JP4765623B2 - 2−クロロ−5−フルオロ−3−置換ピリジンまたはその塩の製造方法 - Google Patents

2−クロロ−5−フルオロ−3−置換ピリジンまたはその塩の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2−クロロ−5−フルオロニコチン酸またはその塩等の2−クロロ−5−フルオロ−3−置換ピリジンまたはその塩の新規な製造方法に関する。2−クロロ−5−フルオロ−3−置換ピリジンまたはその塩は、医薬の中間体または農薬の中間体として、また各種の機能材料の製造中間体等として有用な化合物である。
2−クロロ−5−フルオロ−3−置換ピリジンまたはその塩の製造方法に関しては、これまでに以下の方法が提案されている。
(1)2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸を出発原料として、これを2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸エチルエステルに変換し、つぎにナトリウムチオメトキシドと反応させて2−クロロ−5−フルオロ−6−メチルチオニコチン酸エチルとし、さらにラネーニッケル触媒下に6位のメチルチオ基を還元して2−クロロ−5−フルオロ−ニコチン酸エチルを得る方法(特許文献1参照。)。
(2)2−ヒドロキシニコチン酸を出発原料として、5位をニトロ化し、つぎに2位を塩素化し、つぎに塩酸中で塩化スズ(II)を用いて5位のニトロ基を還元して5−アミノ−2−クロロニコチン酸塩酸塩とし、つぎにテトラフルオロホウ酸および亜硝酸ナトリウムを用いてジアゾ化することによって、5位をジアゾニウムテトラフルオロボレートとし、さらに1,2−ジクロロベンゼン中で熱分解して2−クロロ−5−フルオロニコチン酸を製造する方法(特許文献2参照。)。
(3)2−クロロ−3−メチル−5−ニトロピリジンを出発原料として、ニトロ基を還元し、つぎにHPF中でジアゾ化することによって5位をジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートに変換し、つぎに熱分解によって2−クロロ−5−フルオロ−3−メチルピリジンとし、さらに過マンガン酸カリウムによって酸化して2−クロロ−5−フルオロニコチン酸を製造する方法(非特許文献1参照。)。
米国特許第5250548号公報(実施例180A〜C) 欧州特許第634413A1号公報(12〜13頁) Frank L.Setliff、Gary O.Rankin、「J. Chemical and Engineering Data」、(米国)、1972、17巻、4号、515頁
しかし、上記の方法には、つぎの欠点がある。
(1)の方法におけるメチルチオ基の導入反応は、悪臭を伴う反応である。また該方法においては、水素原子をメチルチオ基に置換した後に、還元反応で該メチルチオ基を再び水素原子に置換するため非効率的な製法である。また、この還元反応の収率も30%と低い欠点がある。(2)の方法は反応工程が長い欠点がある。また、不安定なジアゾニウム塩を合成した後に、該ジアゾニウム塩を高温で熱分解する方法であるために総合収率が低い欠点がある。(3)の方法も反応工程が長い欠点がある。また酸化反応の収率も低く、実用性に乏しい欠点がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、工業的に入手容易な出発原料から、反応操作が簡便で、取扱いが容易な試薬を用い、短い工程でかつ温和な反応条件を用いて、医薬、農薬、各種機能材料の製造中間体等として有用な2−クロロ−5−フルオロ−3−置換ピリジンまたはその塩を高収率で製造する方法を提供する。
すなわち、本発明は以下の要旨を有することを特徴とする。
<1>下式(1)で表される化合物またはその塩に、亜鉛の存在下でプロトン性溶媒を作用させることによって、6位の塩素原子を選択的に還元することを特徴とする下式(2)で表される化合物またはその塩の製造方法。
ただし、下式中のZは、−CO、−CONR、または−CNで表される基を示す。ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。
Figure 0004765623
<2>下式(1)で表される化合物に、亜鉛の存在下でプロトン性溶媒を作用させることによって、6位の塩素原子を選択的に還元することを特徴とする下式(2)で表される化合物の製造方法。
ただし、下式中のZは、−CO、−CONR、または−CNで表される基を示す。ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。
Figure 0004765623
<3>Zが−CO(ただし、Rは前記と同じ意味を示す。)で表わされる基である<1>または<2>に記載の製造方法
><1>〜<>のいずれかに記載の製造方法により、式(2)で表される化合物またはその塩を製造し、得られた式(2)で表される化合物またはその塩の置換反応を行うことにより、3位のZ基をZ基に置換して下式(4)で表される化合物またはその塩を得ることを特徴とする下式(4)で表される化合物またはその塩の製造方法。
