JP2004510688A - サイトカイン放出調節剤としてのガロタンニン及びエラギタンニン - Google Patents

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Abstract

ガロタンニン及びエラギタンニンを使用してサイトカインの分泌を増大させるか又は阻害する手段及び方法が記載されている。好ましいサイトカイン放出阻害化合物は、これら化合物の炭水化物コアを誤って配列させるリンカー分子を有する二量体ガロタンニンである。好ましいサイトカイン放出促進ガロタンニン及びエラギタンニンはジアリールエーテルリンカー単位を含んでいる。構造的により複雑なエラギタンニンと比較して、本発明の化合物は構造的により単純であり、合成がより容易であり、そしてより強力である。

Description

【0001】
助成金参照条項
本発明は米国立保健研究所(NIH)の助成金、助成金番号GM35727によって資金が一部提供された。米国政府は本発明に一定の権利を有している。
発明の分野
本発明は、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)及びインターロイキン−1β(IL−β)を含むサイトカインの産生及び分泌調節剤としてのガロタンニン及びエラギタンニン、これらの合成、並びにサイトカイン放出の増大又は減少によって影響を受ける疾病及び状態におけるこれらの使用方法に関する。
発明の背景
ガロタンニン及びエラギタンニンは植物ポリフェノールの加水分解性タンニンクラスのメンバーである。タンニンは、1950年代に初めて単離されそして特徴づけられた植物界の至る所で見られる二次代謝産物である。今日までのところ、500を超えるエラギタンニンと200を超えるガロタンニンが同定されている。
【0002】
ガロタンニンは最も単純な加水分解性タンニンである。この種の化合物は没食子酸でアシル化されている炭水化物コア、通常はグルコースからなっている。ガロタンニン間の異形体はアノマー炭素における立体化学や炭水化物コアに関するガロイル化度の差異から生じる。
【0003】
より複雑なエラギタンニンはガロタンニンと同一の構築ブロックで構成されている。エラギタンニンに特徴的な定義は、多分2個のガロイル基間における分子内の酸化的C−Cカップリングによって形成される少なくとも1個のヘキサヒドロジフェノイル部分(HHDP)が存在することである。このHHDP単位は炭水化物コアの1,6−、1,3−、3,6−及び2,4−位の架橋として同定されているが、2位と3位間又は4位と6位間に最もしばしば見られる。
【0004】
エラギタンニンはモノマーか又はオリゴマーのどちらかであることができる。単純なエラギタンニン間の異形体は、アノマー炭素の立体化学並びにHHDP単位の数、位置及び立体化学における差異を含んでいる。より高順位のタンニンは二量体、三量体又は四量体であることができる。オリゴマーエラギタンニンの炭水化物コアは、恐らく2個のアノマーガロイル単位間の分子間のC−O酸化的カップリングによって形成されると思われるデヒドロジガロイル官能性か又はガロイル基とHHDP単位間の同様な結合のどちらかで結合されている。
【0005】
リポ多糖(LPS)又は細菌性内毒素は全てのグラム陰性菌の細胞壁の構成成分である。LPSの構造は共有結合している4つの部分:オリゴ糖で構成されているO−特異的鎖、オクツロソン酸(octulosonic acid)とヘプトピラノースからできている外部コア及び内部コア、並びに脂質膜アンカー、即ち末端リピドAからなっている。LPSに対する宿主免疫細胞の応答はサイトカイン、インターロイキン−1β(IL−1β)及びTNF−αの分泌に関係している。これらサイトカイン、特にTNF−αの過剰産生は敗血症や敗血性ショックを生じさせる可能性がある。
【0006】
敗血症は、グラム陰性菌感染によるLPSへの暴露の結果として低レベル(<1ng/mL)のTNF−αが産生されることによって引き起こされる。敗血症の特徴的な症状は低体温、発熱及び白血球数増加である。より高レベルのTNF−α(>100ng/mL)が産生されると潜在的に致死的な状態、敗血性ショックを生じさせる可能性がある。敗血性ショックは合衆国だけで1年当たり20,000人を超える死亡を引き起こしており、そして集中治療室における死亡の主要原因である。この状態は循環器虚脱を引き起こし、多臓器不全や心血管脱出を生じさせる。
【0007】
LPSのリピドA部分はこの分子の内毒素活性に介在する。このプロセスは細菌溶解で開始され、細菌の細胞壁からLPSが遊離されそしてリピドAが露出される。LPSは血清中の濃度が低いとLPS結合タンパク質(LBP)によって結合される。この二量体コンプレックスは末梢血単核細胞(PBMC)の膜結合レセプターCD14と結合する。CD14は、サイトカイン放出を生じさせるシグナル形質導入を開始するために、Tlr4として同定されている第2のレセプターと結合し(又はそうでない場合、該レセプターを活性化し)なければならない。高濃度のLPSでは、第2の膜結合レセプター、L−セレクチンと直接結合することができ、そしてこれもサイトカインを放出させる。
【0008】
LPSがどのようにしてLBPと相互作用するのか、又はLPS/LBPコンプレックスがどのようにしてCD14と結合するのかは分かっていない。合成及び天然の大腸菌リピドAは他の全ての合成及び天然リピドA試料と比較して最も高い内毒素毒性を示すことが知られている。内毒素活性を与える大腸菌リピドAの構造的特徴を同定する試みは否定的な結果をもたらした。大腸菌リピドAの構造の異形体は全て内毒素毒性の低下又は欠如を生じさせる。
【0009】
現在、敗血性ショックに対する広範囲に有効な治療法は存在していない。LPSで誘導される細菌性敗血症を阻害する現在の手法には、1)多分リピドA/レセプターの相互作用を遮断するLPSアンタゴニスト;又は2)敗血性ショック応答の種々の構成成分(LPS、TNF−α、TNF−αレセプター、LPSレセプター等)の配列を決定するように設計されているモノクローナル抗体を使用することが含まれる。前者の戦略は一般的に、非常に強力であるが規模拡大生産が不確実になるほど構造的に非常に複雑なリピドA類似体/誘導体か又はより入手し易いがはるかにより強力でない小分子作用剤のどちらかに依拠している。後者の手法は費用を懸念して妨げられ、そして結局インビボ有効性試験で期待はずれに終わった。
【0010】
TNF−αや他のサイトカインの過剰産生も幾つかの衰弱性疾患、例えば、らい病、リウマチ様関節炎及び悪液質の原因になっていると信じられており、そしてこの後者は、後期段階エイズ(AIDS)に関連して悪評を獲得している。従って、サイトカイン分泌を阻害することは多数の治療法の目標となってきている。
【0011】
TNF−αレベルを上昇させることは、腫瘍寛解を目標とした多数の治療レジメの重要なポイントであった。最も好ましいケースでは、比較的高濃度のTNF−αを腫瘍部位に直接投与するとメラノーマや肉腫を有する患者で著しい応答がもたらされた。バーバラ(Barbara)等、1996年。しかしながら、TNF−αの全身適用は、その重篤な炎症性効果(IL−1βに類似している)及び血清からの急速なクリアランス(t1/2 ≒6.5〜10.5分)の結果として、無効な治療法である。サンチェス−カンツ(Sanches−Cantu)等、1991年。
【0012】
加水分解性タンニンのエラギタンニンサブファミリーは500を超える構造的に特徴づけられたメンバーに及んでいる。中国及び日本由来のポリフェノールに富む民間薬でこれらの植物の二次代謝産物が果たす役割における関心の高まりから、強力な抗ウイルス及び抗癌治療剤としての有望性を有している幾つかのエラギタンニンが同定された。例えば、バーリンク(Berlinck)等(1995年)参照。
【0013】
コリアリインA及び構造的に関係のある種アグリモニインやゲミンAを含む多数のオリゴマーエラギタンニンは、IL−1βの産生増大によって肉腫−180腫瘍に感染したマウスで腫瘍退行を誘導することが見出されている。ミヤモト(Miyamoto)等、ケム.ファーム.ブル.(Chem. Pharm. Bull.)、1987年及びアンチキャンサー・レス.(Anticancer Res.)、1993年。モノマーエラギタンニン、テリマグランジンI、テリマグランジンII、β−D−PGG及びペダンクラギンは非常に有効性の低い抗腫瘍剤であることが見出されている。
【0014】
本発明者は今や、驚いたことに、或る種のガロタンニン及びエラギタンニンがTNF−αや他のサイトカインの産生のアップレギュレーション及びダウンレギュレーションのどちらかで役割を果たしていることを発見した。これら化合物の幾つかはTNF−αの分泌を低下させるのに有用であり、そしてそれによってTNF−αの過剰産生に関連した疾病、例えば敗血性ショック、らい病及び悪液質の治療法開発においてこれら化合物が適切になることが見出された。他のガロタンニンは腫瘍寛解に使用するためにTNF−αレベルを増加させるのに有効であることが見出された。
【0015】
従って、本発明の主要な目的は、ガロタンニン及びエラギタンニンを使用してサイトカイン、例えばTNF−α及びIL−1βの産生を調節するための組成物及び方法を提供することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、ガロタンニン及びエラギタンニンを使用して、TNF−α及び他のサイトカインのレベルを高めて腫瘍寛解を誘導するための組成物及び方法を提供することである。
【0017】
本発明の更なる目的は、ガロタンニンを使用して、IL−1β及びTNF−αを含むサイトカインの急性過剰産生に関連した疾病、例えば敗血症及び敗血性ショックを治療するための組成物及び方法を提供することである。
【0018】
本発明の未だ更なる目的は、ガロタンニンを使用して、IL−1β及びTNF−αを含むサイトカインのより低いレベルの慢性過剰産生に関連した疾病、例えばらい病、リウマチ様関節炎及び悪液質を治療するための組成物及び方法を提供することである。
【0019】
本発明の更なる目的は、低い毒性を有するガロタンニン及びエラギタンニンを使用してTNF−αの産生を調節するための組成物及び方法を提供することである。
【0020】
本発明の更なる目的は、インビボで有効なガロタンニン及びエラギタンニンを使用してTNF−αの産生を調節するための組成物及び方法を提供することである。
【0021】
本発明のなお更なる目的は、合成するのが単純で且つ製造するのが経済的なガロタンニン及びエラギタンニンを使用してTNF−α及び他のサイトカインの産生を調節するための組成物及び方法を提供することである。
【0022】
本発明のなお更なる目的は、LPSアンタゴニストであるガロタンニンを使用してTNF−α及び他のサイトカインの産生を調節するための組成物及び方法を提供することである。
【0023】
本発明の更なる目的は、LPSアゴニストであるガロタンニン及びエラギタンニンを使用してTNF−α及び他のサイトカインの産生を調節するための組成物及び方法を提供することである。
【0024】
本発明の未だ更なる目的は、サイトカインIL−1βの分泌を殆ど又は全く誘導しないガロタンニンを使用してTNF−α及び他のサイトカインの産生を調節するための組成物及び方法を提供することである。
【0025】
上記目的並びに他の目的の各々を達成する方法及び手段は以下の本発明の詳細な説明から明白になるであろう。
発明の要約
本発明は、ガロタンニン及びエラギタンニン、これらのプロドラッグ並びに類似体を使用してサイトカインの産生を調節するための方法及び組成物を記載する。詳細には、本発明の化合物は低い毒性を有しており、そしてこれらの構造に依存して、サイトカインアンタゴニスト又はアゴニストのどちらかとして機能するのに有効であることが見出されている。
【0026】
本発明のサイトカインアンタゴニストは、モノマーガロタンニン、β−ペンタガロイルグルコース、及び好ましい二量体ガロタンニンからなっており、その際上記化合物の2個の炭水化物コアを結合するリンカー分子はこれらコアの誤った配列を生じさせる。この点に関して、ジアリールエーテル分子は炭水化物コアを整列させ、そして上記化合物をサイトカインアゴニストとして機能させるので、上記リンカー分子はジアリールエーテルであってはならない。これらのアンタゴニストは敗血症/敗血性ショック並びにサイトカインの過剰産生に関連した他の慢性及び急性状態、例えば、らい病、リウマチ様関節炎及び悪液質の治療に有効である。
【0027】
本発明のアゴニストは、上記化合物の炭水化物コアを結合するエーテル結合を有する二量体ガロタンニン及びエラギタンニンである。これらの化合物はTNF−αの放出を促進し、そしてこれは順次IL−1β及び他のサイトカインの産生を誘導し、これら化合物を多数の抗癌戦略で有効にする。本発明は更に、コリアリインAの合成、並びにコリアリインAのモノマー前駆体、テリマグランジンIIのバイオ模擬的合成のための新規なスキームを含んでいる。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、TNF−αや他のサイトカインの分泌を調節するためにガロタンニン及びエラギタンニンを開発することに関係している。本発明は、タンニンがLPSと、少なくともTir4レセプターを利用するという程度まで同一の生物学的経路で作用するように思われるという発見に根拠を置いている。これらの構造に依存して、本発明のモノマー及び二量体ガロタンニンはTNF−α及び他のサイトカインの産生及び放出を増大させるか又は阻害するかのどちらかで有効である。本発明のTNF−αアンタゴニストは、サイトカインの分泌を減少させることによって、そして本発明の好ましい化合物に関しては、IL−1βの分泌を殆ど又は全く生じさせないことによって、敗血性ショック並びにTNF−α及び他のサイトカインの過剰産生に関連した他の疾病及び状態の治療で有効である。TNF−αアゴニストはTNF−α及び他のサイトカインの分泌を増大させるのに有効であり、そしてそれ故腫瘍に対して活性を有している。
【0028】
ここ数年の間、加水分解性タンニンのエラギタンニンサブファミリーのメンバーは、有機合成における多数の現代的な挑戦並びに抗癌及び抗敗血性ショック化学療法の両方における多数の感動的な機会を提供してきた。これらの加水分解性タンニンは配座的に自由でタンパク質が弱く結合しているガロタンニン(Kd≒mM)並びにエラギタンニンの両方を含んでいる。本発明以前には、後者のクラスのメンバーしか選択的な生物学的活性に必要な必須の程度のレセプター結合(IC50≒μM〜nM)を提供できないと信じられていた。
【0029】
本発明者は今や驚いたことに、単純なモノマー及び二量体ガロタンニン並びにエラギタンニンが、TNF−α及び他のサイトカインの選択的な放出又は放出阻害を提供するためにLPSレセプターとの必須の結合度を提供できることを発見した。エラギタンニンと比較してガロタンニン化合物は比較的合成し易く、そしてエラギタンニンと同様に低い細胞毒性度を示す。更に、本発明のガロタンニン及びエラギタンニンはTNF−αレセプターに対して、これまでに知られているタンニン化合物より一層特異的でさえあることが証明されており、そして抗癌及び抗敗血性ショック戦略における有効性を示している。
【0030】
上記したように、植物ポリフェノールのエラギタンニンファミリーは500を超える構造的に多様なメンバーのクラスに及んでいる。中国及び日本由来のタンニンに富む民間薬でこれらの植物の二次代謝産物における関心の高まりから、抗癌及び抗ウイルスアッセイで高レベルの活性を示す幾つかのエラギタンニンが同定された。これらのエラギタンニンは典型的には本来的に低い細胞毒性を示し、そしてそれ故、新しい治療法の開発において調査されてきた。
【0031】
幾つかのエラギタンニンのインビボ抗腫瘍能力の試験によって、二量体エラギタンニンは、モノマー(ガロ)エラギタンニンと比較して一層強力な腫瘍殺害剤であることが示されている。ミヤモト(Miyamoto)、ケム.ファーム.ブル.(Chem. Pharm. Bull.)、1987年。肉腫−180腫瘍接種の前又は後にマウスにタンニンを腹腔内投与すると同じ程度の腫瘍退行を示す。ミヤモト(Miyamoto)、ジャパン・ジェイ.ファーマコル.(Jpn. J. Pharmacol.)、1987年。これらの観察は、内在的に誘導可能な因子がエラギタンニンの抗腫瘍活性で役割を果たしている可能性があることを示唆していた。
【0032】
或る範囲のタンニンの抗腫瘍活性に関する分子基準でのミヤモト(Miyamoto)のインビボ試験によって、これらがマウス腹腔滲出細胞及びヒト末梢血単核細胞(h−PBMC)の両方によるインターロイキン−1β(IL−1β)分泌を刺激できることが明らかにされた。ミヤモト(Miyamoto)、ケム.ファー.ブル.(Chem. Phar. Bull.)、1987年。IL−1βは腫瘍殺害天然キラー細胞の活性をアップレギュレーションすることができ、そしてこのことはサイトカインがエラギタンニンのインビボ抗腫瘍活性に介在するというホクリク(Hokuriku)グループの示唆を増進している。ミヤモト(Miyamoto)、アンチキャンサー・レス.(Anticancer Res.)、1993年。
【0033】
本発明者は、予期されなかったことに、TNF−αが免疫介在性腫瘍寛解に関与するサイトカインであると思われることを見出した。それ故、今やタンニンがTNF−α分泌を刺激することが示されたので、IL−1βレベルに関するミヤモト(Miyamoto)の測定は実際には、発生期TNF−αに起因する少なくとも或る二次的な産生を反映していた可能性がある。
【0034】
本発明のTNF−αアゴニストは、ジアリールエーテル結合単位を有する二量体ガロタンニン及びエラギタンニンである。本発明の好ましい化合物は天然生起の二量体エラギタンニンコリアリインA及びアグリモニイン並びにコリアリインAのガロタンニン類似体である。コリアリインA及びアグリモニインの構造は以下に記載する:
【0035】
【化12】
Figure 2004510688
【0036】
【化13】
Figure 2004510688
【0037】
本発明の最も好ましい化合物は次の構造を有している:
【0038】
【化14】
Figure 2004510688
【0039】
理解され得るように、天然生起二量体エラギタンニンコリアリインAのこの類似体は、これがコリアリインAのO(4)/O(6)結合HHDP単位を欠いていることを除いて、親化合物と同一である。
【0040】
本発明のアゴニストの合成はまた、コリアリインA用の新しい合成プランのモデルとしても役立つ。加えて、コリアリインAのモノマー前駆体、テリマグランジンIIのバイオ模擬的合成も本明細書に記載されている。
【0041】
本発明のTNF−αアゴニストの合成に向けた戦略は2つの重要な問題:1)デヒドロジガロイルエーテル結合単位の形成、及び;2)立体化学的に制御されたβ−アノマーガロイル結合の確立に取り組まなければならない。アノマーエステル立体化学に加えて、テリマグランジンIIの合成には、1)HHDP部分の(S)−アトロプ異性体の立体選択的形成、及び2)分子内に存在する他の官能基と共存可能な態様でのアノマー中心の選択的な操作が必要である。Pb(OAc)−介在性酸化的ガロイルカップリングは立体化学的に確保された(S)−HHDP単位を製造するための骨の折れる戦略であることが証明されている。TNF−αアゴニスト及びテリマグランジンIIの両者におけるβ−アノマーガロイル結合は、適当な塩基の存在下で、適切に保護された中間体のアノマーヒドロキシ基とガロイルクロリドとのカップリングによって確保することができる。
【0042】
本発明者は、2個の活性化したβ−D−PGG単位を二量体化することによるバイオ模擬的アプローチを推し進めた。この経路は以下に示す:
【0043】
【化15】
Figure 2004510688
【0044】
このスキームでは、アルコール11のアシル化はトリエチルアミンの存在下でガロイルクロリド16を使用して達成され、そしてこれによってアノマー位で厳密にβ−立体化学を特徴とするペンタエステル17が得られた。化合物17の脱シリル化によってカテコール18が得られ、そしてこれはオルトクロラニルでオルトキノン19に酸化した。オルトキノン19は反応混合物からきれいに沈殿するので、この敏感な化合物を更に精製する必要が無くなる。オルトキノン19のB(OAc)−介在性ディールス−アルダー二量体化、続いての3工程の還元/配列転位によってパーベンジル化ガロタンニン二量体12が、オルトキノン19から出発して44%の収率で得られた。最終工程で、12中のベンジルエステルを水素化分解して二量体ガロタンニンが50%の収率で得られた。
