチオ選択的な触媒として当技術分野で記載されている[E.J.Corey他、「J.Amer.Chem.Soc.」、109:5551(1987);E.J.Corey他、「J.Amer.Chem.Soc.」、109:7925(1987);D.J.Mathre他、「J.Org.Chem.」、58:2880〜2888(1993)を参照のこと。尚、ここに引用した参考文献の全体を参照によって本明細書に組み込む]。
【0028】
本発明の第2の態様の一実施形態では、R6は水素、メチル、またはメトキシである。ボラン源には、ボラン−硫化ジメチル錯体、カテコールボラン、ジクロロボラン−硫化ジメチル錯体、モノクロロボラン−硫化ジメチル錯体、ボラン−THF錯体、および9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)がある。この反応は、トリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基の存在下で、ジクロロメタン、THF、トルエン、またはそれらの混合物などの有機溶媒中で、−60〜25℃の範囲の温度で実施される。
【0029】
本発明の第3の態様では、構造式(I)の化合物は、不斉中心について(S)配置である鏡像異性体に対して約80〜90%の鏡像体過剰率で生成される。本発明のこの態様の一実施形態では、構造式(I)の化合物は、不斉中心について(S)配置である鏡像異性体に対して約95%の鏡像体過剰率で生成される。構造式(I)の所望の化合物の光学純度は、適当な結晶化溶媒系からの残留量の(R,S)形の結晶化によってさらに向上させることができる。一実施形態では、結晶化溶媒系は、アセトニトリル、n−酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、酢酸エチルとアセトニトリルの混合物、酢酸エチルとヘプタンの混合物、酢酸エチルとエタノールの混合物、酢酸エチルとトルエンの混合物、およびC1〜6アルカノール(これには、それだけには限らないが、メタノール、エタノール、n−およびイソプロパノール、ならびにn−、sec−、t−ブタノールが含まれる)とトルエンの混合物からなる群から選択される。この実施形態のあるクラスでは、結晶化溶媒系は、トルエンに対し2%〜5%のn−プロパノール(v/v)の混合物である。
【0030】
さらに本発明の方法の他の態様は、本発明の方法から得られる、以下の鏡像異性的に富化された化合物
【0031】
【化10】
(R)−1−(ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール
および
【0032】
【化11】
(R)−1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール
を含む。
【0033】
本発明のこの態様の一実施形態では、主として(R)鏡像異性体、および残留量の(S)鏡像異性体を含み、(R)鏡像異性体が(S)鏡像異性体に対して少なくとも約90%の鏡像体過剰率で存在する、化合物1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オールが提供される。この実施形態のあるクラスでは、(R)鏡像異性体は、(S)鏡像異性体に対して少なくとも約98%の鏡像体過剰率で存在する。
【0034】
本発明のこの態様の別の実施形態では、主として(R)鏡像異性体、および残留量の(S)鏡像異性体を含み、(R)鏡像異性体が、(S)鏡像異性体に対して少なくとも約90%の鏡像体過剰率で存在する、化合物1−(ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オールが提供される。この実施形態のあるクラスでは、(R)鏡像異性体は、(S)鏡像異性体に対して少なくとも約98%の鏡像体過剰率で存在する。
【0035】
本発明の構造式(I)のキラルなアリルアルコールは、米国特許第6,048,861号に記載される通り、クライゼン転位、水素化、および加水分解の3段階で、αvβ3インテグリン受容体アンタゴニストとして有用である構造式(VI)の最終産物に転換することができる。
【0036】
【化12】
(式中、n、Y、R1、R2、およびR3は、上で定義した通りである。)
用語「鏡像体過剰率(%)」(「ee」と省略)は、多い方の鏡像異性体(%)から少ない方の鏡像異性体(%)を除いた割合を意味するものとする。したがって、80%の鏡像体過剰率は、90%の一方の鏡像異性体と、10%のもう片方の鏡像異性体の組成物に相当する。用語「鏡像体過剰率」は、用語「光学純度」と同義である。
【0037】
用語「エナンチオ選択的な」は、一方の鏡像異性体が、もう片方よりも急速に生成(または破壊)され、生成物の混合物中に、望まれる鏡像異性体が優勢となる反応を意味するものとする。
【0038】
用語「アルキル」は、総炭素原子1〜6個、あるいはこの範囲の任意の炭素数の直鎖または分枝鎖アルカン(すなわちメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなど)を意味するものとする。
【0039】
用語「アルコキシ」は、本明細書では、指定された炭素原子数の(例えばC1〜5アルコキシ)、あるいはこの範囲内の任意の炭素数の直鎖または分枝鎖アルコキシド(すなわちメトキシ、エトキシなど)を指す。
【0040】
用語「シクロアルキル」は、総炭素原子3〜8個、あるいはこの範囲内の任意の炭素数の環状アルカン(すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル)を意味するものとする。
【0041】
用語「シクロヘテロアルキル」は、N、O、およびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む、3〜8員の完全に飽和した複素環を意味するものとする。シクロヘテロアルキル基の例には、それだけには限らないが、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、モルホリニル、およびピペラジニルがある。
【0042】
本発明で開示する新規の方法を利用する代表的な実験の手順を、以下に詳述する。例示のために、以下の実施例は、化合物3および5の調製を対象とするが、それによって、本発明の方法を、これらの化合物を作成するための特定の条件に限定するつもりはない。プロトンおよび炭素13のNMRスペクトルは、Bruker DPX 400でCDCl3中で記録された。化学シフトは、プロトンについては残留するCHCl3(σ=7.27)、炭素についてはCDCl3(σ=77.2)に対してppmで報告される。結合定数(J)はすべて、以下の通りに省略されたプロトン多重度(multiplicity)を用いてヘルツ(Hz)で報告される:s=一重項、d=二重項、t=三重項、m=多重項、br=広がり(broad)、o=重なり(overlapping)。温度はすべて、別段の記述がない限り、摂氏温度である。
【0043】
略語:BINOLは2,2’−ジヒドロキシ−1,1’ビナフチル(1,1’−ビ−2−ナフトール)であり、DBUは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ(undec)−7−エン(ene)であり、DCMはジクロロメタン(塩化メチレン)であり、DMEは1,2−ジメトキシエタンであり、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、DMPUは1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンであり、eeは鏡像体過剰率であり、HMTTAは1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミンであり、HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、IPAはイソプロパノールであり、MTBEはメチルt−ブチルエーテルであり、LAHは水素化アルミニウムリチウムであり、NMPは1−メチル−2−ピロリジノンであり、NMRは核磁気共鳴であり、PMDTAはN,N,N’N’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンであり、TEEDAはN,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミンであり、THFはテトラヒドロフランであり、TMEDAはN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンである。
【0044】
実施例1
「修飾された」(R)−BINAL−H試薬を用いたエノン(2)の還元
ステップA:1−(ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オン(2)
【0045】
【化13】
室温の塩化リチウム(無水)(3.54g、83.3ミリモル)の攪拌したアセトニトリル(350mL)懸濁液に、ケトホスホン酸塩(ketophosphonate)1(28.3g、83.1ミリモル)のアセトニトリル(128mL)溶液を加えた(1の調製については、米国特許第6,048,861号)を参照のこと)。15分攪拌した後、DBU(9.52mL、64.1ミリモル)のアセトニトリル(32mL)溶液を加え、若干大きな塊があるが、大部分が微細である白色沈殿を生成させた。この反応混合物を簡単に超音波処理して、大きい塊を粉砕し、30分間攪拌した。ピリミジン−5−カルボキサルデヒド(6.92g、64.1ミリモル)のアセトニトリル(128mL)溶液を15分かけて加えた。2時間後、この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(8% MeOH/EtOAc)によって精製し、融点101〜102℃の黄色の結晶性固体としてエノン2 18.5g(90%)を得た。
1H NMR(399.87MHz,CDCl3):δ9.19(s,1H)、8.89(s,2H)、7.45(d,J=16.3Hz,1H)、7.05(d,J=7.3Hz,1H)、6.85(d,J=16.3Hz,1H)、6.35(d,J=7.3Hz,1H)4.78(br s,1H)、3.39(m,2H)、2.72〜2.67(om,4H)、2.58(m,2H)、1.89(m,2H)、1.79〜1.72(om,4H)ppm。
13C NMR(100.55MHz,CDCl3):δ199.3、159.40、159.36、158.0、155.9、136.8、134.7、129.4、128.8、113.5、111.5、41.8、41.6、37.7、29.5、26.5、23.9、21.7ppm。
【0046】
ステップB:「修飾された」(R)−BINAL−H試薬の調製
室温の乾いた500mLの三口丸底フラスコに、窒素雰囲気中で、無水トルエン(25mL)、続いてLAH(1.76g、46.4ミリモル)を加えた。得られた灰色のスラリー混合物を、THF(7.2mL)で処理した(30℃未満の温度で10分かけて加えた)。得られた混合物を35℃に加熱し、エタノールのトルエン溶液(6M、7.5mL、トルエン4.9mLにエタノール2.5mLを加えて調製)で処理した(35℃〜40℃で、30分かけてゆっくりと加えた)。完全に加えた後、このスラリーを35℃で40分間エージングさせ、その後30℃に冷却した。次いで、この得られた混合物を、30℃の(R)−(+)−BINOL(12.3g、46ミリモル)のトルエン(90mL)溶液で処理した(必要であれば氷浴中で冷却しながら、バッチ温度が40℃未満に保たれるような速度で加えた)。得られた明るい灰色のスラリー混合物を50℃に加熱し、1時間エージングさせ、その後室温まで冷却させた。次いで、この明るい灰色の混合物を、50℃に戻し、TMEDA(20.2mL、134ミリモル)で処理し、50℃で1時間攪拌し、その後、室温で冷ました。溶液の総体積は164mL、すなわち「修飾された」(R)−BINAL−Hのトルエン/THF溶液に対する約0.27Mの溶液であった。この溶液を、さらに精製することなく、次の還元ステップCで、そのまま使用した。
