JP2004507621A - 酸素を消費する陰極を用いて有機物質で汚染された工業銘柄の塩酸を電気分解する方法 - Google Patents

酸素を消費する陰極を用いて有機物質で汚染された工業銘柄の塩酸を電気分解する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は陽極区画室と少なくとも1つのガス拡散陰極を含む陰極区画室とを備えた電気化学的電池で塩酸水溶液を塩素に電気分解する方法に関する。このガス拡散陰極は少なくとも1つの側面に酸素を電解還元する硫化ロジウムを含む触媒被膜を備えた電気伝導性ウエブを含む。この新規な酸素還元用の触媒は高腐食性媒体に対して改良された化学的安定性を有し、また有機汚染物の存在下で高い電気触媒活性を有する。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は工業用電解槽中の酸素を還元するための新規な硫化ロジウム触媒に関する。この触媒は腐食及び有機化学種による被毒に対して極めて抵抗性が高く、従って、有機汚染物を含有する工業銘柄の酸が採用される場合、塩酸水溶液の電気分解に用いるのに特に適している。
【0002】
また、本発明は汚染された塩酸を電気分解する方法に関する。
塩酸は多数の化学処理過程において廃棄物として得られる。この塩酸は、使用された塩素が全てHClの形で生じるイソシアネート化学におけるように、ホスゲンを使用する付加反応に特に適用される。しかしながら、塩酸は、例えばクロロベンゼン及びクロロトルエンの製造のような置換反応でも生じ、この場合、使用した塩素の半分はHClの形で発生する。HClの三番目の主要補給源は、塩素含有化合物の熱分解であって、この場合、塩素は全てHClの形で発生する。例えば、オキシクロリネーション法における場合のように、HClガスが直接に使用されない場合、濃塩酸が、水又は希塩酸に吸収されて生成する。化学的に使用不可能な量が極めて有利に再循環されて、塩酸の電気分解、特に酸素−減極陰極を使用する塩酸電気分解の手段により塩素を生成する。
【0003】
技術水準
HCl水溶液の電気分解は高価値の塩素ガスを回収するためによく知られた方法である。塩酸水溶液は、特に反応物として塩素を利用する化学プラントにおいて、豊富な化学副生物であり、この場合、電解槽の陽極区画室で発生した塩素は供給原料として化学プラントに再循環される。標準水素発生陰極がエネルギー消費の著しい低下に基づいて酸素消費ガス拡散電極と置換される場合、電気分解は極めて魅力的になる。これに関連して、良好に作動する前記ガス拡散電極の能力は触媒の性質及び性能に極めて依存するが、その他にガス拡散電極の構造にも依存する。
【0004】
白金は広範囲の条件の下で酸素を電解還元する最も有効な触媒として一般に知られている。白金ベースの触媒を用いたガス拡散電極の活性化はこの技術分野でよく知られており、また多種類の燃料電池と電解槽に幅広い用途が知られている。しかしながら、HCl水溶液の電気分解の場合、陰極触媒として白金を使用すると、重大な欠点を生じる。その理由としては、ガス拡散電極は塩素イオンと溶解塩素を含有する液体電解質と少なくとも部分的に接触することが避けられないからである。先ず第一に、白金は酸素還元のための活性度に悪影響を及ぼす塩素イオンの被毒に影響され易い。第二に、被毒源は汚染物質種、特に有機種から構成され、これは多くの場合、副生物の塩酸に溶解して、電気分解される。更に重要なことは、塩酸と溶解塩素ガスが組み合わされた複合作用により、白金金属が溶解塩に変化して溶出し、その結果、この白金金属がガス拡散電極に使用できなくなる。
【0005】
他の白金族金属も同じ運命をたどるであろう。例えば、“水溶液中の電気化学平行のPourbaix図表集”に従えば、微粉砕されたロジウム金属は熱濃硫酸、王水、及び酸素化塩酸に溶解する。同様に、(水和)Rh・5HOは容易にHCl及び他の酸に溶解する。これらの問題は米国特許出願No.09/013,080に記述されているロジウム/酸化ロジウムに基づく触媒の開示によって部分的に軽減される。特に、ロジウム/酸化ロジウムの系は、白金よりも酸素還元のための活性がわずかに少ないが、塩素イオンによって毒されない。また少量の溶解塩素を有する塩酸水溶液に対する化学的抵抗性は白金に関して著しく高められる。しかしながら、活性化工程はこの触媒の十分に活性で安定な状態を得るために必要であり、このような触媒をガス拡散電極に組み込むことが必要な場合、多少の制限が発生する。即ち、この触媒の化学的及び電気的状態は、この分野でガス拡散電極の調製において一般的な工程である空気中での焼成工程により変化する。この工程を交換するか、又は米国特許No.5,598,197に開示されているように、後で触媒の活性で安定した状態を復活させるために、面倒で及び/又は高コストの操作を実施する必要がある。更に、所望の化学的安定性は電気分解操作に特有の電位範囲においてのみ発揮され、電解槽の定期的な運転停止(shut−downs)を通じて極めて注意深い予防措置を取る必要がある。さもなければ、陰極電位が極めて攻撃的な化学環境と組み合わされて、急激に変化し、その結果、かなりの量の触媒が分解されて、残留部分の触媒を部分的に失活させる。電解槽を計画的に運転停止する方法も考えられるが、しかしながら、余分なコストが生じ、予測できない原因(例えば、電気回路網における電力不足)により突然の制御不可能な運転停止が生じた場合には、ほとんど対策がない。またロジウム/酸化ロジウムをベースとする触媒が白金ベースの触媒に比べて汚染物に対してより鈍感であるという証拠はない。
【0006】