ただし、下式中のZはZとは異なる基であり、−CO、−CONR、または−CNで表される基を示す。ここで、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。
Figure 0004765623
>前記Z基が−COOHまたは−COOR10(ただし、R10はアルキル基を示す。)で表される基であり、前記式(2)で表される化合物またはその塩の置換反応を、Zが−COOH基である場合にはエステル化反応により、Zが−COOR10基(ただし、R10は前記と同じ意味を示す。)である場合にはエステル交換反応により行って、式(4)で表され、Zが−COOR基(ただし、Rは前記と同じ意味を示す。)である化合物を得る<>に記載の製造方法。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)とも記す。他の化合物についても同様である。
本明細書において、「アルキル基」は、直鎖であっても分岐であってもよい。アルキル基としては、特に記載しないかぎり炭素数1〜6の低級アルキル基が好ましい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基等が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖であっても分岐であってもよい。アルケニル基は、特に記載しないかぎり炭素数2〜6のアルケニル基が好ましい。アルケニル基の例としては、アリル基、イソプロペニル基、または3−ブテニル基等が挙げられる。
「アリール基」とは、1価の芳香族炭化水素基をいい、フェニル基が好ましい。
「アルアルキル基」とは、アリール基で置換されたアルキル基をいう。アリール基部分としては、フェニル基が好ましい。またアルアルキル基中のアルキル基部分は、炭素数は1〜4のアルキル基が好ましい。アルアルキル基の例としては、ベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、またはフェニルエチル基等が挙げられる。
「シクロアルキル基」とは3員環以上の環状のアルキル基をいい、3〜8員環のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
化合物(1)またはその塩において、Zは−CO、−CONR、または−CNで表される基を示し、入手しやすさの観点から−COまたは−CNが好ましく、収率および反応後の後処理のしやすさの観点から−COが特に好ましい。ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基またはシクロアルキル基を示す。Rとしては、水素原子、または低級アルキル基が好ましく、特に、水素原子、メチル基、またはエチル基が好ましく、水素原子がとりわけ好ましい。RおよびRとしては、それぞれ独立に水素原子、メチル基、またはエチル基が好ましい。RおよびRがともに水素原子、メチル基、またはエチル基であるのが特に好ましい。
本発明における出発原料である化合物(1)は市販されており、また通常の合成方法で入手できる。たとえば、欧州特許第333020号公開公報、米国特許第5204478号公報などに記載の方法により製造できる。化合物(1)は、通常入手できる純度のものを、精製等を行わずにそのまま使用してもよい。化合物(1)の塩も市販されているか、または通常の合成方法で入手できる。該塩は、通常入手できる純度のものを、精製等を行わずにそのまま使用してもよい。
化合物(1)の具体例としては、つぎの化合物が挙げられる。
2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸、2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸メチル、2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸エチル、2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸イソプロピル、2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸ブチル、2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチノニトリル、2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸アミド、2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸ジメチルアミド、2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸ジエチルアミド、2,6−ジクロロ−5−フルオロ−3−シアノピリジン。化合物(1)としては、入手および取り扱いが容易であることから2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸が好ましい。
化合物(1)の塩としては、前記の化合物の塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
