JP2004509948A - 1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールの製造方法 - Google Patents

1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004509948A
JP2004509948A JP2002531099A JP2002531099A JP2004509948A JP 2004509948 A JP2004509948 A JP 2004509948A JP 2002531099 A JP2002531099 A JP 2002531099A JP 2002531099 A JP2002531099 A JP 2002531099A JP 2004509948 A JP2004509948 A JP 2004509948A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
methylpyrazole
represented
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002531099A
Other languages
English (en)
Inventor
メルクレ,ハンス,ルペルト
フレチュナー,エーリヒ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2004509948A publication Critical patent/JP2004509948A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D231/00Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings
    • C07D231/02Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings
    • C07D231/10Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D231/14Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D231/16Halogen atoms or nitro radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D231/00Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings
    • C07D231/02Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings
    • C07D231/10Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D231/14Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D231/18One oxygen or sulfur atom
    • C07D231/20One oxygen atom attached in position 3 or 5
    • C07D231/22One oxygen atom attached in position 3 or 5 with aryl radicals attached to ring nitrogen atoms

Abstract

本発明は、式I
【化1】
Figure 2004509948

{式中、RがC−C−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルを表し、これらの基の各々が1個以上の置換基を有していてもよい。}で表される1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールを、式II
【化2】
Figure 2004509948

{式中、Rが上述の意味を表す。}で表される1−置換−4−メチルピラゾールと塩素とを反応させて、式Iで表される化合物と式III
【化3】
Figure 2004509948