【0045】
テリマグランジンII2の合成は既知のアセタール20で開始する。この合成スキームは以下を参照されたい:
【0046】
【化16】
Figure 2004510688
【0047】
この炭水化物コアの2及び3位のガロイル化によってジエステル21が78%の収率で得られる。21中のO(4),O(6)ベンジリデンアセタールの脱保護によって中間体ジオールが84%の収率で得られ、そしてこれは直ちに過剰の22によってO(4)及びO(6)位の両方でエステル化されてテトラガロイル化合物23が得られる。ビスシリルエーテル23の脱シリル化によって酸化的環化前駆体が得られる。このビスフェノール中のO(4)及びO(6)位におけるガロイル基の分子内PB(OAc)−介在性酸化的カップリングによって4,6−(S)−HHDPを有する化合物24a〜cが3つのレジオ異性体の混合物として67%の収率で得られる。24a〜c中のジフェニルメチレンケタールの水素化分解は予知できない反応であり、そしてそれ故2工程の脱保護/保護戦略を採用した。24a〜cのジフェニルメチレンケタールを80%のHOAcで開裂し、そして得られたヘキサフェノール化合物を直接ベンジル化して、25が今や1つの異性体として、2工程で50%の収率で得られる。
【0048】
全てのフェノール位にベンジルエステルが存在することは、これらエステルが後の中間体に好ましいクロマトグラフィー及び分光学的特性を与え、一方最終工程で純粋なポリフェノール生成物を産生する手段を保持しているので、テリマグランジンII合成の最終工程で有利であることが証明される。25のO(1)−ニトロベンジルエーテルの選択的な光化学開裂によって、遊離アノマーヒドロキシル基を特徴とするパーベンジル化テリマグランジンI誘導体26が66%の収率で得られる。トリエチルアミンの存在下でのこのアルコールによる3,4,5−トリベンジルベンゾイルクロリドのエステル化によって27が専らβ−エステル化生成物として41%の収率で得られる。最終工程で、27中のベンジルエーテルの水素化分解によって粗製のテリマグランジンIIが得られ、そしてこれはろ過及びヘキサンとジエチルエーテルによる磨砕を繰り返して精製することによって、2が灰色の固形物として30%の収率で得られる。化学的に合成したテリマグランジンII2のスペクトルデータは全て、天然に生起する化合物について発表されているデータと相関している。(S)−HHDPアトロプ異性体の存在はCD測定によって確認される。
【0049】
要約すると、ガロタンニンオルトキノン中間体からデヒドロジガロイルエーテル含有二量体ガロタンニンの最初の全合成が達成された。この合成は、このクラスの化合物の入手におけるオルトキノンのB(OAc)−介在性ディールス−アルダー二量体化の価値を示している。更に、テリマグランジンII、即ちコリアリインAの生物合成前駆体の合成が示されている。
【0050】
本発明のサイトカインアンタゴニストにはモノマーガロタンニンβ−PGG及びガロタンニン化合物の2個の炭水化物コアを結合している非ジアリールリンカー単位を有している好ましい二量体ガロタンニンが含まれる。
【0051】
本発明者は、モノマーガロタンニンβ−PGGがh−PBMCからのLPS誘導性TNF−α分泌の阻害において有効であることを発見した。β−PGGの構造を以下に記載する:
【0052】
【化17】
Figure 2004510688
【0053】
予備的なインビボ結果は、β−PGGがTNF−αや他のサイトカインの放出を阻害するのに有効であることを示している。本発明者は、β−PGGが他の血液タンパク質、例えばラット血清アルブミンと相互作用し得る小さなモノマーガロタンニンであるので、阻害を発揮するためには大量のβ−PGGが必要であることを見出した。加えて、たとえβ−PGGで処置したラットがより低いレベルのTNF−α分泌を示したとしても、低血圧の形態での敗血性ショック応答は依然として観察された。この生理学的効果は、敗血性ショックをもたらすことも示されているサイトカインIL−1βの分泌によるものであると考えられる。β−PGGはh−PBMCによる高レベルのIL−1β分泌を生じさせる。それ故本発明者は、その生物学的相互作用において一層選択的でありそしてIL−1βを殆ど又は全く放出しないTNF−αのインヒビターを見つけるために、他の二量体ガロタンニンを試験した。
【0054】
〔発明の効果〕
本発明の好ましいサイトカインアンタゴニストは、2個の炭水化物コアを結合しているリンカー単位を有する二量体ガロタンニンである。本発明のアゴニストのジアリールエーテル結合とは異なって、このサイトカインアンタゴニストのリンカー単位は炭水化物コアを誤って配列させ、そしてこれらの化合物にアンタゴニスト活性を与える。それ故、本発明のアンタゴニストのリンカー単位はジアリールエーテルであることはできない。
【0055】
好ましいアンタゴニストは次の一般的な構造を有している:
【0056】
【化18】
Figure 2004510688
【0057】
上記式中、Lは:
【0058】
【化19】
Figure 2004510688
【0059】
からなる群から選択される。これらの好ましい化合物はサイトカインの分泌をβ−PGGより低下させ、そしてPBMCにおけるLPS誘導性のTNF−αレベルを阻害することができる。
【0060】
本発明の最も好ましいアンタゴニストは:
【0061】
【化20】
Figure 2004510688
【0062】
からなる群から選択されるリンカー分子を有している。
【0063】
これらのアンタゴニストは、IL−1βを殆ど又は全く分泌させないので、最も好ましい。上記したように、サイトカインIL−1βはLPSで刺激される敗血性ショック応答でも放出される。IL−1βを殆ど又は全く分泌させない化合物は、これら自体が敗血性ショック応答をより少なく誘発するように思われるので、潜在的な敗血性ショック治療法に最適の化合物であろう。
【0064】
二量体ガロタンニンサイトカインアンタゴニストの合成は、以下の反応スキームに示されているように、適当なビス酸クロリドとアルコール22との直接的なカップリングに係わっている:
【0065】
【化21】
Figure 2004510688
【0066】
このカップリングに続いてベンジルエーテルを水素化することによって最終生成物17c〜21cが得られる。17b、18b及び21bを与えるカップリングはβ,β’アノマーに関して高いジアステレオ選択性で進行する。19bの合成には他の類似体より高い温度が必要である。この類似体は、H NMRで測定するとき4:1の比率のβ,β’対α,α’アノマー立体化学で得られる。α,α’アノマーのH(1)プロトンはβ,β’アノマーのH(1)プロトン(6.02ppm、J=9.8Hz)よりダウンフィールド(6.88ppm)に見られ、そしてより小さなカップリング定数(J=3.2Hz)を有している。20bの合成ではβ,β’、α,α’及びα,β’アノマーの混合物が得られる。しかしながら、上記アルコール22に20aを徐々に加えると主としてβ,β’異性体が得られる。αアノマーのH(1)プロトンは6.69ppmに見られ、そしてカップリング定数は4.15Hzである。
【0067】
酸クロリド19a及び20aは商業的に入手可能ではないが、容易に製造される。例えば、19aは、以下に示されているようにして、オキサリルクロリド及び触媒DMFを使用してビス酸23を酸クロリドに変換して製造することができる:
【0068】
【化22】
Figure 2004510688
【0069】
化合物21aは3工程で製造された。ジアリールエーテルエステル24はウルマンカップリングによって製造された。24を加水分解してビス酸25を得、そしてこれは、以下に示されているようにして、オキサリルクロリド及び触媒DMFによって酸クロリド21aに変換された:
【0070】
【化23】
Figure 2004510688
【0071】
本発明のサイトカインアゴニスト及びアンタゴニストは一般的に、癌、敗血性ショック並びにサイトカインの分泌を増加させるか又は阻害することが望ましい他の疾病及び状態の治療で使用することができる。本発明のガロタンニン及びエラギタンニンは製薬的に許容可能な担体と一緒に投与される。製薬的に許容可能な任意の担体は一般的に、この担体がガロタンニン及びエラギタンニンの安定性又は生体内利用効率を顕著には妨げない場合、上記目的に使用することができる。
【0072】
本発明のガロタンニン及びエラギタンニンは、ヒトや他の動物対象を含む温血動物に対して任意の効果的に製薬的に許容可能な形態、例えば局所、洗浄、経口、坐剤、非経口又は注入可能な投与形態で、局所、口腔内、舌下若しくは鼻スプレーとして又はこれら作用剤を送達するのに有効な任意の他の方法で投与することができる。投与経路は好ましくは、サイトカインレセプターに対するこれら作用剤の送達及び/又は局在性を最適化するように設計されるであろう。
【0073】
上記活性化合物、即ちガロタンニンに加えて、本発明の製薬組成物は、活性化合物から製薬的に使用できる製剤への加工を促進する適当な賦形剤や補助剤を含有することができる。経口投与形態には錠剤、カプセル、顆粒及び糖衣錠が含まれる。直腸に投与することができる製剤には坐剤が含まれる。他の投与形態には非経口的又は経口的に投与するのに適する溶液及び口腔内又は舌下的に投与することができる組成物が含まれる。
【0074】
本発明の製薬製剤は、当該技術分野でそれ自体周知の態様で製造される。例えば、これらの製薬製剤は慣用の混合、顆粒形成、糖衣錠製造、溶解、凍結乾燥プロセスによって製造することができる。使用されるプロセスは最終的には使用される活性成分の物理的特性に依存するであろう。
【0075】
適当な賦形剤は、特に糖類、例えばラクトース若しくはスクロース、マンニトール若しくはソルビトール、セルロース調製物及び/又はリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウム若しくはリン酸水素カルシウムのような充填剤、並びに、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドンを使用したデンプン、ペーストのような結合剤である。所望の場合、上記したデンプン並びにカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天若しくはアルギン酸又はこれらの塩、例えばアルギン酸ナトリウムのような崩壊剤を加えることができる。補助剤は、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸又はこれらの塩、例えばステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸カルシウム及び/又はポリエチレングリコールのような流れ調節剤及び滑沢剤である。糖衣錠のコアに、所望の場合胃液に対して抵抗性であることができる適当なコーティングを提供することができる。
【0076】
この目的には、濃縮された糖溶液を使用することができ、そしてこれは任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液並びに適当な有機溶媒若しくは溶媒混合物を含有していることができる。胃液に抵抗性のコーティングを得るために、アセチルセルロースフタレート又はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのような適当なセルロース調製物の溶液を、同定するためにか又は種々の組合せの化合物投与量を特徴づけるためには染料及び顔料を糖衣錠コーティングの錠剤に加えることができる。
【0077】
経口的に使用できる他の製薬製剤にはゼラチンでできているプッシュフィットカプセル、並びにゼラチンとグリセリン又はソルビトールのような可塑剤でできているシールされた軟カプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは上記活性化合物を顆粒の形態で含有していることができ、そしてこのような顆粒はラクトースのような充填剤、デンプンのような結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、並びに任意に、安定化剤と混合することができる。軟カプセルでは、上記活性化合物は好ましくは適当な液体、例えば脂肪油、液体パラフィン又は液体ポリエチレングリコールに溶解するか又は懸濁することができる。加えて、安定化剤を加えることができる。直腸で使用できる考えられる製薬製剤には、例えば、上記活性化合物と坐剤基剤との組合せ物からなっている坐剤が含まれる。適当な坐剤基剤は、例えば、天然又は合成トリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコール又は高級アルカノールである。加えて、上記活性化合物と基剤との組合せ物からなるゼラチン直腸カプセルを使用することもできる。考えられる基剤材料には、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール又はパラフィン炭化水素が含まれる。
【0078】
非経口投与に適する処方物には水溶性又は水分散性形態中の活性化合物の水溶液が含まれる。加えて、上記活性化合物の懸濁液を適当な油状注入懸濁液として投与することができる。適当な親油性溶媒又は媒体には脂肪油、例えばゴマ油又は合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチル又はトリグリセリドが含まれる。水性注入懸濁液は懸濁液の粘度を高める物質を含有することができ、そしてこれら物質には、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/又はデキストランが含まれる。このような組成物はまた、保存剤、湿潤化剤、乳化剤及び分散化剤のようなアジュバントを含んでいることもできる。これらはまた、例えば、細菌保持フィルターでろ過するか、又は該組成物中に滅菌剤を組み入れて滅菌することもできる。これらはまた、投与前に滅菌水、生理食塩液又は他の注射可能な媒体に溶解するか又は懸濁することができる無菌固形組成物の形態で製造することもできる。
【0079】
慣用の担体と共に投与することに加えて、活性成分は、当該技術分野の熟練者に知られている多様な特別の医薬品送達技術、例えば携帯用注入ポンプによって投与することができる。
【0080】
投与用の更なる処方物はレミントンズ・ファーマシューチカル・サイエンシズ(Remington’s Pharmaceutical Sciences)、第18版、ウイリィ・パブリッシング(Wiley Publishing)(1990年)(この開示はその全体を参考として本明細書に組み入れる)中に記載されている当該技術分野で知られている方法及び量に従って製造することができる。
【0081】
本発明の組成物は製薬的に許容可能な担体と一緒に、マラリア感染を予防しそして/又は活動的な感染を治療するのに十分な量で投与される。本発明のガロタンニンは極めて低い毒性と、たとえ高投与量であっても程度の低い副作用を有している。ガロタンニンの投与範囲は、多数の因子、例えば活動的な感染又は悪性腫瘍の予防又は治療に使用されるのかどうか、投与経路、所望の投与スケジュール等に依存して変動するであろう。ガロタンニン化合物は好ましくは製薬的な担体中に入れられ、そしてその際その製薬組成物中の該化合物の最終濃度は約1〜10重量%である。一般的に、このタイプの製薬組成物の投与量範囲はまさに1日当たり約10から約1000mlまでの範囲である。或いは、ガロタンニンの投与量は一般的に約0.1〜1000mg/kg/日の範囲であり、約0.1〜100mg/kg/日が好ましい。上記の投与量は単回投与量として投与することができ、又は投与するために多数回投与量に分割することができる。ガロタンニンは毎日1回〜数回投与することができる。
【0082】
ガロタンニン及びエラギタンニンに加えて担体成分と共存できる他の医薬品も上記製薬処方物中に組み入れることができる。当該技術分野の通常の技倆を有する者はこのような医薬品を容易に確認することができ、そしてこのような医薬品には、例えば、抗生物質、他の抗ウイルス剤、抗炎症剤等が含まれる。
【0083】
本発明は、上記したガロタンニン及びエラギタンニン化合物自体だけではなく、該化合物に代謝されるこれらのプロドラッグ並びにこれらの類似体及び生物学的に活性の塩形態、並びに同じ製薬的結果をもたらす光学異性体の使用も意図していることが理解される。
【0084】
以下の実施例は本発明を説明するために提供するものであって、限定するために提供するものではない。それ故、これらは、種々の処方修正並びに送達方法の修正がなされ、そしてこれらも依然として本発明の精神内であるという理解で提供されている。
【0085】
実施例1
二量体ガロタンニン及びエラギタンニンの合成
核磁気共鳴スペクトル(H NMR、13C NMR)は200、300又は360MHz(H)分光光度計のどれかで記録した。低解像の高速原子衝撃マススペクトル(FABMS)は、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)マトリックス又はニトロベンジルアルコール(NBA)マトリックス中で得た。高解像の高速原子衝撃マススペクトルはオースティンのテキサス大学(University of Texas)で実施された。円偏光二色性(CD)測定では200nm〜350nmの範囲の波長を使用した。スキャニングは、1mmのセル中25℃で、0.5nmの間隔で10.0秒の平均時間であった。使用した溶液(単数又は複数)の濃度は1mg/mLであった。液体(フラッシュ)カラムクロマトグラフィーは、32〜63μmのシリカゲル及び指示された溶媒を使用して実施した。燃焼分析はインディアナ州インディアナポリスのミッドウエスト・マイクロラブ(Midwest Microlab)又はテネシー州ノックスビルのガルブライス・ラボラトリーズ(Galbraith Laboratories)によって行われた。エーテル(EtO)及びテトラヒドロフラン(THF)は、窒素下でナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留して精製した。ベンゼン、塩化メチレン(CHCl)、メタノール及びトルエンは窒素下でCaHから蒸留した。水分感受性反応は、Arの不活性雰囲気下で予め乾燥したガラス器具中で実施した。H及び13C NMRスペクトルのコピーは、燃焼分析の対象ではなかった化合物についての純度を確立するためにサポート情報中で提供されている。
【0086】
修正ステグリッヒ(Steglich)エステル化反応:一般的な方法A。
適当なポリオール(1.0当量)、酸(1ヒドロキシル当たり1当量)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(0.5当量)、DMAP・HCl(0.5当量)及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1ヒドロキシル当たり1.25当量)の乾燥CHCl(酸中0.1M)中の溶液をArでパージし、そしてAr下で15〜20時間加熱還流した。この溶液を室温(rt)に冷却し、等容量のEtOで希釈し、セライトでろ過し、そしてこのろ液を1Mの氷冷HPO中に注いだ。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮した。この粗製生成物を、指示された溶媒を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0087】
修正ステグリッヒ(Steglich)エステル化反応:一般的な方法B。
適当なポリオール(1.0当量)、酸(1ヒドロキシル当たり1当量)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(0.5当量)、DMAP・HCl(0.5当量)及び1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(1ヒドロキシル当たり1.5当量)の乾燥CHCl(酸中0.1M)中の溶液をArでパージし、そしてAr下で15〜20時間加熱還流した。この溶液を室温に冷却し、セライトでろ過した。このろ液を等容量のEtOAcで希釈し、そして1Mの氷冷HPO中に注いだ。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮した。この粗製生成物を、指示された溶出液を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、所望のエステルを得た。