本発明においては、化合物(1)またはその塩の6位の塩素原子を選択的に還元する。該還元反応は、一般の還元反応の条件が採用できる。たとえば、「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応(I)(丸善)」に記載される炭素−ハロゲン結合の還元方法等が採用できる。本発明の還元反応は、一般の還元反応の条件で実施できるが、2,6位の塩素原子のうち6位だけが選択的に還元さる。該還元反応の具体例としては、次の方法1、方法2、及び方法3のいずれかによるのが好ましい。
(方法1):5%Pd/炭酸カルシウム(鉛で被毒したもの。いわゆるLindlar触媒)、Pd−硫酸バリウム、Pd−Cまたはラネーニッケル等などの金属還元触媒存在下で水素を用いて接触水素化分解する方法。
該方法1において、金属還元触媒の量は、化合物(1)またはその塩に対して0.1〜100質量%が好ましく、特に1〜30質量%が好ましい。また水素量は化合物(1)に対して1倍モル以上であるのが好ましく、1〜100倍モルが特に好ましく、1〜10倍モルであるのがとりわけ好ましい。
(方法2):ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属;マグネシウム、アルミニウム、スズ、銅、亜鉛、鉄、またはニッケル、またはこれらの合金等の金属;ヨウ化リチウムまたは塩化スズ(II)等の金属塩の存在下にプロトン性溶媒を作用させることによって還元する方法。
方法2においては金属を用いるのが好ましく、粉末の形状である該金属を用いるのが好ましい。さらに金属としては、スズ、銅、亜鉛、鉄などが好ましく、亜鉛が特に好ましい。
該方法2において、金属または金属塩の量は、化合物(1)またはその塩に対して0.1〜1000質量%であるのが好ましく、0.2〜300質量%であるのが特に好ましい。またプロトン性溶媒の量は、化合物(1)またはその塩を溶解、分散、または懸濁できる量であるのが好ましく、化合物(1)またはその塩に対して0.5〜100倍質量であるのが好ましく、特に1〜10倍質量であるのが特に好ましい。
該方法2におけるプロトン性溶媒とは、還元反応において水素源となる化合物であり、かつ、本発明の反応において溶媒ともなりうる化合物をいう。プロトン性溶媒としては還元反応に用いうる種々の溶媒が採用でき、たとえば水、酸(以下、プロトン性溶媒としての酸を酸(A)と記す。)、アルカリ性水溶液、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、およびこれらの混合溶媒等が採用できる。該溶媒の具体例としては、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、または塩酸等の酸(A);メタノール、エタノール、2−プロパノール、またはt−ブタノール等のアルコール系溶媒;水酸化ナトリウム水溶液、または水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液が挙げられる。プロトン性溶媒としては、酢酸、ギ酸、および塩酸から選ばれる酸、または該酸の水溶液;メタノール、エタノール、2−プロパノール、もしくはt−ブタノール等のアルコール系溶媒;該アルコール系溶媒に酢酸、ギ酸、プロピオン酸、塩酸等の酸(A)を加えた混合溶媒が好ましく、メタノール、またはメタノールと酢酸との混合溶媒がとりわけ好ましい。
プロトン性溶媒として、2種類以上の溶媒を混合した混合溶媒を用いる場合、あらかじめ混合しておいてもよく、各々の溶媒を別々に反応系に加え、反応系中で混合することによって混合溶媒としてもよい。混合溶媒がアルコール系溶媒と酸(A)との混合溶媒である場合には、操作性が良好であることから、酸(A)は最後に反応系に添加して混合溶媒とするのが好ましい。
プロトン性溶媒の量は化合物(1)またはその塩に対して0.5〜50倍質量が好ましく、特に2〜10倍質量が好ましい。混合溶媒としてアルコール系溶媒と酸(A)との混合溶媒を用いる場合の酸(A)の量は、化合物(1)またはその塩に対して、0.1〜10倍モルが好ましく、0.5〜2倍モルが特に好ましく、1.0倍モル〜1.3倍モルがとりわけ好ましい。
方法2は、以下に示すいずれかの操作方法によるのが好ましい。
(方法2−1):化合物(1)またはその塩を、プロトン性溶媒に溶解、分散、または懸濁させ、つぎに金属または金属塩を添加して反応させる方法。該方法においては、金属または金属塩は、反応の初期に一度に添加しても、複数回に分けて添加してもよい。
(方法2−2):金属または金属塩を、プロトン性溶媒に溶解、分散、または懸濁させ、つぎに化合物(1)またはその塩を滴下して反応させる方法。該方法においては、反応熱を抑制できることから、化合物(1)またはその塩は、プロトン性溶媒で希釈した溶液または懸濁液として滴下するのが好ましい。
方法2としては、操作性が良好であり、反応の制御が容易になることから(方法2−2)によるのが好ましい。
(方法3):トリアルキルスズヒドリド、トリアルキルシラン等の金属水素化物、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素錯化合物等のヒドリド反応剤と反応させる方法。
該方法3におけるヒドリド反応剤の量は、化合物(1)またはその塩に対して0.6〜10倍モルであるのが好ましく、特に0.8〜5倍モルであるのが好ましい。