{式中、Rが上述の意味を表す。}で表される1−置換−3,5−ジクロロ−4−メチルピラゾールとの混合物を得る工程によって製造する方法であって、得られた混合物中の式IIIで表される化合物と式Iで表される化合物とを分離し、分離した式IIIで表される化合物を脱ハロゲン化して式IIで表される化合物を得、得られた式IIで表される化合物を上記式IIで表される化合物と塩素との反応工程に返還することを特徴とする方法を提供する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、式I
【0002】
【化6】
Figure 2004509948
【0003】
{式中、RがC−C−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルを表し、これらの基の各々が1個以上の置換基を有していてもよい。}、
で表される1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾール(N−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾール)の製造方法に関する。
【0004】
【従来技術】
1−アルキル−4−メチル−5−クロロピラゾールは、医薬および農薬のための重要な出発物質である。
【0005】
EP0366329A1は、4−メチルピラゾールとハロゲンとを反応させることによる5−ハロゲノ−4−メチルピラゾールと3,5−ジハロゲノ−4−メチルピラゾールとの製造方法を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、EP0366329A1に開示された方法には、塩素化を行なうと一塩素化物と二塩素化物の混合物が得られるという問題がある。このことは、有用な出発物質の一部が二塩素化ピラゾールの形態で失われ、出発物質として使用する4−メチルピラゾール化合物に対する5−クロロ−4−メチルピラゾールの収率があまり大きい値にはならないことを意味する。
【0007】
従って、本発明の目的は、出発物質として使用する4−メチルピラゾール化合物に対して高収率で目的化合物を得ることができるような、式Iで表される5−クロロ−4−メチルピラゾールの経済的な製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者等は、上述の目的は、まず4−メチルピラゾール化合物を塩素と反応させ、反応生成物をモノクロロピラゾールとジクロロピラゾールに分離し、ジクロロピラゾールを脱ハロゲン化して塩素との工程に返還する方法によって達成されることを発見した。
【0009】
即ち、本発明は、上述の式Iで表される1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールを、
式II
【0010】
【化7】
Figure 2004509948
【0011】
{式中、Rが上述の意味を表す。}、
で表される1−置換−4−メチルピラゾールと塩素とを反応させて、式Iで表される化合物と式III
【0012】
【化8】
Figure 2004509948
【0013】
{式中、Rが上述の意味を表す。}、
で表される1−置換−3,5−ジクロロ−4−メチルピラゾールとの混合物を得る工程によって製造する方法であって、
得られた混合物中の式IIIで表される化合物と式Iで表される化合物とを分離し、
分離した式IIIで表される化合物を脱ハロゲン化して式IIで表される化合物を得、
得られた式IIで表される化合物を、改めて塩素と反応させることを特徴とする方法である。
【0014】
本発明の方法では5−クロロ−4−メチルピラゾールIを高い全体収率で得ることができ、得られた化合物Iは、さらにN−置換−2−ピラゾリン−5−オンに転化することができる。この化合物も医薬および農薬の製造のための中間生成物として有用である。従って、本発明はさらに、式Iで表される1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールから出発してN−置換−2−ピラゾリン−5−オンを製造する方法を提供する。
【0015】
置換基Rの性質は本発明ではあまり重要ではなく、以下の意味を表す。
【0016】
−C−アルキル:炭素原子数1〜8個の直鎖状または分枝状のアルキル鎖、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、o−オクチルおよび2−エチルヘキシル。
【0017】
−C10−シクロアルキル:炭素原子数5〜10個の一環式または二環式の炭化水素基、たとえばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ノルボルニル、ビシクロ[2.2.2]オクチルおよびデカヒドロナフチル。
【0018】
上述の基は1個以上の置換基を有していてもよい。これらの置換基の例としては、例えばフッ素および塩素のようなハロゲン、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルのようなハロアルキル、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシのようなフルオロアルコキシが挙げられる。シクロアルキルはこの置換基としても好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
式IIで表される出発物質は公知であり、当業者が使用することができる。(例えば、EP0366329A1およびこの公報において引用されている文献を参照)。
【0020】
4−メチルピラゾールIIと塩素との反応はピラゾールの塩素化のための慣用法によって行ない、例えばEP0366329A1に記載されている方法によって行なう。EP0366329A1は参考として本明細書に組み入れられる。塩素化は不活性有機溶媒中で行なうのが好ましい。使用する溶媒の例としては、例えば1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジクロロプロパン、1−クロロペンタンのようなハロゲン化された脂肪族炭化水素が挙げられる。
【0021】
反応温度は、一般には室温から溶媒の沸点までの範囲の温度であり、約40℃〜約70℃の範囲に維持される。
【0022】
通常化合物IIと塩素との反応は、必要な反応温度下で化合物IIを含む反応容器に充分量の塩素を添加する方法で行う。塩素は、塩素含有溶液、好ましくは上述の溶媒の1種を使用した塩素含有溶液の形態で添加するか、または塩素ガスとの接触の形態で添加することできる。完全に反応を進めるために、通常塩素をピラゾールIIに対して過剰量で使用する。好ましくは70mol%までの過剰量、特に好ましくは10〜60mol%の過剰量で塩素を使用する。ジクロロ化合物の比率が多くなっても後に妨害にならない。というのは、本発明の方法では、ジクロロピラゾールが脱ハロゲン化されて塩素との反応に返還されるからである。
【0023】
塩素化で得られた反応混合物を慣用的な方法で精製し、一塩素化化合物Iとに塩素化化合物IIIの混合物(該混合物は、使用した化合物IIに対して95%を超える収率で得られる。)を、例えば分留法、好ましくは減圧下での分留法、により分離する。この結果、別の工程で直ぐに加工処理することができるような純粋な化合物Iが得られる。本発明では、化合物III、適当な場合には化合物Iと混合された化合物III、を脱ハロゲン化して化合物IIを得る。