【0047】
ステップC:(R)−1−(ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール(3)
【0048】
【化14】
乾いた500mLの三口丸底フラスコに、窒素雰囲気中で、ステップB(0.27M、120mL、3.2当量)からの「修飾された」(R)−BINAL−Hのトルエン/THF溶液を加え、この溶液を、ドライアイスアセトンバスを用いて−75〜−73℃に冷却した。次いで、エノン2(3.3g、10.2ミリモル)のDCM(23mL)溶液を、バッチ温度を−73〜−69℃に保ちながら、45分かけて加えた。この反応混合物を−75℃〜−70℃で40分間エージングさせ、−70℃のメタノール(4mL、102ミリモル)で急冷し、その後、室温まで温めた。この反応混合物を、キラルHPLC(Chiralpak AD Analyticalカラム、4.6×250mm、5ミクロン細孔径、移動相:エタノール(+0.1v/v% ジエチルアミン)、流速:2.0mL/分、注入量=10μL、検出=250nm、サンプル調製物=100倍希釈)によって観察した。おおよその保持時間は次の通りであった。
【0049】
【表1】
【0050】
この反応は、エノンの面積が1.0%未満となったときに完了であると考えられた。(R)−3の光学純度は、〜80%の鏡像体過剰率(ee)であった。
【0051】
この反応混合物を、ソルカフロック(solka flock)のパッドを通して濾過し、このパッドをDCM(20ml)ですすぎ洗いした。得られた濾液を、分液漏斗に移し、酒石酸水溶液(2.0M、1×100mLおよび1×50mL)で2回抽出した。合わせた水相をDCM(20mL)で洗浄した。洗浄した水相のpHを、23重量%の水酸化アンモニウム水溶液を用いて7〜8に調整し、DCM(3×60mL)で抽出した。合わせたDCM溶液を0.5M塩化アンモニウム溶液(3×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。この溶液を濾過し、減圧下で濃縮してオイルとした。得られた残留物をアセトニトリル(100mL)に溶解し、最初の体積の10%に濃縮し、追加のアセトニトリル(90mL)で処理し、再び濃縮して油状の残留物とした。
【0052】
この得られた残留物(3.0g)を、温度プローブ、窒素導入アダプター、磁気攪拌装置、および加熱マントルを装備した250mLの三口丸底フラスコに装入し、アセトニトリル(60mL)で処理し、40℃で加熱し、15分エージングさせた。次いで、得られた溶液を室温まで冷まし、室温で終夜攪拌した。
【0053】
上清を、キラルHPLC分析によって、250nmと330nmの2つの波長で調べた。室温で3時間攪拌した後、アセトニトリル溶液中の(R)−アリルアルコールは、(R)−3について95%であると分析された。
【0054】
次いで、スラリー混合物を、10℃に冷却し、濾過して(R)−アリルアルコール3をアセトニトリル溶液(60mL;28g/L;1.7g;回収率52%)として、HPLC面積率純度70%、キラルHPLC純度98%eeで単離した。
【0055】
HPLC純度(面積率)は、グラジエントHPLC分析によって求めた:YMCbasic AD Analyticalカラム、4.6×250mm、5ミクロン細孔径;グラジエント溶離液:溶媒A=5.0mM KH2PO4およびK2HPO4、溶媒B=アセトニトリル、T=0分 @70%A:30%B、T=20分 @20%A:80%B、T=21分 @70%A:30%B;1.0mL/分;注入量=10μL;検出=250nm;サンプル調製物=100倍希釈。おおよその保持時間は、次の通りであった:
【0056】
【表2】
【0057】
2% n−プロパノールのトルエン溶液を使用する代替手順を、以下に述べる:
還元ステップの後処理後に得られた残留物(3.0g)を、温度プローブ、窒素導入アダプター、磁気攪拌装置、および加熱マントルを備え付けた200mLの三口丸底フラスコに装入し、2% n−プロパノールのトルエン溶液(36mL)で処理し、45℃に加熱し、15分エージングさせた。次いで、得られた溶液を34℃に冷却し、ラセミ体(数個の結晶)を種晶として加え、34℃で0.5時間エージングさせ、その後、室温まで冷却し、室温で終夜攪拌した。
【0058】
上清を、キラルHPLC分析によって、245nmと330nmの2つの波長で調べた。室温で終夜攪拌した後、2% n−プロパノールのトルエン溶液中の(R)−アリルアルコールは、(R)−3について98%eeであると分析された。
【0059】
次いで、スラリー混合物を、17℃に冷却し、濾過して、(R)−アリルアルコール3を、2% n−プロパノールのトルエン溶液の溶液として、キラルHPLC純度98%eeで単離した(37mL;67mg/mL;2.48g;回収率83%)。
【0060】
アルコール3を結晶性固体として得ることができた。これは、第1の溶媒をトルエンに交換し、次いで、体積14mL(5体積/3のグラム)に濃縮し、得られた溶液をヘプタン溶媒(19mL)で処理する(3を結晶化するために、0.5時間かけて滴下する)ことによって行われた。得られたスラリー混合物を濾過すると、3(2.36g)が単離収率78%、キラル純度98%eeで得られた。
1H NMR(399.87MHz,CDCl3):δ9.05(s,1H)、8.71(s,2H)、7.05(d,J=7.3Hz,1H)、6.54(d,J=16.1Hz,1H)、6.40(dd,J=16.1,5.5Hz,1H)、6.33(d,J=7.3Hz,1H)、4.93(br s,1H)、4.38(m,1H)、3.37(m,2H)、2.67(t,J=6.3Hz,2H)、2.57(t,J=7.4Hz,2H)、1.88(m,2H)、1.75〜1.65(om,4H)、1.50(m,2H)ppm。
13C NMR(100.55MHz,CDCl3):δ158.0、157.4、155.8、154.5、137.9、137.0、130.8、122.4、113.5、111.5、72.0、41.8、37.2、37.0、29.3、26.5、24.7、21.6ppm。
【0061】
実施例2
実施例1の還元ステップCの代替手順
THF/トルエン(618g、452ミリモル)に入れた、修飾されていないBINAL−Hスラリーの0.731重量モル濃度のスラリーに、23℃の99% PMDTA(105mL、499ミリモル)を加えた。得られたスラリーを23℃で60分エージングさせた。この修飾されたBINAL−Hのスラリーを、THF(234mL)に入れた2のスラリー(44g、137ミリモル)に、−55℃で冷却しながら、30分かけて移した。このスラリーを−37℃に温め、それに、酢酸(31mL)n−ヘプタン(173mL)溶液を加えた。次いで、このスラリーを0℃に温め、その後、これを、40重量%のクエン酸(688g)を含有するフラスコに移した。この混合物を、23℃で終夜、エージングさせた。水相から有機相を分離した。この有機相を、3.3重量%のクエン酸(153g)で抽出した。合わせた水相を、トルエン(1150mL、800mL)で2回洗浄した。合わせた水相のpHを、50% NaOH(120mL)を用いてpH7に調節した。このpH7の水相を、EtOAc(1L、400mL)で2回抽出すると、アリルアルコール(38.5g)(3は86%の鏡像体過剰率で存在)の溶液が得られた。実施例1で述べた通り、光学純度がさらに増加した。
【0062】
実施例3
「修飾された」(R)−BINAL−H試薬を用いたエノン(4)の還元
ステップA:2−メチル−ピリミジン−5−カルボキサルデヒド(9)の調製
【0063】
【化15】
ブロモ酢酸6(12g、86.4ミリモル)の90℃のDMF(44mL)溶液に、5時間かけてオキシ塩化リン(24mL、260ミリモル)を加え、その後、110℃に加熱した。110℃で2.5時間攪拌した後、この混合物を45℃に冷却し、2℃の冷イソプロパノール(44mL)に入れて急冷し、酢酸イソプロピル(44mL)で希釈し、その後、水(6.2mL)で処理し、2℃で45分かけて加えジクロリドビナミジニウム塩(dichloride vinamidinium salt)7を形成させた。1時間攪拌した後、析出した固体を収集し、酢酸イソプロピル(2×14mL)およびアセトニトリル(2×14mL)で洗浄し、淡黄色の結晶として7(12.0g、54%)を得た。
【0064】
ジクロリドビナミジニウム塩7(10.1g、39.9ミリモル)とアセトアミジン塩酸塩8(4.2g、44.4ミリモル)のスラリー混合物のアセトニトリル(48mL)溶液(22℃)に、50%水酸化ナトリウム(4.9g、61.1ミリモル)を1.5時間かけて加え、室温で1.5時間攪拌した。
【0065】
この反応混合物をHPLC(Zorbax(登録商標)RX−C8 Analyticalカラム、4.6×250mm、5ミクロン細孔径、60:40 アセトニトリル/5.0mM KH2PO4およびK2HPO4、1.0mL/分、注入量=10μL、検出=220nm、サンプル調製物=100倍希釈)で観察した。おおよその保持時間は、以下の通りである:
【0066】
【表3】
【0067】
この反応混合物を濾過し、アセトニトリル(10mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮し、溶媒をヘプタンに交換した。得られた粗9(25mL)のヘプタンスラリー混合物を、40℃のメチルt−ブチルエーテル(MTBE)(4×20mL)で抽出した。合わせたMTBE抽出物を、微細シリカゲルのパッドを通して濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘプタンから再結晶させて、淡黄色の固体(融点78〜79℃)として、アルデヒド9(2.15g、44%)を得た。
1H NMR(400.25MHz,CDCl3):δ10.09(s,1H)、9.03(s,2H)、2.79(s,3H)ppm。
13C NMR(100.64MHz,CDCl3):δ189.0、173.2、158.2、126.3、26.7ppm。
【0068】
ステップB:1−(2−メチルピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オン(4)
【0069】
【化16】
粉末状の無水K2CO3(6.21g、45ミリモル)とケトホスホン酸塩1(1の調製については米国特許第6,048,861号を参照のこと)(7.66g、22.5ミリモル)と2−メチル−ピリミジン−5−カルボキサルデヒド9(2.5g、20.5ミリモル)との攪拌したTHF(250mL)懸濁液を、4時間加熱還流した。室温まで冷却した後、この混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。この有機溶液をMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;10% EtOH/CH2Cl2)で精製し、黄褐色の固体としてエノン付加物4を5.66g(85%)得た。
1H NMR(400.13MHz,CDCl3):δ8.77(s,2H)、7.42(d,J=16.3Hz,1H)、7.04(d,J=7.3Hz,1H)、6.80(d,J=16.3Hz,1H)、6.34(d,J=7.3Hz,1H)4.80(br s,1H)、3.38(m,2H)、2.76(s,3H)、2.70〜2.65(om,4H)、2.57(m,2H)、1.88(m,2H)、1.74〜1.70(om,4H)ppm。13C NMR(100.61MHz,CDCl3):δ199.5、169.4、158.0、156.0、155.9、136.8、135.1、128.4、125.5、113.4、111.5、41.8、41.4、37.7、29.5、26.5、26.2、24.0、21.6ppm。
【0070】
ステップC:(R)−1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール(5)
【0071】
【化17】