このうち、本発明の還元方法は、方法2によるのが好ましい。本発明の還元反応によれば、化合物(1)またはその塩の6位の塩素原子が選択的に還元され、化合物(2)またはその塩が生成するが、原料である化合物(1)またはその塩の構造および反応条件によっては、2位と6位の塩素原子の両方が還元された下記化合物(3)が副生する場合がある(ただし、式(2)および式(3)中のZは、式(1)におけるZに対応する同一の基である。)。しかし、方法2によって還元反応を行った場合は化合物(3)の副生を抑制できる。方法2のなかでも金属を用いる場合の方法2が特に好ましい。
Figure 0004765623
化合物(1)またはその塩の還元反応の反応温度は−20〜+100℃が好ましく、−5〜+50℃が特に好ましい。反応時間は、特に限定されない。反応の終了時期については、通常は高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと記す。)等を用いて、反応の進行状況を分析しながら適宜変更すればよく、0.5〜72時間が好ましく、特に1〜25時間程度が好ましい。
還元反応の結果得られた反応粗生成物は必要に応じて精製処理を行ってもよい。精製処理の方法としては、ろ過、溶媒濃縮、抽出、洗浄、高速液体クロマトグラフィー、再結晶、および蒸留等が挙げられる。
本発明の製造方法においては、前記の還元反応によって得た化合物(2)またはその塩の3位のZ基の反応性を利用し、Z基を他の基(Z基)に変換することによって下記化合物(4)またはその塩を製造できる。
Figure 0004765623
式(4)において、ZはZと異なる基であり、−CO、−CONR、または−CNで表される基である。Zとしては、化合物(4)またはその塩の有用性の点から、−COであるのが好ましい。ここで、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。Rとしては、低級アルキル基が好ましく、エチル基が特に好ましい。RおよびRとしては、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、RおよびRがともに水素原子、メチル基、またはエチル基であるのが特に好ましい。
化合物(2)またはその塩を化合物(4)またはその塩に変換する方法としては、公知ないし周知の方法が採用でき、ZおよびZの種類に応じて適宜選択するのが好ましい。
たとえば、化合物(4)のZが−COOR基である下記化合物(4a)またはその塩は、化合物(2)のZが−COOH基である下記化合物(2a−1)またはその塩のエステル化反応、またはZが−COOR10基(R10はアルキル基を示す。)である下記化合物(2a−2)またはその塩のエステル交換反応により製造できる。
Figure 0004765623
化合物(2a−1)またはその塩のエステル化反応は、下記(方法4−1)または(方法4−2)によって行うことができ、反応性が良好であることから(方法4−1)が好ましい。
(方法4−1):化合物(2a−1)またはその塩と、塩素化剤とを反応させて下記化合物(5)またはその塩を得て、該化合物(5)またはその塩と式ROHで表される化合物(ただし、Rは前記の意味と同じ意味を示す。)とをエステル化反応させる方法。
(方法4−2):化合物(2a−1)またはその塩と、式ROHで表される化合物(ただし、Rは前記と同じ意味を示す。)とをエステル化反応させる方法。
Figure 0004765623
方法4−1における塩素化剤としては、塩化チオニルまたはオキザリルクロリドが好ましく、塩化チオニルが特に好ましい。塩素化剤の量は、化合物(2a−1)またはその塩に対して1〜10倍モルが好ましく、後処理が簡便であることから1〜2倍モルが特に好ましい。
塩素化反応は溶媒の存在下に行っても不存在下に行ってもよく、溶媒の存在下に行うのが好ましい。溶媒としては、塩素化反応に不活性な溶媒から適宜選択でき、たとえば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン、HFC−225等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒のうち、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒が好ましい。
また、塩素化反応を円滑に進行させるため、N,N−ジメチルホルムアミドを添加するのが好ましい。N,N−ジメチルホルムアミドの量は、化合物(2a−1)またはその塩に対して0.001〜1倍モルが好ましく、0.001〜0.5倍モルが特に好ましい。
塩素化反応の温度は+20〜+100℃が好ましく、+50〜+90℃が特に好ましい。
塩素化反応の時間は反応の進行状況により適宜変更され、工業的な製造においては1〜24時間が好ましく、5〜15時間が特に好ましい。
化合物(5)またはその塩と、式ROHで表される化合物(ただし、Rは前記の意味と同じ意味を示す。)とのエステル化反応において、式ROHで表される化合物の量は、化合物(5)またはその塩に対して1〜100倍モルが好ましく、1〜20倍モルが特に好ましく、1〜10倍モルがとりわけ好ましい。