上述の方法で得られる種類の工業銘柄の塩酸は、例えばこれらの方法自体から得られる例えばモノクロロベンゼン又はオルトジクロロベンゼンのような部分的に塩素化された有機物質によって、また容器の内張り、パッキング材料、又は管路からの有機物質によって、一般に汚染される。このような有機物質は、例えば界面活性剤又はアクリル酸エステルの形で得られる。TOCの形で測定された合計濃度は実際は20ppmを大きく超過する。白金が触媒として使用された初期の試験において酸素減極陰極を用いて塩酸を電気分解する場合、動作電圧は汚染の程度に影響されやすいことが判明した。数週間の期間を超えて、また一部の例では、ほんの2〜3日で、電池電圧が150〜300mVまで増加することが観察された。少なくとも部分的であったこの現象は化学的に純粋な塩酸を用いる実験操作を通じて逆転した。しかしながら、電圧の低下が2〜3日後に再度消滅したけれども装置のスイッチを切った後に、同様の結果が得られた。この目的は、汚染された塩酸の存在下で動作電圧が増大する上記欠点を回避する方法を発見することであった。
【0007】
生産過程で典型的に再循環される塩酸は、有機又は無機不純物の含有量が変動するいくつかの供給原料流から通常発生する。上述の有機不純物の他に、代表的な無機汚染物質は、特に硫酸塩、リン酸塩及び硫化物である。この問題を解決する一つの試みは活性炭を使用した工業銘柄の塩酸の精製であった。変動が大きいTOCを20〜50ppmから約10ppmまで減少させると、塩素化された有機物質の含有量が1ppm未満まで減少し、その結果、電池の働きがかなり改善された。
【0008】
その後、約30%の濃塩酸を吸着樹脂で精製すると、塩素化された有機物質の量は6ppbの検出限界以下に減少した。不純物の主要部分を占める塩素化されない有機物質は、その高い不純物含量によって、吸着樹脂の吸着能力を急速に消耗させ、その結果、これらの有機物質は吸着カラムを貫流し、そして電気分解の動作電圧にマイナス効果を与える。従って、電池電圧は増大する。製造業者の規格に従ってメタノールで吸着樹脂を再生することは比較的骨の折れることであり、上述の不純物量が与えられた場合には、2〜3日毎に再生する必要がある。考慮する必要がある爆発の危険のために、吸着樹脂の容器を移動して、外部で再生することが必要であろう。
【0009】
しかしながら、塩酸がイソシアネート装置に直接に接続することから生じる場合、不純物の量はかなり少なく、そして実質的に構成成分のモノ及びジクロロベンゼンから構成され、これは活性炭並びに吸着樹脂を用いて検出限界以下のレベルまで極めて良好に除去され、そして吸着樹脂パッキングの再生サイクルは不純物の含量に応じて数か月から約半年まで延びる。
【0010】
白金で触媒化された酸素減極陰極を用いた試験は全て有機不純物に対する類似の高い感度を示した。酸化ロジウムで触媒化された酸素減極陰極を用いた試験において、有機物質に対する感度はわずかに少ないが、しかしまだかなり大きいことが判明した。この酸化ロジウム触媒は、装置のスイッチを切ることに基づく分極を不用にするために、改良された。しかしながら、この触媒はその構造安定性が不十分であることを試験で暴露した。即ち、この触媒が使用された電極の活性化はほんの2〜3週間で約30%ほど減少した。
【0011】
発明の目的
本発明の目的は腐蝕性の高い媒体に対して望ましく且つ予想できない化学的安定性を有する酸素還元用の新規な触媒を提供することである。
【0012】
本発明の目的は有機汚染物質の存在下で望ましく且つ予想できない電気触媒活性を有する酸素還元用の新規な触媒を提供することである。
本発明のその他の目的は望ましく且つ予想できない電気触媒特性を有する新規な触媒を内部に有する新規なガス拡散電極を提供することである。
【0013】
本発明のその他の目的は本発明のガス拡散電極を含有する新規な電解槽を提供すること、及び塩酸を塩素に電気分解する改良された方法を提供することである。
【0014】
本発明のこれら及びその他の目的及び利点は下記の詳細な説明から明白になるであろう。
本発明
塩酸の存在下でロジウムの化学的安定性の利点を有する更に有益な触媒は硫化ロジウムである。RhSxが触媒として使用される試験電極は、電気分解の停止後において分極を生じることなく期待される安定性を示し、また洗浄に基づく触媒の損失に対する必要な抵抗性を示した。
【0015】
しかしながら驚くべきことに、RhSxが触媒として使用される電極は、広範囲の有機及び無機の不純物に対してほとんど全く影響されないことが判明した。Ptで触媒化された電極は、精製された塩酸が使用された場合であっても、10日以内に最大260mVまで動作電圧が増加し、そしてRhOxで触媒化された電極も類似の条件下で100mV増加する。これに対して、RhSxで触媒化された電極及び精製された塩酸を使用した試験は、化学的に純粋な塩酸で作動した電池と比べて約20mVのわずかな増加を示し、そして全く精製されない塩酸が用いられた場合であっても、精製された塩酸を用いて得られた値に比べてわずかに約40mVの増加を示した。この増加は、精製された酸がもう一度後で使用された場合に可逆的であることを示す。また、化学的に純粋な塩酸に対立するものとして、精製された工業銘柄の塩酸を使用した場合の電池の作動の差異は、典型的な電気分解の条件(電流密度:5kA/m、動作温度:70℃、13〜14%HCl)の下で作動させた電池に関して、電圧の検出できない増加と動作電圧の30mVの最大増加との間に存在することが、別の試験において、立証された。
【0016】