【0088】
シリルエーテル脱保護反応:一般的な方法C。
適当なt−ブチルジメチルシリル(TBDMS)保護グルコース誘導体(1.0当量)の乾燥THF(TBDMS−保護グルコース誘導体中0.01M〜0.05M)中の溶液にテトラ n−ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)のTHF中溶液(THF中1.0M溶液)(TBDMS基当たり1.5当量)を加えた。この反応物を室温で撹拌し、そしてTLCで追跡した(10〜45分)。指示された時間の終了時に、反応溶液を1Mの氷冷HPOで注意深く処理し、そして生成物をEtOで抽出した。EtO層を分離し、水、そしてその後食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮した。指示された溶媒を使用して粗製残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて純粋な生成物を得た。
【0089】
2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−α−D−グルコピラノース。
1,2,3,4,6−ペンタキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(7.0g、3.1mmol)を乾燥THF200mLと乾燥MeOH 100mLの混合物に溶解し、そして0℃に冷却した。この溶液中にアンモニアガスを10分間吹き込んだ。この反応物を0℃で30分間撹拌し、そしてその後室温に温め、そして更に2.5時間撹拌した。溶媒を除去し、続いてフラッシュカラムクロマトグラフィーでヘキサン中10%、25%、そしてその後50%のEtOAcを使用して溶出して、4.16g(73%)の2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−D−グルコピラノースを白色の固形泡状物(α、βアノマーの混合物)として得た。この生成物の一部(30mg)を分離用TLCでベンゼン中10%のEtOHを使用して更に精製した。IR(CHCl)3483、1725cm−1H NMR(CDCl、300MHz)δ 7.42〜6.64(m,68H)、6.23(t,J=9.9Hz,1H)、5.79(d,J=3.7Hz,1H)、5.70(t,J=9.9Hz,1H)、5.75〜4.65(m,27H)、4.29(dd,J=4.3Hz,12.1Hz,1H)、3.40(bs,1H);13C NMR(CDCl、90MHz)δ 166.7、165.7、165.4、165.1、152.54、152.50、152.4、143.1、142.9、142.8、142.7、142.6、137.4、137.35、137.3、136.6、136.45、136.4、136.33、136.3、128.5、128.4、128.33、128.2、128.1、128.07、128.05、128.0、127.94、127.9、127.86、127.8、127.78、127.56、127.51、127.4、127.3、124.6、124.1、123.9、109.4、109.3、109.1、90.4、75.1、75.0、72.8、71.2、71.1、70.9、70.0、67.6、63.1;MS(+FAB)1869(MH、0.5)。元素分析(C11810022として)計算値:C、75.80;H、5.35;実測値:C、76.13;H、5.45。
【0090】
3−ベンジロキシ−1,2−ジオキソシクロヘキサ−3,5−ジエン−5−安息香酸メチル。
−30℃に冷却したオルトクロラニル(1.97g、8.02mmol)のEtO 5mL中溶液に3−ベンジロキシ−4,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(2.0g、7.3mmol)のEtO 115mL中溶液を添加漏斗から6時間かけて滴下して加えた。この反応物を−30℃で更に0.5時間撹拌し、そしてその後−20℃で20時間貯蔵した。沈殿した赤色固形物をろ過して集め、冷EtOで洗浄し、そして真空ポンプで乾燥して1.11g(55%)のオルトキノンを得た。IR(CDCl)1727、1671cm−1H NMR(CDCl、300MHz)δ 7.41〜7.26(m,5H)、6.74(s,1H)、6.73(s,1H)、6.56(s,2H)、3.92(s,3H);13C NMR(CDCl、75MHz)δ 179.9、174.2、164.7、152.1、141.3、134.3、128.8、128.7、127.7、124.4、107.7、71.1、53.4;MS(−FAB)272(M−、12)。元素分析(C1512として)計算値:C、66.18;H、4.41;実測値:C、65.75;H、4.45。
【0091】
ジアリールエーテル。
上記オルトキノン(200mg、0.72mmol)を5mLのCDClに溶解し、B(OAc)(136mg、0.72mmol)を加え、そしてこの混成混合物を−2〜65℃(油浴温度)で15時間加熱し、そしてこの時点でH NMR分析によってオルトキノンは存在していないことが示された。この反応混合物を冷却し、そしてろ過した。B(OAc)ペレットを冷CHClで洗浄し、そしてろ液及び洗浄液を留去して褐色油状物を得、そしてこの油状物を直ちに5mLのHOAc中のNaOAc(60mg、0.76mmol)と共に2時間撹拌した。この反応混合物をEtOAcと水間に分配し、そして有機層を食塩水で洗浄しそして乾燥した(NaSO)。有機層を真空下で濃縮して黄色油状物を得、そしてこれをフラッシュカラムクロマトグラフィー(−78℃、アルゴン下)で精製して150mgのデヒドロジガロイルキノンのレジオ異性体混合物を黄色固形物として得た。このキノン混合物を直ちに8mLのTHF/2mLの水中のNa(180mg、1.08mmol)と共に0℃で10分間撹拌した。この間に、暗黄色の反応混合物は淡黄色溶液にまで脱色した。この反応混合物をEtOAcと水間に分配し、そして有機層を食塩水で洗浄しそして乾燥した(NaSO)。溶媒を真空下で除去して150mgの白色固形物(デヒドロジガロイルエーテルのレジオ異性体混合物)を得た。この粗製の白色固形物(150mg、0.27mmol)を、BnCl(126μL、1.10mmol)、KCO(190mg、1.37mmol)及びKI(27mg、0.16mmol)を使用して30mLの還流アセトン中で24時間ベンジル化した。この反応混合物を冷却し、セライトでろ過し、そしてろ液を真空下で濃縮して油状物を得、そしてこれをフラッシュカラムクロマトグラフィーで1:1のEtO:ヘキサンを使用して精製した。IR(CHCl)1718cm−1H NMR(CDCl、300MHz)δ 7.45〜7.13(m,27H)、6.90(d,J=1.8Hz,1H)、5.14(s,4H)、5.12(s,4H)、4.97(s,2H)、3.79(s,3H),3.71(s,3H);13C NMR(CDCl、90MHz)δ 166.4、165.2、152.6、149.9、146.8、146.5、142.5、141.7、137.9、136.8、136.7、136.6、136.3、128.61、128.6、128.5、128.34、128.3、129.2、128.1、127.96、127.9、127.7、127.5、125.0、119.8、110.8、109.14、109.12、75.6、75.3、75.1、71.4、71.2、52.3、52.1;MS(−FAB)816.5(M、100)、HRFABMS。C514410として計算値:816.2934;実測値:816.2933。
【0092】
3,4,5,3’,4’−ペンタベンジロキシデヒドロジ没食子酸。
MeOH:水の3:1混合物16mL中のジアリールエーテル(0.30g、0.37mmol)及び水酸化リチウム水和物(0.15g、3.7mmol)を還流させ、そしてそこでTLCでモニタリングしながら3.5時間保持した。この反応混合物を冷却し、そして溶媒を真空下で除去した。残渣を、ヘキサン中50%のEtOAc、そしてその後EtOAc中1%のHOAcを溶出液として使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけて、0.18g(62%)のジ酸を白色固形物として得た。IR(KBrペレット)2629、1688cm−1H NMR(アセトン−d、300MHz)δ 7.57〜7.17(m,27H)、6.96(d,J=1.7Hz,1H)、5.26(s,2H)、5.22(s,2H)、5.20(s,2H)、5.15(s,2H),5.01(s,2H);13C NMR(アセトン−d、50MHz)δ 167.2、165.9、153.8、150.9、150.5、149.0、147.5、147.2、143.1、142.5、139.1、138.0、137.9、137.7、137.6、129.4、129.3、129.2、129.1、128.97、128.92、128.9、128.8、128.7、128.5、128.3、128.2、126.3、121.3、111.7、109.8、76.1、75.9、75.6、71.9、71.7、52.2、52.0;MS(+FAB)788.5(M、100)、HRFABMS。C494010として計算値:788.2621;実測値:788.2614。
【0093】
1−O−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−α−D−グルコピラノシルトリクロロアセトイミデート。
2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−D−グルコピラノース(1.0g、0.54mmol)の乾燥ベンゼン10mL中溶液を脱脂水素化ナトリウム(0.014g、0.58mmol)に加え、続いてトリクロロアセトニトリル(536μL、5.20mmol)を添加し、そして得られた溶液を室温で18時間撹拌した。この反応物を水で希釈し、そして生成物をEtOAc 25mL中に抽出した。有機層を分離し、そして食塩水で洗浄しそして乾燥した(NaSO)。この溶液を真空下で濃縮しそしてフラッシュカラムクロマトグラフィーでヘキサン中10%、そしてその後20%のEtOAcを溶出液として使用し精製して、0.90g(84%)の1−O−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−α−D−グルコピラノシルトリクロロアセトイミデートを白色固形物として得た。IR(CHCl)3342、1728、1678cm−1H NMR(CDCl、300MHz)δ 8.65(s,1H)、7.41〜7.15(m,68H)、6.88(d,J=3.6Hz,1H)、6.21(t,J=10.1Hz,1H)、5.73(t,J=10.1Hz,1H)、5.54(dd,J=3.7Hz,10.2Hz,1H)、5.13〜4.88(m,24H)、4.82〜4.65(m,2H)、4.32(dd,J=5.0Hz,12.2Hz,1H);13C NMR(CDCl、90MHz)δ 165.54、165.50、165.1、165.0、160.5、152.60、152.57、152.51、152.50、143.3、143.1、142.8、137.4、137.3、136.6、136.5、136.4、136.3、128.52、128.50、128.43、128.40、128.34、128.30、128.24、128.20、128.13、128.11、128.10、128.0、127.96、127.9、127.82、127.8、127.6、127.52、127.50、124.6、123.9、123.5、109.6、109.4、109.2、109.1、93.2、90.8、75.1、71.3、71.21、71.20、71.11、71.1、70.8、69.2、62.8;MS(+FAB)2012(MH、78)。元素分析(C120100ClNO22として)計算値:C、71.61;H、4.97;Cl、5.22;N、0.70;実測値:C、71.61;H、5.07;Cl、5.42;N、0.72。
【0094】
1−O−3,4,5−トリアセトキシベンゾイル−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。
1−O−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−α−D−グルコピラノシルトリクロロアセトイミデート(170mg、0.08mmol)及び3,4,5−トリアセトキシ安息香酸(25mg、0.08mmol)の乾燥トルエン0.8mL中溶液を還流させ、そしてそこで18時間保持した。この反応物を冷却し、そして溶媒を真空下で除去し、そして残渣を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーでヘキサン中20%、40%、そしてその後60%のEtOAcを溶出液として使用し精製して60mg(33%)の1−O−3,4,5−トリアセトキシベンゾイル−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを白色固形物として得た。IR(CHCl)1738、1731cm−1H NMR(CDCl、300MHz)δ 7.81(s,1H)、7.46〜7.16(m,69H)、6.27(d,J=8.2Hz,1H)、6.05(t,J=9.7Hz,1H)、5.81(t,J=9.1Hz,1H)、5.69(t,J=9.6Hz,1H)、5.15〜4.88(m,24H)、4.75(d,J=10.1Hz,1H)、4.42〜4.32(m,2H)、2.27(s,3H)、2.25(s,6H);13C NMR(CDCl、90MHz)δ 167.6、166.4、165.8、165.2、165.1、162.9、152.8、152.73、152.7、143.8、143.3、142.7、139.7、137.7、137.6、137.5、136.9、136.7、136.6、136.5、128.7、128.6、128.53、128.50、128.4、128.3、128.21、128.20、128.1、128.0、127.8、127.79、127.75、126.8、124.7、123.8、123.7、123.1、109.6、109.5、109.3、109.2、93.3、75.33、75.3、73.53、73.5、71.4、71.3、71.2、69.9、63.4、20.8、20.3;MS(+FAB)2147(MH、25)。元素分析(C13111029として)計算値:C、73.25;H、5.13;実測値:C、72.84;H、5.34。
【0095】
3,4−ジ−tert−ブチルジメチルシロキシ−5−ベンジロキシ安息香酸。
3−ベンジロキシ−4,5−ジヒドロキシ安息香酸(3.00g、11.5mmol)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(4.34g、28.8mmol)のDMF 13mL(反応物質を溶解するために必要な最小限度の量)中溶液をN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(6.0mL、35mmol)で処理した。この濁った褐色溶液を室温で18時間撹拌し、そしてこの時点でTLCによって出発物質が完全に存在していないこと及び3,4−ジ−t−ブチルジメチルシロキシ−5−ベンジロキシ安息香酸が3,4−ジ−tert−ブチルジメチルシリル(3,4−ジ−tert−ブチルジメチルシロキシ−5−ベンジロキシ)ベンゾエートと一緒に存在していることが示された。この反応混合物を20mLの1M HPOで処理し、そして200mLのEtOで抽出した。有機層を分離し、そして水(10×50mL)、そしてその後食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして真空下で濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィーでヘキサン中10%、そしてその後25%のEtOAcを使用して溶出し精製して、1.53gの標題化合物を白色固形物として、3.61gの黄色油状物としての3,4−ジ−tert−ブチルジメチルシリル(3,4−ジ−tert−ブチルジメチルシロキシ−5−ベンジロキシ)ベンゾエートと一緒に得た。このシリルエステル生成物をHOAc:THF:水の1:6:2溶液60mL中室温で2.5時間撹拌し、そしてこの時点でTLCによって標題化合物しか存在しないことが示された。この反応溶液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液で処理し、そしてEtOAc中に抽出した。有機層を分離し、そして水、そしてその後食塩水で洗浄し、そして乾燥した(NaSO)。溶媒を真空下で除去し、続いて残渣をヘキサンで磨砕して、更に2.52gの3,4−ジ−tert−ブチルジメチルシロキシ−5−ベンジロキシ安息香酸(2工程で4.05g、71%)を得た。IR(CHCl)3504、1684cm−1H NMR(CDCl、300MHz)δ 7.42〜7.33(m,7H)、5.05(s,2H)、0.99(s,9H)、0.90(s,9H)、0.24(s,6H)、0.07(s,6H);13C NMR(CDCl、75MHz)δ 171.9、151.2、147.7、136.2、128.6、128.4、128.2、116.3、107.8、70.9、26.1、25.8、19.0、18.6、−3.8、−4.1;MS(+FAB)488(MH、52)。元素分析(C2640Siとして)計算値:C、63.93;H、8.19;実測値:C、64.17;H、8.00。
【0096】
3,4−ジ−tert−ブチルジメチルイソロキシ−5−ベンジルオキシベンゾイルクロライド。30mLのCHCl中の3,4−ジ−tert−ブチルジメチルシロキシ−5−ベンジルオキシ安息香酸(1.50g、3.07mmol)の溶液を、オキサリルクロライド(295μL、3.38mmol)、次いで触媒量のDMFで処理した。反応を、TLCによるモニターを伴って室温で攪拌した。2時間後、開始材料の消費が示され、そして減圧下での溶媒の除去、および高減圧下での乾燥は、1.55g(100%)の産物を提供した。IR(CHCl)1742cm−1;1H NMR(CDCl 300MHz)δ7.44〜7.34(m、7H)、5.05(s、2H)、0.99(s、9H)、0.90(s、9H)、0.26(s、6H)、0.07(s、6H);13C NMR(CDCl、75MHZ)δ167.3、151.3、147.9、143.9、135.7、128.8、128.5、128.4、124.6、118.2、108.9、71.2、26.0、25.7、18.7、18.6、−4.0、−4.1;MS(+FAB)(MH+24)。HRFAMBS C2639SiClについての算定:507.2154;検出507.2126。
【0097】
1−O−(3,4−ジ−tert−ブチルジメチルシロキシ−5−ベンジルオキシベンゾイル)−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。
【0098】