トルエン(390mL)とTHF(63mL、773ミリモル)を、水素化アルミニウムリチウム(純度95重量%、15.4g、386ミリモル)を含有するフラスコに装入した。このスラリーを終夜攪拌した。次いで、この水素化アルミニウムリチウムのスラリーを、徐々に、トルエン(1.45L)に入れた(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフトール[(R)−Binol](111g、388ミリモル)のスラリーに移した。次いで、この混合物にエタノール(21mL、386ミリモル)を加えた。生じたこのスラリーを、終夜攪拌した。TMEDA(175mL、1160ミリモル)を、このスラリーに加え、混合物を60分攪拌した。この混合物を、−78℃の浴中で冷却し、それにエノン4(60.4g、180ミリモル)のジクロロメタン(485mL)溶液を加えた。この反応スラリーを、−78℃の浴中で冷却しながら、2時間攪拌した。次いで、浴を取り除き、反応物を周囲温度まで温め、それをさらに30分間攪拌した。この反応物を、ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)(217g)の水(2L)溶液に注いだ。有機層を分離し、さらに2.5N NaOH(各313mL)で2回、水(100mL)で1回洗浄した。有機層のHPLC分析では、87%のアリルアルコールを示した。超臨界流体クロマトグラフィー分析は、5が82%の鏡像体過剰率で存在することを示した。
【0072】
実施例4
実施例3の還元ステップCの代替手順
95% LiAlH4(3.84g、96.1ミリモル)を含有するフラスコに、トルエン(12mL)とTHF(27mL)を加えた。このスラリーを55℃に加熱し、終夜エージングさせた。50℃で絶えず加熱しながら、EtOH(5.6mL、96ミリモル)のTHF(5.6mL)溶液を60分かけて加えた。このスラリーをさらに60分間エージングさせた後、(R)−Binol(28.3g、99ミリモル)のTHF(60g)溶液を、60分かけて加えた。このスラリーを、60分間50℃でエージングさせ、それに99% PMDTA(22.3mL、107ミリモル)を一度に加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。この修飾されたBINAL−H試薬のスラリーを、THF(49mL)に入れた4(9.33g、27.7ミリモル)のスラリーに、−60℃で冷却しながら25分かけて移した。このスラリーを、90分かけて−40℃に徐々に温め、その後70分エージングさせた。このスラリーに酢酸(6.4mL、112ミリモル)を加えた。このスラリーを−15℃に温め、それにn−ヘプタン(134mL)、続いて40重量%クエン酸を加えた。この混合物を20℃に温め、終夜エージングさせた。この二相性混合物に、DCM(50mL)を加えた。水相を有機相から分離した。この水相をEtOAc(2×200mL)で洗浄した。この水相のpHを、50% NaOHを用いてpH7に調整した。水相を、EtOAc(2×200mL)で抽出すると、アリルアルコール(分析収率82%)(5が90%の鏡像体過剰率で存在)の溶液がもたらされた。
TLC Rf=0.3(80% CHCl3/10% MeOH/10% EtOAc)。
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.61(s,2H)、7.04(d,J=7.3Hz,1H)、6.50(d,J=16Hz,1H)、6.34(dd,J=5.8,16Hz,1H)、6.32(d,J=7.3Hz,1H)、4.90(br s,1H)、4.37(m,1H)、3.64(br s,1H)、3.38(m,2H)、2.71(s,3H)、2.67(t,J=6.3Hz,2H)、2.56(t,J=7.4Hz,2H)、1.88(m,2H)、1.66(m,4H)、1.48(m,2H)ppm。
13C NMR(100.55MHz,CDCl3):δ166.7、158.0、155.7、154.5、136.8、136.5、127.5、122.4、113.3、111.4、72.0、41.6、37.2、37.0、29.3、26.4、25.7、24.7、21.5ppm。
【0073】
実施例5
アセトニトリル中の99%ee (R)−1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール(5)の単離
80%eeの5の塩化メチレン溶液(1.0L;22.8g/L;22.8g、70ミリモル)を、減圧下で、100mLに濃縮し、溶媒をアセトニトリルに交換した。得られたスラリー混合物を、アセトニトリルを用いて総体積750mL(濃度約30g/L)に希釈し、65℃に加熱し、0.5時間またはすべての固体が溶液に溶解するまでエージングさせた。次いで、得られた溶液を45℃に冷却し、20分間エージングさせた。次いで、この得られた混合物を室温まで冷まし、室温で2時間攪拌した。上清をキラルHPLC(Chiralpak AD Analyticalカラム、4.6×250mm、5ミクロン細孔径;移動相:エタノール(+1v/v% ジエチルアミン);流速:2.0mL/分;注入量=10μL;検出=250nm、サンプル調製物=100倍希釈)で調べた。おおよその保持時間は、以下の通りであった:
【0074】
【表4】
【0075】
室温で2時間攪拌後、アセトニトリル溶液中の(R)−アリルアルコール5は、99%eeであると分析された。スラリー混合物を濾過し、(R)−アリルアルコール5を、アセトニトリル溶液として、HPLC面積率純度89.3%、キラル純度99%eeで単離した(745mL;22.9g/L;17.1g;回収率約75%)。
1H NMR(399.87MHz,CDCl3):δ8.61(s,2H)、7.04(d,J=7.3Hz,1H)、6.50(d,J=16Hz,1H)、6.34(dd,J=16.1,5.8Hz,1H)、6.32(d,J=7.3Hz,1H)、4.90(br s,1H)、4.37(m,1H)、3.64(br s,1H)、3.38(m,2H)、2.71(s,3H)、2.67(t,J=6.3Hz,2H)、2.56(t,J=7.4Hz,2H)、1.88(m,2H)、1.74〜1.64(om,4H)、1.48(m,2H)ppm。
13C NMR(100.55MHz,CDCl3):δ166.8、158.1、155.8、154.6、136.9、136.6、127.6、122.5、113.3、111.5、72.1、41.7、37.3、37.1、29.4、26.5、25.8、24.8、21.6ppm。
【0076】
実施例6
ウェット(Wet)酢酸エチル中の99%ee (R)−1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール(5)の単離
87%eeの5の塩化メチレン溶液(1.0L;22.8g/L;22.8g,67ミリモル)を減圧下で、268mLに濃縮し、溶媒を酢酸エチルに交換した。得られた5の酢酸エチルスラリー混合物の総含水量を、水(約3.70mL)を加えることによって1.5v/v%に調整した。得られたこのスラリーを室温で1〜2時間攪拌した。
【0077】
上清を、キラルHPLC分析によって、245nmと330nmの2つの波長で調べた。室温で1〜2時間攪拌した後、酢酸エチルと1.5v/v%の水との中の(R)−アリルアルコールは、(R)−5について、99%eeであると分析された。
【0078】
このスラリー混合物を濾過して、含水酢酸エチル溶液として(R)−アリルアルコール5を、キラルHPLC純度99%eeで単離した(268mL;68mg/mL;18.2g;回収率80%)。
【0079】
アルコール5は、結晶性固体として得ることができた。これは、第1の溶媒をヘプタンに交換し、次いで、体積約127mL(7体積/5のグラム)に濃縮することによって実現された。得られたスラリー混合物を濾過すると、単離収率76%、キラル純度99%eeで、5(17.3g)が得られた。
【0080】
実施例7〜10
「修飾された」BINAL−H試薬の他の例、およびエノン4の不斉還元におけるその使用を、以下に提供する。
【0081】
3−フェニル−1−プロパノール:
95% LiAlH4(0.46g、11.5ミリモル)を含有するフラスコに、THF(6mL)を加えた。このスラリーを60℃に加熱し、それに、98% 3−フェニル−1−プロパノール(1.6mL、11.6ミリモル)を60分かけて加えた。さらに60分スラリーをエージングさせた後、(R)−Binol(3.4g、11.9ミリモル)のTHF(7g)溶液を60分かけて加えた。このスラリーを60℃で60分エージングさせ、それに、TMEDA(3.5mL、23.2ミリモル)、続いてトルエン(10mL)を加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。
【0082】
4(0.45g、1.34ミリモル)のDCM(3.8g)溶液を、−65℃の修飾されたBINAL−Hスラリーに加えた。−60℃で60分間エージングさせた後、HPLC分析は0.7ミリモルのアリルアルコール(5は87%の鏡像体過剰率で存在)を示した。
【0083】
2−フェノキシエタノール:
95% LiAlH4(0.53g、13.3ミリモル)を含有するフラスコに、THF(6mL)を加えた。このスラリーを60℃に加熱し、それに、98% 2−フェノキシエタノール(1.7mL、13.3ミリモル)を60分かけて加えた。このスラリーをさらに60分エージングさせた後、(R)−Binol(4.0g、13.9ミリモル)のTHF(8g)溶液を、60分かけて加えた。このスラリーを60℃で60分エージングさせ、それに、TMEDA(4.0mL、26.5ミリモル)、続いてトルエン(10mL)を加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。
【0084】
4(0.72g、2.16ミリモル)のDCM(6.1g)溶液を、−65℃の修飾されたBINAL−Hスラリーに加えた。−60℃で60分間エージングさせた後、HPLC分析は0.5ミリモルのアリルアルコール(5は75%の鏡像体過剰率で存在)を示した。
【0085】
1−デカノール:
95% LiAlH4(0.51g、12.8ミリモル)を含有するフラスコに、THF(6mL)を加えた。このスラリーを60℃に加熱し、それに、99% 1−デカノール(2.5mL、13.0ミリモル)を、60分かけて加えた。このスラリーをさらに60分エージングさせた後、(R)−Binol(3.8g、13.2ミリモル)のTHF(7.8g)溶液を、60分かけて加えた。このスラリーを、60℃で60分エージングさせ、それに、TMEDA(3.9mL、25.9ミリモル)、続いてトルエン(10mL)を加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。
【0086】
4(0.77g、2.30ミリモル)のDCM(6.5g)溶液を、−65℃の修飾されたBINAL−Hスラリーに加えた。−60℃で60分間エージングさせた後、HPLC分析は、0.97ミリモルのアリルアルコール(5は84%の鏡像体過剰率で存在)を示した。
【0087】
1−ブタンチオール:
95% LiAlH4(0.50g、12.5ミリモル)を含有するフラスコに、THF(6mL)を加えた。このスラリーを60℃に加熱し、それに、1−ブタンチオール(1.3mL、12.1ミリモル)を60分かけて加えた。さらに60分スラリーをエージングさせた後、(R)−Binol(3.7g、12.8ミリモル)のTHF(7.6g)溶液を60分かけて加えた。このスラリーを60℃で60分エージングさせ、それに、TMEDA(3.8mL、25.2ミリモル)、続いてトルエン(10mL)を加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。
【0088】
4(0.77g、2.30ミリモル)のDCM(6.5g)溶液を、−65℃の修飾されたBINAL−Hスラリーに加えた。−60℃で60分間エージングさせた後、HPLC分析は0.96ミリモルのアリルアルコール(5は41%の鏡像体過剰で存在)を示した。
【0089】
実施例11
「修飾されていない」(R)−BINAL−H試薬を用いたエノン(4)の還元:
【0090】
【化18】
水素化アルミニウムリチウム(THFの1M溶液、0.516mL、0.516ミリモル)を、(R)−BINOL(0.15g、0.524ミリモル)のTHF(0.5mL)溶液にゆっくりと加えた。得られた溶液にエタノール(0.03mL、0.521ミリモル)を加え、この混合物を1時間、室温でエージングさせた。エノン4(0.050g、0.16ミリモル)を、THF(1.2mL)に加え、−70℃に冷却した。この混合物に、カニューレ経由で(−63℃に発熱)、(R)−BINAL−H溶液を加えた。この反応混合物を−70℃で終夜エージングさせ、その後、1mLのメタノールで急冷した。この粗反応混合物の分析は、分析収率80%のアリルアルコール((R)鏡像異性体は72%eeで存在)を示した。
【0091】
実施例12
(S)−オキサザボロリジン試薬を用いたエノン(4)の還元
【0092】
【化19】
トルエン(1.5mL、1.5ミリモル)とジクロロメタン(6mL)に入れた(S)−オキサザボロリジンの1.0M溶液を、窒素下でフラスコに装入した。この溶液に、ボラン−硫化メチル(0.14mL、1.5ミリモル)を加えた。この0.2M溶液(4mL、0.8ミリモル)のアリコートを、エノン4(202mg、0.60ミリモル)とトリエチルアミン(85μL、0.60ミリモル)のジクロロメタン(4mL)溶液に、−40℃に冷却しながら徐々に加えた。2時間攪拌した後、メタノール(5mL)を加え、この溶液を徐々に、周囲温度に温めた。この粗反応物の分析は、分析収率42%のアリルアルコール((R)鏡像異性体は92%の鏡像体過剰率で存在)を示した。
発明の分野
本発明は、9−置換−3−(置換されていてもよいアリール−)ノナン酸の不斉合成に有用なキラルなアリルアルコール中間体を効率的に調製するための方法に関する。この方法は、骨吸収の抑制および骨粗鬆症の治療および/または予防のためのαvβ3インテグリン受容体アンタゴニストとして有用である、所望の置換されたノナン酸誘導体にさらに処理可能なキラルなアリルアルコールを得るための、不斉還元剤を用いたプロキラルなα,β−不飽和ケトンのエナンチオ選択的な1,2−還元を含む。
【0002】
発明の背景
本発明は、構造式(I)
【0003】
【化4】
[*で印を付けた不斉中心について(R)配置であり、
nが0、1、または2であり、
YがCHまたはNであり、
R1が水素、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルコキシであり、
R2が水素、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、
R3が、
水素、
C1〜8アルキル、
C3〜8シクロアルキル、
C3〜8シクロヘテロアルキル、
C3〜8シクロアルキル−C1〜6アルキル、および
C3〜8シクロヘテロアルキル−C1〜6アルキル
からなる群から選択される]
のキラルなアリルアルコールを調製するための効率的な方法を提供する。
【0004】
ラセミ形の構造式(I)の化合物の調製は、米国特許第6,048,861号(2000年4月11日)に開示されており、その全体を参照によって本明細書に組み込む。そこで開示されたラセミアリルアルコールは、骨吸収を抑制するためのαvβ3インテグリン受容体アンタゴニストとして有用である所望の9−置換−3−(置換されていてもよいアリール−)ノナン酸に、いくつかのステップで転換された。キラルな固形状支持体上でのラセミ混合物のHPLC分割によって、鏡像異性的に純粋な形の最終産物が得られた。αvβ3インテグリン受容体アンタゴニストとして使用するためには、最終産物の一方の鏡像体のみが好ましいので、米国特許第6,048,861号に開示されているアキラルな方法は、等量の好ましくない鏡像異性体も得られるという意味で非効率的である。
【0005】
本発明は、構造式(II)のプロキラルなα,β−不飽和ケトン(エノン)の1,2−還元を介する、不斉還元剤を用いた、効率的なエナンチオ選択的な様式で、構造式(I)の(R)−アリルアルコールを調製するための方法を提供する。
【0006】
【化5】
(式中、n、Y、R1、R2、およびR3は、上で定義した通りである。)
発明の概要
本発明は、構造式(I)のキラルなアリルアルコールを調製するための方法に関する。この方法は、構造式(II)のプロキラルなα,β−不飽和ケトン(エノン)の還元において、エナンチオ選択性を向上させる条件下で、エナンチオ選択的な不斉還元剤を利用する。この様式で得られたキラルなアリルアルコールは、骨吸収の抑制ならびに骨粗鬆症の治療および/または予防のために有用であるαvβ3インテグリン受容体アンタゴニストの不斉合成における重要な中間体である。
【0007】
発明の詳細な説明
本発明の方法は、構造式(I)
【0008】
【化6】
[*で印を付けた、新規に形成された不斉中心について(R)配置であり、
逆の(S)配置である鏡像異性体に対して少なくとも40%の鏡像体過剰率(ee)であり、
nが0、1、または2であり、
YがCHまたはNであり、
R1が水素、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルコキシであり、
R2が水素、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、
R3が水素、
C1〜8アルキル、
C3〜8シクロアルキル、
C3〜8シクロヘテロアルキル、
C3〜8シクロアルキル−C1〜6アルキル、および
C3〜8シクロヘテロアルキル−C1〜6アルキル
からなる群から選択される]
のキラルなアリルアルコールを調製するものである。
【0009】
本発明の方法は、反応溶媒中で、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤー(modifier)の存在下で、エナンチオ選択的な不斉還元剤を用いて、構造式(II)のエノンを処理するステップを含む。エノン還元のための反応溶媒は、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、ジグリム、THF、トルエン、ジクロロメタン、NMP、DMF、DMPU、およびそれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態では、エノン還元のための溶媒は、THF、THFとトルエンの混合物、THFとトルエンとジクロロメタンの混合物、または、THFとジクロロメタンの混合物である。
【0010】
本発明の方法の一実施形態では、エナンチオ選択的な不斉還元剤は、水素化アルミニウムリチウムと、ほぼ等モル量の光学的に純粋な(R)−ビナフトールとプロトン源を有機溶媒中で混合することによって調製されたキラルな水素化アルミニウム試薬である。キラルな水素化アルミニウム試薬の調製に使用される有機溶媒は、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、DME、MTBE、THF、トルエン、またはそれらの混合物であり得る。
【0011】
プロトン源は、XがO、S、またはNHであり、R4が、
C1〜10アルキル、
フェニル、
ナフチル、
ピリジル、
フェニル−C1〜3アルキル、
フェニルオキシ−C1〜3アルキル、
COR5、
SO2R5、
P(O)R5(OR5)、および
P(O)(OR5)2
からなる群から選択され、各R5がそれぞれ独立に
C1〜6アルキル、
フェニル、および
フェニル−C1〜3アルキル
からなる群から選択され、ただし、フェニルおよびアルキルが、C1〜4アルコキシ、アミノ、および(C1〜4アルキル)1〜2アミノからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されている、または置換されていない、構造式HXR4の化合物である。
【0012】
この実施形態のあるクラスでは、プロトン源HXR4は、C1〜4アルカノール(X=O、R4はC1〜4アルキル)である。このクラスのあるサブクラスでは、プロトン源は、エタノールまたはメタノール(X=O、R4はEtまたはMe)である。
【0013】
本発明の方法の第2の実施形態では、キラルな水素化アルミニウム試薬は、
構造式III
【0014】
【化7】
[XがO、S、またはNHであり、
R4が、
C1〜10アルキル、
フェニル、
ナフチル、
ピリジル、
フェニル−C1〜3アルキル、
フェニルオキシ−C1〜3アルキル、
COR5、
SO2R5、
P(O)R5(OR5)、および
P(O)(OR5)2
からなる群から選択され、各R5がそれぞれ独立に
C1〜6アルキル、
フェニル、および
フェニル−C1〜3アルキル
からなる群から選択され、
ただし、フェニルおよびアルキルは置換されていないか、あるいはC1〜4アルコキシ、アミノ、および(C1〜4アルキル)1〜2アミノからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されている]
の(R)−ビナフトール−水素化アルミニウムリチウム試薬である。
【0015】
この実施形態の一クラスでは、XR4は、OC1〜4アルキルである。このクラスのあるサブクラスでは、XR4は、OEtまたはOMeである。
【0016】
キラルな水素化アルミニウム試薬は、XR4がオキシド残基を示す場合、BINAL−H試薬として当技術分野で知られている[R.Noyori他、「J.Am.Chem.Soc.」、106:6709〜6716,6717〜6725(1984年);「J.Am.Chem.Soc.」101:3129〜3131(1979);および米国特許第4,284,581号(1981年8月19日)を参照のこと。尚、これらのそれぞれの内容全体を参照によって本明細書に組み込む]。Noyoriによって開発されたBINAL−H試薬は、プロキラルなケトンのキラルなアルコールへの不斉還元をもたらす。補助的なビナフトールリガンドの適切な左右像を選択することによって、予測可能な様式で、アルコール生成物のRまたはS鏡像体が得られる。BINAL−H試薬は、水素化アルミニウムリチウムと、光学的に純粋な2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチルすなわち(R)−または(S)−ビナフトール(BINOL)と、アルカノールから、in situで調製される。好ましいアルカノールは、メタノールまたはエタノールである。あらかじめ形成したキラルな水素化アルミニウム試薬に、本発明に開示した通りの有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーを加えると、エノン還元において、「修飾されていない(unmodified)」BINAL−H試薬そのものと比べて予想外に向上したエナンチオ選択性を示す「修飾された(modified)」BINAL−H試薬が生じる。したがって、「修飾されていない」Noyori型BINAL−H試薬を用いた構造式(II)のエノンの還元が、約42〜70%eeの範囲のエナンチオ選択性で進行するのに対し、本発明のようにBINAL−H試薬に有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーを加えたものは、エナンチオ選択性を約80〜90%の範囲まで向上する。
【0017】
「修飾された」BINAL−H試薬は、例えば、メタノールまたはエタノールなどの低級アルカノールとBINOLを、トルエン、THF、またはそれらの混合物などの有機溶媒に入れた、THFで前処理したLAHの混合物とともに混合することによって調製される。この混合物を指定された時間加熱後、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーを加え、指定された時間エージングさせる。
【0018】