エステル化反応は、溶媒の存在下で行っても不存在下で行ってもよく、溶媒の存在下で行うのが好ましい。該溶媒としては、エステル化反応に不活性な溶媒から適宜選択されればよく、たとえばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;HCFC−225、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられ、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が好ましい。
エステル化反応の温度は+50〜+120℃が好ましく、特に+70〜+90℃が好ましい。
エステル化反応は、前記の塩素化反応の反応粗液から単離した化合物(5)またはその塩を用いても、反応粗液をそのまま用いてもよく、後者の場合には塩素化反応に用いた反応器と同一の反応器を用いて行ってもよい。後者の方法の例としては、たとえば、化合物(2a−1)またはその塩を、溶媒に溶解または懸濁させ、塩素化剤を添加し、つぎに加熱することによって化合物(5)またはその塩を得て、つぎに式ROHで表される化合物を滴下する方法が挙げられる。
エステル化反応の反応時間は反応の進行状況により適宜変更されればよく、工業的な製造においては、反応時間は3〜20時間が好ましく、4〜15時間が特に好ましい。
方法4−2におけるエステル化反応は、方法4−1におけるエステル化反応に準じて行うことができ、方法4−2においては、酸触媒を使用するのが好ましい。酸触媒としては、ルイス酸またはプロトン酸が好ましく、経済性の観点からプロトン酸が好ましい。プロトン酸としては、濃硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられ、濃硫酸が好ましい。酸触媒の量は、化合物(5)またはその塩に対して0.001〜1倍モルが好ましく、0.01〜0.6倍モルが特に好ましい。
エステル化反応を円滑に進行させるためには、副生する水を反応系外へ留去しながら行うのが好ましい。
エステル化反応の時間は反応の進行状況により適宜変更され、工業的な製造においては1〜24時間が好ましく、5〜15時間が特に好ましい。
化合物(2a−2)またはその塩のエステル交換反応は、化合物(2a−2)またはその塩と式ROHで表わされる化合物(ただし、Rは前記の意味と同じ意味を示す。)
とを反応させることにより実施でき、方法4−2で記載したエステル化反応と同様の方法で行うことができる。エステル交換反応においては、反応を円滑に進行させるために、副生する式ROHで表される化合物を反応系外へ留去しながら行うのが好ましい。
エステル交換反応の反応時間は反応の進行状況により適宜変更され、工業的な製造においては1〜24時間が好ましく、5〜15時間が特に好ましい。
本発明の還元反応においては、原料として化合物(1)を用いた場合、生成物は化合物(2)であっても化合物(2)の塩であってもよく、原料として化合物(1)の塩を用いた場合、生成物は化合物(2)であっても化合物(2)の塩であってもよい。また、還元反応の反応条件によって、生成物が化合物(2)のみとして得られる場合、化合物(2)の塩のみとして得られる場合、または化合物(2)と化合物(2)の塩との混合物として得られる場合がある。
本発明の置換反応においても同様であり、原料として化合物(2)を用いた場合、生成物は化合物(4)であっても化合物(4)の塩であってもよく、原料として化合物(2)の塩を用いた場合、生成物は化合物(4)であっても化合物(4)の塩であってもよい。また、置換反応の反応条件によって、生成物が化合物(4)のみとして得られる場合、化合物(4)の塩のみとして得られる場合、または化合物(4)と化合物(4)の塩との混合物として得られる場合がある。化合物(1)〜化合物(4)とそれらに対応する塩とは、本発明の製造方法における各反応において同様の反応性を示す同等の化合物である。
本発明の製造方法における生成物が塩を形成していない化合物(以下、フリー体とも記す。)、または塩である場合、またはこれらの混合物である場合には、常法により、それらをそれぞれ対応する塩またはフリー体に変換できる。たとえば、フリー体から塩への変換方法としては、化合物(2)および化合物(4)に、それぞれ酸(以下、該酸を酸(B)と記す。)を反応させることによって、対応する化合物(2)の塩および化合物(4)の塩に変換する方法が挙げられる(以下、酸処理工程とも記す。)。酸(B)としては、塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、およびクエン酸等が挙げられ、塩酸が好ましい。酸(B)の量は、化合物(2)に対して、1〜10倍モルが好ましく、1〜2倍モルが特に好ましい。
化合物(2)に酸(B)を反応させる工程は、発熱の制御および撹拌が容易である点から、溶媒の存在下に行うのが好ましい。該溶媒としては反応に関与しない溶媒であり、水または水溶性有機溶媒が好ましい。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられ、これらは1種を用いても2種以上の混合溶媒として用いてもよい。酸処理工程の溶媒としては、水、アルコール系溶媒、または水とアルコール系溶媒との混合溶媒が好ましく、水、メタノール、または水とメタノールとの混合溶媒が特に好ましい。