【0024】
化合物IIIまたは化合物Iと化合物IIIとの混合物の脱ハロゲン化は、この目的のための慣用法によって行なう。種々の脱ハロゲン化法に関する総説が、Chem.Technik 6 (1994) 316−323およびこの文献の引用文献に記載されている。
【0025】
化合物IIIの脱ハロゲン化は、接触水素化分解により行なうのが好ましい。水素の分圧は、一般的には約1〜約80bar、好ましくは約10〜約80bar、特に好ましくは約10〜約50barの範囲である。脱ハロゲン化は一般的には昇温条件下で、好ましくは約室温〜約150℃で、特に好ましくは約50℃〜約100℃の範囲の温度で行う。反応時間は、予想されるように、選択した反応条件および使用する化合物IIIに依存する。
【0026】
水素化分解のために使用する触媒は、一般的には遷移金属およびその化合物またはその錯体の触媒であり、担持触媒の形態で使用するのが好ましい。特に好ましい遷移金属は、元素周期律表のVIII族の金属であり、パラジウム、ロジウムおよび白金のような白金族の金属が特に好ましい。
【0027】
好適な担体物質には、二酸化チタン、シリカゲル、シリカ、ゼオライト、アルミナのような無機担体と有機ポリマーの両方または活性炭が含まれる。本発明の好ましい形態では、活性炭に担持したパラジウム触媒が触媒として使用される。
【0028】
生成した塩化水素を捕捉するために、水素化分解は、3級アミン(例えばトリエチルアミン)のような好適な塩基、またはアルカリ金属の酢酸塩またはアルカリ土類金属の酢酸塩(特に酢酸ナトリウム)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム)またはアルカリ金属の重炭酸塩(例えば重炭酸ナトリウム)のような塩基性塩、の存在下で行うのが好ましい。他の好適な塩基としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物、および水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属の水酸化物が挙げられる。酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属の酸化物も好ましい。好ましくは、1molの化合物IIIに対して少なくとも2molの塩基を使用する。というのは、2molの塩化水素を中和しなければならないからである。
【0029】
脱ハロゲン化は有機溶媒中で行なうのが好ましい。特に好ましい溶媒は、出発物質である化合物II、脂肪族のC−C−カルボン酸(例えば、蟻酸、酢酸、プロパン酸、ピバル酸、酪酸およびこれらの混合物、特に酢酸)、または、反応条件下で安定な溶媒(例えば、テトラヒドロフランおよびジオキサンのようなエーテル、酢酸エステルのようなカルボン酸エステル、トルエンのような芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素)である。好ましい形態では、氷酢酸および/または出発物質である化合物IIを溶媒として使用する。
【0030】
脱ハロゲン化して得られた反応混合物を慣用的な方法で精製すると、式IIで表される4−メチルピラゾールが得られ、得られた4−メチルピラゾールを改めて塩素化する。
【0031】
従って、本発明の方法により、式IIで表されるピラゾールを式Iで表される5−クロロ−4−メチルピラゾールに高収率で転化することができる。
【0032】
本発明の方法により得られる式Iで表される5−クロロ−4−メチルピラゾールは、式IVで表されるN−置換−2−ピラゾリン−5−オン
【0033】
【化9】
Figure 2004509948
【0034】
{式中、Rが上述の意味を表す。}、
の合成に関して特に興味深い。というのは、発明者が、式Iで表される化合物の4−メチル基を分解すると同時に5−クロロ基を水酸基に置き換えることができることを発見したからである。この反応によって得られる5−ヒドロキシピラゾールは、式IVで表される化合物の互変異性体であり、従って、化合物IVに転位し、または化合物IVとの平衡の状態になる。
【0035】
5−クロロ−4−メチルピラゾールIの転化は、本発明では、
まず、4位のメチル基をカルボキシル基に酸化し、
このようにして得られた式Vで表される4−カルボキシ−5−クロロピラゾール
【0036】
【化10】
Figure 2004509948
【0037】
{式中、Rが上述の意味を表す。}を過剰モル量のアルカリ金属の水酸化物と、昇温条件下で水性反応媒体中で反応させ、
続いて上記水性反応媒体のpHを、酸を添加して6以下に調整する、
ことにより行なう。
【0038】
芳香族のメチル基をカルボキシル基に酸化する方法は公知であり、例えばEP224094、US−A−3801584およびEP350176Aに記載されている。
【0039】
N−置換−5−ハロゲノ−4−メチルピラゾールは、EP350176Aに記載されている簡単な方法により式Vで表されるカルボン酸に酸化するのが好ましい。
【0040】
酸化は、過酸化水素および/または酸素を使用して行なうのが好ましい。使用する酸素の供給源は純酸素または空気であり、酸素含有ガスの分圧は一般的には約1〜93barの範囲である。酸化は、遷移金属化合物または遷移金属塩(但し、遷移金属は0より大きい酸化状態で存在する。)の存在下で化合物Iと雰囲気酸素を反応させて行なうのが好ましい。
【0041】
好適な遷移金属塩としては、マンガン、コバルト、鉄の塩、およびこれらの混合物(例えば、蟻酸鉄、酢酸鉄、乳酸鉄、蓚酸鉄、オクチル酸鉄、鉄アセチルアセトナート、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、蟻酸コバルト、酢酸コバルト、オクチル酸コバルト、コバルトアセチルアセトナート、ヨウ化コバルト、炭酸コバルト、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、オクチル酸マンガン、マンガンアセチルアセトナート、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、炭酸マンガン)が挙げられる。
【0042】
酸化は、臭化物イオン、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属の臭化物(例えば臭化ナトリウム、臭化カリウム)または臭化アンモニウムの形態の臭化物イオン、の存在下で行なうのが好ましい。
【0043】
通常使用される溶媒は、酢酸、プロパン酸、酪酸のような低級カルボン酸、または無水酢酸、無水プロパン酸のような低級カルボン酸無水物である。反応温度は通常約20℃〜約200℃の範囲である。
【0044】
本発明の方法において化合物VをピラゾロンIVに転化するためには、第一工程として、式Vで表される化合物を過剰モル量のアルカリ金属の水酸化物と水性反応媒体中で反応させる。1molの化合物Vに対して2mol以上のアルカリ金属の水酸化物を使用すると、化合物Vに関して過剰モル量のアルカリ金属の水酸化物が確保される。第1工程では、1molが塩素を水酸基で置換するために必要とされ、さらに1molがカルボン酸の中和のために必要とされる。本発明では、1molの化合物Vに対して3〜20mol、特に5〜12mol、のアルカリ金属の水酸化物を使用するのが好ましい。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