本発明の方法のこの実施形態のあるクラスでは、修飾された(R)−BINAL−H試薬は、エタノールまたはメタノール(約1モル当量)と(R)−BINOL(1モル当量よりわずかに多い)を、トルエンまたはTHFに入れた、THF(≧2モル当量)で前処理したLAHの混合物に加えることによって生成させる。この混合物を40〜70℃で約30〜90分間加熱した後、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーを加え、この混合物を約30〜90分間エージングさせる。生じた混合物は、修飾されたエナンチオ選択性的な不斉還元剤(「修飾された」R−BINAL−H)を成し、次いで、これを構造式(II)のエノンの溶液と反応させる。このクラスのあるサブクラスでは、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーとBINAL−H試薬のモル比は、約0.1:1〜約3:1である。
【0019】
このクラスのあるサブクラスでは、有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーは、12−クラウン−4、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチルアミン、(S)−(+)−1−(2−ピロリジニル)−ピロリジン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン(HMTTA)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)、およびN,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDTA)からなる群から選択される。好ましい有機ポリアミンは、TMEDAおよびPMDTAである。
【0020】
本発明の方法のこの実施形態の別のクラスでは、不斉還元は、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジグリム、DME、MTBE、THF、トルエン、ジクロロメタン、DMF、NMP、DMPU、およびそれらの混合物からなる群から選択される反応溶媒中で実施される。このクラスのあるサブクラスでは、還元のための反応溶媒は、THF、THFとトルエンの混合物、THFとトルエンとジクロロメタンの混合物、またはTHFとジクロロメタンの混合物である。
【0021】
この実施形態のさらなるクラスでは、nは1であり、YはNであり、R2とR3は水素であり、R1は水素またはメチルであり、XR4はOEtまたはOMeである。
【0022】
本発明の方法のさらなる実施形態では、不斉還元は、約−100℃〜40℃の範囲の温度で実施される。この実施形態のあるクラスでは、この反応は、約−60℃〜25℃の範囲の温度で実施される。
【0023】
本発明の方法のさらなる実施形態では、BINAL−H試薬とエノン基質のモル比は、約5:1〜約1:1の範囲である。この実施形態の一クラスでは、BINAL−H試薬とエノン基質のモル比は、約3:1である。
【0024】
(R)−BINOLの代わりに(S)−BINOLを使用すると、対応する「修飾された」(S)−BINAL−H試薬が生じる。構造式(II)のプロキラルなエノンを「修飾された」(S)−BINAL−H試薬で処理すると、指定した新規に形成された不斉中心についてS配置である構造式(IV)のキラルなアリルアルコールが生じる。
【0025】
【化8】
(式中、n、Y、R1、R2、およびR3は、上で定義した通りである。)
本発明の第2の態様は、不斉還元剤が、構造式(V)の(S)−オキサザボロリジン
【0026】
【化9】
(式中、R6は水素、C1〜4アルキル、またはC1〜4アルコキシである)
と、ボラン源の混合物である、構造式(II)のエノンのエナンチオ選択的な還元による構造式(I)のキラルなアリルアルコールの調製を提供する。
【0027】
キラルなオキサザボロリジンは、プロキラルなケトンの還元のためのエナンチオ選択的な触媒として当技術分野で記載されている[E.J.Corey他、「J.Amer.Chem.Soc.」、109:5551(1987);E.J.Corey他、「J.Amer.Chem.Soc.」、109:7925(1987);D.J.Mathre他、「J.Org.Chem.」、58:2880〜2888(1993)を参照のこと。尚、ここに引用した参考文献の全体を参照によって本明細書に組み込む]。
【0028】
本発明の第2の態様の一実施形態では、R6は水素、メチル、またはメトキシである。ボラン源には、ボラン−硫化ジメチル錯体、カテコールボラン、ジクロロボラン−硫化ジメチル錯体、モノクロロボラン−硫化ジメチル錯体、ボラン−THF錯体、および9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)がある。この反応は、トリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基の存在下で、ジクロロメタン、THF、トルエン、またはそれらの混合物などの有機溶媒中で、−60〜25℃の範囲の温度で実施される。
【0029】
本発明の第3の態様では、構造式(I)の化合物は、不斉中心について(S)配置である鏡像異性体に対して約80〜90%の鏡像体過剰率で生成される。本発明のこの態様の一実施形態では、構造式(I)の化合物は、不斉中心について(S)配置である鏡像異性体に対して約95%の鏡像体過剰率で生成される。構造式(I)の所望の化合物の光学純度は、適当な結晶化溶媒系からの残留量の(R,S)形の結晶化によってさらに向上させることができる。一実施形態では、結晶化溶媒系は、アセトニトリル、n−酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、酢酸エチルとアセトニトリルの混合物、酢酸エチルとヘプタンの混合物、酢酸エチルとエタノールの混合物、酢酸エチルとトルエンの混合物、およびC1〜6アルカノール(これには、それだけには限らないが、メタノール、エタノール、n−およびイソプロパノール、ならびにn−、sec−、t−ブタノールが含まれる)とトルエンの混合物からなる群から選択される。この実施形態のあるクラスでは、結晶化溶媒系は、トルエンに対し2%〜5%のn−プロパノール(v/v)の混合物である。
【0030】
さらに本発明の方法の他の態様は、本発明の方法から得られる、以下の鏡像異性的に富化された化合物
【0031】
【化10】
(R)−1−(ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール
および
【0032】
【化11】
(R)−1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール
を含む。
【0033】
本発明のこの態様の一実施形態では、主として(R)鏡像異性体、および残留量の(S)鏡像異性体を含み、(R)鏡像異性体が(S)鏡像異性体に対して少なくとも約90%の鏡像体過剰率で存在する、化合物1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オールが提供される。この実施形態のあるクラスでは、(R)鏡像異性体は、(S)鏡像異性体に対して少なくとも約98%の鏡像体過剰率で存在する。
【0034】
本発明のこの態様の別の実施形態では、主として(R)鏡像異性体、および残留量の(S)鏡像異性体を含み、(R)鏡像異性体が、(S)鏡像異性体に対して少なくとも約90%の鏡像体過剰率で存在する、化合物1−(ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オールが提供される。この実施形態のあるクラスでは、(R)鏡像異性体は、(S)鏡像異性体に対して少なくとも約98%の鏡像体過剰率で存在する。
【0035】
本発明の構造式(I)のキラルなアリルアルコールは、米国特許第6,048,861号に記載される通り、クライゼン転位、水素化、および加水分解の3段階で、αvβ3インテグリン受容体アンタゴニストとして有用である構造式(VI)の最終産物に転換することができる。
【0036】
【化12】
(式中、n、Y、R1、R2、およびR3は、上で定義した通りである。)
用語「鏡像体過剰率(%)」(「ee」と省略)は、多い方の鏡像異性体(%)から少ない方の鏡像異性体(%)を除いた割合を意味するものとする。したがって、80%の鏡像体過剰率は、90%の一方の鏡像異性体と、10%のもう片方の鏡像異性体の組成物に相当する。用語「鏡像体過剰率」は、用語「光学純度」と同義である。
【0037】
用語「エナンチオ選択的な」は、一方の鏡像異性体が、もう片方よりも急速に生成(または破壊)され、生成物の混合物中に、望まれる鏡像異性体が優勢となる反応を意味するものとする。
【0038】
用語「アルキル」は、総炭素原子1〜6個、あるいはこの範囲の任意の炭素数の直鎖または分枝鎖アルカン(すなわちメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなど)を意味するものとする。
【0039】
用語「アルコキシ」は、本明細書では、指定された炭素原子数の(例えばC1〜5アルコキシ)、あるいはこの範囲内の任意の炭素数の直鎖または分枝鎖アルコキシド(すなわちメトキシ、エトキシなど)を指す。
【0040】
用語「シクロアルキル」は、総炭素原子3〜8個、あるいはこの範囲内の任意の炭素数の環状アルカン(すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル)を意味するものとする。
【0041】
用語「シクロヘテロアルキル」は、N、O、およびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む、3〜8員の完全に飽和した複素環を意味するものとする。シクロヘテロアルキル基の例には、それだけには限らないが、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、モルホリニル、およびピペラジニルがある。
【0042】
本発明で開示する新規の方法を利用する代表的な実験の手順を、以下に詳述する。例示のために、以下の実施例は、化合物3および5の調製を対象とするが、それによって、本発明の方法を、これらの化合物を作成するための特定の条件に限定するつもりはない。プロトンおよび炭素13のNMRスペクトルは、Bruker DPX 400でCDCl3中で記録された。化学シフトは、プロトンについては残留するCHCl3(σ=7.27)、炭素についてはCDCl3(σ=77.2)に対してppmで報告される。結合定数(J)はすべて、以下の通りに省略されたプロトン多重度(multiplicity)を用いてヘルツ(Hz)で報告される:s=一重項、d=二重項、t=三重項、m=多重項、br=広がり(broad)、o=重なり(overlapping)。温度はすべて、別段の記述がない限り、摂氏温度である。
【0043】
略語:BINOLは2,2’−ジヒドロキシ−1,1’ビナフチル(1,1’−ビ−2−ナフトール)であり、DBUは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ(undec)−7−エン(ene)であり、DCMはジクロロメタン(塩化メチレン)であり、DMEは1,2−ジメトキシエタンであり、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、DMPUは1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンであり、eeは鏡像体過剰率であり、HMTTAは1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミンであり、HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、IPAはイソプロパノールであり、MTBEはメチルt−ブチルエーテルであり、LAHは水素化アルミニウムリチウムであり、NMPは1−メチル−2−ピロリジノンであり、NMRは核磁気共鳴であり、PMDTAはN,N,N’N’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンであり、TEEDAはN,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミンであり、THFはテトラヒドロフランであり、TMEDAはN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンである。