酸処理工程は、化合物(2)を溶媒に溶解した溶液中に、酸(B)を滴下することによって行うのが好ましい。酸(B)を滴下する際に化合物(2)が析出していると、撹拌が困難になったり、目的とする化合物(2)の純度が低くなるおそれがある。
酸処理工程に用いる化合物(2)は、前記の還元反応の反応粗液から単離した化合物(2)であっても、反応粗液中に含まれるままの化合物(2)であってもよく、操作が簡略化できることから後者が好ましい。後者において、還元工程のプロトン性溶媒と酸処理工程で用いる溶媒が異なる場合は、還元工程終了後の反応粗液において溶媒置換の操作を行った後に、または反応粗液を乾固しない程度に濃縮して、酸処理工程の溶媒を添加した後に、酸を滴下するのが好ましい。また、還元工程のプロトン性溶媒と酸処理工程で用いる溶媒が同一の場合は、反応粗液を乾固しない程度に濃縮してから酸(B)を滴下してもよく、還元工程の反応粗液に酸(B)を滴下してもよい。
酸処理工程において、酸(B)を滴下する際の温度は、+30〜+100℃が好ましく、+40〜+80℃が特に好ましい。
酸処理工程によって得られた化合物(2)の塩は、必要に応じて精製を行うのが好ましい。精製方法としては、化合物(2)の塩の物性によって蒸留、昇華、および結晶化等の方法から適宜選択されうる。
たとえば、化合物(2a−1)から化合物(2a−1)の塩を製造する方法としては、化合物(2a−1)を水とメタノールとの混合溶媒に+50〜+60℃程度に加熱しながら溶解し、該溶液中に塩酸を滴下する。つぎに内容物を+25〜+35℃に冷却すると、化合物(2a−1)の塩が析出する。さらに該温度のまま1〜24時間保持し、充分に塩を析出させる。つぎに析出物をろ過または遠心分離等の方法で母液と分離し、洗浄し、つぎに乾燥することにより、化合物(2a−1)の塩を単離する方法が挙げられる。
化合物(4)に酸(B)を反応させる工程は、化合物(2)に酸(B)を反応させる工程と同様に行うことができる。たとえば、化合物(2a−1)を化合物(2a−1)の塩に変換する方法は、化合物(4)を化合物(4)の塩に変換する方法としても採用できる。
化合物の塩からフリー体の変換方法としては、化合物(2)および化合物(4)の塩に、それぞれ塩基性化合物を作用させることによって、化合物(2)および化合物(4)に変換する方法が挙げられる。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、もしくは水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、または炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩等の無機塩基、トリエチエルアミン、ピリジン等の有機基が挙げられる。取り扱いが容易である点および経済的な観点から無機塩基が好ましく、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩特に好ましい。これらの無機塩基は水溶液として使用するのが好ましい。
本発明の製造方法によって得られる化合物(2)またはその塩、化合物(4)またはその塩は医薬・農薬等の中間体として、また各種の機能材料の製造中間体として有用な化合物である。
本発明の好ましい態様としては、下記化合物(4a−1)を製造する方法が挙げられる。すなわち、化合物(1a−1)を亜鉛の存在下、プロトン性溶媒を作用させることによって還元して、化合物(2a−1)を得て、次に該化合物(2a−1)と塩酸とを反応させて化合物(2a−1)の塩を得て、次に該化合物(2−1)の塩と塩化チオニルとを反応させ、つぎにエタノールと反応させて化合物(4a−1)を得る方法である。
Figure 0004765623
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。なお、以下においてHPLCによる分析結果における%は、クロマトグラムにおける各ピークの面積%であることを示す。HPLCの検出器としては紫外吸光光度検出器を用いた。検出波長は例1〜例4、および参考例においては254nmとした。また、例5および例6では276nmとし、化合物による吸光係数の差に基づき分析値を補正した。
[例1]2−クロロ−5−フルオロニコチン酸の合成例(その1)
50mLの丸底フラスコに2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸(1g)、酢酸(5mL)および水(0.5mL)を仕込み、水冷下に亜鉛粉末(200mg)を加え、室温で3時間撹拌した。つぎに亜鉛粉末(200mg)を加えて1時間撹拌したのち、さらに亜鉛粉末(400mg)を加えて3時間撹拌した。さらに亜鉛粉末(200mg)を加えて1時間撹拌したのち、セライトろ過し、酢酸エチル、エタノールで洗浄した。溶媒を減圧濃縮し、酢酸エチル(20mL)、飽和重曹水(10mL)を加えて分液した。水層を酢酸エチル(20mL)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して赤褐色オイル(400mg)を得た。HPLC分析で分析した結果、生成した赤褐色オイルは標記化合物71%、原料27%、および5−フルオロニコチン酸2%を含む混合物であった。収率48%。