【0045】
好適な水性反応媒体は、水単独の媒体と、水および水と混合しうる有機溶媒の混合物との媒体と、の両方である。水と混合しうる有機溶媒は、反応条件下でアルカリ金属の水酸化物に対して不活性な溶媒が好ましい。好適な有機溶媒の例としては、C−C−アルカノール、特にメタノールおよびエタノール、およびジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等が挙げられる。水性反応媒体は、水と混合しうる有機溶媒を、一般的には50容量%以下、好ましくは30容量%以下、特に好ましくは10容量%以下の量で含むことができる。本発明の好ましい形態では、水単独の媒体が使用される。
【0046】
上記第1工程は、10〜50質量%、特に20〜40質量%のアルカリ金属の水酸化物を含有するアルカリ金属の水酸化物の水性溶液中で行なうのが特に好ましい。
【0047】
第1工程は、本発明では昇温条件下で行なう。「昇温条件下」という語は、一般的には少なくとも50℃、好ましくは少なくとも90℃の温度に加熱された条件下を意味する。反応温度は、一般的には200℃以下である。反応は、120℃〜200℃の範囲の温度で行なうのが極めて好ましい。
【0048】
第1工程は、反応温度に依存して、大気圧下または昇圧下で行なう。100℃以上の反応温度では、1〜10barの反応圧力が一般的に設定される。典型的な反応条件は、例えば純水の反応媒体の場合には、150〜180℃および5〜7barの条件である。
【0049】
上述の反応により、通常は出発物質である化合物Vのほぼ完全な転化が行なわれる。この場合の「転化」という語は、ピラゾール化合物VのCl基がヒドロキシル基に変換すること、または対応するアルコラートが生成することを意味する。事実上完全な転化に到達するまでの時間は、もちろん選択された反応条件に依存し、0.5〜24時間の範囲で変化しうる。典型的な反応時間は、純水の反応媒体の場合には、一般的に2〜10時間の範囲である。
【0050】
続く第2工程では、第1工程で得られた生成物を酸性条件下で反応させる。この工程は、COの放出を伴う化合物IVの形成を含む。COの放出は、ピラゾール環の4位に存在するカルボキシル基の脱離のためである。
【0051】
第2工程は、通常は第1工程で生成した生成物の単離を行なわないで実行する。第2工程は、第1工程で得られた反応混合物に酸を添加することにより開始するのが好ましい。適当な場合には、第2工程を実行する前に第1工程の水性溶媒を部分的にまたは完全に除去し、新規な溶媒、好ましくは水性溶媒、特に水、と置換することもできる。例えば化合物IVと同程度の揮発性を有するためまたは他の理由により化合物IVの単離を妨害するような有機溶媒を第1工程で使用していた場合には、この方法が特に好適である。
【0052】
本発明の第2工程は、酸性条件下、即ち第2工程における反応混合物のpHが6以下、好ましくはpHが1〜3の範囲、である条件下で行なう。pHは0以上が好ましい。pHは酸を第1工程の生成物に添加することにより調整する。酸は、第1工程により得られた水性反応混合物に添加するのが好ましい。この工程の手順は、一般的には、第1工程において得られた反応混合物を第2工程のための好適な温度、一般的には約0℃〜100℃、好ましくは約10℃〜50℃、に冷却した後に酸を添加するようにして行なう。
【0053】
好適な酸には、原則として、所望のpHに到達させるのに充分な酸強度を有する酸が全て含まれる。第2工程を第1工程の直後に行なう場合には、過剰のアルカリ金属の水酸化物を中和しなければならないという事実を考慮しなければならない。このため、強酸、好ましくは塩酸、硫酸または燐酸のような鉱酸を、pHを調整するために使用する。酸、特に塩酸、燐酸および硫酸は、希釈された水溶液の形態で使用するのが好ましい。
【0054】
第1工程を加圧下で行なう場合には、酸による中和の前に反応器を減圧しておくのが望ましい。好適なpHに到達すると、通常脱カルボキシ化が酸の添加と共に起り始める。所望により、脱カルボキシ化を完全に終了させるために、反応条件を所定時間(数分〜数時間の範囲であってもよい)維持することもできる。化合物IVは、第2工程で得られた反応混合物を慣用的な精製法、例えば液体反応混合物を有機溶媒で抽出して精製する方法により精製することにより、または溶媒を除去した後に得られた残渣から目的の化合物を単離することにより、慣用的に単離する。精製の前に、第2工程で得られた反応混合物を塩基で中和してpH6以上、例えばpH6〜7に調整しておくのが望ましい。好適な塩基としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の重炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物が挙げられる。通常アルカリ金属の水酸化物、特に水酸化ナトリウム、が中和のために使用される。
【0055】
本発明の方法において最終的に到達する塩含有量のために、化合物IVを単離するためには、第2工程の水性反応媒体を好ましくは中和の後に真空での蒸留または蒸発により実質的にまたは完全に除去し、残渣を好適な有機溶媒で抽出するのが望ましい場合がある。この目的のために当業者によって選択される溶媒は、目的の生成物を溶解しかつ中和の結果生成した塩は溶解しないような溶媒である。抽出のための典型的な有機溶媒は、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコールのようなC−C−アルコール、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレンのような芳香族炭化水素である。抽出物を蒸発乾固すると目的の化合物IVが得られ、この化合物は慣用的な方法でさらに精製して純化することができる。
【0056】
第2工程の水性反応媒体を、好ましくは中和の後で、水と全くまたはほとんど混合しない極性溶媒、例えばn−ブタノール、イソブタノール、アミルアルコールまたはイソアミルアルコールのようなC−C−アルコールまたは上述の芳香族炭化水素の1種、で抽出して精製することもできる。抽出は、何回かに分けてまたは連続的に行うことができる。
【0057】
本発明の方法を説明するために、化合物Vを2−ピラゾリン−5−オンに転化する典型的な方法を以下に記載する。
【0058】
化合物Vを、アルカリ金属の水酸化物の水性溶液に溶解する。溶液中の濃度は通常10〜50質量%の範囲であり、1molの化合物Vに対して5〜12molのアルカリ金属の水酸化物が存在するような状態である。得られた溶液をオートクレーブ中で150〜180℃の温度に加熱し、圧力を5〜7barの範囲に調整する。この反応温度を2〜10時間維持する。室温に冷却した後、大気圧に減圧し、充分量の鉱酸を添加してpHを調整する。pHの値は0〜6の範囲が好ましく、1〜3の範囲が特に好ましい。このとき同時にCOの放出が起る。次に塩基を添加して中和し、pHを6〜7に調整する。反応混合物を真空中で蒸発乾固し、固体残渣を例えはソックスレー抽出器中で好適な溶媒により抽出する。溶媒を蒸発させると式IVで表されるN−置換−2−ピラゾリン−5−オンが高収率かつ高純度で得られる。上述の蒸発/抽出の代わりに、pH6〜7に中和した後の水性反応混合物から好適な溶媒、例えばイソブタノールまたはトルエン、で抽出することによって化合物IVを単離することができる。