【0044】
実施例1
「修飾された」(R)−BINAL−H試薬を用いたエノン(2)の還元
ステップA:1−(ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オン(2)
【0045】
【化13】
室温の塩化リチウム(無水)(3.54g、83.3ミリモル)の攪拌したアセトニトリル(350mL)懸濁液に、ケトホスホン酸塩(ketophosphonate)1(28.3g、83.1ミリモル)のアセトニトリル(128mL)溶液を加えた(1の調製については、米国特許第6,048,861号)を参照のこと)。15分攪拌した後、DBU(9.52mL、64.1ミリモル)のアセトニトリル(32mL)溶液を加え、若干大きな塊があるが、大部分が微細である白色沈殿を生成させた。この反応混合物を簡単に超音波処理して、大きい塊を粉砕し、30分間攪拌した。ピリミジン−5−カルボキサルデヒド(6.92g、64.1ミリモル)のアセトニトリル(128mL)溶液を15分かけて加えた。2時間後、この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(8% MeOH/EtOAc)によって精製し、融点101〜102℃の黄色の結晶性固体としてエノン2 18.5g(90%)を得た。
1H NMR(399.87MHz,CDCl3):δ9.19(s,1H)、8.89(s,2H)、7.45(d,J=16.3Hz,1H)、7.05(d,J=7.3Hz,1H)、6.85(d,J=16.3Hz,1H)、6.35(d,J=7.3Hz,1H)4.78(br s,1H)、3.39(m,2H)、2.72〜2.67(om,4H)、2.58(m,2H)、1.89(m,2H)、1.79〜1.72(om,4H)ppm。
13C NMR(100.55MHz,CDCl3):δ199.3、159.40、159.36、158.0、155.9、136.8、134.7、129.4、128.8、113.5、111.5、41.8、41.6、37.7、29.5、26.5、23.9、21.7ppm。
【0046】
ステップB:「修飾された」(R)−BINAL−H試薬の調製
室温の乾いた500mLの三口丸底フラスコに、窒素雰囲気中で、無水トルエン(25mL)、続いてLAH(1.76g、46.4ミリモル)を加えた。得られた灰色のスラリー混合物を、THF(7.2mL)で処理した(30℃未満の温度で10分かけて加えた)。得られた混合物を35℃に加熱し、エタノールのトルエン溶液(6M、7.5mL、トルエン4.9mLにエタノール2.5mLを加えて調製)で処理した(35℃〜40℃で、30分かけてゆっくりと加えた)。完全に加えた後、このスラリーを35℃で40分間エージングさせ、その後30℃に冷却した。次いで、この得られた混合物を、30℃の(R)−(+)−BINOL(12.3g、46ミリモル)のトルエン(90mL)溶液で処理した(必要であれば氷浴中で冷却しながら、バッチ温度が40℃未満に保たれるような速度で加えた)。得られた明るい灰色のスラリー混合物を50℃に加熱し、1時間エージングさせ、その後室温まで冷却させた。次いで、この明るい灰色の混合物を、50℃に戻し、TMEDA(20.2mL、134ミリモル)で処理し、50℃で1時間攪拌し、その後、室温で冷ました。溶液の総体積は164mL、すなわち「修飾された」(R)−BINAL−Hのトルエン/THF溶液に対する約0.27Mの溶液であった。この溶液を、さらに精製することなく、次の還元ステップCで、そのまま使用した。
【0047】
ステップC:(R)−1−(ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール(3)
【0048】
【化14】
乾いた500mLの三口丸底フラスコに、窒素雰囲気中で、ステップB(0.27M、120mL、3.2当量)からの「修飾された」(R)−BINAL−Hのトルエン/THF溶液を加え、この溶液を、ドライアイスアセトンバスを用いて−75〜−73℃に冷却した。次いで、エノン2(3.3g、10.2ミリモル)のDCM(23mL)溶液を、バッチ温度を−73〜−69℃に保ちながら、45分かけて加えた。この反応混合物を−75℃〜−70℃で40分間エージングさせ、−70℃のメタノール(4mL、102ミリモル)で急冷し、その後、室温まで温めた。この反応混合物を、キラルHPLC(Chiralpak AD Analyticalカラム、4.6×250mm、5ミクロン細孔径、移動相:エタノール(+0.1v/v% ジエチルアミン)、流速:2.0mL/分、注入量=10μL、検出=250nm、サンプル調製物=100倍希釈)によって観察した。おおよその保持時間は次の通りであった。
【0049】
【表1】
【0050】
この反応は、エノンの面積が1.0%未満となったときに完了であると考えられた。(R)−3の光学純度は、〜80%の鏡像体過剰率(ee)であった。
【0051】
この反応混合物を、ソルカフロック(solka flock)のパッドを通して濾過し、このパッドをDCM(20ml)ですすぎ洗いした。得られた濾液を、分液漏斗に移し、酒石酸水溶液(2.0M、1×100mLおよび1×50mL)で2回抽出した。合わせた水相をDCM(20mL)で洗浄した。洗浄した水相のpHを、23重量%の水酸化アンモニウム水溶液を用いて7〜8に調整し、DCM(3×60mL)で抽出した。合わせたDCM溶液を0.5M塩化アンモニウム溶液(3×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。この溶液を濾過し、減圧下で濃縮してオイルとした。得られた残留物をアセトニトリル(100mL)に溶解し、最初の体積の10%に濃縮し、追加のアセトニトリル(90mL)で処理し、再び濃縮して油状の残留物とした。
【0052】
この得られた残留物(3.0g)を、温度プローブ、窒素導入アダプター、磁気攪拌装置、および加熱マントルを装備した250mLの三口丸底フラスコに装入し、アセトニトリル(60mL)で処理し、40℃で加熱し、15分エージングさせた。次いで、得られた溶液を室温まで冷まし、室温で終夜攪拌した。
【0053】
上清を、キラルHPLC分析によって、250nmと330nmの2つの波長で調べた。室温で3時間攪拌した後、アセトニトリル溶液中の(R)−アリルアルコールは、(R)−3について95%であると分析された。
【0054】
次いで、スラリー混合物を、10℃に冷却し、濾過して(R)−アリルアルコール3をアセトニトリル溶液(60mL;28g/L;1.7g;回収率52%)として、HPLC面積率純度70%、キラルHPLC純度98%eeで単離した。
【0055】
HPLC純度(面積率)は、グラジエントHPLC分析によって求めた:YMCbasic AD Analyticalカラム、4.6×250mm、5ミクロン細孔径;グラジエント溶離液:溶媒A=5.0mM KH2PO4およびK2HPO4、溶媒B=アセトニトリル、T=0分 @70%A:30%B、T=20分 @20%A:80%B、T=21分 @70%A:30%B;1.0mL/分;注入量=10μL;検出=250nm;サンプル調製物=100倍希釈。おおよその保持時間は、次の通りであった:
【0056】
【表2】
【0057】
2% n−プロパノールのトルエン溶液を使用する代替手順を、以下に述べる:
還元ステップの後処理後に得られた残留物(3.0g)を、温度プローブ、窒素導入アダプター、磁気攪拌装置、および加熱マントルを備え付けた200mLの三口丸底フラスコに装入し、2% n−プロパノールのトルエン溶液(36mL)で処理し、45℃に加熱し、15分エージングさせた。次いで、得られた溶液を34℃に冷却し、ラセミ体(数個の結晶)を種晶として加え、34℃で0.5時間エージングさせ、その後、室温まで冷却し、室温で終夜攪拌した。
【0058】
上清を、キラルHPLC分析によって、245nmと330nmの2つの波長で調べた。室温で終夜攪拌した後、2% n−プロパノールのトルエン溶液中の(R)−アリルアルコールは、(R)−3について98%eeであると分析された。
【0059】
次いで、スラリー混合物を、17℃に冷却し、濾過して、(R)−アリルアルコール3を、2% n−プロパノールのトルエン溶液の溶液として、キラルHPLC純度98%eeで単離した(37mL;67mg/mL;2.48g;回収率83%)。
【0060】
アルコール3を結晶性固体として得ることができた。これは、第1の溶媒をトルエンに交換し、次いで、体積14mL(5体積/3のグラム)に濃縮し、得られた溶液をヘプタン溶媒(19mL)で処理する(3を結晶化するために、0.5時間かけて滴下する)ことによって行われた。得られたスラリー混合物を濾過すると、3(2.36g)が単離収率78%、キラル純度98%eeで得られた。
1H NMR(399.87MHz,CDCl3):δ9.05(s,1H)、8.71(s,2H)、7.05(d,J=7.3Hz,1H)、6.54(d,J=16.1Hz,1H)、6.40(dd,J=16.1,5.5Hz,1H)、6.33(d,J=7.3Hz,1H)、4.93(br s,1H)、4.38(m,1H)、3.37(m,2H)、2.67(t,J=6.3Hz,2H)、2.57(t,J=7.4Hz,2H)、1.88(m,2H)、1.75〜1.65(om,4H)、1.50(m,2H)ppm。
13C NMR(100.55MHz,CDCl3):δ158.0、157.4、155.8、154.5、137.9、137.0、130.8、122.4、113.5、111.5、72.0、41.8、37.2、37.0、29.3、26.5、24.7、21.6ppm。
【0061】
実施例2
実施例1の還元ステップCの代替手順
THF/トルエン(618g、452ミリモル)に入れた、修飾されていないBINAL−Hスラリーの0.731重量モル濃度のスラリーに、23℃の99% PMDTA(105mL、499ミリモル)を加えた。得られたスラリーを23℃で60分エージングさせた。この修飾されたBINAL−Hのスラリーを、THF(234mL)に入れた2のスラリー(44g、137ミリモル)に、−55℃で冷却しながら、30分かけて移した。このスラリーを−37℃に温め、それに、酢酸(31mL)n−ヘプタン(173mL)溶液を加えた。次いで、このスラリーを0℃に温め、その後、これを、40重量%のクエン酸(688g)を含有するフラスコに移した。この混合物を、23℃で終夜、エージングさせた。水相から有機相を分離した。この有機相を、3.3重量%のクエン酸(153g)で抽出した。合わせた水相を、トルエン(1150mL、800mL)で2回洗浄した。合わせた水相のpHを、50% NaOH(120mL)を用いてpH7に調節した。このpH7の水相を、EtOAc(1L、400mL)で2回抽出すると、アリルアルコール(38.5g)(3は86%の鏡像体過剰率で存在)の溶液が得られた。実施例1で述べた通り、光学純度がさらに増加した。
【0062】
実施例3
「修飾された」(R)−BINAL−H試薬を用いたエノン(4)の還元
ステップA:2−メチル−ピリミジン−5−カルボキサルデヒド(9)の調製
【0063】
【化15】
ブロモ酢酸6(12g、86.4ミリモル)の90℃のDMF(44mL)溶液に、5時間かけてオキシ塩化リン(24mL、260ミリモル)を加え、その後、110℃に加熱した。110℃で2.5時間攪拌した後、この混合物を45℃に冷却し、2℃の冷イソプロパノール(44mL)に入れて急冷し、酢酸イソプロピル(44mL)で希釈し、その後、水(6.2mL)で処理し、2℃で45分かけて加えジクロリドビナミジニウム塩(dichloride vinamidinium salt)7を形成させた。1時間攪拌した後、析出した固体を収集し、酢酸イソプロピル(2×14mL)およびアセトニトリル(2×14mL)で洗浄し、淡黄色の結晶として7(12.0g、54%)を得た。
【0064】