HNMR(CDOD):δ(ppm)7.86(dd,J=7.8,3.0Hz,1H),8.29(d,J=2.7Hz,1H)。
[例2]2−クロロ−5−フルオロニコチン酸の合成例(その2)
200mLの丸底フラスコに2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸(1g)、メタノール(10mL)、トリエチルアミン(0.96g)、および5%Pd/炭酸カルシウム(鉛で被毒したもの)(107mg)を氷冷下に仕込み、水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を濃縮し粗生成物(1.3g)を得た。濃縮した濾液をHPLCにより分析した結果、標記化合物26%、2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸57%、5−フルオロニコチン酸17%をそれぞれ含む混合物であった。
[例3]2−クロロ−5−フルオロニコチン酸エチルの合成例(その1)
500mLの4つ口フラスコに2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸エチル(20g)を入れて酢酸(190mL)および水(10mL)を加えて溶解させた。水冷下に亜鉛粉末(4g)を加え、室温で0.5時間撹拌した。つぎに亜鉛粉末(4g)を加え0.5時間撹拌したのち、さらに亜鉛粉末(4g)を加え0.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、5%重曹水(100mL)、酢酸エチル(100mL)を加えて分液した。水層を酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。有機層を5%重曹水(100mL)で洗浄し、飽和食塩水(100mL)で洗浄した。溶媒を濃縮して赤褐色オイル(15.6g)を得た。減圧蒸留により精製し、標記化合物(10.6g、収率62%)を得た。HPLC分析により分析した結果、標記化合物の純度は99%であった。
HNMR(CDCl):δ(ppm)1.43(t,J=7.2Hz,3H),4.43(q,J=7.2Hz,2H),7.91(dd,J=7.8,2.7Hz,1H),8.39(d,J=3.0Hz,1H).
19FNMR(CDCl):δ(ppm)−129.2(d,J=7.6Hz)。
[例4]2−クロロ−5−フルオロニコチノニトリルの合成
50mLの丸底フラスコに2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチノニトリル(1g)、酢酸(5mL)および水(0.5mL)を仕込み、例1と同様に反応および後処理をしたのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製し、標記化合物(420mg、収率52%)を得た。HPLC分析による分析では、純度は100%であった。
HNMR(CDCl):δ(ppm)7.76(dd,J=7.2,3.0Hz,1H),8.49(d,J=3.3Hz,1H).
19FNMR(CDCl):δ(ppm)−126.9(d,J=7.6Hz)。
[例5]2−クロロ−5−フルオロニコチン酸エチルの合成例(その2)
[例5−1]2−クロロ−5−フルオロニコチン酸の塩の合成例
2Lの丸底フラスコに、亜鉛粉末(847g)およびメタノール(4080mL)を仕込み、撹拌して分散させた。そこに2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸(1700g)のメタノール(2720mL)溶液をゆっくり滴下した後、さらに酢酸(535g)を滴下した。内温を35℃まで昇温し、そのまま5時間撹拌した。HPLC分析で原料が3%以下であることを確認した後、亜鉛粉末の残渣をろ過で除去した。メタノールを減圧留去した後、水(3000mL)を加えると、結晶が析出した。つぎに結晶を含む反応粗生成物を、水(3750mL)を用いて20Lの反応器へ移液した。内温を50℃以上まで加熱した後、6mol/Lの塩酸(1960g)を滴下した。そのまま3時間撹拌した後、徐々に室温まで冷却し、析出した固体をろ過し、水で洗浄した。得られた結晶を減圧下で(60℃、30.7Pa、12時間)乾燥し、2−クロロ−5−フルオロニコチン酸の塩(1000g)を得た。
2−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸の塩のNMRスペクトル:
HNMR(CDCOCD):δ(ppm)8.05(dd,J=2.9,8.2Hz,1H),8.47(d,J=2.9Hz,1H)。
19FNMR(CDCl):δ(ppm)−130.4(d,J=9.2Hz)。
[例5−2]2−クロロ−5−フルオロニコチン酸の塩のエステル化反応の例