【0059】
【実施例】
本発明の方法を説明するために、式IIで表される化合物を式Iで表されるN−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールに転化する方法、得られた化合物を酸化して式Vで表される化合物を得る方法、化合物Vを式IVで表されるN−置換2−ピラゾリン−5−オンに転化する方法について、典型的な方法を以下に示す。この実施例は説明のためのものであり、本発明はこの実施例の範囲に限定されない。
【0060】
例1:1,4−ジメチルピラゾールの塩素化
190g(2.67mol)の塩素を、192g(2.0mol)の1,4−ジメチルピラゾールと800gの1,2−ジクロロエタンの溶液中に2時間通気した。温度は60℃に上昇したが、氷で冷却することにより60℃に維持することができた。冷却しながら、得られた反応混合物を25℃で650g(2.43mol)の濃度15%の水酸化ナトリウム水溶液で中和した。相分離が終了した後、有機相を蒸留し、170.1g(1.3mol)の沸点が105℃(120torr)であり純度99.7%(GCで測定)である5−クロロ−1,4−ジメチルピラゾールと、99.3g(0.6mol)の沸点が85℃(15torr)であり純度が99.5%(GCで測定)である3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾールが得られた。5−クロロ−1,4−ジメチルピラゾールおよび3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾールの全収率は、1、4−ジメチルピラゾールに対して95%であった。
【0061】
例2:3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾールの氷酢酸中での脱ハロゲン化
12.5g(0.075mol)の純度99.5%の3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾール、150gの純度100%の酢酸、12.3g(0.15mol)の酢酸ナトリウムおよび6.3gの10%Pd/C触媒を、350mlの撹拌式オートクレーブ中で60℃に加熱した。水素30barをこの温度で導入した。直後に反応が開始し、水素の摂取は約3時間後に終了した。オートクレーブを25℃に冷却し、減圧し、触媒と生成した塩化ナトリウムを濾過して除去した。濾液を蒸留したところ、6.86gの沸点151℃で純度99.7%(GCで測定)である1,4−ジメチルピラゾールが得られた。収率は、理論値の95%に相当する。
【0062】
例3:酢酸ナトリウム存在下での3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾールの1,4−ジメチルピラゾール中での脱ハロゲン化
16.6g(0.1mol)の純度99.5%の3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾール、50gの純度99.8%の1,4−ジメチルピラゾール、16.4g(0.2mol)の酢酸ナトリウムおよび6.4gの30%Pd/C触媒を、350mlの撹拌式オートクレーブ中で80℃に加熱した。水素40barをこの温度で導入した。水素の摂取は約6時間後に終了した。オートクレーブを25℃に冷却し、減圧し、触媒と生成した塩化ナトリウムを濾過して除去した。濾液を蒸留したところ、59gの沸点151℃で純度99.8%である1,4−ジメチルピラゾールが得られた。溶媒として使用した1,4−ジメチルピラゾールの50gを差し引くと、収率は理論値の93.6%に相当する。
【0063】
例4:水酸化ナトリウム溶液存在下での3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾールの1,4−ジメチルピラゾール中での脱ハロゲン化
16.6g(0.1mol)の純度99.5%の3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾール、50gの純度99.8%の1,4−ジメチルピラゾール、16.0g(0.2mol)の濃度50質量%の水酸化ナトリウム溶液および6.4gの30%Pd/C触媒を、350mlの撹拌式オートクレーブ中で80℃に加熱した。水素40barをこの温度で導入した。水素の摂取は約6時間後に終了した。オートクレーブを25℃に冷却し、減圧し、触媒と生成した塩化ナトリウムを濾過して除去した。濾液を蒸留したところ、58.7gの沸点151℃で純度99.8%である1,4−ジメチルピラゾールが得られた。溶媒として使用した1,4−ジメチルピラゾールの50gを差し引くと、収率は理論値の90.0%に相当する。
【0064】
例5:水酸化カルシウム存在下での3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾールの1,4−ジメチルピラゾール中での脱ハロゲン化
16.6g(0.1mol)の純度99.5%の3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾール、50gの純度99.8%の1,4−ジメチルピラゾール、7.4g(0.1mol)の水酸化カルシウム、8mlの水および6.4gの30%Pd/C触媒を、350mlの撹拌式オートクレーブ中で80℃に加熱した。水素40barをこの温度で導入した。水素の摂取は約6時間後に終了した。オートクレーブを25℃に冷却し、減圧し、触媒と生成した塩化カルシウムを濾過して除去した。濾液を蒸留したところ、58.2gの沸点151℃で純度99.7%である1,4−ジメチルピラゾールが得られた。溶媒として使用した1,4−ジメチルピラゾールの50gを差し引くと、収率は理論値の84.6%に相当する。
【0065】
例6:酸化カルシウム存在下での3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾールの1,4−ジメチルピラゾール中での脱ハロゲン化
16.6g(0.1mol)の純度99.5%の3,5−ジクロロ−1,4−ジメチルピラゾール、50gの純度99.8%の1,4−ジメチルピラゾール、5.6g(0.1mol)の酸化カルシウム、8mlの水および6.4gの30%Pd/C触媒を、350mlの撹拌式オートクレーブ中で80℃に加熱した。水素40barをこの温度で導入した。水素の摂取は約6時間後に終了した。オートクレーブを25℃に冷却し、減圧し、触媒と生成した塩化カルシウムを濾過して除去した。濾液を蒸留したところ、57.6gの沸点151℃で純度99.7%である1,4−ジメチルピラゾールが得られた。溶媒として使用した1,4−ジメチルピラゾールの50gを差し引くと、収率は理論値の78.4%に相当する。
【0066】
例7:1−エチル−4−メチルピラゾールの塩素化