トリエチルアミン(116μL、1.62mmol)を、12mLの乾燥CHCl(アルコール中の0.05M)中の2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−D−グルコピラノース(1.00g、0.54mmol)および3,4−ジ−tert−ブチルジメチルイソロキシ−5−ベンジルオキシベンゾイルクロライド(0.33g、0.65mmol)に添加し、そして溶液を室温で18時間攪拌した。反応を、10mLの1M HClで処置し、そして25mLのEtOAcで抽出した。有機層を分離し、そして水、次いで鹹水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして減圧下で濃縮した。溶出液としてヘキサン中の10%、次いで25%のEtOAcを使用する粗混合物のフラッシュカラムクロマトグラフィーは、白色固体の気泡として0.96g(76%)の1−O−(3,4−tert−ブチルジメチルシロキシ−5−ベンジルオキシベンゾイル)−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを与えた。IR(CHCl)1732cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ7.48〜7.18(m、75H)、6.28(d、J=8.2Hz、1H)、6.08(t、J=9.7Hz、1H)、5.88(dd、J=9.9Hz、8.3Hz、1H)、5.78(t、J=9.6Hz、1H)、5.17〜4.79(m、27H)、4.43〜4.38(m、2H)、0.98(s、9H)、0.87(s、9H)、0.25(s、3H)、0.20(s、3H)、0.03(s、3H)、0.02(s、3H);13C NMR(CDCl、75MHZ)δ165.6、165.5、164.9、164.7、164.4、152.5、152.4、152.3、151.1、147.7、143.1、143.0、142.9、142.5、142.2、137.4、137.3、137.2、136.3、135.9、128.7、128.5、128.4、128.35、129.32、128.24、128.21、128.1、128.06、128.03、127.96、127.90、127.81、127.7、127.5、127.4、124.5、123.8、123.7、123.66、123.6、120.0、116.1、109.3、109.1、107.8、92.7、75.1、75.0、73.5、73.1、71.1、71.0、70.9、70.8、69.8、63.2、26.0、25.7、18.5、18.4、−3.4、−3.5;分析 C14413826Siについての算定:C、73.90;H、5.90:検出;C、73.91;H、5.94。
【0099】
1−O−(2−ベンジルオキシ−4,5−ジヒドロキシベンゾイル)−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。一般的な手順Cを使用することによって、1−O−(3,4−ジ−tert−ブチルジメチルシロキシ−5−ベンジルオキシベンゾイル)−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(1.10g、0.47mmol)(THF中の0.02M溶液)を、45分間脱ケイ素化して、溶出液としてヘキサン中の10%、25%、次いで50%のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーの後に、0.80g(80%)の1−O−(3−ベンジルオキシ4,5−ジヒドロキシベンゾイル)−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを提供した。IR(CDCl)3534、1732cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ7.45〜7.16(M、75H)、6.24(d、J=8.1Hz、1H)、6.04(t、J=9.6Hz、1H)、5.96(bs、1H)、5.83(dd、J=9.7、8.1Hz、1H)、5.73(t、J=6Hz、1H)、5.50(bs、1H)、5.14〜4.76(m、27H)、4.43〜4.34(m、2H);13C NMR(CDCl、75MHZ)δ165.6、165.5、165.0、164.9、164.3、152.59、152.57、152.47、145.7、143.7、143.3、143.2、143.1、142.6、138.1、137.5、137.3、136.4、136.3、135.6、128.7、128.6、128.5、128.45、128.40、128.3、128.2、128.1、128.09、128.06、127.9、127.8、127.5、124.6、128.8、123.7、123.6、119.9、111.9、109.4、109.3、109.2、106.7、92.9、75.1、75.08、73.4、73.37、73.3、71.4、71.34、71.3、71.22、71.2、71.1、69.9、63.2;C13211026について算定された分析:C,75.07;H5.21;検出C、74.88;H、5.22。
【0100】
1−O−(3−ベンジルオキシ1,2−ジオキソシクロヘキサ−3,5−ジエン−5−ベンゾイル)−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。−30℃に冷却した4mLの乾燥EtO中のオルトクロラミル(100mg、0.38mmol)(オルトクロラミル中の0.1M)に、12mLの乾燥EtO(ジフェノール中の0.03M)中の1−O−(2−ベンジルオキシ−4,5−ジヒドロキシベンゾイル)−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(0.80g、0.38mmol)の溶液を、1.5時間にわたって、付加漏斗を介して滴下して添加した。添加が完了した後、得られる濃赤色の溶液をさらに3時間−30℃にて攪拌し、次いで冷凍庫において−20℃で18時間保存した、沈殿された赤色固体を濾過によって回収し、冷却EtOで洗浄し、そして減圧ポンプにおいて乾燥して、0.53g(66%)の産物を赤色の非結晶性の固体として得た。IR(CDCl)1730、1672cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ7.45〜7.17(M、73H)、6.79(d、J=1.4Hz、1H)、6.47(s、1H)、6.13(d、J=7.9Hz、1H)、6.03(t、J=9.6Hz、1H)、5.74(t、J=9.2Hz、2H)、5.15〜4.85(m、26H)、4.79(d、J=9.5Hz、1H)、4.41〜4.32(m、2H);13C NMR(CDCl、90MHZ)δ179.6、173.8、165.6、165.5、164.9、164.8、162.8、152.6、152.5、152.4、143.3、143.2、140.1、137.4、137.3、136.6、136.3、136.2、134.2、128.8、128.6、128.5、128.49、128.42、128.3、128.2、128.14、128.10、127.99、127.92、127.88、127.85、127.83、127.76、127.5、125.6、124.4、123.4、123.3、109.4、109.3、109.2、106.8、93.8、75.1、73.5、72.9、71.2、71.18、71.12、71.0、69.3、62.8;MS(+FAB)2109(MH+、21)。分析C18210826についての算定:C,75.14;H5.12;検出:C、74.75;H、5.29。
【0101】
ベンジル化2量体12。オルトキノリン(100mg、0.047mmol)を、1.5mLの(CDCl)B(OAc)(10mg、0.052mmol)中に溶解し、そして添加し、そして異種混合物を62〜65℃(油浴温度)で24時間加熱し、24時間の時点での1H NMR分析は、オルトキノリンの不在を示した。反応混合物を冷却し、そして濾過した。残渣をCHClで洗浄しそして濾液および洗浄液をエバポレートして赤味がかった茶色の固体を得、これを即座にHOAc(2mL):THF(0.5mL)中のNaOAc(4mg、0.052mmol)で2時間処理した。この反応混合物をEtOAcと水との間で分配した。EtOAc層を鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、そして減圧下で濃縮して、黄色の残渣を得た。溶出液としてヘキサン中の10%、次いで50%のEtOAcを使用する−78℃でのフラッシュカラムクロマトグラフィーは、78mgの固体を提供し、これを即座に10mLの8:2 THF:水中のNaSO(2mg、0.071mmol)で10分間、0℃で処理した。暗黄色の反応混合物は、この時間にわたって淡黄色の溶液に脱色された。反応混合物をEtOAcと水との間で分配し、そして有機相を鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、そして減圧下で濃縮して、白色の固体を得、これを高減圧下で乾燥した。粗白色固体(78mg、0.018mmol)を、5mLの還流アセトン中の塩化ベンジル(9μl、0.07mmol)、ならびにKCO(13mg、0.09mmol)およびKI(92mg、0.01mmol)で24時間ベンジル化した。反応混合物を冷却し、Celiteを介して濾過し、そして濾液で減圧下で油に濃縮し、これを溶出液としてヘキサン中の10%、次いで20%のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、46mg(4工程を介して、44%)の過ベンジル化2量体ガロタンニンを供給した。IR(CHCl)1731cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ7.64〜7.05(m、163H)、7.04(s、1H)、6.23(d、J=8.1Hz、1H)、6.08(m、2H)、5.94(t、J=9.8Hz、1H)、5.84(t、J=9.0Hz、1H)、5.74(t、J=9.7Hz、1H)、5.70〜5.62(m、2H)、5.15〜4.70(m、59H)、4.58〜4.31(m、5H);13C NMR(CDCl、90MHZ)δ169.0、165.62、165.6、165.0、164.9、164.7、164.2、152.6、152.54、152.5、143.3、143.21、143.2、143.1、142.7、137.5、137.4、136.7、136.5、136.4、136.3、128.51、128.5、128.42、128.4、128.3、128.2、128.1、128.0、127.9、127.8、127.61、127.6、127.5、124.6、123.7、123.6、123.3、19.5、109.41、109.4、109.2、93.0、92.2、75.1、73.5、73.3、73.2、71.4、71.3、71.2、71.1、71.0、69.8、69.7、63.1、;MS(+FAB)4493(MH+、35)。分析C28523652についての算定:C,76.20;H5.26;検出:C、76.07;H、5.52。
【0102】
フェノール2量体。25mLの乾燥THF中の2量体の溶液(32mg、0.007mmol)およびC上の10%pd(6mg、20重量%)を、1気圧でのHのバルーン下で20時間、室温にて攪拌し、アルゴンで数回パージした。Celiteを介して2回濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られる茶灰色の残渣をEtO、ヘキサン、次いでベンゼンですり砕いて6mg(50%)の脱ベンジル化された2量体ガロタンニンを淡灰色の固体として得た。H NMR(アセトン−d 300MHz)δ7.42〜6.93(m、18H)、6.78(s、1H)、6.32(d、J=8.3Hz、1H)、6.18(d、J=8.3Hz、1H)、6.09〜5.87(m、2H)、5.69〜5.39(m、4H)、4.56〜4.25(m、6H);13C NMR(アセトン−d、90MHZ)δ169.4、166.4、165.9、165.8、165.6、165.5、164.9、146.0、145.8、139.3、139.1、129.3、129.2、128.5、121.5、120.7、120.6、120.0、110.4、110.3、110.1、93.4、92.9、74.0、73.3、71.8、69.3、69.2、66.9、62.8、;MS(+FAB)1879(MH+、22)、1901(M+Na+、36)。HRFABMS C826252についての算定:1878.2207;検出:1878.2190:C826252Naについての算定:1901.2105;検出:1901.2085。
【0103】
2−ニトロベンジル 4,6−O−ベンジリデン−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。一般的な手順Aの使用によって、2−ニトロベンジル 4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシド(5.20g、12.9mmol)、および3,4,5−トリベンジルオキシ安息香酸(11.4g、25.8mmol)を結合して、続いて溶出液としてヘキサン中の10%、次いで20%のEtOAcを使用するラッシュカラムクロマトグラフィーを行って、12.6g(78%)の2−ニトロベンジル 4,6−O−ベンジリデン−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを白色固体の気泡として得た。IR(CDCl)1728cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ8.06〜8.03(m、1H)、7.67〜7.64(m、1H)、7.44〜7.17(m、41H)、5.78(t、J=9.5Hz、1H)、5.60〜5.55(m、2H)、5.33(d、J=15.4Hz、1H)、5.12〜4.99(m、13H)、4.94(d、J=7.8Hz、1H)、4.49(dd、J=10.3Hz、4.6Hz、1H)、3.99〜3.87(m、2H)、3.77(dd、J=9.4Hz、4.7Hz、2H);13C NMR(CDCl、75MHZ)δ165.2、164.9、152.5、152.4、146.6、142.8、142.7、137.3、136.6、136.5、136.4、133.8、133.7、129.1、128.4、128.3、128.2、128.1、128.06、128.0、127.9、127.8、127.5、127.4、126.1、124.3、124.0、109.3、109.2、101,5、101.3、78.7、75.1、72.1、72.2、71.2、68.5、68.1、66.8、;MS(+FAB)1248(MH+、22)、分析C7665NO16についての算定:C、73.13;H、5.21;N、1.12;検出:C、73.11;H、5.17;N、0.92。
【0104】
2−ニトロベンジル 2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。17mLの乾燥CHOHおよび17mLの乾燥CHCl中の2−ニトロベンジル 4,6−O−ベンジリデン−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(1.4g、1.1mmol)およびヨウ素(0.28g、1.1mmol)の溶液を還流にて、Ar下で48時間加熱した。溶液を室温に冷却した。Naの飽和水溶液で処理し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、水、次いで鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、そして減圧下で濃縮した。ベンゼン中の30%、次いで50%のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーは、1.10g(84%)の2−ニトロベンジル 2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを白色固体の気泡として提供した。IR(CHCl)1726cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ8.04〜8.01(m、1H)、7.64〜7.60(m、1H)、7.43〜7.17(m、36H)、5.53(dd、J=9.7Hz、8.0Hz、1H)、5.33〜5.27(m、2H)、5.13〜4.83(m、13H)、4.96(d、J=8.0Hz、1H)、4.91〜4.84(m、1H)、4.04〜3.93(m、3H)、3.64〜3.60(m、1H)、3.56(bs、1H);13C NMR(CDCl、75MHZ)δ167.5、165.1、152.6、146.8、137.3、136.4、133.8、133.7、128.52、128.5、128.44、128.4、128.14、128.1、127.99、127.91、127.6、127.53、127.5、124.7、124.0、123.5、109.3、109.2、100.7、78.1、75.1、71.6、71.2、71.1、71.0、69.9、68.1、62.1;MS(+FAB)1159(M+、18)、分析C6961NO16についての算定:C、71.44;H、5.26;N、1.21:検出;C、71.30;H、5.45;N、1.18。
【0105】
2−ニトロベンジル 4.6−ビス(3−tert−ブチルジメチルシロキシ−4,5−ジフェニルメチレンジオキシベンゾイル)−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。一般的な手順Bを使用して、2−ニトロベンジル 2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(2.10mg、1.81mmol)を、3−tert−ブチルジメチルシロキシ−4,5−ジフェニルメチレンジオキシ安息香酸(1.62g、3.62mmol)と結合し、続いて溶出液としてヘキサン中の10%、次いで20%のEtoAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーを行って、2.99g(80%)の2−ニトロベンジル 4.6−ビス(3−tert−ブチルジメチルシロキシ−4,5−ジフェニルメチレンジオキシベンゾイル)−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを白色固体の気泡として得た。IR(CHCl)1729cm−1H NMR(CDCl 75MHz)δ8.05(d、J=1.3Hz、1H)、7.98(d、J=4Hz、1H)、7.70〜7.15(m、60H)、5.84(t、J=9.7Hz、1H)、5.67〜5.56(m、2H)、5.31(d、J=15.2Hz、2H)、5.13〜4.89(m、14H)、4.64(d、J=10.6Hz、1H)、4.38〜4.32(m、1H)、4.15〜4.12(m、1H)、0.99(s、9H)、0.96(s、9H)、0.19(s、6H)、0.18(s、6H);13C NMR(CDCl、75MHZ)δ165.6、165.3、164.9、164.4、152.5、148.6、146.8、142.8、142.0、141.7、139.9、139.6、138.6、137.4、136.5、133.7、129.2、128.9、128.4、128.3、128.1、128.0、127.6、127.5、126.2、124.6、124.2、124.0、123.5、122.5、119.1、118.1、118.2、109.3、109.1、104.1、100.1、75.1、75.0、733.3、72.8、72.3、71.2、71.1、68.9、68.3、62.5、26.5、26.05、26.04、18.3、18.2、−4.0:MS(+FAB)2020(MH+、23)、分析C121113NO24Siついての算定:C、71.92;H、5.59;N、0.69;検出:C、71.16;H、5.80;N、0.58。
【0106】
2−ニトロベンジル 4.6−ビス(3,4−ジフェニルメチレンジオキシ−5−ヒドロキシベンゾイル)−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。一般的な手順Cの使用によって、2−ニトロベンジル 4.6−ビス(3−tert−ブチルジメチルシロキシ−4,5−ジフェニルメチレンジオキシ−ベンゾイル)−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(2.64g、1.31mmol)(THF中の0.05M溶液)を35分間脱ケイ素化し、続いて10%、次いで溶出液としてヘキサン中の40%のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーを行って、1.80g(77%)の2−ニトロベンジル 4.6−ビス(3,4−ジフェニルメチレンジオキシ−5−ヒドロキシベンゾイル)−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを得た。IR(CHCl)3554、1729cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ8.05〜8.02(m、1H)、7.68(d、J=7.8Hz、1H)、7.68〜7.08(m、60H)、6.26(bs、1H)、5.83(t、J=9.6Hz、1H)、5.63〜5.52(m、2H)、5.42(d、J=15.8Hz、1H)、5.14〜4.87(m、14H)、4.62(d、J=12.1Hz、4H)、4.31〜4.25(m、1H)、4.11〜4.06(m、1H);13C NMR(CDCl、75MHZ)δ165.6、165.4、164.9、164.5、152.5、148.5、148.3、146.3、142.8、139.6、139.2、138.、138.7、138.6、137.4、137.3、135.5、134.4、134.2、129.4、129.3、128.5、128.4、128.35、128.31、128.3、128.2、128.1、127.99、127.90、127.8、127.6、127.5、126.3、126.2、124.8、124.1、123.7、123.6、122.7、118.9、118.7、114.4、113.6、109.3、109.2、103.6、100.7、75.1、73.2、72.7、72.3、71.2、71.1、69.5、67.7、63.2;MS(+FAB)1792(MH+、40)、分析C10985NO24ついての算定:C、73.03;H、4.75;N、0.78;検出:C、73.23;H、4.88;N、0.55。