5Lの4つ口フラスコに、例5−1で得た2−クロロ−5−フルオロニコチン酸の塩(1000g)を入れ、トルエン(3000mL)および塩化チオニル(617g)、N,N−ジメチルホルムアミド(0.95g)を加えて溶解させ、該フラスコを80℃に設定したオイルバスに浸漬して加熱した。6時間後、HPLC分析で2−クロロ−5−フルオロニコチン酸が5%以下になっていることを確認し、エタノール(2173g)を加えた。オイルバスの温度を95℃に昇温して14時間反応させた後、減圧濃縮し、得られた粗液に酢酸エチル(4000mL)、7.5%炭酸ナトリウム水溶液(4000mL)を加えて撹拌した。水層のpHが8以上であることを確認した後、濾過および分液を行い、有機層を回収した。水層を酢酸エチル(2000mL)で抽出し、先の有機層と合わせて、水(2000mL)、次いで5%食塩水(2000mL)で洗浄した。有機溶媒を減圧留去して赤褐色オイル(1234.7g)を得た。減圧蒸留により精製し、2−クロロ−5−フルオロニコチン酸エチル(624.8g)を得た。2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸からの収率は66%であった。HPLCで分析した結果、2−クロロ−5−フルオロニコチン酸エチルの純度は99%であった。
[例6]2−クロロ−5−フルオロニコチン酸の塩の合成例(その2)
6mol/Lの塩酸を滴下する際の内温を60℃以上とし、滴下終了後にさらに内温80℃まで加熱し該温度で30分間撹拌を続ける以外は例5−1と同様に反応および後処理を行い、2−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸の塩(1000g)を得た。
[参考例]5−フルオロニコチン酸の合成例
200mLのナス型フラスコに2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸(1g)、メタノール(10mL)、トリエチルアミン(0.96g)、および5%Pd−C(107mg)を氷冷下に仕込み、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。撹拌終了後、Pd−Cをろ別し、ろ液を濃縮した。得られた粗生成物をHPLCにより分析した結果、標記化合物98.6%、2−クロロ−5−フルオロニコチン酸1.4%をそれぞれ含む混合物であった。
本発明は、入手容易な2,6−ジクロロ−5−フルオロ−3−置換ピリジンまたはその塩から一段の還元反応で2−クロロ−5−フルオロ−3−置換ピリジンまたはその塩を選択的に製造する方法を提供する。該還元反応は特殊な試薬を使用する必要なく、特殊な反応条件を採用することなく実施でき、また、収率も高い方法であることから、工業的実施においてきわめて有利な方法である。また、前記の還元反応によって得た2−クロロ−5−フルオロ−3−置換−ピリジンまたはその塩は、3位の置換基の反応性を利用して置換基の変換を行うことができる。よって、本発明は、様々な2−クロロ−5−フルオロ−3−置換−ピリジンまたはその塩の効率的な製造方法となりうる。

Claims (5)

  1. 下式(1)で表される化合物またはその塩に、亜鉛の存在下でプロトン性溶媒を作用させることによって、6位の塩素原子を選択的に還元することを特徴とする下式(2)で表される化合物またはその塩の製造方法。
    ただし、下式中のZは、−CO、−CONR、または−CNで表される基を示す。ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。
    Figure 0004765623
  2. 下式(1)で表される化合物に、亜鉛の存在下でプロトン性溶媒を作用させることによって、6位の塩素原子を選択的に還元することを特徴とする下式(2)で表される化合物の製造方法。
    ただし、下式中のZは、−CO、−CONR、または−CNで表される基を示す。ここで、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。
    Figure 0004765623
  3. が−CO(ただし、Rは前記と同じ意味を示す。)で表わされる基である請求項1、または2に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法により、式(2)で表される化合物またはその塩を製造し、得られた式(2)で表される化合物またはその塩の置換反応を行うことにより、3位のZ基をZ基に置換して下式(4)で表される化合物またはその塩を得ることを特徴とする下式(4)で表される化合物またはその塩の製造方法。
    ただし、下式中のZはZとは異なる基であり、−CO、−CONR、または−CNで表される基を示す。ここで、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示し、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。
    Figure 0004765623
  5. 前記Z基が−COOHまたは−COOR10(ただし、R10はアルキル基を示す。)で表される基であり、前記式(2)で表される化合物またはその塩の置換反応を、Zが−COOH基である場合にはエステル化反応により、Zが−COOR10基(ただし、R10は前記と同じ意味を示す。)である場合にはエステル交換反応により行って、式(4)で表され、Zが−COOR基(ただし、Rは前記と同じ意味を示す。)である化合物を得る請求項に記載の製造方法。
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