167.7g(2.36mol)の塩素を、165g(1.5mol)の1−エチル−4−メチルピラゾールと625gの1,2−ジクロロエタンの溶液中に2時間通気した。温度は60℃に上昇したが、氷で冷却することにより60℃に維持することができた。冷却しながら、得られた反応溶液を25℃で533.9g(2.0mol)の濃度15%の水酸化ナトリウム水溶液で中和した。相分離が終了した後、有機相を蒸留し、122.1g(0.843mol)の沸点が118℃(200torr)であり純度99.8%(GCで測定)である5−クロロ−1−エチル−4−メチルピラゾールと、109.1g(0.61mol)の沸点が154℃(200torr)であり純度が99.6%である3,5−ジクロロ−1−エチル−4−メチルピラゾールが得られた。全収率は、1−エチル−4−メチルピラゾールに対して96.6%であった。
【0067】
例8:3,5−ジクロロ−1−エチル−4−メチルピラゾールの氷酢酸中での脱ハロゲン化
18.0g(0.1mol)の純度99.6%の3,5−ジクロロ−1−エチル−4−メチルピラゾール、100gの純度100%の酢酸、16.4g(0.2mol)の酢酸ナトリウムおよび8.4gの10%Pd/C触媒を、350mlの撹拌式オートクレーブ中で80℃に加熱した。水素20barをこの温度で導入した。直後に反応が開始し、水素の摂取は約2時間後に終了した。オートクレーブを25℃に冷却し、減圧し、触媒と生成した塩化ナトリウムを濾過して除去した。濾液を蒸留したところ、10.3gの沸点158℃で純度99.6%(GCで測定)である1−エチル−4−メチルピラゾールが得られた。この値は、理論値の93.4%に相当する。
【0068】
例9:3,5−ジクロロ−1−エチル−4−メチルピラゾールの1−エチル−4−メチルピラゾール中での脱ハロゲン化
18.0g(0.1mol)の純度99.6%の3,5−ジクロロ−1−エチル−4−メチルピラゾール、50gの純度99.8%の1−エチル−4−メチルピラゾール、16.4g(0.2mol)の酢酸ナトリウムおよび6.4gの30%Pd/C触媒を、350mlの撹拌式オートクレーブ中で80℃に加熱した。水素30barをこの温度で導入した。水素の摂取は約4時間後に終了した。オートクレーブを25℃に冷却し、減圧し、触媒と生成した塩化ナトリウムを濾過して除去した。濾液を蒸留したところ、60.4gの沸点158℃で純度99.7%である1−エチル−4−メチルピラゾールが得られた。溶媒として使用した1−エチル−4−メチルピラゾールの50gを差し引くと、収率は理論値の93.6%に相当する。
【0069】
例10:5−クロロ−1,4−ジメチルピラゾールの酸化
43.1g(0.33mol)の5−クロロ−1,4−ジメチルピラゾール、2.5g(0.01mol)の酢酸コバルト(II)・四水和物、0.66g(2.68mmol)の酢酸マンガン(II)・四水和物、2.0g(19.4mmol)の臭化ナトリウム、および180g(3.0mol)の純度100%の酢酸を、350mlの撹拌式オートクレーブ中で130℃に加熱した。酸素20barをこの温度で導入した。直後に反応が開始した。酸素は数回再導入した。約5時間後に酸素の消費が行なわれなくなった。オートクレーブを室温に冷却し、減圧した。得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残渣を300mlの濃度20質量%の酢酸水溶液から再結晶した。乾燥したところ、44.1gの純度99.2%(HPLCで測定)である5−クロロ−1−メチル−4−ピラゾールカルボン酸が得られた。収率は、理論値の82.6%に相当する。融点は197℃であった。
【0070】
例11:5−クロロ−1−エチル−4−メチルピラゾールの酸化
1バッチの量および手順は例10に対応させた。47.7g(0.33mol)の5−クロロ−1−エチル−4−メチルピラゾールを使用した。乾燥したところ、46.0gの純度99.5%(HPLCで測定)である5−クロロ−1−エチル−4−ピラゾールカルボン酸が得られた。収率は、理論値の79.5%に相当する。融点は208℃であった。
【0071】
例12:5−クロロ−1,4−ジメチルピラゾールの酸化
26.1g(0.2mol)の5−クロロ−1,4−ジメチルピラゾール、6.6g(0.026mol)の酢酸コバルト(II)・四水和物、6.0g(0.035mol)の濃度47%の臭酸、2.0g(0.017mol)の濃度30%の過酸化水素および240g(4.0mol)の純度100%の酢酸を、350mlの撹拌式オートクレーブ中で90℃に加熱した。酸素30barをこの温度で導入した。直後に反応が開始した。酸素は数回再導入した。約6時間後に酸素の消費が行なわれなくなった。オートクレーブを室温に冷却し、減圧した。得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残渣を150mlの濃度20質量%の酢酸水溶液から再結晶した。乾燥したところ、26.5gの純度98.7%(HPLCで測定)である5−クロロ−1−メチル−4−ピラゾールカルボン酸が得られた。収率は、理論値の81.5%に相当する。融点は195℃であった。
【0072】
例13:1−メチル−2−ピラゾリン−5−オンの製造
10g(0.0623mol)の5−クロロ−1−メチル−4−ピラゾールカルボン酸を250mlオートクレーブ中で100gの濃度25質量%の水酸化ナトリウム溶液(=0.623mol)に溶解した。この溶液を175℃で6時間加熱した。この過程で圧力が6barに上昇した。冷却後、大気圧に減圧した。次に反応混合物を、濃度60質量%の硫酸でpH1.5に調整した。COの放出がこの間に起った。数分後に、濃度25質量%の水酸化ナトリウム溶液でpH6.5に調整した。得られた溶液を真空中で蒸発乾固した。固体残渣をソックスレー抽出器に移し、エタノールで連続的に抽出した。真空蒸留でエタノールを除去したところ、5.7gの純度98.9%(GCで測定)の目的化合物が得られた。融点は113℃であった。収率は理論値の92.3%に相当する。生成物は、標準サンプルとの混融点によって同定した。
【0073】
例14:1−エチル−2−ピラゾリン−5−オン=5−ヒドロキシ−1−エチルピラゾールの製造
4gの5−クロロ−1−エチル−4−ピラゾールカルボン酸を40gの濃度25質量%の水酸化ナトリウム溶液に溶解し、例13の手順に類似した手順で反応させた。第1工程における反応温度は170℃であり、反応圧力は7.5barであった。反応は8時間継続した。例13の方法で精製したところ、2.3gの純度99.7%(GCで測定)の目的化合物が得られた。融点は88℃であった。収率は理論値の89.4%に相当する。生成物は、標準サンプルとの混融点により同定した。
【0074】
例15:1−メチル−2−ピラゾリン−5−オンの製造、液/液抽出による精製
10gの5−クロロ−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸を、例13のようにまず100gの濃度25質量%の水酸化ナトリウム溶液と反応させ、続いて酸性条件下にした。酸性反応混合物を濃度25質量%の水酸化ナトリウム溶液でpH6.5に調整した後、反応混合物を液/液抽出器に移し、イソブタノールでこの溶媒の沸点にあたる温度で抽出した。有機相を分離した後、蒸留でイソブタノールを除去したところ、5.8gの純度98.1%(GCで測定)の1−メチル−2−ピラゾリノンが残った。融点は112℃であった。収率は理論値の92.5%であった。