【0107】
2−ニトロベンジル 4.6−(3,4−ジフェニルメチレンジオキシ−5−ヒドロキシ−3’、4’−ジフェニルメチレンジオキシ−5’ヒドロキシ)ジフェノイル−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドの部分異性体(regioisomeric)混合物。5mLの乾燥CHCl中のPb(OAc)(0.49g、1.10mmol)の溶液を、180mLの乾燥CHCl(ビスフェノール中の0.005M)中の2−ニトロベンジル 4.6−ビス(3,4−ジフェニルメチレンジオキシ−5−ヒドロキシベンゾイル)−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(1.80g、1.0mmol)およびピリジン(326μL、4.0mmol)の冷却された(−30℃)脱酸素された溶液に、30分間にわたって滴下して添加した。濃いオレンジ色の溶液を−30℃にてさらに1時間攪拌し、NaHCOの100mLの飽和化水溶液で処理し、そして250mLのEtOAcで抽出した。有機層を75mLの1M HPO、次いで鹹水で洗浄し、そして乾燥した(NaSO)。減圧下での濃縮、続く得られる黄色の残渣の、ヘキサン中の10%、20%、次いで35%のEtOAcを使用したシリカゲルクロマトグラフィーによる精製は、3つの部分異性体の1.21g(67%)の混合物を、黄色固体として供給した。IR(CHCl)1747、1731cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ8.05〜8.02(m、1H)、7.98〜7.00(m、57H)、6.79〜6.71(M、2H)、5.66〜5.56(m、2H)、5.48〜5.29(m、2H)、5.18〜4.19(m、15H)、4.14〜3.90(m、2H);MS(+FAB)1790(MH+、80)、分析C10983NO24ついての算定:C、73.11;H、4.64;N、0.78;検出:C、72.89;H、4.88;N、0.67。
【0108】
2−ニトロベンジル 4,6−ビス(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジルオキシ)ジフェノイル2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。 2−ニトロベンジル 4,6−ビス(3,4−ジフェニルメチレンジオキシ−5−ヒドロキシ−3’、4’−ジフェニルメチレンジオキシ−5’ヒドロキシ)ジフェノイル−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(1.30g、0.73mmol)を75mLの80%HOAcにおける還流にもたらし、そしてそこで16時間保持した。溶媒を除去して油を得、これをヘキサンですり砕き、1.10gの粗2−ニトロベンジル 4,6−ビス(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシ)ジフェノイル−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを黄色固体として得た。粗ヘキサヒドロキシ化合物(1.10g、0.75mmol)および水素化ナトリウム(0.22g、9.03mmol)(油中の60%懸濁液)を、10mLの乾燥THF中で0℃にて10分間攪拌した。臭化ベンジル(0.81mL、6.8mmol)、次いでテトラ−n−ブチルヨウ化アンモニウム(TBAI)(0.25g、0.68mmol)の添加後、得られる濁った茶色の懸濁液を90分間にわたって室温に加温させ、そしてさらに18時間、室温で攪拌した。反応物を水で希釈し、そしてEtOで抽出した。有機層を分離し、水、次いで鹹水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして黄色の油に濃縮した。溶出液としてヘキサン中の10%、20%、次いで30%のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによるこの残渣の精製は、0.75g(50%)の2−ニトロベンジル 4,6−ビス(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジルオキシ)ジフェノイル−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを白色固体の気泡として生じた。IR(CHCl)1728cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ8.08〜8.05(m、1H)、7.70〜7.67(m、1H)、7.49〜6.85(m、68H)、5.73〜5.61(m、2H)、5.47〜5.34(m、2H)、5.23〜4.73(m、27H)、4.22〜4.17(m、1H)、4.11(d、J=13.2、1H);13C NMR(CDCl、90MHz)δ167.4、166.7、165.9、164.9、152.7、152.6、152.5、152.3、152.2、146.8、144.7、144.5、143.1、137.7、137.6、137.5、137.4、16.5、136.4、133.9、133.7、128.7、128.、128.5、128.46、128.39、128.36、128.33、128.26、128.22、128.1、128.02、128.01、127.9、127.87、127.84、127.7、127.6、127.56、127.50、127.4、127.3、127.2、126.7、124.6、124.1、123.9、123.6、123.4、109.5、108.0、107.9、101.3、75.4、75.1、75.0、74.9、73.4、72.4、71.9、71.3、71.2、71.1、70.3、68.1、67.9、63.1;MS(+FAB)2020(MH+、56)、分析C125103NO24ついての算定:C、74.96;H、5.15;N、0.69;検出:C、74.73;H、5.17;N、0.64。
【0109】
4,6−ビス(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジルオキシ)ジフェノイル−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジル−オキシ)ベンゾイル)−α−D−グルコピラノース。2−ニトロベンジル 4,6−(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジルオキシ)ジフェノイル−2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(100mg、0.05mmol)を、6mLのTHF、6mLのEtOH、および1mLの蒸留水の混合液中に溶解し、そしてRayonet光化学装置において吊り下げられたPyrex管中で、350nmにて7.5時間、照射した。減圧下での溶媒の除去は油を生じ、これは溶出液としてヘキサン中の10%、次いで20%のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーの際に、62mg(66%)の4,6−ビス(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジルオキシ)ジフェノイル2,3−ビス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−D−グルコピラノースを白色固体として提供した(α、βアノマーの混合物)。この産物のサンプル(25mg)をさらに、溶出液としてベンゼン中の5%EtOAcを使用する分離用の薄層クロマトグラフィーによって精製して15mgの産物を提供した。IR(CHCl)3512、1725cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ7.47〜6.83(m、66H)、6.05(t、J=10.1Hz、1H)、5.72(d、J=3.7Hz、1H)、5.40〜4.69(m、28H)、3.94(d、J=12.9Hz、1H)、3.37(bs、1H);13C NMR(CDCl、90MHz)δ167.7、167.0、165.9、165.3、152.64、152.6、152.54、152.52、152.3、152.2、144.7、144.3、142.9、142.8、137.7、137.6、137.5、137.4、137.3、136.5、136.42、136.4、136.31、136.3、128.8、128.5、128.4、128.4、128.32、128.3、128.2、128.1、128.0、127.97、127.91、127.88、127.83、127.7、127.6、127.56、127.53、127.3、127.6、127.56、127.53、127.3、124.1、123.9、123.7、123.4、109.3、108.0、107.8、90.7、75.5、75.4、75.1、75.0、74.8、73.1、71.2、71.1、71.0、70.9、70.4、67.0、63.5;MS(+FAB)1867(MH+、16);HRMS C11898NO22ついての算定:1866.6549;検出:1866.6528。
【0110】
4,6−(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジルオキシ)ジフェノイル−1,2,3−トリス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド。5mLのベンゼン中の4,6−(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジルオキシ)ジフェノイル−2,3−ビス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−D−グルコピラノース(100mg、0.05mmol)の溶液を、2mLのベンゼン中の3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイルクロライド(30mg、0.06mmol)およびトリエチルアミン(22μL、0.15mmol)の溶液を含有するフラスコに添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌した。次いで溶液を5mLの氷冷1M HClで処理し、そして15mLのEtOAcで抽出した。有機層を、水、次いで鹹水で洗浄し、そして乾燥した(NaSO)。減圧下での溶媒の除去は、白色固体を供給し、これを溶出液としてヘキサン中の10% EtOAc、ついでヘキサン中の25% EtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、50mg(41%)の4,6−(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジルオキシ)ジフェノイル−1,2,3−トリス(3,4,5−トリベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを白色固体として提供した。IR(CDCl)1735cm−1H NMR(CDCl 300MHz)δ7.50〜6.84(m、83H)、6.10(d、J=7.6Hz、1H)、5.82(m、2H)、5.51(t、J=9.7Hz、1H)、5.42(dd、J=6.4、13.3Hz)、5.21〜4.72(m、30H)、4.38(dd、J=6.0、9.9Hz、1H)、4.10(d、J=12.9Hz、1H);13C NMR(CDCl、90MHz)δ167.4、166.8、165.7、164.8、164.2、152.7、152.61、152.6、152.5、152.3、152.2、144.8、144.4、143.3、143.2、143.1、137.64、137.6、137.5、137.34、137.31、137.3、136.44、136.4、136.3、128.6、128.42、128.4、128.38、128.3、128.22、128.2、128.03、128.0、127.97、127.91、127.9、127.7、127.6、127.5、127.3、123.8、123.6、123.4、123.2、109.5、109.4、109.3、107.91、107.9、93.1、75.5、75.4、75.1、75.0、74.8、73.1、72.7、71.6、71.2、70.1、63.0;MS(+FAB)2288(M+、20)、分析C14612026ついての算定:C、76.57;H、5.24;検出:C、76.38;H、5.40。
【0111】
テリマグランディン II。1.5mLのTHF中の4,6−(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジルオキシ)ジフェノイル−1,2,3−トリス(3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(26mg、0.01mmol)および10% Pd/C(5mg、開始材料の20重量%)の溶液を水素で6回パージし、そして水素のバルーン下、室温にて18時間攪拌した。次いで反応混合物をアルゴンで2回パージし、そしてCeliteを介して2回濾過した。濾液を濃茶色の固体に濃縮し、これをヘキサンおよびジエチルエーテルで数回すり砕き、そして乾燥して3mg(30%)のテリマグランディン IIを灰色固体として供給した。H NMR(アセトン−d 200MHz)δ7.11(s、2H)、6.99(s、2H)、6.96(s、2H)、6.65(s、1H)、6.45(s、1H)、6.20(d、J=8.3Hz、1H)、5.84(t、J=9.7Hz、1H)、5.59(t、J=8.9Hz、1H)、5.37(dd、J=6.4、13.4Hz、1H)、5.21(t、J=10Hz、1H)、4.54(dd、J=5.9、9.9Hz、1H)、3.88(d、J=14Hz、1H);13C NMR(アセトン−d、90MHz)δ168.0、167.6、166.2、165.4、165.0、146.1、145.9、145.8、145.3、144.5、139.8、139.3、139.1、136.6、126.6、126.0、120.5、119.9、115.5、110.4、110.2、110.1、108.3、107.9、93.7、73.2、73.1、71.7、70.7、63.1;MS(+FAB)938(M、56)、937(M−1、95);CD(MeOH)235nm、+31.7、261nm、−7.5、281.5nm、+7.7;HRMS C412926ついての算定:937.0947;検出:937.0943。
【0112】
実施例2
ガロタンニン及びエラグタンニン二量体暴露に続くh−PBMCからのTNF−α及びIL−βの産生
Agrimoniinとcoriariinの標準品はYoshida教授(岡山大学、日本)から供給を受けた。二量体ガロタンニン(Coriariin A類似体)を記述されたように合成した。LPS(大腸菌055−B5、フェノール抽出、分子量範囲50〜100KD)、Ficoll−Hystopaque(ρ=1.077g/mL)、不稔性ハイブリドーマ試験ウシ胎児血清(FCS)、ゲンタマイシン10mg/mL、L−グルタミン、200mMデキストラン−512 リュウコノストク(Leuconostoc)属平均分子量580000及びトリパンブルー染色剤はSigmaから購入した。フェノールレッド仲介ハンクス緩衝食塩水1X(HBSS)及び仲介RPMI 1640 1XはFisher Scientificから、ヒトIL−β及びTNF−α酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)キットはR&D Systems(ミネアポリス、ミネソタ州)から入手した。新鮮なヘパリン添加血液は健常人被験者(年齢20〜34)から入手した。
【0113】
用量−反応データ:一般的操作
H−PBMCを報告された操作(10,18)によって単離した。細胞の計数及び生存率をトリパンブルー排除によって決定した(標準的な生存率は95%を超えていた)。所要量のRPMIで希釈することによって0.5mLウェル内の細胞濃度を1x10細胞/ウェルに調節した。
【0114】
HBSS中のタンニン(またはLPS)原液適当量をそれぞれのウェルに加えて図に報告した濃度値にした。それぞれの濃度値を3回とブランク試験を行って、バクテリア汚染により実験値が錯綜しないようにした。培養プレートを5%CO、37℃加湿インキュベーター中で指定時間インキュベートした。時間間隔の終わりに各ウェルから450μLの培養上清を採取し、400g、25℃で10分間の中断で遠心分離し、サイトカインELISA分析まで保存した。標準検量線を用い製造者の指示書に従ってELISA検定を行い、観察された吸光度の読みからサイトカイン濃度を計算した。サイトカインの報告値は3回の試行値の平均±標準誤差である。
【0115】
結果
本研究において、二量体抗腫瘍エラグタンニン coriariin A及びagrimoniin、一量体ガロタンニンβ−D−ペンタガロイルグルコース(β−D−PGG)及び本発明の二量体ガロタンニンの全てを検討した。二量体ガロタンニンはcoriariin Aの類似体であり、O(4)及びO(6)でのガロイル環がヘキサヒドロキシジフェノイル(HHDP)結合に加わっていないことを別にして、親エラグタンニンと同じである。h−PBMCを検討する化合物で指定時間インキュベートし、培養上清中に存在したIL−1βとTNF−αの両方の量を別々に市販のELSAキットを用いて決定した。それぞれの場合において、正の制御としてLPSを用い、その一方で未処理の細胞を負の制御として保有した。
【0116】
自然産物での初期試験をMiyamotoが記述した条件下で行った。28μMのagrimoniin処理後に、h−PBMCはブランク上で約1ng/mLのIL−1β、以前の報告に対比される結果(20μM agrimoniinで約1.2ng/mL)を分泌した(図1)。これらの同じ実験条件を用いて北陸大学の従来研究との比較を行い、coriariin Aもまた顕著なIL−1β誘発能、おそらくモルベースでagrimoniinの2の誘発能を示した(図1)。L929マウスの繊維芽細胞のcoriariin AとAgrimoniinの両方での定量溶菌アッセイ(19,20)を用いるさらなる探索実験で、これらの二量体エラグタンニンもかなりの量のTNF−αの放出を促進することが明らかになった。h−PBMC上清中でのTNF−αレベルのこの間接的な測定はこのサイトカインをタンニン仲介抗腫瘍活性に関係付ける最初の証拠を提供するものであり、以下に説明するようにagrimoniin及び関連種のTNF−α放出能に関するさらなる定量的評価を促すことになった。
【0117】