従って、少しでも動作電圧が増加することを回避するために、工業銘柄の塩酸を活性炭を用いて、また可能ならば更に吸着樹脂層を用いて予備精製することが極めて有利である。陽極でモノ及びジクロロベンゼンが更に反応してヘキサクロロベンゼンを生成することを避けるために、とにかく精製が推薦される。何故ならば、ヘキサクロロベンゼンは電気分解装置及び塩酸ループ中において固体として堆積し、そして長期間の作動の後に特にバルブ及びポンプに問題を生じるからである。
【0017】
以下の研究成果も注目に値する。即ち、炭素布が直接に触媒化され、そして開口構造を有する貫流型の酸素減極陰極は、純粋酸素ばかりでなく空気又は劣化酸素を使用して、また有機的に汚染された塩酸を使用して5kA/m以下で連続的に作動できた。触媒が導電性炭素粉中に埋め込まれた形で炭素布に付与される別のタイプ(片面タイプ)は、約30%の酸素中の窒素含量が既にその限界に達した。動作電圧は300〜350mV高く、従って既に有効動作のボーダーライン上にあった。
【0018】
本発明の新規な電気化学触媒は硫化ロジウムから構成され、これは伝導性不活性キャリヤー上に担持されてもよく、又は担持されなくてもよい。この触媒は使用前に活性化工程を必要とせず、また驚いたことには、塩素イオン及び有機分子の存在下で酸素還元に対する電気触媒活性度の全てを維持する。更に、この触媒は驚いたことに、塩酸水溶液、塩素又はこれらの混合物の複合作用により溶解せず、従って、塩酸電解槽中で使用される場合、運転停止の間に特別な予防策を必要としない。この触媒は好ましくはウエブの少なくとも一面に被覆され、また単独で使用されてもよく、結合剤と共に使用されてもよく、伝導性担体及び結合剤と混合されてもよく、また担体上に担持された後に結合剤で結合されてもよい。この結合剤は疎水性又は親水性であってもよく、また前記混合物はウエブの片面又は両面に被覆されてもよい。このウエブは織られても織られなくてもよく、又は炭素布、炭素紙、又は伝導性金属メッシュから形成されてもよい。
【0019】
表面積が大きい担体の例としては、グラファイト、種々の形状の炭素及び他の微粉砕された担体があるが、カーボンブラックが好ましい。
このような触媒が被覆されたウエブは、特に極めて攻撃的な環境で使用する場合、また副生物の塩酸の電気分解のように、純度の低い反応物を使用する場合、正常な運転状況下では得られないような電池電圧、電流密度、及び寿命を示すガス拡散陰極として採用できる。
【0020】
この触媒は水溶性ロジウム塩の水溶液中に硫化水素ガスを散布することにより容易に調製できる。窒素ガスが硫化水素のキャリヤーとして使用されてもよく、また反応の終了後直ちに過剰の硫化水素をパージするために、純粋な窒素流が有利に使用される。生じた固体を濾過により回収し、洗浄し、そして、例えば、125℃で恒量まで乾燥する。このようにして得られた硫化ロジウムは担持されない(不担持触媒)。しかしながら、水溶性ロジウム塩の水溶液が適当な伝導性担体の懸濁液を含有する場合には、この硫化ロジウムは小粒子として伝導性粒子(担持された触媒)の表面に優先的に堆積する。得られた水和物の形状の硫化ロジウムは、無水の形態の硫化ロジウム触媒を形成するために、不活性雰囲気中で550〜650℃、好ましくは600℃以上に加熱される必要がある。加熱はバッチの寸法に応じて数時間実施されてもよく、またこの温度の選択は十分に安定した触媒を形成するのに極めて重要である。
【0021】
加熱温度が300℃のように低すぎると、生じるクリスタリットは輪郭が不明確となり、触媒の安定性が不十分になる。温度が、例えば、725℃と高すぎると、不担持の触媒は優れた酸安定性を有するが、電気的伝導性が不十分になる。
【0022】
以下の実施例において、本発明を説明するいくつかの好ましい実施態様が記述される。しかしながら、本発明はこの特定の実施態様に限定されないことが理解されるであろう。
【0023】
実施例1
100グラムの担持された硫化ロジウムを下記の方法により調製した。即ち、57.3グラムのRhCl・xHO(ロジウム金属として与えられた39.88%)を、pH調整を行うことなく、2リットルの脱イオン(D.I.)水に溶解した。53.4グラムのVulcan XC−72活性炭を添加し、次いでこの混合物を電磁撹拌機を用いてスラリー化した。
【0024】
次いで図1の図解に従って、キャリヤーガスとして窒素を使用し、周囲温度で硫化水素ガスを前記スラリー中に散布した。この混合物を上述したように7時間反応させた。反応の終了後直ちに、残留HSを除去するために窒素を前記装置にパージした。残りの溶液を減圧濾過して前記固体を単離し、次いでこの固体を脱イオン水で洗浄し、そして125℃で乾燥して恒量とした。
【0025】
生じた触媒ケークを最終的に微粉末に粉砕し、そしてアルゴンを流しながら650℃まで2時間加熱した。炭素に与えられる触媒の量は、ロジウム金属として30%であった。
【0026】
既に述べたように、この最後の熱処理は望ましい安定した活性な硫化金属の調製において極めて重要な工程である。図2は上述したような硫化ロジウムの調製の進歩を処理温度の関数として示す。即ち、図2は、それぞれ(a)濾過及び乾燥後の担持触媒、(b)アルゴン中300℃に加熱した後の(a)の担持触媒、及び(c)650℃に加熱した後の(b)の担持触媒、に対する粉末サンプルXRDスキャンの結果を示す。これらのスキャンにおける数の増加とピークの明瞭さはロジウム及び硫黄を含有する明確に示されたクリスタリットの形成を示す。温度処理によりXRDスペクトログラフに表されたこれらの変化は触媒安定性の対応する実質的な増加を示す。
【0027】
実施例2