ジクロリドビナミジニウム塩7(10.1g、39.9ミリモル)とアセトアミジン塩酸塩8(4.2g、44.4ミリモル)のスラリー混合物のアセトニトリル(48mL)溶液(22℃)に、50%水酸化ナトリウム(4.9g、61.1ミリモル)を1.5時間かけて加え、室温で1.5時間攪拌した。
【0065】
この反応混合物をHPLC(Zorbax(登録商標)RX−C8 Analyticalカラム、4.6×250mm、5ミクロン細孔径、60:40 アセトニトリル/5.0mM KH2PO4およびK2HPO4、1.0mL/分、注入量=10μL、検出=220nm、サンプル調製物=100倍希釈)で観察した。おおよその保持時間は、以下の通りである:
【0066】
【表3】
【0067】
この反応混合物を濾過し、アセトニトリル(10mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮し、溶媒をヘプタンに交換した。得られた粗9(25mL)のヘプタンスラリー混合物を、40℃のメチルt−ブチルエーテル(MTBE)(4×20mL)で抽出した。合わせたMTBE抽出物を、微細シリカゲルのパッドを通して濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘプタンから再結晶させて、淡黄色の固体(融点78〜79℃)として、アルデヒド9(2.15g、44%)を得た。
1H NMR(400.25MHz,CDCl3):δ10.09(s,1H)、9.03(s,2H)、2.79(s,3H)ppm。
13C NMR(100.64MHz,CDCl3):δ189.0、173.2、158.2、126.3、26.7ppm。
【0068】
ステップB:1−(2−メチルピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オン(4)
【0069】
【化16】
粉末状の無水K2CO3(6.21g、45ミリモル)とケトホスホン酸塩1(1の調製については米国特許第6,048,861号を参照のこと)(7.66g、22.5ミリモル)と2−メチル−ピリミジン−5−カルボキサルデヒド9(2.5g、20.5ミリモル)との攪拌したTHF(250mL)懸濁液を、4時間加熱還流した。室温まで冷却した後、この混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。この有機溶液をMgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;10% EtOH/CH2Cl2)で精製し、黄褐色の固体としてエノン付加物4を5.66g(85%)得た。
1H NMR(400.13MHz,CDCl3):δ8.77(s,2H)、7.42(d,J=16.3Hz,1H)、7.04(d,J=7.3Hz,1H)、6.80(d,J=16.3Hz,1H)、6.34(d,J=7.3Hz,1H)4.80(br s,1H)、3.38(m,2H)、2.76(s,3H)、2.70〜2.65(om,4H)、2.57(m,2H)、1.88(m,2H)、1.74〜1.70(om,4H)ppm。13C NMR(100.61MHz,CDCl3):δ199.5、169.4、158.0、156.0、155.9、136.8、135.1、128.4、125.5、113.4、111.5、41.8、41.4、37.7、29.5、26.5、26.2、24.0、21.6ppm。
【0070】
ステップC:(R)−1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール(5)
【0071】
【化17】
トルエン(390mL)とTHF(63mL、773ミリモル)を、水素化アルミニウムリチウム(純度95重量%、15.4g、386ミリモル)を含有するフラスコに装入した。このスラリーを終夜攪拌した。次いで、この水素化アルミニウムリチウムのスラリーを、徐々に、トルエン(1.45L)に入れた(R)−(+)−1,1’−ビ−2−ナフトール[(R)−Binol](111g、388ミリモル)のスラリーに移した。次いで、この混合物にエタノール(21mL、386ミリモル)を加えた。生じたこのスラリーを、終夜攪拌した。TMEDA(175mL、1160ミリモル)を、このスラリーに加え、混合物を60分攪拌した。この混合物を、−78℃の浴中で冷却し、それにエノン4(60.4g、180ミリモル)のジクロロメタン(485mL)溶液を加えた。この反応スラリーを、−78℃の浴中で冷却しながら、2時間攪拌した。次いで、浴を取り除き、反応物を周囲温度まで温め、それをさらに30分間攪拌した。この反応物を、ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)(217g)の水(2L)溶液に注いだ。有機層を分離し、さらに2.5N NaOH(各313mL)で2回、水(100mL)で1回洗浄した。有機層のHPLC分析では、87%のアリルアルコールを示した。超臨界流体クロマトグラフィー分析は、5が82%の鏡像体過剰率で存在することを示した。
【0072】
実施例4
実施例3の還元ステップCの代替手順
95% LiAlH4(3.84g、96.1ミリモル)を含有するフラスコに、トルエン(12mL)とTHF(27mL)を加えた。このスラリーを55℃に加熱し、終夜エージングさせた。50℃で絶えず加熱しながら、EtOH(5.6mL、96ミリモル)のTHF(5.6mL)溶液を60分かけて加えた。このスラリーをさらに60分間エージングさせた後、(R)−Binol(28.3g、99ミリモル)のTHF(60g)溶液を、60分かけて加えた。このスラリーを、60分間50℃でエージングさせ、それに99% PMDTA(22.3mL、107ミリモル)を一度に加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。この修飾されたBINAL−H試薬のスラリーを、THF(49mL)に入れた4(9.33g、27.7ミリモル)のスラリーに、−60℃で冷却しながら25分かけて移した。このスラリーを、90分かけて−40℃に徐々に温め、その後70分エージングさせた。このスラリーに酢酸(6.4mL、112ミリモル)を加えた。このスラリーを−15℃に温め、それにn−ヘプタン(134mL)、続いて40重量%クエン酸を加えた。この混合物を20℃に温め、終夜エージングさせた。この二相性混合物に、DCM(50mL)を加えた。水相を有機相から分離した。この水相をEtOAc(2×200mL)で洗浄した。この水相のpHを、50% NaOHを用いてpH7に調整した。水相を、EtOAc(2×200mL)で抽出すると、アリルアルコール(分析収率82%)(5が90%の鏡像体過剰率で存在)の溶液がもたらされた。
TLC Rf=0.3(80% CHCl3/10% MeOH/10% EtOAc)。
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.61(s,2H)、7.04(d,J=7.3Hz,1H)、6.50(d,J=16Hz,1H)、6.34(dd,J=5.8,16Hz,1H)、6.32(d,J=7.3Hz,1H)、4.90(br s,1H)、4.37(m,1H)、3.64(br s,1H)、3.38(m,2H)、2.71(s,3H)、2.67(t,J=6.3Hz,2H)、2.56(t,J=7.4Hz,2H)、1.88(m,2H)、1.66(m,4H)、1.48(m,2H)ppm。
13C NMR(100.55MHz,CDCl3):δ166.7、158.0、155.7、154.5、136.8、136.5、127.5、122.4、113.3、111.4、72.0、41.6、37.2、37.0、29.3、26.4、25.7、24.7、21.5ppm。
【0073】
実施例5
アセトニトリル中の99%ee (R)−1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール(5)の単離
80%eeの5の塩化メチレン溶液(1.0L;22.8g/L;22.8g、70ミリモル)を、減圧下で、100mLに濃縮し、溶媒をアセトニトリルに交換した。得られたスラリー混合物を、アセトニトリルを用いて総体積750mL(濃度約30g/L)に希釈し、65℃に加熱し、0.5時間またはすべての固体が溶液に溶解するまでエージングさせた。次いで、得られた溶液を45℃に冷却し、20分間エージングさせた。次いで、この得られた混合物を室温まで冷まし、室温で2時間攪拌した。上清をキラルHPLC(Chiralpak AD Analyticalカラム、4.6×250mm、5ミクロン細孔径;移動相:エタノール(+1v/v% ジエチルアミン);流速:2.0mL/分;注入量=10μL;検出=250nm、サンプル調製物=100倍希釈)で調べた。おおよその保持時間は、以下の通りであった:
【0074】
【表4】
【0075】
室温で2時間攪拌後、アセトニトリル溶液中の(R)−アリルアルコール5は、99%eeであると分析された。スラリー混合物を濾過し、(R)−アリルアルコール5を、アセトニトリル溶液として、HPLC面積率純度89.3%、キラル純度99%eeで単離した(745mL;22.9g/L;17.1g;回収率約75%)。
1H NMR(399.87MHz,CDCl3):δ8.61(s,2H)、7.04(d,J=7.3Hz,1H)、6.50(d,J=16Hz,1H)、6.34(dd,J=16.1,5.8Hz,1H)、6.32(d,J=7.3Hz,1H)、4.90(br s,1H)、4.37(m,1H)、3.64(br s,1H)、3.38(m,2H)、2.71(s,3H)、2.67(t,J=6.3Hz,2H)、2.56(t,J=7.4Hz,2H)、1.88(m,2H)、1.74〜1.64(om,4H)、1.48(m,2H)ppm。
13C NMR(100.55MHz,CDCl3):δ166.8、158.1、155.8、154.6、136.9、136.6、127.6、122.5、113.3、111.5、72.1、41.7、37.3、37.1、29.4、26.5、25.8、24.8、21.6ppm。
【0076】
実施例6
ウェット(Wet)酢酸エチル中の99%ee (R)−1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール(5)の単離
87%eeの5の塩化メチレン溶液(1.0L;22.8g/L;22.8g,67ミリモル)を減圧下で、268mLに濃縮し、溶媒を酢酸エチルに交換した。得られた5の酢酸エチルスラリー混合物の総含水量を、水(約3.70mL)を加えることによって1.5v/v%に調整した。得られたこのスラリーを室温で1〜2時間攪拌した。
【0077】
上清を、キラルHPLC分析によって、245nmと330nmの2つの波長で調べた。室温で1〜2時間攪拌した後、酢酸エチルと1.5v/v%の水との中の(R)−アリルアルコールは、(R)−5について、99%eeであると分析された。
【0078】
このスラリー混合物を濾過して、含水酢酸エチル溶液として(R)−アリルアルコール5を、キラルHPLC純度99%eeで単離した(268mL;68mg/mL;18.2g;回収率80%)。
【0079】
アルコール5は、結晶性固体として得ることができた。これは、第1の溶媒をヘプタンに交換し、次いで、体積約127mL(7体積/5のグラム)に濃縮することによって実現された。得られたスラリー混合物を濾過すると、単離収率76%、キラル純度99%eeで、5(17.3g)が得られた。
【0080】
実施例7〜10
「修飾された」BINAL−H試薬の他の例、およびエノン4の不斉還元におけるその使用を、以下に提供する。
【0081】
3−フェニル−1−プロパノール:
95% LiAlH4(0.46g、11.5ミリモル)を含有するフラスコに、THF(6mL)を加えた。このスラリーを60℃に加熱し、それに、98% 3−フェニル−1−プロパノール(1.6mL、11.6ミリモル)を60分かけて加えた。さらに60分スラリーをエージングさせた後、(R)−Binol(3.4g、11.9ミリモル)のTHF(7g)溶液を60分かけて加えた。このスラリーを60℃で60分エージングさせ、それに、TMEDA(3.5mL、23.2ミリモル)、続いてトルエン(10mL)を加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。