h−PBMCからのagrimoniin仲介IL−1β分泌の時間推移はMiyamotoによって描写された。このサイトカインの顕著な放出は4時間処理後に明らかであり、約24時間で最大分泌を示した。対照的に、本研究に用いたh−PBMCからのβ−D−PGGまたは二量体ガロタンニン処理に際しての両IL−1β及びTNF−αの放出は大きく異なるプロフィール(図2及び3)に従った。全ての場合において、サイトカイン放出の最大値は約24時間(Miyamotoの系に類似)で観察されたが、どちらかのサイトカインの極微量だけが初めの4時間の読みに検出された。しかしながら、これらのデータは両二量体ガロタンニン及び大きな大きさのβ−D−PGGがh−PBMCからのIL−1β産生の促進に効果的であることを明白に示すものである。対比的に、二量体構造は低級同属体よりもこれらの特定濃度値でのTNF−αの放出誘出に更に堪能であると思われる。これらの有望な観察がポリフェノール系構造物に関する用量−反応プロフィールのさらに詳細な開発を鼓舞した。自然産物agrimoniinの供給に制限のあることがそのTNF−α反応の検討の妨げとなったことは残念であった。
【0118】
異なる被験者からのh−PBMCを別々の実験に用いて24時間暴露での単量体種及びその二量体相対物に関する両IL−1β及びTNF−αの用量−反応曲線を得た(図4〜7)。Coriariin A及びLPSデータを比較のためにこれらグラフの中に含めた。図4及び5はβ−D−ペンタガロイルグルコースがどちらかの被験者におけるIL−1β分泌誘発能においてcoriariin Aに類似であることを示す。加えて、これらのグラフは類似特性がβ−D−PGGのO−1−ガロイル結合二量体及びガロタンニン−エラグタンニンハイブリッドにも付随することを明らかにする。一緒にすると、これらの結果はこれらポリフェノール系がIL−1β放出開始の厳格な分子認識基準に符合するはずであるという条件に関する支持を提供するものでない。Miyamotoのマウス研究は実際にタンニン類間の抗腫瘍活性に関し十分に画定された構造要件(すなわち、ライフスパンの増加:coriariin A(238%)、β−D−PGG(82%)、リグレッサー:coriariin A(3/6)、β−D−PGG(0/6))を認めるために、動物全体の抗腫瘍反応におけるIL−1βの役割が疑問とて喚起されている。
【0119】
しかしながら、TNF−α放出データ(図6及び7)は異なる説を教示する。β−D−PGGのいずれかの被験者における対比濃度でのTNF−α放出促進は二量体またはcoriariin Aよりも遥かに少ない。さらに、類似体の用量−反応プロフィールは、少なくとも低濃度域において、coriariin Aのプロフィールに類似である。これらのデータはh−PBMC内TNF−α誘発経路における幾らかの認識要素による構造に基づく区別が単量体及び二量体タンニン種の間に存在することを示唆する。このTNF−α誘出能の差はマウス/肉腫−180系の抗腫瘍特性における全体的傾向に平行している。その上、非類似種間におけるIL−1β分泌プロフィールのもっともらしい類似性はIL−1β産生を上方制御するための一次生成TNF−αの人工物そのものであるのかもしれない。
【0120】
結論として、単量体化合物β−PGGに対比される二量体タンニンcoriarin A及びcoriariin A類自体のh−PBMCからの高レベルTNF−α誘発能が実証された。この観察は従来のインビボ研究に合致するものであり、従来研究では二量体タンニンは単量体タンニンと比較された場合に良好な抗腫瘍活性を示していた。これらの実験結果はタンニンインキュベートh−PBMCからのTNF−α産生の程度がタンニンの抗腫瘍効力と相関するかもしれないことを示唆する。二量体ガロタンニンの活性は関連エラグタンニンcoriariin Aの活性と区別することができず、タンニン系化学療法剤開発における先導として、この構造的がより簡単で合成的アクセスが可能な種の利用可能性を提起している。
【0121】
実施例3
タンニンが機能する生理経路
タンニンがLPS受容体系を介して免疫機能を変調するか否かを探る実験を行った。タンニンはLBP/CD14及びTlr4と特異的に相互作用してサイトカイン分泌を誘発するのであろうか?この疑問を試験するために100ng/mL以下のレベルでLPS非反応C3H/HeJマウス系を用いた。これらマウスはシグナル伝達を阻害するとされているTlr4タンパクコード領域にプロリン−ヒスチジンの点変異を持つ。
【0122】
C3H/HeJマウスがLPS非反応であるかを調べるために、C3H/HeJマウス及びLPS反応マウス(C3H/HeOuJ)の対照群の両方からの腹腔浸出細胞(PEC)を低用量LPSで処理し、TNF−α分泌を標準ELISAで評価した。これらの結果はHeJマウスが真にLPS非反応(TNF−α分泌が観察されない)であり、一方でOuJマウスは代表的なLPS用量−反応曲線(図8)を示すことが示された。次にcoriariin A同属体を試験した。この化合物はLPSに類似な用量−反応曲線でh−PBMCからのTNF−α誘発を示していた。HeJマウスもcoriariin A類自体に非反応であり、一方OuJマウスはそのLPS反応に対比される僅かな反応を示すことが判明した(図9)。これらの予備的結果は、タンニンはLPSが利用するのと同じTlr4仲介経路を介して機能することを示唆する。
【0123】
実施例4
β−PGGでのインビボ研究
発明者はガロタンニンβ−PGGがh−PBMCからのTNF−αの分泌誘発を阻害できることを見出した。β−PGGのインビボでの機能性はHershey Medical SchoolのDr. Charles Lanと共同で研究された。この実験では、2グループのラットが用いられた。第1のグループに25mgのβ‐PGGと1mg/kgのLPSとを腹腔内投与した。第2のグループには、1mg/kgのLPSのみを与えた。β−PGGを投与されたラットの殆どはLPSだけのラットに比べて抑制されたレベルでのTNF−α分泌を示した(図10)。これらの予備的インビボ結果は有望なものであったが、阻害剤としてβ−PGGを使用することに伴う種々の問題を明らかにした。阻害を誘出するためには、大量のβ−PGGを必要とする。これはβ−PGGが血清アルブミンなどのほかの血液タンパクと相互作用することができる小さな単量体ガロタンニンであるためである。加えて、β−PGG処理ラットでも低レベルでのTNF−α分泌を示し、低血圧の形の敗血症性ショックがまだ観察された。この生理的影響は敗血症性ショックを仲介することが示されていたサイトカインIL−1βの分泌に起因するものであろう。β−PGGはh−PBMCからの高レベルでのIL−1β分泌を引き起こす。
【0124】
実施例5
二量体ガロタンニン類自体の合成
次なる目標は単量体ガロタンニンβ−PGGよりもその生理的相互作用に於いてより選択的な大きなタンニンを合成することであった。したがって、一連の二量体ガロタンニン類似体を合成して、二つの炭化水素コアに結合するリンカーユニットの変化が生理活性に及ぼす影響を決定した。種々の理由(例えば、より硬直性)からリンカーを選択したが、全てが活性coriariin A類自体と対比される炭化水素コア間の距離を変化させると思われる。リンカー17,18及び19との類似体(前掲記述のような)はcoriariin A類自体に存在するジアリルエーテル連結よりも更に硬直なリンカーである。類似体は更なる可とう性を可能にし、21はアリル環付近にフェノキシル化が必要であるかを探るものである。
【0125】
これら化合物の合成には、適切な二酸塩化物とアルコールとの直接的カップリングが含まれ、ベンジルエーテルの水素化がそれに続き最終生成物である17c〜21cが得られる。17b、18b及び21bを与えるカップリングはβ,β’アノマーに関する高いジアステレオ選択性を伴って進行する。19bの合成には、他の類似体よりも高い温度が必要である。この類似体は、H NMRで決定されるように、β,β’対α,α’アノマーの立体化学比4:1で得られる。α,α’アノマーのH(1)プロトンはβ,β’アノマーのH(1)プロトン(6.02ppm、J=9.8Hz)よりも更に下方域(6.88ppm)に現れ、かつ小さなカップリング係数を有していた(J=3.2Hz)。20bの合成では常にβ,β’、α,α’及びα,β’アノマーの混合物が生成した。しかしながら、アルコール22に20aを徐々に添加することで、β,β’異性体が主として得られた。αアノマーのH(1)プロトンは6.69ppmで出現し,カップリング係数は4.15Hzであった。
【0126】
酸塩化物19a及び20aは市販されていないが、容易に合成された。例えば、19aは塩化オキサリルと触媒性DMFを用いて二酸23を酸塩化物へ変換することによって合成された(スキーム8)。化合物21aは3段階で合成された。ジアリルエーテルエステルはウルマンカップリングによって合成された。加水分解で二酸が生成し、塩化オキサリルと触媒性DMFによって二酸が酸塩化物に変換された。
【0127】
実施例6
二量体ガロタンニン類自体の生理活性
類似体17c〜21cがh−PBMCからサイトカインを放出することを四つの研究で調べた。全ての評価に適切な対照群、ブランク(負)及びLPS(正)を付随させた。
【0128】
最初の研究では、それぞれの化合物17c〜21cの存在下におけるh−PBMCからのTNF−α分泌の誘発を測定した。h−PBMCをそれぞれの化合物で24時間インキュベートした。細胞培養上清中のTNF−αレベルを酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)で評価した。各アッセイのデータ点は3回測定の平均値を表す。種21cを含むジアリルエーテルだけがh−PBMCから有意な量のTNF−α分泌を誘発し、LPSアンタゴニストとしての可能性に望ましくない特性を示した(図11参照)。
【0129】
第二の研究では、化合物17c〜20cのh−PBMCにおけるLPS誘発TNF−α産生の阻害能を四個の評価で調査した。第一の実験はh−PBMCを一定濃度のLPS(5μg/mL)で45分インキュベートした速度論的実験であった。このインキュベーション期間に続いて、化合物17c〜20cの一定濃度(10μg/mL)を添加した。細胞を種々の時間間隔で採集した。この速度論的評価はこれらの化合物がLPS誘発TNF−α分泌を阻害できることを示した。LPSだけで分泌されたTNF−αの量をそれぞれの時間点でLPSと基質によって分泌されたTNF−αの量と比較することによって、最適時間を決定した。全体的な阻害は8時間で最大であることが判明した(図12)。
【0130】
第二の評価で阻害に必要な基質の最小量を決定した。LPS(10μg/mL)をh−PBMCで45分インキュベートし、引き続き17c〜20cを異なる濃度で添加した。細胞培養上清を8時間後に採集した。異なる被験者からの細胞を用いること、或いはアッセイ日に固有の変異性が阻害剤の総合的効果の比較を困難なものにした。したがって、所与の化合物につき最大阻害が起こる濃度をより容易に確認するために、最大分泌値(LPS単独に基づく)の割合を計算することによってTNF−αの分泌を正規化した(図13)。阻害は用量に依存することが判明した。阻害の最適濃度は基質間で変動したが、一般的な用量反応傾向は同じであった。全体として、最大阻害は18c及び20cで45%、19cに付き25%であった。
【0131】
第三のアッセイは17c、18c及び20cのLPS誘発TNF−α分泌の阻害能を更に少量のLPS用量(5μg/mL)を用いて調査した(図14)。ここでも、阻害は用量依存であった。最大阻害は17c及び20cで45%、18cで35%であった。これらの結果は図13に見られるものに類似であり、いずれのLPS用量既にも受容体を飽和していることを示唆する。
【0132】
第四のアッセイでは、基質17c〜20cの濃度を変化させ、同時にLPSを加えてTNF−α分泌の阻害に与える添加順序の影響を調査した。しかしながら、最大阻害は化合物がLPS添加の45分後に加えられた時と同じであった(それぞれの化合物につき約40%)。
【0133】
第三の研究では、h−PBMCからのそれらのIL−1βの分泌誘発能を化合物17c〜20cにつき調査した(図16)。サイトカインIL−1βもLPSで刺激された敗血症性ショック反応に於いて放出されることを序論から想起してほしい。IL−1βの分泌を極めて少量引き起こすか、或いは全く起こさない化合物は、それ自体が敗血症性ショック反応を誘発することは少ないと思われるので、敗血症性ショック治療薬として可能性のある最適な化合物であろう。更なる研究に選択された化合物は、それらが最低量のIL−1β産生を誘発することから、19cと20cであった。
【0134】
最後に、第四の研究では、類似体19c及び20cを再度そのLPS誘発TNF−α分泌阻害に付き試験した(図17)。この評価では、更に小さなLPS用量を用いて、もっと小さいLPS用量が存在するときに、阻害がより大きいかどうかを決定した。LPS添加の45分後に基質を加え、8時間後に細胞を採集した。少量のLPSが使用されたときに基質が良好な阻害剤であるようには見えない、多分この用量でのLPSによる受容体飽和を反映しているのであろう。
【0135】
結論
予備実験はエラグタンニンが、少なくともTlr4受容体を用いる限りにおいて、LPSと同じ生理経路を介して機能するであろうことを示唆するが、更なる調査が必要である。ガロタンニンβ−PGGはラットでLPS誘発TNF−αの分泌を阻害することが示された。しかしながら、何らかの阻害を観察するにはこの化合物の大用量が必要であり、敗血症性ショックが全ての場合に観察された。高レベルのIL−1β誘発はこの観察に起因するものであろう。二量体タンニン類自体17c〜21cが可能性のあるLPSアンタゴニストとして合成された。化合物17c〜20cはh−PBMC中で僅かなTNF−α分泌を引き起こすか、或いは全く分泌を引き起こさず、h−PBMCにおけるTNF−αのLPS誘発レベルを阻害することが可能であった。化合物19c〜20cは最も有望なアンタゴニストであり、サイトカインIL−1β分泌の湧出は極めて少量であった。これらの化合物が敗血症/敗血症性ショック治療薬開発の候補であるかどうかを決定するためには、これらの化合物のインビボでの調査が更に必要であろう。
【0136】
合成化学
核磁気共鳴スペクトル(H NMR,13C NMR)を300または360MHz(H)分光計のいずれかで記録した。低分解能高速原子衝撃質量分析(HABMS)をニトロベンジルアルコール(NBA)マトリックス中で得た。高解像高速原子衝撃質量分析をテキサス大学(オースティン)で行った。Midwest Microlab, Indianapolis(IN)で元素分析を行った。シリカゲル32〜63μm及び指定溶媒を用いてフラッシュカラムクロマトグラフを行った。エーテル及びテトラヒドロフランをアルゴン下でナトリウム/ベンゾフェノンから蒸留で純化した。ベンゼン、メチレンクロライド及びメタノールをアルゴン下CaHから蒸留した。トリエチルアミンをCaH2から蒸留し、4オングストロームモレキュラーシーブ上に保存した。湿りに敏感な反応はアルゴン雰囲気下で予め乾燥したガラス用器の中で実施した。
【0137】
メチル3−ベンゾイルオキシ−4,5−ジヒドロキシ安息香酸エステル
メチル−3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸エステル(10.0g、54.3mmol)とアンバーライト(0.2g)とのベンゼン40mL中溶液にトリエチルオルソ蟻酸エステル(32mL、270mmol)を加えた。反応混合物をアルゴン下で18時間還流加熱した。反応混合物を熱いうちに濾過し、濾液を真空濃縮した。得られた油にアセトン20mL、臭化ベンジル(38.7mL、326mmol)及び炭酸カリ(オーブン乾燥、22.4g、163mmol)を加えた。反応混合物をアルゴン下で20時間還流加熱した。この混合物を冷却し、トリエチルアミン(3.3mL、272mmol)で処理して、EtOAcで抽出した。有機層を10%HSO、HO及び食塩水で順次洗浄しNaSO上で乾燥した。溶媒を真空中で除去した。残留油にMeOHの20mL、TsOHHO(100mg、0.5mmol)を加えた。この溶液をアルゴン下の室温で20時間撹拌した。有機層をNaHCO、HO及び食塩水で順次洗浄し、NaSO上で乾燥した。濾過、濃縮の後に、流出液としてヘキサン、続いてヘキサン中25%EtOHを用いるフラッシュクロマトグラフで生成物を純化して、10g(71%)のメチル3−ベンジルオキシ−4,5−ジヒドロキシ安息香酸エステルが得られた。
【0138】
メチル3,4,5−トリベンジルオキシ安息香酸エステル
臭化ベンジル(10.6mL、89.7mmol)をメチル3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸エステル(5.0g、27mmol)と炭酸カリ(オーブン乾燥、12.4g、89.7mmol)との250mLのアセトン中溶液に加えた。溶液をアルゴン下で24時間還流加熱した。反応混合物を冷却し、トリエチルアミン(7.6mL、54mmol)で処理し、EtOAcで抽出した。有機層を10%HSO、HO及び食塩水で順次洗浄しNaSO上で乾燥した。濾過、濃縮の後に、11.8g(96%)のメチル3,4,5−トリベンゾイルオキシ安息香酸エステルが色の悪い白色固形物として得られた。
【0139】
5−ベンゾイルオキシ−3,4−ジ−t−ブチルジメチルシロキシベンゾイル塩化物
5−ベンゾイルオキシ−3,4−ジ−t−ブチルメチルシロキシ安息香酸(1g、2mmol)のベンゼン46mL中溶液にNaH(80mg、2mmol)のベンゼン2mL中の溶液を加えた。得られた溶液を塩化オキサリル(0.9mL、10mmol)と一緒にアルゴン下で20時間撹拌した。溶媒を除去して093g(91%)の5−ベンゾイルオキシ−3,4−ジ−t−ブチルメチルシロキシルベンゾイル塩化物が黄色固形物として得られた。
【0140】
1−O−(3−ベンジルオキシ−1,2−ジオキソシクロヘキサ−3,5−ジエン−5−ベンゾイル)−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドオルソ−クロラニル(47mg、0.17mmol)の乾燥エーテル1mL中溶液(0.17Mo−クロラニル)を−40℃に冷却した。この溶液に1−O−(2−ベンジルオキシ−4,5−ジヒドロキシベンゾイル)2,2,4,6−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド(330mg、0.16mmol)の乾燥エーテル中溶液(ジフェノール中0.007M)を15分間にわたって滴下させて加えた。得られた赤色溶液をアルゴン下−40℃で2時間撹拌してから−20℃のフリーザーに移し、20時間放置した。赤色沈殿を濾過し、冷エーテルで洗浄、真空乾燥して、260mg(79%)の1−O−(3−ベンジルオキシ−1,2−ジオキソシクロヘキサ−3,5−ジエン−5−ベンゾイル)−2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β−D−グルコピラノシドを得た。
【0141】
一般操作A:2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−D−グルコース(α,βアノマー混合物)のビスアシル化
2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−D−グルコース(300mg、0.2mmol)の1.5mL乾燥CHCl中溶液にトリエチルアミン(67μL、0.43mmol)を加え、引き続き適切な二酸塩化物(0.1mmol)を加えた。この溶液をアルゴン下で18時間撹拌した。反応混合物を1NのHClで処理し、EtOAcで抽出した。有機層をHOと食塩水で逐次洗浄してからNaSO上で乾燥した。濾過及び真空中で溶媒を除去した後に、3:5:12のEtOAc:ベンゼン:ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフで生成物を純化した。
【0142】
一般操作B:水素化
適当なベンジル化二量体のTHF中0.008M溶液に10%Pd/C(0.6当量)を加えた。反応混合物をHで4回パージし、H雰囲気下の室温で18時間撹拌した。反応混合物をアセトンで洗浄したセライトを通して濾過した。濃縮後に得られた灰色固形物をヘキサンとエーテルで摩砕、真空下35℃で乾燥した。
【0143】
1,1’−O−2,2’,3,3’4,4’,6,6’−テトラキシス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルテレフタル酸エステル