8グラムの担持されない硫化ロジウムを下記の方法により調製した。即ち、12.1グラムのRhCl・xHO(ロジウム金属として与えられた39.88%)を、pH調整を行うことなく、700ミリリットルの脱イオン水に溶解した。次いで図1の図解に従って、キャリヤーガスとして窒素を使用し、周囲温度で硫化水素ガスを前記スラリーに散布した。この混合物を上述したように4時間反応させた。反応の終了後直ちに、残留HSを除去するために窒素を前記装置にパージした。残りの溶液を減圧濾過して前記固体を単離し、次いでこの固体を脱イオン水で洗浄し、そして125℃で乾燥して恒量とした。生じた触媒ケークを最終的に微粉末に粉砕し、そしてアルゴンを流しながら650℃まで2時間加熱した。
【0028】
比較例1
Vulcan XC−72活性炭上の酸化ロジウム/ロジウム触媒を、米国特許出願No.09/013,080(98年2月26日)に開示され、そして以下に繰り返す方法に従って調製した。9.43グラムのRhCl・xHO(ロジウム金属として与えられた39.88%)を2リットルの脱イオン水に室温で溶解し、そして生じた溶液を8.75グラムのVulcan XC−72と500ミリリットルの脱イオン水からなる分散液に添加した。この混合物を撹拌して均一な炭素スラリーを維持し、この間に水酸化アンモニウムの0.5モル溶液をゆっくりと(2〜3ミリリットル/分)添加した。Rh(OH)を生成するのに理論的に必要な220ミリリットルの水酸化アンモニウムに加えて、20%過剰の水酸化アンモニウムを塩基性環境を維持するために添加した。次いでこの塩基性スラリーを60〜70℃で30〜60分間撹拌し、そして濾過した。この濾過ケークを約200ミリリットルの脱イオン水を用いて60〜70℃で洗浄し、そして125℃で15時間空気中で乾燥した。
【0029】
生じた触媒ケークを次いで微粉末に粉砕し、そしてアルゴンガスを流しながら650℃まで加熱して、前記触媒を脱水し安定化した。炭素に与えられる触媒の量は、ロジウム金属として30%であった。この触媒粉末は、更に酸化ロジウムの一部をロジウム金属に還元するために、水素ガスを流しながら500℃で30分間加熱する活性化工程を更に実施された。前記米国特許出願No.09/013,080(98年2月26日)で強調されたように、ロジウム‐酸化ロジウム触媒の活性化はこの触媒の最も活性な形態を得るために必須である。
【0030】
比較例2
100グラムの担持された硫化白金が上述の実施例1の方法に基づいて調製され、ここでクロロ白金酸の溶液が塩化ロジウム塩の代わりに採用された。
【0031】
実施例3
上述の全ての実施例の触媒は、市販の(例えば、E−TEK社からの)Vulcan XC−72上の白金と共に、種々の異なる形状で利用できる。本発明の触媒はガス拡散電極の構造に限定されない。例えば、この実施例では、上記実施例と比較例のそれぞれの触媒は4種の異なるタイプの電極構造物に組み込まれ、これにより以下の方法に従って16種のサンプルを得る。
【0032】
a)ELAT: 縦糸と横糸の比が一単位であり、インチ当り約25〜50ヤーンであり、そして97〜99%の炭素含量を有する炭素布のウエブを10〜15ミルの厚さを有する市販の製品から選択した。5〜50ミルの厚さを有する炭素布もこの目的のためには有利に使用できるであろう。フッ素化重合体(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE,デュポン社からテフロン(R)の登録商標で商品化された)とCabot社から商品化されたShawiniganアセチレンブラック(SAB)炭素との混合物を前記炭素布の両面に被覆し、被覆後、合計被覆量が8〜10mg/cmに到達するまで、室温で空気乾燥した。次いで平方cm当り0.5〜2mgの触媒層が生じるまで、前記粉末化触媒とテフロン(R)の混合物を前記炭素ウエブの片面に多重に付与した。最終被覆の後に、前記炭素布を340℃まで20分間加熱した。
【0033】
b)単一側面のELAT: 前記SAB/テフロン(R)の混合物を4〜5mg/cmの被覆量で前記炭素布の片面のみに付与したことを除いては上述のELATの調製方法を繰り返した。この触媒被膜は同じ側の前記SAB/テフロン(R)の層の表面に付与された。
【0034】
c)貫流電極: 前記ELAT電極と同じ仕様を有する炭素布を選択し、そして触媒粉末とテフロン(R)との混合物の2〜5層を炭素布の片面に被覆した。この被覆した織物を次いで340℃で約20分間加熱して、1.03mg/cmのロジウム金属を得た。この最終加熱工程又は燒結工程はテフロン(R)を溶融してこれを前記炭素触媒中に分配すると考えられる。しかしながら、この燒結工程はこの電極に関しては不都合なく省略できる。
【0035】
d)膜電極アセンブリ: 約3部の触媒とSolutions Technology社(Mendenhall、ペンシルベニア州)から販売される1部(乾燥重量として)のNafion(登録商標)イオノマーから構成されて、メタノール、プロパノール、及び/又はブタノールのような低級脂肪族アルコールと水との混合物から成る懸濁液の状態のインクを調製した。このインクを、加熱された真空テーブルを用いて設置されたデュポン社から商品化されたNafion(登録商標)324イオン交換膜に、塗布又は噴霧によって付与した。公知のその他のイオン交換膜が代わりに利用されてもよい。0.05〜1mg金属/mの触媒が堆積するまで、インク層を更に付与した。このアセンブリを更に加熱して溶媒を除去し、そして米国特許出願No.09/184,089(98年10月30日)に開示されるような適当な電極支持体を用いて組み立てた。その他にも、上述の触媒インクは、電極支持体に付与され、次いで加熱されて溶媒が除去され、そしてイオン交換膜を用いて組み立てられて、同様の膜電極アセンブリに形成されてもよい。