Claims (8)

  1. 式I
    Figure 2004509948
    {式中、RがC−C−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルを表し、これらの基の各々が1個以上の置換基を有していてもよい。}、
    で表される1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールを、
    式II
    Figure 2004509948
    {式中、Rが上述の意味を表す。}、
    で表される1−置換−4−メチルピラゾールと塩素とを反応させて、式Iで表される化合物と式III
    Figure 2004509948
    {式中、Rが上述の意味を表す。}、
    で表される1−置換−3,5−ジクロロ−4−メチルピラゾールとの混合物を得る工程によって製造する方法であって、
    得られた混合物中の式IIIで表される化合物と式Iで表される化合物とを分離し、
    分離した式IIIで表される化合物を脱ハロゲン化して式IIで表される化合物を得、
    得られた式IIで表される化合物を、前記式IIで表される化合物と塩素との反応工程に返還する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記脱ハロゲン化を、パラジウム触媒の存在下に水素を使用して行なうことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記パラジウム触媒が、活性炭にパラジウムを担持させた触媒であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 式IIIで表される化合物を、脱ハロゲン化の前に、塩素化される式IIで表される化合物と混合することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 式IV
    Figure 2004509948
    {式中、Rが請求項1において示された意味を表す。}、
    で表される1−置換−ピラゾロンの製造方法であって、
    請求項1〜4のいずれかに記載の方法により式Iで表される1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールを製造する工程、
    続いて得られた式Iで表される化合物の4−メチル基をカルボキシル基に酸化する工程、
    得られた式V
    Figure 2004509948
    {式中、Rが上述の意味を表す。}、
    で表される1−置換−4−カルボキシ−5−クロロピラゾールと過剰モル量のアルカリ金属の水酸化物とを、水性反応媒体中で昇温条件下で反応させる工程、および、
    続いて水性反応媒体のpHを、酸を添加して6以下に調整する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  6. 式Vで表される化合物を、1モルの該化合物に対して少なくとも3モルに相当する量のアルカリ金属の水酸化物と反応させることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 水性反応媒体中でのアルカリ金属の水酸化物との反応を90℃以上の温度で行なうことを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
  8. 酸を0〜100℃の温度で添加することを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
JP2002531099A 2000-09-29 2001-09-28 1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールの製造方法 Withdrawn JP2004509948A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10048384 2000-09-29
PCT/EP2001/011259 WO2002026715A1 (de) 2000-09-29 2001-09-28 Verfahren zur herstellung von 1-substituierten 5-chlor-4methylpyrazolen