一般操作Aを用いて塩化テレフタロイルを2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−D−グルコースにカップリングさせ、フラッシュクロマトグラフで純化して1,1’−O−2,2’,3,3’4,4’,6,6’−テトラキシス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルテレフタル酸エステルの61%を得た。IR(CDCl)1734(C=O)cm−1、H NMR(CDCl,300MHz)δ8.02(s,4H,(C=O)ArH)、δ7.43=7.15(m,136H,ArH)、δ6.25(d,J=8.3Hzδ8.02(s,4H,(C=O)ArH)、δ7.43〜7.16(m,136H,ArH)、δ6.25(d,J=8.3Hz,2H,H(2),(H2)’)、δ5.7(App.t,J=9.8Hz,2H,H(4),H(4)’)、δ5.11〜4.91(m,48H,ArOCH)、δ4.77(d,J=9.4Hz,2H,Ha(6),Ha(6)’)、δ4.47〜4.42(m,2H,H(5),H(5)’)、δ4.35〜4.29(m,2H,Hb(6),Hb(6)’);13C NMR(CDCl,75MHz)165.64,165.51,164.99, 164.82,163.67,152.57,152.52,152.43,143.17,143.10,142.56,137.43,137.31,137.23,136.59,136.33,136.24,132.92,130.28,128.51,128.46,128.41,128.24,128.19,128.10,128.01,127.82,127.52,124.40,123.56,123.47,109.28,109.09,109.03,93.17,75.06,73.37,73.25,71.14,71.11,70.98,69.75,63.19;MS(+FAB)3867(MH16);分析C244H202O46としての計算値:C,75.74,H,5.23;実測C,75.59,H,5.29
1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルテレフタル酸エステル
一般操作Bを用いて、1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルテレフタル酸エステルを水素化して1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルテレフタル酸エステルが定量的収量で得られた。IR(KBr)3422(OH)1702(C=O)cm−1;1H NMR((CDCO,300MHz)δ8.5〜7.4(m,24H,OH)、δ8.05(s,4H,(C=O)ArH)、δ7.13〜6.94(m,16HArH)、δ6.37(d,J=8.3Hz,2H,H(1),H(1)’)、δ6.02(app.t,J=9.5Hz, 2HH(3),H(3)’)、δ5.68〜5.58(m,4H,H(2),H(2)’,H(4),H(4)’)、δ4.61〜4.54(m,4H,H(5),H(5)’, Ha(6),Ha(6)’)、δ4.41〜4.35(dd,J=12.5,4.5Hz,2H,Hb(6), Hb(6)’);13C NMR((CDCO,75MHz)δ165.45,164.94,164.88,164.66,163.30,145.13,145.06, 144.99,138.54,138.31,138.15,135.93.133.25,130.01,128.36,120.48,119.69,119.61,119.43,109.39,109.23,98.18,73.19,72.02,70.92,68.28,61.82;MS(+FAB)1706(M+6)(MH+7);HRFABMS C765846としての計算値:1706.219926、実測:1706.223226
1,1’−O−2,2’3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D−グルコピラノシルイソフタール酸エステル
一般操作Aを用いることで、塩化イソフタロイルを2、3、4,6−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−D−グルコースにカップリングさせフラッシュクロマトグラフで純化して、48%の1,1’−O−2,2’3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D−グルコピラノシルイソフタール酸エステルを得た。IR(CDCl3)1730(C=O)cm−1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.76(s,1H,(C=O)ArH(C=O))、δ8.19(dd,J=7.9,1.5Hz,2H,(C=O)ArH)、δ7.42〜7.15(m,137H,ArH)、δ6.26(d,J=8.2Hz,2H,H(1),H(1)’)、δ6.01(app.t,J=9.4Hz2H,H(3),H(3)’)、δ5.79(dd,J=9.8,8.3Hz,2H,H(2),H(2)’)、δ5.74(app.t,J=9.4Hz,2H,Ha(6),Ha(6)’)、δ4.41〜4.30(m,4H,H(5),H(5)’,Hb(6),Hb(6)’);13C NMR(CDCl,75MHz)δ165.66,165.53,164.95,164.86,163.60,152.58,152.55, 152.43,143.18,143.06,142.57,137.48,137.34,137.29,136.64,136.40,136.36,136.29,129.34,128.93,128.85,128.74,128.51,128.43,128.28,128.13,128.04,127.82,127.72,127.55,124.44,123.66,123.60,109.30,109.08,93.12,75.16,75.09,73.33,73.19,71.22,71.15,70.99,69.70,68.13;MS(+FAB)3867(MH7);分析C24420246としての計算値:C,75.74,H,5.23;実測C,75.61,H,5.23
1,1’−O−2,2’,3,3’4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D−グルコピラノシルイソフタール酸エステル
一般操作Bを用いることで、1,1’−O−2,2’,3,3’4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D−グルコピラノシルイソフタール酸エステルを水素化し、1,1’−O−2,2’,3,3’4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D−グルコピラノシルイソフタール酸エステルが定量的収量で得られた。IR(KBr)(OH)1702(C=O)cm−1H NMR((CH3)2CO),300MHz)δ8.58(s,1H,(C=O)ArH(C=O))、δ8.45〜7.85(m,24H,OH)、δ8.17(dd,J=7.5,1.5Hz,2H,(C=O)ArH)、δ7.61(t,J=7.9Hz,1H,ArH)、δ7.12〜6.94(m,16H,ArH)、δ6.40(d,J=7.9Hz,2H,H(1),H(1)’)、δ6.00(app.t,J=904Hz,2H,H(3),H(3)’)、δ5.68 ̄5.59(m,4H,H(2),H(2)’,H(4),H(4)’)、δ4.61〜4.49(m,4H,H(5),H(5)’,Ha(6),Ha(6)’)、δ4.12〜4.36(dd,J=12.8,4.5Hz,2H,Hb(6),Hb(6)’);13C NMR(CDCl,75MHz)δ166.04,165.51,165.38,165.23,163.81,145.66,145.60,144.53,139.05,138.85,138.71,136.87,135.31,135.19,130.33,130.13,121.05,120.28,120.86,120.28,120.21,120.06,109.96,109.89,109.79,93.68,73.79,72.80,71.50,69.80,62.42;MS(+FAB)1706(M+14);HRFABMS C365846としての計算値:1706.219926、実測:1706.222124
ビフェニル−4,4’−ジカルボニル二塩化物
ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸(200mg、0.8mmol)の15mLCHCH中溶液を塩化オキサリル(0.8mL、9mmol)及び1滴のDMFと一緒にアルコン下で18時間撹拌した。溶媒を真空除去して、211mg(93%)のビフェニル−4,4’−ジカルボニル二塩化物が黄色固形物として得られた。スペクトルデータは参照したスペクトルデータと符合した。IR(CHCH)1781(C=O)cm−1H NMR((CDCl),360Mz)、δ8.2(d,J=8.2Hz,4H(C=O)ArH)、δ7.7(d,J=8.7Hz,4H,ArH);13C NMR(CDCl3,90MHz)δ167.9,145.8,133.2,132.1,127.9
1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキシ(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β−D,D’−グルコピラノシルビフェニル−4,4’−ジエステル
2,3,4,6−テトラキシ(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−D−グルコース(440mg、0.24mmol)の3mL乾燥THF溶液中にトリエチルアミン(67μL、0.48mmol),続いてビフェニル4,4’−ジカルボニルジクロライド(33mg、0.12mmol)を加えた。得られた混合物を50℃に加熱し、アルゴン下で40時間撹拌した(注:混合物を還流加熱(65℃)すると、β,β’:α,α’異性体が4:1で得られた)。反応混合物1N塩酸で処理しEtOAcで抽出した。有機層をHO及び食塩水で逐次洗浄し、NaSO上で乾燥した。溶媒を真空除去し、生成物を3:5:12のEtOAc:ベンゼン:ヘキサンを用いるフラッシュクロマトグラフで純化して、1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキシ(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β−D,D’−グルコピラノシルビフェニル−4,4’−ジエステル(17%)を得た。IR(CDCl)1732(C=O)cm−1H NMR(CDCl,300MHz)δ8.08(d,J=8.3Hz,4H,(C=O)ArH)、δ7.57(d,J=8.6Hz,4H,ArH)、δ7.47〜7.18(m,136H,ArH)、δ6.35(d,2H,J=8.3Hz,H(1),H(1)’)、δ6.07(app.t,2H,J=9.4Hz,H(3),H(3)’)、δ5.87(dd,J=9.5,8.3Hz,2H,H(2),H(2)’)、δ5.76(app.t,J=9.7Hz,H(4),H(4)’)、δ5.15〜4.80(m,50H,ArCH2O,Hb(6), Hb(6)’)、δ4.49〜4.33(m,4H,H(5),(H5)’,Ha(6),Ha(6)’);13C NMR(CDCl3,75MHz)δ168.59,165.60,165.54,165.03,164.24,152.56,1144.55,143.00,14.49, 137.42,137.30,137.24,136.6312,8.79,128.71,128.66,128.59,128.46,128.39,128.26,128.19,128.10,127.99,127.82,127.58,127.51,123.61,123.52,109.28,109.09,109.00,75.11,75.06,71.18,71.08,70.98,69.27,63.12;分析C25020546としての計算値:C,76.10,H,5.23;実測C,75.85,H,5.31  1,1−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルビフェニル−4,4’−ジエステル
一般操作Bを用いることで、1,1−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルビフェニル−4,4’−ジエステルを水素化して、1,1−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルビフェニル−4,4’−ジエステル(86%)を得た。IR(KBr)3448(OH)1702(C=O)cm−1H NMR((CDCO,300MHz)δ8.28〜8.08(m,24H,OH)、δ8.05(d,J=8.7Hz,4H,(C=O)ArH)、δ7.79(d,J=8.3Hz,4H,ArH)、δ7.14〜6.95(m,16H,ArH)、δ6.40(d,J=8.3Hz,2H,H(1),H(1)’)、δ6.06(app.t,J=9.8H,H(3),H(3)’)、δ5.71〜5.61(m,4H,H(2),H(2)’, H(4),H(4)’)δ4.61〜4.52(m,4H,H(5),H(5)’,Ha(6),Ha(6)’)、δ4.41〜4.39(dd,J=12.4,4.9Hz,Hb(6),Hb(6)’);13C NMR((CDCO,90Hz)δ167.28,166.77,166.66, 166.50,165.68,146.92,146.81,146.54,140.29,140.10,139.93,138.88,132.31,132.25,130.20,129.42,122.37,121.56,121.49,121.38,111.22,111.11,111.05,94.69,74.96,74.03,72.78,71.18,63.66;MS(+FAB)1782(M+);HRFABMS C826246としての計算値1782.251226、実測地1782.250700
1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)β,β’−D,D’−グルコピラノシルピメリン酸エステル
一般操作Aを用いることで、塩化ピメロイルを2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−D−グルコースにカップリングさせ、フラッシュクロマトグラフで純化して、1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)β,β’−D,D’−グルコピラノシルピメリン酸エステル(α,α、β,β及びα,β混合物)の45%を得た。IR(CDCl)1730(C=O)cm−1H NMR(CDCl,300MHz)δ7.43〜7.18(m,136H,ArH)、δ6.09(d,J=7.9Hz,2H,H(1),H(1)’)、δ5.98(app.t,J=9.4Hz,2H,H(3),H(3)’)、δ5.81〜5.6(m,2H,H(2),H(2)’)、δ5.41〜5.36(m,2H,H(4),H(4)’)、δ5.13〜4.72(m,50H,ArOCH,Ha(6),Ha(6)’)、δ4.54〜4.27(m,4H,H(5),H(5)’,Hb(6),Hb(6)’);13C NMR(CDCl,90MHz)δ171.53, 165.82,165.63,164.69,152.68,152.57,152.52,152.44,143.25,143.12,143.08,142.99,142.66,142.57,137.48,137.34,136.65,136.48,136.41,136.36,136.21,128.52,125.46,128.39,128.31,128.26,128.21,128.13,128.11,128.02,127.88,127.56,124.48,123.81,123.68,123.64,123.57,109.40,109.23,109.09,92.05,75.12,75.08,73.54,72.98,71.28,71.16,71.09,70.99,69.90,63.05,33.66,28.12,23.93;MS(+FAB)3861(MH+50)
1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルピメリン酸エステル
一般操作Bを用いることで、1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルピメリン酸エステルを水素化して1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルピメリン酸エステルを定量的収率で得た。IR(KBr)3422(OH)1718(C=O)cm−1;1H NMR((CDCO,300MHz)δ8.17〜7.45(m,24H,OH)、δ7.21〜6.82(m,16H,ArH)、δ6.05(d,J=8.3Hz,2H,H(1),H(1)’)、δ5.79(app.t,J=9.4Hz,2H,H(3),H(3)’)、δ5.48(app.t,J=9.8Hz,2H,H(2),H(2)’)、δ5.96(dd,J=9.8,1.5Hz,2H,H(4),H(4)’)、δ4.40〜4.34(m,4H, H(5),H(5)7,Ha(6),Ha(6)’)、δ4.25(dd,J=12.5,4.5Hz,2H,Hb(6),Hb(6)’):13C NMR(CDCO,75MHz)δ171.33,165.83,65.23,164.97,145.47,145.43,145.39, 145.26,138.86,138.80,138.58,138.49,128.54,120.79,119.98,119.89,119.80,109.67,109.63,109.54,109.49,92.16,73.30,72.62,71.15,68.57,62.15,33.61,28.25,24.38;MS(+FAB)1701(MH+);HRFABMS C356446としての計算値1700.226876、実測値1700.257740
2,3’−オキシ−ジ−安息香酸
24(0.12g、0.41mmol)を3mLのMeOHと1mLのHO中でLiOH・HOと一緒にした。反応混合物をアルゴン下で5時間還流加熱した。溶液を室温に冷却し1Nの塩酸で酸性にし、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥した。濾過及び溶媒を真空除去した後に、白色の粉末0.1g(93%)が得られた。H NMR((CDCO,300MHz)δ9.5(br s,2H,COH)、δ8.00(dd,J=7.9Hz,1.9Hz,1H,H(3))、δ7.75(app.dのt,J=7.8,1.2,1H,H(4)’)、δ7.64(ddd,J=8.2,7.5,1.8Hz,1H,H(5))、δ7.53〜7.46(m,2H,H(2)’,H(5)’)、δ7.35(app.tのd,J=7.6,1.1Hz、1H,H(4))、δ7.21(ddd,J=8.2,2.6,1.0Hz,1H,H(6)’)、δ7.14(dd,J=8.2,1.0Hz,1H,H(6));13C NMR((CDCO,75MHz)δ166.6,166.0, 158.8,155.6,134.4,132.6,132.5,130.3,125.0,124.7,124.2,122.5,122.3,118.4
2,3’−オキシ‐ジ−ベンゾイルクロライド
塩化オキサリル(0.058μL、0.66mmol)を25(0.057g、0.22mmol)の2mL乾燥CHCH及びDMF1滴の懸濁液中にゆっくり滴下させた。懸濁液は徐々に透明な黄色液になった。反応混合物をアルゴン下で3時間撹拌した。溶媒を真空除去し、生成物0.063g(97%)が黄色油として得られた。IR(CDCl)1758(C=O)cm−1H NMR(CDCl,300MHz)δ8.19(dd,J=8.3,1.7Hz,1H,H(3))、δ7.93〜7.90(m,1H,H(4)’)、δ7.66(app.t,J=2.1Hz,1H,H(2)’)、δ7.66〜7.60(m,1H,H(4))、δ7.52(app.t,J=8.1,H(5’))、δ7.36〜7.31(m,2H,(H5),H(6)’)、δ7.00(dd,J=8.3, 0.7Hz,1H,H(6));13C NMR(CDCl3,75MHz)δ167.6,163.9,156.9,155.4,136.1,135.0, 134.3,130.5,126.8,125.8,125.4,124.5,120.5,120.4