【0036】
実施例4
ガス拡散電極に組み込む前に、HCl/Clの沸騰溶液のような腐蝕性媒体に対する本発明の触媒の抵抗力を簡単に測定でき、また従来技術の触媒及び種々の温度で調製された硫化ロジウムと比較できる。130グラム/リットルの塩素飽和HClを含有する250mlのビーカーの中に表1の触媒を1〜5グラム入れて、沸騰するまで加熱した。濃い色の発生は金属が触媒から溶け出したことを示し、従ってHCl水溶液から塩素を回収する装置に触媒が好適するか否かを証明できる。
【0037】
【表1】
Figure 2004507621
【0038】
この表から、硫化ロジウムの安定した状態を得るためには、多少の熱処理工程が必須であることが証明される。また貴金属の硫化物の全てが必ずしもこれらの条件下で安定するのではなく、更に、担持された硫化白金が不安定であることを考慮すると、これらの条件下において担持硫化ロジウムは比較的不活性であることが判明したことは驚くべきことである。
【0039】
実施例5
図3の図表に従って、実施例3の電極に電気分解の実験室試験を実施した。陰極と陽極との間には3mmの隙間が存在した。しかしながら、同じ結果が“隙間をゼロ”に調整して得られ、この場合、陰極と陽極は共に膜を押しつけた。露出した電極の表面積は6.45cmであり、膜はNafion 324であった。陽極は酸化ルテニウム触媒で活性化されたチタンメッシュであった。酸素が45〜50ミリバールの圧力にて理論量の5倍過剰の割合で陰極に供給され、そして17%塩酸水溶液の電解液(184±10グラム/リットル)を陽極に供給した。この電解液を、前記塩化水素の50%が消耗し、次いで新鮮な電解液が添加されるまで再循環させた。この50%の消耗により電池電圧が一次的に増加し、そして時間に対する電圧のグラフ上に“スパイク”として示された。電解液の流速は毎分4ミリリットル、即ち、120ミリバールの背圧で0.372m/時間/mであった。特に述べない限り、電池は3kA/mで駆動され、そして全ての電圧は電流コレクタ抵抗に対し補正されなかった。電池及び電解液の温度は電池金属端板及び空調装置に与えられる加熱テープを用いて55℃±5℃に保持された。
【0040】
商業的な電気化学的プラントにおいては、消耗部品の定期的な補修又は交換の状況を示すか、又は消耗部品の予定外の故障の状況を示す2つの一時的運転方法が行われる。定期的な運転停止に関しては、“管理された”方法が実施可能であり、これによりプラントの構成要素は組織的に停止されるか又は低い運転水準まで弱められる。特に、塩素は陽極側で脱ガスされ、また酸素は陰極側で窒素と置換される。反対に、予定外の故障(“管理されない”運転停止)を通じて、プラントの構成部品は典型的に最も厳しい運転状態に置かれる。特に、塩素と酸素は電池内に残され、その結果、厳しい腐蝕状態が生じる。本発明の目的は電気化学プラントで運転できる触媒及びガス拡散電極を提供することであるため、この触媒‐電極の集成体はシミュレートされ管理され、また管理されない運転停止において試験された。
【0041】
これらの2つの方法は種々の構成要素を停止する仕方が相違する。管理された運転停止に対しては、不活性ガスが陰極に供給され、そしてその整流器電流は徐々に低下し、次いで整流器が停止した。整流器が停止すると、ポンプが停止した。管理されない運転停止に対しては、陰極への酸素流が停止され、一方、電流又は流速が徐々に低下することなく、整流器とポンプの回路が突然に切断された。
【0042】
本発明の触媒を管理されない運転停止の下で試験し、そして最新技術の触媒と比較した。図4はELAT(商標)電極中の典型的な白金触媒を示す。操作電圧が1.15ボルトである限り、管理されない運転停止により触媒は電解液の十分な腐蝕力を受けて、電池電位は500mVを超えて増大する。図5は実施例3のパラグラフ(b)に記述されたように、単一側面のELATに組み込まれた比較例1のロジウム/酸化ロジウムの事例を示す。ここで、最初の安定した状態の電圧はちょうど1.2Vを超えており、そして活性化が行われた直後に、電圧は1.2Vの下の約1.18Vまで低下する。図6は実施例3のパラグラフ(b)に記述されたように、実施例1の硫化ロジウム触媒で作られた単一側面のELATの事例を示す。1.15Vの安定した状態の電圧が、電極内に組み込む前に、又は実験室試験装置内の運転中に、触媒の活性化を行うことなく、得られた。図6はこの新規な触媒は更なる活性化工程を行うことなく所望の性能を得ることができ、またこの触媒の活性度はHCl/Clの溶液の十分な腐蝕力に曝された後に維持されることを示す。
【0043】
実施例6
有機供給原料の塩素化の後に、多量の廃HCl水溶液が発生するため、再循環された酸溶液中に有機汚染物質は頻繁にかなりのレベルで存在する。酸素還元触媒を設計する一つの目的は高塩素イオン濃度の下でかなりの活性度を生じる触媒を提供することであるが、その他の目的は、既に述べたように、有機汚染物質の存在下でかなりの活性度を生じる酸素還元触媒を提供することである。このような触媒は、直接メタノール燃料電池(DMFC)の陰極のような用途に有用性を見つけることができる。この燃料電池において、陽極から陰極に渡るメタノールは、実施例4で挙げられた市販製品のように、白金をベースとする最新技術の触媒が使用される場合、陰極に対する毒物として作用する。いずれにせよ、メタノールは、有機分子の中で、遷移金属に吸着するための最高の活性度を有するものとして評価される。従って、メタノールの存在下における遷移金属をベースとする触媒の挙動は、有機汚染物質による被毒に対するこのような触媒の一般的な態度を正確に表している。