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004509948A true JP2004509948A (ja) 2004-04-02

Family

ID=7658155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002531099A Withdrawn JP2004509948A (ja) 2000-09-29 2001-09-28 1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールの製造方法

Country Status (14)

Country Link
US (1) US7002023B2 (ja)
EP (1) EP1320527B1 (ja)
JP (1) JP2004509948A (ja)
AT (1) ATE404540T1 (ja)
AU (2) AU1499902A (ja)
BR (1) BR0114202A (ja)
CA (1) CA2423605A1 (ja)
DE (1) DE50114223D1 (ja)
DK (1) DK1320527T3 (ja)
ES (1) ES2309101T3 (ja)
IL (1) IL155124A0 (ja)
PT (1) PT1320527E (ja)
SI (1) SI1320527T1 (ja)
WO (1) WO2002026715A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013082706A (ja) * 2011-09-28 2013-05-09 Fujifilm Corp 5−ヒドロキシ−1h−イミダゾール−4−カルボキサミド水和物の結晶
US9108928B2 (en) 2011-09-28 2015-08-18 Fujifilm Corporation Crystal of 5-hydroxy-1H-imidazole-4-carboxamide 3/4 hydrate, method for producing the same and crystal of 5-hydroxy-1H-imidazole-4-carboxamide hydrate

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5017068B1 (ja) * 1970-12-30 1975-06-18
JP2743473B2 (ja) 1988-07-04 1998-04-22 日産化学工業株式会社 ピラゾールカルボン酸類の製造方法
DE68926016T2 (de) 1988-10-27 1996-09-19 Nissan Chemical Ind Ltd Halogeno-4-Methylpyrazole und Verfahren zu ihrer Herstellung
AR026475A1 (es) * 1999-11-19 2003-02-12 Merck Sharp & Dohme Una pirazolotriazina sustituida como agonista inverso selectivo apra el subtipo de receptor de gaba-a alfa 5

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013082706A (ja) * 2011-09-28 2013-05-09 Fujifilm Corp 5−ヒドロキシ−1h−イミダゾール−4−カルボキサミド水和物の結晶
US9108928B2 (en) 2011-09-28 2015-08-18 Fujifilm Corporation Crystal of 5-hydroxy-1H-imidazole-4-carboxamide 3/4 hydrate, method for producing the same and crystal of 5-hydroxy-1H-imidazole-4-carboxamide hydrate
US9567303B2 (en) 2011-09-28 2017-02-14 Fujifilm Corporation Crystal of 5-hydroxy-1H-imidazole-4-carboxamide hydrate and pharmaceutical composition thereof

Also Published As

Publication number Publication date
CA2423605A1 (en) 2003-03-25
PT1320527E (pt) 2008-10-24
BR0114202A (pt) 2003-10-07
US7002023B2 (en) 2006-02-21
EP1320527A1 (de) 2003-06-25
WO2002026715A1 (de) 2002-04-04
DK1320527T3 (da) 2008-12-01
SI1320527T1 (sl) 2008-12-31
ES2309101T3 (es) 2008-12-16
ATE404540T1 (de) 2008-08-15
IL155124A0 (en) 2003-10-31
AU1499902A (en) 2002-04-08
EP1320527B1 (de) 2008-08-13
DE50114223D1 (de) 2008-09-25
AU2002214999B2 (en) 2006-11-30
US20040102505A1 (en) 2004-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4114754B2 (ja) 1−置換−3−フルオロアルキルピラゾール−4−カルボン酸エステルの製造方法
JP4728317B2 (ja) N−保護4−ケトプロリン誘導体の製造方法
JP4765623B2 (ja) 2−クロロ−5−フルオロ−3−置換ピリジンまたはその塩の製造方法
JP2014523912A (ja) 2,2−ジフルオロエタノールの製造方法
EP2471766B1 (en) Process for producing 4-methyl-2,3,5,6-tetrafluorobenzyl alcohol
WO2015110493A1 (en) Method for preparing 1-alkyl-3-difluoromethyl-5-fluor-1h-pyrazole-4-carbaldehydes and 1-alkyl-3-difluoromethyl-5-fluor-1h-pyrazole-4-carboxylates
JP2004509948A (ja) 1−置換−5−クロロ−4−メチルピラゾールの製造方法
JP5686805B2 (ja) 2,4−ジオキソテトラヒドロフラン−3−カルボキシラートを調製するための方法
WO2001074799A1 (fr) Derives d'oxetane fluores et leur procede de preparation
JP2007091627A (ja) シアノピリジン誘導体の製造法
JP4568404B2 (ja) ピラゾールカルボン酸エステル誘導体の製造法
JP2009242370A (ja) トルイジン化合物の製造方法
JP5507147B2 (ja) ピリミジニルアルコール誘導体の製造方法及びその合成中間体
EP0635468B1 (en) Method of obtaining alpha-substituted omega-hydroperfluoroalkanes
JP2013530945A (ja) 1−アルキル−3−ジフルオロメチル−5−ヒドロキシピラゾール類の製造方法
JP4273271B2 (ja) ピラゾール化合物及びその製造法
TW553935B (en) Preparation of n-substituted 2-pyrazolin-5-ones
JP3382681B2 (ja) 含フッ素化合物およびその製法
JP4831897B2 (ja) (2,6−ジクロロピリジン−4−イル)メタノールの製造方法
JPH10114750A (ja) ピラゾール誘導体の製造法
JP2004067592A (ja) アミノ−フェニルピペリジンの製造法
JPH04243867A (ja) 2−クロル−4−ピリジンメタノールの製造方法
JPH11217372A (ja) 2−アルコキシ−6−アミノ−5−ハロゲノ−3−ピリジンカルボン酸誘導体の製造方法
JPWO2004094423A1 (ja) ピラゾロアクリドン誘導体の製造法およびその合成中間体
JP2001122857A (ja) インドールー3−カルボン酸類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080919

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20100622