1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシル−(2,3’−オキシ−ジ−安息香酸エステル)
一般操作Aを用いることで、21aを2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−グルコースにカップリングさせ、フラッシュクロマトグラフで純化して、35%の1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシル−(2,3’−オキシ−ジ−安息香酸エステル)を得た。IR(CDCl)1731(C=O)cm−1H NMR(CDCl,300MHz)δ7.97(dd,J=7.9,1.5Hz,1H,ArH(3))、δ7.76〜7.73(m,1H,ArH(4)’)、δ7.66〜7.65(m,1H,Ar(H2))、δ7.41〜7.15(m,138H,ArH,ArH(4),ArH(5)’)、δ7.13〜7.00(m,2H,ArH(5),ArH(6)’)、δ6.72(d,J=7.9Hz,1H,H(1))、δ6.26(d,J=7.9Hz,1H,H(1)’)、δ6.04(app.t,J=9.8Hz,1H,H(3))、δ5.97(app.t,J=9.8Hz,1H,H(3)’)、δ5.82〜5.68(m,4H,H(2),H(2)’,H(4),H(4)’)、δ5.10〜4.9(m,48H,ArOCH)、δ4.93〜4.72(m,2H,H(5),H(5)’)、δ4.37〜4.28(m,4H,Ha(6),Ha(6)’,Hb(6),Hb(6)’):13C NMR(CDCl,90MHz)δ165.5,165.4,165.0,164.9,164.8,164.8,164.0,162.8, 162.8,162.4,157.3,156.7,152.5,152.5,152.4,152.4,148.1,143.1,143.0,143.0,143.0,142.5,142.5,137.5,137.5,137.4,137.3,137.3,136.7,036.6,136.4,136.4,136.3,136.3,134.9,132.6,130.2,130.2,128.5,128.4,128.3,128.3,128.2,128.1,128.0,127.9,127.8,127.5,124.8,124.5,124.5,123.7,123.7,123.6,120.6,120.3,119.5,109.8,109.1,109.1,92.9,92.5,75.1,75.1,73.6,73.4,73.1,71.2,71.1,71.1,71.0,69.8,69.7,67.5,63.2,62.9
1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシル−(2,3’−オキシ−ジ−安息香酸エステル)
一般操作Bを用いることで、1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリベンジルオキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシル−(2,3’−オキシ−ジ−安息香酸エステル)を水素化して定量的収量の1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシル−(2,3’−オキシ−ジ−安息香酸エステル)を得た。H NMR(CDCl,360MHz)δ8.18(m,24H,ArOH)、δ7.91(m,1H,ArH(3))、δ7.71(d,J=7.8Hz,1H,ArH(4)’)、δ7.60〜7.53(m,2H)、δ7.4〜6.94(m,20H,ArH)、δ6.39(d,J=8.2Hz,H(1))、δ6.36(d,J=8.2Hz,1H,H(1)’)、δ6.04(app.t,J=9.8Hz,1H,H(3),H(4)’)、δ5.97(app.t,J=9.6Hz,1H,H(3)’)、δ5.71〜5.56(m,4H,H(2),H(2)’,H(4),H(4)’)、δ4.61〜4.40(m,6H,H(5),H(5)’,Ha(6),Ha(6)’,Hb(6),H(6)’);13C NMR((CDCO,90Mhz)δ166.0, 165.4,165.2,165.1,165.1,164.1,164.1,162.6,157.9,156.6,145.6,145.5,145.4,138.9,138.7,138.6,135.5,132.3,130.8,130.7,124.9,124.6,124.2,121.8,121.3,121.3,120.9,119.6,109.8,109.8,109.7,93.4,93.0,73.6,73.5,72.8,72.6,71.3,71.2,68.8,68.7,62.3,62.2,62.2;MS(+MALDI)1822(MNa+)
材料
化合物は実験室で合成した。LPS(大腸菌055:B5、フェノール抽出)、Ficoll−Histopaaque(ρ=1.077g/mL)、不稔性ハイブリドーマ試験ウシ胎児血清(FCS)、ゲンタマイシン10mg/mL、L−グルタミン、デキストラン−512 リュウコノストク(Leuconostoc)属平均分子量580000及びトリパンブルー染色剤(0.4%)はSigmaから購入した。フェノールレッド仲介ハンクス緩衝食塩水1X(HBSS)及び仲介RPMI 1640 1XはFisher Scientificから入手した。ヒト、ラット及びマウスIL−β及びTNF−α酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)キットはR&D Systems(ミネアポリス、ミネソタ州)から入手した。新鮮なヘパリン添加血液は健常人被験者(年齢20〜34)から入手した。C3H/HeJ及びC3H/HeOuJマウスはJackson Labs.(Bay City, ME)から入手した。
【0144】
【表1】
Figure 2004510688
【0145】
【表2】
Figure 2004510688
【0146】
【表3】
Figure 2004510688
【0147】
【表4】
Figure 2004510688
【0148】
【表5】
Figure 2004510688
【0149】
【表6】
Figure 2004510688
【0150】
【表7】
Figure 2004510688
【0151】
【表8】
Figure 2004510688
【0152】
本発明のガロタンニン及びエラグタンニン組成物は上述した化学式の範囲内のガロタンニン類及びエラグタンニン類、光学異性体またはそれらの化合物のプロドラッグ類または類似体類、或いはDまたはL態いずれかのラセミ混合物を含むものと理解すべきである。また、本明細書で述べた組成及び範囲に関する僅かな用量及び配合の修正は為されるものであり、本発明の精神および範囲のものである。
【0153】
特定の組成物、有効性に関する理論などを参照して本発明を説明したが、本発明はかかる例示的な実施例やメカニズムによって限定されるものでなく、添付のクレームに規定されるように本発明の精神及び範囲から逸脱することなく修正がなされることは当業者にとって明らかであろう。かかる明白な修正及び変形は添付クレームに規定されるように本発明の範囲に含まれるものである。クレームは特に反する文意がない限り、クレームされた要素及び此処で意図する目的を満たすために有効な一連のステップを全て網羅するものである。
【0154】
本明細書に引用した文献及び次に挙げる文献は特に参照してその全体を本明細書の一部とする。
【0155】
【表9】
Figure 2004510688
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、種々の濃度のコリアリインA、アグリモニイン及びLPSへの4時間暴露によるヒト末梢血単核細胞(h−PBMC)からのIL−1β放出を示している。
【図2】
図2は、一定濃度のβ−D−PGG、二量体ガロタンニン及びLPSによって刺激されたh−PBMCからのIL−1β放出の時間経過を示している。
【図3】
図3は、一定濃度のβ−D−PGG、二量体ガロタンニン及びLPSによって刺激されたh−PBMCからのTNF−α放出の時間経過を示している。
【図4】
図4は、種々の濃度のβ−D−PGG(24時間)、二量体ガロタンニン(24時間)、コリアリインA(4時間)及びLPS(4時間)への暴露による被験者1のh−PBMCからのIL−1β放出を示している。
【図5】
図5は、種々の濃度のβ−D−PGG(24時間)、二量体ガロタンニン(24時間)、コリアリインA(4時間)及びLPS(4時間)への暴露による被験者2のh−PBMCからのIL−1β放出を示している。
【図6】
図6は、種々の濃度のβ−D−PGG(24時間)、二量体ガロタンニン(24時間)、コリアリインA(4時間)及びLPS(4時間)への暴露による被験者1のh−PBMCからのTNF−α放出を示している。
【図7】
図7は、種々の濃度のβ−D−PGG(24時間)、二量体ガロタンニン(24時間)、コリアリインA(4時間)及びLPS(4時間)への暴露による被験者2のh−PBMCからのTNF−α放出を示している。
【図8】
図8は、LPS(24時間インキュベーション)で刺激したマウスPECからのTNF−α分泌を示している。
【図9】
図9はコリアリインA類似体(24時間インキュベーション)で刺激したマウスPECからのTNF−α分泌を示している。
【図10】
図10はLPS+LPSのβ−PGGだけでのラット処理によるTNF−α分泌を示している。
【図11】
図11は17c〜21cで刺激したh−PBMCからのTNF−α分泌を示している。18c及び21cは第1被験者であり;17c、19c及び20cは第2被験者である。
【図12】
図12はLPS(5μg/mL)及び17c−20c(10μg/mL)で刺激したh−PBMC(第3被験者)からの長時間に亘るTNF−α分泌を示している
【図13】
図13は、18c〜20cによってh−PBMC(第4被験者)から得られるLPS(10μg/mL)誘導性TNF−α分泌の阻害を、最大応答に対するパーセントとして表して示している。基質は、h−PBMCにLPSを添加して45分後に加えた。
【図14】
図14は、17c、18c及び20cによってh−PBMC(第3被験者)から得られるLPS(5μg/mL)誘導性TNF−α分泌の阻害を、最大応答に対するパーセントとして表して示している。基質は、h−PBMCにLPSを添加して45分後に加えた。
【図15】
図15は、17c〜20cによってh−PBMC(第5被験者)から得られるLPS(5μg/mL)誘導性TNF−α分泌の阻害を、最大応答に対するパーセントとして表して示している。基質は、h−PBMCにLPSを添加して45分後に加えた。
【図16】
図16は、17c〜20cで刺激したh−PBMC(第2被験者)からのIL−1β分泌を示している。
【図17】
図17は、19c及び20cによってh−PBMC(第4被験者)から得られるLPS(1μg/mL)誘導性TNF−α分泌の阻害を、最大応答に対するパーセントとして表して示している。基質は、h−PBMCにLPSを添加して45分後に加えた(8時間インキュベーション)。

Claims (37)

  1. ガロタンニン(gallotannin)又はエラギタンニン(ellagitannin)、及び医薬として許容される担体を含む、サイトカインの放出を調節するための医薬組成物。
  2. β−D−ペンタガロイルグルコース及び二量体ガロタンニンからなる群から選ばれるガロタンニンを含み、それにより、上記二量体ガロタンニンの炭水化物コアを結合しているリンカー単位が上記ガロタンニンの炭水化物コアを誤って配列させる結合である、サイトカインの放出を阻害する請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 上記リンカー単位がジアリールエーテルではない、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 上記リンカー単位がデヒドロジガロイルエーテルではない、請求項2に記載の医薬組成物。
  5. 上記リンカー単位が以下の:
    Figure 2004510688
    からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 上記リンカー単位が以下の:
    Figure 2004510688
    である請求項2に記載の製薬組成物。
  7. 1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルテレフタレート。
  8. 1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D−グルコピラノシルイソフタレート。
  9. 1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルビフェニル−4,4’−ジエステル。
  10. 1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシルピメレート。
  11. 1,1’−O−2,2’,3,3’,4,4’,6,6’−テトラキス(3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル)−β,β’−D,D’−グルコピラノシル−(2,3’−オキシ−ジ−ベンゾエート)。
  12. β−D−ペンタガロイルグルコース及び二量体ガロタンニンからなる群から選択される化合物、並びに医薬として許容される担体を含み、それにより、上記二量体ガロタンニンの炭水化物コアを結合しているリンカー単位が上記ガロタンニンの炭水化物コアを誤って配列させる結合である敗血症又は敗血性ショックを予防又は治療するための医薬組成物。
  13. サイトカイン放出を阻害するのに有効な量のガロタンニンを投与することを含むサイトカインの放出を阻害する方法。
  14. 前記ガロタンニンが医薬として許容される担体中で、β−D−ペンタガロイルグルコース及び二量体ガロタンニンからなる群から選択され、それにより上記二量体ガロタンニンの炭水化物コアを結合しているリンカー単位が上記ガロタンニンの炭水化物コアを誤って配列させる結合である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記リンカー単位がジアリールエーテルではない、請求項14に記載の方法。
  16. 上記リンカー単位が以下の:
    Figure 2004510688
    からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 上記リンカー単位が以下の:
    Figure 2004510688
    である、請求項16に記載の方法。
  18. 上記ガロタンニンが約0.1〜1000mg/kg/日の範囲の投与量で投与される、請求項14に記載の方法。
  19. 上記ガロタンニンが単回投与量で投与される、請求項14に記載の方法。
  20. 上記ガロタンニンが分割投与量で投与される、請求項14に記載の方法。
  21. 次式:
    Figure 2004510688
    (式中、Lは:
    Figure 2004510688
    からなる群から選択されるリンカー分子である)
    を有しているビス酸クロリドを次式:
    Figure 2004510688
    を有するアルコールとカップリングさせ、続いてベンジルエーテルを水素化して次式:
    Figure 2004510688
    を有する化合物を形成させることを含む、サイトカインの分泌を阻害するためのガロタンニンを製造する方法。
  22. 二量体ガロタンニン及び二量体エラギタンニン、これらのプロドラッグ並びにこれらの光学異性体からなる群から選択される、サイトカイン放出を促進するのに有効な量の化合物、並びに医薬として許容される担体を含むサイトカインの放出を促進するための医薬組成物であって、その際上記化合物の炭水化物コアはジアリールエーテルで結合されている前記医薬組成物。
  23. 上記化合物の炭水化物コアがデヒドロジガロイルエーテルで結合されている、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 上記化合物が次の構造:
    Figure 2004510688
    を有している二量体ガロタンニンである、請求項22に記載の組成物。
  25. 上記化合物が、コリアリイン(coriariin)A及びアグリモニイン(agrimoniin)からなる群から選択される二量体エラギタンニンである、請求項22に記載の組成物。
  26. 次の構造:
    Figure 2004510688
    を有する二量体ガロタンニン。
  27. 医薬として許容される担体中の、二量体ガロタンニン及び二量体エラギタンニンからなる群から選択される化合物の、サイトカイン放出を促進するのに有効な量を投与することを含むサイトカインの放出を促進する方法。
  28. 上記化合物の炭水化物コアがジアリールエーテルで結合されている、請求項27に記載の方法。
  29. 上記化合物が次の構造:
    Figure 2004510688
    を有している二量体ガロタンニンである、請求項27に記載の方法。
  30. 上記化合物がコリアリインA及びアグリモニインからなる群から選択される二量体エラギタンニンである、請求項27に記載の方法。
  31. 2,3,4,6−テトラキス(3,4,5−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−α−D−グルコピラノースをガロイルクロリドでアシル化してペンタエステルを形成させ;このペンタエステルを脱シリル化してカテコールを形成させ;このカテコールを酸化してオルトキノンを形成させ;このオルトキノンを二量体化してパーベンジル化ガロタンニン二量体を形成させ;そしてこのパーベンジル化ガロタンニン二量体のベンジルエーテルを水素化分解して二量体ガロタンニン又は二量体エラギタンニンを形成させることを含む、サイトカインの放出を促進するための二量体ガロタンニン又は二量体エラギタンニンを合成する方法。
  32. 上記アシル化工程がトリエチルアミンの存在下で生起する、請求項31に記載の方法。
  33. 上記カテコールがオルトクロラニルで酸化される、請求項31に記載の方法。
  34. 2−ニトロベンジル 4,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシドをその炭水化物コアの2及び3位でガロイル化してジエステルを形成させ;このジエステルのO(4),O(6)ベンジリデンアセタールを脱保護化して中間体ジオールを形成させ;この中間体ジオールを過剰の3−tert−ブチルジメチルシロキシ−4,5−ジフェニルメチレンジオキシ安息香酸でエステル化してテトラガロイル化合物を形成させ;このテトラガロイル化合物を脱シリル化してビスフェノールを形成させ;このビスフェノール中のO(4)及びO(6)位のガロイル基を酸化的にカップリングして4,6−(S)−HHDPを有する化合物を形成させ;この4,6−(S)−HHDPを有する化合物のジフェニルメチレンケタールを開裂してヘキサフェノール化合物を形成させ;このヘキサフェノール化合物をベンジル化して2−ニトロベンジル 4,6−(3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサベンジロキシ)ジフェノイル−2,3−ビス(2,3,4−トリス(ベンジロキシ)ベンゾイル)−β−D−グルコピラノシド化合物を形成させ;この化合物からO(1)−ニトロベンジルエーテルを開裂してパーベンジル化テリマグランジンI誘導体を形成させ;このパーベンジル化テリマグランジンI誘導体を使用して3,4,5−トリベンジロキシベンゾイルクロリドをエステル化してβ−エステル化生成物を形成させ;そしてこのβ−エステル化生成物のベンジルエーテルを水素化分解してテリマグランジンIIを形成させることを含む、テリマグランジンIIの合成方法。
  35. 上記の酸化的カップリング工程がPb(OAc)によって介在される、請求項34に記載の方法。
  36. 上記ジフェニルメチレンケタールがHOAcで開裂される、請求項34に記載の方法。
  37. 上記の3,4,5−トリベンジロキシベンゾイルクロリドがトリエチルアミンの存在下でエステル化される、請求項34に記載の方法。
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