【0044】
有機分子の存在下で酸素を還元する硫化ロジウム触媒の有効性をポテンショスタット三電極装置を使用して評価した。三電極又は“半電池”の方法は1mのガス拡散電極のサンプルを不活性ホルダー中に取り付ける。このガス拡散電極のガス供給側はプレナム中に配置され、これにより過剰の空気又は酸素が低圧(10mm水のオーダー又はそれ以下で)で通過する。この触媒含有面(通常は電解槽又はDMFCの膜に対向する)は固定温度で0.5MのHSO中に保持される。補助電極がガス拡散電極の真向かいに置かれ、そして参照電極がこれら両者の中間に置かれる。一定の幾何学的配置が特別に組み立てられたキャップを用いて前記3種類の電極間に維持される。ポテンショスタットが電位を制御し、そして電流を測定するために採用される。電流遮断装置が電極に直列に設置され、そして内部抵抗(IR)が読み取り値から差し引かれる。メタノールのような有機分子を硫酸溶液に直接に添加すると、汚染物質の存在下において触媒の性能を迅速に評価できる。
【0045】
図7は、実施例4の市販のVulcan XC−72に担持されたPt触媒で活性化されたELATを、0.5MのHSO中70℃で半電池中において電位制御して陰極として作動させた事例を示す。メタノールを添加するごとに、最初の添加の時から、メタノール被毒に基づいて酸素還元電流の瞬時で実質的な減少が認められる。図8は、実施例1の硫化ロジウム触媒で活性化された実施例3のパラグラフa)のELAT(商標)を同様の状況下で作動させた事例を示す。この場合、陰極電位の変動はメタノールの最高濃度レベルにおいてのみ認められた。これら2つの図面は、触媒がメタノールの存在下で容易に酸素を還元できる限り、硫化ロジウム触媒の高い選択性を示す。
【0046】
比較例3
電気化学電池の活性領域が100mであり、陽極とタイプNafion 324の膜との間の隙間が2mmであり、そして炭素粉に担持された白金で触媒化された片面タイプのELAT陰極を有する図9に示した装置を用いて、工業銘柄塩酸を電気分解した。この目的のために、陽極液サイクルは400ミリバールの静水圧を受けて、前記膜をODCに押付け、このODCはそれ自体が陰極電流配電器の網を押付けて、電気的に接触する。陽極液サイクルの濃度は電池に供給される時に約14%に維持され、そして電池を出る時に約13%に維持された。この目的のために、陽極液はポンプで循環され、電気分解における濃度損失は新鮮な濃酸を回路に連続的に供給することにより補償された。電池を去る陽極液の温度はポンプと電池の間の熱交換器を用いて約70℃に制御された。電流密度は実験を通じて5kA/mであった。
【0047】
図10から明らかなように、化学的に純粋な塩酸を用いた電気分解を通じて、電池電圧は1.06〜1.08Vであった。活性炭で精製し、次いでBayer AG(ドイツ)から得られるタイプOC 1066の吸着樹脂で精製したイソシアネート工場から発生する酸を供給するにつれて、電池電圧は徐々に50〜60mV増大し、そしてこのレベルで安定化した。同様の装置を使用し、次の工程で同じように精製されたマルチプラントサイト(multi plant site)の塩酸をこの実験に供給した。その結果は、電池電圧が約260mVまで劇的に増加したことであり、この増加は運転停止後に少しだけ回復するが、白金触媒の感度は、特に第二タイプの有機汚染物質、例えば、重合されたエチレン及びプロピレンの酸化物及びアクリル酸エステルから得られる界面活性剤、に対して高くなることを示す。この結果は、前記ODCがNafion膜を用いて陽極区画室から油圧分離されるという事実から見て予想以上に驚くべきことである。
【0048】
比較例4
図9と同じ配置を有するが、炭素粉に担持されたロジウム/酸化ロジウムで片側が触媒化されたELATを有する別の実験装置を用いて、電池の挙動が以下の通りであることを確認した。化学的に純粋な酸の下での始動電圧は、図11から明らかなように、比較例3よりも約130mV高いことが判明した。この試験は4kA/mの電流密度及び60℃の温度で実施されたことに注目すべきである。マルチプラントサイト型の工業銘柄塩酸を供給し、そして活性炭を用いて精製し、次いでBayer AG(ドイツ)から得られるタイプEP63の樹脂で精製した後に、電池電圧は増大し、そして約100mV高い状態で安定化した。この挙動は、精製の限界を超えている有機汚染物質に対する感度が低下することを期待させた。しかしながら、この実験を通じて、触媒損失は、陰極液の排液中で測定された場合、ほぼ30%であった。これは電池電圧の場合と同様に、浸出されることに対するこの触媒の安定性が不十分であることを示唆している。
【0049】
実施例7
比較例3及び4と同じ配置を有するこの実験においては、ELATの片面に付与された炭素粉担持の硫化ロジウムをベースとする新規な触媒を、同じタイプのELATを用いた白金触媒と比較して、試験した。電流密度が5kA/mで動作温度が70℃の場合、化学的に純粋な塩酸を用いた最初の操業日を通じて、硫化ロジウムの始動電圧は白金触媒に比べて単に40mV高いことが判明した。活性炭で精製し、次いでBayerから得られるタイプOC 1066の吸着樹脂で精製したイソシアネート工場から発生する酸を使用すると、図12から分かるように、電池電圧は20mV高いだけで安定化した。白金触媒に関する電圧増加は40mVであった。マルチプラントサイトの工業銘柄塩酸に変更して、同様に精製すると、硫化ロジウムの場合の電圧は更に10mVだけ増大したが、白金触媒の場合には約260mVであった。タイプOC 1066の樹脂で精製する第二工程を省略すと、電池電圧の上昇は硫化ロジウムに関して10mVだけであった。精製しないで電気分解すると、硫化ロジウム触媒の場合、わずかに20mVの電池電圧の増加を示した。これらの最後の2工程は白金触媒に関して実施されなかった。精製が完全に実施された場合、電池電圧の増大の結果は、硫化ロジウム触媒に関して可逆的であることが判明した。