【0082】
4(0.45g、1.34ミリモル)のDCM(3.8g)溶液を、−65℃の修飾されたBINAL−Hスラリーに加えた。−60℃で60分間エージングさせた後、HPLC分析は0.7ミリモルのアリルアルコール(5は87%の鏡像体過剰率で存在)を示した。
【0083】
2−フェノキシエタノール:
95% LiAlH4(0.53g、13.3ミリモル)を含有するフラスコに、THF(6mL)を加えた。このスラリーを60℃に加熱し、それに、98% 2−フェノキシエタノール(1.7mL、13.3ミリモル)を60分かけて加えた。このスラリーをさらに60分エージングさせた後、(R)−Binol(4.0g、13.9ミリモル)のTHF(8g)溶液を、60分かけて加えた。このスラリーを60℃で60分エージングさせ、それに、TMEDA(4.0mL、26.5ミリモル)、続いてトルエン(10mL)を加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。
【0084】
4(0.72g、2.16ミリモル)のDCM(6.1g)溶液を、−65℃の修飾されたBINAL−Hスラリーに加えた。−60℃で60分間エージングさせた後、HPLC分析は0.5ミリモルのアリルアルコール(5は75%の鏡像体過剰率で存在)を示した。
【0085】
1−デカノール:
95% LiAlH4(0.51g、12.8ミリモル)を含有するフラスコに、THF(6mL)を加えた。このスラリーを60℃に加熱し、それに、99% 1−デカノール(2.5mL、13.0ミリモル)を、60分かけて加えた。このスラリーをさらに60分エージングさせた後、(R)−Binol(3.8g、13.2ミリモル)のTHF(7.8g)溶液を、60分かけて加えた。このスラリーを、60℃で60分エージングさせ、それに、TMEDA(3.9mL、25.9ミリモル)、続いてトルエン(10mL)を加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。
【0086】
4(0.77g、2.30ミリモル)のDCM(6.5g)溶液を、−65℃の修飾されたBINAL−Hスラリーに加えた。−60℃で60分間エージングさせた後、HPLC分析は、0.97ミリモルのアリルアルコール(5は84%の鏡像体過剰率で存在)を示した。
【0087】
1−ブタンチオール:
95% LiAlH4(0.50g、12.5ミリモル)を含有するフラスコに、THF(6mL)を加えた。このスラリーを60℃に加熱し、それに、1−ブタンチオール(1.3mL、12.1ミリモル)を60分かけて加えた。さらに60分スラリーをエージングさせた後、(R)−Binol(3.7g、12.8ミリモル)のTHF(7.6g)溶液を60分かけて加えた。このスラリーを60℃で60分エージングさせ、それに、TMEDA(3.8mL、25.2ミリモル)、続いてトルエン(10mL)を加えた。加熱浴を取り除き、このスラリーを終夜エージングさせた。
【0088】
4(0.77g、2.30ミリモル)のDCM(6.5g)溶液を、−65℃の修飾されたBINAL−Hスラリーに加えた。−60℃で60分間エージングさせた後、HPLC分析は0.96ミリモルのアリルアルコール(5は41%の鏡像体過剰で存在)を示した。
【0089】
実施例11
「修飾されていない」(R)−BINAL−H試薬を用いたエノン(4)の還元:
【0090】
【化18】
水素化アルミニウムリチウム(THFの1M溶液、0.516mL、0.516ミリモル)を、(R)−BINOL(0.15g、0.524ミリモル)のTHF(0.5mL)溶液にゆっくりと加えた。得られた溶液にエタノール(0.03mL、0.521ミリモル)を加え、この混合物を1時間、室温でエージングさせた。エノン4(0.050g、0.16ミリモル)を、THF(1.2mL)に加え、−70℃に冷却した。この混合物に、カニューレ経由で(−63℃に発熱)、(R)−BINAL−H溶液を加えた。この反応混合物を−70℃で終夜エージングさせ、その後、1mLのメタノールで急冷した。この粗反応混合物の分析は、分析収率80%のアリルアルコール((R)鏡像異性体は72%eeで存在)を示した。
【0091】
実施例12
(S)−オキサザボロリジン試薬を用いたエノン(4)の還元
【0092】
【化19】
トルエン(1.5mL、1.5ミリモル)とジクロロメタン(6mL)に入れた(S)−オキサザボロリジンの1.0M溶液を、窒素下でフラスコに装入した。この溶液に、ボラン−硫化メチル(0.14mL、1.5ミリモル)を加えた。この0.2M溶液(4mL、0.8ミリモル)のアリコートを、エノン4(202mg、0.60ミリモル)とトリエチルアミン(85μL、0.60ミリモル)のジクロロメタン(4mL)溶液に、−40℃に冷却しながら徐々に加えた。2時間攪拌した後、メタノール(5mL)を加え、この溶液を徐々に、周囲温度に温めた。この粗反応物の分析は、分析収率42%のアリルアルコール((R)鏡像異性体は92%の鏡像体過剰率で存在)を示した。
Claims (25)
- 構造式(I)
鏡像体過剰率が、(S)配置である鏡像異性体に対して少なくとも40%であり、
nが0、1、または2であり、
YがCHまたはNであり、
R1が水素、C1〜6アルキル、またはC1〜6アルコキシであり、
R2が水素、クロロ、ブロモ、またはヨードであり、
R3が水素、
C1〜8アルキル、
C3〜8シクロアルキル、
C3〜8シクロヘテロアルキル、
C3〜8シクロアルキル−C1〜6アルキル、および
C3〜8シクロヘテロアルキル−C1〜6アルキル
からなる群から選択される]
の化合物を調製する方法であって、構造式(II)
- 請求項1に記載の方法であって、エナンチオ選択的な不斉還元剤が、有機溶媒中で、水素化アルミニウムリチウムと、(R)−ビナフトールと構造式HXR4
(ただし
XがO、S、またはNHであり、
R4が、
C1〜10アルキル、
フェニル、
ナフチル、
ピリジル、
フェニル−C1〜3アルキル、
フェノキシ−C1〜3アルキル、
COR5、
SO2R5、
P(O)R5(OR5)、および
P(O)(OR5)2
からなる群から選択され、
各R5はそれぞれ独立に
C1〜6アルキル、
フェニル、および
フェニル−C1〜3アルキル
からなる群から選択され、ただし、フェニルおよびアルキルは置換されていないか、またはC1〜4アルコキシ、アミノ、および(C1〜4アルキル)1〜2アミノからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されている)
のプロトン源の各々ほぼ等量を混合することによって調製されたキラルな水素化アルミニウム試薬である方法。 - 前記有機溶媒が、ジエチルエーテル、MTBE、DME、ジグリム、THF、トルエン、またはそれらの混合物である請求項2に記載の方法。
- XR4がOC1〜4アルキルである請求項2に記載の方法。
- XR4がOEtまたはOMeである請求項4に記載の方法。
- 請求項2に記載の方法であって、キラルな水素化アルミニウム試薬が、構造式(III)
R4が、
C1〜10アルキル、
フェニル、
ナフチル、
ピリジル、
フェニル−C1〜3アルキル、
フェノキシ−C1〜3アルキル、
COR5、
SO2R5、
P(O)R5(OR5)、および
P(O)(OR5)2
からなる群から選択され、
各R5がそれぞれ独立に
C1〜6アルキル、
フェニル、および
フェニル−C1〜3アルキル
からなる群から選択され、
ただし、フェニルおよびアルキルは置換されていないか、あるいはC1〜4アルコキシ、アミノ、および(C1〜4アルキル)1〜2アミノからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されている]
の(R)−ビナフトールで修飾された水素化アルミニウムリチウム試薬である方法。 - XがOである請求項6に記載の方法。
- R4がメチルまたはエチルである請求項7に記載の方法。
- 有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーが、12−クラウン−4、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチルアミン、(S)−(+)−1−(2−ピロリジニル)−ピロリジン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)、およびN,N,N’,N’,N’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDTA)からなる群から選択される請求項6に記載の方法。
- 有機ポリアミンモディファイヤーが、TMEDAまたはPMDTAである請求項9に記載の方法。
- 前記反応溶媒が、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、MTBE、DME、ジグリム、テトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン、DMF、DMPU、NMP、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記反応溶媒が、THF、THFとトルエンの混合物、THFとトルエンとジクロロメタンの混合物、またはTHFとジクロロメタンの混合物である請求項11に記載の方法。
- 前記温度が約−60〜25℃の範囲である請求項1に記載の方法。
- nが1であり、YがNであり、R2およびR3が水素であり、R1が水素またはメチルである請求項8に記載の方法。
- 有機ポリアミンモディファイヤーが、TMEDAまたはPMDTAである請求項14に記載の方法。
- 構造式(I)の化合物が、(S)配置である鏡像異性体に対して約80〜90%の鏡像体過剰率で生成される請求項6に記載の方法。
- 適当な結晶化溶媒系からの(R,S)形の結晶化によって、(S)配置を有する副生した鏡像異性体の残留量を除去するさらなるステップを含む、請求項16に記載の方法。
- 前記結晶化溶媒系が、アセトニトリル、n−酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、酢酸エチルとアセトニトリルの混合物、酢酸エチルとヘプタンの混合物、酢酸エチルとエタノールの混合物、酢酸エチルとトルエンの混合物、およびC1〜6アルカノールとトルエン混合物からなる群から選択される請求項17に記載の方法。
- 前記結晶化溶媒系が、トルエンに対して2〜5%のn−プロパノール混合物である請求項18に記載の方法。
- 主として(R)鏡像異性体、および残留量の(S)鏡像異性体を含み、(R)鏡像異性体が、(S)鏡像異性体に対して少なくとも約90%の鏡像体過剰率で存在する、化合物1−(2−メチル−ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール。
- (R)鏡像異性体が、(S)鏡像異性体に対して少なくとも約98%の鏡像体過剰率で存在する請求項20に記載の化合物。
- 主として(R)鏡像異性体、および残留量の(S)鏡像異性体を含み、(R)鏡像異性体が(S)鏡像異性体に対して少なくとも約90%の鏡像体過剰率で存在する、化合物1−(ピリミジン−5−イル)−7−(5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]−ナフチリジン−2−イル)−ヘプト−1−エン−3−オール。
- (R)鏡像異性体が、(S)鏡像異性体に対して少なくとも約98%の鏡像体過剰率で存在する請求項22に記載の化合物。
- 前記のキラルな水素化アルミニウム試薬と構造式(II)の前記化合物のモル比が、約3:1である請求項2に記載の方法。
- 前記有機ポリアミン、ポリエーテル、またはポリアミノエーテルモディファイヤーと、前記不斉還元剤のモル比が、約0.1:1〜約3:1である請求項2に記載の方法。
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