【0050】
実施例8
実施例7の場合と同様の配置を有し、硫化ロジウム触媒を使用した90日を越える長時間の試運転において、活性炭のみで精製されたマルチプラントサイトの工業銘柄塩酸又は化学的に純粋な塩酸を交互に供給した。驚くべきことには、工業銘柄の酸に基づく影響はほとんど見られず、これは図13から理解できるように、活性炭による精製が十分であることを示す。大部分がモノ及びジ−クロロベンゼンである有機不純物は、活性炭によって、1ppm未満のレベルまで低減された。
【0051】
実施例9
一つのエレメントの寸法が0.85mである4個のエレメントから成る電解槽を有するパイロットプラントを用いて、長時間試験を工業的条件下で実施した。図9に類似した構成の400ミリバールの陽極液圧力を有する集成装置において、運転温度を60℃以下に、そして塩酸入口濃度を約14重量%に制御した。始動期間が3kA/mであること除いて、運転を通して4kA/mの電流密度を維持した。280日以上の期間を通じて、マルチプラントサイト型の工業銘柄塩酸の大部分が電気分解された。この酸を活性炭だけで精製した。図14から理解できるように、エレメント電圧は極めて安定しており、ELAT型電極に装着された硫化ロジウム触媒の高い許容差を再び示す。その他の極めて明確な効果は運転停止の状態で電極間に差がないことである。このプラントを分極なしで16回運転停止させたが、電圧に対する影響は認められなかった。陰極液ドレン中のロジウム量を経由して測定される触媒損失量は触媒の合計量に対して合計で約6.5重量%であった。この損失の大部分は最初の始動及び最初の運転停止(約3%)を通じて生じた。正常な運転期間中に、触媒の損失は1.57重量%のみであることが判明し、従って運転停止中に触媒損失が減少すると共に数年間の電極寿命が期待される。
【0052】
実施例10
実施例7及び8の実験装置の研究用電池を用いて、硫化ロジウムで触媒化された貫流型の酸素減極陰極を、実施例7〜9のような活性炭のみで精製されたマルチプラントサイトの工業銘柄塩酸で試験した。この電極に純粋酸素及び空気を断続的に供給した。陰極供給ガスとして空気を使用した場合でも、電池は5kA/m以下で作動できることが判明した。工業銘柄の酸が利用されたという事実にもかかわらず、良好な性能の電池の驚くべき結果が得られた。即ち、4kA/mを加えると、電圧上昇はコンディショニングの3日後に160mVになることが判明した(図15を参照)。電流密度を5kA/mまで上げると、電圧は160mVまで増大した。空気流は、それぞれ1m/h及び1.7m/hであった。陰極ガス室の深さを20mmから5mmに減少させると、空気流速は5kA/mの場合に0.4m/hまで減少し、そして電圧は空気流の低下に応じて更に減少し、その結果、流路の寸法を小さくして排ガス交換速度を上げる時の作動形態を更に最適化できる可能性が示される。重要な結果は、硫化ロジウムで触媒化された貫流型の酸素減極陰極を使用すると、空気及び工業銘柄の酸を用いた作動が可能になることである。
【0053】
実施例11
RhSxで触媒化させた片面ODC及びこれに対比させるRhSxで触媒化させた貫流型ODCを使用した実施例10と同じ条件の下で工業銘柄塩酸を用いた比較の試験を実施した。純粋酸素に混入する窒素の量を増大させると、前記片面ODCに加える電圧が増加する。30%の窒素だけで、電圧は、窒素の割合が高くなる方向に激しく急上昇する状態で、1.6Vより大きいレベルに達する。これとは反対に、前記貫流型ODCの挙動は、図16から分るように、より小さな効果を示した。また、同じ非流動最適化陰極室を通るガス流を5倍増大させると、前記貫流型のODCに関して、電池電圧の増加は、70mVからほんの30mVまで減少することが示された。これは、前記貫流型ODCだけが劣化酸素又は空気を使用して作動できたことを示す。更に、RhSxで触媒化させたODCは塩酸中の有機不純物に対して耐性を有することが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】
担持され、又は担持されない硫化ロジウムを生成させるための反応構成を示す概略図である。
【図2】
炉温度の関数として硫化ロジウム前駆体のX線回折パターンを示すグラフである。トレース1:125℃で乾燥され、炭素に担持された30%RhSx。トレース2:アルゴン中300℃で乾燥され、炭素に担持された30%RhSx。トレース3:アルゴン中650℃で乾燥され、炭素に担持された30%RhSx。
【図3】
酸素減極ガス拡散電極を用いてHClからClを発生させるためのフローシステムの概略図である。
【図4】
代表的な白金触媒のデータを示すグラフである。1.1mg/mの30%Pt/Cが標準ELAT(商標)構造物に組み込まれ、0.70mg/mのNafionが被覆され、HCl/Cl溶液中において3kA/mで作動する。ELATは米国のE‐Tek,Natick(MA)の商標であって、炭素ウエブ及び触媒とこれに添加されたフッ素化結合剤との混合物を含むガス拡散電極を意味する。
【図5】
ロジウム‐酸化ロジウムを用いて得られたデータを示すグラフである。30%Pt/Cが1.1mg/mで単一側面を有するELAT(商標)構造物に組み込まれ、Nafionが0.70mg/mで被覆され、HCl/Cl溶液中において3kA/mで作動する。
【図6】
30%RhSx/Cを用いて得られたデータを示すグラフである。30%RhSx/Cが1mg/mで単一側面を有するELAT(商標)構造物に組み込まれ、Nafionが0.70mg/mで被覆され、HCl/Cl溶液中において3kA/mで作動する。
【図7】
1mgPt/m、30%RhSx/Cを有する片面ELAT(商標)のサンプルを、0.5MのHSO中において、70+/−2℃で、メタノールを使用又は使用しないで、作動させた場合のポテンショスタット電流‐陰極電位曲線を示すグラフである。メタノールは1、5、又は10容量%で添加される。白金箔3cm×2cmは補助電極として機能する。標準カロメル電極は参照電極として機能する。記録された電位は電流遮断法を用いてIRに関して補正される。
【図8】
RhSxとして1.05mgPt/m を有し、また30%RhSx/Cを有する実施例4の片面貫流電極を、0.5MのHSO中において、70+/−2℃で、メタノールを使用又は使用しないで、作動させた場合のポテンショスタット電流‐陰極電位曲線を示すグラフである。メタノールは1、5、又は10容量%で添加される。白金箔3cm×2cmは補助電極として機能する。標準カロメル電極は参照電極として機能する。記録された電位は電流遮断法を用いてIRに関して補正される。
【図9】
温度と濃度を連続的に制御しながら、種々の酸素減極陰極(ODC)タイプの高電流密度とアップセット(upset)温度を比較試験するのに適した実験装置を示す概略図である。有効電池領域は100mであった。
【図10】
分離したイソシアネート工場及びマルチプラントインプットサイト装置から成る異なる出所から得られる化学的に純粋な塩酸及び工業銘柄の塩酸の電気分解を通じて、白金で触媒化されたODCの電池電圧の挙動を示すグラフである。前記塩酸はそれぞれ活性炭で精製され、次いでBayer AG(ドイツ)で製造されたタイプOC 1066の吸着樹脂で精製された。
【図11】
ロジウム/酸化ロジウム触媒を有するODCで塩酸を電気分解した結果を示すグラフである。活性炭で精製し、次いでBayer AGにより製造されたタイプEP63の樹脂で精製した化学的に純粋で工業銘柄の塩酸を電気分解した。
【図12】
硫化ロジウムをベーとする新規な触媒を用いて異なる種類の塩酸を電気分解した結果を、白金で触媒化されたELATと比較して示すグラフである。
【図13】
化学的に純粋な塩酸と活性炭で精製された工業銘柄の塩酸とを用いて交互に作動させた硫化ロジウム触媒化ODCの結果を示すグラフである。
【図14】
0.85mの活性領域を有する4要素のパイロット電解槽中における触媒の長期間の挙動を示すグラフである。
【図15】
活性炭で予備精製した工業銘柄の塩酸の比較電気分解を示すグラフであり、研究用電池内において、純粋酸素及び空気が使用される。このODCは貫流型であった。
【図16】
劣化酸素、炭素粉で担持された触媒(片面型)及び直接に触媒化された導電性ウエブ(貫流型)を用いた動作に対する異なるタイプの構造を有するODCの感度を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 陽極区画室と少なくとも1つのガス拡散陰極を含む陰極区画室とを備えた電気化学的電池で塩酸水溶液を塩素に電気分解する方法であって、前記ガス拡散陰極は少なくとも1つの側面に酸素を電解還元する触媒被膜を備えた電気伝導性ウエブを含み、前記触媒被膜は硫化ロジウムと任意にその中に入れられた少なくとも1種のフッ素化結合剤とを含み、前記方法は、汚染物種を含有する塩酸水溶液を前記陽極区画室中に導入し、そして前記電池に直流電流を印加する間に酸素を前記陰極区画室中に導入することを含む、前記方法。
  2. 前記汚染物種は有機供給原料の塩素化の副生物として塩酸水溶液の製造から生じる有機汚染物である、請求項1記載の方法。
  3. 前記汚染物種は塩素化有機化合物の熱分解の副生物として塩酸水溶液の製造から生じる有機汚染物である、請求項1記載の方法。
  4. 前記汚染物種は、プラントのゴム又はプラスチックから成るライナー系と塩酸水溶液との相互作用又はこの系の別の有機化合物から成る浸出部分と塩酸水溶液との相互作用から生じる汚染物である、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
  5. 汚染物種を含有する前記塩酸は、活性炭を用いて予備精製される、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  6. 汚染物種を含有する前記塩酸は、活性炭及び少なくとも1種の吸着樹脂を用いて予備精製される、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  7. 汚染物種を含有する前記塩酸は、少なくとも1種の吸着樹脂を用いて予備精製される、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  8. 前記電気化学的電池の前記陰極区画室には空気又は劣化酸素が供給される、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  9. 前記ガス拡散陰極は貫流型陰極である、請求項8記載の方法。
  10. 前記電気化学的電池の前記陽極及び陰極の区画室はイオン交換膜によって分離される、請求項1〜9いずれかに記載の方法。
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